ハルヒ「東中出身、涼宮ハルヒ・・・只の」(557)

先生「では、次のかた自己紹介をどうぞ。」

ハルヒ「h」

キョン「俺の名はキョン!只の人間には興味は無い!!この中に・・・
    宇宙人、未来人、超能力者、無自覚の神が居たら俺の所まで来い・・・
    以上!頼むよ!!!」

ハルヒ「」
先生「」
クラスメイト「」

ハルヒ「・・・何なのかしら・・・あいつ、私の台詞を横取りする様な事を言ったわ。
    もしかしてエスパー?仲間を探して・・・とか!?話を聞かなきゃ!」

<ガラッ クラスメイト「ヒソヒソ」

ハルヒ「?どうしたの皆?」←自己紹介は普通にしたのでそれなりの第一印象だった
朝倉「あ、涼宮さん・・・ほら、あの人・・・・・・。」

キョン(ツインテール)「フンスッ」

ハルヒ「・・・うわぁ・・・・・・何アレ・・・・・・」
朝倉「話しかけない方が良いわよ・・・。」
ハルヒ「うん・・・。」






キョン(ファイブテール)「おい三日も放置か?」

ハルヒ「うわぁっ!!!」

ハルヒ「何よその髪型!!!宇宙人とでも交信しているつもり!?」

キョン「否っ!!!神とだ!!!曜日によって本数を変えている・・・日曜日は
    7本になる。」

ハルヒ「聞いてないわよ・・・・・・。」

キョン「しかしよく分かったな、俺が何かを交信しているという所まで突き止めたのは
    お前が始めてだぞ、ハルニャン。」

ハルヒ「なっ・・・何よそれやめてよ!!!気持ち悪いわ!!!」

朝倉「ハルニャン・・・。                    プッ」

ハルヒ「あんたも笑うな!!!」

谷口さん「涼宮・・・お前も大変な奴に関わったもんだなぁ。」

ハルヒ「あいつの事知ってるの?変態同士で繋がりがあるのね・・・。」

谷口さん「女子のバストサイズ表を作ったくらいでそれは無いだろう!?」

ハルヒ「私が男子のイチモツ表を作っていたらどう思うのよ?早く言いなさい。
    朝倉さんに言いつける前に。」

谷口さん「・・・・・・ごめん。 え、えぇと・・・ほら、お前な?昔学校の校庭に変な
     模様を描いたろ?石灰で。」

ハルヒ「えぇ、描いたわね。何も来なかったけど。」

谷口「あいつはな、それを鶏の血でやったんだよ。冬の日に、上半身裸で。」

ハルヒ「」

ハルヒ「うげええええぇぇぇぇぇぇ・・・・・・・・・。」

谷口「ま、まぁ他にも色んな噂があるんだよ。女子に声を掛けまくってナンパして、
   デートしまくるんだけど・・・何故か皆、藪だらけの山の中とか、蝙蝠が沢山居る
   洞窟とか、そんな所にしか連れて行かれなかったそうでな・・・。」

ハルヒ「・・・連れて行かれた子はどうなったの?」

谷口「どうも。そのまま別れてアデューだよ、本当にもう勿体無いぜアイツ。」

ハルヒ「・・・・・・そう。」







キョン「♪」←何やら製作中

ハルヒ「あんた、髪短くしたのね。」

ハルヒ「あんた、色んな部活に入っているそうね。どうだった?」

キョン「おぉ、ハルヒ。お前も入る部活が無いのか?」

ハルヒ「名前で呼ばないでよ・・・。本当は、私もやるつもりだったの。前にやった人が居るのなら
    感想を聞いておきたいでしょ?無駄が省けるしね。」

キョン「そうだな、涼宮。はっきり言って退屈だった。どこかに無いかなぁ、そんな部活。」

ハルヒ「・・・。」



ハルヒ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・っ!! あるわ!作れば良いのよ!!!」

キョン「何をだ?」

ハルヒ「不思議な部活よ!!!」

・・・ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!

ヨン「涼宮!!!着いたぞ、ここが新しい我等が部室だ!!!」

ハルヒ「・・・ェッ、ゲホッ!!!胸倉掴まないでよ、セクハラで訴えるわよっ!!!」

文芸部室前

ハルヒ「しかもここ、文芸部室じゃない!!!他に人が居るでしょう!?」

キョン「いや、俺の事前の調べではいないな。ここの学校の文芸部は、昨年度の三年生を
    もって廃部になっているんだ。」

ハルヒ「何だ、じゃぁ都合が良いって事ね。そうと分かれば早速よ!!!」

バンッ!

ハルヒ「・・・っ!!!」
キョン「・・・っ!!!」




「「誰も居ない・・・っ!!!」」ガラーン

キョン「・・・ちっ、眼鏡っ娘でもいれば華があったのに・・・っ!!!」

ハルヒ「おっとその台詞は聞き捨てならないわっ!!!ここに華が居るじゃない!!!」

キョン「どこだっ!どこに華が居る!!?」

ハルヒ「・・・まぁ、いいわ。とりあえずここを今日から私達のアジトにしましょう。正式な
    部活としては許可がおりない事必至だけれど、それでも・・・ここで」

キョン「不思議を探すんだな、ハルヒ。」

ハルヒ「名前で呼ばないで!」

キョン「ははは、そういえば名前といえば、この部活の名前はこういうのでどうだ?SOS団!
    意味は、「生徒社会を応援する世界作りの為の奉仕団体」だ!!!」

ハルヒ「・・・そうね、ま、いいんじゃない?正式名はともかく、略称は気に入ったわ!!!・・・
    そうだ、ついでにそれで部活としての登録は出来ないかしら?結構まともだから、許可は
    降りるかもしれないわ!」

キョン「そうだなハルヒ!!!」





キョン「教師に届出をだそうとしたら、いつもいないんだ・・・。」

ハルヒ(こいつが前科持ちだって忘れてた・・・。)

横から:原作でキョンがハルヒを名前で呼んだのは閉鎖空間内が最初です

ハルヒ「・・・あんた、どうしたのよその傷?」

キョン「・・・・・・いや、な?この部活にもマスコット的な人物が居ると良いんじゃないかと
    思ってな?」

ハルヒ「うんうん、そうね!時代は萌えよ萌え!可愛い子が良いわね!!!」

キョン「そう言うと思って勧誘に言ったんだ。そしたらな、」

ハルヒ「ふんふん。」

キョン「居ないんだ、可愛い胸の大きな、小動物的な女の子が。それで一生懸命校内を
    駆け回ってな、それでやっとこさ・・・見つけたと思ったら・・・グスッ・・・な、居たんだ。
    可愛い子が、二年生の鶴屋って人なんだけれど・・・。」

ハルヒ「あぁ、あの先輩ね!確かにあの人は、我が部活の名誉顧問に欲しいわ!!!で、どうしたの?」

キョン「無理矢理連れて来ようとしたら、キャーッて悲鳴と共に殴られてしまって・・・。」

ハルヒ「それでその様、と?」

キョン「いや、勧誘25回目にしてついに警察を呼ばれた。」

ハルヒ「怖いわあんたぁっ!!!」ビクビク

ハルヒ「全くもう・・・あんたは只でさえ教師にさえ怯えられているんだから、これ以上
    厄介ごとを増やさないでよね?いくら同士でも、擁護には限度があるわよ!」

キョン「すまんなハルニャン、面目ねぇ。」

ハルヒ「可愛く呼ばないで。注目を浴びたらどうするのよ!・・・注目、そうだ!サイトよ
    サイト、どうキョン!」

キョン「何がどうした?」

ハルヒ「インターネットでSOS団のサイトを作るのよ!そこで不思議を募集すれば、
    私達二人で探すよりよっぽど効率も上がるわ!予期せずして部員は全然集まらない
    し、それが良いわよ!!!」

キョン「そうだな、それは良いな!しかし、何で部員は集まらないんだろうな!!!」

ハルヒ「・・・あんたが鶴屋さんを泣かせるでしょうが・・・小動物みたいになってたわよ・・・。」

キョン「すまん。」

ハルヒ「まぁそれは解決した事だから良いとして、パソコンをどうしようかしら・・・。」

ハルヒ「すみませーん、コンピ研さーん。」

コンピ「はい、何でしょう・・・あ。」

キョン「よっ!パソコン一台貸してくれ!!!」   ピシャッ>

ハルヒ「あんたは出てこないでよ!!!問答無用で閉められたじゃない!!!
    素直に頼むしか方法は無いのに!!!」

キョン「強奪・・・とかは?」

ハルヒ「脅す材料が居ないでしょっ!!!あのっ、すみませーん!お話だけでも聞いて頂けない
    でしょうか!?こいつに変な事はさせませんから!!!」

コンピ「・・・本当ですか?」

ハルヒ「本当です!」(後一歩!!!)

・・・・・・ガラッ・・・・・・「どうぞ。」

ハルヒ「うわぁ、凄い・・・最新式のパソコンだ!」

コンピ「ふふっ、凄いでしょ。部費だけじゃなくて、皆でお金を貯めて買ったんです。」

ハルヒ(正直欲しいけれど、まぁあの旧式のでも良いかしらね。)「あ、あのですね、」

キョン「その最新式のが欲しいんですけれど。」←部長の手を取りつつ

ハルヒ(どえええええええええええええええええええええええええええええいっ!!!)

コンピ「最新式のが!?え??」 ジロッ

ハルヒ「い、いえ違うんです!そうじゃなくて、あっちの」

キョン「涼宮、妥協する事は無いぞ。強奪したってどうせこいつら泣き寝入りだ。絶対
    ゲームとかでも卑怯な手を使う、そんな屈折した表情をしている。」

ハルヒ「あんたは黙ってなさい!!!違うんです、ですからそこの」ムンズッ

ハルヒ「・・・え」
コンピ「・・・え」
キョン「・・・ニヤッ」

↑部長の手を押し当てる。             ハルヒの胸に。


ハルヒ「・・・・・・・・・・・うきゃあああああああああああああああああああああああああっ!!!」

ハルヒ「・・・・・・・・・・・・・・・プルプル」←胸を押さえ、部室の隅っこに居る。

キョン「いやぁ、良かったなぁ。只でパソコンくれたぞ?強奪とかじゃなしに、
    本当にくれたんだ!良かったな、ハル・・・」

ハルヒ「・・・うっるさああああああああああああああああああああああいっ!!!!よっ
    よくもよくもよくも女の胸ををか、勝手に男の取引の材料にいいいっ!!??」

キョン「落ち着け、ハルヒ。考えても見ろ、黒髪ロングの美少女おっぱいを数秒触れさせる
    だけで数万円のハイスペックパソコンだ、そんな悪くも無い取引だろう。」

ハルヒ「ばっ・・・び、美少女て・・・何よ、それ、そんなの・・・・・・ま、まぁいいわ。直接触られた訳
    じゃないし、別に何とも思っていないんだからね!!!」

キョン「おぅ、繋がった。とりあえず、ホームページを作るかな・・・。」カタカタ・・・

ハルヒ「聞きなさいよあんた・・・って、結構手馴れているわね。」

キョン「あぁ、何回か作った事があるんだ、この手のサイトは。」カタカタカタカタ・・・



コンピ平「部長!部長!!!」
コンピ平「部長・・・・・・右手が痙攣してますがどうかしましたか!?」
コンピ「しろくて・・・まぁるくて・・・・・・」

サイト完成!

ハルヒ「よしっ!これでまず、SOS団は一歩躍進ね!!!」

キョン「そうだな!!!さて、次はビラでも配るか。」ビラッ

ハルヒ「あら、用意がいいじゃない!早速配っていきましょう!」

キョン「・・・と行きたい所なんだが、実は今日俺、この後約束があるんだよ。涼宮、
    悪いが一人でやってくれないか?」

ハルヒ「何よ、あんたに友達でも居るっていうの?ふん、まぁいいわ。私一人でも
    配れる量だしね。バニーガールにでもなって行こうかしら?」

キョン「すまんな、マスコット代わりの美少女でも居れば任せられるんだが・・・あぁ、
    やっぱり俺も配ろう!行くぞハルヒ!!!」

ハルヒ「やめろバカこらバニーを着ないで・・・あぁっ!キョン!!!待ってバニー嫌ああああああ
    ああああああああああああああああああああっ!!!!!」


キョン「うおおおおおおおおおハルヒいいいいいいいいいいいいいいいっ!!!助けて教師が
    追いかけてくるううううううううううううううっ!!!!」

ハルヒ「名前で呼ばないでよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」

朝倉「あの二人何をやっているのかしら・・・・・・。」

前に「もしキョンがハイテンションだったら」みたいなスレ異常に
面白かった。イヤッホウウウウ!的なやつ。

ハルヒ「・・・今日は学校に行きたくないわ・・・。」

前日のバニーボーイぽろり事件の共犯者として一躍学校で有名になったらしく、
朝倉さんから注意喚起のメールが届いた。いわく、「キョン君の闇を振り払って
あげて!」だそうだ。・・・あの男に、そんな闇がある訳が・・・いや、闇があるから
いかれているのか。
とにかく、今日は休養と行こう。SOS団の事も忘れて・・・

キョン「おーい涼宮ー」

ハルヒ「忘れろ私アレは只の空耳よ。」

キョン「おーいハルヒー」

ハルヒ「眠れ・・・っ!眠れ・・・っ頼むから・・・っ!!!」

キョン「ジョン・スミスー」

ハルヒ「!?」ガバッ!!!

キョン「ジョン!どこに行くんだジョンっ!!!」ワンワンッ!!!

ハルヒ「・・・犬か。」

キョン「ったくあの犬は愛想が無いな・・・お、涼宮。お早う!」

ハルヒ「お早う」

>>27
このキョンはアレなのです。

>>38
kwsk

ちなみに書き忘れ事項
・ハルヒは髪が長いまま
・キョンは入学時長ロング、今は普通

キョン「いやぁ、実は昨日言っていた待ち合わせの人に会いに行ったらいなくてなぁ。」

ハルヒ「聞いてないわよ。」

キョン「そう怒るなよ、せっかくの仮病タイムを邪魔したのは謝るからさ、ホレ
    このお茶も奢るし。」

ハルヒ「・・・パフェもよ。」

駅前の喫茶店。私服で二人。

キョン「今日はどうしようかこの後、せっかくの休みだし・・・」

ハルヒ「誰のせいで休んでいると思っているのよ、全く・・・映画館とか図書館とか、そういう
    所には行けないわよ。一応、平日だからね。」

キョン「そうだな、じゃぁ不思議探索でもするか?」

ハルヒ「・・・っとそうね、忘れていたわ。不思議、不思議探索・・・うん、良いわね!そうしましょう!!!
    店員さん、これお代わり!」

キョン「・・・忘れてた?」

ハルヒ「?どうしたのキョン?」

キョン「いや、何でも。籤でも作ろうかってな。」ゴソゴソ

ハルヒ「籤?そんな物作ってどうするのよ?二人しかいないのに。」

キョン「”二人で探す”か”一人で探す”かの籤さ・・・ほれ、引けよハルヒ。」

>>41

ハルヒ「・・・名前で呼ばないでよ・・・っと、何コレ紅いわ。」

キョン「それは二人で行くって奴だな、当たりだ。」

ハルヒ「ちっ、外したわね。」ズズー

キョン「照れるなよハルヒ、飲んだら行こうぜ・・・まずは駅の近くから探してさ・・・」






ハルヒ「この辺は見晴らしが良いわね。平凡だわ。」

キョン「美少女から突然の告白が来るかもしれんぞ?」

ハルヒ「何よそれ、ギャルゲーかしら?」

キョン「いや、私は未来人です・・・ってな!」

ハルヒ「それは最高ね・・・あ、図書館がある。ちょっと行ってみる?不思議な本とか
    あるかも知れないわ!」

>>44
有難う!

ハルヒ「図書館ね。」

キョン「貸し出しカードでも作ってやろうか?」

ハルヒ「その位自分で出来るわよ、世間知らずのお嬢様じゃないんだから・・・あ、あれ
    面白そうね。エンディミオン?」

キョン「部室に無かったかそれ?・・・無かったか。」







キョン「この交差点・・・」

ハルヒ「どうかしたの?」

キョン「いや、巨人でも出たら面白いなぁと・・・あぁ、まぁありえないかな?」

ハルヒ「でもそれってすっごく面白いわよね!謎の巨人と戦う組織・・・とかどう!」

キョン「それで小説でも書くか!俺は・・・・・・」

ハルヒ「・・・・・・ってな事があったのよ。」

谷口「何だそれ!只のデートじゃねぇか!!!」

ハルヒ「ばっ何を言っているのよ!デートじゃなくてこれは部活!SOS団としての活動なのよ!!!
    勘違いしないでよねこの変態妄想狂!!!」

谷口「そうは見えないけれどな・・・ま、そうだよな。あいつには朝倉が居るし。」

ハルヒ「へっ!?」

谷口「何だ知らなかったのか?あいつ、朝倉に書いてたんだよラ・ブ・レ・タ・ア」

ハルヒ「うざいわよその言い方・・・でも、あいつが朝倉さんにねぇ・・・朝倉さんも、じゃぁそれを
    承諾したって事?」

谷口「いや、承諾したかは分からないが、俺はかなり高い確率でカップルになっちまうと思っているぜ
   チクショー。あいつの告白テクは凄まじいからな、どれだけ凄まじいかと言うと・・・」

国木田「校庭に血塗りの魔方陣を描いた事件の後も、普通に彼女を作れる位なんだよ」

ハルヒ「そうなの!?」
谷口「俺の台詞を取るなよ!!!」

国木田「これをここで言わないと、一生台詞が無い気がして・・・。」

ほうかご!

ハルヒ「・・・でも、気になるわね。朝倉さんへの告白・・・。ちょっと覗いちゃおうかしら?・・・
    来たわ!」←掃除用具箱の中に


ガラッ

キョン「WAWAWA忘れ物~ってな!」<ピシャッ!

ハルヒ(あいつ何歌ってんのよ・・・。)

キョン「・・・よし、これで良し、と。後は朝倉からの告白を待つだけか・・・。」

<ガラッ

朝倉「あ、キョン君!」

ハルヒ(来たわね・・・どうなるのかしら?)ワクワク

朝倉「ねぇ、キョンく・・・」

キョン「あぁ、朝倉!急に呼び出して悪いな・・・まぁ、何だ。もう分かってるだろ?早く言うぜ・・・





お前を殺して、涼宮ハルヒの出方を見る。」

朝倉「え?」
ハルヒ(なっ!?)
キョン「そらよっ!!!」

ヒュッ   ・・・ガッ!!!

朝倉「えっ・・・きゃあああああっ!!!????」

振るわれたナイフは、朝倉の制服を軽く裂いた。

朝倉「ま、待ってキョン君!意味がわ、分からないし笑えないわ!」

キョン「あぁ、なんせ本気だからな。」

ヒュッ!ガッ!!!ガシャンッ!!!待って・・・待ってよキョン君!!!

ハルヒ(な・・・何よ・・・え・・・何が起こって・・・!?)

 「あいつはアレを、鶏の血でやったんだよ・・・」
 「女の子を藪の中に・・・」
 「25回目で警察を呼ばれた・・・」


 「彼の闇を、振り払ってあげて!」


ハルヒ「・・・・・・・・・っ!!」

キョン「でやあああああああああああっ!!!」

ヒュンッ!!!

朝倉「きゃあああああああああああああああっ」ガシッ!!!


キョン「・・・・・・。何をしているんだ?」

ハルヒ「それはこっちの台詞よ!!!」

ナイフの刃先は、涼宮ハルヒの右手でしっかりと握られている。健康的な肌は赤く上書きされ、
血はポタポタと垂れ袖口を紅く染めている。

ハルヒ「あんた・・・やっぱり只の異常者なのね!!!ずっと、ずっとずっとずっと!朝倉さんを
    殺す気でいたの!?」

キョン「そうとも言えたしそうでもないな。」グリッ

キョンはナイフの柄を捻り、そのままハルヒの手を振り払う。激痛と広がった傷で右手はまともに
動かず、ハルヒは涙を浮かべる。声は声にならない。

朝倉「涼宮さん!!!」

キョン「お前も鍵じゃないのか・・・どうしたもんなかなぁ・・・・・・。」ボリボリ

頭をかきながら、キョンはナイフを放り捨てる。用無しと言わんばかりに。


キョン「俺の負けだ、涼宮ハルヒ。またしても鍵は揃わなかった・・・・・・。」

ハルヒ「何を・・・言って・・・・・・」

キョン「言っているのか、分からないんだろ?じゃぁ分からないよ・・・。」

ハルヒ「キョン、あんた・・・?」

キョンの目は、しかし異常者のそれでは無くて。どちらかというと、理路整然と行動してきた様な、
そんな目で・・・。

キョン「ハルヒ、俺は異常が大好きだ。非日常が大好きだ。宇宙人や未来人、超能力者に囲まれて・・・
    そして、おてんばな神様と共に暮らしていける様な、そんな日常が大好きだ。」

声は震え、嗚咽も混じる。右手の熱さを感じながら、後ろで支える朝倉の体温を感じながら・・・それでも、
キョンの声は冷たく響く。

キョン「どこで・・・間違えたんだろうな、どこで・・・。」

ある宇宙人が居た。読書好きでひどく寡黙なそいつは、人間になりたいと願いその力を全て
使った。そして、今ある世界とは別の歴史を辿った世界を生み出したのだ。それは恋をしたい
と願った少女の、たった一つのエラー。

しかし少女は少年に選択を託す。元の世界に戻るのか、それともこのまま自分と歩むか。
少年は言う。

キョン「元の世界に帰りたいって・・・」

願いは叶った、「もし何も無ければ」。

宇宙人には敵が居た。宇宙人の故郷の、その遥か上方より来る敵。


キョン「元の世界に帰りたかったのに・・・何故か、それは叶わなかった!俺は、三年前の「この世界に」
    飛ばされたんだ!

    宇宙人も!

    未来人も!!

    超能力者もいない世界に!!!」

元の世界に戻れず、しかし改変された世界の様に鍵も見つからず。

キョン「俺は必至で探した!なのに誰もいなかった!長門も、朝比奈さんも!古泉の野郎も!!!」

情報統合思念体も、未来人のいけ好かない男も、組織も、それ以外の何もかもも!どこにも!!
そしてやっとめぐり合えたハルヒは「不思議探索を忘れる様な、SOS団を忘れようとする様な女」で!
鍵としての可能性があった朝倉も「エラーの無い、只の一般人」で!!!

唯一の救いは「大人になった未来人の少女」だった・・・彼女が居れば、何を失敗してもまた3年前に戻れた!
必ず、元の世界に戻ろうという気力が湧いてきた!!!

キョン「だが、それも今回は全く現れないんだ・・・この世界は、俺が逆行を繰り返す度に少しずつ改変されていて、
    そして少しずつ・・・「普通の」世界になっているんだ。そこには宇宙人はいない、TPDDも存在しない、閉鎖
    空間も発生しない!!!普通の・・・空間!!!」

朝倉「あ、あなたいい加減にして!一体何を言って!!!」

ハルヒ「ま、待って・・・朝倉さん。もう少しだけ、あいつの話を聞かせて。」

朝倉「涼宮さん・・・。」

先生「では、次のかた自己紹介をどうぞ。」

ハルヒ「東中出身、涼宮ハルヒ・・・只の探偵さ」

キョン「そこ、わr」

ハルヒ「バーローw」
先生「バーローw」
クラスメイト「バーローw」

キョン「あぁ、俺はもうあの世界に戻れないんだ・・・あの世界には!!!異常な事をすれば、
    向こうへの扉は開かれると思った!でも、そんな素振りは一向に見えなかった!!!」

キョン「もう、駄目なんだ・・・俺は、長門と話したい。朝比奈さんのお茶が飲みたい。古泉と一緒に
    ボードゲームに興じたい。・・・それに何より、髪の短いあいつに会いたい・・・。」



ハルヒ「。ジョン・スミス。」

キョン「・・・?」

ハルヒ「・・・っジョン・スミス!!!」

キョン「・・・・・・!?」
朝倉「?・・・・・・???」

ハルヒ「ジョン・スミスって名前に聞き覚えは無いの!?コラーーーーーーーーーッ!!!!!!」

ハルヒ「ジョン・スミスってのは私が中学校の頃、校庭に宇宙人文字を書いた時に会った
    人間の名前!!!心当たりは無いの!?」

キョン「あ、ある・・・。俺が昔名乗った名前で・・・」

ハルヒ「思い出したわ、あんたはそのジョンにそっくりなのよ・・・何よ。まだあるじゃない
    不思議が!「過去を遡る少年」がっ!!!どこが普通よ、言ってみなさいよ!!!」

ハルヒ「そんな面白そうな話を勝手に諦めないでよ!!!」

キョン「・・・・・・ハルヒ・・・・・・。」

キョン「・・・だが、それが何だっていうんだ・・・?今、過去に戻れなきゃ意味が無いんだ・・・」

ハルヒ「だからあんたバカ?この世界がもう普通の世界なら、この先何百年経っても未来から
    来る技術なんて出来ないじゃない!あんたが過去に戻った事が事実で、それが私の
    記憶にあるのなら・・・過去に戻るタイムマシンは作られるって事でしょ?」

ハルヒ「まだ諦めるのは早いわ、キョン!何よ何よ楽しくなって来たじゃない!これよこれ
    不思議!不思議ねこれは本当に・・・ねぇ、キョン?他に何かヒントは無いかしら?
    これはきっとSF物の話なんだろうけれど、きっと推理物的要素も含んでいると
    思うのよね!その謎を解くにはヒントが要るのよ、早く思い出しなさい!」

朝倉「あ、涼宮さん・・・?まずは病院と、それから警・・・」

ハルヒ「シャラップ、待ちなさい宇宙人候補。そんな物お呼びで無いわ!」

朝倉「えぇ~・・・!?」

キョン「あ、あの・・・涼宮さん?お前、あぁ・・・お前は・・・・・・っ!!!」

ハルヒ「待ちなさいキョン、お前って何よ。きちんと名前で呼びなさい!!!」

ハルヒ「SOS団団長の名前をね!!!」

・・・数日後。

朝倉「涼宮さん!?何で私がナースの服を着せられているの!?」

ハルヒ「いいじゃない似合っているんだから!!!」

右手に包帯を巻いたハルヒが、快活に笑いながら朝倉さんをいじっている。キョンはそれを
やれやれ、と言った顔で見ていた。

ハルヒ「キョンも何か言いなさいよ、褒め言葉とか褒め言葉とか褒め言葉とか!」

朝倉「あ、キョン君何タダで見ているんですかー?お金取りますよー?」

あんな事があったせいか、朝倉は多少キョンに厳しい。しかし、持ち前の気持ち良さと勘の良さで
キョンの闇が薄まった事を悟り、少しは優しくなった方だ。

朝倉「涼宮さんの右手に痕が残ったらキョン君、きちんと責任を取りなさいよねぇー!」

ハルヒ「バッ何を言っているのよ!!!」

キョン「あぁ、全くだ!!!」

どこかの小動物と比べると、扱いは一筋縄ではいかない様で。

ハルヒ「と、ところでそっちはどうなっているのよ!?」

キョン「あ、あぁ今見ている所だ!」

話を逸らして、パソコンの画面を覗き込む二人。ニヤニヤしながら、朝倉もその画面に目を
合わせた。それはSOS団の公式サイトで、地道な演出が効いてかメールが届く様になったのだ。
サイトを消失させる演出が、恐らくは最も効果があっただろう。

ハルヒ「あら、結構来てるわね。」

朝倉「有力な情報はあるの?その、3人の・・・ナガト、アサヒナ、コイズミ・・・さんだっけ?」

キョン「あぁ、名前を出す訳には行かないから、かなり苦戦しているけれど・・・」

でも、もうすぐに会えそうだ。

キョン「県内最多読賞の高校一年生、茶道教室の行事写真、ボードゲーム大会の入賞者・・・最後の
    こいつは本物かなぁ?疑わしいぜ。」

ハルヒ「酷い事を言うわねキョン、でもまぁ良いわ。そんな事、実際に探して確かめれば良いじゃない!」


   「SOS団、発進よ!!!」


  完。

なんだこれ
なかなかどうして良SSじゃないか

・・・という訳で、拙いながらもお付き合い頂き真に有難うございました。数日前にふと思いついて、
唐突に書き出したので文章がアレだったり構成が未熟だったりで読み辛いですが、ご容赦下さい。

いやぁ、疲れた!これだけで疲れるんだから、本物の小説家さんは本当に大変でしょうねぇ!!

え、終わり・・・?
おつ

>>72>>74
すまん、後半戦も書ける物ならば書きたいけれど、脳みそがアレで書けないんですよ。
誰か書いてくれるなら頼むぜ!

いやいやマダ続くだろ

>>1
誰かが続き書かないとずっと保守され続けるぞ
どうせだし休んだら続き考えてくれ

>>80>>81
あまり期待はしないでくれな・・・その、クオリティの方は。

プアアア~・・・

ハルヒ「いやぁ、お早う!」

朝倉「お早う、涼宮さん。右手の調子はどう?」

ハルヒ「もうばっちりよ、見て!跡形も無いわ!!」

朝倉「そう、良かったわね!・・・いや、残念なのかしら?もうキョン君にあれこれ気を遣って
   もらえなくなるし・・・」ニヤニヤ

ハルヒ「何言っているのよあなたは!!!全くもう・・・キョンはまだ来ないのかしら!」

朝倉「まぁ、今は始発だしね。彼の家からこの駅遠いし、今頃寝坊しているんじゃないの?」

ハルヒ「遅れたら死刑よ!ご飯奢らせまくるわ!!」

朝倉「どっちよ。」






キョン「うおおおおおおお妹よ!そこをどいてくれえええええええええええっ!!!」
妹「キョンくんカバディカバディ~」ドコドコ

ハルヒ「遅い!死刑!!罰金一万円よっ!!!」

キョン「俺の家計に死刑宣告!!!」

朝倉「ボケてないで早く買いましょうよ、私お腹ペコペコよぉ~。」

ハルヒ「それもそうね、もう始発まで時間無いし・・・あぁ何この弁当、紐を引くと温まる
    シュウマイ弁当?」

朝倉「それおいしそうね、私も買おうかな・・・いや、でもこっちの方が美味しそう・・・ねぇ
   これにしない?」

ハルヒ「世界の三大珍味が勢ぞろい・・・良いわね、これにしましょう!」

キョン「本気で俺の財布を軽くする気なんだな・・・まぁ、ハルヒらしいっちゃハルヒらしいが。」

ハルヒ「・・・何よ。「向こうの世界の私」も、いつもこんななの?」

キョン「あぁ、鬼だ。」



朝倉「え、そっちの安いのにするの?じゃぁ私もっと高いの買おっと!」
キョン「テメェ朝倉!!!」

一向はまず、「県内最多読賞」の少女へ会いに行く事にした。茶道教室は日にちと場所がマチマチで、
ボードゲームの少年は詳細が詳しく分からなかった為だ。

ハルヒ「・・・で、その最多読賞の子が問題のナガトユキちゃんね?あんたがこうなる原因である宇宙人
    ってのは・・・ワクワクするわね!どんな不思議ちゃんなのかしら!!」

朝倉「そして、「向こうの世界の私」のパートナーである・・・と。信じ難いのよねぇ。」

ハルヒ「それは間違い無いわよ!あの時、あの場に居なかった人間にしか知りえない事をこいつは知って
    いたんだからね!3年前の写真と見比べたら、ジョンとは背格好が全然違うんだもん。」

キョン「あぁ、確かにあの時のハルヒは縞パンで、俺にだけ模様を描かせて、寒いとかお腹すいたとかで
    喚いて、警備員に見つかりそうな時はこっちにギュッと抱き・・・」

ハルヒ「勝手な事を言うなああああああああああっ!!!そんな事、あっちでもこっちでもする訳無いでしょう
    があああああああっ!!!」ドガバシィッ!!!

キョン「いったぁ!!!」(頬が)
ハルヒ「いったぁ!!!」(右手が)

朝倉「前途多難ね・・・」モグモグ

ハルヒ「着いたわ、ここね。」

キョン「また随分と田舎なんだなぁ、ここは。見える範囲が全部田んぼだぞ?」

朝倉「うわ、道を鹿が歩いてる・・・。」

ハルヒ「とりあえず聞き込み開始よ、不思議探索の第一歩はまず人に聞く事!すみませーん、
    駅員さーん!!!」

キョン「元気だなぁ・・・。」

朝倉「ほら、キョン君も荷物持って付いて行く!あの子の右手はまだ完治してないんだから!!!」

キョン「分かったよ、待てハルヒ!!!」スタスタスタ・・・

朝倉「・・・さぁて、と。不思議探索・・・ねぇ。向こうの世界の私なんてイマイチぴんと来ないけれど、
   まぁ牧歌的な町で息抜きするのも悪くないわ。護身用のナイフも持ってきたし♪」※犯罪です

駅員「う~ん、その子の事はよく分からないけれど・・・図書館設備が整っている高校なら、
   心当たりがあるね。そこの地図の・・・そうそう、端っこにある方のここだよ。」

ハルヒ「有難うございました!・・・・・・やったわキョン!早速宇宙人ゲットよ!」

キョン「まだ捕まえた訳じゃないだろう、気を抜くな道具を揃えろ!」

朝倉「虫取り網は必要じゃないと思うわ。」

キョン「何を言う朝倉!お前は長門の可愛さを忘れたのか!?あの儚く消え入りそうな、
    繊細なガラスの様な可愛らしさを・・・妖精の様に、消えてしまいそうなあの長門を
    手で捕まえられると思うのか!?」

朝倉「忘れたとか以前に会った事も無いし!」

キョン「あれ程長門LOVEだっただろうが!長門の為に生まれ長門の為に死んだんだぞ!!!」

朝倉「私ってそんなキャラなの!?というか死ぬって何!?」

ハルヒ「もう二人共静かにしてよ!もう高校まですぐそこなのよ!?怪しまれたらどうするのよ。
    長門ちゃんが逃げたら一大事だわ!」

朝倉「だから何で虫取り網を持っているのよ!!!ねぇ二人とも!!!」

キョン「うおおおおおおお長門おおおおおおおっ!長門おおおおおおおおおおおおおおっ!!!」

教師A「そっちに行ったぞ捕まえろ!!!」
教師B「押さえ込め!あっ逃げたぞ!!」
キョン「ふははははは妹のカバディを潜り抜けてきた俺を捕まえられると思ったかーーーーーーーーーっ!!!」


ハルヒ「・・・忘れてたわ、キョンってああいうキャラなのよね。」

朝倉「涼宮さんは虫取り網使わないの?」

ハルヒ「あんなの冗談に決まってるじゃない・・・・・・。」


キョン「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお長門おおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
    おおおおおおおおああああああああああああああああっ!!!!!!」



???「!??」ビクッ
???「どうしたの長門さん?」

キョン「・・・・・・っ長門!?」

???「!!」タタタッ

キョン「待ってくれ長門!!!俺は怪しい奴じゃない!!!ちょっとお前に話があるんだ!いや
    お前に会いたかったんだ!こっちを向いてくれ!長門!!!俺の事を覚えていないのか!!!
    向こうの世界ではあれ程仲良くやっていたじゃないかあああああああああっ!!!」

ハルヒ「だからあんたは怖いのよバカッ!」ボガッ!
朝倉「余計悪い方に行くわ!!!」パカンッ!!!
キョン「痛い!!!」

教師B「まだ仲間が居たぞおおおおおおおおおっ!!!」
教師A「一網打尽じゃあああああああああっ!!!」

キョン「クソッ流石に10人はキツいな!」

朝倉「何で全員農具を持ってるのよ!百姓一揆かしら!」

ハルヒ「教師との鬼ごっこも面白いけれど、今はそんな事してる場合じゃないのよね・・・キョン、朝倉さん、
    一旦散りましょう!集合場所は例のところで!!!」

朝倉「分かったわ!健闘を!!」

キョン「うおおおおおおおおおおおおおおおおレイ!?どこ!!??綾波!!!???」

ハルヒ「アデュー!」スタタタタタタタタタタタッ

教師B「散ったぞ!追え!追えーーーーーーーっ!!!」
教師A「一人残さずすけこましたるーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」

朝倉「ハァ、ハァ・・・何とか撒いたかしら。涼宮さん、無事だと良いなぁ。」

朝倉「さて、ここは・・・花壇の近く?図書館に行けばナガトって人に会えるのかしらね。
   うふふふ、こうなると楽しみになってくるわぁ。」

朝倉「あぁ、でも「長門さんなら、図書館には居ませんよ。」

朝倉「・・・っ!」

???「出てきなさいな、不法侵入者さん。」

朝倉「・・・参ったわね、見逃してくれないかしら?」

???「そういう訳にも行かないのですよ、一応この国は法治国家な訳ですし?ほらほら、
  おいでなさいな。別にとって喰おうと言うんじゃないですよ?」

朝倉「・・・そんな事言って、じゃぁその手の武器は何かしら?まるで優等生だけに似合わない
   わね、もしかしその顔、作り笑顔?笑ってま~す演技で~♪って感じよ?」

???「ま、おおむねその通りですけれどね、不法侵入者さん。・・・私は喜緑、キミちゃんて読んでね。」

朝倉(こいつ、強いわねぇ・・・。)スラァッ・・・チャキンッ!!!

ハルヒ「ハァ、ハァ・・・皆逃げ切れたかしら、心配よねぇ・・・特にキョン。あいつ、何をしても
    変な方向に持っていくんだから!この間のデートみたいに上手く・・・ってあれはデート
    じゃない!もう何よバカ谷口!!!」

ハルヒ「それはともかく図書館よね・・・でも、これだけ騒ぎになっているからには、普通に教室とか
    で避難している可能性もあるわね、何せキョンのヤバさは本当に何かするんじゃないかって
    位だったんだから。」

ハルヒ「でも教室には容易に近づけないし、う~ん、それなら・・・顔は見られていないだろうから、
    カチューシャを外して・・・と。後は・・・・・・」コソコソ

ハルヒ「ちょっと小さいけれど、この体操服を借りるわね!使った後っぽいけれど、この際変装には
    必要不可欠だから仕方ないわね!」

教師C「ちょっとあなた、何やってるの?」

ハルヒ「え!?あ、いやその・・・」

教師C「あなた、一年の長門さん?ほら、教室に戻って。・・・ってアレ、手、怪我してるじゃない!」

ハルヒ(えっ・・・あ、傷が少し開いて・・・)「い、いえ大丈夫です!これ位平気です!」

教師C「何を言っているの!そうやって放っといて、悪い菌が感染したらどうするの!?この辺は
    私は確かに昨日まで都会暮らしだったけれど、だからと言って破傷風の怖さを知らない訳
    ではありませんからね!ほら、こっちに来なさい!!!」

ハルヒ(しまった何よこの熱血教師!)「いやちょっと本当に大丈夫ですから~・・・」

キョン「ハァ、ハァ、・・・全く、皆無事だと良いがな・・・朝倉は宇宙人じゃないし、
    今のハルヒに世界改変能力は無いから・・・」

キョン「とはいえ、ここは信じるしか無いだろう。あいつらなら教師位平気さ、寧ろ俺の
    社会的な立ち位置がピンチだ。捕まったら本気で通報してきやがるからな。」

キョン「長門なら、きっと図書館に居るだろうから、そっちに向かうか・・・あいつなら、この
    非常事態にも本に埋もれていそうだ。」

キョン「・・・おっと、これは僥倖。見取り図だ!」

ヨミヨミフムフム

キョン「図書館はこっちだな・・・しかし、何だこの音は?まるでナイフを何かにぶつけている
    様な、鋭い音だな。」

教師B「居たぞーっ!主犯格だーーーーっ!!!」
教師A「あいつはいてこましたるーーーーーーーーーーっ!!!いてこましたるでーーーーーーーっ!!!」

キョン「ちっ!只単に県内多読賞の少女に会いに来ただけだってのに、一体何が原因でこうなっちまったんだ!」←

朝倉「ハァ、ハァ・・・厄介ね、あなた・・・。」キンッ!

喜緑「ハァ、ウッ・・・あなたもね、ふふふ・・・。」カンッ!


ナイフ→的


朝倉・喜緑(まさかダーツの腕がこんなにも凄まじいとは・・・)

朝倉「カナダ仕込のスローイングナイフ!!!その味を教えてあげるわ!!!」

喜緑「私だって喫茶店の厨房で鍛えましたから!負けられないですね!」

朝倉「何で鍛えるのよ!喫茶店のどこにナイフを投げる要素があるの!?」シュッ!

喜緑「私だってカナダが本場みたいな情報聞いた事ありませーん!」シュッ!

朝倉「カナダが本場だなんて言ってませーん!厨房の方がおかしいですぅー!」シュッカン!

喜緑「厨房にあるコルクボードに注文書を貼り付ける時に使うんですぅーだ!」シュッキン!!

朝倉「普通に貼り付けなさいよ!間違って店長にでも当てたらどうするの!!!」シュッカ!!!

喜緑「ま、まだ一回しか失敗してませんもん!喫茶店もクビになってなんかいませんもん!!!」シュッコツ!!!

朝倉「なら泣くなーーーーーーーーーーっ!!!」シュシュシュシュシュッ!!!

ハルヒ「あの・・・もう良いですから・・・」

教師C「な・・・もういいって何なの!?こんなナイフを掴ませて捻った様な傷!!!どうやったら
   出来るのよ!?」

ハルヒ「あの・・・ですからちょっともう・・・」(虐待を疑われてる・・・。)


キョン「うおおおおおおおおおおおおお長門おおおおおおおおおおおおおおっ!!!」

教師A「天狗じゃああああああ天狗が出たぞおおおおおおおおおおおっ!!!」
教師B「何つー身のこなしじゃあああああああああっ!!!」


キョン「ふぅ・・・何とか撒いたか、全くしつこい奴等だぜ・・・お、ここはもしかして・・・あぁ、やっぱりだ!
    ここは図書館だ。」

キョン「長門さ~ん、いるかなぁ~・・・?」ソォ~・・・

???「!!!!??????」ビビックビクゥ!!!!!

朝倉「ね、もう良いでしょ?泣かなくても・・・」シュッ

喜緑「だ、だって・・・グスッ、ね?て、てんちょーが、パフォーマンスしたら売り上げ伸びるかもって
   言うからね?あたしも頑張ったっちゃ?」

朝倉「そうねーえらいねー。」シュッ

喜緑「そったらね、う、うっかりてんちょーのカツラに引っ掛けちゃってね?注文書ごとコルボーに
   貼りつけちまったんよぉ?」

朝倉(コルボー?)「・・・ま、まぁお客さんに見えなかったんでしょ?」

喜緑「・・・ばっちり。そったらね、そったらね?てんちょーね・・・」

朝倉「うわぁ・・・」(ヤバい、話が長引いてきたわ。涼宮さん、キョン君、どうかご無事で・・・私は
   リタイアしそうだわ・・・。)

ハルヒ「うん、ですから家庭環境はもう大丈夫で・・・」

教師C「本当に!?本当に大丈夫なのね長門さん!じゃぁ、これ、先生の携帯番号!困った事があったら
   いつでも連絡して!先生必ず相談に乗るから!」

ハルヒ「はい、はい、じゃぁさようなら、心配してくれて有難うございます!」

ハルヒ(考えてみれば体操服着ても変装にならないじゃない・・・私何を考えていたのかしら。でも、
    とりあえず教室は分かったわ、この体操服があったのは1年3組の靴箱。よし、出発!)

キョン「・・・・・・長門、か?」

???「・・・・・・何で、知っているの?・・・・・・私の名前。」フルフル

長門「わ、私、どこかで・・・」

キョン「長門おおおおおああああああああああああああああああっ!会いたかった!会いたかったぞ長門おおおお
    おおおおおあああああああああああああああああああっ!!!」

ダキッギュウウウウウウウウウウウウスリスリスリスリスリ・・・・・・・・・

長門「あふんっ!?」カァァ・・・

キョン「会いたかったぁぁぁ会いたかったぁぁぁ会いたかったぞ長門おおおおいおいおいおいグスッ、AKB48の曲ばりに
    会いたかったんだぞ長門おおおおおっ!!!」

長門「・・・わ、」

キョン「ん?どうした長門?」スリスリスリ←長門の顔に頬ずり中

長門「我が体にふ、触れるなぁ・・・下等な人間めぇ・・・」フルフル

キョン「!?」

長門「わ、私の右手が黙っているう、内が華だよぉ・・・?あっち行けぇ・・・!」


キョン「・・・・・・厨二病の長門も可愛いなぁ。」スリスリスリスリスリ

長門「あはぁんっ!?」

ラメェェェェェ・・・・・・

喜緑「この悲鳴は・・・長門さん!?」

朝倉「えっ長門さ・・・あぁ、そうだった目的を忘れていたわ、ねぇあなた長門さんの友達?」

喜緑「えぇ勿論!私は長門さんの為に生まれて長門さんの為に死ぬんですよ!待ってて長門産!
   今助けますからねえええええええええええええええええっ!!!!!」ドドドドドドドドドド・・・

朝倉「・・・私ってあんなキャラなのかしら・・・?」

ハルヒ「朝倉さん!今の悲鳴は何!?」

朝倉「涼宮さ・・・って何その体操服?」

ハルヒ「細かい事は放っておいて!とにかく行きましょう!!!キョンが長門さんを図書館に追い詰めて
    いきなり抱きついた挙句頬ずりしまくってドン引きさせている姿が目に浮かぶようよ!!!」

朝倉「え、えぇ!!!確かにそれは凄い浮かぶわ!!!もっと凄い事しでかしてそう!!!」

長門「あわわわわっ!!!」

キョン「長門おおおおおおおおおおおおおおおっ長門おおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!
    よぉしよしよし可愛いぞこいつめぇぇぇぇっ!!!」

長門「いやあああああああぁぁぁ~・・・。」

喜緑「あ、あんた長門さんに何て事を!や、やめてそんな所まで見ないで!!!いやああああああああああああ
   長門さああああああああああああああああんっ!!!」

ハルヒ「ハァ、ハァ・・・やっと着いた。・・・何してんのキョン?」

キョン「いや、長門に久しぶりの再会をしたら厨二病のなっていたので・・・長門の丸秘ノートを見て
    みたくてな、それを拝見中。」

ハルヒ「鬼か!!!」

朝倉「何々、ルシフェルと人間の間に生まれた禁忌の子供、それ故人界や天界はおろか魔界にすら住めず、
   永遠の放浪を繰り返す・・・ってこれ長門さんの設定?」

長門「いやあああああぁぁぁぁぁぁ~・・・・・・」

ハルヒ「やめてーーーーーーーっ!!!」

喜緑   拳☆骨!!!  キョン・朝倉 グアアアアアア

ハルヒ「大丈夫長門さん?ごめんねぇ~」ヨシヨシ

長門「モウオヨメニイケナイ・・・・・・」しくしく

ハルヒ「気持ちはよく分かるわ・・・私も朗読された事があるからね、谷口の奴に。」

喜緑「長門さん大丈夫よ!私がお嫁に貰ってあげるわ!!!」ハァハァ

朝倉「・・・・・・何だかこの人、気持ち悪いわね・・・・・・」

キョン(生前のお前を見ている様なんだが・・・)「しかし、ハルヒの厨二病ノートか、
    すさまじいだろうなぁ。」

ハルヒ「えぇ、本当に・・・もう・・・・・・今思い出すだに恥ずかしかったわ・・・・・・それを読んだ
    谷口は腹筋が切れるまで笑って病院行きよ・・・・・・。」

キョン「だそうだ、長門ちゃん。人界で一人寂しく健気に生きているのは、君だけじゃなかったんだよ。」

朝倉「・・・プッ、クッハハハハハハハハハアーーーーーーーーーーーーッハッハッハッハッハッハッハッ!!!」

長門「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・」プルプルプルプルプル

朝倉「しっかしまぁ、そういう意味ではキョン君ともどっこいどっこいって感じかしらね?」

ハルヒ「こいつのは冗談が一切入っていないから、厨二病ってのも温いわ。」

長門「・・・キョン・・・・・・彼も?」

ハルヒ「えぇ、こいつはね、別の世界からやって来た異世界人なのよ。元の世界に戻る為に
    孤軍奮闘してきて、つい先日私達もその事を知ったのよ。」

キョン「落ち着いて聞いてくれ長門、話はとても長くなる・・・何せ俺は、時間のループを延々と
    繰り返して来たからな。短く話そうにも話せないんだよ・・・あぁ、何から話そう。今日は
    本当に嬉しい日だなぁ!」

喜緑「あなた達、これ以上長門さんをからかうのは・・・」

長門「待って江美里、彼の話を聞きたいの。」

喜緑「長門さん・・・」(は、初めて私の名前を読んで・・・)フラァッ、バタン。

キョン「よし、邪魔者は消えた。皆席についてくれ・・・長くなるぞ。」

朝倉「ねぇキョン君、本当に「向こうの世界の私」ってこんなキャラなの?誇張とか入ってない?」

長門「・・・・・・。」ワクワク

キョンは話す。向こうの世界の話を。

キョン「お前は情報統合思念体と呼ばれる、いわゆる宇宙人の親玉から送られてきた対有機生命体
    コンタクト用ヒューマノイド・インターフェースなんだ。そこの朝倉もな。バックアップ
    だけど。」
   「涼宮ハルヒの持つ神様にも似た能力を調査しに来たお前等は、他の未来人や超能力者と
    一緒になって一つの部活を作るんだよ。その部活の名前は、SOS団。生徒社会を応援する
    世界作りの為の奉仕団体、なんてのが正式名称だが・・・その本名は違うんだ。実は・・・」

   「んで、その時いきなり現れた雪山の洋館の中に、俺達は迷い込んじまった。その時に、
    長門が命を張って脱出プログラムを組んでくれたんだよ。まぁ、ハルヒがいないと解け
    ない様な難問が鍵だったけどな。」

   「コンピ研の部長が行方不明になる事件もあってな、その時も部長発見とその後の処理には
    長門、お前の力が必要だったんだぜ・・・」


キョン「・・・と、まぁこんな所かな?他にももっとあるけれど、そういうのはお楽しみにとっておこう。」

ハルヒ「何か、イマイチ陳腐じゃないかしら?セカイ系っていうの?そういうのは何だかご都合主義臭いのが
    多くてあんまり好きじゃないわねぇ。しかも何よ、私ってそんなに強い力を持って、皆を振り回して
    いるっていうの?」

朝倉「私の話があんまり無いのは何でかな?かな?」

キョン「・・・・・・長門は、どうだった?面白い話だったか?」

長門「・・・いつも、妄想する話とは全然違う。・・・けど、」

けど、これは。とっても面白くて・・・羨ましいお話です、と長門はそう言った。

ハルヒ「で、こいつは今の話が本当だって、言って聞かないのよね。・・・まぁ、私もその
    意見に乗った口だけど。」

長門「?」

ハルヒ「つまり、私は3年前に一度こいつと会っているのよ。3年前のこいつじゃなくて、
    今のこいつと・・・3年前に。つまり、こいつはタイムスリップしてきたのよね。」

朝倉「私は未だに信じ切れませんけれどねぇ、でも本当にこうやって長門さんが居たのだから、
   まぁ少しだけ信じてあげようかな?」

キョン「それは有難い話だ・「・・もっと。」

キョン「?」

長門「・・・・・・もっと、もっと聞きたい。聞かせて、そのお話を。」

ハルヒ「してあげなさいよ、キョン。」

キョン「いやぁ、だがこれはもうちょっと待って欲しいな。全てを初めに聞くのはつまらないだろう?
    だから・・・この続きは、文芸部室で話そうか。」

キョン「長門、お願いだ。この世界を元に戻す為に、俺達と一緒に来てくれないか?妄想じゃないもう一つの
    世界を・・・ルシフェルとか、そんなのじゃぁないけれど、もしかしたらそんなのと会えるかも知れない
    世界を見せてやれるかもしれないぜ。」

長門「・・・・・・。」スッ・・・スタスタスタ

朝倉「?長門さん?」

長門「・・・これ。」

ハルヒ「・・・これは、転校手続き?」

長門「親の都合で、転校する事にはなっていた、でもうまく馴染めるか分からなくて、それで
   一人ここに残る事も考えていた、でも・・・・・・」

長門「あなた達となら、きっと・・・仲良くやれると思う。」

ハルヒ「・・・って事は、」

朝倉「まずは一人目って事ね!歓迎するわよ長門さん!!!」

キョン「じゃぁ、これを長門に渡しておかないとな!」ガサゴソ

ハルヒ「何よそれ?」

キョン「何、以前は突っ返してしまったってだけの物さ。・・・只の」


 「入部届けだよ。」

一旦ここで寝落ちします、流石に普段夜更かしはしないから、この時間帯はキツいんです・・・。
明日昼前位、目覚めたら開始とします。スレが残っていれば上等、そうでなければまぁ適当に
ひっそりと建ててみたりもしましょう。では皆さん、良い夢を・・・。

喜緑「長門さぁ~ん何故ぇ~です~!?」ダキッギュウウウウウウウスリスリスリスリスリ

長門「ごめんね江美里。なかなか言い出せなくて・・・」

喜緑「長門さんがいなくなったら私・・・私・・・・・・っ!!!伝説の聖剣を守っていける自し・・・」
長門「」バッ
喜緑「ムグムグ」

ハルヒ「さて、そろそろ行くわよ長門ちゃん!電車がもう来るわ!!!」

長門「う、うん。ちょっと待って」
喜緑「ムグムグ」ジタバタ

朝倉「もう、あの子も厨二病なのかしら?思春期の心の病って厄介よねぇ。ああいう人間が、
   思いつめた時にナイフで人を刺すみたいな行動に出るのよ。」

キョン「朝倉、言い過ぎだぞ。・・・特にお前は言わない方が良い。」

朝倉「え?え?何で??」

ハルヒ「喜緑さん、お願いだからそろそろ大人しくしてあげてよ・・・」

喜緑「プハッ・・・だって、だって長門さんと私は小さい頃からずっと一緒だったんですよ!?
   学校も帰り道もお風呂もグループ分けでも、うちの学校は小さいからクラス分けだって!
   それなのに・・・いきなりお別れを告げられてからまだ五分よ!?」

ハルヒ「ギリギリ過ぎよ・・・・・・」
長門「・・・・・・こうなると思ってたから・・・・・・」ダキッギュウウウウウウウウスリスリスリスリスリ・・・・・・

キョン「・・・まぁ、お別れの挨拶位させてやれよ。別にこの電車を逃しても、また一時間後には
    来るんだから。」

朝倉「それもそうよねぇ、私は向こうの世界ではいきなりカナダに行ったんでしょう?私だったら
   寂しくて死んじゃうわよ。兎みたいに。」

ハルヒ「それもそうかもね・・・じゃぁ、喜緑さんと長門ちゃんも、ちょっとそこらの喫茶店に入って
    お話しようかしら?流石に五分で別れて携帯電話も無しってのは辛いわ。」


喜緑「はぁーん長門さん長門さん長門さん、好き好き大好き愛していますーーっ!冷たい月夜になる度に、
   堕天使の翼で背中が痛む長門さん!安寧を求めて魔族を退治する旅に出るも、半分人間の身では
   太刀打ち出来ずいつも傷だらけの長門さん!!しかし封じられた右腕が疼くと、隠された力が発動
   して大人の姿に変身す・・・・・・」
長門「うがあああああああああああああああああああああっ!!!!!」ドンガラガッシャーン

ハルヒ「中々濃ゆい設定よね。」ズズー

朝倉「筋金入りだわ・・・私ですら、バタフライナイフを所持するに留まっていたと言うのに。」モグモグ

長門「お願い・・・言わないで・・・・・・」ギリギリギリギリ

喜緑「どうして!?長門さん、後30分しか話せないのに!堕天使は心会話(テレパシー)が使えないのは
   長門さん自身知っている事で・・・」

長門「いやああああああぁぁぁぁぁ~・・・・・・」

長門「ぁ、もうやめて・・・おねがい、もうやめて・・・・・・」ウルウル

喜緑「はぁーん長門さん長門さん、校内に侵入しきたテロリストに扮した天使をやっつけた時は本当に
   燃えましたよねーあの時ナイフにお腹を刺されて、私の中で冷たくなりゆく長門さんが私の泪で
   復活するシーンなんて・・・・・・」


長門「」チーン

朝倉「燃え尽きているわ。どうするの?」

キョン「担いでいくか?」

朝倉「いや、心のケアの方よ。喫茶店の店員にもばっちり笑われてたじゃない?」

長門「」ビクッ

ハルヒ「さぁーて喜緑さん、少しは気が済んだかしら?」

喜緑「えぇ、正直全然物足りないけれど、あのまま別れるよりはましだったですね。じゃぁ、長門さん!
   向こうの世界でもお元気で!私とはここでお別れです。」

長門「江美里・・・手紙出すからね。これで。」クルッポー

ハルヒ「伝書鳩!?」

キョン「普通に出した方が届くんじゃないか!?」

喜緑「さよぉーならーっ!!!」

プルルルルルルルルルルエーデンシャハッシャイタシマスーオノリコミノサイハカケコミジョウシャハヤメテユックリオノリクダサイー。

長門「さよなら、・・・・・・は言わない。またね。」

喜緑「長門さ・・・」 プシュー ピシャッ!>

長門「・・・さよならなのは、過去の方。・・・さようなら、私の大天使。」


キョン「♪」メモメモ

ハルヒ「何を書いているの?」

キョン「昨日話した向こうの世界の長門だと、こういう所にヒントが隠れていたりするかもな、と思ってな。
    本とか、パソコンとか、そういう好きな物にあいつはそれを隠すんだよ。」

ハルヒ「へぇ~、うわ今までの設定が全部網羅されてる・・・・・・へぇ、堕天使って木の実しか食べられない
    設定なの?長門さんは攻撃魔法しか使えないのね。」

長門「!?」

朝倉「あんた達・・・いい加減にしてあげなさいよ・・・・・・。」モグモグ


・・・かくして一向は北高へ、文芸部員はこれで4人。

北高 文芸部室

キョン「・・・さて、これでまずは一人目の鍵が見つかった訳なんだが。」

ハルヒ「まずは一歩躍進ね!流石私よっ!!!」

朝倉「正直あなたは長門さんのブルマを着ていっただけじゃない・・・」

長門「私の傷を癒して、そしてかき混ぜて行った。」

ハルヒ「・・・ま、まぁ皆の力もあってこそだけれどね!」

長門「・・・私が、一人目。あなたを元の世界に戻す為の鍵。・・・で、私は何をすれば
   良いの?」

キョン「鍵は3つ揃わないと駄目なんだ。だから、まずはその2人目を探す事にしよう!
    さて、サイトの情報は少しは来ているかな?」チェックチェック

朝倉「じゃぁ、私はお茶でも入れようかしらね。」

ハルヒ「・・・う~ん、めぼしい情報は無いわね。茶道教室もボードゲーム大会のも、
    あまり増えてはいないわ。」

キョン「う~ん、どうしたもんか・・・」ツンツン「ん?」

もうちょっと文章どうにかならんかw
>>1見るかぎりじゃあ三人称視点で書けそうにもないし・・・

長門「ここ」

キョン「ん?何だ長門?この写真がどうかしたのか?」

長門「この茶道教室の、スポンサーの名前。茶道教室の名前は分からなくても、
   ここから調べる事は出来る。」

ハルヒ「わぁっ!長門ちゃん凄いじゃない!!!SOS団副団長に任命するわ!
    えーと、この文字は・・・」

長門「」テレッ

キョン「鶴屋コーポレーション主催・・・鶴屋さんだっ!!!鶴屋さんの所へ行こう!!!
    そして次の鍵は、我がSOS団のマスコットキャラにして天下無双のお茶組みである
    朝比奈さんだぁっ!」

朝倉「私と名前が似ているわね・・・キャラはどうかしら?」ズズー

>>164
努力しよう。

2年教室<ガラッ

キョン「鶴屋さーん、実は折り入って頼みがあるんで・・・」チャキッ!

鶴屋「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・今度は何の用にょろ?」

キョン「つ、鶴屋さん!?この日本刀はどこから!?」グイッ「ひいっ!」

鶴屋「質問しているのはこっちにょろよキョン君・・・質疑応答の末、不適格とみなせばその首
   めがっさ切るよ!!!」

タタタタタタッガラ!「キョン!あんたは先に行くなって何度も言っているでしょうがこの変人!!!」

      「もう、これだからキョン君は・・・お話なら私に任せてって言っているのに!」
      「・・・・・・凄い嫌われ様、でも少し納得。」

鶴屋「誰にょろ?」

キョン「え、えーと・・・・・・生徒社会を応援する世界作りの為の奉仕団体、と申しますが・・・・・・」

ハルヒ「SOS団です!鶴屋さんに、どうしてもお願いしたい事があって来たんです!!!」

長門「・・・・・・・・・・・・・っど、どうしても会いたい人が居て、でも会えなくて・・・」

朝倉「長門さん、恋する乙女みたいになっているわよ。・・・お願いします、少しだけでもお話を聞いて下さい。」クスクス


鶴屋「・・・・・・・・・むぅ、今度は何やら本当に困っている様だね・・・まぁ、許してあげるっさ。」キンッ!

鶴屋「朝比奈・・・みくるを探しているんだね?」

ハルヒ「はい、実はどう~しても、その人に伝えなきゃならない事があって、それで
    探しているんですけれど・・・。」

キョン「本当に何もしませんから!只、ちょこっとだけ文芸部室に顔を出して貰えるだけで
    良いんです!」

朝倉「・・・あら、それだけで良いの?文芸部員に入れるとかじゃなくて?」

キョン「あぁ、前の世界ではそれで良かったんだ。」

鶴屋「何をしたいかは知らないけれど、まぁ良いよ。一応、みくるの確認を取ってからね。
   でも、君達は・・・」

キョン「いやぁしかし、朝比奈さんが茶道教室に通っているなんて考えもしなかったな。
    お茶組みは確かに凄い腕前だったけれど、それはハルヒのせいだと思っていたから・・・
    どの道、お茶には興味があったんだろうか。」

ハルヒ「まぁ、何はともあれ会わせてくれるっていうし、もう変な事はしないでよね!鶴屋さんは
    怒ると怖いって、身をもって体験したでしょう!?」

長門「・・・私の時の様な事は、絶対ダメ。」カァァァ・・・

朝倉「久しぶりに会う人会う人に抱きついていたらキリが無いわよ?」


鶴屋「・・・まぁ、良いにょろ。ちょっと待っててね!」ニョロニョロピッポッパッ

鶴屋「会うだけなら良いってさ!お茶を振舞う相手が出来て、むしろ嬉しそうにょろ!」

キョン「そうですか!良かった、有難うございま「でも、一応SPを付けさせて貰うにょろよ。」

キョン「・・・はは、まぁそうですね。・・・この間は本当に済みませんでした、何せ久しぶりに会えたと
    思ったら嬉しくて・・・・・・。」

鶴屋「ふふっ、嘘にょろ!もうあんな事はしないと誓うのなら、もうそれで良いにょろよ。本当に
   君達は不思議っさ!私と会った事も無いのに、みくるも知らない風だったのに、でも私達を
   知っている様で、それも嘘を吐いてはいない感じ。」

キョン「鶴屋さん・・・・・・」

鶴屋「君が今、何を抱えているかは知らないけれど、まぁ羽目を外し過ぎない内ならあたしもめがっさ
   協力するよ!何せ鶴屋コーポレーションの次代当主だからね!!!」

キョン「有難うございます・・・あなたはやっぱり、変わりませんね。」

鶴屋「あーはっはっはっはっはっ!それが不思議だと言うんだにょろ!」


ハルヒ「キョン、何しているの!みくるちゃん探しの予定が決まったわよ!土曜の9時に駅前集合!
    遅れたら死刑!罰金よ!!!」

鶴屋「・・・大変な彼女さんだね。」

キョン「鶴屋さん、ついでに・・・・・・・・・・・・・何か良いバイトがあったら、それ教えて頂けませんか?」

早速土曜日!
ハルヒ「キョン!遅い、罰金よ!!!」

キョン「何でお前は7時にここに居るんだよ!?そして俺は遅れてない!」

ハルヒ「五月蝿いわね、五月病と書いてうるさいわよ。私より遅かったら死刑!罰金!!
    そう言ったでしょう!?」

キョン「間違っている!それは間違っているぞ!どっちの意味でもなっ!!!それに、俺より
    遅いあの二人はどうなるんだ!!!」

ハルヒ「これは私とあんたとの勝負なのよ!だから朝倉さんも長門ちゃんも関係無し!分かったら
    財布の紐を緩めときなさい!!!長門ちゃんはアレで大食いかもしれないわよっ!?」

キョン「分かっているさ・・・そんな事!分かっているけれど無い袖は触れないんだよ!」

テクテク。
朝倉「何をやっているのかしらねあの二人は・・・。」
長門「私、そんなに大食いじゃ・・・・・・」


喫茶店内

ハルヒ「じゃぁ、私このハンバーグ定食!セットでポテトとサラダ、それとこれとあれとそれも!」
朝倉「キャビア丼。ツバメの巣のスープ付き、フカヒレ入りで。」
長門「あ、甘口カレーライスの小盛り一つ。」

キョン「水を下さい、・・・・・・後この砂糖舐めても良いですか?」

店員「は、はい大丈夫ですよ・・・」(一夫多妻って大変ねぇ・・・。)

ハルヒ「このジェットシュウマイ弁当一つ!」

朝倉「純和風弁当とマンゴープリン、それとお茶を下さい。」

長門「・・・私は良いよ?お腹一杯。」

キョン「ははは・・・長門、お前にそう言って貰えるだけで俺は胸が一杯さぁ・・・」

電車内

キョン「おい、この電車のチケットも俺持ちなんだよな?」

ハルヒ「えぇ、そうよ!」

キョン「ならどうしてグリーン車なんだよ!もっと安い席で良いだろうが!!!」

ハルヒ「私がこのジェットシュウマイ弁当を心おきなく食べる為でしょうがっ!!!」

朝倉「流石の私も鬼だと思うわそれ。」

長門「キョ、キョン君ここ凄い景色良いよ!凄いよ!!」パタパタ

キョン「ははは長門め、可愛いなぁ。」

ハルヒ「・・・・・・」ムスゥ。 パカップシューーーーーーーッ!!!

朝倉「シュウマイの臭いが凄いわよ涼宮さん!?」
キョン「スーハースーハーこれがシュウマイの匂い・・・スーハースーハークンカクンカ」
ハルヒ「キョン!?私が悪かった!悪かったからもうやめて!!!」

ハルヒ「着いたわ!皆、起きて!!!」

キョン「このシュウマイの匂いともお別れか・・・さようならジェット、お前は俺の 
    歯車を正してくれたよ。」

朝倉「後で何か奢るわよ、お汁粉でも。」

キョン「有難う朝倉!!!一杯飲んで良いか!?血糖値がだだ下がりなんだよ!!!」

長門「・・・・・・い、言い辛いけど、お、おにぎりあるよ・・・?作ったけど・・・」

朝倉「あら可愛い、形は手馴れて無いけど具沢山ね!」モグモグ

キョン「ガツガツムシャムシャモグモグボリボリゴッキュン」

ハルヒ「・・・・・・後で何か奢るわよ、ふ・・・ふんだ!」


朝倉「で、この辺にあるのね?茶道教室の会場が。」

キョン「あぁ、様々な季節や土地によるお茶の違いを楽しむ為に、毎回場所を変えているんだ
    そうな。それも直前まで分からないっていうからな。」

長門「お茶菓子がおいしそう・・・。」

ハルヒ「粋って奴ね、楽しみだわ!皆、着物とかちゃんと持ってきてるわよね!?」

キョン「えっ」
長門「えっ」
朝倉「何それこわい」

キョン「別に俺達が茶道教室に参加する必要は無いんだぞ?出口で待っていれば、
    そこに朝比奈さんが来る予定になっているからな。」

ハルヒ「」

朝倉「第一、あたし達会費払ってないじゃない?準備だって手間取るだろうし、
   飛び込み参加はきついわよ。」

ハルヒ「・・・。」フルフル

長門「・・・・・・・・・。」(黒歴史を産んでしまった人間には、何も言わない方が吉・・・。)

ハルヒ「う、うるさいわね!そそそそんなの分かり切っているに決まっているじゃない!?
    か、会費だって今回の分だけ私払ったわよ!えぇ!一人分だけだけどね!?だから
    私一人で行くよ!!?皆置いてくよ!?」

キョン「そうか、じゃぁしょうがないな。俺達はちょっとそこらを見ているからさ。」

朝倉「あ、私不思議探索したいなぁ。SOS団のメンバーだけど、今の所不思議じゃなくて
   人探ししかしてないじゃない?この辺は幽霊の名所もあるし。」

長門「・・・・・・それは楽しそう。私も行きたいな、お茶会は羨ましいけれど・・・」(無難に無難に・・・。)

ハルヒ「・・・ふーんだ!じゃぁあんた達だけで行ってきなさいよ!じゃぁね!!!」


おばちゃん「あら、あなたも茶道教室の参加者なの?」

ハルヒ「・・・いえ、違います・・・・・・」ズズー←お汁粉

ハルヒ「・・・どうしよう、皆本当に行っちゃった・・・。何で素直にドジを認めて、
    謝れないのかなぁ・・・。」

ハルヒ「今から行っても間に合うかしら?・・・いや、絶対嫌よ・・・。」グスッ

???「あのぉ~・・・」

ハルヒ「へっ?あ、はい済みません今退きます!」

???「いえ、あなたは参加者じゃないんですか?」

ハルヒ「いえ、違います!只ここでちょっと時間を潰していただけで・・・」

???「あ、じゃぁ一緒に茶道教室に参加してみませんか?着物もお貸ししますし、
  会費も要りませんよ。実は今日、風邪をひいた人が多くて参加人数がかなり
  減っているんですよー。このままだと寂しいので・・・どうです?」

ハルヒ「え、あぁ、良いんですか?じゃぁ・・・お願いします!・・・あの、私はハルヒ、
    涼宮ハルヒです。」

???「ふふふ、私の名前は・・・・・・朝比奈、みちるです♪」

ハルヒ「朝比奈・・・みちるさん、ですか?」(名前が凄い似てる・・・でも、外見は写真より
    大人だなぁ。)

みちる「はい、そうです。ここの茶道教室の先生もしていますよ。年齢は禁則事項です♪」

ハルヒ「あはは、何ですかそれ・・・じゃ、私も禁則事項です♪」

みちる「うふふふふ!じゃ、ここにお名前だけでもどうぞ・・・・・・涼宮、ハルヒさんでしたね?
    よろしくね。」

ハルヒ「はい、今日一日よろしくお願いします。・・・あ、そうだ!みちるさん、「みくる」っていう
    方を知っていますか?私実は、彼女に会いにここまで来たんです。」

みちる「あぁ、やっぱり!あの子が今日はお客さんが少ないのに嬉しそうにしていたから、きっと
    特別なお客さんが来るんじゃないかって思っていた所だったのよー。そうかそうか、あなた
    だったのね?」

ハルヒ「本当はもっと来る予定だったんですけれど、皆茶道教室が終わるまでどこかで待っているって
    言って行っちゃって・・・。」

みちる「それは残念ね、もう始まっちゃうし、途中参加は出来ないのよね~・・・ま、とりあえず中に
    入ってね!そこの人に聞けば分かるから。」

ハルヒ「はい、有難うございました!」タタタタタタッ・・・



みちる「さて、と・・・。キョン君、どこに行ったのかしら?」

ハルヒ「・・・着付け、はこれで大丈夫ですか?」

おばさん「えぇ、初めてにしては上手い物よ!お嬢ちゃん、やっぱりお茶に興味が
     あったのねぇ。」

ハルヒ「はい、昨日から家で物凄く練習してきましたから!」

おばさん「ははは、やっぱり若い子は良いわね!今日は楽しんでいって頂戴な。・・・で、
     あっちに居るのがみくるちゃんよ。若いのに、もう先生と変わらない位の
     腕前なのよ。」

ハルヒ「へぇ~、やっぱりお姉さん似、なんでしょうかねぇ。有難うございました!」ペコリ、タタタタタ・・・

おばさん「・・・・・・お姉さん?はて、誰の事かしら・・・・・・。」

???「・・・。」ソワソワ

ハルヒ「あの~、あなたがもしかして、朝比奈みくるさんですか?」

???「あ、はい!そうでしゅ!・・・・・・じゃなくて、そうです!」

ハルヒ(かっ)「わいいいいいいいいいいっ!!!!!」

みくる「!?」ビクッ

ハルヒ「胸が大きいわ!私よりも大きいわ!!それでいてこのロリ顔・・・くー卑怯じゃない!可愛いじゃない!
    これが萌えって奴ね!!やっぱり時代は萌えよ萌え!!!」カプッチュー!!!

みくる「ひぇっ・・・ひゃああああああああああああっ!!!???」ビクビクンッ!!!

ハルヒ「・・・・・・コホン、すみません。あまりにもみくるさんが可愛すぎて取り乱しました。」

みくる「あ、はははは・・・べ、別に気にしてませんよ、大丈夫ですよ。」

ハルヒ「ごめんねぇ~みくるさん、いえみくるちゃん!着物が乱れちゃったわね。直すからちょっと
    袖上げてね?」

みくる「は、はいぃ~・・・あの、他の方は?」

ハルヒ「・・・それが、私一人だけこの教室に入る物だと勘違いしていて、皆着物とか用意していなかった
    んですよ。」ゴソゴソ

みくる「なぁ~んだ、それなら貸し出しもあったのに・・・ぁっ、ちょっと・・・苦しいです!」

ハルヒ「あっ、ごめんなさい!・・・自分と他人とじゃ、着付けも大違いなのね。」ユルメユルメ

みくる「うん、今度は大丈夫ですね。じゃぁ、改めまして私は朝比奈みくる、この茶道教室の
    生徒です。」

ハルヒ「私は北高1年、涼宮ハルヒです。本日はご指導の程よろしくお願い致します。」ペコリ

みくる「じゃぁ、始めましょうか。まずは、私のやり方を見て、それから涼宮さんが私にお茶を
    出すという順番で行きましょう!」


キョン「・・・う~ん、しかし寂しいな。一人で不思議探索ってのも。」

???「それはまぁ、籤運が悪いってだけの話じゃない。私にとっては運が良いんですけれどね?」

キョン「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・その声は・・・朝比奈さん(大)!!!」

朝比奈「・・・・・・そう呼ばれるのも久しぶりですね、キョン君。会いたかった・・・っ!」

木の葉が茂る並木道の、建物裏から現れたのは一人の女性。朝比奈みちる、もとい朝比奈さん(大)。

キョン「今までどこに行っていたんですか!?俺はずっとあなたを探して・・・それで、もう駄目かと思って・・・」グスッ

朝比奈「ごめんね、実は今回の時間ループで、また世界が少し「普通」になってしまってて・・・いえ、普通というのは
    実際問題おかしな言い方になるから、こう言った方が良いかしら?「世界がまた、味気なくなった」って。」

キョン「・・・やっぱり、色んな組織や技術が消えているんですか?」

朝比奈「そうよ。私の方で確認出来るだけでも、今回で3つの組織が消えている。ドワーフと、魔法使いの一派と、
    そして探偵秘密結社が消えて・・・その構成員達は皆、消えるか常人になるかしているわ。私もこの時間平面に
    来られたのは奇跡みたいな物だったの。前回でもそうとう危うかったけれど、時空の断裂がかなり進行して
    いてね・・・。」

キョン「そうだったんですか・・・。でも、ここでまた会えた。良かった・・・」

朝比奈「そうとも言えないのよ。・・・事態は、常に思っているより悪い物なのよ、ヨン君。」

間違えた・・・ヨンじゃなーい・・・。

立ち話もなんだから、そこの喫茶店に入りましょう、と朝比奈さん(大)が言う。
キョンは彼女に連れられて、個室付きの高そうな茶店に入った。

キョン「・・・事態は、思っているよりも悪い・・・?」

朝比奈「単刀直入に言うわ。次消えるのは私達未来人かもしれない。」

キョンはお茶を吹きそうになるが、口で堪えて押し留めた。朝比奈さんの前で醜態を
晒したく無い以前に、自分の心を保つ為に力まざるをえないのだ。

キョン「次は・・・いよいよ、朝比奈さんが消える番・・・なのか・・・。」

朝比奈「えぇ、その次は恐らく情報統合思念体、そして最後に古泉君達の超能力組織ね。
    以前も言った通りこの空間は過去一年、向こう一年に渡って時空が断絶している、
    あの「消失世界」にも似た構造の空間なんだけれども・・・この時空の断裂は、少し
    特殊な物なの。普通の時空断裂が、例えば涼宮さんの起こした3年前のそれが・・・
    例えば、パラパラ漫画のページを「それ以上遡れない様にする、時間平面に平行に
    挟まっている」物だとしたら・・・。」

朝比奈「今回の時空断裂は、いわばページ全てを切り裂く「垂直な断裂」。断裂のある時間平面
    だけじゃない、他の全ての時間平面にも影響を及ぼしかね無い物なの。」

キョン「つまり・・・えぇと、朝比奈さんの居る未来にまで時間断裂が広がって、そこの世界を
    消してしまうかもしれない、という事ですか?」

朝比奈「端的に言えばそうなるわね。そもそもこんな時空がめちゃくちゃになっている空間に
    時間移動をするだけでもかなり危険な事だけれど・・・。何せ、足の取っ掛かりが1cm
    しか無い、それも酷く風化した崖っぷちを命綱無しで渡る様な物だから。」

キョン「すみません朝比奈さん、毎度そんな危険な事をさせてしまって・・・。」

朝比奈「いいのよキョン君。どの道やらなければならない事だし・・・宇宙人、長門さん達の勢力
    じゃないあの・・・テンガイリョウイキだったかな?あちらの攻撃も酷くなって来ていると
    言うしね。だから、まず未来人が消え・・・そして宇宙人が消える。」

キョン「意外ですね、古泉が一番先にやられると思っていたのに。」
朝比奈「あら、彼はむしろ意外と出来る方よ?閉鎖空間騒動の時もあなたにメッセージを伝えられたのは
    彼だけだもの。」

キョン「それについては感謝しておきましょう、元の世界に戻ったら。・・・それにしても、そうか・・・そうか・・・」ハァ・・・
朝比奈「?どうしたの?」

キョン「・・・・・・・まだ、あいつらは生きているんだな・・・・・・良かった、本当に良かった・・・・・・・・・。」

朝比奈「・・・お茶、飲みましょキョン君。久しぶりに入れてあげるわ♪」トポトポトポ・・・。


ハルヒ「出来たーっ!!!」

みくる「す、涼宮さん!?声が大きいですぅー!!!」クスクス・・・ ウフフ・・・・・・

ハルヒ「・・・はっ!ついうっかり、喜びのあまり叫んでしまったわ!でも見て見て!どう!?美味しそうに入れられたと
    思わない?」

みくる「はい、確かに綺麗に整っていますね!涼宮さん、お茶の才能がありますよ!今日が初めてなんでしょう?」

ハルヒ「えへへー、そうなのー。」テレテレ

淹れるか点てるでお願いします

ハルヒ「あぁ~楽しかった~!風情があって良いわねー!」

みくる「そうでしょう?美味しいお茶を入れるには、料理とかでもそうなんですけれど、
    雰囲気がとても大事なんですよ。」

ハルヒ「確かに、みくるちゃんに入れて貰うお茶は美味しそうよね!・・・はっ、そうだ!
    大事な事を忘れてた!!!」

みくる「大事な事、ですか?もしかして、今日話したい事って・・・」

ハルヒ「そうよ!大事な話なの!!!それはね・・・」

ハルヒ「SOS団に
           入ってみませんか!?
みくる「茶道教室に


「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」」


キョン「それじゃ、朝比奈さん。俺は一旦、ハルヒ達と合流します。」

朝比奈「えぇ、また時が来たらこちらから来るわ。・・・と言いたい所だけれど、残念。私と会えるのは、
    この世界ではもうこれが最後なのよ。」

キョン「えっ!?」

>>204
おう、間違えた。脳内保管よろしくね!

朝比奈「さっきも言った通り、時間移動はこの世界ではかなり危険なのよ。これ以上エージェントと
    しては活動が出来なくなっていて、未来への帰還命令が出ててね。」

キョン「じゃ、もうこれからはタイムスリップが出来ないって事ですか・・・?」

朝比奈「いえ、ちょっと違うわね。・・・キョン君、ちょっとこっちに来て。」

キョン「はい?・・・・・・はぁ、何を」<チュッ

キョン「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。・・・っ!?」


チュッ・・・ムッチューーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!


キョン「ムムグウグムグッ!!???」

朝比奈「プッヒャァ、・・・うふふ、ファースキスあげちゃった♪」

キョン「な・・・えぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!???」

朝比奈「冗談よ♪・・・これでTPDDの一部が、君の脳内に移動したわ。時間移動に不慣れな君に、この危険な
    時間断裂空間で移動させる事は実に危険・・・それ以前に、現代人である君に未来の道具を貸し出す
    なんて事も、本当なら論外なんだけれど・・・でも。」

事態は、それ程にまで深刻なのよ。

キョン「・・・・・・・・・。」

朝比奈は、そのままフッとかき消す様に・・・・・・消え去った。

ハルヒ「皆ーーーーっ!みくるちゃんゲットよーーーっ!!!」

みくる「ふええええええ!涼宮さーん!声が大きいですーーーーっ!!!」

朝倉「何あの生命体。可愛い・・・っ!!!」
長門「・・・・・・良いなぁ・・・。」ムネスリスリ

ハルヒ「この私の交渉術で!みくるちゃんを我がSOS団のマスコットキャラに任命
    したわよ!皆みたいに今の時間まで待っていたら、後どの位かかっていたのか
    分からないわ!それもこれも、私がお茶会に潜入してみくるちゃんと友達に
    なったから!どうよ、凄いでしょう偉いでしょう、私ももっと褒め称えなさい!!!」

朝倉「凄いわー涼宮さーんわーパチパチパチパチー。」

ハルヒ「ふふーんどんな物よ!で、あなた達の方はどうだったの?何か不思議が見つかった?」

朝倉「幽霊でも居れば面白いと思ったけれど、何も見当たらなかったわ。人間より鋭いっていう
   犬も、普通にその辺を通っているんだもの。」

キョン「俺は天使にあった。」ホゲー

ハルヒ「何よそれ。」

長門「天使っ!?」ビクッ

みくる「ふぇ、あの・・・この人達が、お連れのSOS団員の・・・あ、私が朝比奈みくると
    申します。」ペコリ

朝倉「朝倉涼子です。」
長門「長門有希です。・・・涼宮さん、この人にその、キョン君の事は・・・」

ハルヒ「まだ教えてないわ。だってあの教室、静か過ぎてそんな話が出来なかったのよ。」

みくる「え?あ、あの、話って・・・私がSOS団の皆さんに、お茶の淹れ方を教えるとか、
    そういう・・・」

ハルヒ「半分本当で三分の二が大嘘ね。」

みくる「えぇーっ!?」

キョン「また、お前はそんな・・・嘘までつく必要は無いだろうが。・・・あぁ、朝比奈さん。俺は
    キョンです。本名じゃなくてあだ名ですがね。・・・そして、あなたは俺にとってのMy
    天使!そして2人目の鍵なんだ!!!」

長門「天使っ!?」ビクッ

ハルヒ「こんな所で変な事言わないでよ!とりあえず、喫茶店にでも入りましょう。そこに
    個室付きの店があったと思うのよね。昨日ネットで調べたの!」

キョン「・・・またこの店か。」ドーン

ハルヒ「何しているのよ、さっさと入るわよ!」
朝倉「わぁ高そう!」
長門「・・・・・・奢らなくても、良いからね?」

キョン「・・・有難う、俺の第二のMy天使・・・。」   ビクッ>


キョン「・・・さて、とりあえず話を聞いて貰えますか朝比奈さん。えぇっと、
    まず何から話そうか・・・。」

ハルヒ「みくるちゃんはモロに一般人だから、切り出し辛いのよねぇ・・・。」
朝倉「この男の人、自称異世界人なのよ。元の世界に戻る為に鍵となる人物を
   探しているんですって。」

みくる「へっ」
キョン・ハルヒ「うぉいっ!!!」
朝倉「さっさと話した方が良いでしょ、どの道胡散臭さには変わり無いんだし。」

キョン「・・・ま、まぁそんな訳なんですよ。いや、信じて貰えないのは仕方が無いん
    ですがね?そんなのは分かっているんですけれど・・・んで、あなたは俺の世界
    では未来人で、そこの朝倉と長門は宇宙人・・・こっちのハルヒは、何というか
    世界をどうこう出来る神様みたいなもので・・・・・・あぁ、やっぱり信じられませんか。」


みくる「え、えぇ・・・いきなりそんな事を言われても・・・でも、昨日、鶴屋さんが言っていたんです。
    「明日来る人達は、きっと不思議な事を言うだろうけれど・・・少しだけなら、信じてあげても
     いいよ」って。・・・その、2人目の鍵というのはどういう意味でしょうか?」

みくる「鶴屋さんは、どこかそういうのに勘が良い時がありますから・・・あなた達は、正直
    まだ信じ切る事は出来ません。でも、彼女なら・・・信用できます。」

キョン「えぇ、それで良いでしょう。・・・鶴屋さんには世話になりっぱなしだな。・・・じゃ、
    説明しましょう。そもそも鍵というのは・・・」


みくる「・・・・・・・私はその時・・・元の世界でのSOS団が全員揃った、その場に居れば
    良いって事ですか?」

キョン「えぇ、そういう事です。別にやましい事はありませんよ。」

ハルヒ「・・・本当にそれで良いの?文芸部とか、SOS団に正式に入部するとかそういう
    のはナシで?」

キョン「あぁ、まぁ言っても分からないが、前例だとそうなるな。SOS団はそもそもが
    非公式だから、入部届けとかは要らないだろう。」

ハルヒ「誰のせいで非公式だと思っているのよ・・・。」

朝倉「よし、って事は朝比奈さん。あなたも私達に協力してくれるのね?」

みくる「はい!よろしくお願い致します!」


キョン「話も大方終わったから、少しトイレに行って来るよ。」WC<ガチャッ

キョン「ふんふふんふふん♪・・・・・・。・・・・・・・・・・・・・・・・っ!?」

     みちる「ハ、ハロー「何してんですか朝比奈さん!?」

みちる「いやね、未来に帰ろうと思ったらTPDDが作用しなくて・・・どうも、うっかり
    私が帰る為に必要な機能まで移しちゃったらしいのよ。」

キョン「なんつードジを・・・それで、俺から返して貰う為に、今までここに居たんですか?
    というかじゃぁ、あの時消えた様に見えたのは何故なんです?」

みちる「あれは空間移動装置の力なのよ。TPDDで時間移動した先が、人間が生きられる環境
    とは限らないでしょう?地形は日々変わるし、地球は公転して太陽の周りを回るん
    だから。・・・時間移動装置の部分、うっかりね♪」

キョン「・・・まさか、またキスですか?あれ、もう少し何とかならないのでしょうか?」

みちる「TPDDの移動には、頭部をくっつける必要があるのよ。その上で、唇みたいな皮膚が
    薄い所だと移動させやすいの・・・大丈夫よ、今度は頬ずりだけでも出来るわ。」スッ・・・

キョン「・・・・・・。」ギュッ


スリスリスリスリスリ・・・・・・・・・・・・キュッ・・・・・・・・・・・・・・・スリスリスリスリスリ。


みちる「・・・もう、良いわ。・・・・・・・・・・今度こそ、さようならキョン君。」

キョン「またね、の間違いですよ朝比奈さん。・・・また、どこかで。」


朝比奈さんが、今度は本当に・・・この時間から消えた。未来に、無事に帰れると良いのだが。

ハルヒ「キョン、遅かったじゃない。」

キョン「悪いな、混んでたんだよ。・・・・・・何だその茶菓子は!?」

朝倉「キョン君ご馳走になってまーす。あ、店員さん!ちょっとこの抹茶羊羹シリーズ
   下さいな!」

長門「洋館羊羹・・・何故だか怖い。」

みくる「あ、あの、キョン君!私もお金を払いますからっ!!!」

キョン「うおおおおおおおおおおおおおおおおハルヒィー朝倉ぁーっ!!!!!!」



朝比奈「・・・・・・。」

監視員「過去からの帰還、ご無事で何よりです。」

朝比奈「・・・・・・あの世界へは、もう行けないのかしら?」

監視員「いえ、そうと決めてはいけませんよ。彼らを、信じるのです。」

朝比奈「・・・そうか、そうよねぇ・・・彼を信じなきゃいけないのに・・・・・・キス、しなきゃ
    良かった・・・・・・後味が最悪なのよ。」グスッ


これで、SOS団は晴れて5人目。若干の禍根を残しつつ、最後の一人の元へと向かう。

一旦ここで休憩です。軟弱者に、4時間座りっぱなしはきつかった。

少し休憩したらまた始めます。

>>223>>1と同一人物?

>>226
はい、同一人物ですよー。ご飯食べたら始めます。ヤキソバ美味い!辛いけど!!

キョン「・・・見つからないなぁ。」

パソコンの画面を弄くりながら、その手前に広げた雑誌類を見る。サイトの画面には
届いたメールが、雑誌はボードゲーム大会の記録や日程を載せていた。

キョン「まさか、古泉に苦戦をするとはな・・・とはいえ、以前のあの世界でも、ハルヒより
    見つかり辛い存在だったしなぁ・・・・・・。」

みくるがSOS団に入ってから一週間、その間ずっとボードゲームの少年を探し続けて来た。
授業中も家に居る時も、SOS団と居る時も・・・彼の事を考え続けてきた。正直言って今後こんなに
彼の事を考える事など、キョンの人生には絶対に訪れないだろう。

キョン「・・・仕方無い。今日は切り上げるか・・・いや、もう少しここら辺の玩具屋をあたってから・・・」

みくる「あ、キョン君!もう来てたんですね。」

キョン「朝比奈さん、こんにちは。・・・それは、メイド服ですか?」

みくる「えへへ、涼宮さんに貰ったんです。他にもナースとかバニーガールとか、恥ずかしい衣装が
    多かったんですけれども・・・でも、これなら普通ですよね。寧ろ動き易いです!」

スカートの裾を摘まんで、ヒラヒラと踊る様に回る。

キョン「天使だ・・・・・・」    ビクッ>

キョン「・・・・・・ん?」

みくる「あ、長門さんも、早くいらっしゃいな!」

長門「・・・・・・・・・・・・・・・・ご、ごしゅじんさま・・・お茶です・・・」プルプル

こちらの世界の長門は、朝比奈さんよりも小動物だ。

キョン「可愛いな長門、似合っているぞ!」ダキッギュウウウウウウスリスリスリスリスリ

長門「!?」

みくる「あっキョン君!いきなり抱きついたりしたらダメですよっ!めっ!」

長門「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」プシュー

キョン「いや、ははは。あまり見慣れない物で、つい・・・っという事はまさか・・・」

ハルヒ「その」

朝倉「まさかよ。」

キョン「・・・・・・おぉ、孫にも衣装だな。」

朝倉「あたし達はそんな評価!?」ガーン

馬子ですぞ

ハルヒ「という訳で、第1回SOS団会議を始めます!」ワーパチパチパチパチパチ

キョン「・・・なんでメイド服なんだ?ハルヒ。」

ハルヒ「実は昨日、面白そうなビラを見つけたのよね。町内野球大会の奴。
    でもほら私右手を怪我してて参加出来ないでしょ?」

朝倉「本当にねぇ~。」ジロリ

キョン「ははははは、そそれでどどどどうしてメイド服なんだって。」

長門・みくる「?」

ハルヒ「屋外競技は手が痛くて出来ないわ!屋内競技も、やっぱり手が痛くて
    出来ない物が多いのよ。なので!せめて可愛らしい物を集めて気晴らし
    にしようと思った訳よ。」

キョン「ほほぅ、良い考えだな。これで鶴屋さんも居ればフルコースって所だが。」

みくる「あ、鶴屋さんは今日家の用事があるので来れないそうですよ。ヤキソバの
    新事業を行うらしくて、自ら顔出しに行ったそうで・・・」

朝倉「偉いわねぇ~。というか凄いわよね~。」

ハルヒ「せっかくもう1着用意したんだけれど、まぁ仕方無いわよね。じゃ、早速
    SOS団の会議を始めるわよ。題して・・・」

キョン「メイド服はこれか・・・」イソイソ

ハルヒ・朝倉・長門・みくる「!!!!????」

>>233
間違えた!何かおかしいと思っていたんだけれどな!

ハルヒ「ちょっバカな事はやめなさいよ!バニーボーイの二の舞よっ!?」
朝倉「そうよそれであなた学年中に名前を広めたんじゃない!!!」

長門「バ・・・バニーボーイ?」

みくる「キョ、キョン君!?ここで脱がないで下さい!」

キョン「おっと失礼朝比奈さん、俺ともあろうものが確かにこのままじゃいけないな。
    悪いなハルヒ、朝倉。すぐに着替えてくるから。」ガチャッ

ハルヒ「ちょっと待ちなさいよキョン!キョン!!キョオーーーーーーーーーーンッ!!!」
朝倉「そういう問題じゃなああああああああああああいっ!!!」

ハルヒ「追うわよ皆!これ以上厄介事を起こしたら取り潰されるわ!」

朝倉「鶴屋さんがいない事が唯一の救いかしら・・・あの人と出くわしたら殺される所よ!!!」ナイフスチャッ

ハルヒ「長門ちゃん!みくるちゃん!・・・・・・半殺しまで許可します。あなた達も行きなさい!」釘バットチャキッ

長門「・・・・・・・・えっ!?」
みくる「ひゃ、ひゃいっ!!!?」

谷口「おー涼宮、何だその格好は。・・・っておぉ!?朝倉、長門、そして何だあの
   後ろの美少女は!?」

ハルヒ「馬鹿な事言ってないで谷口、キョンを見なかった!?」

谷口「キョンか?あいつならたった今、屋上に・・・何だ、また厄介事か。」

朝倉「屋上ね!分かったわ、行きましょう!!」

ハルヒ「でも、あいつのフットワークの軽さは伊達じゃないわ・・・きっと今頃は
    1階職員室の前を走っていてもおかしくは無い!」

みくる「い、いくら何でもそれは速過ぎじゃ・・・」ギャーナンダアイツハー! マタキョンダー! スケコマシタルー!!!


ハルヒ「・・・・・・・・・・行きましょう。朝倉さん、ナイフは研いだ?」

朝倉「えぇ、こんな事もあろうかと!」チャキン!!!

長門「・・・・・・人間に対する扱いとは思えない・・・・・・。」

みくる「こ、この金属バットで私に何をしろと・・・涼宮さん!?朝倉さーーーーんっ!!!」

キョン「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお俺は駆ける
    一陣の風!このまま走ってメイド産業の荒波を乗り越えていくのさああああっ!!!」

岡部「やめろキョン!お前はニッチ過ぎる!!!」

キョン「ふははははははははは、旧人類的価値観しか持たないお前等に、この俺は捕まえ
    られねえええええええええええええええっ!!!うおおおおおおおおおおおおお
    サムデイ イン ザ レイーーーーンッ!!!」

   「・・・・・・・っ!?」ブオンッ シュッキン!!!

キョン「・・・・この風圧・・・釘バットとナイフ!朝倉と朝倉だな!?」

朝倉「何で私が分裂してるのよ!そんなに凶器なイメージがあるの!?」

ハルヒ「正直、私も釘バット持ったのは初めてなのよね・・・なんて事は置いといて、さぁキョン!
    これ以上馬鹿な真似はやめて、大人しく部室に来なさい!ついでにそのメイド服を脱ぎな
    さい!!!」

キョン「嫌なこった、ハルヒ!俺はメイドガイ産業のプリンスとなるのだっ!!!」

ハルヒ「あいつに言葉は通じないわ・・・今のあいつは怒れる王蟲!」

朝倉「喜緑さんから預かった、この(自称)エクスカリバー・・・その力を見せてあげる!!!でやああああああああっ!!!」


岡部「天使が・・・悪魔と対決している・・・・・・っ。」

長門「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」コトコトコト

みくる「・・・・・・。」コポコポ

長門「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」トテチテター・・・・・・トテチテター、コトコトコト。

みくる「・・・・・・あの、長門さん?何をやっているんですか?」

長門「・・・・・・画鋲を、置いてみたらどうかと思って・・・。」トテチテター←画鋲を取りに行く音

みくる「キョン君は確かに変人ですけれど、いくらなんでもそれにはかからないかと・・・」

長門「・・・・・・そう。」

キョン「体力回復!天使の紅茶・・・あぎゃあああああああああああ足と尻に画鋲があああっ!?」

みくる・長門「かかったぁっ!?」


タタタタタタッ・・・
ハルヒ「よくやったわみくるちゃん!有希!勲章物よっ!!!」

朝倉「私のメイド服をよくも破いてくれたわねぇーーーーっ!今気付いたけどこれ、パンティも
   ストッキングも丸見えじゃないっ!!!」シュシュシュシュシュッ!!!

キョン「ぐあああああああ」ザクザクザクッ!!!

キョン「」

谷口「見れば見る程吐き気がする光景だな。」

ハルヒ「分かっているならさっさと脱がせてよ!パンツ一丁にするだけで良いわ、んで
    その後はメイド服を捨ててね!」

谷口「いいのかコレ?高いんじゃないのか?」

ハルヒ「もうボロボロで血も付いているし、そんな物鶴屋さんにあげられないしね。ほら、
    早くやったやった。食券10枚分働きなさい!」

みくる「朝倉さん、大丈夫ですかぁ?」

朝倉「うぅ・・・もうお嫁にいけない・・・・・・」シクシク

長門「・・・・・・・・・。」(また、黒歴史を持つ者が一人・・・・・・嬉しいような、悲しいような。)


谷口「・・・・・・よぅ、起きたかキョン?」

キョン「・・・谷口、俺は・・・メイドのスキマ産業に入れたかなぁ?」

谷口「脳みそに隙間風が入っているのは分かるぜ。」ヌギヌギ

書き溜めておけよゴミ屑が

長門「・・・・・・キョン君、あれ・・・。」

キョン「どうした長門?縛られているからそっちを向けないんだ。」

谷口「・・・げっ、あれ警察じゃねぇか?お前の騒動を聞きつけて、誰かが通報したんだよ。」

キョン「そんな、俺はむしろ被害者なのに!?」

朝倉「私の方が被害者よっ!あなたの怪我は治るけれど、私の心の傷は癒えないわ!!!」

ハルヒ「・・・うぎゃっ、こっちに真っ直ぐ来るわ。流石にやり過ぎたかしら・・・今日はかなり
    絞られる事を覚悟しなきゃね・・・。」


???「ここが騒ぎの大元ですか?」

???「えぇ、そうですね。かなり埃が舞っていますから。」

岡部「・・・鋭いんですね、お二方。でも、うちの生徒はそんな悪い奴じゃないですよ?人に
   ナイフを向けて暴れるなんてとてもとても。」←クラスに二人も居る


ハルヒ「・・・来たわね。谷口、キョンを解いてあんたは逃げなさい。キョン、何か変な事をしちゃ
    ダメよ絶対!」

キョン「あぁ、任せろ・・・・・・その辺に、ぬかりは無い!」(キリッ ←メイド服

ハルヒ「まずは服を脱げえええええええええええええっ!!!」

>>244
許しておくれ。

???「・・・今の声は何ですか?」

岡部「さ、さぁ・・・全く、あいつらときたら・・・・・・」

???「行きましょう、新川さん!」

新川「えぇ森さん!」

ドア<ガチャッ

新川「君達!さっきの騒ぎはここが原因だねっ!?」

森「ちょっと静かにして、私達の話を聞い・・・て・・・・・・」

キョン「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
    新川さぁあああああああああああああああんっ!!!」

新川「うわっ、ちょっと君なんだね!?」

森「知り合いですかっ!?」

キョン「森さあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああん
    はあああああああああああああん会いたかったよおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!」

森「きゃああああああああああああああああああああっ!?」ドカバスゴキャァッ!!!

ハルヒ「キョオオーーーーーーーーーーーーンッ!!!」
朝倉・長門・みくる「キョンくーーーーーーーーーーーーーーーんっ!!!」

キョン「」チーン

ハルヒ「さっきより酷い状態に・・・・・・」

新川「森さん、いくら何でもこれはやり過ぎですよ・・・・・・。」

森「だ、だっていきなり抱きついてくるんだもん!怖かったんですもん!!」

長門「・・・・・・気持ちは分かる。」

朝倉「と、とにかくあたし達はちょっとじゃれてただけで・・・本当に何でも無い
   んですってば!私の服が破けたのも、まぁ恥ずかしいですけれど大した事
   じゃないですし!」

みくる「さ、騒ぎ過ぎたのは謝りますから!度が過ぎてたなぁとも思ってます!」

新川「・・・ま、まぁそうなら良いんだがね?あまり芸者遊びみたいな真似は程ほどにしないと、
   私の弟の様になってしまうよ。こいつがロクでもない奴でねぇ・・・」

森「新川さん、特に何も無いならもう行きましょうよ。ね?」


キョン「・・・・・・待ってくれ・・・・・・森さん、新川さん・・・ちょっと・・・だけ・・・」
ハルヒ「キョン!?ダメよ動いちゃモザイクがズレるわ!!!」

キョン「森・・・さん、新川さん・・・ボードゲームはご趣味で・・・?」

森「えぃっ!?い、いえ!私は特に・・・」
新川「あ、あぁそれなら私が少し・・・将棋と、囲碁をやっているんだけれど・・・」

キョン「じゃ、じゃぁ・・・その時、誰かに教えたりしませんでしたか?その、囲碁とか
    将棋とかを・・・俺達と同年代の、男です・・・名前は古泉・・・っ!!!」

新川「古泉?彼を知っているのかね?」

キョン「えぇ、俺の知っている頃と性格が同じとは限りませんが、下の名前は一樹・・・。
    割りと情の深い、んでもってまどろっこしい説明をする男ですよ。」

新川「あの子の知り合いだったのか。いや、それは失礼したな。」

キョン「えぇ、それで・・・あなた達の事も聞いていたんです。刑事・・・だったんですね
    新川さん、森・・・園生さん・・・。古泉は・・・元気ですか?」


新川「・・・・・・そうか、君は彼の友達か。ならば言わねばならんね、彼は・・・死んだよ。」

キョン「しっ・・・・・・」

ハルヒ・朝倉「死んだあああああああああっ!?」

新川「おぉ、何だ、君達も彼を知っているのか?」

ハルヒ「え・・・えぇ、そうなんです。彼とは、・・・SOS団同士の知り合いなんです。
    SOS団は、この文芸部室で活動する部活みたいな物で。それで、本当何で
    すか!?その、コイズミ君が死んだというのは・・・。」

新川「・・・あぁ、交通事故でつい3年前にな。SOS団というのは、その時からあったの
   かい?」

ハルヒ「・・・。」
朝倉「はい、当時から、ここの文芸部室の・・・部長さんがやさしい人で、中学生や小学生を
   集めて一緒に行事ごとに参加したりしてたんです。SOS団というのは、生徒社会を
   応援する世界作りの為の奉仕団体・・・なんて長い名前を縮めた物なんですよ。」

森「・・・そう、あの子には、友達が居たんだ・・・良かった、本当に良かった・・・・・・っ」グスッ、ヒック・・・・・・。

新川「・・・彼女は古泉のお姉さんみたいな物でね。仲が良かったんだよ。」
ハルヒ「そう・・・・・・なんですか・・・。」

森「・・・ヒック、グスッ・・・う、古泉・・・うぅ・・・・・・。」


キョン「畜生、何だよあいつ・・・・・・畜生、チクショオオオオオオオオオッ!!!」

岡部「・・・おい、説教は無しでいいぞ。お前達も、今日はもう帰りな。」

朝倉「はい、分かりました。・・・キョン君、行きましょう?」

キョン「・・・・・・。」

ハルヒ「キョン、しっかりしなさいよ!ねぇ、キョン!!!」
ガシッ
長門「・・・・・・涼宮さん、ダメ。あまり・・・その、責めちゃ・・・・・・」

ハルヒ「せ、責めてなんかいないわよ!只、あんまり落ち込むから・・・」

みくる「キョン君・・・・・・。」


新川、森は警察署に戻った。今回の騒動に関するお咎めは無いそうだ。・・・キョンは、
脳内から一つの可能性を消してしまっていた。世界が普通であるという事は、こういう
事であるのだという事を・・・世界は無慈悲であるという事を、彼は忘れていた。


・・・・・・どこかで、水滴が落ちる音が聞こえる。

キョン「・・・・・・。」

頭の中で考える。古泉がいないとはどういう事か?
もしもこの世界があの消失世界と同じであるならば、鍵となるのはSOS団に違いない。
ハルヒ、長門、みくる、そして古泉。この4人と自分と、そしてあの文芸部室を合わせれば
鍵は全て揃い、元に戻る筈。・・・世界を、消失させたままにしないで済んだ筈。

しかし、古泉はいない。鍵は、揃わない。


キョン「・・・どうすれば良いんだよ、俺は・・・。長門、朝比奈さん、俺は・・・・・・。」

朝比奈さん(大)から受け取った、TPDDの力の片鱗は、本当に頭の中にあるのかと言いたい程
その存在は感じられなかった。いくら朝比奈さんがドジッ子でも、使い方を伝え忘れる・・・なんて
事は無いだろう。一応頭の中で関係がありそうな言葉を思い浮かべてみたりしたが、そのどれもが
発動には結びつかなかった。ならば、この未来の道具には頼れないという事だ。

長門には頼れない。ここには宇宙人は存在しない。そして機関も、今は只の警察や・・・その他の、
平凡な職に勤める人々でしか無い。

3年前、元の歴史では確実に生きていた時間帯に古泉は死んだ。特殊な時間断裂は、その歴史すらも
歪めてしまったのだろうか。自分があの世界に帰れない事以上に、元のSOS団に永遠にならない事
の方が・・・衝撃である。

キョン「・・・・・・。」

SOS団のサイトを更新する。不思議な話を集めるだけでは無く、こちらからも
活動報告を上げる形でサイトを運営しているのだ。だが、今のその活動に意味は
無い。只の、義務でしか無いのだ。

みくる「キョ、キョン君。お茶飲みますか?」

キョン「あ、すみません朝比奈さん。一つ貰います。」

みくる「えぇ。・・・元気出して下さいね、おまじないをかけておきましょう。」

そう言って微笑みながら、みくるはポットからお湯を注ぎ始めた。キョンは立ち上がると、
サイトを閉じ伸びをする。視線を部屋の隅にやれば、そこには長門が座っていて、本を読んで
いた。難しそうな分厚い本だ・・・題名など、想像もしたくない。

ハルヒはまだ見えない。朝倉は家の用事だと言って今日は休みだ。



そして勿論、この部屋に居る男は・・・・・・彼一人である。

みくる「お茶を、どうぞ。」

ハルヒ「キョンッ!!!」

キョン「お、ハルヒ。遅かったな。」ズズー

ハルヒ「呑気にお茶なんて啜っていないで、ちょっと手伝いなさいよ!どうせ
    あんた、ここ数日そんな感じでボケーッとしてるんでしょう?なら暇
    よね暇でしょ忙しいなんて言わせないわ!」

キョン「・・・何だよ、急に。何かまた厄介事か?」

ハルヒ「あんたにだけは言われたく無いわよ!それより、これよこれ!あんた、
    これ分かる?」

キョン「数学か、生憎だが俺の脳みそにはピンと来ないな。お前の宿題か?」

ハルヒ「違うわよ、私の家の近所に住む子が居てね、その子の宿題なのよ。まぁ、
    あんたに分かる訳も無いわよね。ねぇ、みくるちゃん、有希、これ分かる?」

みくる「うぇっ!?そ、そんな難しいの分かりませんよぉ。」
長門「・・・分かる。」

ハルヒ「本当!?お願い、この答え教えて!」

長門「・・・でも、それは宿題で・・・」

ハルヒ「良いのよ、別にあの子に教える訳じゃなくて、単に競争なの!あの子とどっちが
    早く解けるかっていうね!!!」

キョン「・・・でも、それじゃお前ズr「シャラップ、黙りなさい凡人確定。」

朝倉「やっほー、ごめんごめん。遅くなっちゃったわねー。」

キョン「お前も持ち込み企画か、今度は何のゲームだ・・・バケツ?・・・カメか。」

朝倉「えぇ、この文芸部室で買えないかしら?やっぱり、湿気とか問題ある?私の
   知り合いの人がねー、高校の音楽室で飼っていたんだけど、そのカメが子供を
   産んだのよね。それで、私も一匹欲しいなっていって貰ってきたのよ。ねぇ
   トンちゃん2号!」

キョン「ネーミングセンス無いな、お前。」

朝倉「五月蝿いわよ、全く。それより、どこかに置く場所無いかしらね・・・あら涼宮さん、
   何してるの?」

ハルヒ「あ、朝倉さん!見てよこれ凄いわ、有希凄いのよ!こんなに難しい問題を、あっと
    いう間に解いちゃった!!!」

朝倉「へぇ、ちょっと見せてよ。・・・うっわぁ、何この計算式。」

長門「・・・昔タイムマシンを本気で作ろうとして、その時に物理を勉強したから出来た。」

キョン「長門は凄いなぁ。」

ハルヒ「・・・な、私だって凄いわよっ!?この間書いた論文、読んでみる!?難しくてキョンの
    頭なんかパーンよパーン!!!」

朝倉「論文?何の?」

ハルヒ「まぁ、それは見てからのお楽しみって奴よ。一応ここ文芸部な訳だし、
    何か皆で小説でも書いてみるのも面白いと思ってね!その手本!!」

キョン「それで論文か?お前はやっぱり、少しズレているなぁ。どれ、見せてみろ」

ハルヒ「腰を抜かさないでよね、キョン!!!」


キョン「・・・ほぉ、結構面白いんじゃないか?少なくとも、長門とかはこういうの
    好みそうだな。ほら。」

長門「・・・見せて。」
ハルヒ「ほらちょっと凄いでしょう!?まだまだ未完成で穴だらけ、虫食い穴みたいな
理論だけれどね!」
朝倉「へぇ~涼宮さん字が綺麗ねぇ。」
みくる「私にも見せて下さいよぉ~。」


キョン「・・・・・・フフッ。」

キョンに、いつ振りかの笑顔が生まれた。微笑ましい光景を前に、少し心が軽くなった・・・
その時。

ふと、頭の中に波紋が広がる。それは、

朝比奈みくるの入れた、お茶の表面であり。
難しい本を読む長門の、瞳の光であり。
朝倉涼子が連れて来た、可愛らしいカメの泳ぐ様であり。
どうしてだか分からないが、涼宮ハルヒの論文もそんなイメージだ。

キョン「・・・・・・くっ・・・。」

ハルヒ「・・・キョン?」
朝倉「キョン君?」

長門「・・・・・・・・・・・ぁっ!」
みくる「きゃっ!!!」


キョンは倒れ伏し、そのまま「かき消す様にその場から消えた」。


ある、夏も近い・・・・・・七月七日の事である。

キョン「・・・・・・つぅ、ここは一体どこだ?外・・・?暗いし、何がどうなって・・・。」

キョン「・・・学校の校庭・・・・・うぅ・・・・・・。」

???「・・・ちょっとあんた、早く入りなさいよ!」

???「待て、俺はそんな、校門を飛び越えたりする真似は出来ないんだよ!」

キョン「・・・っ!?隠れた方が良さ気だな。」


???「ほら、ここに石灰があるわね。あんた、これ持って運動場で待ちなさい!私は
  あの壇上に立って指示するから!」
???「お前は楽な方かよ・・・」
???「何を言っているの!?私は頭脳であんたは手足!役割分担よ、ほらさっさと持って
  行きなさい、ありったけね!!!」

キョン「・・・何だか、随分と横暴な奴だな・・・。おっと、バレるバレる・・・。」

???「・・・ねぇ、今何か居なかった?」
???「猫だろ、ほら持ったぞ。早く行こうぜ。」
???「あんたが指示してどうするのよ!もう・・・ほら行くわよ!早く!!!」タタタタタタタタタッ・・・・・・
???「やれやれ・・・3年前から横暴な奴だ。」キコキコキコキコ・・・・・・

キョン「・・・3年前、あぁ、そうだ・・・俺にはやらなければならない事があるんだっ!えぇと、
    あぁ、でも・・・・・・」

キョン「俺は一体、誰なんだ?」

キョン「何がどうなっている・・・この胸の焦燥感は何だ!?時間は・・・夜8時過ぎか。
    7月7日で、ここは・・・多分、中学校かな?・・・場所も分かる。でも、俺が
    誰だか分からない・・・・・・全く、何がどうなっていやがる!」

???「・・・やっぱり、あそこ何か居るわよ。ちょっと見てきてよ・・・」
???「別に、何も居ないだろう?それよりほら、早く指示しろよ。次はどこに線を・・・」


キョン「危ないな。何故だか知らんが、あいつらに見つかったらとんでもない事になる
    気がする。」

キョン「・・・とにかく、こっから離れよう。ここに居るだけでは解決しそうに無いしな。」



キョン「迷ったああああぁぁぁ・・・・・・。何処だよここはぁ~・・・。」

???「あの~・・・」

キョン「うわぁっ、さっきの人!違います別に私は怪しい人じゃないんです!さようなら!!
    アデュー!!!」

???「えっ!?あ、待って下さいねぇ、ちょっと!!!」

???「ねぇ、ちょっと!待って!!」

キョン「うおおおおおおおおおおおおおおおっごめんなさい違うんです別に不法侵入したあなたを見た
    訳では!」

???「不法侵入って何!?ボク何かした!?」

キョン「・・・・・・・・・ボク?」クルッ

キョン「・・・あぁ、何だ・・・格好が似てるから分からなかった、君男の子か?」

???「うぅ・・・酷いですよ・・・。」

キョン「す、すまんすまん、泣かないでくれ・・・えぇと、俺は・・・お、俺はジョン!ジョン・スミスだ!!
    君の名前は何だい?」

???「ジョン?・・・外国の人なの?ボクは・・・」

キョン「あぁ、いや、まぁそんな所だな!別に怪しい者では無いさ。よしよし、泣き止んでくれ。泣き止んだら、
    俺の事は黙ってそのまま見逃してくれ。」

???「・・・ボクは、古泉。古泉、一樹だよ。」

キョン「古泉君か、そうか、あまり遅くならない内に帰れよ!お母さんも心配しているぞ!」

古泉「・・・・・・心配なんか、していないよ。」

キョン「はぇ?」

古泉「お母さんも、お父さんも・・・ボクの事ばんか、じんぱい・・・しれ・・・くれないよ・・・」グスッ、ヒック

キョン(地雷踏んだか・・・)「お、おおおおおおおおおおおおおお兄さんにはどうしようも無いなそそりゃ。」

古泉「・・・・・・うん。それもそうだね、じゃぁねジョンさん。」


キョン「あぁ、じゃぁな・・・・・・何だ、この胸のざわめきは・・・。」

キョン「・・・・・・古泉君、ちょっと待ってくれないか?実はお兄さん、今とっても困っていてな。ちょっと手を
    貸してくれないか?」

古泉「!お金なら貸さないよ!?どうせ返してくれないんだ!そのまま取るんだ、不良なんだ!!!」ダッ

キョン「ちょ、ちょっと待ってくれ!古泉君!?いや、マジで違うから・・・」




   ググ・・・・・・                     グラグラグラグラグラッ!!!!!

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ・・・

キョン「何だこの揺れは・・・地面が揺れてないのに、何かが揺れている様に感じる・・・
    あっ、あぁっ!!!??古泉君っ!?」

古泉「うわ・・・うわああああああああああああああああああああああああああああああああああ
   ああああああああああああああああああああっ!!!!!!」ズズズブッ・・・・・・ズズズズズ・・・・・・・・・

キョン「何だありゃ・・・体が消えて、いや何かに飲まれて・・・・・・・・・クソッ、待ってろ!今助けて
    やるからな!!!」

古泉「うわ・・・わああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!」


パキューーーーーーーーーーンッ   ・・・・・----ィィィイイイインッ!!!!!  どてっ!

キョン「痛っ!」
古泉「うわっ!!!」

キョン「・・・・・・やばい、目が見えない。入る時のあの光、何だ一体!?」
古泉「ぼ、ボクは目を瞑っていたから、何が何だか・・・・・・。何、これ・・・これは何っ!?」
キョン「えっ!?何?何だ!?」------------------------ォォォォォォオオオオオオオオン・・・・・・・・・。




古泉「青い・・・・・・・・・巨人?」

キョン「うわぁっ!何だ!何か居る!!何か感じるぞ俺は!!!」

古泉「・・・涼宮ハルヒのストレスが実体化した存在・・・この灰色の世界は、彼女の力によって
   作られる、・・・そして少しずつ広がって、やがて世界を覆い・・・入れ替える!?」

キョン「この状況が分かるのか!?」

古泉「何でか知らないけれど・・・頭の中に浮かぶんだ!分かるんだ!ボクの中に・・・変な力が
   あるって!」


-----------------ォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!!

古泉「う、うわぁあぁぁっ!!!」
キョン「うぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
    あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
    ああああああああああああああばばばばばばばばばばっ!!!!!」
青い巨人の腕が振るわれ、遠くにあるビルが成す術も無く崩れ落ちていく。よく見れば、周囲は一面灰色の
奇妙な町並みであり、明かりを漏らす家屋は一軒も無い。

また、巨人の拳が落ちた。家が崩壊し、瓦礫がこちらに飛んでくる。
古泉「えぇ・・・えぇと!」

古泉少年が、全身に力を込める。赤い渦が足元から生まれ、やがて彼の体を包み込む・・・少々小さな、赤い
球体となった。瓦礫がぶつかる。球体はそれを貫き、更に細かくなった瓦礫を周囲に弾き飛ばした。

キョン「おぉ・・・何が起きているか分からないが、何だか凄い事になっているのは分かるぞ!」

青い巨人が、その赤い光を目に止めた。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・足を大きく、振り上げる。

古泉「わあああああああっ!わああああっ!!わああああああああああっ!!!」

古泉少年は、その足から必至に逃げ惑う。どうも巨人はその赤い点のみを見ているらしく、
更に近くに居るキョンには気づきもしない。しかし瓦礫は容赦なく飛び散り、やはり彼も
また、危険な状態にあるのだった。

キョン「うぉっ!また何か・・・近くに落ちてきた感じがするぞ!?うおっ!!!」ドシャァンッ
瞳は未だ暗闇になれず、まだ全快には数分かかる見通しだ。

古泉「うわぁっ、やだっ!助けてーーーーーーーーっ!誰かっ!!助けてーーーーーーーーーーーーっ!!!
   お姉ちゃーーーーーーーーーん!新川さーーーーーーーーーーーーーーーーーーーんっ!!!」

キョン「あ、新川!?・・・・・・聞いた事がある名前だな・・・って古泉君、結構ピンチじゃないのかアレ!?」

例え目は利かずとも、風の流れとうねりで感じられる。敵は数十メートルもあろうかという巨大な化物で、
少なくとも四足歩行では無さそうだ。そして古泉少年の声の位置から、彼は逃げ惑いつつも・・・逃げられない事が
分かる。

古泉「な、何だよ!この壁!!!」

・・・いわゆる、それは「世界の果て」だ。ゲームなどではお馴染みの、設計が成されていない故に入る事が出来ない
透明な壁。しかしこの世界のそれは灰色に輝く不気味な壁で、それも少しずつ広がっていた。

古泉「わっ、嫌だ、助けて・・・嫌だ、嫌だあああああああっ!!!」

古泉少年を包む赤い球が薄れる。少年の体から力が抜けるのと、それは同調している様だった。巨人の拳が振り上げ
られ、それが近くの建物をかする。現実世界ではきっと、誰かの家に相当するのだろう。

その家の瓦礫は、遠くに居る彼を救いに来た筈の男に、真っ直ぐと向かっていった。

キョン「グヘァッ!!!」

瓦礫は男の後頭部に当たり、そのまま体を押し倒す。死んではいないが、限りなく死に近い状態だ。
古泉少年は、その姿をしっかりと眼に映してしまう。

古泉「あ・・・あぁ・・・・・・」

世界の壁と、青い巨人に挟まれて。古泉少年は、その体から完全に力を抜いてしまった。

古泉「えっ・・・あっ・・・・・・うわあああああああああああああああああお姉ちゃーーーーーーーーーーんっ!!!」

高度数十メートルの高さから、古泉少年の細く軽い体が落ちる。巨人はその姿を追いすらしない・・・赤く光らない
球体は、基本目に入らないのだ。破壊願望に任せて、適当に拳を振り落とす。・・・その先には、空中落下中の古泉
少年が居た。

古泉「あぁ・・・・・・。」

古泉少年は考える、この落下する刹那の間に。両親に見捨てられ、頼りの姉代わりと叔父さんは近くにいない。
訳の分からない少女の訳の分からない空間で、このまま巨人に潰されて蛙の様に死ぬのか。

古泉「あぁ・・・・・・」

地面に叩きつけられるその間際、視界の隅に入ったのはジョン・スミスと名乗る謎の男だ。瓦礫に頭を打ちつけて、
血を流して倒れている。その体は動かず、巨人が弾き飛ばした別の瓦礫が今正に彼の体を押し潰そうとしていた。


古泉「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・っああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!」




・・・これは、実に陳腐な話しだ。よくある、少年漫画のつまらないストーリー。だが、


古泉「させない、させない、させない!!!殺させるもんか化物めえええええええええええええええええええっ!!!」




少年は、大好きな人々と・・・命の恩人の為に、立ち上がる物である。


『『『ゥゥウウウウウウウウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!!!』』』

そして、巨人はその全てを迎え撃つ。

赤く小さな球体が、その青い巨大な拳に突き刺さった。しかし拳は振りぬかれ、そのまま地面へと深く、深く
沈み込んでいく。

灰色の世界が、この世界に初めて生まれた世界の危機が、大きな轟きをあげて揺れた。灰色の土煙と青い巨人が
叫ぶ中、赤い光はどうしてもその姿を見る事が出来なかった。

キョン「う~ん・・・うん?」

キョンが目覚める。と同時に口一杯に灰色の何かが詰まっており、それが酷く無味乾燥な味で
ある事に顔をしかめ・・・そして、

キョン「・・・古泉!古泉はどこだっ!?」

キョン。時空振動。3年前の七夕に、そして閉鎖空間。そして、あの弱々しい古泉少年。
彼の脳裏に、いくつかの記憶が戻る。未だ完全では無いが、しかし十分な記憶。

キョン「古泉ーーーーーーーーーッ!!!どこだぁーーーーーーーーーーっ!!!」

・・・ピシ、パキパキピシッ・・・・・・

キョン「これは・・・閉鎖空間の崩壊・・・っ!古泉は勝ったのか!!!!!」

灰色の世界の空が割れ、星が瞬く夜空が覗く何とも不思議な光景を前に、キョンをひと時の
静寂を感じた。世界の危機は少年の前に敗れ去り、無様に足元へと崩れ落ちていく。・・・やがて。
灰色の煙が収まり、世界が完全に元通りとなった時・・・・・・。

キョン「古泉!」

赤い少年の姿が、そこにはあった。赤い球体は存在しないのに・・・少年の体は、赤く染まっている。

キョン「古泉、古泉っ!?」

キョンの脳裏に浮かぶのは、新川の悲しそうな顔である。


「・・・・・・あの子は、3年前に死んだんだ・・・交通事故でな。」

キョン「交通事故・・・交通事故って、こういう事かよっ!」

世界の危機を救った少年に対して、キョンは何も出来ない。少年の体はどんどん
赤く、そして黒く・・・肌は冷たく、青白くなっていく。

キョン「畜生・・・畜生!!!何も・・・また何も出来ないのか!!!!!」

これが本当の、世界の終わりか。そう、思わざるを得ない。助けを呼ぼうにも、彼は
今携帯電話を持たない。大声で叫ぼうにも、喉がかすれて助けも呼べない。体は全身
痛く、まともに動けない。

キョン「クソックソックソッ!!!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・俺の事はどうでも良い
    から・・・神様、この・・・・・・俺の友人だけでも、助けてくれ・・・っ!!!」

涙を浮かべ、天に懇願する。しかし神は、・・・・・・何も、答えてはくれなかった。



・・・・・・ョン君、キョン君!

???「キョン君、聞こえますか?私です、朝比奈です!!大きい方ですよ!!!」

キョン「・・・えっ・・・朝比奈さん!?何処に居るんですか!?古泉が、古泉が死にそうなんです!」

朝比奈「えぇ、分かっています。落ち着いて聞いて下さいキョン君。今、私はそこに居ません。声だけ
    そちらに送っています。これはTPDDの持つ機能の一つ、「時空跳躍指令」による物です。」

キョン「な・・・こっちにはいない!?そんな・・・・・・」

朝比奈「キョン君、大丈夫。少しの間、キョン君の体を借りるわよ。・・・説明は後でするから、ごめんね!」

キョン「えっ!?ちょっ朝比奈さ・・・・・・」


調整員「・・・ジャック完了、これより古泉一樹の治療任務にあたります!」

朝比奈「治療班、準備して!」

治療員「はいっ!!!総員配置に付け・・・これが未来の命運を決めるのだ!!!」



・・・・・・未来の技術について、少し説明しなければなるまい。TPDDは正式名称「時間平面破壊装置」、いわゆるタイムマシンにあたる。
これにより朝比奈さん(大)その他未来人は過去へ未来へと行ける訳だが、その機能は一つとは限らないのだ。・・・・・・つまり、時間を
移動したり空間座標を調節する他にもう一つ、未来人が取るべき行動である「禁則事項」という奴だ。
禁則事項は厄介で、とても人間一人の努力で守りきれる物ではない。精密なコンピュータで計算した事象全てを完璧に守らなければなら
ないのだ。だから、ジャックするのだ。制御するのだ、人間の頭脳を・・・言葉を、行動を、「未来に居る人間が」!

朝比奈「一度は言ってみたい台詞なんですよねキョン君・・・『未来の技術をなめないで頂戴』!」

治療員A「対象名「キョン」、骨・筋に異常無し!行動可能です!」
治療員B「痛覚遮断・・・・・・・・・完了!!!」

朝比奈「待っていてね古泉君、今助けてあげるから!」

・・・酷い話である。自分達では過去に飛ぶにリスクが高い為、少年一人を送り込み、
後からその行動を制御・操作し、高確率で重体となるであろう古泉少年を助けるの
だから。しかし、こうしなければならなかったのもまた事実。とりあえず今は・・・

朝比奈「治療装置展開!送り先はキョン君の傍へ!」
調整員「了解!!!」


・・・・・・未来人の、あまり無い活躍ぶりをご堪能頂くとしよう。






古泉「・・・う、うん?」

森「いっちゃん!?いっちゃん、大丈夫!?」

新川「良かった・・・目を覚ました!!!」
田丸「よっしゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
   よく頑張ったな古泉いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいっ!!!」

古泉「・・・・・・お姉ちゃん。皆。」

古泉「ねぇ、ジョン・スミスって知らない?」

森「だぁれそれ?外国の人?」

古泉「うん。・・・ボクを、助けてくれた人なんだ。」
森「まぁ本当?でも、そんな人全然見掛けないけれど・・・本当ならお礼がしたいわねぇ・・・はい、
  いっちゃん。林檎が剥けましたよー。」

古泉「・・・お姉ちゃん、一人でも食べられるよ。」

森「!あらそう、ほら、じゃぁここに置いておくね!     ・・・あ、田丸さん!どうです、伸展は・・・

田丸「ぜぇんぜんダメだなぁ、全く持って不可解だ。現場にゃ古泉の血痕が夥しく残っているって
   のに、まるで車の痕跡が見当たらないんだよ!ブレーキ痕どころか、破片の一つもだ!」

森「・・・そうですか・・・いっちゃんを轢いた犯人、絶対に許さないわ。いっちゃん、お姉ちゃんが必ず
 逮捕してあげるからね!」

古泉「お姉ちゃん、田丸さん、実は・・・・・・それの事なんだけど。」

森・田丸「「何?」」

古泉「信じられない様な話かも知れないけれど、聞いてくれる?」


・・・それは実に信じられない様な、壮大でそして恐ろしい話なのだが・・・しかし程なくして発生した
別の閉鎖空間を以てして、古泉は彼らに「超能力」の存在を知らしめ・・・・・・数ヵ月後には、「機関」の
前身となる組織が出来た。やがてそこに他の超能力者が集まり、警察や鶴屋家まで巻き込んだ大きな
騒動になるのだが・・・それはまた別の話。

キョン「・・・なあ朝倉、その林檎を少し分けてくれないか?」

朝倉「嫌です、怪我人は病院食でも食べてなさい!・・・全く、この大事な時期に車に轢かれる
   なんて、とんでもない大ポカね!大事に至らないから良かった物の、下手してたら死んで
   いたわよ!?」プンプン!

キョン「うぅ・・・何てこった、朝比奈さんも長門もいないし、俺の癒しはどうしてくれよう・・・暇だぁ。」

ガラッ

ハルヒ「キョン!大ニュースよ大ニュース!!うちの学校に、転校生が来るのよ!しかもその転校生ってね、
    ボードゲームの世界チャンピオンらしいのよ!!!」

朝倉「それって・・・もしかして、例の古泉君!?あぁ、良かった、遂に見つかったのね!いやぁ、あんまりにも
   情報が見つからない物だから、もう死んだのかと思ったわよ!」

ハルヒ「よし、キョン!さっさとその傷を治して、あんたも部室に来なさい!あたし達は一足早く彼に会って、
    SOS団に勧誘してみるわ!!!」
朝倉「そうと決まれば善は急げよ!むしろ、学校に来る前から勧誘しておかないとね!他の部活に取られたら、
   そいつらをナイフの錆びにしないといけなくなる所だわっ!!!」
ハルヒ「じゃ、またねキョン!また来るから、その時まで大人しくしてなさいよっ!!!」

ガラッ ピシャッ!!!


キョン「・・・やれやれ、嵐の様な奴だな相変わらず。」

キョン「・・・・・・・・・。」

キョン「・・・・・・・・・どうぞ、入ってくれ。」

???「お気遣い頂き済みません。あまりにも楽しそうな物で、ついやってきてしまいましたよ。」

キョン「・・・・・・よぉ、ようこそ・・・。この時期に、珍しい転校生だな?」

???「・・・えぇ、そうですね。ボクは、あなたの事を知っています。でも、それは3年前の話・・・その時と、
  全く姿形が変わらないんですね・・・「ジョン・スミス」さん。」

キョン「そうだな、ま、座れよ古泉。これから話す事は荒唐無稽で支離滅裂だ、「機関」とか「超能力」
    とか言われても、ピンと来ないだろうが・・・でも、お前が3年前の事を少しでも覚えているなら
    話は早いんだ。」

古泉「お付き合いしますよ、・・・いつまでも、ね。」


SOS団、これにて6人。最後の鍵は、懐かしきあの場所で。

一旦休憩を取ります。今度は5時間パソコンの前に居た事になるのか!

ちなみに、一応説明。古泉が機関の事を知らないのは、この世界が歪曲された
消失世界に近い状態だからです。

この古泉は機関とか知らない古泉なのか

>>312
消失のハルヒ状態ですね。3年前の記憶はあるけれど、そこから先が歪められている。

後、過去に飛んだキョンは一応普通の服という設定ですが、しかしメイド服ってのも
面白いかなぁ・・・シリアス設定で・・・あの格好・・・。

ハルヒ「・・・という訳で!我がSOS団に新しい団員が入りました!その名もっ」

古泉「古泉一樹、と申します。若輩者ですが、以後よろしくお願い致します。」

朝倉「あらイケメン♪」
みくる「私は朝比奈みくるです、よろしくお願いします!」
長門「・・・・・・長門、有希。」
キョン「改めて言う間でも無いが、言っておこう。キョンだ!」

ハルヒ「そして私がこのSOS団の超団長!涼宮ハルヒよ!!! じゃぁ、ま、各々自己紹介も
    済んだ所で!第一回!SOS団主催!!!」

   「 期 末 試 験 対 策 会 議 を行います!!!」


キョン・朝倉「ハァ・・・」
長門「・・・・・・」
みくる「あわわわわ・・・」
古泉「ふふっ」

キョン「何で古泉の晴れ舞台で、こんな湿気た事をせにゃならんのだ?」

ハルヒ「それは、今回のテストがマジでヤバいからよ!いつも真面目に授業をしている私でさえ
    お手軽なのよ!?あんたは本当に赤点取り捲るわ!」

キョン「お手上げだろう・・・本当に授業を受けているのか?」

古泉「ふふ、お気遣い有難うございます。しかし、皆で勉強というのも楽しい物ですよ。」

朝倉「さぁー頑張るぞー・・・あぁ、何よこのテスト範囲・・・物理的に不可能だわ。」

長門「・・・・・・。」
みくる「長門さん?どうです、分かります?」
長門「・・・・・・ギリギリで可能。・・・・・・・・・・・・・・・・・・赤点にはならない。」
キョン「長門で赤点回避レベルなのか!?」

ハルヒ「はぁ、しかもここ最近はSOS団探しで少したるんでいたからねぇ・・・それを
    抜きにしても、このテストは酷いわよ!」

古泉「僕は進学クラスなのですが、いかんせんこれは・・・少なくとも、高校生の領分ではないでしょう。」

朝倉「あぁ~あ、こりゃぁ相当厳しい戦いになるわねぇ・・・・・・。」


コンコン

ハルヒ「?誰かしら」

喜緑「あの~・・・」

長門「江美里!どうしたの?」

古泉「お知り合いですか?」

キョン「長門もお前と同じ転校生でな、その学校での友達だ。・・・少し痛い子だけど、気にするなよ。」

古泉「はぁ・・・。」

長門「・・・・・・どうか、したの?」

喜緑「実は・・・・・・」

ハルヒ「彼氏が行方不明・・・ねぇ。」

長門「江美里に彼氏・・・凄いね。どこで知り合ったの?」

喜緑「長門さんも、いつまでも堕天使と人間の合いの子だなんて妄想ふかしてないで
   もっと社交的になればすぐに会えるわよ。あんなノート、今すぐ欠片も残さず
   焼いちゃえば?」

長門「」

ハルヒ「うん、うん。そうよそれが良いわ・・・。」

古泉「・・・・・・っ・・・っイケマセンワラッテハイケマセン・・・・・・」プルプル

みくる「・・・。」←中学レディースだったのを思い出している。

キョン「で、その彼氏をうちに見つけて欲しいって事か?そんなの警察に頼めば良い
    じゃないか。そっちの方がよっぽど確立が・・・」

喜緑「警察はそう簡単に動かないわよ・・・全く連絡が取れなくなってから、もう半日も
   経つのに・・・・・・。」


ハルヒ・朝倉「へっ?」
みくる「?」
長門・古泉「・・・・・・;」

キョン(あ、古泉と二人でバニーボーイズってどうだろう・・・。)

喜緑「だってもう半日も連絡付かないんですよっ!?一日百通くらいメール送っているのに
   返事が来るのは半分にも満たないし電話をかけても取らない事があるし仕方無いから
   家まで行ったら奥に引っ込んで出てこなくなっちゃうし遠距離恋愛だからせめて声だけ
   でも沢山聞きたいなと思って電話してもしてもしてもしてもして取らないし私の画像
   送ってもこの間確認したら全部消去されていたし浮気してないか不安だから探偵を
   雇っているだけなのに怒られるしあれはもうきっと浮気しているんだわそうよそうに
   決まっているわそうじゃなかったら私の事無視する筈なんて無いきっと誰かが誑かして
   いるのよだから今日ここに来たのここの学校の人が私の彼氏だから確かめに来たの
   ねぇあなた達何か知っているでしょうあの人の事何か知らない調べてくれないSOS
   団なんでしょうお願いよお願いお願いお願いお願いお願い・・・。」

ハルヒ「・・・キョン!レッツ パーリィナイッ!!!」パンパンッ
古泉「!?」ビクッ

突如文芸部室が暗くなり、ついでピンク色の光が辺りを照らした!そこにキョンの姿は無く、
やがてカーテンの外に一つのシルエットが現れる・・・

ププッピドゥプワァ~・・・ン ワワワワワワワァ~・・・ン

キョン「ちょっとだケッェッ」
朝倉「キモいわあああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!」

ドンガラガッシャーン!!!

みくる「キョン君と朝倉さんが外にっ!!!」

ハルヒ「ちょっと朝倉さん!?何してるの!」
朝倉さん「私はあんな毒には毒みたいな解決法、認めませんからね!」

みくる「キョン君が!キョン君が白鳥ドレスのまま痙攣しています!!!」

古泉「・・・長門さん、あの・・・あの人、もしかして以前はあなたにベッタリでしたか?」
長門「そう。」
古泉「可能性は十分か・・・。」

喜緑「あぁそうよねここ確かSOS団ですものね確かこの隣にコンピュータ室があるそうだからきっと
   そこに居るんじゃないかしら私の彼氏絶対に逃がさないわ逃がしてなる物ですか必ず見つけて今度は
   胃袋から掴んであげるその為には良い奥さんにならなきゃ料理教室にいかないとね待っててダーリン
   もう私無しでは生きられない様にしてあげる・・・」ブツブツ

長門「江美里。・・・・・・いいえ、「キミちゃん」。」

喜緑「!?・・・何よ、長門さん。別に私はあなたに帰って来て欲しくなんかないんだからね!もうあなたは
   要らないの何が堕天使よ魔物よ戦う運命よ!あなたと一緒に居たいからずっと付き合ってたのにそれで
   それで用が済んだらポイなのね今度は私の方から捨ててあげるわそうよ私が」
長門「キミちゃん。」←指を喜緑の唇に当てる。

喜緑「ん・・・っにゃっ、にゃにを・・・・・・」

長門「・・・期末テストが終わったら、渡そうと思っていた。これ。」

喜緑「これ・・・携帯電話・・・何十万円もしたでしょう!?」

古泉(そんなにしねぇーよ!)

長門「・・・出発五分前まで転校を告げなかった事は謝る。ごめんなさい」ペコリ

喜緑「う・・・」

長門「・・・伝書鳩がいなくなったから手紙をサボっていた事も謝る。ごめんなさい」ペコリ

喜緑「うう・・・・・・」

長門「・・・あなたの思いに気付かなかったのはすべて私の過失。本当に・・・」ダキッギュゥゥゥ「!」

喜緑「長門ざあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああん
   ごべんねぇぇええええええええええええええええええええええええっ!!!!!!!!!私が悪
   かった!私が悪かったわあああああああああああああああああああああああああっ!!!」

長門「うんうん、よしよし。」

喜緑「聖剣もノートも、実は大事に取ってあるのおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!」

長門「それはやめて。」


ハルヒ「・・・いい話よね」ホロリ
古泉「・・・長門さんって、意外と罪作りですよね。」
キョン「だろう。」
朝倉「何で生きているのよアンタ・・・。」

冷静な長門

喜緑「じゃ、じゃぁね!私はもう帰ります、お騒がせしました!!長門さん、早速帰ったら
   電話するからね!絶対絶対、電話するからね!」

長門「・・・」ブイ


キョン「いやぁそそっかしい奴だったな。まぁ、何はともあれ一件落着めでたしめでたし、と。」
朝倉「しかしあなた達いつの間にあんな仕掛けを部室に作ったの?ピンクライトとかはまだ分かるけれど、
   手を叩いたら反応する電気スイッチって・・・」
ハルヒ「新しい会長が話の分かる奴でね、まぁ色々優遇して貰っているのよ。あいつの過失を見逃す代わり
    にね。」
古泉「それ脅してませんか?」


岡部「コラァーッキョーーン朝倉ぁーーーーーーーっ!部室で着衣落下プレイとはいい度胸だ降りて
   来ぉーーーーーーーーーーーい!!!!!」
キョン・朝倉「・・・・・・やれやれ。」

------------------------------------------------------------------------------------------
<ジャァカエルネナガトサァーーーーーーン

コンピ「・・・よし、良くやってくれた長門さんっ!!!」

prrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrr

コンピ「・・・・・・何だこの電話は・・・はい、もしもし?」


コンピ「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
    アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!」

キョン「・・・・・・」カタカタ。

古泉「お早うございます、精が出ますね。」

キョン「お前もな古泉。・・・もうそろそろ授業が始まるぜ。行くぞ。」

古泉「・・・あなたは、一体何を考えているのでしょうか?」

キョン「あ?」

古泉「この間から、随分と顔に余裕が無いのですが・・・また、何かありましたか?」

キョン「いや何も無いな。・・・何も無いから困っているんだよ。」

古泉「そうでしたね、・・・あなたは異世界人。SOS団を集めているのは元の世界に戻る為・・・
   しかし」

キョン「一向に・・・その気配が無いんだよなぁ・・・。」


キョンが見るパソコンの画面には、部員それぞれの個人フォルダとサイトのデータ、保存したり
取り込んだりした不思議なデータの数々。しかしその中には、どれにも・・・長門有希からの帰還
プログラムは含まれていなかった。

古泉「もしかしたら、その帰還プログラム自体が・・・」

キョン「・・・言うな。まだ時間はあるからな。」

元の世界で、長門有希が世界改変を生み出す日。恐らくは、それが彼に残された最後のタイムリミットなのだ。

季節は過ぎ、夏が終わった。スポンサー付きの超能力者も、夏休みの終わりにケチを付ける
神様もいない世界では、SOS団の合宿も、夏休みもごく普通に終わったのだ。それは賑やか
な事限りないが、しかしまぁ、至って平凡な日常に入るだろう。元の世界との違いをあげる
ならば、朝倉涼子が居る事と合宿場所が普通のビーチキャンプになった事、そして夏休み最後
の日に皆で宿題をやり遂げる所まで、1回も時間をループしなかった事か。ハルヒにその事を
伝えた日には、何て勿体無い事をしているんだ私と言わんばかりの膨れ面をしてみせた。


・・・さて、季節巡って初秋の頃。やはりハルヒは力無くともハルヒなのか、ごく当然の様に
こんな事を言ってきた。

ハルヒ「さぁ皆!映画を撮るわよっ!!!」

朝倉「映画かぁ・・・面白そうね。」

古泉「機材はどうしましょうか、借りられるお店を探してみますね。」

長門「・・・・・・。」ソワソワ

ハルヒ「有希は私と一緒に台本作らない?面白いのが出来ると思うわよ!」

みくる「わ、私にも出来る事は・・・・・・。」

キョン「よぉし腕がなるぜ、今回こそ俺にも役をくれよなハルヒ!」

ハルヒ「ノン、それはありえないわ。何故なら今回の話は、血湧き肉踊るアクション冒険サスペンス
    ファンタジー、恋愛成分てんこ盛りバージョンだからよ!」

キョン「た、頼むハルヒ!本当にちょい役で良いからあああああああああああっ!!!」

ハルヒ「何よ、これはもう決定なの!主役にみくるちゃんを添えて、有希と古泉君で
    脇を固めるの!朝倉さんもスペシャルゲスト出演よ!!!」

長門「役!」
古泉「これは光栄ですね・・・しかし涼宮さんも出たいでしょうし、そうなると彼一人
   のけ者と言う事になってしまうのでは無いでしょうか。」
みくる「それじゃキョン君が可哀想ですよぉ・・・」

キョン「・・・。」ウルウル

ハルヒ「・・・・・・一瞬でもあの消費者金融CMの子犬を連想した自分が腹立つわ。ダメ。
    却下!無し!!」

キョン「そんな殺生な!」

朝倉「・・・・・・涼宮さん、ちょっと位良いんじゃない?これも思い出よ思い出。今彼を
   入れなかったら、多分彼一生その事を言い続けるわいえ言うわ。」

ハルヒ「・・・しょうがないわねぇ、じゃぁ本当にちょっとだけよ?」

キョン「よっしゃあああああああああああああ有難うハルヒぃーーーっ!!!!!」



・・・・・・事態は、常に思ったよりも悪い物。朝比奈みちるの助言をしかし、この時彼は
思い出す事さえなかった。
そして。


     ・・・これが、”歪曲世界”における最後の思い出となる。

撮影初日!

ハルヒ「さぁ皆、張り切って行くわよ!」

キョン「凄いなこの機材は、一体どこから強奪してきたんだ?」

ハルヒ「強奪したのはあんたでしょうが!!!こっちはちゃんとした交渉の末に手に入れたのよ!
    商店街のお店をみくるちゃんと有希と朝倉さんに宣伝して貰う代わりに、この道具一式を
    くれたの!!」

古泉「宣伝、ですか。どういった内容で?」

朝倉「皆でバニーになって、看板持って手を振っているだけよ。そんなに面白くは無いわね。」

キョン「後で見せてくれ。朝比奈さんと長門の所はブルーレイディスクに保存したい。」

朝倉「私は!?癪に障るけれど引用すれば、谷口の女子データ上位ランクよ!?」

キョン「ハハッ」

朝倉「鼻で笑うなぁああああああああああああああああああっ!!!!!」

古泉「その朝比奈さんと長門さんは、どちらにいらっしゃるのでしょうか?」

ハルヒ「そろそろの筈なんだけれど・・・・・・」

みくる「・・・あのぉ~・・・・・・」

みくる「本当にっ」
長門「こんな格好をしなきゃ駄目・・・?」


キョン・古泉「」
朝倉「可愛いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいっ!!!!!!」
ハルヒ「でしょ!?でしょ!?可愛いでしょおおおおっ!!!!!」

キョン「・・・俺、この世界・・・頑張って生きてきて良かった・・・・・・諦めないで良がっだ・・・・・・っ!!!」ボロボロボロボログスッ、ヒック・・・
   オウオウオウ・・・グッス

古泉「・・・天使、って・・・こういう事?お姉ちゃん・・・・・・。」     ビクッ>

朝倉「今ならあの喜緑ちゃんの気持ちも分かるわああああああああ男共が朝比奈さんに現を抜かす気持ちも
   分かるわああああああああああああああいやあああああ何このこそばゆい感じ!全身に鳥肌が立って
   きちゃう!私の事お姉さんって言っていいのよ!?」

ハルヒ「恋愛なんて・・・精神病の一種の筈なのに・・・・・・」


みくる「ふぇええええええ、み、見ないで下さぁあぁぁぁぁぁぁいっ!」

長門「                         」←フリーズ

>>1よ、朝倉のバニーちゃんのデータを送ってくれ。後生だ。

鶴屋「やぁやぁやっているね君達!みくるも長門もめがっさ可愛いにょろよ!」

キョン「ちゅ・・・ちゅるやしゃん・・・・・・この奇跡はもしかして、あなたが起こしたんですか・・・?」

鶴屋「奇跡だなんて嫌だなぁキョン君!・・・みくると有希んこ、この二人が揃っていれば・・・こんな事、
   奇跡でも何でもないにょろよ・・・?」

キョン「弟子入りさせて下さい!!!!」ズザザザーッ

古泉・朝倉「天使!天使!!」パシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャ

みくる「へぇぇぇん、やめてくださぁ~い・・・な、長門さん・・・・・・涼宮さん・・・・・・」

長門「                            エラー発生、エラー発生」

ハルヒ「ねぇ・・・・・・二人とも・・・後で、ちょっと・・・」トローン

みくる「ひええええええええええええええええええええっ!!!!!」

鶴屋「あーーーーーーーーはっはっはっはっはっ!大盛況で何よりにょろ!・・・でも、これじゃぁそもそも撮影に
   ならないね!みくる、有希んこ、着替えて来るっさ!」

「「「「えええええええええええええええええええええええええええええええっ!!!???」」」」

>>343
俺も欲しいよ、クソッどこに置いたっけなぁ・・・・・・。

          「;:丶、:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:|
            ト、;:;:;:丶、:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:|
          {::ト、:;:;:;:;:;:` '' ー―――;:;: '|

           l::l . 丶、:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:|
           ',:i r- 、、` ' ―――一'' " .|
            || ヾ三)       ,ィ三ミヲ  | 麻呂が
            lj         ゙' ― '′ .|
           | , --:.:、:..   .:.:.:.:..:.:...  | このスレを
           | fr‐t-、ヽ.  .:.:. '",二ニ、、|
           l 丶‐三' ノ   :ヾイ、弋::ノ| 見つけました
           ', ゙'ー-‐' イ:   :..丶三-‐'"|
            ',    /.:   .      |
            ',  ,ィ/ :   .:'^ヽ、..  |
             ',.:/.:.,{、:   .: ,ノ 丶::. |
            ヽ .i:, ヽ、__, イ    _`゙.|
              ,.ゝ、ト=、ェェェェ=テアヽ|
           _r/ /:.`i ヽヾェェシ/   |
     _,,. -‐ '' " ´l. { {:.:.:.:', `.':==:'."    |
一 '' "´        ',ヽ丶:.:.:ヽ、 ⌒      ,|
             ヽ丶丶、:.:.ゝ、 ___,. イ |
              `丶、 ``"二ユ、_,.____|

キョン「あぁ・・・何だろう、あの時の記憶があんまり無いな・・・。」

古泉「あ、携帯カメラがブレてる・・・クソッ!」

朝倉「なーがとさん、ちょっともう一回だけ・・・もう一回だけで良いの!」

長門「・・・嫌。」トテチテター

朝倉「あぁっ逃げた!涼宮さん、そっち追って!涼宮さんっ!?」

ハルヒ「みくるちゃん!?どこ?どこに行ったのよ!!!!!」


鶴屋「・・・みくるはしばらくここに居るっさ、ハルにゃんの目が本気で血走っているにょろ。」

みくる「ふぇぇ~ん、怖いですぅ~」シクシク

キョン「長門おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
    ちょっと待ってくれええええええええええええええええええええええええっ!!!!!」
長門「いやあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ~・・・・・・・・・」


鶴屋「という訳にょろ。撮影は明日に延期っさ。ちょこーっとやり過ぎたかなって感じだね!」

森「そうですか・・・いっちゃんの演技見たかったなぁ・・・」

翌日!

みくる「もう昨日の様な衣装は!」
長門「来ません。」ブーブー

ハルヒ「ぐぬぬぬぬ・・・しかし着せればもう撮影に参加しないという・・・仕方ないわね。ここは
    条件を飲むしか無いわ。」
古泉「残念至極ですが、まぁ嫌がる女性に対して無理矢理着せようというのも紳士の道には反
   しますしね。」
朝倉「長門さんを剥きかかったバカはそこで転がっているから安心して!」

キョン「やめて鶴屋さん!おいこら谷口!国木田!!離せ!!!離しやがれええええええ・・・
    待て離すなやめろ池に落ちる!!!」

鶴屋「みくるが機嫌を直さなかった時の為に撮影しておくっさ!題して「怪人ビキニパンツの最後」にょろ!」

谷口「興行収入ぶっちぎりで最下位になるな。」

国木田「「おっと谷口君、そこ気をつけるにょろ!キョン君が足に噛み付こうとしているよ!」


ハルヒ「・・・・・・では、そろそろ真面目に本題に入りましょう・・・もう撮影は一日遅れているのよ!序盤からテキパキと
    撮っていきましょう!皆、台本は読んだ!?」

「「「「「「「はーい」」」」」」」ニョロ

キョン「誰か起こしてくれえええええええええ二度と長門を襲わないからあああああああああっ!!!」

・・・さて、こちらも話しはトントン拍子に進む。超監督ハルヒの滅茶苦茶な撮影スケジュールは
変わらないものの、みくるがビームを本当に撃つ羽目になったり季節はずれの珍事が町中で起こっ
たりしない為にさして気を囚われずに撮影へ集中出来るからだ。

みくる「わ、私は実は未来からき・・・来、た・・・戦うメイド戦士、ミラクルみくるなのです!」
鶴屋「そ、それは気付かなかったさ・・・何て・・・何て・・・何て・・・ごめんもう駄目にょろー!あーーー
   はっはっはっはっはっはっはっはっ!!!」

シャミセン「我輩は猫であるんだニャー」
キョン「喋ったああああああああああああああああああああああああああっ!?」
長門「・・・腹話術。」
キョン「すげぇっ!」

ハルヒ「う~ん・・・鳩が飛び立つシーンを取りたいけれど、そんなに都合良く鳩がいないのよねぇ・・・。」
朝倉「それなら、カラスが居る所でも良いんじゃない?悪役の不気味さがよく出ると思うわ!」

古泉「私は・・・・・・あなたを愛しています・・・・・・」(キリッ
みくる「えっ!?あっ・・・えぇ~と、はい、私も・・・」
ハルヒ「カットカットカットカットカットオオオオオオオオオオオオッ!!!」
朝比奈「本気で惚れさせる気か!」
キョン「古泉てめええええええええええええええええっ!!!」

長門「・・・・・・鶴屋さん?」
鶴屋「只の怪人のお姉さんにょろよ。さぁさぁ、有希んこもさっさと着替えて撮影に行くにょろ!」

みくる「あのぉ~、お弁当持ってきたんですけれど・・・」
ハルヒ「みくるちゃん!?今撮影中!もう一回!」
キョン「やっと上手く行ったのに・・・・・・」ボロッ
古泉「次は・・・TAKE548ですか・・・・・・。」ボロッ

>>354
下から9番目、朝比奈を朝倉に変えてください。何でゴットゥーザ様になってんだよこの人・・・。

撮影中盤!

ハルヒ「え~と、これで後は・・・谷口が鰐に食べられるシーンと、鶴屋さんが正体を
    明かすシーンと、最後のみらくるミクル対大魔法使いユッキーの決戦、それから
    古泉君の推理シーンね。」

朝倉「細かい調整を入れた方が良いシーンもあるわね、ほらここの朝比奈さんが長門さんを
   踏むシーン、もう少し怖い顔の方が良いと思うのよねぇ」ボリボリ

古泉「それなら、もしも許していただけるなら僕の出番の所で少し、やり直したい所があるん
   ですよ。もっと台詞をハッキリ言っておいた方が良いんじゃないかって所が・・・ここです。
   戦闘員の結婚式会場に爆弾を撃ち込む所。」モグモグ

みくる「ふぇ~大変ですねぇー。あ、長門さん、お茶お代わりどうです?」トポトポトポ・・・

長門「・・・・・・欲しい。喋りすっ・・・過ぎて、喉がカラカラ・・・」ゴクゴク!

キョン「ふぅ~。いやぁ、自分の台詞があるだけでも本当に変わるんだなぁ映画撮影も!」フキフキ

ハルヒ「何よ、今までの私には言わせて貰えなかった訳?」

キョン「いや、そうでも無いんだがな・・・あぁ、そうだハルヒ。お前の台詞はどうするんだ?」

ハルヒ「私の台詞?そんな物必要無いじゃない。出演していないんだから。」

鶴屋「だから、それをどうするかって話しにょろよ。」ハムッ

ハルヒ「・・・別に良いわよ。出なくても」

キョン「俺は出ても良いと思うぜ。というか出ないと座りが悪い。何せ、準団員まで結構な
    役柄なのに、団長たるお前が1mmも映っていないんじゃなぁ。」

朝倉「涼宮さん、もしかして意外とシャイ?」
ハルヒ「そんな訳ないじゃない!私に演技をさせたら大した物よ?でもね、私は今団長じゃなくて
    監督なの!映画全体を把握して完成に導かなきゃならないのに、自分の役まで出来ないわよ。」

ハルヒ「それはまぁ、私自身が未熟ってのもあるだろうけれどね。だからはい、もうこの話はおしまい!
    それより、早く残りの分を撮影しちゃいましょ!その後で、さっき言っていた取り直しの分を
    やりましょうよ。」

鶴屋「そうだね、まだ時間はあるけれど、編集する時間を考えたらもう後1週間も撮影に使えないっさ。」

ハルヒ「でしょう?だからはい、休憩終わり!皆、撮影に行くわよ!」

「「「「「「「おーーーーーーーーーーっ」」」」」」」ニョロ


キョン「古泉、どうかしたのか?」
古泉「・・・いえ、何でもありません。只、涼宮さんも本当は役をやりたいのでは・・・と思っただけですよ。」
キョン「ふぅーん・・・・・・」


ハルヒ「はい、じゃぁ本番!谷口、死ぬ気で泳ぎなさいよ!!!その鰐本物だから!!!!!」

キョン「古泉、ハルヒの台本ってどこにあるか分かるか?」

古泉「涼宮さんのですか?いつも鞄に入れて持ち帰っている様ですけれど・・・どうかしました?」

キョン「いやな、お前も言っていただろう?ハルヒも役をやりたがっているって。台本は最初の頃と
    比べて色んな修正が加えているけれど、その中から再利用出来るキャラとか、とにかく何でも
    あいつが参加出来る様な役を作れないかな、と思ってさ。」

古泉「それで涼宮さんの台本ですか。確かに、彼女の台本は色んなアイデアが途中からも書き加えられて
   いましたからね。」

キョン「あぁ。俺はまぁいつもアイツを振り回す役だからな、たまにはプレゼントってのも良いと思うんだ。
    撮影は順調だし、上手くすれば丸々3日はあいつの撮影に出来るだろう?「ちょい役だけど重要な役」
    を考え出せるかやってみるよ。」

古泉「上手く行くと良いですね・・・ついでにメモを取っておいて貰っても良いですか?その案、どうせなら皆で
   一枚噛ませて下さいよ。」

キョン「あぁ、それが良いな。・・・さて、じゃぁハルヒの足止めを頼む。」

古泉「えぇ、分かりました。ちょっと取り直しの件で話したい事もありましたしね。
   長くなりますよ~フフッ!」スタスタスタスタスタ・・・・・・


キョン「よし、俺も頑張るか。・・・えぇと、台本台本・・・と。」

キョン「これかな?・・・・・・・・・いや、これだ。あったぞ台本。」


古泉「涼宮さん、実は少しお話したい事がありまして・・・あれ、それは台本ですか?」

ハルヒ「えぇ、そうよ、台本。随分ボロくなっちゃったわね。・・・でお話って何?」

古泉(失敗失敗・・・ま、台本を見る機会は他にもありましょう。)「えぇ、取り直しでやる僕の
   演技について、今の内にご指導頂けない物かと思いまして。」

朝倉「あら、演技指導?いいわね、私もやりたいわぁ。」

鶴屋「ハルにゃん!私達は先に帰るから、君達もあんまり暗くならない内に帰るっさ!」
みくる「お先に失礼しますー!」

ハルヒ「うん、じゃぁまたね!明日は朝一で撮影開始よ!!!皆、開門時間までには来る事!
    よし、始めましょう!!」
古泉「ご指導よろしくお願い致します。」
朝倉「古泉君ガンバレー!」

谷口「・・・・・・・・・死ぬかと、死ぬかと思った・・・・・・。」
長門「・・・途中まで送る。・・・少し、白髪が増えてない?」







キョン「これ、は・・・・・・何だ!?」

撮影終盤!

ハルヒ「さぁ皆、今日の撮影開始よ!今回はいよいよ、最後の大詰め、最終決戦のシーンと
    鶴屋さんの正体明かしのシーンよ!そして、これで取り直し希望以外は全部取った
    事になるわ!」

朝倉「こうなると感慨深い物があるわねぇ・・・。」

鶴屋「よーっし今日は張り切るっさ、皆、よろしくね!」
みくる「頑張って下さいね、鶴屋さん!」

ハルヒ「じゃぁ鶴屋さんのシーンを撮影した後、午後と明日の朝に分けて
    決戦シーンを取りましょう。朝倉さんも着替えてね!」

朝倉「えっ私?」

ハルヒ「昨日から考えていたんだけど、朝倉さんがこのシーンには必要なの!早く!」

朝倉「分かったわ、任せて!!!」


古泉「さて、僕たちもカメラや小道具に回りましょうか。カメラ、今日はどっちが持ちます?」

キョン「・・・・・・。」

古泉「・・・・・・どうかなさいましたか?」

キョン「あ、いや、何でも無い。カメラは今日はお前がやってくれないか?」

古泉「?」

ハルヒ「じゃぁ準備は良いかしら!?皆位置について、気合を入れて撮りなさい!それじゃぁ用意・・・
    アクション!」

鶴屋「・・・うっふっふっふっ、みくるもまだまだ甘いねぇ・・・こんなに近くに居ながら、この私の正体
   に気付かないとは・・・」

朝倉「な、何を言っているの?正体って、まさか・・・っ」

鶴屋「見て驚くっさ!これが鶴屋さんことこの私の真の姿・・・っ!!!」

ハルヒ「カーット!OK!OKよ素晴らしいわ二人共・・・正に迫真の演技ね!じゃぁ、次は早速鶴屋さんの
    変身シーンだから着替えて貰って、その間に朝倉さんの変身前のシーンを撮りましょう。」

朝倉「・・・ねぇ、もしかしてコレ、私噛ませ犬にならないかしら?」

ハルヒ「大丈夫大丈夫!格好良く戦って散るから!「あのアサクラゲを倒したのか」みたいな感じで!」

朝倉「・・・じゃぁ、それ以後の私の出番はどうするのよ?」

ハルヒ「アサクラゲ2の出番よ。後で台詞を差し替えるからね!」

朝倉「だ、大丈夫かしらそれ・・・。」



キョン「・・・長門、後で少し・・・話がしたいんだ。古泉も。」
古泉・長門「・・・?」

ごめん、ちょっと休憩。手首が痛いんだ。

    みなさん、やたらとお茶が入りましたよ…

旦 旦 旦 旦  旦       旦 旦 旦 旦 旦旦
 旦 旦 旦 旦旦 旦      旦旦 旦 旦旦  旦
旦 旦 旦 旦 旦 旦. ∧_∧ 旦 旦旦 旦 旦 旦
旦 旦 旦 旦 旦 旦 (´・ω・`) 旦 旦 旦 旦 旦 旦
旦 旦 旦 旦 旦 旦.  (o旦o ) 旦 旦 旦 旦 旦 旦
旦  旦 旦 旦 旦 旦. `u―u'  旦 旦 旦旦 旦 旦旦

>>370
頂きます。>>1もお一ついかが?

>>372
コーヒー飲んできた。ちょっと待ってね。

>>370
湯気の出てるようなあったか~いお茶ない?
寒いんだけど

>>375
         (   (

        ( (   (. )
         . -‐ ) ‐- .
       .´,.::::;;:... . . _  `.

       i ヾ<:;_   _,.ン |

       l      ̄...:;:彡|
        }  . . ...::::;:;;;;;彡{
       i   . . ...:::;;;;;彡|∧_∧

       }   . .....:::;::;:;;;;彡{´・ω・`)<これでどうよ?
         !,    . .:.::;:;;;彡   と:.......
        ト ,  . ..,:;:;:;=:彳:―u'::::::::::::::::::::::::::..
        ヽ、.. ....::::::;;;ジ.::::::::::::::::::::::

古泉「一体何ですか?今朝から様子がおかしいですけれど・・・」
長門「・・・問題?」

キョン「いや・・・実は、言おうかどうしようか迷っていたんだが・・・いや、やっぱりどうしようか・・・
    すまん、今もまだ悩んでいるんだ。」

古泉「とりあえず、核心に触れない程度に話して頂ければ有難いのですが・・・。」

キョン「あぁ・・・とりあえずそうしようか。実は昨日、ハルヒの鞄から台本を取って、読んでみたんだ。」

長門「台本?」

キョン「ハルヒにも何か役をやらせたくてな。そのヒントにならないかと思ったんだが・・・見てみると、な。
    全然、違うんだよ。話の内容が。今撮ってる冒険ファンタジーなんちゃらじゃなくて、もっと、こう・・・」


ハルヒ「うん、中々良く取れているわね。流石古泉君、褒めてあげるわ!」
朝倉「あ、何この構図エッチぃな。」
鶴屋「我ながら完璧な演技っさ!強いて難をあげるなら、迫真過ぎてちびっ子が泣く所だね!」



「もっと、こう・・・・・・愛を、テーマにした様な・・・そんな感じなんだ。」

古泉「なる程・・・自分のやりたいテーマでは上手く書けずに、それで悩んでいた・・・と。そういう事でしょうか?」

長門「・・・私の、趣味で大分SF要素を入れちゃった・・・のが悪かったのかな?」

キョン「いや、長門のは関係無いだろう。あいつも結構ノリノリだったみたいだしな。」

古泉「ならば、問題は無いのではないでしょうか?初期の構想から外れても、結果面白ければ全て良し。
   僕の思う涼宮さんの性格というのは、そういう物ですよ。」

キョン「・・・そう、かもな。じゃぁ、俺の思い過ぎか・・・あいつがこの映画に心残りのあるまま完成させる
    のもどうかと思っていたんだが・・・」

長門「照れ臭かった可能性もある。・・・私も、あの恋愛シーンを書く時は恥ずかしかったから。だから、
   誤魔化して色んな要素を詰め込んだ、とか・・・。」

古泉「その可能性もありますね。ふふっ、ならば、次の映画はその恋愛物で行くというのはどうですか?
   涼宮さんだけじゃなくて、みんなでやりたい恋愛話を出していって、それから話を作るんです。」

長門「それは良い・・・私も、やりたい恋愛話がある。」

キョン「俺の場合はどうも推理物になりそうなんだが・・・まぁ、それも良いだろう。悪いな長門、古泉。要らん
    話をした。」

古泉「いえ、次の映画の方向性も決まった事ですし、有意義な時間でしたよ。我等が団長の可愛らしい一面を
   覗けた所で、そろそろ休憩が終わる時間です。後片付けに行きましょう。」

キョン「そうするか。・・・・・・」


先を歩く二人の背中を追いながら、キョンは考えざるを得ない。古泉の涼宮ハルヒに対する洞察力は、この世界でも
確実に生きているのだ。十中八九、ハルヒは自分のやりたい役が出来ない事に悩んでいる。・・・それは、その答えとなる
台本を見た自分が一番よく分かるのだ。だが、それをこの場であの二人に言えただろうか?

自分とハルヒらしき人物が、愛の言葉を囁き合う甘いラブロマンスを、彼女はやりたいのだ・・・と。

昼。

ハルヒ「さて、じゃぁ・・・早速、お昼ご飯を食べて・・・と。」

みくる「涼宮さん、皆と一緒に食べましょうよ。今日は一杯おかずを作ってきたんですよ!」

ハルヒ「それはナイスよみくるちゃん!やっぱりあなたは良いお嫁さんになれるわ!!!
    保障する!」

鶴屋「それは食べてから言う台詞にょろよ!有希んこも早く食べて着替えるにょろ!
   でも食べ過ぎはめがっさ禁物だよ!何せ、次はハードなシーンだからね!!!」

長門「・・・・・・」コクン。

朝倉「男子連中は先に言ったわよ。私お腹ペコペコ、早く食べたいわー。」

ハルヒ「えぇ、先に言ってて!私もすぐに行くから!」


キョン「はぁ・・・しっかしまぁ、あいつがラブロマンスねぇ・・・。」

古泉「まだ言っているのですか?別に涼宮さんが恋愛物を好んでも・・・ん?」

キョン「お?」

朝倉・みくる「だ~れだ?」

言っときすぎだろwwwwwwwwww

古泉「こっちは朝倉さんですね。」

キョン「って事は、こっちが朝比奈さんか。ははは、当てましたよ。」

長門「・・・ハズレ。私が正解。」

朝比奈「あははは、引っかかりましたね。やりましたよ朝倉さん!」

朝倉「ふふん、こんな単純な手に引っかかるとは男の子って単純よねー、古泉君も、そっちは
   鶴屋さんよ!」

鶴屋「作戦大成功っさ!駄目にょろねぇ二人とも、そんなんじゃいざ真っ暗闇の中で彼女の手を
   掴もうって時に、タイガーマスクの腕を掴む羽目になるにょろよ!」

キョン「タイガーマスクならむしろ握手して欲しい位ですが・・・ハルヒはどうしました?」

朝倉「何だか探し物みたい。小道具のステッキを昨日改良していたんですって。あの子、一体いつ
   寝ているのかしら?」

キョン「あいつは滅茶苦茶ですけれど、自分がやると決めた事には一直線ですからね。・・・ちょっと
    手伝ってきますよ。」

みくる「あ、私も行きま~しゅ。」トテトテ


朝倉「・・・キョン君に滅茶苦茶って言われる涼宮さんが可哀想だわ。」
古泉「それは言わないお約束ですよ。」
鶴屋「・・・有希んこ、初日のあの服、着るにょろか?」
長門「絶対に嫌。」

>>385
ちょっと確認が甘くなって来たwwwでもめげないっにょろよ!!

あれ?だんだんキョンが普通になってきてないか?

キョン「さぁて朝比奈さん、昼休みもあまりありませんし急ぎましょうか。」

みくる「えぇ、キョン君。そうしましょう・・・あ、でもその前に・・・フフッ!誰が
    ラブロマンスをやりたいんですか?キョン君??」

キョン「・・・やっぱり聞いていたんですね。後ろに居ましたし。」

みくる「えぇ、キョン君が、ですか?うふふっ可愛いなぁ。」

キョン「いや、うん・・・まぁ、そんな所ですね。朝比奈さんは、何かやりたい話は
    ありますか?」

みくる「う~ん、そうですねぇ・・・私もやっぱり女の子ですし、今やっている冒険物も
    楽しいけれど、ラブロマンスも良いなぁ~って思いますぅ。」

キョン「例えばどんな?」

みくる「う~ん・・・こんな感じかなぁ?」


みくるがキョンの腕に腕を絡みつかせ、そっと頬ずりをした。二人の身長さも相俟って
その格好はとても自然であり、非常に似合っている。

キョン「わ、朝比奈さんっ!?」

みくる「うふふ、後は、こんな事もしてみたりして!」

そう言って、白い指でキョンの頬をつつく。

キョン「朝比奈さん、もう大胆ですねぇ・・・こんな所を谷口にでも見られたら何を言われるか・・・。」

>>389
いつもいつも奇行をする理由は無くなりましたからね。でも、時々爆発します。長門を追いかけたのが、
今の所最後の爆発かな?

結果から言えば、谷口には見つからなかった。しかし、まだ彼に見つかった方がいくらかマシという物だろう。
長門と二人、夕暮れの教室で抱き合っていた事さえ・・・彼は、口外はしないのだから。


ハルヒ「・・・・・・何をやっているのよ。」

キョン「おっとハルヒ、お前を探していたんだよ・・・朝比奈さん、離れて下さい。動き辛いですよ。」

みくる「はーい♪」

ハルヒ「ふん、まぁ良いわ。で、探していたって何の用?」

キョン「お前、昨日も寝ずに小道具を作っていたんだってな。それで、体を労って手を貸しに来たんだよ。
    朝比奈さんもな。」

ハルヒ「・・・・・・ふ~ん、労りに来た人間がイチャイチャする物かしら?恋愛なんて、精神病の一種よ。」ジロジロ

みくる「うふふふふっそうでもないですよ?恋愛は良いものじゃないですか。あ、そうだ。じゃぁ、涼宮
    さんもやってみます?キョン君の腕をお貸ししましょう!」

ハルヒ「要らないわよ。さ、早く戻って。撮影するわよ。」

キョン「朝比奈さん、行きましょう。ハルヒ、そっちの荷物は俺が持つよ・・・って、おいハルヒ・・・もういない!?」

みくる「まさに風と共に去りぬです・・・。」

ハルヒ「じゃぁ用意!・・・・・・アクション!!!」

長門「ついに・・・決着の時が来た様だな、メイド戦士ミラクルみくる・・・この大魔法使い、
   ユッキーが相手をしよう・・・。」
シャミセン「するんだにゃー」←腹話術

みくる「もうこの地球とこの学校では好きにさせません!みんみらくる・・・みっくるんるん!!!」


鶴屋「このシーン、今でも笑いそうになるっさ・・・」
朝倉「何で地球と学校が別なのかしらん?」
古泉「地球を守る為だけの戦士に自我が芽生えた、という感動の表現らしいですよ。帰る所が
   出来た、というのは現地の人々と心を通わせなければ出来ない事ですから・・・」

キョン(・・・撮影も、無事に済みそうだな。しかし、ついぞあいつの役は見つけられなかったな。
    何とかしてやりたい物だったんだが・・・。)

ハルヒ「カァーット!OKよ!ナイスよ有希、みくるちゃん!これは編集と合成のし甲斐があるわね!
    後二人とも、ちょっと次の撮影で使う小道具の説明するから、こっちに来て!」

みくる「はぁ~い。・・・・・・ふぅ、物凄く大変ですねぇ、緊張しちゃいますよ」

長門「・・・同感。悔いの残らない様にするのは、本当に大変・・・。」

ハルヒ「大丈夫よ二人とも、バッチリバッチリ。それに例えこの映画が不評でも、その次もまた超大作を
    取ってやれば良いのよ!」

みくる「そうですか?良かった~。・・・でも、次もまた同じジャンルってのも変ですよね。」

長門「・・・それに関しては大丈夫。もう、皆でジャンルを一つ決めた。後は涼宮さん、あなたの決定だけ。」

ハルヒ「へっ?そうなの!何よ何何?面白い奴よね?」

長門「あなたも満足すると思う。・・・・・・だって、あなたのやりたい事だったから。」

ハルヒ「・・・・・・え?」


長門「ラブロマンス。・・・・・・彼が、キョン君が・・・そう言っていた。」


ハルヒ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・っ!!!!???」



古泉「涼宮さん、そろそろ次の撮影に行きましょう。あと少しで休み時間も終わりますし、
   きり良く戦闘の開始シーンまで撮影を・・・」

みくる「涼宮さん!?涼宮さん!!!」

朝倉「どうかしたの?」

長門「・・・・・・古泉君、ごめん。失態。・・・・・・・・・涼宮さんを、喜ばせるつもりだったのだけれど・・・。」

古泉「如何・・・なされたんです?」


キョン「んぁ?ハルヒ?・・・学校出て何してるんだ・・・。」

キョン「撮影中止っ!?どういう事だよ!」

古泉「どうもこうも、そういう事です。涼宮さんが、確かにそう朝比奈さん達に言って
   出て行ってしまったのです。」

長門「・・・ごめんなさい。間違ってしまった。」

キョン「どういう事だ・・・?」

長門「例の話をした。・・・ラブロマンス、をやりたいと言う・・・」

朝倉「え?それで帰っちゃったの?どうして・・・!?」
鶴屋「それはおかしいにょろよー。有希んこ、他に何か言わなかったかい?」

長門「・・・他は、彼が提案した・・・という事を、伝えただけ。」

キョン「・・・・・・っ!」

古泉「やはり、台本を勝手に見た事に怒っているのでは無いでしょうか?それならば、僕にも
   責任はあります。一緒に謝りに行きましょう?」

鶴屋「ありゃりゃ、それは仕方がないね!今日は切り上げてさっさと謝りに行くっさ。こういうのは
   早い内が良いにょろ。」
朝倉「もう、勝手に見たって何よそれ!古泉君も、反省しなさい!」

古泉「面目次第もございません。」

キョン「・・・・・・いや、多分・・・怒っているんじゃなくて・・・・・・。」

「「「「「・・・・・・?」」」」」」

結局、その日はハルヒを見つける事は出来なかった。携帯は切られており、家の
住所を知る者が誰もいなかった為だ。とはいえ、メンバーの危機感は薄かった。
何せ彼女は只の女性で、それも大した理由で怒っている訳では無いのだから・・・
それも、当然といえば当然だろう。

しかしキョンは違う。彼は、彼女が怒る・・・否、あの場から立ち去った原因をよく
知っている。

例えば、自らの恥ずかしい妄想を込めた黒歴史ノートを、他人に見られたらどうなる
だろうか。自分が堕天使と人のハーフだの、選ばれた伝説の勇者だの、テロリストを
一掃する無双の学生だの・・・。
彼女のあの台本は、それらと何ら変わりない。自分の恥ずかしい妄想をただひたすらに
書き続け、純粋極まりない・・・強気や弱気で隠されていない、本当の気持ちを書き綴った
ストーリー。主役は選ばれた自分、そして自分が選んだあの人。その二人と、世界の危機
にただ二人きりで閉じ込められたとしても、愛の言葉を囁いていく・・・なんて、愛に愛を
追求した物語を。

よりによって、好きな人に見られ。

自分の気持ちを知っているにも関わらず、他の女とイチャイチャしている姿など見せられた
日には・・・・・・


あてつけだと、思われても仕方あるまい。・・・・・・みじめな気持ちになっても、仕方あるまい。

キョンは、自分の馬鹿さ加減に嫌気が差した。最初から素直に、適当な名目をつけて台本を
借りれば良かった物を、サプライズしたいという欲求が先行して回りくどい方法を取ってしまった。
明日学校に行ったら、真っ先に謝ろう。もしも来ていなかったら、岡部担任に住所を聞いて家まで
行こう。・・・・・・あぁ、今にして思う。きっと自分は、彼女の事が・・・・・・
そこで、彼の意識は夢の中へと消えた。

キョン「・・・・・・ん。」
目覚まし時計が鳴り、目を開ける。朝の眩しい光は入ってこない・・・空が曇っているらしい。
なんて事ない、日常の朝だ。そのまま身を起こし、目覚まし時計を止める。

キョン「・・・・・・・・・ん?音が止まらない・・・。」

何度スイッチを押しても止まらない。これでは近所迷惑である、困ったな・・・とここで、その
異常に気付く。・・・・・・この音は、頭の中で鳴り響いている!

キョン「何だこれは・・・TPDDか!!!」

そう思った瞬間、けたたましい音が途切れ柔らかい女性の声が入ってきた。しかしそれは、かなり
慌てている声らしかった。

朝比奈「キョン君!聞こえますか!?キョン君!!!」

キョン「朝比奈・・・みちるさんの方ですね。どうかしたんですか?こんな朝早くに・・・」
朝比奈「違うわキョン君、そっちはまだ午前2時位の筈。TPDDのバッチリアラームで目は覚めたでしょう!?」

キョン「便利ですねこれ・・・というか、まだ頭の中にあったんだな。で、何事です?」

朝比奈「時間が無いわ、とにかく窓を開けて、そこから確認して!」

キョン「はぁ・・・窓?」
ベッドに膝立ちし、カーテンを開ける。その窓ガラスごしには・・・


煌々と照る星空の下、破壊活動に勤しむ青い巨人の姿があった。・・・星は確かに、瞬いている。

青い巨人の腕が振り下ろされ、下にある家を容赦なく叩き潰した。動きも咆哮も破壊力も
そのままに、背景が灰色の空で無い所だけが違っている。

キョン「・・・何だよ、これ・・・・・・っ!」

朝比奈「見ての通り、神人が暴れ回っているの・・・こちらでも、その現象を観測した時は
    驚いたわ。次々と時空の分かれ道が消えていって、色んな未来が消えているん
    ですもの・・・。」

キョン「これは・・・ハルヒが?いや、しかしこの世界のあいつは一般人の筈!」

朝比奈「そうね、でもその世界は普通じゃない。元の世界に上書きされて、そのまま捻れた
    歪曲世界よ。キョン君の様な特例的存在や、私みたいな未来人も存在した事がある、
    ね。・・・・・・その世界も、結局は普通じゃなかったのよ。普通であろうとする世界の
    力に涼宮さんの力が抑え込まれていて、でもついさっき・・・何かが原因で炸裂した、
    とかね・・・。」

キョン「そんな・・・流石の俺も、閉鎖空間から出た神人の倒し方なんて分かりませんよ・・・!?
    ここに元の世界の古泉が居ても、戦う事が出来るかどうか・・・」

朝比奈「そう。でも、一つだけ勝機はあるわ。・・・ってもう時間が無いわね、手短に言うわ。
    「Sleeping Beauty」・・・分かるでしょう、キョン君!」

キョン「・・・まるで、あの時と同じですね。」

朝比奈「・・・・・・そろそろ切れるわ。多分もうかけられない・・・最後に他の皆の言葉を伝えるわね!
    長門さんは、「私の過失。申し訳なく思う」・・・古泉君は、「健闘を祈ります」って・・・」

キョン「・・・朝比奈さん?朝比奈さん!朝比奈さんっ!!!」

キョン「・・・これで、俺は完全に無能力者という事か・・・。」

TPDDは使えない。宇宙人も超能力者も傍にはいない。切り札であるジョン・スミスも
相手方に使われた後だ。眠り姫の魔法も、使えるかどうかは分からない。

キョン「・・・・・・ハルヒ・・・。」

キョンはベッドから降りると、外着に手早く着替えて玄関に向かう。遠くから悲鳴が
聞こえ始めた・・・最悪、どうやら人が居る様だ。

キョン「・・・・・・・・・。」

妹と両親が眠っているだろう方向へと顔を向け、そのまま外に出る。・・・次に巨人を
見た時、その目に宿るのは闘志。ユラユラと揺れる、揺るぎない炎。

キョン「待っていろハルヒいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいっ!!!
    SOS団発進だああああああああああああああああああああっ!!!」

男は気合一発、北高目掛けて走り出した。理由は簡単である、そこがSOS団の活動場所であるからだ。

流石に北高までの道のりは遠過ぎる。一旦戻って自転車に跨ると、遅れを取り戻さんと
全速力で漕ぎ出した。しばらく進むと、警察が道路を整理している・・・多くの人々が
脱出をしようと試みて、渋滞になっているのだ。幸い、その騒音にも巨人達は目を向けない。

キョン「あ、新川さん!」

一生懸命手信号で車の流れを整えている男に声をかけた。運よく交代だったらしく、若い新米
らしき警官と二言三言交わしてこちらに来た。

新川「君か、早く逃げなさい!」

キョン「その前に・・・あの、古泉をどこですか?SOS団の、他のメンバーも見掛けませんでしたか!?」

新川「古泉は、友人を助けに行くとか言って北高に向かったよ。まだあそこに生徒が居るのか!?」

キョン「えぇ・・・ちょっと、意地っ張りな奴が、泊まりで映画撮影をしていましてね。」

そういうとキョンは礼を述べ、そのまま北高への道を走っていく。


キョン「・・・!長門、朝倉!ここに居たのか!」
朝倉「キョン君!」
長門「・・・あなたも、北高へ?」

キョン「あぁ、乗りな!3人まとめて急ぎ足だ!」

キョン「うおおおおおおおおおおおおおおおお重いぞなが・・朝倉ああああああああああああああっ!」
朝倉「何で言い直すかなぁ君はぁっ!?」

北高への坂道を、普段の数倍の速度で走り抜けていく。こんな体力があるならば、きっと体育ももっと
良い成績が取れそうな物だが、これが火事場の馬鹿力という奴か。

長門「・・・鶴屋さんと、朝比奈さんには連絡が取れない。」
朝倉「準団員共も無理ね!」
キョン「そうか・・・畜生、無事で居てくれよなぁっ!!!」

崖を登りきり、その頂きにある校門へ・・・我等が北高、その校庭へと入る。意外にも侵入には労を要さず、
そのまま学校の玄関口へと辿り着いた。

長門「・・・涼宮さんの、夢を見た。」

どうやって玄関戸を開けようかと試行錯誤しているキョンに向けて、長門が言う。

キョン「夢か・・・いや、言ってくれ長門。この非常事態だからな、どこにどんなヒントがあるか分からないんだ。」
長門「彼女は、この学校のどこかに居る。でも・・・多分、ここじゃない。」
朝倉「?学校に居たんでしょう?それで胸騒ぎがしたから、ここに来たって・・・。」


長門「学校に居たのは本当。・・・でも、彼女の居た学校は、全てが灰色だった。」

ォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン・・・・・・。

巨大な咆哮が響き、こちらを睨みつける。その目は赤く、赤く燃えていた。

キョン「灰色・・・閉鎖空間かっ!?」
朝倉「何よそれ!」
キョン「元の世界で、ハルヒが度々発生させていた空間なんだ!この世界とは別の世界で、一面灰色の
    町並みで・・・そこでは、あの青い巨人が暴れている。んで、その巨人を倒さないと世界が滅ぶ。」
朝倉「・・・なんつーはた迷惑な能力なのよ・・・涼宮さんが可哀想だわ。」

長門「・・・古泉君の声。正門から来る。」

キョン「そうか、おーい古泉ーーーーっ!ここだー!」

・・・ブロロロロロロロロロロロ・・・・・・

高そうな車が乗り付け、中から鶴屋とみくるが顔を出した。ついで後部座席から古泉が降りる。・・・こんな
時でもなければ、それぞれの寝巻きが似合っているという感想を漏らしただろう。

古泉「涼宮さんはどちらに居ますか!?この巨人・・・彼女が関わっている気がしてならないんです!」

鶴屋「う、運転・・・怖いっさぁ~、もう手がびしょびしょだよ、私もまだまだにょろねぇ。」
みくる「あの、何が・・・何が起こっているんですか!?」

キョン「・・・・・・それは恐らく、俺が知っている何もかもでしょうよ・・・。」

キョンの脳内に警鐘が鳴る。時空移動も通信能力も使えないが、しかしTPDDは確かに脳内に残っている様だ。
そのTPDDが、あの不思議な揺れを感じ取っていた。時空振動、そして・・・・・・

青い巨人が見上げる。その上には赤い球を模した様な、巨大な塊が存在していた。超能力者達では無い。この
世界の、ある意味で産みの親である・・・・・・

情報生命体、そのまた別の種族。天蓋領域の登場である。

---------------ォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!!!

かつて無い程巨大な赤い球体に、巨人の咆哮も一段と大きくなる。それに対峙する天蓋領域は、しかし何もしていない
かの様にどっしりと、そこに構えているだけであった。

長門「・・・何、あれ・・・。」
朝倉「お互いに睨み合っているわ・・・もう少しそうしていてくれないかしら?」

キョン「干渉したくても、出来ないんだよ。時空の断裂が滅茶苦茶過ぎて、お互いの攻撃が届かないんだ。」

彼が目覚ましを鳴らすまで起きなかったのも、恐らくは振動も音も時空の断裂に阻まれ、届かなかったからだろう。
という事は、家で寝ている妹や家族の下にあの巨人が行く事は出来ない筈だ。ホッとして、胸を撫で下ろす。

キョン「しかし、天蓋領域がここに来たって事は・・・情報統合思念体は、どうなったんだ?負けた・・・とか?」
あくまでもみちると立てた推測にしか過ぎないが、しかし高い確率で当たっているだろう宇宙人同士の戦争は、一体
どちらに軍配が上がったのだろうか。

古泉「脱出用ハンマーがありました、これでガラスを割りましょう。」

一人冷静に行動する古泉に、閉鎖空間内での彼を重ね合わせて・・・キョンは少し笑い、その言葉に頷いた。宇宙人も巨人も
動けないのなら、ここは・・・SOS団の独壇場だ。

時間平面に、ビリビリと振動が響き渡った。

バリィンッ!窓ガラスを叩き割り、手を突っ込んで鍵を開けようとする。しかし内側もまた鍵で施錠する
タイプの扉らしく、仕方なく上下に分割されているガラスの下を割り、そこから潜り抜けた。

学校の内部はいつもの空間よりも静かにひんやりとしていて、何だか入り難い印象を浮かべる。・・・だが、
ここにはハルヒが居る。キョンの勘だけでは無い、長門の夢もそう言うのだ。事、情報戦において、彼女
程信じられる物が他にあるだろうか?

キョン「唯一のネックは、閉鎖空間内って事なんだよな・・・古泉、お前閉鎖空間が何を意味するか分かるか?」
古泉「いえ、あなたの話に出てきた単語であるという以外は、何一つとして。」

厄介である、神人は本物なのに肝心の超能力力者が出て来ない。

キョン「ハルヒ・・・お前は、本当に世界を滅ぼすつもりなのか・・・・・・?」

朝倉「私と長門さんで文芸部室を見てみるわ。」

鶴屋「じゃぁこっちはみくると一緒に昨日の撮影場所に行ってみるっさね!
   携帯電話は通じるから、それで連絡を取るにょろ!」

古泉「では、あなたは僕と共に・・・ですね。ふふっ、記憶にはありませんが、あなたから聞いた3年前の出来事が、
   何故だか思い出される様ですよ。」

三手に分かれる。


キョン「・・・・・・どこだ、ハルヒ・・・一体何処に居る!?」

目指すは、教室だ。何度席替えをしてもキョンの後ろ・・・彼女の定位置へ、二人は歩を進める。

『駄目ね、こっちにはいないわ。』

携帯電話から、朝倉の声が響く。こちらも、返す言葉は大体同じだ。キョンと古泉は
教室に入ったが、期待空しくそこは無人のままであった。
一応中に入り机の中なども探すが・・・やはり、彼女に繋がる情報は無い。

古泉「打つ手がありませんね・・・せめて、僕にあなたの言う超能力でもあれば・・・。」
キョン「無い物は仕方無いぜ。何か方法は・・・方法は無いか・・・。」

宇宙人では無く、未来人でも無く、超能力者でも無い。只の凡人である自分に、一体何が
出来ようというのか?

キョン「唯一のヒントはコレだけか・・・"Sleeping Beauty"・・・・・・。どうすれば、どうすれば
    良い・・・っ!?古泉、何か分からないか・・・っ!?」

古泉「うーん・・・何とも・・・・・・眠り姫って意味しか分かりません。」

キョン「それは俺も知っているんだよなぁ・・・・・・。・・・・・・・・・うーん。」

prrrrrr

キョン「鶴屋さんか。何かあると良いけれど・・・」ピッ

『もしもしキョン君かい!?こっちには何もいなかったよ・・・んで、凄い悪い知らせがあるんさ・・・』

キョン「何ですか!?悪い知らせ?」

鶴屋「そう・・・巨人が、こっちに歩いて来るんさ・・・・・・。」

-----------------------ォォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ・・・・・・・・・。

巨人の叫びが大きくなる。その音は、文芸部室の二人にも轟いていた。

長門「・・・朝倉さん・・・」
朝倉「長門さん、大丈夫よ。安心して・・・私が付いているから。」
長門「江美里は・・・無事かな?」
朝倉「・・・きっと無事よ。だから祈りましょう・・・せめて神様が聞いてくれる様に。」


キョン「うぅ、無能力者はこんな時に困るんだよなぁ・・・宇宙人も未来人も超能力者もずるいぜ・・・」

古泉「・・・あなたは、自分の事を異世界人だと言っていました。何か、異世界の魔法でも使えませんかね?」

キョン「異世界ってのは言葉の上での例えでな・・・俺自身は、特にこれと言った知識も経験も無いし・・・」
キョン「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・古泉、やっぱり・・・・・・お前はSOS団の副団長だよ!」
古泉「!何か分かりましたか?」

キョン「あぁ、分かったともさ!俺は異世界人だ。この世界の前の世界も、その前の世界も知っている・・・
    この空間はハルヒの閉鎖空間と、長門の世界改変が合わさった物なんだ。・・・三手になんて、分かれる
    べきじゃなかった・・・」

キョン「古泉、鶴屋さんに電話してくれ。俺は長門達にするから・・・」


ハルヒを救い出す言葉は、あの日の言葉で。
ならば、この状況を打破するのは・・・・・・あの日の選択・・・!!


「SOS団、文芸部室に全員集合!第1回、団長救出作戦を行う!」

キョン「・・・・・・。」

キョンは、文芸部室に揃った面々の顔を見渡す。北高に入学して早数ヶ月、この場に
足りないメンツはいない。

朝倉「キョン君、これで良いの?」

朝倉の声に、無言のまま頷く。今まで何度も何度も探してきて、そして見つからなかった物が・・・
一度は諦めかけた光景が、そこある。
長門有希、朝比奈みくる、古泉一樹。朝倉涼子と鶴屋が居るのはご愛嬌か。その面々の顔を
もう一度見渡してから、ゆっくりと声を吐き出す。

キョン「長門。パソコンの電源を付けてくれ。ちょっと見てみよう・・・。」

・・・長門が、パソコンの電源を入れその前から退く。静かに滑り込んだキョンは、マウスを
片手に目を画面上に走らせた。そして、直にそれを見つける。

文字化けしているけれど。しかし、アイコンは、立派なSOS団のトレードマークで・・・



・・・・・・・・・帰還プログラムが、読み通りそこに存在した。

キョン「・・・やっと・・・・・・見つけた・・・。」

クリックする。マウスを操作している実感すら無い程、滑らかに手首が動いた。
画面一杯にメッセージが映し出される。それは、あの日のメッセージと殆ど変わらない
そのままの文章だった。

朝倉「これが、帰還プログラム・・・?」

長門「・・・私の名前。」

キョン「向こうの世界の長門が作ったんだ。いくらか文字化けしているが、別に構わないよ・・・
    もう何度も見たからな。」

そのまま、下の起動ボタンまでカーソルを運ぶ。・・・・・・迷わず、起動ボタンの上に載せた。

キョン「・・・ん?」

が、しかし。そのカーソルが直前で止まる。ボタンの数がおかしい。1つはそのままプログラムを終了し、
消去するボタン。もう1つは、プログラム実行を行い世界を修正するボタン。そして、もう1つが・・・

キョン「・・・ここに来て、お前はややこしい事をするなぁ・・・。」



                   ↓
     [プログラム消去] [プログラム起動・実行] [涼宮ハルヒの憂鬱]

世界が眩しく光り、そしてグルグルと回る様に飛んで行く。











・・・・・・キョンは、そんな感覚の中、確かに皆の声を聞いた様な気がした・・・・・・




「涼宮さんを頼みます」と。 




SOS団は、これにて・・・真に、揃う事になる。

朝倉「・・・迷わず押しましたねー彼。」

長門「・・・・・・このボタンの意味は何・・・?」

鶴屋「いや、いっそここまで清々しくそのまんまの名前を使う所がハルにゃんらしいにょろ。」

古泉「僕はトラップでは無いかとヒヤヒヤしましたがね・・・疑り深いのも考え物です。」

みくる「キョ、キョン君は一体どこへ行ってしまったんですかー!?」




-------------------------------オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ・・・・・・・・・。

その場に残された全員が、窓ガラスから覗く赤い光を見た。青い巨人が、その身を最大限に屈ませて、文芸部室の
中を覗いている。しかし、全員が声を上げる訳でも無く、逃げ惑う訳でも無く・・・その巨人を見返していた。

朝倉「あら、やるのかしら?」チャキン
長門「・・・綺麗・・・。」
みくる「わぁ・・・・・・。」
鶴屋「・・・こんな物、一生に一度しか見れないね・・・。」
古泉「一生に一度で十分だと思いますよ僕は・・・・・・・・・さて。」



古泉は、パソコンの画面を覗いた。自分達の、これからの運命は全て・・・たった一人の、少年に託されたのである。

キョン「・・・ここは、・・・・・・そうか。閉鎖空間の中か・・・。」

キョン「お~いハルヒー、どこだー出て来ーい。早くしないと真面目に世界が滅んじまうんだよ・・・
    文芸部室にはいないのか?」


ガチャッ・・・キィィィ・・・・・・

キョン「・・・いきなり居たな、おてんば姫が。」

ハルヒ「何よ今更。別にあんたなんて待ってたんじゃないんだからね?」

キョン「帰るぞ。皆が待っている。」

ハルヒ「・・・嫌よ。帰らないわ。この世界はほら、見て。あの青い巨人が居る!こんな不思議な世界、
    さっさと出るなんて勿体無いわ!ご飯だってどうにかなるし、そんな気がするの。ねぇキョン、
    あんたも一緒にここにいない!?そしたら、きっともっと楽しい事があるわ!」

キョン「・・・ここに居るのは、俺達だけだ。SOS団の、他の皆はいない。」

ハルヒ「いいじゃない別に!二人も居れば十分よ!!ねぇ、ほら早く、不思議探索しに行きましょうよ!!!」

キョン「・・・ハルヒ。俺はジョン・スミスだ。」
ハルヒ「知っているわよ、そんなの!それがどうかしたの!?」
キョン「そうだろうな!だが、ジョン・スミスはもう一人居る、といったらどうする?
    古泉が会ってるんだけど。」コツ

ハルヒ「へっ?」

キョン「朝比奈さんには、大人バージョンが居るんだ。どうだ、これは知らなかったろう?」コツコツ

ハルヒ「何、何よ!いきなり!!」

キョン「長門が書いた小説読んでみたくないか?アレな、結構凄い事が書いてあるんだぞ。
    本人は絶対に見せてくれないけれどな。」コツコツコツ

ハルヒ「な、何よ・・・何よ、そんなの!な・・・」ガッ!

ハルヒ「あ・・・・・・」
キョン「・・・ハルヒ!俺は鈍感だ!!だから、何気ない事でお前を傷つけて、最後の最期まで気付かない
    事も多々あるだろう!それは正直すまん!だが許してくれ!!!長門に悪気は無くて、朝比奈さん
    には茶目っ気があっただけなんだ!ついでに言うと俺は馬鹿だった!本当にすまん!素直にお前に
    聞けば良かったんだよなぁ、「どんな役がやりたいのか」って!」

ハルヒ「な・・・あ、ちょっと・・・・・・・・・まさか・・・・・・っ」

キョン「さて・・・それでは久々に・・・・・・」ゴキッゴキッ・・・・・・

「うおおおおおおおおおおおおおおおおハルヒいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいっ!!!」
ハルヒ「いやああああああああああああああああああああああああああああああっ!?」

キョン「はぁーんハルヒハルヒハルヒハルヒ可愛いぜええええええええええええええええええええ!!!!!!!
    よーしよしよしごめんなー変な勘違いさせてごめんなーっ!!!」ダキッギュウウッ!!!

ハルヒ「待ってちょっと待っていきなり何よそれ反則じゃないこういうのはもっと手順を踏むべきじゃない!?」

キョン「手順!?何言ってるんだ恋と戦争にルールは無いんだぜ!!!?ラブロマンスなんてのはぁやった者勝ち
    なんだよおおおおおっ!!!!」スリスリスリスリスリスリスリスリスリ

ハルヒ「い・・・いきゃああああああああああああああああああああああっ!!!」

キョン「うおおおおおおおおおおお俺の中のパトスが燃える!朝比奈さん(大)がけしかける!!!」

キョン「眠り姫なんてまどろっこしい事してないでさっさと押し倒せと轟叫ぶーーーーーーーーーーーっ!!!」

ハルヒ「もうちょっとマシな形で口説けないのあんたはあああああああああああああっ!?」

ハルヒ「待って待ってこのままじゃ本当にぃぃぃぃぃぃ」

キョン「ハルヒィーーーーーーーー実は俺ポニーテール萌えなんだぁーーーーーーーーっ!!!」スリスリスリスリスリスリスリスリスリ

ハルヒ「何だか重要そうな台詞をこんな時に言わないでええええええええええええええええええええええっ!!!」

キョン「・・・といのは置いといて、そろそろ真面目に話をしよう。」スッ

ハルヒ「・・・へぇっ・・・へ・・・・・・・・・・・・・・・えっ!?」

キョン「このままじゃぁ俺は只の変態じゃないか。長門や朝倉にそう思われるのは
    萌えの一部として考えられるが、朝比奈さんやお前にそう思われるのは
    心の一部にズシンと来る。という訳で、ほら正座。」

ハルヒ「は・・・あ、う、うん。」モジモジ・・・・・・


キョン「ハルヒ。俺は異常が大好きだ。非日常が大好きだ。宇宙人や未来人や超能力者に
    囲まれて、無自覚な神様と騒ぐのが大好きな異世界人だ。」

ハルヒ「う、うん・・・・・・うん!」

キョン「顔も成績も冴えないが、しかしお前の事を考えている時間なら誰にも負けない。
    だからどうか・・・・・・」



キョン「ポニーテールにしてくれんか?」

ハルヒ「」

ハルヒ「・・・・・・何よそれ、ラブロマンスのラの字も無いわ・・・」

キョン「それは現実でやるとしようぜ?こんな不思議だらけの世界じゃぁ、
    せっかくの愛も地味に見える。」

ハルヒ「・・・・・・・・・・・・ぁ・・・・・・・・・・・・・・・・っ」




ムー、チュッ。ニャー


キョン「ニャー?」

ガバッ

キョン「・・・・・・。」   ピピピッピピピッピピピッピピピッピピピッ・・・・・・


キョン「ハルヒの奴、キスする前に・・・・・・っ畜生!!!」

シャミセン「ニャー?」ゴロゴロ・・・・・・

キョン「長門、少し聞きたい事があるんだが・・・」

長門「・・・・・・あなたは72時間33分59秒間、この世界から消えていた。その間あなたが体験した事は、
   全てが事実。」

キョン「・・・・・・そうか。」




あの日から、丸一日。どうやら世界は本当に、元に戻ってくれたようだ。
長門のプログラムが優秀だったのか、それともハルヒの力が働いてくれたのか・・・あの奇妙なコマンドを
選択したのにも関わらず、きっちりと世界を元に戻しておいてくれていた。目覚めてから学校に行こうと
した時、その事に気付いたのだ。・・・・・・・・・・・・外を、チラチラと雪が舞っている事に。


長門「あなたが経験した事の、詳細をここに記している。」

キョン「うん?・・・表か。分かり易いな。・・・やはり天蓋領域のせいか。それで、俺はあの改変世界を更に
    歪めた様な世界に行っちまった訳だな?そしてハルヒの押さえつけられていた力が目覚める事で
    崩壊しかけたあの世界に、天蓋領域が侵入・・・しかし予想外の時空振動で何も出来ず撤退、そして
    ハルヒが目覚め、修正プログラムが起動して元に戻った・・・と。」

キョン「しかし、悪いな長門。ややっこしい事態の分析までやって貰って、本当に感謝するぜ。」

長門「・・・・・・ややこしくは無かった。事前情報はあった。」

キョン「どういう事だ?」

長門「・・・・・・つまり、こういう事。」

長門「あの世界は修正されるにあたって、少し厄介な問題を抱えていた。それは不完全な
   修正プログラムと、そして向こうの世界を望んだ向こうの涼宮ハルヒの力。」

長門「元に戻りたい、でも消えたくない。同じ強さを持つ二つの力が存在した結果・・・・・・コホン」

キョン「?」


長門「向こうの記憶も、こちらで併せ持ってしまった。と・・・そういう事・・・なの、キョン君。」


キョン「・・・・・・へっ!?」
長門「それも、SOS団のメンバー全員が。」

キョン「嘘。」
長門「嘘じゃないよ、キョン君。」

キョン「・・・・・・」
長門「キョン君。・・・・・・私の黒歴史の事は、なるべく言わないで欲しい。」

朝倉「あ、異世界人。」

キョン「・・・お前、この世界では存在しているんだな・・・。」

朝倉「いや、私はどういう訳か向こうの世界の記憶しか持っていないのよ。ねぇキョン君、
   説明してくれないかしら?私はカナダで暮らしている筈じゃなかったの?」

古泉「キョン君、お早うございます・・・えぇと、僕もかなり混乱していますが・・・・・・まぁ、
   長年の謎であったジョン・スミスの事が知られて良かったですよ。」

キョン「・・・そうか。ところで古泉、お前、実はボードゲーム滅茶苦茶強いだろう?」

古泉「さぁ、どうでしょうね・・・ふふっ!」

朝倉「ねぇキョーン君!?私はここで一体どうなっているのかしらぁーっ!!!?」


みくる「・・・・・・私、向こうの世界でもあんまり変わらなかったなぁー。」

鶴屋「みくるはどこの世界でも可愛いって事っさ!」ナデナデ

みくる「え、えへへへー。」

キョン「・・・・・・ところで古泉、朝倉。その・・・・・・・・・ハルヒは、どこだ?」

古泉「彼女なら、尋常ならざる顔で部室に居ますよ・・・声をかけるのも怖いです。」

キョン「・・・古泉、もし・・・俺が死んだら骨を拾ってくれるか?」



部室。








ハルヒ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

ハルヒ「・・・・・・・・・キョン。」

キョン「バレてたか。」キィッ・・・

ハルヒ「私、今すっごい混乱しているの。有希が未来人でみくるちゃんが超能力者で古泉君が宇宙人で、
    鶴屋さんも宇宙人で朝倉さんが凄く可愛いの。」

キョン「確かに混乱しているな。俺が知っているのとはまるで別だ。」

ハルヒ「・・・そしてね、あんたが凄い変。普通の筈のあんたが、私より変なの。私より普通を求めていて、
    私より・・・・・・冷静に行動していたの。凄く、辛い状況だったでしょうに。」


キョン「・・・ハルヒ、右手は痛くないか?」

ハルヒ「痛くないけど、むず痒いわね。ちょっと撫でてよ。」スッ・・・

キョン「そうか。・・・・・・傷は無いんだな、良かった。・・・なぁ、ハルヒ」

ハルヒ「言わなくて良いわ。この記憶が本当かどうかなんてどうでも良いから。有希もみくるちゃんも
    古泉君も、鶴屋さんも朝倉さんも皆私の友達で、大好きな人よ。だから、向こうの私がどれだけ
    絶望しても、私はこっちの世界の方が好き。」

キョン「・・・・・・。」スリスリスリ・・・・・・


お互いに、一度は絶望しかけたけれど。


           そのおかげで、今、こうして共にいられる。

ハルヒ「うーん、そういえば私、変な方のあんたに会うのは、初めてなのよねぇ・・・。」

キョン「向こうの俺からすれば、どっちも馴染み深い物なんだがな。」

ハルヒ「駄目ね。何だか落ち着かないわ。ここはけじめとして、きちんと挨拶を
    しておかないとね。」

キョン「あぁ、良いぞ。・・・俺の名はキョン。只の人間でも、面白い奴なら歓迎だ。
    以上!よろしく頼むよ!!」

ハルヒ「はい、どうも。えぇー、では改めまして・・・・・・」




   「東中出身、涼宮ハルヒ。只の・・・・・・」




     「end.」

[ちょっとおまけ]

長門「・・・・・・。」
喜緑「・・・・・・・・・・・・?」
長門「有難う、そのままのあなたでいて。」
喜緑「・・・どうしたの長門さん、エラーでも溜まりましたか?」


谷口「朝倉!カナダから帰って来ていたのか!会いたかったぜぇ!!!」
国木田「「私はそうでも無いけれどね!」


鶴屋「しっかし、せっかく撮ったビデオはこっちの世界には無いんだねー、
   こっちより凝って撮影したから、何だか勿体無いにょろ。」
みくる「私はあの写真がこっちに来なくて良かったですー。」
鶴屋「でも例の服は既に作ってあったりして・・・あーはっはっはっはっはっ!」
みくる「にょろっ!?」


古泉「王手飛車取りぃっ!」
キョン「うわっクソ!やっぱり実力を隠してやがったなぁ!?」
古泉「フフッ、いつかこの腕前を見せられる日を楽しみにしていたんですよ!フフフフフ
   フワーハッハッハッハッハッ!!!」
キョン「高笑いし過ぎだこの野郎ーーーーーーっ!!!」


ハルヒ
「来年は、ラブロマンスか・・・・・・♪」

[おまけ 終わり]

・・・と、いう訳で丸々一日以上の時間をお付き合い頂き、有難うございました。
ほんの思いつきで始めた為、行き当たりばったりで書き溜め無しという酷い状況に
加え、漢字間違いや分かり辛い文章などありますが、私の眠気の免じて許して下さい。

あぁ、一応聞いておいた方が良いかな?ここ分かりづらーいとか矛盾してるー、とか
あったら教えて下さい。何か無理矢理説明を加えます。

良かった、特に質問は無い様ですね。それならこれで、お休みなさい。

鳥の血のは回収され無かったか

すごい面白かった、乙
ところで失敗しても朝比奈さんの力で3年前に戻れたというのは年齢はどうなって…?

こんな感じなんだろうなぁ
強いて言えばハルヒの髪が短ければなお良し
http://i.imgur.com/cazn6.jpg

>>491
奇行は全て、ハルヒの物真似って感じです。

>>496
その辺はまぁ、ご都合主義って事で。エンドレスエイト的な!

>>501
天使やねぇ・・・。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年04月06日 (水) 02:57:30   ID: XBpQYvFw

ハルヒSSで一番好きだったやつだ

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