キョン「なあハルヒ、ちょっといいか?」(292)

ハルヒ「…なに? ガラにもあわず真面目そうな顔をしちゃって」

キョン「ジョン・スミス」

ハルヒ「え?」

キョン「私はここにいる」

みくる「!?」

ハルヒ「ちょっと待って…それって…どうして…」

古泉「あなたは…一体何を…!?」

キョン「悪いな」

みくる「キョン…くん…?」

キョン「仲良しごっこにはもう飽きたんだよ」

長門「……」

キョン「ハルヒ、お前は中学生のころ校庭に馬鹿でかいラクガキをしたんだよな」

ハルヒ「そうだけど…」

キョン「その時に手を貸したやつがいるだろう? あれは俺で、それでだ」

みくる「…な、なんでしょうか?」

キョン「入学したてのころにも言ったと思うが、この人は未来人。それでこっちが超能力者で…」

古泉「またまた…なにかのご冗談でしょうか?」

キョン「そう見えるか?」

古泉「この世のなかに未来人だとか超能力者なんて存在しているわけがありませんよ」

キョン「そういうと思ってたさ。だから言い逃れできないようにこんなものがあるんだよな」

ハルヒ「なによこれ…写真…?」

キョン「いわゆる証拠品ってやつだな。もとは自己防衛のための切り札だったんだが、こういう使い方もいいだろう」

ハルヒ「…なに? ガラにもあわず真面目そうな顔をしちゃって」

キョン「ジョン・スミス」

ハルヒ「え?」

キョン「私はここにいる」

みくる「!?」

ハルヒ「ちょっと待って…それって…どうして…」

古泉「あなたは…一体何を…!?」

キョン「犯人はヤス」

みくる「キョン…くん…?」

キョン「このスレは濃厚なネタバレスレになるぜ」

長門「……」

ハルヒ「この巨人…どこかで…」

古泉「これは…! …実によくできたコラージュですね」

キョン「他にも音声・映像なんかもあるぞ。ちなみにこの巨人、お前が夢でみたやつと同型だな」

ハルヒ「夢って…な、なんの話よ…」

キョン「で、こっちに写ってるのは説明するまでもなく古泉だ」

古泉「いつのまに…いくら芸術のための素材とはいえ盗撮するのは流石に…」

キョン「これは俺の冗談さ。だから古泉、水を差すのはやめてくれないか」

古泉「そう言われましても…」

キョン「古泉」

古泉「…わかりました」

キョン「それじゃあ、つまらない冗談を続けていこうか」

キョン「おめでたいのはお前のアタマだよ、イカレ女」

ハルヒ「何言ってんの…?えっ?ピストル?」

キョン「お前はもう用済みってことだ。それが組織の出した結論」

ハルヒ「あんたまさか」

キョン「おっと、無駄話をする気はない。グッバイ、ハルヒ」

みくる「キョンくん…急にどうしちゃったんですか…?」

キョン「急にではなくて、もとからどうかしてましたよ、俺は。あなたたちと会ってからですけどね」

みくる「どういう…意味ですか」

キョン「意味もわからず、顛末もあかされず、何度も刺されるような役を演じたがる人間なんかいませんよ」

みくる「…え、映画のお話でしょうか?」

キョン「ましてや平然としてるほうがどうかしてる」

ハルヒ「あんた…一人でなんの話をしてるの?」

キョン「忘れてもらっちゃ困りますが、俺は一般人なんですからね。もっとも…」

長門「……」

キョン「下手に逆らえばどうなるか…そのくらいの予想については、朝倉関連だけからでも十分に推察できる」

ハルヒ「…なんで朝倉の名前がでてくるのよ? ねえ、キョン…」

キョン「反撃のチャンスを狙ってたってわけです。ええ、もちろんこれらも冗談ですがね」

おちんちんフル勃起したッ!!(゜∀゜)







えっ?(゜д゜;≡;゜Д゜)あれ!?まだだった!!!?

ハルヒ「ちょっと待ちなさい!」

キョン「なんだ、どうかしたか? …あ、どうかしてるのは俺だっけ」

ハルヒ「話の流れがわからないわ。あんたたち、喧嘩でもしてるの?」

キョン「お前がイメージしている喧嘩ならまだマシなんだろうがな」

ハルヒ「…なにが言いたいのよ」

キョン「ほら、お次は映像とでもいくか。これは映画撮影のときのだ。もっとも…」

古泉「まさか…それも…」

キョン「俺が密かに撮ってたやつだけどな。ああ、雑用係としてカメラ撮影の練習という歴とした名目もあるぞ」

ハルヒ「…なによ、なにも映ってなさそうじゃない」

キョン「…長門」

長門「なに」

キョン「やっぱりお前もそっち側につくんだな」

長門「……」

キョン「まあいい、そうくるのは判ってたからな。だったら知恵くらべといこうか」

長門「……パーソナルネーム◎¥%#を敵性と判定」

長門「ЭЪФТОЛχη゚δ゜」

古泉「……?なっ!?……うんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁこぉぉぉぉぉぉおおぁお!!!!!!!!!!!!」
ボリュボリュボリュボリュボリュボリュボリュボリュボリュパ───ン!!!!!!!!!!

古泉一樹は───身体中の穴という穴からウンコを垂れ流し───破裂した

長門「……間違えた」

                                             ‐Fun‐

キョン「ハルヒ、ひとつだけ確認しておきたいことがある」

ハルヒ「変なこと言うんじゃないでしょうね」

キョン「俺は朝倉のように転校する予定なんか一切ない。それに類似するようなこともだ。いいか、もし…」

ハルヒ「…もし?」

キョン「もし俺が消えちまったら、まずこいつら3人を疑え。いいな?」

ハルヒ「消えるっていったって…」

キョン「いいな」

ハルヒ「…う、うん、まあ…一応おぼえておいてあげるわ」

キョン「だったら話を戻すとするか。そうだな、証拠を提示しても無駄そうならば…朝比奈さん」

みくる「…は、はい!? な、なんでしょうか」

キョン「すこしだけでいいので、世間話でもしませんか?」

みくる「でしたら場所を…」

キョン「いえいえ、世間話なんだからここでしても問題はないでしょう?」

みくる「…う、それは…そうですけどぉ…」

キョン「なーに、ちょっとした証明ごっこに付き合って頂くだけですから気を楽にもってください」

           _,,‐─-v‐、,,、
         ,,-‐'": : : : : : : : : : `ヽ
        /: : : : : : : ,,__ : : : : : : \
      r': ,、,,.-─''"゛   ミ : : : : : : : 'i、
       `/ /        ミ_ : : : : : : :,、}
      i l    _,,..-‐^‐-、 `゙i: : : /l.l|
      i、}‐-、 ヽ;;/,rェッ;;'"  ゙ー' 9iリ!
      |  ',tテi  ヽ='"     ゞ t'
       |  'i"´| , -、         ヽ-、,,___
       |  '}、 !,,tu'"  ヽ、  ,l: ‐-‐" }: : : : :
       }   lヽ、__,,,.-‐ヽ  /: : : : : : /|: : : : :
     ,r/  /: : :ヽー‐'  ノ: : : : : : : / .|: : : : :

     /: \ /: : : : : 丶,, -''_: : : : : : /  |: : : : :
    /: : : : :ヽ/: : : : : : : ヾ''‐--‐ヽ   |: : : : :
   /: : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ\: : /   |: : : : :

     ネタ=ギレー[Neita Gile]
         (1955~ フランス)

長門「……全ての地球人を敵性と判定」

長門「ЭЪФТОЛχη゚δ゜」

みんな「……?なっ!?……うんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁこぉぉぉぉぉぉおおぁお!!!!!!!!!!!!」
ボリュボリュボリュボリュボリュボリュボリュボリュボリュパ───ン!!!!!!!!!!

全ての地球人は───身体中の穴という穴からウンコを垂れ流し───破裂した

長門「……汚い花火」

                                             ‐Fun‐

みくる「証明ごっこって…なんの証明をするつもりなんですか…」

キョン「さあ、なんについてだと思いますか?」

みくる「ええと、その…それは…あの…わかりませんけど…」

キョン「じゃあハルヒ、俺はいまから何を明かそうとしているんだろうな?」

ハルヒ「あたしに訊ねられてもそんなの知らないわよ。ま、どうせ未来人とか言いだすつもりなんだろうけど」

キョン「その通りだな。俺は朝比奈さんが未来人であると頑なに主張していたわけだしそうなるのが筋というものだろう」

ハルヒ「だからって何が言いたいのよ」

キョン「いや、この流れでいけば俺が何を訊ねようとしてるのかは伝わっていたと思っていたんだが…俺の説明が悪かったようだ」

みくる「あの、あたしも突拍子のないことだったので…その…よく流れを呑めてなくて…」

キョン「気にされないでください、いまの質問には特に意味などありませんからね。それより…」

キョン「朝比奈さんって確か、テレビなんかをぜんぜん観ないって以前に仰られてましたよね?」

みくる「そ、そんなこと言ってません!」

キョン「じゃあ人並には観るというわけですね?」

みくる「は…はい…いちおうは…」
キョン「いまから5年以上前だったかな、大流行したテレビドラマがありましたよね」

古泉「そのドラマというのは…」

キョン「古泉、すまないが茶々を入れないでくれ」

古泉「僕もテレビドラマには興味がありましてね、お話に加えさせていただきたいなと」

キョン「なあハルヒ…もし朝比奈さんが未来人だと証明できれば面白いとは思わないか?」

ハルヒ「そんなことあるわけ…まあ、もしそうだという仮定のうえで話すのなら、面白いといえるわね」

キョン「だったらその可能性を潰そうとしているやつがいるのならば、除外すべきだよな? 団長として」

ハルヒ「…今日のあんた、すこしどころかかなりトゲトゲしいわよ」

キョン「これはそういう遊びなんだよ。最初に言っただろう、冗談だって。なあ、古泉もそう言ったよな?」

古泉「それはそうですが…しかし…」

ハルヒ「古泉くん、少しだけ黙ってなさい。キョンのやつもすぐに飽きるでしょうから」

古泉「…仰せのとおりに致しましょう」

キョン「で、朝比奈さん」

みくる「な、なんでしょう」

キョン「もちろんご存知ですよね? 当時、クラスメイトがこぞってクライマックスシーンを真似てましたから」

みくる「そう言われればそうだったような気もします…でもあたしは流行りものをあまり観ないのでハッキリとは…」

キョン「そうそう、大型トラックが走っているところへ敢然と飛び出してのあのシーン、そして決め台詞」

みくる「……」

キョン「あれ、憶えていませんか?」

みくる「あたしは…あんまりそういう話はしませんでしたし…お友達も多くなかったので…」

キョン「ええと、そういえば訊ねたことがなかったんですが、小学校と中学校はどちらでしたっけ?」

みくる「通っていた学校ですか? それなら」

キョン「ああいいです、それより学友の名前なんかを挙げてもらえませんか? 流石に知らないってのはありえませんよね」

みくる「あの…はい、いいですけど…ええと…まずは一番仲のよかったお友達は…」

キョン「すみません、訊いておいてなんですがやっぱり結構です。そのくらいはデータとして用意されているでしょうから」

みくる「えっ…でも…」

キョン「ちなみにテレビドラマの話ですが、5年程度前にそういうシーンで盛り上がったものを俺は存じてはいませんね」

キョン「思い返してもみれば、小学生や中学生のころは楽しかったなあ…すごく普通で…」

みくる「…そうでしょうか」

キョン「朝比奈さんはそう思わないんですか?」

みくる「あたしはいまのほうが楽しいかなって思います…やれることが増えましたし…」

キョン「へえ、俺はやられることが増えましたけど」

みくる「う…それに皆さんにもお会いできましたし…」

キョン「予定どおりSOS団が設立されて嬉しい、と」

みくる「予定どおりなどとは…べつに…でも…一緒に活動できて楽しいなとは思いますけど…」

キョン「でもその様子でみると、高校へ来る前はあんまり楽しくなかったという感じですよね」

みくる「そういうわけでもないです。やれるこ…できることが増えたいまのほうがより楽しいというだけでして…」

キョン「なるほど。先ほどの中学でのお友達の話ですけど、具体的にどういうことをして遊ばれていたんでしょうか…」

みくる「具体的にっていうと…?」

キョン「中学生としての、現代、での当り前の話ですよ。放課後やら休日のですね。それともそういう部分はデータとして持っては…」

ハルヒ「キョン! いくらなんでもプライベートにまで突っ込みすぎよ。いくらなんでもやりすぎだわ、これって難癖つけてるだけじゃない!」

キョン「…すみません朝比奈さん、こちらも意地で少々熱くなりすぎました。謝罪します、このとおり」

キョン「それで話がガラリと変わるんですが…これを見てもらってもいいでしょうか」

ハルヒ「まだ続ける気なの? はぁ…なによこれ…あ、学内で配られたテスト…のコピーね。あれ、いつのやつ?」

キョン「最近、というより以前からですが、SOS団の活動も大変でしてね…」

ハルヒ「こんなの大したことないじゃないの」

キョン「お前はそうかもしれないが…俺は周知のとおり学力が垂直落下の真っ最中でな…それで…」

みくる「それで…あたしに何か…?」

キョン「いえ、もしよけれでばですが上級生の朝比奈さんに御教授願えないかなーと。ええと、こっちが答案用紙なんですが」

ハルヒ「真っ白ね」

キョン「いちおう少しは書いてるだろうが。まあいいさ、それの間違ったところを自習して提出というありがちな課題なわけですが…」

みくる「それを…あたしに…?」

キョン「はい、朝比奈さんに。すこしだけでいいので是非ともですね。このままじゃあSOS団の活動にも支障がでそうなので」

みくる「あの…あたしもあんまり自信はないんですけど…」

キョン「でも俺よりは遥かに上でしょう? 追試などを受けさせられかねない、というような話は聞いてませんからね」

みくる「…調べたんですか?」

キョン「いえ、まさか」

キョン「…さて、数分ほど経ちましたけど、芳しくないようですね?」

みくる「そういうわけじゃ…ちょっと緊張しちゃって…」

キョン「問題って一度解けば憶えてそうなものだと思いますけどね、その舞台が重いほど」

みくる「でもキョンくんとは学年が違うので内容も変わっちゃってると思うし…」

キョン「そういえば朝比奈さん、以前SOS団で遠出したとき…そう、船の話題がでたときでしたか…」

みくる「あ…はい…そういうのもありましたね…」

キョン「浮力がどうのこうのと仰られてましたよね、未来では浮力の話がでないからあの船が水面に浮かぶのが珍しいとか」

みくる「え…いえ…そんな話をした憶えは…ないです、たぶん…」

キョン「この問題が解けないのも、それと関係あるんでしょうか? それとも偶然ですか?」

みくる「偶然じゃないんでしょうか…おそらく…」

キョン「それとも入試のときに緊張しちゃって駄目だった…とか?」

みくる「入試…?」

キョン「このテスト、入試のやつですね。俺やハルヒのじゃなく、学年がひとつ上のあなたが受けたときの」

みくる「…あの…もう…この遊びはやめにしてもらえないでしょうか…? 今日のキョンくん…なんだか怖くて…ぐす…」

ハルヒ「……」

みくる「うぅ…キョンくんっ…なんか…変ですよぉ…」

キョン「朝比奈さんって年齢おいくつでしたっけ」

みくる「そんなのっ…キョンくんのひとつ上に決まってるじゃないですかぁー…」

キョン「学年ではなくて実年齢です」

みくる「実年齢なんて…そんなっ…人をスパイみたいに…言わないでくださいよー…」

キョン「胸のところに星型のホクロがあるって未来のあなたに教えられたんですが、あれはどういう意図ですか」

みくる「知りません…そんなこと…あたしはっ…」

キョン「敢えて判りやすい印を顕示するのは、同一人物だと見せかけるためのトリックなんじゃないんですか? ホクロなんて顔面整形に比べりゃ遥かに容易ですから」

長門「……」

キョン「俺が入学したての頃、並木道のなかで時間の流れについて話をされましたよね。決して未来を変えることはできないとかなんとか」

古泉「……」

キョン「でもあなたが未来からこちらへと来たってことは、それを変えられる余地があるからこそ来たってことでしょう? でなければ来る意味がそもそも無い」

ハルヒ「キョン…」

キョン「根本から破綻してますよね。だから俺は最初から疑っていました。そして現に、それはのちになって訂正された」

キョン「どうしてそういう嘘っぱちで塗り固めてまで、俺を騙そうとするんですか? 禁則事項とはなんなんですか?」

みくる「べつに…騙そうだなんてっ…」

キョン「仮にあなたが知らなくとも未来のやつらは知ってるはずでしょう。でなければ、何も知らない朝比奈さん、という役者を選ばないはずだ」

みくる「そんなの…言いがかりです…あたしは…」

キョン「朝比奈さんだけじゃない、古泉にしたって長門にしたって…結局やってることは似たようなもんだ」

古泉「僕は…」

キョン「何かしらの事件が起きても、たとえそれの中心に俺が巻かれても、結局は肝心な部分を隠してお前らだけで納得してやがる」

ハルヒ「……」

キョン「拒絶しようという選択肢でさえ、朝倉のような存在をチラつかせて離れると危ねえって暗に言いやがる」

長門「……」

キョン「適当な理由を繕っては煙に巻き、最終的には重要な鍵だとかなんだとかいって…俺は操られてるだけのモルモットじゃねえか」

古泉「申し訳ありませんが、意図をはかりかねますね。僕はあなたとは良い友人だと」

キョン「悪いがそういうのは真っ平ゴメンだ。表向きに友人ツラするのもされるのもな。だからずっと言えずにいたことをもう一回言ってやるぜ」



キョン「俺はな、仲良しごっこにはもう飽きたんだよ」

ハルヒ「あんた、さっきからなに言ってんのよ」

キョン「……」

ハルヒ「ハタから聞いていても意味がわかんないことばっかりじゃない」

キョン「…こいつらは上手なんだよ」

ハルヒ「まだ…」

キョン「これだけの期間一緒にいたってのに、明確な痕跡を一切残しちゃくれねえんだ」

ハルヒ「まだ言うつもりなの」

キョン「ああ言うさ、いくらでもな。息の根を止められでもしなけりゃだ」

ハルヒ「もし…」

キョン「痕跡を残さないってことは…逆にいえばそれくらいの存在でしかなかったってわけさ、俺はな」

ハルヒ「もし冗談のつもりなら、そろそろやめなさい。団長命令よ」

キョン「俺が冗談でもこういうことを言うと思うのか? こんな奇想天外な馬鹿げたことを真顔で――!」

キョン「……」

ハルヒ「…古泉くん、なんで止めるのよ」

古泉「出すぎたことだとは思いますが、力に頼るような局面を目にするのは苦手なものでして」

キョン「ちっ…つくづく、お前には勝てそうにないな」

古泉「それはこちらのセリフですよ。現実も、盤上のゲームでの顛末と似たようなものでしょうからね」

キョン「俺がこんなに必死だってのに、そうやって平静さを崩さないとはね。そりゃあボロなんてだしちゃくれないはずだ」

ハルヒ「古泉くん、あたしを離してちょうだい」

古泉「ええ、しかし離した途端に殴りかかろうとするのはナシにしてくださいね」

ハルヒ「…副団長に免じて約束するわ」

キョン「やれやれ、そうなると古泉に感謝しないとな。ならばその見返りってことと同じ団員の契りとして、タネをあかしといてやるぜ」

キョン「俺が朝比奈さんに対して行った質問なんてのは、なんの意味もねえんだよ。物的証拠なんて何一つないからな」

キョン「でもな、お前らが俺に対してこの場でやったことは紛れもない事実ってわけだ。おかげで決心もついたぜ」

キョン「だから俺はもう…お前たちを一切信用しない。すべて疑ってかかる。ハナもあかしてやる。それだけだ」

ハルヒ「あんた、どこへ行く気?」

キョン「どこへって帰るに決まっているだろ。ついでに最後の賭けってやつだ。これに負ければ俺は死地へと行くんだろうけどな」

ハルヒ「賭けって…なんのことよ?」

キョン「ハルヒ、お前に質問させてくれ。お前は俺とあいつら、どちらを信じる?」

ハルヒ「どちらをって…どちらをだとかじゃなくてSOS団は…」

キョン「頼む、曖昧な回答はやめてくれ。どちらかひとつの二者択一だ。でなきゃチャンスにすらならん」

ハルヒ「…本当に何が言いたいのよあんたは! いきなり支離滅裂なことを言いだしたと思ったら…!」

古泉「なるほど…先ほどのあなたの主張がもし本当だとした場合、我々は強大な相手になるんでしょうからね」

ハルヒ「古泉くん…?」

古泉「なぜ涼宮さんを頼るのかについては、僕には先ほどのお話からは大凡の推測しかできませんが…」

ハルヒ「…なんなのよ」

古泉「どうやら彼は、涼宮さんを切り札としてみておられるようですね」

キョン「そうさ。選択するのはお前だ。情けないが俺にとっての方法もそれしかない。俺ひとりなんて、こいつらの前じゃカマドウマ以下だ」

ハルヒ「…悪いけど、どう考えたってあんたの話を信じろだなんて…土台無理な話だわ。荒唐無稽すぎるのよ」

キョン「だったら今すぐに信用しろとは言わない。今日一日だけでいい。その間、俺に付き合え。必ず信じさせてみせる」

ハルヒ「今日一日って…もう夕方よ。いまからなにをするつもりなのよ?」

キョン「最初に言ったはずだ、ずっとチャンスを窺ってたってな。それも含めての賭けなんだよ、コレはな」

ハルヒ「…わかった。今日だけはつきあってあげる」

キョン「本当か。信用していいんだな」

ハルヒ「七夕のことが引っかかるしね。ただし、それだけ言うってことは余程の自信があるってことなのよね?」

キョン「あたり前だ。でなきゃ言うもんか」

ハルヒ「だったら、それが達成できなかった場合はその妄言はとりやめるのよ」

キョン「もちろんそうなるだろうな」

ハルヒ「ついでに、今日のこともカタをつけて皆とももとの関係に戻る。それでいいわね?」

キョン「負ければもとの関係どころか…いや。それでいい。ただし、ひとついいか」

ハルヒ「なに」

キョン「俺はお前とだけでいたい。外部からの干渉は一切なしだ。妙なことも起こらない。すべてが普通に、だ」

ハルヒ「またなにか言いだすつもり?」

キョン「念慮してくれるだけで十分だ。例えば前振りもなく未知のモンスターが現れたり、空から放射線が降ってきたり…」

ハルヒ「なによそれ…」

キョン「俺の手荷物が別の何かとすり変わったり…有るはずの物が消えてたり…なんてこともあり得ないってな」

ハルヒ「…馬鹿バカしいけど約束だからね。いいわ、今日だけは文句を言わないであげる。今日だけはね」

キョン「…よし」

みくる「……」

キョン「朝比奈さんに長門、古泉」

古泉「まるで今生の別れのようですね」

キョン「以前の俺ならともかく、今の俺にはそういう言葉が…もう本物の脅迫にしか聞こえないな」

古泉「考えすぎなのではないでしょうか」

キョン「そうだな、我ながらどうかしていると思うぜ。あの頃の俺ならいまの俺に対して冷たい視線を送っていることだろう」

長門「……」

キョン「…お前にも昔は感謝していたはずなのにな。だがもう操り人形を演じるのはゴメンだ」

長門「…………」

キョン「じゃあな、超常現象トリオ」

ハルヒ「あ、待ちなさいよ! …古泉くん、有希。みくるちゃんを頼むわね」

長門「わかった」

ハルヒ「ちょっと…そんなに走ってどこへ行く気よ…!」

キョン「時間がないんだから急ぐしかねえだろがっ!」

ハルヒ「急ぐってどこへよ!?」

キョン「俺の手荷物なんかの物証がさっき消されちまったからだ…まあ予測してたけどな…!」

ハルヒ「ハァ!? あのブランクデータが証拠だっていうの?」

キョン「だからアレは消されちまっただけで本来はちゃんと撮れてたんだよ…!」

ハルヒ「どういう手品よ…任意にデータだけ消すなんて。まるで都合の良い魔法じゃないの。あるわけないわ」

キョン「文句は言わないんじゃなかったのか…? はぁ…はぁ…ちくしょう、もっと運動しとくべきだったな…」

ハルヒ「なんでそんなに急ぐのよ…時間がないってどういうことなの…?」

キョン「もたもたしてると手を回されちまうからな。それよりはやく、こちらが手を打つ…っと、ここだ!」

ハルヒ「ここ…ってあんた、なんで自動販売機の下を漁ってんの?」

キョン「すこし黙っててくれ…くっ…ん? よし、あった!」

ハルヒ「なんでそんなところに茶封筒が…?」

キョン「チャンスを窺ってたって言っただろ。長門や他の連中への対策はしていたんだよ。これは手荷物のコピー品だ」

ハルヒ「…まるで宝探しじゃないの。それで、中身はなんなの?」

キョン「コピー品だって言っただろ。だからこっちのメモリーには映画撮影のときの…なに…?」

ハルヒ「…あら、ほんとにコピー品ね。中身が空っぽなところもそっくり」

キョン「これを仕込んだのは…ひと月以上前の、それも人気のない放課後だったってのに…」

ハルヒ「あんた…そんなことしてたの…?」

キョン「やっぱり、それくらいはお見通しってわけかい。ってことは自宅も恐らくやられてるだろうな」

ハルヒ「なら、もう手詰まり? あれだけ啖呵切ったわりには情けないわね」

キョン「待てよ、中身が消えてるってのが逆に証拠に…」

ハルヒ「あんたが最初からブランクデータを仕込んでたって可能性があるから駄目ね」

キョン「でもな…俺は今日のために何カ月も…」

ハルヒ「だって内容が超常現象なんでしょう? そんなの状況証拠だけで信用できるはずがないわ」

キョン「だけどな…!」

ハルヒ「あたしじゃなかったらハナから相手にしていないわよ、こんなの」

キョン「…そうかい。まあそうだろうな、昔の俺もそう言っていたんだ。だけど他にもアテはある。急ぐぞ」

ハルヒ「あっ…次はどこへ行く気なのよ…!」

キョン「なにも物質だけが証拠じゃない。消せないものだってあるはずだからな」

         /    / /         ヽ || /
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            ヽ    | -= テ  l|‐= テ |  )

             ヽ    |       l    | .)`'
             / ̄l_   ト.   `‐-'    l<
            // /   ,! !、  `=='   /、_ノ
            // /  /.ー'l ` 、 _ __   ノヽ、
           / ./  `ー/ ノ    ー‐ ' |   }
            / /   ,..`-'        |  l

          ドンヅ・マリー夫人[Dondz Marie]
             (1603~1682 フランス)

保守時間目安 (休日用)

00:00-02:00 40分以内                   __
02:00-04:00 90分以内            _□.--‐<´ヽ`、
04:00-09:00 180分以内         ,.-"`: :.|___\  ヽ、_ノ
09:00-16:00 80分以内         /: : : :,ヽ、\/l`ヽ、  \
16:00-19:00 60分以内         /::/: :〆、 ,×l/:l : l : ̄ヘ<
19:00-00:00 30分以内       |/|: :/●  ●|_!_l_l=:-:‐i´

                  .,-、  |: :|@   @|::|=|: : : : l
保守時間の目安 (平日用)  ;|!:::::::`ヽ、|!_ ⌒  _/:/ : : : : : l
00:00-02:00 60分以内    |!:::::::::::::::::∥r:‐t-t//::ヽ, : : : : : l

02:00-04:00 120分以内     ヾー──'‐(::|×|:::ト==l: : : : : : l
04:00-09:00 210分以内       ./: : : : :ノ:|×|:::|:::::::|: : : :l : : l
09:00-16:00 120分以内      /: :/: : :._}=ェ==|:::::::::ゝ、: :l : : :l

16:00-19:00 60分以内      /: :/|:.__/:::/:/:/ヘ|:::::::::::ノ: : l: : : l
19:00-00:00 30分以内.     /: :/,|/_/_/_/_/∧_l_lエ´ヘ、:l l: : : l
                  /: :/ゝ、/_/_/_/_/_l_l_ヘ_ヘ_ヘ,.ゝl : : :|
                   ̄      .|:×|:×|      ̄ ̄
                         .ヽ_人_ノ

このスレはVIPSSスレ総合管理委員長の俺が認めてやろう。
お前ら徹底的に正しく保守しろよ。

保守時間目安 (休日用)

00:00-02:00 40分以内                   __
02:00-04:00 90分以内            _□.--‐<´ヽ`、
04:00-09:00 180分以内         ,.-"`: :.|___\  ヽ、_ノ
09:00-16:00 80分以内         /: : : :,ヽ、\/l`ヽ、  \
16:00-19:00 60分以内         /::/: :〆、 ,×l/:l : l : ̄ヘ<
19:00-00:00 30分以内       |/|: :/●  ●|_!_l_l=:-:‐i´

                  .,-、  |: :|@   @|::|=|: : : : l
保守時間の目安 (平日用)  ;|!:::::::`ヽ、|!_ ⌒  _/:/ : : : : : l
00:00-02:00 60分以内    |!:::::::::::::::::∥r:‐t-t//::ヽ, : : : : : l

02:00-04:00 120分以内     ヾー──'‐(::|×|:::ト==l: : : : : : l
04:00-09:00 210分以内       ./: : : : :ノ:|×|:::|:::::::|: : : :l : : l
09:00-16:00 120分以内      /: :/: : :._}=ェ==|:::::::::ゝ、: :l : : :l

16:00-19:00 60分以内      /: :/|:.__/:::/:/:/ヘ|:::::::::::ノ: : l: : : l
19:00-00:00 30分以内.     /: :/,|/_/_/_/_/∧_l_lエ´ヘ、:l l: : : l
                  /: :/ゝ、/_/_/_/_/_l_l_ヘ_ヘ_ヘ,.ゝl : : :|
                   ̄      .|:×|:×|      ̄ ̄
                         .ヽ_人_ノ

        _,.  -―-  、
      ,r '´      、.、 ヽ
.    ,r` ー‐-- ミ   ヾヾ ヽ
.   /        i  ミヽ:::::::::iヽ、
   l       .::' iliiillril;i:ミ:::::::ヾ
  .l  _.,_   ;  ヾliljiiilr'⌒ヾ:ミ
  ミ二iヾ::r=;、ヾッ::'-、    r  i,!::!
   Y  ` ̄',r'      ,.r ':/::::!
  .l  、::.         、_,r'::::::l、
.  ヽ ,、_-'_、  :'        ,ノ Yヽ
   i' "  ゛ ヾヘ ,.       //  ヽ
  ヾ _,rヾ--‐ -'     //    .,rヽ

     .l        / /      ,r'
     ヽ _ ,-,.-'´ /!    /
        /,r、 / i    r'

 ツカレ=テル(カンジ・ダッタ) [Zukale tel]

  (1991~2006 フィンランド)

キョン「かといって…なにから始めればいいことか…」

ハルヒ「みくるちゃんたちに謝る過程でも考えればいいんじゃないの?」

キョン「なあハルヒ、俺たちが入学してすぐの頃をおぼえているか」

ハルヒ「若年性健忘症を患っている覚えはないわね。忘れるわけないじゃない」

キョン「なら話ははやいな」

ハルヒ「記念すべきSOS団を設立したばかりのころでしょう?」

キョン「ああそれだ。部室でも言っていたが、朝倉涼子ってのがいただろう。クラス委員長の」

ハルヒ「いたわね」

キョン「お前、最初のころはあいつのことを疑っていただろう。前置きもなく国外転校するなんておかしいって」

ハルヒ「なつかしいわね。結局、妙に豊かな暮らしをしていたってことくらいしか掴めなかったけど」

キョン「いまはどう思う?」

ハルヒ「そりゃあ今でも引っかかってはいるわよ。でも、あり得ない話ではないから納得するほかないわね」

キョン「あり得ない話ではない、か」

ハルヒ「それで朝倉の話はもうおしまいなの? それともあいつのところへ電話でもして所在を確かめれば満足?」

キョン「駄目だな。仮に連絡先がわかっても、仮にいますぐ会いに行けたとしても…結果はみえている」

ハルヒ「どういう結果よ?」

キョン「間違いなく朝倉はそこにいることだろう。おそらくは今この瞬間、俺がそうしようとした直後にそう仕組まれる」

ハルヒ「…ハァ?」

キョン「実際それに似た体験はすでに済ませている。そんときはお前も含めてすべてが仕組まれていたけどな」

ハルヒ「あたしも含めて…?」

キョン「お前も含めてだ。もしかしたら、俺自身が気づけないだけで俺もそのように仕組まれていたのかもしれないが」

ハルヒ「…想像もつかない話ね。内容がみえてこないわ」

キョン「当時の俺だってそうだったさ。それに加えて、いまは自分の記憶すらも疑わなくちゃならない可能性か…きついな」

ハルヒ「あんたの妄執のほうが幻で、それを疑うべきだという考えはないの?」

キョン「妄執…俺が? 確かにその可能性は考慮していなかったな。しかしそれはないさ。あいつらに得がない」

ハルヒ「中学の頃にはあたしのまわりにいたわよ、そんなの。宇宙人です、付き合ってください…ってね。相手にしなかったけど」

キョン「その話は谷口あたりから聞かされたこともあるな。しかし…事実だったのかよ」

ハルヒ「ようはあんただって普通にみえて、その実、そういうのと変わりなかった…とも考えられるでしょう?」

キョン「そうかもしれないな。いや、間違いなく今日を過ぎればそういう結末になるんだろう。だって…」

ハルヒ「だって…なに?」

キョン「あなたの見間違いなのでは、と言い逃れられたこともある。そのときは頷くほかなかった」

ハルヒ「あたしには古泉くんたちが…そういうことを言っているところが想像できないわ」

キョン「それくらいに今日までの俺はうまくやれていたんだろうさ。まがりなりにも御役目を与えられていたからな」

ハルヒ「……」

キョン「ま、現時点で強制的なロックは為されちゃいないだろうし、今日だってお前といるあいだは大丈夫だろう」

ハルヒ「そういうファンタジーをあたしに告げて、なんになると思っているの?」

キョン「まずはお前に理解してもらうしかないんだよ。だから俺が経験してきたすべてを伝える。あいつらが隠してきたこともな」

ハルヒ「隠してきたことって…」

キョン「証拠だってあるぶんは全部だす。あいつらが普通じゃないってことさえお前に納得させられれば…変えられる」

ハルヒ「なにをよ?」

キョン「あいつら主体の流れをだよ。そしてすべてはその後だ。だから、まずはそこまで詰めるほかない」

ハルヒ「ふーん…それでまずは何から始める気なのよ」

キョン「このまま歩きながらでいい。順を追って体験談を話していくから聞いてくれ」

ハルヒ「いいわ。約束だもんね。馬鹿げた話でも体面上くらい黙って聞いてあげる」

キョン「さっき言ってた朝倉だが…あいつは世にも恐ろしい宇宙人兼殺人鬼だ」

ハルヒ「…は?」

キョン「長門もそれの仲間で、なんでもありの魔法みたいな力を持っている」

キョン「朝比奈さんにいたっては未来人で、時空間を移動するような能力を持っている」

キョン「古泉に限っては定義が少々面倒そうだが、はやい話が超能力者ってことらしい」

キョン「そして俺は、これらすべてを目の当たりにしている。つまりお試し体験コース修了生ってこった。以上」

ハルヒ「…それを信じろっていうの?」

キョン「そのとおりだ」

ハルヒ「前に喫茶店で言ったわよね。これと全く同じような話をあんたからされてさ」

キョン「言ったな。そんときお前はなんて言ったんだっけ」

ハルヒ「ばっかじゃないのっ!」

キョン「…まあそうなるよな。俺もこれらを言葉だけで納得させるのは無理だと解っているさ」

ハルヒ「まるで出来の悪いSFね。それも寄せ集めの」

キョン「…かつての俺とまったくもって同一の思考だな」

ハルヒ「せめて宇宙戦争かタイムトラベルか超能力のどれかひとつに絞るべきだわ」

キョン「事実が多すぎるせいで却って信憑性が薄れる…か。まさかそれが狙いであいつら…」

ハルヒ「どうしたの?」

キョン「いや、考えすぎか。ともかく俺がやることは、それにどれだけの信憑性を持たせるかってことだ。おっと」

ハルヒ「どうしたの? …って、なんで広場のベンチをひっくり返してんのよ」

キョン「確かここに…」

ハルヒ「まさかまた仕込んでたの?」

キョン「正解。でもやっぱり駄目か。ひとつめが潰されていた時点で期待しちゃいなかったが」

ハルヒ「…ずいぶんとシビアな宝探しなことね」

キョン「証言者がいても証拠がないんじゃな…法廷でも一笑に付されるだけか」

キョン「なんいせよ、まだ残された手立てはある。それはいいとして…この場所に見覚えがあるだろう?」

ハルヒ「この神社? たしか映画撮影のときにワンカットぶん使った憶えはあるわね」

キョン「使ったかどうかはどうでもいい。それより、あのときハトがいたよな?」

ハルヒ「ハトなんかどこにだっているじゃない」

キョン「ばか言え。あんなアルビノでも起こしたかのような白バトの群生が日本の神社になんているかよ」

ハルヒ「いたらおかしいっていうの?」

キョン「生物学的に考えておかしいだろうが。そもそも日本の神社といえば土鳩と相場が決まって…」

ハルヒ「でも、現にいるじゃないの。ほら、そこで餌をあげてる人もいるわ」

キョン「…なんだと?」

ハルヒ「きっと物好きが近くで放したんでしょうね。それが自然繁殖して…あるいは神社側の人寄せ戦略かも」

キョン「外来種や変異種が野生するなんて…という観点もあり得ない話ではない…で片づけられるか」

ハルヒ「なんならそこの人に事情を聞いてきてあげるわ。出所をはっきりさせれば済む話でしょ」

キョン「…いや、いい。おそらく時間の無駄だ。なんだかんだと言いくるめられるのが目に見えている。いつものパターンだ」

ハルヒ「…なによそれ。人が気を利かせてやっているってのに」

キョン「矛盾をつけば破綻させられると思っていたが…それも潰されたか」

キョン「こうなりゃついでだ。あのとき捕まえたオスの三毛猫がいただろう…って、普通はそれだけで驚けるレベルなんだが」

ハルヒ「まさかあの猫、実は名探偵だぞ…なんて言いだすんじゃないでしょうね」

キョン「ちょっと違うな。喋るんだよ、シャミセンはな。人間と同等かそれ以上の知性も備えていた」

ハルヒ「…でも今は喋ることができなくなった。そう言いたいんでしょ?」

キョン「そうだ。データにも納めていたんだけどな…どうせそれも徒労と終わることだろう」

ハルヒ「次から次へと…よくもまあ並べたてられるものね」

キョン「いまにして思えばな、あの時にでもお前に打ち明けておくべきだったんだと思う」

ハルヒ「シャミセンが喋るところを? そもそもさ…なんでいまはそうじゃない、って話にいつも行きつくわけ?」

キョン「すべてがそうなのさ。そう仕組まれていた。野球大会でのバットも、衣服と肉体への刺し傷も、夢幻館も、それら以外の諸々も…」

ハルヒ「……」

キョン「あれらは俺のためにやっていたんじゃないんだ。こういうケースに備えて、隠滅してやがったんだよ」

キョン「じっとしていれば状況は悪くなるとわかっちゃいたんだけどな…安全の保障がなかったから動けなかった」

キョン「お前だって最初のころは、こうやって不自然なことを頑なに否定するようなやつじゃなかった」

キョン「確実に状況は悪くなっていたんだ。だから…もう動かざるを得なかった。証拠を集めりゃなんとかなるって薄い望みに賭けてな」

キョン「お前だっておかしいと気づいているだろう? 何かがおかしいと本当は思っているんじゃないのか?」

ハルヒ「…何かがおかしい…ね。それならあるわよ」

キョン「たとえば何処だ? 団活動における大体のことなら俺のほうから裏事情を説明できるはずだ」

ハルヒ「本当に? だったらなんでも答えてくれる?」

キョン「あたり前だ。そうするしか俺に道はないからな」

ハルヒ「実はあたし…ずっと引っかかっていたことがあるのよ。あんたと同じようにね」

キョン「…俺と?」

ハルヒ「あんたたち…そう、あんたを含めてのSOS団員。有希やみくるちゃんや古泉くん…ずっと何かを隠していたでしょう?」

キョン「だからそれらがいま説明していることなんだよ。あいつらは…いや、俺含めてのかつての俺たちは…」

ハルヒ「違うわね。それだと矛盾しているわ。いまのあんたがやっていることのほうがおかしい」

キョン「…どういうことだよ?」

ハルヒ「根本への質問よ。動機ってやつかしら。あんたの話じゃ、みんなは不可思議なことを隠そうとしていたんでしょう?」

キョン「まあ…そうなるが…」

ハルヒ「どうしてなのよ?」

キョン「だから…何がだ…?」

ハルヒ「どうしてそれが必要なの? それにあんた、どうしてこの場であたしを頼っているの? あんた…何か隠しているわね」

ちょっと書いてみた



ハルヒ「なんで…なんでわざわざあたしに隠し事なんかしなくちゃならないのよ…」

キョン「…それは…お前が俺や古泉たちから見れば神と呼ばれる存在だからだ」

ハルヒ「…えっ?…あたしが…神?…まさか嘘でしょ?」

キョン「嘘なんかじゃない、なぜお前の周りに未来人や超能力者がいるのかを考えてみろ、それはお前がSOS団にいてほしいと願ったからだろ?」

キョン「だから俺はお前に頼っているんだ、長門や古泉なんかに負けない力を持ってるお前をな」

ハルヒ「…」

キョン「ほら、次行くぞ」

反応によっては書くかも

すみませんでした。

一体誰を待っているのか

>>200
でもお前じゃないことは確かだ

>>202
言わなくても)ry

誰か書くやついないか

         ,.. ''' "" ''‐:.::.=-:....、
        〃        ` :..ヽ :: .:、
          }           i:.: :: ..: ヽ
       l           i: .: .: :. .:ハ

       ;' ,,.,、  ,,,....,,,,,,     ト: : .: ノ ::i:i
       ', rtt)   ィッュ、ヽ   {;: :.::. .r-、:l
         l ,ィ′   `=-'     ノ : .:ソ  ,リ
         l ′  、       ;::.:i''"  〃
        |_ ゝ-‐'       ノ::;i..:l `-ノ
        {:.:,ィ竺_:.::.:.:ヽ  ノ:.:. :..::! /
        ノ: :. ノ:. : :.ヽ:. .}:.:v/:.. :ソ |
       }:..::.. :.:: ..:. :..:.}:. i:.ソ::''"  ト、
        Y:.:. :;:.. : .:. .ノ''"     イ:ハ
         `〉'''l     _ - ':..:.:.:.:.:.:.:..、
       _ ノ:.:./⊥__ -‐ _:..:.:..:.:..:.:..:/:.:.:.ヽ

     ,. ..:.:.:.:/:.::/7;;;;;;;;;ヽ,.:.:.:.:..:.:.:.:../:.:.:.:.:.::..::ハ
   /:.:..:.:.:/:.:.//;;;;;;/:.:..:..:|丶:::/:.:.:.:..:.:..:.::.:..ハ
  ,.:i.:.:..:.:.∧:.:..:レ;...:.´.:..:.:.:.:.:」:..:.:.:.:...:.:..:.:.:..:.:.:..:...:.:::}

モーア・カンワー 【Moore Cannwar】
(1939~1997 イギリス)

キョン「何か……か」

ハルヒ「そう、何か、よ。仮に、あんたの言うことが全て本当だったとして、一体あたしと居たらどうなるっていうの?」

キョン「………」

ハルヒ「未来人や超能力者、宇宙人に、どうして単なる女子高生が対抗できるっていうのよ」

キョン「それ、は―――」

ハルヒ「いえないの、キョン」

キョン「――――………」

ハルヒ「…………」くるっ

キョン「……ハル、ヒ」

ハルヒ「次よ」

キョン「え?」

ハルヒ「次の証拠。あんたが言えないことがあって、それが何か大事なことだっていうのはわかったわ」

ハルヒ「だから、証拠。あんたの出来る範囲で、あたしにあんたの言ってることを納得させてみなさい」

ハルヒ「キョン。言ったわよね。あたし、今日一日はあんたと一緒にいる。だから、次の証拠を見せて」

キョン「……ああ。わかった」

みくる「キョンくん……どういうつもりなんでしょう」

古泉「……本当に。あんな冗談は、彼らしくない」

みくる「え?」

古泉「そう思いませんか朝比奈さん。『盗撮したり、映像音声データを我々に知られることなく残したりしている』など、いくらなんでも冗談が過ぎます」

長門「……確かに。『彼がどこに何を仕掛けているのか、全く分からない』。怖い」

みくる「あ……そうですね。本当、どうしちゃったんだろキョンくん。あんな変なことを言い出して」

古泉「『ですから、場所を移しましょう。とりあえず、我々も落ち着きたい』」がたっ

長門「私の知っている喫茶店がいい。『誰にも教えていない、落ち着けるいい場所』」がたっ

みくる「そうですね、移動しましょうか……」





古泉「………どうしました、朝比奈さん」

みくる「……いえ。もう、……あの『SOS団の部室』には、戻れない気がして」

長門「………」

古泉「………行きましょう」


キョン「くそ……ない」

ハルヒ「……五箇所目ね」

キョン「……これで、全滅だ。手荷物のコピー全て、か」

ハルヒ「……ちょっと、疲れたわ……休憩しましょう。まだ、急いで行かないといけない場所はあるの?」

キョン「いや……もうない。手詰まりだ」

ハルヒ「……そう。ジュース買ってくるから、ここで待ってて」たたっ

キョン「―――ま、待てハルヒっ!」

ハルヒ「ちょ……何よ、急に大きな声出して」

キョン「俺を、視界から消さないでくれ」

ハルヒ「は……はあ?」

キョン「頼む。お前の視界から俺が一瞬でも外れたら、奴らに何をされるか分からない」

キョン「記憶をいじられて、また元に収まるように変えられるかもしれない」

キョン「だ、だから頼む。俺をずっと視界に収めておいてくれ」

キョン「な、ハルヒ、頼む、頼むから」

ハルヒ「………わ、わかったわよ。それじゃ、一緒にコンビニに行きましょう。前を歩いて、キョン」

長門「閉鎖空間、作成完了。通常の時空間の何処からも、この空間へアクセスできない」

古泉「ご苦労様です。これで、周りを気にすることなくお話できますね」

みくる「…………」

古泉「それでは、彼、ですが――目的は何でしょう。敵対組織に取り込まれた、と考えるべきでしょうか」

長門「現時点で以って、情報統合思念体の私以外のインターフェイス、並びに天蓋領域のインターフェイスは新規に彼への接触を持っていない」

古泉「となると、どこかの組織でしょうね……その線から調べてみますか」

長門「加えて、現時点で彼が作成していたあのデータの複製を、全て無効化した」

長門「彼はこれで、こちらに対する有効な情報を保有していない」

長門「彼の記憶の中を除いては」

古泉「……ですが、彼個人には手を出せません。涼宮さんが側に居る以上、超常的なことをしては彼の主張に説得力を与えてしまう」

みくる「…………」

長門「厄介。涼宮ハルヒが彼から離れるのを待って、彼への接触を持つしかない」

古泉「出来れば、あまり手荒な真似もしたくないのですけどね……」

長門「履行が最優先」

古泉「わかっていますよ。そのために、僕も、貴方も、朝比奈さんも――此処に来たのですから」

徹夜明けでこのスレみて書き出したがあたままわらん
ねる


ハルヒ「ふー……」

キョン「…………」

ハルヒ「それで、どうするの?」

キョン「……データが一つも残ってない以上、俺が話をするしかない」

キョン「大きなこと言って悪いが、もう俺にはここしか、記憶の中しか残ってないんだ」

キョン「それも、いじくられちまうかもしれないけどな」

ハルヒ「…………」

キョン「ハルヒ、中学生のころの七夕、ジョン・スミスって名乗ってる奴に会ったろ」

ハルヒ「その話ね。そうよ、会ったわ。それで、それがキョンだって話なんでしょう」

キョン「ああ、そうだ。その時、俺が北高の制服を着てたから、お前は北高に入学した」

ハルヒ「……そうね。誰かに話した覚え、ないんだけどな」

キョン「だから、あれが俺なんだよ」

ハルヒ「うーん……」

キョン「納得できない、か。そりゃそうだよな」


ハルヒ「ねぇ、キョン」

ハルヒ「あんたの言うことが仮に本当だとしてよ。どうして今、言い出したの?」

ハルヒ「上手くいってたじゃない。そりゃ宇宙人とか何とか居たらあたしも嬉しいけど」

ハルヒ「でも、そんなのSOS団がこんな風にバラバラになっちゃうことに比べたら、大した事じゃないわ」

ハルヒ「有希やみくるちゃん、古泉くん――それにもちろん、あんたとも」

ハルヒ「みんなで一緒にいられたら、あたしはそれだけで満足してたわ」

ハルヒ「あ、勘違いしないでよ。当然不思議は探し続ける。それは団長たるあたしの責務なんだから」

ハルヒ「だから聞きたい。どうしてなの、キョン。もちろんふざけた冗談だった、なんて言ったら死刑よ」

キョン「俺は……」

キョン「俺だって、悪くないと思ってた」

キョン「あの部室に、あのまま居られたら、と思ってた。いや、今でも思ってるのかもしれない」

キョン「けど、奴らは何か、もっと大きな目的を隠してる」

キョン「俺とお前に友達面して近づいてきて、肝心なことは隠したまま」

キョン「奴らは、そのためなら俺を殺すだろう。殺す一瞬前まで、あの笑顔を貼り付けたまま」

キョン「それに、我慢できなくなった。誰だって殺されるって分かって近くにいられるか」


ハルヒ「……ウソね」

ハルヒ「いえ、ウソじゃない。でも、本当のことでもないわ」

ハルヒ「キョン、貴方寂しかったんでしょう。みんなのこと、友達だって思ってたのに、あんたはそう思ってしまった」

ハルヒ「自分より、古泉くんたちがその『目的』だかの方を優先する――その考えに、押しつぶされてるのよ」

キョン「……かもな」

ハルヒ「キョン、いいことを教えてあげるわ」

キョン「………」

ハルヒ「あんたが今抱いてる考えは、妄想よ」

ハルヒ「何も心配しなくていい。あたしも、有希も、みくるちゃんも、古泉くんも」

ハルヒ「今までと変わらない、あんたの仲間なんだから」

ハルヒ「だから、みんなを信じなさい。それで、明日の活動に顔を出して、みんなに謝ること」

ハルヒ「そうすれば、いつもの通りに戻るわ」

キョン「……ああ」

ハルヒ「……わかった?」

キョン「……ああ、わかった。心配かけてすまなかったな、ハルヒ。俺の勘違いだったみたいだ」

ハルヒ「ん。分かればよし。特別に刑の執行は免除してあげる」

キョン「ありがたいこった。それじゃあ、俺は少し落ち着いてから帰る。お前は先に帰っててくれ。つき合わせてすまなかった」

ハルヒ「……一人で帰れる、キョン? 送っていきましょうか?」

キョン「大丈夫さ、子供じゃないんだ」

ハルヒ「分かったわ。それじゃあキョン、明日の活動は絶対参加なんだからね!」



【A】


キョン「……明日、か。それを迎えるのは、きっと今の俺じゃないんだろうな」

キョン「さよなら、ハルヒ」


長門「涼宮ハルヒと、彼が解散した」

古泉「結局信じさせることができなかった、ということですか」

みくる「…………会いにいきましょうか、キョンくんに」

古泉「ですね。彼と、話をしなければならない。機関が彼を補足してしまえば、彼の安全が保証できない」

古泉「その前に、僕たちで話をつけたい」

みくる「はい。キョンくんは、私達の友達ですから」

長門「遅い」

古泉「―――はい?」

長門「既に、彼は多重包囲下」

みくる「え………」

キョン「……古泉のお友達、か」

キョン「俺をどうする気だ」

キョン「おい、何とか言えよ」

キョン「おい――――」


長門「彼が捕獲された」

長門「恐らく、私以外のインターフェイスが作成した閉鎖空間で、彼は改変される。都合のよいように」

古泉「……早すぎます。まだ、機関に報告してもいない」

みくる「一体どうして……」

長門「……恐らく、私」

長門「私の行動、視野、思考プロセスはすべて思念体に筒抜け」

古泉「そこから『履行』のために、機関が動いたというわけですか」

長門「そう。……ごめんなさい」

古泉「あなたが……謝ることでは、ありません」

古泉「これで、僕たちに出来ることはもう、何もない、というわけですか」

みくる「そんな……」


≪翌日、放課後≫

キョン「ういーっす」

古泉「……おはようございます」

みくる「……おはようございます、キョンくん」

有希「…………」

キョン「いつも思うんだが」

古泉「……はい」

キョン「放課後なのに、おはようございますっていうのはどうなんだろうな」

キョン「団の活動は今から始まるわけだから、おかしいってわけでもないんだが」

古泉「……ですね」

キョン「どうした古泉、元気がないぞ」


ハルヒ「おはようみんな! 揃ってるわね!」

キョン「お前はいつも元気だな、ハルヒ」

キョン「みんな揃ったことだし、昨日のことについて謝っておくよ」

キョン「すまなかった。疲れてたンだ。昨日の俺はどウかしてた」

キョン「だから、昨日のことは忘れて、今までの通りに付き合ってくれると嬉しイ」

キョン「………あれ、どうしたんです朝比奈さん? な、何で泣くんですか」

キョン「お、おいハルヒ、お前何かしたのか」

ハルヒ「ちょ、何もしてないわよ! きっとあんたが元に戻ったのが嬉しくて泣いてるのよ――」


≪A。END≫

とりあえず終わり
ID違うが>>220

一応つづきかく

【A】
≪SOS団活動終了後≫

みくる「すみません長門さん、再び空間を作成してもらって」

長門「構わない。それより、大事な話とは」

古泉「彼のこと、ですよね」

みくる「……はい。キョンくん、キョンくんだったけど――でも、違いました」

古泉「………」

長門「思念体から、記憶全体に渡る改変と、思考プロセスの制限、方向付けを行われている」

長門「有体に言ってしまえば、操り人形」

古泉「履行するための、都合のいい、ですか」

みくる「……キョンくん、元には、戻せないんですよね」

長門「思念体の意向に反する行動は取れない。その手段がロックされる」

みくる「………」

古泉「『履行』全体からすれば、悪くない状況ではあります」

古泉「『彼』という履行側でない不確定要素をこちらのコントロール可能な状態にしたのですから」

古泉「……割り切りましょう、朝比奈さん、長門さん。そうするしか――」


みくる「あ、あの」

古泉「……? どうしました」

みくる「私、思うんですけど……あの会話は、キョンくんにとって最後の希望だったんじゃないでしょうか」

長門……意味不明」

古泉「同感です――説明していただけますか、朝比奈さん」

みくる「……、……。二人とも、本気で言ってるんですか」

長門「…………」

古泉「…………」

みくる「本当に、二人とも、キョンくんが『だから俺は≪もう≫お前たちを一切信用しない』って言った意味が、わからないんですか」
   
みくる「きっと、キョンくんは私達に、本当のことを話してほしかったんだと思います」
   
みくる「本当のことを話すのがどんなに危険なことでも、涼宮さんにだけ隠し事をしたまま、関係を続けたくなかったんだと思う」


みくる「だから、仲良し≪ごっこ≫はもうごめんだって――ごっこはイヤだ、って」
   
みくる「キョンくん、本当の友達になりたかったんじゃないですか?」
   
みくる「私達だって、本当の友達になりたかったじゃないですか」

みくる「私も、長門さんも、古泉くんも――みんな使命を背負ってきたけど、偽者の身分だったけど」

みくる「でも、過ごした時間までは、偽物じゃなかったじゃないですか!」

みくる「だから、私は――私は。キョンくんと、一緒に行きます」

古泉「! 朝比奈さん!」

長門「TPDDの強制起動――無謀。脳髄が破壊されかねない」

みくる「くぁ――う――っ、ふ――……!」

古泉「朝比奈さん! やめてください、死んでしまいます!」

みくる「ううううううううう………! やめ、られ、ません……!」

みくる「ここで、やめたら……――――私は、私が過ごした、あのSOS団は」

みくる「本当の、偽物になっちゃうじゃないですか……!」


長門「…………」

古泉「長門さん?」

長門「TPDDのロックを解除した」

みくる「―――長門さん!」

長門「私は、人間ではない、つくりもの」

長門「けれど、私も」

長門「SOS団は、偽物に出来ない」

長門「あと数秒で、私の機能もロックされる。単なる常人となる」

長門「役には立たない。でも、朝比奈みくる」

長門「私も、連れて行って」

みくる「――わかりました。TPDD、時間平面指定――起動」


長門「古泉一樹。貴方も」

古泉「僕は……」

古泉「僕は、機関の人間です。それは、出来ない」

みくる「古泉くん……」

長門「朝比奈みくる、閉鎖空間が消滅する。他のインターフェイスに嗅ぎ付けられる前に、早く」

みくる「……わかりました。時間遡行、開始……!」



古泉「……全く。困ったもの、です」


ハルヒ「ん。分かればよし。特別に刑の執行は免除してあげる」

キョン「ありがたいこった。それじゃあ、俺は少し落ち着いてから帰る。お前は先に帰っててくれ。つき合わせてすまなかった」

ハルヒ「……一人で帰れる、キョン? 送っていきましょうか?」

キョン「大丈夫さ、子供じゃないんだ」

ハルヒ「分かったわ。それじゃあキョン、明日の活動は絶対参加なんだからね!」



【B】


みくる「待ってください、涼宮さん」

長門「………」

キョン「………!」

ハルヒ「え、みくるちゃん……? それに、有希も。今、どこから?」

みくる「……未来から、です」

さて困った
筋道は出来てるが文にならない
しばらく練る
落ちたらそれまで すまん

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