美琴「ベクトル・・・操作?」(218)

朝一番の黒子撃退から始まる私の日常は、頭痛から始まった。

演算にも若干のタイムラグが生じる。これはあまり思わしくない。

「お姉さま・・・? 若干顔色がよろしくないようですが・・・」

「え、ああ大丈夫よ。ちょっと寝不足かな・・・」

頭を押さえて、苦笑しながら答える。やれやれ。後輩に心配をかけているようじゃまだまだ先輩失格である。

「お、お姉さままさか・・・今日はお月様が回ってきたとかああ黒子にお姉さまのゼr」

「くたばれーーーーーーーーーー!!!」

すこし、心配した私がバカみたいだった。

その頭痛は、日中も私を苦しめ続けた。

視界に移る磁界がぼやける。他人の前では普通に振舞うが、実はけっこうギリギリだったり。

「・・・ああ、もう」

この頭痛のせいか、放課後になると無駄にイライラするようになってきた。

いつもどおりに自販機にキックをかましてジュースを獲得。近くのベンチに腰を下ろした。

「あれ? 御坂さん」

「ん、初春じゃない。学校帰り?」

「ええ、そんな感じです。隣、いいですか?」

「いいわよ。どうぞ」

初春と話せば少しは気も晴れるだろうか・・・そうだといいのだけど。

「あ、それでそこの店のパフェがすごくおいしくてですね!」

「そうなの・・・」

「今度一緒に行きましょう!」

「ええ・・・そうね・・・」

初春は必死にこちらを気遣いテンション高めに話を振るが、いかんせん頭痛が邪魔をする。

心なしか初春の声のボリュームが下がっているようなそうでないような。

なにやってんだろうね。あたし。

「ごめん、ちょっと今日体調があんまりよくなくて・・・」

正直に、自分の体調を告げる。

「やっぱりですか・・・いつもならゲコ太の話をするだけで飛びつく御坂さんが食いつかないのにはそういう理由が」

「いや! そんな普段から食いついて・・・」

ない、よね?

「もう、体調が悪いのなら大人しく帰らないとダメじゃないですか!」

「あはは・・・そうなんだけどね・・・」

そうなんだけど、何故か帰る気になれない。いや、帰ってはいけないような気さえする。

結局、初春には先に帰ってもらうことにした。

帰り際にひたすら説教されたが、その話すら頭から抜けていく。

ああ、頭が痛い。なんなんだろう、これ。

ただの体調不良ではないような、悪寒も感じる。

視界が歪む。このままでは歩くことも困難だろう。少し、そう、少しだけ横になろう。

自分にそう言い、ベンチに横になる。

すっかり日も暮れた学園都市の空が見える。

その遠くに、空を飛ぶ飛行機が視界に入る。

翼部に付けられた電飾が色彩を放ち、自らの存在を地上にアピールしていた。

「あー・・・なんかあれなのかな。センチになってんのかな」

その問いに答えはない。そりゃ当然。ここは公園のベンチで、自分は一人なのだから。

「・・・帰ろう」

痛む頭を押さえて、立ち上がる。

その時、公園の入り口のほうに人影が見えた。

その影が誰のものか理解した瞬間、身体のスイッチが切り替わった。

演算を無意識のうちに開始する。視界が赤く染まるが関係ない。

痛む頭でムリヤリに回路を走らせる。演算、完了。

すぅ、と一息。そして、その影の名前を呼ぶ。


「一方・・・通行」

「あァ? ンだテメェか」

一方通行は興味なさげにこちらを向く。白い髪が、照明の光を受けて銀色に輝いていた。

「・・・なにしに来たのよ」

「テメェに関係ねェだろ。こンなオレが散歩なンてしてたらおかしいですかァ?」

挑発するような口調。ただでさえイライラしているあたしの導火線に火をつけるのには十分すぎた。

「っざけんじゃ!」

叫ぶ。叫んで、手を振りかざす。

「ないわよ!」

夜の公園に、青い閃光が迸る。

放った電撃は確実に一方通行に向かっていった。

だが、標的を目前にしてその軌道は不自然に真上へと変化した。

「おィおィ・・・穏やかじゃねェなァ」

不機嫌そうな声で一方通行が呟く。

一方通行の能力。学園都市第一位のベクトル変換は未だ健在のようだ。

「うるさいわね! とっとと消えなさいよ!」

第二撃を放つために、再び演算を開始する。消えろ消えろ消えろ・・・!

「ッ!」

突如、襲い来る頭痛。それも、今までの非じゃないぐらいの激痛。

堪えきれないほどの痛み。立っていられなくなり、膝が折れた。

「あ? いきなり襲い掛かってきたかと思えばンだよ・・・」

誰かの、声が、聞こえる。だけど、それ以上に、頭が、

「あ、あああ・・・ああああああああああ!!!!!!」

頭が、イタイ。

「あ・・・はっ・・・ぐっ・・・!」

まるで、脳内を直接掻き回されているよな痛み。

視界が回る、歪む、暗転する。身体は? 頭以外の感覚が希薄になってきた。

頭を掻き毟る指が頭皮に食い込む。痛い。けど、それ以上にイタイ。

「・・・本当に、穏やかじゃねェみてェだな」

何か聞こえるでも聞こえないイタイイタイイタイ・・・

「ちッ、こういうガラでもねェが・・・」

足音が近づいてくる。その度に脳が悲鳴を上げる。

カツ、杖をつく音が聞こえる、身体が跳ねる。

もう一度聞こえる。視界が、不思議なものを視始める。

さらにもう一度、意識がなくなりそうなほど、痛い。

「痛い・・・痛い・・・痛い痛い痛い痛い!!!」

痛みから逃げようと必死に地面を転がる。それでも、痛みは消えない。

「少しじッとしてろ・・・痛覚操作してやンよ」

手がこちらに伸びてくる。その手が何か、とても恐ろしいものに見える。

まるでそう、自分の身体を蝕むために生まれた、何か、とても汚らわしいもののような。

瞬間、妹たちの姿が頭を過ぎる。

朦朧とする意識の中、彼女たちが目の前の悪魔にされた仕打ちが、視てもいないのに、鮮明に映される。

痛い。痛い。

視界が、おかしい。何かベツのモノが視える。なんだあれ。まるで、


ベクトルを視ているようじゃないか。

「あ、ああああああああああああああああああ!!!!」

「ッ!?」

あと数センチで私の頭に触れそうになっていた一方通行の指が、ありえない方向にねじ曲る。

「な・・・!」

驚愕はお互いに。

何故私に触れようとした一方通行の指が折れ、

何故、私の頭痛はその瞬間嘘のように引いたのか。

「て・・・めェ・・・なにしやがる・・・」

指を押さえ、一方通行がよろよろと後退する。

「え・・・なに・・・これ」

その目の前の状況が把握しきれない。一方通行は私にベクトル操作したわけじゃないのか?

だったらなんで・・・?

「いいぜ・・・てめェがやる気だッてンならやッてやンよ・・・」

明らかな怒りを抱いた一方通行が、電極のスイッチに手を伸ばす。

その際に腕がかいた空気が流れる様子が、何故か私の頭にベクトルとして映し出させる。

・・・え?

「ベクトルが・・・視える?」

「あァ? もう命乞いしてもきいてやらねェぞ! すぐに死ねると思うなよ!」

口に出して、理解した。あいつの声なんて、耳に入らない。

――演算開始。

「なンなンだよてめェ!」

一方通行が叫ぶ。今まで余裕しか浮かんでいなかった表情には、苛立ちしか感じられない。

それもそのはず。だって、あいつが私の肩を掴んだのに、私の身体に変化がおきなかったんだから。

そのうえ全力で殴り飛ばされたのだから、動揺もするだろう。

「私にも・・・わからないわよ」

分からない。本当に分からない。

なんで、私にベクトルの扱い方が分かるのか。それがわからない。

だけど、演算が出来る。力が使える。

今は、それで、十分なのではないか。

「・・・覚悟しなさいよ」

拳を握り締める。その手に電撃を纏わせて、一方通行に突きつける。

「あんたが殺した一万人以上の妹たち・・・その痛み、全部ぶつけてやる!」

「やれるもンならやッてみやがれェェェェェ!!!!」

お互いにベクトルを操作しての高速移動。

拳がぶつかり合う。ただ、それだけの陳腐な戦いだった。

「・・・やった」

地面に倒れ臥したまま動かない一方通行を見下ろし、呟く。

「やった・・・やったやったやった!!!」

やったんだ! 私、妹たちの敵をとれた・・・!

「あ、ははは。疲れた・・・これ・・・ずっと頭使うんだね・・・」

緊張が解け、へたり込む。

ようやく、ようやく、だ。

「ははは・・・やったよ妹たち・・・」

空を仰ぎ、笑う。

妙にすがすがしい。きっと今ならなんだってできる。

ああ、そうだ。このことを妹に伝えないと。あいつもきっと喜んでくれるだろう。

本当に、私はよくやった。

「よし・・・帰ろう・・・ジャッジメントとか来ちゃうだろうし・・・」

立ち上がろうとして、腕に力を込める。そして、そのまま前に倒れこんだ。

「・・・え?」

自由が利かない自分の身体に疑問を抱く。

ただ疲れているだけならいい。身体も殴りあいで悲鳴を上げている。

ならいい。それだけならいい。

それなのに、なんで、ここまで身体が動かない。

「動け・・・」

脳で命令する。動け、と。

しかし、その意思に反して自分の腕はピクリとも反応しない。

「動け・・・!」

力みすぎたせいか、頭からブチ、と音がした。

視界が、徐々に黒く染まる。

「動け・・・動きなさいよ・・・!」

いくら力を入れても動かない。さっきのベクトルも今では視えない。

なんで、という疑問。その答えは返ってこない。

抵抗しても、結果は返ってこない。そのまま、私の視界は完全に闇に飲まれた。

「よぉ、ビリビリ」

上条当麻はとある病室を訪れていた。

自分の行きつけである病院の一室。ネームプレートに「御坂美琴」とかかれた部屋に。

「いやぁ、聞いてくれよ。今日ここに来る途中にさ、スキルアウトにからまれてる子がいてさ」

パイプ椅子に腰掛け、今日の出来事を語る。それが最近の上条当麻の日課となっていた。

「それでその一人が電撃使いでさ・・・まあお前のに比べれば屁みたいなもんなんだけど」

その話を、ベッドに横たわったままの美琴に続ける。

「なぁ・・・ビリビリ・・・」

美琴は先ほどからピクリとも動かない。当然、返事もない。

「いつになったら・・・目を覚ますんだよ・・・」

上条当麻は祈るようにその言葉を口にした。

あの日、付近の住民からの通報により、ジャッジメントが公園へと向かった。

そこには、既に事切れている一方通行とかろうじて息をしている美琴の姿があった。

病院に搬送され、精密検査を受けたが、容態の確定には至らない。

あくまでも医師の推論にしかすぎないのだが、彼女の容態は「脳のオーバーヒート」と診断された。

美琴の脳のキャパシティを超えた演算。ベクトル操作という無茶。

それによって蝕まれた彼女の脳は、既にまともに機能していなかった。

生きているだけで奇跡。つまり、生きてはいる。死んではいない。

美琴は植物人間のようなものとして、生き続けていた。

「・・・なぁ、ビリビリ」

再び上条当麻が呼びかける。依然、返事はない。

「・・・お前に何があったのかしらないけどさ、一方通行も死んじまったし・・・」

ツンツンした自らの頭を掻きながら、上条当麻は続ける。

「だけど、俺、いつまでもそばにいるからさ、早く目覚ましてくれよな」

もし美琴が起きていれば、卒倒ものの言葉。だけど、今の彼女にはまったく届かなかった。

静かな病室。御坂美琴はいつまでも眠り続けたまま、目を覚ますことはなかった。

お わ り

あれだね。やっぱ原作読まないとだめだね。

あと書き溜め。

御坂「私は中2なんだからベクトルなんて分かる訳ないじゃない!!」

一方「チッ、仕方ねェ。いいか、この点Oから点Aに向かって矢印を書くだろ? このとき…」

みたいなスレだと思ったのに

上条「今日も補習で帰り遅くなったな~。ん?あそこに常盤台のお嬢さんが不良に…」

美琴「いい?だから電気っていうのはね正電荷と負電荷があって…」

不良1「うるせぇえええええ!!!!俺は物理苦手なんだよぉ!!!!」

不良2「…俺は物理よりか化学の方なんだけどよ…」

上条「…不良に説教されてる?まあ助けるか…おーい」

美琴「?」

上条「うちの連れがすみません…さ、行くぞ」

不良3「まてやゴラァ!!電荷と電化ってのの違いがわかんねぇんだよ!!」

上条「何か知らないけど…逃げるぞ!」

美琴「あ…ちょっと!手引っ張らないで!」



美琴「アンタ…面倒な事してくれたじゃない」

上条「違ぇって。あのままじゃあいつ等が危なかったんだよ。なあビリビリ中学生」

美琴「ビリビリじゃない…私は第三位……超電磁砲(レールガン)って知ってる?」

上条「いや、知らねぇ」

美琴「ハァ…面倒な掟があるものね……また説明かぁ」

上条「悪いな。俺は頭悪いんだ。恨むなら俺の脳みそじゃなくて『能力使用の際はキチンと説明すること』

    ってルール作った学園都市の理事長を恨め」

美琴「わかったわ。とりあえずアンタ電気はわかるわよね?」

上条「まぁな。エネルギーってのは基本的に高いところから低いところに流れるってのはわかる」

美琴「じゃあ超電磁砲ってのはね…まあ私の能力なら電気を操る要領で磁界も操れるのよ」

上条「ほうほう」

美琴「で、それを磁場の相互作用で通電性のある物質を発射できるの」

上条「ちょっとまて。もっと詳しく」

美琴「…まあ磁界を操れるから磁場を作るレールが無くても電磁誘導が出来たりするのよ」

上条「確か…レールガンなら弾にも電極が掛かってるんだよな?」

美琴「そう。電極をかけた状態を維持しつつ電磁場を操作できる限界まで発射速度を上げるの」

上条「…つまりお前の電磁波の操作範囲がそのまま巨大な砲身…加速装置って訳か」

美琴「まあそうなるわね。思ったより頭良いじゃない。で、アンタの能力なんなのよ」

上条「俺の能力は無い。ただお前のそのチンケな科学数式にゼロを掛ける事が出来るらしいぜ」

美琴「へえ。面白そうな能力じゃない。じゃあ撃ってみるわね」

上条「…ちょっとまった。電気の仕組みはわかった。でも空中放電の仕組みがわからない」

美琴「ハァ…いい?空中放電ってのは蓄電した媒体がどこにも導体が無い場合、正確にはあるんだけれど、

   大気の抵抗値を超えて絶縁破壊が起きるわけ。で、α作用の後にγ作用が起きる訳」

上条「ん?だったら近くの導体…ここの鉄橋の鉄骨に電気が落ちるよな」

美琴「そう、そこで私が電磁波で電流を目標まで導く訳」

上条「なるほど…つまり子供が海の砂浜で水路を作り、水を流す時」

美琴「その砂の通路を自由に設定できるって訳」

上条「…だが空中放電ってどれぐらいの電圧なんだよ?」

美琴「アンタ静電気って何ボルトかしってる?」

上条「…小さいから10ボルト程度か?」

美琴「ブー。正解は2~5万ボルト」

上条「そんなに高いのか!」

美琴「そう。電圧は高いけどアンペアが少ないから痛いで済んでるのよ」

美琴「正確には静電気じゃなくて『静電気による火花放電』ね」

上条「わかった。静電気ってのは物質や空気とかの摩擦で出来た小さい電荷で」

美琴「そう。それが放電現象として現れたのが俗に言う静電気。雷はその馬鹿でかいものよ」

上条「放電によって電荷が高いところから低いところへ落ち着く…これが放電だな」

美琴「まあね。私はそれを無理やり電荷のバランスを崩して電流を発生させてるの」

上条「で、空中放電の電圧と距離は?」

美琴「もちろん一概には言えないけど…大体1万ボルトで1センチと考えていいわ」

上条「静電気の放電も確かに手前でビリッと来るな」

美琴「…アンタと私の距離は大体5mほど離れてる。私は指一つ動かさずにアンタの周りに負電荷
  
   を発生する事が出来るのよ。つまり電流を流せるって訳」

上条「ええと…1mが100センチだから…5mで500万ボルト!」

美琴「驚くような事じゃないわ。レベル3~4程度なら誰でも出来るわよ」

上条「へえ…じゃあ雷ってのはとんでもないな」

美琴「そう。雷は主に積乱雲で発生するの。高いものだと20kmにもなるわ」


上条「20!ってことは…1キロが1000m…1キロで10億ボルト!20キロなら200億ボルト!」

美琴「って言っても20キロってのは積乱雲の頭頂だからね。流石に天辺から電子雪崩が起きる訳じゃないわ」

上条「じゃあ…大体積乱雲の最下辺から概算して2キロ程度だとしても20億ボルトにもなるのか」

美琴「そう。雷だって地表が近いからその程度。本当は中間圏から宇宙空間への放電もあって、そっちはもっと電圧が高いわ」

上条「なるほどね…で、実のところお前はどのくらい撃てるんだ?」

美琴「大体10億ボルトね。全身全霊で撃てば100億くらいいけそうだけど」

上条「なんだって!?お前その一発でエアコンを24時間連続で30年以上稼動出来そうだぞ!?」

美琴「まあ、学園都市は家賃やらは基本的に学園が払うからね…そんなのに使った事ないわ」

上条「…雷撃を使うにしても対象に対して先行放電が起こるんじゃないのか?」

美琴「確かに雷は大地からも迎えるように放電があって、先駆放電と回路が出来てから主雷撃に至るわ」

上条「だが俺は放電出来ないぜ?相手が電気系能力者じゃなかったら雷撃すら打てないぞ!?」

美琴「だから私の雷撃は自然現象の雷ではないわ。正確には電磁誘導で電荷を無理やり移動させた擬似雷ね」

上条「って事はつまり…雷は光速でもお前は狙いを定める必要があるって訳だ」

美琴「そうね。もし先行放電が相手から誘発出来たら狙いを定めずオートで相手まで向かう雷撃が撃てるわ」

上条「…なるほどね…狙う必要があるならお前の幻想にゼロを掛ける事が出来そうだぜ」

美琴「アンタの能力…多分だけど能力を消せるのよね?」

上条「まあそんなところだ。原理は知らんし右手だけだがな」

美琴「そう言うことなら…能力で飛ばされたものなら防げないわ」

上条「!?」

美琴「私が何でレールガンなんて音速の3倍とかトッロイ小便弾を使ってるか知ってる?」

美琴「まあアンタみたいなのは初めてだけどね。電気系の人間対策よ」

上条「なるほど…電気系の奴ならある程度上レベルでも磁界を曲げる事なら出来そうだ」

美琴「エントロピーは増大するし磁界の設定は面倒だし…全然理に適ってない攻撃システムよ?」

美琴「でもこれが効くのよ。実弾だから衝撃波も半端じゃないわ」

上条「だが雷撃同様にお前の指先や目線の角度で弾道は読めるぜ」

美琴「そう。だから次の手。私自身を先行放電製造装置にして自然の雲から無理やり雷を引き出すの」

上条「…!おいおい…その電荷は」

美琴「もちろん。自分だけの現実じゃない。普通の電荷よ。これはアンタ消せないでしょ」

上条「…ハハッなるほどな」

上条「…俺の負けっぽいな。さすがにそれは防げないぜ」

美琴「私も人間相手に雷を撃つなんてやらないわ。そもそも人間に全力出したことないし」

上条「…俺の名前は上条当麻。レベル0だが、よろしくな」

美琴「御坂美琴。よろしくね」

一方「おいおい…三下じゃねェか」

上条「あっ一方通行!」

美琴「…まさか、学園都市第一位!!」

上条「ああ、前にちょっとな」

一方「ちょっとじゃねェだろ。肩にぶつかったヤローに説教したらコイツが俺に説教してきたンだ」

上条「そのあと能力使用の喧嘩になってな。ああ、コイツの能力よくわからなかったんだ」

美琴「へぇ…第一位の能力って気になるわ」

一方「俺の能力はなァ…ベクトル操作!」

美琴「ベクトル…操作?……ごめんなさい。私電子とかそういうのは得意だけどベクトルとか習ってないわ」

上条「ああ、俺もわからねーんだわ」

一方「チッ…まあいいけどよ…ベクトル変換ってのはな…ン……まずベクトルについて言わなきゃだなァ…」

一方「ベクトルってのはだなァ、主にスカラーとセットで考えられンだ」

美琴「スカラーってエネルギーとかよね」

一方「あァ。絶対の量だ。…お前超電磁砲だよなァ?まあココで言うスカラーはテメェの電荷だ」

上条「つまりスカラーってのはベクトルに対比する概念だな?」

一方「オゥ。三下には前に言ったが、スカラーが量、力ならベクトルが方向だァ」

美琴「じゃあ…あんたは熱量や運動量の方向を操作できるって事?」

一方「単純に言えばそォなンな」

上条「…たとえば正電荷が負電荷に安定しようとする運動を放電、そのものを電流って言ったりするだろ?」

美琴「ええ、そうなると一方通行さんは電荷を操作できないけど電流を操作する事が出来るって訳ね」

一方「『さん』はいらねェよ超電磁砲。まあそォなンな」

美琴「電気のベクトルを変えるって…原理としては電磁誘導?」

一方「いや、俺は電気系じゃねェから別の対象…たとえば俺に電気を撃ったとして、ソイツを別の方向に
  
   逸らす場合に逸らす方向に負電荷を発生させる訳じゃねェ。そォなるとテメェに察知されて負電荷を消されンしな」

上条「上条さんがわからないのはそこなんですよ。どうやってベクトルを操作してるって所です」

一方「…確かにそォだな。原理的にベクトルを変えンのは不可能に近ェンだ」

一方「例えば…物の運動方向を変えるには別の方向からのベクトルがぶつからねェと駄目だ」

上条「ああ、走ってる人に横からタックルするとタックルされた方向とは反対によろめくよな」

一方「そン時にふらつくが…完全に横にふらつく訳じゃねェ。ベクトルである限りスカラーは

    少なからずあンし、タックルする奴にもスカラーはある」

美琴「タックルする人のスカラーが大きければ大きく横にふらつくし、走ってる人のスカラーが大きければ

   逆にあまりふらつかずにまっすぐ走っていくわね」

一方「簡単にだがベクトルについてわかったよなァ?ホントは三次元だとか数学の座標で説明すンだけどよ」

上条「まあ、大体はわかる。それじゃなんでお前がベクトルを操作できるかを聞きたい」

一方「…実は最近まで自分でもわからなかったンだよ」

美琴「じゃあ何?もしかしてアンタ生まれつきレベル5だったの?」

一方「…まァそンなモンだと思ってもいいぜェ?」

美琴「私なんて一生懸命電気の事勉強してここまで至ったのよ!?ヒキョーよ!」

一方「うっせェな!この能力で俺じゃねェ誰かが傷ついてきたンだぜ」

上条「…なるほど。使い方は知ってたけど原理がわからないからブレーキが利かなかったのか」

一方「あァ。最近じゃ反射の設定も出来るよォにはなってきたぜ」

一方「…どォしてベクトル操作が出来るのかはわからねェ…何らかの力場だってのは解ンだよ」

美琴「自分だけの現実がそこまで強いって事ね」

上条「あー…量子論の確率ってやつだな。この世にはどんな事も起こりえるって奴」

一方「あァ。だが俺の最大の武器は最大の防御なンだよ」

美琴「?どういうことよ」

上条「…こいつは反射っていって、攻撃を正反対に反射できるんだ」

美琴「!!それじゃコイツ無敵じゃない!!」

一方「あァ。皮膚から数センチまでベクトル操作の力場だが、設置した面の角度に関係なく反射出来る」

美琴「鏡面反射じゃなく…入射角が反転せずそのまま反射角になるってことね」

一方「…考えられンのはこの反射の力場が光ファイバーの塊みてェになってて、そのファイバーのポイントを

   自由に設定できるって位だが…かなり無理がある設定だな」

上条「こいつ結局能力の説明が出来ないから対能力者で能力使った事が殆ど無いんだよ」

一方「能力自体は常に大気と重力、眼球部分の一定量可視光や音、匂いなんか以外は反射してンぜ」

美琴「へー…でもなんで第一位なのさ。攻撃力皆無じゃない?」

一方「ベクトル操作は俺の体にもかかンだよ。だから身体能力は上がンし指一本使わずにビルを崩せンだ」

美琴「なるほどね…重力を推進方向に変えたり足の蹴る力の反作用の方向を変えたり…

   空気抵抗も対表面で推進に変えれば音速以上に動けるでしょうね」

一方「まァ、学校に遅刻ギリギリまで寝てて間に合うのは嬉しいぜ?」

美琴「うらやましいわね…私なんて電流で筋肉を動かして体の限界近くまで走ったら次の日入院したわ」

上条「ま。そんな一方通行も上条さんにかかれば一発でしたよ」

一方「よく言うぜ。ぼろぼろだったじゃねェか。大体俺が石蹴っていりゃァ勝てたぜ」

上条「だから二度と勝負はしない!」

一方「だから俺はテメェを三下って呼ンでンだよ」

美琴「はぁ…あんたら仲いいのね」

一方「あー…今更だがな。一方通行だ。ヨロシク」

美琴「御坂美琴。超電磁砲で通ってるけどなるべく名前で呼んでほしいわ」

一方「…考えといてやるよ」

上条「それじゃ二人はもう友達だな!よし!3時だし、小腹が空いたからどっか食いに行こうぜ!」

一方「…チッ、仕方ねェな…ってかテメェは俺の財布にたかりてェだけだろォ!」

美琴「ま。悪くないわね。こういう休日も…」

製作落ちてると思ってたら規制解けてたので書かせてもらいました。

明日もここも残ってたら書きます。
次は垣根提督を出したいと思います。

平和だな。
しかし、高レベルの能力者はともかく、低レベルの能力者だと「どういう原理で」それをやっているのかわかんないことが多そう。

初春の「保温」も、いろんな方法でそれが可能なわけで、説明のしようがない奴も多いんじゃね?

>>77
それを理解するやつが高レベルになっていくんだろうな
何を鍛えればいいかわかるから

>>79
美琴がレベル1から5になれたのは、まさしくそういう理由だろうな。 わかりやすい能力だし。
逆にていとくんとか、レベル1だと何がなんだかさっぱりわからんだろう。

元素崩しもどういう原理で何を起こしているかを解明した奴はかなりすごいとおもう。

能力発現してる人はどういう仕組みで出来てるか理解してる気がするけどなぁ。
例えば初春は『自分が触ってるものの温度は一定になる』のが当たり前っていう自分だけの現実でしょ。それに
、その現象がもっとも起きやすい物理現象?を頭の中で組み立てて(演算)その温度が一定になるって自分だけの現実をより強固にしてるんだと思ってた

簡単に言うと 私は電撃を出せる!→どうして電撃を出せるのかを証明(もっとも電撃が起こりやすい状況を計算する??)→ほらね、こうすれば出せるでしょ(能力発現)
Lv3以上しかいない常盤台中学が大学レベルの勉強してることからも演算力が重要っぽいし。
自分の能力理解してないのってすごパくらいじゃね?

>>88
とすると、お前は、アレか?

どういう原理で脳から神経に命令が伝達して、
どういう原理で筋肉が収縮して、
どういう原理で目でとらえた障害物を認識して、
どういう原理で重心が崩れないようにしつつ、障害物をよけながら歩くことができるかを、
いちいち完全に理解して動いているのか。

天才だな。

それと、電撃使いって結構多いんじゃなかったっけ??
他のLv5はほとんど特殊な能力だけど…>>79ならパイロキネシストとか水流操作系とかのレベル5が居てもいい気がする

>>89ん?それと能力の使用は意味が違う気がするけど…??最初は時間かかるけど、それを反復練習することで、条件反射で発現できるようになると思った。フラッシュ暗算みたいな感じで
例えば一方さんは寝てるときもオートで反射に設定してるでそ?あれも最初から出来たわけじゃないと思う。それを繰り返して日常レベルで使えるまでに慣れたんだと思ってた
でも記憶いじったり慣れてないことをするときには凄く集中しないといけない。

腕を動かすみたいな感じで能力は使うものじゃないと思う

>>91
それと、自転車に始めは乗れなかったのが、
反復練習することで意識しなくても普通に乗れるのと、どこが違うのかがわからない。

バイクトライアルの技とかをやるときは集中しないとできないだろうし。

>>92それと同じこといってるんだけど?

>>93
自転車に乗るときの、筋肉の使い方とバランスのとり方の原理をお前は把握しているのか?

??最初の頃はどうやればバランスとれるか何度もやりながら覚えていって、今は何も考えずにのれるけど??

つまり把握してないよ

>>94
初めて乗るときは意識するでしょ
練習したりして慣れてきたら意識しなくても出来るでしょ

>>96
意識はしても、原理までは把握せんでしょ。
超能力だって、どんな演算をしたらどういう効果が出るかは意識しても、
その原理までは意識しないし、使っている本人にだってよくわからんだろうて。

ただ、それをきちんと把握して、ちゃんと系統立てて練習できないと、一定レベル以上にはなれないと。

景気の見方がわからなくても、車の運転はできるけど、
レースに出れるレベルのドライバーにはなれんでしょ?

>>97
おまえが何を言いたいのかわからん

>>97>>意識はしても、原理までは把握せんでしょ。
超能力だって、どんな演算をしたらどういう効果が出るかは意識しても、
その原理までは意識しないし、使っている本人にだってよくわからんだろうて。
ただ、それをきちんと把握して、ちゃんと系統立てて練習できないと、一定レベル以上にはなれないと。


その考えだったらエレクトロマスター系は完璧に把握されていて、高レベルの人が多いってことになるけど…

断言してるけど、原作に書いてるの?

>>99
>>88が、能力者は自分の能力の発動原理を分かっていると言っているんで、
それはない、と言いたいんだが。

ついでに、発動原理がわかっている方が、いろいろと有利だろうとも言いたい。

ていとくんは理解して覚醒した

>>102そうなのかwだけどそのまま冷蔵庫に…。

現実にはさまざまな可能性が存在しており、
『手から炎を出す』『他人の心を読む』といった超常現象が起きる可能性も存在はするが、
「常識的現象99%超常現象1%」のように確率が偏っているため、
普通の人が観測すれば「常識的現象99%」しか取り出せないわけである。
だが、ここでもしも「通常(常識的な世界)の法則からずれた認識」により「観測」を行うことができれば、
本来の確率を無視して、「超常現象1%」を取り出すことが可能となる。
この理論を実践したものが禁書世界における『超能力』の正体である。

の「観測」ってのがどういう風にして能力が発動するってのを証明することだと思ってた。

ってか普通に>>88だと思うんだけど、どう?って聞いただけなのにこんなに猛反発されると思ってなくて吃驚したwすまん

>>101よくわかんないけど、君の中では、一般の能力者は原理分かってないけど、御坂だけは原理分かってるってことになってるのね??

>>108
エレクトロマスターが全員同じ原理で電流を操っているとは思えんし。
最終的に同じ現象を起こすんだから、流用できる情報は多いだろうけど、
結局自分だけの現実は自分だけのものでしょ。

研究所に入り浸って、脳に電極を刺されるような生活を送っていた分、
ほかの人よりは原理を理解していると思うが?

だからこそ、美琴は『自分と同じことをやれば、だれでもレベル5になれる』と確信していたわけで。

俺は、自分だけの現実+それを強固にするためにそれが起こりうる可能性の出来事を演算→能力発現→更に複雑な演算で、『自分だけの現実』を補強、更に幅広い可能性をとってくる→レベルアップ!
だと思ってた。レベル高い人はみんな学力が高いからね。一方さんとかスパコン並だし。

君のは自分だけの現実→能力発現→原理理解→レベルアップってことか。

確かによく考えたら、佐天さん、レベルアッパー編で演算能力共有したら発現してたから…原理分かって無くても能力使えるってことか…。いや、それとも共有して原理が分かったから使えたのか?
ってかそれだったら佐天さんはなんで能力使えないの?原理わかってなくても発現するんじゃ

>>110
そもそも、自分が何ができるか理解していないからじゃね?
どういう能力を持っていて、どういう演算をすれば、それを作動できるかがわかっていないんだと。

原石を持ち出すと原理理解とか関係ないと思う

なるほど、理解した。俺らは最初が違うんだ。俺は土御門くらいの能力が分かるのから能力発現と考えてて、
>>111は微弱なAIM拡散力場が出てる段階から能力発現してると考えてるわけか。

だから俺は自分だけの現実+どうして肉体の再生が促進されるのか(原理)で能力発現するって考えてて

>>111は電極等で能力発現、能力わかんない。→原理が分からなくてレベルアップが大変って考えてるのね。

これは電極等で能力発現をラインにしとくべきだった。勘違いしてごめんね

>>112
だから、原石は貴重なんだと思う。

>>113
佐天さんあたりを意識してたんで、そういうことかな。
そういえば、無能力者でも、能力はわかっている場合があるわけだよね。
そのあたりどうなんだろ。

DNAマップで人を救えるかも、という理屈が通じた以上、ある程度関係はあるんじゃないかと。
原石だと、そのあたり無視しそうだけど。

そのうち、DNAをより適切な形にいじった結果、人の形を維持できなくなったミサカシリーズとか出るんだろうか?

すまん、ss書いてた人だけど再び規制食らった

まさか解除からすぐに規制とか笑えない。
でも終わらせたいからパソコンから書いて携帯に送信、コピペで書く
遅くなるけど申し訳ない

一方「ン…こンなトコにカフェがあったのか」

上条「おう!お前確かコーヒー好きだったよな?ここすげー良いんだぜ」

美琴「あ。ここ知ってるわ。確か豆が月単位で変わる珈琲店ね」

一方「どォせお前は一番安いブレンドコーヒー選んでるンだろォ?」

上条「まぁな…でもよ。ここの店員さんと意気投合してなー」

カランカラン......

垣根「いらっしゃいませー…って!カミやん!」

上条「おー垣根。また来ちゃったぜ。金欠で来れなかったからさー」

垣根「おいおい、また金欠かよ…なんならカミやんはタダでもいいんだぜ?」

上条「それはちょっとなー…上条さんのプライドが…」

垣根「まぁ俺自身この喫茶店で儲けようなんて思っちゃいねーよ」

上条「あ、そうだ。今日は連れが居るんだ。紹介するよ。一方通行と御坂美琴だ」

垣根「え?」

携帯の方が打ちやすいかも。一方さん以外。

美琴「あ…はじめまして。御坂美琴です」

垣根「あ、はじめまして…」チラッ

一方「オイオイ、テメェも粋な趣味持ってンじゃねェか」

垣根「くっ…テメェ」

上条「あれ?お二人共…知り合いでしょうか」

垣根「カミやん…すまねぇ。隠してたんだが、俺実はlevel5の第2位なんだ…」

上条「え!?嘘だろ?だってお前…」

美琴「何?もしかして?未元物質の!?」

一方「…三下ァ。このクソったれの能力知ってンのか?」

上条「いや、むしろ上条さんは垣根が無能力者だと…」

垣根「ハァ…良い機会だ。ちと早ぇけどcloseにすっか。適当にかけといてくれ」

・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・
・・

上条「…このブレンドコーヒーがうまいんだよな」

美琴「私もコーヒーにすればよかったかしら。チョコレート付いてくるなんて…」

上条「ミルクティーだもんな。なんなら俺の…」

垣根「良かったらお付けしますよ」ニコッ

美琴「あ、ありがとうございます…」

上条「相変わらずのイケメンぶりだな~。上条さんより早く出すなんて」

垣根「ハハッ!よく言うぜ。フラグ乱立しては放置するくせによ」

上条「してねーよ。お前の方がモテるっつーの」

一方「……どォでも良いンだがよ。テメェろくなエスプレッソマシン使ってねェだろ」

垣根「うるせぇ。ウチは手挽きなんだよ」

一方「苦味が出てねェな。全然だぜ。粒が粗いンじゃねェの?」

垣根「…均一な味よか温かみのある味が売りなんだよ」

上条「そうだよな。ここのコーヒーはアイスでもあったかいんだよなー」

垣根「!カミやん…っ!滅茶苦茶嬉しい事言ってくれるなぁ!!」

制作落ちてるからこっちでお邪魔してます

美琴「うん。お店もコンセプトが整ってていいわね~。落ち着く雰囲気だし。喫茶店って味よりももてなす心よね」

垣根「御坂さんまで…!開業してよかったぁ~!!」

上条(おいおい…味のフォローになってないんじゃないのか?)

美琴「改めてよろしくね。御坂美琴。超電磁砲って言えばわかるかな?」

垣根「!!第3位だったのか!垣根帝督だ。改めてよろしくな、御坂さん」

美琴「あ、美琴でいいわよ。垣根さんの方が年上だし、当麻にもそう呼ばれてるし」
上条「お前年上に敬語とか使わないタイプなんだな」

垣根「いや、良いと思うぜ?そういうのって彼女の美点だよな?」

美琴「ふふ…垣根さんってお世辞うまいわねー。まあ、遠慮なくさせてもらうわ」

上条「しかしlevel5のトップ3がここに揃ってるのか…」

一方「ン、そォだよ!コイツの能力だよ!」

上条「あ、そうだったな。お前の能力についてだよな」

美琴「未元物質って名前からして天文学的なかんじかしら?」

垣根「…あーやっぱ言うの?…まあいいけどよ」

あ、制作復活してましたか。保守が大変そうだからとりあえずこっちを早く済ませたい。
ラビットの方は申し訳ない。

垣根「まあ…平たく言えば、この世に存在しない物質を精製出来て、物性を付加させる能力だな」

上条「」

美琴「」

一方「…言っただろォ。コイツは俺以上に能力がオーバーテクノロジーだって」

上条「…とりあえず、突っ込み所満載だけどひとつずつ潰していくぞ?質量保存の法則無視してんじゃねーか!」

美琴「…そうね。何もない所から物質を取り出す事は不可能だわ」

一方「いや、この場にも大気が存在する以上『何も無い』とは言えねェ」

上条「…じゃあ精製した物質は元は大気なのか?」

垣根「いや…試しに真空状態の筒の中にやってみたけど精製出来たし、周りの大気量を測定しても正常だったぜ」

美琴「でも確か…真空と言っても素粒子はあるし対発生やらで物質はあるんじゃなかったかしら」

一方「ンな微量な物質で馬鹿でかい物質作れンかよ」

上条「どれくらいの物質を作れるんだ?」

一方「それがよォ!コイツの背中からメルヘンチックな羽根が6つ出るンだわ!」

垣根「あっ!一方通行テメェ!」

美琴「…なにそれ」

垣根「…やっぱ引くよなぁ」

美琴「すごく夢のある能力じゃない!良いなー!私も翼生やせないかしら!?」

上条「ああ、似合うと思うぜ?」

垣根「ほ、本当か!!」

一方(…)

上条「で…垣根の考えとしてはどうなんだ?」

垣根「う~ん…羽根は背中から生えるイメージだが感覚としては『降りてきた』って感じだな。昔は羽根生えなかったし」

一方「なンだよ。じゃあ目障りなもン出すなって」

垣根「だから本気になると勝手に出るんだって。仕方ねぇだろ」

垣根「俺の考えだとAIM拡散力場だと思うンだよなぁ。力場が物質のように振る舞ってるってだけだと思うぜ?」

上条(思うんだがAIM拡散力場って本当に都合の良いものだよなー)

一方(…俺ももしかしたらAIM拡散力場のベクトルを操れるかもしンねェな)

垣根「物質として振る舞うというより…羽根の形にAIM拡散力場が形成されて、素粒子がそれにくっついてくるって感じだと思うぜ」

美琴「う~ん…ちょっとキツいけどまあよしとするわ」

上条「まあ、素粒子あっての物質だしな。理屈としては成立するだろ」

一方「暗黒物質の方になっちまうけどよォ。ボゾンのヒッグス粒子じゃねェの?」

美琴「あれって仮説でしょ?…まさか羽根の力場がヒッグス機構の性質を持ってるとでも?」

上条「う~ん…空間の素粒子を固定する能力なら…でも質量が無いとなー」

美琴「あ!引力よ!」

上条「引力って…万有引力の?」

美琴「違うわよ。引力ってのは重力だけじゃないわ」

一方「強い、弱い相互作用、電磁気力、重力子だなァ」

垣根「なるほど。力場で素粒子を集め、相互作用を操り原子核を精製、加えて電子を付加すれば電磁気力がついて分子になるな」

別に解き明かすつもりじゃないです。
楽しんで見て頂くのが目的ですし。

上条「…かなり無理があるけど…まあ大体そうなるよな?」

垣根「ん…能力者はAIM拡散力場や自分だけの現実を駆使してやってるからな。恐らく俺の能力は素粒子や素粒子の概念を操る能力だろうな」

上条「大体この世に存在しない素粒子を引き出せるってお前一人のために学園都市が出来てもおかしくないぞ」

美琴「確か存在の三要素は質量、エネルギー、情報よね」

一方「質量を生成して情報を引き出せる能力か。反則に近ェな」

上条「お前が言うな。スカラーが操れてもベクトル操作されたら駄目だって」

一方「俺が許せねェのはコイツのこの世に存在しない物質ってのが許せない」

垣根「正直そればかりは俺にもわからないな。どうやったら都合の良い素粒子が見つかるのかすらわからねぇ」

美琴「…もはや収集つかないわね」

一方「だァから言ったンだよ!コイツは科学って領域じゃねェっての!」

上条「ぶっちゃけ捉えようによっては何でも出来るよな?」

垣根「じゃあ…能力使用出来るよな?よし、ここにコーヒーがあります。それを俺の手でかざすと……はい!ロイヤルミルクティーの出来上がりです!」

一方「もォお前のコーヒー絶対に飲まねェ」

ぶっちゃけ、自分は理系じゃないですよ。理系の話や雑学が好きなだけです

垣根「いや、流石にここのメニューは未元物質製じゃねーよ」

一方「だったらそンなマネすンな!」

美琴「え…じゃあ太らないで美味しいケーキとかって作れるの?」

垣根「…まあやろうと思えば多分出来るはず」

一方(すげェ体に悪そォだな…)

上条「栄養すら精製できるなら食費いらないじゃん!!」

垣根「いや…そういう発想はなかったわ。カミやん流石だな…」

美琴「ちょっとここ常連になるわ」

上条「俺も3日ほど食わなくてもいいくらいの飯が欲しい」

垣根「あれ…俺のコーヒー淹れる腕関係無くね?」

一方「テメェのエスプレッソなンざ泥水みてェだしな。良いンじゃねェの?『喫茶、未元物質』ってなァ!」

垣根「よし、屋上行こうぜ。久しぶりにキレちまった」

宇宙科学に入ってようやく話に着いて行けた
書き手に聞きたいんだけど暗黒物質って結局ひととくりにできるもの?宇宙の23%もあるのに全て同一の物質なのかね

>>205それはないと思います。暗黒物質の観測出来ない部分に違いだってあるでしょうし。
ホプキンス博士とか言ってる事よくわかりません。


上条「まあまあ、ここのブレンドすげーうまいんだぜ?」

垣根「カミやん…」

美琴「そうね。ミルクティーも美味しかったわ」

垣根「美琴…」

一方「…まァ、挽き方はダメだが淹れ方は悪くねェな」

垣根「テメェには訊いてねぇよ」

一方「あァ!?ミンチにして冷蔵庫にブチ込むぞ!」

垣根「やってみろよ。カタワにしてやる」

上条「はあ…お前ら仲良いのな」

美琴「とても一緒にコーヒー飲む仲には見えないわね」


・・・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・
・・

とりあえずこの辺りで帝督は一区切りです。
規制解除されてSS書いたら間髪入れずに再び規制には本当に恐れ入った。

とりあえず明日落ちなかったら麦野やります。
制作は本当にすみませんでした。

あと今更ですが下げるの忘れてました。申し訳ないです

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