苗木「戦刃さんを揺さぶる」 (106)

苗木「江ノ島さんにプレゼントあげるよ」

戦刃「マジで! 苗木って良い奴だよねー! なにくれんの!?」

苗木「そうだなぁ……」

苗木(レーションをちらちら見せて)

戦刃「……」ワクワク

苗木「はい、乙女のキャリーバック」

戦刃「……え?」

苗木「これを、あげるよ」

戦刃「なにこれ、信じらんない、こんなの貰っても嬉しくないし」

苗木「江ノ島さん江ノ島さん」

戦刃「なによ?」

苗木「超高校級のギャルなら、普通喜ぶんじゃないかなぁ?」

戦刃「え、あ、あたしは嫌いなんだもん!」

苗木「だもん?」

戦刃「ち、違っ……うぅぅ」

苗木「ほら江ノ島、受け取ってよ」

戦刃「……はぁ」

苗木「で、そのバック開いてご覧」

戦刃「え?」

苗木「ほら早く早く!」

戦刃「えっ、あっ、う、うん」

戦刃「わぁっ……レーションとお水だぁ……」

苗木「あ、江ノ島さん、まさかそれで喜んでないよね?」

江ノ島「えっ?」

苗木「ごめんね、入れるもの間違ったみたいだよ、本当はこれ、ツルカメダイアモンドだよ」

江ノ島「あ、あたし、これよりもレーションのが……」

苗木「超高校級のギャルだもんね! こんな物よりもお洒落なダイアモンドのが嬉しいでしょ?」

江ノ島「こ、こんな物って……むぅぅ……」

苗木「はぁ、それにしてもこのレーションどうしようかなぁ」

苗木「誰も喜ばないゴミだし、捨てようかな?」

戦刃「レーションは……」

苗木「うん? なにかな超高校級のギャルの、江ノ島さん?」

戦刃「う……ゴミなんかじゃ、ないんだもん……」ボソッ

苗木「……いやぁ、ギャルからみたら味も栄養も、最悪だろうね!」

戦刃「……しないで」

苗木「なにかな、江ノ島さん?」

戦刃「レーションを馬鹿にしないでよぉっ!」

苗木「いきなりどうしたの、江ノ島さん」

戦刃「レーションはすごいんだもん! 日持ちするし便利だし美味しいんだもん!」

苗木「ふーん?」

戦刃「どうして苗木くんはそんなにレーションを馬鹿にするの! すごく美味しいのにっ!」

苗木「落ち着いてよ江ノ島さん」

戦刃「レーションを馬鹿にされたら黙ってられないんだもん!」

苗木「あんまり激しく怒るから髪の毛ずれちゃってるよ?」

戦刃「ふぇっ!」

苗木「その髪大丈夫?」

戦刃「やっ、み、見ちゃだめぇっ!」

戦刃「うー、どこ、どこがずれたの?」

苗木「……あはは、髪型が崩れただけでなにをそんなに焦ってるの?」

戦刃「髪型が崩れた、だけ?」

苗木「ほら江ノ島さん、髪、触るよ」

戦刃「ま、待って苗木く……ん……あぅ……」

苗木「江ノ島さんってさ、黒髪の方が可愛く見えそうだよね?」

なでなで

戦刃「そ、そう……かなぁ?」ドキドキ

苗木「雑誌に写る子よりも、ボクは君の方が好きだなぁ」

戦刃「じゅ、盾子ちゃんよりも、私を? ほ、本当に?」

苗木「なにいってるの江ノ島さん?」

戦刃「え?」

苗木「盾子ちゃんって、君でしょ?」

戦刃「ああそのほらえっと盛ったあたしよりも今のあたしのほうがいいのかなーって!」

苗木「うん、ボクは君が好きだよ」

戦刃「~~ッ!!」

苗木「どうしたの江ノ島さん、なんだか真っ赤だよ?」

戦刃「だってだってぇ! こ、こんなの予想外なんだもん!」

苗木「そうだ江ノ島さん、最近占い勉強したんだ、これに名前書いてよ」

戦刃「う、うん」

苗木「大好きな可愛い子はちゃんと占いたいからちゃんと書いてね」

戦刃「えと、えと……か、書いたよ!」

苗木「うん、ありがとう」

苗木「うーん……」

戦刃「……」ドキドキ

苗木「この名前は、ボクと相性が最高みたいだよ、結婚したら幸せになれるってさ!」

戦刃「ほ、本当っ!?」

苗木「うん、ここに書いてある戦刃むくろ、って子とはそうみたいだよ」

戦刃「え、えへへぇ……」

苗木「ところで戦刃むくろって、誰かなぁ?」

戦刃「え? ……あっ」

苗木「ねぇ戦刃むくろって誰のことかな?」

戦刃「そ、それは……その……」

苗木「ちょっと落ち着こっか戦刃さん、はいミネラルウォーター」

戦刃「あ、ありがとう……んっ、んくっ……」

苗木「ねぇ戦刃さん、気が付かない?」

戦刃「な、なにを?」

苗木「ボクは戦刃さんって、呼んでるのになんで何も言わないの?」

戦刃「えっ、あっ、ち、違っ!」


苗木「なにを焦ってるのかなぁ戦刃むくろさん?」

戦刃「違う、違うんだもん……うぅぅ」

苗木「大丈夫だよ、戦刃さん」

ぎゅっ

戦刃「な、苗木くん?」

苗木「誰にも言わないから、二人だけの秘密にするから、ね?」

苗木「本当のこと教えてよ、むくろちゃん」

戦刃「あ、あぅ……う、うん……」

苗木「うん、ありがとう、むくろちゃん」

なでなで

戦刃「えへ、えへへ……」

苗木「なるほどね、君は本当は16人目の高校生で、軍人だったんだね、すごいねぇ」

なでなで

戦刃「す、すごいかな? えへへ」

苗木「それで、本当の江ノ島さんは4階でモノクマを操ってるんだ?」

なでなで

戦刃「うん、盾子ちゃんはすごいんだもん」

苗木「元々はシェルターだったここを、江ノ島さんがこんな風にした、と」

なでなで

戦刃「うん、盾子ちゃんたくさん時間かけて準備したんだぁ……」

苗木「そっかそっかぁ」

なでなで

戦刃「えへへぇ、なでなで気持ちいい」

濡れ場、はよ

苗木「江ノ島さんってカメラで見てるんだったよね?」

なでなで

戦刃「うん、そうだよ?」

苗木「じゃあ、今のもあれでずっと見て、聞いてたんだね」

なでなで

戦刃「……あ」

戦刃「ご、ごめんね盾子ちゃん! ごめんねぇっ!」

苗木「あはは、戦刃さんから全部聞いちゃったよ江ノ島さーん」





江ノ島「」

江ノ島「」

江ノ島「」

戦刃「ど、どうしよ苗木くん、盾子ちゃんきっと怒ってるよぉ……」

苗木「落ち着いてむくろちゃん」

戦刃「で、でもぉ……」

苗木「むくろちゃん、愛してる」

ぎゅっ

戦刃「えへ、えへへ……」





江ノ島「あははー、絶望的ぃー……」

苗木「むくろちゃん、可愛いよ」

なでなで

戦刃「えへへぇ、苗木くん苗木くん」

スリスリ

モノクマ「あのさ、お楽しみ中のところ悪いんだけどさ」

苗木「なにかな江ノ島さん」

戦刃「どうしたの盾子ちゃん」

モノクマ「少しくらい気を遣ってモノクマって呼べよ」

さくらちゃんと互角とはとても思えない

よし二度寝しよう

それと>>44はサブマシンガンだっけ、武器あり残姉がぎりぎり対等くらいじゃなかったっけ

苗木「戦刃さんを揺さぶる」ガシッ

戦刃「・・・?」

苗木「」ユサユサ…

戦刃「わわわ…!」ユサユサ…

苗木「ゆ、揺れない!!?」

スレ開く前はこんなんかと

短剣符だっけ、†って死んだ人の名前に付けるとか聞いたな
あとは聖歌だかの休符だったとかなんとか

モノクマ「全く、ボクが気が付いてカメラ割り変えたりしてさ、放送してるのを朝日奈さんのおっぱいにしてごまかしたから良いものの」

モノクマ「なんてこと話してくれたんだよ戦刃さん!」

戦刃「ごめんね盾子ちゃん」

モノクマ「正座だ、正座しろぉっ!」

戦刃「うん……」

苗木「……むくろちゃん」

ぎゅっ

モノクマ「オマエラ説教するんだからいちゃつくんじゃない!」

苗木「わかったよ……」

戦刃「……苗木くん」

ひょい

苗木「わわっ」

モノクマ「お姫様抱っことかモロにいちゃついてるだろ! いい加減にしろぉ!」

おかえり

しえ

モノクマ「そもそも何であたしになっておきながらレーションなんかで喜んでるのよ!」

戦刃「レーション、美味しいもん」

モノクマ「そういや話じゃないやい! 僕はね、演技をしようともしない姿に怒ってるんだぞぉ!」

戦刃「嘘でもレーションだけは我慢できないんだもん」

モノクマ「はぁ、私様はがっかりしました、なぜあなたという人間はここまで使えないのですか?」

苗木「それは違うよ!」

モノクマ「横から口挟んでんじゃねーよ!!」

苗木「むくろちゃんがいればボクは幸せなんだ! それを使えないなんて言うな!」

モノクマ「惚気んじゃねぇぇぇぇえええええええええ!!!!!」

戦刃「えへへぇ、私も苗木くんがいたら幸せだよ?」

苗木「むくろちゃん!」

モノクマ「あーもー! 今はお説教中なんだからぁー! 喋るの禁止ぃー! おいマジで黙れよいちゃつくな」

苗木「きゃっきゃ」

戦刃「うふふ」




江ノ島「なにこいつら、マジでキモい寒気する」

江ノ島「もう良いや……ここは音声も画像も切ろう」

江ノ島「はぁ、気晴らしに桑田にボールぶつけたり不二咲のちんこ刺激してやろう……」

苗木「むくろちゃんって軍人なんだよね」

戦刃「うん、そうだよ」

苗木「軍人らしいことって、なにかあるかな」

戦刃「んー……匍匐でもする?」

苗木「ああ、あの這って動く奴だね」

戦刃「こうやって、進むの」

ザッザッ

苗木「なるほど……希望は前に進むんだ」

ずりずり

戦刃「ちなみにこれなら多少の障害物も乗り越えられる」

ザッザッ

苗木「ちょっ、むくろちゃん!?」

戦刃「えへへ、苗木くん拘束」

苗木「な、なんだかむくろちゃんに襲われてる気がして、ドキドキするかも」

戦刃「ほ、本当に、襲っちゃおうかな?」

キター

江ノ島「カメラとか切ったのは良いけど、たまには監視しないとマズいし」

江ノ島「気が進まないけど見るか……」

江ノ島「」

江ノ島「」

江ノ島「」

プツッ

江ノ島「さっき説教したばっかだっつーのにあいつらは……」

江ノ島「やっぱ監視は……良いや」

江ノ島「霧切と舞園に、それぞれ相手が苗木といちゃついてるって言ったりして遊ぶか……」

江ノ島「ついでにセレスのプレートをヤスヒロタエコに変えとこ」

しえん

そんなこんなでボクと戦刃さんが毎日いちゃいちゃして、江ノ島さんが誰かに八つ当たりする日々は続いた。

江ノ島さんは八つ当たりをするばかりで元々用意していた動機とやらは一向に明かされず、殺人も起きる様子はない。

舞園さんと霧切さんは何やら対立してたり、桑田クンの顔がボコボコになってたり、セレスさんがタエコティア呼ばわりされたり、

なんだか変化はあるものの、みんな楽しく過ごしているようだ。

そうそう、変化と言えばもう一つ、大きな変化があって――

苗木「あ、今お腹蹴る音が聞こえたよ」

戦刃「きっとパパが近くにいてはしゃいでるんだと思う」

苗木「そっかそっか、どんな子なのかなぁ、ママみたいな可愛い女の子かなぁ」

戦刃「パパみたいに、優しい男の子が良いよ」

苗木「あはは、どっちにしても楽しみだね」

戦刃「うん……私、すごく幸せだよ誠くん」

苗木「ボクもだよ、むくろ」

戦刃「えへへ」

苗木「あはは」

イイハナシダナー

――こんな風に、ボクらの間に希望が出来たんだ。

どんな子になるかはわからないし、ここの設備でどうにかなるかもわからない、だけど暗中摸索しながら、手探りで頑張ろうと思う。

たまにモノクマがやってきて戦刃さんのお腹に抱き着いてるところをみると、何かしら援助をしてくれるのかも知れない。

ボクと戦刃さん、幸運と軍人の子供だから、きっと元気で幸せな、強い子に育ってくれたら嬉しいな。

で、出来ればボクより小さい子が良いんだけど、戦刃さんの背が高いからなぁ……はぁ。

何はともあれ、ボクらは幸せだ。

希望は次の世代へ続くんだ!


おしまい

おつです

江ノ島「お腹の子供か……おばさん呼ばわりは嫌だなぁ……」

江ノ島「じゃあどうしよっか」

江ノ島「うぷぷぷぷ」

江ノ島「ぶひゃひゃひゃひゅ!」


おしまい

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2013年09月22日 (日) 09:40:38   ID: BnBmHLsd

盾子ちゃんも交ぜないとか絶望的ィ

2 :  SS好きの774さん   2013年09月29日 (日) 23:53:53   ID: PtA53rnM

それは違うよ!

3 :  十桜   2014年09月26日 (金) 23:09:57   ID: mf5cwfOE

なかなか面白かった


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