▽【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-40冊目-【超電磁砲】 (956)

□このスレは「とある魔術の禁書目録」及びその派生作品のSS総合スレッドです
  「2chは規制されている」「スレを立てにくい」という方は当スレに投下をどうぞ
  SSの投下以外にも、感想や雑談・質問に相談・情報交換などにご利用ください

 前スレ
▽【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-39冊目-【超電磁砲】
▽【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-39冊目-【超電磁砲】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1363523022/)


■このスレのルール――――――――――――――――――――――――――――――――――――■

 ・共用スレなので書きながらの投下は禁止です。必ず投下分を書き溜めてから投下すること
  また安価作品なんかはご遠慮下さい

 ・人を選ぶ内容(極端な欝展開やエログロ等)は事前に注意書きを
  差し支えなければカップリング等の大まかな説明などを書いて下さい

 ・別の人が先に投下している際は、終わってから最低でも30分は空けて投下すること
  連続して投下すると感想を書き難くなります。また当然ながら割り込んでの投下は厳禁です

 ・新刊のネタバレは地域によって発売日がずれる場合があるので、解禁は公式発売日の翌日からです

 ・荒らしは全力でスルー、またルールを守れない人等に対しても極力柔らかい口調で注意すること

■ここまで必読、以降のテンプレも読むこと――――――――――――――――――――――――――■

  >>2 その他注意事項
  >>3 関連スレ等
  >>4 過去のテンプレゲストキャラ

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1379543420

□注意事項

>>950を踏んだ人は次スレを立ててください。無理なら必ず再安価かヘルプ要請を
  可能な限り次スレを立てる前に「立てに行く」宣言をしてください。立てた後の次スレ誘導もお願いします
  宣言、スレ立てがしばらくなければ>>970を踏んだ人がお願いします

 ・認知度アップの為にage推奨です

 ・この板では、一部の単語にフィルターがかかっています
   例)「その幻想をぶち[ピーーー]!」(“殺.す”にフィルター)
  メール欄に半角で『saga』(←「下げ」じゃなくて「佐賀」)と入れると解除できます。他のメ欄コマンドとも併用可
  下記のスレで該当する単語などの詳細が確認できます

パー速機能覚書・テスト


 ・板の連投規制は25秒、1レス内での行数制限は80行です

 ・投下する時は名前欄にタイトルや総レス数などを書いておくと分かりやすいです

 ・書き込み失敗の表示が出ていても書きこめている場合があるからスレを更新して確認しよう


★これからスレを立てる人へ

 個別スレ立ての目安は100レス前後の風潮
 安価SSやエログロなどの要素が特に多いSSは個別に立てた方がいいでしょう
 この板ではスレ落ちは運営の手による手動です。自動では落ちません
 スレ処理はデータ削除ではなくHTML形式でログ化されデータ庫に格納されます。
 立て逃げや長期の放置スレ、板趣旨と異なるスレは処理対象になります。処理されても泣かない
 処理されてもデータ自体は残っているので再開するときは過去スレのURLなどをリンクしておくといいかも
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■ HTML化依頼スレッド Part11
■ HTML化依頼スレッド Part11 - SSまとめ速報
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[ 関連スレ ]

お勧めの禁書・超電磁砲SSを教えろください 21
お勧めの禁書・超電磁砲SSを教えろください 21 - SSまとめ速報
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 ふと思いついた小ネタ(スレタイ含む)を書くスレ27
ふと思いついた小ネタ(スレタイ含む)を書くスレ27 - SSまとめ速報
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 【禁書SS用】設定質問受付&禁書SSまとめwiki用資料作成所-4杯目-
【禁書SS用】設定質問受付&禁書SSまとめwiki用資料作成所-4杯目- - SSまとめ速報
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  (その他雑談総合)


[ 関連リンク ]

 とある魔術の禁書目録Ⅱ〈インデックスⅡ〉公式サイト
 http://www.project-index.net/

 とある魔術の禁書目録 Index@wiki
 http://www12.atwiki.jp/index-index/

 自分用まとめ ◆「とある総合スレ記事一覧」
 http://asagikk.blog113.fc2.com/blog-entry-1515.html

 禁書SS@製作速報 まとめWiki
 http://www35.atwiki.jp/seisoku-index/


[ 過去スレ一覧 ]

 ▽ 【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-29冊目-【超電磁砲】

 ▽ 【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-30冊目-【超電磁砲】

 【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-31冊目-【超電磁砲】

 ▽【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-32冊目-【超電磁砲】

 ▽【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-33冊目-【超電磁砲】

 ▽【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-34冊目-【超電磁砲】

 ▽【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-35冊目-【超電磁砲】

 ▽【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-36冊目-【超電磁砲】

▽【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-37冊目-【超電磁砲】
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▽【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-38冊目-【超電磁砲】
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◇これ以前のログはこちらから


禁書「>>950!いままでのおやくそく一覧なんだよ!」

02   インデックスさん
03   小萌センセー
04   建宮さん
05   オルソラさん
06   キャーリサさま
07   フレンダさん
08   御坂妹
09   最大主教さん
10   舞夏さん
11   上条さん
12   白井さん
13   一方通行さん
14   土御門さん
15   絹旗さん
16   黄泉川せんせー
17   愛の伝道師・青髪ピアスくん
18   サーシャさん
19   姫神秋沙さん
20   御坂美琴さん
21   アックアさん
22   打ち止めちゃん
23   オリアナさん
24   麦のん
25   テッラさん
26   フレメアちゃん
27   闇咲さん
28   冥土帰しさん
29   テンプレ改訂のためキャラ無し

30   浜面くん&滝壺さん     
31~  テンプレ改定のためキャラ無し

- - - - - ここまでテンプレ - - - - -

URLとか間違ってたらごめんなさい

唐突にすまん
オティヌスちゃん可愛かったんでギャグ物を書いてみた
酷くキャラ崩壊&原作者サイドが出てるんで注意

あんま自信ないけど、どうぞ

公開可能な没シーンその1


オティヌス「……マリアン」

魔神が名前を呼んだ。
直後に、
ダンッ!! と。
鈍い音が鳴り響いた。

マリアン「キャアアアアアアアアアーーーッ!?」

トール「ウオオオオオアアアアアアーーーッ!?」

オティヌス「後でトールの腕を繋げてやれ」

トールは驚愕していて言葉をうまく発せなくなっていた。
マリアン=スリンゲナイヤーはやがて、意を決するように口を開いた。

マリアン「お、オティヌス」

オティヌス「何だ。私はお得意の馴れ合いに興じるつもりは―――」

マリアン「違う、オティヌス!!」

マリアンが慌てたように、オティヌスへ指を差した。
訳がわからない魔神はやがて自身の身体へ目をやると……。

オティヌス「……は?」

前の開いた毛皮のコートの中に、着ていたはずの、黒い革の装束が地面へずり落ちていた。
魔神のオティヌスが全開であった―――

オティヌス「きゃ、キャアアアアアアアアアーーーッ!!」赤面する。

直後に、
オティヌスを中心に周囲一帯へと、爆発が数万数億と覆い尽くした。
ド派手な照れ隠しである。まさに魔神クオリティー。

「カァットォ!! カットだカットォ!!」

爆発が徐々に止んでいく……。
魔術発動の中心にいたオティヌスは毛皮のコートの前を閉じて、俯いて地べたに座っていた。
そんなオティヌスの前に一人の『監督』が近づいていく―――

かまちー「チッ。まぁたかよ、オティヌスちゃん。一体どれだけ負の50%に傾けば気が済むんだっつの」

オティヌス「知るかバカァ!! こっちだって没シーンばっか撮りたくねえよッ!!」涙目である。

かまちー「……つーか、トールの腕を飛ばすの失敗がなんで、自分の服がずり落ちるになるんだ?」

オティヌス「……『無限の可能性』が弾き出した結果がこれなんだ。仕方がない」

説明しよう。
魔神は50%の確率で成功する……。ということは、つまり、
50%の確率で失敗することと同義であるのだ。
今回のオティヌス全開事件は負の50%に傾いた結果なのだ!!

かまちー「その説明は聞き飽きたっつの」

オティヌス「じゃあ聞くなよ!?」

はいむらー「あの~、さっきの爆発でトールくんとマリアンちゃんが吹き飛ばされたんで、一旦休憩を」

かまちー「しゃーねーな」

オティヌス「休めるのか、やっとだぞ休憩時間。……誰か私の服を持ってきてくれ」

流石に素肌に毛皮のコート一丁では恥ずかしいのか、その場から動けなくなる魔神オティヌス。
『監督』が溜息をついた。
そして部下に指示をだす。

かまちー「あーあーあーあー」

オティヌス「???」

かまちー「あーあーあーあーっ! アレだアレぇ、アレェ持って来い!!」

はいむらー「ウィッス」

ムチャクチャ過ぎる注文の出し方だが、部下は従順に応じた。
そして何故か、ゲテモノメイド服をはいむらーが持ってきた……。

オティヌス「な・ん・で・だ・よッ!! 脈絡がなさ過ぎるぞ!!」

かまちー「あー、『魔女っ娘痴女っ娘メイドっ娘(仮)』っていうオマケを後で撮るんでよろしく」

はいむらー「僕がデザインしました!! 名づけて『痴女神エロメイド』です!!」

オティヌス「そんなの聞いてないぞ!? というか私の休み時間は……!?」

かまちー「テメェのせいでスタジオが壊れ、時間も無駄になったから損害分は働かせるに決まってんだろ!!」

オティヌス「14歳の乙女に対してなんて暴言を!?」

かまちー「つーわけだから、これ着てスタンバっとけよ」

はいむらー「ではでは」

『監督』とその部下が歩き去っていく。
一人取り残されたオティヌスは。

オティヌス「……お腹が冷えるな。これ着よ」

素直であった。


一方その頃、トールとマリアンは。

トール「結構あったなー、オティヌスの」

マリアン「言わせねえよ」

ボロボロに打ちのめされていた。
何も悪いことしてないのに、な。

公開可能な没シーンその2


オティヌス「返事は、か・し・こ・ま・り・ま・し・た、だ。分かったか?」

垣根「……カっっっ、じィ、KO、まっ、ィり、まぁあ、SHI、ィだっっっ……ッ!!!???」

オティヌス「良い子だ」

言葉と共に。
ゴッキンッッッ!!!!!! という、鈍い音が炸裂した。
一体何が働いたのか、『垣根帝督』という五体満足の人の形をしていた物体が全方位から圧縮され―――
ゴルフボールほどの塊へ変貌させられてしまった音だった。

かまちー「はいカットカットー」

オティヌス「…………、」

かまちー「はぁ……。オティヌスちゃんさぁ、いい加減にしてくんねえかな。ゴルフなら一人でやっとけ」

はいむらー「まさか36回目もゴルフボールとは……。バレーボールって言ってるじゃないっすか」

オティヌス「仕方ないだろう……。それが魔神の厄介な性質なんだ」

かまちー「めんどくせえな魔神って」

オティヌス「あんた(原作者)がこういう設定を付けたんだろうがッッッ!!」

またもや負の50%に傾いてしまった結果、
『垣根帝督』がゴルフボールサイズへなってしまった。
いやまあ、ボールなのはいいんだけどね? サイズがインパクトに欠けてしまう。
あくまでもバレーボールサイズがベストなのだ。

かまちー「はいはい垣根少年を元に戻して撮り直すぞー。早くしろ」

オティヌス「なあ、一旦休憩に入っていいか? この調子じゃ今度もハズレだと思うし、何よりも垣根帝督が哀れすぎる」

かまちー「ならさっさと垣根少年を五体満足に戻せ。休み時間はそれからだ」

オティヌス「う、うむ……ええと、こうしてこうして―――あっ」

はいむらー「一旦休憩入りまーす」

直後の出来事だった。
『垣根帝督』を元に戻そうとして、テンパったオティヌスの手の内からゴルフボール(垣根帝督)がすっぽ抜けてしまい、コロンコロン、と船の残骸の隙間へ入っていってしまった……。

オティヌス「…………」

かまちー「…………」

はいむらー「…………」

ベルシ「…………」

丁度よく残骸の隙間の隙間へ流れていってしまった垣根ボール。
ゴルフボールサイズだから、隙間を掻い潜るのはどうってことないよネ!
当然、見つけ出すのは困難。
あの姿形では『垣根帝督』は這い上がってこれないだろう。

かまちー「オイ、ドジっ娘魔神。テメー後でていとくんに謝れよ」

オティヌス「……もうやだ負の50%」

はいむらー「魔神ってドジっ娘属性が付いてるんすね」

ベルシ「……次の指示を」

この後、ベルシが指示通り垣根ボールを見つけ出し、オティヌスが『垣根帝督』に死ぬほど謝って、かまちーにも頭を下げた。
そして休憩を挟んで、ようやくの58回目で『垣根帝督』はバレーボールになった!

以上
すみませんっした

反響がよかったら、公開可能な没シーンその3をいつか投下するかも

乙!
書かなかったらオッレルスとフィアンマ差し向けるからぜひ続きを

>>20
書かなかったら妖精化されちゃうのか俺……
公開可能な没シーンその3は途中まで書いてあるから、出来上がったら投下しようかな

書き終えたんで、投下します



公開可能な没シーンその3


―――オッレルスは最短最速で魔神オティヌスの懐へ到達する。
その掌が、淡く輝いていた。


オッレルス「『魔神』を研究できるのは、その領域に触れた者だけだ。で、あれば……天敵を作る方法もな!!」


少女の胸の中心に、掌を強く打ち込む。
光でできた杭のようなものが勢い良く飛び……

出なくて、オティヌスのおっぱいを鷲掴みにした。


オティヌス「………………コロス」

オッレルス「い、いや違うこれh」

オティヌス「死んでしまえ!! この出来損ないがぁぁぁあああああッ!!」


直後に、
轟ッ!! バッチーン!! と、
赤面する魔神が出来損ないへ豪快な平手打ちをした。
これってかの有名な「きゃーえっちー」だよな?




オッレルス「キャルヴッ!?」


ノーバウンドで船の残骸へ突っ込んでいってしまったオッレルス。
顎が折れてないか心配である。


かまちー「カットォ!!」

はいむらー「一旦休憩でーす」

フィアンマ「俺様はオッレルスが無事か見てくるよ」


『監督』は溜息をついた。部下の方は休みを入れた。フィアンマは吹っ飛ばされた青年の元へ。
そして、オティヌスは……


オティヌス「もうお嫁にいけない……」


将来の心配をしていた。


かまちー「ダイジョブダッテ。この程度のラッキースケベ、禁書じゃあ生温いほうだぜ?」

オティヌス「そんなの慰めにならねえよッ!!」と、涙目魔神。

かまちー「はいはい、オッレルスが戻ってきたら再開すっぞ」


すると、フィアンマがオッレルスを引きずりながら戻ってきた。
そしてどこか、フィアンマが困ったような顔をしていた。



フィアンマ「おい、オッレルスが……」

かまちー「ん? どうした」

オティヌス「???」

はいむらー「???」

フィアンマ「オッレルスの顎が……しゃくれた」

しゃくれるす「」チーン


見事なしゃくれ具合。
元の端正な顔が台無しになっていた。
さっきのオティヌスからの豪快な平手打ちが原因だろう……。その原因の魔神はしゃくれるす(笑)を見て。


オティヌス「ぶふぉおっ!! オッレルぶぷっしゃくれるすぐっはははははっ!!」


吹き出していた。
こうみても14歳の可憐な少女(笑)である。

そして他の人達も……。


かまちー「ぶっ、ぐふふふふ!! はははははははは!! アレぇ持ってぶっふ、来いぐふはは!!」

はいむらー「ぐっ、ハハハハハッ!! ウィッスぐっふぉふぉハハハ!!」

フィアンマ「笑い事じゃないだろう!? これじゃあオッレルスが哀れすぎる!!」



しゃくれるすを見て、笑い吹き出す外道共。
フィアンマはこの瞬間、唯一のツッコミ役となっていた。
そしてオティヌスは腹を抱えて転げ回りながら笑っていた。


はいむらー「カメラ持ってきました~」

かまちー「ご苦労」

フィアンマ「……何をするつもりだ原作者」

かまちー「こうすんだよ」


と、しゃくれるすに向かってカメラのシャッターを切った。
オッレルスの黒歴史が撮影されて、保存されてしまった。


しゃくれるす「」チーン

フィアンマ「お前はオッレルスに恨みでもあるのか!?」

かまちー「おいおい、垣根(イケメン)をバレーボールにして、浜面(ブサイク)を主人公にした時点で俺がイケメン嫌いな

のは分かってんだろ?」

フィアンマ「なん、だと!? だとしたら俺様(イケメン)が隻腕になったのも、オッレルス(イケメン)がしゃくれるす(

ブサイク)状態なのを撮影したのも全部お前がイケメン嫌いだからかっ!?」

かまちー「何を今さら」


とことん外道である。
鬼! 人でなし! 木原!



オティヌス「わっはははははっ……。いやー笑った笑った」

かまちー「よお。オティヌスちゃん、配置に戻っとけよ」

フィアンマ「いやいや……あんな状態のオッレルスで撮り直するのか?」

かまちー「んなわけねえだろ。流石にイケメンに戻すよ……おい、オッレルス」

しゃくれるす「……ひゃい」


『監督』は真面目そうにオッレルスに向き直る。
そして、


かまちー「さ行を言ってみろ」

しゃくれるす「しゃししゅしぇしょ」

オティヌス「wwwwwwwwwwww」

はいむらー「wwwwwwwwwwww」

フィアンマ「……ふっwwwwww」

かまちー「wwwwwwwwwwwwww」



―――そして、この後かまちーが無理矢理にオッレルスの顎を元の状態に戻し、撮り直すことができた。
しかしその後もオティヌスはオッレルスから胸を揉まれ続けられる……成功100%への道は遠のくばかりであった。




かまちー「……ふぅ。ようやくオティヌスちゃんがセクハラされまくる映画が出来上がったぜ」

はいむらー「彼女のドジっ娘っぷりには萌えましたね」

かまちー「ああ、『無限の可能性』はエロに万能でいいな」

はいむらー「……それにしても、って感じですね」

かまちー「うん。今日も世界は禁書で満ちているなあ」


以上で終わりです
途中迷走してましたね……反省してる

オティヌスちゃんの薄い本はよ


トールと美琴で数レスいただきます!


トール「よぉーっす!久しぶり!ミコっちゃん、元気ー?」

美琴「またアンタか! つーか、ミコっちゃん言うな!」

トール「んだよ。どうしたんだ? 彼となんかあった?」

美琴「んなっ!? なんでそこでアイツが出てくるのよ!!」

トール「ふーん? 誰も上条くんとは一言も言ってないんだけど?」ニヤニヤ

美琴「ニヤニヤすんな!! ……で? アンタがここにいるってことは、『あの馬鹿』が毎度お馴染み、どこぞの金髪幼女に連れ去られたの? それとも悪魔みたいな尻尾はやした子? どっちにしろ、またどこかの誰かのために事件に巻き込まれに行ってんでしょ?」

トール「相変わらずの上条くん贔屓でここまでくると清々しいな。まぁ俺としてはどうでもいいんだけどよ。今回俺が来たのは全くの別件なんだわ。
  むしろ、上条くんとだけは出会いたくねぇってのが本音だ」

美琴「な、なんなよのその『別件』って……?」

トール「俺と」

美琴「俺と?」



トール「勝負しょうぜ!」

美琴「……は?」



トール「だから、俺と1対1の勝負しょうぜ! って」

美琴「二度言わなくても分かるわよ! いや、なんで私がアンタと勝負しなくちゃいけないのよ!?」

トール「そりゃあ、前に『聖人』相手に引けをとらなかった。ってのが理由かな」

美琴「確かに、相手は成人してたと思うけど……」

トール「良いから、戦おうぜ! 俺が強くなるためには純粋に科学の力とやる必要があるんだよ
   もちろん、場所は選ぶからさ」

美琴「……いいわよ。最近、アイツにもケンカ売ってないし
   アンタになら少しぐらいなら本気出してあげてもいいわよ?」

トール「そうこなくっちゃな!」

美琴「でも、どこでやるのよ? ここら辺は居住区だから人が多いし……」

トール「心配はいらねぇよ。ちゃんと手は打ってある」


ニヤリと悪い笑みを浮かべながらトールは歩き出す



こうして、ありとあらゆる気象や季節や天候や災害を司る全能の力を持ち雷神とも呼ばれる神の名を冠する自称、『ただの魔術師』と
学園都市が誇る、努力の天才 発電系能力者(エレクトロマスター)の頂点にして超能力者(LEVEL5)序列第三位『電撃姫』

二つの異なる力を持つ二人が横に並び、誰も予想できない闘いを繰り広げようとしていた


しかし、物語はそう簡単には進まない
二人は行く先々で学園都市の強者達と出逢う



壱戦目 vs熱血馬鹿

「……結構、根性あるじゃねぇかっ!!」
  
                      「どぉも!お前の根性ってやつもなかなかだ、よっ!!」


弐戦目 vs精神女王

「私の改竄翌力なら、アナタをどうにかするなんて簡単なのよぉ」

         「……俺を甘くみないでくれよな」


参戦目 vs新生アイテム

「私らにケンカ売ったこと後悔しながら[ピーーー]っ!!」

                  「俺と技が似てるのか? ……だが負ける気はまったくねぇなっ!!」


四戦目 vs最強の矛と盾

「……おもしれェ」

「出来ることなら、怪我しないようにしてください」
                            「第一位と第二位、か……相手に不足ねぇ!!」


伍戦目 vs電撃姫

「さて、やっとだな」 
                    「そうね」

「お前は俺の『敵』に足る存在か?」
                            「敵って、今更そんな関係にはならないでしょ?」

「そうか?」          「そうよ」

「そっかっ!!」        「そう、よっ!!」


二人は同時に自分の力を示す
片方は己の力を強化するために
片方は己の力で強者にくらいつくために






青白い閃光の中ブレードとコインが交差するとき物語はビリビリと火花を散らす─────!!






うわっ!!タイトルしくった!
正解トール「勝負しようぜ!」美琴「……は?」
でした!

……泣きたい

感想アドバイスください!
スレ立ては……考えてないです

乙 おもしろそう
一息に説明しすぎて読みづらいとこ(トールの説明とか)があるから工夫した方がいいかも


俺も読みにくいと感じた。
地の文も使うなら台詞の間に地の分いれると緩衝材になって読みやすいと思う。


>>50 >>51
ありがとうございます!
次書くとき気をつけます!


ステファニーと砂皿さんが出たss2読んで、二人の仲良いssないかなって探したら少なすぎて勢いあまって書いてしまった
な、何をいっt(ry

数レスいただきます!



「一つ、思ったんですけど。砂皿さんって天国とか地獄とかって信じてます?」


と、りんごの皮を剥きながら軽い調子で聞いてきたのは、そんな姿でさえ様になるような長身の女性、
モデル体型とでもいうのか、とにかくそれなりに整った顔をした美人だった
名前をステファニーという

そして、その女性が質問を投げかけた相手は病院の清潔なベッドに上半身を起こして
女性が剥いたりんごを咀嚼している
見るからに女性よりもはるかに年上らしい男性だった

この二人は殺し屋、しかも狙撃を好む暗殺者だ


砂皿さん、と呼ばれたその男は一般人でさえ見れば分かるようながっしりとした体型だった
しかし、それは一般人から見た印象である。本人やその筋の人間が見れば明らかに筋力体力ともに十全といえる状態ではなかった

それもそのはずである砂皿は一週間前まで意識不明のまま眠っていたのだから



とある組織に依頼され、仕事をこなそうとしたが失敗し、その組織の敵にミサイルで建物ごと吹っ飛ばされてしまった
といった経緯があるのだが詳しくは割愛しよう
そんなこんなで生死の間を彷徨うといったデンジャラスな体験をしている
むしろ、生きているほうがおかしいのだが

この男以前、師弟のような関係であるこの女性に「私なら、どんな状況であっても爆薬で死ぬ事だけは絶対にありえない」と豪語してみせたことがある
見事な有言実行だ

まぁ、ここまでフィクションのような展開だったがすべてがそうだった訳ではない
目を覚ましたからといってテレビドラマであるような、お涙ちょうだいな展開になったかと言えば大変微妙なとこである


現在は、ステファニーにいろいろと手伝ってもらいながら退院するためのリハビリや検査をして過ごすといった、死体を見ることも硝煙の匂いを嗅ぐことも無い平和や平穏ともいえる穏やかな日を過ごしている



そして、話は冒頭のステファニーの言葉に戻る



「……貴様の口からそんな言葉が出るとはな」


藪から棒になんだと言いたげに砂皿はステファニーの言葉に応える


「いやー。ふと思ったんですよ。私たちって死んだらどうなるのかなーって」

「そんなもの死ななければ分からんだろ」

「まぁ確かにそうなんですけどね!? もうちょっと言い方とかあるじゃないですか!」

「………、」

「なっ! 砂皿さんが面倒臭いって顔してる!! でもでも! 砂皿さんだって気になりません!?」

「……生憎私は熱心な宗教家ではないんでな」

「これだからジャパニーズはっ!! そんなんだから、七五三で金太郎飴なめてお盆にご先祖をきゅうりの馬で迎えてなすの牛で帰すんですよ! しかも、クリスマス祝ったあと除夜の鐘聞いてお年玉もらって初詣いく、なんて宗教のちゃんぽんができちゃうんですよ!」


ステファニーは二個目のりんごを剥きはじめながらわめく

それは絶対に関係ないだとか、余計なものが混じってるとか、一応個室といっても病院内では静かにしろとか砂皿は思った
思ったが、口の中にはりんごが入っており、ついぞ言葉にはならなかった



案の定、近くを看護師が通ったのかステファニーは怒られてしまった


「・・・だから言ったろ、静かに話せと」

「言ってませんからね!? 砂皿さんはそんな親切な台詞一言たりとも!! あれ、なんかこの会話前にもしたことある気がする! 何これデジャヴ!?」


砂皿さんがヒドイなどとぶつぶつ呟きながら、ステファニーは三個目のりんごに手をのばす
そんな恨み言を聞き流しながら砂皿はもそもそとステファニーが剥いたりんごを口に運ぶ

しばらく、室内は沈黙が流れる

先に沈黙を破るったのはステファニー、ではなく砂皿だった


「……………で?」

「はい?」


食べていたりんごを飲み込むとステファニーに尋ねた
ステファニーはりんごの皮をいかに薄く、途切れないように切るかに夢中だったのか聞き返してきた



「……何故そんなことを聞いた?」

「え? いや、特に理由とかは………」


そう言いながらもステファニーの目は泳いでおり、誰が見ても嘘をついているのが分かる
分かりやすすぎるステファニーの態度に砂皿は大きくため息を吐いた


(……本当に、こんなとこにいないで素直に表の世界の中ででも暮らしてりゃいいのに)


そんなことを思いながらも、別の言葉を吐き出す


「・・・貴様、学園都市を襲撃したらしいな」

「なんで、それをっ!?」

「私が知らないとでも思ったか。相変わらず間抜けだな」

「あう……」

「復讐なんて金にもならないことをするな。火薬と弾の無駄遣いだ」


淡々と言う砂皿に対して、ステファニーはどんどん肩を落とし俯いていく
手にはきれいに剥けたりんごとその皮があった


「すみません。……砂皿さんが望んでないこととか、必要性とかなかったのは確かですけど。
 私眠ってる砂皿さん見て頭が働かなかったっていうか、ぶっ飛ばさないと気がおかしくなっちゃいそうだったんです。
 砂皿さんがし、死んじゃうじゃないかって」

「……」

「死ぬわけないって、グスッ。砂皿さんなら大丈夫とか思ったけど……」


途中から鼻をすする音がしだした
が、顔は下を向いたままで砂皿からはどんな顔をしているかは見えなかった


「馬鹿だ馬鹿だと思っていたが、ここまでとは」

「バカバカ言い過ぎですよ!?」


顔を上げたステファニーは予想通り、目元に涙をためていて、今にも零れ落ちそうだった



砂皿の目が覚めた時でも泣かず、抱きついてきただけのくせに
砂皿の身の回りの世話をする時だって、ずっと笑ってうるさいぐらい喋っていたくせに


(私が眠っていた間は泣いていたのか)


砂皿が考え込んでいる間に、ステファニーは泣きかけからガン泣きになっていた


「そりゃあ、砂皿さんにとったら私は勝手について来てるウザイ奴とか思ってるかもしれませんけどー!!」


これには、砂皿は呆れるしかなかった
昔から馬鹿な子ほど可愛いというが、ここまでくると少し腹も立つ
誰が報酬も出ない狙撃をしたというのか
   バカ
この愛弟子は分かっていないようだった

仕方ない、それがコイツだ


「くくっ……」

「ふぇ?」


気付けば砂皿は笑っていた
りんごとその皮を握ったままガチ泣きするステファニーが可笑しくて、愛しかった

何故笑われているのかは分からないが、馬鹿にされているのはわかったらしく
ステファニーは頬を膨らませてむくれてしまった
それを見てさらに笑ったのは言うまでもない

気付けば二人して笑っていた



看護師さんが様子を見に来るまで、笑いは止まらなかった
それから、ステファニーの持っているりんごをどうするかの話になった

りんごは変色し、握っていたせいでぬるくなってしまったが
「責任持って私が食べます!」と言うステファニーの頭を押さえながら砂皿が丸ごと食べてしまった





「……そういえば、」


りんごを食べ終わり、手を拭く砂皿がぼそりと呟いた


「?」

「さっきの質問だが、……もし、天国やら地獄やらがあったとしても私たちはどうせ同じ所に行くんじゃないか?」


お互い数え切れないほどの人を殺した
行き先など地獄に決まっている


「でも、一緒に行くとは限りませんよね?」

「……日本には、死んだら三途の川とやらを渡らないとどちらにも行けないんだ」


よく分かっていない顔をするステファニーに珍しく砂皿が語気を強めて言う


「だからっ! ………どうせ、先に死ぬとしたら半端者の未熟者である貴様なんだから、そこで川を渡らずに待っていればいいだろう
 気がむけば迎えに行ってやる」

「……年齢的には砂皿さんのほうが早そうですけどね」

「……、ふん」

「鼻で笑ったー!? つい最近死に掛けたくせにー!!」

「貴様のようにどこでもかしこでもミサイルやらぶっ放して仕事を失敗することはないがな。そんなんだから学園都市でも失敗するんだ」

「砂皿さんが辛辣すぎるっ!! そんな過去のこと蒸し返さなくてもいいじゃないですかっ!!! しかも、学園都市のことは関係ないじゃないですか! なんですか!? 年齢のこと言われてスネてるんですか!?」

「……私は寝る。貴様もさっさと帰れ」

「あー!! 絶対図星ですね! スネてるんだー! ねーねー砂皿さんってばー!」



不貞寝よろしく布団をかぶる砂皿をステファニーはゆさゆさと揺らすが、砂皿は無視を決め込んだのか何の反応もしない


「……砂皿さーん」

「…………」

「絶対来てくださいね。待ってるんで。それで、ちゃんと砂皿さんも待っててくださいよ?」

「……あぁ」

「えへへー」

小さいが確かに砂皿は答えてくれた
それが嬉しすぎてステファニーは締まりのない顔で笑った



───面会時間終了まであと少し




あれ? あま、甘くない……?
おかしいなー

もっといいもの書けるようになりたいです

読んでくださりありがとうございます!
それでは!


ちなみに、書きたかったのは、砂皿さんがステファニーがむいたりんごを食べるってとこです☆


ちょっと思いついたものを書きます

数レスいただきます!

予告


物語の本筋にはいないはずの少年がとある一室で目を覚まし、ありえない出会いによって物語は違う方向へと変わっていく────





「能力が使えない──!?」

「身体に異常はないんだね? おそらく、精神……つまり『自分だけの現実』が不安定になっているようだ
 力はLEVEL3ぐらいだろうね? 此方も出来る限りのことは協力するよ」

今まで使えた力が使えない少年


「力の使い道?……誰かの危険を私が受けるために使う。じゃダメですか?」

「そうやってアンタはフレメアみたいな子を助けるていくのか?」

力の使い道が定まらない少年


「──何をしに来た?」

「私は風紀委員です! ……助けに来たに決まってるじゃないですか!」

初めから力を持たない少女



とある奇妙な"縁"を持つこの三人が


「う、い、は、るーーーー!」

「……当然ですの。私たちは仲間でしょう?」

「初春さんに妙なことしたら黒こげにしてやるから!」

「うん!ってミサカはミサカは肯定してみる!」

「面倒臭せェ……」

「第二位が二人っ!? どっちがカブトムシだ!?」

「──そんなかきねを、カブトムシを応援してる」


「不幸だーーーー!!」


周りの人間を巻き込みながら







「……私?」    「俺……?」
            システム 
元スリーブ、現マスターと共意識から切り離されていた唯一無二の同一の二人が


     邂逅し








「俺は一体なんだ?」

「知るか。オマエの人生だ。オマエが考えろ」


「私は何がしたいんでしょうか?」

「え!? 俺に聞く!? わかんねぇよ!!」


「……私は彼らをどうしたいんだろう?」

「それを決めるのは、あなたよ。初春さん」


     悩み







「俺はいない方が……」

「私のしていることは、しなければ良かったことなのでしょうか?」

「あの二人に関わらないことが『垣根さん』のためですよね……?」

時には、

    すれ違い







「側にいない方がいい!? しなければよかった!?  ……ふざけんな!! 目の前の問題から逃げてんじゃねぇ!」

「───その幻想をぶち殺す!」


少年たちは説教され、その
   
   幻想(不安)を打ち砕かれる






「逃げてもいいんだよ? 逃げるのは全てが悪いことじゃないの
 でもね、かざり。逃げるのと問題から目をそらす、赦すのと有耶無耶にするのは違うんだよ? だからこそ、かざりの本心そのままを言えばいいかも」
 
「──そうすれば、かざりの、相手への心からの『想い』は絶対に届くから」


少女は諭され、その

      幻想(過去の傷)と向き合う






そして───

「………悪かった」

    「ごめんなさい。痛かったですよね……」





「私は、私たちは、その幻想を抱えてでも前に、一緒に進みたいと思うんです」







物語が書き換えられたとき
彼らの物語は白い羽と鮮やかな花びらが舞う───!!


「──ヒーローとなりえるのか?」





とある未元の定温物質
近日公開!!できたらいいなっ!!

と、こんな感じで、15巻垣根と白垣根と初春の三人をメインにした内容となっております

今やってるスレの書きためと時間のめどが立てば立てたいスレのダイジェストでしたー
たぶん本編はバリバリ地の文ありになると思います

カプとかはまったく考えてないです
書きながら考える予定です
……あえての、心理定規x白垣根、とか?
ないかな?ww


どうも、ちょっと妄想を吐き出しにきました

一方通行と妹達の実験の内容です
グロ描写はひどくないと思いますが、血の表現がちょっとでも嫌な人はスルーで
よろしくお願いします



「これを見ろ!」

「………」


とある日のとある実験場所


「毎月1日限定、行列のできるクレープ店の『めちゃ盛りヤシの実クレープ』だ!」


病的なほど白い肌、日光を反射する白い髪、それとは正反対の黒い服を着た
230万人の頂点の最強の超能力者は、手に持っているクレープを自慢するように、ひけらかすように目の前の少女に見せ付ける
しかし、少女は表情筋の働いていない無表情のままだった


「それがどうかしましたか? とミサカは疑問を口にします」

「うまそォだろ? 食いたくはねェか?」

「このミサカは本日3分後に開始する実験のために調整されて、現在ミサカは空腹を感じていません。
 したがって、それをミサカが食べる必要性はありません。とミサカは現在の状態<コンディション>を説明します」

「ンだよ。食わねェのかよ。なら、俺が食っちまうぞ?」

「どうぞ。とミサカは符号の確認をしたいのを我慢してすすめます」

「………つまンねェ」


そう言うと、最強は手をぶらりと下げクレープに用はないという風に
落とした


「? 捨ててしまうのですか? とミサカは無惨
にも地面の上でぐちゃぐちゃになったクレープを見つめながら尋ねます」

「良いだろ、どォでも。……それにどォせお前もすぐこれと同じ姿になるンだからよォ」

「2分が経ちました。被験者一方通行は所定位置についてください。これより、第───」
   

最強はクレープなど最初から存在しなかったかのように一瞥もくれずに独り、口を引きつるほど広げ笑う


「──さァてと、今日も楽しい、愉しい
 素敵で愉快な実験〈遊び〉を始めるか」




またとある日のとある実験場所

最強はお世辞にも似合うとは言えないぬいぐるみを持っていた


「今日は偶然にも、両手にぬいぐるみ持って来ちまった。さて、お前は苦手<ウサギ>と毒手<パンダ>どっちがいい?」

「……実験に必要ない物は持ち込むべきではないのでは? とミサカは至極当然のことを言ってみます」


何度も何度も顔を合わせる同じ顔の少女は、何の感情も読み取れない無表情で応える
最強は先ほどまでの面白がるような表情を消して、鬱陶しげに聞く


「……たく。折角なンだからもっと別のリアクションはねェのかよ」

「別の、と言われましてもミサカにはどうすればいいのかわかりませんとミサカは困惑しつつ答えます」

「あァ、お前ら『人形』に大袈裟なリアクション求めるほォが酷ってことかよ。チッ……邪魔だな」

「あ、また捨ててしまっていいのですか? とミサカは一瞬で潰されてしまったぬいぐるみだった物を眺めながら尋ねます」

「いいンですゥ。どうせ、お前もすぐに内臓ぶちまけながら潰されるンだからなァ」


最強は一度も中から綿をはみだたせたぬいぐるみを振り向き見ることはなかった




またとある日のとある実験場所


「さァて、お前らとのつまンねェ問答にも飽きてきた……が、まァこれを見ろ!」

「そ、それはっ!? とミサカは漫画でよくあるセリフを言ってみます」

「実物を見るのは初めてじゃねェか? これが『いぬ』だ!!」


最強の手には小さな子犬がいた犬種はわからない
だが、毛並みがキレイな真っ黒な犬だった

最強は犬を両手で持ち、前に突き出す
少女のすぐ目の前に最強は立っていた

子犬の黒いのに綺麗な光が見える目と少女の目が合う
その時、初めて少女の表情は変わった

焦り期待困惑興味迷い、全部がごっちゃになったような
それともまったく別物の何かなのか


最強にはそれが何かわからなかった

だが、確かに変わった


最強は何かを煽るようにあざ笑うように確かめるように認めたくないような顔で声で

笑う


「ハッ、人形風情が物欲しそォな顔してンじゃねェか。シて欲しいなら上手におねだりしてみろよ、ン?」

「………ミサカは、」

「あ?」

「ミサカはその状態のまま実験を開始するのは実験内容に合致しないためその動物を離すべきだとミサカは考えを述べます」

「あっそ………」


最強は少女の返答にあからさまな落胆と少しの安堵を含んだため息をつく
そして、子犬を地面におろした
子犬が小さな前足をつかって最強の足に戯れるが最強が下を向くことはなかった



(諦めたのでしょうか、どんどん離れて行ってしましました。とミサカはいぬの行方を目で追いながら実況中継します
 それにしても、一方通行は何がしたいのでしょうか? とミサカは最近の言動の疑問を持ちます。
 しかし、ミサカには分かりません――――)


「被験者、一方通行は所定の位置についてください。符号の確認をします―――」

「やっぱ、人形は人形で、この実験の道具に過ぎねェか。あァあ、面白味もねェし、興味も失せたわ」


最強は退屈そうに、つまらなそうに光さえも反射し拒絶した目で少女を見る
少女は時間を正確に計りながら、無表情に光をまだ持たない目で最強を見る


二人は叫ぶ、それさえも計画内だと笑う誰かの手のひらの上で
正義とは正反対のくだらない歪なクソッタレな実験〈お遊戯〉を披露する


「それじゃあァ、モルモットの公開解剖実験といきますかァ!!」
                                  
(ミサカは実験動物なのですから! とミサカは自分の置かれている位置を存在理由〈アイデンティティ〉を声に出さず叫びます)






またとある日のとある実験場所

最強と少女は一定の距離を空けて対面する



「………今日は何も持っていないのですか? とミサカは質問します」

「あァ、もォ飽きたからな。今度は別のことして遊ぶことした」

「………?」

「昔の拷問って結構エグイのが多いンだよなァ。お前も知ってンだろ?」

「多少の知識ならネットワーク内に存在します。とミサカは端的に事実を述べます」



「さて、ここで問題です。お前は何時まで呼吸ができるでしょォかァ?」



「――――実験を開始します」



「ハァイ、時間切れェ。答えはァ………身を持って体験してみなァ!!」


会話が成り立たない、言葉の遣り取り
会話をする意味のない、言葉の投げ合い

イッポウツウコウな言葉の応酬がその場所に響いた






同日同場所




「……コーヒー飲みてェ」





最強は真っ赤な地面の上に立つ
白い肌、白い髪、黒い服何も変わってなどなかった

横に転がっているのは少女だったモノ

最強の『ココロ』は何も発しないのか、発することもできないのか
何の感慨も罪悪感も達成感も喪失感も湧かなかった

最強は気だるげに面倒臭そうに呟く

一人でいるこの場にすぐに転がってるモノと同じ少女達が来る

それを待たず最強は歩きだす
相も変わらず最強の目には光はなかった
ただ、少女だけが瞳の中に反射していた







同じ実験動物〈モルモット〉達は最後まで、実験が壊されるまで
お互いの気持ちがわからなかった

それはしかたがないことだったのかも知れない

片方は悪意も好意も、己の心の叫びさえもすべて反射して中にいれなかった
片方は悪意も好意も、己の心さえ何もかもすべて教えてもらえていなかった

己も満足にわからないモルモットに相手〈モルモット〉の気持ちを想うことなど難しい話だ


何かが違っていれば、結末は変わったかもしれない

だが

もしも、の話など今の彼らには話してもしかたがなく関係もない
もう終わった話だから
謝罪も後悔も懺悔も贖罪も赦しも口に出す機会は、偶然だろうが必然だろうが、絶対に必要なく存在しない

赦さない赦されないその宣言と決意があれば良かった





しかし、一つだけ言えるのは瞳に光を持たなかった二人だが、お互いのことだけはその目に何度も何度も何度も何度も映して

モルモット達は殺し逢った

という事実だ

その回数、10032回







そして、最後の10032回目に初めて彼らはお互い以外を映して戦った

とある無能力者と超能力者〈ヒーロー達〉と″モルモット″ではなく″ヒト″として




以上、寝言は寝て言えレベルの妄言でした
絶対にとは言い切れないが、まったくもってありえない実験内容でしたが、どうでしょう?

もちろん、自分はこの実験を擁護するつもりは全くありません
だけど、一方通行が彼女らを脅す前にほかの事に興味を持たせるような行動していたら、と考え書いてみました

この話はかなり余分を切り捨てて書いたので説明不足があるかもしれません

なんせスレ立てする余裕がないから無理やり纏めたものなんで

n番煎じかもしれませんが感想等下さればうれしいです

なんか思いついたから…小ネタ。17レス。劣化屋さンシリーズ。


ウート「ハァ…なんとか生き延びたはいいが、気がついたらいつのまにか切り捨てられて無職かよぉぉ…」

ウート「あーあ、第二の人生どうやって生きていこ…」

ウート「ん?」

『マッチ売りの少女』

ウート「これだっっ!」


~学園都市~

インデックス「うう…お腹すいたかも…ん?」テクテク

ウート「……」

『あなたの望みを30分だけ叶えます!"叶え屋"~一回300円~』


ウート「らっしゃーせー」

インデックス「ねぇねぇ、何でもかなえてくれるの?」

ウート「おー、もちのロンだよー!お嬢ちゃん!お金さえあればな!俺の幻覚魔術でチャチャッとだから」

インデックス「! 300円ならとうまから今月のおこづかいでもらってるんだよ!はい!」つ300円

ウート「」

ウート「……初回サービスでタダでいいよ(流石にいたいけな少女からなけなしの300円はとれねーよ…)」

インデックス「いいの?ありがとうなんだよ!」

ウート「それで何をお望み?」

インデックス「せめて3食お腹いっぱい食べたいんだよ」

ウート「………」ブワッ

ウート「OKOK!叶えてやる!叶えてやる!」

ウート(チクショウ、この子の保護者なにやってんだよ!メシをまともに食わせる事もできないかいしょなしとか最悪じゃねーか!不憫すぎるわ!)」


ウート「はい、ではこの携帯の画面に映る豪華絢爛なフランス料理のフルコースの画像をじーっと見つめてください…――――」


―――――インデックス『うわ~!美味しそうな料理がテーブルいっぱいかも!あむっはむはむっ』

インデックス『とうま!とうまもいっぱい食べよう!美味しいよ!』

上条『くぅ~ww美味いwwww』

インデックス『はい、とうまあーん!』

上条『バリ美味――――!!』

インデックス「わたし、もう死んでもい――――



ウート「――just30分。いい夢見れたかよ?」ドヤァ

インデックス「はうあ!そこはかとなくお腹いっぱいな気がしてるんだよ!」サスリサスリ

ウート「ああ、幻覚だからあんまりもたないけどなー」

インデックス「…ちなみにとうまがなんか色々おかしかったのは?」

ウート「あーそりゃそのトーマくんの情報がなかったから、雑になった」

インデックス「あ、ありがとうなんだよ!叶え屋さん!」フリフリ

ウート「ありゃりゃっしたー」フリフリ


ウート「うーし、出だしは好調だな」

ウート「……金取れなかったけど」

ウート「次だ次」


美琴「ん?」

ウート「……」

『あなたの望みを30分だけ叶えます!"叶え屋" ×一回300円 ○~料金はお客様がお決めください~』

美琴(う、うさんくさッッッ!!)

美琴「…でもちょっと興味あるかな」ソソクサ



ウート「ラッシュアワースリー」

美琴「あのー、どんな願いでも叶うんですか?」

ウート「あーそのあたりはー、お客様次第っつーかー、ケースバイケースっスねーハイ」ヘラヘラ

美琴「へーそーなんですかー」イラッ

美琴「あの、好きな奴と、こう…」モジ

ウート「あー!ハイハイ!そーいう系ッスね!全然大丈夫ッスよーマジ余裕ッス」ヘラヘラ

美琴(どうしよう思いっきりぶん殴りたい)イライラ

ウート「じゃーそいつの特徴とか、望みのシチュ、あなたのお名前とか教えてもらっていーっすか?教えてもらった情報分クオリティageageになるんでー」ハリィハリィ

美琴「…名前は上条当麻17才、幻想殺しという能力を持っててー……―――」


ウート「…(すごい知ってたわ…幻想殺し《クソヤロー》のことかよ)」グッタリ

美琴「そんでお風呂あがりはツンツン髪からへたっ…っててなってて、[ピー]は最大19センチくらいで、それからそれから」ペラペラ

ウート「あ、もうそんくらいで」



ウート「はい、ではみこっちゃんが学生手帳に挟んでた上条当麻隠し撮り生写真をじーっと見つめてください…―――」

――――

~上条「美琴と付き合ってから老後まで」~


朝、いつものように雀の鳴き声であたしは目を覚ました。

美琴「…う~ん…」

まだ布団から出る気にはなれないほど、朝特有の肌寒さが私を布団に監禁する。

でも起きなきゃね。

大きく伸びをして、チラリと隣で深く眠る彼氏を横目で見やる

当麻の無防備な寝顔ってどうしてこんなに

~長くなるので多少省略~

美琴「さてっと」

当麻が寝てる内に朝食を用意するのが私の役割。

同棲して最初の頃は当麻に作ってもらってた事もあったけど、当麻が大学通い出してからは私が作るようになった。

当麻が朝早くしかない授業の単位を落としまくってるから、もう必要単位を全てとった私がサポートするはめに。

ま、イヤじゃないけどさ。

~更に延々と長いので省略~

よし、スープの下ごしらえはかんりょー。

後は…

上条「お、は、よ!」ガバッ

美琴「きゃ?!」

ちょろっとー、料理してる時に後ろから目隠しとかやめてよねー?危ないじゃない

上条「俺も朝メシの仕度手伝うわ。美琴ばっかに作らすのもわりぃし」ナデナデ

あう、私はコイツの頭撫で攻撃にはどうも弱いようだ

~以下引き続き48レス相当のみこっちゃん妄想ショーが続くため省略~


嘘でしょ、当麻

返事してよ

なんで、頭から血

~省略~

冥土「…結論から言おう。彼は二度と歩けない可能性がある」

冥土「彼が交通事故で脳の――」

リアルゲコ太の当麻の脳に起きた事象の解説が、右から左に流れていく。

何故、神様はここまで残酷なのか

~省略~

当麻、ほら、一緒にリハビリ頑張ろ?私、いくらだって付き合うからさ

上条「うるせぇよッッッ!もう、なんもしたくないんだよッ!人助けして、自分ばっかり傷ついて!もうイヤなんだよ!」

上条「…こんな事なら、助けるんじゃなかった」

あの上条当麻から、私のヒーローから、決して出ないはずの、出て欲しくない言葉が、彼の口から漏れた。

~省略~

上条「美琴、俺リハビリ始めてよかった。お前があの時発破かけて、俺を再び立ち上がらせてくれて、」

上条「ありがとう」

~いい加減にしやがれというくらい長いので省略~

上条(70)「ん?」

美琴(69)「子供達皆無事成人したし、離れていっちゃったのは寂しいんだけどさ」

美琴「あんたとまた二人っきりじゃない?」

上条「まぁ、な」

美琴「…ねぇ、いつだか約束したさ、一段落したら船で世界一周の旅しようってやつ。やってみない?」

上条「そーだな…いくか!」

それからも私達はずっと、一緒に……――――


ウート「ぜぇ、ぜぇ……い、いい夢見れた?つか見れなかったとかはマジ勘弁して。めっちゃつかれた」グッタリ

美琴「…」プルプル

美琴「……超、最高……!」

ウート「そりゃーよかった。3時間かかったんだし、いっぱいくれると嬉しいなって」

美琴「……」ゴソゴソ

美琴「今の手持ち全額の20万よ、私の気持ちだから」つ

ウート「」

美琴「また定期的にくるから!」ダッ

ウート「……ありゃしたー」


ウート「…マジつかれた…流石にあんなクソなげーのはもう絶対やらねぇ…」

ウート「まだ二人目なのにハードすぎね?俺は短時間幻覚専門なのに肉体労働級とかマジ勘弁してほしーわ」


一方「…あン?」

『あなたの望みを30分だけ叶えます!"叶え屋" ×一回300円 ○~料金はお客様がお決めください。延長:1時間まで~』

一方(くっだらねェ)カツッカツッ

一方(そんなホイホイ願いが叶うかよ)カツッカツッ

一方(興味ねェよ)ウロウロ

一方(どうせアレだろ?幻覚的なアレでアレなンだろ?)ソワソワ

一方(はっ、俺の望み、叶えられるもンなら叶えてみやがれ!)ダッ



ウート「っしゃーせー何をお望みっすかー」

一方「…どンな願いでも叶うのか」

ウート「現実には何も作用しないンすけどねー」

ウート「あくまであなたの頭の中だけで30分~1時間だけまるで現実に体験してるような気分になれっすハイ」

一方「…1時間頼むわ」つ1万円

ウート「…りょーかい。どんな感じの望みか教えてもらえます?」


ウート「…はい、かしこかしこまりましたかしこー」

ウート「はい、では、あなたの携帯に入ってたこの家族写メやら何やらをじーっと見てください…―――――」


――――

一方「…」スヤスヤ

黄泉川「おーい、そろそろ起きるじゃんよー」ペチペチ

一方「うっせェなァ…」

黄泉川「学校遅刻たらお前を叱るのは私じゃん?学校でまでお母さんに叱られたい!っていうならそのまま寝てていいじゃん」

一方「チッ」ムク


木原(数多)「やっと起きやがったかクソガキ…いつまでも小学生のガキみたいに愛穂に何度も起こさせてんじゃねーぞー」ズズー

一方「おはようクソジジイ、飲んでるコーヒーはたいてやろォか」

番外「ちょっとーにーちゃんよー、手を洗ってから食卓ついてよね!ナニ触ってるかわからない人とミサカごはん食べたくなーい☆」ケラケラ

打ち止め「桔梗ねーちゃんは今日も朝ごはん要らないのかな?ってミサカはミサカは家族が全員揃ってないのを気にしてみたり」

木原「ほっとけほっとけ」

一同「「「「「いただきます」」」」」

~学校~

土御門「よ、木ィ原くゥン」

一方「その呼び方やめろ」

エツァリ「おや、アクセラレータの方がいいんですか?」

一方「そォじゃねェよ、アクセントの問題だ」

結標「じゃああっくんでもいいかしら?」

一方「サラシむしるぞ」

上条「お前らいっつも仲いいな」

一方「眼科行けよ。つか向こうで浜面と青髪呼ンでンぞ」

土御門「今日はカラオケいこーぜい」

エツァリ「いいですね貴方はどうします?」
一方「あー、わりィ。今日は俺パスだ」

~病院~

冥土「また2万人の"妹達"の見舞かい?色んな意味で君も大変だね?」

一方「そいつらの面倒を見なきゃいけねェオマエほどじゃねェよ」スタスタ


一方「よォ」

妹達「おや、また貴方ですかほとんど毎日よく飽きませんね、とミサカ9030号はまさかミサカ達の誰かに好意でも持っているのかと勘ぐります」

妹達「今日の見舞品はなんですか?とミサカ00020号は一方通行見舞恒例の美味しい物へ思いを馳せます」

一方「今日はなァ…」

~再び家~

木原「おかえり、クソガキ」

黄泉川「おかえりじゃん」

芳川「あら、おかえり」

打ち止め「おかえりー、ってミサカはミサカはあなたを出迎えてみたり」

番外「おかーりー☆」

一方「……ただいま」

――――――



ウート「?これでよかったっすか?普通の日常だったみたいだけど…」


一方「………あァ、絶対叶わないからな」

ウート「…そっすか。満足いただけやした?」

一方「ああ」

ウート「あっしたー」ヒラヒラ

一方「…また来る」



一方(…別に、なかった事にしたいわけじゃねェ。誰かとどうこうなりたいわけでもねェ。ただ、ああいう物に少し憧れてただけだ)カツッカツッ

一方(誰に何と言われようと、どんな内容だろうと、キモい妄想をすンのは自由だしなァ)カツッカツッ

一方(家に帰るか。…いや、たまにはアイツらになんか買ってってやろ)


ウート「意外と皆真面目っつーか、何かに飢えてる内容ばっかだったな」

ウート「当初は×××とか[自主規制]とかばっかかなって思ってたけどそんなことはなかったぜ」キリッ

ウート「…もー疲れたから今日はへーてんしよ」つ[close!]パタン

ウート「今日すげー儲かったし、なんか美味いもん食いにいくかなっと」



上条「…あった!インデックスに教えてもらった叶え屋!上条さんも色々な妄想グヘヘを叶えてもらうッッ!」

[close!]

上条「……………不幸だ」ガクッ


終わり。ウート主人公SSがないからむしゃくしゃしてやった。

DQNネームのサイトで「最愛」という
名前を見つけてから今まで、絹旗さんの
名前を「もあ」とばかり読んでいたニワカの僕。


七レス貰います。

>>54に捧げます。砂皿×ステファニーです。

キャラの口調練習を兼ねてますのでクオリティは目を瞑ってやってください。


ステファニー「トリック・オア・トリート!」

砂皿「……」

ステファニー「トリック・オア・トリート!」

砂皿「……」イラッ

ステファニー「トリ~ックオアトリ~ト~」

砂皿「……」イライライラ

ステファニー「トリック! オア! トリート!」

砂皿「…………」イライライライライライラ

ステファニー「ト! リ! ッ! ク! オ! ア――――」

砂皿「うるさいっ!!」チャキッ!

ステファニー「ぎゃあ!? ちょっと砂皿さん、銃口向ける相手はこっちじゃありませんよ!? あっち! あっち!」アセアセ

砂皿「いやこれでいい。今日こそは貴様のその空気の読めないふざけた性格を叩き直してやる」パシュン

ステファニー「危ねえっ!! 砂皿さん! 今日の依頼狙撃ですよね!? 何故室内用の小型サイレンサー銃持ってるんですか!?」

砂皿「決まっている。目の前のクソガキを撃ち殺すためだ」パシュッ パシュッ

ステファニー「すみません! 集中しているところ大声で邪魔しちゃって本当にすみません! だから銃を下ろしてくださーい!」ヒイイイ!



5分後。


砂皿「……弾切れか」チッ

ステファニー「ぜぇ、ぜぇ……た、助かった……?」チラ

砂皿「たまにはマシンガンの使い心地を試してみるか」ガシャッ

ステファニー「やめてください! 砂皿さんがマシンガンを使ったら私100パー死にますから!」ダキッ

砂皿「おい何抱き着いているんだ! 離れろこのバカ!」グググ…!

ステファニー「残念ながらこれは罰なのでその話はきけません!」ギュウウウ

砂皿「罰だと?」グググ…!

ステファニー「トリック・オア・トリート! って、さっきから言ってるじゃないですか」
砂皿「……つまりあれか? 私からお菓子を貰うまで貴様はそうしているつもりなのか?」

ステファニー「はい! なんでしたらこのままでいても私は一向に構いませんよ?」ニコッ

砂皿「貴様に引っ付かれても煩わしいだけだと改めて認識したからパスだ」

ステファニー「……」ムス

砂皿「どうした、急に不機嫌そうな顔をして?」

ステファニー「……トリック・オア・トリート! 引っ付かれるのが嫌ならお菓子下さい!」

砂皿「……貴様、何か怒っているのか?」

ステファニー「怒ってません!」プイッ


砂皿「変な奴め……、いや元から変人ではあるが」

ステファニー「砂皿さん? 言っときますけど私のライフごりごり削れてますからね? 平然としてるようで心では大泣きしてますからね?」

砂皿「だったらさっさと離れろ」スッ

ステファニー「……これ、何ですか?」

砂皿「さっき町中で試供品だと言って配っていた歌舞伎揚げだ」

ステファニー「カブキアゲ?」キョトン

砂皿「煎餅の一種だ。この前食べたあられと同じ、米を用いて作った菓子だ」

ステファニー「あーあのサクサクで美味しいお菓子! あれと同じ物なんですかこれ?」

砂皿「使っている米は別だから食感は違うな。これはボリボリと食べる」

ステファニー「ほほう、砂皿さん、早速これ食べてみてもいいですか?」

砂皿「貴様にやったのだからいちいち私の許可を取る必要などない。好きにしろ」

ステファニー「じゃあ遠慮なく……。いただきまーす」ザクッ

ステファニー「……」ボリボリ

ステファニー「……」ザクザク ボリボリ

砂皿(気に入ったか……)


ステファニー「――――って、そうじゃなくて! トリック・オア・トリートですってば!」

砂皿「今渡しただろ」

ステファニー「えー? ハロウィンに煎餅あげるとか、砂皿さんのセンスって壊滅的――――痛い痛いすみません!」ジタバタ

砂皿「お菓子はお菓子だろう。いいから離れろ鬱陶しい」シッシッ

ステファニー「……そんなに、私に抱き着かれるのが嫌ですか……」ボソ

砂皿「……何?」

ステファニー「……何でもありません。お菓子、ありがとうございました」スクッ

砂皿「……そうか。ふー、やっと体が自由になった」コキコキ

ステファニー「それは良かったですね……」ムスー

砂皿「まったくな。さて、ステファニー、私から貴様に言わなければならない事があるんだが……」

ステファニー「……? いったい何です――――」






砂皿「トリック・オア・トリート」






ステファニー「…………へ?」


砂皿「トリック・オア・トリート」

ステファニー「え? いや、砂皿さん? 何をしてるんですか?」

砂皿「何だ、自分は相手からお菓子を貰う気満々だったのに、自分から相手に渡す気は0だったのか?」

ステファニー「ふぇ? いや、今お菓子持ってなくて……」アセアセ

砂皿「そうか。なら仕方ない、今度はこちらからイタズラさせて貰うとしよう」ニヤリ

ステファニー「ひぃっ!? 砂皿さんの笑顔怖っ! メチャクチャ怖っ!」

砂皿「お菓子を寄越さないと悪戯するぞ?」ジリ、ジリ

ステファニー「ス、ストーップ! 待って、すぐにお菓子用意しますからちょっと待って!?」ビクビク

砂皿「時間切れだ」ガバアッ

ステファニー「きゃああああああああっ!!」ビクゥ





ギュッ――――。





ステファニー「…………え?」


砂皿「フン、相手に抱き着かれるのと自分から抱き締めるのではやはり違うものだな」ギュウウウ

ステファニー「す、すすす砂皿さん?! こ、こここここれはいったいー!?」プシュウウウ

砂皿「……温もりが欲しかったのなら始めからそう言え」

ステファニー「え?」

砂皿「こんな世界に生きていたら、表の世界に戻りたくなる事もあるだろう。殺伐とした日々の暮らしで、表の世界の無償の優しさが恋しくもなるだろう」

砂皿「既に手を汚してしまっている以上、今更のこのこと表舞台に戻るのも気が引けるのも解る」

砂皿「それでも人と触れ合いたいのなら、私に相談しろ。貴様との関係は只の成り行きだが、それぐらいの事はしてやっても良いとは思っているんだ」

ステファニー「砂皿さん……」

砂皿「……さて、これぐらいで十分か? 私としてはそろそろ仕事に戻りたいのだが」

ステファニー「……あと、もうちょっとだけ、このままでいさせてください」ギュウウウ

砂皿「……あと五分だ。それ以上はやらんからな」

ステファニー「はい、ありがとうございます」ニコッ

砂皿「まったく、手間のかかる弟子を持ってしまったもんだ……」フッ


ステファニー(まったく、はこっちのセリフですよ。このニブチンスナイパー)

ステファニー(これだけアピールしたのに、温もりが欲しかったんだろとか、間違っちゃいませんけど少し的外れな事言ってくれちゃって……)

ステファニー「……ま、いずれ振り向かせてみせますよ」ボソッ

砂皿「何か言ったか?」

ステファニー「何でもありませーん♪」ギュッ!










終われ。


以上です。

こんなん書いてる暇ないのに……自スレほっぽいて何やってんだろ……。
それもこれも>>54さんのせいですね。>>54さんは責任をとって砂皿×ステファニースレを立てるべきだと思います。

じゃあ俺はうろ覚えでこれを。





幻生「僕ら木ィ原ファミリ~♪」

乱数「レベル5モルモット~♪」

数多「泣き出したーって容赦しない♪」

木原s「「「ぶっ壊していこう~♪」」」





病理「うわ懐かしっ」

加群「分かる人いるのかこれ」

テレス「歌詞原型留めてないから無理でしょ」

6レスほど頂きます。
上条と愉快な仲間たちのギャグです。
ほぼ台本形式です。
キャラ崩壊は勿論のこと、見てて気分を害する可能性が有りますのでご注意ください。その方はそっ閉じでお願いします。

常盤台中学の『超電磁砲』こと御坂美琴はただただ、帰路に就いていただけだった。今日もいつも通りの授業を終え、スーパーでゲコ太ストラップのガチャガチャを現を抜かし、蹴り慣れた(?)自販機に、偶には指向を変えてみようと新日本のオカダカズチカを彷彿とさせる打点の高いドロップキックを浴びせ、ヤシの実サイダーに有り付く。此が御坂美琴にとっての習慣であり、有り触れた日常であった。しかし今日だけは違った。


御坂「アンタ、どうしたのよ! しっかりしてよ、当麻! 当麻!」


御坂が上条当麻の名を叫んだ時には全てが了っていた。御坂にとっては思いがけない、有ってはならない邂逅だった。血の海に浸された道路に、蹲るようにして転がった人体が一つ。ほぼ瀕死状態に近いだろうが、まだ生に獅噛みついているようだった。息は止まってない。だが状況は依然として劣悪だ。全身の流血が止まらない。


御坂「何があったの! ねぇ、ねぇ! 返事してよぉ」

上条「……ぅっ、御坂か……?」

御坂「もうちょっとだけ我慢してて。今すぐ救急車を!」

御坂がポケットからスマホを取り出し、119の番号を押してスマホを耳に当てた刹那、上条の右手がそれを阻止した。

上条「大丈夫だ……御坂。だからちょっとだけ俺の話を聞いてくれ……」ウウッ


御坂「……分かったわ」


上条「昨日の夜のことだったんだ」


上条「昨日の夜、一方通行と呑んでいたんだ。酒を」タイゲンドメ


御坂(アンタら一緒に酒飲むど仲良かったの?)


上条「俺が発泡酒、一方通行は見たこともない酒だったんだ」


上条「俺が発泡酒を大切に少しずつ飲んでたら一方通行が


『ちまちま安酒飲ンでンじゃねェよ、三下ァ。見てるこっちが萎えちまうだろォが』


って言って、うん十万するシャンパンをグラスに注いでくれたんだ」


御坂(私の仇敵と仲の良さげね。私の心境は複雑なんだけど)

上条「そのシャンパンの神々しい赫きに見取れながら一口飲んでみたんだ」


上条「そして俺のもんじゃ焼きを一方通行の顔にぶちまけたんだ」オエー


御坂(女の子に話す内容じゃないわね)


上条「もんじゃ焼きじゃわかんねぇか? お[ピーーー]ロだぞ。[ピーーー]ゲロの方が分かりやすいか?」


御坂(もう伏せ字にもなってないわよ)


上条「兎も角、稍あって一方通行がキレ出したんだ」


御坂(当たり前よね)


上条「能力使ってくると思ったから、右手構えたんだ」ソゲブソゲブ


上条「ところがアイツは能力を使わなかった」


上条「アイツも俺の顔面にゲロ吐きやがったんだ」オエー


御坂(もう伏せる気もないのね)

上条「流石に俺もキレちまって、一方通行と二人して相手の顔面目掛けて吐きまくったんだ」


御坂(こいつらくさい)


上条「しばらく吐き合ってたら、部屋中に吐瀉物の雨霰」


上条「流石に汚かったから、掃除しようと一方通行に提案したんだ」


上条「普通の業者じゃゲロ塗れの部屋を綺麗に出来ないと思ったから垣根を呼んでみた」


御坂(垣根ってまさか序列第二位の?)


上条「垣根に綺麗にしてもらうよう頼んだら


『私の未現物質に常識は通用しません』


って言って腕捲りしたんだ」

上条「垣根は背中に6枚の羽根を展開させてゲロを吐き出したんだ」オエー


御坂(………)


上条「それはそれは凄かったよ。俺らのゲロと垣根の未現物質入りゲロが相殺されて消滅されていく」


御坂(学園都市のトップが揃いも揃って……。お母さん、学園都市に来てしまったことを後悔しています。ごめんなさい)


上条「垣根が一通り吐き終わった頃には部屋が綺麗になったんだ」


上条「そして垣根も交えて俺と一方通行でもう一回乾杯し直したんだ」カンパーイ


上条「そして皆で一気に飲もうとしたらキュイーンって音がした」


上条「未現物質が幻想殺しで消滅してまた、そこら中ゲロだらけになったんだ」ソゲブソゲブ


上条「そっから皆がキレて第一次学園都市大戦」ハハッ


上条「頑張って幻想殺しで応戦したけど、原子加速器と未現物質に勝てる訳ないよな。序列第一位と第二位には」ハハッ

上条「その戦禍から抜け出して今に至るってことだ 笑 ……って御坂、どこいった。御坂、おーい? ビリビリ中学ー?」


その後一般人の通報により上条は病院に運ばれ、多量出血により瀕死の状態だったものの、冥土返しによる最善の処置により一命を取り留めた。しかし上条に対する御坂の信頼心は二度と戻ってこなかったとさ


めでたしめでたし

ありがとうございました。
理由はギャグ物を書きたくなったので。
ではでは

予告的な

上条「どこだここ?」

アレイスター「やぁ、起きたかね幻想殺し」

上条「……おわぁ!なんだ急に眼の前に現れて!!」

アレイスター「私の名前はアレイスター・クロウリーだ」

上条「ああどうも、俺は上条当麻です……って、こんなことしてる場合じゃねぇ!どこだよここは!
 何かホテルの待合室みたいだけど俺は部屋で寝てたはずだろ!?お前がやったのか!?
 お前は何者なんだ!?インデックスはどうなった!!」

アレイスター「そう焦るんじゃない。ここは所謂精神世界のようなものだ。君の現実の身体はちゃんと君の部屋の風呂場で横になっているよ」

上条「精神世界……?」

アレイスター「別に誰かの精神、という訳ではないから厳密には違うのだがね。そして、そこに君を招いたのが私だ」

上条「招いた、ってことはお前が犯人ってことか。お前はいったい何者なんだ」

アレイスター「自分の街を治める人間くらい覚えておけと言いたいが、私の名前までは一般公開されていないからな。仕方ないだろう」

上条「街を治めるだって!?」

アレイスター「いかにも。私は学園都市統括理事長、アレイスター・クロウリー。以後お見知りおきを」

上条「統括理事長?統括理事会の、長ってことか。……めっちゃ偉い人じゃねぇか!」

アレイスター「そう言う事になるな。さて幻想殺し。君をここに招いたのには理由がある」

上条「は、はい」

アレイスター「敬語はいらない。楽な口調で話してもらって構わない」

上条「いや、そう言われましても上条さんは学園都市に住む一学生でして………」

アレイスター「超能力者や魔術師と何度も戦っていながら一学生とは」

上条「!!」

アレイスター「何故驚いた顔をする必要がある?もう一度言うが私はこの街を治めているんだ。
 禁書目録の事も、三沢塾の事も、絶対能力者進化実験の事も、アステカの魔術師の事も、ゴーレム使いの魔術師も、大覇星祭の使徒十字騒ぎも、ローマ正教神の右席達の来訪も、全て把握している」

上条「テメェ……」

アレイスター「もちろん、御使堕しのことも、シスター部隊の事も、アドリア海の女王の事も、C文章の事も、イギリスのクーデターの事も、第三次世界大戦の事もすべてだ」

上条「お前は、魔術師なのか」

アレイスター「そうであるともいえるし、そうでないとも言える」

上条「世界中で起きてた事をわかってながら、何もせずに放っておいたのか」

アレイスター「全て、ではないがね。かなりの部分は君たちに任せた」

上条「どうしてそんな事が出来んだよ!!お前は学園都市のトップなんだろ!?力を持ってて、それを使う事が出来たのに、何でそんな風に酷い目に会っている人達を放っておけんだよ!!」

アレイスター「プランの進行に、妨げが無いようにだな。私にとってはプランこそ全てにおいて優先するべきものだ」

上条「そのプランっつーのは世界中で戦争が起こるのより大層なもんなのか!?」

アレイスター「当たり前だ。何せ、世界が滅びるを止めるために練ったのだから」

上条「なっ……」

アレイスター「まあ今はそんなことはどうでもいい。君がここへ呼ばれた理由。それは、今いったプランに関係することだ。詳しくは言えないが」

上条「………それに従わなきゃならない理由は?」

アレイスター「考えても見給え。私は君の精神だけを君の意思に関係なくここへ持ってくる事が出来る」

上条「それに従わなきゃ、帰る事は出来ないってわけか」

アレイスター「端的に言えばそうだな。君を脅しているのだ。『自身と周りの人々の命が惜しければ、こちらの要求に従え』と」

上条「クソ………」

アレイスター「考えたいのならば、悩みたいのならば幾らでも悩んでもらって構わない。ここは便利な世界でな。この中で丸一日経とうと現実世界ではほんの数秒も経っていない。好きなだけ考えたまえ」

上条「要求に従う」

アレイスター「………ほう、早いな。いいのか?君の意にそぐわない事をさせられるかも知れんぞ?」

上条「どっちにしろ俺に選択肢はないんだ。だったら一秒でも早くお前の要求をクリアして、お前をぶん殴った方がいい」

アレイスター「ふむ。いい心がけだ」

上条「それで………俺は、何をすればいいんだ」








アレイスター「22番勝負、ガチンコ勝ち抜きバトルだ」



上条「……………………………………………………は?」



 

1戦目

上条「弱い奴から順番にやるっていってたからなー。最初ならせいぜい……」

一方通行「こっから先は一方通行だァ!!」

上条「」




6戦目

上条「おいおい、まだ前半もいいとこだろ?」

自動書記(インデックス)「………」

上条「アレイスター曰く魔神が、なんだってこんな前半に出てくんだよ!!」



10戦目

不良×5「ぶっ殺すぞコラァ!!」

上条「謝れ!!こいつらより前に出てきた超能力者と魔術師たちに謝れ!!」



13戦目
浜面「いくぜ、大将」

上条「神の右席より後に出てくる無能力者……テッラの奴は報われないな………」


16戦目
上条「……お前か」

土御門「来いよ、カミやん」

上条「おうよ、行くぜっ!土御門!!」


17戦目
キャーリサ「カーテナの力を思い知るがいいし!」

上条「これアックアと一緒に2対1でやっと勝った相手じゃねぇか!」


18戦目
神裂「手加減できるほど、私は器用ではありません」

上条「お次は聖人かよ………」


19戦目
上条「おいおい、まだ上に3人いるんだぞ?」

フィアンマ「俺様の右腕の糧となれ、幻想殺し」


20戦目
上条「………やれやれですよ」

アックア「行くのである」

21戦目
トール「見せてやるよ、上条ちゃん。『全能』の力を」

上条「来い」






22戦目


上条「最後は、やっぱりお前か」


アレイスター「ああ。全力で来い、上条当麻」


上条「行くぞ」





数多の死闘を潜り抜けた上条当麻の先に待つものとは!?


『上条「22番勝負?」アレイスター「勝ち抜け、幻想殺し」』予告編 完

おしまい。
スレは五日立てると思うよ。

数レスお借りします

姫神メインです

姫神「上条くんの周りには女の子がいっぱい」

姫神「しかもみんな。溢れんばかりの個性を持ち合わせてる」

姫神「合法ロリ教師。巨乳健康志向。大食いシスター。高Levelお嬢様。クールビューティー。etc……」

姫神「私には。そんな個性ない……」

姫神「私は。普通の女の子……」

姫神「だからこそ。私はその『普通』を磨くことにした」

姫神「とりあえず。参考にと用意した雑誌の恋愛特集と。少女漫画に載っていることをやってみる」

姫神「がんばれ。私」グッ

姫神「まずは男の子が好きそうな女の子になる」

姫神「最近の流行りは『守ってあげたい系女子』」

姫神「怖がりな女の子を守る。どうやら男の子の憧れるシチュエーションのひとつらしい」

姫神「というわけで」


姫神「上条くん」

上条「なんだ姫神」

姫神「私。こうみえて怖いものがダメなの」

上条「そうなのか? 意外だな」

姫神「幽霊とか妖怪とか特にダメ」

姫神「怖い話とか心霊番組は絶対見ない」

姫神「ガクブル」

姫神「……どう?」

上条「どうと言われても……」

姫神「おかしい……。何故だ」

上条「でも怖いのがダメなのか。ホラー映画のペアチケットがあったから姫神を誘おうと思ってたんだけど……」

姫神「!」

上条「苦手なら仕方ないか。吹寄でも誘うことにするよ」

姫神「!?」

上条「そういうことだから帰るな。また明日」スタスタ

姫神「また……明日……」

姫神「………」

姫神「………」

姫神「 (´・ω・`) 」

ーーー翌日ーーー


姫神「昨日は失敗した」

姫神「そもそも。吸血鬼を倒せる私が。ホラーが苦手というのがおかしかった」

姫神「だから。今日はうっかり系女子でいくことにする」

姫神「というわけで」


姫神「おはよう。上条くん」

上条「あ、あぁ。おはよう姫神」

姫神「………」

上条「………」

姫神「……上条くん」

上条「な、なんだ?」

姫神「何か気づかない?」

上条「……さ、さあ。わからないな」

姫神「………そう」

上条「………」

青ピ「(……なぁなぁカミやん)」ヒソ

青ピ「(なんでひーやんの肩にバナナくっ付いてるん?)」ヒソヒソ

上条「(……俺もわかんねぇ)」ヒソ

姫神ショルダーonバナナ(……バナナから始まる恋。上条くん。いつ気付くかな)ソワソワ

ーーー翌日ーーー


姫神「まさか。一日中バナナを付けて過ごすとは」

姫神「上条くんが鈍感なことを忘れていた」

姫神「失念。これはある意味うっかり系女子」

姫神「てへぺろ☆」

姫神「……こうなったら最終手段」

姫神「『ボディタッチ作戦』を開始する」

姫神「『ボディタッチ作戦』とは。意図的についうっかり手と手を重ね合わせたり」

姫神「さりげなく肩と肩を触れ合わせたり」

姫神「時には腕を組んだりと。ボディタッチをすることである」

姫神「恋愛特集p134より」

姫神「ここまですればいくらあの鈍感旗男でも。私を意識する」

姫神「……はず」

姫神「清水の舞台から飛び降りるつもりでやるのだから。意識してくれないと困る」

姫神「というわけ……」

小萌「HR始めるのですよー。ちなみに上条ちゃんは欠席なのです」

姫神「まじか」

姫神「なんてこったい。あの男」

姫神「よりにもよって今日休むとは」

姫神「土御門くんに聞いた話ではただの風邪らしい」

姫神「馬鹿でも風邪をひくとは驚き」

姫神「しかし。これはよく考えるとチャンスかもしれない」

姫神「漢字で書くと好機。それも絶好の」

姫神「風邪で倒れた上条くん。それを甲斐甲斐しく看病する私」

姫神「………完璧。私が上条くんの立場なら絶対に惚れる」

姫神「というわけで」


姫神「看病しにきた」

上条「……わざわざ悪いな」ゲホゲホ

姫神「気にしなくていい。とりあえずお粥を作ったから食べて欲しい」

上条「マジか……ありがとう姫神」ゲホゲホ

姫神「///」

上条「でも伝染るとまずいからあんまり近づかないほうが……」ゲホゲホ

姫神「大丈夫。ほら口開けて。あーん」

上条「あー……ん」モグモグ

姫神「あーん」


ーーー
ーー


ーーー翌日ーーー


姫神「……伝染ってしまった」ゲホゲホ

姫神「38度6分。地味に高い……」ゲホゲホ

姫神「学校も休んだ。計画も今日は中止」

姫神「頭も痛い。寒さで震える」

姫神「上条くんから伝染った風邪ウィルス。ぱねぇ」ゲホゲホ

姫神「それなのに上条くんは今日。元気に学校に行ったらしい」

姫神「恐るべき回復力」


上条「というわけで」

上条「昨日のお返しに看病に来ましたよーっと」

姫神「わざわざありがとう」ゲホゲホ

上条「うどん作ったけど食べれるか?」

姫神「食欲はある」

上条「じゃあ。あーん」

姫神「あー……ん」モグモグ

上条「早く良くなるといいな」ニコッ

姫神(上条くん。やっぱり優しい)

姫神(優しくて。強くて。勇敢で。少しドジで。かなり鈍感で……)

姫神(彼の素敵な個性)

姫神(私は。そんな個性を持つ彼が……)

姫神「………」

姫神(というわけで)

姫神(明日からまた頑張ろう)

小ネタを1レス(このネタ分かるかな…)



「……結局、通り魔にされたあの子も被害者の一人だったんだ」


木原加群の無表情が、僅かに歪む。
そこから『まっとうな』怒りが表出する。


「――だからこれは、せめてもの復讐さ。私とお前、加害者二人が倒れる事で初めて成立する復讐だ」


自分のやった事にケリをつける。
木原病理がかつて否定しようとした『先生』が、目の前に立ち塞がる。


「あらあ、困ったわあ。加群ちゃんたらまーだまだ折れていないみたいですねえ」


メキメキという音が、笑う木原病理の体内から響き渡る。
明確に、攻撃の準備が進む。


「――だったらちゃんと折らないと。他人を諦めさせるっていうのは、全てを諦めた私が唯一諦めたくないスタイルなんですからねえ!!」


木原と木原の激突が、始まる。





この後滅茶苦茶セックスした。


数レスもらいます。
タイトル、後書き含めとても新刊ネタバレ注意。
区切りの関係上1レスが短い。
宗教知らない人間が適当書いてる。
キャラ崩壊、理由は一応後書きに。

ごめんね、新刊解禁後にニッチなネタを落としていってごめんね!


















「テッラさんと話す」






たまには自ら誰かに対話を求めたりもする。


その時の相手が彼だったのは完全にたまたまだ。

もっとも上条自身に「その時」なんて認識はないし、
他の機会が存在していたのかも知りようがない。






「……すみません」

「なんですかねー?」

「少しだけ、話を聞いてもらえませんか」

斜陽の中、去り際の背を呼び止めてみる。
首を捻って同行者を先に帰した彼――神の右席が一、左方のテッラと向かい合う。

「いいでしょう。異教の徒であれ、救いを求めるならば」

過去に対峙した時とは表情も態度も違う。
小麦粉を引っかぶっておらず肩から荷物を下げた姿はとても魔術師には見えない。
それでも、いくら科学の街で出会ったとはいえ上条を一目で異教徒と断じるあたり、彼のローマ正教センサーは感度良好みたいだ。

だからこそ『見方』は違えど彼がテッラその人であるとまざまざ実感する。




「俺、あんまり十字教に詳しくないので変なこと言ったらすみません。
 誰かのために身を粉にするみたいな聖人の言い伝えってあるじゃないですか」

神裂や後方のアックアみたいな体質としての『聖人』ではなく、一般に広まる教えの中の人物として。

「まぁ、聖人とされる理由は人それぞれですが。
 施しや献身はしばしば語られる点ですねー」

異教徒の、つたない知識をむしろ歓迎するように彼はうんうんと頷いた。
俺の力ではこうなれなかった。
密かに右の手を握る。

「もし、自分が辛い思いをすることで、沢山の人が幸せに――『より』幸せになれるとしたら。
 自分の身を切ることを、どう思いますか」

「……神の子は全ての人の罪を負い、全ての人のために十字架を負いました。
 もちろん人の身を神の子に重ねるなど傲岸不遜、おこがましいにもほどがありますねー」

ただ、と。
テッラは噛みしめるように瞼を閉じる。

「神の子を心の内に感じる時、他者のために自らを捧げる道は光に照らされているでしょう。
 それは尊いことだと、証明されているのですから」




「たとえば、俺の友達が『今よりもっと』幸せになったとして。
 俺が引っ叩かれなきゃ友達の幸せが取り上げられてしまうとしたら、俺は我慢していいんですよね」

人の生き死にとかは持ち出しちゃいけない気がした。
多分それに触れるなら、十字教徒の彼は否と言わざるを得なくなる。

「ふむ、ちょっと難しい問題ですかねー。
 友を思う気持ちは素晴らしいですが、頬を腫らしたあなたを見れば友人は悲しく思うでしょう。
 あるいは腹を割って二人で最善を模索するのもいいんじゃないですか」

「理由があって話すことはできなくて、それに今すぐ決めなきゃいけないとしたら」

返す言葉は早口に。
ゆったりと、軽い口調のくせ静かに語るテッラとは対照的だった。

人に選択の正しさを保証してほしいなど、意気地のないことだ。
目の下のあたりの皮膚がいたたまれなく歪もうとする。

「では己の良心に問うことです。
 後悔のないよう、明日の自分が恥じることがないよう、与えられた限りの時間悩み抜いて答えを出すといいですねー」

そうだ、とばかり彼は荷物からプラスチックコップと水筒を取り出し、茶色の液体を注ぐ。

「どのくらい時間がないか分かりませんが、この一杯を飲みながら落ち着いて考えてはどうでしょう」

話とコーヒーの礼を言って、上条は今度こそ公園を去る十字教徒を見送る。
気候までも世の平和を表しているのか暮れゆく学園都市はいまだ暖かい。

元いたベンチにゆっくり戻ると、上条はコップに口を付けた。






迷いを振り切るような苦味の残滓を感じながら立ち上がる。
見上げた先はすらりと天に伸びたビル。

後に上条は聖人になんかなれないことを知るのだが、それはまた別の話だ。





テッラさん!テッラさん!テッラさん!テッラさんんんんんんあぁああああああああああああああああああああああん!!!クンカクンカ!スーハースーハー!ワインの匂いだなぁ…くんくんんはぁっ!アイスコーヒー飲んでるテッラさんかわいかったよぅ!!ううっうぅうう!!俺の想いよテッラさんへ届け!!天国の門の前のテッラさんへ届け!(抜粋)

駒場さんやフレ/ンダや数多んが作中で言及されるたびに信じて待っていた甲斐がありました再びテッラさんの描写が読めると。

テッラさんがテッラさんらしくないのはフィルターさんのせい。

ごめんね、俺のよm テッラさんへの滾る情熱だけで書いたので中身のない話でごめんね!

数レスお借りします。

新約9巻のネタバレを含みますのでご注意ください



上条が目を覚ました時、そこは暗闇だった。
黒一色の世界。闇に満たされた世界。上条当麻とオティヌスしか存在しない世界。

(また……ここか……)

数十か、数百か、はたまた数千か。上条にとって幾度となく繰り返してきた世界がそこにはあった。
『魔神』によって強制的に繰り返させられている世界が。

上条はゆっくりと周りを見渡し、この世界にいる自分以外の存在の姿を探す。
魔術を極めきった存在で、グレムリンという組織のトップで、この世界を創り上げた張本人である『魔神』の姿を。

そして彼女は『そこ』にいた。
上条当麻のすぐそばに。

まるで愛し合う恋人同士が寄り添う様に。愛する我が子を抱きしめる母親の様に。愛を確かめ合う動物のつがいのように。

少しでも身体を動かせば触れてしまうような距離。いつの間にそんな近くまで来ていたのか上条にはわからなかった。わかったところで関係などない。
彼女の接近に気付こうが気付かなかろうが彼のやることは変わらないのだから。

上条「っ!」

ヒュッ、と風を切る音が鳴る。
上条が右の拳を眼前の少女の持つ槍に向けて突き出した音だ。なんの構えもない状態から放たれた拳にしては十分な速さとキレを持っている。
しかしその拳は槍どころか、それを所持する少女にもかすりすらしなかった。

「お前はいつになったら折れるんだ?」

そんな声が上条のすぐ後ろから聞こえた。

上条はそれに対して何も言わず、振り向きながら裏拳を繰り出した。当たった感触はない。

「いい加減楽になれよ」

今度は上条のすぐ左隣から聞こえた。

「全て捨ててしまえ」

次は上条の真上から。透き通るような白い脚で上条の両肩の上にバランスよく立っている。

「くそっ!」

上条は身体を大きくひねって少女を振り落とそうとする。しかしその時には既に少女は上条の肩から降りていた。

「まったく、話のわからない奴だな」

どこからか少女の声が聞こえる。

「私の提示した話のどこが不満だ?」

背後から、隣から、真上から、真下から。

「私にとっては当然。お前にとっても、命が助かるのだから悪い話じゃないだろう?」

ーーー正面から。上条の目と鼻の先。どちらかがほんの少し前に顔を突き出せば唇と唇が重なる距離。

「もう一度だけ言うぞ」

少女はゆっくりと、語りかける様に、諭す様に話す。

「いい加減ーーー」

上条の目を見据えて。

「いい加減、私のーーー」

うっすらと笑みを浮かべながら。

「いい加減私のモノになれ」

衝撃的な一言を。

「お前が欲しい。お前の全てが欲しいんだ」

「お前の心も身体も」

「頭のてっぺんに生えている毛の先から足の指の爪の先まで」

「誰かの為に向けるその優しげな視線も。誰かの為に流す涙も。誰かの為に憤るその姿も」

「その全てを私のモノにしたい。私だけのモノにしたいんだ」

「だから……だから世界を破壊した」

「お前の姿を私だけのモノにする為に。お前の視線を私だけに向ける為に」

「お前の吐く息を植物なんぞに与えない為に。お前の流す汗を大地なんぞに吸わせない為に!」

「…………お願いだ」

「この世界で2人で生きていこう」

「 」

上条当麻は絶句した。
理由は言わずもがな。
世界を滅ぼすほどの巨悪がただのヤンデレだったのだから。

いや、『ただの』というのは少し違うかもしれない。
基本ヤンデレのみならず
依存ヤンデレ、執着ヤンデレ、束縛ヤンデレ、無理心中ヤンデレ、外部攻撃ヤンデレ、相手中心世界ヤンデレ……etc
彼女はそれら全ての性質を備えていた。

魔神系ヤンデレである。

世界を繰り返す度に彼女がこの『暗闇の世界』で上条に提案していた『私のモノになれ』という言葉。

上条ははじめ『幻想殺し』を警戒したオティヌスが部下になれとか、奴隷として仕えろなどと言っているものだとばかり思っていた。

そのために、いくつもの世界を見せ上条の精神を削り絶望を与え心を折ろうとしているのだと。

まさか言葉通りの意味だとは思わず。


「………どうだ?」

オティヌスは尋ねる。片方しかない瞳に鈍い光を灯し。

「……っ……ぁ」

それに対して上条はまともな言葉を返せない。当然といえば当然だ。話がぶっ飛び過ぎている。

「………やはりまだダメか。もっと精神に深い傷を与えないと」

「っ!?」

「次はいったいどんな世界をお前に見せようか迷うな。あまりにも酷な世界を見せてお前の精神が完全に壊れるのは嫌だからな」

そう言うとオティヌスは『槍』を掲げーーー

「待て!」

「!」


「ほう……?」

オティヌスは上条の声に対し思わず口元を歪め、掲げた槍をゆっくりと下ろしその穂先を漆黒の大地に突き刺した。

そして上条の次の言葉を待つ。
しかしいくら待てども上条から次の言葉は紡がれない。
やがて、しびれを切らしたオティヌスのほうから話しかける。

「言いたいことがあるのなら早く言え。でないと次の世界は今まで以上にキツいものにするぞ」

「……ま、待て…待てよオティヌス! なん…なんだ。なんなんだよ! どういうことだ!?」

「俺が…欲しいだとか、この世界で2人で生きていこうだとか……。訳がわかんねぇよ!」

「お前はいったい何がしたいんだ!?」

「『あんな世界』を俺に見せて! 心をへし折ろうとして! 絶望を与えて!」

上条による心の底からの叫び。
それに対してオティヌスは軽い調子で、しかし言葉には重たい意味を持たせ答えた。

「お前が欲しい。ただそれだけだ。それ以上でもそれ以下でもない」

「…………は」

話が通じない。上条はまずそう思った。
もともと話が通じる相手ではないことは重々承知していたがいくらなんでも度が過ぎている。

「なんだ? 言いたいことはそれだけか? 聞きたいことはそれだけなのか?」

オティヌスはがっかりした様子で槍に手をかける。次の世界を創り出すために。

「次はどうしようか。流石にバリエーションが尽きてきたな」

槍の柄を軽く握り考える。

「決めた」

オティヌスはそう一言呟くと槍を握る手に力を込めそしてーーー



オティヌスが創り上げた世界で上条に与える精神的苦痛。実のところ、それにはどれも共通点があった。

とある世界では上条に痴漢冤罪を押し付け周囲の女から嫌われるようにした。

別の世界では上条以外の全ての男女が仲睦まじいカップルとなり、ただ1人上条だけを孤立させた。

また別の世界では法律を改正してラッキースケべを重罪とし、世界中の女から糾弾されるように計らった。

つまり、全ての世界で女性の上条に対する好意を消し去り、悪意と敵意と嫌悪感のみを持つように設定しているのだ。

そしていま一度、『暗闇の世界』でオティヌスが優しく語りかける。
上条に対し好意を携えた唯一の女性として。

方法としては怪しげな宗教団体や不安を煽る詐欺師と近い。
絶望のどん底を突き落とした後、たった一つ救いの手を差し伸べ、依存に導く。
異能の力に頼らない洗脳や催眠のやり方だ。

「早く折れてくれ」

そして彼女は祈るように呟く。

「私は早く『理解者』が欲しいんだ」

願うように囁く。

「私を愛してくれる『理解者』が」

望むように語る。

「だから…だから早く……」

不敵な笑みを浮かべ、何かを待つように。


上条当麻が折れるのが先かオティヌスが壊れるのが先か。
どちらにせよそれはもはや時間の問題………

終わりです。
イー・モバイルとガラケーからなんでID変わりまくってます。

書いてから思ったけどジャンルがよくわからなくなってしまった……

とりあえずまあ10巻のデレオティヌスに期待

カービィやってたら思いついた。
というか知ってたら誰もが一度は妄想したことあるはずの組み合わせ





あるところに、一つの星がありました。

その星、ポップスターの中に、たいようがあくびをし、つきがいねむりをこくほどへいわな国がありました。

その名も、プププランド。


あるとき、プププランドがなぞのくろい雲におおわれます。


それをひきおこしたはんにんの名は、『ダークマター』。


かこにもプププランドのたからもの、『にじのしずく』をかくし、プププランドをあんこくにおおおうとしたわるいやつです。


しかし、それはある者にとめられました。



『星の戦士』、カービィ。


いくどとなくぎんがとポップスター、そしてプププランドをすくった、星々をまたにかける戦士。


まえにいちどたおしたはずのダークマターがふたたびあらわれたのは、ダークマターをさらにあやつるあくのおやだま、『ゼロ』がいたからでした。


カービィは、リック、カイン、クーや、グーイなどのこころづよいみかたとともに、ゼロをうちたおすことにせいこうしました。


こうしてカービィはふたたびプププランドをすくい、またへいわなくらしをとりもどした・・・・・・はずでした。





ダークマター(許サン……)


ダークマター(星ノ戦士、奴ダケハ私ガ殺ス…………!!!)


銀河の果て、遥か彼方。

ゼロが滅ぼされた今、彼を縛るものは無くなった。

彼のダメージも大きい。しかし自分は滅びてはいない。


ダークマター(力ヲ蓄エル)


ダークマター(タダナニカヲ乗ッ取ルノデハナイ……私ト適応スルダケノ力ヲ持ツ者ガ居ル世界ヘ行クノダ)


ダークマター(私ハ必ズ………必ズ貴様ヲ殺スゾ、星ノ戦士!!)





彼は、そうして別の世界に旅立った。



そして、見つける。


「私ノ力ヲヤロウ……『未元物質』(ダークマター)、垣根帝督」

「その力があれば、第一位を殺せるかもしれねぇな、ダークマター。だけどテメェはただで俺にそんないいモンをくれるような奴には見えねぇぜ?」

「貴様ノ精神ヲ乗ッ取ル事ハ、容易デハナイダロウ。ソレホドマデニ、貴様ノ精神ハ強固ダ」

「そいつぁあどーも」

「ソシテモウ一ツ。貴様ノ『未元物質』ハ、貴様ノ精神ト呼応シテイル。ヨッテ貴様ノ精神ヲ奪イ取ル価値ハナイ」

「じゃあテメェは何が望みなんだよ?」

「『星ノ戦士』ヲ殺ス。ソレダケダ」

「ははっ、気が合いそうじゃねーかダークマター。良いぜ、テメェの力、受け入れてやる」

「デハ、私タチハ一ツニナル」

「ダークマターにダークマターで、ダークマター2ってか?」

「名前ナドドウデモヨイ。好キニ名乗ルガイイ。ソレガ私ノ名ダ」

「ああ、ようこそ、俺の身体へ」




「ハハハハハハハハハ!!!こりゃすげぇ!!!んだこの力は!!!」

(―――――私モ想像以上ダ。貴様ノ『未元物質』、貴様ハコレノ持ツ可能性ヲ活カシキレテハイナカッタノダ)

「あぁーーーーー!世界が変わって見えるって奴か?最高に気分がいい」

(―――――シバラクハ私ノ力モ好キニシロ)

「太っ腹だねぇ。じゃあ星の戦士ってヤツを殺す時だけはお前に身体を譲ればいいのか?」

(アア)



「ぽよ」

「朝起きたら、ベランダにピンク玉が転がっていた。なにを言ってるかわからねーと思うが上条さんにわかるのはまた不幸な予感がする事だけだ」

「ぽぺ?」

「………はぁ、もう慣れっこですけどね?お前はいったい何なんだ?」

「カービィ!」




「なンなンですかァ!?その力はァ!!!」

「みみっちいな、第一位。あんなに憎かったお前も今思えばただのムシケラだ」

「オマエのその『黒い翼』!!!『未元物質』じゃねェだろ!!?」

「『ダークマター』だぜ、まぎれもなくな」

「くそがァ……」

「お前のその黒い翼も、前の『未元物質』ならおそらく身体ごとズタズタに切り裂かれかねなかっただろうな。………だが今は、格下だ」

「あなた……!」

「すっ込んでろ打ち止めェ!!!」

「じゃあな、第一位」



「――――――――――――ぽよーーーー!!!」「待て、ダークマター!!!!」



「ッ!?」

「アイツは……幻想殺しと、ピンク玉?」



(―――――遂ニ、会エタカ)



「お、おい、ダークマター?」



(星ノ戦士ィィィィィィィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!!」








科学と銀河が交差した時、新たな物語が幕を開けた――――。




「集エ、我ガ元ヘ」


「ぐ……カービィ……」


「ペポ……」


「星ノ戦士ニ敗レシ者タチヨ」


「ナイトメア」


「マルク」


「ゼロ」


「ゼロツー」


「ダークマインド」


「マホロア」


「セクトニア」



「『ソウル』」


(ダークマターじゃ抱えきれなかった『闇』を、俺の『未元物質』が全て受け止める……俺はもう、銀河最強だ)


「ペポーッ!!!」


「カービィ!!!」



「カービィ、俺を吸いこめ」


「ぽよ!?」


「お前は吸い込んだものの力をコピーできるんだろ?なら、俺の右手もコピーできるはずだ」


「ぽよ、ぽよ!」


「そんなこと言ったって、もうアイツを倒せるのはこれしかないだろ?」


「ぽよ……」


「カービィ!!!」


「ぽよっ!」


「………信じてるぜ」


「………ペポーーーーー!!!!!」




「何ダ……ナンダソノ力ハ!!」


(星の戦士の力、星々の希望を集める力だけじゃねぇ!!………これは、まるで幻想殺しの………!!!)


―――――コピー能力。






「―――――『イマジン』!!!!!」






ダークマターと未元物質、星の戦士と幻想殺し!

二つの世界が交差した時、彼らは新たに物語を紡ぎ出す!


『とある幻想と星の戦士』乞うご期待!

やべ、ダークゼロ忘れてた………

>>267

「集エ、我ガ元ヘ」


「ぐ……カービィ……」


「ペポ……」


「星ノ戦士ニ敗レシ者タチヨ」


「ナイトメア」


「マルク」


「ゼロ」


「ゼロツー」


「ダークマインド」


「ダークゼロ」


「マホロア」


「セクトニア」



「『ソウル』」



(ダークマターじゃ抱えきれなかった『闇』を、俺の『未元物質』が全て受け止める……俺はもう、銀河最強だ)


「ペポーッ!!!」


「カービィ!!!」

お目汚し失礼。
いつか立てるかも知れない。

2レスほど借ります。過疎ってるとこ申し訳ありませんが艦これネタです。



~~~鎮守府執務室内~~~


木原「……」バキ、ボキ

大和「……」ダラダラダラ

木原「なあ、大和ちゃんよー」

大和「は、はひっ!?」ビクッ!

木原「お前はいつもいつも愚痴の一つも言わねーで頑張ってくれて、俺はとーっても感謝してるんだけどよぉ?」

大和「ご、ごめ、なさ……」ブルブル

木原「オイオイ、何で謝るんだよ? 俺は誉めてやってんだぜ? いやー、凄かったなあの大火力! 敵艦が一発で木っ端微塵だぜ?」ギロリ

大和「ひ――――」











木原「何回言やあ雑魚艦集中砲火すんのやめろっつってんの理解すんだこのクソアマがあああああああああああああああっ!!」ガシャアアアン!


大和「ごめんなさーいっ!」ビエーン!










今日も鎮守府は平和です。


以上です。流行に乗ってみたかったんだ…

設定としては星になった木原くンがなんか超魔術的偶然で艦これ世界に飛んだ。という感じです。

尚我が鎮守府に大和は着任してはいない模様。

浜面「楽しかったぜぇ!お前との恋人ごっこぉ!!」

滝壺「」

こうか

浜面「楽しかったぜぇ! お前らとの友情ごっこぉ!」

アイテム「」

こうでも良いな

浜面「楽しかったぜぇ! お前らとの家族ごっこぉ!」

アイテム「」


浜面「…俺がいなくなっても、忘れないでくれよ…?」ダッ

滝壺「はまづら……っ!待って!行かないで!私、まだはまづらに伝えてないことが…!」

ドガーン!

滝壺「はまづらぁあああ!!いやぁあああ!!」

のが良くね?

アレイスター「私のターン、ドロー。
       手札より装備魔法『衝撃の杖』を私に装備!
       さらにフィールド魔法『虚数学区』の効果を発動。私の場に『ヒューズ=カザキリ』が存在がする時、
       相手の場の『法の書』をリリースする事で『守護天使エイワス』を特殊召喚する!」

序列の下の方から神候補に選ばれた。

周りはそれを幸運だと言った。



もう一人の神候補があいつだった。

兄弟で、序列の上位で、堕天しているというあいつ。

司祭達は稀有な聖戦だと言った。

歴史的な聖戦に仕えられて幸運だと言った。

俺は、

「これが幸運? …こんな幸運俺はほしくなかった」

「あぁ、じゃあ決めたよ、契約の代償に差し出す物」

「―――俺の”幸運”だ」



”幸運”を手放して神候補となった天使、上条当麻

「俺は神託を受けた者」

「次の神になるために、神の力を得る事を定められている者だ」

蔦と皹に覆われた洋館。
割れた窓からの風雨に晒された室内はひどく痛み、朽ちた床が口を開けて侵入者を待ち構える。
僅かに残ったカーテンやソファからは埃と黴の匂いがした。
トン、と軽い音を立てて窓を乗り越える小柄な影。
まるでスキップでもするような足取りで、無事な床を選んで軽やかに廊下を進む。

と、

「番外個体」

低く静かな声で名前を呼ばれる。
途端、少女―――番外個体は嬉しそうに顔を綻ばせ、己を呼んだ声の主へと歩み寄った。

吹き抜けのホールをぐるりと囲んだ二階の廊下。
大きな出窓のようになっているそこは、罅割れてはいるもののこの屋敷の中で比較的無事なエリアだ。
その縁に、一人の男が腰掛けていた。
外から持ち込んだらしい綺麗なクッションとシーツを背凭れにし、長い脚を組んで本を読む若い男。
番外個体はそっとその横に立ち、端正な顔立ちを覗き込む。

「ただいま、第一位」

「おかえり、番外個体」

ぱたんと本を閉じる音。
血のように赤い瞳が、白い前髪の中で微かに揺らぐ。

「ごめんね、あいつのこと殺せなくて」

「別に。また気が向いた時にやればいいだろ」

「あん」

申し訳なさそうに告げる番外個体の頭を、男―――一方通行はくしゃりと撫でた。
細い、けれど男らしい手に撫でられて、番外個体は嬉しそうに声を上げる。

「さすがミサカのご主人様っ、余裕な人ってかっこいい♪」

ぎゅうと抱き付いて、咎められないのを確認するとその脚を跨いで向かい合う。
ほぼ密着した状態で見上げた顔は薄く笑っていた。

「最初の神の力を取れたから機嫌がいいの?」

「あァ、神になンのにふさわしい寛大さだろォ?」

ゆっくりと呟いて一方通行が虚空に手を伸ばす。
その掌に現れたのは、四角いキューブ状に封印された、黒く小さい十字架。
それが堕天使の力で歪められた”神の力”だと、番外個体は瞬時に理解する。

「素敵♪ 神の力、早くミサカにも食べさせて」

誘われるように神の力の方を向きかけて、背後からそっと抱き締められる。

一日の終わりを告げるチャイムが鳴る。
途端、あちこちの教室から賑やかな声が上がり、それまで静かだった校舎は一気に喧騒に包まれた。
その騒がしい校舎の一角。
まるでそこだけ別空間のように、しんと静まり返った部屋。
長めの髪をツインテールにした少女がノックもせずにドアを開け、中の様子を見て溜息を付く。
「…まったく、こんな所を見られたらどうするんですの」
怒ったように漏らすものの、その口元は笑っている。
少女の視線の先には校長室にでもありそうな仰々しい応接セット。
その上に、
「………、」
長い手足を投げ出して眠る、一人の少年の姿があった。
「あぁもう、また開けっ放しにして…」
肌寒い気がして室内を見やれば、一番右端の窓が開いている。
初夏とはいえ今年はまだ冷える事が多いのに、と少女は呆れながら窓を閉めた。
そのままカーテンも閉めようとして、ふと、ソファの方を振り返る。
差し込む陽光に照らされて、きらきらと揺れる柔らかい白髪。
閉ざされた瞼を縁取る睫は長く、穏やかな寝顔は少女のように見えなくもない。
「まるで眠り姫ですわね」
カーテンを閉めるのは止めて、そっとソファの方へと歩み寄る。
その僅かな時間で前髪を手で直し、襟元のリボンを調え、短いプリーツスカートの裾を軽く払う。
掛けていた眼鏡はサマーベストのポケットに突っ込んで、そのままぐいと顔を近付けた。
触れてしまいそうな程の距離。
薄い唇がうっすらと開いて―――。

>>326
読み辛いな


なかなかスレとしてきちんと構成出来ないので、映画予告風に投下して個人的にすっきりします。
3レス程おかりします。



「専門の研究内容は?」

木原一族には、それぞれ専門的な受け持ち、研究内容がある。
世界平和から兵器開発まで、目的も過程も様々。
そして、それら全ては必ず不幸や悲劇をもたらす。
否、正確にはその中に多少の功績は含まれている。
しかし、『木原』というだけで、否応なしに悲劇の仕掛けがなされてしまう。

科学に目一杯愛された鬼才。

程度に差はあれど、悪意や善意の違いはあれど。

彼らの生み出す科学技術は魅力的で―――悪魔の知恵。




「『救済』だ。全人類の救済を」

そのためなら、どのようなことでも手をかけよう。

見目麗しい青年はにっこりと笑んだ。
その笑顔が悪魔のそれか天使のそれか、判断されるのは研究の成果次第。
『木原』らしく非合法の研究所に入って最初に彼が答えたシンプルな目的。

「それはまた面白い」

人を救うためなら何だってする。

おおよそ『木原』らしからぬ考え。
けれども、彼は確かに『木原』だった。

フィアンマ=木原=マリート。

それが、救済を研究する男の名だった。


「『絶対能力者進化実験』の買い上げェ?」

驚愕と困惑に、一方通行は不可解そうな表情を浮かべた。

「死んだ"あの子達"は、もう二度と帰ってこない」

空を見上げ、少女はぼんやりとした表情で呟いた。

「学園都市との直接交渉権を、俺に?」

思わず硝子製のグラスを取り落とし、垣根帝督は首を傾げる。






「それで、どうするつもりかね」
「洗脳技術、催眠、『異世界の法則』。
 全て手に入れたことだし、そろそろ救いを始めるとするよ」

赤いスーツの上に白衣をまとい、青年は退屈そうに宣言する。
この世界は、彼の手のひらで弄ばれる玩具に過ぎない。



   「アンタ、まさか――――」


                   「お久しぶりです、お姉様。とミサカは挨拶します」

   少女の願いは成就した。

   
 
                  悲劇は無かったことにされていく。




   「こンなクソッタレの俺でも、やり直せるかもしれねェンだ」



                     「さあアレイスター、俺の要求を呑んでもらうぜ」


   少年の願いは成就した。



                  神の上に君臨する者は、静かに静かに微笑む。




   「今居る人間はあまりにも『不完全』で救い難い。
     そこで、新しい人類を用意することにした。素晴らしいだろう?」


                       「従わない人間は全て催眠と洗脳<チカラ>で変える。
                                 俺様がこの街を、世界を救う!」


「そォか。………此処が地獄か」

                 「い、や。いやあああああああああああ!!!!」


「『これ』は、俺よりも常識が通用しなさそうだな。だが、殺される訳にゃいかねえんだよ」



       「俺様は、どんな手段を用いても、あの少年を取り戻したい」

              「それが、俺様の救い」



            崩壊する学園都市と、原初なるヒーローの不在。
           一人の『木原』が巻き起こす、科学と魔術の戦争。



                               「久しぶり、フィアンマ」


以上です。
お目汚し失礼しました。きちんと構想まとまったらスレ立てたいです。

木原ンマさん格好いいな! スレ立て期待してる


>>304とか>>318とか>>324書いた者です
とりあえず連休入ったから見に着たり


>>329
投下時行間開けたし、直後のリロードでも自分の表示は問題なかったのに…
言われて気づいた、読み難くて申し訳ない


禁書人狼、実際のプレイログにキャラ当て嵌め改変だから、ただログ読むのと変わらないんだけど…
一応PR村のログだけど、赤ログとかあるとネタバレするよなぁってなって今ちょっと苦戦中orz

で、ちょっと人狼の説明用SS書いてみたんだけど、良かったら意見下さい
って事で8レスお借りします

「「「「「「汝は人狼なりや?」」」」」」

打止「ってなぁに? ってミサカはミサカは聞きなれない単語に首を傾げてみる!」

禁書「アメリカのLoony Labs.が2001年に発売したゲームだね。元々はヨーロッパで遊ばれてたパーティーゲームなんだよ。
   日本では村人vs人狼の設定が主流だけど、海外ではオリジナルのマフィア版のほうが主流かも。

   えっとね、簡単に言っちゃうと、【村人と人狼が生き残りを賭けてトークバトルする】ゲームなんだよ!」

神裂「で、なんでその…ゲーム? の話をしてるのですか?」

御坂妹「ミサカネットワークで話題になったので、とミサカは未知の遊戯に思いを馳せつつ簡単に答えます」

神裂(ネットワーク?)

打止「ミサカ達は世界中に配属されてるから、ネットワーク上でできる遊びをしてみたいのってミサカはミサカは人狼について書き込んだ下位固体の心を代弁してみる!」

小萌「インターネットを使えば、実際には会えなくてもお友達と遊べちゃうからですか?」

禁書「それで、くーるびゅーてぃー達は人狼について聞きに来たの?」

打止「その通り! ってミサカはミサカは正解したシスターさんにご褒美のおやつを渡しちゃう! ヨミカワの炊飯器ケーキだよ!」

御坂妹「カードゲーム、掲示板、音声チャット…と予想外に種類が多くてよくわからなかったので、とミサカは別に内容を理解するのが面倒になった訳ではないと言い訳しつつ頷きます」

禁書「その口調は隠し事には向かないんだよ…。
   …うーん、じゃあ簡単にルールを説明しながらやってみようか?」

打止「! やってみたい! ってミサカはミサカは両手を挙げて大賛成ー!」

小萌「よかったですねー打ち止めちゃん」

禁書「じゃあ早速…、すているとわーすともこっちに来るんだよ! 5人じゃちょっと足りないかも!」

ステ「何で僕まで…」

神裂「え、私もですか?」

禁書「人数に合わせて配役を変えるんだけど、最低7人はいないとつまらないかも。
   スタンダードな役職を全部入れるなら10~15人は必要なんだよ」

打止「番外個体、早く早くはーやーくー!ってミサカはミサカはやる気のない妹を急かしてみたり!」

番外「えー…ミサカそういうの興味ないもん」

御坂妹「これは推理ゲームなのですよね? という事は知能指数が高い方が有利なのでしょうか、とミサカはミサカ達の頭脳に差はあるのか疑問に思うのですが」

打止「うーん、ミサカ達はお姉様のクローンだから…。でも個性の差はあるんじゃないかなってミサカはミサカは希望を持って答えてみる」

禁書「えっと、所謂偏差値的な物よりも、頭の回転の速さとか先の展開を読む力が大事かも?」

小萌「勿論、頭が良い方が色々な可能性を考える事ができるのですよー」

禁書「とうまは一つの事に固執しちゃうから苦手かも。あくせられーたはこういうの得意なんじゃないかな」

神裂「という事は土御門も得意そうですね…」

打止「確かにあの人の得意分野かもってミサカはミサカは狼になったあの人を想像して…きゃーっ」///

御坂妹「見た目兎のくせに、とミサカは上位固体の妄想を蹴散らして毒付きます」

禁書「今度あくせられーたも誘ってみるといいんだよ。きっと熱い展開になるから私も一緒にやってみたいかも」

打止「じゃあそのためにも練習するぞーって、人数どうしよう…ってミサカはミサカは寝転がった妹を見て溜息を付こうとしたらいなかったー!」

番外「よしやろうか」

打止「いつの間に!? ってミサカはミサカは急にやる気を出すのはあーやーしーいー!」

番外「別にミサカはやらないなんて言ってないもん」

禁書「(あくせられーたの名前が出た途端、凄い速さでこっちに来たんだよ)」

小萌「(青春なのです)」

禁書「じゃあゲームを始めるけど、ルールとか知ってる人はいるのかな?」

小萌「先生は学生時代にやった事があるのです」

ステ「僕もルールならわかるかな、やってるのを見た事があるよ」

御坂妹「勿論ミサカ達は初めてです、とミサカは初心者には優しくするべきだと暗に主張してみます」

神裂「私も初めてですね」

禁書「こもえが知ってるのはタブラ人狼かな?」

小萌「いいえー、先生はMafiaが出た時にやってたのです。だから人狼とはちょっと違うのですよ」

禁書「えっ」

※人狼の原型となったMafia(マフィア版)は1986年発表※

禁書「…え…?」

小萌「…シスターちゃん? 世の中には知らない方が幸せな事もあるんですよー?」

禁書「 」

神裂「(禁句なのですね…)」

ステ「(…どうしよう笑顔が物凄く黒い)」

番外「このミサカが危険を感じるとか…なにこのちっちゃいの怖いんだけど!!」

御坂妹「第一〇〇三二次実験で一方通行と相対した時以上のプレッシャーを感じます、とミサカは…あ、感覚共有してた妹達が気絶しました」



禁書「じゃ、じゃあステイルは【占い師】役、こもえと私は【人狼】役ね。
   残りのかおり、くーるびゅーてぃー、らすとおーだー、みさかわーすとは【村人】なんだよ」

打止「えええ? 役職言っちゃったらゲームにならないんじゃないのってミサカはミサカはシスターさんのうっかりさん☆ って額をつんつんしてみる」

禁書「だから、これはゲームをするためのチュートリアルなんだよ。進め方とかを説明するから役職は重要じゃないかも」

ステ「役職は【占い師】と【人狼】だけかい?」

禁書「人数が少ないから仕方ないかも。
   あ、あとゲーム中はお互いをちゃんと名前で呼ぶんだよ。「シスター」とか「くーるびゅーてぃー」じゃややこしいからね」

ステ「了解。僕が【占い師】だね」

神裂「よくわかりませんが私は【村人】ですね」

御坂妹「ミサカは【村人】なので何も知りません、とミサカはこれから始まる人狼ゲームに期待します」

―――1日目―――



禁書「わかりやすくするために初日はカットするんだよ。初日犠牲者とかもなしで、襲撃については後で説明するって形にしたいかも。
   大体1日目の開始で役職把握、ゲーム進行の作戦決め、占いの扱いを決めるの。
   1日目は【占い師】しか役職行動はなくて、ルールによっては【狼同士の会話】や【共有者同士の会話】が可能かな。

   …で、ステイルは誰を占いたいのかな?」

ステ「なるほど。じゃあいきなり小萌えを占ってしまおうかな」

禁書「わかったんだよ! こもえを占った結果は【人狼】だったんだよ」

ステ「これはすぐに勝負がつきそうだね」

―――2日目―――




禁書「2日目の開始で初日犠牲者…カードゲームならゲームマスターとか、架空のNPCが狼に襲われて死んでるのを発見するんだよ。
   それを見た村人達が、狼が誰なのか本格的に議論を開始するのがここまでの流れね。じゃあゲームスタートなんだよ!」

禁書「【私が占い師なんだよ】【ステイルは人狼なんだよ】」

禁書「ちょっと解説すると、村人を『白』人狼を『黒』どっちかわからない人は『灰』って表現するんだよ。
   つまり今の私から見ると…『自分が白』『ステイルが黒』『他の人は灰』だよ」

ステ「なっ」

神裂「いきなり狼を見つけましたね」

小萌「ステイルちゃんは何か言う事はありますか?」

ステ「【僕が占い師】で【小萌は人狼だった】」

番外「あれ、いきなり偽者が出てきたよ」

打止「うーん、ミサカは村人だからどっちが本物か見分けがつかないなぁってミサカはミサカは首を傾げてみる」

禁書「村人は1日に1人誰かを処刑しないといけないんだよ。議論の中から人狼っぽい人を見つけてね。
   処刑は1人1票の投票で、最多数の人が処刑されるんだよ」

御坂妹「なるほど、今は役職がわかってますが本当は周りがどうなってるかわからないまま狼を見つけなきゃならないんですねとミサカはネットワーク上にメモを取ります」

禁書「そうそう、とにかく狼っぽい人を吊っていけばいいんだよ。誰が怪しいのかな?」

御坂妹「となると、ステイルはいかにも怪しいですね。狼だと言われた後に占い師を名乗るだなんてとミサカは黒一点ってのも狼ぽいと邪推します」

神裂「ではとりあえずステイルを処刑しますか?」

番外「いや、インデックスの方が怪しくない? 占い師は重要な役職なのに、いきなり『村の意志なんてお構いなし』って感じで出てきたよね?」

打止「インデックスはもう少し様子見できなかったの? ってミサカはミサカは番外個体の意見に乗ってみる。
   ステイルが人狼だって貴重な情報を持ってるなら泳がせておいてもよかったのに」

禁書「潜伏に自信がなかったんだよ! どうせ襲撃されるなら、早めに情報提供して議論を進めるべきだと思ったんだよ」

神裂「襲撃ですか?」

禁書「処刑の後に人狼による襲撃が行われるんだよ。誰を襲うかは人狼が任意に選ぶんだけど、仲間の狼は襲えないからね」

神裂「ということは1日に2人ずつ減っていくわけですか。今日が7人だから、明日は5人ですね」

ステ「僕から見たらインデックス、小萌が人狼確定だ。2人を吊れば村の勝利で終わるけど、まぁそう簡単にはいかないだろうね」

神裂「この場合ステイルとインデックス、両方を処刑するのもアリなんですか?」

禁書「1日に1人しか処刑できないから、例えば今日はステイル、明日は私って取り決めをするなら可能なんだよ。
   ただ翌日にもっと怪しい処刑したい人が出てくる可能性もあるから、必要以外は処刑順を決めない方がいいかも」

番外「…2人処刑するとして、村の人口は7>5>3になる訳だ。最終日に3人の中から人狼を見つければ村の勝利なんだけど。
   占い師2人のうち、どっちが本物かを決め打った方がよくない?」

打止「インデックスが真占い師だと狼は【ステイル、誰か】
   ステイルが真占い師だと狼は【インデックス、小萌】
   もうステイルは占い師としての仕事は終わってるんだよねってミサカはミサカは情報整理!」

小萌「私の視点からだと狼は【ステイルちゃんと誰か】です。
   御坂妹ちゃんは初心者ながらに頑張ってついてこようとしてて好感があります。
   神裂ちゃんは占い師2人を処刑したがってますね、決め打ちを恐れているんです?
   番外個体ちゃんは占い師を決め打ちしたがってます。勝ちが見えてる狼なのか、勝負したい村なのかはわからないのです。
   打ち止めちゃんは分析して考察を進めようとしていて村人っぽいです」

御坂妹「なるほど、こうやって他人を評価しながら情報を集めていくわけですか、とミサカはこのロリ教師あざといわーと舌を巻きます」

打止「うわぁ、これミサカがニセモノだったら喋ったらすぐボロでちゃいそうってミサカはミサカは首を竦めてみる」

禁書「そろそろ今日の議論は終了かも。誰を吊りたいか投票してね。ちなみに今回は記名投票なんだよ」




――――――




【投票結果】
ステイル:4票 (禁書、小萌、打止、御坂妹)
インデックス:3票 (ステ、神裂、番外)

村人達の手によって、ステイルは処刑された




――――――




禁書「本当は占い結果とか襲撃とか一気に処理されるんだけど、今回はここで狼同士で相談するんだよ

   こもえは誰を襲いたいのかな?」

小萌「打ち止めちゃん、御坂妹ちゃんははそう簡単にボロださなそうですね。
   神裂ちゃんは天然ぽくて感覚で決め打ちされそうです。
   番外個体ちゃんははいいスケープゴートになりそうですー。

   最終日に神裂ちゃんと勝負するのだけは避けたいです」

禁書「じゃあかおり襲撃が無難かな?」

小萌「お願いします」

禁書「了解なんだよ! かおりをもぐもぐしちゃうよ!」




――――――




次の日の朝:神裂が無残な姿で発見された

―――3日目―――




禁書「らすとおーだーは村人だったんだよ」

   占った理由は、昨日の発言はみさかわーすとへの追従と状況分析だけ。余裕があるうちに占わないと判断つかないと思ったからだよ」

御坂妹「占いの真贋は不明ですが、今日はインデックス吊りで決まりですよね? とミサカは今日の予定を確認します」

打止「うーん、白もらったけど偽者でも判定なんてどうにでもできるしってミサカはミサカは悩んでみたり。でも判断材料は増えたのかな?」

御坂妹「現状の内訳は村視点だとこんな感じでしょうか。

    【占い:インデックス 狼:ステイル+(小萌or番外or御坂妹)】【占い:ステイル 狼:インデックス+小萌】

    ステイルが偽者っぽいのが気になるんですがとミサカはあれで本物だったらとりあえず殴りますがいいですか?」

小萌「打ち止めちゃんが昨日言った通り、ステイルちゃんは仕事が終わってたので、ステイルちゃんを吊った方が判断材料が増えました。
   神裂ちゃん、番外個体ちゃんはインデックスちゃんに投票したみたいですが、神裂ちゃんは襲撃されたので村人確定なのです。
   番外個体ちゃん、昨日の投票は占い師決め打ちの意思表示ですか?」

番外「昨日ちょっと話に出たけど、インデックスの襲撃に対する懸念のなさが気になるんだよねー。
   インデックスが真占い師だとして、昨日ステイルが出てこなければインデックスは占い結果を1つ出しただけでその日に襲撃されてたでしょ?
   そしたら、翌日から占いの情報がないまま5人の中から1匹の狼を見つけなかならなくなる。
   計算すればわかるけど、それだとまだ村の勝率は半々なんだよね。
   もしインデックスが潜伏して生き残れれば占い結果が増えるから、その分村に勝ちが近付く訳だ。
   占い結果を見せなくても、黒がわかってるんだから議論でステイルを吊る事はできたんじゃない?
   そこをばっさり切り捨てて飛び出してきたのが違和感ありありなんだよねぇ。
   潜伏に自信がないって言ってたけど、それが事実だとして言ったのが打ち止めと御坂妹に突っ込まれてからじゃん。
   真占い師として自分の信頼度を高めたいなら、占い結果を出した後すぐに自分の行動の説明をすべきなんじゃないの?
   あと、議論を進めたいと言ってたけど自分の行動をいい訳しただけでその後村人に対して何も語ってないよね。
   あれはただ生き残るための方便だったんじゃないのかにゃーん?

   って事で、ミサカはステイルを真占い師と見るよ。そしたら当然インデックス、小萌が狼だよね」

御坂妹「おや、これで今日番外個体が襲われたら、小萌が最後に残された狼になりそうですね。
    ミサカから見て昨日の小萌の雑感は村人として違和感ないものでした。
    が、今の番外個体の意見も筋が通ってて納得するしかありません。
    うぅむ、この段階で決め打ちできるかと言われるとミサカはにはそこまで言い切れません」

小萌「私を狼として見ている事はともかく、番外個体ちゃんは占い師のどちらが本物か、深く考察してたようですね。
   明日私と番外個体ちゃんが残されたとしても彼女のことは村人として信頼できそうです。
   となれば、私から見て狼は【ステイル、御坂妹】となります」

御坂妹「ミサカに対する考察抜きに番外個体が村人っぽいからという理由で狼認定されました! とミサカはショックを隠しきれません。
    今の言い回しから番外個体が吊れなさそうだから、別の村人を吊ってしまえばいいという考えが丸出しですね」

打止「あれ? 御坂妹は『今日はインデックス吊りで決まり』って言ってたけど…。
   占い候補のステイルと、ステイルから黒を出された小萌、どっちかが黒なのは確かななんだよね。
   だからステイル→小萌の順で吊っても最終日は確実にくるし、それでも構わないんじゃないかな?
   …御坂妹はインデックスを生かしておきたくない理由でもあるのかな? ってミサカはミサカはじと目で尋ねてみる」

御坂妹「え? …ああ、それはミサカの勘違いですね。それ以上の理由はありません。
    最終日の3人はおそらく、

    パターンA【インデックス、御坂妹、番外個体(小萌吊り打ち止め襲撃)】
    パターンB【小萌、御坂妹、番外個体(インデックス吊り打ち止め襲撃)】

    パターンAの場合はインデックスと村人のどちらかが信用勝負する事になります。
    パターンBの場合は3択、ステイル真と見るなら小萌狼ですね。
    打ち止めを残す場合もありますが、狼の勝率を下げるだけですし考えなくてもいいでしょう。
    村としてはとりあえず小萌を吊っておけば、インデックスから出る占い結果によって2択勝負を狼に強制できますね。
    …勘違いで村に不利な提案をしてすみませんとミサカは謝ります」

番外「ミサカは【小萌吊りに票を投じる】と宣言するよ。
   狼が2匹残ってるなら村が票を割っちゃダメだから、ここは小萌吊りで合わせた方が確実じゃない?」

禁書「こもえが狼だとすると…【私に狼だと言われたステイルが、自爆覚悟で占い師を騙った上で、仲間に黒を出した】事になるんだよね。
   それはどうにも考え難いかも。だからこもえは村人だと思うな。
   こもえを吊っちゃだめなんだよ。狼はみさかいもうとかみさかわーすとなんだよ
   私を真占い、こもえを村と決め打ってくれれば残りの2日でみさかいもうととみさかわーすとを吊って確実に勝利できるんだよ。
   だから村の人は【みさかいもうと】で票を合わせてほしいかも!」

小萌「ステイルちゃんが狼なので【私は御坂妹ちゃんに投票】します。
   御坂妹ちゃんは勘違いと言いましたが、村人が気づかなければそのままインデックス吊りで押し通すつもりだったのでしょう?
   それに、さっきのパターン訳で打ち止めちゃん襲撃を前提にしているのは、もしかして人狼の視点漏れじゃないですか?
   御坂妹ちゃんの今日の意見はパターン分け、疑い返し、追従で中身がありません。
   考察してるフリを見せたいだけなのではないですかー?」

御坂妹「【ミサカは小萌に投票します】とここに宣言します!」

打止「【小萌に一票】
   御坂妹が怪しいんだけど、明日が確実に来る小萌に票を合わせるね。
   御坂妹の意見は村人の推理ミスなのか、人狼の誘導なのか判断するのが難しいなぁってミサカはミサカは愚痴を零してみたり」

禁書「じゃあそろそろ投票の時間なんだよ」




――――――




【投票結果】
小萌:3票 (番外、打止、御坂妹)
番外個体:2票 (禁書、小萌)

村人達の手によって、小萌は処刑された




――――――




禁書「テストプレイなのに皆気合入ってるんだよ…。役職わかってるから推理する『ふり』をするのは難しい筈なのに。
   それにしてもみさかわーすと…どう考えても経験者なんだよ! あんな初心者いたら嫌なんだよ!!」




――――――




次の日の朝:打ち止めが無残な姿で発見された

―――4日目―――




禁書「ちょっとストップして、このゲームの勝利条件の説明なんだよ」

御坂妹「狼を全部吊れば勝ちじゃないんですか? とミサカは首を傾げます」

禁書「村の勝利条件はそうだよ。たとえばこの状況からみさかいもうと、みさかわーすとが私に票を入れて私を吊ればもう狼はいないよね。
   そうしたら狼は全部吊れたから、村の勝利になるんだよ」

番外「狼の場合は?」

禁書「この状況からだと村を吊ってしまえば勝ちだね。ぶっちゃけるとみさかいもうととみさかわーすと、どちらかを吊れれば勝てるの。

   狼の勝利の正確な条件は【(狼の人数)≧(村人の人数)】になった時なんだよ。

   例えば村人が3人、狼が1匹の計4人の状態から村人を吊ってしまえば、翌日は襲撃があるから村人1人と狼1匹。
   つまり勝利条件を満たすわけだね、そうしたら狼の勝利になるよ」

番外「うーん、なんとなく理解したかな。
   つまりこれからミサカがインデックスを徹底的に攻撃すればいいんだよね!!」

禁書「ひどいんだよ!?

   この後の展開を簡単に話すとしたら…。
   私が【みさかわーすとを占って、村人だ】と言ったとするね。
   そうしたら、村の内訳は【占い:インデックス 狼:ステイル、みさかいもうと】【占い:ステイル 狼:インデックス、小萌】のどちらかしか可能性が残されてないかも。
   つまりみさかわーすと私とみさかいもうとのどちらか狼っぽいほうに投票する形になるんだよ。

御坂妹「成程。インデックスが占い師っぽいか、ミサカが村人っぽいか、どちらか信じられるほうを番外個体が選ぶのですね。
    ミサカとインデックスは番外個体に選んで貰えるようにアピールすればいいのでしょうかとミサカは結構難易度高そうで挫けそうです」

禁書「そういう事だね。
   …これで一応の説明は終わったけど、大丈夫かな?」

打止「うーんうーん、他の人に信用してもらえるように喋るのって大変かもってミサカはミサカはこのゲームの難しさを痛感してみる」

小萌「その分ハマれば面白いのです。コツさえ掴めば簡単ですよ、打ち止めちゃん」

ステ「…まさか最初にニセモノが出てくるとは思わなかったよ…」

禁書「あはは。人数が多いとああいう特攻は即吊りか、狂人…狼側の協力者と思われて放置されるかも。
   もし本物だったら、みさかわーすとが言ってたみたいに村の総意を確認してから行動すべきなんだよ」

番外「よぉし、練習してあの人をボッコボコにして吊っちゃうんだから」

御坂妹「あれでも学園都市第一位の頭脳ですし舌戦で勝てると思えないのですが…とミサカは何やらフラグを立てる末っ子を生暖かい目で見守ります」

以上、お粗末様でした

やっぱこれ読み難いかなぁ…議事録部分をどうしようか悩んでるんだよね
とりあえず重要項目は【 】で囲ってみたけど…うーむ…
本番の議事録は現在の人狼BBSの2~3倍は余裕であります+PRもあるよ!


あ、ちなみにこの面子なのは本番で使えない子達だからです
今回特徴ある口調と、魔術サイドにはお休みしてもらうので

>>347
ぎゃあミスった!
インさんとこもえてんてーが投票したのは【御坂妹】でした…

一方さん異世界召喚系のクロスをアレコレ考えてて電波受信したので3レスほど
元ネタがergだから本編書くのは…ねぇ?

ヤンデレールガンというかみこっちゃんがキャラ崩壊してるのでそこだけ注意

御坂美琴は学園都市に住む、強気で猪突猛進な少女。
彼女が一人の少年と出会うところから物語は始まる。
少年『上条当麻』は、ある日、スキルアウトに絡まれている美琴を助ける。

美琴は一瞬で当麻に一目惚れしてしまう。
お人好しで正義感の強い当麻は、アッという間に複数の女性達にフラグを立てた。
嫉妬深い美琴は、当麻に群がる女性達を追い払うため、そして自らの恋を成就させるため、黒魔法によって一体の悪魔を呼び出した。

悪魔『一方通行』は、美琴の命令に従って当麻に群がる少女達を陵辱して当麻から遠ざけ、二人の仲を取り持って彼女の恋を成就させるハメに。
はたして一方通行は、首尾よく目的を達成することが出来るだろうか?

『御坂美琴』
一見すると勝気で運動神経抜群の少女。でも実はかなりイッてる性格。
お嬢様学校に通うため人前ではそれなりに大人しいが、実際は受けた恨みは絶対に忘れないという執念深さ。
しかも嫉妬心も人並み以上という最悪の性格で裏表が激しい。
いつからか”呪いの”美琴と呼ばれており、友達は少ない。


『姫神秋沙』
当麻のクラスメイト。容姿端麗・成績優秀で学校のアイドル。
同じ人物(当麻)に助けられたということで、美琴に大して親しみを持っている。
学校では当麻と一緒にいる事が多いため、周囲からは勝手に許嫁と言われている。
秋沙と当麻はそんなクラスメイトに困りながらもちょっぴりお互いを意識してしまっている状態。
休日には何故か巫女服を着用し、第十九学区にある古い神社で過ごしていたりする。


『食蜂操祈』
美琴の同級生にして最大のライバル。
過去に美琴に呪いをかけられヒドイ目に遭い、別の学校へ転校していたが美琴に復讐するために再び姿を現した。
美琴の黒魔法に対抗するために白魔法を会得。
本当はお嬢様らしい流暢な日本語で話せるくせに、魔法少女っぽさを強調するため、語尾に「♪」や「☆」の飛び交いそうな怪しい日本語で喋る。


『神裂火織』
「必要悪の協会」所属の女性魔術師。
以前当麻に助けられた事から恩を感じ、接近してくる。
その境遇から恋愛には無縁だったが、当麻と関わるうちにいつしか彼に惹かれていく…。


『五和』
「天草式十字凄教」所属の女性魔術師。
内気な性格のためなかなか当麻に対してアプローチできず、まるでストーカーの如く後を追い続けている。
当麻のためなら死んでもいいとまで思うほど慕っている。

『上条当麻』
美琴の想い人。
一見平凡な高校生だが、その右手に宿る異能のせいで日々不幸な目に遭っている。
美琴は当初、当麻に対して恋愛魔法(呪い)をかけたが、その右手が邪魔をして不発に終わった(その事を美琴は知らない)。
なお、展開次第で神上さんだったりゲス上さんだったり病上さんだったりホモ上さんだったりするとかどうとか。


『一方通行』
本作の主人公にして一番の苦労人(悪魔)。
魔王を倒し、自らが魔王になろうとしていた矢先に美琴によって召喚され四人の恋敵を堕落させる事を命じられる。
召喚主である美琴と強制的に”契約”させられたため、現在は仕方なく命令に従っている。が全部終わったら復讐してやろうと企んでいる。
展開次第でホモ上さんにアッーされる事があったりなかったり。

以上、お粗末様でした


禁書人狼はドコでスレ区切ればいいか悩み中
ガチ推理したいならキャラの発言単位で区切った方がいいんだろうけど、そこまでガチで読みたい人いる?

あと黒子→美琴の呼び方に違和感覚えて訂正しようかどうしようかと
>>342みたいに名前呼ばないとダメかなぁと思うんだけど、黒子の「御坂さん」呼びは書いてて鳥肌立った
もうここだけ普通に呼ばせるべきなのか…

※ふと思いついたことを書いてみる。



ごく普通の一般人「佐天涙子」は自称妖怪執事の「ウィスパー」と出会い、妖怪の見れる懐中時計「妖怪ウォッチ」をゲットした。
※女の子主人公の場合は腕時計じゃなくて懐中時計です。
それから数年後、彼女は親の都合など話の都合など(メメタァッ)で学園都市に住むことになりました。


ウィスパー「ルイコさん、どうやらレベル1以上の能力者はどういうわけか妖怪扱いされてしまうようですねぇ」
ルイコ「私も驚いたよ、友達になった初春からいきなりメダルが出てきた時はほーんとビックリ」

【ポカポカ族 ウイハル 火 E】

ウィスパー「しかも心の底から友情を切り結んだ相手でないと無理のようですね、上辺だけの付き合いじゃ無理ってことです」
ルイコ「よーし、これからジャンジャン能力者の友達ゲットだぜ!!」

ルイコ「ところでさーこのメダルをウォッチにセットしてちゃんと初春を召喚できるのかな?」
ウィスパー「さぁ? 何分こんなこと妖怪やってて初めてなものでして……
    それに自由奔放な妖怪と違って人間は色々と縛られてますからねぇ、呼び出す時間帯とか考えませんと…」
※現在真夜中
ルイコ「……………えいっ!」ウィスパー「あ!」

●<ポカポカ ショーカン! ポッカポカ!ナンカヨウカ!イッチョヤールカー! ウイハルー!!!

この後メチャクチャ怒られた。byルイコ

※続きません。

数レスお借りします。
佐天さんと一方通行で「一週間フレンズ。」のパロ的なものです(既出だったらすみません)

※一方通行がかなり美化されているので一部の人はご注意ください。時系列は実験より相当前ってことで。


「あ、あたしと友達になってくれませんか!?」

「……アホらしィ」

あたしは知ってる。

「あっ、見てくださいよこれ! 四つ葉ですよ、四つ葉!」

「ハイハイ」

あなたの冷たい仕草は、誰も寄せ付けないような態度は。

「うえっ! ……苦いですねー、これ。人の飲み物とはとても」

「知らねェよ。オマエが勝手に飲ンだンだろォが」

誰も傷つけたくないからだってこと。

「もォ少し離れてくれませンかァ? ウザいンですけどォ」

「えー、いいじゃないですかっ♪」

あなたはぶっきらぼうで照れ屋さんだけど、ホントは優しくて、温かい人だってこと。

「あ……一方通行、さん」

「チッ……別に助けたわけじゃァねェよ。たまたまアイツラが邪魔だったってだけだ」

そんなあなたは、寂しそうだったから。

「おかしィ……この方向なら間違いなく取れるはずなンだが……」

「……そこまでしてその縫いぐるみ欲しいんですか?」

あたしがその手を引こうと思った。

「……っ、おォ、やっと取れた。ほらよ」

「えっ?」

「あ?オマエ、さっき物欲しそうに見てただろォが。俺の勘違いか?」

「い、いえ!あ、あの……」


「ありがとうございます!」

だけど、

――――――――――――

「……アホらしィ」

「ちょ、待ってくださいってー!」

最初はただの馬鹿かと思った。

「知ってます? コーヒー飲み過ぎるとコーヒー星人になっちゃうんですよ!」

「子供かっつゥの」

『涙』の名に似合わず快活な彼女は、何度突き放しても折れなかった。

「あ、相席いいですかー? 」

「なンで居ンだオマエ」

力尽くで離れようとしなかったのは、単純さの裏に隠された暖かさが、心地よかったからなのかもしれない。

「分かりますよ。あたしも、辛いことありますから」

「……」

柄にもなくそこに甘えてしまったと後悔するが、不思議と嫌ではなく。

「……オマエら、そいつに手ェ出してただで済むと思ってンのかァ?」

「あ……一方通行、さん」

むしろ、その暖かさに身を委ねようとさえ思った。

「ゲーセンですよ、ゲーセン! 行ったことないですか?」

「ねェよ」


「え!? いいいいいえ、ままままさかあんな子供っぽいぬいぐるみなんて別にそんな――」

「……はァ」


「ありがとうございます!」

だけど、

――――――――――――――


「じゃ、また明日!」

「さよならァ」

「……?『またね』じゃないんですか?」

「――っ!!!」

表情を歪めるあなたは、やはり寂しそうな色を映していて。

彼を迎えに来た、という刺青の男が言った。

「学園都市第一位の能力、つったら相当な演算領域が必要なんだ」

「こいつは演算領域拡張のために、思い出を記憶する……『エピソード記憶』を大幅に圧迫してんだ。一ヶ月分も記憶すりゃあ、頭はパンクする」


「……それじゃあ、どうするっていうんですか?」

「簡単な話だ」


「一週間おきに、こいつのエピソード記憶を消去する。俺は何百回もその現場に立ち合ってんだよ」


「そんなっ……!じゃあ、明日には」

「……あァ。オマエのことも、オマエと遊ンだのも……全部忘れてる」

そんなの、残酷すぎる。
あたしにとってじゃない、

「……誰だ、オマエ」

「っ!」

彼にとって、だ。

それなら。

「あ、一方通行さん!あたしと――」

何度でもあたしが、その手を引く。

「友達になってくれませんか!?」


つづかない

以上です、失礼しました。
個人的にはもっと黒い一方通行が好みです

二、三レスほどお借りしてちょっと予告風的なのを投下。
レイヴィニアちゃん中心で「純潔のマリア」パロです。



 魔女にして聖女。
 百年戦争のずっと後の世、"彼女"はそう語り継がれた。

「魔女は悪くて淫らで穢れているって村の司祭様が言ってたよ」
「魔女は淫らでも何でもないよ。元々は薬の調合やまじないを教える村の知恵袋なのさ」
「……私も魔女になれる? お空を飛んでみたいの」
「お前には無理だ。……お前は良き教会の子羊だからな」

 "魔女レイヴィニア"はあくまで真実を隠さず告げる。
 人が暮らす村から外れた森の中に暮らす彼女は、村人から頼まれれば作物の豊作を占い、薬草を調合し、死者の言葉を伝えたりしてきた。魔女とは人々から畏れられながらも共に暮らす存在だったのだ。

 ……しかし十字教会はヨーロッパに布教をして信者を広めていく際、土着の宗教、風習を時に吸収し、時に『異端』と呼び排除してきた。
 その過程で、魔女は悪魔と契約しているという考えが教会によって生まれることとなる。

「どういうわけか英軍が退いていったぞ」
「魔女レイヴィニアの使い魔の仕業だ……彼女は争いを嫌い、戦場を掻き回すと聞く」
「レイヴィニアだって? 魔女のクセに!」
「聖母でなく魔女としても助かったじゃないか。……主よ、今ばかりは魔女に感謝をお許し下さい」
「いや、これもまた主のお導きだ。むしろ我らが聖母の名を穢す異端の手先には感謝ではなく火刑台こそが相応しい!」

 教会の者たちの声には、その頭に刷り込まれた憎悪が滲み出ていた。
 それでも魔女レイヴィニアはあっけからんとしてたまま、吐き捨てるように応じるだけだ。

「この魔女レイヴィニアの目が届くとこで、人間同士こんなおままごと〈戦争〉はいい加減にしろよ」

 そして使い魔たちも十字教徒や戦場を引っ掻き回す。

「ひゅー! ボスかっこいいですよー!」
「確かに決め台詞はいいと思いますけど……ぶっちゃけ処女だからあんまり迫力感じません」
「せっかく凛と決め込んだのにこのフクロウめ!? というか処女なんて欲しけりゃ犬にでもくれてやるぞ!!」
「おやおやぁ? それじゃあ私、レッサーちゃんと一緒にサキュバスの仕事やりましょうよ!」
「いっ、いきなりそんなイヤラシイこと……ッ!?」
「あれあれぇ? さっき息巻いてたのは何だったんですかねー?」
「淫夢魔の仕事やるんだったら早く私をちゃんとした男の体にしてくださいよボス!!」
「ダメですよマークさん。ご主人は処女だから男のアレもまともに再現なんてできないんですよ」
「こいつら言いたい放題言いやがって……!!」





 処女だけど教会にケンカを売った魔女レイヴィニア。
 その火種はやがて大天使と百年戦争にまで広がった。

「何だこれは……私が焼かれるのを皆見に来たのか……?」

 魔女狩りの時代の到来。
 それでも魔女レイヴィニアは正々堂々と魔女として……

「私は、何を……皆に分かってほしいと思ってるんだ?」
「レイヴィニア、お前は腹が立たないのか? お前が救おうとした人間共は結局お前を焼くんだぞ?」
「あんたは『幸せ』そのものを知らないでしょ。だからさ、私がレイヴィニアに教えてあげる」

「……そうだな。もう、許さない――――――」







「戻れなかった……  レイヴィニア……!」


                「なんで貴様はいっつもどこかに行ってしまうんだ!」


        怒る魔女。


「好きだ、レイヴィニア。俺が戦う事が再びあるとしたら、お前を守る為だけでありたい」


                   「私にっ! 彼氏ができたぞ――――!!!!!」


        笑う魔女。




 そして、
 おとずれる大天使との決着。


「パトリシア、天の意に背くのか」
「だって、関わっちゃたんです……! この二人は、いい人ですよ!」


 これは、聖なる魔女の、


「……そんな時代でも幸せは確かにあったんだと言ってあげたいな」
「ああ。……だったら、ならろうぜ。もっと幸せに」


 語り継がれる物語。






    「ただいま、――――――」



以上です。
ちくしょう、ちょっと安っぽい感じになっちゃったぜ…
というか誰が誰だかわかりづらいですよね、ごめん。
それと若干の上条×バードウェイ描写ありました。お目汚し申し訳ないです。

数レスかります

キャラ崩壊注意

薬味と恋査




薬味「ハァ・・・暇だわ」

薬味「あの怪物幼女に情報のほとんどを喰われてから薄暗い路地裏で過ごす日々・・・」

薬味(「私は神になるんだー」とか考えてたのが懐かしい・・・)

ゴキブリ「・・・・・・」カカサカサ

薬味「慰めてくれるの? ありがとう・・・・・・ハッ!」

薬味(またゴキブリに話しかけていたわ。私、相当まいっているのね)
 
薬味「ハァ・・・」
    
薬味「どうしてこうなったのかしら・・・」

???「先生こんな所におられていたのですか。探しましたよ」

薬味「!?」

薬味(嘘!?そんなはずないのに・・・)

薬味「恋査・・・ちゃん?」

恋査「はい、恋査#28です。先生」

薬味「あ、あなたどうして・・・?」

薬味(あのとき恋査のボディは破壊されたはず・・・)

恋査「ああ、この体ですか。これは破壊されたボディとは同質のものではありませんよ。AIM拡散力場を集めることも、level5をふるうこともできません」

薬味「どう、いう・・・」

恋査「フレメア・セイヴェルンの殺害に失敗し撃破されたあと、上条当麻の手により#28から#40まで回収された私たちは病院に保管されたのち、冥土帰しによって新たな体を手にいれたのです」

恋査「現在は#40ともども看護師として病院にお世話になってます」


薬味「そう・・・そうなのね・・・」

恋査「はい」

薬味「それで」

恋査「?」

薬味「それでなにしにきたのよ。あなたは新たらしい人生を歩き始めたのよ?こんな残りカスになった私にわざわざ会いにきたの何故?」

恋査「なに言ってるんですか、先生」

恋査「恩師に会いにいくのに理由なんているんですか?」

薬味「れ、恋査ちゃん・・・」ジーン・・・

恋査「しかし、このような惨めな姿に変わりはてているとは」

薬味「ちょっ!?」

恋査「情報のほとんどを失い、ゴキブリのフェロモンに縋る姿はまさに虫けら」

薬味「ちょ、ちょっと待って!?」

恋査「なんです、虫けら先生?」

薬味「虫けら先生?!恩師に向かってなんていいぐさ!」

恋査「恩師のこんな姿見たくありませんでしたよ。百年の恩も忘れてしまいそうですゴキブリ先生」

薬味「ゴキブリ先生!?さらに酷くなってる!!」

恋査「おっとこれは失礼、出かける前に妖怪コメディ小説を呼んでいたのでつい」

薬味「露骨なステマ!?」

恋査「あ、そうだ思い出した。お土産持ってきたんですよ」

薬味「おみやげ?」

恋査「はい、ゴキブリ団子です」

薬味「嫌がらせか!?」

恋査「ほら、お食べ」

ゴキブリ「・・・・・・」

薬味「ちょっと!ゴキブリが死んだらフェロモンが消えて私消えちゃう!」 ブチ

恋査「あ、すいません。一匹踏みつぶしてしまいました」

薬味「きゃああああああ!!もうあなたなにしにきたのよ!?」

恋査「暇潰s・・・恩師に会いにですよ」

薬味「今暇つぶしって言おうとしなかった?!」

恋査「いやいやまさかそんな。では私はそろそろ失礼させていただきます。また、暇な時にお邪魔します」」

薬味「二度と来るなー!!」

恋査「ああそうだ、重要なこと言い忘れていました」

薬味「ハァハァ!! なによ・・・?」

恋査「私、バストが82㎝になりました」

薬味「なっ!?」

恋査「それではお元気で、81先生」

薬味「ちょっと待てー!!?」

―――――

薬味「はぁ・・・。あの子なにしに来たのかしら? なんかキャラも変わってるし・・・でも」

薬味「暇は潰せたかしらね?」


薬味「あ!ゴキブリ団子置いて行きやがった!あのガキィ~!!」



―――――――――

恋査#29「先生はどうだった?」

恋査#29「元気そうでしたよ」

恋査#29「そうか」

恋査#28「はい」

恋査#29「それじゃ、そろそろ行くか」

恋査#28「ええ。しかし、本当に13人全員集まるとは」

恋査#29「当たり前だろ?なんせ恩師の弔い合戦だ」

恋査#28「そうですね。では行きましょう、先生の敵、木原唯一をぶっ殺しに」








恋査#28「弔い合戦て・・・先生まだ死んでませんよ?」

恋査#29「細かいこと気にするなよ」

終わりです

お目汚しすまそ

ちょっと電波受信したので3レスお借りします

番外通行でキャラ崩壊気味
ちょっかいを出したい番外個体と、それをあしらう一方通行 3本勝負

―――――

「ねーねー、第一位~」

「…なンだよ」

「ミサカあれ欲しいんだけど」

「あン? …却下だ却下」

「最終信号には色々買ってる癖にミサカには買ってくれないんだね。あなた本当にロリコンなんじゃないの?」

「実質ゼロ歳児が何言ってやがる。つーか、あれピアスじゃねェか」

「え、もしかしてあなた、『体に穴を開けるな』とか言っちゃう訳? ミサカ達の身体散々ブチ抜いてポイ棄てした癖に?」

「微妙に誤解を招く言い方すンじゃねェ」

「10031人ヤリ棄てとかちょーウケる。犯す方じゃなくて殺す方だけど」

「あァそォ、オマエもヤられてェってのか? だったら望み通りにしてやンぞ?」

「さっすが第一位、真昼間のデパートで露出プレイとか大胆過ぎてミサカ感じちゃう☆」

「…くっだらねェ」

「で? なんでミサカには買ってくれないのかな? ああ、このミサカにはそんな価値ないって事かにゃーん?」

「何拗ねてンだオマエ」

「べっつにー」

「…オマエ、耳綺麗だろ。あンな余計なモン付けンじゃねェよ」

「ふーん、ミサカの耳がキレイって…って、うええ!?」

「何素っ頓狂な声出してやがる」

「だ、だって、ミ、ミサ、ミサカの耳、キレイって、あ、あなたが、」

「綺麗なンじゃねェの? 白ェしちっせェし、柔らかそォだし」

「ま、待って! ちょっと少し黙ってて!!」

「今度は座り込ンで何がしてェンだオマエ」

「……ミサカの耳がキレイだからピアス付けてほしくないとか、本気なの? 嘘吐いてんじゃないの?」

「なンで俺がそンな嘘吐かなきゃなンねェンだよ」

「…ふにゃあぁぁ…」

「訳わっかンねぇ。……あァ、あとあれだ」

「…ふぇ?」

「あンなモン付いてたら、舐めた時舌切りそォだしな」

「なっ、舐め…っ!?」

「どォした?」

「ミ、ミサ、ミサカは、あうぅ」

「おーおー、すっげェ、耳朶真っ赤になってンぞ」

「―――――ッ!!」

―――――

―――――

「ねーねー、第一位~」

「…なンだよ」

「ミサカ指輪欲しいんだけど」

「はァ? 指輪?」

「おねーたまがハワイで買ってたんだよねー、だからミサカも欲しいなーって」

「…オリジナルと揃いが欲しいっつーなら金は出してやる」

「んにゃ、おねーたまはヒーローさんとペアのヤツを買ったのさ。ミサカも真似してあなたとペアのが欲しいんだけど☆」

「くっだらねェ」

「いいじゃん、最終信号とは首輪で繋がってるんだからさ、ミサカとも指輪で繋がろうぜ?」

「首輪じゃねェっての」

「…ミサカは第三次製造計画の個体だから、あなたとの繋がりなんて何もない。だからそういうのが欲しいって思っただけなんだけどね」

「………」

「ま、コミュ障の第一位に指輪とか難易度高過ぎだし? そんな顔しなくても、最初から期待してないっつーの」

「…ドコだ」

「へ?」

「オリジナルが買った店。ドコだ」

「キューピッドアローって所。あなたは知らないかもだけど」

「………駄目だな」

「あっそ。じゃあ指輪じゃなくていいからさ、」

「あそこじゃ信用調査で俺もオマエも引っ掛かンだろ。だから駄目だっつってンだ」

「は? …え?」

「なンだよそのマヌケ面」

「え、いやだって、信用調査って」

「学園都市内なら問題ねェが、外部のブランドが良いなら面倒がねェ所にしろよ」

「…あなた、本気?」

「何が」

「信用調査って…、けっ、結婚指輪とか、そういうちゃんとしたやつじゃないのっ!?」

「あー、もっとチープなンも出してンのか? っつゥかオリジナルが三下の分も買ってンならそっちか、信用調査通る歳じゃねェもンな」

「そっち!? 気付く所違わない!?」

「あン?」

「ミサカと! 結婚指輪! 買うつもりだったのって! き・い・て・る・の!」

「オマエみてェな性悪、俺以外に誰が面倒見ンだよ」

「…なにそれ。ミサカ、物じゃないんだけど。同情とかそういうのムカつくから最終信号相手にやってくんない?」

「オマエは俺を殺すンだろ? だったら俺の傍に居ろっつってンだ」

「……あなたって時々凄い事言うよね。わざとやってるならいつか刺されるよ?」

「なンの話だ」

―――――

―――――

「ねーねー、第一位~」

「…なンだよ」

「ミサカ、苗字欲しいんだけど」

「…あァ?」

「学園都市内のID、ミサカと最終信号に発行されるって聞いてないの?」

「…あァ、そォいやァ冥土帰しがなンか言ってたなァ…」

「ちょっと、『興味ありません』って顔しないでよ! ミサカ達にとって大事な事なんだから!」

「分かった分かった分かりましたよ。…で、苗字が欲しいってなァどォいう意味だ?」

「IDに登録する名前を考えろって。一応、黄泉川か芳川の養子って形にできるらしいけど…」

「アイツら未婚でこンなデケェガキ付きになンのかよ…。…ン? 養子ってこたァ、オマエの苗字は黄泉川か芳川になンじゃねェのか?」

「そうなんだけどさぁ…」

「なンだよハッキリしねェなァ」

「いや、あの、ね。えっと、その、」

「言わねェならこの話は終いにすンぞ?」

「っ、ミ、ミサカはあなたの苗字が欲しいなって!」

「くっだらねェ…」

「くだらなくなんかない! ミサカはあなたを…、あなたのために生まれたんだから」

「…俺を殺して死ぬっつー、クソみてェな理由付きだがなァ」

「でもあなたはミサカを助けてくれた。あのまま死ぬはずだった、使い捨てのミサカを」

「…それは、」

「『これ以上は一人だって死んでやる事はできない』」

「ッ、」

「最終信号がね、言ってたの。妹達が人間として『生まれた』のはあの時だって」

「………、」

「じゃあミサカはいつ『生まれた』んだろう? って考えたんだけどさ。多分…、ううん、きっとロシアであなたに会った時なんだ」

「…あン時…?」

「そ。あなたに負けて腕ヘシ折られて、ミサカは『死んだ』。そしてあなたに助けられて、ミサカは『生まれた』んだと思うの」

「……随分と哲学的じゃねェか」

「人間の親ってのは、生まれた子供に名前を付けるんでしょう? だったら、ミサカを生んだのはあなたなんだから、あなたの名前をもらっても問題ない筈だよね」

「そこでこの話に戻ンのかよ…」

「ホントは勝手に付けようと思ったんだけど、あなたの名前誰も知らないんだもん。書庫にもないとは思わなかったよ」

「…俺の苗字で黄泉川達の養子ってなァ無理がねェか?」

「えー、やっぱ駄目かなぁ。あなたの養子に…は無理だよねぇ?」

「無理に決まってンだろ」

「ちぇー。あーあ、理由言うのすっごい恥ずかしかったのに、ミサカ損しちゃったよ」

「…そんなに欲しいンか?」

「でも無理なんでしょう? うーん、黄泉川と芳川、どっちの名前にしようかな…。あなたはどっちが良いと思う?」

「どっちでも変わンねェよ。クソガキが黄泉川なら芳川、クソガキが芳川なら黄泉川で良いンじゃねェの」

「またそうやって適当に言うんだから―――」

「どォせ二年しか使わねェンだ、適当で構わねェだろ」

「ふぇ? なんで二年? まさかミサカの寿命とか言わないでよね?」

「違ェ。…苗字、欲しいンだろ? ならあと二年待っとけって事だ」

「??? それどういう意味?」

「さァな。…ちったァ自分で考えやがれ」

「あ、ちょ、待ってよ第一位ー!」

―――――

以上、お粗末様でした

改行大杉って怒られたので4レスにorz
番外通行ってどっちもSでどっちもMだと思うんだけど、自分が書く一方さんは全然折れてくれませぬ…

新約10巻の感想が今更ネタに変化したので投下。
2レスお借りします。

・ひどいキャラ崩壊
・ピン芸



――――――――
――――
――



査楽「………………」


~♪(BGM: Che vuole questa musica stasera)


査楽「査楽です……」

査楽「最近原作の方で話題になった気がしたので読んでみたら」

査楽「地の文で遠まわしにディスられているだけでした……」

査楽「査楽です……」

査楽「名前も出てこなかったとです……」

査楽「査楽です……」


査楽「査楽です……」

査楽「モテると思って暗部に入りました」

査楽「老人とピザのむさ苦しい部隊に配属されました……」

査楽「査楽です……」


査楽「査楽です……」

査楽「可愛い同僚は、ブラコンでした」

査楽「査楽です……
         査楽です……」




査楽「査楽です……」

査楽「同じ暗部の結標姐さんと能力が被っているとです」

査楽「完全に下位互換です……」

査楽「査楽です……」

査楽「最新刊の後書きで結標姐さんが取り上げられていました」

査楽「どうして本文で僕をディスったんですか!」

査楽「査楽です……」


査楽「査楽です……」

査楽「ショチトル、馬場、博士」

査楽「『とある科学の超電磁砲』出演お疲れ様です」

査楽「あっ、アジトの掃除しておきますね!」

査楽「…………涙が出ました……」

査楽「査楽です……
         査楽です……
                      査楽です……」


~♪



――
――――
――――――――


以上。
今時の子はヒロシ知ってるのだろうか。
参考→http://www.youtube.com/watch?v=FezqerCoitM

単行本派なので本誌では査楽に出番が来た可能性も微レ存。




査楽「査楽です……」

査楽「よく見たらディスってきたのは見知らぬ外国人でした」

査楽「穴があったら入りたいとです……」

査楽「査楽です……」

査楽「おのれ魔術s……あ、なんでもないです睨まないでください!」

査楽「査楽です……」


乙。
爪研ぎ……! 猫系女子ワーストにゃんをなでなでしたい。
いちゃいちゃはいいものだ。


5レスお借りします。

一種のパロディですが、ターゲット層が狭すぎるのでここに供養していきます。

・オリキャラもといモブ注意
・むしろ上条さん以外モブ女子しかいない

時系列は新訳10巻後くらいを想定。
その割に不幸不幸言い過ぎですが、深く考えないでいただけるとありがたいです。




??「どうしよ。あんまりどこ見学するか決めてなかったんだけど……上条君、聞いてる?」

上条「あ、ああ悪ぃ。これからどうするんだっけか」

??「ここにいても人の流れの邪魔でしょ。とりあえずあの橋渡って広い方に――」アッチ アッチ

俺よりちょっと年上っぽいお姉さんが半歩先から俺を呼ぶ。
広場を左手に臨んだ小さな坂道を、人波にはぐれないように足早に登る。

とある大学の敷地は緑が多く長閑な雰囲気で、きっと普段は沢山の学生がのどかにモラトリアムしてるんだろう。

今は違う。
入学式会場から雪崩れ出る『後輩候補』を確保しようと、あらゆるサークルとかの団体が対岸で手ぐすねを引く。
新入生達はそこに楽しげに飛び込んでいく。

そんな完璧お祭りムードの中、初対面の女性とひとまず平穏に歩いている俺は客観的に、リアルが充実してる略してリア充と言えるのではなかろうか。


この学校の名前も知らず、

そもそも今は真冬だったはずで、

部屋でくつろいでたら突然入学式の群衆に放り出された――なんて話じゃなければ。


俺は橋の手前で特売日みたいな雑踏から逸れ、天を仰いだ。
空は青く、風は優しく、立ち並ぶ建築物の平均階数は見るからに低い。

――あぁ、不幸だ。

新入生「まーた立ち止まって。……もしかしてまだ痛い? ごめんね、さっきはつい」人

『さっき』何があったかは察してほしい。
多分よーく見たらまだ右頬に手形が残っているはずである。

上条「はっはー、あの程度で済むならツイてる部類だっての。なあ、それよりここ、学園都市なのか……?」

新入生「は? 学園都市に決まってるじゃん」キョトン

上条「だ、だよな! …………不幸中の幸いかー」ボソッ

建物はまばらで特徴的な風力発電機も見えないが、橋から見下ろす街並み――橋は二車線の道路を跨ぐ小さな陸橋だった――には電柱がない。
『外』なら道と平行に電線が走っているはずだ。
つまり、嫌にのどかなこの場所も、学園都市の壁の中ということなんだろう。

上条(第十九学区のどっか、だよな? きっと)

ただ、俺が前触れもなくここに来た事実を考慮するとややこしくなる。
単純な移動系の異能なら無効化していたはずだ。
そんなんじゃない、立っている地球の方をひねり回し世界さえ作り替えるような魔神クラスの力が介入しているんだとしたら、まだ安心はできない。


それに――よく考えたら、俺に『不幸中の幸い』なんてあるはずもなかったのだ。




上条「う、お……前に進めねぇ……」ギュウギュウ

雑多な行列に復帰して橋を渡ると、在学生の皆様が両脇から俺達を出迎える。
まるでハネムーンから帰国した芸能人の気分。
しかし仮にアイドル歌手とスポーツ選手と天才画家と売れっ子ラノベ作家が同乗していたら、ミーハーさん達だけで空港の許容量なんて一瞬でパンクする。
まぁつまり、そんな状況だった。

新入生「おっ、ねぇあの池の前にすごい民族衣装の人達が!」ユビサシ

眼下の池の境のステージには色とりどりの服と見慣れない楽器に身を固めた一団が並んでいる。
昔ビリビリを狙ってた――海原ってヤツに変装した魔術師の地元があんななんだっけ。
えーと、アラスカ?

ポニテ「入学おめでとうございまーすっ! あなた良い体してますね! 何かスポーツやってる?」ズイッ

上条「え、知人とリアル鬼ごっこを少々……?」

ポニテ「何ですかそれー、走るの好きなんだ!? えー来週の土曜に敷地案内と親睦を兼ねた学内一周――」キラキラ

あ、これやばい流れだ。

上条「ススススミマセン、今はちょっと急いでるんで!」ワタワタ

ポニテ「あっ、メアドだけでもー!」

人だかりをかき分け脱兎の如く逃げる俺。
いやさっきの人は悪くないんだけど……和やかに新歓トークに興じてる場合でもないっつうか。




新入生「ちょ、待って……」ゼーハー

うっかり見失ったかと思ったお姉さんはわざわざ追い掛けてきてくれたらしい。
出合い頭のファーストインプレッションは最悪だったろうに実に親切である。
会話と攻撃が紙一重な女性陣にはぜひ見習ってほしいものだ。
どいつらとは言わないが。

上条「あー……、悪い。……ゴメンついでに、ここって第何学区なんだ? 」

そう。
がむしゃらに密集地帯を抜けて黄土色のコンクリの坂を駆け上がり、気付いたことがある。

二階くらいの高さのここからは通ってきた道が見渡せる。
岸辺のステージでどこか懐かしげな曲を演奏する集団や反対側のスペースで瓦割りを披露する面々。
みんな派手っちゃ派手だが――学園都市にありがちなホログラム、もっとありふれた能力パフォーマンスとかを見掛けない。

能力強度の低い学生が多い学校なのかもしれない。
それでも、景気付けに火の玉の一発二発を打ち上げる異能力者すらいないことがあるのか?
この規模の大学で。

新入生「学区って、中高じゃないんだからそんなのないでしょー。私はなんと九州から来てるんだよ?」

上条「……そっか」

じー、と妙に熱心な視線は一旦スルー……俺だって痛い子扱いは辛いんだからな。

さて、これで大分はっきりした。
二十三に分けられた学区を意識しないなんて、幼稚園児だろうとスキルアウトだろうと学園都市の住人ならありえない。
つまり――、

眼鏡「ガッキ……? 楽器と聞いて! 木管金管パーカッション、どれが好み?」ビラ テワタシ

上条「だあああああああッ話が進まねえ!」ガシッ

新入生「へっ?」ギュッ

ここまで来たんだ、事情が飲み込めるまで付き合ってくれ!

眼鏡「十一時からミニコンサート聞きに来てねー♪」ニコー

ビラ配りの人が背後でにこやかに手を振る。
俺はお姉さんを引っ張って、人のまばらな方に駆け出した――。




手近な棟に飛び込んで階段をいくらか上り下りして、俺達はやっと落ち着いたスペースに出ることができた。
新しめの内装の中に都合よくあったベンチに座り込みぜーはー息を整える。

さっき通過した踊り場の表示が正しければ、ここは一階らしいが、半地下っぽくなっており人の流れが少ない。
それでも色んな格好の人達がビラや看板を持って歩き回っているけど、あからさまに休憩中の俺達に話し掛けてはこなかった。
この大学に放り込まれてからこっち、初めて人心地つけた気分だ。

ただ、座り込んでるだけじゃなくて、そろそろ今後の身の振り方を考えたい。
ここは白黒つけねばならないだろう。

上条「なあ、冗談のつもりで聞いてくれ」シンケン

新入生「な、何……?」カァ...

ざわざわと、話し声や微かなピアノの音が遠のいていく。
二人の間だけ空気が張り詰めるような感覚――。

……あれ、なんか切り出し辛いぞ?


上条「超能力って知ってるか?」キリッ

新入生「…………えっ。あー……、上条君って結構サブカル系?」ヒキ

数々のトラブルの中で鍛えた俺のAKY(敢えて空気読まない)スキルは一瞬で撃沈した。


謎の緊張が解けると緩やかな人混みのざわめきが帰ってきて、目の前の相手との見えない距離感だけが空しく残る。
言葉はオブラートに包んでるけど、視線が『やべーこいつ電波だわ』って言ってる。
かくも目は口ほどに人を傷つけるのか!

上条「ち、違うんだ! 現実と空想を混同した可哀想な人を見る目を向けるな!! だぁぁ、ふこ――」


メイド「あーーっ! 君、『上条当麻』!?」ビシッ


不幸を嘆く台詞すら許されない圧倒的不幸!!

ついでに言うと能力開発的に現実と空想を混同してるのはホントは否定できない!

上条「じゃなくて、俺を知ってるのか!?」

新たに割り込んできたのは、いつぞやの蜂色メイドと同系統のエセメイドさん。
名指しで呼ぶってことは俺と同様この現象に巻き込まれたか、あるいは原因の側の可能性もある!

メイド「おー、なり切ってるぅ。ね、あれやって、『その幻想を――』?」

上条「――ぶち殺す!! ……って何をだ!」

メイド「すごーい超似てる! ね、写メ取っていい? 男の人のレイヤーさんってやっぱり割合少ないよねー」キャッキャ




だめだこのひと……。
俺はがっくりきて縋るように同行者の方を見た。
どうも、これまでの彼女とのやり取り以上に互いの認識が噛み合っていない気がする。
レイヤーって何なの? 層?

新入生「あ、上条君そのサークル見学してくんだ? じゃ、私は広場のステージ見にいくから――」ニッコリ

上条「あああ待ってくれ俺も何がなんだか分かってないんだって! ここまで来て見捨てるなんて殺生なッ!」

頼みの綱は電波野郎を押し付ける相手を見付け、肩の荷が下りたとばかりにこの場を離れようとしていた。
しかし俺からすりゃ突撃してきたメイドの方がよっぽど理解不能だ。
できたらこっちと話して状況を整理したい。

新入生「えー……。だって知り合いなんでしょ?」

上条「断じて違う! 多分メイドさんの人違い!」

メイド「え、大学デビューで華麗にカミングアウトじやないの?」

斜め上メイドは一旦視界から外した。

というか、冷静に考えるとお姉さんの『超能力』発言に対するさっきの反応はおかしい。
学園都市の外じゃSFの延長線上にある異能かもしれないが、それを開発している機関は世界的に知れ渡っている。

俺はきっと大きな思い違いをしている。
さっき自分でも確認したはずだ、『魔神クラスの力が介入している可能性』を。
単純に、学園都市の人間が『ここが学園都市だと忘れている』とか、俺が『何らかの手段で壁の外に移動させられた』とか。

そんなレベルの話ではないんじゃないか……?

上条「――頼む。頭がおかしいと思ってもいいから、これだけ教えてくれないか」

新入生「え、うん……」ドキ

メイド「ん? 実は結構複雑な事情なの?」ヒョコ

ここまで一緒に行動していた彼女と、テンションがやっと落ち着いた土御門垂涎のメイドっ娘が真面目な表情になる。
……もう遠回しに探っても仕方ない、な。


上条「――ここは『どこ』だ?」



かくして、

新入生「どこ、って。筑波大学でしょ?」

メイド「その1E棟一階ね。このへん迷路みたいだから道に迷ったクチかー」


現実と虚構が交差するとき、物語は始まる――?



新入生(っていうか、上条君女の人にばっかり勧誘されすぎじゃない?)




以上、誰得ローカルネタでした。

タイトルは

上条「俺の知ってる学園都市とちがう」

です。

・実際のつくばにはそこそこ電柱がある(禁書の学園都市の如く電柱のない街を謳う割には)
・話中のつくば知識は古い
・モデルにしたいくつかの団体と作者は無関係
・関係者の方がいたら全力で土下座

ちなみにこの上条さんには、
『現実の入学式会場にいた誰かが持っていた小説単行本を介して、禁書世界からこぼれ落ちた上条さん』
という生かされない謎設定があります。
幻想殺しは健在ですが、現実世界なので殺すべき幻想がないっていう。

色々垂れ流し失礼しました。


age忘れた……。

数スレお借りします。
新約7を読んでたら思い付きました。


四年前
~~~~~~~~~~

「……あ?『置き去り(チャイルドエラー)』を一人引き取れだァ?」

「あ、ああ。上からの指令でね。君の『自分だけの現実(パーソナルリアリティ)』の構築に――」

「チッ。能力開発のためかァ……仕方ねェ」

~~~~~~~~~~~~~~~

「……うるせェガキばっかじゃねェか。引き取りたくもねェ……ン?」

「どうかしたか?」

「決めた。アイツでいい」

~~~~~~~~~~


~~~~~~~~~~

「お兄様ー!二日!!二日もお会いできなかったんですの黒子はずって寂しくて寂しくて――」ダキッ

「うるせェよオマエ」

(……どォしてこォなった)

~~~~~~~~~~

「相変わらず冷たいですのね、お兄様は」

「ハァ……だから好きで引き取ったワケじゃねェっつゥの。こンなめんどくせェガキ」

「ガキッ……!確かにわたくしはまだ子供ですがお兄様だって――」

(めンどくせェ……)

~~~~~~~~

「今日から新しい学校の寮に移ることになりましたの。常盤台中学附属の小学校だとか」

「へェ」

「……ほんと相変わらずですのね。もう少し寂しがってくださりませんの?」

「アホかオマ――」

「わたくしは寂しいですの」

「はァ?」

「黒子はお兄様と離れ離れになることが、本当に寂しいですの」

「……あァ、そう」

(意味わかンねェ……ほンとめンどくせェ)

~~~~~~~~~~~~


今(20XX-4/26)
AM10:13

一方通行「っ……夢か」

一方通行(ったく、懐かしィ夢だったなァ)

一方通行(あのガキ引き取って1年ぐれェでどっか消えてって、そっから俺の引っ越し以降音沙汰なし、か)

一方通行「別に悲しくもなンとも――」

ピンポーン ピンポーン

一方通行「……あ?客だァ?」

一方通行(普段なら俺の家に来る奴なンざチャイム鳴らす礼儀もなってねェスキルアウトくれェだ……研究者は携帯に連絡してくっからな)

一方通行(……誰だ?)

一方通行「まァいいか」ゴロン

ピンポーン ピンポーン

一方通行(しつけェ)

一方通行(うるせェから音反射……いや一応出とくか。研究所からの宅配とかかもしンねェしなァ)

一方通行「はァい」ガチャ

黒子「ご機嫌麗しゅう、お兄様」ペコ






一方通行「…………はァ?」


黒子「はぁ、相変わらずコーヒーしかありませんのね。お茶をもってきて正解でしたの」ズズー

一方通行「」

黒子「とはいえ、相変わらず綺麗なお部屋ですのね」

一方通行「」

黒子「家具などが少ないのもお兄様らしいですわ……どうなさいましたの?先程から口数が少ないようですが」

一方通行「……いや、あの、なンでいンのオマエ?」

黒子「……?わたくしがお兄様の妹だからですの?」キョトン

一方通行「意味わかンねェ。オマエに家教えた覚えはねェしその大きな荷物はなンだ」

黒子「住所など少し危ない橋を渡ればすぐわかりますのよ?」

一方通行「あァ、オマエ風紀委員(ジャッジメント)だったかァ……って書庫(バンク)へのハッキングは職権濫用だろォが。訴えンぞクソガキ」

黒子「もう、相変わらず冷たいですのねお兄様は。そんなところもお慕いして――」ガバッ

一方通行「っ……!暑苦しィ、離れろ」

黒子「もう、照れ屋さんですこと」

一方通行「……前以上に面倒くせェなオマエ。突然抱きつくのやめろ」

一方通行(咄嗟に反射切ったからよかったが。もし切り損ねたらオマエが怪我すンだろォが)

一方通行「で、その荷物は?」

黒子「えっと……あの、その……」




黒子「今日からお世話になってもよろしいですの?」




一方通行「……は?」

以上です。お目汚しすみませんでした。

一方通行は打ち止めとか身内の影響を受けやすいので、恐らくかなり違った感じになってるのでは……とかいろいろ。
ネタが浮かんだらスレ立てたいけど浮かぶ気がしません。

夜中のテンションで書いたやつを数レスお借りて投下します
きっと後悔するだろうけど、ハメを外しますね

加群さんとバードウェイちゃんのお話です




認めたくなかった。
ただ、それだけ。


「聞いてくれ先生! 私、最近ブラを付けはじめたんだ!」


聞きたくなかった。
そんなことは。


「この調子でいけばいつかは姉ぐらいになるぞ……!!」


認めたくなかった。
愛しい教え子がB以上になったなんて。

聞きたくなかった。
愛しい教え子がB以上になったことなんて。


……もうここにはいられない。



出るんだ!! こんなところから!!


外にある広い世界へ行けば―――――――必ず、理想郷にたどり着ける!!



そう信じて……






加群「――――ハッ!」ガバッ

マリアン「うおっ!」ビクッ

ミョルニル『お、やっと起きたね』ガタゴト

加群「……ここは?」

マリアン「えーっと、覚えてないのベルシ?」

加群「私は眠っていたようだが……何かあったのか」

ミョルニル『ひどく酔ってたんだよ』ガタゴト

マリアン「裏路地でベルシを見つけて私たちが介抱してやってたとこだよ」

加群「そうだったか……確かに気分が優れないな……」グラグラ…

マリアン「まったくもー! 普段お酒なんて飲まないのに無理して何杯も飲んじゃうからだよ!」

ミョルニル『ちなみにここは隠れ家的な空き部屋だよ』ガタゴト

加群「すまなかった。私がどうしようもない男で……」

マリアン「……あんまり思いつめないでよ、ベルシ。こんなことで気に病むことはないからさ」

ミョルニル『でもどうしてお酒なんて飲もうと思ったの?』

マリアン「うん、それは気になるね」

加群「……きっと、認めたくないものを必死に否定したかったからだろう」フッ…

マリアン「?」

ミョルニル『?』ガタゴト

加群「さて、もうすぐ早朝だな。朝食でも食べに行こうか」

マリアン「そうだね、そうしよっか!」

ミョルニル『わーい』ガタゴト





加群(私が否定したかったもの……か)




◆ロンドンのとあるレストラン◆



マリアン「おー、全部ベルシがお金払ってくれるなんて太っ腹だねえ」モキュモキュ

ミョルニル『だねえ』ガタゴト

加群「迷惑をかけてしまったからな。むしろこれぐらいしか返せないよ」コーヒーズズー


<ガッシャーン!! アアッ!? スミマセンオキャクサマ!!


マリアン「んん? あららー、ウェイトレスがお客にジュースぶちまけちゃってるよ」

ミョルニル『しかも女の子に』ガタゴト

加群(……お気の毒様だな。女の子が泣き喚かないことを祈ろう)



???「ちっ、朝っぱらから散々だ」

???「ボス、お着替えお持ちしてまいりますね」

???「早くしろ。ベトベトしてて気持ちが悪い」



加群(……ん? まてよ、この女の子はもしや……)

マリアン「パスタうまー♪」モキュモキュ

ミョルニル『マンゴージュースうまー♪』ガタゴト



???「お着替えの準備が整いました。あちらの車内でどうぞ」

???「……はあ、仕方がないか」スタスタ



加群(やはりだ……間違いないッ!)

加群(一目瞭然だ! 私の目でも見分けれるほどの!)

加群(この娘、"B以下"じゃないか!!!!)



加群「マリアン、ミョルニル。ここにお金を置いておくからあとは好きに食べて帰ってくれ」

マリアン「んん? どったのベルシ?」

ミョルニル『ベルシ?』ガタゴト

加群「……察してくれ」

マリアン「……了解、だけど早く帰ってくるんだよ?」

ミョルニル『もう酔いつぶれないようにね』クスクス

加群「……ありがとう」ニッコリ




加群(ようやく辿り着いた……私の理想郷に……)ジーン…




◆ロンドンのとある大通り◆




後部座席のドアが開き、衣服を濡らした少女が車内に乗り込んだ。
シックなデザインの黒い車の周りには黒い礼服を着込んだ男達がまるで一人の少女を守護するように立ち並んでいた。

彼らの正体は、英国最大規模の魔術結社『明け色の陽射し』。
そして後部座席で着替えを行う少女の名は、レイヴィニア=バードウェイ。
魔術業界では幾人もの魔術師が畏れを抱く残虐非道な"マジックキャバル"である。



バードウェイ「げっ、素肌にまでジュースの匂いがついてやがる……」

するりと上下の衣服を下着以外全て脱ぎ捨て、少女は軽く溜息を吐く。
外から見る車窓からは車内が見えない仕組みが施されており、気の抜くままに着替えができる。
ふと、車内にあるTVモニター程度の鏡に映る自身の胸が気になった。
その胸には、ブラを付ける必要も感じないほどの小さな膨らみしかなく、一人の女性としては自信が微塵もない。

バードウェイ「…………、」

むにっ、と自分で揉んでみるが二の腕の柔らかさぐらいの膨らみしか感じない。
膨らみがあって柔らかいが、それはどうしようもなく小規模だった。
何かを諦めるようにして、バードウェイは再び重い溜息を吐いた。




バードウェイ「さっさと着替えてしまおう……」

そう力無く呟き、新品の衣服に手を伸ばした。

その瞬間だった。



バガンッ、と運転席のドアが勢いよく開き、何者かが車内へ侵入してきた。


バードウェイ「きゃっ!?」


即座にバードウェイは新品の衣服を強引に掴み、素肌を隠す。
が、その何者かは運転席のドアが閉め、エンジンを掛けはじめた。


バードウェイ「―――だっ、誰だお前はッ!?」


その何者かは、バードウェイの側近である黒い礼服姿の男ではなかった。
何者かは白いコートの端を揺らす素振りをしながら、機嫌よく答えた。


加群「私は木原加群。ベルシと呼んでくれても構わない。……要するに、君に惚れた男さ」


そして犯罪的な組み合わせの二人の男女を乗せた黒い高級車は、道端に倒れ伏せた礼服の男達を置いて何処かへ去っていく。



―――これは、一人の男が追い求める理想郷への道すがら。



以上です
加群さんの持ちネタ「B以上は乳として認めない」から思いついたお話でした
バードウェイちゃんのちっぱいに一目惚れした加群さんという電波を受信した結果がこれです
何が言いたいかっていうとバードウェイちゃん可愛いってだけです、ハイ

いやほんとにもうお粗末さまでした……ごめんなさい


加群さん好きだから是非色々書いてほしいです


数レスお借りします。



人口の8割が学生の街である学園都市にも、少数ながら飲み屋というものは存在する。

主に教師や研究者がメインターゲットであるが、ごくたまに見るからに未成年、といった少年少女が来ることもある。

そして、意外と言うべきか当然と言うべきか、学園都市の飲み屋の年齢確認は甘い。

今日もはみ出しものの少年少女が、また。

番外個体「だからさぁ、そこであのクソ生意気なガキがさぁ……ちょっと聞いてるーう?」

一方通行「ハイハイ、聞いてるっつゥの。で?」

番外個体「そんでさあ――」





番外個体「で、またあいつが言うの。『あの人は許してくれたもん!ってミサカはミサカは――』」

番外個体「あー話してたらムカついてきた!!アナタが独り暮し初めてからあのガキンチョどんどん我が儘になってきて――痛っ!なにす」

一方通行「声抑えろ。つゥかムカついてくンのはこっちだその話何周目だっての」

番外個体「四周目かな?ぎゃはっ」

一方通行「分かってンならそろそろ止まってくれませンかァ?」

番外個体「やーだっ。あ、店員さーん、生ビールを――」

一方通行「焼き鳥一皿と冷奴一つ。以上で」

店員「焼き鳥一皿と冷奴一つでよろしいでしょうか」

一方通行「はァい」

店員「少々お待ちください」テクテク

番外個体「……なんで頼ませてくれなかったのさ?ミサカまだ飲み足りないんだけどぉ」

一方通行「呑みすぎだボケ酒量考えろ。っつゥかオマエも未成年だろォが」

番外個体「ミサカの心配してくれてんの?やっさしー、あははっ☆」

一方通行「落ち着けっつゥの」

番外個体「これが落ち着いてられっか!大体ね、アナタが――」ギャンギャン



一方通行「……で、喋るだけ喋って寝落ち、と」

カウンターに突っ伏して寝顔を見せる少女を見て、一方通行は額をおさえ溜め息を吐く。
本日――というか生まれてこのかた、一方通行は酒を飲んだことがない。
特に意外なところで善良市民なのではなく、単に興味がないだけなのだが――こういう所で割を食うのは頂けない。

一方通行「ンにしても、酒癖の悪さは流石御坂DNAってとこかァ?」

店員「あ、あの、すみませんが、閉店時間が」

一方通行「おォ、悪ィ」カチッ

軽い動作で電極のスイッチを切り換えると、杖を片付けて両手で番外個体を抱き抱える。
つまり、所謂お姫様抱っこの状態である。

一方通行「……はァ」

支払いを済ませ、彼女を抱えたまま店を出る。
電極の使用時間はあと5分程度と言ったところだろうか。
充電しておけばよかった、と思うのだが今更である。

一方通行「綺麗な寝顔してンな、オマエ」

月明かりに照らされる穏やかな寝顔は、まるで天使や聖母のようで。
普段の彼女を知っていても――いや、知っているからこそ、余計そこに美しさを覚えてしまうのだろうか。

番外個体「んんっ……」zzz

一方通行「……はァ」テクテク

番外個体「んっ……」zzz

一方通行「……」テクテク

番外個体「んん……第一位っ……」zzz

その魅力的な寝顔、起伏に富んだ体、寝言であろうか口から漏れる艶かしい発音。

夜の寒さと暗さに酔う第一位が陥落するのには、十分すぎるほどだった。

番外個体「……ねえ、――だよ?」zzz

一方通行「」プチン

一方通行「黄泉川のマンションで送ってやろォと思ったンだがなァ……気が変わったわ」

一方通行「俺の部屋でも問題ねェよなァ?」


一方通行「なァ、番外個体よォ?」

番外個体「……ぎゃは。よく分かってるね、第一位」

一方通行「最初から起きてたンだろォ?」

番外個体「いんや?寝落ちしたのは事実だよ。店でたくらいからは起きてたけど」

一方通行「寝たフリの練習でもしとくかァ?バレバレだクソガキ」

番外個体「つまんねーの。ねえ変態第一位、ミサカの喘ぎ声に興奮したぁ?」

一方通行「……あンな偽物、どォも思わねェよ」

番外個体「それもそうか。じゃあ、今から」



番外個体「ホンモノ、出させてみなよ」



  fin

以上です。ミスなどあったら申し訳ありません。


少し前の一方黒子兄妹設定の書き溜めを作ろうとしているのですがなかなか進まずムシャクシャした勢いで書きました。お目汚し失礼しました。

超電磁砲&一方通行発売記念に計6レス置いていきます。コミックスのネタバレは一切ありません。

同じテーマで上←琴とカプなし番外通行止めの2本立て。
多分原作の次の夏ですがギャグなので細かいことは気にしない方向で。


――第七学区 公園――


上条「あっぢぃー……窓開けた部屋に寝てるインデックスが無事なのに俺だけ蚊に食われるし……」ガリガリ

上条「久々に補習が無いと思ったら食料が尽きてて買い出しに出る羽目に……今日も満員御礼、不幸だー」

美琴「あっ……、ぐ、偶然じゃない! なーに疲れた顔して歩いてんの」タッタッ

上条「スーパー。買い出し。俺、急ぐ」メソラシ

美琴「暑いのに面倒臭いのと出くわしたみたいな反応すんじゃないわよコノヤロウ」

上条「察してくれ……出掛けに飲んできた学園都市の美味しい(水道)水も蒸発しきって限界なんだよ……」

美琴「えー、確かに暑いけど言うほどじゃなくない? 育ち盛りの高校生がへばるんじゃないっての」

上条「何でそんなに元気なんだ……」

美琴「嗜みよ、た・し・な・み。どんなに暑かろうとみっともない姿は見せるべからず、
   まして勝手に噂されてる女子校の内情みたいに制服をはしたなく着崩すなんて常盤台の恥……って煩いのよ。黒子が」

上条「噂されてる内情? あー、男の目が無いからってブラウスはだけたりとか、スカートの下に短パンを……」チラ

美琴「どこ見とんじゃコラ! つーかアンタもそんな風に思ってたわけね!?」バチッ

上条「っと危ねぇ! ネットとかの一般的な噂だって、頼むから今日は止めて干からびて死んじゃう」パキン

美琴「ふー、ふー、……ホント覇気がないわね。そ、そうだ、ちょっとそこの喫茶店でも付き合いなさいよ。
   よく知らないけど特売って夕方なんでしょ? 涼しいところで時間潰して行った方が良いんじゃない? とか……」

上条「俺にそんな金銭的余裕があるとお思いか、いや思うまい。つかサ店に入る金があるなら自販機で手軽に水分補給してるだろーが……」

美琴「だーーーっ! 私が呼び止めたせいで熱中症になられても寝覚め悪いしドリンクくらいなら奢るってのよ!
   いいからとっとと来る!!」グイッ

上条「え、っちょ、」ズルズル



――喫茶店――


上条「あぁ、涼しい、生き返る……」

美琴「ちょっと店員さん来てるってば。あ、私はアイスレモンティーで」

上条「えーっと…………ウーロン茶で」ジー

店員「かしこまりました」ペコリ スタスタ

美琴「……わざわざ一番安いの選ばなくても良いのに。せっかく美琴センセーの奢りなんだからさ」

上条「いや、付いてきてなんだけど流石に奢らせるわけにはいかねえよ」

美琴「暑い中呼び止めたお詫びみたいなものって言ったじゃない」

上条「つってもなー。さっきは暑さで頭やられてたけど、冷静に考えるとあのまま歩いてたらマジで危なかっただろ。
   むしろ無理にでもここに引っ張り込んでもらって助かったと言えなくもないし」

美琴「言えなくもないってどういうことよっ、フツーに感謝できんのか!」パチッ

上条「だー!! スミマセン御坂様のおかげで不幸回避できました! つかここ店内!!!」パキン

美琴(う……く、ホントに今日は暑さで参ってるわけ? コイツ妙に素直なんだけど……)


店員「お待たせいたしました、アイスレモンティーとウーロン茶です。こちらのシロップをどうぞ」コト

御坂「あ、シロップは大丈夫です」

店員「失礼いたしました。ごゆっくりどうぞ」スッ

上条「ふー。いただきまーす、と」ゴクゴク

美琴(うー。勢いで連れてきたものの夕方までどーしようかしら)チュー

上条(さっきから御坂黙りっぱなしなんだが……気まずい)

美琴(っていうか喫茶店で二人きり向かい合ってる状況ってどうなの? 何話したら良いの!?)チュー!

上条(うあ、蚊に食われたとこが痒くなってきた……。ん? そういえば)ジー

美琴「……な、何? どうしたの?」

上条「御坂は腕きれいだよな……」

美琴「は、へ? アアアアンタ急に変なこと言ってるの!!??」ボフン

上条「変なことって、別に深い意味はねえけど」

美琴「ここ店内っつったのはアンタでしょうが! う、腕、とか……変態みたいなこと言わないでよ!」カァァァ

上条「? 何で俺が変態なんだよ。……失礼だろうしジロジロ見たりはしねえけど、多分脚とかもきれいなんだろうな」

美琴「あ、脚、私のっ……! ちょっと待って、『とか』って何!? アンタ一体何を想像して……っ!!」グルグル

上条「いや、別に特定のどこっつーか……全身?」

美琴「ぜんし…………ふ、ふにゃー」バチバチバチバチ!!

上条「のわぁぁぁああああ!! 何故に!!??」パキン!



美琴「……つまり?」

上条「ハイ。常に発してる電磁波の恩恵で、蚊などとは無縁なんだろーなー、と」ボロボロ

美琴「へぇえ、『きれい』ってのは虫刺されが無いって意味、と……紛らわしいんじゃ馬鹿ッッ!!!」バチィッ

上条「スミマセンもう許してください店員さんガン見してるんでホントスミマセン」パキン

美琴「無駄に消耗したわ……。大体良いことばっかじゃないんだから。知ってるでしょ、小動物の類には軒並み逃げられるし」

上条「そういや妹の方も猫に逃げられるって言ってたもんな」

美琴「そ・う・ね! だったらあの子達も『きれい』なんじゃないの!」

上条(え、今のは何が地雷だったの……?)

美琴「はー……。それにしても電撃使いのAIM拡散力場のこととかよく覚えてたわね」

上条「う、地味に馬鹿にしてねえか? ……人間は何も感じないのに動物は嫌がるってのががよく分かんなくてなー、引っ掛かってたっつーか。
   動物の方が感覚が鋭いからだっけ?」

美琴「概ねそう。相手にもよるけど、体の大きさも結構関係するわ。あと飛ぶ虫だと羽の振動と干渉して不快だって話よ」

上条「やっぱり羨ましいなソレ。仮に能力が発現しても打ち消されちまうだろうけど、もし使えるなら俺も電撃使いが良いな」

美琴「そ、そう?」テレ

上条「ウチのエアコン壊れてるから暑いだろ? 窓開けるしかないだろ? 網戸に何故か空いてた穴から蚊が大量に侵入してくるだろ……?」

美琴「そ、そう……」ヒキ

上条「AIMってことは常時ガードだもんなー。そういえば、他の人の周りにも電磁波展開したりできんのか?」

美琴「無意識には無理だけど、電磁波を発生させることはできるわね。電撃使いの能力に含まれるものだし」

上条「ってことは御坂と一緒にいれば痒みと無縁の生活が送れる……?」シンケン

美琴「ふあ!? って人を蚊取り線香みたいに言うなっ!」カァ

上条「はは、悪ぃ悪ぃ。しかし流石に器用なもんだよな」

美琴(とはいえ……うーん、人体に害や不快感がないレベルの電磁波を発生させるよりは……、
   直接身体に微弱な電流を通して人体が元々発している電磁波を調整した方が早い、かな?)ブツブツ

上条「おい、待てって、そんなに怒らなくても――」

美琴(あ、駄目か。コイツの場合全身にどうこうする系の能力は打ち消しちゃうんだった。
   ってどーしてコイツ前提で考えてんのよ!! いいい一緒にいればとか恥ずかしいこと言うからッ!!)ブンブン!

上条「み、御坂様――?」

美琴(ってかわざわざ電磁波を発生させなくても、私のAIMの範囲内にいれば良いんじゃない。それなら無害だし、消えるのも右手の周りだけだし。
   動物とかに影響するのは私の身体からだいたい三十センチくらいだから、コイツの全身をガードするには……あれ?)ピタ

上条「なあ、まさか具合でも悪いんじゃ――」


美琴「…………………………ふにゃー……」バチバチバチバチ!!

上条「だから何でぇぇぇぇえええええ!!??」パキン!



――黄泉川家 リビング――


打止「あ、おはよーあなた。今日も重役起床だねってミサカはミサカは早起きの重要性を仄めかしてみたり」

一方「はよォ」フラー

番外「ぎゃっははは、何それひでークマ! また夜な夜な面白いことに首突っ込んでんの? ミサカにも暴れさせろよー」

打止「!? 危ないことしたらダメなんだからね! 番外個体も夜遊びは控えめに! ってミサカはミサカは姉として忠告してみる!」

一方「うるせェ……つかクマはオマエが言うな」バフン

番外「お、そこのちっこい姉(笑)はともかくミサカの前でソファに突っ伏すとかナメてるね。むしろ誘ってるね? 好きなだけ嫌がらせしろってポーズだね?
   よろしいならば戦争だ、とりあえずデザートのゼリーはミサカが頂いた」

打止「待って、この人が食べないんならそのゼリーはミサカの、じゃなくて誰が(笑)か! ってミサカはミサカは抗議してみる――
   ん? この人の首のとこに、赤い、アザ……?」ジィ

番外「え、ちょっと見せて……。ぶひゃっ、何だコレ! なーんだコレ!
   やぁん、そりゃ上位個体の前じゃ言えないよねぇ。夜の間お盛んにナニしてたかなんてさぁ」ギャハハ

一方「チッ……見ンじゃねェよ」

打止「どういうこと、怪我とかじゃないの? ってミサカはミサカはネットワークを駆使してアザの正体を検索してみる。
   ――なになに、学園都市内の一九〇九〇号によると、首筋の赤いアザは…………って何コレぇ!?」ボフン

番外「あーあ、ほらほらあなたがそんな恥ずかしいもの晒してるから大事なお子さんが大人の階段上っちゃったよ?」

打止「ちょっとぉぉ! あなたってばユリコちゃんだったの!? ってミサカはミサカは驚愕してみたり!
   っていうか相手は誰!? どこぞの馬の骨にウチのユリコはやらないんだから!」

一方「オイこら。誰が百合子ちゃンだよ、つゥかオマエらが想像してるよォなもンじゃねェ」ビシ

打止「ふぎゃ」

番外「へぇえ? 第一位はミサカ達がナニを想像してると思ったのかにゃー? ん? ん?」

一方「うっぜェ」

打止「え、きすまーくじゃないの? ってミサカはミサカは首を傾げてみる」

番外「そーだよ、情事の名残りじゃないんならコレが何なのか言ってみ? ぷふっ、どーせもっと恥ずかしいものなんだろー?」

一方「チッ……」



打止「へ、蚊に食われた、跡……?」

番外「~~っ、~~~~っ!! 学園都市第一位が虫刺され! だっせぇぇぇぇえええええ!」

一方「もォ黙れよオマエ。窓から捨てンぞ」イライラ

番外「ごっめんねぇ? ミサカ達電撃使いだからぁ、夜も寝れないストレスとか分かんないしー?」

打止「そんなに痒いの? ってミサカはミサカはクローゼットから救急箱を持ち出しつつあなたを気遣ってみる」

一方「あー、例えば首と腕と脚の三箇所刺されたとすンだろ? まず腕を掻く、そうすると一旦痒みは紛れる。
   次に脚を、最後に首を掻く。その頃には腕の痒みが復活してやがる。それが一晩ずっとだ、分かるな?」

打止「うえぇ……あんまり考えたくないよってミサカはミサカは聞くだけで背中が痒くなってきた……。
   はいあなた、ウナ○ーワ」

一方「実際には三箇所なンてもンじゃねェ。奴らは仕留められない限り貪欲に体中を刺し続ける。
   俺はソイツをすり潰すまでに六箇所やられたしな」ヌリヌリ

番外「シリアス顔で誤魔化してるけど蚊だからね? つか夜中ネットワークに負荷が掛かったのはそれかよ。
   羽虫相手に全力出す超能力者ワロス」ネェドンナキモチ? ドンナキモチ?

打止「もーう、超能力者だって痒いものは痒いんだよってミサカはミサカは諌めてみる。
   特にこの人は無菌室状態が長くってアレルギー反応とか起きやすいんだからってミサカはミサカはさらに補足」

一方「――納得いかねェのはそこだ」

番外打止「「は?」」

一方「まずは第二位、アイツはそもそも身体構造が人間と違う。よって蚊が餌を判別するための汗や二酸化炭素を発生させねェ。
   よしンば刺されたとして吸われる血がねェし、痒みの原因となる物質が効くとも思えねェ」

打止「カブトムシさんだしね」

番外「いつも思ってたんだけど上位個体の交友関係ってミサカどうかと思うよ。この保護者さんを筆頭に」

一方「混ぜっ返すな。第三位はオマエらと同じ電磁バリア仕様。
   飛ンで第七位は『根性』の一言で大抵のことを片付ける理不尽な原石らしいから多分根性で刺されねェンだろ」

番外「雑すぎじゃね」

一方「最後に第四位と第五位、コイツらは境遇は違うが共に金の掛かった環境に住ンでいると推測される。
   つまり窓を開けて寝る必要がねェ。黄泉川の方針で夜間のクーラーを禁止されている俺と違ってなァ!」

打止「ねぇねぇ、さくっとスルーされた第六位は? ってミ」

一方「理不尽だろォが!! なンで七人いる超能力者の中で俺だけは蚊に刺されなきゃならねェ!!
   第一位なンじゃねェのかよ!! 俺の能力は蚊すら防げねェ程度のもンだってのか!!」バンバン

打止「超能力者の順位付けは能力研究の工業的価値によるもので戦闘力や蚊とは関係無いってミサカはミサカはうんぬんかんぬん。
   っていうかあなた寝てないせいでテンションおかしいよね」

番外「能力自体は蚊どころか核兵器も弾き返すってのがウリじゃん。
   うっかり演算に必要な脳の機能ポイしたからって今更無いもの強請りすんなっての」ケケケ

打止「あ、そっか。家にいる間なら充電しながら能力をオンにしとけば良いんじゃない? ってミサカはミサカは名案を発表してみたり」

一方「それは去年の夏に試したがな、充電速度を消費速度が上回っちまうンだよ」

番外「第一位を充電しながら使うと膨らんじゃうしね」

一方「俺は携帯の電池じゃねェ」



番外「っていうかさー、もうミサカ飽きてきたから教えてあげるけど。
   第一位は蚊を潰すのに大人げなく能力まで使ったんだよね? その後は刺されたところが痒くてみじめに一晩掻き毟ってたんだよね?」

一方「表現が気に食わねェが大筋はそォだな」

番外「あなたの能力ならアレルギー反応くらいどうとでもなると思うんだけど」

一方「……あっ」



――その夜 一方通行の部屋――


一方「つゥことで、辿り着いてみりゃァ単純な答えだったわけだ。あの性悪の思い付きっつゥのが癪だが」カチ

一方(昼間に分析したアレルゲンの性質から対応する抗体を特定。体内の分泌物を操作――)キュイーン

一方「……よし。一時的に蚊の持つ化学物質に対するアレルギー反応を抑制、と。ハッ、科学法則で表せる現象なンざ敵じゃねェンだよ。
   血が欲しいならくれてやる、だが俺の睡眠は邪魔させねェ……!」カチ


ボフン

一方「……」スースー



プ―――――ン


一方「……」スースー



プ______s―ン


一方「…………」ス



プ――――z________ン


一方「……………………」



ン←―――プ

プ―γγγ――ン


一方「だァァァっ寝れねェェェエエエエ!!!!」ガバッ


黄泉川「真夜中に煩いじゃんよ!!」バキィ!



――余談――


芳川「昼間はクーラー禁止じゃないんだから、昼に寝て夜は起きてればいいじゃない」ドヤァ

一方「……えっ」ドンビキ


以上です。
この夏一番欲しい能力は間違いなく電撃使い。あの忌々しい蚊を片っ端から焼き払いたい。

最初の一レスは入れ忘れましたが名前欄がタイトルです。
原作では真面目に仕事探してるのにオチ要因にしてごめんね芳川。

今期やってるアニメ見てて思いついたネタを書き込もうと思うんだけど
ちょっとホモネタ多いかもしんないから
駄目だと思ったら名前欄の「今仁武礼甲」か俺のトリでNGしてほしい

>>612とは別人なんで、そっちは楽しみに待ってます

 春の夕暮れ、真っ赤に染まる公園の自販機前で私たちは対峙した。

(今日こそ……今日言わないでいつ言うの……今でしょ! いや、そうじゃなくて)

 これは何度目の告白だろうかと考える。いつも肝心なところで理不尽なアクシデントが起きるのだ。この男の持つ不幸体質のせいかと思うと腹立たしい。それはアンタの不幸じゃない、私の不幸だ! と主張したくなる。

「何だ? 話って」

 タイムセールが、とスーパーの方向ばかり気にしている視線を磁力でこちらに向けられたらいいのにと願い、そんな能力も打ち消されてしまうのだろうなとすぐに思い直す。

(あああああ、だからそんなこと考えてる場合じゃなくて!!)

「おい、御坂? 時間まずいし話なら後でもいいか?」
「よくない! まっ……私は、ずっと――」

 ――アンタのことが好きでした?

 過去形とか以前に何か違う気がする。

 ――私のものになれ?

 どこかの女王様みたいだ却下。

「ずっと……」

 私の立ち位置は何だ。こいつの後を追いかけて、隣に立って、時には叱咤激励して、走り続けるこのバカを支えたかった。

「ずっと……」

 ゆるく空を掴む右手に目が行く。私の告白も消してしまうのだろうか。

(そんなことはさせない。この想いは幻想なんかじゃないんだから……!)

 息を吸い込む。









「ずっと、ずっと…………アンタを応援してたんだから!!!」



















(………………ちっっっっがーーーーーう!! 応援て! そりゃ応援はしてたけど! するけど! 違う! それは告白の言葉じゃない!!!)



 これでは伝わらないと項垂れてから見上げたウニ頭は間の抜けた顔を晒した後に、ポンと手を打って鞄から四角いものを取り出した。

(色紙……?)

 不思議に思う私の前でさらさらとペンを走らせて、出来上がったのは

「はい、それ」

 まさか御坂にバレてると思わなかったぜ、そういやお前よく読んでるよな、と一人納得するウニ頭。
 少し崩れた漢字の並ぶ色紙を見る私。

「えっと……これは……」
「え? 違う? 応援ってもしかして手伝ってくれる方?」

 何かが食い違っている。

「とりあえず、うち来るか?」

 しかしそんなことはどうでもよかった。
 先にスーパーに、と慌てる学ランの背を見る目元が火照っている。
 折れるほど抱きしめた胸元の色紙には、こう書かれていた。




 ――今仁武礼甲

 ――いつも応援ありがとうございます







 そして夕飯をご馳走になりつつベタ塗りを手伝った私の頭の中で、コンビニで読む少年漫画の作家の名前が結び付いたのは常盤台の寮へ帰り眠りに落ちようとした頃だった。

「あーーーー!! え!? まさかアイツが!?」
「ぉお姉様……何ですの……」
「お前たち今何時だと思ってる!!」






~月刊少年上条君1【その恋は、少年漫画化されてゆく。】~


「ねえ、漫画家ってもっとお手伝いがいるもんなんじゃないの?」
「いるぞ?」

 白いシスターはとある高校教師の家に遊びに行っているらしい。最近は友達も増えたとか。良いことだ。

「インデックスはあんま手伝ってくれないんだけど、どこそこの何とかって建物を描いてくれって頼んだら凄いスケッチ描いてくれるぞ」

 そして写真と見紛うスケッチを周りの絵と合わせて削っていくらしい。勿体無いが仕事というのはそういうものだろう。

「あとはトーン担当と効果担当がたまに来る」
「へえ~?」

 ちなみにそれは男か女かどっちよ、と気軽に訊こうとしてタイミングを逃す。

「お前会ったことあるだろ。夏休みの最後の日に俺と一緒にいた青い頭の」
「あー……」

 そういえばやたら青い頭を見たような気がする。私は視線を落とす。現実味のあるような無いようなバトルが繰り広げられているのだが、登場人物に既視感が拭えない。

「ところでこのキャラってモデルいたりするの?」

 指差したのは主人公。大喰らいでお人好しで主な攻撃技は拳と噛みつきの牧師。口癖は『咬み殺す』……いや、これは既視感じゃないわ。

「この口癖はタイムリーに問題あるでしょ」
「懐かしネタだな」
「有名過ぎて突っ込む気も失せるわよ」

 口癖はさておき全体像はというと、

「俺とインデックスを足して二で割った」
「なんで足したのよ」
「俺だけだと凡庸すぎて主人公には向かないって言われたんだ……はは」

 凡庸でも人助けくらいするさ、と遠い目をする家主に私は訊ねる。

「他にもモデルとかいたりするの?」
「うーん……やっぱしそのままってのは無いけど、足したり割ったり引いたりしながらなら結構いるかな」

 減る割合の方が多い気がするのだが、この男の周辺人物を考えると妥当なところかもしれない。

「……私もいたりする?」
「……」

 沈黙が落ちる。私には分かる。これは後ろめたいことがある時の沈黙だ。

「正直に答えなさい」
「正直に答えるから! 電撃はやめてくださいまし!」
「なによ、アンタには当たんないでしょうが」
「お前はうちの家電に恨みでもあんのか!」

 私より少し大きな右手が伸びて私の左手を掴む。

「怒るなよ……?」
「ば、場合によるわ!」

 常盤台のお嬢様の手を握るなんてアンタにはもったいない僥倖なのよ、なんて言葉は今更こいつには通じないだろう。誰とでも軽々と手を握るんだからこの――

「……こいつ」

 指差した先に描かれているのは主人公のライバルキャラ。作中でも人気の高いイケメンキャラだ。



 そう。男だ。



「……こいつ?」
「そう、こいつ」

 あのシスターが男性キャラに混ぜられている時点で薄々予想はしていたが。

「お前ってよく俺のこと助けてくれるし、かっこいいってイメージ強くて」

 それは悪い気はしない言葉だけど複雑だ。そしてあのシスターも主人公に組み込まれている事を踏まえ、浮かび上がる疑問がある。

 このヒロイン。

「ヒロインにもモデルっているわけ?」

 この質問には先ほど以上に目が泳いでいる。脂汗と顔色がやばい。

「いや、そいつは、えっと……その、……な?」
「なにが『な?』なのよ」

 この漫画のヒロインはただの悲劇のお姫様ではない。元々は悪の帝国側で好き勝手やらかしていた世間知らずのお姫様が作中のイベントを経て主人公とニアミスしつつ別の冒険路線を進んでいる。ある意味ではもう一人の主人公だ。

「そいつもたまに原稿手伝ってくれるんだけど……モデルにされてるとか知ったら嫌がるだろうし……」
「へえ……ちなみに私も知ってる人?」

 レム睡眠時か痙攣かという速度で目が泳いでいる。というより溺れている。

「ああ、うん……知ってる……な」
「よく来るの?」

 こいつ目線でヒロインって誰だ。それなりによく会っているはずの私やインデックスじゃない女の子――

「最近は来る回数も減ったかな。学校行くようになったみたいだし」
「なった? その子、不登校だったの?」
「色々と事情が複雑なやつでな……」

 いじめにでもあっていたのだろうか?

「本当その辺の事情は俺も詳しく聞けないんだよ。立ち入ったことになるし……」
「アンタにしては随分気を使ってるわね」
「難しいやつだからな……下手に訊いて地雷に触るとな……」

 お姫様扱いというよりは、かなり本気で危惧しているようだ。いったいどんな繊細な人間だ。


「扱いに困ることが多過ぎて、俺は心の中ではあいつを雪国豆腐と呼んでいる」


(……雪国、豆腐!???)

 雪国といえば昔ながらの色白美人が多いと聞く。そんな女子いたかと私は全力で記憶を掘り返した。

(雪国……つまり色白で、豆腐も白………………待って、そこ待って、白いってことと豆腐ってことしか分からないけど、一人思い当たるやつがいる)





 ピンポーン。




 チャイムが鳴る。

「インデックスが帰って来たのかな」

 はいはーい、と返事をしつつウニ頭が腰を上げる。

 ――予想以上に豆腐でした

 いつぞや妹達の一人に聞いた言葉が思い出される。

「あ、お前か」
「誰だと思ったンだよ。これ、あのシスターに」
「インデックスが出てるからさ。茶くらい出そうか」
「別にイイ」

 私は立ち上がり、玄関へ向かった。来訪者と目が合う。


「雪国豆腐!!!!」
「……斬新な喧嘩の売り方だなァ、オリジナル」










 地雷に触れると本当に怖いんだよ、と後で何度もウニ頭が呟いていた。



~月刊少年上条君2【新(ニュー)ヒロインをよろしくね♪】~


「うーん、うーん、うー……」

 夏の蝉のようにひっきりなしに呻いているのは、この部屋の家主だ。良いネタが浮かばないとかで私が来た時から唸っている。

(二人きりなのはいいんだけど……)

 私と入れ替わりにシスターが一方通行と一緒に出て行った。欠食児童の攻撃を見かねた第一位が奢ると言い出したからだ。しかも初めてではないらしい。

(化け物も丸くなるのねえ……)

 思うところはあるものの現状に不満はない。部屋に残った二人の仲を邪魔するのは原稿と締切と再来月のネームだ。邪魔すると同時に今の私たちを結びつけているものでもある。

(このまま時が止まればいいのに――)

「ただいまー! 腹八分なんだよ!」
「オイ、さっき満腹って言ったばっかだろ」
「帰る間に消化された分なんだよ」
「燃費わりィ……」


 願いとは虚しいものである。



「つーか、まだ新キャラで悩ンでンのかよ」

 缶コーヒーを開けながら一方通行が訊ねる。こいつもこいつでシスターの暴食をとやかく言えないんじゃないか。いつ見てもコーヒーを飲んでいる。

「その辺にいる奴でも適当にモデルにして作りゃイイじゃねェか」
「そうだよ、とうま! 私なんてどう?」

 既に物語に骨の髄まで組み込まれている二人が言うのを私も苦笑いで聞いていたが、助け舟くらいは出そうと思う。

「そこの二人は置いとくにしても、モデルなんてそれこそ沢山いそうなものじゃない」
「微妙に作風に合わないといいますか……この街のやつらキャラ濃過ぎるんだよ…」

 どっかに正統派の王子様みたいな軟派キャラいねえかな、と呟くのを聞いて携帯を操作するやつが一人。

「爽やか胡散臭い軟派キャラなら一人心当たりがあるぞ」


 まさかのヒロイン様から王子様の紹介である。


(ちょ、エンパイア・リリィ姫直々の王子様推薦……! アンタにはちゃんと主人公っていう相手が……いや、こいつとあのバカがくっつくのは阻止したいからいいのか! って、イヤイヤイヤイヤ違うでしょ! こいつらはホモじゃないんだから現実にくっつくわけじゃないし漫画の中くらい別に…………やっぱり嫌ぁぁぁぁああ!!)

 シスターが突ついてくる。

「短髪、どうしたの? 石みたいな無表情だけど」
「……女には冷静にならなきゃいけない時があるのよ」




 ピンポーン。

「来たか。さすが早ェな」

 どうやら先ほど携帯で呼び出していた相手らしい。一方通行が玄関まで迎えに行く。どうでもいいけど、ここの家主はアンタじゃない。

「あの……ここって上条さんのお宅ですよね」
「オマエら知り合いか?」

 聞き覚えのある声に硬直する私、興味津々という顔のインデックス、ぽんと右手で左の掌を打つ家主。

「そっか。こいつがいたな」

 来訪者と目が合う。

「あ、えーと……お久しぶりです、御坂さん」
「……お久しぶり、海原さん」







 後日、開いたノートに新キャラのプロットが書きっぱなしになっているのを見た。

 イケメンキャラであるガンレールに心酔している爽やか一途なホモの王子様というのは世界観を壊さないのか心配になった。



~月刊少年上条君3【女には、戦わねばならない、時がある。】~


 ドアを開けると女の子の声がした。





「それで、なんで御坂美琴様はこのワタクシめに電撃を撃ってきたのでせうか」
「しかも『この変態ー!!』なんて掛け声付きでなー」

 いつもより心なしかみすぼらしく見えるウニ頭の部屋で、飛んだ家具類を整えているのは土御門舞夏。私もよく知る家政学校の生徒だ。全く理解していない家主と全て理解しているメイドに挟まれて現在、私は絶賛反省中である。

「それで、うちの学校でやる演劇なんだけどなー」

 兄経由でこいつが漫画家だと知って演劇台本の相談中だったらしい。

(そりゃ早とちりした私が悪いけど……あんな声聴こえたらそりゃ誤解するでしょ……)

 手早く言ってしまうと二股男とその毒牙にかかったメイドの修羅場シーンだった。私は悪くないと言いたいけれど、一部の家電がお陀仏してしまったのは私のせいなので弁解はしない。

「この言い回しはどうなんだー、上条」
「え、変かな」

(……あ、嫌な予感がする)

「実際やってみるかー、御坂ー」

 蝸牛よりは少し早いくらいの速度で後ずさっていたことを後悔する。もっと全力で逃げればよかった。

「御坂は一日メイドやったことあるし、いけるだろー」

 言外にメイド役やるんだからしっかりやれとプレッシャーをかけてくるメイド見習い怖い。この子のメイドに対するこだわりは何なのか分からないが本気なのは身にしみて理解している。


「お、おかえりなさいませ! ご主人様!」





~三十分経過~




「我が天使、その花の顔(かんばせ)に触れるお許しを」
「わ、わ、私のような者にわっ、若様が、か、」
「御坂はなんで上条が恋人役だとズタボロになるんだろーなー。機械に喋らせた方がマシな発声だぞー」
「そんなに上条さんが恋人役なのは嫌ですか……」

(できるかあああああああああ!!!)

 通常のシーンは何とかなっていると思うのだがラブシーンは確かに自分でも酷い出来だと思う。というかジゴロ台詞をこの唐変木が話すのは違和感を突き抜けてぞわぞわする。

「もう一人メイド役が欲しいなー」
「俺、一人二役しようか?」
「いやー……」




 ピンポーン。ガチャ。


「うちのクソガキがシスターとどっか遊びに行ったらしィンだがオマエどこ行ったか知らねェ?」


 鴨だ。

 メイド見習いと家主の目が光った。




「よう。上がれよ。あの二人ならすぐ帰って来るって。コーヒー飲むか? まあ、そこに座って」

 家主に丸め込まれて鴨がコーヒーに口を付けたところで用件を切り出す。

「なあ、協力してほしいことがあるんだけど……」
「……何」

 さすがに怪しんでいるが今すぐ逃げようというほどではないらしい。

「俺ら今、台本の推敲しててさ」
「台本?」

 演劇というものに馴染みが無いのか私より察しが悪い。

「難しいことじゃないんだ。ちょっとこの台詞読んでくれたらいいだけ」

 人の良さそうな顔で紙束を手渡すウニ頭。案外、詐欺師の才能はありそうだ。

 渡された台本に目を通して電極を切り替えようとした左手を幻想殺しが取り押さえる。

「放せ……ッ! こンなもン読めるかッッ」
「やればできるって! お前飲み込み早いだろ?」
「飲み込むもンは選ばせろッッ!!」
「慣れないこともやってみるんだろ?」
「その経験値はいらねェ!!!!」

 能力抜きの腕力勝負でどちらに軍杯が上がるかなど火を見るよりも明らかだった。抵抗も虚しく、現在、家主の右手にしっかり掴まれた第一位の超能力者が項垂れて台本を読んでいる。

「声が小さいぞー」
「ォ、お帰りなさいませ、ご主人サマ」
「もっと敬意を込めてー」
「……お帰りなさいませ」
「そんなあからさまに主人から目を背けるメイドがあるかー。ちゃんと上条を見るんだぞー」

 たっぷり恨みの籠った視線が至近距離で向けられるが家主は笑顔だ。

(抵抗できないと分かると強気ね……)

 いいザマと思ったのも一瞬。あの距離は少し羨ましい。

(本人は災難と思ってるだろうけど)

 同情したり羨んだりする間にもプロのメイド見習い――矛盾しそうだが真実だ――の指導は続いている。

「それなー、主人に食われてからのメイドBの態度にはいいんだけどなー。初期メイドとしては不合格だなー」
「…………オマエらいったいどンな劇やってンだよ……」
「全部読むか?」

 家主の笑顔が眩しいのと反比例して通りすがりのメイドBは死に体である。夏至の太陽と赤道に連れて来られた南極ペンギンというところか。

「読まねェ……」

 舞夏がぱらぱらと台本を捲っている。

「今のいい感じにやつれた声なら、このシーンなんていけそうだなー」
「何もイイこたねェよ……」

 そして指定された箇所を読んで青ざめる顔と、既に突き抜けたやる気満々の顔が向き合った。

(相手のリアクションが大きいと悪ノリしちゃうやつの典型ね)

「いいかげん始めようぜ、超能力者。俺だってこんな二股男の役、好きでやってるんじゃないんだから」
「嘘つけ!! オマエぜってェ楽しンでンだろォが!!!」

 そしてどれだけ抵抗しようと活路は無い。


 見てるだけも飽きたのでキッチンでお茶でも淹れることにする。断じて男に嫉妬したわけではない。本当に。嫉妬なんかしてないんだからね! ……何度も言うと嘘のように聞こえるが本当に嫉妬なんかしていない。

「お前は俺のものなんだよ。今夜はこのベッドからは出られないものと思いなさい」
「ォ……おやめくださいご主人様」

 本気で嫌がっているのがよく分かる声である。羨ましいを通り越して可哀想になってきた。同じく給仕のためについてきた舞夏がキッチンから指示を飛ばす。

「もうちょっと大きい声でなー」
「よいではないか、よいではないかー」
「やめてくださいッ!! ご主人様ァ……ッ!!」




 バターン!!




「この変態ー!!!ってミサカはミサカはモーニングスター!!!!」

 キッチンの横を矢のように小さな影が通り過ぎて行った。そのまま勢いを殺さずにコンビニ袋を提げた腕を振る。

 いい音が鳴った。

 缶ジュース数本のフルスイングを顔面にくらって悶絶する家主。鼻息荒く仁王立ちする幼女。幼女に助けられた第一位の超能力者。重ねて正義の鉄槌を下そうとする修道女。

 姉妹というのは似なくていいところが似るものだなと初めて思ったかもしれない。

「あなた! だいじょうぶ? ってミサカはミサカはあなたの貞操を心配してみたり!」
「テイ……!? 違うッ! そォいうンじゃなくて――」
「とーうーまー!!」
「隠さなくていいのよってミサカはミサカは上条に乱暴されそうになってたあなたを慰めてみたり」
「いたたたたたたたたたたたたっ インデックス! 誤解だ! あれは演技で!」
「打ち止め! オマエら誤解してる! 上条は何も」
「演技で拘束する必要はあるのかな、とうま。私の目を見て、やましいことは何一つ無かったって本当に言えるのかな?」
「あなた、カミジョウをかばう必要ないのよってミサカはミサカは察してみる」
「打ち止めェ……」
「ふ、不幸だあああああああああああああああああああああ!!!!」



 シスターに噛み付かれて叫ぶウニ頭と、幼女に慰められて半泣きのモヤシ。台本以上の修羅場が出来上がっていた。







 翌日、プロットの書かれているノートに【潜入調査、ガンレール(女装)とリリィの二人がメイド姿で再会】と走り書きがあって漫画家ってしぶといなと思った。



~月刊少年上条君4【メイド&メイド】~

こりゃヤバいね……じゃあ久々にアホなの投下するよ
超短いけど羽目を外して数レス頂きます


ここは、と辺りを見渡す。

海が広がっていた。
ここはどう見ても海岸で、湿っている砂浜にポツンと立ち尽くしていた。

『はァ?……何で私は、こんなとこに』

唖然とした表情で黒夜海鳥は頬を引きつらせる。
こんな所にきた覚えはない、もしや新手の能力者による幻覚か、と思い立ったその時。


『やあ』

と後ろから若い男の声が聞こえた。黒夜は咄嗟に能力『窒素爆槍』を右手に発動させ、振り向いた。
そこにいた者は――顔はイルカで体は筋肉質の人間――気持ちの悪い哺乳類が。

『…………』
『迎えに、来たよ』

刹那、黒夜は全神経をただ考えることにだけ働かせ、思案を巡らす。
そしていくつもの疑問が淘汰され、自身が最優先すべき答えを導き出した。

『――キモッちわりぃぃいいいいいいッ!?!?!?』

ただ泣き叫ぶ、それだけのこと。




その後はキモイルカ(命名)と砂浜で必死の追いかけっこをした。
あれは学園都市の『闇』以上の悪夢だった、と彼女は後に語る。


以上
お粗末さまでした

勢いで書いてみました。
ちょっと長めで突っ込みどころ多数ですが置いていきます。

上条「叫んでパワーアップって恰好いいよな」

禁書「いきなり何を言ってるの?とうま」


上条「ほら、神裂とかステイルとか、魔術師が魔法名を叫んで強くなったりするじゃん?ああいうのいいかなって思うんだ」

禁書「とうま、あれは別にパワーアップしているわけじゃないかも。それにとうまだって『その幻想をぶち殺す!』とか…」

禁書「違うんだ、インデックス。決め台詞が欲しいわけじゃない。
例えるなら、ほら、『カメハメ波!』じゃなくて『界王拳!』みたいな感じでさ」

禁書「…じゃあ『ドラゴンストライク!』とか叫んでみたら?そのまま龍を出して戦ったら格好いいと思うんだよ」

上条「そりゃいいな!…あれ?お前竜王の顎のこと知ってたっけ?」

禁書「このssでは時系列とか原作との整合性とかはあまり気にしないほうがいいかも」

上条「なんだそりゃ」

上条「でもあれ、右手落ちないと出てこないからな…」

禁書「台所から包丁持ってくるから自分で切ってみる?一か八かで」

上条「さすがにリスクが高すぎじゃありませんかねえ!?…あれ多分、異能絡みじゃないとでないと思うんだよな。
普通のテンションで出てくるかどうかも怪しいし、バトルにならんと」

禁書「んー、でもとうまの幻想殺しを突破できる異能なんてそうそう無いと思うんだよ?それにわざわざ誰かにケンカを売りにいくの?」

上条「それだよな。フィアンマとか…いや待て、一番いいやつが近くにいるじゃねえか。あいつを公園まで呼び出して…」

禁書「とうま、ちょっと待って急にどこ行くの?」

上条「ちょっと公園まで行ってくる!」

禁書「何しに?」

上条「御坂だよ!あいつなら条件を満たしてる!」

禁書「短髪!?いったい何を…あ、行っちゃった」

禁書「…この前とうまからけーたいもらったし、短髪にめーるあどれす教えてもらっててよかったんだよ」

御坂「アイツにメールで公園に呼び出された…べ、別に期待してなんかないからね!」

御坂「…着いたら時間差であのシスターからもメールが来てた」


   ――――――――――――――――――――
   from:ちびっこシスター
   件名:とうまがちゅーにびょうにかかったんだよ
   本文:

   たんぱつをさがしにいったみたいだから、
   みつけたらよろしくね
   てきとうにはなしをあわせてあいてしてあげて
   ――――――――――――――――――――


御坂「…」

御坂「…いや、なんだこれ」

御坂「というか、そろそろ名前で呼びなさいよあのシスター。私も人のこと言えないけど」

御坂「中二病?一体何やってんのよ、アイツ」



上条「ここにいたか御坂!」

御坂「…アンタが呼んだんでしょうが。で、何の用?」

上条(…さて、なるべくシリアスな空気に持ってく必要があるな。その上で御坂に本気をださせ、受け止める。
   問題は大覇星祭のときのアレを出させるための条件がよくわからねえことだが…まあ、出たとこ勝負でいくか)

上条「お前とは、決着を付けたかったんだ…『超電磁砲』」

御坂「…!?アンタ、何を」

上条「以前の俺とお前は、よく戦ってたらしいじゃねえか…勝敗は付かなかったみたいだがお前は俺に、手も足もでなかったと。
   だよな?ちょっと久しぶりに、お前の泣き顔を見せてもらおうと思ってな」

御坂「…へーえ。ほーう。ふーん。ひょっとして、私にケンカ売りに来たってわけ?」

上条「おやおや?無理しなくてもいいぜ。学園都市第三位の超能力者と言えど怖いものは怖いだろ?
   あんまりボロ負けすんのも嫌だろうし、別に逃げても」

御坂「上等だゴラァアアアアアア!!!あのシスターのことはさておき!そこまで舐めた口ききやがって後悔すんじゃねーってのよ!!!」

上条(…よし、次は)

上条(御坂は怒ってる。バトルパートにも入ってきた。…この空気の中でまずは一度、試してみるか)


上条(右手を突き出して…)

上条「ドラゴン…!」

御坂「!?」

上条「ストラァァアアアアイィイイイク!!!」

上条・御坂「「…」」

上条(何もでねえな)

御坂(ビ、ビックリした…大覇星祭のときのアレがでてくるのかと思った)

上条「…ちっ、やっぱまだ右手の中から出てこねえか」

御坂(あれ?ひょっとしてシスターが言ってた中二病って、このこと?)

上条「しょうがねえ!やっぱ俺の右手の封印を解いてもらおうじゃねえか」

御坂(しょうがないわね…コイツには借りもたっぷりあるし、美琴センセーが適当に付き合ってあげるわよ)

上条「よしいくぞ御s」

御坂「シィスターーーーーーズ!!!」

上条「!?」

御坂「ミサカネットワークと接続…リンク・ネットワーク。オリジナル・進化率3%に移行!
   『レールガン・フェイズ・ネクスト』起動!…いくわよ、『幻想殺し』!!!」

御坂(どうよ!なんとなく格好付きそうな言葉を並べてるだけだけど…
   リアル中学二年生の「私カッコイイ(笑)」ほど中二病の琴線に触れるものはないはず!)

上条(御坂…マジでやる気か!)



上条(リンク・ネットワーク…そうか!あのとき御坂に流れ込んでいたのはミサカネットワーク経由の力か!
   それが触媒になってアイツの力を暴走させ…暴走!しまった!アイツはあれをコントロールできないのか!)

御坂「さ、さあ…どこからでもかかってきなさい!」

御坂(どうしよう、メッチャ恥ずかしくなってきた…
   しかも右手突き出してそれっぽくポーズとるのも、なんとなく辛そうに顔を歪めんのも長くやるとキツイわね…私のテンションが)

上条(いや、確か最後の方では御坂にコントロールが戻ってたはず。なら大丈夫だな。
   …しかしここまでやってくれてるんだ。まだアイツに変わる予兆は見えないが、俺も本気の本気でやらないと…)

御坂「く、う…膨れ上がる力についていけない…!!抑えろ、私のカラダ…!!」

御坂(ちょっと、何黙ってんのよ!?人にここまでやらせといて、アンタも早くなにか)

上条「オオオオオオォォオオオオォオオオオオオオオオ!!!!!!」

御坂「!?」



上条(俺の右手よ…起きろ!中に何がいるのか知らねえが…ここで起きてくれ!!)

御坂(すごい真剣な表情…アイツまさか本気で!?中二病はあのシスターの勘違いで、本気で右手が暴れ出そうとしてるっていうの!?)

※美琴さんには上条さんが3割増でシリアスに見えています


御坂(そ、それなら私もあの大覇星祭の…ええいまだるっこしい!
  『フェイズネクスト(仮称)』状態にならないととてもアイツに太刀打ちできない!でも一体どうやって…)

御坂(…仕方ない。あとで後遺症がでるかもしれないけど)

御坂妹「やれやれ、調整のためとはいえ今日も今日とて病院通いとは、とミサカは暇が潰れるからまあいいやと―」

御坂(シスターズ!聞こえる?)

御坂妹(その声…お姉様!?いったいどうやってミサカネットワークに接続を)

御坂(能力で無理やり脳波を変換してつないでんのよ!ちょっとお願い、力を貸して!)

御坂妹(そんなことをしたら幻想御手のときのように後で昏睡してしまうのでは、とミサカは危惧します)

御坂(…承知の上よ。あの馬鹿にね、ちょっと付き合ってあげないといけない用事ができたのよ)

御坂妹(…お姉様を助けることも、あの人を助けることも是であるのはミサカネットワーク全体の総意ですが、
    また何かに巻き込まれているのですか、とミサカは焦ります)

御坂(……………うん、まあね)

御坂「オオオオオオオァアアアアアアアアアアア!!!!!!」

上条「!?急に雷雲が…!?それに御坂、お前、その体…やっぱりあのときの!!」

御坂(やった!なれた!しかも妹達が協力してくれたおかげで、意識もあるしシスターズも無事!!
   よし、これでアイツの右手を止められる!!…あ、でも口はきけないのね)



「オリジナル!てめェ…何やってやがンだ!!!」



上条「一方通行!お前、なんでここに!?」

一方「あのガキがお前らが危ないっていうからきてみたらよォ…なンなンですかァこれは。…説明しろヒーロー」

御坂(ちょっとどうしよこれ…どうすんの。…やむを得ないか。ギリギリまで進化率上げないとアイツの右手に勝てないだろうし。
   死ぬほど嫌いなヤツだけど、ここは一緒にアイツの右手を止めて)

上条「…見ての通りだ。御坂が大覇聖祭のときと同じように、暴走しちまってる。それを止めなきゃならねえ」

一方「大覇聖祭?…あァ、あのとき急に演算ができなくなったときのやつか。だがクローンは無事みたいなンですけどォ?」

上条「こ、今回は大丈夫みたいだな。だが、ずっとそうだという保証はねえ」

御坂(ちょっと待てやーーー!人が喋れないのをいいことに何好き勝手言ってくれちゃってんのよ!?そもそもこれはアンタが…)

一方「チッ…しょうがねえな、ここは俺が」

上条「ま、待て一方通行!!」

一方「オオオオオオオオォオオオオオオォォオオオ!!!!」

上条「!?」

御坂(!?)

一方「リミッター解除!我が名は『白と黒の翼を携え世界に抗う者』!出でよ…白き翼(ホワイトウィング)!」

上条「………」

御坂「………」

上条・御坂((ダサい……))

上条「い…いや一方通行、白翼まで出してくれたとこ申し訳ないんだが、ここは俺に任せてくれないか?」

一方「あ?なンでだよ」

上条「いやほら、その…、御坂はやっぱり俺が救いたいんだよ」

御坂(やだ…かっこいい)

一方「………」

一方「しょうがねェ。だがヤバくなったらすぐに割ってはいンぞ。例えオリジナルがどうなってもな」

上条「ああ、ありが」



「とうま!!」



上条「…おいまさか」



禁書「短髪も…適当にっていったのに、何やってるの!?」

上条「インデックス!こ、これには事情があるんだ!危ないからこっち来るな!」

一方「危ねェからシスターは下がってろ!」

禁書「そうはいかないんだよ!これは私の責任でもあるし…無理矢理でも短髪を止めなきゃ!!」

上条(お願いだからこれ以上話をややこしくしないでえええええ!!!???)

禁書「いくよ…『自動書記(ヨハネのペン)』、起動」

禁書『自動書記、起動確認。「聖ジョージの聖域」発動します』

上条「まてまてまてまて、お前それ自分で起動できたっけ!?というか俺がやるから待っ―」

一方「もうしょうがねエだろ。…なんかわからねェがこっちで片付けるぞ!ヒーロー!!」

上条「うおお!?いつのまにか白翼が100m近く伸びていらっしゃる!?しかもそれを振り上げて…だから待てってばおい!!」

御坂(よし、やっとフェイズネクストのレベルが「あの時」まで来た!これで…いける!!)

上条「ってこっちはあのときの別世界のパワーかよ!?ちくしょう全員一緒にその気になんなくても!?」

上条(もともとは俺が発端なのに、みんなしてパワーアップですかそうですか。俺がやりたいことどんどん先にやっちまいやがって…)



禁書『発射』
御坂(発射!!!!)
上条「ッエーイ!!」

上条「もうやけだ!!三人の攻撃がぶつかる中心に…とびこむ!!!」

御坂(!来た!!)

一方「!おいヒーロー、どけ!!」

上条「うおおおおおお!!!」

上条「…がっ、ああああああ!!」

上条(右手が…もたな…)

上条(…吹きとば)

上条(………………今だ!)




上条「ドラゴォオオン!!!ストラァァァァァアアアアイィィィイイイイイク!!!!!!」






御坂「…で?結局何だったのよコレ」

禁書「…とうま」

一方「なンか言えよコラ」

上条「いや、その…一瞬だったのは残念だったし、当初の思惑とはちょっと違ったけども」

御坂・禁書・一方「「「………」」」



上条「すっごく満足しました」



一方「…そォか」

上条「はい」

御坂・一方「「…死ねえええええええええ!!」」

上条「待って待って一位と三位さん!!せっかくだから二人とも話すことがあるんじゃないの!?」

一方「まずはテメェを愉快なオブジェに変えてからだ三下ァァ!!」

御坂「人の苦労をなんだと思ってんのよコラァァアアアア!」

禁書「…とうまー、夕飯までには帰ってきてほしいんだよー」

上条「不幸だあああああああ!!」



fin

これで終わりです。
なおこの後上条さんと美琴はカエル医者のお世話になる模様


お目汚し失礼しました。

ちょっと(だいぶ)早いけど鍋ネタ
舞台は黄泉川家
一方通行さんのキャラ崩壊に注意

黄泉川家

打ち止め「ヨミカワー、今日の晩ごはん何? ってミサカはミサカは訪ねてみる」

黄泉川「今日は鍋じゃんよー」

芳川「あら美味しそうね」

一方通行「ナヴェ?」

黄泉川「鍋じゃんよ、なべ」

芳川「君、食べたことないの?」

一方通行「知識としちゃ知ってる程度だな」

打ち止め「ミサカも食べたことなーい! ってミサカはミサカはちょこっとアピールしてみたり!」

番外個体「学習装置には一応データ入ってるけどね」

黄泉川「ま、取り合えず食べてみるじゃんよ」


グツ      グツ
    グツ
  グツ      グツ


一方通行「成る程な、これが冬のフウブツシとやらのナベか。 雑多で有り合わせで作り安い、庶民的と言えば聞こえは良いンだろォが……。 俺の口に合うかどォか」

芳川「はいはい、いいからさっさと食べなさいな」

打ち止め「ミサカのために先に食べてみてー、ってミサカはミサカはちょっと毒味をお願いしてみる」

黄泉川「毒なんて入れてないじゃんよ」

芳川「またドラマに影響されたのね」

黄泉川「それで食べないのか?」

一方通行「あ? イヤ……」

番外個体「もしかして、第一位は食べず嫌いなのかにゃーん?」

一方通行「……フン、そこまで言うなら食ってやるよ」パクッ






一方通行「はほっ、はふっ、ほへっ、はふっ」

    (あっヤバ、あつっ、ちょっこれっ、熱ゥッ!)



黄泉川「」

打ち止め「」

芳川「」

番外個体「……プッww」




黄泉川「……え、あ。 お、お前もしかして猫舌じゃん?」

一方通行「はふっ、はふっ」

黄泉川「そ、そうか」


一方通行「ひふっ、ふほはっ」

打ち止め「お、美味しい?ってミサカはミサカは震え声で訪ねてみる」

一方通行「ほひっ、はほっ、はふっ」コクコク

打ち止め「あ、うん分かった、分かったから落ち着いて」




芳川「……取り合えず水飲んだら?」スッ

一方通行「…………っ」パシッ

一方通行「…………」ゴクゴク

一方通行「…………フン」ドンッ




一方通行「」ダッ


黄泉川(あ、逃げた)

芳川(よっぽど恥ずかしかったのでしょうね)

打ち止め(大丈夫だよあなた、誰にも言わないから心配しないでね)



番外個体(MNWに配信完了っと)



えと、終わりです……
ちゃんと投下出来たかな……?
スレ汚し失礼しました

少々借ります
浜黒ものでオチナシヤマナシイミナシです

 時節は秋口。
 まだまだ夏の残り火があちらこちらで燻っている。
 流れる空気はまだまだ暑苦しい。
 そんな中、浜面仕上は自分のベッドの上で昼寝と洒落こんでいた。
 昨夜の睡眠が浅かったこともある。クーラーをつけないで暑苦しかったこともある。
 理由はいくらでも挙げられるが、ともかく泥のように眠り込んでいた

 時間は午後二時過ぎ。
 健全な男子高校生としては―――日常生活の態度はともかく、些か呑気すぎる。
 健全な男子高校生でないとしても、学園都市の闇の世界に、否、『学園都市』という機構そのものに敵対するものとしては、なんともはや、だ。
 そうだとしても、この程度の贅沢だったら―――まぁ、許されるのではないだろうか?


(……ああ、俺、眠ってるのか……)


 明晰夢、のようなものだろうか?
 浜面仕上は今、自分が眠っていることを明確に自覚している。その上で夢を見ている。更には寝汗をかいている肉体の不快も覚えている。
 ゆらゆらと認識は夢現を漂い、そしてその曖昧な自分を浜面は認識している。
 誰もが身に覚えがあるような体験を、今浜面は味わっていた。

(これは、夢だ―――)


 今、浜面は超能力者から逃げている。
 無能力者と超能力者との戦力差はネズミと獅子以上だろう。
 勝ち目なんかない。
 ないが、それを理解しながら、無様に逃げ惑って、髪の毛ほどもないだろう勝利の可能性を探している。
 アスファルトで転がって身を削り。
 拳ほどもあるコンクリートの破片の嵐で無様に踊り狂い。
 全てを焼き尽くし押しつぶす光の束の中で頭を抱え。
 そうして、隻眼隻手の少女を、超能力者『麦野沈利』を殺すことばかりを考えている―――


(そうじゃねぇ、そうじゃねぇだろ―――)


 夢の中で、己の身と精神を灼きながら黒い殺意を固く固く尖らせている浜面仕上。
 そして、そんな自分を必死に否定する『浜面仕上』という自分。


(知ってるだろ! 俺!
 麦野は―――麦野が、どんな思いで―――
 アイツが、悪いとしても―――だとしても―――)

 夢の中の自分を『浜面仕上』は止められない。
 理解をしていながら、夢の中の自分をコントロールできないでいる。
 それは、つまり悪夢であって。


(……ちく、しょう……)


 夢の中で舞台は変わっている。
 工場の中で。
 研究所の中で。
 白銀のロシアの平原で。
 浜面仕上は麦野沈利を屠っている。


(夢、だっていうのに―――)


 夢の中で殺人を繰り返す浜面仕上と。
 それを見ている『浜面仕上』と。
 さらにそんな二つの自分を冷静冷酷に観察しているもうひとりのハマヅラシアゲ。

 別に分裂症というわけではない。
 ただ、単純にそういう状態であるというだけだ。
 だから、こんな『夢』は目を覚ませばちょっと寝汗がひどかった、ぐらいで終わってしまう。
 三番目のハマヅラシアゲが冷静にそう考えていながらも、一番目と二番目が苦しみを訴えていた。

 そんな、中。


「おーい、いつまで寝てるんだよぉ。
 買い物付き合ってくれるって言ったじゃん」


 ゆさゆさ、と。
 現実世界の浜面仕上の肉体が刺激を受けた。
 うっすらと、自分でもわからない程度にまぶたを開けるとそこには長い黒髪の一部分を白銀に染めた気の強そうな少女がいた。


(なんだ―――黒夜か―――)


 一番目と二番目と三番目。
 分裂していた浜面仕上が融合する。
 そうすれば今まで見ていた夢のことが大昔にしまったアルバムの写真用にセピアに色あせていく。
もう、思い出せない。
 ただ、悲しい気分だけが残っている。
 だから爽快な目覚めとは言い難く、まだまだ肉体も精神も睡眠を必要としている。

(いいや、もう少し寝る―――)


 明瞭に意識があるわけではない。
 計算があるわけではない。
 ただ、一秒でも二秒でもまだ目をつぶっていられると思ったし。
 仮に黒夜がキレて恐ろしい「窒素爆槍」を繰り出しても、なんとかなるんじゃないか、と心の何処かが判断しただけだ。
 要するに、面倒を先送りにした。


「誰もいねーんだよ、絹旗ちゃんはひとりで映画見に行っちゃうし。
 浜ちゃん、起きろってば」


 ゆさゆさ。ゆさゆさ。
 黒夜海鳥はサイボーグの少女だが、その腕力は腕の細さとそう変わらない。
 大柄な浜面の肉体を押してもそれなりに限界はある。
 諦めろよ、と浜面は感じた。


「……ホントーに、テコでも起きないレベルで寝てるのかよ。
 あー、クソ。
 流石に家の中で能力ぶっぱなすわけにもいかねぇしなぁ」


 だいたい、十秒ほども格闘して。
 ボリボリと頭を掻きながら黒夜が浜面から離れた。
 能力を使う場所の分別をわきまえたのは黒夜が丸くなったからだろう。
 いいことだ、と―――明確に思考したわけではないのだが―――浜面の無意識が呑み込んだ。

 黒夜海鳥。
 大能力者、レベル4。
 両手から―――そして、無数に存在する義肢から窒素の槍を放出する「窒素爆槍」の能力を持つサイボーグの少女。
 若干十二歳でありながらその戦闘能力は条件によっては超能力者に相当し、「新入生」という暗部組織を率いていたこともある。
 しかし、やはり若干十二歳であり、その肉体は華奢で細い。
 サイボーグであることを考慮しても―――下半身は殆ど生身であるのだから―――脚の細さがそれを証明している。

 胸元まで伸ばした黒髪はストレートでよく手入れをしている。
 両耳から降りた房の一部分だけを白銀に抜いて、黒を基調としたパンクファッションを合わせている。
 上半身はへそを出した黒のタンクトップ。下半身は両サイドを紐で構築した黒のスラックス。
 正直、ファッションだけでいうと二十世紀の遺物に近いが、似合っていないわけではない。

 ただ、いくら剣のある厳しい表情をしたところで十二歳の少女であって、背伸びをしているなぁ、という嫌いはある。

 浜面からみればとてもとても恐ろしい少女ではあるが、どこかしら可愛らしいものを感じてもいた。
 感覚としては、浜面と同じアイテムの少女たち(恋人である滝壺理后を除く)と同じようなものだろうか。
 恐ろしいけれども、どこかしら寂しがり屋で、その心の隙間を埋めてやりたいと思っている。
 それは同情やお節介などではなく、きっと浜面仕上が浜面仕上たるに必要な部分なのだろう。
 人間の感情なんてオンオフのデジタルではなく、いくつもの点が重なってその濃淡で構築されているものであり。
 だからこそ曖昧な言葉でしか表現できない。
 それでも近似値的な言葉を探すとするのならば―――庇護欲、とでも言うのだろう。
 殺し合いをした人間同士に芽生える感情としてはとても不可解なものだろうけれども、きっとそれが浜面仕上だ。

 それでも、惰眠を貪るには代え難い。
 別に、黒夜海鳥はひとりで買い物に行けないほど世間知らずではないし。
 オンナの長い買い物に付き合わされて荷物持ちされるという特権をたまにはスルーしてもいいだろう。



「……それにしてもよく寝てんなぁ……狸寝入りじゃねぇよなぁ、浜ちゃん?」


 ぎし。
 ベッドが軋む音がした。
 黒夜がベッドサイドに腰掛けたからだ。
 サイボーグといっても体重的に極端に重いわけではない。
 少女の骨格に日常的に運用でき搭載できる重量には限界があって。
 その限界は同じ程度の体格の少女よりやや重いか、という程度のものでしかない。

 くる、と上半身をひねって、覆い被さった。
 長い髪がふわりと落ちて浜面の顔を擽る。
 無意識のうちに顔を背けて髪を払ったが、その態度が「浜面が眠り込んでいる」ことに信頼を与えた。


「ったくよぉ。こちとらいつでもブチ殺せるっていうのに。
 緊張感ないなぁ」


 言って、黒夜が唇を釣り上げる。

 けれども言葉の響きに殺意のようなものはない。
 無防備な浜面の姿をおかしく思っている、ということを黒夜なりの言葉で表現しただけのようだ。


(……なんだよ、まだなんかあんのかよ……)


 繰り返すが浜面仕上は夢現。
 片足は現し世に意識がのっていてももう片足はヒュプノスの花園の中。
 だからこそ、まぶたを閉じていて決して見えていないはずの黒夜海鳥の表情が認識できた。

 頬が赤くなっている。
 何か戸惑っている。
 やりたいことがあるのだが、それを本当にやってもいいのだろうか、と判断を下せないでいる。


(……!?)


 数十秒後。
 浜面仕上は明確に明瞭に覚醒した。
 目は瞑っている。
 だが心臓が一瞬高鳴った。

 何が起きたか。
 目を開けなくてもわかる。
 身体全体にうっすらと掛かる重さ。
 少しだけ高い体温。
 柔らかな肌と硬さを感じさせる骨格と筋肉と。

 今、黒夜海鳥は浜面の横に寝転がっている。
 そして、頭をぐい、と浜面の胸板に乗せている。
 要するに、添い寝、している。


(な、なんだぁ!? 何考えてるんだこいつ!)


 がばっと跳ね起きても良かったが、何故か動けなかった。
 実際に眠っていて、なお眠ったふりをしていたからか、本当に肉体だけが眠り続けていて意識だけが覚醒したのか。
 自分の肉体なのに、浜面仕上は動けない。

 そんな浜面に、黒夜は小さな頭のオデコのあたりをぐいぐいと押し付けた。
 丁度、小さい子供が自分の親に甘えるように。

 何も言わないが、それでなんとなく浜面は気づいた。

(……黒夜も、まだ子供だもんな)


 スキンシップ。
 甘えてみたかったのだろう。
 常日頃の悪党悪役ぶった尖ったファッションスタイルと性格からは想像できないにせよ。
 彼女がまだ年幼い少女であることには変わりはない。
 これが、フレメア=セイヴェルンのように露骨といってもいいぐらいに甘えてきてくれるのならば。
 鈍感な浜面でもすぐに気づくことができただろうが。
 黒夜海鳥の日常的な態度からはそれを読み取ることができなかった。

 だから、まぁ―――


(しゃあねぇか。可愛いもんだ―――)



 浜面仕上は納得する。
 忘れた夢の置き土産の悲しい何かが解けていく。
 これっぽっちも覚えてはいないのだけれども、あの夢の中で自分がしたかったことの答えは、こういうものだったのかもしれない。

 そうして、また眠りに落ちていく。
 暑苦しさと重さが何故か心地よい。
 パズルのピースがはまったような爽快さ。

 夏の残り香の中で午睡は続けられた。


 
 
 
 
 
 もちろん、最後はとんでもない殺意と悪意と嫉妬と世界を収束させるような絶対的な怒りによって浜面仕上の幸福は破られるのだが。

 それはまた別の話。

 
 
 
 
 
 


イジョウです
スキンシップですよスキンシップ


9レス程お借りします。
フィアンマさんが歪んでない再構成みたいな内容です。
グロはないですが、流血描写があります。
スレ立ての際はCPはフィリアナのつもりですが、まだそこまで描写してません。




右方のフィアンマ。

彼が魔術師になって与えられた称号は、大変仰々しいものだった。
というよりも、彼の才能はその道しか示してはくれなかったのだ。
幼い頃より、周囲と少し、彼は『ズレ』ていた。
詳しく言えば、産まれてきた時から、というべきなのかもしれない。

目の前で人が死ぬ。
目の前で誰かが怪我をする。

彼の日常生活には、およそ子供には似つかわしくないこれらのイベントがほぼ毎日あった。
そしてそれらの結果が生み出すのは、フィアンマが何かを得るということだった。

両親が死に、遺産が手に入る。
友人が死に、死を免れる。

彼の周囲で起こってしまう現象は、彼の抱える『世界を救える程の力』によるものだった。
魔術サイドでは『聖人』と呼ばれる体質よりも余程特別な才能を抱えて、彼はこの世に生まれでてきた。
せめて誰も自分の幸運には巻き込むまいと彼は聖職者の道を選び。
自分の体質によって誰かを傷つけんと手段を求めた結果、魔術というものを識った。
魔術師になった彼は、気がつけば幼い子供だというのにローマ正教最高権力者、ローマ教皇の相談役とされ。
自らの才能の意味を知ってしまった彼は、もはや世界を救う他に未来を観測ることが出来なくなっていた。
そのためにどのような犠牲を支払っても仕方がない、という歪んだ価値観までをも形成してしまいながら。


そして、彼の計画には、自分よりもかなり年下の少年が必要だった。
より正確に言えば、その幼子の右腕が。
自分の右腕と統合し、現状抱えている『世界を救える程の力』を出力する。
彼には、それを行える程の財力も、力も、権力もあった。
周りが彼を讃え、彼にとっては『幸運』にも、材料を揃えてしまった。

『はじめまして、上条当麻』

彼は、少年の前に姿を現した。
齢にして十二の彼は、少年に穏やかに微笑みかける。
一切の魔術を無効化する右腕を持つ五歳の幼い子供。
『上条当麻』は、まずこう言った。
彼の中で半ばルール化されていた警告。

『おれのなまえ…そっか、てれびでみたんだ。
 おにいさん、おれにかかわると、けがするよ。
 おれは"やくびょうがみ"だから、ちかづかないで。
 ……それとも、おにいさんもおれにいなくなってほしいのか?』

そして、その歪んだ自己紹介が。

右方のフィアンマという孤独な少年の、琴線に触れた。
世界を救う使命だとか、右腕を切断しなければだとか。
そんな大仰な事は全て頭から吹っ飛んで、ただ、彼はしゃがみこむ。
不幸になるぞ、と警告した幼い子供の細い体躯を、何の躊躇もなしに抱きしめた。

『そういう訳ではない。……害意はないんだ』
『おれにさわるとふこうがうつるよ』
『感染らない。……思えば俺様も、そんなようなことを言われてきた』

お前を救いにきた。
一緒に遊ぼう。

右方のフィアンマの方針は、変化していた。
不幸のどん底で歪んだ笑みを浮かべる幼い子供に、過去の自分を重ねていた。
ほんの少しの会話だけで、彼の心は決まった。

この不幸な少年だけは、せめて、世界よりも先に救おう――――と。


野次馬取り囲む十字路で、どんどんと体温を喪っていくまだ七歳の子供の身体を、フィアンマは呆然と抱えていた。

遠く、遠くから救急車らしきサイレンが聞こえる。
パトカーらしき赤色灯の輝きが見える。
野次馬はひそひそと耳打ちしあい、カメラで撮影を継続している。

ほんの、一瞬だった。

車道に、子供が居た。
まだよちよち歩きの、幼児のようだった。
バイクが向かう先に、ゆっくりと信号を無視して歩く。

『あのこひかれちゃうぞ、』

と少年が駆け出そうとした。
周囲で起こる不幸は全て自分のせいだと考えている上条当麻が。
それを制して、フィアンマが飛び出た。
上条よりも、自分の方が足が早く腕力があると考えたからだ。
彼らのどちらも善意による行動のはずで、幼児が轢かれずにハッピーエンド、そのはずで。

でも、そうはならなかった。

スピード違反の乗用車が、無事幼児を歩道に連れ戻したフィアンマの方へ向かってきていた。
もしも彼が気づいていれば、その特別な『腕』で乗用車を除けていたかもしれない。
バイクに轢かれずに済んだ幼児と、子を見つけ慌てて駆けてきた親がお礼を言うその様に耳を傾けていなければ。

二年。

その決して短くはない月日、自分の孤独に寄り添ってくれた『お兄ちゃん』を、上条は喪いたくなかった。
飛び込めばどうなるか、をまったく予想出来ていなかった訳ではない。
一度、中年の男から『借金取りに狙われるのはお前のせい』と難癖をつけられ刺された時と同じ感覚はあった。

死。

その概念を、その年齢で、上条は理解出来ていた。
理解出来ていたからこそ。
迷わなかった。躊躇しなかった。思うがまま飛び込んだ。

そして。


上条の身体がクッションになったものの、やはりフィアンマも轢ねられた。
だが、後に轢ねられた方が軽傷であることは当然で。
ましてや、体躯の小さな者の方が深い傷を負うことは必然のことだった。

『う、ぁ……ぐ、……げほ…っ、ぅぶ、』

照りつける太陽が、血液の黒色染みた赤を照らしている。
折れた骨が片方の肺に突き刺さりでもしたのか、呼吸がおかしい。
そんな状態でも、フィアンマはまず上条を探していた。

自分と同じ孤独を感じていた、たった一人の子供。

彼が無事ならばそれでいい、と何も知らないフィアンマは思って、地面を這いずり。
息を荒くしながら、ようやっと視界の端に子供の姿を見つけた。

頭から血を流し、全身傷だらけで倒れ込んだ上条当麻の姿を。

痛みを、忘れた。
地面を蹴り、必死に上条当麻に近づく。
ぼんやりとした表情で、血まみれで、それでも彼はまだ生きている。
視界の端には去っていく乗用車が映り、状況を嫌でも理解する。

『当、麻……? 俺様を、庇ったのか?』

どうして。

どうして、どうして、どうして。

少年の性格を考えればすぐにわかることが、今のフィアンマには理解出来なかった。

『おれの、こと。……ひとりじゃない、っていってくれた、から』

何気ない会話に、平凡な子供扱いに、救われた。
死地へ飛び込む理由はそれだけでよかった。
目の前で大事な人間が死ぬかもしれないのに、何もしないという選択肢はなかった。

『なあ、おにい、ちゃん』

力ない細い腕、力の入らない右手で、上条はフィアンマの右手を握った。

『やくそく、』
『約束…?』
『おれのせいで、…せかいじゅうで、ふこうになったひとを、たすけてあげて』
『な、に?』

俺のせいで。

つまり、二年間伝え続けたはずのフィアンマの想いは届かなかった。
上条はこの最期の場面でまで、自分が何もしていなくても他者を不幸にしたと思っている。

『おれはもう、しんじゃうけど……おにいちゃんは、だいじょうぶそう、だから、さ』

動物園に行こう。
遊園地に行こう。
水族館に行こう。

見たこともないものをいっぱい見て。
綺麗なものを沢山知って。
そうやって生きていこう、と。

そういった今までの約束は、全てここで破られる。
上条当麻の微笑みは、穏やかだった。どこまでも。
救急車が到着する頃にはもう、上条の意識はとうに途絶えていた。
ただ一人、心が寄り添っていたはずの少年の惨状に、フィアンマは絶望していた。


昼の快晴が嘘の様な大雨の中、上条の両親はやってきた。
手術を終え、目覚める可能性は絶望的だと言われた息子の為に。
医者から話を聞き、現実を受け止め、上条の母は泣いていた。
父親は泣くまいとしていて、医者は彼らに同情的だった。

『………、…』

自分を庇って、息子さんは車に轢ねられました。
脳死状態で、いつ目を覚ますか見当もつきません。

そんなことを、曰えるはずがなかった。
病室の廊下、設置された質素なソファーに座ったまま、フィアンマは沈黙していた。
どんなに大人びていて、世界の闇を知っていようと、彼は十四歳だった。
半ば、本当の弟の様に感じていた相手がこの様な状態だとわかっていて、明るく振る舞えるはずがない。
かといって、出てこなければならないはずの謝罪の言葉もなかなか出てこなかった。

絶望と、悲しみと、申し訳なさと。

そういったものに支配され、指先一本すら思う様に動かなかった。
上条が病室で点滴をされるまで、呆然と見ていた。それだけだ。

上条刀夜―――当麻の父親が、近づいてくる。
妻は病室に居させているらしい。話しかけているらしい声が扉越しに聞こえる。
事情の仔細は、看護師から多少は伝わっているだろう。
即ち、フィアンマのせいで自分達の息子は惨状に陥ったのだ、と。
上条が家を出る前に挨拶はした、信用もされていた、ただ一緒に出かけるだけのつもりだった。

『………』
『………隣、いいかな』
『………』

こく、と頷く。
どんな言葉で責め立てられるだろう、とぼんやり考える。
本当の疫病神は自分の方だ。あの子は何も悪くない。


『あの子は、理不尽に罵倒される事が多かっただろう。
 私も方々を頼り、お守りやら何やらを買ったり、やれることはしたが…終わらない。
 加害者側に裁判を起こしたりして、少しずつ強制的に数を減らすこともした』
『………』
『それで、当麻にはテープレコーダーを持ってもらっていたんだ。裁判の証拠になるから』

穏やかな声色が、かえって怖い。痛い。

『………俺のせいです』

フィアンマは辛うじて、それだけ言葉を振り絞った。

『あの子がこうなったのは、全て俺のせいです』
『……当麻の抱えていたレコーダー、不思議と壊れていなくてね。
 中には、あの子が意識を喪うまでの言葉や、今日一日の君とのやり取りが残っていた』

そして、申し訳ないが、聞かせてもらった。
そんなに長くもないたった一日のやり取りだったけれど、それで関係性がよくわかった。

『当麻は、君と一緒に居る間、笑っていた。
 何でもない話をして、安心していたように感じた』

ありがとう。
当麻と、普通に接してくれて。
何の色眼鏡もかけずに息子の人格こそを見て、優しくしてくれて。

『息子と君との約束の内容はよくわからなかったが、君は守るつもりでいるんだろう?』

今にも消え入りそうな声で、はい、とフィアンマは返事をした。
また、ありがとう、と言われた。
随分昔に忘れていたはずの涙が、止めどもなく、金色の瞳から溢れてソファーを濡らしていった。


『神の右席』をやめて、ローマ正教の庇護から飛び出した。

"俺のせいで世界中で不幸になった人を、助けてあげて"

あの子に、お前のせいで不幸になった人間など。
不幸な人間なんて、そもそももう、居ないのだと。

そう誇れる様に、自分の手で世界中の人々を救うと決めた。
世界を救える程の、この莫大な才能を抱えた役立たずな右腕で。





金髪の少女の嘆きは、重々しいものだった。
自嘲の笑みは痛々しく、口にした言葉の全てに悲哀が篭められている。

「お姉さんは―――私はね、」

ただ、困っている人を助けたかった。
別に、感謝の言葉が欲しかった訳じゃない。
両親から言われたように、親切を働いてきただけ。
その多くは確実に誰かを助け、少女は笑顔を受け取ってきた。

ありがとう。
助かった。
感謝するよ。

ささやかな感謝の言葉が嬉しくて。
泣きそうだった人が笑顔を浮かべてくれるのが心地よくて。
悪意ある人々から善意で他者を救い出す自分が、ちょっと誇らしかったりもして。

だから。

多分、彼女が全てを喪う瞬間は呆気なかった。
無事家に送り届けられたはずの少年が、虐待で死んだというニュースを耳にして。
彼女を取り巻いていたはずの暖かい世界は、残酷で基準のない恐ろしいものに変化してしまった。

「今の私は、『追跡封じ(ルートディスターブ)』」

報酬を得て。
その報酬の為だけに、働く存在。
善悪も関係無い、過程だけを手伝って、結果の先の未来なんて見たくもない。

「逃げたい人が居るのなら、逃がす。
 運んで欲しいものがあるのなら運ぶ。
 たどり着きたい場所があるのなら連れて行ってあげる」

本当は。
昔の様に、無邪気に誰かを救っていたかった。
ヒーローの様に、なんてわがままは言わない。

「知ってる? この世界には、理不尽しかないのよ。
 私は、それをこの目でしっかり見てきてしまっている。
 階段を昇るのを手伝ってあげたおばあさんがテロリストで、地下鉄に乗るはずだった人が皆死んだり。
 迷子になっていた子供を家まで送り届けたら、魔術結社の儀式に使い潰されてしまったり。
 他にも色々あるわ、語りきれない位にね。……忌々しい位、何が正解かなんて私にはわからない。
 だからね、私は誰かに無条件に手を差し伸べることをやめたわ。それが不幸に繋がるかもしれないもの」

それは、まだまだ心の幼い少女の慟哭だった。
そして、現実を知ってしまった大人の理屈でもあった。
彼女はそう泣き叫びながら、それでも『誰かを救うこと』自体はやめていない。


「絶対的な基準が欲しい」

王様でも、皇帝でも、枢機卿でも、教皇でも、魔術結社でも、…何だって構わない。

「この人は助けても絶対に悪果なんて出ないって! そう信じられるだけの基準が!」

彼女の柔らかな唇が、訴えの後に紙を食む。
勢いよく千切ると同時、氾濫した川の如き炎の波が青年へと押し寄せる。
これで終わり。この攻撃からは誰も逃れられなんてしない。
『速記原典』を使用した少女は、いびつな笑みを浮かべていた。

ああ、また傷つけてしまった。
仕事の為、誰かの助けの為と言いながら、また。

「……自分でもわかってる。こんなのは、ただの幻想(もうそう)よ。
 現実には存在しない、どんな魔術をもってしても実現出来ない可能性。
 ギャンブルの必勝法と変わらない。私の、絶対に叶わないわがまま」

だからもう―――捨ててしまえ。

どんなに綺麗なものだって、綺麗事を叶えてくれる神様なんて自分の声を聞きはしないのだ。
魔術師になって、誰にも読んでもらえない原典を使って戦う日々。

少女の頬を涙が伝った頃。
未だ燃え盛る炎の中、敵である、死んだはずの青年の声が響いてくる。

「そうか。お前は、救われたいのだな。そして、必要なものは救いの基準。
 それが幻想(ゆめ)だと言うのならば、俺様がやるべきことは一つに絞られる」
「ッ!?」

思わず身構える少女に対し、青年の態度はとても穏やかだった。
親しい女の子の将来の夢を聞くような、そんな。










「―――いいだろう。まずは、その哀れな幻想を救ってやろう」
















―――――――――これは、上条当麻不在の物語。


                        そして。


                              救世主が、ヒーローに救われていた物語―――――――――


以上です。お目汚し失礼しました。


7レス程未元定規でお借りします



心理定規「終電なくなっちゃったわね」

垣根「仕事長引いたからな」ポリポリ

心理定規「何食べてるのよ」

垣根「ピーナッツ。食べてるととまんねぇよな。テメェも食う?」ポリポリ

心理定規「あー……食べようかな。殻つきのやつ久しぶりに見……」パキッ

ピーナッしば「こんばんは」

心理定規「!? こ、こんばんは……」

ピーナッしば「キスすると1秒間に2億個の細菌が口の中を行ったり来たりするんだよぉ」


まーいにーち♪ひとっつ、豆知識らんらんらん♪


心理定規「…………」

垣根「もう遅ぇし、今日は一緒に、ホ、ホテルとか泊まるか?」

心理定規「やだ」



心理定規さんはリーダーの口の中って細菌多そうだなと思った



垣根「!!! 心理定規、心理定規!!」

心理定規「何よ。急に慌てて」

垣根「ピカチュウだ! あそこの草むらピカチュウがいるぞ!!?」

ピカチュウ「ピカー」

心理定規「……ほんとだ!何でか解らないけどピカチュウがいるわ!」

垣根「おい、テメェの足元にあるのモンスターボールじゃねぇか!?」

心理定規「ほんとだ! よし、投げてみるわね!」ポイッ

垣根「いてっ」

心理定規「あ、そっち行っちゃった。ごめ……」


……パシュン
テレレーッ♪

やったー! テイトクをゲットしたぞー!


心理定規「…………」

心理定規「うそぉ……」



心理定規さんは垣根をGETした


心理定規「何故か身長が16センチくらいになってしまったわ」

垣根「可愛い」

心理定規「このままだと困るわ……どこかの誰かとキャラ被りしてる気がするし、何とかして頂戴」

垣根「何とかって言われてもなー、俺もどうすればいいのか解んねぇし」ツンツン

心理定規「ちょっと、つつかないでよ……」

垣根「もう、このままでもよくね?」

心理定規「良くないわよ!」

垣根「いやいや、こっちの方が可愛いし」

心理定規「……でも、この身体じゃ、貴方と色々出来ないわよ……?」

垣根「今直ぐどうするか考えるわ」



心理定規さんは垣根と色々する気は無かったが、これからの事を考えて媚を売った


心理定規(何か星が書かれたボールがアジトに置いてあるんだけど、これって……)

心理定規「……い、いでよ、ドラゴン? ね、願いを叶えたまえ……だったかしら?」

心理定規「…………」

心理定規「…………やっぱ出な……」

神龍「さあ……願いを言え、どんな願いも一つだけ叶えてやろう……」

心理定規「」

ガチャ

垣根「なぁ。そこに新しくケーキ屋出来たから一緒に行こう……って、何だそれ……」

――
―――
――


垣根「えーと、俺はチョコレートケーキ」

神龍「チーズケーキ」

垣根「………………いや、何で?」



心理定規さんは逃げた



心理定規「ねぇ、これ歩いてたら拾ってたんだけど、4次元ポケットじゃないかしら?」

ゴーグル「見た目はそれっぽいっスね」

垣根「4次元ポケットな訳無ぇだろ。アホか、テメェら」

心理定規「でもこれ絶対タケコプターよ。中から出てきたやつ」

垣根「飛びてぇなら俺が抱えて飛ぶのに」

心理定規「私が暴れないのをいい事にセクハラしてくるじゃない」

垣根「それは愛情表現っていうかさぁ」

心理定規「とにかく、一回このタケコプターを試してみるわ。そしたら本物かどうか解るでしょ」

ゴーグル「そういえば、タケコプターってこの大きさで飛ぼうとすると、実際は風圧でミンチになるらしいっスね」

心理定規「………」



心理定規さんは怖かったのでタケコプターを使わなかった



垣根「何故か解らねぇが身長が18センチくらいになっちまったぜ」

心理定規「うーん、デジャヴ。未元物質でどうにかできないの?」

垣根「能力っつても、俺のサイズにあわせて翼もちっちゃくなっちまったし
   そもそもどうすればいいのか検討もつかねぇ」パタパタ

心理定規「あら……可愛い」キュン

垣根「どうしたらいいんだ……」

心理定規「あ。とりあえずお腹減ってない?」

垣根「いや、別に」

心理定規「蒸しパンくらいしか無いんだけど……あ、千切った方がいいわよね。はい、あーん」

垣根「いや、別に腹は減ってねぇんだが……」モグモグ

心理定規「ふふ、かわいい……」ツンツン

垣根「おい、つつくな。揺れる」

心理定規「えへへ、ほ、頬ずりとかしてもいいかしら?」デレー

垣根「えー……折れたりしねぇか? 俺が」

心理定規「大丈夫!大丈夫だから! 頬ずりしてもいいでしょ?ね!?」



心理定規さんは真剣だった



心理定規「んん……大丈夫、折れないから……」

垣根「おい、心理定規。いつまで寝てんだ?」

心理定規「え? あれ、いつもの身長……」

垣根「? 何言ってんだ?」ポリポリ

心理定規「何でもないわ……って、あなたピーナッツ食べてるの?」

垣根「いや、カシューナッツ。食べだすと止まんねぇよな。テメェも食うか?」ポリポリ

心理定規「……私は遠慮しておくわ」

心理定規(夢かぁ……はぁ。小さいリーダーに頬ずりしたかったな)スリスリ

垣根(な、何で俺の腕に頬ずりしてんだ!? もしかして今日はお持ち帰りOKとかそういう……)

垣根(ん? なんだこれ一個顔が……)

カシューナッしば「ねぇ、知ってる?」

垣根「!?」

カシューナッしば「メスのカマキリはオスのカマキリを食べちゃうんだよぉ」


まーいにーち♪ひとっつ、豆知識らんらんらん♪


垣根「…………」

垣根「…………今日はやめとこう」ポリポリ



以上です
本当はスレを立てて心理定規さんとどうぶつの森とか心理定規さんとハム太郎とか
心理定規さんとアザゼルさんとかやりたかったんですが
上手く話が出来なかったので出来た分だけ勿体無い精神で投下しました
お目汚し失礼しました

8レスほどお借りします。「みんなで美琴を苛める話」です。
では投下させて頂きます。






そう。とうまの記憶は、もう完全に失われちゃったんだよ。私のせいで。…気持ちはわかるけど、短髪が気にすることはないかも。とうまは短髪がそう思ってくれるだけでも嬉しいだろうし、私も、うん、嬉しいかも。



とうまの記憶のために短髪ができることなんて、何もないんだよ。






…そうよぉ。あなたのDNAから作られた最初のクローン。試験体。それが「ドリー」。私の大切な…大切な友達。とてもとても優しい子だったわぁ。
そしてさっき会わせたのが、その記憶を引き継いだドリーの妹。あなたにとっての、2番目の妹ってとこかしらぁ?
テロリスト?ああ、「みーちゃん」のことぉ?あの子が一緒に居たいってワガママ力を発揮するから、身体の悪いあの子の世話をしてもらってるのよぉ。お互いを大切に思ってることは、見ればわかったでしょぉ?
…それで?あの子たっての願いで、御坂さんを連れてきてあげたわけだし、ついでにあのときの事件の裏側を心優しくも解説してあげた訳だけどぉ…。何、その顔は?そんなに怒ることはないでしょぉ?何か不満でもあるぅ?心配しないでも、あの子のことは全力で守るわぁ。誰にも傷つけさせやしない。御坂さんに隠してたのは、少しでも隠蔽力を高めるためよぉ。裏切るわけない?そうかもねぇ。でも万が一ってあるわぁ。私はあなたがなに考えてるのかなんてわかんないんだしぃ。ま、あの子も自分のオリジナルのこと恨んでなんかないみたいだしぃ、これからはもっと会いに来てもらえば喜ぶんじゃない?

…いつまで突っ立ってるのぉ。御坂さんが子供のころのこと、知らないところで終ってしまったことを、そんなに気に病むことはないわぁ。



昔のあなたに出来ることなんて何もなかったんだから。DNAマップについても、ドリーについてもねぇ。




お姉さま、顔色が悪いですよ、とミサカは病院へ呼び出したお姉さまを心配します。なにか憂いごとでもあったのですか?…え?
今学園都市にいる妹達ですか?ミサカネットワークに接続していますから、勿論全員の居場所は把握していますがそれが何かとミサカは…


…そうですか、ネットワークに接続していない別の妹が…いや、私達にとっては姉になるのでしょうか、とミサカは驚きを隠せません。ですが…
そうですね。…実はミサカたちも、隠していたことがあるのです。とミサカは打ち明けます。
今日はそれについて話すために、お姉さまに来ていただいたのです。
…上位固体と、番外固体と、一方通行について、です。詳しくは、本人達が自分の口から話したいそうなので別室へ…え?


…いつまでも自分を責めないでください。お姉さまがあのとき、ミサカ達のためにできる限りのことをしたことはしっています。
しかしあの実験は学園都市の統括理事会が主導していたのです。




超能力者といえど一介の学生にすぎなかったお姉さまにできることなど、ほとんどなかったでしょう、とミサカは慰めます。



お姉さま、来てくれてありがとうってミサカはミサカは大感謝!…でもお姉さま、これから話す内容はあんまりいい話じゃないかもしれない。
だけど…最後まで聞いてほしいなって、ミサカはミサカはちょっと顔色の悪いお姉さまに頼み込んでみたり。…ありがとう。それじゃ、
ミサカが「あの人」と会ったときの話をするね。


…こんな経緯で、ミサカたちはあの人と一緒に暮らしてる。あの人に初めて会ったときも、0930事件のときも助けてもらったの。だから今は、
ミサカ達で脳に損傷を負ったあの人の演算補助をしてる。
お姉さまにこの話をしたのはね、あの人と仲良くしてほしいっていうのでも、許してあげてほしいっていうのでもないって、
ミサカはミサカは念を押してみたり。ミサカたちも、あの実験についてあの人のことを許すことは無い。ただ、「知っていてほしかった」から。いいことも、わるいことも。
今は、ミサカはあの人と一緒に居たいと思ってるんだってことも。…え?

そんな!ミサカたちはお姉さまに命をもらったこと、「お姉さま」でいてくれてることに感謝してるんだから、そんなこと言わないでってミサカはミサカは慌ててみたり!それにあの時は、世界最高の演算能力を持つあの人だけがミサカを救える緊急事態だったんだよ!?



「何もできなくてごめん」なんて、言うことないってば!




…さて、上位個体からバトンタッチしたミサカの話はこんなとこ。ミサカの役割と、「第三次製造計画」。今までの顛末。
で、ロシアの雪原で救われちゃったミサカも今や上位個体と似た立場なわけだけど…ちょっと大丈夫?おねーたま。ぎゃはっ☆
もう今にもぶっ倒れそうな顔してるよん。
…ま、しゃーないか。おねーたまにとっては驚天動地、驚きビックリあめあられ、だもんねー。まあ、実はこっちもドリーとやらの新事実に
驚いちゃいるんだぜ?わー、おねーたまったらマジ大家族のおねーたまだね。

…だからさ、おねーたまの気持ちもわかんないでもないよ?ミサカこれでもおねーたまのこと好きだしさ。少なくともあのモヤシよりはね。
でもさ、ミサカも上位個体も、多分あの人じゃなけりゃ助かんなかったよ。




いくら超能力者のおねーたまでも、きっと何も出来なかったよ。…何さ、上位個体。ホントのことじゃん。



すまねえな、わざわざ呼び出しなんかして。実は話すことが…おい、体調が悪いんだったら…ここまできたら全部聞く?そうか、
それならいいんだけどよ。横の3人?ああ、麦野と滝壺とは一度やりあったんだっけか。いや、悪いな。一対一で話したかったんだが、その…
あんたが俺をどうすっかわかんないからついていくってきかなくてよ。
ああ、あんたに土下座してでも謝らなきゃいけない話があるんだ――



…まあ、浜面がどうしようもないクソみたいなチンピラだったころの話よ。いや、今もチンピラだけどさ。レールガン、あんたの母親は
知らない間に殺されかけ、あんたが一番憎い男と一番好きな男に助けられました、と…胡乱げな顔すんな、アンタが好きなやつなんて
皆知ってるっつーの。
…デキた奴だね。「謝る相手が違う」なんて。わたしだったらブチ殺してる。まあ私は親なんてどうでもいいけどな。そこまでコケにしてくれた
奴なんて原始崩しで身体中に穴明けて××××しやすいように…え?


…なんでアンタに助けを求めなかったか?やれやれ、テメエは学園都市の広告塔だろうが。おまけにテメエの母親ともなればさぞ甘ったるい
お人よしなんだろ?自分のガキを危険に近づけたくなかったんだろ。しかもこれは結局、学園都市の闇についての出来事で、テメエは表の住人だ。




ただの学生であるアンタには何もできないと思ったろうし、何もしてほしくなかったんだろうよ。



よお御坂、奇遇だな。こっちは今日も今日とて補修ですよー…ってオイ、大丈夫か!?様子が変だぞ!?なんなら病院に、ってえ?行ってきた?
いや、それよりもゴメンって何だよ?…アンタ「も」助けられなくてゴメンって、
…ああ、ベツレヘムの星のときか。あのときはしょうがなかったんだよ。あのままにしておくわけにはいかなかったんだ。
御坂がせっかく手を差し伸べてくれたのにな。悪かっ…え?おい、アックアのときに、グレムリンのときの無限の時間?
おい、何があったか知らないけど、そりゃ背負い込みすぎだ。お前にはちょくちょく世話になってるじゃねえか。
アックアが学園都市に来たときも、バゲージシティでも、お前を頼らなかったのは巻き込みたくなかったってこっちの勝手な都合だ。
お前が気に病むことねえだろうが。それにな、






いくらお前でも、あのときの落ちていくベツレヘムの星や、魔神に至ったオティヌスの前じゃ、できることなんて何もなかったさ。









「ああああああああああああ゛あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁあぁぁああああァァァあああああああああああああああああああああああ゛あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁあぁぁああああァァァあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!!!!!!!」




以上で終わりです。最初の方の改行の失敗で見づらいこと、8レスとかいいながら9レスしてしまったことをお詫びします。
お目汚し失礼しました。

美琴とインデックスで、11スレほどいただきます。


ある日の放課後、私は学舎の園を出て、あの公園に来ていた。
別にやることもなかったし、ひょっとしたら、アイツに会えるかな…なんて。

残念ながらアイツは見当たらなかったけど、その代わりと言っていいのかどうか、「あの」シスターがベンチに座っていた。
珍しい。それとも私が知らないだけで、しょっちゅうここにきているのだろうか。

「…おっす、アンタ一人?」
「あ、短髪。今、ひょうかと話してたところなんだよ。もういっちゃったけど」

いい加減にその呼び方をどうにかしろ。
青筋が立ちそうになるのをグッとこらえる。私はあまり変な呼び方をされるのは好きじゃない。
ただ、せっかくこちらから声を掛けたのに5秒で喧嘩にしようとは思わない。

こっちもなんとなくで話しかけたわけじゃないのだ。
どうやらさっきまで友達と会っていたらしい彼女に、色々確かめたいことがあった。

「アンタちょっと時間ある?もしよければさ、ちょろーっと聞きたいことが―」
「とうまのこと?」

ノータイムで返される。
見透かしたような顔をするな。そんな私はわかりやすいのか。
一気に顔が赤くなる。
これからするのは、ちょいと踏み込んだ質問だ。だというのに、先手を取られた感じは否めない。

「いや、そうなんだけどさ…
 …あの、さ、アンタ、アイツと……どういう関係なの?
 前に私がアイツの家の前まで行ったとき、アンタ家の中にいたような」
「一緒に住んでるんだよ」


ゲームセット。






「……ホントにとうまはいつもいつもいつもいつもいーっつも、危ないところに首を突っ込んで!
 止めてもきかないんだよ!」
「ホントよね…ったくアイツはなんで毎回ああなのかしら…」

がおー、と両手を振り回すちびっこシスター。
その横で、私はちょっと前の茫然自失から回復していた。


(「ア、アンタ、アイツの、恋人、なの?」)
(「…家族、の方が近いかも」)


ぶすっとした顔をして、今はまだ、と言いたげだったが、それでも私は胸を撫で下ろした。
もういい加減、私は自分のこの気持ちに嘘を吐けなくなっているのだ。

とりあえずの失恋を免れたことで、私はコイツとのお喋りを再開することにした。
…結局私とインデックスの共通の話題なんて一つで、誰かさんの愚痴大会になってしまったが。


「だいたい、とうまは無節操すぎるかも!
 誰彼構わず助けようとするのはまあいいよ、私もそうやって助けられたんだから。
 でも毎回毎回右手を構えて突っ込んでいって、誰かを救って大怪我して!
 ちょっとは専門家の私の話を聞いて、準備万端にして戦うことだってできるんじゃないのかな!?
 そもそもいつもとうまが戦う必要だってないんだし!
 おまけに毎回別の女にフラグを立てるってどういうこと!?
 とうまはあれかな、命を賭けたナンパ師でもやってるのかな!?」

インデックスが両手を振り上げる。
コイツはきっと、私よりずっと多く、アイツが「危ないところに首を突っ込む」ところを見てきたんだろう。
あの第3次世界大戦の前、満身創痍だったアイツと私が鉢合わせたあのときより前からずっと。

しかし「専門家」ねえ。
私も、今では私たち学園都市の人間が使うのとは違う法則があるということくらいは理解している。
そして、コイツはそのエキスパート。
見かけによらないというか、その胡散臭いシスター姿からすればさもありなんというというか。

つーか、不満の大部分は最後だろアンタ。
さすがにアイツだって女の子を狙って助けているわけではない…よね?
このシスターからすれば私もその「別の女」に入るのだろうか。

アイツは釣り上げた魚に餌はやらないというか、釣り上げた事にすら気付いてないから困る。
キャッチ・アンド・リリースどころじゃない。

…いや、しっかり釣り上げてリリースしてない魚が一人いたか。
私の目の前のコイツ。だからこそのこの不満。ちくしょう羨ましい。



ただまあ、似たような不満は正直私も持っている。
端的に言うなら、「もっと頼ってくれてもいいんじゃないか」ってことだ。

0930事件のときはそこそこ力を貸した。
アイツがイギリスに行っていたらしいときも、電話で助けを求められた。
でも、私が自分の中のその想いに気付いた日、満身創痍のアイツは私に助けを求めなかった。

そして忘れもしない、ロシア上空でも。
アイツを助けられなかったことを、私がどれだけ悔やんだか。
あの落ちていく瞬間を、私は何度も悪夢に見た。

しょうがないから一年発起してハワイについていったら、今度は現地で置き去りだ。
泣きたくなる。

「とうまは親しい人、身近な人は危険な目に会わせたくないと思ってるんだよ。
 私なんて、ハワイに連れて行ってももらえなかったし。
 …よかったね、短髪」

どういう種類の皮肉だコラ。
しかもその言い方だと自慢に聞こえるぞ。

かつて私は、「部外者は係わるな」的な感じでアイツから助けを拒絶された。
それから色々あって、少しは距離が近づいたと思ったら、今度はアイツの身近になりすぎたせいで遠ざけられた。
どうしろっちゅーの。



「アイツも船の墓場に行く途中、やっと全面的に私たちを頼ってくれたと思ったのにねえ…」
「…うん。今度はオティヌスと地球の裏側まで二人旅。
 私たちはまたおいてけぼりかも」

あのときアイツに「お前たちの力を貸してくれ」と言われたときの高翌揚は、インデックスならわかってくれる。
いや、インデックスだからこそ、か。
助けようと差し出した手をスルーされていた私に、待たされ続けていたインデックス。
私たちがどれほど、その言葉を望んでいたか。

それなのにその数時間後(アイツ視点では数億年後になるのか?ややこしい)には、私たちに何の説明も無く世界中を相手にしようとする。
こっちは船の墓場にまたしても置き去りだ。
あのときの感動を返せ。

…まあ、その後思いっきりアイツを疑ってしまったワタシは何とも言えないけどさ。

そういえばオティヌスはどうしてる?と聞くと、あの小さい身体で、基本アイツにくっついているらしい。
ちくしょう羨ましい(二回目)。

「うー、あのバカはどうやったらもっと私を―」
「ねえ」

頭をかきむしる私が横を見ると、いつの間にかインデックスは何かを見透かそうとするような、いつもと違うシスターの目で私を見ていた。




「短髪は、なんでとうまに力を貸してくれるの?」
「なんでって、…それは」



「――短髪は、とうまが好きなの?」



「…うん、好き」



「そっか。私もとうまのことが好きかも」

その語尾だと、言い切ってるのかどうかわからないだろうが。

というかなんだこれ。なんでこうなった。
どうして私たちは恋敵と暴露合戦やってんだ。
まだ誰にもはっきり言った事のないこの想いを、なんでよりによってこのシスターに。

いやまあ、お互い薄々分かってたことだけどさ。
あの地下街で会ったときから。



「それで、短髪はなんでとうまを助けようとするの?」
「…いや、アンタはどうなのよ」
「私は、とうまの家族みたいなものだもん。短髪は?
 やっぱり好きだから?それとも前に助けられたって言ってたよね。その恩があるから?
『ゴオントホウコウ』ってやつなの?」

「御恩と奉公」な。変なところで知識の偏りがあるシスターだ。

…さて、私がアイツを助けるのは何でだ?

コイツの言うとおり、好きだからか?恩を返すためか?
ロシアに行ったときはそうだったような気がする。
でも、今は?

インデックスは分かりやすい。
何しろ一緒に住んでいるんだし、家族も同然。なら、助けるのも当然。
私は…友達だから、ってことでダメだろうか。

…いや、違うな。私はもっと深い関係になりたいと想ってる。
あれ?それならもっと分かりやすくないか?
でもそれじゃ、インデックスの言う通りじゃ…。



待てよ、とふと思った。

アイツは近しい人を戦場から遠ざける。
究極的なことを言えば、もし、アイツと想い合うようになることと、アイツを助けることのどちらかを選ばなければならなくなったら、私はどうする?

もちろん、その二つは両立できる。…はずだ。
アイツに誰より近い目の前のシスターだって、あのとき一緒に助けを求められた。

でも、もしも、私がアイツと望む関係になれなかったとして、それでも私はアイツに力を貸すだろうか――。




―――当たり前だ。何度だって、命を賭けてやる。



「違うわ」
「違うって、何が?」



「確かに私はアイツが好き。アイツに対する恩もある。
 でもね、アイツに力を貸すのに特段の理由なんていらないわ。
 『私があの馬鹿を助けたいから』助けるのよ。
 それ以上でもそれ以下でもない」

アンタ、「いつだってとうまは帰ってきてくれる」って言ってたわよね?
ただ信じて待ってるだけなんて、よくそんな辛い選択ができたわね。

アンタももういい加減それに耐え切れなくなったのね。
当然だ。私だったら、ハナからそんな道は選べない。

アイツが迷っているなら背中を叩いて送り出す。
間違っているなら殴ってでも引き戻す。
そして戦っているなら…私も戦う。

もしアイツが傷つくなら、私がその傷をせめて半分でも肩代わりする。
アイツが命を賭けるなら、私の命もチップに上乗せする。

アイツはきっと望まない。それどころか怒るだろう。
でも、できるのなら、私はそうしたいんだ。
インデックスほど大人じゃない私は、インデックスほど強くない私は、例え自己満足であっても、そうしてやりたいと思ってるんだ。



「まあ、下心があるのかもってのは否定しないけどねー。
 私はアイツと違って困っている人なら誰でも助けようなんて善人でもないし」
「…そんなこと言って、私から見れば単発だって充分お人好しに見えるかも。
 どうせ誰かに助けを求められたら、すっ飛んでいくに決まってるんだよ」

インデックスがボソッと言う。それはお互い様じゃないの?
アイツみたいなお人好しの近くにいるアンタが、善人じゃないなんて言わせないわよ。


インデックスが立ち上がった。
私は訝しむが、時計を見ると結構な時間が経っていた。
そろそろ帰る頃合だ。
私は学舎の園の女子寮へ、コイツはアイツが住んでるあの部屋へ。ちくしょう羨ましい(三回目)。

「ねえ、短髪」
「アンタねえ、いつまでそんな失礼な―」

膝に両手を付いて、同じくベンチを立ち上がる私に、インデックスが声を掛けてきた。
相変わらずの呼び名に反射的に噛み付きながらそちらを向く私に、

…インデックスが片手を差し出していた。



「短髪は、これからもとうまに力を貸してくれるんだよね?」
「…ええ、もちろんよ。アンタも、でしょ?」

「うん。私もだよ。…よろしくね、短髪。」
「み・さ・か・み・こ・と!」
「…よろしくね、みこと!」
「こっちこそよろしく。インデックス」

インデックスが差し出した手を握る。
私たちだけの、小さな小さな同盟成立だ。

きっと、アイツを助けたいヤツは他にもいるだろう。
私たちよりずっと強いヤツだって。
それに何より、アイツが立ち向かうものは、私たちの力よりずっとずっと大きいのかもしれない。

でもそんなことは関係ない。
私もインデックスも、お互いアイツに想いが通じる日が来なかったとしても、例えその希望が無くなったとしても。
私たちは、アイツの力になろうとし続ける。目の前の新しい友達に誓って。

約束だ。




「あ、でも一応言っておくけど、とうまは私のなんだよ」
「…しょっぱなからそれかよオイ」


以上です。
新約8巻を読み返した勢いで書きました。
この2人はこんな感じが理想。



…ホントはこっから仲良く3Pする展開にしたかった。
それでは失礼します。

>>755
…そして11スレじゃなくて、11レスだorz
お目汚し失礼しました…

3レスもらいます
とあるヘヴィーななんちゃらのネタバレとメタネタというか擬人化というか注意




歩く教会「すみません、急に呼び出しちゃって……」カランカラン

ビアージオ「わたしとお前の仲だ、細かいこと言うんじゃない」チビチビ

歩く教会「すみません……」

ビアージオ「それで、今日はどうした?」

歩く教会「……僕、法王級の防御力とか言っときながら、一巻の最初で壊れたじゃないですか」

ビアージオ「ああ、そう聞いたな」

歩く教会「しかも、その直後にインデックスさんは背中斬られて生死の境を彷徨って……」

ビアージオ「ああ……」

歩く教会「ほんと僕役立たずで……」

ビアージオ「まあそれは今は良いだろう、それで?」

歩く教会「それでも、安全ピンで留めて貰ってなんとか服としては頑張ってきたんです」

ビアージオ「ああ、禁書目録の服って言えばお前だもんな」

歩く教会「とは言っても、それも別に僕が頑張ったわけじゃないですけど」

ビアージオ「……」グビッ


歩く教会「姫神さんの方の歩く教会はちゃんと仕事してるのに、なんで僕はこんな……」

ビアージオ「まあまあ呑めや」トクトクトクッ

歩く教会「あ、すみません……ありがとうございます」

ビアージオ「それで今日はどうしたんだ、さっきから全然話進んでないぞ」

歩く教会「すみません……あの、なんか原作者さんの作品のコラボ小説出たじゃないですか」

ビアージオ「まだ前篇しか読めない奴か。それが?」

歩く教会「あれにもインデックスさん出てたんで、僕もいたんですけど……」

ビアージオ「うん」

歩く教会「…………」

ビアージオ「なんだ、どうした?」

歩く教会「…………なんか、僕燃やされちゃって」

ビアージオ「…………マジか」

歩く教会「はい……」

ビアージオ「でもほら、アレだろ。名誉の戦死的な」

歩く教会「いえ、ギャグ展開で……」

ビアージオ「…………」

歩く教会「…………」

ビアージオ「…………うん」



歩く教会「まあ本編に反映されたりはしないと思いますけど、なんだかね……」

ビアージオ「……」ゴクゴク

歩く教会「どうせ本編でも、一度も防御力を発揮出来ないまま終わるんだろうなぁって思っちゃったり」

ビアージオ「それはわたしも同じだ。お前と同等などと言ったものの、結局あの右手に殴られておしまいだった」

歩く教会「でも、ビアージオさんはけっこう善戦したじゃないですか」

ビアージオ「まあ、そこそこな」

歩く教会「僕なんて足手まといでしかないっていうか、それ以前の問題っていうか……」

ビアージオ「……」

歩く教会「僕はなんで生まれて来たんだろう、どうして生きてるんだろう。いや壊れてますけど」

ビアージオ(これかなり引き摺る奴だな……)グビー


    ― 完 ―

少し借ります

前に書いたやつと多少のつながりはありますが単独でも楽しめる内容でと思います

フレメア「うにゃー! どうだ、どうだ!」

打ち止め「ぬううぅ!
     そう簡単には負けないのだー! ってミサカはミサカは火が出るほどボタン連打!」

フレメア「喰らえ! 結局は最強はバナナって訳よ攻撃!」

打ち止め「そんなの喰らうか!
     さっくり回避からの甲羅攻撃!」

フレメア「にゃあああ!!! そ、それは回避不可能な……
     ぬあっはあああっ!!! コースアウトだとぉお!!」

打ち止め「よっしゃあ!
     はっはー! 正義は勝つのだぁ!!!」

黒夜「うん。まぁ頑張って」

絹旗「超うるせー。ゲームってよりふたりで騒いでいるだけじゃないですか」

黒夜「ともかく、これでまた差し馬もらいだね。はい、絹旗ちゃん100円ちょーだい」

絹旗「ちっ。
   金額的には些細なものですがこうも連敗だとイライラしますね」

浜面「……あっちが子供すぎるとしたらお前らおっさん過ぎないか?」

絹旗「ああん?
   ごちゃごちゃうるさいから掛金超下げたのにまだ文句あるんですかこのスカポンタン」

浜面「そもそも博打やってるってどうなのよ。
   ゲームやってる後ろで差し馬ってどうなのよ」

黒夜「差し馬ってそういうもんじゃん。
   いーじゃん、別にさー。
   勝ちまくっても1000円行かないんだぜ?」

絹旗「大体、浜面だって超ギャンブルやるじゃないですか」

浜面「確かにやるけどよぉ。
   でもなぁ、なあんか、こう見ていて嫌な気分になるんだよ」

絹旗「じゃあ、超見るな」

黒夜「気にしなきゃいいだけだと思うけどね。
   まぁ、そういうこと含めても浜ちゃんおっかさんだよね」

浜面「お前らが年相応の生活をしてくれれば俺はこんなに嘴突っ込まなくて済むんだが」

絹旗「普通に年相応の生活だってしてますよ。
   服を買いに行ったり、映画を見たり。
   今日はたまたまです」

黒夜「雨も酷いしね。お外で仲良くフットサルって訳にゃあ行かないさ。
   というか浜ちゃんも一口乗る?
   浜ちゃんはNPC一択だけど」

浜面「んな、負け戦確定の博打に誰が乗るか。
   そんなことするぐらいなら料理でもしてるわ」

フレメア「にゃあ、浜面!
     何作るの!」

打ち止め「人の頭にコントローラー投げつけて何やってるんだってミサカはミサカは……
     で、何作るの?
     ミサカお肉がいい!」

黒夜「図々しいなぁ。食う気満々じゃないか」

絹旗「黒夜がいうのでなければ最もなセリフですよね」

黒夜「一応、生活費入れてるんだけど」

絹旗「居候として超当然のことです」

フレメア「にゃあ……なんか、火花が散っている」

打ち止め「仲良くギャンブルしていたと思ったら喉元噛み付くレベルで殺気だしてるって
     ミサカはミサカは小動物のように震えてみたり」

浜面「いいかげんにしとけよ、お前ら。
   あとで服買うの付き合ってやるからよ」

黒夜「……まぁ、今日買い物に行くつもりだったのがダメになったのは絹旗ちゃんのせいじゃないし」

絹旗「……今日が封切りというわけじゃありませんからね。
   映画ならあとでも観れますよね。覚悟しておいてくださいよ、浜面」

浜面「よしよし。まぁ、うまいもの食わせてやっから仲良くやってくれよ」

フレメア「……にゃあ、なんかちょっと不愉快」

打ち止め「これってもしかして、二人とも浜面とのデートがダメになって腹を立てていたのかなーって……
     ミサカはミサカは、その視線は怖いからやめてほしいなーって金髪ちびすけに言ってみたり」

浜面「さてさて! 最近めっきり寒くなってきたからな。
   寒い時に身体のガンってあったまる鍋といくか!」

浜面「材料はこんなもんかな。
   大体3~4人前で考えてくれ。


   ①白菜     1/2個
   ②豚バラ肉   500g
   ③生姜     大3個
   ④カブ     中3個
   ⑤ダシ     味○大さじ1
   ⑥水      コップ半分           」


黒夜「出たな、海原○山ブチ切れの味○」

絹旗「なんか、○覇味の鍋になりそうですね」

浜面「別に○覇でなくてもいいんだけどな」

打ち止め「きっとメーカーからリベートをもらってるんだってミサカはミサカは取材内容をでっち上げてみたり」

フレメア「浜面はそんなことはしない!
     するんだったらメーカーの倉庫からダンボール箱ごとごっそり」

浜面「オイコラ。
   無理矢理人を悪人にするんじゃあない」

黒夜「でも浜ちゃん好きだよね、味○」

浜面「まあ、便利だしなぁ。
   たまにはこだわって出汁をとったりしたいこともあるけど、いつもにはできねぇもん」

浜面「とにかく料理を開始、っと。
   まずは土鍋に白菜適当に切って詰め込んで、水入れて」

絹旗「土鍋超パンパンじゃないですか。白菜多すぎですよ」

黒夜「これじゃほかの具材なんて入りそうにないね。
   それに水が全然足らないじゃん」

浜面「そうでもない。白菜から結構水分出るからな、こんなもんでいいんだ。
   んでもって蓋を落として10分弱ぐらい火にかけてやるんだ」

フレメア「にゃあ、その間にほかの具材を切るんだ!」

打ち止め「うむ、よく覚えておくといい!
     とミサカはミサカはまったく知らなかったけど知ったかぶりで上から目線!」

黒夜「腹芸ができない口調だねぇ」

絹旗「その割には口が悪いんですよね、この子」

黒夜「誰に似たんだか」

打ち止め「お姉様の悪口を言うな!
     貧乳で空気読めないポッチの残念お姉さまだけどミサカのお姉様なんだぞって、
     ミサカはミサカは悪口言ってるんだかなんだから分からない抗議をしてみたり」

フレメア「今の言葉、録音して後で常盤台に送ってあげよう、にゃあ」

浜面「さぁて、そろそろいい感じかなっと」

黒夜「おお、白菜の量がぐんと減ってる!」

絹旗「鍋の半分ぐらいになりましたね」

浜面「もっと煮込むけどな。
   で、水分がすくないなぁと思ったらこの時点で追加で入れてやろう。
   焦げるのは良くないんで」

打ち止め「それで、ほかの具をいれるんだねってミサカはミサカは未来予測!」

浜面「予測って……まぁ、予測か。
   じゃあ生姜と豚肉を入れてやるか」

フレメア「ちょっと待って浜面!
     大体、その生姜大きすぎ」

絹旗「厚さ1ミリ弱ですね。これじゃパリパリしますよ」

黒夜「これじゃ薬味じゃなくって鍋の具だよね」

浜面「うん、実際に鍋の具だな。
   というわけで、軽く革をこすったあと1ミリ弱に切ってやった生姜と
   一口大の豚バラを入れて、味○をひとさじ入れて。
   で、あとは中火で15分かな」

絹旗「へぇぇ。超簡単ですね」

黒夜「でもハズレはなさそうだよね。
   ちょっと生姜の味がどうなるのか想像できないんだけど」

フレメア「にゃあ。とっても美味しそう!」

浜面「ちなみに、煮込み過ぎると生姜の味がなくなっちまうんだが、
   でも煮込んだほうが白菜は旨い」

打ち止め「確かに白菜がメインの鍋だから白菜が美味しい方がいいのかも!」

絹旗「白菜の量が普通の倍はありますよね。超期待できます」

浜面「さて、出来上がった!
   熱いうちに食おうぜ!
   生姜エキスの金色のスープが結構いけるんだ!」

黒夜「どれどれ……」

フレメア「にゃあ!
     大体、かなり美味しい!」

絹旗「いいスープですねぇ。あまり味わったことのない味ですが、美味しいです」

打ち止め「豚肉と白菜は普通なんだけど、普通に美味しい。
     それで、生姜がサクサクってして、うんっ!」

絹旗「ちょっとダシガラになってますけど、でも生姜まるごと食べると超あったまりますね」

黒夜「うんうん。普通の鍋なんだけど、ちょっと変わってって、美味しいのは確かだね。
   なんていうのかな、めちゃくちゃ美味しいわけじゃないんだけど、すごくほっとする味だ」

フレメア「大体、冬にはぴったりの鍋かも。
     簡単だし、味もいいし、私でも作れそうだ、にゃあ」

絹旗「確かに超簡単です。材料もシンプルですし」

黒夜「生姜が効いてて身体もあったまるしね。
   私、冷え症だからこれいいかも」

浜面「七味や柚子胡椒入れてもいいんだぜ?
   それよりカブを食ってみろよ」

打ち止め「!
     こ、このカブは……!」

絹旗「へぇぇ。スープを吸って、すごくいい味してます。
   とっても柔らかくて、唇で切れそうなぐらいですし」

黒夜「そんな火傷しそうな食べ方はしないけど、でもいいねこのカブは。
   おでんの大根みたいだ」

フレメア「にゃあ、大体、これだけで一品料理になるかも」

絹旗「いやいや、これは美味しいかったです。
   超ご馳走かというと疑問ですが、夕飯がこれだよって言われると嬉しいかもしれません」

黒夜「うん、満足満足」

打ち止め「お腹が膨らんでくれば大体の悩みは解決するってどこかの人が言ってた!
     ってミサカはミサカが言動一致の笑顔で言ってみたり!」

浜面「まぁ、問題があるとしたら、締めの雑炊とかがむかないってことかな。
   ラーメンでも合わないし。
   単純にスープで味わうのが一番なんだよな、これ」

絹旗「それは問題じゃなくってこの鍋の性質でしょう。
   少なくとも私は気になりませんよ」

フレメア「でも……」

黒夜「でも?」

フレメア「でも、この鍋を食べたあとだとアイスが食べたくなって仕方ない! にゃあにゃあ!!!」

打ち止め「! な、なんと!」

絹旗「なるほど!
   確かに、超言いたことがわかります。
   この鍋食べたあとだと冷たくって甘いものが超欲しくなりますね!」

黒夜「うんうん。最近二重あごが目立ってきた絹旗ちゃんの言うことだけど、超同意だよ」

絹旗「……今、何言いましたか」

黒夜「はいはい、スルースルー。
   ちなみに、冷蔵庫にアイスが3つ入っているのが判明してるんだけどさ」

絹旗「……つまりあれですか、デブを認めるかアイスを諦めるかを選べと」

黒夜「いやだなあ、そんなことは言ってないよぉ」

フレメア「にゃあ!
     つまりはカートで勝負で決着!」

打ち止め「おお、それがいい!
     よっしゃあ腕がなるぜブーンブーンってミサカはミサカは口で言って唸らせてみたり」

黒夜「……なんかまるぅく収まりそうなんだけど。
   亀だのキノコだのバナナだのがメインのゲームで」

浜面「言い方がスゲェ下品だ。
   下品だけどたまには俺だって平和に終わりてぇわ」

絹旗「まぁ、いいですかね。
   たまには黒夜の顔のように丸く終わらせますか」

黒夜「言っとくけど私丸顔じゃないからな、絹旗ちゃんと一緒にするんじゃねぇぞ」

以上です

この時期は鍋が美味しいです
白菜も例年に比べて安いですし

月刊少女野崎くんパロで数レス



上条「喜べインデックス! 臨時収入が入ったぞ! お祝いに今日の晩飯はすき焼きにケーキだ!!」

禁書「本当とうま!? やったー! でもどうして? 昨日は『よく聞けインデックス。ついに今月分の資金は底をついた。明日から10日間はもやしと野草と水と塩のみで生き延びる生活に突入する。覚悟はいいか? 俺は出来てる』って言ってたのに!」

上条「いやあ、それがなんと前に入院中暇だから描いてた漫画をノリで応募してみたらこれが入賞しちまってな! 賞金もらったんだ!」

禁書「ええええええ!? まっ漫画!? えっえっ、じゃあとうま漫画家になるの!?」

上条「ああ、これで俺も現役高校生プロ漫画家……いい響きだ。もう誰にもド素人の一般人(笑)普通の高校生(笑)なんて言わせないぞ!」

禁書「いや、みんなが言ってる素人っていうのはそういう意味じゃ……まあいいや。ねえねえ、じゃあ早速とうまの描いたその漫画を読ませて欲しいんだよ!」

上条「おう! インデックスが上条さんのファン第一号だな! はい、これ」パサッ

禁書「えへへ、私がファン一号かあ……」ペラッ

禁書(とうまの描いた漫画……きっと、ザ・少年漫画!って感じのガチンコバトルものなんだよ)ペラペラ



ヒロイン『私の名前はヒロ山イン子! 可愛いものとオシャレが好きなごくフツーの女子中学生っ☆ 実は今私には好きなヒトがいるの!』

ヒロイン『でも意地っ張りな私は彼とまともにお喋りすることすら出来ない……顔を合わせる度、ついいつも心にもないヒドイ態度を取っちゃうの……くすん』

ヒロイン『どうしよう……また今日も素直に話せなかった。こんなんじゃ私、彼に嫌われちゃうよぅ……』


ヒロイン『でも……私、自分の気持ちにウソはつけない! やっぱり……彼のことが好き……っ!!』


禁書「」



禁書「………………えっ?」

禁書「えっ? えっ?」

上条「どうだインデックス。俺のデビュー作の感想は」

禁書「……これ本当にとうまが描いたの?」

上条「もちろん」

禁書「…………なんで少女漫画?」

上条「それが初めは今までの経験を踏まえた上で魔術あり超能力ありのバリバリ異能バトル漫画を描いて送ってたんだけど。
   担当さんから『オチが毎回主人公のワンパンで終わるとかワンパターン過ぎる』『今時こんな水戸黄門展開で満足する読者がいると思ってんのか、漫画ナメんな』ってお叱りを受けてな」ハハッ

禁書「………………」

上条「ワンパンとワンパターンをかけるなんてあの担当さんユーモアあるよな!!」

禁書「そこじゃない」

上条「え?」


禁書「……まあいいんだよ。でもだからってなんでそこからいきなりコテコテな少女漫画に路線変更するかな。急ハンドルってレベルじゃないかも」

上条「実はウケ狙いのネタのつもりだったんだけどな。まさかマジでこれでデビューしちまうなんて人生どう転がるか分からないよな~」

禁書「むしろとうまの人生そのものがネタだよ」

禁書(ところでこのヒロインの子……)


ヒロイン『かっ、勘違いしないでくれる!? アンタのことなんて私は何とも思ってないんだから!!』プイッ


禁書(……どことなく短髪に似てる気がするんだよ。ま、まさか……っ!?)

禁書「とうま! もしかしてこの子のモデルって!」

上条「ん? ああ、お前も気付いたかインデックス。そうだ、その子のモデルは……」









ステイル「ハァ!? 勘違いするなよ上条当麻! 僕はただ彼女の近くにいられる口実が欲し……ご、ごほん! とにかく!
     君達が明日の食事にも事欠くレベルに貧窮しているというから、まあ同じ必要悪の教会のよしみで仕方なく、仕・方・な・く! こうして手伝いに来てやっているだけに過ぎないんだからね!!」プイッ

上条「ステイルだ」

禁書「わあ、ほんとだ」


月刊少女☆上条くん2


ステイル「……」サラサラサラ…

禁書「わー、ステイルの描く小物すごく上手かも。細かくて綺麗なんだよ」

ステイル「! まっ、まあね! 僕は普段から大量のルーンを描いて慣れているからこのくらいの作業は朝飯前だよ。魔術師たるもの手先が器用なのは当たり前だしね」フフン

上条「インデックスー。ここもベタ頼む」

禁書「了解なんだよ! なんだかんだ私も漫画のお手伝いは慣れたものかも」

上条「うんうん、インデックスの知識と完全記憶能力のおかげで誤字もしないし、塗り忘れとかもすぐ気付いて訂正してもらえるしホント助かってるよ」

ステイル「上条当麻。ここにはどのトーンを貼ればいいんだ?」

上条「え? あー……なんかぶわっとしてきゃるんっ☆て感じのやつで」

ステイル「分かった」

禁書「分かっちゃうんだ。今のふわっふわした指定で分かっちゃうんだ」

上条「あとそっちは“御坂”な」

ステイル「了承した」

禁書「!?」ピクッ


禁書「……ちょっと待って、その“ミサカ”っていうのはなんなのかな!? 聞き捨てならないかも!」

上条「え? ああ、“御坂”はこれのことな。衝撃的なシーンなんかで使う雷がピシャーンってなってるやつ」ピラッ

禁書「あ、なーんだ。そういうことかあ。確かにそれは分かりやすいかも」

上条「だろ? ちなみにこの血糊っぽいトーンは一方通行。こっちのしましま模様も一方通行。そっちの禍々しい物騒な感じのやつも一方通行だ」

禁書「分かりづらい!!!!」


禁書「いや……確かに分かりやすいけど分かりづらいよ! 全部白い人の名前じゃ結局見分けつかないでしょ!?」

上条「!?」

ステイル「!?」

禁書「なんで二人とも『たった今その事実に気付いた』みたいなびっくり顔なのかな!? こっちがびっくりなんだよ!!」

上条「そうか……言われてみれば確かにそうだ。そこに気付くとは流石インデックス!」

ステイル「これが天才か……」

禁書「1ミリも嬉しくないんだよ」

上条「よし、じゃあこの血糊っぽいトーンは別の奴の名前に変えよう」

禁書「そもそも少女漫画の学園ラブコメでこのトーンを使う機会があることに動揺を隠せないんだけど」

ステイル「ふむ。ならばやはりこのトーンの名称は……」

上条「ああ、やっぱり……」





上条・ステイル「「神裂だな!」」

禁書「二人はかおりのことをなんだと思っているのかな?」


終わり

以上。ガラケーからなので時間かかってごめんなさいなんだよ!

あけましておめでとうございます

早速ですが少しばかりお借りします
結構ひどい話ですのでオティヌス好きの方はご注意を

 深夜。
 何もかもが静止した、それでもかすかな息遣いを感じるような気がする。
 乗馬代わりの三毛猫も部屋の片隅で丸くなっている。
 闇夜に見れば軽く腹を膨らませたり凹ませたり、呼吸を繰り返している。

 それをどこか遠くの懐かしいものでも見るような視線で一瞥した後、オティヌスはひとりベランダへと足を運んだ。
 今の彼女は小柄、という言葉では済まないほど身体が小さい。
 文字通りの手のひらサイズ。
 故に、6尺サイズの窓ガラスを開くなんて芸当は到底許されないのだけれども……それでも、ほんの僅かだけ隙間が空いていたらしい。
 大した苦も無く夜の空の空気を吸い込める場所までやってきた。

 ふと見上げると、そこには丸い月が煌々と夜を照らしている。
 ブルームーン。
 月が大きく見えるという、人間の脳が感じた錯覚だ。
 人間ではないのだけれども、オティヌスもそう感じた。


「あの月は、大きいな―――」

 すべては質量から始まる。
 何もない空間で質量が集まり、重力が発生し、その重力によって原子が潰れ、融合し、熱量を発し、マントルが対流を起こし。
 そうして地球という惑星に地磁気が発生し、それに流された太陽風がオーロラなんてものを天に広げ。
 見上げた人間たちが「神」という創造物を構築する。

 きっと、同じようなものだろう。
 月が大きく見えるという、ただそれだけで神は人間から排泄されるのだ。

 そうだ。神など人間の排泄物に過ぎない。

 世界を壊せる。
 銀河と銀河とをぶつけて消滅させられる。
 時間を巻き戻すことだってできる。
 宇宙の両端を繋いだ弩を作り出すこともだって。
 観測者である自分の形而上のものが世界に形而下にダウンロードされる。
 つまり、自分の認識こそが世界のすべて。

 それがなんだというのだ。
 結局、そこまでできるからと言って、オティヌスは全知でもなければ全能でもなかった。
 ただちょっとだけ、選択肢が多く搭載されていた。
 それだけのシステム。

「……はは、あんなもの、数えきれないほどに見たはずなのにな」


 なのに、美しい。
 オティヌスは今、心の底から月を美しいと感じている。
 神だったことはそれに気付かなかった。
 神を捨て彷徨っていたときにはそんな余裕はなかった。
 再び魔神となったときにはそんなものはどうでもよかった。

 なのに。


「皮肉なものだな。永久の括弧にくくられることで世界の美しさを理解できるようになるとは、な」


 隻眼のオティヌスは静かに笑う。
 自嘲する。
 かつて世界と同一の項に存在していた自分が、世界から括弧で切り離された数式となって初めて自分の素直さに気づいた。

 月面に立ったこともあった。
 もっと遠くに行ったことだってあった。
 西遊記にあった話だが、斉天大聖が世界の果てまで行ってみればそこはまだ釈迦牟尼尊者の手のひらの上だったという。
 あの話だ。
 きっと、どこまで遠くに行っても何かの手のひらの上に過ぎない。
 神など、きっとその程度のものでしかないのだ。

 だから、いつかしら知った矮小さに怯えて、自分の小さな世界を丸ごと掴める手のひらの持ち主を探していて。
 それがきっと、あの男だったのだろう。
 壁の向こうで見えるはずもないのだが、振り返って見つめる。
 今頃、狭いバスタブの中で縮こまりながら高いびきをかいているのだろう。

 あの男は異常だ。
 それは理解している。
 自分を殺さなかった。裁かなかった。
 よりによって保護しようとした。
 だから、それだけで異常者だ。
 少なくとも、現代の世界においては常識人とカテゴライズされる存在ではない。

 きっと、子供の望む理想の大人の姿で。
 大人の望む子供の純粋さを持って。
 颯爽と物事を解決する理想の英雄。

 彼を正義とみている人間は多いだろう。
 それは理解している。
 しかしオティヌスの解釈は違う。
 あの男はただ、自分にとって価値のあるものを守るだけで、それ以外はただのノイズに過ぎないのだ。
 それぐらいに残酷であるからこそ、そうでもなければ、世界を敵にして自分を守ってくれたリするものか。

 ゆっくりと、もう一度月を見上げた。
 落ちてきそうなほどに大きく、丸く、そして白い。
 あの光は死んでいる光だ。
 自分で発光しているものではない。
 誰かがいるからこそ存在を誇示できる。
 理解者がいる。
 例え括弧の中の観察者に過ぎないものだとしても、きっと、自分は――――


「幸福、なんだろうな」


 その言葉を言ったのは、オティヌスではなかった。
 月の光を遮るように、ベランダの手摺に立っていた。
 長い髪。
 ふてぶてしいほどの笑顔。
 大きく開いた両手には僅かに雷光が零れ落ちている。


 雷神。
 そして全能神。
 魔術師トール。

 金色の長い髪を夜風に流しながら、彼がそこにいた。
 まだ少年と言っていい風貌の線の細い少年。
 だが、彼は戦力としては数十の魔術師を軽く屠るほどの突出した能力を持つ。
 オティヌスや、魔神となりそこねたオッレルスを除けば、おそらく現世界でも最強と言ってもいいだけの実力がある。
 少なくとも、「最強」に列せられるだけの説得力がある。


「……やっと来た、というべきなのか?」

「さぁてね。オレとしては別に今のアンタに興味はないんだけれどもな。
 弱すぎる奴ぶったたいたところで経験値にはならない。
 しかしまぁ、『けじめ』ってやつは必要らしくてね」


 オティヌスは目の前の「死」を恐ろしいほど冷静な目で見つめていた。
 もう、勝つだの負けるだの、そういうレベルの話じゃあない。
 暗いから電灯をつけるとか、カーテンを開けるとか、もう当たり前すぎてどうしようもない。

 こうなることは分かっていた。
 いくら、上条当麻が自分を庇護においてくれようとも。
 世界中を敵に回したのだ。
 かつての、魔神としての自分ならばその程度のこと別にどうでもよかったのだろうけれども。
 今の自分には、世界とは、あまりにも大きすぎる。

 夜風に揺られてオティヌスの金色の髪が緩やかなカーブを描いた。
 寒くて、恐ろしくて、深く帽子を被りなおす。
 視線を防御したところで何も変わらないのだけれども、『まともに見ない』という選択肢は心を落ち着かせる作用がある。


「魔術師なんてみんな勝手な連中で、特に『グレムリン』なんていうものはもっとも軽蔑されるに足る連中だ。
 皆殺しにされればいい―――とは思わなくもない。
 復讐されるだけの正当な理由もある。
 けどな、元々ただの『魔術結社』に過ぎなかったものをああにまで変えてくれた責任のすべてを飲む必要があるのか、
 っていう疑問も残るんだよ」


 グレムリンとは機械にひそみ悪さをする、『新しく生まれた悪魔』だ。
 少なくとも、その名前だ。
 そして、宗教色に関係なく『魔神となったものが参画できる別の位相に存在した組織』の名前でもある。

 が、今回の話にそれは関係ない。
 今の話の中に出てくる『グレムリン』とは、少なくともこの話の登場人物の認識しているそれとは、


「もはや壊滅した組織だとしても、それぞれに人生ってもんがある。
 最終的にオレがぶっ壊したんだとしても、だ。
 だからこそ俺には多少なりとも奴らに責任があるわけだな」

 世界に大きな被害をもたらした魔術結社の成れの果てであり、かつてふたりが所属し利用した組織のことだった。


「お前が、そんなものに拘るなんて、考えてもみなかったよ」


 オティヌスは嘘を言った。
 そんなはずはない。
 目の前の少年は、ある意味彼女の理解者と同一の存在だ。
 自分の考えを実行するためならば、自分が正義だろうと悪だろうと拘りはない。
 拘りがないからこそ―――自分の信じる美学とやらに忠実であり、それを実行することに何ら躊躇いを持たない。


「オレだってどうでもいいさ。
 あいつ等が他の魔術結社に消されようと、投降しようと構いやしない。
 けれども、生き延びる可能性を1%でも上げてやれるんだったら、それをやらない弱いオレなんて許せない」


 美学に忠実であるからこそ、美学に反する汚濁も飲み干すのだろう。
 目の前の少年はそういう存在だ。
 かつて、魔神だった頃。
 オティヌスにとってトールとは利用する駒であり、その精神性なんてどうでもよいものではあった。
 しかし、ある種清々しさを感じさせる頑固さは厄介ではありながらも決して不快には感じなかった。

「好きにすればいい。
 ただ―――」

「好きにはするさ。邪魔されたくもないしな。
 ただねぇ、オレとしてはだ、オティヌス。
 アンタを殺すつもりはない」

「―――?」

「オレはね、結構上条ちゃんのこと気にいってるんだよ。
 経験値稼ぎの殺し合いなら構わないけど、憎しみや恨みは買いたくないんだ」


 予想外の展開にオティヌスは困惑する。
 既に自分の死は覚悟していたが、生き延びれるというのであればそれに越したことはない。
 別に自分の命に固執はしていないが、永遠とも言える世界の果てに手に入れた安息をまだ味わえるのであれば、願ってもないことだ。
 だが、それは目の前の、長い髪と肩にかけたストールを風になびかせる少年のこれまでの発言と矛盾するものではないだろうか。


「殺さないで、どうするつもりだ」

「まぁ、あれだな。
 命は奪わないが―――命に相当するものは奪わせてもらおう」

 トールとは雷神であり、そして全能神である。
 農耕、鍛造、気象、四季、災害―――
 文字通り、全能。
 要するに。


「―――刈り取るもの」


 種をまき、雨を呼び、太陽の光を浴びて。
 移り行く季節に葉を伸ばし、新たな種をつけ。
 敵の豊穣を災害によって破壊し。
 そして、鉄の鎌で、実りを、刈り取る。
 ―――全能。


「まぁ、安心しろって。
 命はとらないし、痛い思いもしやしない。
 ただ―――」






 そこで舞台は切り替わる。








 とんとんとん。

 軽やかな包丁のリズム。
 ことことと鍋が火に煽られている。
 ジュージューと鳴るフライパン。
 隣のマンション寮は迫っているけれども朝日は部屋を明るくしてくれている。


「―――なにやってるんだ、トール」


 頭ぼさぼさ、パジャマはヨレヨレ、関節が痛い寝起きの上条当麻はバスルームから這い出てきて、そう言った。
 リビングと一体化した開放感あるキッチンには包丁を握りエプロンをつけた長髪金髪の少年が立っていた。
 トールという名のその少年は顔見知りではあるが、少なくとも招き入れた覚えはない。


「料理してるんだ。
 見てわかんないか?」

「いや、そういう意味じゃなくて」

「あ、挨拶ね。
 おはよう、よく眠れたかい?」


 爽やかに笑う美少年―――一見すると少女と間違えそうなほどの彼に微笑みかけられると男とわかっていても上条は微妙な気持ちになった。
 悪意のない笑みに上条の警戒心に隙ができた。
 だからといって、警戒心そのものがなくなったわけじゃあない。


「―――うん、おはよう。
 で、何しに来たんだお前。オティヌスに会いにでも来たのか?
 それとも―――」

「ああ、そっちの用事はもう済んだ」

「!?
 なんだって!!!
 ま、まさか、お前―――」






「おてぃぬすなら無事なんだよ」

 オティヌスの身に何かが起こった、と判断し、拳を握り、戦闘態勢に入ろうとしたところに。
 もうひとりの同居人、インデックスの横やりが入った。
 ピン止めのシスター姿に軽く腕を組んで、どこか悩んだ風な顔をしていた。

 そのピンボケした態度に、上条の警戒心が、さらに解かれる。
 闘争の空気ではない。


「インデックス?」

「うーんとね、無事って言うのはちょっと間違いかも。
 おんなとして、個人的にはおてぃぬすが可哀想かなーって思うんだよ。
 でも落としどころとしてはかなり優しい部類に入るし、そういう意味ではとうまはとーるに感謝すべきかも」


 うんうん唸っているインデックスを目にし、上条は困惑する。
 慌てる必要はないようだが、何かが起こった。
 それは確からしい。
 その犯人は何気ない素振りで料理の盛り付けにかかっている。

「ぽかーんとしているぐらいだったらオティヌスを見ればいいだろ?」


 ちゃぶ台にご飯や豆腐の味噌汁、ハムエッグ、海苔の佃煮なんかを鼻歌交じりで並べながら昨日のプロ野球の結果でも聞くような味気無さでトールが言う。
 それに促された、という訳でもないが上条はハッと気づいたかのようにオティヌスを探し始めた。

 いくら手のひらサイズの少女とはいえ、この狭い部屋だ。隠れる場所なんてない。
 部屋の隅で、壁を向いて背中を上条に向けて座り込んでいた。
 座り込んで、泣いていた。

 問題は、一瞬、上条が彼女を捕えきれなかったことで。
 つまりは、泣いているオティヌスをオティヌスと認識できなかったということ。


「―――?」


 何かが違う。
 何が違う?
 いつもの、ブラジル水着のような格好と、大きな帽子。
 黒いマント。
 そのマントが、とてもよく見える。

 ???


「―――髪、は?」


 髪が、ない。
 オティヌスの軽いウェーブのかかった、腰まである金色の髪が、まったく、ない。
 前に、肩向こうに流しているのだろうか。
 いや、だとしても、首筋も見えているというのは……


「この国じゃあ、反省したことを証明するには髪の毛を全部剃るんだろ?」


 いつの間にか、上条の真後ろに立っていたトールが、耳元で囁くように、言った。


「う、うわぁ!!!」


 耳元で感じる生暖かい吐息のおぞましさに上条が飛びのいた。
 そのまま、どんと壁にまで転がってしまう。
 その音に驚いたオティヌスが上条を見て、上条もオティヌスを見てしまった。



 見て、しまった――――



「ぶほぅつっ!!!!!」



 衝撃で、帽子が飛んでいた。
 つるつるの、まるで満月のような頭。
 頭髪なんて一本も残っていない。
 オティヌスの美しい顔は隻眼の泣き顔のままで、そのアンバランスさに。


「ぶはっ!!!!
 がっはっはははっ!!!
 ひ、ひぃひふっは、ははっ!」


 思わず噴き出した。
 腹筋が痙攣する。
 肺の空気が苦しくなって、瞼の裏側が真っ赤になって、苦しい。

「ひ、ひぃぃいっ!!!
 ぎゃはははっははっ――――はっ!!」


 がんっ!!!
 上条の頭に携帯電話が投げつけられた。
 ちんまい身体でどうやったのか、オティヌスが投げつけたのだ。
 もはや魔神でもないはずなのだが、上条の意識が一瞬頭から飛び出そうになった。


「お、お前なんて!!!!
 お前なんて!!!!
 う、うわぁぁああああんん!!!!!」


 最後までセリフを言い切れるだけのこともなく、オティヌスは泣きながら三毛猫スフィンクスに飛び乗って、そしてベランダから外に逃げ出してしまった。
 あーあ、と上条は酷いことをしてしまった、と反省しながらも未だひきつる腹筋に苦しんでいた。


「酷いんだよ、とうま!
 オティヌスが可哀想かも」

「い、いや、だって。
 っていうかやったのはコイツだろ?
 俺のせいじゃないじゃないか」

「いや、やったのは確かにオレだけどさ。
 なんか勘違いしてないかい、上条ちゃん?」


 ぷんぷん怒りを顕わにしているシスターのインデックスと。
 悪戯を思いついた子供のような残虐な笑みを浮かべているトール。
 しゃがみこんでいる上条当麻に、エプロン姿のトールが、近づいた。


「―――上条ちゃんも、今からああなるんだぜ?」




 ・・・・・・・え?

 いやいやそもそも上条ちゃんオティヌスのために世界中を敵に回したよね元々いろんなところに喧嘩売ってる上条ちゃんだけど流石にアレはちょっとやばかった上条ちゃんとオティヌスはもうセットで考えられてるんだよさっきもああ言ったけれでもこの国じゃあ反省の証明として頭丸めるんだろ?それとも小指詰めるほうがよかったかい?まぁ上条ちゃんは一応魔術師じゃあないから全部という訳にはいかないな半分で許してあげるよそもそも今回のことでオレが出張ってきたのは魔術師関連を黙らせる意味もあってさここでふたりがきちんと反省してるんですよって判れば魔術結社の半分ぐらいは大人しくなるんじゃないかな残り半分はしょうがないから俺がぶっ潰しておくけど経験値になるかなオレにタメ張れるやつって中々いなくて困ってるだけどさともかく上条ちゃんの頭髪のそうだな頭頂部だけは頂いておこうかなちなみにトールには農耕や災害をつかさどっているわけでその関連で生えているものを枯れされるのは得意なんだよねまあめったに使わないんだけどちなみに科学的にどう頑張っても二度と生えてこないし幻想殺しでどうにかなるもんじゃないからなマリアンだったらどうにかできるかもしれないけどマリアンが上条ちゃんとオティヌスのために何かしてくれるとは到底思えないし大体マリアンの説得だって大変だったんだぞアイツも変なところで初恋こじらせちまってオティヌス恨みまくってるしそれは兎も角最後の晩餐代わりにゆっくり朝食ぐらい食べさせてあげるつもりだったんだがあのオティヌスへの態度はオレ的にはどうかなと思ってどっちにせよ早いか遅いかの違いだからさ。


 で、そろそろ覚悟はできたかい?






「大丈夫だよとうま。
 私はすだれバーコードのとうまでも嫌いにはならないから」










 ぎぃぃぃいやああああああああああああ!!!!!!!!!!!!





以上です

オティヌスはひどい目にあいましたね上条さんは若ハゲに悩むようになりますああ恐ろしい恐ろしい

美琴「ちょっとアンタ、待ちなさい!」

上条「ん? ああ、ビリビリか」

美琴「相変わらず失礼ね。今日という今日は」

上条「勘弁してくれよ。カミジョーさんは疲れているんです」

美琴「って、本当に顔色が悪いじゃない。また何かのトラブル?」

上条「もう解決はしたんだけどさ。魔術といってもわかんねぇよな」



美琴「――惚れ薬?」

上条「そうらしい。俺を仲間に引き入れようとする連中が搦め手できやがった」

美琴「ただのキャンディに見えるけど。何だか眉唾ね、その右手を持つアンタに効くのかしら」

上条「知らねぇよ。別に信じなくてもいいけど、殴り合いの方がよほど楽だったぜ……」

美琴「ふーん。ぱくっ」

上条「ちょっ、どうして食べてるんですか御坂さん!?」



美琴「あんまり美味しくない……」

上条「いつからお前、食いしん坊キャラになったんだよ! 早く吐き出せって」

美琴「こんなのニセモノに決まってるじゃない」

上条「だからって何もわざわざ」

美琴「アンタのことだし、女の子に騙されて鼻の下を伸ばしてただけでしょ」

上条「ぐっ。どうなっても知らねぇぞ」



美琴「これを舐めてるだけでいいの?」

上条「溶け切るまでの約十分間、意識を集中してた相手に惚れちまうって話だったな」

美琴「噛み砕いたり、飲み込んだら?」

上条「効果が不充分なんじゃねぇか」

美琴「仕方ないわね。そこのベンチでしばらく時間を潰しましょ」

上条「へいへい」

美琴「……」

上条「……」

美琴「……ちょろっと」

上条「うん?」

美琴「何か話しなさいよ。わ、私はその、アンタのことを考えてなきゃいけないんだし」

上条「えー」



上条「お前の場合、ただの好奇心だろ。カミジョーさんに何かメリットはあるんでしょうか」

美琴「も、もしも効果が出たら、私はアンタを……」

上条「薬のせいじゃ嬉しくねぇよ。万一の時には、俺の右手が効くといいんだけどな」

美琴「そうね。助けられたらお礼くらいしてあげる」

上条「見返りを求めるなら、惚れられてる間に無茶を聞いてもらうっての」

美琴「……アンタ、私に何させるつもり?」



上条「何もしねぇよ! そもそも礼は要らねぇって意味だ」

美琴「ふん。どうだか」

上条「てか、五分は過ぎたのにまったく態度が変わらねぇな。ちゃんと舐めてるか?」

美琴「噛んだりしてないわよ。ほら」

上条「わ、わかったから、いきなり舌を出すんじゃありません!」

美琴「?」



美琴「アンタの時は途中で効果が出たの?」

上条「どうかな。ちょっとドキドキしてたような、俺が女慣れしてねぇだけのような」

美琴「やっぱり女の子が絡んでるんじゃない」

上条「男だったら尚更、目も当てられねぇだろ……」

美琴「それで? 何があったか知らないけど、危機を脱してブツは押収したってわけ?」

上条「助けも入ったお陰でな。惚れ薬は面白がったそいつに持たされたんだよ」

上条「きっちり処分するか、どこかに保管するつもりだったんだけどなぁ」

美琴「言い訳がましいわね。右手で触れないように持ち運んでおいて、説得力ないったら」

上条「正直、少し興味がありました」

美琴「素直でよろしい。――キャンディ、全部溶けたわよ。ほら」

上条「だから、いきなり舌を……!」

美琴「?」



上条「ええと、御坂さん?」

美琴「何よ」

上条「惚れ薬の効き目はいかがでしょうか」

美琴「アンタはどう思うの?」

上条「まるで効果が見えねぇ。呼び方もアンタのままだし」

美琴「それだけ? 確かめてみたらいいじゃない」



上条「どうやって?」

美琴「知らないわよ。自分で考えなさい」

上条「うーん」

美琴「……」

上条「いや、ねぇな。お前はいつもの御坂だよ」

美琴「アンタもいつもどおりよね」



上条「最初からニセモノだって言い切ってたけど、確信があったのか?」

美琴「そうね。多分、私に効果がないだろうってことは」

上条「流石だな。カミジョーさんはすっかり騙されてしまいましたよ」

美琴「そこは現在進行形じゃないかしら」

上条「危険がねぇなら、残りはごみ箱に捨てても問題ねぇな」 パキン!

美琴「あーあ、右手で触れちゃった」



上条「あれ? 俺、何かの幻想を殺した? ちょっと頭に触れるぞ、御坂」

美琴「あ、こら勝手に」

上条「……特に反応ねぇな。どうなってんだ一体」

美琴「アンタにも殺せない幻想があるってことじゃない?」

上条「意味わかんねぇよ」

美琴「いつか解決してもらうわよ。その右手に頼らずね、ヒーローさん」



おわり

御坂「は、話って、なによ!」

上条「……」

佐天「なんかあれは、あれだね」ヒソヒソ

初春「ええ。あれですね」

黒子「キイイイ!あの類人猿!まさかお姉さまに、こくは、告白を……」ワナワナ

佐天「こりゃ面白くなってきたぞ」

上条「……御坂、いいか?よく聞いてくれ」

御坂「ひゃい!」

黒子「こうなったらあの類人猿の心臓に鉄針を……」

佐天「まあ待ってください。それよりも良い方法があります。それっ」バビューン

上条「御坂!俺はお前のことが!」

御坂「」スッ

上条「……御坂?」

御坂「……ふんっ」ブリブリブボボボァベチュチュビュルルブビチチチボボボモワァ

上条「」

黒子「」

初春「」

佐天「……あちゃー」

御坂 美琴。
名門常盤台中のエース。
学園都市に7人しかいないレベル5の第3位。
糞便使い(スカトロマスター)であり、「浣腸便秘砲(ゲーリガン)」と呼ばれている。

糞便系能力の頂点に立ち、同系統の能力者はその威力を見せ付けられただけで自信を失うほどである。
最大排出量10億トンの糞撃や、下痢便などの攻撃技を持つが、
中でも物体(主にコーン)を未消化便に加えて放つ「浣腸便秘砲(ゲーリガン)」が決め技であり、異名にもなっている。
また、便意を操ることでその形状を操作したり、直接的に他人の便意を操り高度な排便を行わせるなど汎用性が高い。
一方で、常に微弱な便臭を発しているために、本人の意思に関わらず人々に嫌われるという面がある。
(ただし、これを利用することによって死角であっても糞便の動向を感じ取ることができる)

レベル5仲良し
垣根「なぁ映画見に行かね?」
一方「だるい」
麦「却下」
御坂「わたしは行きたいなあー」
食「わたしもぉ」
削「俺も最近見ていないな…映画に対する根性が足りないのか?!」
一方「仕方ねえなァ」
麦「何やってんのか浜面に調べさせるわ」
垣根「お前ら態度露骨すぎるだろ」

御坂「いまやってんのなんだっけ?」
食「確かトム様が出てるのとかかしらぁ?」
垣根「ジョニーデップのもやってたな」
麦「わたしは断然トム様派だわ」
一方「俺ジョニデ」
削「俺はジャッキーチェーンだ!!」
食「言うと思ったわよぉ、いくら先見力がなくても第七位は一発でわかるわねぇ…」
御坂「カンフー映画はやってないわよ多分」
削「…?!?」
麦「そんな顔されてもねぇ…」
御坂「どこに電話してるの?」
一方「映画館」

垣根「おい…もしかして映画館買う気か?」
御坂「ちょい待ちー!!」

御坂「いい?!普通にみましょう!普通に!他の大多数のお客さんが迷惑するわ」
削「確かにそうだ!根性無しは俺だったな!修行が足りん!」
「ちっ」
御坂「いま舌打ちしたの誰よ?」

麦「お、絹旗からラインきたわ」
垣根「あのC級映画マニアからか」
麦「なに?いまジブリやってるからジブリにしたら?だと」
御坂「そういえばやってたわね!」
食「なんだっけ…?」
垣根「確か…あ?…思い出の…」
削「思い出に残る熱血教師物語か!?さっすがジブリだな!いい根性してやがる!」
一方「……ニィ」
麦「は?」
一方「マーニーだよ!思い出のマーニー!」
御坂「よく知ってるのね。ジブリとかキャラじゃないわよね?」
一方「うっせえ!クソガキがトトロ見てたら番宣でやってたんだよ、クソが!」
麦「あ?てことはてめーも一緒に見てたのかよ?」
一方「かかってただけだっつーの!」
削「ちゃんとあのお子さんと見ていたのか!お前は本当に優しいな!いい根性をしている!」
全員「wwwwwwwww」
垣根「一方通行が…ジブリ!」
麦「しかもトトロかよwww」
食「確かにトトロは可愛いわよねえwww」
御坂「うんwwwうんwwwわかるわよwww」
全員「wwwwww」
一方「てめーら愉快なオブジェに…」
削「確かにジブリは夢があるし、見ていて根性が湧き出てくる!いい作品ばかりだよな!ジブリは!見てないやつはもったいねえ根性してるなって思うぜ!」
全員「」
御坂「ジブリいいわよねー!トトロってゲコタの次くらいには好きよ!」
食「わたしもぉー、ハウル大好き!」
麦「たまにナウシカは観るわ…」
垣根「千と千尋はアカデミーとったしな!」
一方「てめーら手のひら返し過ぎだろ」
御坂「とりあえずマーニー見に行きましょ!」
食「そうねぇ、確かCMのマーニーはわたしに似て可愛かったわぁ」
垣根「おめーの百万倍マーニーが可愛いっつーの、初春はその一億倍な」
麦「んなこと聞いてねーよ、[ピーーー]、オームに轢かれて[ピーーー]」
削「よし、俺は歌いながら行くぞ!ありのー」
一方「それディズニー」

垣根「なぁ映画見に行かね?」
一方「だるい」
麦「却下」
御坂「わたしは行きたいなあー」
食「わたしもぉ」
削「俺も最近見ていないな…映画に対する根性が足りないのか?!」
一方「仕方ねえなァ」
麦「何やってんのか浜面に調べさせるわ」
垣根「お前ら態度露骨すぎるだろ」

御坂「いまやってんのなんだっけ?」
食「確かトム様が出てるのとかかしらぁ?」
垣根「ジョニーデップのもやってたな」
麦「わたしは断然トム様派だわ」
一方「俺ジョニデ」
削「俺はジャッキーチェーンだ!!」
食「言うと思ったわよぉ、いくら先見力がなくても第七位は一発でわかるわねぇ…」
御坂「カンフー映画はやってないわよ多分」
削「…?!?」
麦「そんな顔されてもねぇ…」
御坂「どこに電話してるの?」
一方「映画館」

垣根「おい…もしかして映画館買う気か?」
御坂「ちょい待ちー!!」

御坂「いい?!普通にみましょう!普通に!他の大多数のお客さんが迷惑するわ」
削「確かにそうだ!根性無しは俺だったな!修行が足りん!」
「ちっ」
御坂「いま舌打ちしたの誰よ?」

麦「お、絹旗からラインきたわ」
垣根「あのC級映画マニアからか」
麦「なに?いまジブリやってるからジブリにしたら?だと」
御坂「そういえばやってたわね!」
食「なんだっけ…?」
垣根「確か…あ?…思い出の…」
削「思い出に残る熱血教師物語か!?さっすがジブリだな!いい根性してやがる!」
一方「……ニィ」
麦「は?」
一方「マーニーだよ!思い出のマーニー!」
御坂「よく知ってるのね。ジブリとかキャラじゃないわよね?」
一方「うっせえ!クソガキがトトロ見てたら番宣でやってたんだよ、クソが!」
麦「あ?てことはてめーも一緒に見てたのかよ?」
一方「かかってただけだっつーの!」
削「ちゃんとあのお子さんと見ていたのか!お前は本当に優しいな!いい根性をしている!」
全員「wwwwwwwww」
垣根「一方通行が…ジブリ!」
麦「しかもトトロかよwww」
食「確かにトトロは可愛いわよねえwww」
御坂「うんwwwうんwwwわかるわよwww」
全員「wwwwww」
一方「てめーら愉快なオブジェに…」
削「確かにジブリは夢があるし、見ていて根性が湧き出てくる!いい作品ばかりだよな!ジブリは!見てないやつはもったいねえ根性してるなって思うぜ!」
全員「」
御坂「ジブリいいわよねー!トトロってゲコタの次くらいには好きよ!」
食「わたしもぉー、ハウル大好き!」
麦「たまにナウシカは観るわ…」
垣根「千と千尋はアカデミーとったしな!」
一方「てめーら手のひら返し過ぎだろ」
御坂「とりあえずマーニー見に行きましょ!」
食「そうねぇ、確かCMのマーニーはわたしに似て可愛かったわぁ」
垣根「おめーの百万倍マーニーが可愛いっつーの、初春はその一億倍な」
麦「んなこと聞いてねーよ、[ピーーー]、オームに轢かれて[ピーーー]」
削「よし、俺は歌いながら行くぞ!ありのー」
一方「それディズニー」

垣根「なぁ映画見に行かね?」
一方「だるい」
麦「却下」
御坂「わたしは行きたいなあー」
食「わたしもぉ」
削「俺も最近見ていないな…映画に対する根性が足りないのか?!」
一方「仕方ねえなァ」
麦「何やってんのか浜面に調べさせるわ」
垣根「お前ら態度露骨すぎるだろ」

御坂「いまやってんのなんだっけ?」
食「確かトム様が出てるのとかかしらぁ?」
垣根「ジョニーデップのもやってたな」
麦「わたしは断然トム様派だわ」
一方「俺ジョニデ」
削「俺はジャッキーチェーンだ!!」
食「言うと思ったわよぉ、いくら先見力がなくても第七位は一発でわかるわねぇ…」
御坂「カンフー映画はやってないわよ多分」
削「…?!?」
麦「そんな顔されてもねぇ…」
御坂「どこに電話してるの?」
一方「映画館」

垣根「おい…もしかして映画館買う気か?」
御坂「ちょい待ちー!!」

御坂「いい?!普通にみましょう!普通に!他の大多数のお客さんが迷惑するわ」
削「確かにそうだ!根性無しは俺だったな!修行が足りん!」
「ちっ」
御坂「いま舌打ちしたの誰よ?」

麦「お、絹旗からラインきたわ」
垣根「あのC級映画マニアからか」
麦「なに?いまジブリやってるからジブリにしたら?だと」
御坂「そういえばやってたわね!」
食「なんだっけ…?」
垣根「確か…あ?…思い出の…」
削「思い出に残る熱血教師物語か!?さっすがジブリだな!いい根性してやがる!」
一方「……ニィ」
麦「は?」
一方「マーニーだよ!思い出のマーニー!」
御坂「よく知ってるのね。ジブリとかキャラじゃないわよね?」
一方「うっせえ!クソガキがトトロ見てたら番宣でやってたんだよ、クソが!」
麦「あ?てことはてめーも一緒に見てたのかよ?」
一方「かかってただけだっつーの!」
削「ちゃんとあのお子さんと見ていたのか!お前は本当に優しいな!いい根性をしている!」
全員「wwwwwwwww」
垣根「一方通行が…ジブリ!」
麦「しかもトトロかよwww」
食「確かにトトロは可愛いわよねえwww」
御坂「うんwwwうんwwwわかるわよwww」
全員「wwwwww」
一方「てめーら愉快なオブジェに…」
削「確かにジブリは夢があるし、見ていて根性が湧き出てくる!いい作品ばかりだよな!ジブリは!見てないやつはもったいねえ根性してるなって思うぜ!」
全員「」
御坂「ジブリいいわよねー!トトロってゲコタの次くらいには好きよ!」
食「わたしもぉー、ハウル大好き!」
麦「たまにナウシカは観るわ…」
垣根「千と千尋はアカデミーとったしな!」
一方「てめーら手のひら返し過ぎだろ」
御坂「とりあえずマーニー見に行きましょ!」
食「そうねぇ、確かCMのマーニーはわたしに似て可愛かったわぁ」
垣根「おめーの百万倍マーニーが可愛いっつーの、初春はその一億倍な」
麦「んなこと聞いてねーよ、[ピーーー]、オームに轢かれて[ピーーー]」
削「よし、俺は歌いながら行くぞ!ありのー」
一方「それディズニー」

垣根「なぁ映画見に行かね?」
一方「だるい」
麦「却下」
御坂「わたしは行きたいなあー」
食「わたしもぉ」
削「俺も最近見ていないな…映画に対する根性が足りないのか?!」
一方「仕方ねえなァ」
麦「何やってんのか浜面に調べさせるわ」
垣根「お前ら態度露骨すぎるだろ」

御坂「いまやってんのなんだっけ?」
食「確かトム様が出てるのとかかしらぁ?」
垣根「ジョニーデップのもやってたな」
麦「わたしは断然トム様派だわ」
一方「俺ジョニデ」
削「俺はジャッキーチェーンだ!!」
食「言うと思ったわよぉ、いくら先見力がなくても第七位は一発でわかるわねぇ…」
御坂「カンフー映画はやってないわよ多分」
削「…?!?」
麦「そんな顔されてもねぇ…」
御坂「どこに電話してるの?」
一方「映画館」

垣根「おい…もしかして映画館買う気か?」
御坂「ちょい待ちー!!」

御坂「いい?!普通にみましょう!普通に!他の大多数のお客さんが迷惑するわ」
削「確かにそうだ!根性無しは俺だったな!修行が足りん!」
「ちっ」
御坂「いま舌打ちしたの誰よ?」

麦「お、絹旗からラインきたわ」
垣根「あのC級映画マニアからか」
麦「なに?いまジブリやってるからジブリにしたら?だと」
御坂「そういえばやってたわね!」
食「なんだっけ…?」
垣根「確か…あ?…思い出の…」
削「思い出に残る熱血教師物語か!?さっすがジブリだな!いい根性してやがる!」
一方「……ニィ」
麦「は?」
一方「マーニーだよ!思い出のマーニー!」
御坂「よく知ってるのね。ジブリとかキャラじゃないわよね?」
一方「うっせえ!クソガキがトトロ見てたら番宣でやってたんだよ、クソが!」
麦「あ?てことはてめーも一緒に見てたのかよ?」
一方「かかってただけだっつーの!」
削「ちゃんとあのお子さんと見ていたのか!お前は本当に優しいな!いい根性をしている!」
全員「wwwwwwwww」
垣根「一方通行が…ジブリ!」
麦「しかもトトロかよwww」
食「確かにトトロは可愛いわよねえwww」
御坂「うんwwwうんwwwわかるわよwww」
全員「wwwwww」
一方「てめーら愉快なオブジェに…」
削「確かにジブリは夢があるし、見ていて根性が湧き出てくる!いい作品ばかりだよな!ジブリは!見てないやつはもったいねえ根性してるなって思うぜ!」
全員「」
御坂「ジブリいいわよねー!トトロってゲコタの次くらいには好きよ!」
食「わたしもぉー、ハウル大好き!」
麦「たまにナウシカは観るわ…」
垣根「千と千尋はアカデミーとったしな!」
一方「てめーら手のひら返し過ぎだろ」
御坂「とりあえずマーニー見に行きましょ!」
食「そうねぇ、確かCMのマーニーはわたしに似て可愛かったわぁ」
垣根「おめーの百万倍マーニーが可愛いっつーの、初春はその一億倍な」
麦「んなこと聞いてねーよ、[ピーーー]、オームに轢かれて[ピーーー]」
削「よし、俺は歌いながら行くぞ!ありのー」
一方「それディズニー」

初投稿のため重複してしまってスミマセンでした( ; ; )

仲良しレベル5
垣根×初春要素あり
「アイテムの仕事こねぇ」
「スクールの仕事こねえな」
「打ち止めこねェ」
「派閥の人が今日全員休みだわぁ」
「黒子風紀委員」
「根性が足りん…」
「お前ら暇なら暇って素直に言えよ。」

「暇だなー」
「暇だわ」
「暇ねー」
「ヒマ」
「暇とかありえねー」
「なんで暇なんだ根性が足りねえ…」
「つーかひまひまひま繰り返してるあんたら見てるとクレヨンしんちゃんの[ひまわり]が好きなんだなーって思っちまうわ」
「…・」
「何言ってんのあんた…」
「は?」
「その思考回路はさすがにおかしいわぁ。いや、あなたらしい素晴らしすぎる思考回路力だと思うけど」
「え?」
「おいおいおい、頭イッてんのかよ幻想殺しァ…」
「屋上な、ヒーローォ」
「ん?」
「さすが妊婦を好きになる根性があるな上条!いや妊婦を好きになるのはいいぞ!しかしその先の赤子が好きだとはな!見上げた根性だ上条!」
「違い「ペドフィリアは黙れ」
「ペド?「ロリコン以下の女の子が好きってことよぉ?幼稚園児とか」
「……屋上」
「ちょっとビリビリ発電「というわけでうちのフレメアに手を出されたらもれなくぶっ[ピーーー]ので屋上」
「ちょっとま「しかしさすがに赤子の人生を左右してしまうその根性は叩き直してーから屋上な、上条」
「…お前まで?」

「あの内何人が屋上に行くんでしょうか」
「全員ね」
「全員?」
「二人は見物。四人はガチね」
「……うわぁ」
「…あなたは彼らと幻想殺しどっちに愛想つかしたの?」
「どっちを取っても死ぬので言いません」
「屋上!」
「上条さんなら大丈夫だ!わかってくれる!」
『屋上』
「」

「上条には手も足も出なかったわねー」
「いや、どう考えても手も足も出てただろ」
「後半から初春さん絡みでガチだった人には言われたくないわね」
「御坂さんガチ越えて雷神モードだったわよ。いつコントロールできるようになったのよ」
「あれは強かったな…根性が座っていた」
「一番上条を本気で潰そうとしてたお前ェが言うことじゃねェだろ」

重複( ; ; )初投稿失礼いたしました( ; ; )

垣根×初春要素あり
初投稿失礼します
「アイテムの仕事こねぇ」
「スクールの仕事こねえな」
「打ち止めこねェ」
「派閥の人が今日全員休みだわぁ」
「黒子風紀委員」
「根性が足りん…」
「お前ら暇なら暇って素直に言えよ。」

「暇だなー」
「暇だわ」
「暇ねー」
「ヒマ」
「暇とかありえねー」
「なんで暇なんだ根性が足りねえ…」
「つーかひまひまひま繰り返してるあんたら見てるとクレヨンしんちゃんの[ひまわり]が好きなんだなーって思っちまうわ」
「…・」
「何言ってんのあんた…」
「は?」
「その思考回路はさすがにおかしいわぁ。いや、あなたらしい素晴らしすぎる思考回路力だと思うけど」
「え?」
「おいおいおい、頭イッてんのかよ幻想殺しァ…」
「屋上な、ヒーローォ」
「ん?」
「さすが妊婦を好きになる根性があるな上条!いや妊婦を好きになるのはいいぞ!しかしその先の赤子が好きだとはな!見上げた根性だ上条!」
「違い「ペドフィリアは黙れ」
「ペド?「ロリコン以下の女の子が好きってことよぉ?幼稚園児とか」
「……屋上」
「ちょっとビリビリ発電「というわけでうちのフレメアに手を出されたらもれなくぶっ[ピーーー]ので屋上」
「ちょっとま「しかしさすがに赤子の人生を左右してしまうその根性は叩き直してーから屋上な、上条」
「…お前まで?」

「あの内何人が屋上に行くんでしょうか」
「全員ね」
「全員?」
「二人は見物。四人はガチね」
「……うわぁ」
「…あなたは彼らと幻想殺しどっちに愛想つかしたの?」
「どっちを取っても死ぬので言いません」
「屋上!」
「上条さんなら大丈夫だ!わかってくれる!」
『屋上』
「」

「上条には手も足も出なかったわねー」
「いや、どう考えても手も足も出てただろ」
「後半から初春さん絡みでガチだった人には言われたくないわね」
「御坂さんガチ越えて雷神モードだったわよ。いつコントロールできるようになったのよ」
「あれは強かったな…根性が座っていた」
「一番上条を本気で潰そうとしてたお前ェが言うことじゃねェだろ」

10レスほどお借りします。
登場人物は警策看取、ドリー、麦野沈利です。過去です。

グロ注意

『クローンだって私たちと同じ……?』

『その通りだ』

『クローンも君たち能力者も、学園都市では等しく実験動物に過ぎん!』


「っ……」

この夢を見るのはもう何度目だろうか。

寝ては悪夢に蝕まれ、覚めては痛みに苛まれる。

体の痛みを我慢し、歯を食い縛りながら警策看取はゆっくりと上体を起こす。
薄い布団から身を起こしたその視界には、いつもと変わらぬ無機質な壁、無機質な机、無機質な鉄格子。

いっそ寝たふりでもしていようか。
そう思ったこともあり実際にしたこともあるが、その時にそれは得策でないと学んだ。

冷たく必要最低限のこの牢獄の中に時計があるのは警策の正気を保つためだろうか。

だとしたら、それは上手くいっているといえる。
現にこうして思考を巡らせる余地があるのだから。

だが、それは決して囚われたお姫様のためではない。

それは――。


「よお実験動物ちゃん?生きてるか?」

ガチャリ、と鍵の落ちる音がして鉄格子が開く。

「……」

「なんか言えよ、おい」

警策が黙ったままでいると、侵入者はツカツカと躊躇なく歩み寄り、警策の腹を蹴り上げた。

「ぐはっ――」

重い衝撃にお腹を押さえて蹲る。
冷たい床ではなく布団の上なのがまだ救いか。

「『おはようございます』だろうが」

「……おはようございます」

最初の頃は逆らう気力もあった。
延々拷問を繰り返すこの冷酷な女帝の前に、絶対に屈しないと。

だが今はそんな気力はない。

こいつが、麦野沈利が最初に来たのは二ヶ月ほど前――警策が監禁されて三月たったころだ。


麦野『――で?こいつ好きにしていいの?』

研究者『殺さなければ好きにしろ。できれば人の形は保ってやってくれると有難い』

牢獄の前でそんな会話が交わされていたのも遠い記憶だ。
それまで牢獄の中とは言え安全な状況にいた警策の生活は、その日から身体的な苦痛をも伴い始めた。



麦野『おら、『ごめんなさい』だろうが』

警策『……』

麦野『とっとと言えよクソガキ!』

警策『……うるさい』

麦野『――へえ』

麦野の動機はなんだろうか。
憎しみ、妬み、恨み、ストレス――何にせよ、こいつの目的は果たさせない。そう思い必死で抵抗していた。

だが、

麦野『あ?――目的なんかねえよ。やりたいだけだっつーの』

なんの動機もなく、ただ痛め付けること、苦しませることを欲す。

当時の警策のせいぜい二、三個上の少女の歪み、捻れ、狂った欲望を前に、警策を睨む獰猛な獣のごとき心を前に、終わりのない苦痛を前に、警策の心はへし折れた。

麦野『人間って脆いよなあ』

こいつがそんなことを言ったのはいつのことだったか。
よく覚えていないが、恐らく二週間ほど前だろう。

麦野『殺しちゃいけねえっつーからこっちも大変なんだよな。殴る蹴るはもう慣れたんだろ?』

彼女の言う通り、その頃の警策はもう殴る蹴るの暴行に大して悲鳴を上げることはなくなった。
小さく呻き体を丸め、ただ過ぎ去るのを待っていた。

麦野『だからさ、死なない程度のを考えたんだよ。これなにか分かるか?』

麦野が懐から取り出したのは、凶悪な光を放つナイフだった。

警策『……刺す、の?』

人間の手で与えられる苦痛には限度がある。だが、道具にはそれはない――恐怖を圧し殺して聞き返した警策に、麦野はつまらなさそうに答えた。

麦野『そんな下らねえことしねえよ。間違って殺したらめんどくさいし』

そう言うと麦野はまたポケットに手をいれ、ライターを取り出す。
恐怖に震える警策の前で麦野は愉しそうにしばらくの準備を終え、

麦野『ほらよ!』

警策『っ――うあああああああああああっ!!!!』

ライターでナイフを炙る。
炙られて熱せられた金属が警策の肌を灼く。

麦野『あはははは!久しぶりにいい声で鳴いてんじゃねえかモルモットォ!!』

こりゃ時間かかるだけのもんはあるな、とニヤつき、再び警策の胸にナイフを押し付ける。
絶叫し続ける警策の前で麦野は再びナイフを熱し始め――。

麦野「そろそろ飽きてきたと思ってな、今日は看取ちゃんのために刺激的な遊びを持ってきてやったよ」

得意気な表情の麦野の足元でぼんやりと思う。
今更どんな苦痛も知ったことではない――拳、足、木刀、ライターとナイフ、スタンガンなどなど、数え上げれば切りがない凶器に苛まれてきたのだから。
彼女はいくらでも警策の体を痛め付ける手段を見つけてくる。

そう思っていたからこそ、彼女の新しい『遊び』は想像を越えていた。

麦野「連れてこい」

牢獄の外に声をかけた麦野に警策は怪訝そうな目を向け――次の瞬間、目が大きく見開かれる。

警策「ドリー……!?」

研究者が連れてきたのは見慣れた少女。最後にあったのはいつだったか――懐かしむ暇はない。
これから起こることが容易に想像できたからだ。


警策「アンタ……ドリーに手ェ出したら……」

麦野「あ?」

ドス!と鋭い蹴りが再び警策を床に沈める。

麦野「アンタになにができるっつうの?」

蹲る警策を一瞥して、麦野はドリーを受けとり――警策にニヤリと笑いかけた。

麦野「見ろよ、こいつ。もう死にかけだ」

彼女の言う通り、ドリーは誰がみてもわかるほど衰弱しきっており、目もほとんど開いていない。

警策「なにを……」

麦野「私はまだなにもしてない」

麦野はニヤっと笑うとドリーを床に放り出した。

麦野「今からするんだよ」

荒れた口調はテンションが上がっているときと苛立っているとき。今回は明らかに前者。

警策「まっ……て、それ、は……」

麦野「じゃあな、よく見てろよ」

壊れかけの体に鞭打って起き上がろうとする警策の前で、麦野の体の周りに緑の球体が浮き始めた。
『原子崩し』。
麦野のもつレベル5の、破壊力に特化した、

警策「やめてえええええええっ!!!」

叫ぶ警策の目の前で、ドリーが光に包まれて――


「……許さない」

それから数日後。
牢獄の鍵は開き――しかし奴も、他の研究員も来ることはなかった。
自由になれた、と気づいたのは開いてから半日あとだ。

誰もいない研究所を覚束ない足取りで歩く。
目的もなく、感情もなく。

やがて屋上に辿り着く。
ただの研究所がこれほどの高いビルなわけがない。なにか特別なのだろう。
あの研究員の言う通り、統括理事会が噛んでいるというのは本当のようだ。

「――ああ」

街は目下数十メートル。下手したら百メートル以上あるだろう。
友達もキャリアも失い、身体中は傷だらけ。痛みもまだまだ癒えないだろう。

もう、楽にして――

「……あ」

星と言うものは学園都市からは見えない。
だが、まるで星のように高い、高い場所に見えるその建物――第一学区、窓のないビル。

あいつらが。
統括理事会、研究所、クローン計画、麦野沈利。

この街に愛された奴らと、この街そのもの。
それら全てがドリーを弄び、壊した。
警策の目に光が戻り、足に力が入る。


まだ[ピーーー]ない。


「……せいぜい高みから見下ろしているがいい」

吐き出される熱い恨みは、決して止まることはない。

「実験動物にだってお前たちに突き立てる牙があることを教えてやる」

暴れだす冷たい憎しみは、決して消えることはない。

どんな状況でも、折れることはない確かな芯――。


それから数年後、統括理事長を標的にしたテロが実行された。

事件は失敗に終わり――その後誰と出会い、どう進むのかはまた別のお話。

以上です、喰種の拷問シーン見てたら思い付きました。

警策かわいい!→警策のSSない!→かわいい警策書こう!
だったはずなのにどうしてこうなった

>>904 完全にsaga忘れてた、すいません

書き込みにくい流れだが気にせず投下

>>613-626で月刊少女野崎君ネタやってたやつです
同じ設定でネタだけメモしてたのがあったから消化することにしました

上条が少年漫画家で、一方通行とか美琴とかをキャラのモデルにして漫画描いてる
って設定だけを原作に付け加えた感じです。
今回はホモネタひかえめ上琴おおめ。
NG設定は名前欄の「今仁武礼甲」か俺のトリでよろしく

7レスお借りします。


 簡単なアンケートにご協力ください。

Q.休日に二つ年上の男性に買い物に誘われました。これってデートですか?(学園都市・14歳女性)





「そんなことあるわけないって分かってたわよう……」

 デパートの一角、やたらフリルや安全ピンの多い服ばかりが並ぶ店にいる。隣のウニ頭は真剣な目で服を見ている。

「これ、リリィに似合うかな……」

 知るか。
 手にとった黒いゴスロリ服を脳内で一方通行に着せてみる。違和感? そんなものは二次元と三次元の隙間に落ちた。アンタの漫画なんだから着せたきゃ着せればいいじゃない。そういえばシスターも安全ピンだらけの服を着てたけど、まさかアンタの趣味なわけ?
 一見どこにでもいそうな高校生はそうして矯めつ眇めつゴスロリ服を眺めていたかと思えば、今度は隣のコーナーにあるセーラー服もどきを手に取った。こんな店、ひとりで入ったら不審者だ。私がついてるだけで店員のお姉さんたちは好意的に解釈してくれるのよね。ダシに使われてることなんて知ってる。

「常盤台ってブレザーだよな」
「……急に何よ」
「御坂」

 真剣な目がこちらを見ている。そういう顔してれば、ちょっとはかっこいいとか思ったりなんてしてないんだか――

「ちょっとセーラー服着てみてくれねえ?」
 そんで写真撮らせて、と携帯電話片手に頼んでくる。さっきまで微笑ましいものを見る目だった店員のお姉さんたちの視線の温度が下がった。あ、これ絶対、いかがわしい用途だと思われてる。実際のところ、そんな予想は一ミリもできなくて清々しいくらい資料だけのためだってのが逆に哀しい。

「却下」
 断ると粘るでもなく「そっか、じゃあ仕方ないな」と試着室へ向かった。着るのか。そのセーラー服を男子高校生が着るのか。
 もう止める気力も無かった。



* * *



 色んな意味でギリギリだったセーラー服姿の写真を私が撮影して店を出た。もうあの店行けない。そしてあのバカはセーラー服をなぜか購入していた。同居人のシスターにでも着せる気だろうか。あのシスターはあれで職業意識だけは高そうだから、そうそうあの修道服を脱ぐとは思えないのだけど。

「さっきはアンタの買い物に付き合ったんだから、今度は私に付き合ってよね」

 男子高校生withセーラー服という絵面に比べれば女子中学生がぬいぐるみ持ってるのくらい可愛いものだろう。ゲコ太のコーナーへ一直線だ。もう遠慮なんてない。

「オマエ本当にそれ欲しいってンだな?」
「そうだよー、可愛いじゃない、この真っ黒つぶらなお目目とか真っ黒つややかなロングヘアーとか」
「可愛いっつったな。それ枕元に置いて一人で寝れンのかよ」
「寝れるよん。親御さん、ミサカを舐めてるな」
「二人ともそのくらいにって、ミサカはミサカは大人げない二人を宥めてみる」

 ぬいぐるみコーナーの横から聞き覚えのある騒がしい声がした。運悪く、そこを通り過ぎようとしたところで目が合う。

「あ、お姉様! ってミサカはミサカは予期せぬ出会いに感謝してみる」

 人形売り場に真っ白な髪の少年と、それとは正反対の真っ黒な髪の日本人形ケースを持った高校生くらいの年の少女と、小学生ほどの少女がいた。現実逃避をしてみても仕方がない。要するに一方通行と番外個体と打ち止めがいた。
 喜色満面のチビッ子と裏腹に大きい方の二人はゲッという顔を隠さなかった。癪だが私もあの二人と似たような表情をしているんだろう。隣でウニ頭が気安く話しかける。

「よお、お前らも買い物か?」
「店に買い物以外に何しに来ンだよ」
「うふふふふ、セレブの回答ありがとう財布落とせ」

 店に買い物以外に何をしに来るのかは私にも分からない。せいぜいウインドウショッピングくらいか。

「お姉様ーってミサカはミサカは協力を求めてみる」
「何よ」

 幼い姿の少女が駆け寄ってくる。自分が十歳の頃そっくりだけど、十歳の頃の自分を隣に置いてみても見分けがつくだろう。姿形は似ていても言動は同じところを探す方が難しい。

「あの人がゲコ太以外のぬいぐるみにしろって言うのよゲコ太差別ってミサカはミサカは訴えてみる」

 いや、一つだけ同じところがあったか。

「オイそこの白髪頭ゲコ太の何が悪いってのよ」
「部屋が蛙だらけになってンだよキメェ」
「ゲコ太ディスってんのかゴルァ」

 ぬいぐるみ売り場の横で一触即発の状況を破ったのはやはりこの男だった。


「なあ、一方通行」

 やれ! このゲコ太差別をぶち殺せ!
 私は内心でこれまでにないほどウニ頭を応援した。

「なンだよ」
「……ちょっといいか」

 しかし右手を一方通行の肩にのせ、真剣な顔で切り出したのは――

「お前、セーラー服着てみてくれねえ?」
「はァ……?」

 さっきの店の紙鞄を左手で掲げ持つバカと、ポカンと固まっている白頭、笑うタイミングを逃して同じく固まっている番外個体、最初に動いたのは打ち止めだった。

「こ、んの、女の敵ぃぃぃぃぃぃぃいいいいいい!!!!!!」
「ぇグきょっ」

 レベル3でも全力を出せばスタンガン程度の攻撃はできる。世界を救った英雄というのは幼女の拙い凶刃にこそ敗れるべきなのだろう。とかまあ、そんな歴史小説にありそうな展開は放っておいて、膝から崩れたウニ頭を尻目に白頭と幼女が言い争っている。

「女の敵って何だよ」
「カミジョウはミサカの新婚計画という乙女の夢そのものにあなたのセーラー服なんてバグを差し込んでくれたのってミサカはミサカは、そりゃ似合うとは思うけどって、でもそうじゃなくてミサカはミサカはあなたがアブノーマルに引きずり込まれてしまうとミサカの将来計画に支障が出る恐れを考慮してっ、やっぱりカミジョウ殺るべきってミサカはミサカはミサカはミサカは」
「分かっ……いや分かンねェけど、とりあえず落ち着け」

 一方通行は横でウニ頭をつついていた番外個体に打ち止めを預けた。ゲコ太を連れてきてもいいけど緑色以外でな、という微妙な指示とともに。レアカラーゲコ太が来ることを私は確信した。

「オイ、生きてるか?」

 床に落ちていた手が上がる。

「うちのクソガキが悪かったな」
「じゃあセーラー服」
「着ねェ」

 さすがは世界を渡り歩いたヒーローと言うべきか驚異的な回復力で蘇ったウニ頭が周りを見回して、奥に目を止めた。

「お、フィギュアがある」
「……小せェ人形か?」

 クソガキの詫びに何か買うか、と一方通行が持ちかけると小市民の性か遠慮しつつ最終的にヒーローは貧乏に負けたようだ。

「こういうのあると便利なんだよなー」
「漫画描くのにか?」

 一方通行もこのバカの漫画の手伝いをすることがあるらしいので用途の推測に迷うことは無かったらしい。

「そうそう。正中線引いてデッサン用に……腕は邪魔だな。折るか」
「折る……? 人形の腕を、折る……?」

 途端に顔色を変えて一方通行があのバカの両肩を掴んだ。カランコロンと杖が転がる。

「オマエは、オマエは世界を救ったヒーローだろォッッ! 腕を折るとか、そンな――」
「ちょっ、一方通行!?」

 突然どうしたと目を丸くする私たちの後ろから「あぁ……」と気の抜けた声がする。振り返ると三色ゲコ太を抱えた打ち止めだった。

「お姉様、気にしないで。ちょっとトラウマワードにアタっちゃっただけだからってミサカはミサカはフォローしてみる」

 その赤黄紫のゲコ太の在庫がまだあるかの方が問題だ。



* * *


 結局、一方通行は強制終了され番外個体に運ばれ帰った。財布から勝手にブラックカードが抜き出されてゲコ太が支払われていたが日常茶飯事だろう。
 ダッシュでゲコ太コーナーに向かったがレアカラーゲコ太はもう無かった。
 床に手をついて項垂れる私の肩にポンと温かい手が置かれる。

「そう凹むなよ、御坂。この後って用事とかあるか?」
「何よぉ……締切は終わったんでしょ? まだ何かあるわけ?」

 ああ、ゲコ太、レアカラーゲコ太、さっき妹に土下座してでも譲ってもらうべきだったか……限定品だから再入荷できるか分からないとか……ネットオークションも学園都市外からだと運び込むの面倒だし……そもそも出品されてるか分からないし……ああゲコ太……

「インデックスが外泊なの忘れて飯作りすぎちゃってさ。良かったら食べに来てくれねえ?」

 ゲコ…………え?

「家に!?」
「えっ……お、おう。そうだけど、二人だけが嫌なら他のやつも――」
「そっ、そんな小さいことを気にする美琴様じゃないわ! ほら、決まりよ! さっさと帰りましょ!」

 家に! こいつの家に二人きり! 原稿でもなくごはん! それってお家デートってやつよね! シスターはそんなの毎日だって? 前提条件が違うわ! シスターはデートじゃないけど私はデートなの! 同居してる件については後日改めて尋常に話し合いの場を設けたい。
 お誘いの時から嫌な予感しかしなかった日だけど、それなりに幸福に幕は下ろされた。







A.デートだと思えば誰が何と言おうとデートなのです!(学園都市・14歳女性)














 蛇足として、その数日後に偶然あのバカと一緒にいる時に一方通行から電話がかかってきた。

『オイ、三下ァ! なンで俺にセーラー服送ってきた!!! 黄泉川がすげェ目で見てたンですけど! ってか打ち止めがオマエの殺害予告を――』

 背後からバチバチと聞き覚えのある音がした。



「お姉様どいて、そいつ殺せないってミサカはミサカは往年の名台詞を引用してみる」




~月刊少年上条君5【それぞれに琴線がある。】~


 俺の名は浜面仕上。またの名を世紀末帝王HAMADURAというが、それは忘れてくれていい。学園都市でレベル0をしている。こういうと何かの仕事のようだが、要は何の能力も開花しなかった落ちこぼれだ。一時はそのことでグレてヤンチャしたこともあったが、今は可愛い彼女と落ち着いた暮らしを模索している。

「はまづらぁぁああ! ジュース一つにどんだけ時間かかってんのよ!」

 今その麗しの彼女はここにいないわけだが。

「浜面は所詮浜面なんですから、言ったって無駄ですよ、麦野」

 鬼のような同僚のドリンクバー係を務めることを余儀なくされている俺に誰か滝壺を恵んでくれ。今すぐに。
 マイスイートラヴァー滝壺はバイトを始めたらしい。そんなことしなくても俺が養ってやるよと言いたいのだがまだまだ大きなことは言えない身の上だ。何のバイトなのか訊いてみても菩薩のような笑みと沈黙が返ってきて詳しいことは聞けなかった。別の部屋を借りたらしいんだが、いかがわしいバイトじゃないよな……

「そういえば滝壺、この前、浮気症の男子高校生と修羅場ってた」
「マジで!?」
「すごいイイ笑顔だったけど」

 麦野の情報に疑惑は深まるばかりだ。俺は滝壺に問い質すべきなんだろうか。でも俺の稼ぎが少ないからだって言われたら俺は――いや何をしてでも滝壺を幸せにしてみせる! 俺はやれる!




「滝壺さん、バイトなんてしなくても超お金持ってるはずなんですけどねえ」
 絹旗の呟きは俺には聴こえなかった。





 絹旗と麦野は女子会だとかで俺を置いて第三学区へ向かった。俺はひとり気侭に帰宅しているところだ。
 俺たちがいたのとは別のファミレスの、道路に面した大きな窓から見慣れた顔が覗く。

(お、滝壺……と、………………大将だと……ッ)

 意外な組み合わせだ。まさか麦野の言っていた浮気性の男子高校生というのは大将のことか。確かに師匠とお呼びしたいほどにはモテていらっしゃったが、知り合いの女に手を出すとは思いたくない。

「いらっしゃいませー」

 何食わぬ顔でファミレスへ入る。二人の座る席が視界の端に映る席を確保して聞き耳を立てた。

「次は変身モノにしてみようかと思うの」

(コスプレ!?)

 思わぬ滝壺の提案に俺の脳内ではコスプレ姿の滝壺が回り始める。バニーは最高だがナースもいい。滝壺のコスプレなんて三ヶ月分の給料をはたいてもいい。しかし、そこで俺は予想もしない言葉を聞くことになる。

「いつもどおりですね」

 大将は表情一つ変えずにそう言い放ち、手元に視線を落とした。何かノートのようなものをぺらりと捲っている。

(滝壺のコスプレが……いつもどおり、だと……!?)

 その後も耳を疑うような会話が続く。

「猫耳とかどう思う?」

(最高です!)

「気持ち悪いです」

(なん……だと……)

「バニーガールとかどう?」

(女神! 女神はここにいた! 俺は死んでもいい! いや、僕は死にましぇぇぇえええん! あなたとぅ生きるからぁぁぁぁ!!)

「新種の化け物ですか?」

(大将ォォォォオオオ表出ろやァァァァアアアアア!!!!!)






 こみ上げる怒りを抑えようと奮闘している間に滝壺と大将は店から出ていたようだ。よく憶えていないが、足が向くままにふらふらと歩いていたらいつのまにかアジトであるマンションの一室へと着いていた。ガチャガチャと手が震えて鍵を差し込むにも一苦労したが、ドアを開けると滝壺が出迎えてくれた。

「おかえり、はまづら」

 麦野たちはまだ帰ってきていない。

「滝壺おおぉぉ」

 俺は思わず華奢な体に抱きついた。

「どうしたの……?」

「滝壺! 俺は、俺だったら、お前がバニーガール着たらすっげー喜ぶぞ!!!!」

 誰よりも滝壺を愛しているのは俺なんだ。大将が相手でも絶対に負けない。世界の果てまで逃げることになっても、必ず滝壺を守り抜いて二人で生きる!!

「…………」
「……滝壺?」
「はまづら……」

 俺は体を離し、改めて愛おしい顔を見た。何よりも尊い唇から返事が下される。





「はまづら、死んで」






* * *


「あ、滝壺さん、こんにちは」
「上条、早いね」
「今日はどこも半ドンですよ」

 道端でウニ頭が年上らしきピンクのジャージの女性に声をかけた。少しぼんやりした会話が続く。

「この前これ助かりました」

 墨汁が返される。ああ、同業者かと私は納得した。今日はコンビニで漫画でも読もうかとしていたらウニ頭が野良犬ならぬ野良ウータンに追いかけられてるのを見かけて助けたところだ。何をどうしたらオラウータンに追いかけられるんだろう。私も追跡してきた動物園の飼育員のお兄さんも首を傾げていたが、このバカからすると「どうせ上条さんは不幸の塊ですよ……」の一言で済むらしい。
 ピンクのジャージのお姉さんとはすぐに別れた。並んで帰路を歩きながら取り留めなく会話は続く。

「あの人、同じ雑誌で連載してんだ」
「へえ、何て人?」
「ペンネームより、これ言った方が分かりやすいんじゃねえかな……」

 何かよほど特徴でもあるのだろうか。

「どの話にもアルマジロが出てくる人」
「……………………ああ」

 思い当たった。某FF風ファンタジーにも現代風ミステリーにも不条理ギャグにも、何を描いても必ずどこかにアルマジロが出てくる作家がいる。今連載しているものは戦隊モノなのに変身後の姿がアルマジロだ。

「担当の編集さんがすっげえアルマジロ推しなんだけど、俺はもう付いていけねえな。この前もアルマジロのバリエーションだとか言って猫耳だのバニーだの何のキメラだよって案ばっか出してて、滝壺さんも編集に毒されてるし……」

 漫画家って大変なんだなぁ。

「ところで助けてくれたお礼にスーパーのアイスくらいなら奢るぞ、御坂」
「……どうせ一番安いのなんでしょ」

 頬が緩むのを抑えられずに一歩前に出て私は答えた。





~月刊少年上条君6【スピンオフ】~


 学園都市には学生でも使える貸金庫がある。主な用途は研究データの保管だ。学生といえど、学園都市では数億を動かす研究を主導していることもあり、貸金庫は学生の生活に必要不可欠なものとなっている。
 私も学校の研究に使うデータを貸金庫の一つに入れている。今日貸金庫に出向いたのはそのためだ。数人で行う研究ともなればデータの保管には尚のこと気を使う。データの入っているチップのケースを取り出し、その奥にも何か入っていることに気付いた。
 金庫の病的に白い光の中、取り出されたものは赤い包み紙の箱だった。

「うわぁ……忘れてた」

 二月に買ったチョコレートだ。寮の部屋に置いていると黒子に見つかると思って金庫に入れて、バレンタイン当日に取り出したはいいが結局渡せずに捨てるのも開けるのも悔しくて何となく金庫に戻してしまったのだ。箱をひっくり返す。

「賞味期限、今月までか」

 もう金庫に寝かせておく意味は無い。チョコレートはチョコレートとして、何の意味も付加せずに食べることにしよう。

「バレンタインは散々だったなぁ」

 金庫の中には私しかいないこともあり、独り言が大きく響く。しかし本当に散々なバレンタインだった。あれは血のバレンタインとか世界惨劇デーとかいう名称が付きそうな日だった。そして、一歩でも間違えれば世界滅亡の危機という一日を乗り越え、二月十五日もあのバカは走り回っていた。

「今日はチョコが半額なんだ! インデックスの腹にもずっしりきそうな感じのチョコを!!」

 二月十四日の惨劇をくぐり抜け、辛うじて手元に残ったチョコレートは当然ながらシスターのお気に召さなかったらしい。
 もう七月だ。明日には夏祭りも控えている。今なら、チョコレートを渡しても愛の告白だなんて思われないだろう。渡してみようか。賞味期限が近いから食べるの手伝ってって言って。あのシスターのいないところで。
 そんな考え事をしてぼんやり歩いていたからだろうか。普段なら電磁センサーで気付くはずの接近に気付かず、曲がり角で盛大に人とぶつかった。

「わっ」
「えっ」

 包みを開けてみたところだったチョコレートがばらばらとアスファルトに落ちた。

「す、すみません! ……って御坂? わりぃ、それ……」

 すぐには返事が出来なかった。散らばったチョコレートを呆然と見る。たかだか数千円のチョコレートだ。何の痛手もない。お菓子が散らばっただけだ。すぐに清掃ロボットが跡形もなくしてくれる。

(私の想いもそのうちこうやって砕けて押し流されて消えていくのかな……)

 ネガティブな考えになっているところにウニ頭が覗き込んで様子を伺う。

「御坂? 悪い。大事なもんだったか?」
「……違うの。何でもない」
「何でもないって感じじゃねえだろ。俺にできることあったら何か言ってくれよ」

 高そうだから弁償とかすぐには無理だけど、と眉根を寄せて申し出る姿に自然と笑みが零れた。

「じゃあ、食べて」
「えっ……」

 ウニ頭が地面のチョコレートひとつひとつと私の顔を見比べる。

「……落ちたのをって意味じゃないわよ」

 手元に残った一つを差し出すと明からさまにホッとした顔になった。笑顔で地面に落ちたものを食えって言うほど鬼じゃないわよ。失礼しちゃうわね。

「最後の一個貰っていいのか」
「いいから食べなさい」
「いただきます」

 二月に買ったチョコレートは無事に上条当麻の胃袋に収まった。

「賞味期限が今月だったのよ」
「今月中は美味しく食べれるって意味じゃねえか。これだからブルジョワは……」

 的外れなことをぶつぶつ言っているウニ頭を促してその場を離れる。立ち止まったままでは清掃ロボットの邪魔になるからだ。
 このところは二人で並んで歩くことに違和感も無くなってきた。これを順調と言うべきか、意識されていないと嘆くべきかは分からない。

「明日、夏祭りだよな」
「そうね」
「写真撮りにいくんだけど御坂は行く予定あるか?」
 誰か浴衣撮らせてくれるやついねえかな。ウニ頭は漫画のことを考えているのか上の空で話している。

「アンタの漫画ってファンタジーじゃない。夏祭りとか浴衣とか何に使うのよ」
「和風要素は入れた方がいいって編集さんがですね。いや、和風とかは抜きにしても祭りの時の神社は建築物モデルとして撮影しといた方がいいんだよ。浴衣はついでに撮れたら助かるくらいの感じで」
「ふうん……良いわよ、浴衣くらい」
「本当か! 助かる、御坂!」
 ありがとなーと間抜け顔で笑うウニ頭に一つ条件をつけてみた。



「浴衣、撮らせてあげるから、アンタは一人で来なさいよ」




 夏祭りの日、いつものアクシデントはどうしたのかと不思議に思うほど無事に集合できた。なんとあのバカが時間どおりに集合場所として指定した店の軒先に来たのだ。いっそ天変地異の前触れだろう。

「明日世界が終わるなら楽しむしかないわね」
「……さすがの上条さんでもそこまで言われるほどではないのでございますが」

 金魚すくいや射的といった昔ながらのものが学園都市ならではに能力制限付きだったりゲーム自体のハードルを上げたりと工夫されている。露店も見た目どおりの材木作りではなさそうだ。りんご飴を齧りながら、横顔をゲコ太のお面で隠す。人混みの中で黒子たちとすれ違った。どうかバレませんようにと信じていもしない神様に祈ってみたけど、神様はにわか信者にも優しかったようだ。
 露店の続く通りから一本離れ、山の小高い方へと歩く。人の波が途切れて疎らになったところで一息ついた。

「写真、いいか」

 浴衣の裾を整えて、何枚か撮影する。そのまま赤い提灯の浮かぶ境内を撮影し出したウニ頭を何の気なしに眺めていた。もうすぐ花火が夜空に咲く。夏の大輪は一秒たりとて同じ場所に留まらない。本当は何だってそういうものなんだろう。止まっているように思えているものは進んでいたり腐っていったりしているのだろう。私の想いも、このまま胸の中にしまい込んでいれば温められすぎて腐っていくのだ。
 私の寄りかかっていた木の傍にウニ頭が戻って来る。

「花火もうそろそろ上がるな」

 すぐにドンという音とともに夜空が彩られた。カメラを中空に向けて連射している横顔に私は告げた。

「……好き」

 花火の音に紛れて聴こえていないだろうと思っていたのに返事はあった。

「俺も」

 聞き間違えかと思った。疑ったまま見つめる私を振り返って、私のヒーローは言葉を重ねた。





「俺も好きだぞ、花火」







 ……。





「そうよね!!! どうせそんなことだろうと思ってたわよおおおおおおおおお!!!!! うわあああああああああああああんんんん!!!!!!」
「どうした!? 御坂! 落ち着け!!! ふげァあああああああああああ!!!!」

 バチバチと境内の片隅にも火花が散った。近くの木陰から「おお、リア充が爆発してるぜよ」とか「たーまやー」とか聴こえる。うるさい!! リア充じゃないわよ、放っとけ!! 爆発するのはリア充だけにしろ!!!!


 地上の花火の悲喜交々をよそに、上空の黒いキャンバスでは大輪の花が未だ盛りの夏を祝福していた。
 この空の下にある全てのリア充よ、爆発しろ!!!






~月刊少年上条君7【この気持ちが恋じゃないなら、きっと世界に恋はない。】~

以上です
読んでくれた人はありがとう
季節感どこ行ったって感じでスマン
リア充マジで爆発しやんかなー

少し借ります。
チャーハンを作る話です。

浜面「……こうして見ると結構溜まってたんだなぁ」

麦野「あ、なんだこりゃ。
   山積みパックの中身は……ご飯?」

浜面「おう、麦野。
   いやさ、そろそろ冷蔵庫整理しようかなと思ってさ」

麦野「なにやってるのよ、アンタ」

浜面「いや、だから冷蔵庫の整理」

麦野「そうでなくて。
   ご飯だったらいつも普通に炊いてるじゃない。
   冷凍なんてしてないでしょ?」

浜面「そうでもないんだな。量はきちんと炊いてるけどお前ら食う時と食わない時と差があるじゃん。
   だから結構余るんだ」

麦野「そんなもんかねぇ」

浜面「そのくせ、炊きたてがいいとかなんとか言いやがって。
   まぁ、俺もコメは炊きたてが好きだけどさ」

麦野「だって、暖め直したご飯って美味しくないじゃん。
   そりゃ、学園都市の電子レンジはすごく発達してるのはわかってるけどさ。
   炊きたてのに比べたら絶対美味しくないもの」

浜面「言う事ごもっともだけどな。
   勿体ないからどうしても余ったご飯はこうして冷凍しているの。
   できるだけ弁当とかに回して使い切ってるけどさ」

麦野「ふぅん。
   お財布とか環境にやさしいってやつ?
   正直あんまり考えたことないけど」

浜面「……スゲェ納得」

麦野「なんだその目は」

浜面「いや、別にぃ」

麦野「アンタ、私のこと、前世紀のバブル女みたいに思ってんだろ」

浜面「思ってない、思ってないから。
   思ってないから義手をみしみしイわせるの超やめて。
   スゲェ怖いわ」

麦野「ふん、どうだか」

浜面「でもさ、麦野だってもったいないって気持ちはわかるだろ?」

麦野「そりゃ分かるわよ?
   概念としてはとても良くわかる。
   でも実際問題、これだけのご飯どうするのよ」

浜面「食うに決まってるだろ?
   こういう時のとっておきの料理があるじゃないか。
   チャーハンがさ!」

麦野「……チャーハンか。
   あれってさ、私作れないのよね。
   どうしてもご飯が塊になっちゃってさ。
   フライパン振るスピードには自信あるだけど」

浜面「って、あぶねぇだろ!
   その義手のジャブは世界チャンピオンだってよけられねぇわ!」

麦野「避けてるじゃん、浜面。
   本当、回避力だけはレベル5超えてるわよね。
   顔面に穴あけるつもりのストレートだったのに」

浜面「余計に酷い!
   俺が一体何したつぅんだよ!」

麦野「色々と?
   私のカラダ弄んでくれたじゃん?」

浜面「おまえなぁ……
   ニタニタ笑いながら言うセリフじゃねぇだろ。
   それ言われると俺だって結構こたえるんだぞ?」

麦野「浜面が悪いんじゃん。
   あんとき私を殺せなかった時点で、もう一生私のオモチャって確定してんだよ」

浜面「あーもー。
   どれだけ俺のピュアで小さなハートを虐めてくれるんだよ」

麦野「さーねー?
   私の気が済むまで?
   ってか、それよりもさ」

浜面「はいはい、なんだよ?」

麦野「美味しくないチャーハン作るんだったら店行ってちゃんとしたの食べたほうが良くない?
   そりゃお財布には優しいけど、満足度は全然違うぜ?
   なんだったら、本場物奢ってやろうか?」

浜面「はっはっは。
   大丈夫、大丈夫。
   俺が麦野にもちゃんと作れるパラパラチャーハンを教えてやるっていうのが話の流れってやつだろ?」

麦野「アンタにモノを教わるのってなんか抵抗あるっていうか(ちょっと嬉しいケド)」

浜面「?
   前にも料理を教えたことはあるだろ?
   まぁ、嫌ならいいけど……」

麦野「嫌だって言ってないでしょ!
   もう、ほらさっさと教えなさいよ、パラパラチャーハンの作り方!」

浜面「???
   わかったから背中押すなって!」

浜面「とりあえず、3人前計算で行こう。
   材料はこんな感じかな?


   ①冷ご飯      3合
   ②卵        3個
   ③ネギ       大1本
   ④ゴマ油      大さじ1(攪拌用)
             小さじ1(具材用) ※今回は使わない
             小さじ半(仕上用) ※場合によっては無くてもいい

   ⑤紅しょうが    大さじ1程度
   ⑥具材       焼シャケ1人前

   ⑦酒        適量(ふっくらさせる程度)
   ⑧醤油       適量(オイスターソースと合わせて大さじ1~1.5)
   ⑨塩胡椒      適量
   ⑩オイスターソース 適量(醤油と同量)
   ⑪砂糖       小さじ1


   基本的にこれでうまく作れるはずだけど、薄味にしておいたほうがいいな。
   あと、結構油が多めなんで、合わせて大さじ1.5ぐらいの感覚にしてくれ           」

麦野「なんか、ゴマ油がややこしいんだけど(仕上……ね)」

浜面「そこがキモなんだよ。
   まぁ、とにかくよく見ててくれ」

浜面「まず、冷ご飯をレンジで温める。
   今回は冷凍していたからそのまんま解凍だな。
   そして、その時にできるだけ広げてバラバラにしておこう」

麦野「?
   炊飯器のご飯じゃダメなの?」

浜面「あ、あ、うん。
   まぁ、それでもいいんだろうけど。
   一回冷やしてあるご飯だと水分飛んでるんで、パラパラになりやすいんだよ」

麦野「へぇ、知らなかった」

浜面「出来なくはないんだろうけどな。
   で、元々パラパラになりやすいことに加えて、まずここでバラバラにしておく。
   ご飯粒は表面についている澱粉の膜でほかのくっついているからな」

麦野「あ、なるほど。
   澱粉のα化前にバラしておくのか。ふぅん、そうなんだ」

浜面「なに、α化って?」

麦野「おいおい、そこからか。
   要するに、澱粉が食べられる状態のことよ」

浜面「だったらそう言えよ。俺頭悪いのに……
   まぁ、いいや。
   で、電子レンジでチンしている間に具材を準備しよう」

浜面「ネギは白い部分をご飯粒の大きさに切る。
   やり方はだな、筋目に沿って包丁をザクザク入れる」

麦野「?
   所謂みじん切りでしょ?
   それじゃ繋がってるじゃない?」

浜面「いいのいいの。
   この状態で、今度は筋目を断つ方向で包丁を入れてやる。
   するとだな……」

麦野「あ、みじん切りになった。
   あれ、でも縦方向には繋がってたわよね?」

浜面「繋がっいたけど、筋目を断つ包丁の時にネギそのものが包丁で押されるだろ?
   その勢いで筋目に沿って付けた切り目が広がるんだよ。
   この方法だと柔らかいネギをみじん切りにするのには楽なんだ」

麦野「へぇぇ。
   テクニックよねぇ」

浜面「ふふん。スゲェだろ」

麦野「はいはい、調子のんな。
   で、ほかの具材は鮭か。
   嬉しいわねぇ」

浜面「麦野、鮭好きだからな。
   まぁ、それに昨日食わなかった分が余ってたんだ」

麦野「おい、残り物かよ」

浜面「まぁ、残り物の鮭なかったら焼いてもいいけどな。
   鮭フレークでもいいし。
   個人的は鮭は皮が旨いから鮭フレークより焼き鮭をほぐす方が好きだな」

麦野「ふぅん。でもさ、どうせ火を通すのなら、別に生の鮭でもいいんじゃないの?」

浜面「チャーハン作るときの具材に関しては、基本的にネギ以外は生禁止。
   普通だったらチャーシューとかハムとか、そのままでも食えなくはないやつばっかだろ?」

麦野「そう言われてみれば・・・・・・」

浜面「エビとかカニとかだって、一応生でも食えなくはないもんだしな。
   大抵は火を通してあるけど」

麦野「なんか意味あるの?」

浜面「具材の火の通りとコメの火の通りは速さが違うんだよ。
   具材に合わせてコメ炒めるとぱっさぱさになっちまうの」

麦野「へぇぇぇ。
   いやはや、全然知らなかった。
   そっかぁ、火力があればいいってもんじゃないんだ」

浜面「意外とそこ勘違いしている奴が多いんだよな。
   でも一回そういうもんだって思っちまえばあとは大丈夫」

麦野「そういうことって本には書いてないのよねぇ。
   そうかぁ、なるほど」

浜面「で、このタイミングでレンジが俺を呼んでいる」

麦野「解凍終わったね。
   ホカホカだ」

浜面「よし、じゃあ熱いうちにボールに移して……」

麦野「えっ!?
   ちょ、ちょっと浜面、何やってるのよ!」

浜面「ご飯にごま油混ぜ込んでるんだけど?」

麦野「ええええ?
   おかしくない、それ!?」

浜面「フライパンに入れる前に、ご飯に油を絡めておくとだな、綺麗にパラパラチャーハンになるんだよ。
   あったかいうちだと特に油が絡みやすいからオススメだ」

麦野「……ま、まぁ?
   最終的にはおんなじになるんだろうけど……
   しかし、油ご飯って、すごくマズそう……」

浜面「そうか?
   牛脂使ったガーリックライスとか、普通に美味いだろ?」

麦野「そう言われてみりゃそうね。
   アレも油ご飯って言えるわね」

浜面「まぁ、確かに白米に油かけてそのまま食べてたら変人だとは思うけどよ。
   ともかく、綺麗に油を纏わせたら、とりあえずそのまま置いておく。
   余計な油も分離するし」

浜面「で、次は卵の番だ。
   ここがポイントの2番目だな」

麦野「まずは卵をボールに割り入れて、で砂糖入れるのね」

浜面「チャーハンに砂糖はダメだろって思うかもしれないけど俺は好きなんだ」

麦野「油ご飯見たあとだからもう、別に気にならないわよ。
   それでよく混ぜ込むのね。
   さっきから混ぜ込んでばかりのような気がするわね」

浜面「仕方ないよな、こういうもんだ。
   で、まずは卵を炒める」

麦野「え?
   ご飯入れてからじゃないの?」

浜面「それが不正解ってわけじゃあない。
   ただ、こっちのほうが卵の火の通し方がうまくいくんだ」

麦野「へぇぇ……
   あれ、火力弱になってる。これじゃダメじゃん」

浜面「ポイントの3!
   卵料理は弱火!」

麦野「え、そうなの?
   チャーハンっていったら大火力の料理じゃないの?」

浜面「麦野の言うことはすごくごもっとも。
   けど、そんな大火力ご家庭じゃあ作れないからな。
   ちなみに、これはオムレツもおんなじで、本当のオムレツは大火力で一気に仕上げるんだが、
   ご家庭でオムレツつくる場合は弱火でじっくり、2~3分かけて半熟に作るのがいい」

麦野「強い火力が使えない場合、弱火でじっくりになるとは……
   料理っていうのも奥が深いものねぇ」

浜面「まぁ、少なくとも正統派じゃないけどさ。
   弱火でじっくりにすると卵が油を吸いやすいっていう弱点もあるし。
   で、程よく半熟に火が通ったら一回これも別のボールに移す」

麦野「あれま、これにご飯入れるんじゃないの?」

浜面「ここまでが下準備。
   ここからが本場ってわけ。
   まずはフライパンが熱いうちにクッキングペーパーでさっと拭いて。
   で、煙が上がるほどに加熱する。
   きちんと拭いておかないとこの時焦げちゃうから気を付けよう」

麦野「そうしたらご飯を投入するのね。
   油が混ぜ込んであるから、油ひきなおさないのね」

浜面「そういうこと。
   で、ご飯がバラけるように木べらで切るように混ぜ合わせる。
   程よくバラバラになったら、卵を投入。
   すぐに醤油、オイスターソースを入れて、またかき回す。
   色が均一になってきたら具を入れて、すぐ酒をいれて、ご飯の飛びすぎた水分を回復させて……
   で、アルコール分が飛んだら出来上がり!」

麦野「はや!
   ご飯入れてから2分も経ってないわよ?」

浜面「お皿に盛り付けて、色合いに紅しょうが乗せてっと」

麦野「おお!
   ちゃんとしたチャーハンだ。
   ちゃんとパラパラしてるわよ、これ」

浜面「それだけじゃあない。
   きちんとご飯粒に卵がコーティングされてるだろ?」

麦野「本当!
   なんで?」

浜面「卵は油と相性がいいからさ、あらかじめ油でコーティングされているのがここで効いてくるんだよ」

麦野「へぇぇ……
   具は最初っから火が通っているようなもんだし、ネギは半ナマでも問題ないし……」

浜面「まぁまぁ、解説はそこまでにして、食ってみようぜ?」

麦野「では、いただきます……」

麦野「うわ、なにこれ、すごくパラパラしてる。
   家庭で作ったチャーハンとは思えない」

浜面「だろ?
   結構いい味してるだろ?」

麦野「まぁ、味についてはちょっと私には薄いかなって思うけど。
   でも、まずいって訳じゃないわね。
   オイスターソースと醤油で、じんわりと口の中に旨味が残る感じ。
   文句があるとしたら、鮭チャーハンなのに、鮭の風味がないってことぐらいかな」

浜面「ちと鮭の量が足らなかったか?
   それなら鮭フレークでも足してくれ」

麦野「そういう問題でもないんだけど。
   なんていうのかな。この場合鮭が無くても普通に美味しいんじゃないかなって味なのよね。
   ご飯と卵だけで十分なんじゃないかなって気すらするわ」

浜面「それはある意味褒め言葉だな。
   チャーハンはご飯と卵の料理だから」

麦野「褒めてるっていうか、なんていうか……
   でも、レベル高いチャーハンなのは確かね。
   家庭のキッチンでこんなチャーハン作れるなんて思ってもいなかったわ」

浜面「俺もそう思ってた。
   正直に言うとさ、これもテレビでやってた方法なんだよ。
   ボケーっとテレビ見てたらたまたまやってて、それを真似しただけなんだ。
   自分の言葉で喋ってないってやつさ」

麦野「それは違うんじゃない?
   オリジナルじゃないにせよ、浜面はきちんとそのスキルを習得していて、私の目の前でそれを証明した。
   そういうのはね、『学んだ』っていうのよ」

浜面「うん、それも褒め言葉として受け取っておくわ。
   で、もう一つあるだろ?」

麦野「ん?
   あ、ああ……『ごちそうさまでした』」

浜面「お粗末さまでした。
   喜んでいただけてなによりだ。
   冷凍したご飯だってうまく食えるもんだろ?」

麦野「本当にそうね。
   最高の食材を最高のテクニックで料理するものが一番美味しいって思ってたけど、考え変わるわねぇ」

浜面「だろ?
   麦野が言ってることこそが王道だと俺も思う。
   けどよぉ、こういう対したことのない素材をうまく食えるっていうのも料理だと思うんだよな」

麦野「そうね。そういうことも体験しないと分からないわよね」

浜面「それに、余り物もうまいこと処分できる訳だ。
   エコでお財布にも優しいってわけよ、麦野流に言うとな」

麦野「おいおい、ここで余り物処分とか言うなよなぁ。
   せっかくの気分台無しだろうが」

浜面「まぁ、事実は事実だし。
   それにこういうスキル持ってないと主婦にはなれないんだぜ?」

麦野「アンタ、微妙なところでドライよね。現実割り切ってるというか」

浜面「冷蔵庫の中身と会話しないと料理って作れないんです」

麦野「その割には味にこだわってるじゃない」


浜面「持っているデッキの中で最強の組み合わせを考えるのは当たり前だろ?
   おんなじ材料使っているんだったら一番美味くするのがコストパファーマンスもいいってもんだよ。
   費用対満足度って意味でさ」

麦野「反論はできないわね。
   実際、ベチャッとしたチャーハンもこのチャーハンもコストは変わらない。
   だったら美味しい方が幸せかぁ」

麦野「(コイツの『思考回路』の原則は『現実主義』なのよねぇ。
    現実に負けてスキルアウトなんかやってたくせに、
    一番勝利する確率が高いのであれば『自分の命をかけることを躊躇しない』程にイカれてる。
    そのくせ、理想主義的な所もあるし、現実に打ちのめされて泣きそうな顔することもある。
    ……なんでこんな男に惚れちまったかなぁ。
    それに、『滝壺を振って私を選んでくれる浜面仕上』なんてきっと魅力なんてないって理解もしてる私がいたりする。
    初恋を自覚した瞬間には失恋が決定されているっていう『現実』って、どーなんだろ?)」

浜面「ん?
   どうした、麦野?」

麦野「……私ってコスパ悪いなぁって、そう思っただけ」

浜面「いきなり詩人だな。
   なんか賞でも欲しくなったか?」



麦野「私の欲しいのは、ソレじゃないんだよ、バカ」


以上です。


チャーハン作るときにマヨネーズを使うという方法、知っている人は知っていると思います。
けど、自分でやってみた結果ですが、こっちの方法の方がパラパラになります。

あと、ご飯は酒でふっくら感を取り戻せますが、火を通しすぎた卵はどうやっても元に戻りません。

チャーハンの作り方は色々とあるかとは思いますが、今現在、自分の中ではこの方法がベストですね。

気持ち悪かった

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