もこっち「死ねよクラスメイトどもぉーーーーっ!!!!」 (181)

ある建物の屋上

私は、日頃の鬱憤を晴らしに来ていた。

もこっち「はぁ、はぁ……ふふふ」

もこっち「やはりここは落ち着くな……なにを叫んでも私の自由だぁ」

もこっち「本当は……ゆうちゃんと一緒に来たいけど………………なーんてな」

クラスメイトA(岡田)「あの……くろき、さん……?」

もこっち「ほぶぅっ!? だれでがぁさゃなぁぉぁっ!?!?」

クラスメイトB(清田)「うお、マジで黒木さんじゃーん」

もこっち「あ……はは、はい……黒木です……」

クラスメイトC(鈴木)「えっとぉ……今、なーんか良くない言葉が聞こえてきたんだけど……」

もこっち「ひぅっ」

クラスメイトA(岡田)「ちょ、ちょっと鈴木……」

クラスメイトC(鈴木)「マジで言ってたのかな?」

もこっち「えっ!? いいいいや、ちがくて、ちょと、あの……」

クラスメイトB(清田)「あーもういいじゃん? 二人とも帰ろ帰ろ」

クラスメイトB(清田)「そういうことなんだって。無理して聞くのはやめてあげろって」

もこっち「え……」

クラスメイトC(鈴木)「……っあー、嫌なもん見ちゃったなぁ。せっかくゲーセンで盛り上がって?いい気分で?いい景色見ようとしたのに?」

クラスメイトA(岡田)「もういいから! その話はまた後で、ね!?」

クラスメイトB(清田)「……まっ、気持ちは分かるけどな。じゃーねー黒木さーん」

もこっち「……まっ……待って!」

バタン

もこっち「あ………………………」

もこっち「…………………………」

もこっち「っきゃぁぁぁっ!!!!!嘘ぉぉぉぉ!!!!なんでいるのおおおお!!!ここ私の憩いの場所だろ!!!!」

もこっち「はーー!?なんで来てんだよぉあいつら!? リア充はリア充らしく明るいとこいけってのぉ!!!」

もこっち「あーーーー最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪……」

もこっち「うぐぁしかも明日学校じゃねーか……」

もこっち「どうしよ……絶対噂広がる! よりによってあんなクラスでも選り抜きのカスに見つかるなんて!」

もこっち「……」

もこっち「死ねよぉぉーーーーーーーーーーっ!!!!!!」

もこっち「死ねぇぇーーーーーーっ!!!!!!!」

もこっち「ぜー、ぜー……」

もこっち「はぁ……」


もこっち「……帰ろ……」



母「おかえり……ってどうしたの!?」

もこっち「え……?」グス

母「目真っ赤じゃない! ちょっと待ってていま目薬もってくるから」

もこっち「いや、いいから……一人にして」

母「よくない! ったく、たまには言うこと聞きなさい!」

もこっち「……」

もこっち「いいって言ってるだろ!! そっちこそたまには話聞きやがれってんだーー!!!」

もこっち「こちとらピチピチのJKなんだよ反抗期なんだよほっとけよぉぉ!!うわーん!!」ダッ

母「あっ……もう!」

ピシャン

もこっち「あーーーーうざいうざいうざい!!!!」

ドンドン

「誰がうざいですって!? 今日という今日は許さないからね!?」

もこっち「うわ……」

ドンドンドンドンドンドン

「あんた最近とくにおかしいわよ!? ブツブツ独り言言ったり壁を見つめて動かなかったり!!!そもそもあんた学校ないとずーっとゴロゴロしてるでしょ!?そんなんだから精神も暗くなってくの!部活ぐらい入ったらどうなの!?」

もこっち「……」

「なに黙ってるの!?なんとか言ったらどうなの!?そんなだから……」

「……そんなだから、友達も出来ないんでしょう!?」

もこっち「……っ!」

もこっち「……わかってるんだよそんなの……」グス

もこっち「自分のせいってことぐらい……」グス

「ちょっと?」

ガラッ

母「あっ…?」

もこっち「うるさいよぉ!!うるさいうるさいうるさい!!!マジで黙ってろよ!!!!」ポロポロ

母「ちょ、ちょっと……」

もこっち「黙れ黙れ黙れ黙れ!!!どいっつもこいつも!!!!わかりきったことペラペラペラペラ!!!」ポロポロ

もこっち「死ねーーっ!!!みんな死ねよーーーっ!!!!」ポロポロ

母「あ、あんったねぇ……」

もこっち「二度と話しかけんな!!!!今度こそ来るな!!!来るな来るな!!!」ポロポロ

ピシャン

もこっち「はー!!はー!!」ポロポロ

もこっち「……う」

もこっち「うっうう……なんでぇ……なんでこんなことしか言えないんだよ……」ポロポロ

もこっち「もうやだやだやだ……誰か味方になってくれよぉ……」ポロポロ

数時間後、深夜

もこっち(ゆうちゃんには電話つながらなかった)

もこっち(彼氏とイチャイチャでもしてんのか……くそくそくそ)

もこっち「さっき立てたスレどうなってるだろ……」カチッ



スレタイ
JKだけど誰か助けてくれ寂しいヤバイ

本文
クラスに馴染めないしクラスメイトに悪口言ってるの聞かれたしイライラして母親とも喧嘩になったどうすればいい
味方0じゃねーか


『おっさん死ね』
『かまってちゃんかよ』
『仮にJKだとして、これはきもいわ』
『クズ乙w』
『お前が悪くね』

もこっち「……」ジー

もこっち「は、はは……こんなもんだよな」

もこっち「こんな……もん……」ジワッ

もこっち「あれぇ?」ポロポロ

もこっち「こいつらの煽りなんて全然ダメージないのに何で泣いてるの……? かまってちゃんなの……? 死ぬの?」ポロポロ

もこっち「泣いてばっかりだぁ……! くっそぉぉぉ……ぅっううっ」ポロポロ

もこっち「あー味方いないなぁ……周りはリア充のクズばっかかぁ……」

もこっち「ふーっ……はぁ」ゴシゴシ

もこっち「そろそろスレも落ちるか……糞スレだったな」カチャカチャ

もこっち「ん、また更新が……うわ、改行で必死なやつきた」

『むかつくやつ全員殺せ。

それか死ね。

クズなんだから覚悟決めろよ。

ま、そんなこともできないかな。

クズだもんな。』

もこっち「うっはぁ。改行で必死に痛いレス。厨房かぁ?」

もこっち「そんなの……出来るわけないし」

もこっち「あーあー予想通り叩かれてる。てかまだこんなにいたのか。どこから湧いたし」カチカチ

もこっち「……出来るわけ、ないし」

普段なら当たり前のようにスルー……意識さえしない糞みたいなレス。

でも……その時の私には、追い詰められ、自分でも自分を追い詰めてしまい、極限まで視野が狭くなっている私には、そのレスを他人事のように思えなくなっていた。

おおかた向こうもふざけて書いた……だろうに、私の頭は、そのレスを何回も何回も反芻していた。


もこっち「殺すか死ぬか」

もこっち「どちらか……」

もこっち「……」カチッ

もこっち「『自殺』『楽な方法』……」カタカタ

もこっち「『死体』『画像』」カタカタ

もこっち「『殺し方』『方法』」カタカタ

もこっち「うーん……『殺害』『掲示板』」カタカタ

もこっち「むむぅ……」カタカタ



何故だろう。



調べていくうちに、涙は渇いていた。

???「少年法っていうのがあるんやで?」

翌朝


もこっち「……えっ!?もうこんな時間!?」

もこっち「うわーうわー嘘だー学校かよー嘘だと言ってくれー」

もこっち「……ふぅん」ニヤ

もこっち「はー。まぁ?いざとなったら殺せばいいし?」ニヤニヤ

もこっち「スッキリして私の人生もゲームオーバーはい終わり。くくくく……」

もこっち「……なんて。冗談だけど。中二じゃあるまいし」


コンコン

「ともこ……?起きてるの……? ブツブツ聞こえるけど」

もこっち「うわ」

ガラッ

もこっち「……」

母「!……お、おはよ」

もこっち「どいて」

母「あ、あぁ。はい」

もこっち「ん」

母「……あのね、ともこ! 私、ちょっと言いすぎたかなって……」

もこっち「あー、いいですそういうの」

母「ちょ、ちょっと待ちなさい。話し合わないと何も始まらないでしょうが」

もこっち「遅刻するんで。朝飯もいらないんで。勝手に学校いくんで」

母「はぁ……あっそ。勝手にしなさい……」

もこっち「そのつもりなんで。朝飯も昼飯もコンビニで買うんで」

もこっち(ふん……だーれが話してやるもんか)

もこっち(私を責めた真性のクズ……簡単には許さないし)

もこっち「……そろそろ時間か」

もこっち「はぁーーー……行くか……」

もこっち(どうなるんだろ……)



ガチャ、バタン

教室前

もこっち「くっ……来てしまった」

もこっち(ここに来るまでにクラスメイトを避けて通って来たが……ついに運命の時)

もこっち(……大丈夫。私には殺害掲示板の皆がついている……!)

もこっち(私はやっていk)


「死ねよクラスメイトどもぉーーーーっ!!!!!」




もこっち「!?」

「ってな感じ? 似てるだろ岡田?」

「ぶふ……おまえもしかして練習してきた?w」

「ちょっとなw」

「えーっ! 信じられないなー黒木さんがそんなこと」

「いや、マジだって!かーっ録音したいぐらいだったなぁ!」

「うっそ……」

「おれ、別に嫌いじゃなかったんだけどなぁ。まさかあんな子だったとは」

「私もー。嫌いじゃないって感じだったのにね」

「まーさすがに『嫌いじゃない』から、『嫌い』にレベルアップ! って感じだな!」

もこっち「……は、はは」

「今の話マジかー?」

「ひぇー」

「どう接すればいいのよこれから……」

「てか俺ら何かした?」

「さーな」

ガラッ

もこっち「……」

岡田「うおっ」


鈴木「死ねよクラスメイトどもぉーーーーーwwwwマジうけるわwwww」

岡田「ちょ、やめやめ!」

黒木智子の乱

鈴木「へ? ……あっ」

もこっち「……」スタスタ

シーン

もこっち「……」ガタン

鈴木「え、えーっとぉ……くろき、さん?」

もこっち「っ」ビクッ

岡田「あーっもう! いいからいいから!わざわざ話しかけないでも!ごめんねー黒木さん?」

鈴木「いや、お前さ……もういいだろ?」



もこっち「……おまっ、おま……」



岡田「ん、んー? な、何か言った?」

もこっち「おま、おままお前らがっ!! お前らがっ!!わりゅ、わりゅいんだりょっ!?」


ザワッ

「聞こえた?」

「いや……」

もこっち(もうどうにでもなーれ)

もこっち「し……しね! いらっなりから! ほんっと!」

清田「あ、あ、あぁ……?」

もこっち「な……なんなんだよ!!!!」

もこっち(あれ……なんか滑舌よくなってきた?)

もこっち(体が熱い……)

         ,.- ‘´  ̄ ̄ `  ? 、
        r’   _,. -―? .、  ヽ
       l r ‘´        `ヽ  l
       l’…….-―.:::::: ̄ ̄:::::::::::‐.`L.._

     ,-:::´::::::::::-::‐ ”  ̄ ̄  ‐-、:::::::::::::ヽ
   r’:::::::::::::::::::/          lヽ:::::::::::::::i

  .i’::::::::::r:、:::::l   _       i:::::::::::::::::::::!
  .l::::::::::i:rヽヾ  ri’t:Tヾ、 ;::::- 、 !:::::::::::::::::::/
    ヽ:::::lヽ.、     ̄ノ :.’`-’ヽ`ir’ )::::::::::;r’
     ` ヽニ:.      ,.   ::.`   ‘i:.r’::;;-’´
        l::.   ,,..?`-:く   /’-’ ´
        イ :.  ””””’”‘;;;;:ミ .!
    r:::’::::::l  :..      `/
 ,.-:’:::::::::::::::::!ヽ   、.    i’
‘:::::::::::::::::::::::::::i ヽ    ̄ /!ヽ、
::::::::::::::::::::::::::::::i,.?ヽ._,〃´l:::::::::ヽ、

::::::::::::::::::::::::::::::l  _/_i_l   ,!、:::::::::::::::ヽ

     ホッシュ [Sred Hossu]
     (1875~1934 イギリス)

もこっち「なんなんだよ!!お前らだけでワイワイワイワイうるっさいんだよいっつもいっつも!!!!」

もこっち(なんか……視界ぼやけてきた?)

もこっち「楽しいか!? あぁーーー楽しいだろ!!! 自分達だけで楽しめってんだ!!! 私を巻き込むな!!!見せつけるな!!!」

「やっべぇw」

「こわ」

鈴木「お、おいおい……さすがにリアクション取りにくいわ」

岡田「お、落ち着きなよ、くろk」

もこっち「はぁーーーっ??? お・ち・つ・け??? ですかっ?? 落ち着け!? 落ち着けるか馬鹿か低脳なのかお前はぁ!?」バンッ

もこっち(楽しい)

もこっち「くそくそくそくそくそ」ワシワシ

もこっち「うるさいんだようるさいんだよ糞どもがまじテロリストにやられて死ねやいい加減わたしの願いを叶えろ神様ぁぉぁぁ!!!!!!」

もこっち「うぁぁーーーー!!!!!!」バンバンバンバン

今から録画してたやつ見ないといけないからお前らネタバレすんなよ

>>59
文化祭満喫

先生「おーい、なんだか騒がしいな?」

岡田「せ、先生ぇ~」

先生「……なんだこれ」

清田「……見てらんねぇ……」

もこっち(夢じゃない)

もこっち「死ねっ!!!死ねっ!!!」

もこっち「そうだよ……!! そうだよ……!! こんっなに頑張ってるのに苦しんでるのに誰も味方しないぃ……報われない!!!」

もこっち(ゲームでもない)

もこっち「私が苦しんでるのは……どう考えてもお前らが悪い!!!!!!」

もこっち「お前らが悪いんだぁーーーーっ!!!!!」ダンダン

もこっち(現実なんだ)

先生「や、やめとけ黒木!もう……やめてくれ!」ガシッ

もこっち「ほぉ~? 誰かと思えば偽善者代表の担任様じゃないですかぁ~?」

もこっち「むかっつくんだよお前も!!!!! ふつー気づくだろふつー!!! こんだけボッチやってんだぞコラ!!!! あぁ!? 知らなかったとは言わせないからな!!??」

先生「す、すまなかった……いじめられてる様子では無かったから……」

もこっち「ほぉーーーーーーーー???? いじめられてなかったら苦しんでても話も聞かなくていいと、そうおっしゃるんですかぁ~~?? ……っざけんな!!!!」

「せ、先生……なんかヤバイって!もはや危ないって」

先生「……わかるんだよ、黒木。俺も昔、友達少なかったからさ。先生に絡まれたら逆に迷惑かと思ってな」

もこっち「……は?」

先生「学校に友達が少ないとしんどいよなぁー。なんだか、たまらなくなってくるっていうか、さ。わかるよ」

まとめは悪なのは間違いないがもうあきらめろと言いたい
名前欄に転載禁止と書こうがお構いなしのサイトもある始末

もこっち(へー。わかるんだぁぁぁ……)

先生「……黒木? 続けていいか」

もこっち「友達が少ない、ですか……」

先生「でもさ、先生部活してたから何とか乗り越えられたんだ」

もこっち「っ」ピキッ

先生「居場所があるっていいぞ。だからさ、お前も自分で居場所を見つけるべきだ。人のせいにするより、よっぽど有意義だと思わないか」

もこっち「……居場所……だの……友達が……少ない、だの…………」

もこっち「……気持ちが分かる、だの……腐った言葉をポロポロポロポロポロポロ……」

もこっち(殺すか死ぬか……二択じゃなくて、どっちもだ)

もこっち(偽善者どもの居場所なんて奪えばいい……そして、そのあと)

もこっち(居場所がないなら、私がいなくなればいい)

もこっち「よくもまぁ……へへはふふ……よくもまぁ……ぼっち代表の私に言えたもんですなぁ……」

>>1
見てるぞ

もこっち(使うつもり……無かったんだけどなぁ……こんなの)

もこっち(あーあ。あの糞みたいなレスの言うこと聞くのか私。情けないなー)

もこっち(……でもさ……)

もこっち「……はは、は……スッ

先生「なっ……包丁っ……?」

「きゃっ……」

「やめ……」

もこっち(なんだか……すっごく気持ちいい)

もこっち(糞みたいな人生で……まちがいなく、今が1番!体が熱くて!楽しくて!気持ちいい!)

もこっち「死ねよぉぉぉぉ!!!!」ブンッ




ゴンッ

もこっち(……え? いま、ゴンッて……)

もこっち「……ぐぇ」バタン

清田「いっ、……はぁ、はぁ……いっ、いい加減にしろよな!」

もこっち「……」


「うぉーイスで殴るとかワイルドぉ」

「うっうっ……怖かったよぉ……」

「先生大丈夫!?」

「清田かっけー」


もこっち(うっわ……邪魔しやがって……)

仰向けになった私。
どんどん薄れていく意識……ぼやけていく視界。

邪魔された……そんな思い。

悔しいような憎らしいような

ホッとしたような、不思議な感覚。気分は悪くなかった。

でも……私が気を失う前に見たものは……

「先生~!よかった~!」
「あぁ……清田、すまなかった」
「清田グッジョブ!」
「照れるな……なんてな。あんまり気分いいもんじゃないぞ?」
「一時はどうなることかと……」

ホッとしたクラスメイトども……団結したクラスメイトども。

やっぱり、私の居場所は無いのだ。
当たり前だよな。

ここまでしたのに?何を考えてる。何を達成感に浸ってたんだ?
おまえ、ただのぼっちだから。わかってただろ?

あれ……? もしかして、ぼっちのお前が1番現実見れてなかったんじゃないの?

気を失う瞬間。やっぱり、私は涙を流すのだった。






もこっち「ん……」パチッ

もこっち「っ……った」

もこっち(最悪の気分だ。なんだこの頭の痛さは)

もこっち(それに……目が痛い。痛すぎる)

もこっち(何があったんだっけ)

明るくて、白い部屋。
気分が悪すぎて場所さえも、自分がどんな体勢かもよく分からない。

もこっち(夢……だったりしないかな)


でも、夢じゃないんだ。

あの時感じた惨めさ。悔しさ。怒り。高揚感。

とても、体が熱かった。

あれが全て夢なわけ、ないよな。

先生「はぁ……起きたか」

もこっち「っ」ビクッ

先生「……安心しろ、別になにかしようってわけじゃない。優しい言葉をかける気もないけどな」

もこっち「……」

先生「ボーッとしてるな。場所、わかるか? ここは保健室だ。自分が何したか、覚えてるか?」

もこっち「……おぼえて、ます」

先生「……まぁ、謝ってくれないんだろうな、お前は」

もこっち「……」

もこっち(別に謝りたくないわけじゃないが……謝っても意味ないし、謝れないだろ常考)

先生「……はぁ。お母さん、来てるぞ。俺に謝らなくてもいいからお母さんには謝っとけ」

もこっち「……えっ!?」

先生「じゃっ……すみません、あとはお願いします」

母「はい……」スッ

もこっち「う……」

もこっち(いや……そりゃ来るよな)

母「……ともこ?」

もこっち「かあ、さん……」

母「ちょっと私の目を見なさい」

もこっち「え、ぁ……はい……」

母「自分が何を言ったか、自分が何をしたか、自分がどれだけ迷惑をかけたか……わかってるの」

もこっち「……わかってる」

もこっち「……つもり」

母「はぁ!?」

もこっち「あーいやいやいや、わかってるわかってる……」

母「……」

もこっち(あー謝ろうかな……でもなー……)

もこっち(いや、やめとこう。じきに、私は終わるんだし。てか自分で終わらせるし)

もこっち(それがせめてもの親孝行になるだろ。なんて言えばいいのかも……馬鹿な私にはわからないしな)

コミュ障はもうナマポで生かしとけ

母「あのねぇ……何か言うことないの?」

もこっち「……ない、かな……てか」

もこっち「何も、言えない……てゆーか?」ハハハ

母「……」ガタッ

もこっち(げっ……正直すぎたか?)

もこっち(……はー、殴ってくんないかなー……)

母「……」

母「ちょっとこっち寄りなさい」

もこっち(おっ)

もこっち「……」ズリズリ

母「……」





ギュウ




もこっち「……えっ?」

母「そっか……何も言えない、か」ギュー

もこっち「は????? ちょちょちょ」

もこっち(なんだこれ?抱きしめられてる?)

J( 'ー`)し

母「どうしたの?」ギュー

もこっち「いや、これなに、てかっ、」

母「うざい?」

もこっち「いや……うざくない、けどさ」

母「なら文句言わない。こうさせなさい」

もこっち「…………」

母「……あんた、おかしかったもんね。高校入学してからしばらくして……」

母「部屋で一人で笑ってみたり、大声上げてみたり……」

母「泣いたり」

もこママならヤれる

J( 'ー`)し「 」

もこっち(……気持ちいい……?)

母「正直ねぇ、高校入学からあんたのこと鬱陶しかったのよね」クス

母「智貴と違って変なことばっかりするし? 反抗ばっかだし?」

もこっち「……」

母「何も言えないでしょ」

母「でも……あんたが人を刺しかけたって聞いてね」

母「最初は悲しさとか、怒りとか、焦りとか……そんなのばっかだったけど……」

母「ここに向かってる途中で……何故かあんたが愛しくて愛しくてたまらなくなってきてね」

母「どうしてるんだろう、大丈夫かな、って」

母「だから、こうなっちゃってるわけ」

もこっち「……」

母「あんたを抱きしめたのも、いつぶりかしらね」

もこっち「うっ……」

母「っと、苦しかった?」

もこっち「っ……ちがっ……」グス

母「あ……」

もこっち「お願い……やめないでよぉぉぉ……」ポロポロ

母「はぁ……。ひどい顔ね。これから大変なんだから、甘えられるうちに甘えなさい」ギュー

もこっち「うぁぁぁ……」ポロポロ

母「ごめんね……子供なのに、鬱陶しいなんて……」ギュー

もこっち「ううん……ちがっ、ちがくて……わたしがわるくて……っ」



抱きしめられてから、途中までは冷めていた。
でも、何かが込み上げてきて……たまらなかった。

いよいよ現実に向き合った……と思っていたが、どうやらまだまだ、だったらしい。

私は、恵まれていたのだ。私の周りの現実は、私が思っているほど厳しくはなかった。

クズだ、クズすぎる。どう考えても私が悪い。

歪みきった人格は、簡単には直らないんだろうな。今は直せる気でいるけど、多分そんなに簡単じゃないんだろうな。

私はやっとスタートラインに立ったのだから。周りはとっくに大人になっていたというのに。

               ┌┐                                ●●●
    人          ││                              ●\  ●\
   ノ二\  ナ ゝゝ   V                 ●●●        ●\     ●\
     /   / 乙 つ  O               ●\   ●\      ●\       ●\
                  ●●●        ●\      ●\    ●\       ●\
                 ●\   ●\      ●\      ●\    ●\        ●\
       ●●\     ●\     ●\    ●\       ●\   ●\        ●\
        ●\    ●\      ●\    ●\       ●\    ●\       ●\
        ●\    ●\      ●\    ●\      ●\    ●\     ●\
       ●\    ●\       ●\    ●\      ●\      ●\    ●\
       ●\    ●\      ●\    ●\     ●\        ●●● \
      ●\     ●\      ●\      ●\   ●\           \\\
      ●\     ●\     ●\        ●●● \
     ●\      ●\   ●\           \\\
     ●\        ●●● \                              ┌┐ ┌┐
    ●\          \\\      ┣━┳┃┃      ┃          ││ ││
   ●●●\                      ┃   ┃┃┃ ┣┓ ━╋ ━╋  V   V
   \\\\                     ┛     ━┛ ┃   ┏┫ ┏┫  O  O

     ∧∧   )      (´⌒(´
  ⊂(゚Д゚⊂⌒`つ≡≡≡(´⌒;;;≡≡≡
        ̄ ̄  (´⌒(´⌒;;
      ズザーーーーーッ

自分に酔うのは、もうやめよう。
かわいそうな自分なんて、存在しない。

誰かの優しさに素直に甘えられる人になろう。

母「……よしよし」

もこっち「うっう……うぁぁぁ!!!!うぐっ、ぐぅっ……ぁぁぁ……!!」ポロポロ

これからやらなくちゃいけないこと、たくさんある。

でも、今だけはさ……




体が熱い。
まちがいなく、人生で1番きもちいい。




もうちょっと……ようやく見つけた現実に甘えさせてくれ。





教室




母親の提案で、停学をくらってる間に転校した。

学校も警察沙汰は面倒だったらしい。

私としては……まだあそこでやるべきことがあったような気がするが。まぁ私がいてもどーーーせ怖がるだけだろう?

クラスメイトには全員に手紙で謝っといたしいいだろ。手、疲れたわ。

転校後……もちろん、ぼっちである。

当たり前だろ、途中入学だし……なんか前の学校でやったことがじわじわ噂になってるっぽいし。
誰だよ広めたの。

私、完全にキチガイじゃないか。




もこっち「はー……」

「ね、ねぇ、黒木さん。ちょっといい?」

もこっち「え」

「黒木さんだけプリント出してなくて……」

もこっち「えっ、ごごごごめん。ど、どこっ、やったかな……? えーとえーと」

「ごご、ごめんね! 別に今日じゃなくてよくてね!」

もこっち「いや、私が悪いからっ!!!」

「ひぃ」

変われるのか、私。
そんなに甘くないよな……。


しかし……いま、私は。



プリントを無くしたことを本気で申し訳ないと思っている。





おわり

もこっち「SSでもこんな目にあうなんて」

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