ちひろ「プロデューサー行使券」【安価】 (100)


P「……」

ちひろ「こんな物を発行しました」

P「はぁ……はい?」

ちひろ「はい。いつも頑張っているアイドル達の御褒美にでも思いまして。
    お仕事で一定ポイントを溜めると報酬として受け取れるように……」

P「いやいや、なんですかそれ。俺聞いてませんよ」

ちひろ「あれ、言ってませんでしたっけ?」

P「はい」

ちひろ「じゃあ今言いました」

P「悪党の常套句だなその台詞は。え、ほ、本当にそんな物を作ったんですか? いつ?」

ちひろ「結構最近ですよ。一週間くらい」

P「最近……お、教えて下さいよそんな最近なら」

ちひろ「教える気は無かったもので。プロデューサーさんに対するドッキリもありますから」

P「無意味なドッキリだ……むしろ俺が阻止しようとしない為に教えてないだけでしょう」

ちひろ「中々鋭いですねプロデューサーは」

P「どう考えたってそれしか理由無いでしょう……」


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ちひろ「とにかく、この券を使えば一回だけなんでもプロデューサーさんに願い事を叶えて貰えるっていう、
    そういう謳い文句で発行したんです」

P「横暴ですよ……え、それ、業務命令か何かですか?」

ちひろ「いえ、貴方の良心を後ろ盾にした私独自の企画です」

P「もっと性質が悪いじゃないですか」

ちひろ「だってこうすれば、アイドルの皆さんも頑張れると思って……別にお金とかは発生してませんから。
    物品交換とかでもありません。私が、アイドルの皆さんに粗品をあげてるだけです」

P「まぁ、まぁ百歩譲ってそういうのを発行してしまったのは良いとして……じゅ、需要ないでしょう」

ちひろ「ありますよ」

P「どうしてですか。俺を、ぱ、パシれるからですか?」

ちひろ「そんな目的で使う子なんていませんよ。きっと……」

P「最後の方だけ呟くように言うのやめて下さいよ」

ちひろ「でも、日頃頑張ってるアイドルを労える、良い機会じゃないですか」

P「オフの日に呼ばれたこっちの身にもなって下さいよ……まぁ、それは良いとは思いますけど……」

ちひろ「でしょう?」

P「……で、オフの日に、ここに呼ばれたって事は……もう集めた子がいるって事ですよね?」

ちひろ「えぇ、三人程」

P「多いなぁ、中々……」

ちひろ「とりあえず、朝、昼、夜とそれぞれの時間帯でアイドルのお願いを叶えてあげてください」

P「三回のお願い事を叶えろ、ですか……ランプの魔人にでもなった気分です」

ちひろ「中々素敵な言い回しじゃないですか」

P「……あ、あんまり過激な事はしないように言って下さいよ?」

ちひろ「はい、それはもう。さて、そろそろ>>5が来る頃ですよ」

ksk

ksk

ユッキ

野球関連だろうな、確実に

ビール関連かも知れない。

文香嬢カモーン。

案外普通の恋する女の子な願いかもよ

てっきり、大人勢がなりふり構わず結婚を迫るのかと思ったぜ

遅いな

ここの>>1は安価取得からそのアイドル1人分終了まで書きためてから投下するからね
そのぶんクオリティも高いから待ってれば期待に応えてくれるはず。ね?

ちょっと寝てた
ユッキか、時間設定朝だから大変ね
書き溜めするから少し待ってね


ちひろ「さて、そろそろ友紀ちゃんが来る頃ですよ」

P「友紀?」


ガチャッ


友紀「おはようございまーす!!」

ちひろ「おはよう友紀ちゃん。今日も元気ね」

P「お、おはよう友紀。今日お前も休みじゃなかったか?」

友紀「うん、そうだよ。だから、これを使いに来たんだ!」ピラッ

P「……なんだい、その手作り感満載の紙きれは……」

友紀「え? これでプロデューサーに色々お願いできるんでしょ?」

P「あぁ……それね……それかぁ……」

ちひろ「ちなみに私の手作りです」

P「言われなくてもわかってますよ」

P(なんだろう。自尊心とかはさして無いはずなんだが、あんな図画工作で使うような厚紙で作った紙きれで、
  良いようにされるのはなんか癪だ……)


友紀「はい、ちひろさん! これ使うよ!」

ちひろ「はい、じゃあこれから昼の時間まではプロデューサーさんは友紀ちゃんのお願いを叶えるランプの魔人になって頂きます」

P「……はぁ。はい、わかりました。俺も腹をくくりましょう」

友紀「やったーっ!」

P「えっと、まだ朝の八時だからな……あんまり声は大きくしないでくれ……。
  酒は飲んできてないよな?」

友紀「まだ飲んでないよ」

P「(まだ……)はぁ……ま、まあいいか。それで、俺に叶えて欲しい事って何だ?」

友紀「へへっ、それじゃあね――」



……



友紀「よーしっ! 準備完了! 行くよープロデューサー!」

P「あぁっ。ミットめがけて投げてこい」

友紀「まずは手始めに……ストレート……」ザッ

P「……」

友紀「ノーワインドアップの……スリークォーター!」ビュッ

P「おっ」パシッ

友紀「よし! ちゃんとストライク!」

P「へぇー……中々良い球投げるじゃないか」

友紀「へへっ、これでも中学までマウンドに立ったりしてたんだから、当然だよ!」

P「まぁ、前に始球式やった時もちゃんとキャッチャーまで届いてたしな。
  あの時は少し暴投気味だったけど。ほら」ビュッ

友紀「あ、あの時は緊張してたんだよ」パシッ

P「まぁなぁ。あんだけの観客の前で投げた事なんて、無かったろ」

友紀「うん。だから、いつ始球式の仕事が来ても良いように、こうやってプロデューサーとキャッチボールして練習する事にしたんだ!」

P「成程……」


友紀「まぁ、本当はこの時間じゃデイゲーム辺りも見に行けないから、こういうお願いしたんだけどね」

P「居酒屋も開いてないしな。まぁ今の時間帯は俺が飲ませないけど」

友紀「うぅ……他の二人にジャンケンで負けてさ……あたしの番は朝になっちゃったんだよ」

P「そういう事か……これ見よがしにさっき寄ったコンビニでまじまじとビールコーナー見やがって……。
  こっちまで恥ずかしかったぞ」

友紀「誰なんだろうね、お酒は夜飲む物とか言い始めた人は!
   いつ飲んでもおいしいのに!」

P「昔の偉い人だろ。まぁ、こうやって土手に来て、運動するのも良いかも知れないな。
  俺も最近運動不足だったし」

友紀「へへっ、あたしの粋な計らいだよ!」

P「それはどうも。ところで、さっきのフォーム誰の真似だ?」

友紀「澤村だよ」

P「あぁ、澤村……お前もあれくらいトレーニング好きになってくれりゃなぁ……」

友紀「えぇー、ちゃんとしてるよー」

P「ははっ、冗談。それくらい知ってるよ。
  終わった後ビールとかあおってるから、そういうイメージが薄いだけでな」

友紀「レッスン終わった後のビールが良いんだよ。疲れた後の体に流しこむみたいにキンッキンに冷えたビールを入れるのが……」

P「……まぁ、それは反論できないな。ただもう少し節度を守って飲んで欲しいかな。
  歩けなくなるまで飲むのは世間体と体の為に、やめた方が良い」

友紀「大丈夫だよ。酔ってもプロデューサーがちゃんと送って行ってくれるしっ」

P「……あぁ、そう」


友紀「よーしっ……今度は、何投げようかなーっ」

P「何……え、変化球とか投げないよな? キャッチボールだろ?」

友紀「投げるよ、モチロン! その為にミットまで持ってきたんだから! あ、サイン決めとく?」

P「俺取れないよ……素人なんだから」

友紀「大丈夫だよ! あたしのプロデューサーなんだから!」

P「何だか嬉しい言葉だけど、でもこの前落ちるスライダーだとか何とか言ってたなかったか?」

友紀「うん!」

P「なんか嫌な予感がするんだが……し、始球式では変化球投げないだろ?」

友紀「いや、わからないよ。阿部選手にお願いしてサイン決めて、投げるかも知れないし!」

P「……」

友紀「よーしっ! じゃあ投げるよプロデューサー!」ザッ

P「ちょ、ちょっと待て」


ビュッ


友紀(あ、ちょっと抜けて低めに行っちゃった)



ボトッ


友紀(プロデューサーの手前で地面に落ちちゃった)


キーン


P「うごっ」

友紀(あ、プロデューサーの股間に……)


ガクッ


友紀「……プロデューサーっ!!」


……



P「あーイテェ……大丈夫かなこれ……」

友紀「プ、プロデューサー大丈夫? ひ、冷やしたりしなくても……」

P「い、いや結構。もうある程度引いて来たから」

友紀「ほ、ほんとに大丈夫?」

P「あぁ、大丈夫大丈夫。ただもう少し休ませてくれ」

友紀「わ、わかった。いやーファールカップも持ってくれば良かったか……」

P「……持ってるのか?」

友紀「うん」

P「……そうか(何でそんな物を……)」



カーンッ


P「ん、バットの音? あぁ……あっちのグラウンドで草野球してんのか」

友紀「あ、ほんとだっ」

P「家族連れの応援もいるみたいだなぁ……遠目から見ても、何かのどかだ」

友紀「そうだね」

P(今日は風もちょうど良いくらいに吹いてるし、こうやって草場に体放ってるのも良いなぁ)

P(遠くから響くバットの音と、風が草を撫でる音を聞きながら、太陽に身を晒す、ってな)

P(うーん……詩的な事考えても痛み引かないな……)

友紀「ねぇプロデューサー」

P「……ん? どうした友紀」

友紀「ちょっと見に行こうよ。草野球」

P「え? 別にいいが……お前が行ったらちょっとした騒ぎになるぞ?」

友紀「そんなの大丈夫だって! 応援しに行こうよ、プロデューサー!」グイッ

P「お、おい友紀っ」

友紀「大丈夫大丈夫! 投球練習もあるし、プロデューサーが痛くなくなるまでの間だから!」

P「……はぁ、全く……わかったよ」


……

キンタマー



友紀「かっとばせー!」


カーンッ


友紀「打った打った! 二塁に行ける……よし! 勝ちこしのランナーが出たよプロデューサー!」

P「あぁ。しかし……お前どっち応援してるんだ?」

友紀「どっちも!」

P「あぁそう……」

友紀「いやぁー、やっぱり応援するのって良いよね!」

P「あぁそうだな。しかし、やっぱりサイン攻め喰らったな友紀」

友紀「あははっ、まぁね! あたしもそれなりに有名って事だよ!」

P「野球好きな人なら、そりゃ知ってるか。でも、ゲームの進行、少し遅らせちゃったんじゃないのか?」

友紀「平気だよ! 皆大丈夫だって言ってくれたから!
   それに、いつも応援して貰ってるんだからこういう時に返さないと!」

P「そうか……まぁ、それなら良いか」

友紀「でも、結構ゲームの進行早いね。もっと遅いのかと思ってたけど、もう9回裏だよ」

P「そうだな」

友紀「そして四番打者だよー……くぅーっ、用意されたみたいな場面っ……」

P(本当に、野球が好きなんだな)

キンキンター


友紀「あぁーっ、ボール球振っちゃった……まだワンストライク、行けるよーっ!」

P(9回裏、一点差の状態から同点まで持ち直し、続くバッターは四番……既にツーアウトここで取られれば終わりか)

友紀「オーオオオーヘイ! オーオオオーヘイ! ほらっ、プロデューサーも!」

P「う、歌うのはちょっと……」

友紀「あぁーっ、ツーストライク……プロデューサーが歌わないから……」

P「えー……」

友紀「ほら、歌って! あたしの真似で良いから!」

P「あっはい」

友紀「オーオオオーヘイ! オーオオオーヘイ! オーオオオーオオオオオーヘイ!」

P「おーおおおーへい! おーおおおーへい!」



ビュッ
カーンッ


友紀「打った! 右中間真っ二つ! 三塁回って……やったーっ! 逆転サヨナラ勝ちだーっ!」ギュウッ

P「わ、わーい……友紀、放しなさい。見られてるから」

友紀「え? あ、あぁごめんっ……つい……」

P「しかし、綺麗に打ったなぁ」

友紀「うん! いやーピッチャーもあそこで際どい球投げてきたけど、あのバッターも上手く返したね!」

P「ふぅ……さっ、挨拶して戻ろうか。キャッチボールの続き、するんだろ?」

友紀「そうだね! 試合を見させてくれて、ありがとーございましたーっ!
   どっちも頑張ってて、楽しい試合展開でしたーっ!」


「おーう!」
「応援ありがとねー!」
「また来てねー!」


友紀「さよならーっ!」


P「ほら友紀、飲みもの。声出して疲れたろ」

友紀「おっ、サンキュープロデューサー! 気が利いてるねぇ」ゴクゴクッ

P「ビールじゃなくて麦茶だけどな。まぁ原料同じだしそれで我慢してくれ」

友紀「ぷはーっ! あははっ、欲を言えばビールが良かったなぁ。けど、ありがとっ」

P「あぁ。さてと……昼まで、だったよな。もうあまり時間ないけど、やろうか」

友紀「うん! じゃあまずは肩温める為に、キャッチボールやろうか!」

P「あぁ。」

友紀「行くよー! えいっ!」ビュッ

P「おっ、と。ナイスボール」パシッ

友紀「ばっちこーい!」

P「……よっと」ヒュンッ

友紀「ナイスボール!」パシッ

P「ようし、来い」

友紀「やっ」ヒュッ

P「よっ」

友紀「へへっ、良い球」

P「……」パシッ


友紀「それにしても、さっきの試合は良かったねー」

P「あぁ、そうだな、っと」

友紀「あのヒットが出たのは、プロデューサーの応援が効いたのかもね!」

P「俺の?」

友紀「そうだよ!」

P「何か恥ずかしかったから、ちょっと声出なかったけどな……本当に効いたか?
  友紀の応援だけで十分だったろ」

友紀「そんな事無いって! ちゃんと気持ちは届いてたよ。きっとさ!」

P「……そうかな」

友紀「そうだよ。プロデューサーには、何か凄いパワーみたいなのがるんだよきっと!
   だからあたしは、プロデューサーの応援で、いつも凄く頑張れてるんだから、さっ!」

P「おっと……そうか……」

友紀「うん! プロデューサーの采配と応援で、あたしは気持ちよくライブもできるんだよっ!
   プロデューサーの声は、どんな歓声の中でも、あたしのハートに届いてるから!」

P「……そう、か。それは……嬉しいな」

友紀「名将の監督としても、キャッチャーとしてもしっかりあたしの全力を受け止めてくれる。
   プロデューサーは、あたしの頼れるパートナーだから!」

P「そうか……だけど、なんか前半だけ聞くといつぞやの古田みたいじゃないか?」

友紀「あははっ、じゃあ眼鏡もかけてみてよ! きっと、似合うって!」

P「いや、遠慮しとこう。目はマサイ並に良いんだ、よっと」

友紀「ほっ。じゃあ守備も問題無いね。選手は目も命だから!」

P「そうだな」


友紀「あたし達は、最強のバッテリーだよね!」ビュッ

P「……あぁっ」パシッ

友紀「ふぅ……よしっ、肩温まった!」

P「そうか、なら……よし、準備良いぞ。す、ストレートだけでお願いな」

友紀「へへっ、オッケー! じゃあ、全力ストレートで……」ザッ

P「……」

友紀「ふっ!」ビュッ

P「……」バシッ

友紀「ようし、ド真ん中!」

P「……良い球だ。ちゃんと走ってるよ」

友紀「ほんとにっ?」

P「あぁ、これなら始球式で選手も驚くぞ」

友紀「よし!」

P「まだ時間あるし、ほら、もっと投げてみろ」ヒュッ

友紀「うんっ! まだまだスタミナはあるからね、どんどん投げるよ!」パシッ

P「あぁ、どんどん投げて来い!」


……



P「ふぅ……朝から、中々疲れたな」ギコギコ

友紀「へへっ、あたしはまだまだいけるけどね!」

P「そうか。後ろに乗るなら、落ちないようにちゃんと捕まってろよ?」

友紀「おーう!」ギュウッ

P「いやちょっと痛いかなそれは……まぁ、いいや。さすがに土手沿いにおまわりさんはいないから大丈夫だろ」

友紀「見つかったら全速力で飛ばせばまけるってっ」

P「無理だよ体力的に……」

友紀「大丈夫だって、あたしが後ろで応援してあげるからさっ」

P「それはむしろ目いっぱい後ろで動かれてこけそうで不安だ……」

友紀「へへっ、ファイトー! プロデューサー!」

P「わかった、わかったからあまり動かないでくれ。速度出してないから案外バランス取るの難しいんだ」

友紀「わかったっ。じゃあ動かないよっ」ギュウッ

P(本当にわかっているのか……)


友紀「……」

P「……」ギコギコ

友紀「なんか、良いなぁこういうの」

P「ん?」

友紀「青春って感じじゃない? 自転車に二人乗りして、土手走るとかさ」

P「そ、そうか……」

友紀「風、気持ちいねぇ……」

P「……あぁ」

友紀「プロデューサーの背中、結構広いなぁ……なんて、言ってみたり……」

P「……」

友紀「プロデューサー照れた?」

P「い、いいや」

友紀「あ、今噛んだ。照れたんだ」ケラケラ

P「はぁ……いらん事ばっかり言ってると、降ろすぞ」

友紀「ごめんごめん」


P「……そういう事言われると、勘違いするだろ」

友紀「え?」

P「さて、少し速度上げるか。次も……はぁ、あるみたいだしな」

友紀「プ、プロデューサーさっき……」

P「行くぞ!」ギーコギーコ

友紀「わっ!」

P「捕まってろよー、友紀」

友紀「……へへっ、まぁいっかっ。さぁ、かっ飛ばせー! プロデューサー!」


――


P「ただいま戻りました……」

ちひろ「お帰りなさい。どうでした?」

P「えぇ。結構楽しかったですね。野球みたり、キャッチボールしたり」

ちひろ「ふふっ、そうでしょうそうでしょう」

P「友紀はデイゲーム見に行くとか言ってたんで、駅まで送って来ました」

ちひろ「あぁ、今日は……スターの球団とですか」

P「明日は上機嫌ですかね」

ちひろ「どうでしょうねぇ、一寸の虫にも五分の魂と言いますから」

P「ですね。で、次は誰ですか」

ちひろ「あら、案外乗り気ですね」

P「アイドルが頑張って得た御褒美なら……無碍にするのも駄目でしょう。
  俺がした約束では無いにしろ、まぁ、守ってみせますよ」

ちひろ「さすがこのプロジェクトの出資者ですねぇ」

P「良心しか出して無いですけどね」

ちひろ「さて、二番バッターは>>39ですよ」

kwsm

サンキューユッキ
ラブリーユッキ

千鶴ちゃん

ちゃんみお

あずき

若林さん

音葉さん

安価42にしようと思ったけど遠いからやめた

PRAの女神か
了解、また溜めてきます

ひゃっほーう☆
楽しみ。よろしくお願いします。


ちひろ「さて、二番バッターは智香ちゃんですよ」

P「智香ですか。あぁ、それならまともな部類でしょう……。
  むしろいつも応援して貰ってますから、返してあげないと。そんな風に友紀も言ってましたし」

ちひろ「ふふっ、そうですね」

P「あ、でも、こういう機会は良いとは思いますけど、次はちゃんと言って下さいね。
  こっちも、そういう用意とかできるので」

ちひろ「は、はい。そうですね、すいません……」

P「まぁ、今回は良しとしましょう。しかし智香かぁ……そろそろ事務所に来るんですか?」

ちひろ「いえ。そろそろPさんの携帯に連絡でも……」

P「連絡?」


ピルルルルッ


P「ん、俺の携帯か。もしもし」

智香『あ、もしもし。Pさんですか?』

P「あぁ、智香か。どうしたんだ? なんか、俺にお願い事あるんだろ?」

智香『はい。その事で電話したんです』

P「は、はぁ……そうか。まぁ電話越しでも良いから言ってくれ。あ、でも、できる範囲には限りがあるからな。
  それだけは際限を考えてくれ」

智香『アタシのお願いは――』


……



ガヤガヤ……


「「「GO! FIGHT WIN!」」」


P(統率のとれた動き……リズム良く、軽快に鼓動するBGM……)

P(その中で少女達が躍動し、弾けるように舞っている)

P(四肢をキレ良く振り、止め、漲らせる)

P(チアリーディング……本物で見ると、案外凄いなぁ……)

P(うおっ、ムーンサルトって言うのか? やっぱ凄いなぁ……)

P(BGMもそろそろ佳境……大技が出るかな……)

P「お、智香が上か」

P(三段タワーか……横から二人……支えられるか?)



智香「……」グッ


P(お、ちゃんと捕まえた)


「「「WE‘RE No.1!!」」」


P「おぉー」パチパチ


『以上で、チアリーディング部の演目を終了致します』


パチパチパチパチ


P(まさか、こうやって学園祭に呼ばれるとはな……智香のお願いは、これか……)

P(こういう事なら別に、ああいう大仰な物を使わなくても行ったのにな……)

P(それにしても、凄いな。アイドル業もしてるのに、よくあそこまで……)

P「……さて、終わったらあっちで待つんだったか……」


……


智香「お待たせしましたっ」

P「やぁ智香。さっきの演技、とっても良かったよ」

智香「あ、見てくれました?」

P「あぁ。ちょっとグラウンド近くは露店とかがあって人が多かったから、校舎の二階から見てたよ。
  ともかく、お疲れさま」

智香「へへ、ありがとうございますっ」

P「今の時期だと、三年生は引退かな?」

智香「はい。だから、アタシ達の学年が部を引っ張っていかないといけないんです」

P「へぇ、大変だそれは」

智香「いえ、これからもっと大きな技とかにも挑戦できるようになりますし、前より楽しいです!」

P「そうか。まぁでも、智香達がそういうのを覚えたら楽しみだな。あのキレなら技も映えるだろう。
  部員も、統率がとれてるし」

智香「はいっ。皆で一丸となってこれからも頑張りますっ!」

P「ははっ、良い返事だ。さてと……智香のお願いは、俺に文化祭に来てほしいって言うので、本当に良いんだな?」

智香「そうです!」

P「……言っては何だが、これくらいの事ならただ単に言ってくれれば普通に行ったのに。
  何もあんな大仰な物を……」


智香「いえ。わざわざPさんの休みの日に呼ぶのは少し気が引けたので。
   それに、いつもアタシ達の為に頑張ってくれているPさんを、本気のチアでどうしても応援したかったんです!
   だから、サプライズも兼ねてみようかなって」

P「……そうか。ありがとう智香。何だか、そういう事言ってくれるだけで来て良かったと思うよ。
  ありがとう智香」

智香「えへへ、そう言って貰えると嬉しいですっ」

P「さて……あ、お昼、食べたか? あんな演技するくらいだから、もう食べちゃったか」

智香「いえ、Pさんと食べようと思って、お昼はまだ食べてません」

P「ん、そうか……気を遣わせたな。じゃあ、屋台も沢山あるし買って食べようか。
  どうせ安いし俺のおごりだ、遠慮しないでくれよ」

智香「ありがとうございます!」

P「どういたしまして。しかし、なんかこういう雰囲気も久しぶりだなぁ……。
  でも、やっぱりお祭りって感じは出てて良いな。客寄せの子達も元気だし」

P(なんかティンと来る子がいたら一応観察しておこうか……)

智香「そうですね。皆で頑張って企画したりしましたから、どこのブースも楽しそうです!」


P「智香のクラスは、何を出してるんだ?」

智香「うちはチュロスの屋台をやってます!」

P「チュロスかぁ……なんだか、智香らしいな」

智香「え、そうですか?」

P「いや、なんというか、チュロスは元気そうなイメージが……何言ってんだろうな俺は。
  すまん、良い言い方が思い浮かばない」

智香「えへへ、大丈夫ですっ。そう言って貰えて、何だかアタシも嬉しいです!」

P「……そうか」

智香「他にも色々屋台はありますから、沢山回りましょう! さぁ行きましょうPさん!」グイッ

P「おっと……そんなに引っ張らなくても逃げたりしないよ」


……



P「タコ焼きか……すいません、これ2セットで。え、チーズ? いや、タコだけで。はい、はいこれで」

智香「タコ焼きですか」

P「あぁ、智香も食うか?」

智香「はいっ。あ、じゃあPさんが食べさせて下さいっ」

P「え? それは……駄目だろ。この人だかりで……」

智香「あ、そうですね……えっと、じゃあついて来て下さい」

P「え? どっち行くんだ」

智香「こっちですこっち」

P「あぁ……ん、ここは……」

智香「駐輪場です。基本的にこの時間は誰も来ませんし、ここなら落ちついて食べれますよっ」

P「……そ、そうか」

P(コンクリ塀で囲まれて……中々厳かな場所だな)

智香「じゃあ、食べましょうか」

P「あぁ、ヤキソバも買ったしな。ほら、智香の分」

智香「ありがとうございますっ。じゃあ、いただきます!」

P「いただきます」ズルズル


智香「んーっ、おいしいですね!」

P「そうだな。なんか、懐かしい感じだ」

智香「デザートにはチュロスもありますからねっ」

P「あぁ。まぁ、予想通り茶化されたがな」

P(色々聞かれたな……兄だとか、あらぬ関係じゃないかとかいう好奇の目で見られたりもした)

「この人がプロデューサーさんなの?」
「この前の話本当ですか?」
「智香の事どう思ってるんですか?」
「他のアイドルとか呼んで下さいよ!」

P(マスコミかそれ以上の好奇心だった……最後のはちょっと小突いてやろうかと思ったがな)

智香「えへへ、Pさんと食べるとおいしいですね!」

P(横で聞いてた智香は、困ったような満足したような顔して色々話してたがな……)

P「そうか。あ、タコ焼きも食べるか?」

智香「はいっ。じゃあ、あー」


P「どうした……あ、俺が食べさせるのか?」

智香「はいっ」ニコッ

P「(良い笑顔で返事するな)……わかった。でもちょっと待て、このままじゃタコ焼きなんだから熱いぞ。
  火傷しないように冷ますからな」

P(ようじで割って、息かけてれば大丈夫だろう)フーフー

智香「さすがPさんは気が利きますねっ」

P「(芸人気質の相手なら冷やさないかもだけどな)ほら、どうぞ」

智香「あー……ん……おいしいですっ!」

P「そうか」

智香「じゃあアタシもお返しに……ふー、ふー……はい、Pさんっ」

P「え、俺もかい?」


智香「あー……」

P「(笑顔でタコ焼きを迫らせてくる……)あ、あー……」

智香「はいどうぞっ」

P「んぐ……」

智香「どうですか?」

P「……お、おいしいよ」

智香「えへへっ、良かったですっ」

P(……なんか、気恥かしい。そして、誰かに見られてないか注意するのも、中々気を遣う)

智香「じゃあ今度はPさんの番ですねっ」

P「あ、あぁ」

P(まぁ、智香が楽しそうなら良いか……)

智香「あーっ……」


……


P「へぇー……中にも色々あるんだな。基本的に……パンフを見る限り一年生が校舎の中で出し物をしてるのか」

智香「はい。二年生が屋台をやってます。三年生は、基本的に出し物は無しで自由行動って感じです」

P「成程なぁ……」

P(ご飯を食べ終わって、チュロス片手に校舎内に移動したが……本当に色々あるな。
  何々、定番のおばけ屋敷に……あぁ茶道部とかもあるのか、それは盲点だったな)

智香「あ、Pさん」

P「ん、何だ」

智香「ここなんてどうですか?」

P「ここは……占いか。へぇ、そういうのもあるのか」

智香「ちょっと行ってみましょう!」

P「あぁ、そうだな」

智香「えへへ……」

P「ん、どうした?」

智香「いえ、なんかこうしてPさんと一緒に回れるのは楽しいなって」

P「そうか。それは、なによりだ」

智香「はいっ。あ、ここは逆の校舎でしたね。こっちですPさんっ」

P「あぁ、わかった」


……


「いらっしゃいませ。さぁどうぞこちらに」

P「あっはい(魔法使いの格好してなんか生徒が座ってるぞ。なんだこれ)」

「ささっ、どうぞお二人ともそこに座って下さい」

P「は、はぁ(少しでも雰囲気だそうと黒いカーテンをして明りを遮ってはいるが……照明はさすがに消せなかったみたいだな)」

智香「何だか本格的ですねPさんっ」

P「あ、あぁそうだな(どうなんだ、これは。仰々しく水晶も置いてあるけど……)」

「ようこそいらっしゃいました、我が組の占いの館へ」

P「(この女の子は役になりきってるな……)は、はい……」

「さっそくですが、一体何を……占って欲しいので?」

P「(凄いなノリノリだ)えっと……智香、何を占いに来たんだ?」

智香「あ、えっと……」

「いやみなまで言わなくてよろしい」

智香「えっ」


「わたくしにはわかっておりますよ……若林智香さん、貴女の占いたい事が」

P(名前を知ってますよという雰囲気を出したいのか。そりゃこの学校でなら誰だって知ってるとは思うが……)

智香「わ、わかるんですかっ」

「えぇ勿論。それは……」

智香「それは……」

「こちらの方との、相性でございますね?」

智香「わっ、凄い! 当たってますよPさん!」

P「あ、あぁ(当たってるんだ……)」

「それでは、わたくしが占ってあげましょう……」

智香「……」ゴクッ

P(演劇部の子かな。顔立ちも悪くないがいかんせん地味か……いや案外化けるタイプかも知れない……。
  いや、今はそんな事考えたら駄目か。智香に集中しないと……)

「それでは……」

P(お、水晶で占いでもする気かな?)


「よいしょ……」ボンッ

P(え、なんか分厚い本だしたぞ)

「えっと……どのページだったかな……」

P(えぇー……ノリノリで演技してたのに本出すのか……いや、まぁ、高校生だしそんなもんだよな、うん)

「あれ、付箋が……ねぇー、どこだっけー相性占いのページー」
「最後の方じゃなーい」
「あーっと……あったあった。オホン……では気を取りなおして……」

P(あのノリ続ける気だ……たいした子だ)

「お二人の相性は……あ、貴方の名前聞いてなかったですね」

P「あ、Pと言います」

「はいPさん……えっと画数……」

智香「……」

「おお、これはこれは」

智香「どうなんですか?」


「良いですねぇ……非常に良い」

智香「本当ですかっ!」

「えぇ良いですねぇ。お互いの事を理解し合え、どんな事でも二人なら乗り越えられる。そういう示しがでてます」

P「(なんとも大仰な……)そ、そうですか」

智香「わぁ……やりましたねPさん!」

P「あ、あぁそうだな」

「落ちつきがあり包容力のあるPさんと、ぐいぐいと人との距離を縮められる智香さんの相性は非常によろしい。
 相手を尊重し合い、仕事や果ては恋愛でも上手く行く事間違い無し」

智香「れ、恋愛もですかっ」

「えぇ。この本にも書いてある」

P「(そのセリフはダメだろ……)そ、そうですか」

「えぇ、他にもですね……」

智香「はいっ……えぇっ、本当に?」

「えぇそれはもう」

智香「えへへ……」

P「……」


……


智香「楽しかったですね占い!」

P「あ、あぁ……そうだな」

P(面白い子だったなぁ……)

智香「どうかしたんですかPさん」

P「ん? いや、なんだか面白いブースだったなって。やってた子達も面白かったし」

智香「へへ、そうですねっ。なんだか、凄く引きこまれちゃいましたっ」

P「そうだな……えっと……あ、もうこんな時間か。次の子もあるから時間は守れと言われたが……案外短いな」

智香「もうそんな時間なんですか」

P「あぁ、すまん。もう戻らないと」

智香「じゃあ……校門まで見送ります。お話しながら、行きましょう」

P「ありがとう。じゃあ、行くか」

智香「んんー、今日は沢山楽しんだなーっ」

P「あぁ、そうだな」

P(いつの間にか、人も少なくなってるな。もう一般開放も終わって、片付けの時間か)


智香「今日は休みの日なのに、アタシの我がままを聞いて下さって、ありがとうございました! とっても楽しかったです!」

P「あぁこちらこそ。むしろ、こういうイベントに呼んでくれるならこちらも大歓迎だ。
  次は来年の運動会にでも顔を出しに行くよ。休み、今のうちにでも確保しておきたいくらいだ」

智香「えへへ、そう言って貰えると、嬉しいですっ」

P「チアリーディングの方も、相変わらずとっても綺麗だったな。
  やっぱり団体の方が見栄えは良いな。まっ、それは当然か」

智香「はい。でも、他のアイドルの子達と一緒にライブするのは、チアと同じくらい元気が出て、
   皆を応援するぞーっていう気持ちが溢れてきますっ!」

P「ははっ、そうか。確かに、他の皆も智香に押されるみたいに、活気付いてくれるしな」
  どうだ。俺が見た限りじゃ学校の方も順調みたいだけど」

智香「はいっ。友達もたくさんいますし、勉強もまだ分からない所は無いですし、毎日楽しいです!」

P「そうか……仕事も最近増えてきたから、色々支障が出てないか? 無理してないよな?」

智香「大丈夫ですよ。アイドルも、とっても楽しいですからっ」

P「そうか、そうか」

智香「……」

P「……ん、どうした智香立ち止まって。なんか忘れ物か?」

智香「Pさんは……」

P「ん?」


智香「Pさんは、無理とかしてませんよね?」

P「俺か? 俺は大丈夫だよ。毎日七時間は寝てるし、ご飯もバランス気にしながら食べてる。
  健康診断だって受けてるし、休みは週休一日必ずあるから」

P(最近それが少ないのか多いのかわからなくなってきたけどな)

P「無理はしてない。俺も智香みたいに、この仕事を楽しんでるよ。
  まぁたまーに、落ち込む時とかもあるけど、その時は智香に励まされたりしてるから」

智香「そうですか……えへへ、今日はなんだか、沢山Pさんに褒められちゃいますねっ」

P「いつもこれくらい言ってるつもりだが……つもりじゃ、駄目だなやっぱり」

智香「……Pさんは」

P「うん?」

智香「Pさんは、さっきの占い、信じますか?」

P「え?」

智香「いえ、あの、占いの結果を聞いている時に、何だか難しい顔をPさんがしてたので。
   もしかしたら、嫌だったんじゃないかなって……」

P「……いや、別に嫌じゃないよ。まぁ、気恥かしいというか何と言うか、
  どういう顔をしたら良いのかわからなかったから、難しい顔をしてたんじゃないかな」

智香「……」


P「まぁでも、嬉しい結果ではあったよ。ただ、今更言われるまでも無いかなって思うけど」

智香「どういう事ですか?」

P「いや、今まで二人で散々仕事を成功させてきたし、智香とも仲は良いし、
  そんなの分かり切ってるじゃないか」

智香「Pさん……」

P「まぁ、こういう風にちゃんと口に出して言う機会はあるようで無いから、あの占いも役には立ったって事だよ。
  だから何も気にする事は無いさ」

智香「そ、そうですか……えへっ、そうですねっ!」

P「あぁ。ん……くそ、時間か。ごめん、そろそろ戻らないと。後の子が、少し、な」

智香「はいっ。今日は本当にありがとうございましたっ!」

P「いやいや。じゃあ、またな」

智香「……あの、Pさん!」

P「ん、何だい?」

智香「これからも、お仕事頑張って下さい! アタシは、Pさんの傍で、ずっと応援してますからっ!」

P「……あぁっ。俺も、智香と同じ気持ちだよ」

智香「……えへへ。じゃあ、また明日っ!」

P「また明日」


……



P「戻りましたー」

ちひろ「あ、おかえりなさい。どうでしたか?」

P「楽しかったですよ。なんか、俺まで学生に戻ったみたいでした。
  あっ、それと、智香のチアの動画撮って来ましたけど見ます? カッコ良いですよ」

ちひろ「あ、良いですね。私にも見せて下さい」

P「ほら、これですよこれ」

ちひろ「どれどれ……あ、ここにいるのが智香ちゃんですか」

P「そうですね。あ、ここ見て下さい。ここで智香がですね、上になって……」

ちひろ「うわー……持ちあげられて片足で立ってる……凄いですね」

P「でしょう? それでですね、ちょっと飛ばしますけど、智香がトリ飾るんですよトリ」

ちひろ「あ、三段になってますね。横から二人……おぉ、支えて……決めましたねぇ」

P「いやぁ智香もやっぱり凄いですけど、周りの子も凄かったですねぇ……」

P(ちょっと調査すれば良かったか)


ちひろ「映ってる子達をスカウトするのはやめて下さいねー。枠という物があるので」

P「……はい」

ちひろ「見境なくスカウトしてくるんですから……でも、智香ちゃんの演技凄いですね。
    私も行きたかったです」

P「ふふっ、良いでしょう」

ちひろ「(プロデューサーさん楽しんでますね)えっと……ん、時間ですね。
    最後の子に券を使う子は>>66です」

流石に人いないな

ksk

ちゃま

智香さんの性格掴めないな……中々難しい
うちの母ちゃんと名前同じなのも含めて書くのが何だか難しい子やった

奏か、時間帯は夜だからどうなる事やら

素晴らしい智香でした。
元気で大らかで、可愛かったです。
ありがとうございました。

おつ
カーチャンは難しいなw


ちひろ「(プロデューサーさん楽しんでますね)えっと……ん、時間ですね。
    最後の子に券を使う子は奏ちゃんですね」

P「かな、で……奏、ですか」

ちひろ「ちょっと意外でしょう?」

P「ですね。奏は事務所に来ると? それとも、またどこからか連絡を?」

ちひろ「さぁ。でも、一応連絡はすると言ってましたけど」

P「そうですか。まぁ、とりあえず待ちましょうか」ピルルルル

ちひろ「早速来ましたね」

P「えぇ。はい、もしもし」

奏『もしもしPさん? 前の子の用事は、もう済んだの?』

P「あぁ済んだよ。次のクライアントは奏か」

奏『ふふっ、そうね。お仕事してたらなんかPさんを好きにして良い券って言うの貰ったから、使わないと損かなって思って』

P「そうか……それで、奏のお願いって言うのは?」

奏『そうね……』


……



P「やぁ、奏。待たせたかな」

奏「ううん、大丈夫よ」

P「ご飯は食べたか?」

奏「売店で何か買って食べましょう。そうじゃないと、始まっちゃうわ」

P「そうか。じゃあそうしようか」

P(奏のお願いは一緒に映画を見て欲しいというものだ。案外、普通のもので良かった。
  ただ、少し昼頃にはしゃぎ過ぎたから寝ないようにはしないとな)

奏「……ふふっ」

P「ん、どうした?」

奏「こうしてデートするのも久しぶりだと思って」

P「ん……そうだな、バレンタイン以来か。
  最近は仕事が忙しくてする暇無いし、そもそも周囲の目があるから……。
  いやそれ以前にアイドルとデートは……」

奏「でも、息抜きだって必要よ。仕事が増えるのは嬉しい事だけど、こういう風に楽しむ時間もないと」

P「まぁ……それはそうかも知れないが」

奏「はいはい、反論はそこまで。今日のPさんは私に買われてる訳なんだから、文句は無しよ」

P「買われてる……はぁ……はい、文句は無しです」

奏「ふふっ、良い返事ね」


P「……さて、奏は何食べる?」

奏「来る前に少しだけ食べてきたから、私はポップコーンだけで大丈夫よ。
  Pさんはホットドッグでも食べれば?」

P「そうだな、二つくらいあれば足りるか。奏、飲み物は何が良い?」

奏「コーラで良いわ」

P「よしわかった。ところで奏、何見るんだ? アクション?」

奏「それは……ふふっ、入るまで内緒よ」

P「内緒……」

奏「まぁ、楽しみにしておいて。きっと……面白いから」

P「……そうか」

奏「ほら、もう15分前になったから急ぎましょうPさん」

P「あ、あぁ。そうだな」

奏「……ふふっ」


……


奏「5番……ここだよPさん」

P「(何やるんだ、ポスターは……)ん?」

奏「どうかしたの?」

P「い、いや……奏、これ……」

P(ポスター見る限りこれ、恋愛映画じゃないのか?)

奏「ふふっ……ちょっとした気まぐれよ。一人で見るのはむずがゆいけど、Pさんとなら……ね」

P「は、はぁ……」

P(一体どういうつもりだ? 恋愛映画苦手なんじゃないのか?)

奏「入りましょう、Pさん」

P「あ、あぁ……」


……


P「……」

P(あまり大きな映画館じゃないけど、結構空席が目立つな……いや、逆に小さいから空席が多いのか。
  まぁ、いるとしても俺達も含め男女の二人連れしかいないが……)


フッ


P(照明が落ちた……一番後ろの席でも、案外見やすいかな)

奏「始まるね、Pさん」

P「あ、あぁ……ポップコーンはここ置いておくからな」

奏「わかったわ」

P(予告もつつがなく進み、もう一段の照明も消されてしまった。そして、本編が流される)

P(邦画だった。各種の広告で見た事も無く、原作があるのかもわからない無名の映画だ)

P(主人公は容姿端麗なキャリアウーマンだ。彼女の特徴は、悪く言ってしまうと仕事以外の事を知らない。
  恋愛など眼中に無く、仕事が己の意義であり義務である。そう信じて疑わない程に仕事一筋の女性であった)

P(しかし、彼女は仕事で重大なミスを犯す。予期し得ないミス、多大なる損失。
  何がいけなかったのか、自分は完璧にこなしていたはずだった)

P(その損失の裏を探るうち、彼女はそのミスが仕組まれた物だと知る。
  彼女の才能、容姿を妬む同僚に彼女は貶められたのだ)

P(その事を追及する前に、彼女は会社を追い出される。今まで仕事でしか自分の価値を見いだせなかった彼女は、
  その価値を奪われてしまったのだ。彼女はただ、無気力に打ちひしがれていた)

P(茫然自失。彼女は公園のベンチに座り、着る意味も無いスーツを着て、ただぼうっと虚空を眺めていた)


P(……しかし、そんな彼女に運命が降り懸かる)


「……すいません」
「……」
「すいません、貴女です。貴女」
「……私?」


P(アイドル事務所の……プロデューサーだと名乗る男が、彼女の前に現れた。
  そして彼女をアイドルにスカウトした)

P(主人公はその突然の提案に驚いたものの、半ば自暴自棄に、主人公は彼の手をとった)

P(それが自分の運命だと気付かずに)


「これが……私……」
「どうでしょうか。お気に、召しましたか?」
「……えぇ、とても……もっと早く、貴方に……」


P(彼女は変わった。煌びやかなステージに立ち、まさしくシンデレラとなった……。
  なった……が……)

P(……奏、絶対内容調べてたな。俺と同業者が出る映画とは……)

P(奏はまだ黙って映画を見ている。苦手と言っていたが、さして顔色が変わる気配も無い)


P「……ん」ポリポリ

P(ポップコーン切れちゃったか。ホットドッグ二つ食べたけど、案外足りない気がするな。
  まぁ、後は飲み物でも飲んで繋げるか)

P「ふぅ……」

P(映画館の座席って、案外固いんだか柔らかいんだかわかんないよなぁ……。
  ずっと座ってると痛くなってくるし)

P(もぞもぞ体が勝手に動いてしまう)


「私……」
「大丈夫。観客、ファンは全員味方です。もしダメだと思っても、その時はファンの皆が応援してくれます。
 目いっぱい元気づけてくれますから、それに応えれば良いだけです。だから絶対に、大丈夫」
「……大丈夫」
「最初の、あのライブとやる事は変わりません。だから……」


P(……俺も、ああいう事を言った方が良いのだろうか。案外、忘れてるだけで言っているのかもな)


「……ねぇ」
「なんですか?」
「私達は……これからも、一緒よね」
「……えぇ」
「こうして、手を握って……いられるのね」


P(俺も、ああいう事したっけ……どうだったかな。
  いつもああいう大一番の場面だと、その場の熱に絆されて動いてるからしてるのかもな)


ギュッ


P「……ん?(なんだ、手が……握られ……)」


奏「……」

P(か、奏……なんだ、突然手を重ねてきて……)

奏「……」クスクス

P(からかわれてるのか……)

奏「……」

P(顔はスクリーンに向けて、笑ってる……俺の反応を横目で愉しんでるな……)

P「……」

奏「……」

P(……添える程度の力加減、振り払うのは容易いが……ここは、我慢比べと行くか。
  いつもからからわれて終わってるんだ、少しは意地を見せろ)

奏「……」



「最高の、ライブでした。自分も……心が躍りました」
「ありがとう……これも、貴方のおかげ……貴方の……」


P(物語も佳境に入る。主人公は大一番のライブを成功させ、一気に世間に知られるようになった)

P(二人の心の距離はどんどん近付いていく。相棒、そんなものじゃなく、もっと親密な……。
  男女の仲になっていってしまう)

P(キッカケなんて無かった。ただ自然と、互いが歩み寄るようにその関係になっていた。
  男も、主人公も、内に燃えた炎を消そうともせずに……)

P(……これ、良いのか? 背信行為じゃないのか……)

奏「……」

P(あれから何十分か経ってるのに相変わらず、手は握られたまま……。
  映画の内容は何とか頭に入ってるけど……どうしても意識してしまう。案外、俺も純情か……)

奏「……」

P(奏も苦手とか言いつつ、案外涼しい顔で見てるじゃないか……。
  ん……あ、あぁ……あぁついにキスシーン始まったよ……)

P(なんか気まずいな……)

奏「……」



ギュッ


P「ん……お、おい」

P(ゆ、指絡め……)

P「か、奏。指の間に……指絡めるなって」ボソボソ

奏「……Pさん」

P「な、なんだ」

奏「映画中は……静かに、ね」

P「……」

奏「それに、Pさん」

P「……なんだ」

奏「この手の繋ぎ方は……恋人繋ぎって言うのよ。名前くらい、知ってないと」

P「……」

奏「ほらPさん、映画、見ましょう」

P「……」

P(映画は続く。手に絡んだ妙な微熱に魘されながら、目の前で起こる愛憎を俺はただ見つめる)

P(お、俺は……どうしろって言うんだ)


……


奏「んー……終わったね、Pさん」

P「あ、あぁ……そうだな」

P(結局、ずっと手は握られたままだった……)

奏「じゃあ、出ましょうか」

P「あ、あぁ……なぁ奏」

奏「何?」

P「……手」

奏「手?」

P「いや……その……」

奏「ふふっ……手が、何?」

P「いや、もう出なきゃいけないだろ、だから……手を、放してくれ」

奏「そう……まぁ、そこまで言うなら、しょうがないわね」

P「……はぁ(やっと解放されたか)」

奏「じゃあ、出ましょうか」

P「……そうだな」


……



奏「恋愛映画だったけれど、案外面白かったわ。Pさんは?」

P「え? あ、あぁ……そうだな(俺はそれどころじゃなかったよ……)」

奏「ふふっ、そう。でもやっぱり、Pさんとだからあの映画も楽しめたのかもね」

P「……そりゃあ、楽しかっただろうな」

奏「あら、何か含みのある言い方ね」

P「奏……も、もうああ言う事はやめてくれよ?」

奏「ああいう事って?」

P「だから……いきなり手を握ってくるのは」

奏「あぁ、さっきの。でも手を握っちゃいけない理由なんてあるのかしら」

P「あるだろう。もし誰かに見られたらどうするんだ。
  あそこは暗かったから良かったものの……」

奏「そう……そうね。じゃあ、これからは誰にも見られない所でするわ」

P「そういう問題じゃ……」

奏「ふふっ、そんなに手を握られるのが嫌?」

P「いや、そうじゃないが……」

奏「さっきの映画みたいに……なっちゃいそうだから?」

P「奏、お前……」


奏「あの映画……どっちから、ああいう関係になろうって言ったんだっけ」

P「……さぁな。気付いたら、そうなってたんだろ」

奏「私は、あの主人公の方からだったと思う」

P「……」

奏「自分を変えてくれたあの人を、どうしようもなく好きになってる。
  あそこまで登り詰めて、それすら捨てても良いって思う程。
  直接口で好きとは言ってないけど、もう殆どそれを超えたような事ばかり、言ってたもの」

P「……まぁ、そうだな」

奏「あの人とあってから、仕草も変わって……」

P「あぁ、あれは良い演技だったな」

奏「男の人も……その機微に気付いて……」

P(逸らせませんでした)

奏「Pさんも、そういう事を気付ける人に、ならないとね」

P「……」


奏「Pさんはあの映画、どう思った?」

P「どう、って?」

奏「彼はPさんと同じ、プロデューサーだったじゃない。だから、少し感情移入とかしちゃったりしたんじゃない?」

P「……いや。さして感じなかったよ、そういうのは。そもそも、あの結末が気に入らない」

奏「どうして? ハッピーエンドだったじゃない」

P「彼氏がいるという事が世間にバレて、それでも彼女の熱意だとかでファンも納得だとか……。
  子どもの見る夢じゃあるまいし、ありえないだろ」

奏「そうかもね。じゃあ……どういう結末だったら良かったの?」

P「……永遠の片想いでも、良いんじゃないか。それも、ある意味俺は綺麗だと思う。
  でもそれが嫌なら、彼女はアイドルをやめるべきだ。両方取ろうだなんて、甘えた考えだよ」

奏「中々、現実的ね。でも……映画のラストとしてはそれは後味が悪過ぎるわ。
  エンターテイメントなんだから……子供が描く空想のような終わりじゃないと、目覚めが悪いじゃない?」

P「……」


奏「偶像、虚像に甘い物を求めるのよ、人は……だから、フィクション作品はあるの。
  現実の毒みたいな苦みに押し潰されてしまわないように」

P「……それも、そうだが……」

奏「感じ方は人それぞれだけど、私はそれなりに好きよ、あの映画。情熱的で、甘くて、無鉄砲で。
  お互いに、相手の事しか見てなくて……彼だけを、見て……」

P「……」

奏「それに、人それぞれに物語があるの。ああいう事だって、絶対に無いとは言い切れないわ」

P「……そうか」

奏「ふふっ、でもやっぱり、見てて恥ずかしかったわ。私にはやっぱり合ってないみたい、ああいう映画は」

P「……なら、何で見たんだ」

奏「簡単よ。Pさんの面白い表情が見れるから。苦手なのを我慢した甲斐はあったわ」

P「やっぱりからかってたのか」

奏「ふふっ、ごめんなさい。でも、反応がかわいかったから、止められなくって。
  一番後ろだから誰にも見られなかったし……あのまま、頬にでもキスしておけば良かった」

P「……」

奏「それに……Pさんの手、温かったから……放せなかったの」

P「……奏」


奏「……なんて言ったら、どうする?」

P「お、おい……」

奏「ふふっ、本当にPさんは面白いわ」クスクス

P「……やめてくれよ、心臓に悪い」

奏「そこまで言わなくても良いのに。落ちつく手だったのは、本当よ。
  Pさんの体温は、人を癒す効果でもあるんじゃないかと思うくらいに」

P「……そうか」

奏「じゃあ……帰りましょうか、Pさん」

P「あぁ。ん、手を繋ぎながら行くとか言うなよ」

奏「あら、Pさんも女性の考える事がわかるようになったのね」

P「お前……」

奏「ふふっ、冗談よ。行きましょうPさん。手を繋がなくても、隣を歩く事くらいはできるでしょ?」

P「……そうだな。駅までしかついていけないが、送って行くよ」

奏「えぇ、お願い」


P「……ふぅ、それにしても今日は色々楽しんだよ」

奏「他の二人とは、何をしたの?」

P「友紀とは野球見たりして、智香とは一緒に文化祭回ってチアを見せて貰ったよ」

奏「それでシメに映画だなんて、中々充実した休日だったみたいね」

P「まぁ、そうだな。最初ちひろさんから俺行使券とかいう単語聞いた時は俺どうなるんだろうと思ったけれど。
  奏も含め、皆と楽しく過ごしただけだったよ。あれは俺がアイドルを労うっていう意味合いが強いはずなのに」

奏「でもそれで良いんじゃない?」

P「どうして」

奏「Pさんが楽しんでる所を見るのが、きっとその二人にとっては嬉しい事だったと思うの。
  だから、それが一番の反応だったって事よ」

P「……そうか」

奏「えぇ。まぁ私は、Pさんが困る所も見てみたかったからこういう形にしたんだけどね」

P「ひねくれてるよそれは」

奏「ふふっ、そうね……そうかも」


P「……それなりに、お前達とは良き友人、隣人でありたいと思って接してるけど……。
  やっぱり、俺が駄目だな。どうしても時々お前達を……女性と意識してしまう。
  今日は……それを、痛感した」

奏「それが普通よ。むしろ、女性と一切思われなかったらアイドルとして駄目なんじゃない?」

P「それもそうだが……はぁ……うちのアイドルは皆、良い子ばっかりだからな。
  やもおにとっては、中々キツイ職場だよ」

奏「そのアイドル本人を前にしてそういう事をよく言えるのね」

P「いや、奏は例外的にちょっと悪い子区分だよ」

奏「あら、私はPさんの中では悪い子だったの?」

P「あぁ、最初の頃からそう仕分けしてるよ。初対面でキスするかだなんて……俺はあの時、お前の正気を疑ったよ正直」

奏「酷いカミングアウトね。ふふっ、でも、あの時の表情は本当に面白かったわ。
  眉毛が互い違いになって、漫画みたいだった」

P「言っときなさい……」


奏「……あの券を貰った時、ちひろさんに聞いたの」

P「え?」

奏「これ、Pさんが出して良いって言ったのかって」

P「何て言ってた?」

奏「用事を思い出されたわ」

P「……」

奏「でも、Pさんが了承を出して無くても何となく、Pさんは言う事を聞いてくれるだろうなとは思ってたわ」

P「どうして」

奏「Pさんはどうしようも無い程優しい、お人好しだからよ」

P「……」

奏「誰にでも優しくて、鈍感そうでいて人が喜ぶような事ばかりして……そんな人が、断る訳ないかなって」

P「……そうか」

奏「だから、私は信じてあの券を使ったわ。予想通り、Pさんは断らなかったし、私は楽しめた。
  色々とね」

P「……」

奏「ふふっ。あの券、良いわね。お仕事でポイント溜めて、またお願いを聞いて貰おうかしら」

P「もうちひろさんに止めて貰う。今決めたよ」

奏「あらそう。それは少し、寂しいわね」


P「友紀とか、智香とかのかわいらしいお願いなら聞くけど、奏みたいなのばっかり来られたら、
  俺は給料でも出ない限りお願いは受けないよ金輪際」

奏「ふふっ、そしたら給料分払えばっていう話も出てくるから、それもやめた方が良いと思うわ」

P「……そうだな」

奏「……ありがとうPさん。もうここで良いわ」

P「ん、まだ入り口じゃないか。改札まででも……」

奏「ううん。Pさんが乗る電車は、あっちの方でしょ。遠くならから、ここで良いわ」

P「そうか。すまんな」

奏「良いのよ、ここまで送ってくれたから」

P「……じゃあな、奏。何だかんだ文句は言ったけど、楽しかったよ。
  こ、今度映画行くと言う時は、アクションとかにしてくれよ」

奏「ふふっ、考えておくわ」

P「お手柔らかに頼むよ、本当に……」

奏「あの映画のようにはいかないかも知れないけど……私も、頑張るからね」

P「……そうか(どういう、意味だろうか)」

奏「またね、Pさん。今日は本当に、楽しかった」

P「あぁ、またな」クルッ

奏「えぇ」

P(ふぅ……やっと全部のお願いを叶えたか……)

P(楽しかったなぁ……結局全部デートしただけだし。デートしちゃいけないんだけどな)

P(……もう、あの券は止めさせよう。さすがに強く出ればちひろさんも止めてくれるだろう)

「ねぇ、Pさん」

P「ん?」



チュッ


P「んなっ」

奏「さよならの挨拶のキス、忘れてたわ」

P「お、おい奏っ」

奏「またね、Pさんっ」

P「……」

P(足早に去って行った……)

P(挨拶のキスって……外人じゃないんだから……)

P「……」サスサス

P(……何を大事そうにされた頬を撫でてるんだ俺は……)

P「……また、寝不足ですかね……」


……


P「おはようございます」

ちひろ「おはようございます。昨日は本当に無理を言って……」

P「いえいえ。でも、無理と思うなら最初から俺に一言でも言って欲しかったです」

ちひろ「あ、あはは……」

P「まぁ、三人とは楽しく遊べましたけどね」

ちひろ「それは、良かったです」

友紀「おはようプロデューサー!」

智香「おはようございますっ!」

P「おう、友紀、智香、おはよう。あぁそうだ。友紀、昨日はキャッツ勝って良かったな」

友紀「うん! ちゃんと阿部が決めてくれたからね! いやー、あそこの打球を捻じ込むとは……。
   あ、プロデューサーあそこ大丈夫?」

P「あそこ?」

智香「Pさんどうかしたんですか?」

友紀「いや、ちょっとあたしがPさんの股間にどぎついストライクを……」

P「あぁ……」


智香「え、えぇっ? だ、大丈夫なんですかPさん!」

P「あぁ、いや、大丈夫だよ。うん、別に何とも無いし」

智香「そんな状態でアタシのお願いを……」

P「いやいや、そんな申し訳なさそうな顔をしなくて大丈夫だから。
  あ、案外丈夫だから俺は。な?」

智香「で、でも……」

友紀「大丈夫だってー」

P「お前が言わないでくれよ縦スライダー投げたお前が」

友紀「あははっ」

智香「だ、大丈夫ですか本当に」

P「あぁ、大丈夫だよ……(思い出したらなんか痛んできた……)」

奏「おはようPさん。なんだかお楽しみみたいね」

P「……おはよう奏」

奏「ふふっ、昨日はよく寝れたかしら」

P「おかげさまで……よく寝れました」

奏「そう」クスクス


友紀「おはよう奏ちゃん! あっ、ねぇねぇ、二人はどんなお願いしたの?」

智香「それ、アタシも気になりますっ」

奏「私は普通に映画を一緒に見ただけよ」

P(あれを普通と申すか……)

P「あ、あのちひろさん……」

ちひろ「はい、なんですか?」

P「あの券、やっぱり、やめてくれませんかね? 確かに楽しかったですけど、これ以降、
  どんなお願いされるかわからなくて怖いので、もう……」

ちひろ「そうですか……」

P「申し訳無いですが、どうか……」

ちひろ「うーん、でも困りましたねぇ……」

P「え?」


ちひろ「既に昨日の時点で新しく券を手にいれた人がたくさんいまして……」

P「え?」

ちひろ「そろそろお電話でもかかってくる頃合いかと……」

P「……」

友紀「お、プロデューサー魔人がまた出動かな? あ、なんか守護神っぽい今の言い方!」

P「……それってつまり……」

智香「Pさん、頑張って下さい! 皆さんのお願いを叶えられるように、アタシも応援しますから!」

P「……」

奏「ふふっ……頑張ってね、Pさん。眠れる夜が来ると良いわね」

P「……はい、ガンバリマス」

今回は短いですがこれで終了です
遅くなったけどユッキ誕生日おめでとう
安価レス、感想などありがとうございました

おつ
面白い

おつ

第二弾期待してるぜ

続きはないのか・・・乙

乙乙、続きを書いてもいいのよ?

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