紅莉栖「ロス・タイム・ライフ」 (36)

全てが失われようとも、まだ未来が残ってる。
  ボヴィー

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俺は、お前が好きだ。


 そんな言葉が頭のなかをリフレインする。

 嬉しかったのか、どうかと言われると答えは出てこない。

 いや、出て来なかった……口からは
自分の気持ちを言えなかった。

 気持ちを落ち着かせようといつもどおりの日常を求めて、@チャンネルを覗く。……手が震えている
そんな日常も今日まで……

明日、私は、

世界から消える。

 怖くないわけが無い。何が起こるのか。どんな世界に行くのか。
 何もかもわからない未知の世界に私は行くのだ。 恐らく

 怖い、けど耐えられる。耐えて見せる
だって、まゆりのためだもの


 そんな思案を巡らせているととあるスレが目に入った。


『黄色い死神って、知ってるか?』

『なんでも、死ぬ間際の心残りのある人間のところに現れるんだって』

{>>1嘘乙}

《何だそれ聞いたことねえわ》

〈kwskkwsk〉

『なんか、審判団?みたいな格好してる 電光掲示板持ってるし』

【してる? もしかしていま横にいるのか?】

『』

〔おいどうした?〕

『あー…質問には答えられん。すまん』


 残念な質の釣りかしら
引き込まれるような要素もない。

 それでも何故か集まる人と騒がしいスレを眺めながら、静かな時を過ごした。

 明日で全てが終わる。
それがいいのか悪いのか、私にはわからないが
世界に平和が訪れるのを信じて、おやすみ

現実は常に公式からはみ出す。
  生物学者 ジャン=アンリ・カジミール・ファーブル

 昨日の今日、

 好きだ。と言われた昨日、

 駅で見送られる。今日…

 当たり障りのない話をして
手渡されたドクペをフルパワーで投げる。

 見送りはいらない。

 多分、耐えられない。

 1人電車を待つ。
今頃彼は、世界のための選択に迫られているのかな…

 電車が来た。 さよならね……

 そんなことを考えていると、なんの前触れもなくバランスを崩した。

 えっ

 けたたましい警笛
 地響きを起こしながら線路をたどる車輪

 刹那、笛が鳴り響く

シュタゲSSとは珍しいな
支援

ピィーーーッ!

実況「さあ、試合開始です。 今回ロスタイムに挑む選手は、なんと天才美少女と名高い牧瀬紅莉栖研究員です!」

解説「天才科学者の彼女がどんなプレーを見せてくれるのか、これは期待できますよ。」

紅莉栖「えっ?」

実況「あーっと、牧瀬選手棒立ちです。 状況が把握しきれないようです。」

解説「もったいないですねぇ。ロスタイムは待ってはくれません。」

実況「おっとぉ、審判団が彼女を線路から優しく引っ張り上げています。」

解説「女の子ですからね。紳士の鏡です。」

紅莉栖「な、なに? あ」

 黄色い…審判団

主審「ピッ!」ビシッ

[00:13]

実況「っとぉ!ここで牧瀬選手のロスタイムが表示されます。13分!?短い!圧倒的に短い! 彼女はこの短時間に一体何を精算するのでしょうか!?」

解説「今までに無い展開ですね。面白くなってきましたよぉ」

思い出した。昔の深夜ドラマか

紅莉栖「あなた達ってなにもの?」

主審「」ツ-ン

実況「そっぽを向いています」
解説「フェアプレーの精神ですね。素晴らしいです。」

紅莉栖「……私って、死ぬの?」

主審「…ピュィ」コクン

実況「これは答えても仕方ありません」
解説「天才科学者さすがの理解度ですね。」

紅莉栖「なんなのよ……一体何をすればいいのよ。」

主審「ピッピッ」シュタッシュタッ

クリス「…走れ?」

主審「ピッ」

クリス「何処に?」

主審「ピィ-ッピッピッピ」バサァ

クリス「あ、岡部」

 でも、今いったところで…

[0*:14]
[*&:-5]
審判「!?」

実況「えー、一瞬電光掲示板が乱れた様です。 申し訳ありませんでした。」
解説「放送事故ですね。気にせず行きましょう。」

 今行ったところで何をいえばいいの?

主審「ピッピッ」シュタッシュタッ

実況「主審が急かしますねぇ」
解説「モモがよく上がったいいフォームです」

 ……言うべきことは解ってる。 昨日の返事 でも、どうやって言えば……

実況「あーっと歩きだしました牧瀬選手、前見てませんよ。」
解説「ここは私のホームグラウンドだ。とばかりに堂々と歩いていますね。」

気が付くと、私はラボの前にいた。

主審「ピュ、ピュラルゥゥ」

実況「主審がだれてますね。」
解説「約10分間もも揚げ運動ですからね。そりゃあ、ああなりますよ。」

掲示板をみる
[00:04]
もう悩んでる時間はない。

紅莉栖「岡部!」

勢い良くラボの扉を開けると、橋田とまゆりと
そして、岡部
 皆PCの前に一堂に会していた。

 良かった。間に合った。

クリス「私も、岡部の事」
岡部「待て、紅莉栖 それ以上言うな。」

クリス「…えっ? なんで…」

岡部「…俺はもう、さっきまでの俺じゃない。」

紅莉栖「どうゆう…事?」

岡部「ついさっき、俺は、電話レンジ(仮)を使用した。」

紅莉栖「で、でもそうすると」

岡部「あぁ、そうだ。
   ダイバージェンスが変わりこの世界は可能性世界線に成り変わる。」

審判団「?」
実況「難しい話ですね」
解説「専門外はさっぱりです」

岡部「だが、今現在、確かに俺はここに存在する。
   しかし」

実況「しかし?」

岡部「この俺は、元からこの世界線にいた俺なのか。
   それとも、リーディングシュタイナーを持っていた俺なのか。解らない」

岡部「もしかするとリーディングシュタイナーが発動しなかったのかもしれない。」

岡部「だが、確かめる術はない。」

クリス「そんな…」

岡部「だから、紅莉栖の言葉を今受け取っても、それは確実に俺に届くわけじゃないんだ。」

審判「???」

岡部「確実に俺に届けようとすると、それはつまり」

解説「つまり?」

岡部「電話レンジ(仮)を使う前の俺に伝えてくれ。」

紅莉栖「でも、」

岡部「あぁ、そうだ。
   もし、実行するとしたらタイムリープしなければならない。」

実況「超科学の話ですね」
解説「冗談としか思えません」

岡部「……もし、昨日の返事をくれるのならば、今の俺にではなく
   さっきまでの俺に伝えてくれ。
   きっと、俺にも届く。 必ず」

実況「頭がこんがらがってきました」
解説「諦めました」

岡部「しかし、紅莉栖はタイムリープは……」

 私は…


 私は!

多くの言葉で少しを語るのではなく、
少しの言葉で多くを語りなさい。
  数学者ピタゴラス

ダル「準備万端 いつでも飛べるよ。」

ダル「ごめん牧瀬氏、詳しい時間が解んないから適当に入れたお。でも前のオカリン?がいるのは確実だから勘弁」

紅莉栖「ありがと 橋田
    後は私で何とかするわ。」

実況「どうやら牧瀬選手、タイムリープするようです。」
解説「これは珍しいですね。こんなプレーは見たことがありません。」

実況「時に、この場合ロスタイムはどうなるのでしょうかね?」

解説「えぇ、ロスタイムの算出は選手の体感時間で出していますので、伸びる事はないでしょう。
   かと言って減ることもない。
   いま表示されている時間が持ち越されると思われます。」

実況「ええと、つまり……
   [00:04]
   この数字に書き変わるということですね。」
解説「恐らくは」

紅莉栖「じゃあ、行くわね。」

岡部「あ、あぁ」

実況「さあ見所です。」

岡部「く、紅莉栖」

紅莉栖「ん?なに?」


岡部「必ず、助ける…」

紅莉栖「……うん」

人生には二つの悲劇がある。
一つは心の願いが達せられないこと。
もう一つはそれが達せられること。

  バーナード・ショー

紅莉栖「うっ……」

実況「えー、一瞬電光掲示板が乱れた様です。
   申し訳ありませんでした…っとお!?
    電光掲示板が書き変わっています!!」
解説「計算ミスですかね。初めてですよこんなこと」

主審「ピッピッ」シュタッシュタッ

紅莉栖「…えぇ」

実況「牧瀬選手走り出しましたァ!」
解説「いーい走りです。これは期待できますよぉ!」

紅莉栖「ハァ……ハァ」

主審「ピュ、ピュラルゥゥ」

実況「審判が疲れきっています。」
解説「なまりきってますね 審判失格です。」

紅莉栖「あとは…この階段を上がれば!」


実況「残り時間も後少しです!」
解説「最後のひと踏ん張りですよ 頑張ってほしいものです」

???「????????!!!!」

 この声、間違えるはずもない。

「ーーてはシュタインズゲートの選択である!」

 待って…

「世界は、再構成される――!」

 待って!!

紅莉栖「岡部!」

 勢い良くラボの扉を開ける

岡部「!!? 紅莉栖!?」

 息が…整わない


息が整うのを待っている暇などない


伝えなきゃ……


伝えたい


「岡部! 私も」


「私も岡部の事が!」

ピッピッピィーッ

「好き」ということは義務よりも優れた教師である。
科学者
  アルベルト・アインシュタイン


fin

GJ

良かった乙

ただの思い付きでやってみたらアインシュタインの名言でちょうどいいのがあってちょっと笑った

一応、解説
経過時間に矛盾があるのは
オカリンがRS発動したときに電光掲示板が停止してるからです。
登場人物は誰一人と気づいていませんが

経過時間はメール欄で

解説は吉田均さんでした

解説は吉田均さんでした

メル欄にこんな使い方があるとは……

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