アリス「こんにちは、シノ」 (42)

立ったら書く

アリス「シノ、あーん。えへへ、おいしい?シノのために早起きして作ったんだよ!」

アリス「えっ?いいよお礼なんて!私はシノの笑顔が見れればそれでいいから」

アリス「あっ、そういえばもうすぐテスト期間だね!」

アリス「うん!また私が英語教えてあげるね!」

アリス「もうっ!だからお礼なんていいよ。シノのためなら私、なんだってしてあげるから」

陽子「アリスがああなってもう一ヶ月、か」

綾「そうね。勇さんは何か言ってた?」

陽子「いや、三人に任せるとしか聞いてないよ」

綾「任せる、か。確かに何とかしてあげたいけれど……」

陽子「正直手詰まりだよな……」

陽子「忍が死んだって受け入れさせる方法」

綾「私たちが言っても聞く耳持たないものね」

陽子「一応アリスの両親も説得に来たけど駄目だったってさ」

綾「カレンも、しののお葬式の日以来顔見ないし……」

陽子「カレンならもしかしたらって、思うんだけどなあ……」

綾「はあ……」


カレン「たのもー!」ガラッ

綾「カ、カレンっ!」

陽子「たのもーってなんだよ!じゃなくて今まで何を……」

カレン「ちょっと、色々忙しかったデース!」

綾「忙しかったって、こっちは心配して……」

カレン「それよりも、今日はアリスに言いたいことがあって来ました」

アリス「ごめんねカレン。聞いてあげたいけど、今はシノにお弁当食べさせてあげないと」

カレン「いえ、そのままで大丈夫デス」

アリス「そう?あ、シノこぼしちゃ駄目だよ、拭いてあげるね」フキフキ

カレン「アリス、シノは天国に行きました」

アリス「……」

カレン「今アリスの目の前にあるのは、ただのこけしです」

アリス「……カレン。世の中には言っていいことと悪いことがあるんだよ?シノに謝って」

カレン「謝りません。だってシノはここにはいませんから」

カレン「一ヶ月前、交通事故で亡くなったのをアリスは見たはずです」

カレン「シノは、他ならぬアリスを庇って亡くなったのですから」

アリス「カレン、謝って」

カレン「アリス、逃げないでください」

アリス「カレン、謝って!」

カレン「アリス、現実を見てください!」

綾「カ、カレン落ち着いて」

アリス「……ない」

陽子「ア、アリス?」

アリス「死んでない!シノは死んでなんかない!!」ダッ

カレン「アリス?!」ダッ

陽子「二人を追いかけないと!」

綾「う、うん!」

カレン「アリス!聞いてください!」タッタッ

アリス「……」タッタッ

カレン「私も、シノが好きでした!」タッタッ

アリス「……っ!」タッタッ

カレン「だから、シノが死んだときはとても悲しかったです!とても苦しかったです!」タッタッ

カレン「一人でずっと泣いていました!いっそ私も、とも思いました!」タッタッ

カレン「でもそれじゃあ、シノが悲しみます!」タッタッ

カレン「だから、私は前を見ることにしました!次は、アリスの番デス!」ニコッ

そう言ってカレンは私に、笑顔で手を差し伸べる。

けれど、臆病な私は手を伸ばすことが出来なくて。

後ずさりした先には、下りの階段があった。

スローモーションで自分が落ちていく。

カレン「アリスッ!!」

伸ばした手は、もう何もかも遅くて。

それでも、恐怖は無かった。これで、シノの所にいけるのだから。


アリス……。


アリス「シノ……」

そしてーーーーー。

忍「アリス、アリス!」

アリス「……あれ、シノ?」

忍「もう、早く用意しないと遅刻してしまいますよ?」

アリス「シノ、死んだはずじゃあ……」

忍「もう、何寝ぼけているんです。早く朝ごはん食べないと本当に遅刻してしまいますよ?」

アリス「そっか……、そうだよね。うん!ごめんなさいシノ、すぐ準備するから!」

忍「なるほど、そんな夢を見てたんですね」テクテク

アリス「うん、でも夢で良かったよー。もうシノがいないと私……」テクテク

忍「ところでアリス、大事なお話があるのですが」

アリス「なあに、シノ?」

忍「これから私は、少し遠い所に行かなくてはいけません」

アリス「……え?」

忍「だから、ここでお別れです」ニコッ

アリス「待って、待ってよシノ!そんな急にどうして!」

忍「アリス、本当は分かってますよね?」

アリス「……こっちが夢なの?」

忍「……はい」

アリス「嫌だよ!私も、そうだよ私も一緒に」

忍「アリス、それは出来ません。アリスはあちらでみんなと一緒に頑張ってください」

アリス「無理だよ……シノがいない世界じゃ私……」

忍「アリス……」

忍「わかりました!ではアリスに私のとっておきの夢を託します!」

アリス「え?シノの夢ってたしか……」

忍「はい、通訳者になることです。でも、私はもうなることが出来ませんから……」

忍「アリス、私の代わりに叶えて貰えませんか?」

アリス「でも……」

忍「もちろん無理になんて言いません。でも、私の夢がアリスの力になってくれたらとても嬉しいです」

アリス「シノ……。わかった、私頑張るよ!シノの分も一杯頑張る!」

忍「ふふ、よかった。アリスが元気になってくれて……」

忍「それではアリス、お別れですね。みんなにもよろしくお伝えください」

忍「もう、泣き虫さんですねアリスは」

忍「アリス、ずっと見守っていますから」

忍「アリス、元気でいてくださいね」

忍「アリス、愛しています」

忍「アリス、ハロー」

カレン「あっ!先生、アリス目を覚ましましたー!」

カレン「アリス大丈夫ですか?どこか痛みませんか?」

カレン「怪我は奇跡的に無いみたいですけど、一応病院に行かないと」

カレン「へ?シノがお別れを?」

カレン「そうですか……。やっぱり、シノには敵わないデース!」

それから私は、みんなにたくさん謝った。

みんなは笑って許してくれて、とても暖かかった。

あらためて自分はとても恵まれていることを知った。

いつかみんなにはちゃんとお礼を言わないと。

そして、今私はーーーーーーーー

女「あなた、日本には詳しいのかしら?」

アリス「はい、一時期は日本にホームステイしていたので」

女「あら、じゃあオススメの場所を後で教えてくれるかしら?」

アリス「はい、喜んで!」

女「楽しみだわ、私日本初めてだから。でもその前に」

女「記者会見の通訳、よろしく頼むわね」

シノ、今私は通訳者の仕事をしているよ。

シノの夢、頑張って叶えたんだ。

たまに背が低くて笑われたりするけれど、元気にやれてる。

シノは元気?きっと元気だよね!

シノ、私これからも前を向いて頑張るから。

見守っててね、シノ!

アリス「よしっ!手紙はこれでいいかな。それじゃ今日もお仕事頑張るぞー!」

?「ハロー」

アリス「へ?」クルッ

アリス「今後ろに……。ふふ、そっか」

アリス「こんにちは、シノ」


おわり

ぶっちゃけクオリティ低くて申し訳ない

以降忍の可愛さを語るスレで

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