【Fate】EXTRAの鯖で第5次聖杯戦争 (127)

その日、衛宮士郎は帰りが遅かった。友人に弓道場の掃除を頼まれ、断る事を知らない彼は二つ返事で引き受けたのだ。

掃除をし終えた頃には、彼以外の生徒も教師も皆帰り終えた後だった。だから学校にはもう誰もいないはずだった。

しかし、弓道場から出てきた彼は見てしまった。

校庭で一人走り回り、"空"を突き続ける黒い鎧を纏った男を。

その男には背中、肩、脚、と矢が何本も刺さっている。いや、また一本の矢が刺さった。

何処からか矢が飛んで来ているのだ。槍の男は矢の飛んできた方向へと向かい"空"を突く。だが槍には手応えはまるで無い。

しかしおそらく今までそこに"何か"が居たのだろう。だが彼には姿が見えなかった。そして、おそらくあの男にもそれは見えてない。

このままでは槍の男は不利だ。しかし状況は突如一変した。

槍の男の纏う空気が変わっていくのが分かる。この状況を打開するための何かをするきだ、そう士郎は確信する。

これで"何か"か槍の男の生死が決まると思うと緊張感から時間が止まったような感覚に襲われ、士郎は無意識に溜息は吐いてしまった。そして、

『誰であるか!』





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見ている。槍の男がこちらを真っ直ぐ見ている。

『奇跡だ。奇跡だろう。奇跡である。奇跡でなくてなんと口にすればいい!』

『そうであろう、我が宿敵よ、新たな供物よ!なんという運命なのか!』

槍の男は一気にまくし立てる。士郎は言葉の終わりを待たず校舎へと駆け出す。

『愛とは死だ。死こそが愛だ。俺は愛するが故にーーおまえたちを殺したくて仕方がない!』

言葉の終わりと同時に槍の男は逃げた少年を追い掛ける。

ーーーーーー

目が覚める。何故か寝ていた場所は校舎の廊下。

ふと、横を見ると宝石が転がっていた。とりあえずポケットに入れておく。

次に、服の胸の辺りが赤くなっているのに気付く。だが何があったのか思い出せない。

ーーとりあえず帰るか。

ーーーーーーー

家に帰りつく。家に後輩の桜や藤ねえがいない事から大分遅い時間だという事がわかる。

とりあえず、居間に座り考える。何故廊下で寝ていたのかだが……。


ーーギシッ


突然廊下から足音が響く。

士郎は直ぐに近くにあった鉄のポスターを"魔術"により"強化"を施す。強盗が入って来たと思ったのだ。

戸からの侵入を警戒する。しかし、


ーーパリィン


背後の窓が割られ何者かが侵入して来た。

「奇跡だ。奇跡である。一度だけでなく二度も供物に捧げられるとは!しかし、逃走した者は神に粛清されねばならぬ。なんという運命だろうか!」

士郎は槍の男を見て思い出す。学校で何があったのかを。そしてこの男に殺されたという事を。

「いざ!」

男が槍を振るう。それを士郎は辛うじて丸めたポスターで受け止める。だが、

「っ!?」

ポスターは折れ曲がり、士郎の手には折れそうなまでの衝撃が来る。槍の男は続けて槍を振るう、そしてそれをまた受け止める。

「痛っ……!」

ポスターは完全に折れ真っ二つになる。既にポスターを持つ手の手首も腫れ上がっている。

「(駄目だ、もっと硬いものを……そうだ、土蔵なら)

外へ出る戸を横目で見る。しかしそこには槍の男が移動していた。

「(なら!)」

幸い槍の男は動きが遅い。これなら行けると士郎は信じる。

槍の男が槍を振るう。それを士郎は躱し、窓から飛び出す。


「っ……!」

飛び出す事には成功したが、受身は上手くいかなかった。だが士郎はそこから間を開けずに前に向かって転がる。瞬間、

「不覚!」

士郎が着地していた場所には槍が刺さっていた。

士郎は、全身に冷や汗をかく。もしあそこで起点を効かせていなければいまごろどうなっていたか。

士郎は走る。

「(土蔵にさえ辿り着けば……!)」

槍の男は歩いて追ってくる。ただの少年が何をしようと無駄だということが分かっているのだ。

「おお……なんと惨たらしい。このような運命、このような非業を、なぜ主は許したのか!」

士郎だって分かっていた。どんな武器があろうと自分ではあの男には勝てないという事を。あの男は何本もの矢を刺さっていた筈だ。それなのにあんなにピンピンしている。


土蔵に辿り着く。そして諦めようとした瞬間だった。

突如土蔵の床が輝き出す。そして一人の男が現れ、こう言った。


「貴方が私のマスターですか?」

キャス狐が士郎の鯖枠だと嬉しいなーチラッチラッ

士郎は呆然とする。突然床から人が現れたのだ。誰だってそうなるだろう。

「サーヴァントに襲われているようですね。ご命令をマスター」

士郎はまたぽかんとしてしまう。

「まさか聖杯戦争の事をご存知でない……?説明しようにもまずはマスターを守る必要がありますね」

マスターと呼ぶ男はそういうと、土蔵から飛び出した。



床から現れた男、そして槍の男が対峙する。

「奇跡だ。奇跡でなくてなんと口にすればいい!なんという運命、なんという試練であろうか!」

「バーサーカーか?いや、武器と自我から想像するにランサーか……行きますよ!」

床から現れた男は剣を手に持っていた。それをランサーと呼ばれる男へ向け振るう。

それをランサーは弾く。そしてランサーもまた槍を振るう。

その戦いは互角。神話の再現だった。

書き溜めを少ししていなかったので今日はここまでにしておきたいと思います。

>>7
すまん、主人公鯖は出さないんだ

鯖のクラスとマスターの組み合わせは同じです。
後でない鯖は兄貴とアルクですね

あ、鯖とマスターの組み合わせが一箇所違う所があります。

槍「愛とは死だ。死こそが愛だ。俺は愛するが故に"セイバー"、そしてそのマスター。おまえたちを殺したくてしょうがない!」

どうやらあの剣の男はセイバーというらしい。それでさっきから言うマスターというのは衛宮士郎の事だろう。

状況は、セイバーの技量の方が明らかに上。しかし、ランサーはその度を越した耐久力で切られた傷をさもないかのように振る舞っている。

剣「やりますね、ランサー。しかし実力差は明白、終わりにします」

セイバーはランサーの突きの一撃を大きく振り払う。そして、隙ができたランサーの胴を思いきり斬り裂く。

これは明らかに致命傷だ。

士郎(これならあのランサーも……。)

しかし、


ランサーは動じず、むしろ喜びに満ち溢れている。

槍「活きがいいな。実に結構」

剣「!?……驚くべき信仰心ですね。致命傷を受けてその様子とは……?」

突如ランサーの回りに魔力が集まり出すのを感じる。セイバーもそれに気付いた様だ。



『不義不徳の奴原どもよ!事実無根の自覚はあるか!』

『神よ、これなる生贄の血潮を以て、その喉を麗したまえ!」


剣「させません!」

セイバーは宝具の発動を止めるべくランサーへ斬りかかる。だが、斬るよりも速く、



ランサーは自ら、自分の腹部を刺した。



『串刺城塞』

瞬間、周りは槍と杭に囲まれていた。

槍と杭はセイバーへ向け一斉に襲い掛かる。だが、

剣「その程度ですか?」

セイバーはほとんどの槍と杭を叩き落として見せた。

残りも致命傷には至っていない。なのに、

剣「ぐぁっ!」

突然、セイバーは苦しみ出す。

剣「自らを生贄に捧げる事による呪いですか。みくびっていましたね……」

呪いによるダメージでセイバーの動きが鈍る。そこへ再び槍と杭が襲い掛かり拘束する。

そこへ加えられるランサーによる投槍による一撃。

剣「ぐぁっ……!これが窮地というやつですか」

次の攻撃を覚悟するセイバー。

だが、ランサーによる攻撃が止まった。そして、一人で話し始める。

槍「おお……コトミネよ!今はまだ供物を捧げる時では無いと?」

槍「ふはは、待っているがいい宿敵よ!貴様らは供物と捧げられる運命なのだ!」

そう言い残すと突然セイバーに背を向け撤退した。

剣「助かった……いえ助けられたと言うべきでしょうね」

セイバーは安堵した。だがその安堵も束の間、新たな気配を察知する。

剣「新たなサーヴァント……!」

『こんにちは、衛宮君』

士郎「っ!!」

現れたのは士郎がよく知る人物だった。

どうしてこうなったんだろう。先程現れた人物の名は遠坂凛、同級生だ。

その同級生に何故か凛に割れた窓の硝子を修復してもらった。魔術師にとっては初歩中の初歩なのらしい。

セイバーはあの後自分で回復したらしく、呪いも短期的な物だったみたいだ。

そして、凛と話すうちに聖杯戦争の監督役と呼ばれる男の元へ行くことになった。

道中、士郎が凛に何故ここまでしてくれるのか聞くと、「心の贅肉よ」との事だった。

監督役は教会の神父だった。士郎はそこで聖杯戦争を棄権しないことを決める。10年前の事を繰り返さないために。

ーーーーーー

それは、教会からの帰り道だった。セイバーが気配に気付いた。

剣「サーヴァント……!士郎、下がって下さい」



道の向こうから現れたのは小さな女の子と2mを越す半人半機の男。



『やっちゃえ、バーサーカー!」

『■■■■■ーーー!!」



バーサーカーと呼ばれるそれは命令されると同時に襲い掛かって来た。

セイバーが前に出てバーサーカーを迎え討つ。

バーサーカーの攻撃は矛による『刺突』のみ。本来なら多様性も狂化の影響からか発揮されていない。

とはいえ、

剣「くぅっ!」

その力は凄まじい。最優とされるセイバーでさえも圧倒されていた。

しかし、バーサーカーの相手はセイバーだけでは無い。


凛(アーチャー、援護しなさい!)

凛のサーヴァント、アーチャーは遠くから狙撃の用意をしていた。

弓(援護ねぇ、どっちのをすればいいわけ?戦況的にはバーサーカーを援護したほうが、)

凛(セイバーの援護よ!早くしろ!)

アーチャーは呆れた感じで返事をしバーサーカーへ弓を穿つ。

『狩りの弓』

矢は命中した。だが、



『■■■■■■■■ーーー!!』

バーサーカーは怯まない。さらに、

弓「あれ、何かアイツこっち向いてる?あーはいはい、こっちに武器向けてー」

弓「これ、マズイよなやっぱ……くそっ!」

アーチャーはその場から急いで駆け出す。



バーサーカーの武器の形は変わり、弓となっていた。そして、矢が飛んできた方向へと真っ直ぐ矢を撃ち返す。アーチャーが先程までいた場所が一瞬にして吹き飛ぶ。

剣「私を相手に余所見をするとは!」

セイバーは後ろからバーサーカーの心臓を貫く。だが、それでもバーサーカーは消滅しない。

剣「なんという耐久力ですか……!?」

イリヤ「もういい。帰ろう、バーサーカー」

『■■■■■ーーー!!」

突然のイリヤの言葉。それに対しバーサーカーは雄叫びはあげ返事を返す。

イリヤ「また会おう、お兄ちゃん」



ーーーーーーーー

士郎「何だって急に……?」

凛「自分のサーヴァントが深傷を負ったのよ?撤退以外に何があるのよ」

士郎「そっか」


凛「それより衛宮君、提案何だけど、バーサーカーを倒すまで協力するっていうのはどう?」

士郎は直ぐに了承しようとするが、

凛「衛宮君、これは大切な事なの。よく考えてから答えをだして頂戴」

凛「まぁ、立ち話も何だから衛宮君の家に着いてから話しましょう」

士郎「俺の家……なんでさ?」

士郎は藤ねえにばれたときの事を奇遇する。女の子夜中に家に連れ込んだと大騒ぎするに違いない。

だが、凛の顔が意地悪な顔に変わる。

凛「あら、もしかして衛宮君はこんなところで他のマスターに襲われたいのかしら?それとも私の家に押し入るつもり?こんな夜中に」

残念ながら士郎の答えは一つしかなかった。


ーーーーーーー



「ははは、ははははは!サーヴァントの枠が一つ余っとると聞いて召喚してみたが。これは優秀なサーヴァントを引き当てたわい」

ここは薄暗く広けた、沢山の虫が這い回る場所。そこに妖怪のような風貌の老人と、見えない"何か"がいた。

「呵々、これはまた楽しそうな戦いだ。血肉が滾る滾る!」

あの後は何の事もなく帰り着いた。士郎と凛は居間にサーヴァントも並べて対座して座っている。

あの後、士郎と凛は協力をすることになった。

凛がいうにはなんの偶然か士郎とセイバーはパスが通っているらしい。

そして、凛は明日から士郎の家に泊まりにくるらしいらしい。

士郎「なんでさ?!」

凛「そっちの方が協力しやすいでしょ?」

とのこと。

弓「あー、まったく、こんなへっぽこと組むなんてあんた正気じゃねーよ。組む相手なら他にもいるだろ?」

アーチャーは目の前でそんな事を言いだすもんだから士郎はちょっぴりむすっとする。

凛「衛宮君は確かにへっぽこよ?でも衛宮君なら絶対に裏切らないと思わない?」

凛(それに衛宮君の背中ぐらいあんたなら簡単に撃てるでしょ?)

弓(……まー、そーいうことならいいですわ)

弓「そーだな。このいかにもなお人好しマスターなら安心だわ」

二人の内心など知らずに今度はちょっぴり照れてしまう。

セイバーはと言うと、

剣「士郎の決めるがままに」

との事。

ーーーーーー

朝、凛が大きな鞄をもってやってくる。そしてそのままずかずかと上がりこんできた

その後、桜と藤ねえがやって来て。少し騒ぎになったが、凛の巧みな口捌きにより事は沈黙する。

しかし、士郎はもう一人の存在が気になる。

士郎(なあ、セイバー。一緒に飯食わないか?)

剣(は?……しかし、士郎。それでは面倒ごとが多くなってしまうのでは?)

士郎(嫌か?)

セイバーは二度目の問いに二つ返事で了承する。


セイバーは士郎の部屋で士郎に使っていいと言われていた服に着替える。そして居間から来た士郎と共に廊下から居間へ入る。

士郎の説明は強引だったがセイバーが男だった事もあってか、あっさり藤ねえに了承される。

勿論凛は呆れ返った目で士郎とセイバーを見ていた。

『朝のニュースです。冬木市の新都にてまた被害者が出ました』

自分達の町のニュースだ。士郎はニュースを見る。何でも、新都で同じ症状に被害者が多く出ているらしい。

被害者はみんな複数の殴られた傷があり。皆殴るだけは起こらないようなぐったりした症状に襲われて要るという。


後から凛に聞いた話だがこの事件はサーヴァントによる魔翌力を集めるための行為だという。

それを聞き士郎は十年前を思い出し唇を噛む。

凛には士郎の気にする事ではないと言われたがそれでも気になってしまう。


登校の時間になり学校に向かう。


学校では士郎の友人の慎二が協力しないかと持ち掛けて来たことで慎二もマスターだったということが分かった。士郎は慎二の提案を断る。

だが、慎二は士郎の事が心配だったのだろう。柳洞寺にキャスターがいるという事を教えてくれた。

その後は何もなかった。下校し家に着く。

その後、また大人数で夕飯をとり、しばらくして藤ねえと桜が帰る。



凛「それじゃ先に風呂、入らせてもらうわね」

凛がいなくなる。すると実体化していたセイバーが話し始める。

剣「ご安心を士郎」

セイバーは自身に満ち溢れた顔でそう言い放つ。何のことだろうと士郎はぽかんとする。

剣「士郎も人が悪い……」



剣「●RECの用意は万全です」



士郎はセイバーの言葉に思わず噴き出す。するとアーチャーが実体化し話に入って来る。

弓「かっこいいねアンタ。覚悟出来てんすか?」

アーチャーは凛のサーヴァントだ。それは怒るに決まっている。そう思っていると、

弓「あー、後から俺にもみせてくれよ?それなら見逃しといてやるよ」

士郎は呆然とする。サーヴァントというのは皆こうなんだろうか。

そんなことを考えていると、風呂場からの突然の爆発音。

そしてすぐに赤い悪魔はやって来た。身体にはタオルを巻き、手には藤ねえが持ってきて士郎が治した筈の"焦げたカメラ"。

赤い悪魔の手がこちらに向けられる。放たれる無数の黒い球体。士郎は叫ぶ。



『なんでさー!!』

その後、士郎の誤解は解け2騎のサーヴァントは正座をさせられている。


二人は放っておき、士郎と凛は話し合いを始める。士郎が話すのは、慎二と話した事。

どうやら凛も慎二に協力関係を提案されたそうだが平手打ちで返したという。

凛「それでキャスターの事なんだけど、早めに対策をとっといた方がいいわね。陣取っている場所も問題だし、ほっとくととても責めることが難しくなるわ」

凛「もう今日にでも攻める?どうせキャスター相手には戦略なんて意味無いだろうし」


凛の言葉に対し、セイバーが口を開く。

剣「いえ、こちらから攻めるなら太陽の出ている時間がいいかと。その時間なら私の真価をお見せすることが出来ます」

凛は少し考え、答えを出した。

凛「柳洞寺ならどうせ朝も夜も人がいるしね、その点は問題ないわね」


凛「それじゃあ行動は明日の10時から。それでいいわね」

士郎はああ、っと返事をする。

書き溜めが尽きたので今日はここまでにします。

緑茶のは狩りの弓じゃなくて、祈りの弓じゃなかった?

>>35
うわ本当ですね。指摘ありがとうございます


今気付いたけどガウェインが全部士郎で呼んでるな・・・
シロウで脳内変換お願いします

朝が来る。


また、大人数で朝食を取り藤ねえに今日は休む事を伝える。

二人で休むことは怪しまれたが、凛の達者な口により少し泣きながら納得させられるタイガー。この赤い悪魔め。


しばらくして作戦開始の時間が来る。

凛「それじゃあ行きましょうか」



ーーーーーー

柳洞寺に着いた。

凛「ここは強力な結界が張られているわ。サーヴァントにとっては鬼門に等しい。だけどこの参道だけは結界が存在していないのよ」

剣「つまり、中に入るにはこの参道を通るしかないわけですか」

3人は参道を進む、アーチャーも近くに居るらしいが姿を隠しているらしい。



参道の中間辺りまできたときだった。セイバーが何かの気配に気付いた。


『■■■■■■ーーー!!」

突然現れる"怪物"、それは直ぐに襲いかかってきた。咄嗟にセイバーが前に出る。

凛(バーサーカーのサーヴァント……?でもそんな筈ない……バーサーカーはこの目で確認したもの、間違いない)

ならこいつは一体何なんだろうか。



『■■■■■ーーー!!」

怪物は圧倒的な力を持っている事が見ているだけで分かる。
だがそれに対し、セイバーは

剣「はああああっ!」

互角で戦っていた。

凛(セイバーの動きがいままでと違う。太陽が出てる時に真価を発揮する英雄……なるほど、そういうこと)

凛はこのセイバーならここを預けても大丈夫だと判断する。


凛「ここは任せるわ!私とアーチャーは中に入る!」

士郎「分かった!気をつけろよ、遠坂!」

凛は階段を駆け上がりながら答える。

凛「そっちこそ勝手に脱落なんかしたら承知しないわよ!」

凛(全く、こんなときにまで人の心配何かして……)


弓(はいはい、ご馳走様。いやー青春だねーお若いねー)

アーチャーは一人そんなことを思うのだった。

凛とアーチャーは門をくぐり中へ入る。マスターとサーヴァントは見当たらない。だが、変わりに可笑しなものが現われ始める。

凛「キャスターのサーヴァントはいい趣味してるわね。"トランプの兵"に警備させるなんて」

次々現れるトランプの兵。その数約40。

凛「アーチャー、突破するわよ!」

凛はガンド、アーチャーは弓を撃ち突破を試みる。

兵隊は直ぐに倒れる、だが


凛「っ!?もう一度!」


兵隊は倒しても倒しても蘇った。

弓「どーするんすか、これ?このままじゃラチあかないっすよ?」

凛(アーチャーの言う通りだわ。このままじゃ悪戯に魔翌力を消費するだけ……士郎には悪いけど)

凛「撤退するわよ!アーチャー!」


ーーーーーー

『■■■■■ーーー!!』

剣「そんなものですか?」

凛の帰りを待ち時間を稼ぐセイバー。


凛が門から戻って来る姿が見える。

凛に手を出させまいと、セイバーは攻撃を強め隙を作った。
直ぐに怪物の横を抜け士郎のいる安全圏へと到達する。


士郎「遠坂、キャスターは?」

凛「作戦は失敗。撤退するわよ」

士郎「そうか。分かった」

ーーーーーーー

新都にある高いビルの屋上。男はそこに立っている。

「ここが聖杯戦争の場。冬木市か」

「ふむ。戦争はすでに始まっているようだ。サーヴァントも召喚し終えられているか」

「だが、それは些細な問題だ」

男は軽い口調で言う。だが、



「私は叶えなければならない」

「"大規模な戦争を起こす"という、願いを」

最後に放った言葉には大きな意思が込められていた。

予定していた話に矛盾をいくつか見つけまして話を考え直していました。
その結果、EXTRAの鯖だけでやるだったのですが急遽ギル様の出演が決定しました。

では明日からゆっくり投下していこうかと思います

ーーーーーー

士郎と凛は拠点に戻り、居間で会議を行っていた。


凛「キャスターがあそこまでだったとはね。ほんと、予想外よ」

剣「あの……使い魔でしょうか。まさか日が出ている時の私と互角とは。正直驚きました」

弓「そして、門の先にはトランプの兵隊さん。いやーお手上げだわ。あんなん」


凛・剣・弓「……」


士郎「まあさ、いい時間だし一旦飯食わないか? 頭に栄養がいけばいい案が出るかも知れないだろ?」

凛「そうね……一旦、頭を落ち着かせた方がいいかもしれないわ」


凛「アーチャー、貴方は敷地内に罠でも仕掛けといて。勿論、士郎がうっかり引っかからないように気をつけてね」

弓「はいはい。でもさ、罠なんて材料なきゃ大したもの出来ないすよ?」

凛「ああ、それなら私の宝石を幾つかと土蔵にあるもの、勝手に使っていいわよ。ガラクタだから」

士郎「え?」

弓「それなら、まあまあな出来にはなりそうだな」

アーチャーは外に罠を仕掛けに行く。

士郎は厨房で調理を始める。そこへセイバーが入って来た。

剣「シロウ、手伝う事は無いでしょうか?」

士郎「いや、いいよ。セイバーは座っててくれ……ってなんでさ?!」

剣「どうかしましたか、シロウ?」

士郎「どうかって……セイバー、何でハンマー持ってきてるんだ?」

剣「は? 料理とは肉をハンマーなどで叩き潰したり野菜を手で千切って作る物でしょう?」

士郎「へ?」

剣「私の使えていた王もそれを喜んで食べて下さいました」

士郎「良い王様だったんだな……」

剣「はい、とても良き王でした。それでは士郎、手伝いを、」

士郎「……セイバー、手伝いはいらない。いや、座っててくれ。頼む」

セイバー「……かしこまりました」

セイバーは不満気に厨房から出て行く。

士郎「ふぅ……セイバーには認識を改めてさせる必要があるな」

昼食を取った後、また会議を始めたがいい案は出ないまま夜が来て夕食を取った。

珍しく大河も桜も来なかった。

しかし、代わりに別の来客を呼鈴が知らせてきた。


士郎「こんな時間に誰だ? 俺が見てくるよ」

士郎は玄関へと向かい戸を開ける。そこにいたのは、

慎二「よう、衛宮」

士郎「慎二? どうしたんだ、こんな時間に」

慎二「相変わらず鈍いね、お前は。こんな時間に僕が来たって事は戦争をしに来たに決まってるじゃないか」

場の空気が凍りつく。

士郎「今やるのか、慎二」

慎二「まあ、待てよ衛宮。お前だって自分の家を荒らしたくは無いだろ? そうだな……橋の近くにコンテナ置場あるだろ? そこに来いよ、一人で」

慎二「ああ、勿論サーヴァントは連れてこいよ? だけど、遠坂は無しだ。1体2なんてフェアじゃないだろう?」

士郎「わかった」

慎二「じゃあ僕は先に行かせて貰うけどさ、早く来いよ? 逃げたりすんなよな」

慎二は笑いながら帰って行く。

士郎は遠坂に事情を説明し、約束の場へ向かう。そのとき遠坂が呆れていたのは言うまでもないだろう。

ーーーーーー

慎二が衛宮を呼び出した日の前夜。

自分の家で慎二はライダーと話していた。

騎「アハハハハ、シンジィ、こっぴどく振られたねぇ!」

ライダーは笑いながら慎二の背中を叩く。

慎二「うるさいぞ、お前!!」

騎「それでどうするんだいシンジ? あれだけの辱めを受けたんだ。あの遠坂って娘に仕返すんだろ?」

慎二「ああ、仕返しはするさ。だけど、遠坂じゃない。衛宮にだ」

騎「へぇ、嫉妬からの復讐かい! さすがは小悪党だねぇ、シンジィ!」

慎二「うるさい! これは嫉妬なんかじゃない! あいつが遠坂にちょっかい出さなきゃ、あいつがいなけりゃ遠坂は僕を! 好きな筈なんだ!」

騎「アハハ、そういことにしといてやるさ! それでいつ攻め込むんだい? アタシは今からでもいいんだがねぇ」

ライダーは腰の拳銃を抜く。

慎二「まあ、待てよライダー。衛宮にはキャスターの根城を教えてあるんだ。攻め込むのはアイツがそこに攻めた後だ」

騎「そうかい、消耗したとこを狙うってのかい! ホント小悪党だねぇ!」

慎二「うるさいぞ!」

ーーーーーー

士郎は約束通り、コンテナ置場までやってきた。

慎二「遅かったじゃないか、衛宮。てっきり逃げたんじゃないかと思ったよ」

慎二が一人で笑う。

騎「早速おっ始めるかねぇ!」


剣「あれが、ライダー……。士郎、よろしいですか?」

士郎「ああ。行け、セイバー!」


セイバーは剣をライダーは2丁の拳銃を抜く。


騎「派手に行こうじゃないか!」

ライダーの拳銃から乱射される銃弾。それをセイバーは弾く。

剣「そんなものですか?」

騎「そんなわきゃないだろう? 砲撃翌用ー意! 藻屑と消えな!」


突然、ライダーの背後に現れるカルバリン砲。それはセイバーへ向かって砲撃する。


剣「何という……!? くっ!!」


セイバーは咄嗟に反応し躱す。


剣「無茶苦茶な……! だが、接近戦に持ち込めば!」


セイバーはライダーへ一気に接近し斬りつける。


キィンッ!


騎「接近戦なら分があると思ったかい?」


ライダーの手には今はカトラスが握られている。


騎「舐めて貰っちゃあ困るねぇ」

コテまたつけ忘れたorz

今日の投下はここまでです

セイバーが剣技の差で押し、ライダーがカルバリン砲での不意打ちで態勢を建て直す。

それが幾度となく続く。

騎「やるじゃないか!! 面白くなってきたよ!」

騎「けどねぇ、このままじゃ弾が切れちまう」


ライダーはカルバリン砲を放った後、後ろへ下がる。


騎「シンジィ! 宝具を使わせて貰うよ!」


ライダーの周りの魔力が濃くなっていく。


騎「アタシの名前を覚えて逝きな! テメロッソ・エル・ドラゴ!」



      『"太陽を落とした"女、ってな』



ライダーの背後から現れる無数の船団。

          ゴールデン・ハインド
ライダーは自らの船、黄金の鹿号に乗る。


剣「では私も名乗りましょう。私の名はガウェイン」



剣「この"太陽の騎士"。落とせるものなら落として見せなさい」

騎「シンジ、あんたも船に乗っときな」

慎二も黄金の鹿号に乗せられる。

慎二「はは、すげえじゃん、お前。何? もしかして余裕何じゃないの? これ」



剣「士郎、可能な限り私から離れないように」

士郎「分かった」

剣(あれだけのもの……守りきるには無理がありますね。ここで宝具を切るべきでしょうか)



騎「砲撃用ー意!!」



ライダーが叫ぶ。瞬間、放たれる数十発の砲弾。

セイバーは士郎を抱え、コンテナの裏へ隠れる。

砲撃はコンテナごと吹き飛ばす。セイバーは士郎を庇うが共に吹き飛ばされた。


剣(予想以上の威力ですね。対軍宝具……といったところでしょうか)

剣「シロウ、宝具使用の許可を」

士郎「……ああ、でもセイバー。あれをどうにか出来るのか?」

剣「はい、可能です」


そういいながら、セイバーは構えを取る。



剣「この剣は太陽の写し身。もう一振りの星の聖剣」


        エクスカリバー
       『転輪するーーー』



騎「砲撃用ー意!!」



                     ガラティーン
                『ーーー勝利の剣』

セイバーの剣が炎を噴き出し、それを船へ向け振るう。

砲弾は溶け蒸発し船を呑み込まんと襲いかかる。


騎「これはマズイねぇ……シンジィ! 撤退だよっ!!」

慎二「へ?……あ、ああ分かってるよ。撤退だろ。撤退するぞ、ライダー!」

慎二は手に持つ本を強く握る。

騎「しっかり私に捕まりなよシンジィッ!」

ライダーは慎二を抱え、船を盾にし逃走する。



だが、ライダーの逃走が止められる。



『衛宮、間桐、こんなところで何をしている』



慎二「な、葛木……?! 何でこんなとこに……?」

慎二とライダーの前にはクズキが立っていた。

クズキ「あれだけの騒ぎを起こせば誰でも気になる。それで間桐」


クズキ「お前の隣にいるのはサーヴァントか?」



士郎「な……?! 先生が何でサーヴァントの事を……?」


『そんな事も分からないのか、衛宮』


士郎「?! ……葛木先生が二人……?!」


士郎とセイバーの前にも現れるもう一人の葛木。


葛木「サーヴァントの事を知っている。それはつまり聖杯戦争の関係者だということだ」


士郎「まさか……先生はマスターって事ですか?」


葛木「そうだ」

剣「士郎、ライダーの前にいる方。サーヴァントです」

士郎「なっ……?!」

剣「クズキという、士郎の恩師ですが。何らかの策があって来たに違いません。恐らく漁夫の利でしょうが」

剣「戦闘の許可を、シロウ」

セイバーは構えを取りながら、目の前の葛木を睨む。

士郎「待ってくれ、セイバー! 戦いに来たとは限らないだろ。……葛木先生、どうしてここに?」

葛木「さっきも言っただろう、衛宮。あれだけ騒ぎを、」

士郎「そうじゃない。どうしてサーヴァントを連れてここに来たんですか?」

葛木「そんなことか。マスター同士だ、言わなくても分かるだろう」

葛木「お前達を殺しに来た」


葛木の言葉が終わると同時にセイバーが一歩前に出る。

士郎「クッ……行け、セイバー!」



セイバーが斬りかかる。

そして、"セイバーが"殴り飛ばされた。

剣「ぐふっ……?! 拳が読めない……?」

セイバーが再び斬りかかる。葛木は剣を膝と肘で挟み受け止め、そのままセイバーに連打を叩き込む。

剣「かはっ!!」

そして葛木からとどめの蹴りが繰り出され、セイバーが飛んだ。

士郎「セイバー!!」


慎二「ライダー!!」

突然、発せられた慎二の声と共にライダーが飛んでくる。

士郎「?!」



慎二「やめろよぉ……こっち来るなよぉ……来んなって言ってんだろぉっ!!」

慎二の元へクズキがにじり寄る。


士郎「慎二!!」

士郎が慎二の元へ駆け寄ろうとするが。

葛木「何処へ行くつもりだ、衛宮」

葛木が目の前に立ち塞がる。


二人に取って絶体絶命の状況だった。

そのとき。

凛「撃ちなさい……アーチャー!!」

凛とアーチャーが現れた。

今日の投下はここまでです

今さらだけどガウェインの魔翌力どうしてんの?

>>60
ガウェインと士郎をヤらせる訳にもいかないので
最初からパスが繋がってたという事にしてます

不思議の国のアリスはマスターアリスだからこそなんじゃないか。
なに葛木愛読書が不思議の国のアリスだったの?

セイバーのガラティーンとライダーのワイルドハント、同ランクの対軍宝具なのにセイバーが勝ちました
勝敗を分けた物はなんですか?

>>64
一撃だけの撃ち合いだと瞬間火力が高いガラティーンが勝つかと
ただ、ライダーの方は召喚していて何度か撃てるため総合火力では上でしょう

凛とアーチャーは少し離れたところにあるコンテナに立っていた。

アーチャーから葛木へ向け毒矢が放たれる。

葛木は咄嗟に気付き躱そうとするが

アーチャーから放たれた矢は一本では無い。何十本もの矢が襲いかかり、刺さる。

凛「何者だったのかは知らないけど、あれだけ刺されば」


葛木が地面に倒れ伏す。だが


      『物語は永遠に続く』


『か細い指を一項目に戻すようにあるいは二巻目を手に取るように』


クズキが突然詠唱を始め


凛「詠唱……まさかやけ起こして宝具を撃つつもり?! アーチャー、使われる前に殺りなさい!」

アーチャーが矢を放つが、それはいつの間にか現れていたトランプ兵に拒まれる。

凛「な!? アイツキャスターだったの?」


     『その読み手が、現実を拒み続ける限り』


詠唱が終わる。

同時に葛木の傷が無くなっている。毒矢の毒も消えていた。

凛「治癒宝具……?! 予想外だったわ……」

弓「治癒とかめんどうだわ。おまけに、ユニークな兵隊さんの相手に同盟相手を助けなきゃいけない、と」

凛「確かに厳しいわね。でも、ここはキャスターの陣地の中じゃない。兵隊の数は少ないわ」

凛がコンテナから降り、それにアーチャーが続いて降りる。

凛「救出はキャスターさえ倒せば解決よ! 私が兵隊を潰す、あんたはキャスターを速攻で仕留めなさい!」

凛がキャスターへ向け走りだし、クズキの壁になるトランプ兵を宝石で消し飛ばす。

アーチャーはマントを被り、狙撃出来る場所を探す。


葛木「遠坂、お前の策は愚策だ」


凛の前に葛木が立つ。

凛「あんた達に、アーチャーは止められない。私の勝ちよ」

葛木「遠坂、お前のサーヴァントがキャスターを殺す前に、私はお前を殺せる」

凛「……」

凛は分かっている。無茶過ぎる作戦だと。

凛(でも、これしか突破方が……)


葛木が凛へと拳を伸ばす。それを


士郎「ガァッ……!」

士郎が割って入り凛を庇う。


士郎「遠坂だけじゃない、俺だっている。いくぞ、葛木」

アーチャーはトランプ兵の壁が無い距離まで接近し、毒矢を穿つ。

矢は刺さるが、クズキは顔色を変えずにまた詠唱を始める。


         『物語は永遠に続く』


弓「げ。やっぱりまたッスか。でもねえ」

弓「アンタに毒が入った時点で勝負は決まってんだよ」


『か細い指を一項目に戻すようにあるいは二巻目を手に取るように。』


弓「森の恵みよ……圧政者への毒となれ」


           『祈りの弓』


アーチャーが言い終わると同時、クズキが内部から爆発する。

士郎と凛が時間を稼ぐ。だが力量の差は大きい。

凛「キャッ!」

士郎「ぐあっ!」

凛と士郎が飛ばされる。

士郎「ぐ……まだだ。そうだろ、遠坂?」

凛「ええ、まだやれるわ」

が、立ち上がりまた挑む。



騎「シンジ、アンタは行かなくていいのかい?」

ライダーは倒れたまま、側に来ていた慎二に話しかける。

慎二「は? 何言ってんのお前? 僕が行ったところでどうなるんだよ」

騎「そうさね。けどさシンジ。アンタは私のマスター何だ」

騎「不可能を可能に出来る筈だよ」

慎二「……口でなら何とだって言えるさ! 僕が行ったってどう考えたって無駄死にするなんて分かり切ってる事だろぉ!!??」

騎「まあ、アンタは小悪党だ仕方ないね。でもさ、慎二。あのトオサカって子にいいとこ見せらんないままでいいのかい?」

慎二「はあ? 何言ってんのお前」

騎「あのエミヤって奴は無理だと分かって飛び込んで行った。アンタが負けてんのはそこだよ。シンジ」

慎二「はあ? 何言ってんだよお前はさあ!? 僕がアイツに負けてる?  何言ってんだよおおお!  そんな事あるわけないだろぉ!!」

騎「腹を据えな、シンジ!」

慎二「ああ。ああ。あああああああ。あああああああああああ。ああああああああああああああああ」

慎二「僕が衛宮なんかに負けてる分けないだろう。ああ、いいさ。葛木なんか怖くない。そうだよ、葛木なんか僕と比べれば……ブツブツ」

慎二は葛木へ向け走りだす。


慎二「うわああああああああ!!!」


衛宮「し、慎二?!」

凛「ええ?! ちょっと何?!」

慎二は葛木に殴りかかる。が


慎二「ひぎぃっ!?」


案の定、殴り返される。

慎二「と、遠坂、僕はお前を助けてやってるんだ。感謝しろよな」

凛「はぁ?あんたね、」

慎二「ひぎぃっ!」

凛が返事を返し終える前にまた殴られる。

士郎「遠坂、喋ってる場合じゃ」

凛「そうね。慎二に助けられてるような形のままは嫌だもの」

倒れていたセイバーが目を覚ました。

剣「ううっ……一体私は……?!」

セイバーの目に写ったのは葛木に挑んでは倒される士郎達。

剣「騎士とした事が気絶していたとは……回復は十分ですね」

セイバーは立ち上がり、葛木の元へ向かう。


剣「士郎、凛、無事ですか? ……マトウシンジ……?」

葛木が動きを止めセイバーへ向かい構える。

慎二「ぼ、僕は敵じゃないぞ。き、斬るなよ……?」

セイバーは慎二を無視し葛木へ向かい構える。


剣「貴方の拳は所謂、初見殺し。完全な死角からの攻撃もサーヴァントに二度は通じません」


葛木「その通りだろう。だが、それがどうしたいうのだ?」


剣「……そうですか。では、参ります!」


勝負は一瞬だった。

セイバーが斬りつけ、それを葛木が躱し拳を伸ばす。だがそれはセイバーに当たらず、セイバーは葛木の胴を横に斬った。

弓「ほら、終わりましたよ……ってそっちも終わったみたいっスね」

アーチャーが帰って来る。

凛「ふぅ……終わったわね。それで慎二、アンタはどうするのよ?」

慎二「は?」

凛「は? じゃないわよ」

そう言いながら凛は慎二へ人差し指指を向ける。

凛「さっきのに免じて、今回は見逃してもいいと思ってるんだけど。どう?」

慎二「へ? ああ、もしかして遠坂。僕の雄姿を見て惚れ直しちゃったワケ? いやぁ、遠坂がどうしてもっていうなら付き合ってやってもいいんだぜ?」

凛のガンドが慎二の顔の横を飛ぶ。

慎二「ひぃっ!?」

凛「慎二君? 大人しくさっさと帰ってくれない?」

凛は笑顔で言う。

慎二「ひっ、ひぃっ!!」

慎二は凛に背を向け体制を崩しながら走り出す。

慎二「帰るぞ、ライダー!!」

いつの間にか立てるほどに回復していたライダーも慎二について行く。


その後士郎と、凛は何もなく士郎の家に戻った。

凛「ふぅ……終わったわね。それで慎二、アンタはどうするのよ?」

慎二「は?」

凛「は? じゃないわよ」

そう言いながら凛は慎二へ人差し指指を向ける。

凛「さっきのに免じて、今回は見逃してもいいと思ってるんだけど。どう?」

慎二「へ? ああ、もしかして遠坂。僕の雄姿を見て惚れ直しちゃったワケ? いやぁ、遠坂がどうしてもっていうなら付き合ってやってもいいんだぜ?」

凛のガンドが慎二の顔の横を飛ぶ。

慎二「ひぃっ!?」

凛「慎二君? 大人しくさっさと帰ってくれない?」

凛は笑顔で言う。

慎二「ひっ、ひぃっ!!」

慎二は凛に背を向け体制を崩しながら走り出す。

慎二「帰るぞ、ライダー!!」

いつの間にか立てるほどに回復していたライダーも慎二について行く。


その後士郎と、凛は何もなく士郎の家に戻った。

今日はここまでです

>>63
その設定があったのでキャスターだけ狐にしようか迷ったんですが、どうしてもW葛木がやりたかったんですよね

無理矢理理由付けするなら自分の中身が伽藍堂だったため望みを持つ自分を夢見たとかでしょうか

ーーーーーーー

アインツベルンの城に警報がなった。

最初に1つ。そして2つ、1つと続く。

イリヤ「ふふふ……早くおいでよ……」

『■■■■■ーー!!!』


城内の広場で待ち構えるイリヤとバーサーカー。



それから数分。

敵の気配がした。イリヤは気配の方向を向く。

臓硯「ははは、貴様がアインツベルンの聖杯か」

城の二階、そこに臓硯は現れ広場を見下ろしていた。

イリヤ「ごきげんよう。マキリの現当主、ゾォルケン」

イリヤはスカートの裾を軽くつまみ上げ、臓硯に挨拶を送る。


イリヤ「それで、貴方のサーヴァントはどこかしら? 気配を感じないわ」

臓硯「ははははは!! アサシンよ、挨拶をするとよい」


「呵々、了解したぞ。マスター」


突然、空間からする声。

瞬間、バーサーカーが何かの気配に気付き身を逸らす。


        『我が八極に二の打ち要らず』



『■■■■■ーー!!!』


アサシンがバーサーカーに拳を打ち込む。

バーサーカーは思わず咆哮をあげた。しかし、身体を無理矢理動かして、咄嗟にアサシンの見えない腕を掴み

暗「っ……?!」

腕を振り上げ、そのまま床まで振り下ろした。

暗「くっ!」

アサシンが床に叩きつけられ、床に穴が空く。

暗「呵々、効いたぞ!」

アサシンはバーサーカーの手から衝撃を利用し脱出する。

アサシンを叩きつけた床へバーサーカーが矛を振るう。

だがすでにアサシンはそこにいない。

『■■■■■ーー!!!』

バーサーカーは闇雲に周りに槍を振るう。

そのバーサーカーの姿はまさしく暴風。常人ならば近づくだけで吹き飛ばされるだろう。

そこへアサシンは踏み込み

暗「呵呵、見えぬ相手だろうと確かに普通なら有効な手段か。だが、儂には通じぬよ」


           『猛虎硬爬山』


強力な連撃がバーサーカー叩き込まれた。


バーサーカーは大きく後退し、頭から後ろへ倒れる。

バーサーカーはすぐに立ち上がる。だが

『■■■■■ーー!!!』

立ち上がり直ぐに、片膝を床に着いた。

そしてバーサーカーは前へ倒れ込んだ。

イリヤ「バーサーカー?!」

イリヤが驚きバーサーカーへと駆け寄る。



暗「呵呵、よく耐えた」


最初に打った一撃、无二打。

本来なら命を奪う一撃の筈だった。だがバーサーカーは寸前に逸らした。

それにより威力は減少、だが无二打の一撃は徐々に身体を蝕んだのだった。


臓硯「ははは、ははははは、よくやったぞ、アサシン。次はあのアインツベルンの聖杯だ」

臓硯「桜の邪魔になりそうな不安の種は積んでおかねばな」


臓硯はアサシンに命令する。

だがアサシンは動かない。


臓硯「? どうした、アサシン」

暗「悪いが、儂は一戦一殺を心がけておってな」

暗「一回の戦闘で必ず一人は殺す。が」

暗「一人以上は殺さん」

臓硯「アサシン、お主……令呪を使わせたいのか? ……まあよい、それならわしが殺せばいい話よ」

イリヤはバーサーカーの側で泣き叫んでいる。

臓硯「あの様子ならわしでも十分よ」


臓硯はイリヤの元へ行こうとする。だが、それをアサシンが止める。

暗「マスターよ、今は無理そうだ」


城の正門が開く。

綺礼「間桐臓硯。貴様の邪魔をしに来てやったぞ」

そこには言峰綺礼とランサーの姿があった。
()

あれ最後に()ついてるな。送信の瞬間に押したかな
今日はこれだけになります

臓硯「ははは、ここで来るか言峰綺礼。では我々は退散させて貰うかの」

臓硯「戻るぞ、アサシン」

臓硯はアサシンを呼び戻そうとするが

暗「呵呵、そう簡単にはいかなそうだぞ」


綺礼「ランサー、宝具を使え。魔力の消費は抑えておけ、足止め程度で構わん」

槍「ふはははは! おお、コトミネよ!! 了解したぞ!!」

ランサーの周りに魔力が集まる。

臓硯「ぬぉ、まさか周囲ごと巻き込むつもりか。ええい。……?!」

臓硯は急ぎ城から脱出しようとする、が


   セ ッ ト
綺礼「告げるーーーー」

黒鍵が飛んで来て後退を余儀無くされる。そして発動する宝具。


             カズィクル・ベイ
            『串刺城塞』


城の広場、壁を埋め尽くす槍、杭。



臓硯「ぬおぉ……なんと」

臓硯の周りも囲まれる。

臓硯「アサシン! 何をしている?」


暗「くははははは! 済まんなマスター! 儂も動けんのよ!」

臓硯がアサシンの声がする方を見る。

確かに恐らく脚があるであろう場所に槍が通っている。

臓硯「その程度、どうにか出来ぬお主ではあるまい」

暗「それがな、マスターよ。これは儂のような殺人鬼には効果が大きいらしい! 全く脚が動かないのなんの!」

臓硯「何じゃと……? ぐふっ!?」

杭が数本動きだし、臓硯に刺さった。

臓硯「ほほう……なるほど。これは確かに効くのう……ごふっ」

臓硯は口から血の代わりに蟲を吐き出す。


綺礼「それでは、神父としてその魂。浄化してやろうでは無いか」

綺礼が二階の臓硯の元へ跳ぶ。


     『私が殺す。私が生かす。私が傷つけ私が癒す』


綺礼は臓硯の頭を掴み、強引に杭から体を引き抜いて壁に頭を擦り付ける。


   『我が手を逃れうる者は一人もいない。我が目の届かぬ者は一人もいない』


臓硯「ぐぉぉ……アサシンよ、令呪を持って命じる……」

臓硯の頭から蟲が潰れてゆく。


    『打ち砕かれよ。敗れた者、老いた者を私が導く』


臓硯「桜……元へ……行……い……」

臓硯の口は潰れ声も途切れ途切れになる。

令呪は一画消費され、アサシンをその場から消す。



    『ーーーー許しはここに。受肉した私が誓う』


すでに臓硯の原型はそこに無い。あるのは臓硯の意識と核の蟲だけ。

そして綺礼は最後の一節を読み上げる。


                キ リ エ ・ エ レ イ ソ ン
          『ーーーーこの魂に憐れみを』

臓硯の核であった蟲も消える。

それに伴い、槍と杭も消える。


綺礼「さて、事は済んだ」

綺礼は溜息を吐き、広場全体に聞こえるよう告げる。

綺礼「何処かに居るのだろう。出て来たらどうだ?」


「分かっていたかーーーー」


城の奥から一人、歩いて来る。

綺礼はその人物を見て、少し驚いた。


綺礼「ほほう。まさか貴様がここに居ようとはな」


綺礼「トワイス・H・ピースマン」


トワイス「ああーーーここまで有名過ぎるのも困るな」


トワイスは広場の中央辺りで脚を止め綺礼を見上げる。


綺礼「何故ここに、君がいるのかね? 名前通り、聖杯をかけて行う、この戦争を終わらせに来たわけではあるまい」


トワイス「そうであって、そうではないーーー」

トワイスは途中で口を止める。

トワイス「いや、それは今は重要な事じゃないな」


トワイスはバーサーカーの元へと歩く。


イリヤ「な、なに?」


イリヤはバーサーカーの前へ立ち、トワイスを通さない意思を示す。


トワイス「私の魔術の専門は治癒でねーーー」

トワイス「君のサーヴァントを助けたいんだよ」

イリヤ「嘘よ」

トワイス「信じないか。だが、放って置いてもそのサーヴァントは消えるだろう」

トワイス「それなら私に任せてみせなさい」

イリヤ「……」

イリヤは数秒考え

イリヤ「いいわ。でもバーサーカーに何かしたら……殺すよ?」

トワイス「構わない」

トワイスはバーサーカーの側に行く。

バーサーカーの体はアサシンとの戦いによる外傷は少なかったが、ライダーの宝具に巻き込まれたときの刺された傷が目立った。

トワイスは魔術の用意をして、バーサーカーに手を翳し


            『recover』


トワイスがそう呟くとバーサーカーの傷が塞がっていく。

そして、見える傷は完全に無くなった。

イリヤはその光景に呆然とする。


言峰「本当に治すとはな。貴様の企み、興味が出て来たよ」

言峰はそう言い笑う。


トワイス「私の魔術は傷ならば完全に治す。しかし、状態異常、魔術回路の異常は専門外だ……おっと」

傷が治ったバーサーカーは突然、立ち上がり

『■■■■■ーー!!!』

暴れ出そうとする。

イリヤ「バーサーカー、待って」

が、それをイリヤが止める。

イリヤ「傷しか治せないって何? 呪いでも受けてるの?」

トワイスは首を横に振る。

イリヤ「じゃあもう一つの魔術回路の異常かしら?」

トワイスは少し間を空け答える。


トワイス「バーサーカーの魔術回路は乱れているーーー」

トワイス「もう宝具は使えないだろう。その身を犠牲にさせるなら可能だよ」

トワイス「しかし、バーサーカーのクラスだった事は幸運だ。魔術回路を使わずともそれなりの戦闘は可能になる」

イリヤ「そう」

イリヤ(それだけならシロウとキリツグを殺すのに十分だわ)




綺礼「用事は済んだかね」

綺礼が二階から飛び降りて来る。

綺礼「トワイス・H・ピースマン、寝床は確保してあるかな?」

綺礼はトワイスに突然そんなことを聞く。

トワイス「いいや。今夜は野宿の予定だよ」

綺礼「そうかそうか、偉人である貴方を野宿させるわけにはいかないな。どうだろう」

綺礼「我が教会に保護してもいいが」

綺礼は終始笑いを堪えるかのように話す。

トワイス「それはお願いしたいな。それにーーー」


トワイスは綺礼の近くにまで歩いて行き


トワイス「英雄の王にもお目に掛かりたい」

綺礼にだけ聞こえるよう、呟く


綺礼「なん……だと……?」


トワイスの言葉に、言峰の顔が打って変わり、驚き強張る。

今日はここまでです

トワイスの話し方がランサー並みに難しい・・・
おかしなとこがあれば指摘をお願いします

綺礼「貴様……何処まで知っている?」

トワイス「失言だったかな? 私は何も知らないよ」

綺礼は数秒険しい表情でトワイスの顔を見つめ

いつもの表情に戻る。

綺礼「ふふ、話は教会ですればいいな。さあ、行こうか」

綺礼はランサーに霊体化を命じ、城を出て行く。


トワイスはイリヤの近くに歩いて行き、話す。

トワイス「君の復讐の目的である怨敵、二人いるね」

イリヤ「?! な、何で知ってるのよ?」

イリヤはトワイスの言葉に言葉に驚くが、直ぐに平静を保つ。

トワイス「その事は今はいいーーーそれより怨敵だが」

トワイス「その一人である切継ーーー彼は既に亡くなっている」

イリヤ「…………そう」

イリヤは残念なような寂しいような声で言う。


トワイス「話はそれだけだよ。また、機会があれば」

トワイスはそう言い残し、綺礼の後を追う。

ーーーーーー

衛宮士郎の家の朝、大河が来て共に食卓を囲み大河だけが学校へ向かう。

今日は士郎も凛も学校へ行くつもりだったのだが

大河「何でそんなに怪我してるのよ?! 二人が学校に行くことは先生が許しません!!」

だそうだ。怪我の原因は凛がごまかした。


そんなこんなで、二人は居間でだらけきっている。

士郎「んー、暇だな」

凛「そうね」

士郎がふとテレビを付けるとやっていたのはニュースだった。

『また、トワイス・H・ピースマン氏が紛争地に出向き傷付いた一般人の方達に治療を施したようです』

『いやー、トワイスさんは素晴らしい方ですねー。次のノーベル平和賞も決まっているという噂ですしねー』

士郎(凄いな……正義の味方っていうのはああいう人を言うのか……)

士郎のは関心したような尊敬したような顔になる。

凛「正義の味方っていうのはああいう人を言うのかー」

士郎「……え?! なんでさ?!」

凛「あんたの考えてることは見え見えなのよ。ちょっとは自分の顔を気にしなさい」

凛「そうだ、一応教えとくとね」

凛「トワイス・ピースマンは魔術師よ」

士郎「む」

凛はおかしな冗談を言う、士郎はそう思った。

士郎「魔術師ってのはさ、有名になるといろいろ面倒なんじゃないか?」

凛「そうね、言い方が悪かったわ。あの男は魔術使いなのよ。士郎と同じね」

士郎「ふーん」

凛「まあ、魔術刻印は受け継いでるわよ? 使える魔術は完全治癒一つだけだけど」

士郎「完全治癒? それって凄いんじゃないか?」

凛「そうでもないわ。怪我なら完全に治すけど毒や呪いはどうにもならない」

凛「私のガンドみたいな攻撃に対して相性が悪いのよ」

士郎「そっか……?!」

突然、警報が鳴り侵入者を告げる。

凛「敵?! こんな早い時間から……!」

セイバーとアーチャーは霊体化をとく。

4人は庭に出て侵入者の攻撃を待つ。

そして侵入者が姿を表す。


慎二「よ、よう。衛宮、遠坂」

現れたのは慎二と

桜「ど、どうも……先輩に……遠坂先輩……」

桜だった。

ーーーーーー

士郎との一騎打ちやその後いろいろあった日の次の日の朝。

慎二は自室にいた。そこへライダーが霊体化を解き、話しかける。


騎「なあ、シンジ、アンタは小悪党だ!!」

慎二「急に何だよ?! それにその小悪党っていうのやめろよ!!」

騎「まあ、そんな事はどうでもいいさ! アタシがアンタの恋が成就するよう手伝ってやろうと思ってねえ」

慎二「余計なお世話だよ!! それにお前、面白がってるだけだろ!?」

騎「ああ、その通りさ!」

慎二「もういいよ、黙っとけよお前!!」

騎「まあ、そんなこと言わずに聞いときなシンジ! 小悪党には小悪党の恋愛法ってのが幾つかある」

慎二「あーもう!! 勝手に話してろよ、聞いてやんないけどさぁっ!!」

慎二は一人でベッドに寝転び、ライダーに背を向ける。

騎「それで今、アンタが出来そうなのは……そうさねえ……」

騎「トオサカってのにアイツよりアンタの方がいい男だって教えてやるって方法と」

騎「あのシロウってのに彼女を作らせて別れさせるって方法があるね」

慎二が身を起こす。

慎二「へぇ……思ったより考えてんじゃんお前」

騎「それで、普通の小悪党ならここでどっちかだけをやるんだけどねえ……」

慎二「まさか……お前……!?」

慎二が明らかにオーバーなー様子で驚く。

騎「気づいたかい、シンジ?」

慎二は立ち上がる。

慎二「ああ! その方法、ってのをさ。両方やる、そうなんだろ?!」

騎「分かったかい。流石だね、シンジ! やっぱりアンタは最高に小悪党だ!!」

慎二「あははは、そんなに褒めるなよライダー。でも、衛宮の相手はどうするんだ? 僕、アイツの好みとか知らないぞ?」

騎「それはね……アンタの妹を使うのさ!」

慎二「な……?! 桜を?!」

騎「ああ、そうさ。アンタがサクラとエミヤの関係に乗り気じゃないのは知ってるよ。でも今は形振り構ってられる状況じゃないだろう?」

慎二「……ああ、そうだな……。よし、桜と一緒に衛宮んとこに行こう。嫌と言っても連れて行ってやる」


慎二は桜の部屋へ行く。

桜「に、兄さん……どうしたんですか?」

慎二「今から衛宮の家に行くんだ。お前も一緒に来いよ」

桜「えぇ?!」

予想外の言葉に驚く桜。

桜「で、でも兄さん。先輩は学校に行くはずですし、私も学校が……」

慎二「衛宮も僕も昨日大怪我したんだ、アイツが行きたいって言っても藤村が行かせないだろ」

慎二「それと桜、お前も今日学校休めよ。お前が衛宮の看病に行くのはいつもの事だろ?」

桜「で、でも……」

慎二「桜、お前にはやって欲しいことがあるんだ」

桜「へ?」

慎二「衛宮のやつを口説き落とせ」

桜「へ? ……えええええ?!」

桜があたふたし始める。

慎二「お前、衛宮の事好きなんだろ? 僕がいいっていってんだから絶対に落とせよ? 出来なかったら承知しないからな」

桜「ですが、兄さん……」

急に桜が暗くなり。

桜「私の身体は汚いです……。こんなの先輩が知ったら……」

桜は心配事を話始めた。だが

慎二「はぁ? 何? お前そんな事気にしてた訳?」

慎二は真っ向から跳ね除ける。

桜「そんな事って……!」

慎二「はっ! だって衛宮がそんなの気にするわけないじゃん。アイツ馬鹿なんだからさ」

慎二「どうせ、それでも桜は桜だとか何とかいうに決まってるよ」

桜「そんな事ぐらい……分かって……!」

慎二「あーもう、うるさいなあ!! 僕が行くって言ってるんだ。さっさと準備しろよ!! また殴られたいわけ?!」

了承しない桜に慎二はイライラし始めた。

桜「に、兄さん……分かりました……」

桜は渋々準備を始める。

慎二「遅いなあ! 早くしろよ!!」

桜「すみません……兄さん……」

準備が終わる。

慎二「ははは、それじゃ行こうか、桜」

桜「……」

こうして慎二と桜は衛宮の家に来た。

そして門を潜ると鳴り響く警報。

慎二「は、何これ?」

桜「え、えと……敵が入って来たと思われたみたいですね……」

慎二「分かってるよ、そんなの! えーと、どうすればいいんだ?」

ライダーが霊体化を解く。

騎「敵が来たとありゃ、自分の根城は壊されたく無いだろうしねぇ……外に出てくるんじゃあないのかい?」

慎二「そ、そうだよな。じゃあ、庭だな、そこに行こうぜ」

慎二と桜は庭に行く。

今回はここまで

ーーーーーー

士郎「な、慎二と桜?! それに……」

士郎はライダーを見る。

剣「シロウ、下がって」

セイバーが士郎の前に立とうとする。

士郎「いや、待ってくれセイバー」

だが士郎はセイバーを一旦止める。

士郎「慎二……お前まさか……桜を……」

巻き込んだのか……とまでは言わずに、士郎は慎二を睨みつける。

だが慎二はそれに対しぽかんとする。

慎二「は? え? 何で怒ってんの、お前」

桜(先輩にバレる……そんなの……嫌……!)

桜の視界が一瞬、暗転する。

桜(……誤魔化さ……ないと……!)

桜「あの、せんぱ」

騎「なあ、慎二。アタシの紹介を早くしないから怒ってんじゃないのかい?」

桜の言葉をライダーが遮る。

慎二「へ? 何言ってんだお前」

桜「……!」

桜がライダーの言葉の意味に気付く。

慎二「そんなの知ってるに決まって」

慎二の言葉を無視しながら桜が話し続ける。

桜「え、えーと……この人は……」

桜は数秒考え

慎二「あ? そんなの僕のサーヴァ」

桜「家政婦さんです!!」

慎二「は? 誰が」

ライダー「サクラが言った通り、私は間桐の家に来てる家政婦さ!」

ライダーも慎二の言葉を無視し、話す。

慎二「おい、お前達……さっきから何なんだよ!!」

士郎が険しい顔で慎二に詰め寄る。

士郎「慎二……桜に何も言ってないんだな?」

慎二「は? お前まで何言って」

凛(なるほど、そういう事ね……。いいわ、桜。助けてあげる)

凛「慎二、ちょっと黙ってなさい」

凛がキツめに言い、慎二を言葉を止める。

慎二「へ?」

凛「ねえ、士郎。桜は本当に何も知らないんじゃないかしら。それにあんな嘘吐いて、何の意味があるのよ」

士郎は凛の言葉に顔の険しさを解く。

士郎「……そうだよな。悪かった、慎二。疑っちまって」

慎二「は? あ、ああ、まあ気にすんなよ……?」

ーーーーーー

慎二達を衛宮家に招き

居間で士郎と凛、慎二と桜がそれぞれ隣に座りテーブルを囲み

サーヴァントはそれぞれのマスターの後ろに控えている。

士郎「それで、どうしたんだ? 桜まで来て?」

桜「えと……兄さんに先輩と喧嘩して怪我をしたと聞いたのでお見舞いに……」

慎二「そうなんだよ、僕が怪我させちゃったからねぇ。お見舞いしなきゃいけないと思ってさぁ」

士郎は申し訳なさそうに桜を見る。

士郎「悪いな、休ませる事になってさ……。そうだ、朝食は食ったか?」

慎二「ん? そういえば食べてないなぁ。何か作ってくれよ」

凛「あら、そうなの。セイバー、慎二に何か作ってあげて。腕に縒りをかけてあげてね」

剣「分かりました。士郎の客人です、全力でやりましょう」

慎二「なんだお前、料理上手いの? 楽しみにしてるよ」

凛「ぷぷ……」

凛が笑いを堪えて顔を手で抑える。

士郎(あー、言った方がいいかな……む、セイバー凄く楽しそうだしいいか)

士郎「桜のは俺が作るよ」

桜「あ、え……ありがとうございます、先輩」

とりあえずここまでで

ちなみに>>1はEXTRA鯖では黒ランサーが好きです

Zeroのサーヴァントは変わってないのかな?

二人の元へ料理が運ばれ、桜は士郎が作った和の定食を食べ

慎二はセイバーの作った大量のマッシュポテトを凛に無理矢理完食させられた。


慎二「うぷ……ふぅ……そうだ、桜。お前、衛宮に用があるんだろ?」

桜「へ? ……あぁ……えと……あの先輩、今日は部活をしてなくて、体を動かしたいんですけど……道場にでも行きませんか?」

士郎「ああ、いいぞ。んー、遠坂と慎二もどうだ?」

凛「私はいいわよ」

慎二「あー、僕もいい。二人で言って来いよ」

士郎「そっか。それじゃ行くか、桜」

桜「はい、先輩」


士郎と桜は居間から出て行く。


剣「では私も」

凛「空気読みなさいよ、アンタ……」


セイバーが立ち上がり続こうとするが凛に止められ、座る。


慎二「なぁ、遠坂」


慎二が凛に話しかけるが


凛「それじゃ私は自分の部屋に戻るから」


凛は慎二を無視して立ち上がり、居間から出ようとする。


慎二「ま、待てよ。少し話さないか?」

凛「……アンタと何を話すっていうのよ?」


凛は元の位置に座り直す。


慎二「は……? えーと、そうだな……」

弓「おいおい、女の口説き方も知らねえのか?」


突然アーチャーが慎二を煽り


慎二「あ? 舐めるなよサーヴァントが。僕が今まで何人の女とどうやって付き合ったか、聞かせてやるよ」


気が付けば、アーチャーが凛の隣に座り、慎二と熱く語り出していた。

騎「なあ、セイバーこんな機会少ないし少し話さないかい」

剣「はぁ……? 構いませんが」


ライダーがセイバーに近寄る。


騎「アンタはさぁ、一体何を聖杯に望むんだい?」

剣「聖杯への望み……ですか。私は聖杯への望みはありません。私は……いえ、そういうことを敵へ言うのは浅はかですね」

騎「ん? そうかい、なら私から言ったら言ってくれるかい?」

剣「しかし……」


凛も近くに来る。


凛「まぁ、いんじゃないの? よく考えてみなさい、相手の情報を手に入れるチャンスよ。聖杯戦争で真名特定は重要よ?」

剣「そうですが……」

凛「まぁ、私は二人の真名には気づいてるけどね」

剣「な……!? 私とした事が失態を……!」


セイバーが顔を伏せる。


騎「あっはっはっは! アンタも面白いジョークを言うじゃないか。あれだけ太陽の騎士だとか自己紹介しといてさぁ」

剣「……私とした事が熱くなってしまっていました……」

騎「同じ様に、シンジもアンタの真名には予想が付いてるよ。アイツは基本的には優秀な奴だからねぇ」

騎「話がそれちまったが、アタシの願いは……そうさね」


ライダーが数秒黙り


騎「艦隊の力を思い知らせる事さ!!」


願いを大声で叫んだ。


慎二「うるさいよお前!」


アーチャーと話していた慎二が苦情を言って来ているがライダーは気にせず続ける。


騎「アタシは騎士の地位も手にいれたし世界だって巡った。海賊だけど財宝だって必要以上はいらない」

騎「悪党なりに好き勝手やってきたから、二度目の生にだって興味は無いんだよ」

騎「だから、アタシの望みはアタシの艦隊の力を思い知らせる事なのさ」

剣「……」

凛「そう。聖杯に望みは無いのね」

騎「まぁ、そうだね。アタシはそこの太陽の騎士さんとの戦いでそれなりに満足したし、慎二も聖杯に望みは無いようだからね。アタシはあんたらと同盟を組んでもいいと思ってるよ」

慎二「ライダー、お前……!! 名に勝手なこと言ってんだよ!!」


慎二がまた何か言ってるがライダーは無視して話す。


騎「まあ、それは今はいいさね。それで、アンタの願いはどんなだい?」

剣「……先程言ったとおり、私には聖杯にかける望みは有りません。生前への不満はありますが、過去を変えたいなどという願いは私が仕えた王に笑われてしまいますので」

剣「ふふ……結局、私は王の笑った顔を見たことがありませんでしたが……いえ、そういう話をするのではありませんでしたね」

剣「私の願いはただ一つ、ただ、主の……一振りの剣となることです」

剣「この戦いにおいてはシロウに聖杯を掴んで貰うというのが願いになるのでしょうか」

凛「そう。……でもシロウのやつ聖杯なんて欲しいと思ってないみたいだけど、それでいいの?」

剣「はい、それならシロウがしたい事を助けるまでです。私はシロウの剣になれればそれでいい」

騎「あっはっはっは! 笑わせてくれるねぇ」

剣「笑われようとと構いません。それが私の願いです」

騎「アンタの願いってのはさぁ……まさしくただ剣になるだけだ。けどさぁホントにそれでいいのかい?」

剣「……何が言いたいのですか」

騎「もしもだ、アンタの主が間違っていると思っても、それでもアンタは黙って従うんだろう?」

剣「主が間違っているなどありえません。もしも主が間違っている言う者がいればその者こそが間違っている、それだけの事です」

セイバーの言葉にライダーはうな垂れる仕草をする。

騎「ははは、駄目だこりゃ、重症だねぇ……そうだ、嬢ちゃん。酒は無いのかい?」

凛「へ?」

騎「いやぁ、話ってのは飲んでた方が進むもんさ。だからみんなで飲もうと思ってねぇ」

凛「私は知らないわよ、酒が何処にあるかなんて。聞くとしたらシロウだけど……まぁ、私はどっちにしても飲まないわよ?」

騎「そうかい……ならいいや。そうだ、そこの緑ぃのアンタも話さないかい!」

弓「あ? 何をだよ」

騎「聖杯への望みさ!」

弓「あー……そういうのはパスですわ。ほら俺、アンタらと違って真名の検討も付けられて無いだろうし、元からいう気もないんスよ」

騎「釣れないねぇ……そんじゃ、嬢ちゃん。アンタはどうだい?」

凛「私? 聖杯への望みは無いわよ」

騎「へ……? なら何でこんな物騒な戦いに参加したんだい?」

凛「んー……そうね。そこに戦いがあったからかしら」

騎「うん? 本気で言ってんのかい?」

凛「ええ、本気よ」

騎「…………変わったのが多いねぇ……」

慎二「何だよ、遠坂お前そんな理由で参加したのか?」

慎二が笑いながら凛を指差す。

瞬間、慎二の横に黒い塊が飛んで来る。

凛「何か言ったかしら、慎二君?」

今回はここまでです

>>109
zeroはそのままのつもりですねー

話している間に昼が来る。

士郎と桜が戻ってきて、昼食を作り、全員で食べた。

慎二「あれ、僕何しに来たんだっけ」

騎「普通に寛ぎに来ただけだったねぇ」

士郎が立ち上がる。

士郎「ちょっと買い出し行ってくるよ」

桜も立ち上がる。

桜「あ、それじゃあ、私も一緒に行きます」

士郎「いや、俺一人でいいよ。桜はここで待っててくれ」

桜「でも……」

士郎「桜はお客さんだからな。待っててくれ」

桜「……分かりました」

士郎「それじゃ、行って来るよ」

士郎が居間から出て玄関で靴を履いているとセイバーが来る。

剣「士郎、私がお供します。今は私も家の者ですから構わないでしょう」

士郎「……そうだな。一緒に来てくれセイバー」

士郎とセイバーは玄関から出て行く。

セイバーは霊体化して士郎について来る。

士郎はスーパーで買い物を済ませ自転車に乗ろうとした時だった。

イリヤ「こんにちは、お兄ちゃん」

士郎の目の前に見覚えのある少女が現れた。

士郎は驚き自転車を倒す。

「大丈夫かい?」

士郎を心配し、一人の男が話しかけて来る。

士郎「あ、すみません。大丈夫……!?」

士郎は男の顔を見て驚いた。

士郎「トワイス……ピースマン……」

イリヤも男に気付き驚く。

イリヤ「あ、貴方……!」

イリヤはトワイスを睨みつける。

トワイス「今はせっかく周りに気付かれてないんだーーー」

トワイス「なるべく目立たないようにしてくれると嬉しいが」

士郎「分かりました。……トワイスさんは何故こんなとこに居る……!」

士郎は最後まで言う前に、質問の答えに思い当たる。

士郎(聖杯戦争の場所に来る魔術師という事は……まさか……マスター……?)

士郎は咄嗟にセイバーにトワイスの側にサーヴァントがいないか確認させる。

セイバー(気配は感じませんね。たとえアサシンのサーヴァントだとしてもこの距離なら気配を感じれますから)

士郎(そうか……分かった。ありがとうセイバー)

トワイス「途中で言葉を止めたがーーー聞きたいのは何故ここに居るのか、かな?」

トワイスは数秒溜めてから答える。

トワイス「予想通り、願いを叶える為だ」

イリヤ「そんなの無理よ。だってもうサーヴァントは7騎召喚されてるわ。貴方はマスターになれない」

トワイス「その通りだーーー私は出遅れてしまった。だからせめて、不正している者を晒して愉しもうと思ってね」

士郎「不正……?」

トワイス「言峰綺礼ーーー彼は監督役でありながらサーヴァントを使役している」

士郎「え……?」

イリヤ「そんな事知ってるわ」

剣(そういえば……ランサーが私との戦いから退くときコトミネという名前を呼んでいましたね……。
神父の名を聞いた時も此方ではよくある苗字なのだろうと気に止めていませんでした。不覚です)


セイバーは士郎に詫びる。


士郎(気にするなよ、セイバー。俺だってあの場に居たんだ、俺にも責任はある)

セイバー(有り難きお言葉……)

トワイス「興味があるなら教会を襲えばいい」

トワイスはそれではと言い残しその場を去って行く。

イリヤ「何だかつまんなくなっちゃった。私、帰る」

イリヤもその場を去ろうとするが士郎が止める。

士郎「……ま、待ってくれ。えと……」

イリヤ「イリヤ、でいいよ。お兄ちゃん」

士郎「イリヤ……少し話さないか。そうだな……そこの公園で」

イリヤ「……いいよ」

それから士郎とイリヤはたわいもない話をし別れた。

士郎は家に戻る。

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