白野「難易度/Extra」 【時々安価】 (271)


――― そろそろ刻限だ。君を最後の候補とし、その落選をもって今回の予選を終了しよう ―――



  ……ここは、俺/私 は……



――― さらばだ、安らかに消滅したまえ ―――



↓2

1 そうか、俺/私 は負けたんだ……

2 どうして、俺/私 はまたここに……?

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1414679296


  そうだ、俺/私はもう融けて消えた筈だ。

  この月の聖杯戦争で多くの願いを踏み越えて、最後の壁も打ち破り、役目を終えた筈だ。

  だというのに、どうして……!



――― む? ―――

  ともあれ、やることは変わらない。 右も左もわからないなんていつものことだ。

  立ち上がって、前に進む。ただそれだけ、たったそれだけだ。 理解も状況も後から勝手についてくる。




  それに、もし俺/私 の記憶が正しいのなら、きっと来てくれる。


  苦楽を共にし、苛烈な戦いを二人で勝ち抜いた、大切な ―――!


↓3 誰が来た?


1 あかちゃま

2 赤執事

3 良妻賢狐

4 ???



ところではくのんはどっち?

↓2

1 イケ魂ご主人様♪

2 愛の前に性別なんて!


  「その魂、ちょーーーっと待った!
   どこの誰とかぜーんぜん存じませんが
   その慟哭頑張り、私の耳にピンときました!」


   ああ、懐かしい/さっきぶり な声がする


  「宇迦之御魂神も御照覧あれ!
   この人を冥府に落とすははやすぎる!
   だってこの魂、きっと素敵なひとですから。

                    ちょっと私にくださいな♪」



   軋むか体をどうにか起こし、頭痛に耐えながら彼女を見る。
   傷ついたこの身にそのハイテンションは少々対えるが、それすら嬉しい。


   
   「謂われなくとも即参上、良妻狐のデリバリーにやってきました!」




白野「…………」

キャス狐「貴方が私のご主人様……でいいんですよね?」


白野「↓2」


白野「そうなんですか?」

キャス狐「そうなんです! 決定です! ていうか絶対にがさねーっ!
     何を隠そうこのタ ――― ワタクシ、ご主人様みたいな人のサーヴァントになりたいって思っていたのです!」

  知ってるよ、玉藻。

キャス狐「まあ、ちょっと性能はピーキーですが、せいいっぱい頑張りますから!」

  それも知ってる。キャスターは無茶をしすぎるからね。





  ぴこっとした耳、モフモフな尻尾、肌色多めでピンクな相棒

  ……これまでの思い出が共有できないのが、少し悲しい


    と



キャス狐「さてと、契約も成立したことですし、邪魔者を片付けましょう♪」


       キャスターが見つめる先には、俺を傷つけた人形が今にも襲いかかろうとしていた


キャス狐「あんな木偶人形、塵も残さずこの世から根絶させておこますから!」




  キャスターと人形が戦闘を開始する。俺はただそれを、感慨深く見ていた。

  また肩を並べて戦える日が来るなんて夢のようだ

  この言葉にできない思いは、ここを出たあとマイルームで ―――






キャス狐「…………きゅぅぅ〜〜……」 ペタン


白野「……あれ?」


  戦闘に敗北しました


白野「あれ?」




   げーむ おーばー





白野「あれぇぇえええ!?」



   今度は俺がリードするんだ!なんて内心いきまいてたけどさ


   ごめんキャスター、また苦労をかけそうだよ




              難易度/Extra


部屋の整理してたらこのソフトが出てきて久々にやってみたので。
むらむらして立てた、後悔はしてない。
それでは、おやすみなさい!

淫乱ピンクで続くのかこれ…
あと結局4の???てなんだったんだ

>>22 ギル「我だ」
   白野「どちらさま?」

     ちなみに難易度は跳ね上がります、しょうがないよね。


 ――― ??? ―――

気が付けば見知らぬ部屋にいた。

畳、ちゃぶ台、見るからに薄そうな壁、

……まるでアパートの一室のようだ。

しゅんしゅんとヤカンでお湯を沸かす音、

窓から見える夕暮れ風景……なんとも生活感にあふれている。



  「久しぶりだね、岸波 白野」



その声に振りかえる、俺はソイツを知っていた。

思えば自分の置かれた状況、こんなことをできる人物は一人しかうかばない。





白野「……トワイス……!」

トワイス「正解だ。記憶の混濁がないようで安心したよ」


トワイス「まあ座りなさい、コーヒーをいれよう」 スクッ

白野「…………」

トワイス「ダメじゃないか、ちゃんと指示をださないと。はい」 コポコポ…

白野「どうも」



手に持ったコップの取手からじんわりと熱が伝わる。



白野「美味しい……」

トワイス「君もブラックでイケるクチかい? 趣味が合うね」



舌に広がるほどよい苦味に心を落ち着かせる。



白野「さてと……いろいろ聞きたいことはあるけど……」

トワイス「言ってごらん」


白野「↓2」


白野「ここはどこなの?」

トワイス「私たちがいるのは熾天の檻の一歩外だ。
     そこなら周囲の情報を改竄して、こんな風に色々と再現が出来るからね」

白野「どうしてまたこんな、えーっと……生活臭たっぷりな部屋に?」


なんというか、目の前の男にそぐわない、気がする。


トワイス「それについては僕のサーヴァントたっての希望でね」


トワイスが向けた視線の先、自分の後ろにいたのは……


白野「…………」

セイヴァー「…………」



あいがたい存在が、めっちゃくつろいでいた


素人目にもわかる、坐禅と胡座の違い。これはどうみても あぐら の方だ。



白野「……なにしてるんですか……」

セイヴァー「 ―――――――― バカンス ―――――――― 」



神々しく言っても無駄です。ここは立川なようです。

でも バカンス の響きが良かったので、深くはふれないようにしますです。


聞くべき事は、別にある




白野「↓2」


白野「松○ハイツ…その再現か!」 ドドン!

セイヴァー「なぜそれを!?」 ガビーン!



もうやだこの覚者、なんか後光が腹立つ。



白野「(スルー)トワイス……俺はあの後どうなったんだ?」

トワイス「それを僕に聞くのかい? 君より先に消えた、この僕に」



とぼけるな元凶、ここに招いた時点で説明する気満々なくせに。

また長々としゃべり倒す気なんだろう。そうなんだろう!?



トワイス「落ち着きたまえ、まだそんなこと言っていないだろう?」

白野「否定しろよ!」



だめだ、早くキャス狐に会いたい、もふもふしたい……!



トワイス「では期待に答えてみっちりと……悪かった、そう怖い顔をしないでくれ」

白野「……」 ジトー…

トワイス「うん、なるべく要点だけ押さえて簡潔に話せるよう努力するよ」

白野「手短にな」






トワイス「結論から言うとね…僕が消える前に願った事を、セイヴァーが叶えたんだよ」


トワイスの願い、確かそれは ―――

進化の為の戦争の肯定、これまでの犠牲以上の成果を出さねばという強迫観念 ――― !



トワイス「いいや、そんな大きな願いじゃない。聖杯に選ばれたのは君だからね」

白野「じゃあ一体何を?」







トワイス「君の……いや、君達の道程を。もう一度」

トワイス「限りなく近い条件で、僕には持てなかった君の力を。見たかったんだ」


トワイス「セイヴァーが消えかけた僕を救い、融けかけた君を掬った。それだけの話だ」

トワイス「輪廻により君を始まりの再現へ……とまあここは別に知らなくてもいいことだったね」

トワイス「君の願いは入力し終えていた、間違いなく叶うだろう。だから……」

トワイス「がっかりするかもしれないが、君たちの今後の道程は世界に影響しない」





トワイス「そうだな……言うなれば『 Extra stage 』 だと思ってくれればいい」


白野「つまりはもう一度勝ち抜けってこと? あの戦争を」

トワイス「そうだね」

白野「負ければやり直しを、あんたみたいに、キャス狐と共に」

トワイス「うん、そうだよ」



白野「あの超絶難易度を!? ドールに一発でのされるような、何かの間違いなアレを!?」




トワイス「…………うん?」



セイヴァー「 ――――― あ ―――――」


白野「ねぇなにこの空気、ちょっとどうしたのさ」

トワイス「セイヴァー、さっきも言ったけど僕はただもう一度見たかっただけなんだよ?」

セイヴァー「あーー……その、なんと言いますか、私その時瞑想中というか、回想中といいましょうか……」











セイヴァー「  ――― これも試練である。汝見事この輪廻を踏破してみせよ ―――  」 パァァ…




白野「   ふ ざ け る な ! ! 」  ドーン!




トワイス「覚者の言をも跳ね除ける。その意志の強さも、紛れもない君の強さだ」

白野「 ち ゃ か す な ! 」  ドドーン!

トワイス「おっとそろそろ時間だ、在るべき処に戻りたまえ」

白野「 は ぐ ら か す な ! 」 ズドドーン!

トワイス「出来る限り協力しよう、大丈夫だ君ならできる」

セイヴァー「慣れれば苦行もいいものですよ」 ニッコリ

白野「なんなんだよもう! この……この……ッ!」





  ―――――  この、『苦行マニア』ァァーーーーッ!!  ―――――




  内なる叫びと共に、俺の意識は還っていく。

  この世でただひとり生の苦しみから解脱した解答者

  その覚者の『秘密』の一つを、理解した気がした



                   こんてにゅー します

―――――――
―――――
―――
――



キャス狐「ご主人様のおかげで、5%くらいの力で勝てちゃいました♪」

白野「 ―― うん、そうだね」

キャス狐「完璧、パーフェクトですよ! もう♪ ご主人様のイケメン♥」

白野(じゃないと死んじゃうもんね)



 ――― おめでとう。傷つき迷い辿り着いた者よ

     主の名のもとに休息を与えよう。 おや、これは ―――


白野「 ? 」



 ――― 異例なことだが、君に何者かから祝辞が届いている。













           ” 超 が ん ば れ ”   と ―――



白野「 や か ま し い !」 ガシャーン!

キャス狐「ご、ご主人様!? お気を確かに!」 オロオロ



   こうして、俺の聖杯戦争は、再び始まった。

   絶対に達成してみせる。成し遂げてみせる。 そして ―――



白野「 一 発 ぶ ん な ぐ っ て や る ! 」


                                難易度/Extra

こんな感じで続いていきたいと思います。
時々安価とか挟んでくとだろうですのでよろしくお願いします。
それではおやすみなさい♪


イエス「私の分も頑張って白野君、これあげるから!」

つ[「麻婆☆豆腐」Tシャツ]

ボーナス(苦行)ステージ

松田さん「ゴミは分別しなきゃダメって言ったでしょーがぁっ!」

トワイス&セイヴァー「ご、ごめんなさーい!」

ところで、最初の相手はきちんとワカメなんだろうか。

>>64
ワカメ(覚醒究極進化済み)


令呪の痛みでぐらりと倒れる……なんてことはなく、普通にアリーナ入口へ出た。

ずっと前、最初に気絶した俺を保健室へ運んだのはキャスターだったのだろうか。

……意識がなかったのが悔やまれる。




桜「岸波 白野さんですね。本戦出場おめでとうございます」



階段へ続く廊下にいたのは、健康管理AIの 間桐桜さんだ。
そこで聖杯戦争のおおまかな流れ説明と携帯端末の受け渡しが行われたのだが……
新品な筈の端末にはメッセージが一通、アイテムフォルダに二つ?


白野「なんだろう……」



とりあえずアイテムから見てみよう。



  パカッ チャラリラリン♪





     [ 『 覚 者 』 Tシャツ ] を手に入れた!





白野「 な ん ぞ こ れ 」


なんだこれ、本当になんだこれ。

一応 礼装 のカテゴリに入るのだろうか?

手触りからしても普通のTシャツっぽいけど……と、横目で見ていたキャスターが



キャス狐「みこーん! これ、かなりイイモノですよ♪」



 ま じ で か 。

キャスターのお墨付きも頂いたので、一度着てみることにした。

着心地は中々だが、別にこれといった変化は ―――――



白野「 ――――― 」







 ああ 世界とは こんなにも 美しい






キャス狐「後光がさしてる!? ご主人様カムバーックっ!」

御仏と神の子の合作聖遺物だもんなぁ


白野「まあ冗談はさておき」

キャス狐「いえ、本当に後光が……」



ステータスの向上、精神に関するスキルが付加されるなど、礼装としても優秀なようだ。

しばらくは着ていよう、悪いことにはならないだろう。

次にメッセージを確認してみよう。



「 やあ、アイテムはもう受け取ってくれたかな?
  それはセイヴァーからの精一杯の詫びだそうだ。
  今の君にとって大いに役立つものに仕上がったと息巻いていたよ。

  このように Extra stage 限定のアイテムやイベントを多数用意したので
  せめてもの励みにしてくれると幸いだ。  」


なるほど、なんともメタい。正に運営する側の言葉だ。


「  ちなみに、2つ目の方は彼の友人作だそうだ。
   こちらも……持っておいて損はないだろう  」


白野「そういえば……」 ガサゴソ



  パカッ  チャラリラリン♪





  [ 『 麻婆☆豆腐 』 Tシャツ ]  を 手に入れた!






白野「 い や ど う し ろ と 」


―――――――
―――――
―――
――


階段を上った先、用具室前にいたのはあの男だった



綺礼「ようこそ、最後のマスターよ。歓迎しよう」



聖杯戦争を監督するNPCたちのトップであり、プログラム進行を司る言峰神父だ。

重苦しい雰囲気、厳粛とした声、そしてどことなく強者のオーラ。神父とは何か。




綺礼「今日この日より君達魔術師はこの先の戦場で戦うことを……ん?」

白野「どうかしましたか?」

綺礼「そ、そのTシャツは!?」 ガバッ

白野「ちょ、ちょっと!?」

キャス狐「なーにご主人様にひっついてんですかこのエセ神父は!?」



キャスターが拳を構えるなか、強制的にアイテムを発現させられた。


つ 麻婆☆豆腐 Tシャツ



綺礼「頼む! これを私に譲ってくれ! このとおりだ!」 ペコリ



あの言峰綺礼が頭を下げている。記憶が正しければすごいレアい光景だ……

わけのわからないままあれよあれよと進んできたが、ここは……


↓2

1 いいですよ

2 だめですよ

聖職者として嗅ぎつけたか
1


白野「いいですよ、はいどうぞ」


特に断る理由もなかったのであっさりと手放す。

あんなに大事そうに抱えちゃって、きっと重度の病気に違いない。


綺礼「ああ主よ、この魂に哀れみを……ッ! さて 」  キリッ

綺礼「感謝するぞ、若きマスターよ。とはいえ私の立場上何もしてやれないのが心苦しいな」 ククク


そういうセリフを吐くならせめて口元を隠してほしい、嘘だというのがバレばれだ。

おそらく『何もしてやれない』も『心苦しい』も両方ダウト。

なんというか、『中立な立場な上で暗躍するのが何故か得意そう』なのだ。

……根拠はないが。


綺礼「そうだ、これを渡しておこう」 スッ




  『マイルームの鍵』 を 手に入れた!




綺礼「では行くがいい、未来ある少年よ。対戦相手の確認も忘れるなよ」



――― そうだ、対戦相手! いったい誰に……!






  マスター  間桐 慎二

  決戦場   一の月想海




 ――― 自分の記憶通りの、繰り返された現実がそこにあった。

                             難易度/Extra


明日からようやく一回戦、相手は大方の予想通りシンジ君ですが……
それでは、おやすみなさい♪


『覚者』Tシャツ・人間用 (読み方募集)
 ランク:C   対人宝具(?)

ごく一般的なTシャツに覚者の直筆と祈り、聖者による加護が込められたもの。
着用した者の全ステータスをワンランク上げ、以下のスキルを付加する。

勇猛 矢避けの加護 魔力放出 菩提樹の悟り 動物会話 直感 対魔力
千里眼 戦闘続行 精霊の加護 心眼(偽) 気配察知 カリスマ

ただしスキルランクは使用者の徳の高さに左右されるので
一般人にとっては殆どただのTシャツである。


一応鬼畜打線も組んでみました



一回戦 ゴルゴンの末っ子(眼帯無くしちゃった☆)
二回戦 ギリシャの大英霊(いわゆるアチャクレス)
三回戦 神代の魔術師  (ありすの神殿付)
四回戦 星の触覚    (狂化なんてなかった)
五回戦 近代の暗殺者  (なんで槍も持ってるの)
六回戦 施しの英雄   (鎧? 勿論あるよ)
決勝戦 人類最古の英雄王(慢心/Zero)


難易度云々というより別ゲーなので自粛しました、ごめんなさい

―――――――
―――――
―――
――


マイルームに入り、一息つく。

キャスターは部屋の殺風景さが気に入らなかったのか、てきぱきと模様替えしてる。

鼻歌交じりに浮かれている彼女とは対照的に、俺の心は沈んていた。



間桐慎二、予選では友人のパーソナルを与えられていた『ゲームチャンプ』

互いに殺し合いの自覚もないまま競い合い、僅差で勝利することができたが

消えゆく彼の悲痛な叫びは、今も脳裏にこびりついている。



また、倒さなければいけないのか。

もう一度、あの懇願の視線を受けなければいけないのか。

いや、それよりも……





白野「勝てるのか? 今の俺に、これから戦う慎二に」


キャス狐「ご主人様、弱気になってはいけませんよ!」

白野「キャスター……」

キャス狐「大丈夫ですよ、ご主人様に仇成す者は見敵必殺☆ですから♪」

白野「……ありがとう、心配かけて悪かった」

キャス狐「いえいえそんな! むしろしおれてるマスターもそれはそれでっていうかー♪」


キャスターのおかげで心的負担が軽くなった気がした。

全く何を鬱屈になっていたのか、らしくもない。

まずは行動を、それが岸波白野だ。







それはそうと、せっかくのマイルーム初交流だ。なにかしようか?


↓ 1~3  話題や行動など、ソフトに

頭なでなで


白野「さっき発表された慎二ってさ……俺の友人だったんだ」

キャス狐「それはそれは……なんと言いましょうか……」 ピョコン

白野「勿論ホントのってわけじゃないさ。予選の……あの仮初の学園生活での、だ」

キャス狐「…………」 ソソソ




白野「でも俺には、それ以前の記憶がない。だからかな……嘘の友情だったって割り切れなかったんだ」

白野「笑っちゃうよな! 本戦前の数少ない繋がりを持つ相手と、いきなりぶつかるなんてさ」 ハハハ…

白野「うだうだしてたら自分も、どころかキャスターまで消えちゃうってのに……情けない」



キャス狐「マスター、あまり気負わないでくださいな」 ピトッ

キャス狐「たとえ戦わない道を選んだとしても、私は最後までお側におりますから」

キャス狐「こちらを気遣う必要などないのです。マスターの選択を、尊重しますから♪」 ニコッ


   ギュッ


白野「うん、もう大丈夫。 ありがとうキャスター」 ナデナデ

キャス狐「……もっと撫でてくれても、いいですよ?」




さあ、アリーナへ向かおう。キャスターとの未来を、もう一度掴むために!








   バチチィィッッ!!




   アリーナに入れません   ブロックされています





白野「  な ん で さ  」

―――――――――
―――――――
―――――
―――
――


   シュゥゥウウ…


キャス狐「ねえマスター? さっき部屋を出る前に、『頼りないマスターだけど』っておっしゃいましたよね?」

白野「うん」

キャス狐「どこがですか! さっきから完封ばかりでご主人様Tueeeeee状態じゃないですか!」

白野「まあ、相手はエネミーだからね。それも序盤の」

キャス狐「それはー……そうですけど」

白野「だから気にしない気にしない。ね?」

キャス狐「……ご主人様がそう仰るなら。無理だけはしないでくださいまし」



ちなみにここに来るまでに校内を駆けずった。おのれ慎二。

分割された封印術式を解除するのに手間取った。おのれシンジ。

27枚の御札とか無駄に多いんだよ。 おのれワカメ。



目の前にいる蜂型のエネミー……さてどうするか。



キャス狐「ご主人様、初陣であの敵は危険かと……」

白野「…………」



いる、この先に。慎二がいる気がする。

それにもうひとつの、サーヴァントの気配もする。

自分と相手の差を知るためにも、ここは進むべきだ。



白野「行こうキャスター。立ち塞がる敵を打ち倒そう」

キャス狐「ご主人様! その敵は今までとは違いますよ!」

白野「大丈夫、きっちりサポートするから。俺に身を委ねて……さぁ……」 スイ

キャス狐「えっあっちょっマスターそんな、私まだこころの準備gバッチこーい!」 キャー♪

白野「……準備はいいかい?」

キャス狐「ちぇっ、つれないですねぇ」 プイ



  ギギギ! ガキンッ!  バシュッ!


蜂型エネミーの猛攻をキャスターはなんとか防いでいる。

今のステータスではやはり厳しかったようだ。


キャス狐「くっ! きっついですよマスター! これじゃあ……っ!」

   ギギィン!

キャス狐「しまっ……!?」





白野「   コードキャスト:shock(2)  」  バシュン

エネミー『  ギギィ!?  』  ガシュ!

キャス狐「ご、ご主人様~助かりましt」








白野「    shock(4)
shock(8)
shock(16)
shock(32)
shock(64) 」   バシュシュシュシュ!



エネミー『   ギャギァア!!?  』  ズガガガガ!

白野「キャスター!」

キャス狐「え!? あ、ハイ!!」  ビュン!


    ザシュッ…!   シュゥゥ…


白野「やったねキャスター、ナイスフィニッシュ」

キャス狐「 」


その後もところどころサポートしながらアリーナを進んでいった。

なぜか戦闘を重ねるたびにキャスターが落ち込んでいるみたいだが、原因が皆目検討もつかない。

後でマイルームで話を聞いてみよう。



キャスター「ご主人様、サーヴァントの気配です!」

白野「そっか」



アリーナの出口付近、この先の曲がり角に慎二とそのサーヴァントがいるようだ。

エネミーでこれだ、きっとサーヴァントはこんなもんじゃないだろう。

意を決して前へ進む。敵を見据えるために ――― !



白野「慎二!」











ドレイク「あっはっはっは! こりゃあ宝の山どころじゃないねぇ! 宝の海だ!」  ザクザク

慎二「当然さ! 気が早いけどシンジOH祭りだ! ぱーっとやろうじゃないか!」 ザクザク

ドレイク「いいねぇシンジ! えらく機嫌がいいじゃないか!」  ザクザク

慎二「まあな! こんなに早く借りを返せるんだからさぁ!」 ザクザク

ドレイク「ほう? なんにせよお宝はいつでも大歓迎さ!」 ザックザク

慎二「こんだけ用意したんだ、僕のためにじゃんじゃん働けよ!」 ザックザク

ドレイク「オーライキャプテン、いよっパーフェクトシンジ!!」 ザックザク

慎二「ふん、当たり前なことを言われても嬉しくない! そーら財宝追加だ!」  カタカタカタッ!

ドレイク「わーい♪」



  きゃっきゃ きゃっきゃ わいわいわい




キャス狐「みてくださいご主人様、この部屋お宝であふれてますよ! ふたりの家財といたしましょう♪」


白野「  あ か ん わ こ れ  」


                             難易度/Extra


慎二くんのパートナーはドレイク姐さんじゃないと♪
それでは、おやすみなさい!


☆お昼の設定安価☆


↓ 1~3
慎二くんが白野に抱いてる借りって何?

なんとも慎二くんらしくていいですね。キシナミは決闘者だった……!?
把握しました。それではまた夜に、よろしくお願いします♪


聖杯戦争は情報戦という側面もある。

そういった意味ではこちらに理がある、なぜなら俺はあのサーヴァントを知っているからだ。

赤い長髪、赤のコート。顔に傷持つ彼女こそ慎二のライダー、その真名は ―――



七つの海を股に掛け、喜望峰を越えた英雄 ――― フランシス・ドレイク



生きたまま初の世界一周を成し遂げた人物であり

人類史のターニングポイントとなった『星の開拓者』

当時の『無敵艦隊』を沈めた『太陽を落とした女』



俺は彼女を知っている。

だからこそ、眼前の一見能天気な行為の恐ろしさもわかってしまった。

この慎二……どうしようもなく本気だ ――― !




Extra stage 変更点

なんだかんだで相性が良い → 誰がどう見ても仲が良い



慎二「……来たかキシナミ。まずは予選突破おめでとう」

白野「……慎二……」

キャス狐「あれがご主人様のご友人……」



慎二「まあもっとも、僕はお前が予選落ちなんてしないってわかってたよ」

慎二「だってそうだろう? じゃなきゃ僕のリベンジが果たされないからな!」

慎二「一回戦で即当たりなのも、ある意味運命だったのさ! 僕が遺恨なく聖杯戦争を勝ち進むためのね!」



宝の山から高々とこちらを指差す慎二から並々ならぬ気概を感じる。

それにしてもリベンジとは、一体何のことだろうか……



慎二「決まっている! 凡人なお前に天才である僕が負け続けてることだ!」


ああ、そのことか。

不思議なことに今の今まで忘れていたが、はっきりと思い出した。

自他共に認める天才である慎二に俺が優っていたことといえば、思いつくのはただ一つ。



白野「なんだ慎二、そんなにデュエルで負けたのが悔しかったのか」

慎二「ッ……! ああそうだよ! 悔しくてたまらないよ!」

キャス狐「マスター? でゅえるって何ですか?」



キャスターには後でマイルームデュエル教室を開くとして、慎二が素直だ。



慎二「僕のほうがお前より優れている! 勉強も出来るしスポーツもできる! それに……」

慎二「女の子にだってモテモテだし、背だって僕のほうが高い!」

慎二「ゲームだって得意だし、アジアNo.1になったこともある! そんな僕が! お前に!」





キャス狐「うっわ……なんと言いますか、自己顕示欲が強い人ですねぇ」

白野「慎二が凄いのは事実だし、あれで友達思いのいいやつなんだけどさ」

キャス狐「でもあの明らかに不自然な靴底、あれってやっぱり……」

白野「……わかってても言わないのが、友達だと思うんだ」

キャス狐「敢えて言ってあげるのが真の友情ですよ? だから代わりにわたくしめが♪」

白野「え、あ、待つんだキャスター!」




キャス狐「 そこのワカメさん、厚底アゲアゲなのバレばれですよーー!? 」


ああ、言ってしまった

哀れ慎二は一気に顔を真っ赤に、拳をわなわなと震わせて

――― あれは、まずい



慎二「 ――― キシナミ、サーヴァントを御せてないなんて流石凡人だねぇ」

キャス狐「む、ご主人様を馬鹿にするなんて身の程を弁えなさいなこの海藻類がーっ!」

慎二「お前はやさしいから、僕がかわりに躾てやるよ! ライダー、かましてやれ!」

ドレイク「あいよキャプテン。さーて、吊るされる覚悟はいいかい?」



両手に持った2丁拳銃を構え、臨戦態勢に入るドレイク。

ここは ―――



↓2


1 先手必勝、行けキャスター!

2 たった一つの冴えたやり方

2


冗談じゃない

あんなお宝チャージMAXな海賊船長を相手取るにはこちらの力が不足しすぎている!

だからここは一目散に、脱兎のごとく ―――



白野「逃げるんだよォォォーーーーーッ」  シュタタタタ

キャス狐「ではでは~~~~♪」 タタタタタ



ドレイク「ありゃあ追いつけそうにないか……悪いねキャプテン」

慎二「おい待てよ! ふざけるなよ! 僕と戦え! 僕と……僕と……!」





慎二「僕とデュエルしろぉぉおおおおおお!!」





リトライ初のアリーナ探索はこうして慌ただしく終了した。


  ――― マイルーム ―――



キャス狐「マスター……」 ショボン

白野「どうしたんだいキャスター」

キャス狐「私、ちょっと自信なくしちゃいました……」 シュン

白野「…………」



↓ 1~3  どうしたものか

神頼み


白野「キャスター、なんでそんなに落ち込んでるの?」

キャス狐「……今日の探索で、ご主人様の足手纏いになってしまったことです」

白野「そんなことない、強そうなエネミーに立ち向かえたのもキャスターがいたからだよ」 ナデナデ

キャス狐「…………」 ギュッ

白野「きっと俺の記憶に不具合があるみたいに、キャスターとのパスにも問題があるんじゃないかな」 ナデナデ

キャス狐「そう、でしょうか」  ツツツ

白野「うん、キャスターの力はそんなもんじゃない。俺はそう信じてる」 ナデナデ



現にキャスターのステータスはオールEのままだ。明日はまず教会に行こう。

かつての力を取り戻せば、キャスターの自身にもつながるだろう。

方針も決まった、あとは休むだけなのだが……



キャス狐「ご心配をおかけしました、ご主人様」

白野「いいんだ、また明日から頑張ろうね」 ナデナデ

キャス狐「はい♪ 次こそあのワカメに一泡吹かせてやりましょう!」





キャス狐「まずは金的、次に金的! そして止めの金的だぁぁああああ!!」  シュッシュッ!

白野「  そ れ は や め た げ て  」



お願いだからそれは自重してやって、天照大御神様。頼むから




翌日、朝一番。

アリーナの反対側、郊外に出てすぐに佇む教会へと向かう。

慎二とドレイクとの差を少しでも詰めるべく、魂の改竄を行うために。



俺の以前の経験、力量が引き継がれてるのはコードキャストで確認済みだ

ならばマスターとサーヴァントの魂をリンクさせるこのやり方なら

キャスターを決戦直後のステータスに戻せるかもしれない……!




青子「はあい、ようこそ教会へ。君も魂の改竄に来たのかな?」

白野「よろしくお願いします。 キャスター」

キャス狐「はい! それではマスター、行ってまいりますね♪」



改竄できない、という事はなさそうで一安心だ。

祭壇の前に立ち、目を瞑ったキャスターの体がふわりと浮き上がる。

あとは青子さんがパネルを操作して ―――――













橙子「…………ふむ、今日の私は機嫌が良い。少し手伝ってやろう」 ススッ

青子「珍しいね、忙しくってやりたくないんじゃなかったの?」  カタカタ

橙子「なに、ただの気まぐれだ。気にするな」   カタカタカタカタカタカタカタカタ




白野「     えっ     」





   ジャシャーンジャシャーンジャシャーンジャシャーンジャシャーンジャシャーンジャシャーン (ランクアップの音)



白野「   えっ   」



   「みなぎってきたーーーーーーー!」



白野「   えっ   」





橙子「手助けちょちょいで効率倍か、流石私……」 フフン

青子「はいはい、どーせ私は細かいことが不得意ですよーだ」 クッ



白野「   えっ   」








白野「   えっ   」


pipipipipi pipipipipi


白野「…………はっ!?」 ビクッ



呆然としていた俺を現実に戻したのは、一通のメールだった。




    やあ、頑張っているみたいだね。
    最初の一回目で隠し要素の一つに当たるなんて君も運がいい。

    昨今のゲームで合成によくあるアレを、魂の改竄にも実装してみたんだ。
    その名も『大成功システム』だ。うん、我ながら安直だね。
    確率はごく稀だが、上昇量が倍になるので、是非今後も試してみてほしい。

         では、健闘を祈る      トワイス・ピースマン      』




なるほど、これは面白いシステムだ。

こまめに回数を重ねるもよし、一気にやって大幅アップを狙うも良しと

選択肢の幅がひろがるというわけだ。




そして俺は『運良く』貯まっていた経験全てをつぎ込み、大成功したわけだ。

ああなんて、なんて ―――――




白野「  なんて、余計なことを ――― ! 」


                  難易度/Extra


このSSを書くにあたり、最初からキャス狐ノーマルで無印をやり直しているのですが
CCC→無印をやるとみんなの自重っぷりが面白いです。特にレオとガウェインとか()
それでは、おやすみなさい!

最初だけは筋力上げとくか……→マッチョ狐爆誕
の予感

>>193
キャス狐「ご主人さまぁ〜ん。見て下さい、この鍛え抜かれたボディ〜///」ガチムチッ

白野「(背中に鬼の貌が……)」



キャス狐「見てくださいご主人様! 魔力が高まる…溢れる…状態ですよ♪」


さっきまでとは明らかに雰囲気が違う、喜ばしいことだ。


キャス狐「スキルもいっぱい取り戻せました! ああ、愛しの黒天洞ちゃん♡ 」


自他ともに認める主戦力の復活も大きい、今後の戦いも楽になるだろう。


キャス狐「もう最弱なんて言わせません! スーパータマモちゃん爆誕です☆ミ」


さらっと真名零しちゃうところは戴けないが、元気になってくれてなによりだ。






  ………… うん、そろそろ現実逃避は終わりにしよう。



橙子「浮かない顔だな。手伝ったのが不味かったのか?」

白野「いえ、そういうわけじゃ……」



ある、とは言いづらい。実際すごく助かる

ただ、目の前の壁が余計厄介になったのは事実

乗り越えた先に希望が持てるだけ、マシな方だと言い聞かせる



青子「ふーん、ワケありなの? 相手」

白野「そんなところです」

キャス狐「 ? 」

白野「成果を見にアリーナで肩慣らししてきます、お世話になりました」

青子「はいはい、またおいでー」  フリフリ

白野「行くよキャスター」  スタスタ

キャス狐「はい♪ ご主人様とどこまでも!」 テテッ



見定めないといけない、まだ見たことのないキャスターを……!


 ――― アリーナ ―――


転送されたすぐ先には、前回苦戦した蜂型エネミーが待ち構えていた

リベンジマッチということだろうか?

ともあれ、おあつらえ向きだ。今度はキャスター1人で頑張ってもらおう



白野「いけ キャスター! 君に決めた!」

キャス狐「お任せ下さい!」 シュバッ!

白野「はや……ッ!」



距離を詰めるキャスター、脚力が完全に別物だ!




キャス狐「 とう! 」  ブン

エネミー「  」  ゴシャッ!  パァァン!



それまでと変わらぬモーション、ただし速度は段違いな一撃を受けた蜂型は

腹部に鏡をめり込ませ、しめやかに爆発四散。 サヨナラ!



キャス狐「…………っ!!」



キャスター自身も驚いているようだ。まじまじと掌をみつめている

にゅーたまもは伊達じゃない! といったところだろう



白野「あ、あはは……今日はもう戻ろうか」



これには俺も苦笑い、マイルームできちんと確認しなければ。



大河「 やー少年! 先生のお願いを聞いてちょーだい!」

白野「 ヤ で す 」  キッパリ

大河「ひどっ!?」  ズガーン!



アリーナからの帰り、校舎一階の階段前でぼーっとしていたいい大人を一蹴する


仮初の学園生活では担任教師だった藤村大河先生、教職員でトラブルメーカー


ただ今はおつかいクエストどころではない、というか……



白野「家具もってるんなら渋らずに今全部ください」 

大河「身も蓋もない!」  ガガーン!


 し ょ う じ き め ん ど う く さ い


大河「それじゃあせんせーの立場と出番がないでしょーが!」  ウガー!

白野「出番って……」



この人、本当にAIなんだろうかと時々疑ってしまう


大河「うーん……じゃあねぇ……」


悩むような仕草のタイガー、これはもしかすると……?







大河「私にジャンケンで三回連続で勝てたら、家具とかどーんとあげちゃうよ!」







   ――― ミニゲーム、『極運』が開放されました ―――


              難易度/Extra

久々の更新、申し訳ないです。
それでは、おやすみなさい。

―――――――
―――――
―――




マイルームで一息つく、なんだか妙に疲れた。

大河先生とのジャンケン勝負は、向こうが乗り気だったので試しに10回勝負してみたものの……



白野「見事に全敗、か……」  ショボン

キャス狐「ご主人様……」  ヨシヨシ



タイガーの幸運はきっと規格外に違いない

これで3連勝しろというのだから、素直におつかいしていったほうがいいんじゃないか?

そんな考えが頭をよぎる。いや、もしかして……




白野「俺がジャンケン弱いだけなんじゃ……?」

キャス狐「じゃあご主人様! 野球拳しましょ野球拳♪」



キャスターの提案をスルーしつつ、本題のステータス確認をしておこう


白野「えっと…………」





クラス:キャスター

マスター:岸波白野

真名:玉藻の前

宝具:水天日光天照八野鎮石

属性:中庸・悪


筋力:C 耐久:C 敏捷:A 魔力:A++ 幸運:B 宝具:B+

陣地作成:C  呪術:EX  変化:A







白野「  な ん と い う こ と で し ょ う  」


数多のサーヴァントを知り尽くし目の肥えた皆様のことだから、人によっては

「あれ? 言うほどぶっとんでなくね?」

と感じることもあるかもしれない。だかよく思い出して欲しい




元々キャスターはサーヴァントになるにあたり著しく弱体化しており

そこを持ち前の呪術による肉体強化と符術、それと……

愛と勇気と知恵と経験と根性と悟りと達観と友情と努力でカバーし勝利を掴むという

そういうの折り込み済みのお稲荷さんだった筈なのに……!




白野「 キャスターは 強いね 」 真っ白

キャス狐「マスター!? かむばーっく!」  パタパタ


――― 翌朝 マイルーム ―――


一夜明けて、だいぶ頭の整理は出来た

広がった戦術幅でなんとか乗り切るしかない

決戦まではまだ時間がある。そう時間が……


白野「あれ」


そうか、相手について知っているから調べる時間が丸々浮くんだ

勿論夕方からはアリーナで探索、鍛錬はするのだが……さて



白野「なにしようか」



↓1〜3 誰かに会う、キャスターと交流、などの行動安価

夜遅いしいないな……
屋上の凛ちゃんいじろう


一階の階段前、今日も居座る大河先生を発見した



白野「目をあわせちゃ駄目だ、喰われるから(時間を)」

キャス狐「そーですねぇ、後回しにしちゃいましょう」


キャスターの言う通り今日最初で最後の出来事になりかねない

なのでリベンジは後回し、お昼ご飯食べて油断したとこを狙おう



白野「じゃあ最初は慎二を探そう」

キャス狐「にっくきワカメにリベンジですね!」



記憶を頼りに校舎をぶらつく、割と図書室にいたような……?





↓2 慎二と会った際の第一声


といったところで一旦切り上げ
また明日です。


慎二「君はもうアリーナには入ったのかい? 中々面白いとこだったよ」


いた! 図書室前でキザったらしくご高説中の慎二を発見した


慎二「ファンタジックなものかと思っていたけど割とプリミティブなアプローチだったね」




キャス狐「何ですかアレ、優秀なワカメくんはルー語にも精通してるんでしょうか?」

白野「さあ? 優秀すぎるってのも考えものだって思うよ、シンジを見てるとさ」

キャス狐「ですねぇ。やっぱりいけ好かねーです」




慎二「神話再現的な静海ってところかな。いやシャレてるよ、海ってのはいいテーマだよ」



  「その分じゃ、いいサーヴァントを引いたみたいね。アジア一のゲームチャンプ、マトウシンジ君?」



慎二「ああ、君の偉業や功績はかねがね、でもこの聖杯戦争は僕の勝ちだぜ? トウサカリン!」



キャス狐「おや、お二人は周知の仲で?」

白野「どっちも有名人だしね」



そう、間桐慎二と ――――― 遠坂凛は。


慎二「僕達はまさに無敵、いくら君が逆立ちしても届かない存在さ」

凛 「ホント、たいした自信ね。でもシンジ君? 相手のサーヴァントが格下だなんて決めつけない方がいいわよ?」

慎二「どーでもいいさ。相手が誰だろうとこの『ゲーム』を制すのは僕だ!」

凛 「…………ふーん、そう」



凛がそっけなく返すも、なおも慎二はまくしたてた



慎二「たとえ『レオ』でもお前でも、絶対に!」



話は終わりとばかりにくるりと踵を返し、こちらに向かってきた慎二と目があう



慎二「勿論、お前にもな」

白野「望むところさ」

慎二「アリーナで会おう。今度は……逃げるなよ」



フン、と鼻を鳴らして慎二は自室へと戻っていった

後に残るは俺と凛、なのだが……



凛 「あ、アンタは……!」

白野「こんにちは、二日ぶり?」



さっきまでとは比較にならない警戒心、そんなにしなくても……


実は凛を始めとする聖杯戦争参加者の面々とは一度顔合わせをしてる

慎二の仕掛けた術式の解除のため校内をかけずる先々で、だ

ただその中でも特に凛との(相手にとっての)ファーストコンタクトは

穏やかなものではなかった、うん



このうっか凛、前回と同じミスをしでかしたのだ

NPCと間違われ、ペタペタと触られた挙句、難癖までつけられたのだ

実際には間違いではないのだが、確か「存在が希薄」という理由でああなったのを思い出し



白野(……コンニャロウ)



『ちょっとした仕返し』をしたのだが、どうやらそれがマズかったようだ。




↓1、2  ※ただし隣にキャス狐がいます


凛 「ふんふん……」 ペタペタ

白野「…………」 ソー…



   す ぱ ー ん !



凛 「にゃうっ!?」 ビクッ

白野「  食 う か ?  」 グイッ

麻婆「オレ、外道マーボー。コンゴトモヨロシク…」

凛 「もが!? むぐぐ……」 ムームー!



凛 「ッッッッッッ!!!??」 fire!

白野「……あれ?」




凛 「は、はひふふほほはんは(なにするのよアンタ)!」

白野「ん? いや、お近づきの印にどうかなって」



ちなみにこちらの逸品は、言峰神父からいただいたものだ

作りすぎたからおすそ分け、らしい。気に入られたのだろうか

お中元にもピッタリなパック式にするなど、なんとも手が込んでいる



凛 「ふ、ふふ……!」 シュゥゥ…

白野(回復コード?)



『何故か』口からエーテルを噴いた凛がようやく落ち着いたらしく、怒りを顕にした



凛 「ふざけんじゃないわよ! あんなものを食べさせるなんてどんな神経してるの!?」 ウガー!

白野「そう? 『こんなに美味しいのに』……」

凛 「!!?」



実際に神父の前で完食して、究極の麻婆について議論しあう仲にもなったというのに

その際キャスターにも勧めたのだが、『何故か』首をブンブンふって拒否された

こんなに美味しいのに……


―――――――
―――――
―――
――



凛 「あの後もずっと口の中ヒリヒリするし、散々だったのよ!」

白野「参加者とNPCを間違うなんてどうかしてるよ」

凛 「うっさい! シンジ君が気にかけてるからどんな相手かと思えばとんだ外道じゃない!」

白野「ひどい言われようだなぁ……」

キャス狐「いえ、ご主人様のあれは鬼畜の所業です、あかいあくまです!」



どっちかというと紅いのは凛だと思う。学園生活(仮)でも紅かったし



凛「あんたなんかシンジ君にボコボコにされちゃえばいいのよ!」



淑女らしからぬはしたない歩き方で、凛は去っていった




白野「やれやれ、嫌われちゃったね」

キャス狐「別に好かれなくても結構ですよ?」






さて、と…………



大河「やー少年、今日もやってくかい?」 クイクイ





今日の目標は、とりあえず2連勝までかな……


――――――――――――
――――――――――
――――――――
――――――
――――
―――
――



数えるのを諦めてから数百回、今更ながらに気付いたことがある

藤村先生とのジャンケン勝負中は、周りの生徒たちの動きが止まっている

参加者とNPCの区別なく、だ

どうやら「時間がないから諦める」という言い訳を事前に潰す、トワイスの『粋な』計らいのようだ

ただ、藤村先生は気にした様子もなく喜々としてじゃんけんし続けている

NPCだからなのか、はたまた『タイガーだから』か、どっちだとしても納得してしまいそうだ



回数を重ねたため、ちらほら勝利も掴めている

2連勝も決して夢物語ではないと

そう信じて ――――

―――――――――――――――
――――――――――――
―――――――――
――――――
――――
――


大河「またまたせんせーの大勝利♪ どう? もう一回やる?」

白野「 ―――― 」 コクン

大河「よーしいくよー! 最初はグー!」

白野「 ―――― 」

大河「じゃんけんぽん! むむ、もーいっちょ!」

白野「 ―――― 」

大河「じゃんけんぽん! おぉ……やるな少年! でもまだまだ!」

白野「 ―――― 」

大河「じゃんけんぽん! ……ふー惜しかったね、せんせーヒヤッとしちゃった」

白野「 ―――― 」

大河「しかーしあと一歩及ばなかったみたいだし、アイテムはおあずけっ!」

白野「 ―――― 」

大河「どう? もう一回やる?」

白野「 ――――」 フルフル

大河「おっけー、じゃあまったねー♪」




白野「 ―――― 」

白野「 ―――― 」

白野「 ―――― 」

おやすみなさい


――― マイルーム ―――

キャス狐「ご主人様、起きてくださいましー」 ユサユサ

白野「 ―――― 」

キャス狐「もう夕方です、アリーナでワカメをさくっとヤっちゃいましょうよぅ」 ユサユサ

白野「 ―――― 」

キャス狐「…………」 ユサユサ







キャス狐「……もしかして今がチャンス? 自意識のないうちに既成事実をしっぽr」

白野「 ――……ん、キャスター?」

キャス狐「おはようございますご主人様♪ ささ、出掛ける準備を」 ササッ

白野「んー……」  ノソノソ




キャス狐「…………ちぇっ、悪運の強いマスター……」


藤村先生とのじゃんけん対決の記憶が途中から曖昧になっている

単調作業の繰り返し、積み重なる連敗記録に精神が摩耗したのだろうか

憶えているのは止まった世界と確かな結果だけ、このまま続ければナニカが掴めそうだ




再び意識がハッキリした時、俺はマイルームにいたということは

また俺はキャスターに運ばれたのだろうか、ひょっとすると手を引かれたりしたかもしれない

…………ええい、未熟者め






白野「行こうキャスター、今日は仕掛けるよ」

キャス狐「あの海藻類に冷水ぶっかけてやりましょう♪」





サーヴァント同士の対決

二度目の聖杯戦争で最初の衝突

経験があるとは言え油断できない相手




白野「乗り越えるんだ……慎二を、もう一度……!」


 ――― アリーナ ―――

第二層へ足を踏み入れた俺とキャスターは探索もそこそこに慎二達を探す

優秀な慎二のことだ、第一層のトリガーはもう入手しているだろう

こちらも一昨日の逃走の後ちゃっかり見つけてたりする。キャスター、抜け目ない



若干強化されたエネミーに見えない床、先の長い分かれ道の最中に妙なものを見つけた

アイテムフォルダのようだが、どうも毛色が違う気がする

藤村先生のおつかい品はもう回収したが、それと似た雰囲気……




白野「開けるべきだよね、これ……」

キャス狐「ご安心を、罠の類ではなさそうです」

白野「…………」  ゴクリ




意を決してフォルダを開く

はたして鬼が出るか蛇が出るか ―――



  パカッ チャラリラリン♪


  [ 『暗紅色のユダヤの耳』 ] を 手に入れた!




白野「  あ あ … … … …  」

―――――――
―――――
―――
――



キャス狐「ご主人様、さっきのって……」

白野「忘れるんだキャスター、正直面倒くさい」



ただでさえ初戦で余裕もないというのに、トワイスは詰め込みすぎだ

きっとあのアイテムがトリガーなのだろうが、黙っていれば大丈夫

……そう言い切れないのが怖いところだ





キャス狐「……マスター、標的発見です」  コソコソ

白野「こちらの気配を悟られてはないかな?」  ヒソヒソ

キャス狐「そのような素振りはまだ一度も」  コショコショ




慎二とライダーも第二層攻略の真っ最中だったらしく

今まさにトリガーを発見、取得しようとしている

……無防備だ




キャス狐「正面から打って出ますか?」

白野「いや、とっさの判断力を計る……ライダーに符術を」

キャス狐「ついでに酒臭さも消しちゃいましょう♪」



さて。どう出る、ゲームチャンプ ――― !

またあしたー

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