【範囲安価】士道「藤袴が精霊!?」美衣「マジひくわー」【デート・ア・ライブ】 (75)


デート・ア・ライブのSSです
最初にお断りしておきますが、安価は原作に近づけるためであり大きくストーリーに影響を与える予定はありません
ご了承ください

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1373120157


フラクナシス

士道「どういうことなんだ、琴里!」

琴里「どうもこうも言った通りよ。藤袴美衣は精霊なの」

士道「い、今までそんな様子なんかなかったじゃないか!」

琴里「そうね。今朝になって突然精霊の力が観測されたわ。詳しいことは調査中だけど……」

琴里「ASTももう気づいてるでしょうね。急がないと」

士道「じゃあ、今回もやっぱり……」

琴里「えぇ。藤袴美衣とデートして、デレさせなさい」

琴里「幸い今日は金曜日。放課後までにデートに誘うこと。いいわね?」

士道「藤袴を……?」

琴里「返事!」

士道「は、はい!」


折紙の家

プルルルル、ガチャ

折紙「こちら鳶一 」

燎子『鳶一一曹、話がある』

折紙「なんでしょうか」

燎子『あなたのクラスに藤袴美衣という生徒がいるわね?』

折紙「はい」

燎子『今日未明、彼女から精霊の反応が検出された』

折紙「え……?」

燎子『上もまだ対応を話し合ってるみたい。なぜ突然観測されたのか、なぜ彼女なのか、まだ誰にもわからない』

燎子『そこで鳶一一曹に任務を与える。今日一日、藤袴美衣を観察し、危険がないようなら接触を図りなさい』

折紙「藤袴さんと……、精霊と……?」

燎子『……あなたも、昨日までクラスメイトだった相手を殺したくはないでしょう』

折紙「……了解」


来禅高校

亜衣「おはよー! 今日もかわいいね十香ちゃん!」

麻衣「今日は五河くん一緒じゃないの?」

美衣「マジひくわー」

十香「う、うむ……。今朝からどうも様子が変なのだ……」

亜衣「今朝から様子が変……?」

麻衣「いつもじゃなくて?」

美衣「マジひくわー」

士道「誰がいつも変だって?」

十香「シドー!」

亜衣「ありゃ、聞かれてた」

麻衣「でもほんとのことじゃん」

美衣「マジひくわー」

士道「お前らな……」


士道「と、ところで藤袴。今日、何か変わったことはなかったか?」

亜衣「変わったこと?」

麻衣「急に何を言い出すのやら」

美衣「マジひくわー」

士道「い、いや……」

折紙「おはよう」

士道「っ! お、折紙……。おはよう」

士道(ヤバい、折紙はASTから何か命令されてるかもしれない)


折紙「藤袴さん、少し話が……」

士道「あ、あー! そういえば、折紙に用事があるんだったー(棒読み)」

十香「し、シドー……?」

折紙「士道、申し訳ないがそれは後で……」

士道「い、今じゃなきゃダメだなー! 折紙じゃなきゃダメなんだ!(棒読み)」

折紙「私じゃ、なきゃ……ダメ……」キューン

折紙「し、仕方ない。付き合う」

士道「よ、よーし! じゃああっちに行こう!(棒読み)」

亜衣「……なんだ、あれ」

麻衣「わざとらしー」

美衣「マジひくわー」


士道(結局その後も折紙を藤袴から遠ざけるのに精一杯だった)

休み時間

折紙「藤袴さ……」

士道「折紙! さっきの授業でわからないとこがあってさ! 教えてくれよ!」

折紙「士道、今は……」

士道「折紙に教えてもらいたいんだ!」

折紙「私に……」キューン

折紙「士道がそこまで言うなら引き受けよう」

士道「や、やったー!」


昼休み

折紙「藤……」

士道「お、おーい、折紙! 昼飯一緒に食べよう!」

折紙「食べさせっこしてくれるなら」

士道「え゛……?」

折紙「私には重要な任務がある。その任務を押して士道の頼みを聞くのだから、それくらい許されるべき」

士道「あー、えっと……」

琴里『士道』

士道「わかってるよ……」

士道「い、いいぞ。任せろ」

折紙「じゃあ行こう。すぐ行こう」


十香「シドー! お昼ごはん……」

折紙「残念、士道は今日私と食べる。食べさせっこもする」

十香「な、なななな! 食べさせっこだと!?」

折紙「流れで間接キス、直接キス、さらにはそれ以上のこともしてしまうかもしれないが不自然ではない」

士道「不自然でしかない気がするんだが」

十香「シドー! 本当なのか……?」

士道「えーっと……、まぁ、食べさせっこは……」

十香「そんな……」

折紙「そういう訳だから。あなたは一人で寂しく食べるといい」

スタスタ…

十香「ふかく……!」

耶具矢「くくく、我が僕よ。私と昼食を取ることを許可しよう」

夕弦「心配。どうかしたのですか、十香」

十香「シドーが……鳶一折紙に奪われてしまったのだ……」

耶具矢「むっ……。奴め、私というものがありながら……」

夕弦「落胆。マスター折紙が相手では勝ち目がありません」

十香「ううう……。シドーのバカー!!」


放課後

士道(まさか折紙のやつ、あんなことやこんなことまでしてくるとは……)

士道(危うく卒業してしまうところだった。何をとは言わないが)

琴里『ちょっと士道。忘れてないでしょうね』

士道「覚えてるよ。誘えばいいんだろ」

琴里『藤袴美衣は今下駄箱前よ。急ぎなさい』

士道「はいはい」

琴里『はいは一回!』

士道「はーい」


下駄箱前

亜衣「それほんとー?」

麻衣「ほんとほんと」

美衣「マジひくわー」

士道「藤袴!」

亜衣「五河くん?」

麻衣「今日はよく絡んできますな」

美衣「マジひくわー」

士道「藤袴、突然なんだが……」

琴里『待って、士道。選択肢が出たわ』

フラクナシス

�『明日、俺とデートに行かないか?』

�『明日、この僕と熱いサタデーナイトを過ごそうよ』

�『明日、一緒に君のおパンティーを買いに行こう』

琴里「総員、選択!!」

以下7レスで多数決


琴里「�が57%……。無難ね」

怜音「まぁ、今回は相手が相手だ。十香たちと違って一般常識を持ち合わせているし、できる限り刺激もしない方がいいだろう」

琴里「そうねぇ……。で、�を選んだのは誰?」

神無月「はい!! 私です!!」

琴里「……まぁわかってたけど」

神無月「ここであえてギリギリを攻めるべきです! 罵られるのもよし! 蔑まれるのもまたよし!!」

琴里「キモいしゃべるな!」

神無月「あぁ! 司令! ご慈悲を! ご慈悲をぉぉぉ!」

琴里「あぁもう! うっさい変態!」ゲシッ

神無月「ファビュラスマックス!!」

琴里「……ったく。士道、�の『明日、俺とデートに行かないか?』よ」


士道「……わかった」

士道「藤袴。明日、俺とデートに行かないか?」

亜衣麻衣美衣「!?」

亜衣「はぁ!?」

麻衣「いきなり何言ってんの!?」

美衣「マジひくわー……」

亜衣「十香ちゃんや鳶一さんたちだけじゃ飽きたらず美衣にまで手を出すつもり!?」

麻衣「この女の敵!」

美衣「ま、マジひくわー……」

士道「ま、待ってくれ! 俺はただ……!」

亜衣「ただ何!?」

麻衣「遊びのつもりって訳!?」

美衣「ま、マジひくわー」

亜衣「な、何よ、美衣? どうかしたの?」

麻衣「今この変態を……」

美衣「マジひくわー!」

十香「待ってくれ、三人とも!」


亜衣「あ、十香ちゃん!」

麻衣「今五河くんが美衣をデートに……!」

美衣「マジひくわー……」

十香「わかっている。だが、シドーにも理由があるのだ」

十香「私のことならば構わず、付き合ってやってくれ!」

亜衣「……十香ちゃんはこう言ってるけど」

麻衣「美衣はどう思ってるの? いやならちゃんと言うんだよ?」

美衣「ま、マジひくわー……///」

亜衣「あ、あれ?」

麻衣「満更でもない……?」

美衣「マジ行くわー」

亜衣「!?」

麻衣「今行くわって言った!?」

美衣「マジひくわー」


士道「と、とりあえず来てくれるってことでいいのか?」

亜衣「……不本意だけど、美衣が行きたいなら」

麻衣「けど! 変なことは禁止だからね!」

美衣「マジひくわー」

琴里『よくやったわ、シドー。それじゃあ、明日の待ち合わせとか決めちゃいなさい』

士道「あ、あぁ……」

士道「ありがとうな、藤袴。待ち合わせだけど、10時に天宮駅前でいいか?」

美衣「マジひくわー」コクッ

士道「よし! じゃあまた明日、な」

十香「ま、待てシドー! 私も帰るぞ!」

亜衣「急展開だわ……」

麻衣「というか美衣がOKするとは……」

美衣「マジひくわー///」


下校中

士道「助かったよ、十香」

十香「う、うむ……。さきほど琴里から事情を聞いたのだ」

士道「なるほどな」

十香「シドーは、美衣を助けるのだろう?」

士道「あぁ。そのつもりだ」

十香「絶対、助けてやってくれ……。彼女たちは私に優しくしてくれた……その、と、ともだちというやつだ」

十香「私と同じ想いはしてほしくない」

士道「十香……」

士道「もちろんだ。まかせとけ」

十香「ありがとう……。シドー」


翌日 天宮駅

琴里『いつも通り私たちがフラクナシスから手助けするから、サッと落としてぶちゅっとやっちゃいなさい』

士道「お前な、妹の下品なセリフを聞く兄の気持ちも考えろよ」

琴里『興奮するでしょ?』

神無月『します!!!』

琴里『黙れ変態!』ゲシッ

神無月『あぁ……! ありがとうございます!!!』

士道「はぁ……。まぁ、いざという時は頼むよ」

琴里『えぇ。……なんて、言ってる間に来たようね』

琴里『さぁ、私たちのデートを始めましょう』


美衣「マジひくわー?」

士道「ん? いや全然待ってないよ」

美衣「マジひくわー」

士道(藤袴の服は白のワンピースに黒のキャスケットか……)

琴里『士道、選択肢よ』

フラクナシス

�『その服かわいいね。すごく似合ってるよ』

�『馬子にも衣装ってやつだな』

�『これを今夜脱がせると思うと胸が熱くなるぜ!』

琴里「総員、選択!!」

以下7レスで多数決

>>25
訂正
× 怜音
○ 令音


琴里「�と�が同数……。割れたわね」

令音「あぁ。まぁ、�ももう少し親密で冗談めかして言うのなら悪くないとは思うのだがな」

琴里「念のため聞くけど、�を選んだのは?」

神無月川越中津川「「「はい!」」」

琴里「理由を聞かせてもらおうかしら」

川越「『似合ってるね』なんてのはもはや常套句。今時の女の子はそんな言葉じゃなんとも思わないのです!」

中津川「もっと攻めて! 肉食男子をアピールすべきです! レボリューション!!」

琴里「昨日のおパンティー云々は選ばなかったのに?」

川越「あれはさすがに変態っぽすぎますよ。私は�に入れました」


琴里「ふーん。じゃ、�を選んだ人の意見も聞こうかしら」

椎崎「やっぱり、デートに着ていく服をほめられて嬉しくない女の子はいませんよ」

箕輪「それに、�みたいなことを言われたらさすがに……」

令音「まぁ、それこそマジひくだろうな」

琴里「むぅ……。よし、分かった!」

琴里「士道、>>42よ!!」

1しか無いな


琴里『士道、�の『その服かわいいね。すごく似合ってるよ』よ!!』

神無月『司令のいけず!』

琴里『うっさい変態! 温泉でも掘ってなさい!』ゲシッ

神無月『はいぃ!』

士道「……」

士道「その服かわいいな。すごく似合ってる」

美衣「ま、マジひくわー……///」

士道「いやいや、どういたしまして……なのかな?」

美衣「マジひくわー」

士道「手慣れてるなって? 俺、そんなプレイボーイっぽいのか……?」


士道「どこか行きたいとこはあるか?」

美衣「マジひくわー?」

士道「いや、一応俺も考えてきたけどさ。藤袴が行きたいところ優先だろ?」

美衣「ま、マジひくわー///」

士道「ははっ。確かに、ちょっとキザだったな」

美衣「マジひくわー」

士道「え? ランジェリーショップ以外ならどこでもいい?」

士道「まだあの時のこと覚えてたのかよ……」

美衣「マジひくわー」

士道「仕方ないだろ、狂三が乗ってきたんだから……」

士道「よし、じゃあまずはショッピングにでも行くか。もちろんランジェリー以外で」

美衣「マジひくわー」


亜衣「……ショッピングか。まぁデートとしては王道ね」

麻衣「美衣が心配でこっそり後をつけてみたけど、今のところ問題なさそうね」

亜衣「しかしなんで五河くん、美衣とコミュニケーションとれてんの……?」

麻衣「私たちだけの特権だと思ってたのに!」

「そこの二人、何をしておるのだ?」

亜衣「ひぃっ!? い、いえ決して怪しいものでは……!」

麻衣「ストーキングとかしてないっすマジで!」

十香「すとーきんぐ……?」

亜衣「……って、十香ちゃんか」

麻衣「びっくりしたなぁ、もう」

十香「それより、なぜシドーたちの後を……」


亜衣「そりゃもちろん!」

麻衣「五河くんの毒牙から美衣を守るためよ!」

亜衣「そういう十香ちゃんは?」

麻衣「愛しのシドーが取られないよう偵察ですか?」

亜衣麻衣「「かわいいなぁちくしょう!」」

十香「な、何も言っておらんではないか!」

亜衣「いーのいーの、わかってるわかってる」

麻衣「私たちと一緒に行こー!」

十香「むぅ……。し、仕方ないからついていくとしよう。仕方なく、仕方なくだからな!」

亜衣「わーかってるって」

麻衣「ほんっとかわいいなー」


………………………………
……………………
…………

公園

士道「いやー、結構いろいろ回ったなぁ」

美衣「マジひくわー」

士道「疲れたか? ちょうど公園だし、休んでいくか」

美衣「マジひくわー……」

士道「ベンチとか……あ、あった。ほら、あそこにでも座ろう」

美衣「マジひくわー」


亜衣「くそぅ……。五河くんめ、終始紳士ぶりやがって……」

麻衣「美衣も心なしか楽しそうだし……」

十香「い、いいことではないのか?」

亜衣「だって、二人がいい感じになっちゃったら邪魔できないじゃん」

麻衣「邪魔したら私らが悪いみたいになっちゃうし」

十香「なっちゃうも何も邪魔するのは悪いことだと思うぞ……」

亜衣「十香ちゃんはどう思うの?」

麻衣「五河くんが美衣と付き合ったりしたら嫌でしょ?」

十香「それは……そうだが……。しかし、美衣をこのままにもしておけないのだ」

亜衣「え……?」

麻衣「どういう……」

十香「あ、いや、なんでもないぞ! なんでも……」


士道「はははっ。あの二人、いつもそんなことしてるのか」

美衣「マジひくわー」

士道「なんか、今日は藤袴のことだけじゃなくて山吹や葉桜のこともいろいろわかっちゃったな」

美衣「マジひくわー」

士道「気持ち悪いってなんだよ……。お前が教えてくれたんだろ」

美衣「マジひくわー」

士道「……なぁ、藤袴」

美衣「マジひくわー?」

士道「嫌なら答えなくていいんだけど……。なんで『マジひくわー』しか言わないんだ?」

美衣「……っ!」

美衣「う……! あああああああ!!」

ドンッ


士道「え!? えぇ!?」

琴里『ちょっと士道! あんた何したの!?』

士道「な、何って……」

琴里『藤袴美衣から強力な精霊反応が出てる! 霊装を出すつもりよ!』

士道「なんで!?」

琴里『知るかっ! なんとかして!』

士道「なんとかって……」

美衣「あああああ!!」

カッ!


カッ!

亜衣「え? え!?」

麻衣「何が起こってるの!? なんで美衣光ってんの!?」

十香「シドー……!」

亜衣「ちょっと、ヤバくない!?」

麻衣「五河くん何したの!?」

十香「シドーは……美衣を助けようとしているのだ」

亜衣「助ける……?」

麻衣「それってどういう……」

十香「ひとまず、離れた方がいい。ここは危険だ」

亜衣「危険って……、美衣は!?」

麻衣「美衣はどうなるの!?」

十香「……シドーがなんとかしてくれる。私は、シドーを信じている」

亜衣「十香ちゃん……」

麻衣「……でも、ダメ。友達が大変なのに逃げるなんて……」

亜衣「ごめんね、十香ちゃん」

麻衣「私たち行かなきゃ……!」ダッ

十香「亜衣! 麻衣!」


士道(まばゆい光が藤袴を包んだかと思うと、次の瞬間ドレスのような霊装を身に纏った藤袴がそこにいた)

士道「藤……袴……?」

美衣「……」

士道「ほんとに精霊だったのか……!」

美衣「……知ってたんだ」

士道「!? 普通にしゃべれるのか!?」

美衣「しゃべれるよ、失礼な」

士道「だって、さっきまで……」

美衣「あれは、呪い」

士道「呪い……?」

美衣「私が望んだことの代償。私は……」

亜衣麻衣「「美衣!!」」

美衣「……! なんでここに……」

ダダダダダダッ!!

士道「銃撃!?」

亜衣麻衣「「きゃぁぁぁぁ!!」」

十香「 〈鏖殺公(サンダルフォン)〉!! 」


上空

燎子「やめなさい!! まだ近くに一般人がいるでしょ!!」

ジェシカ「めんどくさいですネェ……。打ち方やめェー」

折紙「シドー、また……」

燎子「識別名『ヒッキー』から目を離すな!! 一般人を襲おうとしたらすぐに攻撃できるよう待機!!」

「「「了解!!」」」

ジェシカ「ずいぶん悠長なことデ」

折紙「藤袴さん……」

燎子「鳶一一曹、あれはもう精霊よ。余計な感傷は捨てなさい」

折紙「……了解」


士道「ASTか……!」

琴里『思ったより早いご到着だったわね……。ちょっと不味いわ』

美衣「AST……」

士道「あ、あぁ。対精霊の……」

美衣「あいつらが私の友達に……! 許さない!!」

士道「ふ、藤袴! 落ち着け! 二人は無事……」

美衣「〈欲忘記憶(マジヒクェル)〉!!!」ドンッ

士道(巨大な照明装置のようなものが現れた……? あれが藤袴の天使……なのか?)

琴里『天使まで……! 士道! 逃げなさい!』

士道「でも……!」

美衣「あああああああ!!」カッ!

士道「うわっ!?」

士道(藤袴の天使……〈欲忘記憶〉が光った!? まぶし……っ!)


……………………
………………
…………

士道「……あれ? なんともない……?」

士道(確かに光を浴びたが……。あぁ、そうか。俺は精霊の力を宿してるから……)

ヒュー……ドサッ

士道「な、なんだ!?」

ドサドサドサッ

燎子「ぐっ……」

士道(この人たちはAST……!? 落ちてきたのか!)

士道「だ、大丈夫ですか!?」

燎子「うぅ……」

士道「よかった、怪我はなさそう……」

燎子「何よ……、あのアニメでのキャラ……!」

士道「は……?」


燎子「原作では愚痴ばっかりだけどいざという時はかっこいいバリキャリ上司みたいなポジションなのに……! 完全にネタキャラじゃないのよ!!」

士道「え、えっと……そうっすね……?」

燎子「オリジナル回だからって遊びすぎだろ!! マジひくわー!!!」

士道「えぇー……。どうすりゃいいの、これ……」

美衣「これが私の〈欲忘記憶(マジヒクェル)〉の力」

士道「……!」

美衣「自分自身に関する嫌な思い出を思い出させ、自分にマジひいてしまう能力」

士道「あー……」

美衣「ちなみに思い出したことは脳内でリフレインされる。私が解除しない限り永遠に黒歴史に苛まれ続けるわ」

士道「怖っ! 怖いわ!!」


折紙「くっ……!」

士道「折紙!」

折紙「どうしていつも士道に遠慮してしまうの……! 本当なら今頃士道は私なしでは生きられない体になっているはずなのに……」

折紙「控えめな自分にマジひくわー……」

士道「待て! いろいろ聞き捨てならないぞ!?」

十香「し、シドー……」

士道「十香、まさかお前も……!」

十香「〈鏖殺公(サンダルフォン)〉て……、〈暴虐公(ナヘマー)〉て……」

士道「と、十香?」

十香「【最後の剣(ハルヴァンヘレヴ)】て……、【終焉の剣(ペイヴァーシュヘレヴ)】て……!」

十香「マジひくわー……」

士道「あー……」

士道(ちょっと思ってたとは言えない)


士道「くそ……! みんなやられたのか……!」

士道「琴里!」

琴里『こっちは大丈夫よ。直接光を浴びなければ影響はないようね』

士道「そうか……。よかった」

琴里『良かないわよ。十香の精神が不安定になってる。このままなら精霊の力が逆流するかもしれないわ』

士道「なんだって……!?」

琴里『早く藤袴美衣を止めなさい』

士道「そう言われたって……!」

琴里『なんでもいい! とにかく藤袴美衣の気を引くのよ!』

士道「くそっ……!」

士道「藤袴! 今すぐ天使を解除してくれ!」

美衣「する訳ないじゃん。こいつらは亜衣と麻衣を……!」

亜衣「美衣!!」

麻衣「私らなら無事だよ!!」

美衣「二人とも……!? どうして……」

士道「十香が一緒だったんだ。あいつも精霊でさ……。とっさに二人を守ってくれた」

美衣「十香ちゃんが……。で、でもなんで二人は〈欲忘記憶〉が聞いてないの!?」

亜衣「自分自身の嫌な思い出を思い出すだったっけ? 甘い甘い!」

麻衣「私たちはやりたい時にやりたいことをやる! 嫌な思い出なんてある訳ない!」

亜衣麻衣「「そうでしょ、美衣!」」

美衣「亜衣……麻衣……」


士道「なぁ、藤袴。さっき言ってた呪いってどういうことなんだ?」

美衣「……アニメが始まる直前、私の前に輪郭が曖昧な『何か』が現れたの」

士道「なっ!?」

琴里『〈ファントム〉……!』

美衣「そいつは私に、『何でも一つ願いを叶えてやる』と言った。私、アニメで人気が出るか不安で……!」

美衣「だから……『亜衣や麻衣に負けない、強力なキャラ付けが欲しい!』って願ったのよ」

士道「……は?」

美衣「そしたら、そいつが私に何かして……。気づいたらこの力と『実は精霊』というトンデモ設定を手に入れていた」

美衣「でも、この力はタダじゃなかった」

美衣「『マジひくわーとしかしゃべれなくなる呪い』を同時にかけられたの」

士道「えぇー……。そりゃまたけったいな……」

美衣「そいつは言ったわ。『お前の精霊の力は今は封印されている。誰かに呪いのことを指摘されない限り、精霊の力が解放されることはない』って……」

士道「あ……、俺が聞いたから……」

美衣「そう。だから私が精霊の力を使ったのはこれが初めて。元に戻れるのかも……わからない」

琴里『待って。藤袴美衣から精霊の力が観測されたのは昨日よ。昨日の時点で解放されているはずじゃないの?』

士道「な、なぁ藤袴。お前の精霊の力は昨日から観測されてるんだ。それはどうしてなんだ?」

美衣「あー……。そういえば昨日、ネットで『黒髪メガネの子がマジひくわーしか言ってないwwwww』って書き込みを見たっけ」

美衣「直接言われた訳じゃないからちょっと力が漏れるだけですんだんだと思う」

士道「結構適当なんすね……」


美衣「……でも、結局この呪いのおかげで逆に人気が出ちゃったんだよね」

美衣「私、二人を裏切った……。一人で抜け駆けしようとして、二人と普通に話すこともできなくなってた」

美衣「ごめんなさい……!」

亜衣「……美衣!」

麻衣「美衣は自分がしたいことをした。そうでしょ?」

亜衣「それなのにそのことで落ち込む美衣なんて私たちみたくない!」

麻衣「そんな美衣見たら私たち……」

亜衣麻衣「「マジひくわー!!」」

美衣「亜衣……麻衣……」

士道「……まぁ、なんだ。俺は三人で騒いでる時の藤袴が一番素敵だと思うぞ?」

美衣「す、すす素敵!?」

亜衣「今のは卑怯だよ五河くん! この女たらし!」

麻衣「すけこまし!!」

士道「言い過ぎだろ!?」


琴里『士道、藤袴美衣の好感度が上がってるわ。今しかないわよ!』

士道「あ、あぁ……」

士道「なぁ、藤袴。人間に戻れるって言ったら……どうする?」

美衣「戻れる……の?」

士道「その精霊の力を封印することはできる。ふとしたきっかけで戻ってしまうことはあるけど、今よりはマシなはずだ」

士道「口調の方も、治るかもしれないしな」

美衣「……戻りたい。戻りたいよ!」

美衣「もっと亜衣や麻衣とおしゃべりしたい! ちゃんと、私の言葉で……!」

士道「あぁ、藤袴が望むなら俺が救ってやる! 絶対に!」

美衣「五河くん……」

士道「……ただ、その方法なんだが、な」

亜衣「何よ、歯切れ悪いわね……」

麻衣「直前まで啖呵切ってた勢いはどこにいった!」

士道「……俺と、キスすることなんだ」

亜衣麻衣「「はぁぁぁぁぁぁ!?」」


亜衣「まさか五河くんがそんな男だとは思わなかった……」

麻衣「弱味に漬け込んでキ、キスなんて……!」

士道「ち、違う違う! ほんとなんだって! なぁ、十香……」

十香「今時キレて裏人格とか……。マジひくわー……」

士道「そうだったなちくしょう!

亜衣「最低!」

麻衣「変態!」

士道「誤解だ! 俺は藤袴を助けたくて……」

「し〜ど〜お〜く〜ん!」


シュン

よしのん「やあやあ、真のヒロインよしのんの登場だよ!」

四糸乃「し……士道さん……! 私……に、任せてください……!」

士道「四糸乃によしのん!? どうして……」

琴里『増援が必要かと思ってね。こっちで送らせてもらったわ』

亜衣「いつぞやのかわい子ちゃん!?」

麻衣「ま、まさか五河くん、こんないたいけな少女まで……」

亜衣「このロリコン!」

麻衣「お嬢ちゃん! この人は弱味に漬け込む嘘つきだから近寄っちゃダメだよ!」

よしのん「士道くんは……!」

四糸乃「よしのん……!」

よしのん「……わかった。言ってやれー! 四糸乃ー!」


四糸乃「士道さんは、嘘つきなんかじゃ……ない、です!」

四糸乃「私……も、精霊です……。武器を持った人たちに……いつも、追いかけられて、すごく……すごく怖かった、です」

四糸乃「でも……、怖くて……、寂しくて……、辛かったとき……、士道さんが、助けてくれました……!」

四糸乃「士道さん……は、危険なのに、よしのんを連れ戻してくれて……! だから……! だから!」

士道「四糸乃……」

亜衣「あー……、うん……。ごめんね……? 私たちもちょっと動揺しちゃって……」

麻衣「……美衣はどう思うの? 最後は、美衣が決めることだけど……」


美衣「……。五河くん、本当に戻れるんだよね……?」

士道「あぁ。それは保証する。ほら、今俺も藤袴の天使の影響を受けてないだろ? 俺の中に十香や四糸乃たちの精霊の力を封印してるからなんだ」

美衣「そっか……。うん……、わかった。私、五河くんを信じる」

亜衣「美衣……」

麻衣「いいの……?」

美衣「私、ほんとは、十香ちゃんや鳶一さんを見てて羨ましかった……。私だって同じクラスになってから五河くんをずっと見てたのに……」

亜衣「……あ、あれ? そんな設定あった?」ヒソヒソ

麻衣「い、いや、私も初耳なんだけど……。何? ご都合?」ヒソヒソ

士道「藤袴……」

美衣「五河くん……。好き……です!」グイッ

チュッ……

………………………………
……………………
…………


月曜日 来禅高校

亜衣麻衣「「おはよー」」

美衣「おはよう!」

亜衣「いやぁ、やっぱ普通に挨拶できるっていいねぇ」

麻衣「私はこの前までの通じあってる感も嫌いじゃないけどね」

美衣「でも私の力を封印したせいで五河くんが……」

折紙「士道、おはよう」

士道「マジひくわー」

亜衣「まさか、『マジひくわー』が移っちゃうなんてね……」

麻衣「精霊の力と一緒に呪いも封印しちゃったからだ、って言ってたね。村雨先生」

美衣「うぅ……、私のせいだよね……」

亜衣「ま、まぁでもそのうち治るとも言ってたじゃん!」

麻衣「美衣が凹んでたら五河くんも悲しむよ!」

美衣「うー……。や、やっぱりもう一度ちゃんと謝ってくる!」タッ

亜衣「あっ……、美衣ってば、もう」

麻衣「ぐふふ、恋しちゃってますな」


士道「マジひくわー」

折紙「……? 士道?」

士道「マジひくわー」

十香「『朝から鳶一折紙の顔を見るなんて、ついてない日だ』、と士道は言っておるぞ」

折紙「……夜刀神十香、嘘を吐くならもっと現実味のある嘘にするべき」

士道「マジひくわー」

折紙「『夜十神十香の××××め、***を○○○○して※※※※すればいいのに』と言っている」

十香「う、嘘を吐け! 何を言っているかわからんが、馬鹿にされていることだけはわかるぞ! 士道はそんなことは言わないのだ!」

士道「ま、マジひくわー……」

美衣「五……し、士道くん!」

士道「マジひくわー?」

十香「ワーワー!」

折紙「ギャーギャー!」

美衣「あの、私のせいで……、本当にごめん!」


士道「……」ポンッ

美衣「ふぇっ!? あ、頭……」

士道「……」ナデナデ

美衣「あっ、あう……」

士道「マジひくわー」ニッコリ

美衣「……っ!」キュンッ

十香「あー! あ、頭なでなでだと!? 私も滅多にしてもらえないのに!」

折紙「藤袴さん、抜け駆けはよくない」

グイッ

美衣「あっ……」

十香「し、シドー! 次は私だ! 私もなでなでしてくれ!」

折紙「私は頭でなくてもいい。胸でも足でも好きなところをなでなでするといい」

士道「マジひくわー……」

耶倶矢「聞き捨てならんな! 我らの共有物に勝手になでなでしてもらうなど!」

夕弦「同意。私たち二人の最優先を主張します」

美九「だーりん!」

士道「マジひくわー!?」

折紙「あなたは竜胆寺女学院の生徒のはず。なぜここにいるの?」

美九「はいー? 私がだーりんに会うのに理由が必要なんですかぁ?」

美九「だーりん、特別に私の頭、なでなでしてもいいですよぉ?」

狂三「悲しいですわ、哀しいですわ!」

十香「な!? き、きき貴様なぜここに!?」

狂三「わたくしを差し置いて他の女の頭をなでなでだなんて……」

狂三「わたくしにもなでなでしてくださいまし!」

士道「ま、マジひくわー!!!」ダッ

十香「待つのだシドー!」


美衣「もう、士道くんってば急にあんなこと言うなんて……」

美衣「頭なでなでもしてもらっちゃった……」

美衣「……!」カァッ

美衣「うー! 士道くん、マジひくわー!」


以上で、終わりです

最後無理やりですが精霊組は全員出してみました
安価のご協力、ありがとうございました

あ、なんでジェシカがいるのかとか、時系列は無視の方向でお願いします…

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