モバP「新しいドリンクを作った?」 (27)

P「というかこの前APドリンク出してたのに……」

ちひろ「あれはまぁ置いといて。これが今度のドリンクです」

P「入れ物は青いガラスなのか。なんかポーション思い出すな」

ちひろ「ああ、あのおいしくないやつですね」

P「で、これは飲んでいいんですか?」

ちひろ「これはエナドリと同じでアイドルが飲むタイプのドリンクなので
    プロデューサーさんが飲んだらだめですよ」

P「エナドリタイプか。あれがアイドルの士気を高翌揚させるやつだったけど
 これもそんな感じですか?」

ちひろ「違いますね。一応『気質共鳴薬』って名前は付いてるんですけど
    わかりにくいんですよね」

P「なんかRPGに出てきそうな薬だな。えーっと気質共鳴……?」

ちひろ「はい。これを服用すると周囲の人間に服用者の気質が移ります。
    要はこれを飲むと周りのアイドルが飲んだ本人みたいになります」

P「ほぉ。もうこれ完全に現代技術を凌駕しているな」

ちひろ「細かいことは置いといてください。早速アイドルに使用しましょう」

P「副作用とかないですよね」

ちひろ「ええ。大丈夫ですよ。多分」

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ガチャ

凛「お疲れ」

加蓮「お疲れ様」

奈緒「おつかれー。あっちーな……」

P「おう、凛。これ飲んで見ろよ」

凛「なにこれ。エナドリ?」クンクン

P「みたいなもんだ。そら、一気一気」

凛「プロデューサーってバカだよね。まぁいいや」ゴクン

奈緒「私の分はないのかよー」

加蓮「凛ばかり特別扱いとかうらやましいなー」

凛「あんまりおいしくないね、これ。あ、でも瓶は綺麗」

P「その瓶いいよなぁ。青くて綺麗」

奈緒「蒼、だな」

加蓮「ね」

凛「蒼空だよね」

加蓮「蒼海だよ」

奈緒「瑠璃っぽくないか?」

凛「プロデューサーはどれだと思う?」

P「え、いや、えーっと……ぐ、群青?」

加蓮「悪くないね」

奈緒「Pさんいい目してんじゃん」

凛「うん。いいと思う」

P「ど、どうも……」

凛「レッスン場って空いてるかな」

ちひろ「空いてますよ」

凛「そっか。次回のライブのダンスの練習したいから借りていい?」

ちひろ「いいですよ。はい、鍵。気合入ってますね」

凛「私はやるよ」

奈緒「そうか。やるのか」

加蓮「やるならやらないと」

ガチャ

P「……行った?」

ちひろ「……行きましたね」

P「こえぇよ! なんだよあれ! なんか全員凛みたいな冷めた目つきになってたぞ!」

ちひろ「いやぁ……想像以上でしたねぇ……」

P「これどのくらい効果続くんですか」

ちひろ「さぁ」

P「大丈夫かよ……こええよ……。でも試そう……」

バターン

茜「お疲れ様です!!!」

友紀「お疲れさまー。飲みたいなぁ」

ナターリア「おつかれサマ! スシ食べていい?」

P「お疲れ。友紀は飲むな。ナターリア、スシはないぞ」

茜「私はお茶がいいです!!」

P「そうか……。あ、これ飲んでいいぞ」

茜「お、なんですかこれは! エナドリですか!」

P「みたいなもんだ。それ、一気一気」

茜「日野茜! 行きます!」ゴクン

茜「あまりおいしくないですね……」

友紀「テンションだだ下がりだね」

ナターリア「Pはひどいやつだナ。まずいものを食べさせるなんテ」

P「そんなまずいのか……」

茜「なんというんですか……こう……葛根湯みたいな……」

友紀「あれ苦いからね!!」

ナターリア「カッコントウってなんダ! まずいのカ!!」

茜「まずいですよ! 苦い薬ですよ!!」

友紀「薬ってどれも苦いもんだけどね!!」

ナターリア「アッ!!」

P「どうした、ナターリア」

ナターリア「スシ食べたい!」

P「お前それしか言わないな!」

友紀「ナターリアはスシが本当に好きだね!!」カシュ

P「カシュじゃねぇよ! なんでビール開けてるんだよ!!」

茜「どれ頼みますか!!」

P「茜も寿司屋のチラシみてんじゃねぇよ!! 頼まないからな!!」

ナターリア「作ル!?」

P「作らない!! だー、わかったよ! 今度のライブ大成功したら
 またスシパーティしてやるから!」

茜「太っ腹ですね!! さすがプロデューサー!!」

友紀「うぇーい!!!」

ナターリア「こうしてはいられナイ!! 友紀、茜! レッスン場に行こう!!」

バターン

P「おい待て! 友紀! ビール置いてけ!!」

友紀「ウェーイ……」

P「くそ、かすかに遠くから挑発するような声が聞こえたが……」

ちひろ「……」

P「どうしました。ちひろさん。顔をしかめて」

ちひろ「……とてもうるさかったので」

ガチャ

みく「おつかれにゃあ」

桃華「お疲れ様ですわ」

幸子「カワイイボクが帰って来ましたよ!!」

P「お疲れ。ふーむ」

桃華「いかがしまして?」

P「実は新しいドリンクの試薬品があるんだが三人の
  誰に飲ませようかなと」

みく「青い瓶が綺麗にゃあ」

幸子「おいしいんですか? それ」

P「話によるとおいしくないらしい」

桃華「それは飲みたくありませんわね」

P「よし、ジャンケンしろ。負けた奴が飲んでもらおう」

ジャーンケーン ホイ

みく「みく的には自分のアイドルにまずいとわかっているドリンク
   を飲ませようとするのはおかしいと思うにゃあ」

P「獅子は千尋の谷から子を落とすと言うだろう」

みく「みくは猫にゃあ。あんなのとは違うにゃあ」

P「獅子も猫科なんだけどなぁ……」

みく「うー、おどろおどろしい青色をしているにゃあ」

P「さっき綺麗って言ってただろ」

桃華「……みくさん。どうしてもイヤでしたらわたくしが代わりますわよ?」

みく「心配ご無用にゃあ!」

P「よし、飲め! それ、一気一気」

みく「Pちゃんうるさいにゃあ」ゴクン

みく「うげー、確かに苦いにゃあ」

P「とりあえず味の改善が必要なのはわかった」

幸子「やる気とか沸きましたかにゃ?」

みく「あまり変わらないにゃあ」

桃華「Pちゃま。このドリンクは一体どのような効用があるのかしにゃん?」

P「んー……俺もよくわからん」

みく「そんなよくわからない薬飲ませないでほしいにゃあ……」

幸子「とりあえずレッスン場に行って体の動きに変わりがないか調べますかにゃ?」

桃華「そうですわね。本人が気付かないだけで体に変化があるかもしれませんわにゃん」

みく「にゃー、にゃー。声の通りが良くなったかにゃあ……?」

幸子「ボクにはわからないですけにゃ」

桃華「にぅにぅ。行きますにゃん」

ガチャ

P「あれ言ってる本人は気付かないのか?」

ちひろ「気付いてないんでしょうね」

P「無意識の内にみくにゃんの染められてるのか……。ファン続行します」

ガチャ

きらり「おっすおっすばっちし!」

杏「うがー……」

P「……杏、これを飲むんだ」

杏「なにこれー……まぁいいや」ゴクリ

杏「うげー……苦い……」

きらり「杏ちゃんきらりの飴で口直しだにぃ」

杏「んー……ちょっと元気出た」

きらり「いい事だにぃ……はぁ、疲れたにぃ」

杏「ごろごろしよっか」

きらり「そうすりゅ。あー……Pちゃん冷蔵庫からジュース持ってきてほしいにぃ」

P「お、おう」

きらり「だりぃ」

杏「今日はもう帰っていいんじゃないかな」

P「お前ら今度のライブでユニットで出るんだぞ。はい、ジュース」

きらり「こんなに暑いのにレッスンとか意味ぷー」ゴクゴク

杏「意味ぷーだよ。あ、お菓子手が届かない……きらり」

きらり「あい」

杏「ありがと」モグモグ

P「おらおらだらけてないでレッスンしてこい!」

杏「だるい……」

きらり「Pちゃん横暴ー」

P「お菓子没収するぞ」

きらり「はぁ……仕方ないにぃ。杏ちゃん」

杏「いつになったら働かずにお金が入るようになるんだろう」

きらり「杏ちゃんときらりを養ってくれる人どこにいりゅん?」

ガチャ

P「杏に飲ませるとああなるのか」

ちひろ「きらりちゃんの眼から生気がなくなってましたね」

ガチャ

ありす「お疲れ様です」

雪美「お疲れ……」

雫「おつかれさまですー。もぉー外暑いですよー。夕方なのにー」

P「もう夏が近いからなぁ……。そういえば夏祭りのイベントがあるとか見たな」

雫「いいですねー。故郷の村祭り思い出しますー」

ありす「夏祭りの仕事ですか」

雪美「P……一緒に夏祭り……」

ありす「雪美さん、それはよくないですよ。三人、いえ、及川さんと一緒に四人で行きましょう」

雫「楽しみですねー」

ちひろ(私は?)

P「そうだ、雫。これ飲んで見ろ」

雫「ドリンクですかー? わぁー、瓶綺麗ですねー」

P「ちなみに中身は苦いらしい」

雫「良薬口に苦し、ですよー」ゴクリ

ありす「いつも思うんですけどエナドリとかスタドリって何で出来てるんですか?」

ちひろ「コーラのフレーバーと同じでとっぷしぃくれっとです。体に害はないですよ。おそらく」

ありす「本当に大丈夫なんですかー?」

雫「ちひろさんが大丈夫って言ってるんですから大丈夫なんですよー」

雪美「ちひろのこと……信じるー」

P「なんだ、もしかして俺のこと心配してくれるのか? ありすは優しいなぁ」

ありす「そんなのじゃないですー。知的好奇心ですよー」

雫「ありすちゃんは頭いいですからきっと将来は学者さんですよー」

ちひろ(アイドルは?)

雪美「P……夏祭りはいつー?」

P「んーっと……祭り自体はまだ先だがその前にオーディションがあるから
 それに出てもらおうかな」

雫「夏祭りのオーディションですかー。誰が出るんですかー?」

ありす「やっぱり明るい人がいいんですよねー。及川さんとかぴったしじゃないですかー」

雪美「ぴったしー」

P「そうだな。うちからは雫と……みくとかきらりもいいかもな」

ありす「というかプロデューサーの営業で仕事をもぎ取ってくればいいのではー?」

P「うぐっ」

雪美「Pをいじめないでー」

雫「そうですよー。こうなったらオーディションに受かるためにレッスンですよー」

ありす「まぁ過ぎた事を言っても仕方ないですしねー。行きましょうかー」

雪美「夏祭り楽しみー」

ガチャ

P「なんかみんなおっとりしているというかのんびりしていたな」

ちひろ「営業頑張って下さい」

P「はひぃ……」

P「……ふー、もうこんな時間か。そろそろアイドルを帰さないとな」

ガチャ

まゆ「うふふ。Pさん……お疲れ様です」

P「お、まゆか。お疲れ。丁度いいとこに来たな。レッスン場に行って
  みんなに帰るように言ってきてくれないか」

まゆ「いいですよぉ。でもごほうびが欲しいですね」

P「ごほうびか。じゃあこのドリンクをやろう」

まゆ「なんですか、これ」ゴクリ

まゆ「……にがい」

P「ということで頼んだぞ」

まゆ「今度はもっとあまぁいごほうび期待してますよ……」

ガチャ

P「ちひろさんどうするんですか。このドリンク」

ちひろ「とりあえず味の調整はしますが……どうなることやら」

P「使う分には面白いんですけど仕事に役立つかというと……」

ちひろ「難しいかもしれないですねぇ。アイドルの個性を塗りつぶすものですから」

P「新鮮と言えば新鮮なんだがそれは元の個性がある上で成り立つものだし
  使えてもたまに……ぐらいかな」

ちひろ「まぁ調整は加えて考えてみますよ」

バーン

P「!?」

ちひろ「ああ、ドアが! ドアが!」

きらり「ぴいいぃぃぃいいいぃぃぃちゃん」

P(眼から生気が消えてる。さっきとは別種の暗い眼だ)

きらり「あああぁぁそびいいぃぃぃましょおおおおぉぉぉ」ダッ

P「この感じは……まゆか! ヤンデレ気質が移ったんだ!!」

きらり「にょわあああああああぁぁぁぁああ!!!」ブン

P「あぶね! あの抱きしめ食らったら逝くぞ!」

茜「とらあああああああい!!」

P「まずい! 避けれん!」

茜「一緒に夕陽の向こう側へトライしましょうねぇ!!!」ガシィ

P「うるせぇ!! くそ、無理に離して怪我しても困るし……」

みく「Pちゃんはみくのものにゃあ! どくにゃあ! この泥棒猫!!」

P「お前が言うか!」

凛「プロデューサーは渡さない!!」

雪美「P……逃がさない……」

プロデューサー……Pサン……Pチャマ……

P「続々とゾンビにようにやってくるぞ! というかアイドル同士が喧嘩し始めてる!
 ちひろさん! 見てないで助けて!」

ちひろ「まぁデータは十分に取れましたからね。助けてあげますよ。ちょっと待ってください」

まゆ「なんですかぁみなさん。今日は積極的ですねぇ。
   でも渡しませんよ?」

P「おいまゆ! それはだめ! 刃物はまずいから! ちひろさん早く!!」

ちひろ「はーい注目。ここにPさんの署名がされてある婚姻届があります」

アイドル「!?」

ちひろ「なーんてね。はいポチ」

ピカッ




















P「アイドルたちは帰りましたね」

ちひろ「みたいですね。お疲れ様です」

P「しかしまぁ……ちひろさんも面白いもの持っていますね。
 あれはメンインブラ……」

ちひろ「プロデューサーさん」

P「はい?」

ちひろ「長生きの秘訣の一つは沈黙ですよ」

P「……肝に命じておきます」

ちひろ「それでよし、です。さぁ残りの仕事を片付けましょう」


ちひろ(気質共鳴薬……。使用者の気質で他人を染め上げることで
    他者の性質を変化させる薬。最終目標であったシンデレラガールへの投与
    により周囲のアイドルの性質を強制的に向上させるのはどうやら難しいようですね。
    今のまま使えば周りが脱衣魔になるか中二病になるだけです)

以上
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