大学3回生になって単位もある程度揃ったので時間が出来た。
割りの良いバイトを探してたら人の良さそうなお爺さんに声を掛けられたと思ったら駅前の隠れ家的なバーのオーナーで、あれよあれよとバーテンダーになってしまった。
最初は不安だったが意外と酒が飲めたり接客となるとコミュ力が湧いたりで一人前と言われるくらいにはそのバーに馴染んで1人で店を任される日も増えてきた。
そんなある日、オーナーの奥さんから電話があり、オーナーは色々あってしばらく店に出られなくなり、俺の出られる日だけで良いから店を任せたいとの事で、今日も俺は店を開けている。
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営業時間は20:00から営業で終わりの時間はまちまちだ、というのもうちはあくまで隠れ家的な店であるため客入りが良いとは言えず、暇なら早仕舞いする時もあれば朝の5:00くらいまで開けている時もある。
週末はまあ朝までやっているが平日は夜更けには閉まることも多い。
さて、今日はどんなお客様が来店されるか....
カランコロン
八幡「いらっしゃいませ、どうぞ」
静「ああ、ありがとう」
接客の上で大事なことその1
おしぼりは最初にお渡しするべし
その2
顔馴染みのお客様の喫煙者情報は必ず覚えておいて、喫煙者なら灰皿もすぐに置くべし
静「ビールを」
八幡「かしこまりました」
ビールを注ぐ際斜めに注いでいき、ゆっくりとグラスを垂直にするべし
静「君も飲みたまえ」
八幡「ありがとうございます、いただきます」
これはお客様にもよるが、基本的にお客様が召し上がっている酒と合わせると好感が持たれやすくなる
この場合先生...もとい平塚さんは合わせようが合わせまいが一緒に飲んでくれるだけで良いみたいなので今回は麦焼酎のジャスミン割りをいただくことにした
八幡静「乾杯」
その3
酒を飲むペースはお客様に合わせるべし
静「で、どうかね店を任されてしばらく経ったが慣れたか?」
八幡「大分慣れました、結構楽しいですよこの店」
静「それは何よりだ」
八幡「先生はどうなんですか?」
癖で先生と呼んでしまうがこの店ではあだ名みたいなものだ
嫌がられてはないようなので先生と呼び続けている
静「特に変わり映えはしないさ、問題児もいないし平和でありがたいよ」
八幡「そりゃ悪うございましたね」
数年経つと分かるが、明らかに俺は問題児だったからな。
静「だが手の掛かった問題児と酒を飲む事になるのは不思議だよ」
八幡「まさか先生がここに来るとは思いませんでしたよ
」
静「ははは、世間が狭い証拠だよ」
俺がまだ入りたての頃に先生はフラッとやってきた(飲み歩いてるところにたまたま見かけたこの店の看板に吸い寄せられたらしい)
右も左も分からなかったがオーナーと先生のお陰で一端になれたのは間違いないだろう
静「そう言えばあいつらはどうしてるんだろうな?」
八幡「....」
静「おっと、明日も早いんだ、テキーラで乾杯してチェックを出してくれ」
やる気ないなら立てるなよ
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