【神様になった日】空「阿修羅と過ごす休日」 (29)

【成神家】

ガチャリ

伊座並「お邪魔します」

阿修羅「お邪魔しまーす!」

時子「あらあら、いらっしゃーい」

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阿修羅「うぃーっす陽太!遊びに来たぜ!」

伊座並「こんにちは成神君」

陽太「こ、ここここんにちはっ!」カチカチ

時子「お茶とお菓子置いていくから」

伊座並「ありがとうございます」

阿修羅「あざーっす!」

時子「ふふっ。ゆっくりしていってね」

バタン…

陽太「く、クッションあるから!そこに座って///」

伊座並「ありがとう」ストン

陽太「っ!」ドキドキ////

阿修羅「…緊張し過ぎだろ」ボソ

陽太「だ、だだだだって伊座並さんがぼ、僕の部屋に来たんだよ!?緊張するなってのが無理だよ!」

阿修羅「……まあ、それもそうか」

伊座並「なにか言った?」キョトン

阿修羅「いや何も。それより陽太、早速遊ばせてくれよ」

伊座並「成神君が新しく買ったっていう人生ゲーム、楽しみだわ」

陽太「う、うん!すぐ用意するから!」

阿修羅「うげぇ…事業失敗で借金100万追加…こんなん一番でゴールしたって最下位決定じゃねえか…」

伊座並「災難続きね」

陽太「運がなかったって諦めるしかないよ」

阿修羅「ちっくしょー…この周は諦めるけど2周目は必ず大金持ちになってやるからな…」

コンコン

陽太「あれ?母さんかな?」

陽太「開けていいよー」

ガチャリ

空「あ、兄貴…」

陽太「……空?」

陽太「どうしたの空?何か用事ある?」

空「今日、映画を見に行きたいんだけど…その、友達が全員予定空いてないって言うから…その…兄貴を誘いたかったんだけど…駄目だよね?友達と遊んでるし、今日は無理だよね?」

陽太「え、えっと…今日は……」

空「本当はお母さんに頼んで映画館まで連れてって貰おうかと思ったけど、ちょうど出かけちゃったみたいで、だから、その…せっかく友達が遊びに来てくれてるのを水刺すのは悪いかなって思ったけど…その、どうしても見たい映画だったから…」

陽太「…えっと、どうしても今日じゃなきゃ駄目?」

空「そ、そんなこと…ないし…ま、また今度でもいいし…」チラッ

阿修羅「!」

阿修羅(ははーん。そういうことか)ニヤリ

陽太「じゃ、じゃあ今度の休みに一緒に」

阿修羅「まあ待った」

陽太「阿修羅?」

阿修羅「空ちゃん。一緒に行く相手はどうしても陽太じゃなきゃ嫌、とかではないよな?」

空「え?うん…一緒に来てさえ来てくれるなら兄貴じゃなくても…」

阿修羅「映画はさ、今度の休みまで我慢できる?それとも出来るんなら今日見に行きたい?」

空「…」

阿修羅「正直に、答えてくれよ?」

空「………今日が、いいし」

阿修羅「なら、俺が空ちゃんと映画見に行く」

空「え?」

阿修羅「あ、空ちゃんが俺と出掛けるのが嫌なら断ってくれても」

空「そ、そんなことないし!映画一緒に見てくれるならむしろありがたいし!」

阿修羅「決まりだな」

陽太「…いいの?」

阿修羅「構わねえよ。どうせ今人生ゲームでダントツビリなんだし、むしろ都合のいい逃げ道が出来たから空ちゃんに感謝だぜ」

陽太「…ありがとう阿修羅」

ブロロロロ

阿修羅「ほい、ヘルメット。ちゃんと被るように」

空「ありがとだし…」

伊座並「いい?安全第一だからね。スピードの出し過ぎは絶対駄目よ」

阿修羅「わかってるって」

陽太「2人とも、絶対無事に帰ってきてね!」

阿修羅「約束する。2人一緒に、無事で帰るってな」

空「じゃあ兄貴、行ってきます」

陽太「うん。いってらっしゃい」

阿修羅「空ちゃん、しっかり捕まってろよ」

空「っ!」ギュッ

ブウウウン!

陽太(2人とも…ありがとう!)ゴクッ

陽太「じゃ、じゃあ僕達は、部屋に戻って人生ゲームの続きしよっか////」

伊座並「ええ。負けないわよ成神君」

【映画館】

阿修羅「んで、わざわざあのタイミングで部屋に突撃した理由は?」

空「映画が見たいのは、本当だし」

空「…まあ、兄貴と杏子さんを2人きりにしたいって下心は、確かにあったけど」

阿修羅「やっぱりな」

空「…あの、ごめんなさい。せっかく一緒に遊んでたのに、その…いきなり映画連れて行けなんて言っちゃって」

阿修羅「別にそれは構わねえよ。嫌だったらそもそもここまで連れてきてねえし」

空「……ありがとだし」

阿修羅「んじゃ、映画館入ろうか」

空「チケット買ったけど、上映まだ時間あるし…」

阿修羅「んじゃどっか適当な場所で時間潰すか」

空「そうするし」

阿修羅「…こうして2人で過ごすってなると、なんかデートみたいだな」キリッ

空「相手が阿修羅じゃデートって気はしないし」

阿修羅「ははっ、早速振られた」

【ドーナツ屋】

空「とりあえずそこのドーナツ屋入るし」

カランカラン…

「「いらっしゃいませー」」

阿修羅「あっちの席空いてるな。空ちゃん好きなの取っておいでよ。俺食べねえからさ」

空「わかったし」

空「…」モグモグ

阿修羅(淡々と食べるな…まあ好きなもの以外にはいつもローテンションだし、映画までの俺と過ごす時間もテンションは上がらなくて当然か)

空「…」ズズズ

空「ふぅ…ごちそうさま」

阿修羅「次どこに行く?」

空「…ここにもう少し居る。あんまり色んなところ回ると、映画の時間過ぎちゃうかもしれないし…」

阿修羅(なんだ。俺と居るからローテンションな訳じゃないんだな。よかった…)

阿修羅「わかったよ。じゃあちょっとだけ駄弁ろうか。ただ居座るだけじゃあれだし、俺も何か買うよ」

阿修羅「…」モグモグ

阿修羅「うめえ!久しぶりに食べるドーナツ超うめえ!」

空「やっぱりストロベリーリングが1番だし」

阿修羅「シンプルイズザベストってやつだな」

空「…映画終わったら、ドーナツ買って帰るし。忘れないうちに、伝えておくし」

阿修羅「…オーケー。空ちゃんが忘れてたら俺が伝えてやんよ」

【再び映画館】

『世界があの子を消すというのなら、僕は世界と戦う!』

『アポロン…////』

阿修羅(アニメってあんま見たことなかったけど、結構面白いな)

空「か、かっこいい…////」キラキラ

空(いつか私も、世界とヒロインどちらを選ぶかみたいな映画撮ってみたいし!)

阿修羅(口に出てるよ空ちゃん…まあ、それぐらい楽しんでるってことか)





空「面白かったし!」

阿修羅「だな。表情がコロコロ変わるのは見てて楽しかったぜ☆」

空「?」キョトン

空「・・・っ!?」

空「なっ!?え、映画の間ずっと!?」カァァァ///

阿修羅「ずっとは見てねえよ。ポップコーン食べるついでにしか見てないけど、色んな顔してたぜ」

空「うう…////なんか恥ずかしいし////」

【成神家】

ガチャリ

空「ただいま」

阿修羅「再びお邪魔しまーす」

陽太「2人ともおかえり!」

空「兄貴、お土産のドーナツだし」

陽太「お土産!?わざわざお土産まで買ってきてくれるなんて…いい子に育ったなぁ…空…」

空「えっ…あ、ありがとう?」

阿修羅「んなことで嬉し泣きするなよ。空ちゃん引いてるぜ」

阿修羅「んで、伊座並さんとの2人きりの時間でどんな風に過ごしたのか教えてもらいましょうか陽太さんよ」ニヤニヤ

陽太「えー、言わなきゃ駄目?////」

空「駄目。何のために兄貴を杏子さんと2人きりにしたと思ってるの?」

陽太「あ、やっぱりあのタイミングで映画に誘ったのってそういう…////」

阿修羅「まあ杏子ちゃんだけは気付いてなかったけどな。あれで結構鈍感だし」

空「それで!どこまで進んだし?まあ、兄貴のことだから告白までは出来なかっただろうけど」

陽太「……えへへっ////」

阿修羅「お?なんだこの反応…」

空「兄貴、もしかして遂に告白を!?ヘタレ脱却したし!?」

陽太「なんとね……伊座並さんと人生ゲーム2周したんだ!」キラキラ

阿修羅「がくっ」

空「そんだけかい!」

陽太「後は2周とも伊座並さん子沢山だったから将来僕とラブラブなんだな…って妄想も////」

阿修羅「さ、流石にそれは…えっと…」

空「きっしょ」

陽太「えええええっ!?」ガ-ン

阿修羅「…んで、人生ゲームの後は?」

陽太「解散」

阿修羅「はやっ!?もう少し粘れよ!ってかせめて家まで送っていくとか」

陽太「いやいや、あれ以上2人きりだったらドキドキし過ぎて倒れてたよ!」

空「やっぱり兄貴はヘタレだし…」

空「まあ、好きな子を部屋に誘った、ってだけでも兄貴にしてはよくやった方…」

阿修羅「…あのさ空ちゃん、陽太の部屋で遊ぼうって誘ったの……俺」

空「自分で誘ってないんかい!」

陽太「いやぁ、お恥ずかしながら…////」

空「…友達に誘ってもらってやったことが人生ゲーム使って子沢山の家庭を妄想するだけとか…なんか、泣けてきたし」ホロリ

阿修羅「…先はまだまだ長いだろうな」

空「だし…」

阿修羅「……けどま、気長に応援するか」

空「うん」

空(今はヘタレな兄貴だけど、やる時はやるって私は知ってる。だからいつか告白はするだろう。その時まで、私は兄貴を見守るし!)

空「阿修羅と過ごす休日」






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