男「“意識低い系スタバ”ってのができたらしいぞ」 (18)

男「近くに“意識低い系スタバ”ってのができたらしいぞ」

友「なにそれ?」

男「ほら、よくスタバに行く奴は意識高い系だなんていわれるじゃん?」

友「ああ、聞いたことはある」

男「そういうイメージを払拭するために、スタバが試験的に開店したんだってよ」

友「面白そうだな……行ってみるか!」

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男「ここか」

友「いかにもプレハブ小屋を改装しましたって感じだな」

男「あっ、見てみろ!」

友「?」

男「スタバ名物の女の人の顔が、もろ手書きで描かれてる!」

友「ホントだ! しかもヘッタクソだなあれ!」

男「さっそく入ろうぜ!」

店員「しゃーせー」

男「うわっ……」

友「スタバの店員ってものすごく愛想いいのに……」

店員「注文は?」

男(“ご”をつけろよ……)

友「えーっとメニューは……」

ホットコーヒー

大 500円

中 400円

小 300円



男「え、これだけ!?」

友「しかも大中小って……」

男「スタバのサイズ表記って、トールだとかショートだとかオシャレなのにな……」

男「じゃあホットコーヒーの“中”で」

友「俺も」

店員「あざーっす」

店員「……」サッサッドボドボ

男「思いっきりネスカフェにお湯注いでるんだけど」

友「いや、ネスカフェ美味いけどね? せめて見えないようにやってくれ……」

店員「どーぞ」

男「どうも」

男「……どこの席も汚いなぁ」

友「全然掃除されてないな」

男「ここが比較的キレイだ。座ろうぜ」

友「おう」

男「……」グビッ

友「……」グビッ

男「ネスカフェだな」

友「ああ、ネスカフェだ」

男「にしても……」

モクモク… モクモク…

男「ケムいな」

友「喫煙オーケーな上、全然分煙されてないからな」

男(コーヒー飲んだらトイレ行きたくなってきた)

男「ちょっとトイレ行って来る」

友「おう」

男「――なんだこのトイレ!?」

男「カギついてねーのかよ!」

男「しかも、ところどころ汚れてやがる!」

男「トイレットペーパーも切れてるし! ああもう!」

男「……帰るか」

友「出る前に、ゴミ捨ててこう」

男「うわ、ゴミ箱一つしかねえ」

友「普通のスタバはゴミ箱沢山あるのにな。プラスチックだとか飲み残しだとか」

男「分別する気ゼロってことか……」

店員「あざーっしたー」

男「……」

男「どうだった?」

友「“意識低い系スタバ”の名に恥じない意識の低さだったな」

男「意識どころか、色々と低かった気がしないでもないけどな」

友「まあ、たまに来る分にはいいんじゃないか?」

男「ああ、また来ようぜ」

一ヶ月後……

男「久々に来てみたら……」

友「“意識低い系スタバ”もう閉店してるじゃん!」

男「やっぱり売上も低かったんだな……」







― END ―

おつ

起承転結の起承で終わってやがる…

おつ
やはり普通のスタバは偉大

おつ
やはり普通のスタバは偉大

大中小の表記だけはこっちの方が優しい

1.
店員「あーい、いらっしゃ~い」 

男「なんだか恐ろしくだらけた店員だな」 

男「愛想と見た目はやたら良いけど」 

店員「ご注文は~?」 

男「ええとメニューは……」

2.
おいし~いホットコーヒー 

たっぷり 500円 

ふつう 400円 

ちょっと 300円 

男「え、これだけ!?」 

店員「自信作だからね~」ドヤァ

男「じゃあふつうので」

店員「あーい」テッテッテッ

3.
店員「ででーん! おいし~いホットコーヒーだよ~」

男「えっ? これでふつう?」

店員「アメリカ仕様だからちょっとでもた~っぷりだよ!」ドヤァ

男「(漂う超アバウト感)」

4.
男「店員がだらけてるわりにどこの席も掃除が行き届いている」 

店員「専門の業者の人に任せてるからね~」ドヤァ 

店員「トイレもすっごいきれいだよ! 飲食店としてここははずせないポイントだよね」ドヤヤァ

店員「それじゃあごゆっくり! お菓子がほしくなったら隣のお店で売ってるよ!」ドヤヤヤァ

男「あっ……はい」 

男「……」

男「あれ普通にうまいぞこのコーヒー……」

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