ベルトルト「故郷だ!帰ろう!」(60)


ライナー「そうだな」

ベルトルト「というわけで分隊長
少しの間帰省の許可を頂きたいのですが」

ハンジ「わかったよ」

ベルトルト「すみません
何だかゴタゴタしてるのに
ワガママ言ってしまって」

ハンジ「いいよ!
たまには親御さんに元気な顔を見せておいでよ!」

アルミン「楽しんできてね!」

ミカサ「お土産は頼んだ」

※今更ですが世界観崩壊注意


ライナー「そういうわけだエレン
暫くの間よろしく頼む」

エレン「わかった
お前らもずっと大変だったもんな
羽休めしてこいよ」

ベルトルト「じゃあ行こうかライナー」

ライナー「おう 皆も達者でな!」

アルミン「二人とも見えなくなったね」

ミカサ「……エレン
もう我慢しなくていい」

エレン「……」ジワッ

アルミン「エレン!?」ビクッ

エレン「……いやさ 俺達は皆今両親がいない立場だろ」プルプル

エレン「親に甘える事も出来なければ孝行する事も出来ない」ブワッ

エレン「本来なら当たり前の様に出来る事を思いっ切り出来る
そんな奴らが羨ましくもあり妬ましくもあるんだ」ポロポロ

エレン「そんな事思っちゃいけないって頭の中では解ってるんだけどな……」ポロポロ

アルミン「エレン……」

これ誰かの作品と被ってませんかね
被ってたら止めときますが

ありがとうございます
取り敢えず続けてみます


ミカサ「エレン……」ギュッ

エレン「ミカサッ!?」ビクッ

ミカサ「確かに私達には親はいないし親の替わりにはなれない
けれど私達はこの残酷な世界を支えあって生きてきた」

ミカサ「私達は…強い…すごく強い!
…のでこれからも私達が力を合わせれば必ずや困難を乗り越えていける」

ミカサ「それぐらい私達の絆は掛け替えのないもの」

ミカサ「そう思っていたのは私だけなの?」

エレン「ミカサ……」

アルミン「ミカサの言う通りだよエレン」

アルミン「僕達はまだ幼いし完璧な人間じゃない
おそらくそれはこれからも変わらない」

アルミン「それでも今まで生き残ってきたのは
僕達が力を合わせてやってこられたからだ」

アルミン「3人の内誰が欠けても駄目だった
3人の内誰かが別人になっても駄目だった」

アルミン「僕はこの奇跡的な出会いに感謝している」

アルミン「こんな世界もまだまだ捨てた物じゃないってね」

エレン「アルミン……」

エレン「そうだな…ハハッ」

エレン「俺はこんなにも素敵な人達に恵まれている
これ以上を望んだらバチが当たるってな」ズズッ

エレン「よっしゃ!もう大丈夫だ!
感傷に浸るのもこれっきりだ」

エレン「まずは目の前の有事に集中するぞ!」

ミカサ「それでこそ私のエレン」フキフキ

エレン「なっ!?止めろよミカサ!
顔ぐらい自分で拭けるって!!」ワ-ワ-

アルミン「ハハハ……」


――

――――

――――――――

すいません
ご飯食べてきます

そろそろ再開しますね

後自分は単行本派なので
本誌での展開に関しては全くの無知です
その為辻褄が合わなかったり矛盾が生じたりするでしょうが
その点に関してはご了承下さい

――――――――
――――
――

ライナー「……そろそろ大丈夫だろう」ガリッ

ベルトルト「……ああ」ガリッ


――カッ!


超大型・鎧「…………」シュウウウウゥゥゥゥ

超大型「……」スッ

鎧「……」ガシッ

超大型「……」ズシ-ンズシ-ン

ライナーが鎧の巨人になる必要なくないか?

――2時間後 故郷

超大型「……」スッ

鎧「……」ドスン


――カッ!


ライナー「……ふう やっと着いたな」

ベルトルト「列車でも通ってればいいんだけどね」

ライナー「ハハッ そいつは夢物語だな
当分叶いそうもない」

ライナー「それに超大型巨人の歩幅なら
2時間かそこらで故郷に着く事が出来る」

ライナー「それなら俺も巨人に変身してお前におぶってもらえば
金もかからないし経済的だ」

ライナー「だがその為には壁内の人間に見つからない場所に
巨人達の巣窟を人間の姿のままで歩いて行かなければいけない」

ベルトルト「帰省するのも命懸けだね…」

>>16
生身だと超大型巨人の高温の皮膚に耐えられないのではないかと思いまして

ライナー「……っと無駄話もこの辺にしておくか」

ライナー「俺は実家に荷物を置いてくる
後でお前の家にも挨拶に行くからな」

ベルトルト「うん分かった また後でね」

――ベルトルトの実家

ベルトルト「……ふう 久しぶりの実家だ
我が家なのに何だか緊張するな」

ベルトルト「暫く連絡する暇もなかったしいきなり帰ってきて
皆きっと驚くだろうなぁ」

ベルトルト「っと緊張し過ぎても良くないな
深呼吸して……と」スゥ-ハァ-

ベルトルト「ただいまー」ガラッ

ベル母「あらっ 誰かと思えばベルトルトじゃないの」

ベルトルト「ただいま母さん」

ベル母「本当に久しぶりだねぇ 3年振りぐらいかしら
見ない内に随分と大きくなっちゃって」

ベルトルト「そんな事ないよ母さん
それより母さんの方こそ小さくなったんじゃないかな?」

ベル母「あらっやだわこの子ったら
変わったのは見た目だけじゃないのねぇ…」

ベル妹「ただいまー
あっ ベル兄ちゃんだ!
お帰りなさい!」ガバッ

ベルトルト「ハハッ ただいま」ガシッ

ベルトルト「父さんは?」

ベル母「今は畑で野菜を収穫してる所だよ
もうすぐ帰ってくるんじゃないかしら」

ベル妹「私も手伝ったんだよー!」ピョンピョン

ベルトルト「そうか 偉いなー」ナデナデ

ベル妹「きゃはっ! ベル兄ちゃんの手 くすぐったいー!」ニコニコ

ベルトルト「そうだ母さん
後でライナーが家に来るんだけどいいかな?」

ベル妹「えっ!ライ兄も来るの!?やったー!」ピョンピョン

ベル母「あらっブラウンさん所の息子さんも来るの!
あの子はアンタと違って昔から男らしい子だったから
さぞかしカッコよくなってるんでしょうねぇ…」

ベルトルト「ハハッ 耳が痛いな…」

期待
そして超大型巨人は歩けないのではとの説が…

ライナー「すいません お邪魔しまーす」

ベル妹「あっ ライ兄だっ!」ダッ

ベル母「あらあらライちゃん久しぶりねぇ
見ない内に随分と立派になっちゃって」

ライナー「ハハッ おばさん ご無沙汰してます」

ベル妹「ねぇねぇライ兄 いつまでこっちにいるの?」ピョンピョン

ライナー「ハハッ お前は相変わらず元気だな
そうだな……今回は無理を言って出てきたから
そんなに長居は出来ないかもな」

ベル妹「えぇーそっかー……つまんないなー」ショボン

ベルトルト「お前は本当にライナーの事が大好きなんだなぁ」ハハハ

ベル妹「なっそんなんじゃないもんっ
ベル兄ちゃんのバカ!」プリプリ

ライナー「お前達兄妹は本当に仲がいいな ハハハ」

>>22
マジですか
その辺りは大目に見て頂けると有難いですね…


ベル父「ただいまー」

ベル母「おっ 父さんが帰って来たね」

ベルトルト「ただいま父さん」

ライナー「あっ親父さんお久しぶりです」

ベル父「おっベルトルトにライナーじゃないか
いつ頃こっちに着いたんだ」

ライナー「ついさっきです」

ベルトルト「急に休暇が貰えたからね」

ベル父「そうかそうか!遠い所から遥々よく来たな!
こんな所で立ち話も何だ
上がっていきなさい」

ベル父「丁度野菜を穫ってきた所だから
お前達の土産話を肴にこいつらを頂こうじゃないか」

ライナー「ハイ!それじゃお呼ばれします!」

ベル妹「やったー!楽しみだなあ!」ワクワク

――ベルトルト家 居間

ベルトルト「ふう…… この家も変わってないな」

ライナー「こんなに馴染み深い所でも久し振りに来ると
何だか懐かしさすら感じるな」

ベル妹「ハイッ!ベル兄ちゃんはココ!
ライ兄はこっちね!」グイッ

ライナー「ハハッ こら危ないからそんなに引っ張るなって」ハハハ

ベル母「久し振りに2人に会えて嬉しいんだよ
どうか大目に見てやってね」

ベルトルト「解ってるよ母さん」

ベル父「ほら ベルトルトにライナー
お前達も一杯付き合え」

ベルトルト「ちょっ 父さん…」アセアセ

ライナー「いやっ親父さん 俺達はまだ未成年なんで…」アセアセ

ベル母「ちょっとアンタ!何やってるの!」

ベル父「いやっ やだなぁ母さん ほんの冗談じゃないか」ハハハ

ベル父「それにしてもお前達も生真面目だなぁ」

ライナー「訓練兵団は規律に厳しい所ですからね」ハハッ

ベルトルト「羽目を外そうとしても何か落ち着かないんだよね」ハハッ・・・

ベル父「まあそういう事ならしょうがないか
一人で楽しむとするよ」ショボン

ライナー「すいません親父さん…」

ベルトルト「ゴメンね父さん…」

ライナー「それにしても親父さん所の野菜はいつ見てもデカいですね」

ベル母「家は主に巨人用の野菜を出荷してるからねぇ」

ベル父「大きさだけじゃねぇぞ!味も折り紙保証付きだ!」

ライナー「このキュウリも俺達と同じかそれ以上にデカいぞ…」ポリポリ

ベルトルト「栽培技術を持ち帰れば壁内の食糧事情も
あっという間に改善しそうだね」ポリポリ

ベル妹「ねぇねぇ早くお話聞かせてよー!」ワクワク

ライナー「そうだな…それじゃ
ハゲがハゲの頭を鷲掴みにした時の話をしようか…」

――
――――
――――――――

すいません休憩挟みます
続きは夕飯後になると思います
ご了承をば

巨人用の野菜って何ぞ?

再開します

>>35
すみません適当吹かしました
グルメな巨人がいるとでも解釈して下さい

――――――――
――――
――


ライナー「……それでな 妖怪芋女は実在するんだ」

ベルトルト「実際目の当たりにした時は戦慄したけどね……」

ベル妹「へぇー本当にいるの?すごーい!!」キャッキャッ

ベル妹「壁内ってすっごく楽しそう!私も行ってみたいなー」

ライナー「……いや そんなに良い物じゃない」

ベルトルト「実際は辛い事も多いからね……」

ベル妹「そうなの?」キョトン

ベル母「……」

ベル妹「そういえばアニお姉ちゃんはどこにいるの?
てっきり一緒に帰って来てると思ってた」

ライナー「……アニはまだやる事があるから壁内に残っているよ」

ベルトルト「アニは頑張り屋さんだからね……」

ベル妹「ふーん」

ベル父「……ベル妹 今日は遅いからもう寝なさい」

ベル妹「えぇーヤダ!
ベル兄ちゃん達ともっといっぱいお話するの!!」ジタバタ

ベルトルト「……僕達はすぐに帰るわけじゃないから」

ライナー「俺もまた明日来るから
その時にまた話そう な?」

ベル妹「……わかった」シブシブ

ベル妹「ベル兄ちゃん!ライ兄!
明日はもっといっぱいお話してよね!!」

――――
――

ベル父「……ベル妹はもう部屋に戻った」

ベル母「……ごめんなさいね
あの子は何も知らないから……」

ライナー「……いえ 大丈夫です
気になさらないで下さい」

ベルトルト「世の中には知らない方が良い事もあるからね……」

ベル母「……それでアニちゃんは一体どうなってるの?」

ベルトルト「……捕らえられたよ」

ベル父「……やっぱりか……」

ライナー「恐らくまだ生きてはいます
どういう状態かは分かりませんが
生きた巨人のサンプルは貴重ですから」

ベルトルト「……だけどそれも利用価値があるからこそ
用済みになった時の事なんて考えたくもない」

ベル父「……」

ベル母「……実はレオンハートさん家のお父さん
体を壊していてね」

ベルトルト「えっ!?」

ライナー「本当ですか!?」

ベル母「……アニちゃんがここを出た直後からおかしくなり始めてね
暫くたった後急に倒れたの」

ベルトルト「そんな……」

ライナー「……」

ベル父「……レオンハートさんはアニちゃんを壁内に行かせた事をずっと後悔していてね
本当はずっと前からその事には反対していたんだよ」

ベル父「だけど一人だけワガママを押し通すわけには行かない
その必要性を理解していたからこそずっと葛藤していた」

ベル父「恐らく今もその決断が本当に正しかったのかどうか
思い悩んでいるんだろう……」

ベル母「……」

ベル父「……こう言うと言い訳に聞こえるかもしれないが
私達も喜び勇んでお前達を送り出したわけじゃない」

ベル父「今回もお前達は無事に帰ってこられたが
アニちゃんは叶わなかった」

ベル父「自分達は何と愚かな選択をしてしまったのかと後悔ばかりしているよ」

ベル父「お前達にばかり重荷を背負わせてしまって
本当に申し訳ない」スッ

ベル父「こんな事が贖罪になるとは思わないが
この通りだ……!」

ライナー「っ!!親父さん!
頭を上げて下さい!!」

ベルトルト「そうだよ父さん!僕達はもうその言葉だけで充分だ!!」

ベル父「……しかし……」

ベルトルト「大丈夫だよ父さん母さん
僕達は自分の意思で頑張ってきたんだから」

ライナー「そうですよ!何も俺達は
この5年間を無駄に過ごしてきたわけじゃない!」

ライナー「ようやく希望の灯が見えてきた!
あと少し!あとほんの少しなんです!!」

ベルトルト「そうだ!あと少しで全てが終わる!
僕達はその為だけに頑張ってきたんだから!!」

ベル母「……」グスッ

ベルトルト「……大丈夫だよ父さん母さん
僕は父さん達の知らない所でちゃんと成長している」

ベルトルト「僕はもう子供じゃないんだ
自分の進む道ぐらい自分で決められる」

ベルトルト「それに僕は1人じゃない
ライナーだっているし例え遠く離れていても家族の存在を感じられる」

ベルトルト「そう思えるからこそ僕は今を生きていける」

ベルトルト「だから気に病まないで欲しいな」

ベル母「……」グスグス

ベルトルト「……ちょっと外に出てくるよ
すぐに戻ってくるから心配しないで」スッ

ライナー「……俺もそろそろ失礼します
美味しい野菜ご馳走様でした」スッ

ライナー「また明日も来ます それではお休みなさい」

ベルトルト「一緒に出ようかライナー」ガラッ

ライナー「ああ」


ピシャッ


ベル母「……ウウッ……」ポロポロ

ベル父「……」ギュッ


――
――――

すいません
風呂行ってきます
多分今日中には終わります

再開します

――――
――


ベルトルト「……今まで僕は自分の意思を持たずに生きてきた」

ベルトルト「ただ周りの言う通りに巨人に変身し ただ周りの言う通りに壁を壊した」

ベルトルト「そこに自分の意思はなかった
いや 自分の意思を持たない様にさせられたんだと思う」

ベルトルト「そんなものがあって計画に支障が出ては困るからね」

ライナー「……」

ベルトルト「ただこの間壁を壊した時エレンと遭遇して」

ベルトルト「明確で そしてとても強い殺意を向けられた」

ベルトルト「あの時は驚いたよ
普通に生きていたらそんな経験はしないはずだからね」

ベルトルト「そして思ったんだ」

ベルトルト「ああ 自分のしてきた事はこういう事だったんだって」

ベルトルト「5年前には余り理解出来ていなかったけれど」

ベルトルト「今 ようやく実感しているよ」

ベルトルト「……そして君は今酷く揺れているね」

ベルトルト「帰郷する寸前からそれが顕著になった」

ライナー「……俺が故郷に帰るとエレンに伝えた時」

ライナー「一瞬 ほんの一瞬だったが」

ライナー「酷く辛そうな表情になった」

ライナー「絶望やら嫉妬やら羨望やらをない混ぜにしたような顔だった」

ライナー「俺達がアイツをあんな風にしてしまったんだ」

ライナー「お前はどう思う…?」

ベルトルト「……気の毒だとは思っているよ
僕も何も感じないわけじゃない」

ベルトルト「だけどそれ以上にこう思っているんだ」

ベルトルト「こんな事自分の大切な人にはさせられない」

ベルトルト「この役割を任されたのが僕で本当に良かったと思ってる」

ベルトルト「今日 家族の顔を見て改めてそう感じたよ」

ベルトルト「……本当は全てを終えるまで
故郷には帰らないと決めていたんだ」

ベルトルト「そうじゃないと本当の意味で故郷に帰る事は出来ないと思っていたから」

ベルトルト「だけどあの時エレンの顔を見て」

ベルトルト「自分の死期がそう遠くない事を悟ったよ」

ベルトルト「そう思ったら急に郷愁にかられてしまってね」

ベルトルト「居ても立ってもいられなくなってしまったんだ」

ライナー「……」

ベルトルト「……ねえライナー
確かにあの時僕達は何も知らなかったかもしれない」

ライナー「あぁ……」

ベルトルト「だけどその事が免罪符になるわけでもないし
やってしまった事は取り返しが付かない
溢したミルクを惜しんで嘆いてもしょうがないんだよ」

ベルトルト「恐らくエレンはライナーがそんな風に思い悩む事を望んではいない
エレンは全力で僕達を殺しに来る」

ライナー「……そう」

ベルトルト「そして知ってしまった僕達がすべき事はただ一つ」

ベルトルト「……託された思いを形にする事だけだ」

ライナー「なんだよな……」

ベルトルト「……僕は今 自分の意思でここに立っている」

ベルトルト「僕達の戦いに決着が付く日もそう遠くはないだろう」

ベルトルト「そしてもし僕達が勝ったら」

ベルトルト「その時は その時こそは
本当に 胸を張って」





――――「故郷へ、帰ろう」――――

終わり

御支援ありがとうございました
当初思い描いていたモノとは大分かけ離れてしまいました
どうしてこうなった

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