【艦これ】睦月型の足音 (45)

キャラ崩壊注意



廊下――

三日月「あ、ここ良さそうですよ!」トテトテ

菊月「そうだな、では設営しよう」スタスタ

三日月「長机は私が用意して……」ガチャガチャ

菊月「その上に、プレートと名簿を並べれば……」ヒョイヒョイ

三日月「『睦月型パーティー受付』の完成です!」パチパチ

菊月「良い出来だ」パチパチ

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菊月「まさか突然パーティーを開催することになるとは」

菊月「皆、遠征や出撃で忙しいというのに」

三日月「でも終わり次第、皆集まれるそうですよ」

菊月「それは二人でスケジュール管理したからだろう?」

三日月「ア、アハハ……そうでした」

菊月「まったく、睦月たちの企画好きには困ったものだ」

三日月「でも、そういう菊月も好きなんですよね?」

菊月「……まあな///」

三日月「ウフフ」

菊月「しかし、こうして会議室を借りたのは良いが……」

菊月「受付の場所を間違えたかも知れないな」

三日月「どうしてですか?」

菊月「見ろ。ここは会議室に続く廊下の角だが、一番人通りの多い廊下からは見えないだろ?」

三日月「廊下の角が邪魔ですね」

菊月「そうだ、お陰で誰が来るか分からないじゃないか」

三日月「それなら問題ありませんよ」

菊月「なぜ?」

三日月「実は私、睦月型の誰が歩いているか、音だけで分かるんです」

菊月「まさか」

三日月「本当ですよ」

三日月「菊月も、よーく聞けば分かると思います」

菊月「そこまで言うか」

菊月「面白い。音だけで誰がやって来ているか、当てっこしよう」

三日月「良いですよ」ニッコリ

三日月「あ、来ましたよ」



ニャシニャシ



菊月「これは分かった」

菊月「睦月だな?」

三日月「正解です♪」パチパチ

菊月「あんな音を出すのは睦月以外あり得ないからな」

睦月「およ? もう受付が出来てる?」ヒョコッ

菊月「長女の命令は絶対だからな」

菊月「睦月、出席……と」

睦月「フムフム、二人は優秀な睦月型なのね」

睦月「あとで壇上でなでなでされるが良いぞ」ニャシニャシ

三日月「わーい」ワクワク

菊月「まったく、そんな子供だましを喜ぶわけないだろう……」ワクワク

三日月「次、来ましたよ」



ツカツカ



菊月「いきなり難易度が上がったな」

菊月「この早足ぎみに鳴らす踵の音……長月だ!」

三日月「ブッブーです」

三日月「正解は、弥生でした」

菊月「あー……言われてみれば、確かに」

三日月「結構キビキビ動いてますから」

弥生「……あれ、もういる……」ヒョコッ

菊月「長女命令だからな」

弥生「なるほど……」

三日月「今は怒ってないんですか?」

弥生「(そもそもいつも怒って)ないです……」ツカツカ

三日月「そういえば昨日、卯月が割れた花瓶の欠片を隠していました」

弥生「……そう……」ムカムカ

菊月(今怒ったな)

三日月(今怒りました)

菊月「はじめは楽勝と思ったが、なかなか難しいな」

三日月「でも、姉妹を理解していれば、ある程度は推測でも当たりますよ」

菊月「確かに」

菊月「次は当てて見せよう」キリッ

三日月「来ましたよ」



ピョンピョン



菊月「卯月っ」

三日月「正解っ」

菊月「いやこれはサービス問題だろう?」

三日月「漣さんとか巻雲さんとかかも知れないじゃないですか」

菊月「いや彼女たちは睦月型じゃないぞ」

三日月「卯月、出席です」カキカキ

卯月「わ、もう来てる! まじめー!」

菊月「真面目以外取り柄のないコンビだからな」

卯月「いやいやいや」

卯月「ただ真面目なんじゃなくて、姉妹のことを想ってのことだってこと、うーちゃんは知ってるぴょん」

三日月「あ、はい……どうも///」テレテレ

菊月(突然こういうこと言うんだよな……///)テレテレ

卯月「それで、もう入って良いぴょん?」

三日月「どうぞ」

菊月「花瓶の欠片の行方を知った弥生もいるがな」

卯月「うげっ」

菊月「覚悟を決めろ」

卯月「ぴょーん……」プップクプー...

三日月「次は難しいかもしれませんね」



ポフッポフッ



菊月「ずいぶん可愛らしい音だな」

菊月「となると……文月か?」

三日月「ブッブー」

菊月「なら水無月とか?」

三日月「それもブッブーです」

菊月「分からん、正解は誰だ?」

三日月「長月、出席です」カキカキ

長月「よく分かったな」ヒョコッ

菊月「このまま部屋に入ってくれ」

長月「はーい」ポフッポフッ

菊月「……長月って、あんな可愛い音を出すのか」

三日月「長月は可愛い」

三日月「それが理由です」

菊月「なるほど、それなら何一つおかしいところは無い」

菊月「なにせ長月は可愛いからな」

菊月「そう思うだろう?」チラッ

三日月「次も難しめですよ」



ムチッムチッ



菊月「肉付きの良い音だな」

菊月「となると……如月か?」

三日月「ブッブーです」

菊月「あ、待ってくれ、ならあいつだ」

菊月「皐月だな?」

三日月「ピンポーンです」

三日月「皐月、出席です」カキカキ

皐月「わ、すごい! よく分かったね?!」ヒョコッ

菊月「もう会場に入れるぞ」

皐月「お疲れ様ー」ムチッムチッ

三日月「よく分かりましたね」

菊月「改二になってから、ずいぶんムチムチした体になったことを思い出してな」

三日月「そうですね、姉妹をよく理解している証拠です」

菊月「楽しくなってきたぞ」フンフン

三日月「面白い子が来ましたよ」



無知っ無知っ



菊月「全角……だと……!?」

菊月「音は皐月と同じだが……」

菊月「しかし、無知となれば……文月だな?」

三日月「残念ーっ」

菊月「なん……だと……!?」

三日月「如月、出席です」カキカキ

如月「あら三日月ちゃん、それに菊月ちゃんも」ヒョコッ

三日月「今日も素敵ですね」

如月「ウフフ、ありがとう♪」

菊月「睦月ならもう到着してるぞ」

如月「ええ、睦月ちゃんったら、今日は朝から張り切ってて」フフフ

如月「また恋愛相談があれば言ってね? 如月、応援してるから」無知っ無知っ

三日月「ありがとうございます」

菊月「頼りにしている……」

菊月「如月だと? そんなバカな!」

三日月「如月は、自分はまだ経験のない耳年増なだけなので」

三日月「大人の知識は、あのピュアピュアな文月よりも少ないんです」

菊月「文月よりも!?」

三日月「ギリギリ長月にも負けてます」

菊月「長月よりも!?!?!?!?」

三日月「あ、来ましたよ」



モッチモッチ



菊月「望月だな」

三日月「もっちーです」

菊月「これはすぐ分かる」

三日月「もっちー、出席です」カキカキ

望月「んあー……三日月かー……」ヒョコッ

菊月「また夜更かししたな?」

望月「そういや三日月は、見えてないのにあたしを言い当てるよね? 何で?」

三日月「企業秘密です」

菊月「これからはこの菊月も言い当てられるぞ」

望月「うーん……分かんないなー……」モッチモッチ

三日月「次、来ましたよ」



フミィ...フミィ...



菊月「あーそっかーこれが文月かー」

三日月「分かりやすい音してますよね」

菊月「ところでこれは何の音なんだ?」

三日月「分かりませんっ」

三日月「文月、出席です」カキカキ

文月「えーっ? どうして分かったのーっ? 何で何でーっ?」ヒョコッ

三日月「姉妹のことならお任せください」ドヤァ

菊月「だいぶ集まってるぞ」

文月「あ、うん! また後でね~!」フミッフミッフミッ

菊月(急ぐと音が変わるのか……)

三日月「もうこれで最後でしょうか」



トコトコ



菊月「水無月だな」

三日月「わっ、よく分かりましたね?」

菊月「消去法だ」

三日月「水無月、出席です」カキカキ

水無月「わあっ!?」ビクッ

水無月「……って、なーんだ、ビックリしたー!」ヒョコッ

菊月「驚かせてしまったみたいだな」

水無月「そりゃそうだよ! 突然名前を言われるんだもん!」

三日月「出席を取ってたんです」

菊月「もう入って良いぞ」

水無月「二人とも、お疲れー!」トコトコ

菊月「……これで11人か」

三日月「お疲れ様です」

菊月「睦月型も、だいぶ集まったな」

菊月「数人しかいなかったのが、ずいぶん昔のように思える」

三日月「それがこうして会議室を借りてパーティーするまでになりました」

三日月「司令官と鎮守府の皆さんのおかげです」

菊月「ああ……」

菊月「しかし……だからこそ、気になってしまうんだ……」

菊月「まだ実装されていない、最後の姉妹……」

菊月「夕月……」

三日月「いない子で気を病んではいけません!」

三日月「とらわれ過ぎるあまり、いない子の名前を呼ぶ病になっちゃいます!」

菊月「ああ、しかし……!」

パスッパスッ



菊月「……あ、ああ……!」

菊月「この音は……!」



パスッパスッ



三日月「間違いありません!」

三日月「睦月型、最後の一人……!」



パスッパスッ




Perth「ごめんなさい、遅れたかしら?」ヒョコッ



「「蓮゜月……!!」」


菊月「大丈夫、時間通りだ」

三日月「蓮゜月、出席です」カキカキ

Perth「私、このパーティーに参加するの、初めてなんだけど……」

Perth「ちゃんと仲良くできるかしら?」

三日月「心配になる気持ちは分かります」

三日月「でも普段から、睦月型の塩タイプと仲良しじゃないですか」

菊月「睦月型の甲殻類タイプにも悪い子はいない、安心しろ」

Perth「……そうね、いらない不安だったわ」

三日月「あ、そこの会議室が会場です」

Perth「Thanks」パスッパスッ

三日月「はい、これで睦月型全員揃いました」

菊月「受付はこれで終了だな」

菊月「私たちも中に入るか」スタスタ

三日月「楽しみですね!」トテトテ

会議室――



睦月「えー、今日は突然のパーティーにご参加いただき、まことにありがとうございますと感謝を述べるぞよ」

「「ははー」」ギューギュー

如月「姉妹全員集まったせいで、ちょっとすし詰め状態だけど、我慢してね」

長月「いや、これは狭すぎるぞ!?」ギューギュー

皐月「一旦外に出ようよー!」ギューギュー

睦月「我慢するのね」

長月「なら仕方ないな」ギューギュー

皐月「大人しく我慢しよう」ギューギュー

睦月「今日は、先日中止になったお花見の代わりになればと、急遽開催しました」

睦月「窓一つない閉鎖空間ですが、みんなの心の中にある、世界に一つだけの花を愛でましょー♪」

如月「すごく良いこと言ったわ睦月ちゃん!!」パチパチパチパチ!!

水無月「よっ! 今日もオールイエスウーマンっぷりが決まってるね!」

望月「さすがは睦月専用腰巾着!」

如月「ありがとう!! 最高の誉め言葉だわ!!」

睦月「みんな、グラスは受け取ったかにゃー?」

「「にゃー」」

睦月「では乾杯の音頭を、名誉睦月型軽空母の龍驤月ちゃんにお願いするのね!」

如月「……あら? 龍驤月ちゃんはどこかしら?」

龍驤月「ここや、ここ!」ノ

龍驤月「文月と卯月に踏まれとるわ!」

文月「わわっ、ごめんなさぁい」

卯月「てっきりまな板だと思って……」

龍驤「まな板も踏んだらアカーン!」

睦月「それでは龍驤月ちゃん、一言どうぞ~!」

龍驤月「一言? おう、言うたるわ」

龍驤月「君ら、この時期によう三密でいられるな!? はよ帰れ!」

龍驤月「言いたいこと言うたし、もう帰るわ。ほな」シュバババ



「「……」」

睦月「えーでは、睦月型のますますの発展を祈って……」

睦月「解散!!」



「「解散~!!」」



おわり

以上です、ありがとうございました。

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