【艦これ】漣「足りないもの、そのご」【安価】 (813)

このスレは


からの設定を引き継いでいます。本編終了後のオマケのようなものになります

過去スレは長いので見なくても大丈夫です

主な登場人物等は次に書き込みます

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1588509653

登場人物の簡易まとめ
横須賀鎮守府

駆逐艦
・暁 ・雷 ・電 ・響 ・清霜 ・霞 ・弥生(卯月)
・黒潮 ・不知火 ・陽炎 ・朝霜 ・早霜・叢雲 ・初雪
・皐月 ・潮 ・漣(重巡棲姫)・村雨 ・白露・春雨 ・時雨・S朝潮
・Y朝潮・秋雲

軽巡
・神通・龍田 ・天龍 ・大井 ・球磨 ・由良
・名取

重巡
・加古 ・羽黒 ・那智 ・愛宕
・青葉・ポーラ

潜水艦
・伊168 ・伊8 ・伊58・呂500

戦艦
・金剛 ・榛名 ・アイオワ
・山城

空母
・龍驤
・雲龍 ・葛城 ・加賀 ・瑞鶴 ・翔鶴 ・隼鷹 ・飛鷹 ・ガンビアベイ
・蒼龍

その他
・提督
・秋津洲 ・明石
・レ級 ・ 潜水新棲姫

??
富士
Y子

(元)足りないもの鎮守府
駆逐艦
・朝雲・山雲・ジャーヴィス・ヴェールヌイ
・菊月・曙・望月・荒潮

軽巡
・多摩・北上・夕張

重巡
・ハグロ

潜水艦
・伊401・伊13・伊14・伊19・伊26

戦艦
・ガングート・ウォースパイト

空母
・千歳・ガンビィ(ガンビアベイ)
・千代田・グラーフツェッペリン・リュウジョウ

その他
・潜水棲姫
・ル級・神威
・菊月提督

ーー


漣「この世で最も恐ろしいものは人間だ。そんな言葉がありますが、漣達はその言葉が嘘でないことを嫌ほど知りました」


漣「深海棲艦なんか可愛いものです。旧大本営は核武装をし、秘密組織は世界を混乱に貶めようとしていたのです」


漣「ですがまぁ……色々とあって旧大本営と組織は壊滅し、深海棲艦はその個体数を大幅に減らしました」


漣「そして漣達が横須賀鎮守府に着任することによって、一通りの騒動が終わりを告げたのです」


漣「仮初ですが平和と呼べる状況にもなりました。これで暫くはゆっくりとできるかと思ったんですが…」

S朝潮「司令官の隣は渡しません!どきなさい朝潮!」


Y朝潮「朝潮は貴女もでしょう!私がここに居れば何も問題ありません!」


S朝潮「問題だらけですよね司令官!」


Y朝潮「司令官はそんなこと言いません!」


提督「いや…あのな…」


龍驤「……」ニコニコ


漣「ここは横須賀鎮守府の執務室。秘書艦代理でありご主人様の嫁である龍驤さんの前で二人の朝潮がご主人様を取り合っております」


漣「ええ、ぶっちゃけちょい修羅場ってます。Y朝潮はともかくS朝潮は過去にちょっとありましたから…」


漣「ここから殴り合いの喧嘩とかにはならないとは思いますが、女同士の争いは怖いですからねぇ…」


漣「あと龍驤さんが笑ってるのが怖いですね。いざとなったら漣は逃げさせてもらいましょう」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

おーおかえり

よく分からない安価は飛ばします


龍驤「なぁ司令官、こっち見てくれへん?」


提督「なん……うぉ!?」


龍驤「……」ネコミミ


漣「出た!ご主人様が大好きな猫耳だ!これを付けた艦娘を見るとご主人様は大興奮してしまう!」


提督「……」コソコソ


漣「案の定興奮してしまったご主人様はなすすべも無く、前屈みになりながら部屋の隅へ行ったぁ!!」


S朝潮「むぅ…」


Y朝潮「朝潮も負けてはいられません!」

S朝潮「にゃあん!」


Y朝潮「にゃ、にゃあ…」


龍驤「……」ニコニコ


提督「……」


漣「ネコミミ三体に囲まれたご主人様は小さくなって隅にしゃがんでいるぅ!提督ともあろう人の行動では無い!」


漣「だがしかしこれも仕方ないこと!ご主人様のムスコがテントを張っている所なんて見せてはいけないっ!」


漣「さぁこの後どうなるんだ!?」


下2 次の展開やその他起こったことなど

演習の時間ですよ?(ニッコリ (人選はお任せ)
連行される駆逐艦達(漣含む)

朝霜「司令~」ガチャ


提督「……」


S朝潮「にゃあ!にゃあぁぁ!」


Y朝潮「し…司令官……にゃ…」


龍驤「司令官?」


提督「……」


朝霜「なんだよおい、楽しそうなことしてんじゃんか。あたいも仲間に入れてくれよ~」


漣「おおっとここで朝霜さんの登場だ!これはますますややこしくなるぞ!」

漣「朝霜さんは龍驤さんとご主人様の子どものような存在で、夜や精神的に不安定になるとパパとママと言って甘えるんですよね」


漣「幻肢痛で辛いなら朝霜さんを優先するべき状況ですが…?」


朝霜「んにゃ~~」ネコミミ


提督「……」


漣「朝霜さんは絶好調だ、これは面白くなるぞ!」


提督「……」チラチラ


漣「ご主人様が助けを求める視線をこちらに送っていますが、漣はあえて無視をします!」


下2 次の展開やその他起こったことなど

>>10

神通「皆さん…お暇でしたら、演習に付き合ってくれませんか…?」


Y朝潮「神通さん…」


S朝潮「……」


朝霜「あたいは付き合うぜ。龍驤さんはどうする?」


龍驤「ウチも体動かしに行こうかな。勿論二人とも来るわな?」


Y朝潮「……はい」


S朝潮「私は行きません」


神通「そんなこと言わずに…一緒にやりましょう…」


S朝潮「私は司令官が行けというなら行きます。そうでなければここから動きません」


提督「……」

龍驤「…朝潮、ネコミミ取り」


S朝潮「私の話を聞いていましたか?」


龍驤「……司令官」


提督「朝潮…まずはそれを取ってくれ」


S朝潮「はい!」スッ


提督「ふぅ……神通が演習相手を探している。それに付き合ってくれないか?」


S朝潮「司令官との御命令とあらば、この朝潮全力で取り組みます!」


提督「…あぁ」


漣「神通さんという助け舟によりご主人様は窮地を脱した…うむうむ、これで一件落着ですな」

神通「もちろん漣さんもですよ…?」ガシッ


漣「ファッ!?」


龍驤「当たり前やろ、さっきから誰に話してるか知らんけど独り言うるさいねん」


Y朝潮「漣さんが来れば三対三で丁度いいですよ」


朝霜「決まりだな。演習場に行くぞ~」


漣「今日はそんなつもりじゃなかったのに!ご主人様助けてーー!」


提督「……」スッ


漣「んなぁぁぁーー!」


下2 次の展開やその他起こったことなど


提督「やっと静かになった、これで仕事も捗る…」


雲龍「提督、少しいい?」ガチャ


提督「どうした、緊急事態か?」


雲龍「緊急ではないけど耳に入れておいて欲しいことがあるの」


提督「何だ?」


雲龍「飛鷹が食堂の前で正座してたわ」


提督「……」アタマカカエ


雲龍「多分清霜が関係してると思う。後で声をかけてあげて」


提督「…わざわざありがとう、雲龍」


雲龍「役に立てたのなら良かったわ」

ーー食堂


提督「飛鷹は清霜と清い交際を続けていて順調だと聞いていたが…」


提督「飛鷹が正座している時は何か行き過ぎた行為があった時が多い。反省の意味を込めて清霜が正座させているらしい」


提督「飛鷹はロリコンだ。清霜と恋人関係になる前から色々とやらかしていたそうだ」


提督「正座をさせるのはいいが、迷惑になっていては困る。様子を見ておいて損は無いだろう」


提督「飛鷹はどうなっている…?」


下2 飛鷹の様子はその他起こっていたことなど

鼻血ダラダラでいい顔して正座してるろりk、飛鷹さん

飛鷹「……」


提督「……」


『反省中。餌を与えないで下さい』


提督「飛鷹…一体何をしたんだ?」


飛鷹「……」


提督「随分と立派な紅葉が顔にあるな。手の大きさからして清霜のもので間違いないだろう」


飛鷹「……」


提督「清霜が手を出すことは滅多に無い。いつもはプレートを下げて正座で終わりだ。だが今回はビンタまでついてきているということは相当な…」


飛鷹「…悔いはないわ」

提督「表情を見れば分かる。その鼻血はビンタされて出たものではないな?」


飛鷹「んふぅ…最高だったわ…」


提督「一体なにが…?」


飛鷹「提督になら教えてあげてもいいわ。同じ同志(ロリコン)として通じるものがあるはずよ」


提督「……」


飛鷹「清霜にどんなことをしたのか。気になるわよね?」


提督「いや…」


飛鷹「本当はあと数時間ここで正座しないといけないんだけど、私がここから動かないといけない任務をくれるなら教えてあげるわ」


提督「俺は…」


飛鷹「どう?悪い交換条件じゃないわよね?」


提督「…下2」


下2 提督の台詞やその他行動など

提督「…この取引があった事は清霜に言うぞ」


飛鷹「そんな、提督とは同志だと思っていたのに!」


提督「俺は誰でもいいわけじゃないんだ」


飛鷹「ロリものの本を隠し持ってるくせに…」


提督「…それとこれとは違う」


飛鷹「一緒よ!」


提督「とにかくそこで反省しているんだ」


飛鷹「うぅ……!」


提督「分かってはいたが緊急性は無かったな。それが確認できただけでも良しとするか…」



ーー

やり方を思い出しながらやっていきます


コメントなどあればお願いします

ーー横須賀鎮守府、地下


ゴウンゴウン…


秋津洲「鎮守府地下へのエレベーター…凄く大きいかも」


明石「かつての横須賀鎮守府は、旧大本営の道具に過ぎなかったって…そう聞いてます」


秋津洲「間違って無いと思う。大本営にあった核ミサイルもきっとここで作られたかも」


明石「核弾頭とか危険なものは全て処分されました。でもまだ大量に残ってるんです」


秋津洲「兵器とかよく分からない変な機械とか。どれもこれも悪用しようとしてたのは間違い無いかも」


明石「どうしてそこまでして…」


秋津洲「本当に胸糞悪い連中かも」

明石「でも使い方を間違えなければ役に立つものも、ここにはあるはずです!」


秋津洲「あたし達がちゃんと使ってあげるかも!」


明石「もしどうにもならなくても解体すれば私達の知識になります!」


秋津洲「……」ジ~~


明石「どうしたの秋津洲ちゃん?」


秋津洲「明石~本当の目的はそれかも?」


明石「……黙秘します」


秋津洲「ズッ友の明石があたしに嘘…つくかも?」


明石「…さあ地下に着きましたよ!色々と探していきましょう!」


秋津洲「露骨に話逸らしたかも…」


下2 次の展開やその他起こったことなど

ーー


秋津洲「ふぅ、細々したのはこんな所かも」ガチャッ


明石「少し休憩しよっか秋津洲ちゃん」


秋津洲「かも~」


明石「以外と鉄屑とかが多くて予想と外れたね…」


秋津洲「多分核を使った何かを壊した跡かも。危険性は無いけどとにかく処分が大変かも」


明石「幹部さんは掃除をして欲しかったんだね…」


秋津洲「あのロリコン…次会ったら文句を言ってやるかも!」


明石「秋津洲ちゃん…一応偉い人なんだから程々にね?」

秋津洲「あ、休憩がてら明石に聞きたいことがあったかも」


明石「?」


秋津洲「最近彼とはどうかも?」


明石「ぶっ!!」


秋津洲「遠距離恋愛になってもラブラブかも?」


明石「ちょ…待って……!」


秋津洲「はっ!?まさかついに明石の純血が失われたかも!?」


明石「な…!」


秋津洲「そこの所を含めてどうかも明石!?」


明石「下2」


下2 明石の台詞やその他起こったことなど

明石「ま、まだ……口でしか…」


秋津洲「ほっ…あれから進展が無くてほっとしたかも」


明石「うぅぅ…!」


秋津洲「これで明石の純血は…いや、ちょっと待つかも。確か彼とは足でやったことはあるはず。それなのに未だに口までだなんて…」


明石「その事は忘れてぇー!」


秋津洲「もしかして明石の彼は特殊性癖かも!?」


明石「彼は普通の人だから!」


秋津洲「いーや、明石は恋人だから気付いて無いだけかも。男なんて皆変態かも!」

秋津洲「提督だって幹部さんだって憲兵だって変態かも!」


明石「憲兵さんのは北上さんがやってっておねだりしてるからじゃ…」


秋津洲「とにかく、男は変態かも!明石の純血は絶対守るかも!」


明石「気持ちは嬉しいけど…」


秋津洲「そもそも結婚もしてないのに簡単にエッチするのが考えられないかも!気持ち良くなりたいなら一人でやってろって話かも!」


明石「秋津洲ちゃん…」


秋津洲「むぁーー!明石を汚させはしないかも!」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

ーー


提督「…報告は受け取った。地下にはまともに使えそうなものは無かったということだな」


明石「はい…それと鉄屑等の不用品も適切に処分しておきました」


龍驤「わざわざありがとうな、感謝してるで」


秋津洲「……」ぷくー


提督「…秋津洲は何を拗ねているんだ?」


龍驤「二人が喧嘩するなんて珍しいこともあるもんやなぁ」


明石「喧嘩じゃなくて…その…」


秋津洲「提督、報告はこれでいいかも!?」


提督「あ、あぁ…」


秋津洲「なら早く行くかも明石!」ガチャ


明石「ま、待ってよ秋津洲ちゃん…」ガチャッ


龍驤「放っといて大丈夫やろうけど、何があったんやろうね?」


提督「俺を睨んでいたような気もしていたが…」


龍驤「まさか、司令官?」


提督「当たり前だが秋津洲とは何も無いぞ?」


龍驤「秋津洲も考えようによってはロリやろ」


提督「いや、だから…」


龍驤「海防艦もののエロ本隠し持っとった男に説得力は無い」


提督「あれは違う……いや違わなくは無いんだが…」


龍驤「ほんまにこの人は…」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど


ーー食堂


秋津洲「……うぷ」


明石「秋津洲ちゃん…だから頼みすぎだって言ったのに…」


秋津洲「ふぅぅぅ…」


明石「やけ食いだーって言って…いくらなんでもこの量は無理だよ…」


秋津洲「明石……手伝って……」


明石「手伝っても全部は無理だよ…」


秋津洲「ぅ……っ…」

明石「せめて食べてなかったら他の子にあげられたのに、なんで全部の料理をちょっとずつ食べちゃうの!」


秋津洲「……ぁい」


明石「もう…残すのはよく無いのに」


秋津洲「後は…頼んだかも……」ガクッ


明石「……もう!」


間宮「明石ちゃん、無理はしなくても大丈夫よ?」


明石「秋津洲ちゃんのやけ食いは私が原因みたいなものなので…頑張ります!」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

ーー


明石「う……もう駄目…」ガクッ


球磨「一体どうしたクマ?パーティーか何かあったクマか?」


大井「秋津洲と明石だけしか居ないみたいだけど…」


明石「秋津洲ちゃんが…やけ食いするって言って…」


球磨「ははぁ~んそれで残したクマね」


大井「秋津洲って偶にそういう時があるわよね」


球磨「明石が手伝ってるってことは明石も何か絡んでるクマね?」


明石「はい……」


球磨「大体分かったクマ。後はクマ達に任せろクマ~」

明石「私と秋津洲ちゃんの食べかけですよ…?」


大井「そんなの気にしないわよね姉さん?」


球磨「もちろんだクマー」


明石「ありがとうございます…実はこの後用事があって…凄く助かります…」


大井「秋津洲はどうするの?」


秋津洲「」


明石「秋津洲ちゃんは…まあ……」


球磨「これは暫く動けそうに無いクマ。秋津洲の面倒はこっちで見ておくクマよ~」


明石「ありがとうございます…それでは失礼しますね…」

大井「さて…私達だけでも無理そうですし、誰か呼んできましょうか」


球磨「その心配は無いクマ」


大井「本当に?」


球磨「ここにはうつ伏せで寝てる秋津洲がいるクマ。前屈みになって服が少し開いてるから…」


大井「まさか……」


秋津洲「うぅん…」モゾモゾ


球磨「秋津洲から採れたて下着クマ。これがあれば余裕クマよ」


大井「姉さん…」


球磨「下着を使った料理は禁止されてるクマ。でも採れたてをどう使うかはクマの勝手…」


大井「……後ろ」


球磨「クマ?」クルッ


龍驤「ほぉぉ、随分と面白そうなことしとるなぁ」


球磨「ヴォーーーー!」


大井「もう…姉さんはこの癖さえなければ…」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

ーー工廠


幹部「明石君、中庭のあれは何だったんだい?」


明石「何かありましたか?」


幹部「『私はまた下着を盗みました』と書かれたプレートを下げた球磨君がぶら下がっていたんだが…」


明石「…そのプレートの通りだと思います」


幹部「あぁ…そういうことなんだね」


明石「簀巻にされていたなら龍驤さんがやったので、誰も文句は言いません」


幹部「文句は言わないだろうが絵面がよろしく無いね…」

明石「あの…ところで私に話って何でしょうか?」


幹部「そんな重要なことじゃないんだ。この鎮守府の地下は見てあるね?」


明石「はい。殆どがゴミで…」


幹部「うん?シャッターの奥は見なかったのかい?」


明石「シャッター……?」


幹部「そんな目立たないものじゃないんだが…よし分かった、一緒に行こうじゃないか」

ーー地下


明石「こんなシャッターがあったなんて気付きませんでした…」


幹部「見たら分かると思ったから言わなかったんだが…いやすまないね」


明石「このシャッターの中に何かあるんですか?」


幹部「ここを整理してもらったお礼にこの中にあるものをあげようかと思ってたんだ」


明石「あるもの…?」


幹部「あげるというより好きに使っても良いという感じかな。とにかく一度見て欲しい」ガラガラ


明石「一体何が…」


下1~3高コンマ シャッターの中にあったものは?

明石「こ…これは……!」


幹部「うん、流石に見ただけで分かるようだね」


明石「こんな設備見たことがありません!いくらお金を注ぎ込めばこんなものが作れるんですか!?」


幹部「お金の額だけでいうなら億…くらいだろうね」


明石「なぁ…!?」


幹部「この設備には通常の鎮守府の五倍以上の予算が使われている。しかも殆ど無使用だ」


明石「なんで…どうして……?」


幹部「事情を知る役人達や艦娘は塀の中だ。一人一人に話を聞いて回る時間は惜しいからね。だから明石君にこれを託そうと思う」


明石「これを私が……」

幹部「艤装のメンテナンスは楽になり整備も行き届く。良いこと尽くめとはこのことだ」


明石「幹部さん…本当にこれを使っていいんですか?」


幹部「もちろんだよ」


明石「……」


幹部「何か不満があるのかい?」


明石「不満はありません。でも少し思ったことがあるんです」


幹部「良ければ聞かせてくれないかい?」


明石「この設備を売れば結構なお金になります。それを鎮守府や大本営で使うのはどうですか?」


幹部「む…?」


明石「新しい大本営にはお金が無いのは知ってます。提督だって借金してまで私達の面倒を見てくれたんです」


明石「この設備の売却金と私の貯金を合わせれば、きっともっと良くなると思うんです。どうですか幹部さん…?」


幹部「安価」


下1~3高コンマ 幹部の台詞やその他起こったことなど

幹部「明石君の気持ちは良くわかる。だがこれだけの設備を手放すのは流石に惜しいね」


幹部「それこそ売ってしまえばお金の無駄遣いを指摘されかねない」


明石「どうしてですか?」


幹部「明石君、この設備には億以上の金がかかっているんだ。これを再現するには単純に考えて同じだけの額が必要になるんだよ」


明石「……はい」


幹部「…明石君が引っかかったのは君に託すという部分かな」


明石「……」


幹部「これは君に対しての贖罪では無い。明石君への償いはいずれキチンとしたものを考えている」

幹部「私は君を実験台にして殺そうとした。その過去と罪は消えることは無い」


幹部「改心…いや、別人格となった明石君がここに受け入れられるとは全く予想していなかった。流石は提督君ということなのかもしれないね」


明石「……」


幹部「君が私を許せないというのは分かる。だが今回はそれとこれとは話が別だ」


幹部「この鎮守府の為…受け取ってはくれないか?」


明石「安価」


下1~3高コンマ 明石の台詞やその他起こったことなど

明石「許せないなんてとんでもないです。私が許せなかったのは自分自身でした」


幹部「そうかい……そう言ってくれれば、こちらもいくらか心が軽くなったよ」


明石「この設備はちゃんと使わせてもらいます。ありがとうございます幹部さん!」


幹部「うむ…そうだ、もう一つ伝えておくことがあったんだ。この地下は倉庫や格納庫として自由に使ってくれて構わないよ」


明石「倉庫としては使わないと思います。現状で部屋が沢山余っているので」


幹部「なら何か大きなものを仕舞ったりしてくれていい。提督君にも知らせておいてくれるかい?」


明石「はい、分かりました!」


幹部「私はこれから大本営に戻って仕事が残っているんだ。後は頼んだよ」

ーー執務室


提督「そんなに凄い設備なのか…」


龍驤「工廠には運び終わったんやね?」


明石「はい、早速使ってみたんですけど…凄かったです」


提督「明石がそこまで言うなら間違い無いんだろうな」


龍驤「地下を自由に使ってもええって報告も聞いた。工廠に戻ってくれてかまわへんよ」


明石「それでは失礼します…」ガチャ


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

ーー


秋雲「山城さ~んそっちはどんな感じ?」


山城「主砲の誤差が0.01以下…」


秋雲「ヤバイよね。こっちも魚雷が思った所に行くから少し引いたよ」


蒼龍「艦載機も凄いわよ、一回整備するだけで熟練度最大ね」


山城「明石の腕は平均以上であることは間違い無かったわ。でもこの精度は…」


秋雲「例の設備のお陰もあるんだろうけど、こりゃ工作艦でトップだね」


蒼龍「横須賀鎮守府の工作艦なんだから、それくらいの実力は持ってて損はないわ」


秋雲「そりゃそうなんだけどさ…」


明石「次は誰のを整備しますか!?」キラキラ


山城「明石が身内で良かったわね…」


蒼龍「働き過ぎには気を付けてもらえば問題無さそうね」


ーー

思い出しながら、少しずつ


コメントなどあればお願いします

ーー


霞『司令官と龍驤さんの共依存は随分マシになったみたいね。何故そうなったかは分かるわよね?』


霞『司令官には朝霜という存在ができた。彼女も心を病んでしまっていた存在だったけど、治療の甲斐もあって大きく改善したわ』


霞『そう…改善したのよ。ハッキリ言って私は朝霜は自殺すると思ってた。そうなった時の為の艦隊のケアまで考えていたのよ?』


霞『朝霜を救ったのは司令官、貴方なの。その事は胸に刻んでおいて』


霞『さて…そろそろ本題に入るわね。司令官、ここにはまだ精神的に不安定な子がいるわ。その子を助けられるか試して欲しいのよ』


霞『やり方はどうするかって?それを私の口から言わせるなんて、そんなクズなことさせないわよね?』


霞『龍驤さんには許可をもらってあるから。司令官は何も心配しなくていいのよ』

ーー


提督「俺は部屋で待っていればいいと霞は言っていたが…」


提督「霞は俺をどうさせたいんだ?朝霜とはあくまで娘としての関係であって…」


提督「だが俺と何かすれば症状が回復するならそれは…」


提督「うぅむ……」


コンコン


提督「来て……しまったのか」


提督「とにかく一度話をしてみよう。そうすれば霞の考えも理解できるかもしれない…」


下1~3高コンマ 部屋に入ってきた艦娘の名前を

自分の安価の出し方が悪かったです。横須賀鎮守府の艦娘のみでお願いします


再安価下1~3高コンマ お願いします

神通「提督…」ガチャ


提督「神通…が……?」


神通「あの…その……」


提督「…霞に何を言われたんだ?」


神通「提督と同じ…です…」


提督「……」


神通「隣に座っても…いいですか…?」


提督「あ、あぁ……」


神通「失礼します…」スッ

提督「調子が悪かったのか?」


神通「…こうやって二人だけでお話しするの…久しぶりですよね」


神通「私は自分の能力の限界を知って…絶望して…自暴自棄になっていました。提督はそんな私を受け入れてくれた…」


神通「あんなに嬉しいことは…ありませんでした…」


提督「特別なことはしていない。俺は…」


神通「足りないものは…誰にでもあるんですからね…」


提督「……」


神通「安価」


下1~3高コンマ 神通の台詞やその他起こったことなど

神通「あの繭から孵った成虫や深海吹雪との戦いの後…更に上を望む自分がいる事に気付いたんです…」


提督「もうあそこまでの強敵は…」


神通「無いとは言い切れませんよね…?」


提督「しかし……」


神通「もっと強くなって役に立ちたい…いえ、私が単純に強くなりたいんです…!」


提督「そう…か」

提督「強くなる為に、ここを出ていきたいということか?」


神通「……はい」


提督「ここには由良や名取が居る。彼女らでは駄目なのか?」


神通「私の求める強さとは違います…」


提督「……」


神通「我儘を言っているのは分かります…でも、どうしても…私は強くなりたい!」


神通「成虫の前で逃げることしかできなかった自分が許せないんです!私は提督のお陰でここまで強くなれました。だから次はもっと…!」


提督「安価」


下1~3高コンマ 提督の台詞やその他起こったことなど


提督「神通の求める強さは皐月のような強さなのか?それとも菊月達のような強さなのか?」


神通「……」


提督「酷なことを言うことになるが、どちらも修行や訓練で身につく力では無いのは知ってるだろう?」


神通「…はい」


提督「だったらなんで…」


神通「提督…私は由良さん達とは求める強さが違うと言いました…それは他の人にも当てはまるんです…」


神通「不知火さんのように…傀儡の力を使うでも無く…暁さんやレ級さんのように…メンタルモデルとしての強さは求めていません…」


神通「私は艦娘として…強くなりたいんです…」

神通「超能力でも…お、オッパイの力でも無く…艦娘として…強くなりたい…!」


神通「私の言ってることは…間違っていますか…?」


提督「間違ってはいないが…」


神通「私は提督にこれを貰っています…これをくれた時も本当に嬉しかった…」キラッ


提督「カッコカリの指輪…」


神通「提督…私に勇気を下さい。あとはそれだけがあれば……」


提督「…そんなものは与えられない。俺はただの提督だ」


神通「お願いします……!」ガバッ


提督「うぉ……っ!?」


神通「私の大切なものを捧げます…だから……」


提督「ま、待て神通……!」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

提督「強さのために大切なものを捨てるのはいけない!それは間違っている!」


神通「でも……!」


提督「俺の為に…そんな……!」


神通「提督だからなんです!これが幹部さんや他の男の人ならこんな事しません!」


提督「駄目だ神通…!」


神通「私はずっと提督を見てきました…だから知ってるんです。どんな状況でも私達を傷付けることはしないって…!」



提督「ぐ……っ…!」

神通「大切な物を捨ててはいけないって、言い訳がそれしか思いつかなかったんですよね?」


提督「やめ…るんだ……!」


神通「提督は知ってますよね…私達が全員貴方の事が好きだって」


提督「違う……!」


神通「好きには色んな種類があります。龍驤さんのような愛や朝霜さんのような親愛。私は…何だと思いますか?」


提督「神通…!!」


神通「…私に勇気を、心を……もらいます」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

神通「覚悟して下さい提督…!」


提督「……」


『おめでとうな神通』


神通「……」


『神通はん素質が改善したんやって?ほんま良かったわぁ~』


神通「龍驤さん…黒潮さん……」



『お前も指輪を貰ったんなら、それ相応の行動が求めらるぜ?』


神通「朝霜…さん……」

霞「あら、お楽しみの最中だったみたいね」ガチャ


提督「霞!違うこれは……!」


霞「分かってるわよ。こうなるんじゃないかと思ってたから」


神通「……」


霞「司令官の事が好きなのは神通だけじゃない、もちろん私だってそうよ。でも誰も行動に移さないのは単に龍驤さんだけの問題じゃない」


提督「どういう…?」


霞「神通は司令官を襲ってここに居づらい環境を作るつもりたったのよ」


神通「……」


提督「そんな事をすれば強くなってもここには戻れないんじゃないのか?」


霞「ここに戻るつもりが無かったとしたら?」


提督「まさか……」


神通「…うぐぅぅぅぅ……!」ポロポロ

霞「きっかけは成虫と組織の件でしょうね。あの時神通はお世辞にも戦力とは呼べなかったわ」


霞「勘違いしないで欲しいけど神通さんは強さでいえば並の艦娘以上。でも相手が人智を超えたものじゃどうしようも無かった」


霞「言葉ではそれが分かっていても頭がそれを理解したくなかった。だからこんなことを…って感じかしらね」


神通「う…ぐっ……ひっ……!」


霞「司令官、神通さんの些細な変化に気付いてた?」


提督「……いや」


霞「このクズ。書類仕事なんか漣に押し付ければ良いのよ。自分にしかできないことがあるって自覚して」


提督「申し訳ない…」


霞「謝るのは神通に。もう、しっかりしなさいよ」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

提督「神通……」ギュッ


神通「うぁ…」


提督「これから鎮守府を安定させる為には必ず艦娘としての神通の力が必要になる」


提督「こんな俺では不満かもしれないが…頼りにさせてくれ」


神通「こんな…私…を……!」


提督「神通だからだ。俺達の側に居てくれて、ずっと見てくれてきただろう?」


神通「ぅあ…あぁぁぁぁぁ……!」


提督「神通……」ギュッ


神通「提督…提督………!」

バタン


霞「さて、神通さんの件はこれで大丈夫そうね。全く世話が焼けるわ」


霞「横須賀鎮守府の提督なんて司令官のキャパじゃ無理。でもやるしかない状況になってしまった」


霞「司令官も気を付けないと病むわね。その前に薬の量を増やしておくべきね」


霞「場所が変われば人は変わるらしいけど、私達はどうかしらね?」


霞「…さ、私は自分の仕事に戻りましょ」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

ーー


不知火「誰かと思えば霞でしたか」


霞「こんな時間に不知火と会うだなんて。何かしてたの?」


不知火「隼鷹さんとデートです」


霞「どこに行ってたのよ?」


不知火「場所に行くことが目的ではありません。隼鷹さんのバイクでドライブデートです」


霞「なるほどね」


不知火「隼鷹さんにしがみ付きながら風を感じる…これほどの幸せはありません」


霞「それは良かったわね」

霞「ここに来る少し前からかしら?随分と吹っ切れたみたいだけど?」


不知火「隼鷹さんの隣に居る。これが不知火が見つけたやりたいことなんです」


霞「まあコソコソする必要も無いしそれで良いんじゃない?」


不知火「はい」


霞「ふあぁぁ…それじゃ私は部屋に帰るわね」


不知火「また徹夜ですか?」


霞「薬はいくら作っても足りなくなるから仕方ないのよ。不知火も使ってるでしょ?」


不知火「ならば使用を控えます」


霞「無理して悪化されると余計にややこしいからそれはやめて。じゃあまた明日」スタスタ


不知火「霞の徹夜は相変わらずのようですね…」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

榛名「霞ちゃん?」ダキッ


霞「あん……お姉さま」


榛名「霞ちゃんも無理しないで、もっと榛名に頼って下さいね?」


霞「勿論よ榛名お姉さま」


榛名「じゃあ今日はもう寝ましょう、徹夜なんかさせません!」


霞「それとこれとは話が違うわ」


榛名「今日一緒に寝ないなら、もう霞ちゃんとはずっと寝ません!」


霞「それは…嫌」


榛名「じゃあ早く部屋に行きましょう!」

ーー霞の部屋


榛名「霞ちゃん、もし今日は寝なかったら徹夜二日目でしたね?」


霞「…よく知ってるわね」


榛名「霞ちゃんのことならなんでもお見通しなんです!」


霞「私のことを大切に思ってくれるのは嬉しいわ。でもこの鎮守府には私の薬で持ってるような子も居るのよ」


霞「無理はできるときにして無茶はしない。そう決めてるから納得してくれない?」


榛名「安価」


下1~3高コンマ 榛名の台詞やその他行動など

榛名「それじゃあ無理した後、無茶しないといけなくなったらどうするんですか?」


霞「それは…」


榛名「ここの皆さんも大切ですが霞ちゃんも大切です。榛名に手伝えることがあれば何でも言って下さいね!」


霞「ありがとうお姉さま。ならとりあえず今日は…」ギュッ


榛名「あっ…もう、霞ちゃん」


霞「お姉さまからいい匂いがする…安心して寝れそう」


榛名「霞ちゃんは大切な妹で、大切な……存在なんですよ」


ーー

まだ勘が戻らない


コメントなどあればお願いします

ーー


漣「今日も一日~楽しいお仕事を~っと」


漣「いやぁ横須賀に来てから書類仕事が多いのなんの。流石はこの国を代表する鎮守府ですな」


漣「漣と龍驤さんとご主人様で回してようやくって感じですもん。忙しいったらありゃしません」


漣「まぁでも深海棲艦の数が減りましたから出撃も少なくなって、暇してる子に手伝ってもらったりしてますけどね」


漣「ご主人様は休ませないと病んじゃいますからねぇ~それが皆さんも分かってるから手伝ってくれるんでしょうな」


漣「ほんとご主人様はいい部下に恵まれてますぜ」

~~~~!!


漣「おっと執務室から何やら揉めているような声がしますな…」


~~ーー!!


漣「なるほど…声からしてダブル朝潮さんがまたご主人様を取り合っての喧嘩ですか」


漣「ご主人様を慕ってたり好きな艦娘はここには大勢居ます。しかしあの二人は特にアレですな」


漣「はぁ~朝からダブル朝潮の仲裁とは面倒ですが、やるしかありませんっと」


コンコン


漣「ご主人様~今日も一日頑張って行きまっしょいですぞ~」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

S朝潮「司令官!私の朝ごはんを食べて下さい!」


Y朝潮「私のが出来栄えが良いんです!貴女は引っ込んでなさい!」


提督「……」


漣「おおっとぅ、こっちのことなんかまるで気にならないくらい盛り上がってるぅ!」


S朝潮「司令官は私の料理を食べてくれますよね!?」


Y朝潮「違います!私のです!」


提督「……」


S朝潮「なんとか言って下さい司令官!」

提督「…すまない、もう朝は食べたんだ」


Y朝潮「そんな…」


S朝潮「……」スッ


Y朝潮「何をしようとしてるんですか?」


S朝潮「司令官に食べていただけないならこの料理は捨てます」


提督「いや、それは…」


S朝潮「司令官に食べてもらうだけに作ったんです。それに私が作ったんですからどうしようと勝手ですよ」


Y朝潮「何を言うんですか勿体ないでしょう!」


S朝潮「なら貴女は司令官に食べてもらえなかった料理を自分で食べるんですね?所詮はその程度なんですよ」


Y朝潮「なぁ!?」


S朝潮「私は違います。司令官に食べてもらえないのはこれはゴミです」


Y朝潮「…負けていられませんね」スッ

漣「ちょっと待ちましょうよ。せっかく作った料理を捨てるなんて許せませんぜ?」


S朝潮「裏切り者は黙ってて下さい」


漣「おほっ、辛辣ぅ!」


Y朝潮「漣さんは関係ないじゃないですか!」


漣「いえ、関係有り有りです。ここは漣がお二人の料理を試食して優劣を決めるのはいかかでしょう?」


S朝潮「貴女に食べられるなら家畜の餌以下です」


漣「ご主人様の提案でもですか?」


提督(漣……)


漣(この場をうまく納めますから、ね?)


提督「…漣、頼んだ」


漣「ほーらご主人様もこう言ってますし。それじゃあお二人の料理をいただきまーす!」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

ーー


漣「ご馳走さまでしたと…」


Y朝潮「私の方が美味しかったですよね!?」


漣「いや~正直どんぐりの背くらべですな」


S朝潮「は?」


漣「これなら漣が作ったほうが美味いですぜ」ニヤッ


Y朝潮「……っ!」


漣「ご主人様の舌は肥えてますから。お二人ともご主人様が作ったスイーツは何度も食べてますよね?」


S朝潮「…そうです。お菓子を作ったところで司令官の出来栄えに敵いません。だからご飯を作るしかなかったんです」


Y朝潮「ぐ…!」


漣「こんなレベルじゃまだまだですな。もう仕事なんで大人しく部屋に帰って下さいね~」

提督「…あれでよかったのか?」


漣「下手に優劣付けたら刺されますもん。あれが一番ですぜ」


提督「……」


漣「ああ言っておけば暫くは大人しいはずですから。さぁ張り切って仕事しますよ!」


提督「…俺はあの二人が大人しくしているとは思えない」


漣「そうするしか無いですもん。心配し過ぎですって」


提督「そう…か」

ーー食堂


提督「そろそろ昼だ、龍驤も来ていればいいが…」


ワイワイ


提督「なんだかいつもより人が多いようだが…」


早霜「あら司令官…」


提督「早霜か。何かあったのか?」


早霜「なんだか手の空いてる子達がこぞって手料理を作っているの。勿論朝霜姉さんも」


提督「どうしてだ…?」


早霜「二人の朝潮が火付け役だとか…ふふ、皆覚えがあるんじゃないの?」


提督「……」


早霜「これから味見で引っ張りだこかもしれませんね…司令官は皆に人気みたいですから」


提督「それくらいで済めばなにも問題無いさ…」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

ーー


潜水新棲姫「ど、どうだ…?」


漣「んびゃーーー!美味いーーー!」


潜水新棲姫「本当か?玉子焼きはコゲたし……味付けも自信無い…」


漣「味なんかどうでもいい!料理を作ってくれるあんたが愛しいってんですよ!」ダキッ


潜水新棲姫「んん…」


漣「はあぁぁぁんもぉぉぉ~~!嫁の手作り料理とか最高過ぎますってぇ!」


潜水新棲姫「そ、そんなにいいのか…?」


漣「最高です!もう最高過ぎて最高です!」


潜水新棲姫「そんな日本語無いぞ…」

漣「何すかエプロンまでつけて、ええ!?」


潜水新棲姫「なんだぁ…」


漣「漣を萌え死にさせる気ですかってんですよ…はぁ可愛い……」


潜水新棲姫「…漣、少し離れてくれ」


漣「え…もしかして汗臭かったり…?」


潜水新棲姫「違う。本で読んだことがあるんだが、こういう時は…」スッ


潜水新棲姫「あ、あーん……」


漣「…… WRYYYYYY!!」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

ーー


陽炎「私の料理、どうかしら?」


黒潮「うん、とりあえず金粉をかけるのを止める所からやなぁ」


清霜「こっちはどう?」


黒潮「清霜のは美味しいよ。そのまま飛鷹はんに出したったら喜ぶと思うで」


早霜「あら…こっちの集まりは何かしら?」


黒潮「見ての通りみんなうちの所に持ってきよるんよぉ」


陽炎「黒潮ってかなり大食いでしょ?こういう時頼りになるのよね」

早霜「司令官はどうしたの?」


黒潮「あっち、見てみ」


早霜「…?」


提督「」


早霜「あら…」


陽炎「ものの一瞬であれね。皆からの味見攻撃で撃沈…」


清霜「恋人が居ない組はどうしてもそうなっちゃうよね」


陽炎「私だってそうだけど司令官は好きだもの。モテる男の辛いところね」


黒潮「司令はん人相悪いのになぁ」


早霜「うふふ…嫌われるより素敵なことじゃない」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

ーー


龍驤「……」モグモグ


S朝潮「龍驤さん!司令官はどんな味付けが好きなんですか!?」


Y朝潮「濃いめですか!?それとも薄め!?」


S朝潮「司令官が作るスイーツは手間がかかったりそうでないものもあったりと、分析しにくいんです!」


Y朝潮「司令官の恋人である龍驤さんなら知ってますよね!」


龍驤「……」モグモグ

Y朝潮「私は司令官に気に入られたいんです!この気持ちは分かりますよね!?」


S朝潮「龍驤さん…私はもう逃げません。司令官が手を伸ばしてくれるなら、その手を掴みたいんです」


龍驤「……」


S朝潮「私…また首を……」


Y朝潮「黙りさい!その気も無いくせにそんな事を言うな!」


S朝潮「汚れを知らないお子様がほざいた所で…」


Y朝潮「何ですか!?」


S朝潮「図星みたいですね、このガキが」


Y朝潮「…朝潮!!今日という今日は許しません!!」


龍驤「安価」


下1~3高コンマ 龍驤の台詞やその他起こったことなど

ーー


龍驤「よっ…と」


S朝潮「これは…」


Y朝潮「黙って見とき…そう言ったかと思えば厨房に行って料理を…」


龍驤「これで完成やね」コトッ


S朝潮「……」


Y朝潮「片腕だけでこんなに手際よく料理を…」


龍驤「まだお昼食べて無いんやろ?食べて確認してみ」


S朝潮「……いただきます」

Y朝潮「…美味しい」


龍驤「せやろ?だってな…」


S朝潮「…私の知らない事が起こってる。私が知ってる龍驤さんは料理なんかできなかった」


龍驤「その通りや。この料理を覚えたのはあんたが死んでからや」


S朝潮「……」


龍驤「ウチが家出して孤児院で色々と教え込まれたんよ。片腕だけでもちゃんと料理はできるんやで」


龍驤「あんたが知ってるウチは司令官に甘えるだけ甘えて、自分で努力なんかしようともせんかったクズや」


龍驤「……アンタらに言うとく。ウチから司令官を奪えるもんやったら奪ってみ」


龍驤「ウチは全てを司令官に捧げる。いつまでも股がユルいだけの女やと思うなよ」


S朝潮「……」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

ーー


Y朝潮「考えてみれば司令官の為ではなく、気に入られる自分の為に料理を作ろうとしていたんです」


Y朝潮「そんな料理では美味しいものが作れるはずありません。根本的に間違っていたんです」


Y朝潮「料理に対する知識はありましたが、それだけではいけないということも良く分かりました」


Y朝潮「龍驤さんは私達に司令官を諦めさせる為に料理を作ったんでしょうが逆効果です。あれくらいなら私でも作れます」


Y朝潮「特別な道具や材料を使っていないのは確認済みです。そうなればいくらでも再現は可能なんです」

Y朝潮「龍驤さんが作っていた所を忘れないうちに一番作っておきたいですね」


Y朝潮「もう一人の私に先を越されてはいけません…チェックしておきましょう」


Y朝潮「…どうやら部屋から出てはいないようですね。なら今がチャンスということです」


Y朝潮「……それにしても静かですね。もう寝てしまった…?」


Y朝潮「まだ夜にしては早いですが…少し覗いてみましょう」


キィィィ…


Y朝潮「一体何を…」


下1~3高コンマ S朝潮の様子やその他起こったことなど

S朝潮「ひ…ひっく……!」


Y朝潮(泣いてる…?一体何が……)


S朝潮「司令官……私は……!」


Y朝潮(司令官のことで……泣くほど悔しかった?)


Y朝潮(彼女のことはよく知りませんが、同じ朝潮として分かる所はあります。あれくらいで泣くなんてありえません)


Y朝潮(普段は敵ですが少し気になります。ここは敵に塩を送る気持ちで…)スッ


S朝潮「……っ!!入ってくるなぁ!!」


Y朝潮「…」ビクッ

Y朝潮「あの…何が……」


S朝潮「お前には私の気持ちは分からない!!」


Y朝潮「…何がですか?」


S朝潮「うるさいうるさい!!」


Y朝潮「…何を癇癪を起こしているんですか!朝潮として恥ずかしくは無いんですか!!」


S朝潮「黙れぇぇぇーーー!!」


Y朝潮「気に入らないことがあったら泣けばいいと…!そんな甘ちゃんだから自殺なんかするんですよ!」


S朝潮「!!」


Y朝潮「嫌なことがあったらまた死ぬんですか?また整備士とかいう男に頼むんですか!?」


S朝潮「ぎっ……!!」


Y朝潮「朝潮として恥ずかしくない行動をとりなさい!貴女は横須賀鎮守府の朝潮なんですよ!」


S朝潮「安価」


下1~3高コンマ S朝潮の台詞や起こったことなど

S朝潮「…このっ!!」ガバッ


Y朝潮「何を…!」


S朝潮「お前に私の気持ちが分かるのか!生まれてから私は…!」


Y朝潮「分かりませんし知りたくもありません!言い訳は負け犬のすることです!」


S朝潮「ぃぎ…!」


Y朝潮「私達は弱ければ沈められる環境に居たはずです。何を甘えているんですか!」


S朝潮「お前…お前ぇぇぇぇーー!」


Y朝潮「……はぁ」

Y朝潮「先に手を出したのは貴女です…よ!」バキッ


S朝潮「あ"っ……!」フラッ


Y朝潮「貴女と私では力の差があるのは知ってるでしょう?それなのに暴力で解決しようだなんて…」


Y朝潮「反省しなさい朝潮!貴女のような艦娘が司令官の側に居られるはず無いでしょう!」


S朝潮「う、うぅ、うっぅぅぅ……!!」


バタン


Y朝潮「全く彼女の様な艦娘がいるとマスコミに知れたらどうなるか…」


Y朝潮「…泣けば解決するなんて、そんなの夢物語なんです」


Y朝潮「泣いてあの人が帰ってくるなら…」


Y朝潮「……」


Y朝潮「気を取り直して食堂に行きましょう。今なら良い料理が作れるはずです」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

S朝潮「……ぇ、えげっ…」


S朝潮「ま…負け犬………」


S朝潮「何も…悪くない私……」


S朝潮「あの男に……私…は……」


S朝潮「あぁぁぁぁ……」


S朝潮「……」


Y子「…朝ちゃん」


S朝潮「……」


Y子「大丈夫。朝ちゃんが何を見てきて、どんな思いだったのかは皆知ってる。朝ちゃんは何も悪くないんだよ」


S朝潮「……」


Y子「よしよし……」ダキッ


S朝潮「……」

Y子「大丈夫、またあの夢を見てもあたし達がいるからさ」


S朝潮「……」


Y子「お休み…朝ちゃん」


S朝潮「……」ガクッ


Y子「整備士とかいう奴…ここまで再現しなくていいってのに。お陰で朝ちゃんはあの男に襲われる悪魔を見続けてる」


Y子「朝ちゃんが提督に依存すればまだ良くなるんだけど、実際難しいよねぇ」


Y子「そ、れ、よ、り……何あいつ」


Y子「あたしの朝ちゃんが負け犬…?甘えてるだけ…?」ピキピキ

Y子「朝ちゃんがどんな目にあったのかは知らせてないみたいだね。それは朝ちゃんの名誉を守るために良かったと思うよ」


Y子「でもさ…あれは無いよね?朝ちゃんは襲い掛かっただけで殴ったりしてないし」


Y子「あ…久々にキレちゃったかも」


Y子「朝ちゃんはあたしが地獄から引っ張りあげた我が子同然なんだよ?」


Y子「はぁ~……」


Y子「あのゴミはとりあえずは半殺しかな」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

ーー食堂


龍驤「なんか騒がしい気がしたけど気のせいやったんかな。見回りしてるけど異常は無さそうやし…」


~~~~


龍驤「なんや、誰かが話しとるんか…?」


バリバリッ!


龍驤「んな!?室内やのに雷!?一体何が起こっとるんや!」


ペタ…ギッ…ペタ…ギッ…


龍驤「なんや、誰が何をやっとるんや!?」

Y子「…謝れって言ってんの。次は当てるから」


Y朝潮「どうぞ好きにして下さい」


Y子「あぁ!?」


Y朝潮「貴女は随分と彼女に構っているようですが、いつまでも過保護にしてればいいというものではありません」


Y朝潮「私をやって彼女が立ち直るならいくらでもやればいいと思いますよ」


Y子「このゴミが…!」


Y朝潮「負け犬を庇う貴女が信じられません。神だか何だか知りませんが基本的に私達に干渉しないんじゃなかったんですか?」


Y子「……」スッ


Y朝潮「言い返せないとなれば暴力。本当に呆れますね」


Y子「…朝ちゃんの事を何も知らない俗物がぁーーー!」


下2 次の展開など

龍驤「待ちぃや!どうせその様子だとどっちも何も背景とか話し合ってないやろ!」

龍驤が一喝のカミナリおとして>>214

龍驤「そこまでや二人とも」


Y朝潮「龍驤さん、どうしてここに?」


Y子「邪魔するな艦娘」


龍驤「あんたが手を出そうとしとるのも艦娘やで?」


Y子「……」


龍驤「全部を聞いてたわけと違うけど、お互いに話し合いが足りんのは明らかと違うか?」


Y朝潮「私から言うことは何もありません」


龍驤「ウチは何も聞いてないねん。ほんであんたが怒ってるってことはもう一人の朝潮が関係しとるな?」


Y子「……」


龍驤「この場はウチに預からせて、な?ほんで改めて話し合いやね」


Y朝潮「…仕方ありませんね」


Y子「朝ちゃんは何も悪くない…なんでそれを誰も分かろうとしない…!」ギリッ


ーー

眠いのでここまで、またお願いします

おつです
SもYも朝潮が拗らされたらこうなりそうだなって納得できて下さいうまいなあ(逃避)
Y子さんはすっかりおばあ、スミマセン保護者が板に付きましたね

ーー


龍驤「なぁ司令官、ちょっちだけ応急修理持っていってええ?」


提督「勿論構わないが…」


漣「何個ほど入用ですかね?」


龍驤「とりあえず四つかな」


漣「四つも!?」


提督「一体なにをする気なんだ?」


龍驤「それは、まぁ……な…」

提督「やはり許可はできない。そんな危険なことを龍驤にさせられるわけないだろう」


漣「しかも一人で行こうとしてんすよね!?」


龍驤「違うねん、危ない所に行こうって話やない。ただ、待っといて損無いわなって…」


提督「龍驤、正直に話してくれ。何があった?」


漣「浮気は暴露できたのに、これからやろうとすることはできないんですか?」


龍驤「事情はあとでちゃんと説明するし、ウチは何もせぇへん。ただ話を聞くだけでな…」

ーー

龍驤「ふぅ、なんとか説得して応急修理を積んでこれたわ」


龍驤「Y子のあの表情…最悪怪我人以上が出る。ウチがあの場を納めたんやから何かあったらウチが庇わなあかん」


龍驤「陸やと沈みはしやんやろうけど、相手はカミサマ擬きとか言うとるし…」


龍驤「…うん、ウチはできる準備は全部やった。あとはちゃんと話し合うだけや」


龍驤「穏便に済むのが一番なんやけどな…」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

ーー


龍驤「あれ、もう一人の朝潮はどないしたんよ?」


Y子「眠らせてあげたよ」


龍驤「え…この場に来るもんやと思ってたけど」


Y子「そこのゴミが朝ちゃんを傷付けたからね。ちょっと精神を休ませてあげないといけなかった」ギロッ


龍驤「そ、そうなんやね…」


Y朝潮「……」


龍驤「まぁ確かにあの場にはあの子はおらんかった。無理に呼ぶ必要も無いと判断して、話し合いを始めよか」

龍驤「まず、というか…こっちの朝潮がああなってしまったのには大きな原因がある。それを話そうかと思うんやけど…」


Y朝潮「私は聞いた話を言いふらすような艦娘ではありません」


龍驤「えっと…話してもええんかな?」


Y子「コイツは頭も固いんだから口も固いでしょ。言いふらしたらその時はその時だし」


Y朝潮「相変わらず単細胞ですね」


Y子「は?」ピキピキ


龍驤「ええから落ち着いて、まだ話し合いが始まってもないねん」


龍驤「…ほな話すで、朝潮に何があったのか……」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

ーー

Y朝潮「……」


龍驤「どうや、これを聞いても朝潮はただの甘えって言えるか?」


Y子「朝ちゃんに落ち度は無い、けど地獄まで落ちてしまうほどの業を背負うことになった。その気持ちがわかる!?」


Y朝潮「私は彼女では無いので気持ちは分かりません。ですが島風提督とその人間が悪いのはよく知っています」


龍驤「そうやろ?だからな、朝潮に…」


Y子「ちょっと待て、知ってるって言った?」


Y朝潮「はい。あの朝潮に何が起こったのかは全て知っていました」


Y子「知っててあんな態度を…!!」


龍驤「抑えて、な!?手出したらあかん!!」

Y朝潮「裁判記録を見れば全て分かります。再審の結果が覆らなかったのも知ってます」


Y子「コロス……コイツは…!」


龍驤「あかん!それだけは、その一線は超えたらあかん!」


Y朝潮「…もういいですか?龍驤さんの話は裁判記録のものとほぼ同じで目新しい情報はありませんでした。やはり彼女はただの甘えです」


龍驤「…なんでそこまで言い切れるんや?ウチらは朝潮が悪夢に魘されて泣いとる所を何度も見とる。それやのに…」


Y朝潮「朝潮はが悪くないのなら無罪でしたよね」


龍驤「それは…」


Y朝潮「私からすれば有罪判決を受けた犯罪者が駄々をこねてるようにしか見えません。彼女は頭を撃ち抜いた殺人犯なのは紛れも無い事実なんですよ」

Y朝潮「情状酌量があれば無罪や減罪もあったでしょう。それが無かったということは彼女は悪なんです」


Y朝潮「彼女は本来ならまだ塀の中です。この状況は脱獄犯とほぼ一緒じゃないですか」


龍驤「そこまで…言うか……」


Y朝潮「何の為の法律ですか、何の為の裁判ですか」


Y朝潮「人殺しがピーピー泣いて罪が消えるならいくらでも泣けばいいんじゃないんですか?」


龍驤「お前…」


Y朝潮「龍驤さんは中立の立場のはずなのに随分とそっちの肩を持ちますね。こういうのは向いてないと思いますよ」


龍驤「……」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

提督「Y朝潮の過去も聞いてほしいんだが、いいか?」
龍驤の様子ただならぬ様子を放っておけず付いてきていた提督

Y子「遺言はそれで終わりか?」


龍驤「あかん…それだけはあかんのよ……」


提督「少し待ってくれないか?」


龍驤「司令官…?」


Y子「でしゃばるな人間!」


提督「これは話し合いなんだろう?まだそっちの朝潮の話を聞いてないじゃないか」


Y朝潮「……」


Y子「聞かなくても知ってるんだよ、そいつの司令官が首吊ったってだけ」


龍驤「それを朝潮が見つけて…って話やったわな」

提督「本当にそれだけだと思うか?」


Y子「何かあってもコイツが悪いんでしょ。横須賀に来れたってことは練度は高い証拠」


龍驤「幹部さんから紹介されとるから変な話は無いやろうし…」


提督「知っているのは俺だけのようだな。朝潮、話してもいいか?」


Y朝潮「私は司令官の指示に従います。司令官が言うのであればそれを止める権限はありません」


提督「…わかった、朝潮は…」


下1~3高コンマ Y朝潮に起こったことなど

提督「首から下は朝潮の妹達の繋ぎ合わせなんだ」


Y子「…は?」


提督「過去にそういう実験があったんだ。同じような実験は何度かあったらしい」


龍驤「何が目的で…」


提督「夏雲だ。朝潮型駆逐艦の七番艦の夏雲を作る為の実験だった」


龍驤「そんな手段で…非人道すぎやろ


提督「こんな事をするのは旧大本営か…」


Y子「人間、なぜそれを知ってる。それはあたしでも知らない情報だ」


提督「きっかけは…ここで初めて朝潮と会った時か。その時服を脱いだ朝潮が俺に抱き付いてきて…な」

龍驤「ちょっと待ってや、そっちの朝潮の裸は風呂で見たことあるけどツギハギの跡なんか無かったで?」


提督「跡はうまく消してあるんだろう。俺が気付いたのはそこじゃない」


提督「朝潮、上着を脱いで手を前に伸ばしてみてくれないか?」


Y朝潮「…分かりました」シュルッ


Y子「……あぁ!?」


龍驤「肘の位置が…左右で違う……」


提督「服の上からなら分からないだろう。風呂で裸を見ていても腕の長さは一緒だからまず気付かない」


Y子「この人間だから気付けた……事実…」

提督「…あの朝潮と同じようにこの朝潮も悪夢とフラッシュバックに悩んでいる」


龍驤「なんで…言うてくれへんだんよ……」


Y朝潮「言う意味がありません」


Y子「……」


提督「目の前で妹達が切り刻まれている所を見ている。妹達の断末魔も…」


Y朝潮「…これでも私が悪いと言えますか?たった一人を殺しただけで悩める彼女が羨ましいです」


Y朝潮「私はこんな姿になっても駆逐艦朝潮。朝潮の勤めを果たすのみです」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

同情などもう必要ありませんと言い捨てて逃げるように去るY朝潮
残された三人は彼女もまだ過去に苛まれていると痛感

朝潮姉さん…


Y朝潮「…っ!」


私達が犠牲になれば、姉さんは…



Y朝潮「……!!」プルプル


龍驤「なんや、どうしたんや…?」


どうか朝潮姉さんだけは助けてぇ!


Y朝潮「なんでも…ありません!!」


Y子「あたしが知らなくてもお姉ちゃんなら…でもなんで言ってくれなかったの……?」ブツブツ


Y朝潮「…話し合いはこれで終わり。そうですね司令官?」


提督「い、いや…」


Y朝潮「私はやることがあります。これにて失礼させて頂きます」スタスタ


提督「あ、朝潮……」

ーー


Y朝潮「…ぐぅぅぅぅっ!」


Y朝潮「また…あの子達の記憶……想いが…!!」


Y朝潮「落ち着くんです!私は朝潮…幻想になんか負けはしない!」


Y朝潮「う、ぐ、ぅ…っ……ぁ…!」


Y朝潮「はぁ…はぁ……っ!」


Y朝潮「私は朝潮……他の誰でもなく…朝潮だ……!」


Y朝潮「それ以上でも以下でも無い…艦娘の……朝潮…!」


Y朝潮「朝潮型駆逐艦一番艦…朝潮……」


Y朝潮「はぁ…ふぅ……ふぅぅぅぅぅぅ…」


Y朝潮「…司令官の所に行きましょう……次の任務をもらいに…」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

富士や龍驤もいる執務室にいるが無視して任務を聞く構えのY朝潮

ーー執務室


コンコン


提督「入ってきていいぞ」


Y朝潮「……」ガチャッ


龍驤「朝潮…ちょうどあんたの話してたんよ」


富士「貴女…」


Y朝潮「司令官、次のご命令を」


提督「体調は悪くないか?顔色が良くないようだが…」


Y朝潮「何も問題ありません。早く命令を」

龍驤「ほんまに大丈夫なんか?ウチらが目に入ってないみたいやけど…」


富士「本人は平気だと言ってるみたいね」


提督「…無理はしないで休んでくれ」


Y朝潮「体力に余裕があります、何も問題ありません」


提督「……」


Y朝潮「早く命令を下さい、司令官」


提督「安価」


下1~3高コンマ 提督の台詞やその他起こったことなど

提督「…なら今すぐ工廠と医務室に向かってくれ」


Y朝潮「なぜですか!」


提督「そんな青い顔をしてるやつに任務なんかさせられない」


Y朝潮「私は動けます!」


提督「これは命令だ朝潮」


Y朝潮「…!」


提督「まずは明石の所に行って精密検査、その後は霞の所に向かってくれ」


Y朝潮「了解…しました……」

龍驤「司令官、ウチもついて行った方がええわな?」


提督「すぐ後ろを着いていっては朝潮が気付く。様子を見ながら向かってくれ」


龍驤「よっしゃ、任せといて」


富士「なら私も…」


提督「朝潮の所に行くのか?」


富士「さて…どうかしら」


提督「どちらの朝潮も過去に囚われてしまっている…せめて今を向いてくれれば……」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

あの子の魂はグチャグチャに混ざり合っていると富士さんは提督に言い残しY朝潮の様子を見に行く

>>263

ーー


霞「明石の検査結果はこっちにも来てるけど、異常は無しね」


Y朝潮「貴女は医者ではないでしょう、そんな真似事をして楽しいんですか?」


霞「生憎だけど薬剤師とか他の免許もあるのよ。医者じゃないけど異常かどうかぐらい分かるわよ」


Y朝潮「…異常が無いのならこれで失礼します」


霞「待ちなさい、まだ終わってないわ」


Y朝潮「なんですか、早く司令官の所に行きたいんです」


霞「私の忠告くらい聞いていきなさい」

霞「吐き出さなきゃ溜まる一方よ。たまには甘えてみたら?」


Y朝潮「司令官は司令官です。そんな事は…」


霞「あら、私は司令官に甘えろだなんて言ってないけど?」


Y朝潮「…失礼します」ガチャッ


霞「あの朝潮が要注意っていうのが良く分かるわね。本当ならとっくに折れてしまっても不思議じゃない」


霞「『朝潮であること』その誇りと事実があの子を支えてるのね」


霞「あんな体で朝潮だなんて……それこそあの朝潮と同じ結末しか無いわよ」

ーー


Y朝潮「甘えろ…そんな簡単にはいきません」


Y朝潮「第一この司令官は私を受け入れてはくれませんでした。裸になって抱き付いたのに…」


Y朝潮「あの時は誰も居なくて誰にも見られなかった。だからあんな行動をしたのに…」


Y朝潮「…私に味方は居ないんですよ」


Y朝潮「妹も司令官も守れない私に価値は無い。やることは朝潮としての任務だけ」


Y朝潮「……それだけなんです」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

富士「本当にそれだけ?」

富士「本当にそれだけ?」


Y朝潮「…それだけです」


富士「提督という人間に救いを求めた貴女が?」
 

Y朝潮「…あの人は私を拒絶しました」


富士「そうじゃないわ、あれはあの人間に勇気が無かっただけ」


富士「貴女が本気で救って欲しいのなら、そのお手伝いをしてあげるわ」


Y朝潮「戯れ言を…」


富士「私は人知を越えた存在。それは貴女がよく知っているでしょう」

富士「今夜、あの人間を好きにしても良いわ」


Y朝潮「……」


富士「彼は何があったか覚えていない。貴女が望まない限り今日夜起こることは永久人間忘れ去られる」


Y朝潮「……」


富士「もう一人の朝潮(貴女)は救いの手を払いのけた結果ああなった。よーく知ってるわよね」


富士「今夜…私の部屋に来れば……貴女は救われるわよ」


Y朝潮「……」 


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

Y朝潮「私だけじゃだめ…それは違う…」


富士「……」
 

Y朝潮「あの子達も救われますか……?」


富士「もちろんよ」


Y朝潮「よかった…それなら私は……」フラッ


富士「…お疲れさま朝潮」ガシッ


Y朝潮「…」


富士「貴女は救いを求めた。助けて欲しいと心から願った。ならば私はそれに答えてあげる」


富士「たとえそれが傀儡艦娘でも、艦娘ですら無い存在だとしても……」


ーー

明日はお休みです


コメントなどあればお願いします

今日の更新はありませんが、少し募りたいことがあったので書き込んでおきます


富士、もしくはY子(またはY)の前口上が欲しいと思ってるんですが、いいのが思いつきません。富士の名において~だけだと寂しいかなと思ってます


使えそうな単語だけとかでもいいので、何かしらあれば教えて下さい


ここじゃなく自分のツイッターでも構いませんので、宜しくお願いします

ーー


富士「これで準備はできたわね」


提督「……」
Y朝潮「……」


龍驤「いきなり司令官を貸してくれっていうから何事かと思ったわ」


富士「この子は助けを求めた。なら私はそれに応える必要があるの」


龍驤「夢の中で司令官と朝潮が二人っきりで…」


富士「朝潮は夢の中の出来事が現実だと思い、この人間は何が起こったか忘れてしまう。そう、これから見るのは夢なんだから忘れて当然よね」


龍驤「ウチは何が起こってるか、様子は見られへんのよね?」


富士「見せてあげることはできないわ。そんなことをすればこの子が余計に傷付いてしまうもの」


龍驤「そうか…」

龍驤「二人に危険は無いんよね?」


富士「もちろんよ。人間に至っては私が眠らせたことすら忘れてしまうわ」


龍驤「それやったら…ええけど……」


富士「貴女の気持ちも分かるの。けどこの子を救うにはこれが一番のはずだから…」


龍驤「あんな話聞いたら断ることなんかできへんよ…」


富士「ありがとう…それじゃあ二人の意識を合わせるわ」


富士「富士の名において……」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

提督「ぐ……ぅぅ……」


龍驤「なぁ、司令官が苦しんでるんやけどほんまに大丈夫なんか!?」


富士「この子の…思念……心が……偏ってしまっている…」


龍驤「危険なんやったら今すぐやめて!もし司令官に何かあったらウチは…!」


富士「静かに……もう少しで…コントロール…できるから…」


Y朝潮「……」ポロポロ


龍驤「今度は朝潮が泣き始めた…」


富士「やっぱりこの子…一筋縄ではいかないわね……」

富士「この子の魂は…とても朝潮とは呼べない…艦娘ですら…無い…」


龍驤「何言うてんねん!」


富士「この子はそう…キメラ……傀儡艦娘なんかよりも下…」


龍驤「そんなん言うたらんといてや!朝潮は必死になって行きとるんやで!」


富士「ええ…艦娘の形をしている以上は…私が干渉できる…」


提督「……」
Y朝潮「……」


富士「うぅ……なんとか…繋げられた……」


下1~3高コンマ 夢の中で起こったことなど

ーー


提督『ここは…?』


『ここは夢の中か何かじゃないかしら』


提督『誰だ?』  


満潮『……』


提督『満潮…知り合いには居なかったはずだが』


満潮『…なるほど、私の部分が一番使われてるからこうやって姿を表せたのね』


提督『何の話だ?』


満潮『私は胴体が使われた。こう言えば伝わるかしら?』


提督『………朝潮!?』


満潮『そういうことよ』

満潮『他の朝潮型もここに居る。けどあんたには姿は見えないでしょうね』


提督『……』


満潮『何か外部から干渉があったわね。そうじゃないとあんたなんか潰れてるわよ』


提督『一体何が起こってるんだ?』


満潮『そんなのこっちが知りたいわよ。とにかく朝潮姉さんに何かが起こっていることは確か』


提督『…朝潮はどこだ?』


満潮『…ここには居ないのかもしれないわ。いえ、正確には存在できないんだと思う』

満潮『あんたが朝潮として扱っていたモノの中身は私達。朝潮型全員で朝潮を構成していた』


満潮『だから朝潮という個体は無い。そういう考えよ』


提督『朝潮は首から上が使われているんじゃないのか?』


満潮『見た目はね。脳ミソは私達の詰め合わせ、そこに朝潮として自我が目覚めたの』


提督『……』


満潮『あんたが朝潮だと思っているものは朝潮じゃない。かといって誰かと言われれば答えは…無い』


満潮『ちゃんとした朝潮姉はここに居る。けどそれはあんたが認識してる朝潮じゃない』


満潮『…私から言えることはもう何もないわ。後は好きにしてれば?』


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

提督『せめて…一人の提督としてせめてこれだけはさせくれないか?』


満潮『なにする気!?』


提督『大丈夫だ、傷付けたりしない…』スッ


満潮『ん…』  


提督『朝潮について教えてくれてありがとう』ナデナデ


満潮『…ふん』


提督『俺を無視しても良かったはずだ。それなのに君は情報をくれた』


満潮『仕方なく…よ』

提督『さて…これが夢なら現実に戻る必要があるな』


満潮『時間が経てば終わるわよ』


提督『俺をここに呼んだ誰かは何をさせたかったんだ…』


満潮『そこまでは分からないわね』


提督『夢……これが朝潮の夢ならこれがやりたかったことなのか?』


満潮『朝潮が夢を見れない可能性があるわよ。朝潮姉達が殺されていく記憶だけが只管繰り返されて、それが夢として再現される』


提督『壮絶…だな』


満潮『朝潮のこと、頼むわよ。あの子が死ねば私達も消えることになるんだから』


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

ーー


富士「……」


龍驤「どうやった!?」


富士「…予想外のことが起こってしまった。彼女はやっぱり艦娘じゃなかったのよ」


富士「結論から言えば失敗ね。この子は夢を見ることができなかった」


龍驤「はぁ?ほんなら朝潮が悪夢で苦しんでるっていうのはなんなんよ?」


富士「それはこの子達の体に刻まれた記憶、それが再生されているだけ。眠っていてもフラッシュバックが起こっているのと同じね」


龍驤「眠ってても苦しんどるやなんて…」

富士「朝潮の中にいる子達に自我があるのも予想外だった…」


龍驤「ん…?それって一人の中に何人かの精神がおるってことか?ほんなら知り合いにおるけど…」


富士「そんな単純な話じゃないわ。あの子達に入れ替われるほど強い自我はない。夢の中だからこそ出てこれた」


富士「事実として形を保てたのは一人だけ。そんな子を無理に引き出せば…」


龍驤「引き出したらどうなるんよ?」


富士「この子は死ぬわ」


龍驤「そんな…」

富士「やり方を変えるしかないわね。この人間にはやっぱり夢の内容を覚えててもらいましょう」


富士「そして現実世界で…」


龍驤「司令官と二人だけにしてあげるんやね…」


富士「場合によっては貴女の心が傷付くかもしれない。でももうこれしか残ってないの」


富士「このまま二人を起こすわ。私達はこの部屋から出ていく。それでいいわね?」


龍驤「……」


富士「沈黙は肯定ね。それじゃ、やるわよ」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

ガリガリ


提督「ん……」


ガリガリガリガリ…


提督「やはりさっきのは夢…それよりこの音は……」


Y朝潮「取れない…取れない……」ガリガリ


提督「朝潮……なにをしているんだ朝潮?」


Y朝潮「取れない…跡が取れない……」ガリガリ


提督「なぜ体を引っ掻いているんだ?しかもそんなに強く…」


Y朝潮「取れない取れない取れない……」ガリガリガリガリ

提督「朝潮、やめるんだ。そんなことをしていたら血が出てしまう」


Y朝潮「しれ…………かん…取れないんです………」


提督「腕が痒いのか?何か虫にでも刺されたか……う!?」


Y朝潮「……」


提督「なんだこの真っ赤な跡は…右腕に二ヶ所も……」


Y朝潮「腕だけじゃ……な…」


提督「朝潮、左腕も見るぞ」スッ


Y朝潮「あ、う……」


提督「これは……」

提督「…朝潮、首もよく見せてくれ」


Y朝潮「ぁ……」


提督「首にもこの赤い跡……これは朝潮型がツギハギされた跡だというのか?」


提督「これは蕁麻疹なんかじゃない、まるで血を吹き出しているかのように真っ赤だ…」


Y朝潮「あ"………ぁっ……」


提督「しっかりするんだ朝潮、俺ならここいるぞ」


Y朝潮「じ…れ……」


提督「大丈夫、大丈夫だ……」ギュッ


Y朝潮「取れ……な…で……す……」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

提督「朝潮、それは取れなくてもいい、取らなくてもいいんだ」


Y朝潮「しれ……」


提督「誰かが違うと言っても俺が認める。お前は朝潮だ!」


Y朝潮「……」


提督「間違いなく朝潮なんだ……だから大丈夫…」ギュウウ


Y朝潮「私……朝潮…」

提督(しばらく抱き締めていたが、赤い跡が薄くなってきている。これは朝潮の精神状態が関係しているようだな)


Y朝潮「……」


提督(体に力も入ってきたようだ。もう平気か…?)


提督「…朝潮、大丈夫か?」


Y朝潮「……はい」


提督「本当に良かった。あのままならどうなるかと思ったぞ。何か悪い夢でも見たのか?それとも他に何か…」


Y朝潮「……」


提督「どうしたんだ朝潮?」


Y朝潮「安価」


下1~3高コンマ Y朝潮の台詞やその他行動など

Y朝潮「いつも悪い夢を見るんです…妹達が次々と殺されていく…」


Y朝潮「その中に…私もいるんです。朝潮の首を切られ、脳をくり出されて…もう私自身が誰なのか分からなくなるんです…」

?
Y朝潮「だからこうやって肯定してもらえるだけで…とても安心できます……」


提督「これくらいならいつでも、いくらでもしてやる」


Y朝潮「ありがとうございます…」


提督「朝潮は目の前にいる。これは紛れもない事実なんだ」


Y朝潮「はい…はい……」

Y朝潮「存在を認めてもらう…たったそれだけなのにこんなに嬉しいだなんて、知りませんでした」


提督「ここに居ればもっと色んなことが知れる」


Y朝潮「そうかもしれませんね…」


提督「朝潮……」


Y朝潮「…あったかい。体だけじゃなくて心もぽかぽかしてきます」


提督「…そうだな」


Y朝潮「…大好きです司令官」


提督「あぁ……」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

ほぼ全て同じは再安価です


下2 お願いします

Y朝潮「……」


提督「朝潮…朝潮?」


Y朝潮「すぅ……」


提督「眠ってしまった…安心して気が緩んだのか」


提督「朝潮であることが自己証明、それだけじゃないことにもっと早く気付いて欲しかった」


提督「…もしあの夢が嘘じゃないのなら、朝潮の自我は新たにできたものだ」


提督「それはあいつらが作ろうとしていた夏雲ができたと言えるんじゃないのか?既存の艦娘から新しい自我を目覚めさせる」


提督「…こんな事を考えていても仕方ない。もう終わったことなんだ」

ーー


Y朝潮『…?』


満潮『はじめまして、ね朝潮』


Y朝潮『あ…ああぁぁぁぁぁぁ!!』


満潮『うるさいわね、そんなに叫ばないで』


Y朝潮『あ、貴女は満潮…!四肢を切られて、首を…!』


満潮『それで合ってるわよ、あんたの胴体は元々私のもの。他に腕や内臓も姉妹達の詰め合わせ』


Y朝潮『あ…なんで……?』

満潮『あんたが朝潮であることを自覚したから。自己を得たからって所かしら』


Y朝潮『私が…』


満潮『あ、あの人間…多分司令官よね。何か聞いてない?』


Y朝潮『司令官?』


満潮『人相の悪い…』


Y朝潮『それは私の司令官です。間違いありません』


満潮『そう、あいつから何も聞いてないの?』


Y朝潮『いえ…』


満潮『なら説明しておくわ。なぜこの場に私しか居ないのか、他の姉妹はどうなってるのか…』


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

ーー


Y朝潮『私には見えないだけでここに確かにいるんですね』


満潮『朝潮姉さんも霰も、全員いるわ』


Y朝潮『そうなんですね…』


満潮『でも少し変化があったの。これはあんたも関係してるわ』


Y朝潮『私が自己を得たからですか?』


満潮『それは違う、それとは別の話』

満潮『私達の意識が一つに纏ってきている。きっかけは司令官ね』


Y朝潮『私の司令官が?』


満潮『あんたを受け入れて自己を目覚めさせたっていうのが大きいわね』


Y朝潮『……』


満潮『あとは司令官に告白したって所かしら』


Y朝潮『なにを言うんですか!?』


満潮『抱き付きながら大好きです司令官って言ってたじゃない』


Y朝潮『あれは…違う!違います!』


満潮『先に言っとくけどヤる時は気を付けなさいよ。胴体は私のものなんだから』


Y朝潮『だからぁーー!!』


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

ーー


提督「……」


Y子「止まれ人間」


提督「……」


Y子「朝ちゃんに何の用?」


提督「話を…しに来たんだ。もう一人の朝潮とだけ話し合うというのもおかしいからな」


Y子「義理で朝ちゃんと話そうって?殺すよ」


提督「…そんな簡単な話じゃない」


Y子「いーや簡単だよ。全部人間が悪い」

Y子「朝ちゃんを売ったのも、傷付けたのも、悪く無いのに罰を与えたのも人間」


Y子「朝ちゃんを拒絶したのも人間だ」


提督「拒絶はしてない、ただ…」


Y子「嘘を吐くな!朝ちゃんは何度もお前に受け入れられようとして全て断ってきた!」


提督「それは…」


Y子「これ以上朝ちゃんは傷付けさせない。あたしを本気で怒らせる前にここから立ち去って」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

S朝潮「大丈夫ですよY子さん…」キィッ


Y子「まだ寝たなきゃダメ、朝ちゃん!」


S朝潮「話くらいなら聞けます、平気です」


Y子「でも…」


S朝潮「私が大丈夫って言ってますから…心配してくれてありがとうございます」


Y子「ぅ…」


提督「…部屋に入れてくれるか?」


S朝潮「どうぞ…」バタン


Y子「……」

ーーS朝潮の部屋


提督「なぁ…」


S朝潮「部屋の中から…聞いていました。だいたいの状況は分かります…」


S朝潮「もう一人の私と…話し合って…何かあったんですね…?」


提督「…そうだ」


S朝潮「向こうだけじゃ不公平だから私にも…司令官の考えそうなことです…」


提督「なぁ朝潮…」


S朝潮「…司令官が私を受け入れられないのは知ってます。龍驤さんや朝霜さんの関係も…」


S朝潮「その間に入れるわけがないんです…そう分かっていても理解したくない…」

S朝潮「Y子さんに眠らせてもらってる間も…見る夢はあの男の…悪夢だけ…」


S朝潮「私……もう…」


提督「やめてくれ朝潮…!それ以上は口にしないでくれ!」


S朝潮「死にたい…死なせて下さい……」


S朝潮「私は一度死んで…物凄く後悔しました……二度と自殺なんて…そう思ったんですが……もう…限界なんです…」


S朝潮「向こうに居た時は夢なんか見なかった…眠らなくてよかった…」


S朝潮「でもここは現実…眠れば夢を見て…記憶が蘇る…」


S朝潮「生きることが…私にとっては何よりも酷……私を楽にさせて下さい…」


S朝潮「大好きな司令官にだから…お願いしてるんです…」


提督「安価」


下1~3高コンマ 提督の台詞やその他起こったことなど

提督「朝潮…俺はある覚悟を持って朝潮に会いに来たんだ」


提督「朝潮を俺の女にする。そのことを証明しよう」


S朝潮「やめて下さい…」


提督「龍驤は俺が説得するし朝霜だってそうだ。朝潮は何も心配しなくていい」


S朝潮「やめて…」


提督「他の誰が何を言おうと文句は…」


S朝潮「やめろと言ってるのが分からないんですか!!」バッチーン


提督「ぅ……」

?!?!?

S朝潮「覚悟をしないと抱けないような人の女になりたくない!」


S朝潮「貴方も私を傷付けるんですか!?私の敵になるんですか!」


提督「違う、そんなつもりじゃない!」


S朝潮「その行動がそうだと言ってるんです!この…クズが!」


提督「朝潮…」


S朝潮「…もう出て行って下さい。私が何をしようとも勝手です」


提督「……」


S朝潮「早く出ていけと言ってるんです!!」


提督「安価」


下1~3高コンマ 提督の台詞やその他起こったことなど

ああ俺はクズだ…クズだから朝潮の言うことなんか聞かない、もう一人にはしない(出ていかない)

提督「ああ俺はクズだ、クズだから朝潮の言うことなんか聞かない」


提督「もう二度と朝潮を失いたくない!だからお前を一人にはしない!」


S朝潮「やめろやめろやめろぉぉーー!」


提督「あ…朝潮……?」


S朝潮「あぁぁぁぁぁぁぁぁ…ぁぁぁーー!!」


提督「朝潮、しっかりしろ!朝潮!」


S朝潮「ぎゃあぁぁぁぁぁーー!」

提督「フラッシュバックか!?早く霞を…」


Y子「……」スッ


S朝潮「お…ぉ………」


S朝潮「……」


Y子「朝ちゃんは眠らせたよ。これ以上は危険だから」


提督「朝潮…」


Y子「朝ちゃんを思うなら距離を置いて。このままじゃ壊れる」


提督「だが俺は…!」


バリバリッ!


提督「ぐあぁぁっ!!」


Y子「消えろって言ってんの、人間」

提督「う、ぐ……!」


Y子「朝ちゃんは私が守る。絶対に死なせたりしない」スッ


提督「どこへ…行く……!」


Y子「人間に教えるわけないでしょ」


S朝潮「……」


Y子「朝ちゃんはもう二度と傷付かなくていいんだよ。こんな人間の事なんか忘れて…幸せになって」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

必死に追い縋る提督に見かねた富士さんが「貴女もどうすればいいかわかってないでしょう」とY子さんを諭す
それぞれ不満はあるが、S朝潮は出ていかない、提督は面会謝絶というに

提督「待ってくれ…頼む……!」


Y子「…へぇ、その体でまだ動けるんだ」


提督「朝潮が蘇って…一番に俺の所に向かってきてくれた…その気持ちに応えたい…」


提督「俺が朝潮に報いる…朝潮を幸せにする…頼む……」


Y子「……」


バリバリッ


提督「」ドサッ


Y子「今更遅いんだよ」

Y子「…朝ちゃんは私が助けた。それは紛れもない事実」


Y子「けど朝ちゃんはあたしに助けを求めたことは無かった。助けたのはあたしの勝手」


Y子「朝ちゃんはこの人間には何度も助けを求めた。断られても何度も何度も…」


Y子「…あたしがやってることは偽善?」


Y子「違う、そんなはずない!あたしは朝ちゃんが……」


Y子「……」


Y子「あたしがやったことは何の意味も無かった…?」


Y子「そんな……なんで……」

Y子「…あたしは悪くない。贔屓するあの愚姉が悪いんだ」


Y子「あいつさえいなければ朝ちゃんは…」


Y子「…あたしの中にはアイツの力が三割入ってる。力に関して何も決まってなかったけどそう決めた奴がいる」


Y子「三割あれば…富士を殺せる?」


Y子「…やれる、やってやる!」


Y子「朝ちゃんを幸せにするのはあたしだ!朝ちゃんを不幸にのんかさせない!」


Y子「覚悟しろ……富士!!」


ーー

「三割?名前を捨てたアイツが三割しか持っていかなかったって?そんなわけないじゃん」


「アイツはきっかり半分持っていった。でも力は三割しか残ってなかった」


「どういうことなんだろうね?どこにあと二割流れたのかな?」


「さあみんな、分かるかなぁ?」


「あー楽しみ、早くあたしの名前呼んでくれないかな」


「きひ、きひひ、きひひひひひひ…」


ーー

続く


コメントなどあればお願いします

おつでした
やっぱりきやがったなわるいYの字
Y子さんも大分依存激しくなってない…?

ーー


漣「皆さんにご報告があります。まずは先日夜に鎮守府に救急車が来た件ですが、運ばれたのは提督です」


漣「提督は意識不明の重体。救急隊員の話によりますと、まるで雷にうたれたような状態だそうです」


漣「龍驤さんと朝霜さんは付き添いで病院に行かれ、暫くは戻ってこないそうです」


漣「お見舞いに行きたいという方もいらっしゃるかもしれませんが、面会謝絶とのことなので我慢して下さい」


漣「龍驤さん達は帰ってくるべきなんでしょうが…とてもそうは言えませんでした」

漣「あともう一つお伝えしておくことがあります。現在S朝潮さんが行方不明です」


漣「単独で居なくなったのであれば捜索隊を結成しますが、富士さんやY子さんの姿も見えません」


漣「あの二人は人知を超えた何かです。S朝潮がこれに関係しているとなれば、我々は干渉すべきではないでしょう」


漣「…分かって下さい。カミサマの機嫌を損ねて皆殺しなんて嫌なんです」


漣「鎮守府の運営ですが、当分の間は漣が秘書艦、提督代理が皐月さんとなります」


漣「提督が入院していることはメディア等には伏せています。もし何かあればすぐに漣までご連絡を」


漣「…ご主人様とS朝潮さんの無事を祈りましょう」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

ーー


ジリリリリリリ…


漣「はいこちら横須賀鎮守府です」


富士『私よ…』


漣「…切ってもいいでしょうか?」


富士『お願い…話を聞いて』


漣「じゃあまずはご主人様を治してもらってもいいですか?」


富士『それは…できない。あの子がやったことは私では治せない』


漣「でしょうな。菊月提督の所のグラーフさんでも無理だって言ってますもん」


富士『それより私の話を…』


漣「それより?ふざけんじゃねぇですよ。こっちは命より大事な提督が殺されかけてんだ!!」


富士『ごめんさない……あの子の不始末は私がつけるから』

富士『お願い…いますぐ南鳥島に向かって…』


漣「断ります」


富士『あの子が…とんでもないことを考えてる…それを止めて…』


漣「自分でやったらどうですか?」


富士『思い出して…南鳥島には何があるかを…」


漣「……」


漣「核の最終処分所…」


富士『沖の鳥海域の核処分所は…レ級が爆破させた…残ってるのはあそこだけ』


富士『あの子は…朝潮を連れてそこに向かっている…核を手に入れる為に…』


漣「…朝潮が一緒なら話は別です。こちらでも対策を考えます」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

ーー


ゴォォォォォォォ…


加賀「凄い嵐。まるで台風ね」


雲龍「こんな状況じゃ海は出られないわ」


漣「おかしい…さっきまで晴天だったはずなのに…」


蒼龍「出撃できないだけならいいけど、このままじゃ鎮守府とか街に被害が出るわよ?」


漣「…南鳥島への出撃は中止。これより艦隊は鎮守府を守るための行動を優先します」


山城「異論は無いわ…」

ーー


S朝潮「」


Y子「……その小舟で我慢しててね朝ちゃん」


Y子「あたしが富士を殺して朝ちゃんが幸せになれるようにするから」


Y子「富士を殺すには核…これしかない。あれが直撃すれば完全に消せる」


Y子「もう少しだから…ね」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

S朝潮がなかなか起きてこず心配になって精神介入するY子

ーー


S朝潮「ここは…どこなんでしょうか。なぜ私はこの小舟で寝ていたんでしょう」


S朝潮「あの世…ではありません。あの時見た川も流れていないし、空の色も…」


S朝潮「ここは晴れていますが向こうの方は悪そうですね。太陽の方角から言って……陸の方?」


S朝潮「横須賀からは遠く離れていることは確かなようです。こんな船でここまで来れるはずありません」


S朝潮「艤装は…出ていない。私が一人でここまで来たんじゃない……」

S朝潮「他に何か情報は無いんでしょうか?ここは人工的に手が加えられているのは確かなようです」


S朝潮「何か……」キョロキョロ


S朝潮「…あれは!ハザードシンボル!?ここには核が……」


S朝潮「そうか、ここは南鳥島だ…!でも一体なぜ!?」


S朝潮「陸の方…横須賀鎮守府の方の天気が荒れていそうなのも気になります。早く帰……」


S朝潮「帰った……ところで…」


S朝潮「……」


S朝潮「死ぬには丁度いいのかもしれません…解体される前の核があればそれを使って…死ねばいいんです…」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

島の内陸側に向かっていく朝潮
一方Y子さんは>>407

>>411

ガー…ガガガガ…


S朝潮「何の音…?」


ガガガ……


S朝潮「壊れた機械から音が?様子を見る限りはごく最近壊れている…」


S朝潮「……これは放射線量を測る機器?」


S朝潮「これが反応しているということは…!」


S朝潮「この施設から放射線が漏れている…信じられませんが、それしかありません」

大丈夫だよ朝ちゃん


S朝潮「え…誰が……?」


もう平気だから。ここにあったのは全部あたしの物になった


S朝潮「あ……機械から音が消えた…」


Y子「朝ちゃん…待たせてごめんね」


S朝潮「Y子さん…?」


Y子「もう大丈夫だから。ここから帰ろう」


S朝潮「…私が帰った所で何もありません」


Y子「そんな事言わないで、もうすぐ朝ちゃんは幸せになれるんだよ」


S朝潮「え…?」


Y子「…あいつを殺せば全部がうまくいく。その準備はもう終わった。後はあいつを…!」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

両頬ぱーんしてY子さんにお話できる状態に戻ってもらう

S朝潮「何を考えてるんですかやめてください!殺すとか殺されるとか…もうそういうのは沢山です!」


Y子「朝ちゃん…?」


S朝潮「Y子さんまでそんなことしないで下さい! 」


Y子「これは朝ちゃんの為なんだよ、富士さえ殺せば朝ちゃんは幸せになれるの…」


S朝潮「そんなことまでして幸せなんかいりません!」


Y子「そんな……嘘だよ…」

S朝潮「私は誰かを不幸にしてまで幸せになりたくない!だから司令官と龍驤さんの間に無理矢理は入ろうとしなかった!」


Y子「あ……え…」


S朝潮「私は幸せになりたかった……それはもう無理なんです。だから富士さんを殺しても無駄なんです」


S朝潮「…Y子さんは私の味方だと思っていましたが違ったみたいですね」


Y子「やめて、そんなこと言わないで!」


S朝潮「もう私に構わないで下さい……」


Y子「やだ!朝ちゃんは私が…!」


S朝潮「私のことなんか…何も知らないくせに」


Y子「…!!」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

ーー


「人間に玩具にされたあと自殺…ふーん、この子何も悪くないんだ」


「それなのに無間地獄にね…人間一人殺したくらいでそれは可哀想じゃない?」


「ただの地獄なら兎も角無間地獄か、引っ張ってくるのに随分と力使っちゃうかも」


「でもま…これも何かの縁だし助けてあげよっか」


「不幸な艦娘さん、待っててねぇ~っと」


「あたしが助けてあげるから、今度は幸せになろうね」

Y子「そうだ…あたしはずっと上から目線だった。朝ちゃんのことをただの可哀想な艦娘としか思ってなかった」


Y子「あたしは朝ちゃんのこと、何も分かってなかった…」


Y子「…ごめん、朝ちゃんの言う通りだと思う。あたしは何も分かってなかった」


S朝潮「……」


Y子「Y子だとかそんなのは置いて、あたし個人として朝ちゃんを知りたい。そして救いたい!」


Y子「お願い、朝ちゃんを幸せにしたいの!だからあたしの話を聞いて!」


S朝潮「安価」


下1~3高コンマ 台詞やその他起こったことなど

捨て鉢で憎まれ口を吐き捨てるがY子さんにすがる様な事を言うS朝潮

S朝潮「……」


Y子「朝ちゃんを不幸にしたくないのぉ…!お願い……!」


S朝潮「一緒に幸せを…探してくれますか」


Y子「…!」


S朝潮「何が幸せなのか、それすら分からない私に付き合ってくれますか?」


Y子「うん…うん!」


S朝潮「仕方ないですね……なら…許してあげます……ぐす…」

S朝潮「私……ずっと…泣いてばっかり……ぐすっ…」


S朝潮「でも…悲しい以外に……涙って流せるんですね…」


Y子「朝ちゃん…!」


S朝潮「こんな私を…本当に幸せに出来るんですか…?」


Y子「やれる、やってみせるから!」


S朝潮「そんな…必死にならなくても……」


Y子「…朝ちゃん!!」ダキッ


S朝潮「…ありがとう……ございます…」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

S朝潮「……ぐす。そろそろ帰りましょうか」


Y子「え?」


S朝潮「天気が荒れていたのが気になります。皆さんや司令官は…」


Y子「朝ちゃん…あそこに帰るの?」


S朝潮「あ……」


Y子「…朝ちゃんの居るべき所はやっぱりあそこなんだよ。帰ろうって行ってあの場所を思い浮かべた」


S朝潮「そうかも…しれませんね」

S朝潮「私だけを愛してくれなくても、やっぱり司令官のことは好きです。皆さんにも迷惑を沢山かけてしまいました」


S朝潮「でも私にとってあそこ以上の場所は無いんです。きっとそうなんです」


Y子「また苦しむよ?」


S朝潮「生きるのが辛い毎日だと思います。けど私を幸せにしてくれるんですよね?」


Y子「…もちろん!」


S朝潮「じゃあ帰りましょう。私達の帰るべき場所へ!」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

鎮守府にて
富士さんに謝られるS朝潮
漣に胸ぐら掴まれるy子さん

ーー


ゴォォォォォォォ…!


漣「やばいです!!風速が30m超えました!!」


皐月「この鎮守府は耐えられるんだよね!?」


漣「計算上は耐えれますけど…!」


皐月「街の方はどうなってるの!?」


漣「それが不思議と何も無いんです!海からこの鎮守府までが大荒れで…!」


皐月「そんな状況聞いたことが無いよ…」

ジリリリリ…


漣「こんな時に電話!?」


皐月「僕が出る…もしもし?」


幹部『ちょうどいい皐月君か!そっちはどうなってる!?』


皐月「まるで台風が直撃したみたいな嵐だよ!」


幹部『ぐ…そうなのか。いや実は南鳥島の施設が破壊されたようなんだ』


皐月「南鳥島の核処理施設が壊された!?」


漣「南鳥島…富士さんが言ってた……」


幹部『無理を承知で頼む、なんとか様子を確認してきてくれないか!?』


漣「何て言ってるんですか?」


皐月「施設を確認してきて欲しいって…」


漣「無茶です!こんな嵐の中海に出るだなんて!」


皐月「…分かりました、僕が行きます」


漣「皐月さん!?」

皐月「僕は横須賀鎮守府の秘書艦で今は提督代理。僕がやるしか無い」


漣「だからって無茶させられるわけないでしょうが!」


皐月「…ごめん、後のことはお願いね」ダダダッ


漣「待って下さい!無駄死にする必要なんか無いんですよ!」


皐月「相手が艦娘なら僕一人でもなんとかなる。これくらいの嵐でも大丈夫」


皐月「…司令官や皆んなを守るんだ。それが僕の責任だから!」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

皐月「うおおお! S朝潮!無事でいてくれええ!」
(嵐止む)
S朝潮「あっ…と、すみません…私は無事です…(気まずい)」

ーー海上


皐月「凄い雨と風……前が見えない!」


皐月「方角だけを頼りに行くしかない……こんな状況で戦闘になんかなったら…」


皐月「…相手は多分Y子さん達だよね。その力は凄いのは知ってる」


皐月「とても僕じゃ倒せないのは分かってる。だからって逃げちゃいけない」


皐月「僕は横須賀鎮守府の秘書艦なんだ!相手が誰だって戦う!」

皐月「でも最後に…オッパイ……揉みたかったな……」


皐月「雲龍さんの爆乳……それに龍驤さんのちっぱいとか……」


あの……


皐月「……誰!?」


S朝潮「皐月さん…どうしてそんなずぶ濡れなんですか?」


皐月「朝潮!?よ…よかった、無事だったんだね!」


S朝潮「ええ…あ、そういえば私はなんであそこに居たんでしたっけ?」


Y子「……」


皐月「朝潮!そいつから離れて!」ジャキッ


S朝潮「はい?」


皐月「そいつはもう味方じゃない!南鳥島の核を持ち出して何か良くないことをしようとしてる!」

皐月「この嵐だってそいつが何かしたからなんだ!」


S朝潮「嵐…やっぱり天候が悪かったんですね。皆さんは無事ですか?」


皐月「あ、え…!?いつの間にか晴れてる!?」


Y子「……」


S朝潮「あの…サッパリ分からないんですが…」


皐月「僕も分からないよ…Y子さんが司令官を大怪我させて朝潮を誘拐した…そのはずなのにこうやって戻ってきてるんだもん」


Y子「ちょ…!」


S朝潮「はぁ?」


皐月「Y子さん、ちゃんと説明してくれる?」


S朝潮「司令官が…大怪我?」ピキピキ


皐月「え、うん……」


Y子「……」

S朝潮「…容態はどうなんですか?」


皐月「面会謝絶で…龍驤さんと朝霜が病院に……」


S朝潮「へぇぇ……」


Y子「あのね、朝ちゃん……」


S朝潮「……」


皐月「ね…とりあえず帰ろ?服ビショビショで気持ち悪いし…」


S朝潮「…そうですね、帰ってゆっっくりと話しましょう」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

鎮守府に帰って来て漣がなにか言う前に謝り倒すY子
帰ってからと言わず道中S朝に存分に絞られたらしい

ーー鎮守府


漣「ほぉぉ…つまりはY子さんが全て悪いと」


Y子「……」


漣「こっちはね、ご主人様をやられた上に皐月さんを失う覚悟だったんですよ?」


Y子「……」


漣「それだけじゃねぇんです、龍驤さんはともかく朝霜さんが病み病みモード全開でそれはもうえらいことなんすよ!?」


Y子「…ごめんなさい」


漣「ごめんで済むような問題じゃねーー!こっちは激おこプンプン丸なんですよ!!」

S朝潮「司令官の怪我はY子さんなら治せるんですよね?」


Y子「うん…多分……」


S朝潮「多分じゃありません、絶対治してきて下さい。じゃないと絶好です」


Y子「う……」


S朝潮「早く司令官の所に向かって下さい。そして龍驤さん達にもちゃんと説明して下さい」


Y子「はい……」スッ


漣「ふぅ…一時はどうなるかと思いましたが、最悪の結果は免れましたな」


S朝潮「司令官が無事ならそれで良いんです」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

YとS 相対する朝潮達
S朝「雰囲気というか…中身変わりましたか?」
Y朝「失礼ですね。私は私ですよ。そっちは変われたんですか?」
S朝「どうでしょうか…」

ーー病院


龍驤「司令官はもう大丈夫なんやね?」


富士「ええ、あと数日寝ていれば体力も回復するはずよ」


龍驤「良かった…ほんまに良かったわ」


富士「私の妹が迷惑をかけてごめんなさい。貴女達の子どももなんとかするわ」


龍驤「朝霜……ほんまに可哀想やったわ…ずっと泣いて…気絶して……発狂一歩手前までいっとった…」


富士「まだ持ち堪えているから大丈夫。彼女も心もちゃんと治してみせる」


龍驤「ほな……良かった…」フラッ


富士「…貴女も寝てなさい。あの人間が入院してから寝ていなかったでしょう」


龍驤「うん…ちょっち……横に…なるわ……な…」


富士「…お休みなさい龍驤」

ガチャッ


Y子「……」


富士「うまくできたみたいね」


Y子「お姉ちゃんが力を貸してくれたから…」


富士「貸してなんかないわ、力の使い方を教えてあげただけ。治したのは貴女の力よ」


Y子「……」


富士「…私が憎い?」


Y子「……ううん」


富士「正直に言っていいわよ」


Y子「…なんで朝ちゃんを助けようとしなかったの?それが無かったらあたしは……あんな事をしようとしなかった」


Y子「朝ちゃんは生まれてきたことが罪だっていうの?そんなの……」


富士「安価」


下1~3高コンマ 富士の台詞やその他起こったことなど

S朝潮ちゃんは…【あれ】のお気に入りだったの
初めは私も因果を好転させようとしていた…でも、その度にもっと悪い方向に捻じ曲げられて…私は負けたの…けど…誰か許される事ではないわよね…

富士「生前のあの子は手の施しようがないほど因果に搦めとられていた。私があの子の中で目覚めることもできないくらいに」


富士「あの子は死が救済だと思い込んだ。人間に拒絶された…あの時は身を引いたのね。それも悪い方に働いた」


富士「あの時の朝潮を救えなかったのは私の罪……」


Y子「……」


富士「今はもう傀儡艦娘になってしまったからどうやっても干渉できない。でも…貴女が気にかけていたからと慢心してしまった」


富士「貴女なら彼女を救える。誰よりも幸せにしてあげて」


Y子「…言われなくても」


富士「頼もしいわね、その調子でお願いね?」


ーー

今日はここまで


コメントなどあればお願いします

おつー
今日、いや今日も良い安価・流石な安価があって見習いたい
Y子さんも馴染んで来たなぁ

ーー病室


龍驤「わざわざここまで来てくれてありがとうな二人とも」


Y朝潮「いえ、これくらい」


S朝潮「……」


龍驤「今日は二人に言うておきたいことがあるんやけど、まずは謝らせて。ごめんな朝潮」


Y朝潮「それはどっちに…?」


龍驤「両方や。でもこっちが一方的に悪いのは元々ウチらが面倒みてた朝潮やね」


S朝潮「……」


龍驤「おおよその事情は聞いてる。司令官が失礼なこと言うてほんまにごめんな」


S朝潮「……」

龍驤「朝潮が怒って当然やと思う。あの場で一番言うたらあかんかった。そんな言葉はこの司令官は吐いた」


提督「……」


龍驤「庇わせて欲しいんやけど、司令官は大人になるまでまともに恋愛できてないねん。あとロリコンやし」


S朝潮「それは重々承知してます」


龍驤「できたら許したって欲しいねん、な?」


S朝潮「…それはこれからの行動で決めさせてもらいます」


龍驤「それでええよ、なあ司令官?」


提督「勿論だ」


龍驤「そっちの朝潮も今までごめん…って話をこれからするわな」


Y朝潮「はぁ…」

龍驤「司令官のこと、好きなんやね」


Y朝潮「違っ……!」


龍驤「無理せんでええよ。好きなもんは好きって言うたらええし、行動に移してもええ」


S朝潮「行動に?」


龍驤「司令官と二人だけで何をしてもウチは文句を一切言わん」


Y朝潮「それって…」


龍驤「これは同情やないで、そう決めたんや。その証拠に鎮守府の皆んなにも同じ話はしてある」


S朝潮「遽には信じられません」


龍驤「ウチも色々学んだからね。誰かと何してようが最後にはウチの所に戻ってくる。それが分かってたらええんよ」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

ぎこちなく体調はもう大丈夫かと聞いてくるS朝潮と悶々と悩むY朝潮

S朝潮「司令官を私達に差し出すんですか?」


龍驤「どう捉えてくれてもええよ。ほんなら後はお任せするわ」ガチャッ


S朝潮「……」


Y朝潮「司令官と…何をしても……」


S朝潮「…体調はどうなんですか」


提督「悪くは無い…少し疲れているだけだ」


S朝潮「それはY子さんのは関係ありません」


提督「そう…だな……」


S朝潮「休めと言われ休まない貴方が悪いんです。反省して下さい」


提督「あぁ…」

S朝潮「…随分と自己犠牲が好きなんですね」


提督「そうじゃない、足りないものは補い合って…」


S朝潮「その話はもう聞き飽きました」


提督「…そうか」


Y子「司令官と……いやいやいや、体は満潮だからそんな…でも気を付けさえすれば…」ぶつぶつ


S朝潮「……」


提督「なぁ朝潮…」


Y朝潮「……」ぶつぶつ


S朝潮「……」


提督「……」



下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

Y朝潮「そ…そんな……!私にはまだ早…」


S朝潮「……」ギリギリ


提督「朝潮…?」


S朝潮「…ふんっ!」ずびしっ


Y朝潮「ごぉっ!?」


S朝潮「Y子さん直伝のデコピンです。一度力を溜めるのがコツらしいですよ」


Y朝潮「いいぃ……ったぁ…!!」


S朝潮「いい加減現実に戻ってきて下さい」


Y朝潮「他にも……方法はあったでしょう……!」


S朝潮「そうかもしれませんね」


Y朝潮「アレクサみたいな返しはやめて下さい!」

S朝潮「私も朝潮らしくないとは思ってましたが、貴女も相当ですね」


Y朝潮「な、何を!?」


S朝潮「言っておきますがその行為に憧れるだけ無駄ですよ。現実はもっと酷いんです」


Y朝潮「そんなのやってみないと分かりません!」


S朝潮「…分かりますよ」シュルッ


Y朝潮「スカートを脱いで何をする気……あ…」


S朝潮「広げなくても分かりますよね?再現されたとはいえこの体は私そのもの」


S朝潮「……醜く酷いでしょう?何百、何千と一方的にやられるとこうなるんですよ」


S朝潮「鏡を見る度に自己嫌悪、これが朝潮の成れの果て」


S朝潮「…貴女もこうならないように注意して下さいね」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

オロオロしている提督に「そんなわけで抱く抱かないだけで貴方への…その、信頼は変わりません」とS朝潮

Y朝潮「こ…んな所で脱いで……司令官が…」


提督「……」


Y朝潮「寝てる…?」


S朝潮「下手な寝たふりですね。猿芝居にもほどがあります」


提督「……」


S朝潮「見ると気まずいと思ってるんですよ。言葉でそう言えばいいのに」


提督「……」


S朝潮「仕方ないのでもう着ます。その方が都合が良いみたいですしね」

S朝潮「私はもう帰ります。龍驤さんも来ないでしょうし後は自由にして下さい」


Y朝潮「……」


S朝潮「司令官が寝たふりを続けるのをいいことに襲ってみたらどうですか?」


Y朝潮「なにを…!」


S朝潮「そんなことをすれば一生後悔するでしょうね。それこそ死にたくなるくらいに」


Y朝潮「……」


S朝潮「…失礼します」ガチャッ


Y朝潮「司令官……」


提督「……」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

他人に体をさらっと見せられる程度にS朝潮の精神状態が良くなってるんだなと気づき
Y朝潮に寝言っぽくその旨を伝える提督

>>492

Y朝潮「…起きてるんですか」


提督「ああ…」ムクッ


Y朝潮「どうして…」


提督「……少し気まずくてな」


Y朝潮「だからって…」


提督「だがあれでも良くなっている方だ。それが分かっただけでも良い」


Y朝潮「そういう事を言ってる場合じゃないでしょう…」

提督「朝潮、俺は自分を犠牲にしようとは思っていない。可哀想だからとあんな事を言ったわけじゃないんだ」


提督「俺が何かをして、それが助けになるなら喜んで協力しよう」


提督「朝潮が俺を望むなら好きにしてくれ」


Y朝潮「……」


提督「もう数日間はここに入院している。いつでも会いにきてくれて構わないぞ」


Y朝潮「…今日は帰ります。それでは失礼しました」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

ーー横須賀鎮守府


雲龍「龍驤さんの話、どう思った?」


神通「また極端なこと…言い始めましたね…」


黒潮「ダメージ受けるのは自分らやのに。アホと違うか」


雲龍「本気だってことを知らせたいのかもしれなかったけど、今更言われたところで…」


黒潮「ウチらみたいな古参はそうやろな。でも途中から入ってきた連中はどうやろなぁ」


神通「金剛さんも…最初は提督の事を好きだと言ってました…」


雲龍「一応釘を刺しておいた方がいいんじゃない?」


黒潮「そうかもしれんなぁ」

神通「私はそんなことしなくても…大丈夫だと思います…」


黒潮「ほぉ~ん、鎮守府から出て行こうとしとった奴が何か言うとるなぁ」


神通「あれは……」


雲龍「見回りくらいならいいんじゃないかしら?」


黒潮「しゃあないなぁ、それくらいにしといたろか」


神通「…はい」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

娘モードの朝霜をあやす早霜

ーー


神通「ほら…言ったじゃないですか」


黒潮「ほんまやなぁ…」


雲龍「今までの提督と龍驤さんの関係を見てきているんだもの。あの間に入ろうとはしないわ」


黒潮「うちはもうちょい信じても良かったんやねぇ」


雲龍「でも貴女のような考えはここには必要よ。無理に変える必要は無いわ」


黒潮「ほなその通りにさせてもらおかな」


神通「でも一つだけ…問題がありましたね…」

雲龍「あれは龍驤さんが悪いわ。最後に自分の所に帰ってくればいいだなんて」


黒潮「朝霜の気持ちなんか無視や。龍驤の悪い癖が出たな」


神通「朝霜さんは提督が入院して…ただでさえ心が不安定でした…」


黒潮「極め付けにあの女の言うたこと。そらあかんわ」


雲龍「早霜がピリついてるわ。警戒が必要よ」


黒潮「ぶっちゃけ本気で暴れられたら勝ち目無いんやけどなぁ」


神通「そうならないように…するんです…」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

朝霜の部屋の前の早霜に追い返されてどうしよう…と龍驤

ーー

龍驤「なぁ朝霜、出てきてぇや」


……


龍驤「司令官…パパはもう大丈夫なんやで?そんな塞ぎ込まんでも…」


……


龍驤「なんで…」


早霜「理由が分からないの?」


龍驤「いや…でも司令官は……」


早霜「その様子じゃ分かってないわね。無い胸に手を当てて考えてみればいいんじゃないかしら」


龍驤「……」

早霜「私は誓ったことがある。もう二度誰も殺さない。そして…朝霜姉さんを傷付けさせない」


早霜「貴女は所詮姉さんの母親を名乗ってるだけ。本当の母親じゃない」


龍驤「そらそうやけど…」


早霜「本物の母親になろうとしていないのよ」


龍驤「……」


早霜「私の前から消えなさい。貴女が口を開くたび姉さんは傷付く」


早霜「母親ごっこもこれでお終い。朝霜姉さんは私が幸せにする」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

>>早霜「本物の母親になろうとしてい
ないのよ」
ここにかなり反省の龍驤
本当の母親になったガンちゃんに相談(直接行くのが難なら電話ででも)

ーー


ガングート『そうか、早霜にそう言われたのが堪えたか』


龍驤「あんたから見て…ウチはどうやった?」


ガングート『遠慮せずに言っていいのなら、あれが母親とはとても思えないな』


龍驤「ぅ……」


ガングート『子を産んでないのだから当たり前だ、仕方ない所もある。だが龍驤のは論外だろう』


ガングート『母親だと自称しているだけで母親らしいことは何もしていない』


龍驤「……」


ガングート『遅かれ早かれこうなることは分かっていたんじゃないのか?』


龍驤「違うよ…ウチは本気で朝霜のこと……」


ガングート『その方がタチが悪いな』

ガングート『こっちは朝霜との関係が良好そうだから敢えて黙っていただけだ。誰も母親だとは思ってなかっただろう』


ガングート『朝霜との関係は良くてセフレ…というものじゃないか』


龍驤「そんな…」


ガングート『龍驤に母親は無理だ。関係を改めるか解消した方が良い。それが朝霜のためだろう』


ガングート『早霜に託すというのも不安が残るが、正直龍驤よりはマシだ』


龍驤「……ありがとうな…ハッキリ言うてくれて…」


ガングート『私が言わなければならない役割だからな。嘘をついても仕方がない』



下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

Y朝潮「朝潮、ただいま帰投しました」


龍驤「……うん…」


Y朝潮「龍驤さんどうされましたか?」


龍驤「何もないよ…うん……」


Y朝潮「ひょっとして朝霜さんのことで何かありましたか?」


龍驤「なんで…」


Y朝潮「私達に言った通りにここでも言ったのなら、想像がつきます」


龍驤「その通りや…朝霜が部屋から出てきてくれへんのよ…」

龍驤「朝潮はどう思った……?」


Y朝潮「とても母親が言うことだとは思えませんでした」


龍驤「……」


Y朝潮「私は認められてとても暖かくなって満たされたんです。きっと朝霜さんもそうなんじゃないでしょうか?」


Y朝潮「まずは朝霜さんに謝って話し合ってはどうですか?」


龍驤「無理やねん…早霜が……合わせてくれへん…」


Y朝潮「あの早霜さんが…」


龍驤「ウチどないしたらええんか…分からへん……母親って何なん……」


龍驤「もう分からへんよ……こんなウチでごめんなぁ……」ポロポロ


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

パパ…ママ…捨てないで…とうなされてる朝霜

>>522

ーー


朝霜「パパ、ママ…捨てないで……」


早霜「あの人達のことだから捨てるなんて思ってない。けど朝霜姉さんはそう受け取ってしまった」


早霜「あんな言い方をすればこうなるのが分からなかったのかしら…」


朝霜「あ…ぅぅ……」


早霜「姉さんの心は深く傷付いた。この傷を癒すには時間がかかるでしょうね」


早霜「でも私ならすぐに治すことができる」


早霜「もう一度姉さんをマインドコントロールすれば…」


早霜「殺すことはもう捨てた。でもこれは使い所があるかもしれなかったから残しておいたのよ」

早霜「姉さんが龍驤達を親代わりだと思っていた頃の記憶を書き換える。そうすればこの苦しみから解放される」


早霜「私に依存させるつもりは無い。そんなことをすればいつかの二の舞いだもの」


早霜「これをすれば姉さんは立ち直るし前みたいに元気な姿を見せてくれる。後は私次第」


早霜「龍驤達の記憶を書き換えるのか、このまま龍驤達を許すのか……」


早霜「私は姉さんを幸せにする、その為に生きている。もう二度…辛い目になんかあわせない」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

ーー


朝霜『パパ、パパ……あぁん…』


朝霜『こんなに愛してもらって…あたい……幸せ…』


朝霜『ママも……大好き…』


朝霜『んんっ……はぁ…』


朝霜『パパも…ママも……一緒に…』


朝霜『あぁぁぁ……』


早霜「……」

早霜「朝霜姉さんの心を覗いて見たら…こんな状況だなんて」


早霜「とてもこんなのは親子とは呼べない。けど朝霜姉さんは確かに幸せそうにしてる」


早霜「幸せって……なに?」


早霜「朝霜姉さんの幸せは私の思う幸せなの?」


早霜「分からない……私は他人を不幸にしかしたことがない」


早霜「殺して、殺して、殺して……最後に殺された。こんな私の想像する幸せなんて…」


早霜「でも朝霜姉さんへの愛は確かだった。どんなに歪んでいてもそれは事実!」


早霜「あんな奴らに姉さんを任せるのが…幸せなわけない…」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

ーー


朝霜「ぁ……誰…?」


早霜「私よ姉さん」


朝霜「早霜……」


早霜「ここがどこだか分かる?吐き気は無い?」


朝霜「ん…大丈夫……」


早霜「なら良かったわ」


朝霜「なぁ早霜…司令と……龍驤さん…」


早霜「姉さん、その二人のことで聞きたいことがあるの」


朝霜「んぇ……」

早霜「龍驤達との関係は親子とは言えない。それは分かっているのよね」


早霜「かと言ってそれが嫌じゃない。朝霜姉さんが抱かれているときに感じていた幸せは心が満たされていた」


早霜「姉さん…もう今のまま関係を続けるのは限界よ」


早霜「龍驤達とどうなりたいの?それが知りたいわ」


早霜「姉さんの選択肢によっては私も協力する。絶対に姉さんには幸せになって欲しいの」


早霜「教えて…朝霜姉さん」


朝霜「安価」


下1~3高コンマ 朝霜の台詞やその他起こったことなど

朝霜「司令達とはただのセフレに見えるかもしんねぇ……けど…それでもいいんだよ…」


朝霜「あの二人はどんなあたいも受け入れる…そう言ってくれたから……」


朝霜「自分で脚を切り落としたってのに…それすらも気にしねえって……」


朝霜「偽りの親子でもいい…司令達とずっと一緒に居てぇよ……」


早霜「今のままでもいいっていうの…!?」


朝霜「早霜には…分かんねぇよ……」


早霜「分かるわけないわよ…そんな……歪んだ関係なんて…」


ーー

今日はここまで


コメントなどあればお願いします

ーー


北上「龍驤さん久しぶり~」


龍驤「久しぶりやなぁ。もうすっかりお腹も大きくなっとるね」


北上「でしょ~今から楽しみで仕方ないよね~」


龍驤「でもそんな体でわざわざ会いにこやんでもよかったんやで?」


北上「なに言ってんのさ、龍驤さんの義肢は一生あたしが面倒見る。そう約束したじゃん」


龍驤「…うん」


北上「たとえ龍驤さんが死んでも地獄まで会いに行くから」


龍驤「天国やなくて地獄かい…」


北上「お互いに地獄行きに決まってんじゃん~」


龍驤「ふふ…そうやね」

北上「しかし提督が入院中なのは運が無かったかなぁ」


龍驤「もうちょっとで退院なんやけど、間に合わんかったね」


北上「提督とも色々話したかったけどな…」


龍驤「その分ウチとゆっくり話そうや」


北上「え~龍驤さんと?」


龍驤「嫌か?」


北上「…嫌ならここまで来るわけないじゃん」


龍驤「そうやんな。ほな調整頼むわな」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

北上「~~」カチャカチャ


龍驤「……」


北上「龍驤さ~ん何かあったよね?」


龍驤「…なんでそう言い切れるん?」


北上「提督が入院してる時点でお察しってやつだよね~」


龍驤「…うん」


北上「あたしで良かったは話聞くよ。何があったか教えてよ~」


龍驤「あのな……」

ーー


北上「ダブル朝潮に朝霜がねぇ…」


龍驤「朝潮のこともそうやけど、早霜に言われたことが…な……」


北上「そーだよねぇ、あの早霜に言われちゃおしまいって感じはあるよねぇ」


龍驤「早霜は昔とは別人や…でも……」


北上「あたしは朝霜が幸せならそれで良いと思うんだけどなぁ」


龍驤「そういうわけにはいかんよ…」


北上「よーく話し合うしかないんだよねぇ~」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

北上「でもさ、もっと酷い時もあったじゃん。例えば秘書艦が飛び降りようとした時とか~」


龍驤「……」


北上「秘書艦が浮気を繰り返したあげく他の男の子ども孕みそうになったりとか」


龍驤「……」


北上「あとは秘書艦が…」


龍驤「ウチのことばっかりやないか…」


北上「はいナイス突っ込み。理想としてはもうちょい早いのがよかったねぇ」


龍驤「アホ……」

北上「じゃあ今度は雷巡と工作艦を兼ねたハイブリッド艦の話をしてあげよっか?」


北上「そいつはさ、秘書艦のことなんか何も考えず不用意な言葉を言って…自殺に追い込んだ」


北上「ほんと…最低な奴だよね」


龍驤「…そんなことない。ウチが悪いんや」


北上「誰も龍驤さんのことだなんて言ってないよ~」


龍驤「……」


北上「あたし達は地獄を体験してる。あれより下なんてもう無いに決まってる。だからさ、今度のもきっとなんとかなるって」


北上「ほんと…あの時は明日全員死んでもおかしくなかったんだよ。あたしも何度も死のうと思ったし自殺未遂もした」


北上「龍驤さん達ならきっと良い答えを出せるって信じてるからね」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

ーー


龍驤「司令官が帰ってきたら朝霜のことはちゃんと話し合わなあかんな…」


龍驤「ウチは母親らしくない…ほんまにその通りやと思う。朝霜の気持ち良さそうな顔とかウチに甘えてくるのを見て、それでええんやと思ってた」


龍驤「違う…そう思い込んどったんや。楽な方に逃げるウチの悪い癖が出た」


龍驤「ウチはいつまで経ってもクズや……」


龍驤「本物の母親がどんなに大変か…見てきたから分かるはずなんや…」

龍驤「一番身近なのはガングートや。子どもをあやす為に夜中に起きて…」


龍驤「生活の中心が子どもになる…そう言うてた。孫さんも疲れた母しとった」


龍驤「あれが母親…」


龍驤「子どもなんてウチやっぱり無理なんかな……」


龍驤「自分の世話で精一杯で…子どもなんかとても……」


龍驤「ウチが無理やったら司令官がやるしかない…あの人は倒れるまでウチと子どもの面倒を見る……」


龍驤「ウチが親やなんて…夢、幻なんか……」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

早霜も朝霜をなんとかしたいという気持ちと、それは自分の思った通りにしたいだけなのではという思いに板挟み
本人の気持ちを考えないならそれこそ先日の龍驤と同じではないかと悩む

ーー食堂


早霜「……」


霞「変な顔してどうしたのよ」


早霜「考え事ね…」


霞「朝霜のことなら好きにさせてあげたらいいじゃない」


早霜「そんな単純な話じゃないの。あんな関係を見過ごしたくない」


霞「私達の感覚ならあれは普通よ。そこまで気にすることかしら?」


早霜「気にして普通よ。この私が異常だって思うんだもの」


霞「そう…」

霞「確かにあんた達の考えが多数派なんでしょうけど、それだけが全てじゃないのよ」


霞「性で負の感情が上書きできるならそれで良い。その為に薬を使ってもそれは正義」


早霜「貴女…」


霞「爛れた関係とでも言いたいのかもしれないけどそれは間違い。これだけはハッキリ言えるわ」


霞「人殺しが趣味だったあんたには、分からないでしょうね」


早霜「安価」


下1~3高コンマ 早霜の台詞やその他起こったことなど

自分は朝霜を理解できないのか理解したくないのかと落ち込む早霜

早霜「現実から目を逸らしているのはどちらかしら」


霞「……」


早霜「性に、薬に逃げていつまでも弱いまま。それこそ…」


霞「何も分かってないのはあんたの方よ。体の繋がりは心の繋がりでもある」


霞「女同士でもそれは同じ。心の繋がりこそ大事なのよ」


早霜「貴女の姉妹ごっこもそうなのかしら?」


霞「お姉さまと居れば心が満たされるの。これ以上ないくらいにね」


早霜「あら、そんなこと言うと榛名が下手だってことになるわよ」


霞「ほんと、何も分かってないのね…」

霞「お姉さまとは心が満たされるって言ったの。体が満たされるのはまた別」


早霜「あら……貴女って他に相手がいたの?」


霞「ふふっ……そうよね、貴女どころかここの誰も知らないの」


早霜「?」


霞「ふふ、うふふふ……」さすさす


早霜「お腹をさすって……?貴女まさか!?」


霞「そうよ…ここには司令官の子どもがいるわ」


早霜「は……ぁ………!?」

早霜「…嘘はやめて。全くお腹が大きくなってないじゃない」


霞「艦娘の子どもじゃなかったらこんなものよ」


早霜「……」


霞「この事は黙っておくつもりだったけど仕方ないわ。こうでもしないと私の言うことが分かってくれそうに無いし」


早霜「黙っていてどうするつもりなのよ」


霞「堕ろすに決まってるでしょ。こんなの龍驤さんに知れたらどうなるか分かるわよね?」


霞「近々薬剤師の免許を新しく取るの。それの合宿とか言って暫くここから離れるから、その時に堕ろすつもりだった」


霞「私は司令官の為ならここまでできる。私達は少数派だけど間違ってはいないのよ」


早霜「安価」


下1~3高コンマ 早霜の台詞やその他起こったことなど

早霜「本当にそれでいいの?お腹の子だって生きているんでしょう?」


早霜「これから生まれてくる命を貴女の好きにしていいわけじゃ……」


早霜「……」


霞「私の言いたいことが分かってくれたみたいね。朝霜には朝霜の生き方があるのよ」


霞「私は自分が妊娠するまで司令官と行為をした。それは司令官の為だったし私がそうしたかったから」


霞「横須賀へ来てから司令官のストレスはとてつも無いものだった。私が体を使って癒すしかなかったのよ」


霞「妊娠したのはまあ…誤算だったけど」


霞「とにかく意図が伝わったのならそれでいいわ。あとこの事を誰かに言ったらここの全員が死ぬと思いなさい」


早霜「警告…感謝するわ」

ーー


秋雲「いやいや爛れ過ぎだって。早霜が100パー正しいよ」


蒼龍「でも本人がそれで良いっていうなら無理強いはできないわよ」


名取「エッチなことより訓練してた方が気持ちいいのに」


山城「それは貴女だけよ」


ポーラ「ポーラは~」


秋雲「はいはいお酒の方が好きなんでしょ」


ポーラ「その通り~!」


早霜「霞達は自分達が少数派だって知ってて行動してる。あんなのまともじゃ…」


秋雲「それをあんたが言うな!で返されるわけだ」


蒼龍「思ってるより深刻なのかもしれないわね…」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

元足りないもの鎮守府の面々に話を聞いていくとやはり受け止め方は真逆
自分達は「普通」でいられなかったからあの提督の元に集まって躓きながらもお互いに生き方を模索して救われてきた
求められている「普通」は自分達にどう正しい道を示してくれるのか

ーー


羽黒『はい…早霜さんの言うことは間違ってはいません…」


天龍『でもよ、俺達は「普通」になれなかった奴らの集まりなんだ』


弥生『何度も躓いて…間違えて…』


叢雲『間違える度に司令官は私達を助けてくれた』


金剛『ここの皆さんが提督の為なら命は惜しくない、そう言える理由があるんデス』


黒潮『普通を守ったら幸せになれるんか?違うやろ?』


神通『私達の道標は…私達だけのものなんです…』

早霜「全員が全員…霞を肯定するだなんて…」


早霜「まるで私達が異質とでも言いたいのかしら…」


早霜「いえ…厄介なのはそこじゃない。自分達がおかしいと分かっていてもその道に進んだ所」


早霜「性に逃げるのが一番楽…だからその道を選んだ?」


早霜「所詮は精神を病んだり欠陥品の集まりだから…楽な道を取った…」


早霜「でもそれだけじゃ説明できない。龍驤達はあの化け物に向かって行って…勝った」


早霜「常識に従わないからこそだというの…?」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

ーー


秋雲「だから言ったっしょ?ああいう連中は団結すると強いって」


早霜「えぇ…」


秋雲「個人対個人なら秋雲さんでも完封できる…あ、いや一部例外はあるか」


秋雲「とにかくそういうこと。あれはそう簡単に説得できないってか無理」


早霜「朝霜姉さんは確かに幸せかもしれない。けどそれは今だけの話」


秋雲「しかもここは横須賀鎮守府。全ての艦娘を代表する立場だって分かって欲しいよねぇ」

秋雲「こんなのマスコミに知られたらどうなるか。せっかくここまで昇進したってのに」


早霜「でも相手は手強いわよ」


秋雲「正攻法が無理なら裏から…」ニヤッ


早霜「…なに?」


秋雲「実はさ、ちょ~っと面白いこと考えてたんだよね。協力してくれない?」


早霜「その内容によるわ」


秋雲「ん~まあ早霜ならいいか。簡単に言うとクーデターかな」


早霜「誰に対しての?」


秋雲「あの人相の悪い提督だよ~!」


早霜「……」

秋雲「協力者は何人か居て…日向さんって知ってる?」


早霜「深海吹雪と共に行動して…大本営や横須賀を包囲した旧大本営派の艦娘よね」


秋雲「旧大本営派だけど思想は間違ってはいない。艦娘ファーストのいい人なんだよぉ」


秋雲「今は塀の中だけど、仮釈放とかそういうタイミングを見計らって…」


早霜「見計らって?」


秋雲「提督を拘束、そして提督について来た艦娘ごと全員辞職に追い込む!」


早霜「……」


秋雲「安心して欲しいんだけど誰も傷付けない、勿論朝霜もね」


秋雲「むしろ傷付けない為に早霜が必要というか…ね、分かるっしょ?」


早霜「安価」


下1~3高コンマ 早霜の台詞や行動など

早霜「今のは聞かなかった事にするわ。私はあまり迂闊な事は出来ないのよ」


秋雲「いやいや、迂闊も何もむしろ良いことだって」


早霜「約束……したから」


秋雲「誰とさ?」


早霜「……貴女は誰を敵に回そうとしてるかよく考えてみなさい」ガチャッ


秋雲「うーん絶対仲間に入ってくれると思ったんだけどな…いや、何回か押せばいけるかな」


秋雲「朝霜をぱぱっとシめちゃえば言うことを聞くとして…んん~まだ足りないか」

ピカッ


秋雲「ん?何か光った?誰か照明弾でも使った?」


秋雲「まあ秋雲さんには関係ないからいいけどねぇ~」


秋雲「にしても…ニンジャ由良をどうするかだよなぁ。あれさえ無ければ割と楽なんだけど…」


ピカピカッ


秋雲「んもぉなにぃ~?眩しいんだけど」


秋雲「…もしかしてあれ?早霜が誰を敵に回したかってやつ?」


秋雲「悪いけど秋雲さんはオカルトは信じないんだよね。始まりの艦娘とか神様もどきとか」


秋雲「富士とかもどうせ旧大本営の出来損ないか何かだろうし、気にするだけ無駄」


秋雲「早霜が言ってた敵が誰か気になるなぁ……ちょっと面倒臭いけど色々調べるかぁ」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

秋雲「……そうか暁とレ級だ!レ級の超重力砲はともかく暁のクラインフィールドはヤバイ!」ガタッ


秋雲「うっわ~絶対そうじゃん……あれを貫ける武器なんか無いってぇ…」


秋雲「レ級って確か重力砲の威力詐欺ってたんでしょ?なら暁のクラインフィールドがもう使えないっていうのも絶対嘘だって……」


秋雲「作戦変更か…次の日向さんと面会するのいつだっけ?その時までには新しい作戦を…」


「その必要は無いわ」


秋雲「あん?どっから声が…」


バリバリバリバリバリバリッ


秋雲「うぎゃーーーーーーー!!」


「オカルトごときにやられて恥ずかしい~」


秋雲「あ、ぁ、ぁ…………」ガクッ


「やり過ぎてないでしょうね?」


「うるさい。あたしはまだ許してないんだから気安く話しかけないで」


「そう…」


ーー

明日はお休みです


コメントなどあればお願いします

ーー


清霜「大丈夫秋雲?」


秋雲「あぁうん…」


飛鷹「タブレットか何かから漏電して感電だなんて笑えないわよ?」


秋雲「ヘマしちゃったと…いうことで…その…」


清霜「もうすぐイベントがあるんでしょ?」


秋雲「そうなん…だよねぇ…」


飛鷹「締切までは少し余裕があるけど、秋雲が倒れてちゃどうしようも無いわ」


秋雲「その通りなんだけどさ…」

清霜「今度描こうとしてたのは凄い自信作なんだよね?」


飛鷹「なんでもこれまでにないくらいのスケールで、リアルさが売りだとか」


秋雲「あの……」


清霜「秋雲にしては珍しく恋愛ものじゃなく戦記ものに近いって」


飛鷹「レポートとかそういう形になるかもしれないんじゃなかった?」


秋雲「……」


清霜「SNSであれだけ煽ってたんだから凄い自信があるっていうのは分かったよ」


飛鷹「私達も期待しちゃうわ」


秋雲「…………」

清霜「こっちは撮影も終わって編集もほとんど終わったよ」


飛鷹「清霜写真集改…これは必見よ!」


清霜「一般向けのイベントでどこまで需要があるのかな…」


飛鷹「清霜の魅力は言葉では語り尽くせない。それを詳細する機会なのよ!」


清霜「はいはい、分かったから落ち着いて」


秋雲(ここの提督を拘束してあんた達を全員辞めさせる所を描こうとしてたなんて言えないって…)


秋雲(登場人物とかは全部誤魔化して、ストーリーだけは忠実に…その予定で日向さんにも秋雲さんが作ったシナリオ通りに事を進めるって言っちゃったもんなぁ…)


秋雲(どうにかして…この計画から手を引く方法を考えないと…)


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

ーー


秋雲(…ちょっと考えたけどこれしか無いか。秋雲さんが考えたシナリオを大本営に密告する)


秋雲(今の大本営は良くも悪くもまともになった。旧大本営派の艦娘が~って言えば速攻で動く)


秋雲(そう…これで終わり。日向さんには悪いけどやっぱり自分の身が可愛いもんね)


秋雲(で、も。転んでもタダで起きないのが秋雲さんなんだよねぇ~)


秋雲(今回のイベントは秋雲さんが主人公で行く予定だった。だから本になっても清霜達は気付かない)


秋雲(秋雲さんが日向さん達も繋がってるだなんて知るはずが無いからねぇ~)


秋雲(でもこうなった以上はそれは無理。ストーリーを替えて本を描いていこう!)

秋雲(主人公は日向さんに変更。そして密告する秋雲さんが悪役って所かな)


秋雲(うん、うん…新しい話ができそうだね!こりゃあ忙しくなるぞぉ!)


秋雲(この世に現実よりリアリティのあるものは無いもんね。日向さんには悪いけど秋雲さんの本の為に人柱になってもらいましょ~!)


秋雲(そうと決まったら…よし)ムクッ


秋雲「日向さんと面会に行って、途中までシナリオ通りに進めとこう。そしてギリギリで秋雲さんは離脱!」


秋雲「頼むよ大本営~秋雲さん、いや艦娘の味方をしてくれよぉ~」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

ーー収容所


秋雲「……ってわけで、こっちは超順調ですよ!」


日向「……」


秋雲「横須賀鎮守府の提督を拘束する手立ては整っちゃいました。いや~まさかこんなに上手くいくだなんて思ってなかったというかぁ~」


日向「……」


秋雲「そっちはどうですか?日向さんの仮釈放はいつ頃になりそうな感じです?」


日向「……秋雲よ」


秋雲「ふぁい?」


日向「何か……隠していることはないか?」


秋雲「……っ!!」ゾクッ

秋雲(なにこの全てを見透かしたような目…まさかバレた!?)


日向「……」


秋雲(違う、そんなはず無い!ここで変なことを言ったらそれこそ怪しい!ここは冷静に…)


秋雲「やだなー日向さん、そんな事ありませんって」


日向「…そうか、ならいいんだ」


秋雲「も~日向さんったら。あ、もしかして日向さんこそ私に隠し事してません~?」


日向「安価」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

日向「特務艦が何かを嗅ぎ付けた。尋問が増えてきている、そっちも注意しろ」


秋雲「特務艦が…これは厄介ですね~」


秋雲(ほーらやっぱり、何も知らないって。危うくゲロっちゃう所だったわ)


秋雲(特務艦に知られてるならむしろ好都合!いや~天は秋雲さんに味方したねぇ)


日向「そこで、だ。お前にもう一つ言っておくことがある」


秋雲「んぇ、なんでしょ?」


日向「おい、入ってこい」


「……」ガチャッ

秋雲「刑務官が入ってきたってことはもう面会が終わりですね。じゃ…」


日向「彼は我々の味方だ」


秋雲「……は?」


「日向さんの為に協力します」


日向「こっちはお前のシナリオでいうフェーズ2に移行した」


秋雲「あ、あわわわ……!」


日向「お前の言う通り全国の鎮守府と大本営は我々の味方にならない。ならばそれ以外を味方にすれば良いという考えは中々良かったぞ」


秋雲(やっば……!もう刑務官を味方にしてるとか予想外過ぎ!)

日向「これが何を意味するか分かるか?」


秋雲「え、えっと……」


日向「私はいつでもここから出られるということだ」


秋雲「!!??」


日向「マスコミや他の奴らの買収も進める。だからお前もやるべきことをやれ」


秋雲「ぁ……」


日向「分かったな?」ギロッ


秋雲「はははははははい!!全力で頑張らせてもらいます!!」


秋雲(ヤバイヤバイヤバイ…!)


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

ーー


秋雲「もう無理……なんでこうなるんだよぉ…」


秋雲「秋雲さんはそんなつもりじゃなかった…ただ面白い作品が描きたかっただけなのに…」


秋雲「このままじゃ秋雲さんの命に関わる…明日にでも大本営にチクッて全部終わらせ……」


ザザザッ


秋雲「は…え……?」


深海綾波「……」


信濃「横須賀鎮守府の秋雲ね」


秋雲「あの…え……?」


傀儡大和「少しお話しがあります」


深海綾波「話は後、とにかく拐っちゃいましょう!」ババッ


秋雲「む、むぐぅーーーー!」

ーー某所


秋雲「殺される殺される殺される…!」ガタガタ


信濃「なんで簀巻にする必要があったのよ。これじゃ拉致と同じじゃない」


深海綾波「だってこの方が早いじゃないですか!」


傀儡大和「ふふふ…」シャカシャカ


秋雲「あば、あばばば……」


傀儡大和「どうぞ秋雲さん。お茶ができましたよ」スッ


秋雲「べべべべべべべべ…」


傀儡大和「さぁどうぞ遠慮なさらず。ここはお茶会の会場なんですから」


信濃「大和、まずは状況を説明してあげないと困惑するわよ」


傀儡大和「あ…そういえばそうですね」

傀儡大和「秋雲さん、日向さんと何度も面会してるそうですね」


深海綾波「面会自体に問題は無い。けど相手があの日向なら話は別」


信濃「何も知らないならそれでいい。ただ確認したかっただけなのにこの綾波が…」


深海綾波「逃げられたらレ級様に怒られる!」


信濃「この件はあっちは関係ないでしょ。変なことしたら怒られるのは私なのよ」


傀儡大和「うふふふ…」ニコッ


秋雲「……」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

秋雲(こ、このプレッシャーには耐えられない……もう全部ぶちまけて終わらせる!)


秋雲(多分秋雲さんも拘束されるけど殺されるよりは全然マシ!だから…)


「すいません少しいいでしょうか?」


信濃「なに?ここは個室で誰も通さないでって言ったはずよ」


「幹部と名乗る方からのご連絡なのですが…」


信濃「…もうタイミングの悪い!」


深海綾波「じゃあ後は綾波が…」


「綾波様はレ級様から。大和様宛にも電話が来てます」


傀儡大和「あら…」


深海綾波「レ級様いやぁーーーーー!」ダダダッ


信濃「そこで大人しく待ってなさい秋雲、すぐに戻ってくるから」


秋雲「あ、はい……」

秋雲「一人だけにされると凄く不安なんだけど…でも待つしかない…」


「あの…」


秋雲「え?まさか秋雲にも電話?」


「電話ではありませんがお伝えしたいメッセージがあります」


秋雲「なんでしょう…?」


「買収は順調に進んでいる……と」


秋雲「ひ、ひぇ……っ!」


「もちろん我々も日向さんの仲間です。貴女も頑張って下さいね」


秋雲「逃……逃げられないぃぃ……!!」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

ーー


信濃「なによもう、全然急ぎじゃないことでわざわざ連絡してきて…」


深海綾波「何もしてないのにレ級様怒ってたぁ…!」ガタガタ


傀儡大和「随分と不思議な電話でした…」


秋雲「あの…秋雲さんそろそろ帰る時間……」


信濃「まだ話は終わってないわよ」


秋雲「う……」


傀儡大和「うふふふふ……」ニコニコ


深海綾波「ふぇぇぇ…」

信濃「日向に脅されてても大丈夫。こっちは特務艦が三人も居るのよ」


深海綾波「……」ガタガタ


傀儡大和「……」ニコニコ


信濃「…あまり強そうに見えないのは認めるわ。けど実力は本物だから信じて」


秋雲(どっちに転んでも地獄とか…無理ぃ……!)


傀儡大和「……」スッ


秋雲「あ、え…何を……」


傀儡大和「……」シャカシャカ


秋雲「砂糖……それをお茶に入れた…?」

傀儡大和「……」スチャッ


秋雲「ちゅ、注射器!?」


傀儡大和「…ふふっ」チュゥゥゥ


秋雲「さ、砂糖って……そういう意味の!?」


傀儡大和「秋雲さん…そのまま大人しくしてて下さいね…?」


秋雲「あぎゃーーーーーーー!!」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

これは珍しい再安価ですね


下2 お願いします

ーー


秋雲「あへへへへぇ~あはぁ~~~」


傀儡大和「やっぱり秋雲さんは知っていたようですね」


深海綾波「怖い…何の躊躇いもなく『砂糖』を使える大和さんが怖い……」


信濃「特務艦だから許されるのよ」


深海綾波「だからってさぁ!」


信濃「でも聞き出せたのは単語だけ。フェーズ2…計画…何を意味してるのかしら」


傀儡大和「もう少し注射しますか?」スッ


秋雲「んへへへへへへぇ~」


信濃「…そうね、お願いできる?」


傀儡大和「分かりました、それでは……」

ボフンッ


信濃「う!?」


深海綾波「なんだなんだぁ!?」


傀儡大和「これは…忍の仕業です」


深海綾波「…あ!秋雲が消えた!」


信濃「あの状態じゃ自力で動けない。誰かが秋雲を逃がした!」


傀儡大和「……敵です。四人…いえ、五人」


深海綾波「何が起こってるんだよぉ…!」

ズラッ


信濃「相手が忍なら問題無い。あの槍があれば…」


深海綾波「違う!相手は艦娘だ!」


「……」


傀儡大和「この子達…収容所にいるはずの艦娘です。どうしてこんな所に?」


信濃「事情は後よ、とにかく全員無力化して…」


「……」スッ


深海綾波「何を取り出し……」


傀儡大和「!!間に合わな……」



「より正しき世界の為にーーー!」カチッ

「…」カチッ
「…」カチッ
「…」カチッ
「…」カチッ


ドォォォォォォォン……

ーー横須賀鎮守府近郊


秋雲「あ……あれ?秋雲さんどうしてここに…?」


秋雲「確か日向さんと会って……特務艦に囲まれて…」


秋雲「……どうしたんだっけ?」


秋雲「どうしようも無くなって…命からがら逃げ出した?あの三人から逃げられた?」


秋雲「うーんとてもそうとは思えないけど…ここは鎮守府の近くだし…」


秋雲「…今日はとりあえず帰るか。締め切りもあるしなぁ……」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

ーー


漣「大本営へのテロ…」


提督「被害に遭ったのは信濃達特務艦だ。全員生きてはいるが予断を許さない状況らしい」


漣「テロを仕掛けたのは旧大本営派で間違い無いんですよね?」


提督「そうだ、艦娘を使った自爆テロ…」


漣「やってることがおかしいんですって…」


提督「今回のテロでは四人の艦娘が犠牲になった。全員爆弾を体に巻きつけていたらしい」


漣「何でそこまでして……」

漣「でも今回の件は以外と早く決着がつきそうですね。深海綾波が被害に遭ったのが原因で親衛隊が動き回ってます」


漣「思えばあの深海綾波と会ったから漣も嫁を手に入れられたんです。少しくらい協力してもバチは当たりませんよね」


提督「……」


漣「何を考え込んでんです?」


提督「俺が今回の事件で気になっているのはマスコミなんだ。テロの被害に遭ったはずの大本営を攻撃するメディアが多い」


漣「……所詮マスコミなんて金の言いなりなんですよ」


提督「なら金を流している奴がいるということになる」


漣「……」


提督「ただの俺の思い過ごしであって欲しい。だがこの胸騒ぎはなんなんだ…」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

ーー


秋雲「ヤバイヤバイヤバイ…テロの被害に遭った特務艦ってあの人達じゃん!」


秋雲「一歩間違ったら秋雲さんも…」


秋雲「ひぃぃぃぃーーー!死にたくないってぇ!」


秋雲「あいつら頭おかしい…艦娘で自爆テロとか…」


秋雲「次の目標は……」


秋雲「あ"ぁぁぁぁーーーー!」


秋雲「殺される殺される殺される……」ガタガタ

秋雲「こんな予定じゃなかったのに!秋雲さんはこんなの望んでないよ!」


秋雲「ただ…軽い気持ちで……」


ピロンッ


秋雲「こんな時になに!?」


秋雲「…イベント本の締め切りなんか今どうでもいいんだよおぉぉ!!」


秋雲「それよりこっちは生きるか死ぬかなんだって!こんなに追い詰められたこと…」


秋雲「……」


秋雲「待てよ。これはこれで……」


秋雲「…いける。秋雲さんに神が降りてきた!」

ーーイベント当日


清霜「凄い売れ行きだね秋雲!」


秋雲「なっはっはっ!まぁね!」


飛鷹「私も読んでみたけど凄いわ。追い詰められる主人公の心情…まるで本当に見てきたみたいね」


清霜「こんなのを考えてたなんて。それは自信有りって言っちゃうよね」


飛鷹「あんな話を思い付くなんて流石としか言いようがないわ」


秋雲「んふふ~もっと褒めてくれても良いよ!」


秋雲(秋雲さんは転んでもタダじゃ起きない。自分を主人公にして本を描く…いやぁイイ本が描けたから結果オーライってことにしとこうかな)



下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

秋雲「さて、粗方売れちゃったしちょっとお花摘みに行ってくるねぇ~」


飛鷹「行ってらっしゃい」


清霜「…ねぇ飛鷹さん」


飛鷹「ええ、この本の話は私達の周りで起こったことみたいね」


清霜「名前とかは全部違ってるけど話は全部同じ」


飛鷹「それくらいは別に良いのよ。当事者じゃないと分かりっこはずないんだから」


清霜「問題はこれだよね」スッ


飛鷹「悪役で牢獄に入っている向井。これは私達に当て嵌めるなら旧大本営派の艦娘のリーダー」


清霜「日向……」


飛鷹「そうだとしたらまずいわね」

清霜「秋雲は司令官を捕まえて日向さんを逃がすつもりなんだ」


飛鷹「これに描いてあることが事実なら、もう手遅れなくらいに事が進んでいる」


清霜「この前のテロも……この本に出てくる特攻だと解釈できちゃうよ」


飛鷹「…まずは秋雲を問い詰めるわよ」


清霜「秋雲…どうしてこんなことを」


飛鷹「まだそうと決まったわけじゃないの。慎重にやるわよ」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

ーー


飛鷹「どこに行ったの!?」


清霜「この近くに居るのは間違いない。まだ会場からも出てないよ!」


飛鷹「あの反応と話を聞いて逃げ出した…これは自白しているようなものよ!」


清霜「秋雲~!いつまでも逃げてちゃいけないよー!」


秋雲「はぁ…はぁ……」コソッ


飛鷹「ここには居ないみたいね。向こうを探しましょう」


清霜「なら飛鷹さんはあっちから向かって!」


飛鷹「了解よ!」


秋雲「……うぅ…なんでぇ…」

秋雲「飛鷹達も敵かどうか分かんないし…もう何も分かんないよ…」


秋雲「どうしてこんなことに…」


グチャッ


秋雲「…………」


秋雲「……あれ?この服…赤かったっけ……?」


秋雲「あれれ…なんで……秋雲さんのお腹から…刀が生えてるのかなぁ……?」


秋雲「痛い…痛いよ……」


日向「……」


秋雲「日向……さん…?」

日向「そっちのフェーズ2は横須賀鎮守府の艦娘が不祥事を起こすことだったな」


秋雲「あ……え…?」


日向「それはお前だ。オータムクラウドがアンチに刺される。艦娘が同人活動など相応しくない」


秋雲「日向…さ……」


日向「これがお前を攻撃していたアカウントの入っている端末だ」カランッ


秋雲「なん……で…」


日向「それはお前か一番分かっているだろう」


秋雲「ぁ……」

日向「お前のシナリオは矛盾が無く素晴らしいものだ。普通こういうものを考える時は誰かが得をしようと欲をかく」


日向「だがお前の案はそんなものは一切なかった。合理的かつ理想的に私が動けた」


秋雲「……」


日向「お前は得を考えたのではなく『面白くなる為に』あれを考えた」


日向「……」ズズズッ


秋雲「あ……抜いて…くれ……」


日向「……斬」


ザシュッ

日向「私はお前ほど愚かな艦娘は知らない」


日向「同人活動が悪だと言わない。だがそれに全てを捧げるなど…」


日向「お前は何もわかっていない。遅かれ早かれこうなる運命だった」


日向「遊びで戦争をやっている奴は殺される」


日向「そう…お前のようにな」


秋雲「」


日向「…お前のシナリオは使ってやる。有り難く思え」


日向「さぁ…こちらはフェーズ3に移ろう」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

ーー病院


信濃「ん……」


菊月「運が良かったな」


信濃「私……」


菊月「あと数時間遅かったらお前の命は無かった」


信濃「……グラーフね」


菊月「大和と綾波も無事だ。流石は特務艦と言っておいてやろう」


信濃「それはどうも…」


菊月「自爆テロを許すとは脇が甘いんじゃないか?」


信濃「あの状況じゃ無理よ…」

菊月「それよりこれを見ろ」バサッ


信濃「……秋雲が殺されたのね」


菊月「前回のテロと合わせて鎮守府と大本営が警戒態勢に入った。だがこれも秋雲の考えたシナリオ通りらしい」


菊月「フェーズ3…厄介なことになった。日向が脱獄した」


信濃「嘘よ、だって…」


菊月「そうだ、塀の中には日向が…奴の影武者が居る。刑務官達が日向に付いた」


信濃「……」


菊月「それだけじゃない。奴らは着実に力をつけているぞ」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

ーー横須賀鎮守府


提督「……」


漣「ご主人様、何を調べているんですか?」


提督「刑務官達が日向の味方をしたというのが信じられない。菊月達のように何か能力があるんじゃないかと思うんだ」


漣「それはありませんよ。あるならもっと別の方法を使ったはずです」


提督「……」


漣「そうでなければ秋雲を殺そうとしません」


提督「そうか…」


漣「でも日向の場合はもっとタチが悪いかもしれません」

漣「旧大本営派の艦娘に話を聞いたことがあるんです。彼女はあんなことをする艦娘じゃなかった」


漣「でも日向さんに会って話を聞くとその気にされるんですって。あいつは他人を惹き付ける何かがあるんです」


漣「艦娘は兵器、それ以上以下でも無い。日向の言ってることは間違っちゃいないんですよ」


漣「ご主人様、周りは敵だらけです。鎮守府の周りで怪しい黒服がうろついてたのを由良さんが目撃しています」


提督「……」


漣「ご主人様…」


提督「俺は…問題ない」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

ーー


蒼龍「秋雲が……」


ポーラ「残念ですぅ…」


山城「嫌な予感はしてたのよ…」


名取「日向の味方をした忍を特定できれば勝機はあるわ」


Y朝潮「司令官は…私の命に替えてもお守りします」


ーー

明日の更新はお休みです


コメントなどあればお願いします

ーー


提督「二週間の外泊許可か…」


霞「もうすぐ薬剤師の免許試験があるの」


漣「今より扱える薬の種類や量を増やす為の免許でしたよね」


霞「ギリギリまでここで勉強しようかと思ってたんだけど、やっぱり少し集中したいの」


提督「外泊は構わないんだが…」


漣「ぶっちゃけ薬って持ちます?」


霞「心配要らないわ、かなりの量を備蓄しておいたから」


漣「流石は霞ネキですね」


霞「私の薬で持ってるようなのもいるんだし、そこは分かってるわよ」

提督「試験は受かりそうなのか?」


霞「誰に言ってるのよ、間違いなく受かるに決まってるでしょ」


漣「じゃあここに居て勉強したらいいじゃないですか」


霞「それは…その……」


提督「集中して勉強したい時もあるだろう。無理にここに居てもらう必要もない」


霞「…ありがとう」


漣「ご主人様、清霜達と秋雲からも外泊許可の申請が来てます。イベントに向けた取材や作業でしょうな」


提督「全て許可しよう。霞も頑張ってきてくれよ」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

早霜が話しかけてくる

(ちょっと時戻りか)

ーー


提督「…という訳なんだ。薬の問題は無いが医務室の問題がある」


多摩『事情は分かったにゃ。千歳にそっちに向かわせるにゃ』


提督「そうしてもらえると助かる」


多摩『用心に越したことはないにゃ、提督の考えを尊重するにゃよ』


提督「外部から他に医師を呼ぶのが一番早いんだろうがな…」


多摩『事情を受け入れてくれる医者がいるか微妙にゃ。それに霞の薬の件をチクられるとマズイにゃ』


提督「霞の薬は合法だ。違法では無いんだが…」


多摩『提督も色々と突っ込まれるとマズイのは自覚してるみたいにゃね』


提督「……」

多摩『とにかく、期限が決まってるならこっちは大丈夫にゃ』


提督「ありがとう多摩」


多摩『礼はいいからそっちも気合い入れろにゃ』


提督「そうだな…」


多摩『横須賀鎮守府の提督としてせめて人前ではかっこつけるにゃよ』


提督「分かってはいるんだがな…」


多摩『はぁ…凄く心配だにゃ』


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

ーー


早霜「もう荷物がまとめ終わったの?」


霞「ええ、個人が特定されるような物は持っていかないもの」


早霜「外泊ってどこに泊まるの?」


霞「ウィークリーのマンションよ。都市部には色んな建物があって便利よね」


早霜「皆んな…応援してるって元気付けてたわね」


霞「……」


早霜「本当は何をしに行くのか知ったら…」


霞「黙りなさい。試験を受けに行くのは本当なのよ」

早霜「嫌な予感がするの。せめて司令官には知らせておいて」


霞「嫌よ」


早霜「どうして…」


霞「言っておくけど私に黙って司令官に言ったら、朝霜の命は無いわよ」


早霜「無理よ、貴女が艦娘を殺せるわけない」


霞「一人でも命を奪ってしまえば後は何人やっても同じ。私はこの子を殺しに行くのよ」さすさす


早霜「……」


霞「この子に比べたら朝霜なんて。それに水道に薬を混ぜれば全員やれる」


霞「貴女は何も知らない。大人しくここで私の帰りを待ってなさい」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

秘密にする代わりに私も着いていくと言う早霜
本当に全てバレて終わりになるのは貴女も望んではいないでしょうと

霞の微かな声の震えを感じ取った早霜は>>722

この二人命のやり取りしたっけなぁそういえば

早霜「私は数え切れないくらい殺めてしまった。だからこそ言える、その子は殺してはいけないの」


霞「……」


早霜「それに私や朝潮の最期を考えると、子どもを堕ろした方が悪影響よ」


早霜「だから……」


霞「黙りなさいって言ってるでしょ!!」


早霜「……」


霞「この鎮守府のことも司令官のことも何も分かってないくせに偉そうに言わないで!!」


霞「私が黙っていればそれで済む!たったそれだけなのに事を荒げようとしないで!」

霞「前に私を殺せなかったのがそんなに悔しいの?だから私の邪魔をしたいの!?」


早霜「それは違う…あれは私であって私じゃ……」


霞「もういい!私は行くから!」


早霜「霞…」


霞「着いて来てこないで。もし着いて来たら…分かるわね?」


早霜「……」


霞「もしマンションの近くで誰かを見かけたら飛び降りてやるから。覚えておきなさい」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

自分の業はまだ消えないのね…と自嘲しながら協力者を慎重に考える早霜

ーー


早霜「私は二度地獄に落ちている。一度目は整備士に解体された時、二回目は菊月にやられた時」


早霜「現実ではそこまで時は経っていなかったけど、永遠ともいえる時間を地獄で過ごした」


早霜「その全てが幻なのかもしれない、けどあの苦しみと絶望は私の中に残っている」


早霜「それでも…まだ業は残っているのね」


早霜「向こうの世界で××と戦っても…とても精算しきれなかった」


早霜「もし私に業が残っていなければ、霞を止められたかもしれない…」

早霜「…まだよ。私で無理なら他の誰かに頼ればいいの」


早霜「でも一体誰に相談すべきなのかしら。下手に知らせてしまうと霞は死んでしまう」


早霜「あの目に嘘は無かった。もし誰かが迂闊に近付けば霞は本気で死ぬつもり」


早霜「私はどうすればいいの、このまま黙っているのが正解だというの?」


早霜「そんなの無理よ。誰にも知らせないなんて間違ってる」


早霜「期限は二週間……短いわね」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

榛名「早霜さん、浮かない顔をしてどうしましたか?」


早霜「…なんでも無いわ」


榛名「さっき霞ちゃんと何か話してたみたいですけど、その時に何かありましたか?」


早霜「いいえ…何もないわ」


榛名「そうですか…」


早霜(榛名さんには教えられないわ。彼女に知らせてしまったらきっと…)


榛名「早霜さん、榛名なら大丈夫です。話してくれませんか?」


早霜「何のことかしら?」


榛名「霞ちゃんのお腹の中にいる子どもについてです」


早霜「知って……いたの…?」

榛名「失礼かもしれませんが、早霜さんは霞ちゃんとはそこまで親しくないですよね?それなのに出発直前に私と会った後に二人で会う…普通では考えられません」


早霜「だから私が事情を知ってると…貴女も知っていたら止めるべきよ」


榛名「霞ちゃんが何も言わなかったからです。妊娠したのは提督の子どもで間違いないでしょう」


早霜「貴女、それでも霞の…」


榛名「この鎮守府をよく知っているからです。もし霞ちゃんが提督の子どもを妊娠したとなれば、どうなるか分かります」


榛名「榛名では…力になれなかったんです……」ポロポロ


早霜「……」


榛名「私が頼りないというのもあるでしょう…けど、それ以上にこの鎮守府を思っての行動…止められません……」


榛名「霞ちゃんはこの鎮守府に無くてはならない存在なんです……」


早霜「おかしいわよ貴女……そんなの霞の為じゃない…」


榛名「分かってます…全部分かってて……止められませんでした……」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

生まれ落ちるまでは法律上生命ではないと建前を自分に言い聞かせる霞

ーー


菊月「私に相談とはそんな話か。いつかのリベンジマッチかと思ったぞ」


早霜「やめて…笑えない冗談よ」


菊月「私に相談するのは正解だな。あの鎮守府の連中なら誰に言ってもダメだろう」


早霜「そうよね…」


菊月「子どもは生かせて霞は中絶したと思わせる。そして横須賀の連中には知らせない」


早霜「どう思う?」


菊月「無理だ。現実味が無い」


早霜「そんな…」

菊月「霞が住んでいるマンションも分からなければ中絶する病院も分からない」


早霜「病院ならなんとか調べられるんじゃないの?」


菊月「金さえ払えば名前すら告げず中絶できる病院がある。プライバシーを守るためな」


早霜「……」


菊月「どれか一つに絞る必要がある。子どもを生かすのか、霞をどうにかするのか」


早霜「随分と残酷ね…」


菊月「元はと言えば避妊しなかった霞が悪い。手を貸してやるだけ有難いと思え」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

菊月「最悪は鎮守府に知られる事か…」
早霜「いえ、生まれてくる子を含めて誰か一人でも死ぬ事よ。霞…あの子をどうにかするのが一番ね」

ーー某所


霞「あれだけ言ったんだし、早霜も誰かに言ったりしないはず。もし付けられたりしてたらここから飛び降りればいい」


霞「病院もある程度は調べてある。身分を証明するものが何もなくても子どもは堕ろせる」


霞「このマンションには私がここに来ているという証拠は何もない。ケイタイだって解約して捨てておいたんだもの」


霞「ここまでしないといけないだなんて…頼もしい味方が多いけど、こういう時は厄介ね」


霞「…今日は移動で疲れたわ。もう寝て続きは明日ね」


霞「お休みなさい……」

霞(……思えば横須賀に来てからね)


霞(司令官は目に見えて疲弊していた。前とは違って横須賀では結果を異常に求められる。疲れるのは当然)


霞(司令官はただ提督をしていれば良いだけじゃなかった。調子の悪い子がいれば話をしてケアをする。普通に提督業だけでも大変なのに、司令官にとってはオーバーワークもいい所)


霞(驚いたのは龍驤さんと夜をあまり過ごさなくなったこと。朝霜と三人でというのはあったみたいだけど、明らかに頻度が減っていた)


霞(そこまで余裕が無くなっていただなんて…なんとかしてあげようとしたのが間違いだったのかもしれないわね)


霞(なんとかするにしても、他の方法はあった。あんな事しなくても……)

ーー


提督『……』


霞『この薬はいつもより深く眠ってしまう。一度眠れば何をしても目覚めない』


霞『何をしても……ね』シュルッ


霞『司令官……私が癒してあげる。だからもう倒れたりなんかしないで』


提督『……』


霞『はぁ…あぁ……ぁぁん…』


霞『眠ってても…ここは……凄い…わね……んんっ…』

霞『ん、んっ、んん……』ギシギシ


提督『……』ピクッ


霞『もう出るの……なら…』ギュッ


霞『司令官のストレス…不安な気持ち…全部私の中に出して……』ぼそぼそ


提督『……っ』


霞『あ……!凄っ……ゃ……』


霞『もう…司令官ったら……こんなに溜めてたのね…』

霞(司令官と体を重ねたかったんじゃない。私とシた後司令官の体調は良くなっていた)


霞(だから私は何度も何度も司令官とシた。その度に司令官が元気になるのが嬉しかったから)


霞(最初のうちはちゃんと終わった後に薬を飲んで避妊してた。でもあの日…あの一日だけだった)


霞(徹夜明けで疲れてて…司令官に出されて繋がったまま寝てしまった)


霞(寝てた時間にすれば一時間くらい。司令官は二時間は眠っているからバレてはいない)


霞(でも……その妊娠するには十分な時間だった)


霞(まさかたった一回失敗しただけで…運が良いのか悪いのか分からないわね)


霞(でも私が子どもを堕ろせば全てうまくいく。何も問題は無いのよ…)


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

不思議な夢を見る霞

色とりどりの花々が咲く場所に居る霞
まだ芽を出したばかりの種が踏み潰してしまい周りの全てが枯れていく

>>751

ーー

霞『ここはどこ?周りには何も無い…』


霞『あるのは花だけ。それも見たこともないような綺麗な花々』


霞『これは…何……』


グシャッ


霞『あ…何か踏んだ…小さい芽?』


グジュグジュ…


霞『私が踏み潰した芽の周りが変色して…枯れていく…』


ザァ…


霞『なに…?これは一体何なのよ……!』

ーー


霞「……変な夢を見たわね」


霞「あんな変わった夢を見るなんていつ以来かしら。色々と悩んでた時期以来かもしれないわね」


霞「……もう決めたのよ」


霞「今日は試験、それが終わったら病院に向かうのよ」


霞「早く終わらせて…鎮守府に帰りましょう」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

ーー


霞(試験はなんとかなった。けどあの夢と早霜の言葉が頭の中でずっと回っていた)


霞(私が子どもを堕ろすことが悪影響…それだけを考えたら確かにそうなのよ)


霞(でもそれは私が妊娠していることを皆が知っているという前提。こんなことが知れたら鎮守府は崩壊する)


霞(夢…あの夢も忘れられない)


霞(あの芽はこの子の未来?それを私が潰そうとしてる?)


霞(芽が潰れると周りの花が枯れた。それは即ち…)


霞(……たかが夢なのにここまで考えるだなんて)

霞(今日にでも堕ろそうかと思ってたけど今日はやめておきましょう)


霞(鎮守府に帰るまでまだ数日あるし、今じゃなくてもいい)


霞(けど診察はしておいて貰って損は無いわよね)


霞(決めた、今日は病院にだけは行く。そしてこの子の状態を確認する)


霞(堕ろすのはいつでもできるのよ。それが分かってるから問題ない)


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

病院にて
変に早く堕胎を勧めてくる医者にクソ分厚い同意書にサインを求められ、内容の確認もろくにさせてもらえない
流石に不審がる霞

ーー


霞「試しに行くだけにしておいて良かったわ。あの病院は信用できない」


霞「やたらと中絶を勧めてくるし、変な書類にサインさせようとするし…」


霞「これは他の病院にした方が良さそうね。普通なら苦労するところだけど、ここは都会だしすぐに他の病院が見つかるわ」


霞「日にちに余裕を持っておいて良かった。本当なら慌てて病院を探してるとこよ」


霞「時間潰しでもしながらゆっくり帰れるわね」

霞「…それにしても都会って何でもあるのね。この辺りは大きい屋敷が多いみたい」


霞「…家じゃなくてお店なのね。よく見ると看板が立ってたわ」


霞「どんな店なのかしら、看板を見ただけじゃ分からないわね
。私には関係ないから別にいいけど」


ボフンッ


霞「…何の音?この店から聞こえたけど」


シュバッ


霞「誰か飛び出して行った?あの身のこなし…忍ね」


霞「それに何かを抱えていたわね。あの大きさから言って…人?」


霞「まさか誰かを拐った?なら警察に通報すべき」


霞「でも今はケイタイも何も持ってないのよね…」

霞「少し様子を見てみようかしら?何も問題なさそうならそれで良いし…」


「……!」


霞「誰かの大声?ということは事件か何かかもしれない…」


霞「一応警察に言った方が良さそうね。近くに公衆電話か何か…」


「……!!」


霞「え……」



ドォォォォォォォン……

ーー


「先生、急患です!」


「患者の容態は?」


「爆発に巻き込まれたようで全身丸焦げで…」


「そうか…最善を尽くそう」


「あと患者は艦娘です。艦種は分からない状況で…」


「状況は分かっている、無理もない」


「それと…患者は妊娠しています」


「なんだと?」


「妊娠二ヶ月ほどでしょうか。それと身分が分かるようなものも無く…」


「とにかく治療だ。せめてお腹の中の子どもは救うぞ」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

ーー


「こんにちは。ここがどこだか分かりますか?」


霞「病院…」


「そうです。なら貴女は誰か分かりますか?」


霞「いいえ…」


「そうですか…」


霞「私は酷い怪我をしてここに運ばれた。それは分かるんです」


「一部の記憶が無くなる記憶障害ですね」


霞「私…どこの誰なのかも分からないのよね」


「そうですね、身分を証明するものを持ってなかったんです」

「貴女は酷い状態でした。艦種も分からなかったので顔をどうすれば良いか分かりませんでした」


霞「この顔は私のものかどうかも分からない…」


「行方不明になっている艦娘を調べるにしても貴女の情報がありません」


霞「それと私は…妊娠してる」


「あの怪我で母子共に無事なのは正に奇跡です」


霞「この子は特殊な子どもなのよね」


「はい、艦娘の子どもを妊娠しています。早ければあと一ヶ月で出産もあり得ます」


霞「私が誰かも分からないのに子どもを産むなんて…」


「私達は全力でサポートします。どうか安心して下さいね」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

ここはまともな病院だった。所属不明で妊娠までしている艦娘…情報がすぐ上がり幹部さんが面会に
ただ、お互いに相手に気づかない

ーー


提督「霞……」


漣「はいわかりました。それでは失礼します」ガチャッ


龍驤「どうやった?」


漣「ダメです、霞に繋がる情報は無しです」


龍驤「そうか…」


漣「霞が試験だとここを出て行ったのが一ヶ月前。まさか行方不明になるだなんて…」


龍驤「不満があったとかでは無いと思う。なら考えられるのは…」


漣「誰かに拐われた」


龍驤「それしか無いんやろな…」

漣「霞さんは大量の薬を作ってくれていました。薬については問題ありません」


龍驤「それやからええってもんやない。霞はウチらの大切な仲間や!」


漣「拐ったとするなら考えられるのは日向率いる旧大本営。秋雲だけじゃ飽きたりねぇと」


龍驤「なぁ……」


漣「霞は生きてます。つまんないこと言わないで下さいよ」


龍驤「うん…そうやんな…」


提督「霞…どうか無事でいてくれ」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

ーー

漣「そんな……」


早霜「本当なら姿を消す必要は無かった。ただ中絶の手術をすれば良かっただけなのよ」


榛名「帰ってこれない事情ができたとするなら…」


早霜「もう中絶できる期間を過ぎてしまった。霞は人の子だと言ってたけど精密検査まではできていないはず」


榛名「早霜さんが話を聞いた時に一ヶ月なら…もう中絶はできません」


早霜「霞は子どもを産むだけ産んで、あとは…」


漣「あんたら…舐めてんすか……なんでそれを知らせなかったぁ!?」


榛名「龍驤さんの事を思えば言えるわけありません!」


漣「だからって黙ってる馬鹿がいるか!!」

漣「なんで相談しない…!」


早霜「…ハッキリ言わせてもらうけど、もし知らせていたらどうなってたと思う?」


漣「あぁ!?」


榛名「朝霜さんは間違いなく苦しんで…霞ちゃんも…」


漣「…よーく分かりましたよ。あんたらは自分のことしか考えてないってね」


早霜「それは違うわ、だって…」


漣「お前達の大切な人が傷付いて欲しくなかったから黙ってたんですよねぇ」


榛名「ち、違います!榛名は…」


漣「黙れ、あんたらはもう二度と味方だと思わない」


早霜「……」


漣「早く…ご主人様に知らせて……それから…」



下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

責任感じてしまう提督の尻を蹴飛ばしてまず霞を見つける為に動け!と漣
霞・幹部の方はお互い相手を認識出来てないが情報が行って会う

ーー


漣「ご主人様には眠ってもらいました」


龍驤「うん…それがええよ」


漣「あんなにショックを受けているご主人様は、龍驤さんが怪我した時以来です」


龍驤「まさか霞が妊娠…司令官の子を…」


漣「なぜご主人様とそういう行為をしていたのかは分かりませんが、霞なら…というのはあります」


龍驤「霞に頼り切ってたウチも悪いんよ…」


漣「強いんですね、見直しました」


龍驤「うん…」


漣「これで調べる所が分かりました。その手の病院を洗いざらい調べましょう」

ーー某病院


幹部「君が例の艦娘だね」


霞「貴方は大本営の幹部さん…なんですよね」


幹部「あぁ、君のような艦娘が居ると聞いて駆けつけたんだ」


霞「艦娘を大切に思ってるのね…」


幹部「それが私の仕事だからね」


霞「私…どうなるの?」


幹部「君はどうしたい?」


霞「私……私は…安価」


下1~3高コンマ 霞の台詞や行動など

霞「この子は…産みたいです」


幹部「なら産めばいい。誰も咎めはしないよ」


霞「幹部さん…一つお願いがあるんです」


幹部「なんだい?」


霞「来月また会いに来て下さい。その時…私の子を預かって欲しいんです」


幹部「自分では育てない…のかい?」


霞「育てたいです。でももっと知りたいことがあるんです」

霞「もし私がどこかの提督の子どもを妊娠していたなら、それが分かるんですよね?」


幹部「…そうだね。全ての提督のDNAなんなの情報は持っているよ」


霞「まずはそれを調べて欲しいんです。私の妊娠は望まれたものだったのか…それが知りたい」


幹部「……来月だね」


霞「はい、もうこの子も産まれています」


幹部「分かった約束しよう。そしてどんな結果であれ君に知らせる」


霞「ありがとうございます…」


下1~3高コンマ この後の展開やその他起こったことなど

ーー


霞「はぁ…はぁ……」


「頑張りましたね、元気な女の子ですよ」


霞「良かった…私でも産めたんだ…」


「抱いてあげて下さい」


霞「可愛い……これが私の…」ダキッ


かすみ「……」


霞「父親なんかどうでもいい…私がちゃんと育ててあげるからね…」


「先生…」コソッ


「あぁ、間違いなさそうだ…」コソッ

「あの子はかすみで間違いない。ということは彼女は霞だ」


「確か朝潮型の駆逐艦でしたよね」


「そう言われれば確かに面影もあります」


霞「かすみ……?」ドクンッ


「さ、後はこちらにお任せ下さい」


「お母さんも元気にならないといけませんからね」


霞「かすみ………霞………?」


「元気に産まれて良かったですね」


『霞』

『タナトフィリア…なる程な』


『前の鎮守府ではそれが原因で除け者か。だが俺達は何も気にしない』


『薬剤師の免許か…霞が取りたいのなら取ればいい』


『そうか合格か、よく頑張ったな。流石は霞だ』


『薬を使って俺達の薬を?それは考え付かなかった…』


『霞が作った薬はみんなから評判だ。ありがとうな霞』


『これからも頼らせてくれ、霞』


『霞、霞……』



霞「あぁぁぁぁーーーーーーーーーーー!!!!」

ーー


幹部「む?例の艦娘さんはどうしたんだい?」


「それが…子どもを残してここを出て行ってしまわれました」


幹部「なんだって!?」


「今まで払っていなかった治療費もまとめて払うと…そうなってしまえばこちらも止められません」


幹部「一体なぜ…」


「…この子が彼女が産んだ子です」


かすみ「だぁ……」


幹部「これは…この髪色……目…まさか!?」

ザザーーン…


霞「…綺麗」


ザザァ…


霞「もう私は戻れない。あそこに帰れない」


ザザァン……


霞「あの場所以外で……私は生きられない」


ザザァ…ザザァン……


霞「……」


ザブザブ…


霞「司令官……お姉さま……龍驤さん……みんな……」


霞「さようなら」


ザザーン……

ザザァ……ザァ…

…………

ーーーー


「母さん」


龍驤「お!ちょうどあんたの話しとったんやで!」



大鷹「あの人が教官の子ども?」


神鷹「でもあの姿は…護衛艦」


大鷹「軽空母からは護衛艦は生まれないはずじゃ…」


神鷹「どういうことだろう…」


龍驤「今日はどないしたんよ?こっちに顔出すなんて珍しいなぁ」


「母さんに会いにきたのよ」


龍驤「嬉しいこと言うてくれるやん。ほなついでにこの子らに昔話でもしたってくれへん?」


「いいけど、その前に行きたい所があるの」


龍驤「あ……うん、行っておいで」


「じゃ、またあとで」

ザザァ…


「私は幸せだよ。母さんとは血は繋がってないけど私にとっては唯一の母親だから」


「ねぇ霞お母さん……なんで皆を信じられなかったの?」


「事実を知った時、私はどうにかなりそうだった。なんでその道を選んだの?」


「お母さんもお父さんも母さんも…皆幸せになる方法だってあったんだよ」


「……」


「ばかやろーーー!!」


ザザァ……


かすみ「…ぐすっ」


かすみ「母さんの所…戻らなきゃ」



after 1 溟

「ウチは二児の母親」

→自分で産んだ二人の子を育てた ×
→二人の子どもを育てた ○



このスレはここまで、次回からは新スレです


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