邪神ちゃん「ゆりねってさぁ……人間の友達いねーですの?」 (26)

※邪神ちゃんドロップキック短編

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邪神ちゃん「んく……んく……」グビグビ

邪神ちゃん「くっふぅぅ~~~~!」

邪神ちゃん「はぁ~……やっぱり家事(しごと)を頑張った日はストゼロに限るですの」

ゆりね「ここのところ毎晩飲んでるわね」

邪神ちゃん「コロナのせいでどこの居酒屋も夜はやってないからなぁ」

邪神ちゃん「パチンコ屋も閉まってるから大して楽しいことも無いし」

邪神ちゃん「今の心の癒しといえば、毎日の晩酌くらいですの」

ゆりね「非健全ねぇ」

邪神ちゃん「はーあ、人間界はこんなんだし早く魔界でのびのび遊びまわりたいですの」

邪神ちゃん「……というわけでくらえ! ロイヤルコペンハーゲン酔拳ver!」

パシ

邪神ちゃん「あ」

ゆりね「こんな時間に暴れたらご近所に迷惑でしょ」

ドボォ

邪神ちゃん「ぐふぅ……ずびばぜん……」

邪神ちゃん「でもさ、ゆりねだってここんとこ大学もオンラインだし、バイトもずっと休みじゃん」

邪神ちゃん「心が荒んできたりはしませんの?」

ゆりね「別に……大学もバイトも楽しいというよりは、行かなくちゃいけないから行ってたようなもんだし」

邪神ちゃん「そっか……」

邪神ちゃん「でもさ、TVのインタビューでも『友達と会えないから寂しい』みたいに答えてる子結構いるじゃん? ゆりねも──」

ゆりね「……」

邪神ちゃん「……あ、ごめんですの」

ゆりね「何がよ」

邪神ちゃん「そういやゆりねって人間の友達いなかったよなって……」

ゆりね「は?」

邪神ちゃん「え、いないだろ? 人間の友達」

ゆりね「いるわよ失礼ね」

邪神ちゃん「脳内に?」

ゆりね「現実にいるわよ」

邪神ちゃん「うっそだー」

ゆりね「めちゃめちゃいるわよ友達くらい」

ゆりね「掃いて捨てるほどいるわよ」

邪神ちゃん「……」ジー

ゆりね「何よ疑ってるの?」

邪神ちゃん「いや、疑ってはない」

邪神ちゃん「嘘であると確信している」

ゆりね「はああ!?」

邪神ちゃん「だってお前……ゆりねの友達なんて会ったことないですの」

ゆりね「そりゃ会わせてないし」

邪神ちゃん「家に一回も来てないじゃんか」

ゆりね「あんたみたいなのが家にいて友達呼ぶわけないでしょ」

邪神ちゃん「は? なんでだよ」

ゆりね「みんな女の子だから蛇とか苦手なのよ」

邪神ちゃん「そういう問題?」

ゆりね「そういう問題よ」

邪神ちゃん「けど街中でも一回もあったことないし」

ゆりね「あんたといるときに友達と出会う機会がなかっただけよ」

邪神ちゃん「いや、もう連載9年目だぞ? ハイキュー!の始まった年から連載してるんだぞ?」

邪神ちゃん「一回も合わねーわけねーだろ」

ゆりね「だから言ったでしょ、みんな蛇とか苦手なのよ」

邪神ちゃん「蛇じゃねーし! 上半身は人間と同じだし!」

ゆりね「蛇要素を差し引いても上裸の変質者でしょうが、声かけにくいでしょうが」

邪神ちゃん「髪でちゃんと隠してるでしょうが」

ゆりね「そういう問題じゃないでしょうが」

邪神ちゃん「じゃあスマホ見せて」

ゆりね「は?」

邪神ちゃん「通話履歴とかLINEのトーク履歴みればわかるですの」

ゆりね「見せるわけないでしょそんなの」

邪神ちゃん「見せろよ、やましいことがないなら見せられるだろ? おーん?」

ゆりね「束縛強い系の彼氏みたいなこと言わないでよ」

邪神ちゃん「みせろよぉー!」グイグイ

ゆりね「嫌よ!」

邪神ちゃん「ちょ、ゆーりーねー!」グイグイ

ゆりね「しっっつこいわね!」

ドボォ

邪神ちゃん「おぼっ! カタハルコ……」

ゆりね「見せないって言ってるでしょ」

邪神ちゃん「お、お前……そうやってすぐ暴力振るうから友達いないんだぞ」

ゆりね「いるし、ってかすぐ殺そうとしてくるあんたに言われたくないわよ」

邪神ちゃん「私が殺そうとするのはお前だけですの」

ゆりね「私も邪神ちゃん以外には暴力なんて振るわないわ」

邪神ちゃん「へへ……」

ゆりね「ふふ……」

邪神ちゃん「いや笑えねーよ」

ゆりね「こっちのせりふよ」

ゆりね「まあとにかく友達はいるから」

邪神ちゃん「脳内にはな」

ゆりね「現実にもいるわよ」

邪神ちゃん「うそつけ……え、マジで脳内にいるの?」

ゆりね「いちゃダメなの?」

邪神ちゃん「いや、いいけど……てか全部で何人くらいいんの? 友達」

ゆりね「100人くらいかしら」

邪神ちゃん「脳内の友達を除くと?」

ゆりね「10人くらい」

邪神ちゃん「脳内に街でもあんの?」

ゆりね「ゆりね王国(キングダム)よ」

邪神ちゃん「まさか小学生のころの夢がこんな悲しい形で実現しているとは……」

邪神ちゃん「というかリアルでは10人か……なんか少なくね?」

ゆりね「まあそれは通常時の数字だから」

邪神ちゃん「非常時とかあんの?」

ゆりね「テスト前になると2倍くらいに増えるのよ」

邪神ちゃん「お前それ……それは友達じゃないですの」

邪神ちゃん「友達の顔して人を食い物にすることしか考えてないハイエナですの」

ゆりね「言い過ぎよ」

邪神ちゃん「クソっ! 人が必死こいて書いたレポート! やっとのことで手に入れた過去問! 私の努力の結晶をあざ笑いながらかすめ取っていきやがって!」

ゆりね「あんたは過去に何があったのよ」

邪神ちゃん「おいゆりね! レポートだの過去問だのレジュメの共有だの話しかけてくる用事の8割がそんなことしかない奴らは友達に数えるんじゃねえ!」

ゆりね「けど大学の友達ってそんなもんでしょ」

邪神ちゃん「違いますの! せめて一緒に遊びに行ったり気軽に飲んだりできる仲になってからが友達だろ!」

ゆりね「一緒に、遊びに……?」キョトン

邪神ちゃん「え、何か変なこと言った?」

ゆりね「邪神ちゃん、人間の大学生は一緒に遊びに行ったりはしないのよ」

邪神ちゃん「するわ! めちゃめちゃするわ!」

邪神ちゃん「やっぱいないじゃん! 友達いないじゃん!」

ゆりね「いるわよ、めちゃめちゃいるわよ」

ゆりね「というか仮にいなかったとして、それに何か文句でもあるっていうの?」

邪神ちゃん「いや、だって私みたいなクズでも2人は友達いるんだぞ?」

邪神ちゃん「それなのに友達0人のお前が、『人に指をさすな』とか『食事中に騒ぐな』とか日頃から上から目線で説教してくるのがなんかムカつくですの」

邪神ちゃん「そういうマナーってのは社会で上手く生きてくためにあるんだぞ?」

邪神ちゃん「それなら友達0人の社会不適合者のお前が偉そうに語ったって虚しいだけだろうが」

邪神ちゃん「それに限らず、普段からどうもお前は私を下に見ている節がある」

邪神ちゃん「友達0人のお前に友達2人の私を見下せる道理があるのか? いや、無い」

邪神ちゃん「詫びろ! 私に対する今までの非礼を! 頭を床にこすり付けてな!」

ゆりね「は?」

邪神ちゃん「何だ? 反論でもあんのか? 友達0人のぼっちのくせに!」

ゆりね「……」

邪神ちゃん「ぼーっちぼっちぼっちぼっちゆーりねっ♪」←ビックカメラのCM風

ゆりね「邪神ちゃん」ビキビキ

ゆりね「……イキリアクマのくせに、私を煽ったわね?」ゴゴゴ

邪神ちゃん「ひっ!」

邪神ちゃん(や、やべえ……怒らせすぎたか?)

ゆりね「……」スタスタ

邪神ちゃん(く、来る……!)

ゆりね「……はぁ」

ゆりね「ま、アンタの言う通り、仲のいい人間の友達はいないかもしれないわね」

邪神ちゃん「え」

ゆりね「……もう遅いし、お風呂入って寝るわ」

邪神ちゃん「……怒らないですの?」

ゆりね「ホントのことだし、別に怒らないわよ」

邪神ちゃん「えー……」


邪神ちゃん(そういって風呂場へ向かうゆりねの背中は、いつもより小さく見えた)

邪神ちゃん(表情には出していなかったものの、内心傷ついていたのかもしれない……)

邪神ちゃん(思いがけず、あいつの心の痛がっている所を突いてしまったのかもしれなかった)

邪神ちゃん「ということは! メンタルにダメージを与えた今こそチャンス!」

邪神ちゃん「しねええゆりね! ロイヤルコペンハーゲン!」

パシ

邪神ちゃん「あれ?」

ゆりね「邪神ちゃん、また私を殺そうとしたわね」

邪神ちゃん「え、それは、その」

ゆりね「ぼっち指摘は怒ってないけど、殺そうとしたことへの制裁はもちろんあるわよ?」

邪神ちゃん「いや、ちょ、まっ」

ゆりね「ふんっ!」

バキバキバキ

邪神ちゃん「くらっしゅぎああああああああああ!」

~その夜 in 押入れ~


邪神ちゃん(しかしまあ)

邪神ちゃん(友達いなさそうだとは思ってたがマジでいないとは)

邪神ちゃん(私ですらメデューサとミノスがいるのに)

邪神ちゃん(……寂しいやつ)

邪神ちゃん(いや、でも……)

邪神ちゃん(私だって、いつあいつらに愛想を尽かされてもおかしくないクズですの)

邪神ちゃん(たまたまあの2人が良い奴だっただけで……)

邪神ちゃん(ゆりねだって、あの変な服装とか何考えてるか分かんないとことか、受け入れてくれる奴にたまたま巡り会えなかっただけ)

邪神ちゃん(そう考えると私たちは似た者同士、なのかもしれませんの……)


──────
───

ピーンポーン

邪神ちゃん「……!」

邪神ちゃん「誰だこんな時間に……はーい」

ガチャ

女子A「うわっ! マムシ!?」

邪神ちゃん「マムシじゃねー邪神ちゃんですの」

女子A「え、花園さんのお宅……ですよね?」

邪神ちゃん「あー、ゆりねはもう寝てるけど……宗教ならお断りだが?」

女子A「いや、私無神論者なので……」

邪神ちゃん「は? 神はいるぞ」

邪神ちゃん「私だ」

女子A「はあ」

女子A「これ、花園さんに渡したくって」

邪神ちゃん「?」

邪神ちゃん「何ですのこれ、プリント?」

女子A「ミクロ経済の過去問、中々手に入らなかったのがやっとゲットできたので」

女子A「連絡したけど繋がらなかったし、直接渡しに……」

邪神ちゃん「え、わざわざ家に?」

女子A「ええ、まあ私の家も近所だし、次回中間試験だからすぐ要るかなって」

女子A「……というのは建前で、急に顔合わせて話したくなったからってのが本音だったり」

邪神ちゃん「……」

女子A「っていってもこんな時間じゃやっぱり失礼ですよね、すみませんでした」

邪神ちゃん「あー、いや」

邪神ちゃん「ありがと、ちょっとゆりね起こしてきますの」

ゆりね「ふあ……どうしたの、お客さん?」

女子A「あ」

邪神ちゃん「おいゆりね、この子わざわざ家までレジュメ届けに来てくれたんだぞ」

ゆりね「あら、ありがとう」

女子A「いえ、そんなとんでもない!」

邪神ちゃん「ちゃんといたんだな、人間の友達」

ゆりね「え?」

邪神ちゃん「ん?」


ゆりね「この子、別に友達ではないわよ」

邪神ちゃん「は?」

邪神ちゃん「バッカお前、なんてこと言いますの! せっかく届けに来てくれたのに!」

女子A「ええ、友達じゃないですよ」

邪神ちゃん「え?」

邪神ちゃん「いや、だって、こんな時間に家まで来てくれるなんて友達でなきゃ……」

ゆりね「違うわ、この子は私の……」

女子A「下僕です、下僕134番」

邪神ちゃん「え」

ゆりね「ご苦労だったわ134番」

女子A「勿体ないお言葉です」

邪神ちゃん「待て待て待てなんだ下僕って」

ゆりね「ああ、言い忘れてたかしら」

ゆりね「友達は0人だけど」

ゆりね「下僕なら500人はいるから」

邪神ちゃん「え……」

ゆりね「ゆりね帝国(エンパイア)の建国に向けて人間を集めているところよ」

邪神ちゃん「えええ……」

邪神ちゃん(私とこいつが似た者同士だなんて、一瞬でも考えた私がバカだった)

邪神ちゃん(こいつは生まれついての邪悪……!)

邪神ちゃん(後々に人類を従え魔界に侵攻してくる可能性大……!)

邪神ちゃん(魔界の住民としてここで将来の脅威を潰しておかなくては……!)

邪神ちゃん「ゆりね、お前はやはり生かしておくことはできないですの……」

邪神ちゃん「食らえゆりね! ロイヤルコペンハーゲン!」

パシ

邪神ちゃん「あ」

ゆりね「邪神ちゃん……また私を殺そうとしたわね」

邪神ちゃん「あ、いや……」

ゆりね「丁度いい機会だわ」

ゆりね「私の下僕たちを紹介してあげる」

ユビパッチン

女子B「……」ダダダ

女子C「……」ダダダ

女子D,E,F「……」ダダダ

ゾロゾロ

ワラワラ

邪神ちゃん「うわっ! なんだこいつら!」

ゆりね「私の忠実な下僕たちよ」

女子N「ゆりね様、命令を」

ゆりね「こいつをミンチにしちゃいなさい」

女子N「はっ!」

邪神ちゃん「は? おいやめろ……何をす」

女子N「うをおおおお!」

女子M「しねええええええ!」

女子O「おらあああああ!」

ザクザクザクザク

邪神ちゃん「ぎゃああああああああああとるず!」

──────
───

邪神ちゃん「うわああああああっ!」ガバッ

ゆりね「……大丈夫?」

邪神ちゃん「え、あれ?」

ゆりね「うなされてたわよあんた」

邪神ちゃん「え、え? ゆりね帝国(エンパイア)は? 500人の下僕は?」

ゆりね「何言ってんの」

邪神ちゃん「……夢か」

ゆりね「汗びっしょりじゃない、タオル持ってくるわ」

邪神ちゃん「ああ……ってか押し入れの中暑いですの」

ゆりね「今夜は熱帯夜らしいわ」

ゆりね「コロナも大変だけど、これからは熱中症にも気を付けないとね」

邪神ちゃん「そういやオリンピックもコロナ騒動の前は暑さ問題で大揉めだったもんなぁ」

邪神ちゃん「なぁ、ゆりね」

ゆりね「なに?」

邪神ちゃん「あー……」

邪神ちゃん「たまにはさ、大学の知り合いと顔合わせて話したくならないのか……?」

ゆりね「別に」

邪神ちゃん「そっか……まあ最近は直で会わなくてもオンラインで飲み会とかもできるしな」

ゆりね「そうね、私はやったことないけど」

邪神ちゃん「……」

邪神ちゃん「寂しくなったりしねーの? そんなんで」

ゆりね「……」

ゆりね「昔は、寂しかったかも」

ゆりね「けど今は寂しくなんてないわ」

ゆりね「賑やかなペッ……居候がいるから」

邪神ちゃん「ペットって言った? 今ペットって言いかけたよね?」

ゆりね「冗談よ、ポチ」

邪神ちゃん「誰がポチだ」


邪神ちゃん「でも、私は人間じゃない……悪魔だぞ?」

邪神ちゃん「お前を何度も殺そうとしてるんだぞ?」

邪神ちゃん「それでも友達だなんて思えるのか?」

ゆりね「いや、友達だとは思ってないけど」

邪神ちゃん「くっふぅ……」

ゆりね「冗談よ」

ゆりね「あんたが来るまでは、本当に独りだったから」

ゆりね「今は家に帰ればおかえりって言ってくれる誰かがいる」

ゆりね「美味しいご飯を作ってくれて、『おいしい』って言ったら嬉しそうに笑ってくれる誰かがいる」

ゆりね「例えそれが悪魔でも、ときどき私を殺そうとしてきても」

ゆりね「あんたがいれば私は寂しくない」

邪神ちゃん「……」

ゆりね「……」

ゆりね「以上のことは寝ている私が発しているただの寝言だから」

ゆりね「決して本気にしないように」

邪神ちゃん「……ふん」

邪神ちゃん「素直じゃねーですの」

邪神ちゃん「ま、寂しくないってのなら安心しましたの」

邪神ちゃん「言っとくけど、だからって私はお前を殺して魔界に帰るのを諦めちゃいないからな」

邪神ちゃん「悪魔の意地にかけて、必ずお前をいつか殺してみせますの」

邪神ちゃん「けど」

邪神ちゃん「お前が生きてる限りは、旨い飯も作ってやるし、お前の傍でずっと賑やかし続けてやるから」

邪神ちゃん「覚悟しとくですの」

邪神ちゃん「……」

邪神ちゃん「以上のことは寝ている私が発しているただの寝言だから」

邪神ちゃん「絶対本気にするんじゃねーぞ」

ゆりね「……お互い様ね」

邪神ちゃん「ふん」

邪神ちゃん「あーあ、柄にもねー寝言呟いちまった」

邪神ちゃん「さっさと寝直すですの……もう寝てるけど」

ゆりね「邪神ちゃん」

邪神ちゃん「なんだよ」

ゆりね「……今夜は暑いから、たまには押し入れじゃなくてこっちで寝る?」

邪神ちゃん「え」

ゆりね「こっちだと風通しがいいから寝やすいと思うわよ」



邪神ちゃん「今夜だけだからな、クーラーのフィルターまだ掃除してないから仕方なくこっちで寝るだけだからな」

ゆりね「はいはい」

邪神ちゃん「明日からはクーラーかけて押入れで寝るからな」

ゆりね「分かってるわよ」

ゆりね「……ねぇ邪神ちゃん」

邪神ちゃん「ん?」

ゆりね「ありがと」

邪神ちゃん「……おう」

邪神ちゃん「そういやさ、お前って下僕とかいないよな?」

ゆりね「下僕? ああ、さっき500人の下僕がどうとか言ってたわね」

邪神ちゃん「あ、いや……」

邪神ちゃん「忘れてくれですの、寝ぼけて変なこと口走ったわ」

ゆりね「……そうね」

ゆりね「たった500人なわけないじゃない……いずれ世界を支配するゆりね帝国(エンパイア)の下僕が、ねぇ?」

邪神ちゃん「え?」

ゆりね「……冗談よ」

邪神ちゃん「……」

ゆりね「……zzz」

邪神ちゃん「……」


その後、邪神ちゃんは大学で必修の単位を落とす悪夢を見て飛び起き、とっくに大学なんて卒業していることに気づき安堵するも、
大学生時代にぼんやりと描いていた自分の未来予想図とはかけ離れた今の自分の落ちぶれっぷりを再認識し、静かに涙を流したのだった


終わり

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