【シャニマスSS】灯織「二人の夜」 (36)

P「灯織、レッスンお疲れ様。今日も遅くまで自主練か」

灯織「プロデューサー、お疲れ様です。今日のレッスン、どうしても出来なかったステップがあったので、そこだけでも直そうかと」

P「自主レッスンを重ねるのはいいことだけど、あまり遅くまでするのはやめるんだぞ。親御さんも心配するだろうし」

灯織「両親は今日家にいないんです。父は出張で、母は用事で祖母の家に泊まるので大丈夫です」

P「それなら両親の代わりに俺が心配する。女の子が夜遅くに帰るなんて危ないからな」

灯織「それは……そうですね」

P「ということで、今日は終わりだ。休養を取ることも仕事のうちだぞ。早くしないとレッスン場閉めるぞー」

灯織「着替えてくるので少し待ってて下さい。……本当に閉めないで下さいね?」

P「しないって。今日も送ってくから待ってるよ」

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灯織「ふぅ、疲れた……」

灯織(……制汗剤付けてたけど、匂い大丈夫かな)スンスン

灯織(プロデューサーに変な風に思われたくないし、清涼剤付けておこう)

灯織(帰ったら忘れないうちに今日の失敗したところメモしとかないと)

灯織(あ、プロデューサーに良かった点も書いたほうがいいって言われてたっけ。そこもメモしなくちゃ)

灯織(家帰ったら、ご飯食べてお風呂入って予習してレッスンのメモを書いて寝よう)

灯織「えっと、鍵…………あれ?」

P「お、支度終わったか?」

灯織「あの、プロデューサー。事務所に鍵落ちてませんでしたか?」

P「鍵? いや、落ちてなかったな。はづきさんからそういったことも聞いてないし」

灯織「……家の鍵がないんです」

P「おう……置き鍵なんかはその様子だとなさそうだな」

灯織「どうしましょう……」

P「うーん……確か、真乃の家ってここからそう遠くないよな。今から連絡して、泊めてもらえば」

灯織「ダ、ダメです! こんな時間にいきなり泊まるなんて、真乃や家族に失礼です!」

P(真乃は喜んで泊めてくれそうだけど……灯織としては特に家族に迷惑かけるのが嫌なんだろうな)

P「って言われても、あとはどうしようにも……」

灯織「……確かプロデューサーって、この近くに住んでるんですよね」

P「いや、家に来るのは流石にダメだろ」

灯織「まだ何も言ってないじゃないですか」

P「じゃあ何聞こうとしたんだ?」

灯織「…………ダメですか?」

P「アイドルが男の家に泊まるなんてプロデューサーとして認めません」

P「かといって近くのホテル……は、灯織一人だと何かあった時困るからなぁ……」

灯織「そもそも私がしっかりしてれば……すみません」

P「いやいや、過ぎたことを気にしても仕方ない。というか、鍵をどこかで出したのか?」

灯織「いえ、出してはないですけど……あっ」

P「何か心当たりあるのか?」

灯織「家を出る前、バッグを落とした時に中が飛び出したんですがその時に鍵を落としたことに気付かなかっただけかもしれません」

P「灯織らしくないミスだな、珍しい」

灯織「今日の運勢が最下位で、ラッキーアイテムを探してたら時間が無くなっちゃって……」

P(それはそれで灯織らしいな……)

灯織「でも、もしかしたらどこかで出したのかも……」

P「自分の行動に対して不安になるな。とにかく今どうするか考えないと」

灯織「……それじゃあ、事務所に泊まるのはどうですか?」

P「事務所か。……うん、いいんじゃないか。ただ、事務所の人とは言え一人にするのは危険だから俺も泊まることになるけどいいか?」

灯織「大丈夫です。私の不注意でプロデューサーに迷惑をかけてしまってすみません」

P「もう謝らなくていいよ。それに最近忙しくて事務所には何回か泊まってるからな」

灯織「……家、近いんですよね?」

P「ほら、家帰ってまで仕事したくないから。終わってから帰る気力も残ってないからそのまま事務所でな」

灯織「私のことより自分の心配した方がいい気がするんですが……」

P「事務員が少ないから仕方ない。はづきさんだってアルバイトだし」

灯織「もっと頑張らなくちゃいけませんね。プロデューサーとはづきさんのためにも」

P「それじゃあちょっと出かけてくるな」

灯織「どこに行くんですか?」

P「晩飯買いに行こうかなって」

灯織「そういえば、私もまだ晩ご飯食べてませんでした」

P「それなら近くにチェーン店だけど牛丼屋があるから持ち帰りで買ってくるよ」

灯織「最近お店の牛丼食べてなくて、どんなメニューがあるか知らないので私も行っていいですか?」

P「それなら店で食べるか。ついでに歯ブラシとか朝飯もコンビニで買っていこう」

灯織「分かりました」

P「事務所の戸締まり確認するからちょっと待っててくれ。あ、一応親御さんに泊まること伝えとくんだぞ」

P「親御さんは何て?」

灯織「明日の昼には帰ってくるらしいです。事務所に泊まるのは反対されそうなので友達の家に泊まるって伝えました」

P「そうか、なら行くとしよう」

灯織「そういえば、前もこんな風に一緒に歩いたことありましたね」

P「あったな。あの時も自主練してて半ば無理にやめさせてたっけ」

灯織「前にも聞いたような気がするんですけど、もしかして今日もあの時間まで仕事を?」

P「お、よくわかったじゃないか。急ぎの用件じゃないけど明日オフだし、それまでに仕上げたかったからつい」

灯織「……休養を取るのも仕事のうち、ですよ」

P「灯織がそれ言うか?」

灯織「プロデューサーもさっき言ってましたよ」

P「……お互い頑張りすぎないってことで」

灯織「ふふっ、そうですね」

店員「いらっしゃいませー」

P「空いててよかったな。灯織はどれにするんだ?」

灯織「うーん……朝ごはんに卵は食べたから……このおろし牛丼の並盛りとサラダ……あと味噌汁で」

P「ん、分かった。すいませーん注文お願いしまーす」

店員「はい、ご注文お決まりになりましたか?」

P「えっとおろし牛丼の並一つとチーズ牛丼大盛り一つ。あとサラダと味噌汁一つずつで」

灯織「……サラダと味噌汁二つずつでお願いします」

P「え、俺はそれいらな」

灯織「バランス悪いですよ」

P「あー……じゃあ、それでお願いします」

店員「かしこまりましたー」

灯織「もしかして、毎日ああいう食事摂ってるんですか?」

P「ま、毎日じゃないぞ。週三くらいでキャベツやトマト食ってるし……あ、野菜ジュースだってよく飲んでるぞ!」

灯織「ちなみに野菜ジュース以外で野菜食べたのいつですか?」

P「え? うーん……いつだっけか……はっ」

灯織「そんなすぐ思い出せないくらいには食べてないんですか……?」

P「最近は……食べてないです……」

灯織「まさか、さっき食べてる野菜にトマトとキャベツ言ってましたけどそれしか食べてないなんてことは」

P「返す言葉もございません」

灯織「野菜って一括りに言っても栄養価が全然違いますからね。色んな種類の野菜食べてください」

P「灯織がアイドルから栄養士に……」

灯織「体調管理も仕事のうちですよ」

店員「お待たせしましたーおろし牛丼とチーズ牛丼、サラダお味噌汁でーす」

灯織「ありがとうございます。それじゃあ、食べましょうか。いただきます」

P「いただきまーす」ドボドボ

灯織「……あの、サラダにドレッシング多すぎませんか?」

P「そうか? いつもこんなもんだが」

灯織「どう見てもかけすぎです。たしかに美味しいですけど、油や塩分多いので多いと健康に悪いですよ」

P「はい、気を付けます……」

灯織「こんなこと聞くのは本当に失礼だと思うのですが、本当に一人暮らししてるんですか?」

P「してるって。実家じゃないし、同棲するような彼女もいないし」

灯織「一人暮らしするとそうなるものなんですかね」

P「灯織が一人暮らししてもこんな風にはならないと思うな。大学生の時は自由な時間多かったから今よりはマシだったけど」

灯織「本当ですか? 聞いてる限りじゃ想像できません」

P「栄養バランスは少し考えてたし、自炊もしっかりしてたぞ。仕事に就いてから冷凍食品の素晴らしさに気付いた」

灯織「栄養考えたら素晴らしくないですけど……でも、便利ですよね」

P「灯織は実家暮らしで料理作ってるんだろ? すごいな」

灯織「そうですか?」

P「毎日飽きないようにするって大変だし、美味しいの作ろうとすると手間暇かかって片付けもしなきゃいけない、家族の好みや栄養も考えるって相当凄いことだよ」

灯織「そんなに意識したことありませんけど……」

P「じゃあ意識しなくてもできるってことだな」

灯織「でも料理作るだけなら他の人もできるんじゃないですか。真乃も、前にピクニック行った時にお弁当作ってきましたし」

P「確かに、恋鐘は弁当作ってきてくれて美味しかったし、凛世も寮で自炊してるって言ってたな。前の合宿も智代子指導で作ったカレーもかなり美味かったし、そういえば前に昼飯忘れた時も千雪に分けてもらったけどあれも中々……甘奈も夕食は当番で作ってるって言ってたな」

灯織「…………」ムスッ

P「ん、どうした? 早く食べないと冷めるぞ」

灯織「いえ、別に……」

灯織(私も、今度お弁当作ってあげよう。プロデューサーの好きな物聞いてるし、バランスも考えて……)

P「ごちそうさまでした。ふー、美味かったー」

灯織「ごちそうさまでした。えっと、いくら渡せばいいですか?」

P「ん? 今日は奢るつもりだったんだけど」

灯織「そんな、一緒に泊まってもらってるのに食事代まで……」

P「一人分くらい何てことないよ。高校生に払わせるほど財布が寂しいわけじゃないし」

灯織「……いいんですか?」

P「全然平気。その代わりに……トップアイドルになって返してもらおうかな」

灯織「……ふふっ、それならごちそうになります。お礼は必ず返しますね」

P「飯も食ったし次はコンビニ行って明日の朝飯とか買ってくか」

灯織「そういえば冷蔵庫になにか残ってたりしてないんですか?」

P「来る前に見たけど、プリンやチョコとか、とにかく甘い物しかなかったな。あとは飲み物。大体智代子が持ってきてる」

灯織「あまりコンビニで買うことがないんですけど、材料があれば朝ごはん作りますね」

P「俺としてはおにぎりの方がコスパいいんだけどなー」

灯織「少し気になったんですが、プロデューサーって朝ごはんしっかり食べてますか?」

P「朝飯はしっかり食べてるぞ。言っても大したものは食べてないが」

灯織「なら良かったです。朝ごはんも食べないとなると流石に不健康すぎますから」

P「朝飯だけは昔からほとんど抜いたことないからな」

灯織「誇ることじゃないと思いますけど」

ラッシャイマセー
灯織「卵やハムも売ってるんですね。朝ごはんはこれでいいですか?」

P「うん、簡単なもので大丈夫だ」

灯織「プロデューサーは朝はお米ですか? それともパン?」

P「どっちでも行けるけど、事務所のキッチンにオーブントースターあったしパンで」

灯織「それじゃあ食パンも買っていきましょう」

P「あとは灯織の歯ブラシか」

灯織「プロデューサーのはいいんですか? 口のケアはマナーですよ」

P「いや、もう何回も泊まってるから俺のは置いてある」

灯織「……泊まること自体少ない方がいいと思うんですが。本当に大丈夫なんですか?」

P「好きなことだからそんな苦痛じゃないよ。でも心配してくれてありがとうな」

灯織「不摂生で、頻繁に遅くまで仕事してるなんて誰でも心配すると思います」

P「さて、明日の朝飯っていう楽しみもできたことだしそろそろ戻るか」

灯織「楽しみって……そんな大層なものを作るわけじゃないんですから」

P「いやいや、女の子に作ってもらうなんてそうそうないからな。本当に楽しみだよ」

灯織「でも、他の人にお弁当作ってもらったんですよね」

P「うっ、それは……あれ、もしかして俺って今モテてる?」

灯織「……さぁ?」

P「ま、冗談はさておき。戻ったら……あ、そうだ」

灯織「どうしましたか?」

P「折角だし、銭湯でも行くか。灯織もレッスンしてシャワー浴びれてないだろ?」

灯織「銭湯……お風呂? い、一緒にだなんてそんな、私アイドルですよ!」

P「一緒に入るわけないだろ」

灯織「そ、そうですよね。私なに言ってるんだろう……」

灯織「着替えどうしよう。レッスン着は使っちゃったし……」

P「一日くらい着替えなくても大丈夫だろって言いたいけど、やっぱ気になるか」

灯織「しょうがないですね、今日はこの服で過ごします。もとはと言えば私の注意不足のせいですから。プロデューサーは気になりませんか?」

P「別に気にしないぞ。疲れてそのまま寝るなんてよくあるしな」

灯織「それならいいですが……って、着替えもせず寝るなんて本当に大丈夫ですか?

P「灯織、さっきから心配しすぎだぞ」

灯織「今日だけで一ヶ月分の心配をした気がします」

P「そ、そんなにか? うーん、少し生活見直したほうがいいな」

灯織「是非そうしてください。健康で過ごすことが一番ですから」

P「ちょうどここの近くだし、このまま銭湯行くか。タオルはどっちにしろないからレンタルので」

灯織「分かりました」

P「はいタオル。とりあえず、時間とか考えずに気の済むまで風呂に浸かってようか」

灯織「私が待つ分にはいいんですが、プロデューサーを待たせるのは……」

P「はいはい、俺のことは考えなくていいから。ゆっくり疲れ取るんだぞ」

灯織「……分かりました。それじゃあ、また後で」

――――

灯織(…………)ヌギヌギ

灯織(改めて見ると、やっぱり私の胸って小さいよね)

灯織(真乃と身長ほとんど変わらないのに……めぐるは、なんかもうズルい)

灯織(プロデューサーもやっぱ、胸大きい方がいいのかな……って何でプロデューサーが出てくるんだろう)

灯織「……あっ」


灯織「下着、どうしよう……」

―――

P「お、しっかり疲れは取れたか?」

灯織「は、はい……」

P「顔赤いけど大丈夫か? のぼせた?」

灯織「だっ、大丈夫です!」

P「そうか? ならいいけど」

灯織「あ、あの、早く帰りましょう! 湯冷めすると風邪引くかもしれないので!」

P「そうだな、そのせいで活動に支障が出たら問題だな」

灯織(大丈夫、今日一日だけの我慢……って意識したら違和感が……)

P「さて、事務所に戻ってきたはいいが……灯織はもう寝るか?」

灯織「あまり眠くはないので、音楽でも聴こうかと思ってました」

P「よかったらだけど、一緒にアイドルのライブ映像でも見ないか」

灯織「いいですね! でも、何でアイドルのBDを今持ってるんですか?」

P「今日結華から、今度ライブの映像でも見ながら一緒に語りましょうって言われててな。語る上で予習をしろと」

灯織「本気で語るつもりなんですね、三峰さん……」

P「でも他のアイドルを見れるのは俺としても勉強になるからな」

灯織「日頃から他のアイドルのこと調べているんですか?」

P「ウチにはいないようなアイドルの情報はよく集めるよ。あとは方向性は似てるけどウチよりも売れてる子は、何が違うかとか」

灯織(あ、このユニット……)

P「現地行きたかったけど、色々と忙しかったからなー。結華に感謝だ」

灯織「準備してる間にお茶淹れてきますね」

P「ん、ありがとう」

灯織(そういえば、ユニットとしてのライブを見るのは初めてかな……)


P「よし、それじゃあ見るか!」

灯織「はいっ!」

――――

灯織「すごい歌唱力……」

P「歌姫って言われるだけはあるな」

灯織「バ、バク転は流石に私にはできない……けど、それを除いてもダンスのキレが全然違う。めぐるでも敵わないんじゃ……」

P「うぉぉかっこいい……」

灯織「MCも……私こんな気の利いたこと言えない……」

P「MCもそうだけど言葉から歌から何まで表現力豊かだな……」

――――

P「あぁ……楽しかった。完全に一人のファンとして楽しんでしまった……」

灯織「凄いライブでしたね……」

P「流石だよな。グループとして完成されてるし、個人で見ても全員スキルが高い」

灯織「はい。……私たちは、この人たちを乗り越えなければいけないんですよね」

P「あぁ、トップアイドルを目指すならもちろんな」

灯織「今からでもレッスンしたくなりました」

P「いや、それはやめとこう……もう夜も遅いし」

灯織「プロデューサーから見て、どのアイドルが一番良かったですか?」

P「うーん……実は、個人的に思い入れのある子がいてな。個人的にその子が一番好きなんだが」

灯織「思い入れですか」

P「俺がプロデューサーになるきっかけになった子だよ」

灯織「へぇ……誰ですか?」

P「この子だよ。デビューと結成して間もない頃にライブを見て、前も後ろも分からないけどファンのために頑張る彼女を見て、人を笑顔にする人を支えたいって思ったんだ。他にも色々きっかけはあったけど、この子の存在が大きいかな」

灯織「…………」

P「どうした?」

灯織「いえ、その……私も、この人なんです。前に言った、中学校に来たアイドルっていうのが」

P「灯織がアイドルになるきっかけになった人か」

灯織「はい。私だけじゃなくてプロデューサーにも夢を与えてくれてたんだなって思うと、少し嬉しいです。変ですね、自分のことじゃないのに」

P「よし、歯も磨いたし事務所の鍵の確認もした。日付とっくに変わってたし寝るとするか。灯織はソファ使っていいぞ」

灯織「プロデューサーはどうするんですか? まさか床で?」

P「デスクに突っ伏して寝るよ、慣れてるし」

灯織「……」

P「目だけで分かる、心配されてるやつだ。大丈夫、いつもはソファで寝てるから」

灯織「そのことを心配してるんじゃないんですが」

P「分かってるって。それじゃあ、おやすみ」

灯織「おやすみなさい」


灯織(……本当にあの体勢で寝られるのかな)チラッ

P「Zzz……」

灯織(……問題なさそう)

灯織(明日は起きたら顔洗って、朝ごはん作って、プロデューサーは……起こした方がいいのかな)

灯織(最近忙しかったらしいし、ゆっくり寝てた方が――)

P『明日の朝飯っていう楽しみもできたことだし』

灯織(……うん、起こそう。簡単な料理だけど、できたてを食べてもらいたいし)

灯織(……楽しみだな)

――次の日
灯織「ん……ふわあ……」

灯織(えっと時間は……思ったより寝過ぎちゃったな)

灯織「……朝ごはん作ろう」


灯織(何作ろう。事務所だし、あまり洗い物出さないやつがいいよね)

灯織「あ、小さいけどフライパンがあるんだ。ハムはこれで焼くとして……」

灯織「マヨネーズは……あった。パンに窪み作って、パンの縁に沿って囲むようにマヨネーズひいて」

灯織「卵を落として、トースターに入れる。その間にハム焼いちゃおう」

灯織「最後にハムを乗せて胡椒をかけて……よし、これで完成」

P「んー……あれ、灯織? ってそうか、昨日は灯織と一緒に……」

灯織「おはようございます。起こしちゃいましたか?」

P「いや、アラーム設定してたからどっちにしろもう少しで起きてたよ」

灯織「体どこか痛みませんか?」

P「うーん、ちょっと首が……でもまぁ、すぐ治るよ。それよりそのトースト美味しそうだな」

灯織「口に合うといいんですが」

P「食べる前にちょっと顔洗ってくる」

灯織「じゃあコーヒー淹れておきますね」

P「よし、いただきます」パクッ

灯織「いただきます」モグモグ

灯織(味は……よく作るのとあまるい変わらないかな。いつもベーコンだけど、ハムもいいな)

P「……美味い! これなら何枚でも食べれそうだ!」

灯織「そうですか? ならよかったです! コーヒーはミルクと砂糖勝手に入れちゃったんですが大丈夫でしたか?」

P「うん、ちょうどいいよ。俺の好みと灯織の好みは結構同じなのかもな」

灯織「ふふっ、そうだと嬉しいです」

P「嬉しいのか?」

灯織「え? ……あっ、そういうことじゃないですよ!?」

P「ど、どういうことなんだ? まあ、喜んでもらえたならいいけど」

P「ごちそうさまでした。いやー美味かった」

灯織「ごちそうさまでした。ペロリと食べましたね」

P「久々に凝った朝ごはん食べたよ」

灯織「そんなに凝ってますかね……?」

P「だいたい卵かけご飯かトーストにバター乗せて食べるか、事務所でおにぎり買って食べるだけだからな。俺からしたら凝ってるよ」

灯織「本当は野菜もあったらよかったんですけど、忘れてました……すいません」

P「そんな気にしなくていいって。というか、朝ごはんに野菜食べること考えが俺はなかったから」

灯織「まあ、野菜ジュースで済ませることが殆どですもんね」

P「今は……10時前か。そろそろみんな顔出す頃かな」

灯織「母が帰ってくるのが12時過ぎらしいので、まだいてもいいですか?」

P「もちろん。俺はもう少ししたら帰ろうかな」

真乃「おはようございますっ」

めぐる「おはよー! あれ、灯織とプロデューサー? 今日二人ともオフじゃなかったっけ?」

P「ああ、おはよう二人とも。そういえば二人は今日仕事だったか。実は」

灯織「おはよう。昨日は事務所に一緒に泊まったんだ」

真乃「ほわっ……? 灯織ちゃん、プロデューサーさんとお泊まりって……?」

P「ま、真乃? 泊まりってそういうことじゃ」

灯織「?? そのまんまの意味だけど。ふわぁ……昨日二人で遅くまで起きてたからちょっと眠いな……」

めぐる「灯織詳しく!」

真乃「ほわ、ほわわわわ……灯織ちゃんと、プロデューサーさんが、二人で、遅くまで……!?」

P「だから、誤解だって!」

灯織「……?」


おわり

めぐる「もー、そういうことだったら早く言ってよ! 二人がアツアツなのかと勘違いするところだったよー!」

灯織「ごめんって。というかアツアツって言い方……そういうのじゃないから」

真乃「私も最初ビックリしたよ~。でも、プロデューサーさんとのお泊りどうだった?」

灯織「別に普通だったけど……プロデューサーが色々心配するような生活だったのが分かったかな」

めぐる「16人一緒にプロデュースしてるからねー、ご飯とかちゃんと食べてるのかな」

灯織「食べてはいるらしいけど……聞いた限りじゃ栄養とかあまり考えてないから、定期的にお弁当作ってあげようかな。栄養と好みをバランスよく考えて……」

真乃「ふふっ。灯織ちゃん、プロデューサーさんのお母さんみたい」

灯織「お母さんって……どっちか言うとお嫁さんの方が」

めぐる「……へぇ~? 灯織、プロデューサーのお嫁さんになりたいの~?」ニヤニヤ

真乃「ほわっ、灯織ちゃんもしかしてプロデューサーさんのことが……?」

灯織「ち、違うから! 私の方が年下なのにお母さんってのが変っていうのであって!」

めぐる「そういうことにしてあげる! 真乃、これから楽しみだね!」

真乃「うんっ。灯織ちゃんの好きが見つかって私、嬉しいなっ」

灯織「も、もう……そういうのじゃない、から……」


灯織「……多分」

今度こそおわり

読んでいただきありがとうございました
三ヶ月前は灯織のTrueが見れないと嘆いてましたが無事見ることが出来ました、灯織のTrue両方ともほんといい…
先日実装されたSRのコミュもとてもよかったので是非見てください

ちなみに限定めぐるは出ませんでしたむんっ!(怒りのdestination)

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