【ミリマス】P「星梨花がセリカになった」 (26)

P「あー今日も仕事だりぃなあ……」

「おはようございまーす!」ドゴーン

P「ひえっ……事務所の壁をぶち破って車が突っ込んできたぞ」

星梨花「えへへ、失敗しちゃいました」

P「その声はひょっとして星梨花か!?」

星梨花「はい、そうなんです」

P「なんで星梨花がトヨタセリカになってんだよ!」

星梨花「この前、朝起きたら、車になっちゃってて」

P「そうなの!?」

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星梨花「あ、そうだ。さっきコンビニに寄ったんですけど、飲み物でも飲みます?」

P「コンビニにも突っ込んでないよな?」

星梨花「」プップー

P「返事に困ったからと言ってクラクションで返事するのはやめろ!」

星梨花「とりあえず飲みますか?」

P「ああ、いただくよ……ってまずっ! なんだこれ」

星梨花「ガソリンです」

P「ぺっ! 何飲ますんだよ!」

星梨花「プロデューサーさんもそろそろガソリンの味を知った方がいいかなって思って」

P「普通に生きててガソリンの味を知る必要はねえよ!」

星梨花「ガソリンの味とか知らんだろ?」

P「知ってる! 知ってるよ! だって今飲んだもん!」

P(それにしてもセリカかっこいいな。ちょっと前はナウでヤングな若者たちに大人気なスポーツカーだった。この形はかのレースで忌み嫌われたST205型か? 果敢にも世界的に普及しているGT-Rにステゴロで挑んだあれだ。先代のGR-FOURが輝かしい活躍を見せ、それを引き継ぐかたちで開発されたが結局は普及はしなかったな。それでも他のレースで結果を残すなど、活躍できるスペックはちゃんとある。若者のスポーツカー離れと排気ガス規制により、生産終了はしてしまったが、まだまだ根強い人気がある)

星梨花「プロデューサーさん、視線がこわいです」

P「ああ、ごめん。熱が入ってしまってな」

星梨花「わたし、誘拐とかされちゃうんですか?」

P「ぐへへ、そうだなって無理だよ! レッカー車レベルのものじゃないと誘拐できんわ!」

星梨花「えへへ」

P「親御さんには相談したのか?」

星梨花「はい。最初はパパもママも悲しんでいたんですけど……」

P「うんうん」

星梨花「最終的には気に入ってくれて、車体をわたしのイメージカラーで塗って、専用の車庫までつくってくれました!」

P「ご両親がポジティブすぎる!」

P「ってそろそろ営業先に行って挨拶と打ち合わせしてこなきゃな」

星梨花「わたしに乗っていきますか?」

P「星梨花に乗るって字面に背徳感がありすぎるけど、せっかくだから乗っていくわ」

ぶーん

P(やっぱり車体が大きいからか、乗ってて気分がいいな。加えて硬すぎない適度にロールを許すセッティングにより街乗りの日常走行でもスポーティながらすぐれた乗り心地を実現している)

星梨花「わたしへの乗り心地はどうですか?」

P「やっぱり字面がおかしいが悪くないよ……って営業先ってどこだったっけ? スマホも電源切れてるし、困ったなあ」

星梨花「カーナビ使いますか? パパが実装してくれたんです」

P「おっマジか、助かる」

星梨花「ではまず首都高に乗ります」

P「って箱崎ジャンクションを通らせようとするな! そんなに遠くないだろ!」

星梨花「えへへ、では透明な高速道路に乗ります」

P「子どもにありがちな間違い!」

星梨花「あっあれは東京タワー?」

P「だから子どもにありがちな間違いはいらん! あれはただの鉄塔!」

星梨花「えへへ、そうでした」

P「星梨花はかわいいけど、道案内させるにはちょっと不安だな」

星梨花「なら、カーナビシアターモードを使いますか?」

P「なにそれ」

星梨花「わたしのお友だちを中心にシアターのみんながナビゲートしてくれるモードです」

P「おおっおもしろそうだな。ぜひ頼む」

星梨花「では切り替えますね」ポチッ

杏奈「杏奈……です……よろしく……お願い……します」

P「1人目は杏奈か、声もかわいいし、割と常識人枠でもある。これは期待できそうだ」

杏奈「……あっ」

P「どうした?」

杏奈「今の……ところ……右……でした」

P「早く言えよっ!」

杏奈「ごめん……なさい」

P「うーん、杏奈は可愛いけど、道案内には向いてなさそうだな。切り替えよ」ポチッ

ロコ「ロコがナビゲートしますよ」

P「2人目はロコか。いじられがちだが、地頭はいい。これは期待できそうだ」

ロコ「お任せくださいっ」

P「なぁロコ。この道はまっすぐでいいのか?」

ロコ「ザッツライトです!」

P「なんだ右か」グイーン

ロコ「いえ、そのライトではなくてThat`s rightは正しいという意味です。なのでさっきは真っ直ぐで合ってました」

P「紛らわしいわ! いや今回は俺の英語力の問題か……続けて頼む」

ロコ「ライトです」

P「今度こそ右か」

ロコ「いえトンネルを通るからlightをつけてくださいっていうオーダーです」

P「ちょ、トンネルの側面削ってる!」ゴリゴリ

ロコ「ネクストのインターセクションはノートラフィックですからピースオブマインドでトラフィックライトがグリーンにターンしたらライトにターンしてくださいね」

P「うちのロコのナビゲートが難解すぎる件ってラノベ出せそう」

P「だめだ。俺の英語力じゃロコは難しすぎる。もっと安心できる大人にナビゲートしてもらいたい。運転に集中できるくらい包容力がある人で」ピッ

???「あらあら~」

P「……」ピッ(無言でモード切り替え)

P「次は誰にしようかなっと」

律子「失礼しますっプロデューサー」

P「急に車に乗り込んできてどうした」

律子「詳しい話はあとで! いいから前の車を追って!」

P「わ、分かった」

俺「トチんじゃねえぞ、相棒!」

P「何でお前まで乗ってきてるんだよ!」

律子「どなたです?」

俺「メタル桃子だけど。」

P「嘘つけ!」

星梨花「うーん、そのネタはちょっと旬をすぎちゃいましたね」

P「冷静に採点するな!」

俺「パピコでも食います?」

P「いいから降りろ」

俺「はい」

P「律子、状況を説明してくれ」

律子「実は社長がひったくりに遭ったんです。犯人は逃走中で、目の前の赤い車です」

P「なるほど、しっかり掴まっとけよ」ブーン

星梨花「この状況お助けできるかもしれません。パパがいくつか防犯機能をつけてくれたんです」

P「どんなのがあるんだ?」

星梨花「タイヤを意図的に飛ばして敵を撃退する、通称空飛ぶt」

P「いろんな意味であぶなさそうなのはやめろ!」

P「うわ、ダメだ。交差点で巻かれてしまった」

星梨花「プロデューサーさん! ハンドルについてるボタンを押してくださいっ」

P「分かった!」

星梨花「GO! ジュニオール!」

P「おい、ボンネットが開いて犬が出ていったぞ」

星梨花「はい、格納されてました」

P「ホントいろいろ大丈夫なの?」

星梨花「はい、彼もメカ化されてますから」

P(これ愛護団体から怒られたりしないよね?)

ジュニオール「キャウン!」

P「轢かれたぞ」

星梨花「大丈夫です。ジュニールはアジリティやってますからね」

P「アジリティは詳しくないが、そこまで万能じゃないのは分かる」

星梨花「ただピンチなのもたしかですね。ジュニオール! 必殺技です!」

ジュニオール「今週のビックリドッキリメカ」

P「犬型ロボだけれども! もう頭おかしいだろ!」

その後、なんだかんだあってプロデューサーたちは犯人を追い詰めた。

P「もう逃げられないぞ」

律子「ハッ」テコリン!

そのとき律子の眼鏡が光る。

律子「なんだ、そういうことだったのね」

眼鏡のレンズに光が全反射して表情が分からないが、口元を見ると彼女は笑っているようだった。

律子「プロデューサー殿、さっき乗ってた人の名前は?」

P「たしか朴さんだっけか」

律子「そして下車する直前に彼は何を渡してくれましたか?」

P「パピコだったな……ってまさか!」

律子「そう、パピコは2つに割って食べるもの。俺さんの本名の朴を2つに割ると、木とカタカナのトに分けられます」

律子「それを読むと木とト。木ト、木戸」

P「つまり犯人は可奈!?」

律子「はい」

P「こんなの偶然だ!」

律子「パピコは2つに割るものです。つまり、割るもの=悪者」

P「そういうことか! さぁ犯人さんよ、マスクを脱いで姿を現せ!」

知らんおっさん「ごめんなさい」

P「……」

星梨花「……」

律子「いいよ」

P「小学生の謝りの儀式みたいなのやめろ!」

律子「じゃあ、私は帰りますね」

P(逃げた! けど事務所に律子いないといつものオチができないからな)

事務所

P・星梨花「ただいまー」

律子「おかえりなさい」

P「実は星梨花がセリカになってしまってな」

律子「あーその案件なら知り合いの板金屋が直せますよ」

P「そうなの?」

星梨花の姿は元に戻った!

おわり

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