佐倉「ええっ！！？ 本当に！！？ ドラマ化するの！！？」

野崎「ああ」

御子柴「マジかよ……」

佐倉「いつ放送するの！？ 放送枠は！？ キャストは！！？」

野崎「お、落ち着いてくれ佐倉」

佐倉「落ち着いてられないよ！！ だってあの恋しよっがドラマ化だよ！！？」

野崎「確かにそうなんだが……」

御子柴「……嫌な予感がすんな」

野崎「御子柴……？」

佐倉「み、みこりん？ 嫌な予感って……？」

御子柴「いや、だって……漫画の実写化だぜ？」

御子柴「こういうのってオリジナルキャラが出たり、設定や展開変えられたりして原作ファンから怒りを買うっていうのがよくあるパターンじゃねえか？」

佐倉「い、嫌な事言わないでよ！！」

野崎「確かにそうだな……もしかしたら……」

野崎「美しい三郎の舞のシーンもカットされるかもしれないな」

佐倉「カットされるも何もそれボツになったやつだよね」

野崎「……と、これがドラマの詳細だ」

佐倉「凄い！！ ゴールデンだ！！」

佐倉「しかも主演は今が旬の◯◯さんと××さん！！ 豪華だね！！」

野崎「そうか、有名なのか。 俺は芸能界には疎くてよく分からなかったが……」

御子柴「お、おい……マジかよ」

野崎「どうした御子柴？」

御子柴「こ、この監督……あの△△監督じゃねえか！！」

佐倉「え、知ってるのみこりん？」

御子柴「当たり前だろ！！」

御子柴「この人はな、ありとあらゆる漫画を実写化してきた！！」

御子柴「忠実な原作再現、マッチすぎるキャスティング……」

御子柴「この人が作った作品は全部成功してるんだぜ！！」

佐倉「ほ、本当に！！？」

野崎「そうか、なら安心した」

野崎「それなら美しき三郎の舞のシーンも……」

御子柴「なんでお前はそれに拘るんだよ」

別の日

野崎「二人とも、撮影現場に行かないか？」

佐倉「野崎くんの！？」

御子柴「ドラマのだろ」

野崎「ああ、ドラマのだ。 雑誌の企画で俺とメインキャスト、監督の対談をやる事になってな」

佐倉「わ、私達本当に来ていいの？ 邪魔じゃない？」

野崎「いや、監督自ら希望したんだ。 色んな人の話を聞きたいって」

御子柴「マジか……やべえ、何聞こうかな」

野崎「当日は剣さんやほかの編集部のスタッフも数人で行く。 それと集合場所は……」

佐倉「みこりん、私達迷惑かけないようにしようね！」

御子柴「おう」

当日

佐倉「ここが集合場所だけど……」

御子柴「来ねえなあいつ……何やってるんだ？」

野崎「すまない！！ 遅れた！！」

佐倉「野崎くん！！ ギリギリだよ！！」

御子柴「徹夜で漫画でも描いてたのか？」

野崎「どういう私服だったら剣さんに好印象を与えられるか迷って……」

御子柴「恋人かお前は！！！」

集合場所

野崎「おはようございます剣さん！！！」

宮前「おはようございます。 早く行きましょう」

野崎「はい！！」

野崎（何も言われない……）

御子柴「俺は監督に会えるのがすっげえ楽しみだけど……佐倉はやっぱキャストに会えるのが楽しみなのか？」

佐倉「取材してウキウキする野崎くんを見るのが楽しみ！！」

御子柴「平常運転で安心した」

撮影現場

監督「こんにちはー」

佐倉「こ、こんにちは！！」

野崎「初めまして、夢野です。この二人はアシスタントの……」

御子柴「俺、監督のドラマ大好きです！！ あの、ガールズプリンセスの実写化は……」

佐倉「みこりん落ち着いて！！」

野崎「恋愛話を聞かせてもらってもいいですか？」

佐倉「野崎くんも落ち着いて！！ 早すぎるよ！！！」

野崎、監督、キャストと対談中

佐倉「凄いよみこりん！！ 夢の共演だよ！！」

御子柴「へっ……あの中に永遠のラブハンターの俺様がいれば……更に豪華になるだろうな☆」










野崎「因みに今回、どうして自分の漫画を？」

監督「最近、ああいうストレートな少女漫画が少ないなぁって思って」

監督「この時代に敢えて王道で行こうかなって」

野崎「あの、ボツで三郎が舞うシーンがあるんですけどこれは……」

監督「ごめん、それは考えとく」

野崎「お二方も自分の漫画を拝見に？」

女優「はい！ 読みました！！」

俳優「僕も読みましたよ」

俳優「少女漫画って男性が読んでも楽しめると思いましたよ！！」

女優「私はこの漫画、普通の少女漫画とは違うと思います！！」

野崎「本当ですか？ 具体的には……」

女優「距離が離れてた鈴木とマミコが近くになったり……」

野崎「？ それは案外普通では……」









堀『おい野崎、なんだこのコマ。 めちゃくちゃ距離離れて会話してると思ったら次のコマでメッチャ近くなってるじゃねえか』

野崎『すいません、そういうの苦手で……』

野崎「三人から俺に質問してもいいですか？」

監督「なんですか？」

野崎「恋愛ネタとか持ってますか？ 過去のでもいいです。 それか友人の話でも……」

佐倉「取材してる野崎くん、レポーターみたいでかっこいいね！！」

御子柴「下手な事言わなきゃいいけどな……」

野崎「ドラマでよく見る女優の落とし合いのような事は……」

女優「な、ないですね」

佐倉・御子柴「言った側から暴走してる！！」

監督「逆に僕から聞いてもいいかな？ そこのアシスタントさん達に」

御子柴「えっ！！？」

佐倉「私達ですか！！？」

監督「この実写に期待する事とかリクエストとかってある？」

御子柴「……そりゃあ勿論、俺の描いた花をちゃんと再現してほしいっすね」

御子柴「あの花あってこその『恋しよっ』……そう、この俺あってこその『恋しよっ』だからな☆」

佐倉「原作を読んだ事ない人でも楽しめるようにしてほしいです！！ 兎に角監督の力で『恋しよっ』の魅力を存分に伝えてください！！」

監督「分かった、頑張るよ」

御子柴「///」

「対談終了でーす」

野崎「ありがとうございました」

監督「ありがとうございました！！ 最高の作品にしてみせます！！」









野崎「いいネタをもらった」

佐倉「よかったね野崎くん！！」

御子柴「演技も見れたしな……鹿島が見てたらびっくりしてただろうな」

野崎「因みにサインも交換した。 いるか？」

佐倉「う、ううん！！ 勿体ないよ！！ 野崎くんがもらっていいよ！！」

御子柴「……」

御子柴（アニメ化とかだと声優さんに会えてたのかもな）

別の日

宮前「夢野さん、第1話ができたそうです」

野崎「本当ですか！？」

宮前「はい、映像がきてます。 見ますか？」

野崎「はい！！！」

野崎（素晴らしい監督、素晴らしいキャスト……）

野崎（恐らく素晴らしい第1話ができてるに違いない！！）

俳優『マミコ！！ 危ない！！』

女優『鈴木！！』

野崎「おお！！」

女優『鈴木くん、私を庇って……』

俳優『よくもマミコを傷つけようとしたな……！！』

タヌキ『……』









野崎・宮前「！！！！？」

野崎「け、剣さん！！ これどういう事ですか！！？」

宮前「こっちが聞きてえよ……」















前野「いいですか！！ ここでタヌキのアップがどーん！！って！！」

監督「い、いや……でも原作にはタヌキは出てこな……」

前野「僕だってこの漫画の前の担当なんですよ！！ 意見を言う権利だってあるはずです！！！」

前野「最高のドラマにしたいんだったらタヌキをいれるべきですよ！！」