【ガルパン】『代役の隊長と本物の隊長が戦ったらどっちが勝つの?』 (217)



これまでのお話です


【ガルパン】杏「隊長達が全滅?そうだ!!代役を立てよう!!」

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【ガルパン】愛里寿「私に良い考えがある…中隊長の代役をお願いしたいんですが」

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よろしくお願いしマウス




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― 月刊 戦車道 編集部


編集部員「編集長ぉ~、この前の特集のアンケートでーす」

編集長「お、代役のヤツか?どうだった」

編集部員「まぁ、色々と反響はありましたよ…良くも悪くも」

編集長「反響があるのは良い事!!どれどれ…どんな感想が来てるのかな~」ヒョイ


編集長「……」


編集部員「編集長?」


編集長「これだ!!」

編集部員「へ?」



ハガキ『戦車道の人達は仲が良いから実現しないと思うけど、代役の隊長と本物の隊長が戦ったらどっちが勝つの?』




― 某所


みほ「真の隊長決定戦?」

柚子「ええ、そうよ」

まほ「そ、そんな事の為に私達は呼ばれたのか?」

柚子「ええ、そうよ」

ダージリン「何故、このような事を?」

柚子「実は、月刊 戦車道 からね…」


………



編集長『小山ちゃーん、次の企画はコレでお願いしたいんだけど』

柚子『この内容ですか…』

編集長『大洗女学園の掲載広告も一年間サービスするからさ~』

柚子『わかりました、引き受けましょう』キリッ



………


柚子「というわけよ」

みほ「新聞の勧誘のオマケみたいなノリで決めないでください…」

カチューシャ「何よ!ミホーシャの学校の為にカチューシャ達がダシにされるって事じゃないのよ!」

西「まぁまぁ、これはこれで面白いのではありませんか?」

アンチョビ「こういうノリ、ウチは大歓迎だぞ」

ケイ「イエース!面白そうじゃない!!私も賛成よ!」

ミカ「この企画がどんな風を吹かせるのかわからないけど、私自身は流されるままさ」ポロン




柚子「それじゃ、皆の了解も得られたという事で」

まほ「い、いや…その私はだな…」

ダージリン「あ、あの…対戦相手の代役というのは…」

みほ「まさか、あの時のDVDの…」


柚子「ええ!!彼女達よ!!」



???「待たせたな!!」×8




柚子「まず登場するのは、星条旗に愛されたナイスバディ!!」

柚子「“サソダーヌ大学付属高校”より ケビ隊長!!」


あけび「ハーイ!正々堂々とファイトしましょうネ!!」グッ!

ケイ「オッケーイ!望むところよ!!」グッ! 



柚子「続いては、アンコウの国から参戦の我らが会ちょ…ではなく総帥!!」

柚子「“カンチィオ高校”より ドューチェ カドチョビ!!」


杏「アンコウ茹でちゃうよ~」

アンチョビ「パスタだ!!パスタを茹でろ!!」





柚子「吹きすさぶ北風に乗って、ちょっと小さな暴君がやって来た!!」

柚子「“バレエダ高校”より ノリーシャ隊長!! ピンナ副隊長の肩車で登場です!!」


典子「根性よ、根性!!だらしないヤツは容赦しないんだから!!」

ぴよたん「ハイ、ノリーシャ」

カチューシャ「ちょっと!!私より高いなんて許さないんだから!ノンナ!私達も肩車よ!!」

ノンナ「ハイ、カチューシャ」



柚子「歴史が物を語る!古豪“王都ゲロリアーナ女学院”より 綺麗な方 ニャージリン隊長!!」

ねこにゃー「こんな格言を御存じ?“スコーンは勝手に割れても、腹筋は努力でしか割れない” 」

ダージリン「き、聞いた事ありません…それより、その綺麗な方と言う区別の仕方はお止めになって!!」




柚子「風に吹かれて流れてきたのは“存続高校”より アリカ隊長!!」

愛里寿「プップー♪!!」

ミカ「フフン、その意気やよしだね」ポロロン♪



柚子「三度の飯の次に突撃が大好き!!“知破綻高校”より 西華代隊長!!」

華「腹が減っては戦は出来ぬ!!硝煙の前に湯気を上げろ!!」

西「おお!!何と勇ましい!!」




柚子「そして強豪、“白桃峰女学院”より 西住もほ隊長!! もほちゃん、頑張ってね!!」

桃「もほちゃんと呼ぶな!!もほちゃんと!!」クワッ

まほ「……」



柚子「そして最後は、この隊長達を束ねる大隊長!!“大笑女学園”より 西住あほ隊長!!」

梓「よ、よろしくおねがいします!!」

みほ「……」


柚子「以上、八名の隊長同士の熾烈なバトルを司会、小山柚子がお送りします!!」

みほ「ちょ、ちょっと、まってください!」




柚子「どうしたの、本物の西住さん?」

みほ「あ、あのもっとマシな名前を…」チラッ


梓「に、西住隊長、怒ってる…やっぱり、“あほ”はダメですって!!」

桃「だけど“ずほ”だと、よくわからんがジオンのMSみたいだって西住のお母さんがだな…」


まほ「おい待て、お母様が来てるのか!?」


柚子「ええ、今回の対決の為に審査員として、西住さんのお母さん達、三人を呼んだわ!!」



しほ「審査員の西住流家元、西住しほ です」キリッ

千代「同じく、島田流家元、島田千代 です」キリッ

エリカ「どうして私が…く、黒森峰女学院…、逸見エリカです…」ダラダラ


みほ「お母さん…なんで、また…」

しほ「みほやまほと触れ合えると思いましたので来ちゃいました」キリッ

まほ「エリカ…お前まで…」

エリカ「家元から、審査員の数が足りないから手伝えと…」シクシク

しほ「審査員として公平に努めるので、みほもまほも頑張りなさい」

みほ・まほ「「……」」

千代「ありすー、がんばってねー!!」オテテフリフリ

愛里寿「♪プップー!」



今回はここまでとなります

続きは不定期になりますが投下させてもらいます

よろしくお願いします

いつもありがとうございます

続きを投下させていただきます



柚子「では対決ルールを説明するわね」

みほ「あ、あの…」

柚子「私が学校と対決方法を箱から選んで、その内容で対決してもらうわよ」

まほ「みほ、諦めろ、もうやるしかないようだ…」

柚子「じゃあ早速、第一勝負を…」ゴソゴソ


柚子「一番手はサンダース!!」


ケイ「イエース!やるからには負けないわよ!!」

あけび「正々堂々戦いましょうね!!」


柚子「対決方法は… 砲弾しばき合い対決!!」




ケイ「ワッツ?」

あけび「ど、どういう対決なんですか?」


柚子「えーと… 向かい合った戦車の砲塔に跨ってスポンジの砲弾で叩きあいをして下のプールに落ちた方が負け って内容ね」

まほ「せ、戦車道とは、まったく関係ない方法だぞ…」

柚子「戦車には跨って乗ってます」キッパリ

西「なるほど!」

ダージリン「納得しないでちょうだい…」


ケイ「ねぇ?どーせ落ちたら濡れるんだし水着でバトルしましょうよ!」

あけび「えっ」




― 第一勝負  砲弾しばき合い対決


柚子「さぁ!始まりました砲身の上に跨る二人の勝敗はいかに!!」

エリカ「アンタ、大人しい見た目のくせにノリノリね…」


 ガシッ! バスッ!!


ケイ(星条旗ビキニ)「オウ!やるわね!アケビ!!」

あけび(星条旗ビキニ)「ま、負けませんっ!!」


千代「あらあら、この太陽の下であんなに素肌を晒して」

しほ「羨ましいのですか?島田さん、お肌弱そうですものね」

千代「ほっといてください、この白い肌が私の自慢ですから」

しほ「ふふっ、まぁ彼女達の服装はともかく、若い力がぶつかり合うのは見ていて気持ちいい物ですね」

エリカ「い、家元…」

柚子「審査員のお三方には、解説の方も宜しくお願いします」

千代「こちらこそ、宜しくお願いします」




ケイ「くっ…流石にボディのサイズが大きいだけの事はあるわね」

あけび「えいっ!!えいっ!!」


柚子「あぁーっと!ケビ選手が一気に攻めたてるぅーっ!!」


しほ「一昔前のバラエティ番組思い出すわね」

千代「あー、芸能人水着大会ね」

しほ「そうそう、こういうバトルの下でワイプの清純派アイドルが歌ってるのよねー」

千代「あった、あった!」

エリカ(ふ、二人の話題についていけない…)

千代「それで、バトルしてるお色気担当の子が…」


ケイ「負けないわよ!!」グイッ!

あけび「わわっ!?け、ケイさん、そんなに近づいたら!!」


  するっ するっ


柚子「あ」

エリカ「あ」


千代「水着が脱げちゃうって展開がお約束だったわよねー」

しほ「懐かしいわねー」




あけび「き、きゃあっ!!み、水着が!!」ムネカクシー

ケイ「隙ありよ!!」

あけび「え?」

 バシャーーン!!

ケイ「イエッース!!私の勝ちね!!」

あけび「ふぇぇ…水着が脱げるし…負けるし…最悪ぅ…」


柚子「勝者、ケイ選手!!本物チームがまず一勝です!!」

エリカ「ちょっと…流石にその…乙女の柔肌が見えそうだったけど…」

柚子「あとで編集しますから大丈夫です」

エリカ「そ、そう…」


ケイ「さぁ!私に続いて皆も頑張るのよ!!」ボイーン


まほ「いいから!!隠せ!!」

エリカ「ここも、編集が必要ね…」


 第一勝負終了  ○本物(1勝) ●代役




ケイ「何よー、これくらいノープロブレムでしょ」

みほ「大問題ですって…」

ダージリン「私達は淑女なんですよ、一緒にされては困ります」

西「は、破廉恥です!!////」


あけび「ふぇぇ…キャプテン~」

典子「よーしよし、あれは仕方ない」


柚子「続いて、第二勝負行くわよ… アンツィオです!」


アンチョビ「よーしケイに続いて勝つぞー!」

杏「そーはいかないよー!!」


柚子「対戦方法は… 熱湯風呂我慢対決!!」


アンチョビ「…」

杏「…」




しほ「今回の勝負はいたってシンプル!」

千代「アツアツの熱湯風呂により長く入っていた方が勝ち!」

エリカ「あ、あの…」

しほ「さぁ!本家アンツィオ高校からは…」


アンチョビ(スクール水着)「フハハ!我慢なら自信あるぞ!!」

カルパッチョ(スクール水着)「色々と耐えて来ましたからね…貧しさとか…オヤツの量とか…」

ペパロニ(スクール水着)「アンチョビ姐さん、そのウィッグ邪魔ッスから外してくださいよー」

アンチョビ「これは地毛だ!!」

カルパッチョ「とにかく邪魔になりますから、この手ぬぐいでまとめて下さい」


アンチョビ(スクール水着・ほっかむり)「こ、こうか?」


ペパロニ「最高じゃないッスかwww!!アンチョビ姐さんwww」


千代「およそ女子高生がする格好じゃないわね」

エリカ「あ、あの、何故お二人が進行を…大洗のは?」

しほ「それはね…」


杏(スクール水着)「カドチョビだよー!」

柚子(スクール水着)「ユズロニッスよ!!」

桃(スクール水着)「か、カワシマッチョだ…」


千代「司会役の小山さんが代役チームの方の手伝いに行ったからよ」

エリカ「ええ…」




― 第二勝負  熱湯風呂我慢対決


 グツグツグツ…


アンチョビ「う゛わ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁっ!!」

杏「煮゛た゛っ゛て゛る゛そ゛ぉぉっ!!」


アンチョビ「い、いいか!私のタイミングで入るからな!!」プルプル

杏「いいって言うまで、お、押しちゃだめだかんね!!」プルプル


ペパロニ「わかってますってー」ニヤニヤ

カルパッチョ「私達を信じてー」ニヤニヤ

柚子「ほらほら、しっかりー」ニヤニヤ

桃「え、え~と…」


アンチョビ・杏「「 絶対だぞ!! 絶対!! 」」



カルパッチョ「 ていッwww!! 」ドーン

ペパロニ「 落ちろッスwww!! 」ドーン

柚子「 よいしょッwww!! 」ドーン

桃「 も、申し訳ありません!!」ドーン


 ざばーん ざばーん


しほ「さぁ!両者同時のスタートとなりました!!」

エリカ「もうお約束ね…」




 バシャ!!バシャ!!



アンチョビ「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛つ゛い゛ぃぃっ!!」ジタバタ

杏「ん゛き゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁ!!」ジタバタ


千代「両者とも必死の形相で耐えております!!」


アンチョビ「ダメだ!ダメダメ!!出して!出してぇっ!!」ジタバタ

ペパロニ「我慢ッスよーwwwアンチョビ姐さんーwww」ガシッ

カルパッチョ「耐えて下さい、私達も…プフッ、つ、辛いんですwwwドゥーチェが好きだからwww」ガシッ

アンチョビ「き゛さ゛ま゛ら゛ぁぁぁ!!」


エリカ「まるで血の池地獄ね…」

しほ「さぁ、苦しむ本物トリオに対し代役トリオの方は!!」




杏「ひ゛き゛ぃぃぃっ!!」ジタバタ

柚子「ほらー、杏ぅー暴れないのーwww」ガシッ

桃「あぁ…か、会長…」オロオロ

杏「た゛じ゛で゛ぇ゛ほ゛し゛い゛も゛ぉぉぉ…!!」


エリカ「こっちも酷い有様ね…」

千代「さぁ!どちらの精神力が勝るのか!!目が離せません!!」





杏「あ゛し゛い゛い゛ぃぃっ!!」ジタバタ

桃「駄目だ!!私には耐えられない!!」ガバッ!!

柚子「え?桃ちゃん!?」




 ズルッ!!


しほ「おぉぉっと!!代役のカワシマッチョさんがカドチョビさんを引き揚げたことにより!!」

千代「本物チームの勝利となります!!」



杏「あぁ…かーしま…なんで…」

桃「だって、私、会長が苦しんでるのなんて見てられないよぉ!!」

杏「もぉ…しょうがないなぁ…あと、こやまー、そっちは許さないかんねー」

柚子「会長ー、私は気持ちを押し殺して抑えていただけですからー」






アンチョビ「あ゛っ゛ち゛は出゛ているぞぉぉ!!もう終わっただろ!!早ぐ出゛しでぇぇ!!」ジタバタ


ペパロニ「アンチョビ姐さん!!パスタだってちゃんと火が通るまでは鍋から出さないッス!!」

カルパッチョ「茹で上がるまで、もう後数分です!!アンツィオが料理で手を抜く訳にはいきません!!」

アンチョビ「私は食材じゃないぃぃぃ…!!」ブクブク…


 第二勝負終了 ○本物(2勝) ●代役 




今回はここまでとなります

続きは不定期になりますが投下させてもらいます

よろしくお願いします

いつもありがとうございます

続きを投下させていただきます



アンチョビ「……」チーーン


みほ「うわぁ…茹で上がってる…」

ダージリン「ほんのりと赤い色に染まりましたわね」

西「これはまさに、ゆでチョビ ですな!!」

カチューシャ「いーえ、これは アカチョビ よ!」

アンチョビ「アン…チョビ…だ」ピクピク…

まほ「安斎…大丈夫か?」

アンチョビ「あ…アンチョ…ビだ…」

ケイ「イエス!とりあえずは生きてるわネ!」


柚子「それじゃ冷めない内に、第三勝負は…継続高校!」

ミカ「おや、もう出番なのかい、もう少しゆっくりしたかったよ」ポロロン

愛里寿「プップー♪」(がんばる…)


柚子「勝負方法は… 楽器演奏対決 よ」




柚子「お二人にはお好きな曲をそれぞれ奏でてもらいます」

柚子「そのどちらが良かったかを審査員の三人に選んでもらう勝負となります」

エリカ「やっと、審査員らしい仕事ってわけね」

千代「愛里寿ー、がんばってねー!」

愛里寿「プゥァ~…」(お母様…恥ずかしい///)

エリカ「……」(とりあえず、愛里寿には一票は入りそうね…)

しほ「私情を挟まずに純粋に審査したいと思います」


ミカ「はたして、この対決に意味なんてあるのか解らないけど、やるだけはやるさ」ポロロン

愛里寿「プップー!!」(お姉ちゃんが見てるなら頑張らなきゃ)




― 第三勝負 楽器演奏対決


ミカ「それじゃ、先にやらせてもらうよ」

ミカ「曲は…まぁ民謡かな」


 ♪ズンチャ ♪ズンチャ


ミカ「♪~~」ジャカジャカ



……

ミカ「~♪…トゥータ!」ジャン!


エリカ「す、凄いわね」

千代「ふむ…」

しほ「お見事」パチパチ


ミカ「お粗末様です」ドヤァ

愛里寿「プップー」(凄い…でも負けない)




愛里寿「えっと…私は、きらきら星 を演奏します」

千代「きたわ!!愛里寿と私の思い出の曲!!」

しほ「千代ちゃん、少し黙って」

エリカ「……」


愛里寿「♪~」プップー



 ♪ ~プッ… ♪~

愛里寿「…!!」

エリカ「……」

……

愛里寿「~♪ 以上です…」


エリカ「懐かしいわねこの曲、良かったわよ」

千代「最高よ!!愛里寿!!お母さん聞き惚れて膝がガクガクよ!!」パチパチ!!

しほ「千代ちゃん、落ち着きなさい」


愛里寿「……」


柚子「さぁ、両者の曲の審査を順番にお願いします!!」




柚子「まず逸見さんからお願いします!」


エリカ「……」

愛里寿「……」

エリカ(仕方ないわよね…)


エリカ「 本物 の方に一票よ」


愛里寿「そ、そんなぁ…」

愛里寿「やっぱり継続の方が難しい曲だったからなの!?理由を聞かせて、おね…エリカさん!」

エリカ「愛里寿…少し黙りなさい」

愛里寿「う…」




エリカ「理由は…貴女途中でミスをしたわね」

愛里寿「…」ビクッ

エリカ「そのミスを私に悟られた…曲の難度、良し悪しではなくその一点だけを私は評価したわ」

愛里寿「……」フルフル

エリカ「一瞬のミス…戦車道においてもそれは重要になるわ」

愛里寿「……」ジワァ

エリカ「だから、それだけを判断基準にした…これが理由よ、わかった?」

愛里寿「はい…」ウルウル



エリカ「……」

エリカ(愛里寿…ああっ!!泣いてるじゃないのよぉ!!、うう…こうなるのわかっていたのに…)



千代「何、私の可愛い一人娘を泣かせているのよ」ゴゴゴゴ…

エリカ「……」(ひいぃ~っ!!やっぱり怒るわよねぇ!!)

しほ「千代ちゃん、落ち着きなさいって、エリカ、良く審査しました」




柚子「では次は、島田さんのお母さん、審査をお願いします」


千代「もちろん 愛里寿(代役) に一票よ!!」


柚子「はい、ありがとうございました!!では最後の…」

千代「ちょっと!!おまちなさぁい!!」

千代「私と愛里寿との思い出が詰まったこの曲のお話をさせなさぁい!!」

柚子「そ、そうですか」(話長くなりそう気がするのよね…)


千代「ええ、この曲は小学校での課題で上手く出来ずに愛里寿が夜に私の前で練習したのよ…」

千代「あの時の愛里寿の可愛らしさといったら…ええ!あの時のパジャマの色まで覚えているわ、あれは…」



……

千代「…というわけよ!」


柚子「ありがとうございます」(ここは編集でカットと)




柚子「さぁ!!最後の一票を 西住さんのお母さん、お願いします!!」


しほ「はい、私が選んだのは…」


愛里寿「……」

ミカ「……」


しほ「 代役 の方です」


愛里寿「えっ!?」

ミカ「なっ!?」


柚子「確か本物の方には賞賛の拍手を送っていましたけど…理由を聞かせて頂いてもよろしいですか?」




しほ「理由は…本物のドヤ顔が私の良く知る人に似ていて気にくわなかったからです」キッパリ


ミカ「そ、そんな理由で…」

しほ「逆に代役の失敗した時のやっちまったって顔は、千代ちゃんが昔私に負けた時に似ていて良かったですね」

愛里寿「……」

ミカ「さ、さっきは私情を挟まないと言っていたのに…審査基準がこんなのって…」


しほ「黙らんか、継続ー!!」


ミカ「!!」ビクッ!

しほ「隊長というものはあまりしゃべるものではありません…両の眼で静かに結果だけを見ていればよいのです」

ミカ「ええ~…」

エリカ「……」(これはひどい…)

千代「しほちゃん…」(すごく文句言いたい!!…けど、愛里寿に入れてくれたし…)


柚子「第三勝負は代役チームの勝利です!!」


愛里寿「プゥ~…」(勝ったけど納得いかない…)

ミカ「この勝負に意味なんてあったのかな…」ポロロン


  第三勝負終了 ●本物(2勝) ○代役(1勝) 





梓「愛里寿!お疲れ様!!」

愛里寿「試合には勝ちましたが勝負では負けた気がする…」

杏「そんなに気にしなくていーよ」

ねこにゃー「そうだよ、三連敗してたらもう後がなくなりそうだったんだし」



ミカ「すまない」ポロロン…

まほ「いや…こちらこそ、母が失礼を…」

ミカ「いいんだよ…そう…私のこんな顔と性格が気に入られなかったってだけだからさ…」ポロン…

みほ「その…ミカさん、元気出してください」(うわぁ…凹んでるよぉ)



柚子「はい、気を取り直して次の勝負行きますよ …プラウダです!!」ガサゴソ


典子「よーし!!根性で連勝だ!!」

カチューシャ「フン!ミカの敵討ちじゃないけど、ちゃっちゃと勝って実力の差ってのを教えてあげるわよ!!」


柚子「そんな、お二組の勝負方法は!!」


典子「ん?」

カチューシャ「組ぃ?」


柚子「 ヘルメット騎馬戦対決 です!!」




柚子「勝負方法は副隊長に肩車された状態で…」

柚子「“ヘルメットを取られる”か“騎馬が崩れる”どちらかになった方が負けという内容です!!」


典子「いいじゃないの、こういうのは得意よ!!行くわよ、ピンナ!!」

ぴよたん「はいはい」


カチューシャ「ノンナ、私達も行くわよ」

西「か、カチューシャ殿大丈夫ですか?」

カチューシャ「なによ」

西「相手はあのアヒル殿です、まして勝負内容が運動となると」

みほ「磯辺さんもぴよたん先輩も運動神経と筋力はずば抜けてますし…」

カチューシャ「アンタ達はカチューシャがチビっこいから勝てないって思ってるんでしょ!」

西「い、いえ、そういうわけでは…」

カチューシャ「いい、見てなさい!キヌーシャにミホーシャも!」

ダージリン「頼みますよ、カチューシャ」

ケイ「期待してるわよ!」

みほ「……」

まほ「みほ、不安か?」

みほ「う、うん…」

まほ「まぁ、見ていろ」




― 第四勝負 ヘルメット騎馬戦対決


カチューシャ「えい!この!!」

典子「うぉっ…こ、根性!!」


みほ「うそ…すごい…」

西「なんと…」


柚子「第四勝負!!始まって見れば、なんとカチューシャ選手の猛攻に代役のノリーシャ選手は防戦一方です!!」


まほ「みほや西はカチューシャとは学年が違うから良くは知らないだろうが」

ケイ「カチューシャはね、ミニマムだけど、とってもパワフルなのよ!!」

ダージリン「彼女は強いわよ、特に誰かの為に戦うときは」


カチューシャ「たしかに私は普通の人より小さいわよ…でも!!」

カチューシャ「戦車とノンナの上では私はいくらでも強くなれるのよ!!」




典子「くっ…まさか、ここまでとは…」


あけび「キャプテーン!!」

梓「がんばってください!!」

桃「しっかりせんか!!根性なし!!」


典子「!!誰が根性なしだとー!!」クワッ!


カチューシャ「隙あり!!よそ見するなんて間抜けのすることよ!!ノンナ、突撃!!」

ノンナ「はい」ダッ


柚子「一瞬の隙をついて、本物組のタックルが代役組に炸裂ゥ!!」

西「おぉ!見事な突撃です!!」


 ドシンッ!!


典子「の、のわっ…」グラッ…


柚子「あぁーっと!!ノリーシャ選手が大きく揺れて…これは倒れてしまうかぁーっ!!」


ぴよたん「ぴぃよぉっ!!」ガシッ

 グッ… ザシャァッ!!


柚子「だが、馬役のピンナ選手が堪えてノリーシャ選手を抑えて体制を立て直したぁぁ!!」


ねこにゃー「おお!ぴよたん、流石だにゃー」


エリカ「すごい攻防ね…」




エリカ「私も一度、カチューシャを肩車をしたことがあったわ」

エリカ「彼女、軽いけど人の上で激しく動くから肩車しづらい事この上なかったのよね」

エリカ「でも、今あの馬になっているお互いのチームの二人はふらつく事無く安定してるわね…」

柚子「なるほど、まさに人馬一体!この勝負、副隊長がカギとなるのか!!」

しほ「う~ん、馬っていうよりは…」

千代「牛よねぇ、あの二人」


ノンナ「カチューシャ、どうします?」ボヨン

カチューシャ「攻めて攻めて攻めまくるだけよ!」


ぴよたん「ノリーシャ、相手に集中するっちゃ」ボヨン

典子「わかってる、でもこのままじゃ…そうだ!!」




典子「で…こうするの…」ヒソヒソ

ぴよたん「なるほど…」ヒソヒソ


カチューシャ「何をコソコソ話しているのよ!アンタ達はもう御終いなんだから!」


典子「ふん!その根性は認めてあげるわ!でも、私達がこの時の為に編み出したノリーシャ戦術を見せてあげるんだから!」


柚子「おおっと!ここで代役チームに秘策宣言!!ベールに包まれた内容が今明かされるぅ!」

エリカ「…絶対、その場での思い付いた内容な気がするんだけど」




典子「よっと…」スタッ


柚子「な、なんと!?ノリーシャ選手が肩車から立ち上がってぇ!?」


典子「根性ぉぉーっ!!」バッ


 ピョンッ!!


柚子「肩車を離れて跳びかかったぁぁ!?」

エリカ「これルールとしてはどうなの?」

柚子「上の隊長が地面に着いたらアウトですから、今はセーフです」

しほ「相手の上部から強襲するのですね」

千代「高さも充分、これはいけるわね」




カチューシャ「うえぇ!?」

典子「いただきよ!!」ガシッ


 ガシッ…スポッ!


カチューシャ「きゃあっ!」


柚子「ノリーシャ選手!カチューシャ選手のヘルメットの奪取に成功!!」

エリカ「でも、このままだと代役の方も馬から離れているから地面に着いて両者失格よ?」


典子「根…性ぉぉぉ!!」グルン

 ゲシィッ!!

ノンナ「ぐっ」


柚子「なんと、ノリーシャ選手ノンナ選手を踏み台にして再び空へと舞いあがるぅ!!」




典子「ピンナ!!合体よ!!」

ぴよたん「おお!!」ダッ!


典子「根性!!」 ぴよたん「合体!!」


  ガッシーン!!


柚子「なんと!代役チーム!肩車から跳びかかりヘルメットを奪った上!!」

柚子「さらに相手の馬を踏み台にして飛んでいる間に自分の馬と再合体という離れ業!!」

しほ「おお、凄いわね」

千代「アクロバティックね、ウチのテーマパークのアクターに欲しいくらいだわ」

柚子「これにより、代役チームの勝利となります!!」

エリカ「人間離れにも程があるわよ…」


典子「これぞ、秘技“ヘルメット取ってノンナさん崩し”よ!!」


カチューシャ「くぅ~!!こんなのって!!」


  第四勝負終了 ●本物(2勝) ○代役(2勝)


今回はここまでとなります

続きは不定期になりますが投下させてもらいます

ありがとうございました

いつもありがとうございます

続きの第五勝負を投下させていただきます



カチューシャ「ごめんなさい…負けちゃったわ…偉そうなこと言ってこの有様よ…」

みほ「そ、そんな謝らないでください、それより怪我とかなかったですか?」

ダージリン「残念だったわねカチューシャ、でも勝負は時の運よ、貴女なら次回こそやってくれると信じてるわ」

まほ「いや…こんな勝負は二度とすることないだろ」


典子「根性の勝利です!」ブイッ

梓「ちょっと、やり過ぎだったのでは…」

ねこにゃー「もう少し手加減してあげてもよかったんじゃないかな?」

ぴよたん「そんな余裕なかったぴよ」


柚子「はーい!中盤折り返しの第五勝負は… 知波単!!」


西「おお!私の出番ですな!」

華「ここは外せない一番です」


カチューシャ「頼むわよキヌーシャ、勝ったらプラウダ特製のボルシチを御馳走するから!」

西「はい!私、先ほどのカチューシャ殿の勇戦に心が震え上がりました!見ていてください、我が知波単魂を!」


柚子「そして勝負方法は… 白米大食い対決 です!」

みほ「え」




柚子「文字通り、制限時間内でどっちがより多く白飯を食べられるかという勝負になります」


西「おお、米をたらふくいただけるのですか」

華「私、こんな勝負始めてです…自信を持って臨まなくてわ」キリッ


桃「うおぉ!!これは勝ったも同然だな!」

杏「悪いねー、西住ちゃん達この勝負は貰ったよー」


ケイ「ワォ!アンジー達、盛り上がっているわね」

みほ「この勝負…駄目かもしれない…」ドヨーン

まほ「始まる前から諦めるなんてみほらしくないぞ」

プラウダ「そうよ!キヌーシャはやってくれるわよ!」

アンチョビ「いやぁ…知波単がどれくらいかは解らんが、大洗の彼女は特別なんだよ」

ミカ「おや、アンチョビ、お目覚めかい」

ダージリン「特別?どのようにですか」




アンチョビ「知っての通り、ウチは試合後に食事を振る舞うのが流儀なんだが…」

みほ「前に大洗とアンツィオで試合した時なんですけど」

アンチョビ「持ってきた食材が足りなくなったんだ…宴会はじめて一時間半程で」

ダージリン「まぁ」

アンチョビ「大きく盛り付けられた料理がすぐには消えて行き…目線を追うとそこにいたのが…五十鈴華だ」

カチューシャ「う、嘘でしょ…」

みほ「残念ですけど本当です」

アンチョビ「それ以降、大洗と試合する時は彼女の分で多く用意するようにしているんだよなぁ」


みほ「加えて、華さんは白いご飯が大好物で…」

みほ「以前、レストランでそれぞれのおススメは?って事があったんですけど…」

みほ「華さん…イチ推しメニューに、大ライスを挙げていたんです…」

ケイ「クレイジー!とんだライスジャンキーね!」

まほ「これは、西に分が悪いな」

カチューシャ「キヌーシャ…」




― 第五勝負  白米大食い対決


 ほか…ほか…


華「まぁ、これは」

西「おお!輝くような美しいどんぶり飯ですな!」


柚子「この勝負の為に用意した茨城産の新米です!では 第五勝負… はじめ!!」


華・西「「 いただきます 」」




華「うん…美味しいですわ」パクパク…


柚子「さぁ、始まりました!うら若き乙女が白い粒を体に取り入れるは、何のためか!!」

柚子「命を!!身体を育むためであるからです!!」

エリカ「何よ、その変なテンションは…」

しほ「白米よりも米で造る液体の方が欲しいわね…」

千代「だったら、この撮影が終わったら、どう?」クイッ

しほ「受けて立ちます、西住流の名にかけて」キリッ

エリカ「(この二人は…)それにしても、両者とも良い食べっぷりね」


華「……」パクパク


みほ「あれ?」

アンチョビ「うん?」




まほ「たしかに、淡々としているがよく食べているな」

みほ「違う…」

アンチョビ「ああ」

ミカ「違うって何がだい?」

みほ「あきらかに、いつもの華さんのペースじゃないんです」

アンチョビ「あれくらいの量、彼女なら秒単位で平らげるはずだよな…」

みほ「ええ、それにほら、相手側のチームを見てください」


杏「あ、あれ?、五十鈴ちゃんどったの?」

桃「どうした!!いつものように食わんか!!」


ダージリン「あの反応…いつもはどれだけ食べているのよ」


梓「やっぱり…五十鈴先輩、あの時の…」

桃「な、なんだ!澤、何かあったのか!?」

梓「ええ、実は…」




………



― 撮影前


梓「五十鈴先輩、もうすぐ出番ですよ」

華「腹が減っては戦はできませんからね、この白米をいただいてから行きますわ」モグモグ

梓「ほどほどにしてくださいね」




………


梓「…という事があって」

桃「何をしているんだ!アイツは!!」


あけび「ちょっと待って!私が見たときは…」




………



― 撮影前


あけび「五十鈴先輩、何を食べているんですか?」

華「私の燃えるような闘志をご飯に叩きつけた焼きおにぎりですわ!!」モグモグ

あけび「醤油の匂いが強烈ですね…」

華「この匂い…好き、ふふっ」




………


あけび「…こうでした」

杏「あちゃー」


愛里寿「あの…私も見たんですけど…」

桃「まだ、あるのか…」




………



― 撮影前


愛里寿「本番だ…急がなくっちゃ」トコトコ


小梅「世界レベルの隊長達に挑むなら、これを食べて下さい!」ジャッ!ジャッ!

小梅「私、特製の本格炒飯です!!」ドーン!

華「この叉焼の迫力…止まらない!止まりませんわ!!」モグモグ

小梅「これが、五十鈴さんの新なルーティーンです!!」

華「最高!!…ふふっ」


愛里寿「あの二人、何をしているんだろ?」




………


愛里寿「…こんな感じ」

桃「梅ちゃん~!」

典子「つまり、この勝負の前に…」

ねこにゃー「ご飯と焼きおにぎりと炒飯を食べていたってことなんだね…」


華「……」モグモグ(白米が被ってしまいましたわ…)


柚子「さぁ!この勝負いったいどうなるのでしょうか!!」

柚子(赤星さんに仕込みをお願いしたけど、予想以上に五十鈴さんのペースが落ちてるわね)




みほ「よくわかりませんが、華さんが本調子じゃないならつけ入る隙はあります」

アンチョビ「そうだな、西、チャンスだ!一気に食って差をつけてやれ!!」


西「……はい?」パクパク


まほ「凄く綺麗に食べているな…」

ダージリン「ええ、大食い勝負とは思えないほどに優雅ね…」

ケイ「オゥ!キヌヨ、もっとダイナミックに食べなくちゃ!」


西「い、いや、これほどの米ですから、一粒ずつ味わわないと…」

西「それに人前で飯をかきこむのは…その、些か恥ずかしいので…///」


ダージリン「変なところで、お嬢様学校っぽさを出てるわね」

カチューシャ「キヌーシャ!!」

西「はい!」

カチューシャ「命令よ!その目の前のご飯に突撃しなさい!!」

西「突撃?」ピクッ

カチューシャ「そうよ!!と!・つ!・げ!・き!、その白い米粒を殲滅しちゃいなさい!」

西「!! かしこまりました!!」ビシッ!




 ガツ!ガツ!!


西「吶喊!!うおお!!はぐ!…はむ!」ワッシャワッシャ


柚子「おおっーと!ここへ来て本物チームの西選手がスパート!!一気にかきこんでいきます!!」


まほ「これは凄い勢いだな」

アンチョビ「いいぞ!その調子だ!」


エリカ「それでも代役の方がリードしているわね、追いつけるかしら」


華「ふぅ…少しばかり、胃に溜まってきてますね…仕方ありません」

 …コトッ


柚子「代役チームがどんぶり置いて手が止まった!?ここにきて限界かぁーっ!」


みほ「チャンスです!一気に詰めて下さい!」

ケイ「ファイトよ!キヌヨ!」


西「うぉぉ!!」ガッツガッツ

華「…すぅ…はぁ…」


カチューシャ「キヌーシャぁぁ!!」


西「うおぉぉぉぉぉ!!」ガッツガッツ


 …ズゥン

華「!!」

華「幽門が開きましたわ!!」カッ!



柚子「はい!終了ぉーッ!!」

華「ええっ!?ここで終わりだなんて」

西「うっぷ…」




柚子「集計いたします!本物チームは…1…2…7杯です!!」

西「ぐぷっ…もう動くのも厳しいです…」ピクピク


柚子「そして代役チームは…同じく、どんぶり7杯!」

華「くっ、胃に空きが出来ましたので時間さえあれば、まだいけましたのに」


エリカ「ホント、どんな胃袋してんのよ…」

しほ「ということはこの勝負は引き分けね」

千代「いや待って、本物の方の手にまだどんぶりがありますね」

柚子「あっ!これは失礼しました、本物チームの8杯目のどんぶりは…」

西「うう…」

柚子「食べてます!一口か二口ですが箸を付けています!!」


柚子「これにより、本物チームが7杯とちょこっとで勝利です!!」


  第五勝負終了 ○本物(3勝) ●代役(2勝)




カチューシャ「ハラショー!キヌーシャ!流石だわ!!」

ダージリン「五十鈴華さんに鼻差で勝利…後でアッサムに言ってあげましょう」

西「うっぷ…皆さん、今の自分に触れないでください…とんでもないことになってしまいます…」プルプル

みほ「うわぁ…」

ケイ「オゥ!勝利のハグはお預けなの?」

カチューシャ「それより約束通り、ボルシチを御馳走するわよ!!」

西「!?…その申し出は嬉しいのですが…後日という事にしていただければありがた…うっぷ!」

まほ「お、おい」

アンチョビ「ああ!ホントにやばいなら裏にバケツ用意しておいたから行って来い!」

西「大丈夫…大丈夫であります…」


華「まさか、私が負けるとは…」パクパク

梓「五十鈴先輩、まだ食べるんですか…」

華「せっかく胃に余裕もできたので残すのはもったいないと思いまして」パクパク

桃「食っとる場合か!!」

杏「ここでの敗戦は痛いねぇ~」




柚子「残りもわずかとなってまいりました、第六勝負は… 聖グロリアーナ です!」


ダージリン「いよいよ私の出番というわけですね」

ねこにゃー「ううっ、こんな大事な場面でボクが…自信ないよぉ…」


柚子「お二人の勝負方法は…」ガサゴソ…


ダージリン「そろそろ、インテリジェンスを競う対決が来て欲しい物ね」

ダージリン「利き紅茶、格言クイズといった聖グロに相応しい対決を所望いたしますわ」

ねこにゃー「ゲーム対決とかなら…ボクにでも勝機が…」


柚子「 腕相撲対決 です!!」


ダージリン「……」パリーン


今回はここまでとなります

続きは不定期になりますが投下させてもらいます

ありがとうございました

いつもありがとうございます

続きの第六勝負を投下させていただきます



ダージリン「何故…どうして…こんな勝負に…」

柚子「くじの結果です」キリッ

ケイ「アームレスリングっていっても同じ女子高生よ、イけるって!」

ダージリン「ううっ…みほさん、相手の…ねこにゃーさんの情報を教えて下さい…」

みほ「…えっと」チラ


ねこにゃー「気が高まるぅ…溢れるにゃぁ…」ゴゴゴゴゴ…

ねこにゃー「ヘアッ!!」バリバリーン!


 ビリビリビリィーッ!!



エリカ「う、腕の筋肉が盛り上がって戦車服の袖が破けた…」

しほ「聖グロの戦車服でノースリーブだと、まんまクワトロ大尉ね」

千代「あー、たしかに」


梓「が、頑張ってくださいね…」

桃「あわわ…」ガクガクブルブル

杏「できたら、手加減してねー」

ねこにゃー「やってみるにゃ」ギュピギュピ


みほ「…あんな感じです」

アンチョビ「これは逝けそうだな…」

ケイ「グッドラック!骨は拾ってあげるわ!」

ダージリン「いやぁぁ!!」




ダージリン「あんな足音の人に勝てるわけないわよぉ!!」

まほ「あきらめるな!」

ダージリン「!ま、まほさん?」ビクッ

まほ「グデーリアンは言った“厚い皮膚より早い脚”と」

まほ「確かに純粋なパワーなら勝ち目はない…だが勝負の始まる刹那を突くことが出来れば勝機はある!!」

ダージリン「まほさん…」

アンチョビ「そうだそうだ、戦車道も戦車の火力だけで優劣が決まるわけじゃないんだしな!」

カチューシャ「それにダージリン言ってたじゃない、“イギリス人は戦争と恋愛は手段を選ばない”って」

ダージリン「腕相撲でどんな手段があるのよ…」

ミカ「口に含み針をして相手の目に撃つとかかな」ポロロン

ケイ「家族や友人を人質にして負けるように指示するなんてのもアリね!」

西「全身の筋肉を右腕に大移動させるというのはいかがでしょうか?」

ダージリン「どれも三流悪役のパターンじゃない!!あと西さん、そんなのできるのは変態くらいですわ!」

ダージリン「でも確かに勝つために知恵を振り絞る…私はダージリン、高校戦車道一の知将…」

ダージリン「そうよ、あふれる知性で返り討ちにするだけですわ」

まほ「それでこそ、ダージリンだ」

みほ「……」(なんだろう猛烈にいやな予感がするなぁ…)

ダージリン「仕方ありません、勝つためです…ちょっと準備をしてきます」




ねこにゃー「ハァァァ…」ゴゴゴゴ…


蝶野「凄い闘気ね!ヒリヒリと伝わってくるわ!」

しほ「あら、蝶野さん」


柚子「この勝負の為に蝶野教官にはレフェリーとして参加していただきます」

千代「まぁ、手の込んだ事ですわね」


蝶野「じゃあ!そろそろ始めるわよ、両者…あら?」

柚子「おや?対戦相手のダージリン選手がおりません!このままでは不戦敗になってしまいますが」

エリカ「さっきの筋肉を見て逃げ出したとかじゃないわよね」


みほ「ダージリンさん…やっぱり怖くなって…」

カチューシャ「いいえ!ダージリンは来るわよ!」

アンチョビ「そうだな!あの腹グロの事だ、きっと汚ったない手を考えて来るに決まってる!!」

まほ「ああ、姑息さでアイツの右に出る者はいないからな」

ケイ「サプライズを期待しましょ!」


ダージリン「皆さん、好き勝手言うわね…」ヌッ

西「おお!ダージリン殿…ぬっ!?」




ダージリン「お待たせしましたわ」もわ~~ん


みほ「だ、ダージリンさん?」

まほ「その…、何だか匂いがだな…」

カチューシャ「ちょっと!変な匂いさせてなんのつもりよ!!」


ダージリン「これは聖グロ秘蔵のセラピー用の香水…」

ダージリン「この醸し出すリラクゼーションの香りで相手の闘争心を削いであげますわ!!」


みほ「そ、そうですか」(言えないよなぁ、匂いがキツいだなんて)

まほ「き、気合入っているな」(こ、これは…お父様が帰ってくる時のお母様の化粧の匂いより酷いな)


西「うっ…その、些か香りが強烈過ぎて、先ほどの勝負の残留物が…うぉっぷぅ!!」プルプル

ケイ「キヌヨ!ジャックポットするならココよ!!」バケツダシー

西「か、かしこま…うっ!!」キラキラキラ…


 オロロロロロ…


アンチョビ「うわあああ!!西ィィィッ!!」

ミカ「これはひどい」

ダージリン「くっ、西さん…この犠牲は無駄にはしませんわ」




― 第六勝負  腕相撲対決


柚子「力こそがパワー!技を超えた純粋な強さが勝敗を決するのか!?」

エリカ「まぁ、どうみても力勝負でしかないわよね」


ダージリン「そうはいきませんわ、さぁ、この匂いでマタタビを嗅いだ猫のように大人しくなるといいわ」

ねこにゃー「ハァァ…」ゴゴゴゴゴ…

ねこにゃー「ヘァッ!!」


 ムアァッ!!


ダージリン「きゃっ!」

ダージリン「うっ!何この私に向かってくる熱量と匂い…あ、汗の匂い!?」


柚子「勝負前までコンセントレーションを高めていたのか、ニャージリン選手!!」

柚子「熱気と汗の匂いがこちらにまで伝わってきそうです!!」

エリカ「ね、ねぇ、汗が蒸発して体から…け、煙が上がってない?」

しほ「あれは!」

千代「まさか!」

柚子「御存じなのですか!?お二人とも」




しほ「隊長クラスが本気で戦う時に体から蒸気を発するといわれる…」

千代「その名を…勝身煙!!まさか実際に見れるとは」

エリカ「え?戦車道で、そんな現象見たことないんですけど…」


カチューシャ「勝身煙…そういえば、さっきのアンチョビ達の試合の時も体から煙が上がっていたわね」

アンチョビ「あれは湯気だ」


まほ「体から立ち上る熱と汗の香りでダージリンの策も潰されてしまったようだな…」

みほ「もう駄目かもしれないね」


ダージリン「くっ…でも私はまだあきらめません!」

蝶野「さぁ、勝負を始めるわよ!!」(ぐっ、汗と香水の臭いが混ざって…)




蝶野「それじゃ構えて…」


ねこにゃー「……」

ダージリン「……」(勝負は一瞬)

蝶野「レディー…」

蝶野「ゴッ…」

ダージリン「(今よ!!)…ふん!!」グイッ


桃「おい!フライングじゃないのか!!」


柚子「代役チーム側からはフライングの指摘が挙がっていますが…」

蝶野「……」フルフル

柚子「レフェリーからは指摘なし!!このままスタートです!!」


ダージリン(よし!このままの勢いで一気に倒すだけですわ!!)

 
 ググッ… ピタッ


ダージリン「ピタ?」





 ゴゴゴゴゴ…


ねこにゃー「にゃんにゃんだぁ、今のはぁ?」

ダージリン「ああ…」


柚子「ああっーと!代役チームのニャージリン選手、まったくビクともしてません!」

エリカ「解っていたけど、やっぱりだったわね」


ねこにゃー「流石はダージリンさん、よく頑張ったと褒めてやりたいところだにゃあ」

ダージリン「もうダメよぉ…御終いですわぁ…」ガクガクブルブル


みほ「ダージリンさん!あきらめたらここで終わりです!」


ダージリン「み、みほさん…そんなこと言っても、勝てっこない~」

ねこにゃー「ダージリンさんが戦う意思を見せなければ、ボクはその腕を破壊しつくすだけにゃあ」

ダージリン「ああ…殺されるぅ…」


アンチョビ「パニックで声が届いてないぞ」

まほ「くっ、ダージリン…、そうだ!!みほ!それに他の皆も私が指定する位置に座ってくれ!」

みほ「お、お姉ちゃん?」

ケイ「よくわからないけど、ここはマホに従うしかないようね!」


 ガチャ…ガチャ…


千代「あれは!」

しほ「まさか!」




  カチュ

  チョビ

  おケイ

  ミカ 西 みほ まほ 


ダージリン「あ、あれは…」


みほ「お、お姉ちゃん…こんな風に座ってどうするの?」

ケイ「そうよ、このフォーメーションはなんなの?」

まほ「以前、お母様が仲間に応援の声が届かない時はやってみろと言われた…」


千代「 Lの陣形!! 」

しほ「まほ…私が教えたの覚えていてくれてたのね」


まほ「ダージリン、私達の思いを受け取ってくれ!!」





みほ「あ、あの…お姉ちゃん…」

まほ「なんだ」

みほ「このメッセージの意味って?私は知らないんだけど…」

ケイ「私も知らないわよ、他の皆は知ってる?」

本物チーム『『……』』フルフル

まほ「え…みんな知らないのか…という事はダージリンも…」


ダージリン「なんなの?あれはなんなんですか?」ガクガク


まほ「そ、そんなバカな…」


柚子「ああ!!無情にも渾身のメッセージ、ダージリン選手には届いてなーい!!」

柚子「…ちなみに、あの陣形の意味は?」

千代「“最後まで望みを捨てずに戦え!”って意味です」

エリカ「それ、半ばもう駄目だって感じにも受け取れるのですが…」

しほ「戦車道の合間に冗談で教えた事だったけど…まさか本当にするとは」




ねこにゃー「にゃんにゃんだぁ、さっきのはぁ?」

ダージリン「ひ、ひぃぃ!私にもわからないわよ!」

ねこにゃー「ダージリンさん、よく頑張ったがとうとう終わりの時がきたようだにゃあ」ググググ…

ダージリン「ひ、ひいぃ!ううっ…、皆がイけるって持ち上げたり、そそのかしたりするから…」シクシク

ねこにゃー「…いけないにゃア、仲間の事を悪く言っては」ググッ…

ダージリン「うわー!動かさないでー!!」


ねこにゃー「今、楽にしてやる…ヘアッ!!」グオッ!

ダージリン「ふぉあっ!い、いやぁぁぁぁ!!」グルンッ


 グイィッ!! グシャァァッツ!!  \デデーン/


ダージリン「あ…、ああ…」ピクピク

ねこにゃー「…終わったにゃ、所詮、お嬢様はお嬢様なのにゃあ」ギュピギュピ


蝶野「本物チーム、ダージリン戦闘不能!代役チームの勝利です!!」



  第六勝負終了 ●本物(3勝) ○代役(3勝)




柚子「代役チームの腕力が一閃!見事に勝利となりました!!」

エリカ「腕相撲で人間が一回転するなんて見たことないわよ…」

しほ「もう合気道の世界ね…」

千代「台座のテーブルまで砕けてるわよ…」


ねこにゃー「ハァハァ…」

梓「お、おつかれ様です…」

桃「よ、よ、よ、よくやったな」ガタガタ

ねこにゃー「なんとか、紙一重で勝てました…」

杏「もう紙って言える厚さじゃないと思うんだけど」


ダージリン「あ、ああ…」ピクピク

アンチョビ「何が知性だ!完膚なきまでに叩き潰されたじゃないか」

ダージリン「あ、当り前よね…腕相撲で腕より頭使うことなんてないのに…情けないですわ」ピクピク…

みほ「そんなことないです!ダージリンさんボコみたいで素敵でした!!」

ダージリン「ふふっ、そう…私ってほんと…バカ」ガクッ

まほ「ダージリン!!」




柚子「戦いに犠牲は付き物…それでも勝負は続きます!」


ダージリン「し、死んでないわよ」ムクッ


柚子「ラスト前の一番… 黒森峰です!!」


桃「よ、よし!!続けて私が決めてやる、か、完膚なきまでに叩きのめしてやるぞ!!」

杏「がんばれ、かーしま!!」


まほ「!?、続けて叩きのめすだと?」ピクッ!


桃「ん?」


まほ「叩きのめされた敗者…それはダージリンのことか…」ゴゴゴゴ…


桃「え?さっき負けたのは確かに聖グロのダージリンだが…」


まほ「ダージリンのことかーーーーっ!!」クワッ!


桃「ひぃぃっ!!なんか怒ってる~!!」ビクッ!


ダージリン「まほさん…私が負けたのを強調しないでちょうだい…」


今回はここまでとなります

続きは不定期になりますが投下させてもらいます

ありがとうございました

いつもありがとうございます

続きの第七勝負、途中までになりますが投下させていただきます



柚子「さぁ怒りに燃える、本物チームの西住まほ選手!!」


まほ「ここが正念場だな、西住の名に懸けて前進あるのみ」キリッ

桃「ううっ…西住のお姉さんのプレッシャーが…で、でも私だってやれるというのを見せてやる!」


柚子「そして、弱虫のくせに強がる代役チームのもほちゃん選手!!こちらも燃えてます!」


桃「コラ!柚子!その言いようはなんだ!あと、もほちゃんと呼ぶな!!」


柚子「そんな、燃えに燃えているお二人の対決は…」


みほ「どんな対決なんでしょうね…」

アンチョビ「まぁどんな内容でもアイツなら安心だろ」

ケイ「マホならなんでもオールオーライって感じだしね!」


梓(射撃対決とかじゃないように…)

あけび(当てる系はこないで~)

杏「射撃とかだったら絶望的だよね~」


柚子「“萌え萌えメイドご奉仕対決”です!!」


まほ「…え?」

桃「…え?」




柚子「お二人にはメイドになっていただき、お客様をご奉仕して審査員の評価が多かった方が勝利です!」


まほ「…なんだと」

桃「よ、よくわからんが接客しろって事か?」


柚子「そういうことよ、もほちゃん」


エリカ「た、隊長が、メイド服でご奉仕?…想像もつかないわね」

しほ「審査という事は再び私達の出番ですね」

千代「では、行きましょうか」


柚子「まったぁー!!(まほ真似)」

まほ「……」




柚子「審査員のお三方申し訳ありません、今回の勝負は女性目線よりも男性目線での判定を重視しまして…」


役人「西住さんも島田さんも世界大会まで時間も無いのに、こんなとこで何をしているのですか…」

理事長「呼ばれて来てみれば、何やら楽しそうな事をおるようだね」

役人「児玉さん…何をのほほんと…」


柚子「この二人のオッサン方と…」


新三郎「あ、あの…なんであっし…じゃなくて自分が?」

華「まぁ、新三郎」


柚子「五十鈴さんの付添いで来ていて、その辺にいた新三郎さんの…」

柚子「以上三名の男性審査員にがんばってもらいます!」

柚子「と言う訳で、家元さん達は解説の方を引き続きお願いします」


千代「わかりました、女性目線から男性の喜ぶポイントを解説してみます」

しほ「まったく…こんな媚びるような対決、西住ではありえません」

エリカ「そ、そうですね…」(隊長のメイド服…コメントしづらいわよ!!)




― 代役サイド


桃(メイド服)「う、うん…可愛いなコレ///」←ゴスロリ好き

梓「似合ってますよ!」(見た目だけはイケてる!)

あけび「河嶋先輩、背が高いから衣装映えしますね」(喋らなければ安泰なんだけど…)

桃「そ、そうか!」ニヤニヤ

愛里寿「♪プップー」(その服、ちょっと羨ましい…)

ねこにゃー「うん、萌え萌えだにゃあ」(あとは河嶋先輩の中身を誤魔化せれば…)

杏「かーしま、大丈夫か?」

桃「はい!見ていてください、会長!!」

杏「そっか」

典子「あの…会長、何か問題でも?」ヒソヒソ

杏「う~ん…かーしまにご奉仕、サービスってできるのかなーって思って」

華「そういえば、普段生徒会室で出すお茶やお菓子は…」

杏「小山がやってくれてたし…なにより…男の人とちゃんと話せんのかなーってのが気掛かりなんだよね」




― 本物サイド


まほ(メイド服)「……」

みほ「お、お姉ちゃん…」

西「ほぉ、これがめいど…女中姿としては凛々しくて良いですね!」

アンチョビ「うう~ん、だがなー、よりにもよって接客かー」

ミカ「その接客にも萌えがなきゃ意味が無いって事みたいだしね」ポロン

カチューシャ「とてもマホーシャ向きの勝負とは思えないわ」

まほ「そんなことはない、黒森峰の学園祭ではディアンドルを着て接客してたりしたぞ」

みほ「それって確か、お姉ちゃん笑顔が怖いから、ずっと奥でビールを注ぐだけの係だったよね…」

まほ「……」

ダージリン「こんな格言を御存じ?“人はその制服の通りの人間になる”きっとその服に相応しいように…」

ケイ「ヘイ!マホ!スマイルプリーズ!!」

まほ「お、おう」ニターリ…

ダージリン「だ、ダメみたいですね…」

まほ「くっ…」




― 第七勝負  萌え萌えメイドご奉仕対決


柚子「男性の憧れ!可愛いメイドにご奉仕されて癒されたい!!」

柚子「そう!お役所仕事の尻拭いでヘトヘトの貴方!」ビシッ!


役人「わ、私の事?」


柚子「女性だらけの職場でのドロドロの人間関係に髪が抜ける一方の貴方も!」ビシッ!


理事長「もう抜ける毛もないけどね」


柚子「そして、頑固な女家長とその怖い娘に日々神経をすり減らしている使用人の貴方も!」リョウユビビシッ!


華「新三郎?」ゴゴゴゴ

新三郎「お、お嬢!?言ってないです!!いえいえ!思ってもいないですから!!」


柚子「そんな三人を心行くまで癒します!先攻は代役チームの西住もほ選手からです!」

エリカ「ほんとノリノリね…」




― 代役チーム 萌え萌えメイドのごあいさつ!


桃「よし、貴様ら!今日はこの私が接客してやる、ありがたく思え!」

役人「…うわぁ」

理事長「頼むよ」

新三郎「へ、へぇ…」


しほ「これは論外ですね」

千代「この口調での接客が成り立つのは女王様がいるお店くらいですね」

エリカ「そ、そうですね…」(でも、この人高圧的な物言いじゃないとすぐ崩れちゃうのよねぇ)




― 萌え萌えメイドと美味しいお茶! 


桃「お茶を淹れ…何?私がやるのか!?仕方ないな…三人とも緑茶でいいな!」


理事長「うん、お願いするね」

新三郎「へ、へぇ…」

役人「私はコーヒ…いや、いいですそれで…」


桃「うん?ホールケーキもあるな、お茶と一緒にこれも出してやるぞ!」


 サク… サク…


エリカ「ねぇ…ケーキを四等分にしているけど…」

千代「三等分にしにくいからとかでは?」

柚子「多分、桃ちゃんのことですから…」


桃「ケーキとお茶だ、さぁ食べるぞ!」

役人「え?一緒にお茶するの?」

桃「そうだが?」モグモグ

理事長「いいじゃないか、人数が多い方が楽しいし」

役人「児玉さん…」

新三郎「ありえない…使用人が、主人と同じ卓に付いて…その上、先に食べてるだなんて…」

新三郎「それとも、これが萌え萌えメイドの常識なんでやしょうか…」

役人「えっと…新三郎くんの認識が至極真面ですから」


柚子「ふふっ、やっぱり桃ちゃんは桃ちゃんね」ホッコリ

エリカ「いやいや、ダメでしょあれは」





― 萌え萌えメイドと楽しいお喋り!


桃「…でだ!大洗が優勝という快挙を成し遂げたのも偏に、この副隊長である私がだな…」ペラペラ


役人「なんで、こんな話聞かされているんでしょう…」

新三郎「わかりやせん…わかるのは話の内容が事実と随分と違うってことぐらいでさぁ…」

理事長「ほぉほぉ~それは凄いのう」


エリカ「もてなす側の人間が終始、自慢話をしていますね…」

千代「普通、こういう時は聞き手側に回って相手を気持ちよく喋らせるのが鉄則ですけど…」

エリカ「そうですよね、その上、自慢話も自分を誇張しすぎる内容になって…」

しほ「……」ピクピク…




しほ「なんですか、あれは…、みほの戦いの足跡を…、捏造して…」ビキビキ!

エリカ「い、家元!?」

千代「ちよ!?、しほちゃん落ち着きなさいって!戯言として聞き流せばいいでしょ!」

しほ「いいえ、我慢なりません…我慢できんばい!!」ガバッ!

千代「なんで私達がしほちゃん抑える展開になっているのよ!」ガシッ!

エリカ「すいません!島田流家元!、家元も落ち着いて下さい、みほも隊長も見ているんですから!」ガシッ!

エリカ「ほら!柚子、もう止めて!!」

柚子「わかりました」(もう、ホントに桃ちゃんは…あとで西住さんのお母さんに会ったらどんな顔するかしら)ニヤニヤ


柚子「はい!終了でーす!」


桃「むっ、もう終わりか、まだ話はこれからだったのに」

役人・新三郎(やっと終わった…)

理事長「また、聞かせてね」




桃「どうだ!私のメイドっぷりは!」


梓「この勝負駄目ですね…」

あけび「射撃の方が、まだ可能性があったかもしれません…」

典子「根性が曲がり過ぎだ!!」

華「河嶋先輩が落ちぶれても当家で雇う事はまずありえません」

愛里寿「ブッブー!」

ねこにゃー「終わったにゃ…所詮、クズはクズなのにゃ…」

桃「なんだ!なんだ!皆して!!」

杏「かーしま…」

桃「会長ぉ~」

杏「今度、一緒にマナー教室いこっ!」

桃「ひぃ~ん!!」


今回はここまでとなります

続きは不定期になりますが投下させてもらいます

ありがとうございました

いつもありがとうございます

第七勝負の続き、本物の方になりますが投下させていただきます



柚子「もほちゃん選手ありがとうございました!」


千代「しほちゃん、ステイ、ステイ、終わったから落ち着いて」

しほ「ふぅ…ふぅ…」

エリカ「この後は隊長がお出でになるのですから、家元が取り乱しては…」

しほ「わ、わかったわ…もう大丈夫よ…」


新三郎「なんだか、あちらの実況席も大変そうなことに…」

理事長「凄く盛り上がっているんじゃないかな?」

役人「そう思える児玉さんが凄いですよ…」


柚子「では、続いて後攻の本物チームの西住まほ選手お願いしまーす!」

エリカ「隊長…大丈夫かしら」


役人「今度は西住流の御長女ですか…」

新三郎「自分も詳しくは存じませんが、確か真面目な方と…とてもこのような事をするとは…」

役人「まぁ、さっきよりはマシであれば良いですよ…」

理事長「あの堅物の西住まほさんが萌え萌えメイド…テンションあがるね!」

役人「……」




― 本物チーム 萌え萌えメイドのごあいさつ!


まほ「……」ダラダラ…

まほ(ど、どう話せばいいのだろうか?)


新三郎「えっと…西住さんのお姉さん?」

理事長「どうしたのかね?どうかしたのかね?」

役人「理事長、落ち着いて」


千代「まほさん、だんまりね」

エリカ「隊長…やっぱり、こういうのに向いてないですから…」

しほ「まほ、西住には前進あるのみよ、止まってはいけないわ」


みほ「お姉ちゃん…」

ダージリン「これは駄目そうですわね…」

カチューシャ「しっかりしなさいよ!マホーシャ!!」


アンチョビ「仕方ないなぁ…」カキカキ…

ケイ「アンチョビ、何をしてるの?」




 バッ!!


アンチョビ「まほぉ!これを見ろ!!」


まほ「!?」(安斎…あ、あれは…よ、よし!)


まほ「ご、ご指名、あ、ありがとうございます」ヒクヒク

まほ「精一杯、ご奉仕させていただきます、西住まほです!」ヒクヒク


役人「え、ええ、よろしくお願いします」


エリカ「引きつりながらの笑顔だけど、ちゃんと挨拶できた…」

千代「どうやら、仲間がカンペ出してくれてるみたいね、ルール的にはどうなのでしょうか?」

柚子「このままだと会話も無く終わりそうなんで、面白いから認めます」

千代「同感です」


まほ(助かったぞ安斎、これでなんとか…!?)

アンチョビ「……」バッ!

まほ(これを読めと言うのか!?)

アンチョビ「……」コクコク


まほ「ご、ご主人様…今日は…まほのことは…ま、“まぽりん”って呼んでね…」ヒクヒク

役人「は?」

新三郎「へ?」

理事長「まぽりん!!」


エリカ「ま、まぽりん?」

しほ「ま、まほ…」




ケイ「ダハハwwwwナ、ナイスよwwwwアンチョビwww!!」グッ

アンチョビ「そーだろーwww、そーだろーwww」

カチューシャ「ヒーwww…駄目…あのマホーシャが…www」バンバン

ミカ「くふっ…www」

みほ「ぷふっwww…お、お姉ちゃんwwww」

西「西住さんのお姉さん、震えておりますが大丈夫でしょうか?」


まほ(あいつら~!!)ワナワナ…


ダージリン「次は私が手を貸しますわwww」カキカキ


カチューシャ「その次は私よ!…そうだ!ねぇ、アンチョビ…」ヒソヒソ

アンチョビ「ふむふむ…おお!それはいいな!すぐに用意してやる!!」




― 萌え萌えメイドと美味しいお茶! 


ダージリン(まほさん!!)バッ


まほ(こ、今度はダージリン…)

まほ「ご、ご主人様、しゅ、趣味の良いご主人様方にはセイロン産の紅茶をお出ししたいのですが、宜しいでしょうか?」ヒクヒク


新三郎「え、ええ」

理事長「ブランデーをたっぷりで」

役人「児玉さん、さすがにアルコールは看過出来ません、普通にストレートで」


まほ「かしこまりました」テキパキ


役人「ほぉ…」

新三郎「見事なお手前で」





まほ「お、お砂糖とミルクはお入れいたしますか?」


新三郎「いえ、自分はこれで…」

役人「私も」ズズズ…

理事長「ワシは両方、たぁ~っぷりで」


ダージリン(まほさん…入れた後はこれを!!)バッ!


まほ(!?ウソだろ…)

まほ「…さ、最期に、隠し味を、お、お入れいたしますね」ヒクヒク


まほ「お、おいしくなーれ…おいしくなーれ…///」フリフリ


役人「!!」ブー!!

新三郎「うわっ、汚いですよ!!」

理事長「わぉ!!」


千代「うわぁ…」

エリカ「うわぁ…」

しほ「まほぉ…」


まほ「こ、こんな格言を御存じ?“料理は愛情!(ダミ声)”って」

役人「ゲホ…ゆ、結城貢先生ですかね?」


ダージリン「ぷふっwww…最高ですわwww!」

カチューシャ「次は私よ!!」カキカキ




カチューシャ(マホーシャ!!)バッ


まほ(次はカチューシャか…もうどうにでもしてくれ…)

まほ「ご、ご主人様、今度はマホーシャが特別に用意した、あ、愛情たぁ~っぷりの“オムレツ”があるのよ」


エリカ「カチューシャの口調が合わさって、もうメチャクチャね…」

千代「それでも、真面目に指示に従ってしまうのは悲しいかな戦車道履修生の性かしら」

しほ「まほ…なんという…」


まほ「さぁ!そのオムレツにケチャップで好きな文字を書いてあげるわよ!」


理事長「ほぉ、それは良いのぉ」

新三郎「何て書いてもらいます?」

役人「えっと…じゃあ、“廃校”でお願いします」


まほ「かしこまりましたわよ!!」


アンチョビ「じゃ、オムレツ置いとくぞー」




オムレツ『 廃 校 』(達筆)


役人「おお…これは素晴らしい!」

新三郎「文字の内容はともかく、確かに教養の高さが窺えるひ、筆跡?ですね」

役人「せいぜい、平仮名かカタカナで“はいこー”くらいの出来と予想していましたが…」

役人「とめ…はね…はらい…まさかケチャップで教科書に載せても恥ずかしくない美しい字に出会えるとは!」

理事長「辻君が変な所で興奮しているね」


まほ「ふふん」ドヤ!


西「満面のしたり顔ですな」

みほ「うん、お姉ちゃん、盛り付けとか結構こだわるとこあるから…」


……

黒森峰学園祭にて

まほ「うむ、この泡の比率、美しさ、今までで最高のビールが注げたぞ!持って行ってくれ!」

みほ「お姉ちゃんゴメン、それオーダーミスです!」

まほ「みほぉ!?うわああぁぁ!!!」

エリカ「た、隊長?」

……


みほ「…こんなこと、あったし」

アンチョビ「アイツ、変なとこで完璧主義だからなー」

ケイ「でも見て、なんだかんだ言ってマホも楽しんでるじゃない!」


まほ「おいしくなーれ、おいしくなーれ」フリフリ




― 萌え萌えメイドと楽しいお喋り!


理事長「長年連れ添った妻が最近冷たいんだよね…」

まほ「そうなのですか…」(困ったな、そういう男女間の機微は私には…)

役人「メイド喫茶でガチの相談をしないでくださいよ…」


ケイ「ここは私に任せて!!」カキカキ

ケイ(ヘイ!マホ!!)バッ!


まほ(ケイの助言か…よし)

まほ「だったら!スケスケのセクシーなネグリジェをハニーにプレゼンツするのよ!!」

まほ「そうすれば、二人のラブも再び燃え上がって…夜はハッスル間違いなしよ!!」グッ


まほ「…ってケイ!!何を言わすんだ!!」クワッ


アンチョビ「うん、見事なノリツッコミだな」

みほ「お姉ちゃんww…ぶふふ…ww」


千代「一理あるわね」

しほ「確かに」

エリカ「そ、そうなんですか…」(この件は深くは聞かない方がいいわね)


理事長「なるほど、さっそく用意してみよう」




新三郎「し、しかし、西住のご令嬢がこれだけ砕けた人柄とは意外でした」

役人「まぁ、これまでのイメージは粉々に砕けましたね…」

新三郎「案外、こちらが素の西住さんなんですかね?」

まほ「えっと…」(こ、ここはこの御仁に対して、どう返事すれば…)チラリ


ミカ「私も一つ協力するとしようかな」カキカキ

ミカ(トゥータ!!)バッ!


まほ(ミカ?お前まで何をやっているんだ!?ミカ!!)

まほ「か、風ってのは気まぐれなんだよ、その時々によって変わる物さ」フフン

新三郎「そ、そうなんですか」

まほ「だめだよーサブちゃん」

新三郎「さ、サブちゃん?」

まほ「女性の中身は守秘義務なのさ」フフン

まほ「でもね、一つだけ言えるのは萌えメイドには人生に大切な総ての事があるって事さ」フフン

新三郎「そ、そうなんですか…深いのですね…」

理事長「そうじゃよー」

役人「いえいえ、そんな事ないですから、そろそろ西住さんも周りの玩具にされてるって気づきなさいね」

まほ「は、はい…////」


柚子「西住さんが我に返ったところで…終了でーす!!」


エリカ「隊長…不器用な性格が災いになって…あんな事に…」

しほ「まほ…素直すぎるのも程があるわよ…」

エリカ(さっきの対決で変な応援を吹き込んだ当人がそれを言うの?)

千代「ねぇ…まさか、これで西住の名が地に堕ちるって事…無いわよね?」

エリカ「…えっと」

しほ「…多分、大丈夫よね?」




まほ「……」


アンチョビ「よかったぞ!」

カチューシャ「流石マホーシャね!」

ケイ「ベリーグッ!」

ミカ「とても楽しかったよ」

ダージリン「素敵でしたわ」

みほ「お姉ちゃん…ぷふっ…駄目www思い出すだけで笑いがwww」

西「これが めいど…勉強になりました!!」


まほ「みほと西以外のは良い…だが、残りのお前達五人…許さないからな、今度の練習試合覚えていろ」

チョビ・カチュ・ケイ・ミカ・ダジ「「「「「 お許しください、まぽりん~ww 」」」」」

まほ「貴様らぁっ!!」クワッ!


西「同期の桜ですかね、なんだか楽しそうです」

みほ「そうだね、こんなお姉ちゃん達を見れるなんて思わなかったよ」


今回はここまでとなります

続きは不定期になりますが投下させてもらいます

ありがとうございました

>>124 訂正です




まほ「……」


アンチョビ「よかったぞ!」

カチューシャ「流石マホーシャね!」

ケイ「ベリーグッ!」

ミカ「とても楽しかったよ」

ダージリン「素敵でしたわ」

みほ「お姉ちゃん…ぷふっ…駄目www思い出すだけで笑いがwww」

西「これが めいど…勉強になりました!!」


まほ「みほと西は良い…だが、残りの五人…許さないからな、今度の練習試合覚えていろ」

チョビ・カチュ・ケイ・ミカ・ダジ「「「「「 お許しください、まぽりん~ww 」」」」」

まほ「貴様らぁっ!!」クワッ!


西「同期の桜ですかね、なんだか楽しそうです」

みほ「そうだね、こんなお姉ちゃん達を見れるなんて思わなかったよ」




>>まほ(ケイの助言か…よし)
>>まほ「だったら!スケスケのセクシーなネグリジェをハニーにプレゼンツするのよ!!」
>>まほ「そうすれば、二人のラブも再び燃え上がって…夜はハッスル間違いなしよ!!」グッ


さすケイ

いつもありがとうございます

第七勝負の結果、最終戦の入りまでになりますが投下させていただきます



柚子「ここまで両者とも奮闘しておりましたが解説の皆さんにはどう映りましたか?」

千代「両者とも、ひどいです」

エリカ「ひ、否定できない…」

しほ「あれでしたら、まだ私の方がちゃんとできますね」

千代「ちよ?萌え萌えメイドよ?年と立場を考えなさいよ、そんなことできるわけがないでしょ」

しほ「いいえ、主人…夫にだけは完璧にご奉仕できる自信があります」キリッ

千代「ハイハイ、仲のお宜しいことで、目の届かない所でやっててください」

エリカ「い、家元がメイド服…」(駄目!想像したら笑っちゃう…)プルプル…

柚子「では、審査の方に移りましょうか」




柚子「年功序列という事で、理事長からお願いします」


理事長「まず、ワシか…」


千代「この対決を一番楽しんでいた方からですね」

エリカ「どう見てるのか、私には考えも及ばないです」


理事長「ワシは… 代役 の方に一票じゃな」


まほ「ぐっ…」

桃「うおお!やった!!」


役人「児玉さん、正気ですか?」

新三郎「なんでまた?」


エリカ「あの老人、頭おかしくなったの?」

しほ「彼女の方が、まほより優れていると?」ゴゴゴゴ…

千代「う~ん、確かに理由は気になるわね」

柚子「解説からも気になるとの声が…選んだ理由を聞かせてもらってよろしいですか?」




理事長「そうじゃな、接客等を含めたら本物のまほさんの方が優秀だったのは皆もわかっているとは思う」


千代「たしかに」

エリカ「当然ですね」

しほ「でしたら何故?まさか、個人的な西住家への恨みとか!?」


理事長「個人的な…確かに、個人的な理由じゃな」

理事長「ワシは…」

理事長「メイドは ドジっこ であるべきだと思うんじゃ!!」クワッ!


役人「は、はいぃ?」

新三郎「ど、どういうことで?」


理事長「従者としてのメイド、完璧をもって是とする、当然のことじゃよ」

理事長「でもね、ワシが萌えるのはドジなメイドが粗相をして泣きながら許しを請う姿に…」

理事長「堪らなく愛おしさを感じるのじゃ!!」クワッ!


役人「うわぁ…」

新三郎「うわぁ…」


理事長「その点を考慮し、代役の方のポンコツを評価したのじゃよ」




まほ「……」

桃「私を評価するとは流石、理事長だけのことはあるな!」


理事長「ただね、年長者や目上の人間に対して…」ゴゴ…

理事長「言葉づかいがなっていないのだけは頂けないねェ」ゴゴゴゴ…


桃「ひ、ひいっ!」ビクッ

桃「お、お許しください、ご主人様ぁ~」ウルウル


理事長「許しちゃう!!」


柚子「審査、ありがとうございます!」

柚子(この理事長、上げてから落す桃ちゃんの楽しみ方を知っている…)




役人「はい、次は私ですね 本物 に一票で」


柚子「間髪入れずに答えてくれましたね」


まほ「……」(良かった…)

桃「くっ、廃校阻止された個人的な恨みか」


役人「違いますって…いや…廃校が理由になりますね」


柚子「どういう事ですか?」


役人「接客はさっきの児玉さんが言ってくれた通りです」

役人「私が感動したのは、あのオムレツの廃校の文字」

役人「あの赤く美しい文字を見てると…廃校しなくては!と熱い気持ちになるからですかね」


柚子「なるほど、西住さんのお姉さん余計な事してくれましたね、ありがとうございました」

エリカ「ちょっと、本音が漏れてるわよ…」


まほ「そ、そんなつもりはなかったのだが…」ショボーン

役人「まぁ、今となっては廃校も出来ない環境下になりつつありますから、冗談と受け止めて下さい」


柚子「ここまで、両者一票ずつ!勝敗を決める最後の一票を 新三郎さん お願いします!!」


新三郎「……」(あっしが…ど、どうすれば…)




新三郎(純粋に考えれば…やっぱり西住さんのお姉さん…)

……

まほ「だめだよーサブちゃん」(ミカ指示)

……

新三郎(乙女にサブちゃんだなんて呼ばれたのは初めてでさぁ…)ニヤニヤ


華「……」ゴゴゴゴゴ…


新三郎「!?」ビクッ!(お、お嬢!?)

新三郎(そ、そうだ…ここで西住のお姉さんを勝たせてしまうとお嬢たちのチームが…)

新三郎「え、えっと…じ、自分は…だ…」


華「!!」クワッ!!


新三郎(あ、あの、お嬢の目は…)

新三郎(“あんなポンコツを選ぶなんてそれでも五十鈴の人間ですか!”という目だ!!)

新三郎(あ、あっしは…あっしは…)


柚子「あの?新三郎さん?」




新三郎「うわぁぁぁ!!あっしには選べませーん!!」ダッ!


 ガラガラガラーっ!!


エリカ「え?…審査員が…」

千代「泣きながら人力車を引いて」

しほ「逃げて行きましたね」


華「あらあら、新三郎ったら」ニコニコ


役人「これって、どうなるのですか?」


柚子「そうですね…」

柚子「両者ともに一票ずつという事で、この勝負 引き分け となります!!」



  第七勝負終了 △本物(3勝1分) △代役(3勝1分)




新三郎「うわぁぁぁ!!あっしには選べませーん!!」ダッ!


 ガラガラガラーっ!!


エリカ「え?…審査員が…」

千代「泣きながら人力車を引いて」

しほ「逃げて行きましたね」


華「あらあら、新三郎ったら」ニコニコ


役人「これって、どうなるのですか?」


柚子「そうですね…」

柚子「両者ともに一票ずつという事で、この勝負 引き分け となります!!」



  第七勝負終了 △本物(3勝1分) △代役(3勝1分)




まほ「一体、この勝負に意味なんてあったのか?」

みほ「う~ん、わからないけど」

アンチョビ「とりあえず、まほのイメージは一新したな」

ミカ「これまでの威厳は流されて…」

ケイ「ハッキリ言っておもしろカッコイイ、マホの完成ってわけね!」

まほ「もう、怒る気力もない…」


桃「くっ、互角か」

梓「そう思える河嶋先輩が凄いです」

杏「まー、儲けもんと考えよーよ」

華「ええ、後で新三郎には一言伝えてあげないといけませんね」ゴゴゴ…

あけび「五十鈴先輩の笑顔がこわいです~」




柚子「さぁ!いよいよ最終対決です!!」

柚子「ここまで、両チームとも五分五分ですがこの勝負の勝った方が 真の隊長 となります!」


柚子「大洗女学園、西住みほ選手!!」


みほ「は、はい!」


柚子「大笑女学園、西住あほ選手!!」


梓「…は、はい!」(やっぱりこの名前で呼ばれるのは…)


柚子「二人の対決は…」ガサゴソ


柚子「 “戦車道” です!!」


みほ「戦車道…」(ボコクイズとかじゃなかったんだ…)

梓「西住隊長と戦うの…」


エリカ「戦車道…やっぱり来たわね」

千代「最後を飾る対決としては当然でしょう」

しほ「ええ、この一戦しかと見届けます」




みほ「あ、あのルールは?」

梓「チーム戦なんですか?」


柚子「ルールは 一輌での一騎打ち をしてもらいます」


梓「一騎打ち…」


柚子「使う車輌にはスポンサーから同型の Ⅳ号戦車 を用意していただきました」


みほ「乗員は…あんこうチームの皆でなのかな?」


柚子「いいえ、Ⅳ号の乗員には…」

柚子「これまで戦ってくれた隊長達に務めてもらいます!」


まほ「…!!」

ケイ「ワーオ!」

ダージリン「これは…思いもよらぬ展開ですわね」


今回はここまでとなります

続きは不定期になりますが投下させてもらいます

ありがとうございました

>>136 >>137   二重投稿です すいません

いつもありがとうございます

最終戦の途中までになりますが投下させていただきます



柚子「さて両チームともメンバーの振り分け作戦準備をしておりますので…」

柚子「ここで解説の三人にこの勝負のポイントを一言いただければ」

エリカ「実績と経験を見れば本物の隊長達の方に分があるのは明らかだと思うけど」

千代「ですが、急造メンバーで一つの戦車を動かすというのはお互い同じですし」

しほ「乗員の振り分けが重要になりますが…」

千代「一点だけ、片方のチームには不利な点がありますね」

しほ「ええ」

柚子「なるほど…」




― 本物チーム ブリーフィング


みほ「皆さんと一緒にⅣ号を動かすのか…」

まほ「乗員は車長であるみほが決めてくれ」

みほ「わ、私が?」

ケイ「当然よ、私達は大隊長のミホに付いてきたんだから」

アンチョビ「そんなに重く考えるなって、こういうのはノリと勢いだぞ」

ダージリン「みほさんの決定なら、私達はどんな役でもこなしますわ」

カチューシャ「……」(私にできることってあるのかな…)

ミカ「ここまで来たんだ、最後までやりきってこその戦車道じゃないかな」ポロロン

西「それでは、大隊長、下知をお願いします!」

みほ「え、えーと…」




みほ「まず操縦手には…お姉、西住まほ選手で」

みほ「黒森峰でⅣ号戦車の操縦にも慣れているはずですし」

まほ「それに、子供の頃はよく、みほの運転手もしていたからな」ニコッ

みほ「お、お姉ちゃん…」

まほ「そんなに固くなるな、任せてくれ、みほの指示に応えてみせる」


みほ「次に砲手は…アンチョビさん、お願いしてもよろしいでしょうか?」

アンチョビ「うん?私か」

みほ「ええ、P40戦車は車長が砲手も兼任するので砲撃の訓練はしていると思うのですが」

アンチョビ「ああ、もちろんだ!トトカルチョのようにドカンと当ててみせるぞ!」


みほ「それで…装填手は…」

西「……」(自分に!その役を!!)

みほ「え、えっと…ケイさんで」

ケイ「オッケイー!アンチョビよろしくね!」

西「ううっ…」

みほ「すいません、砲弾の重量を考えて、腕力でなら西さんにお願いしたかったですけど…」

みほ「さっきの華さんとの対決でお腹の中もまだ落ち着いてないからと思って…」

西「た、確かに、その上、先ほどは嘔吐までしていしまいましたからな!!」

西「それでは、その分吐く勢いで応援を送り続けます!!」

ケイ「頼むわよ!キヌヨの分まで弾を込めてあげるからね!」




みほ「あとは通信手だけど、今回は一騎打ちだから…」

ダージリン「例え通信がなくても、車長の補佐としての乗員が必要でなくて?」

カチューシャ「!!」

みほ「そ、そうですね…えーと」

ダージリン(みほさんは、この知性溢れる私を選ぶに決まっているわ)

カチューシャ(ミホーシャ、乗せて、乗せて、乗せて!!)

みほ「…カチューシャさんで」

カチューシャ「やった!…コホン、と、当然よね///」

ダージリン「な、なんですって」パリーン

まほ(そうだろうな)

アンチョビ(そうだろうな)

ケイ(そうでしょうね)




ダージリン「な、何故私ではなくカチューシャが…」

みほ「え、えっとですね…」(どうしよう…い、言えないよなぁ…)

西「仕方ありませんよ!ダージリン殿!」

ダージリン「に、西さん?」

西「先ほどの香水の匂いが残るダージリン殿が戦車に乗られたら、車内がとんでもないことになってしまいます!」

ダージリン「……」

西「ここはゲロ臭い自分と香水臭いダージリン殿との臭い仲同士で皆を応援しようではありませんか!!」

ダージリン「そ、そうね…」プルプル…

みほ「よろしくお願いします」(西さん、ありがとう!)

みほ「ミカさんもよろしいでしょうか?」

ミカ「ああ、私は構わないよ、皆さんの健闘をお祈りします」ポロロン

みほ「それでは、私達はこのチームで行きます」


 車長  西住みほ

 通信手 カチューシャ

 砲手  アンチョビ

 装填手 ケイ

 操縦手 西住まほ


みほ「パンツァー・フォー!」




― 代役チーム ブリーフィング


梓「えっと…」←車長

杏「澤ちゃんの考えていること、わかるよ…」←車長兼砲手

華「Ⅳ号をこのメンバーで動かすとしても…」←砲手

典子「この中に操縦手って…」←車長兼装填手

あけび「い、いないですね…」←砲手

桃「うわぁー!もう最初から勝負にならないじゃないかー!!」←砲手兼装填手兼通信手

ねこにゃー「ち、ちなみに島田さんは?」←車長兼通信手

愛里寿「私も車長以外はあまり…」


杏「どうする、戦車を動かせないんじゃ降参する?」

梓「そんな!戦わないで諦めるなんてしたくありません!」

杏「そーだよねー、西住ちゃんじゃなくても、ウチのメンバーならそう言うはずだよね」

桃「でも、戦車が走らなければ…」

杏「こうなったら小山に土下座してこっちに来てもらう…とか?」



華「いいえ、Ⅳ号は私が操縦します」




梓「い、五十鈴先輩…」

華「澤さん、Ⅳ号の動かし方でしたら、私は解ります」

華「確かに麻子さんや他の操縦手の方々と比べれば二枚も三枚も格が落ちるでしょう…」

華「ですが、相手がみほさんでⅣ号なら…撃つタイミングや感覚は掴んで私なら対応できるかもしれません!」

杏「どーする?澤ちゃん、私達は大隊長に従うよ、どんな命令でも」

梓「…うん」

梓「五十鈴先輩、お願いしてもよろしいでしょうか?」

華「ええ!務めてみせます!」

杏「んじゃ、操縦手は決まりだねー」




梓「次は砲手と装填手…」

桃「だったら、砲手はこの私しか…」

杏「かーしまは装填、私でよければ頑張っちゃうよー」

梓「……」

梓「すいません会長!砲手と装填手は…」

梓「佐々木さんと磯辺先輩でやってもらえないでしょうか?」

あけび「ふぇ?私とキャプテンですか?」

典子「よし!任された!…けど」

杏「澤ちゃん」

梓「…理由ですよね」

杏「納得のいく理由お願いねー」




梓「確かに八九式よりヘッツァーの砲弾の方が重量的にⅣ号に近いと思います…」

梓「射撃の精度や装填との連携もカメさんもアヒルさんも、お互い申し分ありません…」

桃「じゃあ!なんで私と会長を差し置いて、バレー部なんだ!!」

梓「…来年があるからです」

あけび「来年?」

梓「西住隊長や、他の隊長達が乗った戦車と戦えるのはとても貴重な経験になると思うんです!」

梓「失礼な言い方ですと、いなくなる先輩より、これからも一緒に戦うメンバーの方を…」

桃「なんだと!」

杏「かーしま、黙って、澤ちゃん…」

梓「はい」

杏「うん!文句はない!」

桃「よ、よろしいのですか?」

杏「いいんじゃない、澤ちゃんはさぁー西住ちゃんの後に自分が隊長になった時の事も考えているんだから」

梓「わ、私はそんなつもりじゃ!!」




杏「でも、負けてもいいだなんてと思っては~」

梓「もちろん、ありません!」

杏「ならばよし!かーしま、先輩として後輩たちを応援して見届けようじゃないか!」

桃「わ、わかりました、頼むぞ!お前達」

梓「はい!それと私だけじゃ頼りないんで、通信手として、愛里寿にアドバイスとかお願いしたいんだけど…」

愛里寿「はい、私で良ければ」(できれば、私が車長としてみほさんと戦いたかったけど…)

梓「ありがとう!あ、後…猫田先輩…その…」

ねこにゃー「澤さんが選んだ人選や考えにはボクも賛成だよ」

梓「す、すいません…」

ねこにゃー「そんな謝らなくても、そうだね、本物のダージリンさんならここで…」

ねこにゃー「梓さん、“見ることもまた戦いよ”って言うかな」

ねこにゃー「だから気にしないで、しっかり目に焼き付けて応援するからね!」

梓「はい!!」

ねこにゃー「そうだ、いっそ試合前に西住さんにこう言ってみたら…」ゴニョゴニョ

梓「え、ええーっ!?」




梓「西住隊長に勝つんだ…そのために頑張らないと」

華「もちろんです、私達はそのために戦ってきたんですから」

典子「緊張する気持ちは根性で乗り越えるんだ!!」

あけび「一年同志だけど、お互い、がんばろう!澤さん!」

愛里寿「私も手伝う」(澤先輩は、本気で勝つつもりでいる…しっかり協力しないと)


 車長  澤梓

 通信手 島田愛里寿

 砲手  磯辺典子

 装填手 佐々木あけび

 操縦手 五十鈴華


梓「そうだよ、このメンバーで…」

杏「んじゃ、隊長さん、号令お願いねー」

梓「は、はい!…ぱ、パンツァー・フォー!」(勝つんだ!!)




― 戦車演習場


 ワー ワー

  ガヤ ガヤ


柚子「両チーム準備を終え、いよいよ決戦となります!」

柚子「尚、戦車道という事で場所も演習場へと移し、観客を交えての対決となります!」

千代「せっかくの戦車道ですからね、盛り上げないとね」

しほ「そこに戦車と人があれば戦車道、されどその試合を見せるのもまた必要なことかと」

エリカ「……」(みほや隊長が戦うのを見るのか…)



沙織「みぽりんと華がいないと思ったら…」

麻子「あのDVDの企画か…」

優花里「まさか、隊長の方々と試合をしてるとは!私も参加したかったです!」


あゆみ「あ、梓が西住隊長と戦うの?」

優季「梓、大胆~」

あや「これって、あの代役の時のメンバーだよね…」



柚子「さぁ、両者出てまいりました!」




― 最終対決  戦車道


蝶野「一同、礼!」


みほ「澤さん、よろしくね」

梓「西住隊長…」(猫田先輩が言ってたのは確か…)


梓「ち、誓いの時は来た!今、私は西住隊長をこ、超える!!」


みほ「ふぇ?」

梓「よ、よろしくお願いします!////」


柚子「おっとー!代役チームが勝利宣言!これは面白くなってきました!!」

しほ「…出てないわね」

千代「…そうね」

エリカ「あ、あの、お二人とも…空を見上げて、どうかしたのですか?」

しほ「いえ、みほの頭上に星があるのかの確認を…」

千代「でも、この場合見えてたら大変なの私達の方よね…」

エリカ「は?」


今回はここまでとなります

続きは不定期になりますが投下させてもらいます

ありがとうございました

いつもありがとうございます

最終戦の途中までになりますが投下させていただきます

いつもありがとうございます

最終戦の途中までになりますが投下させていただきます



 ゴゴゴゴ…


― 本物チーム Ⅳ号車内


まほ「車長、指示を」

みほ「このまま前進で、こちらの有効射程距離に入ったら、一発撃ってから再度距離を取ります」

まほ「わかった」

アンチョビ「当ててしまっても構わんのだろう?」

みほ「はい、もちろんです」

アンチョビ「よーし!アイツ等には悪いが一発で終わらせてもらうぞ!」




 ゴゴゴ…


まほ「距離…300…200…」

まほ「…100…入るぞ」

ケイ「どっせ~い!!」ガコン!

みほ「発射!!」

アンチョビ「ファイアッ!!」カチッ


 ドコーン!!


  …ヒョイッ


カチューシャ「何よ!思いっきりかわされてるじゃないのよ!」

アンチョビ「いや、ちゃんと狙ったんだけどなぁ…」

まほ「みほ」

みほ「うん、どうやら楽には行かないみたいです」




― 代役チーム Ⅳ号車内


華「ふぅ…か、躱せました…」

梓「五十鈴先輩その調子でお願いします、私からも指示を出しますが、先輩が危険だと感じたら、好きに動かしてもらって構いませんから!」

華「わかりました、その分砲手の佐々木さん達には迷惑をお掛けします」

あけび「い、いえ、大丈夫です!八九式とは違うけど、しっかり狙います」

典子「佐々木!Ⅳ号は八九式の時より体の軸を下に置くんだ!」

典子「アンダーハンドの要領で、残りは根性!!」

あけび「はい!」カチッ

愛里寿(この指示で理解できるんだ…)


 ドコーン!!


まほ「くるぞ!」

みほ「回避!」

カチューシャ「しっかりと、中てに来てるわね…」

ケイ「ワォ!どうして中々…ただのルーキーラビッツってわけじゃないみたいね!」




柚子「両チーム、激しい攻防となっております!」

しほ「私達が先ほど懸念していたのは代役チームの戦車の操縦でしたが」

千代「喰らいついていますね、これは予想外だわ」

エリカ「これがあの子達の実力…、隊長達は手加減してるわけでもないし…」

しほ「小山さん、操縦手の貴女の目から見た両者の評価を聞かせていただけないかしら?」

柚子「え?、私がですか?」

千代「ええ、この中で唯一の操縦手ですから、忌憚のない意見をお願いします」

柚子「わ、わかりました」




柚子「そうですね…本物チームの西住まほさんは無駄のない丁寧な操縦に見えますが」

エリカ「が?」

柚子「主観なんですけど、西住さんの方は相手を窺いながら操縦してる印象に見えます…」

しほ「なるほど」

柚子「それに対して、代役チームの五十鈴さんの操縦は粗があったりなんですけど…」

柚子「相手側の砲撃の直前時とかには動きが良くなっているって印象です」

千代「お互いの操縦を見て、こうしたらいいとかはありますか」

柚子「えっと…本物の方はもっと受け身でなく積極的に動いてもいいかと思います」

柚子「代役の方はもう少し踏み込んで走らせても大丈夫…とは思うのですけど」

柚子「ただ、どちらも本職ではないポジションですから…」

千代「ありがとう、参考になるわ」

柚子「そ、そんな!家元の方々に私の意見なんて」

しほ「そんなことありません、小山さんが全国大会決勝戦で見せた数々の操縦はよく覚えています、ねえ?エリカ」

エリカ「うぐっ、はい…」

エリカ(こんな顔して、ウチの重戦車軍団に突っ込んで挑発したり、あのマウスの下敷きになったりと…すごい胆力よね)

千代「となると、ここからの勝負の流れはどうなるかしらね」

しほ「見極めないといけませんね」




― 観客席


沙織「す、凄い…梓ちゃん達、みぽりんと互角に戦っているよ」

麻子「五十鈴さんの運転も悪くない、今度寝坊した時は五十鈴さんに代わってもらおう」

優花里「それだと砲手がいなくなります!そ、それより、私達はどっちを応援したらいいのでしょうか!?」


優季「梓、やるぅ~」

あゆみ「西住隊長の匂いを嗅ぐ為に粘っているのかな」

あや「いや、流石に梓でも…いや、あるかも」

桂利奈「梓、がんばれー!」

あや「とにかく、梓が頑張っているから、応援しなくちゃ!!」

桂利奈「あい!梓、がんばって!!」

優季「ファイトぉ、梓ぁ~!」


優花里「ウサギさん達は代役の澤殿を応援してますね!」

沙織「んじゃ、華には悪いけど、私達は隊長の応援でみぽりんを応援するよ!」

麻子「おー」

優花里「西住殿ー!!頑張ってくださーい!!」


紗希「…」

あゆみ「どうしたの、紗希?」

紗希「あほ…」

あや「そっか!今の梓は西住隊長の代役だっけ」

桂利奈「だったら!ちゃんと、名前で呼ばないと!!」




 『あずさー!』 『がんばれー!』

 『みぽりんー!』 『にしずみどのー!』


柚子「観客席からは、両隊長への熱い声援が響いております!」

千代「戦車道は砲弾、戦車の走行音が激しく響きわたる場所ですが」

しほ「声が届きにくくとも、応援は何よりも心に響く物ですから大切です」

柚子「ごもっともです、ではその観客の声を拾ってみましょう!!」



 『にしずみどのー!!』 『あほー!!』

  『みぽりんー!!』  『あほー!!』 

   『にしずみさーん』 『あほー!!』

    『みーほ! あーほ!あーほ!』



みほ「……」


まほ「みほ!集中を切らすな!」

みほ「あっ!?」



梓「す、隙ありです!!」





 ドゴォ!! ガガガッ!!


みほ「くっ…まだ大丈夫…」

アンチョビ「ああ、だが、横っ面は叩かれたぞ」

まほ「周りの声に気を取られるなんて、まだまだだな」

みほ「ご、ごめん…」

ケイ「ほらほら、立て直さないとまた攻めてくるわよ!しっかり運転してよ!マポリン!」

アンチョビ「距離を取って狙いたい、まぽりん頼む」

まほ「わかった、あと、まぽりんはやめろ」

カチューシャ「なによ、まぽりん、動揺しないで普通の対応じゃつまらないじゃないの」

まほ「あのなぁ…」

みほ「あはは…」

ケイ「ミホ、私達はいつものアンコウメンバーじゃないけど、リラックスしていつものミホらしくね!」

みほ「は、はい!」




― 観戦席


ミカ「ふふっ面白い試合だね」ズズズ…

西「ええ!」ズズズ…

ダージリン「貴女達、何を飲んでいるのよ…」

西「我々もダージリン殿に倣って、お茶を啜りながら観戦してみようかと」

ダージリン「それで、二人は何を飲んでいるかしら」

西「日本人なら当然の緑茶です!」

ミカ「このコーヒーには人生の味わいのすべてが含まれているんだよ」

ダージリン「飲むなら紅茶になさい」ズズズ…

ダージリン「さて、今はこの淹れたてのお茶のように熱く攻めたてている代役さん達ですけど…」

西「けど、なんでしょうか?」

ミカ「冷めてしまうと…って事かな」

ダージリン「ええ、ここからですね、流れも変わりますわ」




梓「ぐっ…」(さっきのチャンスで仕留められなかった…)




愛里寿「大丈夫?」

梓「…え?、う、うん!大丈夫だよ!」ハァハァ…

愛里寿(やっぱり…勝負が長引くと疲労が…)

華「くっ…まだです…」ハァハァ…

愛里寿(澤さんもだけど、五十鈴さんの方が…只でさえ慣れないポジションの上に相手が隊長達だから…)


梓「き、来ます!回避してください!!」

華「は、はい!!」


愛里寿(集中し過ぎで、このままじゃ体の方が追いつかなくなる…)


典子「相手の攻撃激しいけど、ドンドン狙って行くよー!!」ガコン

あけび「はい!」ドコーン


愛里寿(体力オバケ…、この二人は大丈夫そう)




柚子「どうしたことでしょう!代役の方が防戦一方になってきています!!」

しほ「やはり、長期戦になると両者の経験が如実に出てくるわね」

千代「このまま、ズルズルと続けば結果は明らかですよ」

エリカ「…」(このまま、終わるの…)

しほ「さて、どう出るかしらね、お互い」

エリカ「くっ…」(しっかりしなさいよ!)

千代「エリカさん」

エリカ「は、はい!」

千代「今、どんな気持ちですか?」




エリカ「へ?」

しほ「……」

千代「くやしいですか?」

エリカ「おっしゃる意味がわかりませんが…」

千代「気づいてないと思うの?さっきから貴女、複雑な顔で勝負を見ているんですよ」

エリカ「うっ…」

しほ「エリカ、思う所があるなら言ってみなさい、少なくとも、ここにいる者は貴女の心情を受け止められないほど狭量ではありません」

千代「ほらほら、言ってみなさいよ、エリカちゃん」




エリカ「私は…なんでここにいるんだろうって思いました」

しほ(私が無理矢理連れて来た…とは言わないでおきましょう)

千代「しほちゃんに無理矢理に連れて来れられたんでしょ」

エリカ「そうです」

しほ「……」

エリカ「始めは、このバカげた勝負を見ている側で良かったって思っていたんですけど…」

エリカ「戦車道になって…みほと隊長が戦車に乗っているのを見てて…」

エリカ「なんで私は見ているだけなんだろうって思うと…」

しほ「貴女も娘達と同じ戦車に乗りたかったのですか?」

エリカ「それも…はっきりしないんです…」

エリカ「三人で戦車に乗ってみたい…でも、あの二人とも戦ってみたい…どっちとも言えなくて、モヤモヤして…」

千代「それで、戦っている澤さんや愛里寿達が追い詰められているのが歯がゆいって訳かしら?」

エリカ「…多分、そうだと思います」




しほ「なるほど…」

千代「戦いたいなら、ちょうどここに小山さんも含めて戦車を動かせる人員いますし」

しほ「適当な戦車持ってきて、乱入して全員倒しますか?」

柚子「すいません、それはちょっと趣旨から逸れてしまうので…」

千代「冗談よ、だったらエリカちゃん」

エリカ「はい」

千代「応援してあげて」




エリカ「お、応援…」

千代「ここにマイクがあるでしょ」

千代「それをボリュームを最大にするでしょ…」

千代「はい、後はエリカちゃんが応援なり、ヤジなり、喝なり、好きに吠えるといいわ」

エリカ「え、ええっ!?」

しほ「このままだと、みほ達に蹂躙されて御終いになるだけよ?言いたいこと言ってやりなさい」

エリカ「え、でも…解説がそんな事を…ねぇ…小山さんもそんな事されると…」

柚子「私、実況で忙しいので、そこまで気にかけられません」ニヤリ


柚子「あぁーっとー、本物チームの攻撃の前に代役チームは風前の灯かぁー」ニヤニヤ

エリカ「うぐっ」

千代「ほらほら~、エリカちゃん~」ニヤニヤ

エリカ「い、家元ぉ…」

しほ「……」ニッコリ

エリカ「~~~~ッ!!ああっ!もう!!わかったわよ!!」







梓「…距離を取ろうにも、こっちの動きより相手の方が…もう駄…」ハァハァ…


???「こぉらぁっ!!」




エリカ『澤梓ぁっ!!』


梓「え、エリカさん!?」

愛里寿(お姉ちゃん…)


みほ「エリカさん?」

まほ(エリカ…)


エリカ『何、腑抜けた戦いしてんのよ!!』

エリカ『この前、私と戦りあった時のアンタは、そんなモンじゃなかったでしょ!!』


梓「エリカさん…」


エリカ『憧れのみほの前だから萎縮してんじゃないでしょうね!!』

エリカ『いい!アンタはみほの匂いが好きな変態なんだから』

エリカ『だったら、そのまま突き進んでみほを押し倒すくらいの根性みせなさいよぉ!!』


みほ「……」


梓「変態じゃありません!!////」

愛里寿(変態なの?…)ヒソヒソ

華(どちらかと言えば、変態…だと思います)ヒソヒソ

典子(根性!?)

あけび(キャプテン、単語に反応しすぎです)




エリカ『あと、みほも!!』


みほ「は、はい!!」


エリカ『後輩だからって手加減してんじゃないでしょうね!!』

エリカ『いいこと!!梓が勝とうがみほが勝とうが…』

エリカ『最終的には、来年、黒森峰が…私がアンタ達全員ぶっ潰してやるんだから、』

エリカ『みっともない試合だけはしないでよね!!…以上!!』


みほ「……」

梓「……」




エリカ「あぁぁぁぁ!!何言ってんのよ!!私ぃっ!!/////」バンバン!

千代「うふふ、よかったわよ、エリカちゃん」ニコニコ

しほ「ええ、みほにまで、啖呵を切って…これからのエリカに期待してるわ」

エリカ「ううう…余計な事まで言ったかも…」


今回はここまでとなります

続きは不定期になりますが投下させてもらいます

ありがとうございました

いつもありがとうございます

残りからラスト投下させていただきます



梓「エリカさん…ありがとう…よし!」

梓「皆さん聞いてください、このままだと不利になる一方です…」

梓「だから…次で勝負をかけます!」

華「ええ、私は異論ありません」

典子「マッチポイントだな!決めるぞ!」

あけび「はい!こっちは大丈夫です!」

愛里寿「うん、それしかないと思う」

梓「あとは西住隊長が受けてくれるかどうかだけど…」カパッ




アンチョビ「相手の車長が何か伝えようと出て来たな…」

まほ「さっきのエリカの言葉で腹をくくったようだ、目に力がある」

カチューシャ「どうするミホーシャ、このままじわじわ攻めてれば確実に勝てるわよ」

みほ「…受けて立ちます」

まほ「当然だな、西住流に後退はない」

みほ「違うよ、お姉ちゃん」

みほ「西住流とかじゃなく、私は大洗の西住みほで、澤さんは私の大事な後輩だから…」

みほ「受けて立ってあげなくちゃいけないんです」

ケイ「イエース!当然よね!!だったらしっかりと伝えてきなさい!」

みほ「はい!」カパッ




梓「西住隊長」(出て来てくれた…)

みほ「澤さん…」

みほ「これで決めます」

梓「はい!!望むところです!!」



梓「西住隊長が受けてくれました!」

華「みほさんなら当然です、最後ですから思いっきりぶちかましますわ」

愛里寿「五十鈴さん、ギアはもう少し早く繋いでも大丈夫、あとアクセルはもう一踏み半でもっといけるはず」

華「わかりました」

愛里寿「あと、磯辺さんと佐々木さんは、もうワンテンポ早くできる?」

典子「了解です!どれくらい縮めればいいですか!」

愛里寿「えっと…、タン、タンを、タ、タン…って感じなんだけど…」

あけび「わかりました!!」

典子「よぉーし!佐々木!クイック速攻だ!」

梓「愛里寿、ありがとう私じゃこんな指示出せなかったよ」

愛里寿「そんなことない、ここまで戦えたのも車長の…あ、梓先輩の力だから///」

愛里寿「だから…勝とう」

梓「うん!!」




 ゴゴゴ…


柚子「両戦車、お互いに距離を取っています…」

しほ「勝負にでますね」

千代「ええ、これで最後…結果はどうなるかは別にして」

エリカ「……」
 

 ゴゴ… 


梓「……」

みほ「……」




みほ・梓「「 前進!! 」」


 ギャギャギャッ!!


華「行きます!」

まほ「発進!」





梓(もっと近づいて…)

みほ(勝負は一瞬…)


 ゴゴゴゴ!!


ケイ「ォ…ッケイ!」ガコン!

典子「根…性っ!」ガコン!


 ゴゴゴゴゴゴ!!!


みほ「!!」

梓「!!」


みほ・梓「「 発射!! 」」


アンチョビ「……」カチッ

あけび「……」カチッ


 ドカン! ドカン!




柚子「……」

エリカ「……」

しほ「長かった戦いよ…」

千代「さらば…」



 モクモクモク…

     …シュポッ!







蝶野「代役チームⅣ号、走行不能… 本物チームの勝利!! 」


  最終勝負終了 ○本物(4勝1分) ●代役(3勝1分)




柚子「さ、最終勝負を制したのは、本物チーム! これにより真の隊長は本物チームとなります!!」

エリカ「……」(やっぱりか…でも、惜しかったわよ)

しほ「見事」パチパチ

千代「久しぶりに胸躍る戦いを見させて頂きました」パチパチ


ダージリン「当然の結果です、と言いたいですが、とても素晴らしい勝負でしたわ」パチパチ

西「これぞ、戦車道です!!」パチパチ

ミカ「まったく、見入ってしまったよ」パチパチ


杏「あちゃー、ダメだったかー」

桃「あぁ…勝てたかもしれんのに!!」

ねこにゃー「負けちゃったけど…でも、とっても凄かったにゃー!」



華「あと、もう少しでしたのに…私、くやしいですわ!」

典子「くそー!届かなかったかぁー!」

あけび「くやしいです~」

梓「……」

愛里寿「梓先輩…残念だったけど…」

梓「ぅ…」ジワァ…

華「さ、澤さん?」

梓「ふぇぇ…」ポロポロ…




梓「ひっぐ…ひっぐ…」

華「澤さん、泣きやんで…」

愛里寿「ど、どうしよう…」オロオロ


みほ「さ、澤さん…」

カチューシャ「まったく、負けて泣くなんてね」

まほ「それだけ悔しいのだろう、カチューシャならわかるだろ」

カチューシャ「ふ、ふん!うるさいわよ!」

ケイ「ほーら、ミホ!勝者としてアズサのところに行ってあげなさいよ!」セナカバシーン!

みほ「ふぇ?は、はい!」

アンチョビ「意外だな…てっきりケイが行くかと思ったんだがな」

ケイ「そりゃ、アズサは一緒に戦った可愛い子よ、でもミホを差し置いて出しゃばるほど野暮じゃないわよ」

まほ「結果としては我々の勝ちだが、まだまだ精進しないとな」

カチューシャ「ええ、あの子はあの泣いた分だけ強くなるでしょうしね」

ケイ「戦車道は戦車に乗るだけじゃない!その道の次に続く者を導くのも重要だからね!」

まほ「その辺は、みほは疎いからな、いい経験になるだろう」




みほ「さ、澤さん…あの、その…」

梓「に、に゛じずみせんぱい…」メソメソ

みほ「……」(ど、どうしよう…なんて声を掛けてあげれば…)

梓「うわぁぁぁん!!」ボロボロ

みほ「その…泣き止んで…」




しほ「よろしいですか?」




みほ「お、お母さん…」

しほ「差し出がましいようですが、一言言わせてもらおうと思いまして」

梓「ひっぐ…」

しほ「澤さんも、そのままで良いから聞いてください」

梓「…」コクコク

しほ「素晴らしい試合でした」

しほ「それに対して非礼ですが、当初、私は澤さん達が何もできないまま、すぐに倒されると考えておりました」

みほ「……」

梓「……」

しほ「何故、ここまで戦えたかわかりますか?」




みほ「私に油断があったから…?」

しほ「それは一部分ね、すぐに持ち直しましたし」

しほ「私が思うに、澤梓さん…貴女が自分らしさを貫いたからです」

梓「私らしさ…」

しほ「ええ、みほの代役としての澤さんでしたが、実際の戦車道では貴女の個性が見えました」

しほ「みほを慕い、みほの背中を見つつ、己の戦車道を形作ろうとする強い信念さえ感じます」

しほ「そう、みほが西住の教えだけに囚われず自分の戦車道をしているようにね」

みほ「お母さん…」

しほ「だからこそ、自分の全力を出し切っての敗北です、涙も流したくなるでしょう」

梓「…はい」

しほ「だって、貴女はみほの代役ではない…アズサーなんだぜ」キリッ

梓「あ、アズサー?」

みほ「だぜ?」

しほ「コホン…、アズサーは忘れて!」

みほ「は、はぁ…」




しほ「みほ」

みほ「は、はい」

しほ「悔しくて泣く後輩に胸の一つでも貸すくらいの器量を持ちなさい」

みほ「え?」

梓「!!」ピクッ!

しほ「みほはまほと一緒だったから、そういう経験があまりないのはわかりますけど」

しほ「しっかりと先輩してあげなさい」

みほ「う、うん…そうだよね、悔しくて泣いているんだし…」

みほ「澤さん…その…私の胸で良かったらいっぱい泣いていいから…」

みほ「えっと…おいで?」

梓「うひゃぁぁ!!西住せんぱーい!!」ガバッ!




 ギュウウウ!!


梓「私!もっと!がんばります!!」クンカクンカ

みほ「うん」ナデナデ

梓「だから、見捨てないでください!!」クンカクンカ

みほ「そんな事しないよ、それより澤さんにはもっと色んな事やってもらいたいって思ってるからね」

梓「色んなこと…」ハァハァ…

しほ「ふふっ、美しい先輩後輩ね」

梓「わ、私なんでもします!だから、これからも指導よろしくおねがいします!!」クンカクンカ

みほ「う、うん…ちょ、ちょっと、澤さん!そんなに強くこられると…きゃっ!」ドタッ

しほ「…あれ?なんか様子が…」

エリカ「ああ、ここにいたのね二人とも、みほも梓もいい試合だったわ…に?」

梓「西住先輩ーっ!!」クンカクンカ

みほ「うう…起こしてぇ~」ジタバタ


エリカ「み、みほが…梓に押し倒されている…」

しほ「み、みほォ!!」







……


こうして隊長同士の対決も終り、私は積極的な澤さんの行動とか、成長とかにおどろいたりで、

私自身も色々と頑張らなくっちゃって考えたりもしてます!

そんな中、他の皆さんはと言うと…



― サンダース


あけび「ケイさん…この戦車の上にあるポールは?」

ケイ「アケビ!これは戦車の上でポールダンスをおどる“タンクポールダンス”よ!」

ケイ「せっかくそれだけのダイナマイトバディを持ってるんだから見せつけないと!」

あけび「ふぇ~」

ケイ「さぁ!レッツダンシング!!」

あけび「よ、よっと…」Y字バランス

ケイ「ワォ…スゴイわね…私はこれくらいしか足上がらないわよ…」

あけび「ケイさん、身体の方は硬いんですね…そうだ、私がレッスンしてあげますよ…」ニヤリ

ケイ「あ、アケビ?ノォ!そんなとこ掴んで…ダメ!これ以上は上がらな…ノ、ノォォ!!////」




涙目で下半身を抑えてたケイさん…佐々木さんと何かあったのかな?

ダンスのレッスンがどうとか…そうだ運動と言えば、あの後カチューシャさんは…



― プラウダ


ぴよたん「さぁ、カチューシャ、こっちに跳ぶっちゃ!」

カチューシャ「え、ええ、今行くわ…」プルプル…

ノンナ「カチューシャ、そんなことする必要ありません!」

カチューシャ「ノリーシャに出来て、カチューシャに出来ないなんてことないのよ!」

典子「最初の踏み出しに勢いをつけるんだ!」

カチューシャ「わかったわ…えい!!」ピョン!

ノンナ「ああ!カチューシャが私から離れて…」メソメソ


 ガシィ!


ぴよたん「よっと!上手く出来たぴよ!」

ノンナ「さぁ、カチューシャ!今度はこっちへ跳び移って!」


クラーラ「何をしてるんです?カチューシャ達は」

アリーナ「なんでも、肩車から肩車へ跳び移る練習見たいじゃ」

ニーナ「カチューシャ様、あれでやられたのさ悔しいみでえで」

クラーラ「ああやって飛び移るの見たことありマス…たしか…猿回し?でしたでしょうか?」

ニーナ「それ、カチューシャ様の前で言っだら、粛清だべ」

アリーナ「んだんだ」


典子「根性!!」ピョン!

カチューシャ「根性!!」ピョン!

典子・カチューシャ「「 ド根性!! 」」ピョンピョン!




騎馬戦の時のカチューシャさん、とってもパワフルでした!

そんな元気なのと対称的だったのが…


― アンツィオ


ミカ「ねぇ…私の顔ってのはそんなに気に障るのかなぁ…」ポロロン

アンチョビ「そんなことないと思うけどなぁ」

ミカ「でも、西住の家元は…私の顔が気に入らないみたいで…うう…」

アンチョビ「私はミカの事、大好きだぞ!ほーらピッツァ食って元気出せ!」

ミカ「うん、美味しい…でも、甘い物があるともっと元気になれるかもしれないんだけどなぁ…」チラリ

アンチョビ「仕方ないなぁ…なんでもいいぞ!リクエストに答えてやる!!」


カルパッチョ「ドューチェ…継続さんに乗せられているのに気づいてるかしら」

ペパロニ「あんな感じで将来ダメな男に尽くすかもしんないスねー、アンチョビ姐さん」


ミカ「お土産も欲しい」

アンチョビ「仕方ないなー!!もってけドロボー!!」




ミカさん、お母さんが迷惑かけました…

料理と言えば、あの後、西さんは約束通り…



― 知波単


カチューシャ「キヌーシャ!約束のボルシチよ!!」

西「おお!これが ぼるしち ですか!」

西「この血のように赤い汁… 死地へ昇る という意味でぼるしちなのですな!!」

カチューシャ「普通にロシアの家庭料理よ…物騒なモンにしないでちょうだい」

カチューシャ「さぁ、たくさんあるから食べて!!」

西「あの…その横の五右衛門釜のように大きな鍋は…?」

カチューシャ「もちろん、全部ボルシチよ!キヌーシャとハナーシャがいるから足りないくらいだけどね!」

西「あの…五十鈴殿が、何故かここにはいないのですけど…」

カチューシャ「あら、そうなの?でもハナーシャより大食いのキヌーシャなら平気よね!!」ニコッ

西「ぐっ… がっ…」

カチューシャ「さぁ!キヌーシャ、突撃よ!!」


 西… 決死のダイブ…!  ボルシチの海っ…!




あの後、西さんと知波単の皆さんでなんとか完食して記念撮影したみたいです

せっかく料理があったのに華さん…どこ行ってたのかな?



新三郎「……」

華「新三郎、探しましたよ」

新三郎「お、お嬢!?どうしてここに?」

華「まったく、逃げ出すなんて何事ですか」

新三郎「も、申し訳ございません!五十鈴家にご迷惑をおかけしまして!!」

華「まぁ、メイドと言うのは当家では未知の物ですからね」

華「理解しろと言うのも無理もありません…ですから新三郎」スッ…


  メイド服


新三郎「こ、これは…」(ま、まさか…)

華「ええ、この服に着替えて一緒にメイドを学びましょう」

新三郎「うわぁぁぁ!!」





……

  ファン…ファン…


警官「そこのメイド服の人力車ー、止まりなさいー」


新三郎(メイド服)「お、お嬢!!パトカーが!!」ガラガラガラ…

華(メイド服)「ぶっちぎりなさい!新三郎!!」

華(ああ!砲手の私ですが、操縦がこんなにも楽しい物なんて!戦車道、奥が深いですわ!)




華さんが、すごくうっとりした顔で帰ってきて…新三郎さんは真っ青で…一体何があったんだろう…

そうだ、マナー教室に行くって事になってた河嶋先輩も真っ青…というか真っ白になってました



桃(メイド服)「……」チーン

杏(メイド服)「いやー、まさか、ここまでしっかりと教育してくれるなんて思わなかったねー」

柚子(メイド服)「勉強になるね、桃ちゃん」

桃(メイド服)「……」チーン


役人(執事服)「河嶋、しっかりしなさい」キリッ


桃「な、何故!文科省の役人がこんなとこにまで来ているんだ!!」

役人「言葉を慎みなさい、文科省の人間としても一個人としても、河嶋さんは教育しなければならないという使命感からです」

杏「そーだぞ、かーしま、しかし辻ちゃん、執事服ほんと似あうねー」ニヤニヤ

役人「////コホン…、角谷君、君も軽口は控えなさい」

柚子「よかったね、桃ちゃん、こんなエリートの人達に気にかけてもらって」


桃「いいもんかー!この役人だけでなく、もう一人の教育係が…」




まほ(メイド服)「河嶋、さっき教えたことを活かしなさい」キリッ


桃「なんで西住のお姉さんまで出てくるんだぁー!!」

まほ「それは、まぁ…河嶋さんは私の代役だったからな…気にかけてあげないと思ってな」

役人「私とメイド長の西住さんとで、河嶋さんにマナーを叩き込んであげます」

まほ「西住メイド流に後退はない」キリッ

柚子「まさか、あの西住さんのお姉さんが来てくれるなんて、思いもしなかったよね」

杏「案外、可愛い服着てみたいーとかだったりして」

まほ「そ、そ、そ、そんなことないぞ!////」

柚子(あっ…)

杏(図星かー)


桃「うぅ…あんまりだぁ…」

役人「あらかじめ伝えておきます、この講義の後に河嶋さんには卒業試験を兼ねた実技をしてもらいますので」

桃「試験…自信がない…」

杏「がんばれ、かーしま、ここで身に着けたことは社会で役に立つって!」


役人「その卒業試験で河嶋さんに接客して頂きたい人物というのが…」


しほ「よろしくお願いします」ゴゴゴゴ…

理事長「粗相しないよう期待しているよ!」ニカッ

役人「このお二人です…」

まほ「その、なんだ…頑張ってくれ…」


桃「うわぁぁぁん!!」




河嶋先輩、ご苦労様です…

ダージリンさんも色々と大変でした…その後はと言うと…



― 聖グロ


ダージリン「今回も散々でしたわ…」コポ…

ダージリン「大体、私への扱いがあんまりじゃないこと!」トクトク…


 ギュピ… ギュピ…


ダージリン「こ、この足音は…!?」ガクガクブルブル


ねこにゃー「何をしているんだにゃあ?」ゴゴゴ…

ダージリン「お、お茶を淹れているだけですわ!」

ねこにゃー「一人用のポットでかぁ?」

ダージリン「そ、そ、そうよ!」(もう駄目ですわぁ…、また殺されるぅ…)

ねこにゃー「……あ、あの」

ダージリン「へ?」

ねこにゃー「その、さっきはごめんなさい…、腕の事も気になって…」

ねこにゃー「それで、ボクに何か出来ることあったら…って思って」モジモジ

ダージリン「そ、そうでしたの…」

ねこにゃー「め、迷惑だったかな…」

ダージリン「ふう…終わったことです、気にしなくてもよろしいのに」

ダージリン「しかし、どうしてもというなら、仕方ありません…仮にも私の代役を務めるというのなら紅茶くらい淹れられないとね」

ダージリン「淹れ方や作法をお教えしますから、カップを取ってきてくださる?」

ねこにゃー「わかったにゃ!フハハハ!茶祭りをあげてくれる!」


  パリーン


ねこにゃー「あ…カップに触れたら、割れちゃった…」

ダージリン「きゃあぁぁ!!…まい泉のティーカップがぁ!!」




そして、この撮影の後…一番、とんでもない事になったのが…



愛里寿「プップー♪!!」

エリカ「あ、愛里寿…なにを怒っているのよ…」

愛里寿「プップー♪!!」

エリカ「え?“審査の時は私だけ厳しいし、戦車道の時だって私も乗っていたのに声もかけてくれなかった”…って」

千代「……」(なんで、あれでわかるのかしら…)

エリカ「それは言ったでしょ、公平な審査で…」

愛里寿「プー♪!!」

エリカ「愛里寿の事を嫌いになんてなってないわよ」

愛里寿「プー…プップ♪!!」

エリカ「こ、コラ!、私はともかく実の母親までそんな風に言っちゃダメよ」

千代「ちよっと待って、エリカちゃん、愛里寿はなんて言ったの?」




エリカ「もぉ…機嫌直しなさいよ…私に出来ることなら何でもしてあげるから」

愛里寿「プッ!? …今、何でも島田愛里寿って言ったよね!」

エリカ「そんな風には言ってないわよ…んで、私にどうして欲しいのよ…」

愛里寿「うん!お願いしたいのはね…」キラキラ…




……


千代「え、えーと、皆に新しく紹介したい娘がいます…」

メグミ「家元、自らご紹介なんて」

アズミ「名だたる戦車乗りかしら」

千代「私の娘よ…」

ルミ「え!家元…、隊長とは別に行きずりの男と作って産んだ子供がいらっしゃったんですか!?」

千代「その変に生々しい設定で言うのやめて!!違いますから…一時的と言うか…レンタル移籍と言うか…」

千代「とにかく紹介するわ、愛里寿の姉になってくれる、エリカスさんよ…」

エリカ(フリフリドレス)「…イツ…シマダエリカスです…」

メグミ「うわぁ…」

アズミ「うわぁ…」

ルミ「うわぁ…」

愛里寿「二人とも違うでしょ!私のお姉ちゃん…“島田恵里寿”お姉ちゃんです!」

エリカ「コンゴトモヨロシク…愛里寿…お母様…」

千代「ええ、よろしく……」

愛里寿「よろしくね!恵里寿お姉ちゃん!!」ニコニコ


千代・エリカ(( どうしてこうなった!! ))



 END



以上です

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