春香「雪歩、何か怒ってない…?」 (50)


765事務所



春香「ふー、今日もお疲れ様だね雪歩ー」

雪歩「ううん、春香ちゃんこそー」


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春香「雪歩は明後日の休み、何か予定あるの?」

雪歩「うーん、特にはないかな…。家でのんびりする予定。春香ちゃんは?」

春香「あ、私も特にないけど。私も家でゆっくり過ごすつもり」


雪歩「たまには、のんびりしてリフレッシュしなきゃねー」

春香「うん、そうだね。息抜きって必要だよね」

春香「…さーて、そろそろ帰ろうかな」

雪歩「あ、春香ちゃんも?じゃ、私も」


春香「こーやって、雪歩ともっとダラダラおしゃべりしてたいんだけどねー」

雪歩「あー、仕事終わりにこうやってダラダラするのっていいよねー」

春香「けどあんまりのんびりしてると遅くなっちゃうからさー」

雪歩「だよねー。春香ちゃんちって遠いからね」


春香「もー、雪歩とお喋りが楽しすぎて腰が重くってさー」

雪歩「あー、私もそうだよ。帰るの面倒になったりね」

春香「まあでも、えいっと気合い入れて帰ろっか。よいしょっ」

雪歩「あー、じゃ、私も帰ろっか」


翌日



雪歩「フン、フン…」


「…じゃあ、明日の休み一緒にね」

「うん、待ち合わせは10時くらいでいい?悪いわね春香」


雪歩「…」


「うん。じゃとりあえず10時で。丁度ヒマだし」

「じゃ、お願いね」


ガチャ

雪歩「…おはよー」

春香「あ、おはよー、雪歩」

伊織「あらおはよう雪歩」


雪歩「さーって、お茶でも入れよっかなー」

春香「ちなみにどこで買うの?」

伊織「川田屋がいいって聞いたんだけど」


雪歩「フン、フン…」

春香「あー、あそこ有名だもんね。いいかも」

伊織「でしょ?春香は行った事あるの?」


雪歩「…」カチャカチャ…

春香「うん。前1回だけね」

伊織「なら、安心ね。明日宜しく頼むわよ」


雪歩「お待たせ、お茶がはいったよ」

春香「あー、雪歩ありがとう」

伊織「いつも悪いわね」


雪歩「ううん、私が好きでいれてるんだから。気にしないで」

春香「ありがとね、雪歩」

伊織「頂くわ」


雪歩「ズズ…。ふぅ…」

春香「ズズ…。…うん、おいしい。あ、そんでさ。ついでに楽器屋も行かない?」

伊織「楽器屋?ああ、近くにあったっけ。いいわよ」ズズ…


雪歩「…」ズズ…

春香「新曲のCDとか、ちょっと見たくてさ」

伊織「いいわね。私もトレーニング用の譜面買おうかしら」


雪歩「ふぅ」

春香「そんで、さ…」

伊織「え、ええ…」


雪歩「…」ズズ…

春香「…」

伊織「…」


雪歩「ふぅ」

春香「…」

伊織「…」


雪歩「ん?どうしたの?春香ちゃんに伊織ちゃん」

春香「い、いや、ちょっとね…」

伊織「え、ええ」


雪歩「私の顔に、何かついてる?」

春香「い、いや何かさ」

伊織「う、うん」


春香「雪歩、何か怒ってない…?」

雪歩「え…?」


雪歩「どうして?」

春香「な、何ていうのか雰囲気がさ」

伊織「そうね。何かケンがあるっていうか…」


雪歩「やだなー、春香ちゃんに伊織ちゃん、何も怒ってなんかないよー」

春香「そ、そうだよね、思い過ごしだよね…」

伊織「やだ、私ったら何勘違いしてたのかしら」


雪歩「だから、私のことは気にしないで?」

春香「うん、ごめんね、変なこと言って」

伊織「そうよね、気のせいよね…」


雪歩「…」ズズ…

春香「…」

伊織「…」


雪歩「ふぅ」

春香「やっぱ怒ってるよねぇ?」

伊織「ごめんなさい雪歩、何かしたかしら、けどそういう怒り方はやめた方がいいと思うの」


雪歩「もう、本当に何のこと?」

雪歩「私、全然怒ってなんかないよ?」

伊織「…これはあれよ。自分の中の怒りに気付かないタイプよ」

春香「何てやっかいな…」


雪歩「…」ペラ…


伊織「雪歩、雑誌読み始めたけど…何か雰囲気が」

春香「完っ全に、怒ってるよねあれ…」


雪歩「…」


伊織「ちょっと春香、あんた何かしたんじゃないの?」

春香「え、わ、私が?」

伊織「だって、いつも仲良くお喋りしてるんでしょ?帰りとか」

春香「う、うんそうだけど…」


雪歩「…」


伊織「それで、何か地雷踏んじゃったとか。あんたの事だから」

春香「え、い、いや心当たりが全然…」

伊織「ほら、責任もって謝りなさいよ雪歩に」

春香「あ、謝るったって…。一体何を謝れば…」


雪歩「…」


伊織「あんな、静かな般若みたいなのと一緒の空間に居れないわよ」

春香「い、いやだって心当たりが何も…」

伊織「いいから。とにかく何でも謝るのよ」

春香「うん、それじゃあ…」


春香「…あ、あの、雪歩。ごめんね?もし私が何かしたならだけど」

春香「雪歩と私って、ほら、仲いいじゃない?」

春香「だから、そういう態度取られると辛いっていうか…」

雪歩「…」


春香「雪歩と楽しくおしゃべりできなくなるのって、寂しいな…」

雪歩「…」


伊織「お?いいじゃない春香、何だか雰囲気が柔らいできたわよ?」


春香「私、ほんとに楽しいんだよ?いつも雪歩とお喋りするの…」

雪歩「…」


伊織「いいわよいいわよ春香!雪歩、何だか鼻歌でも歌いだしそうな雰囲気よ?」


春香「だからさ、感謝の印に、明日伊織と一緒に買い物行った時にさ」

春香「ついでに雪歩に何かお菓子でも買っ…て…」

雪歩「…」


伊織「ああっ、な、何やってるのよ春香!
   一瞬、雪歩の背後に鬼が浮かんで見えたわよ!?」


雪歩「…」


伊織「ちょっと、何をやってるのよ春香!」

春香「そ、そんな事言われたって」

伊織「何だかさっきより雰囲気が険しくなったじゃない」

春香「う、うん、けど、一瞬機嫌はよくなったよね?」

伊織「…うーん、春香の言った事に何かヒントが…あっ、そうよ、これよ!こう言いなさい春香」


春香「…雪歩。さっきはごめん。私、雪歩の気持ち考えてなくて」

雪歩「…」


伊織「おっ、いいわよ春香、雰囲気が良くなったわよ?」


春香「こんな仲良しなのに、雪歩の事わかってないなんて、私、最低だよね…?」

雪歩「…」


伊織「その調子よ春香!雪歩から何かいい雰囲気のオーラが出てるわよ?」


春香「だから、明日伊織と出かけた時に買うお菓子」

春香「お茶に合う、和菓子の…ほう…が…」

雪歩「…」


伊織「あ、ああっ!ちょ、ちょっとストップ!鬼が増えたわ!三体に!」


雪歩「…」


伊織「ちょっともう、何をやってるのよ春香!」

春香「で、でも伊織が言えっていったんでしょ?」

春香「…うーん、けどどうなんだろう?何か、伊織と出かける話をするたびに」

春香「雪歩、機嫌が悪くなるような…?」

伊織「うーん…?あ、そうよ、それよ!それじゃこうよ!」


春香「…雪歩。ほんっとーに、ごめん。雪歩が何に怒ってるか、わかったよ…」

雪歩「…」


伊織「さあ春香、今度はバッチリよ!」


春香「伊織と一緒に出かけるってのがダメなんだね?だから、それはやめて」

雪歩「…」


伊織「そうそう、その調子よ春香!今、一瞬天使が見えたわ、いけるわよ!」


春香「今度、千早ちゃんとでも出かけた時に何か買っ…」

雪歩「…」


伊織「す、ストッープ!今までにないタイプの鬼が浮かんだわ、ヤバいやつよ!」


雪歩「…」


伊織「ちょっと春香、いいかげんにしなさいよあんたってば本当にもう!」

春香「だ、だってさ、どうしたらいいのさ本当に?」

春香「伊織と出かけるのを嫌がってるわけでもないみたいだし」


伊織「うーん、そうね…。じゃあ個別に試してみましょう」

春香「個別?」

伊織「そう。誰と出かけるのが良くて誰が悪いのか」

伊織「雪歩の反応を伺うのよ!」


春香「え、えーとそれじゃやよいと一緒に…」

雪歩「…」


伊織「あー、もーダメね。出てる出てる。鬼出てるわ」


春香「…は、やめて」

雪歩「…」


伊織「あ、引っ込んだ」


春香「それじゃと真と一緒に…」

雪歩「…」


伊織「あー、全然ダメね。また出たわよ鬼」


春香「…も、やめて」

雪歩「…」


伊織「あ、また引っ込んだ」


春香「それじゃ亜美と真美…はやめて、あずささん…もやめて、小鳥さん…もやめて…」

雪歩「…」


伊織「出たり引っ込んだり忙しい鬼ね」

伊織「だんだん顔に疲労がにじみ始めたわ」


春香「も、もう全員言ったよね?」

雪歩「…」


伊織「ええ、けど鬼が必死の形相しながら…」

伊織「何か自分を指さしてアピールしてるけど」


春香「…もしかして」

伊織「ええ、意外中の意外だけど」


春香「…雪歩?」

雪歩「…」


伊織「あー、わかりやすい、わかりやすいわ」

伊織「教会の天井の絵みたいなのが浮かんでるわ。鬼も笑顔で拍手してるし」


春香「もしかして、私と伊織が明日出かけるって話ししてたから…」

伊織「それで、スネちゃってたわけ?」

雪歩「…」


春香「…あの、雪歩」

伊織「アンタも、最初っから一緒に誘う積りだったんだけど?」

雪歩「…え?」


春香「伊織が明日の休み、欲しい物があるから」

春香「雪歩も休みだし、一緒に誘って…」

春香「みんなで出かけようかって、雪歩が来る前に話ししてたんだよね?」

伊織「ええ、そうよ」

雪歩「な、なんだぁー…」


雪歩「だって、春香ちゃん私明日お休みだって知ってるのに」

雪歩「伊織ちゃんと二人だけで出かけるのかと思っちゃった」

雪歩「じゃ、明日?明日だよね?何着てこっかなー、フンフン…」

春香「急に、上機嫌に…周りにラッパを吹く天使が見えるよ」

伊織「さっきまでの地獄のような光景が嘘みたいね」


雪歩「…そうだよね。春香ちゃんなら必ず誘ってくれるもんね」

雪歩「勘違いして損しちゃった。ごめんね?二人とも」

雪歩「それじゃ、明日のお休み楽しみだねー…って」


春香「…」

伊織「…」

雪歩「あ、あれ?二人とも、何か怒ってない…?」


おわり

以上になります
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