未央「あけましておめでとう」 (15)

未央「お帰りなさいませご主人様」の続き

意味のない平和な日常が大事

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三人「今年もよろしくお願いしますプロデューサー(さん)」

P「……何しに来たの君ら?」

凛「プロデューサー寝正月? ダメだよ。一年の計は元旦にありって言うんだから」

P「いや、年末年始は仕事でお前らと過ごしたろ? それにもう正月じゃないし、久々の休みなんだから寝かしてくれよ」

未央「一本田未央!」

卯月「ニ島村卯月!」

凛「三渋谷凛!」

未央「ほら、縁起物だから起きて起きて」

P「何言ってんのお前ら? 意味不明だし語呂も悪い」

P「で、何しに来たの?」

卯月「プロデューサーさんの言う通り、確かに年末年始は一緒に過ごしました。けどそれはあくまで仕事の上でしたので改めてあいさつに来ました」

P「はぁーそうかそうかー。あけおめー。さぁ、お家にお帰り。シッシ」

凛「プロデューサーって私たちが来るたびに帰れとか出禁とか言ってるよね。鳴き声か何か?」

P「だってめんどくさいんだもん君ら。この前だってたくさんの菓子持ってきて人ん家で女子会始めるし」

未央「あー! 担当アイドルにそんな態度取っていいのかなー!? 未央ちゃんへそ曲げちゃうかもよー!」

P「おう曲げろ曲げろ。何ならその体を三つ折り仕立てにしてやってもいいぞ。ぼっきぼきだぁ」

未央「あー! もう完全にへそ曲げたー! 冷蔵庫のサイダーに水を継ぎ足してやる!」

P「やめろ! お前ふざけんな! 悪さする頭はこれかー!」

未央「ギャー!」

未央「ところでぇ。プロデューサーって大人じゃん」

P「……そうだけど?」

凛「私たちは子供」

P「稼ぎはあるけどな」

卯月「だから」

三人「お年玉ください!」

P「……あ?」

凛「ヤバいよ。あの眼、完全にキレてる」

卯月「だから言ったんですよ。いつも図々しく家に上がり込んだ挙句お金せびるなんてダメだって」

未央「いや、二人ともいいねって言ってたじゃん。私だけのせいじゃないよ」

P「お前ら……」

凛「今のナシ。聞かなかったことにして」

P「ほれ」

未央「あれ? これってポチ袋? プロデューサー?」

P「去年一年よく頑張った。多くはないが、今年は去年以上に躍進してくれよな」

卯月「せびっといてこういうのも何ですけど、いいんですかプロデューサーさん!?」

凛「い、意外。いや、ありがとうございます」

未央「これ思ったより入ってんじゃないの? やたー! 言ってみるもんだね」

P「ただーし、俺からお年玉をもらう以上しっかり仕事はしろよ。お前たちが売れれば売れるほど俺のお給料もアップするんだからなぁ」

卯月「何に使おうかな……」

凛「未央はどうする?」

未央「デレステのガチャを回したいけど……うーん」

P「ソシャゲに突っ込むなよ。泥沼だから」

未央「じゃあ何しよっかー」

凛「うーん。いつもみたいに適当に過ごせばいいんじゃない」

未央「せっかくお正月なんだからそれっぽいことしなきゃ」

P「正月はもう過ぎてるぞ」

未央「それぞれ持ち寄ったものを出して出して」

卯月「羽子板」

凛「お餅」

P「餅かぁ。そういや今年に入ってまだ食べてないなぁ。じゃあ昼飯に焼くか。それともぜんざいにする? 雑煮でもいいな」

卯月「お雑煮ですか。バラエティー豊かな具がおいしいんですよね」

凛「やっぱり正月と言えば餅だよ」

未央「でも……食べ過ぎると太る……」

三人「……」

P「そこら辺は気を付けろよ」

未央「お昼までまだ時間あるし、羽根突きしよっか!」

凛「審判するよ。まずは二人でやって」

未央「よし! 行くぞしまむー! 落としたら顔面に墨だからね! オラァー!」カァン

卯月「え、えいっ! あれ? 素被りましたプロデューサーさん!」

P「部屋の中で羽根突き始めんな! 外でやれ外で」



未央「よぉし。仕切り直しだよ。私のムーンサルト殺法で八つ裂きにしてくれる! オラァー!」カァン

卯月「えいっ! あれ? 素被りましたプロデューサーさん!」

P「さっきと全く同じ画だったな」

凛「未央の勝ちだから卯月の顔に墨塗っていいよ」

未央「フハハハ。覚悟しろしまむー。とんでもなく不細工にしてあげる」

卯月「えっと……そうです。羽子板が悪いんです。凛ちゃん。持ってきたものと変えてください」

P「往生際わるぅ」

未央「いいよ。だったら変えたうえで叩き伏せてあげる。オラァー!」

卯月「えいっ! あれ? 素被りましたプロデューサーさん!」

P「お前もう言い訳出来んぞ」

未央「行くよしまむぅ♪」

卯月「お、お手柔らかにお願いします……」

10分後

未央「もう塗れるところないや」

凛「卯月の顔が黒豆みたいに真っ黒になった」

卯月「ぐすっ、プロデューサーさーん……」

P「泣き付いてくるな。服に墨がつく」

P「よぉし、いいだろう卯月。仇を取ってやる」

未央「んおぉ? この未央ちゃんに挑戦しようっての? 返り討ちにしてあげるよ」

P「いんや。今ある羽子板は四枚。俺と卯月、未央と凛とでダブルスをするぞ」

卯月「羽根突きにダブルスなんてありましたっけ?」

P「そんなはどうでもイイ。卯月。サポートしてやる。お前をそんな姿にした凛と未央をあられもない姿にしようぜ」

凛「私関係ない、もらい事故なんだけど」

未央「ふぅん。いいよ。叩きつけられた挑戦状を未央ちゃんは付き返したりはしなーい。かかってこんかい!」

P「そうだな。負けた方がただ墨を塗られるだけってのは面白くない。負けた方が勝った方の言うことを何でも一つ聞くってのはどうだ」

未央「ほら、試合開始早く早く!」

凛「俄然やる気出てきた」

卯月「頑張ります!」

P「おい! 何そっち側行ってんだよ卯月! お前は俺とペアだろ!?」

卯月「復讐は何も生まないと思います」

P「だからってそっち側行くなよ! 三対一になるじゃん!」

凛「プロデューサーなら一人でも大丈夫だよ。デカいし」

P「デカいことを理由づけて俺をぼっちにスンナ!」

未央「プロデューサーに何お願いしよっか」

卯月「本物のアルパカが見たいので動物園に連れてってもらいたいです」

未央「いいねぇ。しぶりんは?」

凛「私は……」

-卯月のお願い-

卯月「あれがアルパカですか。パカ~って鳴かないんですね」

P「そりゃそうだろうよ。パカーって鳴くアルパカはお前だけだ」

卯月「もうプロデューサーさん。意地悪言わないでください!」

P「ハハハ。卯月。今日動物園来てよかったか?」

卯月「はい。プロデューサーさんと来ることができてとても良かったです!」


-未央のお願い-

未央「ほら、見てよプロデューサー!」

P「テメェ。いきなり山登ろうなんて言い出しやがって。明日ゼッテー筋肉痛だ」

未央「いいじゃん。ほら、頂上から見える景色は最高だよ」

P「おぉ。そうだな」

未央「こうやって冷たい空気の中で遠くの景色を見てると、今年も頑張ろうって思えてくるね」

P「なら頑張ってくれよ。今年こそ、総選挙で一位になるんだぞ」

未央「うん。頑張る!」


-凛のお願い-

自主規制


三人「よし!」

P「まーた愉快なこと考えてんなお前ら」

P「ちなみに三人でかかってきても命令は一人分だぞ」

未央「はぁ!? 何それ! 心狭いぞー!」

P「うるせー! 俺が勝ったらお前ら全員に出禁の誓約書を書かせてやる。これ以上家に私物置かれてたまるか」

凛「プロデューサーの役に立つものだって持ってくるよ」

P「その5倍いらんものを持ってくるだろうが! 人の家を何だと思ってやがる!」

三人「セカンドハウス」

P「クソガキどもが! おらっ! 三人でかかってこい! 出禁の誓約書はともかく、私物は持ち帰らせてやる! いくぞぉ!」

三人「わぁー!」

室内

卯月「ふぅ。さっぱりしました。あれ? プロデューサーさんまだ落ち込んでるんですか」

凛「相当ショックだったみたい」

P「まさか負けるとは思わなかった……」

凛「プロデューサーって思ったより弱いね」

P「るせーっ! お前らが思いっきり散らしてくるからスンゲー疲れたんだよ!」

凛「でも勝ちは勝ちだから」

未央「どこ連れてってもらおっかー」

卯月「楽しみです!」

P「はぁ……一つ命令できるなんて言わなきゃよかった。ほら、できたぞ」

未央「お餅焼けた?」

P「ああ。普通に焼いたのと黄粉をまぶしたのを作った」

卯月「結構作ったんですね」

P「まぁ、今年も頑張ろうってことでいただきます」

三人「いただきます」

終わり


今年こそ本田未央が総選挙一位になりますように

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あとキン肉マンで一番カッコいいキャラはシルバーマンだと思いますねぇ

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