花陽「ラプンツェル」 (31)

初版グリム童話のお話をラブライブに当てはめたssです

セリフはオリジナルですが内容は原作に沿っています

ちなみに某ディ○ニー映画の原作にあたるお話です

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1515602398

ことり「海未ちゃん!!海未ちゃん!!」

海未「どうしたのですか?そんなに嬉しそうな顔して」

ことり「あのね……その……」

海未「なんですか?ご飯の準備をしたいのですが」

ことり「……できちゃったみたい///」

海未「できた?なにがですか?」

ことり「ことりと海未ちゃんの……赤ちゃん///」

海未「」

海未「ほ,ほほほ本当ですかっっ?!?!」

海未「本当に私たちのこどもが?!」

ことり「うん///さっき確認してきたの///」

海未「あぁ……ついに!私たちの念願が叶いました!今日はお祝いです!」

ことり「もう///大げさだよ海未ちゃん///」

海未「何を言うのですか!これほど嬉しいことはありません!」

海未「さあ!何でも食べたいものを言ってください!今日は奮発しますよ!」

ことり「……本当に何でもいいの?」

海未「もちろんです!」

ことり「……ラプンツェル」

海未「はい?」

ことり「裏の庭にラプンツェルが植えてあるでしょ?ことり,それが食べたい」

海未「……すみませんことり,それだけは無理です」

ことり「え~海未ちゃん何でもって言ったのに……」

海未「あの庭は妖精のもので,誰にも立ち入ることは許されていません」

海未「ことりだって知っているではありませんか」

ことり「うん……ごめんね?困らせちゃって」

海未「いえ……私の方こそ望みを叶えられず申し訳ないです」

ことり「大丈夫!それより美味しいもの食べよ?ラプンツェルはもういいから」

海未「そうですね!ではすぐに支度します!」

ことり「えへへ~楽しみだな~♪」

海未「ことりは座って待っていてくださいね.その……お腹に赤ちゃんがいるのですから///」

ことり「うん///待ってるね///」

――――――――――
――――――――
――――――
――――
――

ことり(はあ……ラプンツェル食べたいな)

海未「ああ,ことり……こんなにやせ細ってしまって……」

海未「何か悩みでもあるのですか?どうしても言ってはいただけませんか?」

ことり(言えるわけないよ……)

海未「私では,頼りにならないでしょうか……」グスッ

ことり(でも言わないと,海未ちゃんが……)

ことり「あのね?海未ちゃん」

海未「!!はい!!何でしょうか?!」

ことり「ことりね,ラプンツェルが食べたいの」

海未「……裏の庭のですか」

ことり「うん……ごめん,忘れて」

海未「……いえ,わかりました.今から取ってきます」

ことり「ダメだよ海未ちゃん……妖精さんに怒られちゃう……」

海未「ことりの命には代えられません!待っていてください!」ガチャ バタン

ことり「海未ちゃん……ありがとう……」

――――――――――
――――――――
――――――
――――
――

海未「ことり!取ってきました!」ガチャ

ことり「海未ちゃん!無事でよかった……!」

海未「幸いにも妖精とは出会いませんでした」

海未「今すぐこれでサラダを作ります!待っていてください!」

ことり「うん!」

トントントントン―――――

海未「できました!どうぞ食べてください!」

ことり「海未ちゃんっ……!ありがとう……!」パクパク

ことり「美味しい……美味しいよ海未ちゃん……」グスッ

海未「よかったっ……!これでことりが元気にっ……!」グスッ

ことり「もう,海未ちゃんは泣き虫だなあ」クス

海未「ことりには言われたくありません!」グスッ

ことり「それもそうだね……あ,もう無くなっちゃった」

海未「ええっ!もう全部食べたのですか?!あんなにいっぱいあったのに?!」

ことり「だって……美味しかったんだもん///」

海未「では,明日また取ってきますね」フフッ

ことり「でも,今度こそ怒られちゃうよ?」

海未「今日だって誰もいなかったのですから,明日もきっと大丈夫です!」

ことり「もう……気をつけてね?」

海未「はい!任せてください!」

――――――――――
――――――――
――――――
――――
――

海未(くっ,なんで今日に限って)ハァハァ

にこ「出てきなさい.そこに隠れているのはわかっているわよ」

海未(逃げられそうにはありませんね……仕方ありません)

海未「あなたがここの主ですか?」

にこ「そうよ,私は妖精のにこ.にこにーと呼ぶがいいわ」

海未「それではにこ,あなたにお願いがあります」

にこ「にこにーよ!……まあいいわ,なに?」

海未「あなたの庭のラプンツェルを分けていただきたいのです」

にこ「そういえば,昨日も庭に誰かが入った形跡があったわね.それもあんた?」

海未「はい,申し訳ありません」

にこ「なんでそんなに欲しいのよ.大したもんでもないのに」

海未「ことりがっ!……妻がどうしても食べたいというのです」

海未「こどもを宿してからどんどんやせ細っていって……」グスッ

にこ「はあ……わかったわ.好きなだけ持っていっていいわよ」

海未「っ!!本当ですか?!」

にこ「ええ,ただし条件があるわ」

海未「何でも聞きます!言ってください!!」

にこ「こどもが生まれたら,私によこしなさい」

海未「っ!そ,それは……」

にこ「嫌ならいいわ.今すぐ立ち去りなさい」

海未(せっかく授かったこどもを渡すわけには……しかし,そうしないとことりが……)

にこ「どうするの?渡す?帰る?」

海未「……わかりました,こどもは渡します.ですからラプンツェルを!」

にこ「賢明な判断ね.いいわ,好きなだけ持っていきなさい」

海未「ありがとうございます!」ダッ

――――――――――
――――――――
――――――
――――
――

海未(ついにこの日が来てしまいました)

海未(ことりは泣き喚いて大変でしたが,これもあなたのためなのです……わかってください)

海未「にこ!こどもを連れてきました!」

にこ「やっと来たわね.さあ,こっちによこしなさい」

海未(……やはり渡すしかないのでしょうか)

にこ「ちょっと,早くしなさいよ」

海未「……わかりました」スッ

にこ「可愛いじゃない」ヒョイ

にこ「さて,もうあんたに用はないわ.さっさと帰りなさい」

海未(ごめんなさい……ごめんなさい……)

海未(さようなら……私たちの赤ちゃん)トボトボ

にこ「……やっと行ったわね」

にこ「これからはにこがあんたの親よ」

にこ「あなたの名前は……そうね……」

にこ「花陽……あなたは花陽よ」

――――――――――
――――――――
――――――
――――
――

にこ「花陽!髪を垂らしてちょうだい!」

「はーい!ちょっと待ってね!」スルスル

にこ「よいしょ,よいしょ……ふう」

花陽「おかえり!にこちゃん!」

にこ「ただいま花陽.今ご飯を作るわね」

花陽「うん!楽しみにしてるね!」

キョウノゴハンハナニ?デキテカラノオタノシミヨ――――




凛「どうしよう……あの塔からちらっと見えた女の子,すっごく可愛かったにゃ……」

凛「凛,好きになっちゃったかも……///」

――――――――――
――――――――
――――――
――――
――

凛「またこの塔に来ちゃった……」

凛「どうにかしてあの子に会いたいな」

凛(そういえば,この前誰かが髪を垂らしてもらってたよね)

凛(あれを真似すれば!そうと決まれば早速!)

凛「花陽!髪を垂らしてちょうだい!」

「はーい!今垂らすね!」スルスル

凛(ほんとにきた!これを登れば!)ヨイショヨイショ

花陽「おかえり!にこちゃ――ぴゃあ!」

花陽「にこちゃんじゃない?!あなた誰?!」

凛「はじめまして!凛は凛だよ!」

花陽「凛ちゃん?凛ちゃんはどうしてここに?」

凛「花陽ちゃんに会いたくて……迷惑だったかな?」ウルウル

花陽(かわいい)

花陽「そ,そんなことないよ!私も嬉しい!」

凛「にゃー!かよちん大好きにゃー!」ハグッ

花陽「か,かよちん?!」ピャア

凛「うん!花陽ちゃんだからかよちん!……ダメ?」ウルウル

花陽(なんだこの天使)

花陽「そんなことないよ!よろしくね!凛ちゃん!」

凛「うん!こちらこそよろしくね!かよちん!」

――――――――――
――――――――
――――――
――――
――

花陽「ねえにこちゃん,なんか最近服がきつくなっちゃったんだけど……」

にこ「ご飯の食べ過ぎじゃないの?でも,そんなに太ったようにはみえないわね」

花陽「いや,その……胸のあたりが///」

にこ「あんたケンカ売ってんの?!はったおすわよ!!」

花陽「ご,ごめん!そんなつもりじゃ……」

にこ「最近あんたといるとイライラするわね……あんた,もう出ていきなさい」

花陽「そ,そんな!いきなり!」

にこ「うるさい!……その髪は置いていきなさい,切ってあげるわ」グイッ

花陽「やめて!痛いよにこちゃん!」

にこ「おとなしくしなさい!……よいしょっと!」ジョキン

花陽「うぅ……」

にこ「やっと切れたわね,さっさと出ていきなさい」

花陽「で,でも!」

にこ「早くしないと,次はその胸の脂肪を切り落とすわよ」

花陽「……わかった……今までありがとう」

にこ「さあ行った行った!」

花陽「ばいばい,にこちゃん……」トボトボ

――――――――――
――――――――
――――――
――――
――

凛(最近来れてなかったけど,久しぶりに時間がとれたにゃ!)

凛(えへへ~かよちん元気かな~?)

凛「花陽!髪を垂らしてちょうだい!」

スルスル

凛「あれ,返事がない?」

凛「でも髪は垂れてきたし,風邪でも引いたのかな?」ヨイショ ヨイショ

凛「かーよちーん!久しぶ―――「来たわね」

凛「にゃ?!誰?!」

にこ「私は花陽の親のにこよ.にこにーと呼んでちょうだい」

凛「かよちんのお母さん?!それにしては小さいような……あ!かよちんはどこ?」

にこ「どこ見て言ってんのよ!!ったく,花陽はもうここにはいないわ」

凛「え,なんで……」

にこ「追い出したのよ」

凛「なんで?!お母さんなのに!!」

にこ「あんたには関係ないわ.今頃は生きてるかどうか」

凛「そんな……かよちん……」フラッ

にこ「ちょっ!危ない!」

凛「かよちんがいないなら……生きてても意味ないにゃ……」スッ

にこ「あっ!……まあ,にこには関係ないことよ」

ヒューーーーーードン!!!

凛「うぅ……」

凛「あれ,生きてる……」

凛「でも,目が見えなくなっちゃった……」

凛「かよちん……凛は信じないから……」フラフラ

凛「かよちん……かよちん……」テクテク

――――――――――
――――――――
――――――
――――
――

凛(あれからどれくらい経ったのかな)

凛(かよちん全然見つからないにゃ……まあ目は見えないんだけど)

凛(やっぱり死んじゃったのかな)グスッ

凛「そろそろ凛も限界が―――「凛ちゃん?」

凛「……かよちん?」

花陽「凛ちゃん?!凛ちゃんだよね?!どうしたの?!そんなにボロボロになって?!」

凛「かよちんどこ?凛,目が見えなくて」

花陽「目が見えないの?!しっかりして!凛ちゃん!」ダキッ

凛「あっ……ふふ,かよちんあったかいにゃ~」

花陽「凛ちゃん……なんでこんなことに……」ポロポロ

凛「かよちん泣いてるの?凛の顔が濡れちゃうよ」

花陽「うぅ……グスッ凛ちゃん……」ポロポロ

凛「ははは……もう凛びちゃびちゃになっ―――あれ?」

凛「見える……見えるよかよちん!凛,目が見える!」

花陽「!!凛ちゃんっ……!よかったっ……!!本当によかったっ……!」グスッ

凛「かよちーん!かよちんかよちんかよちーーん!!」

花陽「凛ちゃん!凛ちゃん凛ちゃん凛ちゃん!」

凛「かよちん,全然変わってないね」

花陽「凛ちゃんも変わらないよ!あのときの可愛い凛ちゃんのまま!」

凛「そんなふうに言われると照れるよ///」

花陽「これからはずっと一緒にいようね?」

凛「うん!ずーーーっと一緒にゃ!」



終わり

以上です

今後も定期的にラブライブ×グリム童話のssを書くつもりです

読んでくださった方ありがとうございました

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom