【バンドリ】香澄・友希那・蘭「ガルパで誰が一番のお嫁さんになるか?」 (36)


※キャラ崩壊してます

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――弦巻邸 パーティー会場――


戸山香澄「そんなの決まってますよ!」

湊友希那「迷うはずもないわ」

美竹蘭「まったく同感だね」

香澄「沙綾でしょ!」友希那「リサよね」蘭「つぐみだね」

三人「……は?」

丸山彩(拝啓、ガールズバンドパーティーをご覧になって下さった皆さま方。まん丸お山に彩りを、パステルパレットふわふわピンク担当の丸山彩です)

彩(本日は無事大成功に終わったガールズバンドパーティーの打ち上げという事で、参加した5バンド25人で、こころちゃんのお家でのお疲れ様パーティーを開催中です)

彩(私を含め、主催者&スポンサーのこころちゃんを除くボーカル組四人が集められた席ですが、先ほどから香澄ちゃんが口数少ない友希那ちゃんと蘭ちゃんを明るい会話に引っ張ってくれていました)

彩(……悪気はなかったんです)

彩(ただ、香澄ちゃんばっかりに喋ってもらうのも悪いな、って思っただけだったんです)

彩(『ガールズバンドパーティに参加した人の中で、誰が一番いいお嫁さんになるか』なんて話題を振ったのは)

三人「…………」

彩(三人とも無言のまま見つめあってます。むしろ睨みあっているような気もします)

彩(先ほどまでの和やかムードもなんのその、ものすごく気まずいです。さらにまずいことに隣のテーブルには沙綾ちゃん、リサちゃん、つぐみちゃんの三人が座ってます)

彩(私はどうすればいいんでしょうか)

香澄「分かった、あれだよね、二人ともあんまり沙綾と接点がなかったもんね」

友希那「……そうかしら」

香澄「そうですよ! じゃなきゃ、ねぇ……沙綾がお嫁さん第一候補から外れる訳ないもん」

蘭「……そうかな」

香澄「んん? 二人とも『そんな訳ないでしょ』って顔してるね?」

香澄「分かった、それじゃあ今からどれだけ沙綾がお嫁さんにふさわしいってことを説明するよ!」

友希那「いえ、戸山さん。その前にあなたもリサの嫁スキルの高さを知らないわよね? 先に私から、幼馴染として、リサのその辺のことをじっくりと説明してあげるわ」

蘭「湊さん、そういうあなたもつぐみの何が素晴らしいかっていうのをまったく知りませんよね? まずはアフターグロウを代表してあたしが滾々(こんこん)と説明しますから」

香澄「いや私から」

友希那「いえ、私が」

蘭「あたしから」

三人「…………」

彩(一触即発です。隣のテーブルの三人はなんとも言えない微妙な表情をしてますが、飛び火してこないよう静観を決め込むようです。私も逃げたいな……逃げていいかな……)

香澄「よっし分かりました、それじゃあ正々堂々、誰からアピールするかじゃんけんで決めましょう」

友希那「ええ、そうしましょう」

蘭「上等じゃん」

香澄「じゃあ行きますよ……最初はグー!」パー

蘭「ふっ……」パー

友希那「……は?」グー

彩(最初はグー、の言葉と裏腹、清々しいほどまっすぐにパーを出す香澄ちゃんと蘭ちゃん。正直にグーを出して一人負けする友希那ちゃん。何が起こったかいまいち把握できずに呆然としてます)

リサ「……ポカンとする友希那かわいい」

彩(その様子を横目で見ていたリサちゃんがポツリと呟きました)

彩(なんだったら私と席交換する? ここなら友希那ちゃんすっごく近くだよ?)

友希那「……あなたたち、それはちょっと卑怯じゃないかしら」

蘭「勝負の世界は騙される方が悪いんですよ、湊さん」

香澄「ごめんなさい友希那先輩、こればっかりは私も譲れないんです」

友希那「くっ……」

蘭「じゃあ香澄と一騎討ちだね」

香澄「負けないよ、蘭ちゃん!」

蘭「こっちだって……それじゃあ、じゃんけん――」

香澄「――ぽん!」

彩(今度は前置きもなくじゃんけんをして、勝ったのはチョキを出した香澄ちゃんでした)

香澄「やったー! 私の勝ちぃー!」

蘭「……正々堂々やって負けたからね。いいよ、先手は譲るよ」

香澄「ふふーん、それじゃあ沙綾の話からだねー」

彩(蘭ちゃんの正々堂々という言葉が引っかかったのか、友希那ちゃんが何か言いたげな顔をしてます)

彩(でも何も抗議しないみたいなのは香澄ちゃんの話の腰を折らないためなんでしょうか)

香澄「んー、じゃあ何から話をしようかなー。そうだ、まず沙綾の実家のことからなんだけどね、皆知ってると思うけど商店街の山吹ベーカリーなんだ~。それでね、沙綾は学校が終わるとよく家の手伝いをしてるんだ。何度か蘭ちゃんも友希那先輩も見たことありますよね? ね? でね、まず何で沙綾がお店の手伝いをしてるかって言うと、昔沙綾のお母さんが体調崩しちゃったことがあって、それから自分の趣味を後回しにしてでもお店を手伝うようになったんだ。もうこれだけでいじらしいよね! 沙綾と結婚したくなってくるよね! それでね、お店手伝ってる時のなにが良いかって言うと、まずポニーテール+制服の上にエプロン! たまらないっ、良いよねぇ~家庭的で! それに優しい笑顔でおすすめのパンを教えてくれたり、たまにね、お店の方でじゅんじゅんとさーなんが――あ、じゅんじゅんとさーなんっていうのはね、沙綾の弟と妹なんだ。またこの二人がね、お姉ちゃんっ子なんだ! それもこれも沙綾の人徳がなせる事だね! ああっ、じゅんじゅんとさーなんも沙綾を語る上では大事なことなんだけどこれは後で話すね! 他の話のついでで終わらせちゃいけない話だから! それでなんだっけ、そうそう、お店でたまにじゅんじゅんとさーなんが追いかけっことかしてる時があるんだけどさ、それを叱る声がまたいいんだよね。『こーら、お店で遊んじゃダメだっていつも言ってるでしょ?』って。こう、優しくたしなめてくれるところとかさ、将来子供が出来たら絶対いいお母さんにもなるよね、沙綾って! それでねそれでね、お店で遊んでるだけじゃなくてね、この小さな弟くんと妹ちゃんもお店の手伝いをしてることがあるんだ。でね、その時の沙綾って『お、やるじゃん純、助かるよ!』とか『いつもありがと、紗南。きっと将来いいお嫁さんになるね!』ってすっっごく優しい声で二人を褒めるんだ~。やっちゃダメなことをしたらちゃんと怒れるし、いいことをしたらしっかり優しく褒めてくれる……くぅ~流石沙綾! お嫁さんにしたい! 一緒に幸せな家庭を築きたい! 山吹ベーカリーに永久就職したい!! あ、あとねあとね――」

友希那「戸山さん、残念ながら時間切れよ」

蘭「そうだね、もうアピールタイムは残ってないね」

香澄「えぇーもう? まだ沙綾の良いところ5%も話してないよ~?」

彩(いつからアピールタイムなんてものが導入されてたんでしょうか。そして香澄ちゃん、それのあと20倍も喋ることがあるの……?)

山吹沙綾「…………」

彩(あと隣のテーブルの沙綾ちゃんがすごく困った笑顔を浮かべているのに気付いてあげて。おねがい)

香澄「うーんまぁ仕方ないか~。それじゃあ次は……」

蘭「あたしの――」

友希那「私がリサのいいところを話すわ」

蘭「えっ、あたしの――」

友希那「手短に話すわね、私は喋るのはあまり得意ではないから。それで、まずリサを語る上で一番に抑えなくちゃいけないところなんだけど、彼女はいついかなる状況においても周りとの関係を円滑に出来る点だわ。よく面接で『私は潤滑油』などとアピールする人がいるらしいけれど、そんなの口にする時点で程度が知れるわ。この点においてのリサの一番優れていることは決してそれを表に出さないことよ。困っている人がいれば陰ながらさりげない形で助け船を出し、『やれば出来るじゃん!』や『頑張れば何とかなるもんだね!』と、リサ自身が何かをしたという事を話すのではなく、あくまで困ったことが解決したのは本人の力のおかげなんだと言う。まさに一歩引いて相手を立てる、良妻の器と言えるわね。これは彼女の数ある長所の中でも特に秀でてた部類に入ることなんだけど、困ったことに本人はそれを誇っていいことだと認識していないのよね。でもそれがまたいいのよ。私たちロゼリアもリサのさりげない気配りや優しさに何度となく助けられてきたわ。私も紗夜も音楽のことに関してならひっぱれるけど、そういったことにはからっきしだから。それなのにリサは『ロゼリアで一番下手なのはアタシだからさ、足引っ張りたくないんだ』なんて言って綺麗な指がボロボロになるまで自主練に励み、メンバーの誰かが悩んでれば話を聞いて、みんなのためにお菓子を作って差し入れてくれる。……ちょっと健気でいじらし過ぎるわ、ウチのリサは。あなたは素晴らしい人間なんだからもっと誇っていいのよ、自分自身を。そしてさらにそれを際立たせるのが見た目とのギャップ。一目見た人はみんな『今風のギャル』という印象を抱くでしょうね。でも蓋を開ければ家事万能でしっかりしてて、気配り上手、気さくな性格、それでいて出しゃばり過ぎない控えめな面もある……そのうえスタイルも抜群。こんな子を嫁にしたくないないんて男はいるのかしら。むしろ私が生涯の伴侶として添い遂げたいわ。リサと作る家庭は笑顔の絶えない明るいものにしかならない。その確信があるもの。それを証明するエピソードなんだけど――」

香澄「はい時間切れー!」

蘭「…………」

友希那「あら、短くないかしら? まだ序章をちょっと話しただけなんだけど」

彩(饒舌&早口で喋る友希那ちゃんを初めて見ました。そしてものずごく何か言いたげな蘭ちゃんがちょっと怖いです)

今井リサ「友希那……そういう風に思ってくれてたんだ……嬉しい」

彩(そして感動した面持ちのリサちゃん。本当に席変わるよ? 遠慮しないでいつでも言ってね?)

蘭「湊さん、やってくれますね」

友希那「勝負の世界だもの。出し抜かれる方が悪いわ」

蘭「宣戦布告ですかいいですよいつでもやりますよ」

友希那「奇襲を先にしかけたのはあなた達でしょう」

蘭「……まぁいいです。それじゃああたしの番」

彩(思うところがあるのか素直に引き下がる蘭ちゃん。やっぱり根はいい子なんだろうな)

蘭「つぐみを語る上でまず話さなきゃいけないのは、ものすごく頑張り屋だってこと。自分を二の次にして他の人のために頑張れるところ。香澄は花女だから知らないかもしれないけど、つぐみは羽丘の生徒会役員なんだ。湊さんは当然知ってますよね。それで、つぐみはいつも学校のためにって色んなことをやってる。モカとも話したことあるけど、その働きっぷりはまるでつぐみのドッペルゲンガーが三人くらいいるんじゃないかってくらい。その上アフターグロウでのバンド練習、さらに実家の羽沢珈琲店のお手伝い。それだけ頑張ってるのにつぐみ本人は『これくらい大丈夫だよ、心配してくれてありがとう』って言うんだ。もう、たまんないよ。頑張る姿もそうだけど、心配してくれたことに素直なお礼が言えるとかね。でもね、当たり前だけど、一目姿を見れば誰もが思う通りにつぐみはただの可愛くて天使という表現が世界一似合う普通の女の子なんだ。当然体力にも限界があって、その限界を超えちゃうことがよくあるんだ。ガルジャムに出ようって時も、バンド練習で頑張りすぎて倒れちゃったことだってあった。その時だってつぐみの過労に気付けなかった私たちだって悪いのに『迷惑かけてごめんね……』なんて謝ってきて……もうね、どれだけ庇護欲をくすぐれば満足するのかってよく思う。一生傍にいたい。こんな頑張り屋で健気な天使っていうの面もあるのに、さらにつぐみって意外と大胆なとこがあるんだ。私たちがバンドをやり始めたのもつぐみが『バンドやろうよ!』って言ってくれたおかげだし、ガルジャムに参加しようってみんなの背中を押してくれたのもつぐみ。私たちが何かを始めた時って大体つぐみが発起人だったり背中を押してくれる。健気で守りたくなるのに、さらにここぞという時にはみんなを引っ張ってくれる。これ以上に出来た女の子なんてこの世にはいないよ。ただつぐみは天使故に純真無垢だからね、悪い男に騙される可能性もあるから。もしつぐみとの交際を認めてほしいって人がいるのならまずはアフターグロウに話を通してあたし達を倒してからだね。つぐみのためならいつだってやるよ。それから羽沢珈琲店での話なんだけど――」

香澄「はい、終了のお時間でーす!」

友希那「話が長いわね。もう少し要点をまとめて話すべきだわ」

蘭「はぁ? これでもかなり絞ってますから。時間が足りなすぎるせいだし」

彩(友希那ちゃんに対してはすごい喧嘩腰の蘭ちゃん。二人の仲が悪いのは音楽性の違いのせいだけなのかな……ていうかアフターグロウを倒してからって何をさせる気なんだろ……)

羽沢つぐみ「……うぅ」

彩(そして隣のテーブルのつぐみちゃんは蘭ちゃんのアピールが恥ずかしかったのか、顔を赤くして俯いてます)

彩(かわいい)

沙綾(かわいい)

リサ(かわいい)

香澄「さて、一回目のアピールタイムも終わったし、これで二人にも沙綾が一番お嫁さんにしたいって分かってもらえたかな?」

友希那「いえ、あなた達は先に、リサこそが嫁にふさわしいということを理解しましょうか」

蘭「何言ってるんですか。まだほんの少ししか話してないですけど、つぐみが一番だってことを早く理解してくださいよ」

三人「…………」

彩(三人とも少しは折れるかと思ったけど事態は平行線のままです。そろそろ本当に誰か助けてください。いつこっちに矛先が向かうのかと思うと胃が痛いです)

香澄「分かった、それじゃあ助っ人を呼んで意見を聞こうと思います! やっぱり多角的な意見を知らないと沙綾の素晴らしさって伝わりきらないもんねっ」

友希那「一理あるわね。リサは幼馴染でなんでも知り尽くしているわ。でもロゼリアになってから知り合った人ならまた違う視点でリサを語れるでしょう」

蘭「そうだね。あたしが感じるつぐみとみんなが感じるつぐみ、その違いにも興味があるし、いい案だと思うよ」

香澄「じゃあ早速……おーい有咲ぁ――!!」

彩(香澄ちゃんは勢いよく立ち上がって、離れたテーブルで美咲ちゃんと談笑していた有咲ちゃんを呼びに行きました)

市ヶ谷有咲「ちょっ、なんだよ香澄! 引っ張んなって!」

彩(というより無理矢理引っ張ってきました)

香澄「いいからいいから~!」

有咲(げっ、他のバンドのボーカルが集まってる席かよ……うわー、丸山先輩はともかく、湊先輩と美竹さんとか雰囲気怖くて苦手なんだよなぁ……)

香澄「はい、じゃあ私の助っ人の有咲です! それじゃあ有咲、言ってあげて!」

有咲「はぁ!? いきなり連れて来られて言ってあげても何もねーだろ!?」

香澄「ああごめんごめん説明してなかった。今ね、誰がお嫁さんにふさわしいかっていう話をみんなでしてたんだー。それでなかなかね、友希那先輩も蘭ちゃんも沙綾が一番って分かってくれないからさ、有咲の口からも説明してあげてっ!」

有咲「なんでそれに私を呼ぶんだよ……りみかおたえでいいじゃんかよ……」

香澄「だって有咲、沙綾のこと大好きだから。一番いいこと言ってくれるっ! って思ったんだ」

有咲「だっ、大好きとかそういうこと言うのやめろって! なんか誤解されるだろ!」

彩(……『沙綾ちゃんが大好き』の部分を微妙に否定してない気がするのは私だけなのかな……)

友希那「市ヶ谷さん、後が押しているわ。さぁ、あなたの意見を聞かせて頂戴」

蘭「だね。こっちも早くつぐみを語りたくてうずうずしてるんだ。早く」

有咲「うっ……」

有咲(やっぱりこの二人怖ぇ~……。さっさと話して席に戻ろ……)

香澄「さ、有咲。早く早くぅ~!」

有咲「分かった、分かったから引っ付くな! それじゃあなんだ、沙綾の良いところだったか? えーと、まぁ、私も同じバンドで活動するようになってから日が浅いからそこまで大仰なことは言えないんだけどな、とにかく優しいよな、沙綾は。なんつーんだろ、困ってる人がいれば助けに行くし、まぁ当たり前って言えばそうなんだけどさ、今時そういうこと出来る人間ってなかなかいねーじゃん? でもな、流石に自分を殺しすぎだろって思うことも結構ある。ポッピンパーティーに入る直前の香澄との喧嘩……というか言い合いか。それ聞いてても思ったけどさ、なんでも一人で抱え込みすぎなんだよな、沙綾は。そん時の香澄の『一緒に悩ませてよ』って言葉は珍しく正鵠を射るもんだった。まぁ沙綾の実家で色々あるのは私だって分かるけどさ、ちょっとくらいみんなに頼ってくれと思う。じゃないとなんかほら……寂しいじゃん。仲間なんだし……ってなんか沙綾の良いところから話ズレてんな。えーっと、あと頼りになるよな、沙綾は。私たちの中でも大人びた方だし。特にライブなんかだと、ドラムだしみんなを後ろから見守ってくれてるって感じがするし。まぁ私はキーボードで隣に並ぶことが多いけどさ。でも緊張してる時とか隣に沙綾がいると安心するんだよな。目が合うと『大丈夫だよ』って感じに笑って頷いてくれるし。そういう包容力に溢れたところはやっぱりお嫁さんに向いてるんじゃねーの? あ、でもお茶目な部分もあるよな。海に行った時とか星形のサングラスなんかつけて一番はしゃいでたのは沙綾だし。あと私のことを分かってくれてるのは嬉しいんだけど、全部見透かした上で意地悪してくることがある。いや別にそれが悪い気分になるってんじゃなくて、どっちかと言えばそういうのも心地いいけど、でもやっぱり悔しいんだよな。私も沙綾に意地悪し返してやるって思ってもなかなかガードが堅いし、隙を見せてくれないんだよ。そういう強かなところとかも良妻の条件にはなるんじゃね? ……まぁ、短いけど大体こんなところじゃん、沙綾の良いところってのは」

友希那「ふむ……」

蘭「なるほどね……」

彩(デレデレだったけど有咲ちゃんてツンデレじゃなかったっけ……)

有咲「ほら、もうこれでいいだろ? 私は席に戻るぞ?」

香澄「うんっ、ありがと有咲! やっぱり有咲に頼んで良かったよ! 有咲大好き!」

有咲「そっ、そういうことを人前で言うんじゃね――! 恥ずかしいだろっ!!」

香澄「またまたー、照れちゃってぇ~」

有咲「うるせぇ! もう戻るからな!」

彩(有咲ちゃんはそう言うと自分の席に戻っていきました。……香澄ちゃんにはツンツンなんだね。ちょっと安心した)

沙綾「…………」

彩(隣の沙綾ちゃんは有咲ちゃんがお話ししている時はずっと耳を塞いでいたみたいで、今は澄まし顔でいます。強かな部分ってこういうところなのかな)

香澄「どうですか、これで沙綾の良さは分かってもらえたでしょ?」

友希那「頷ける部分もなくはなかったわ」

蘭「少しだけだけどね」

香澄「もう、二人とも素直じゃないな~」

友希那「さて、それじゃあ次は私の番ね。……燐子でいいかしら」

彩(友希那ちゃんはそう呟くと、会場の隅の方であこちゃん、巴ちゃんとお話をしていた燐子ちゃんのところへ向かいました)

友希那「大丈夫よ、燐子。あなたなら出来るわ」

白金燐子「で、でも……わたし……人前で話すのは……!」

友希那「大丈夫、大丈夫よ。リサの良いところを話すのではないわ。あなたの思うことをそのまま出せばいいのよ」

燐子「は、はい……」

彩(連れてきた、というよりなんだか強引に誘拐してきたみたいです)

友希那「待たせたわね。私たちロゼリアを代表して、燐子がリサの素晴らしさを語ってくれるわ」

燐子「えと……あの……」

燐子(だ、代表……私がロゼリアを代表してなんて……無理……!!)

友希那「大丈夫よ。あなたは強いわ。何も身構える必要なんてないの。ただ、リサに対して普段感じていることを口にしてくれれば、それだけでいいのよ。急ぐ必要なんてないわ。ゆっくりでいいから」

燐子(友希那さん……わたしを信用してくれて……)

燐子「わ、分かりました……頑張り、ます……! そ、それで、今井さんの素晴らしいところ……ですよね……。やっぱり一番は……話していて安心できるところ……だと思います……。例えば……今井さんは、自分に分からない分野の話でも……しっかりと話を聞いてくれます……。そして、今井さん自身が知っていることに置き換えて……話を返してくれるんです……。そういうところを見ると……『あ、わたしの話をしっかり聞いてくれてるんだな』って……そう思えて……すごく嬉しくなるんです……。れ、恋愛のこととかは……わたしは全然ですけど……そういう人となら……わたしも一緒にいれそうだなって……。ちゃんとわたしのことを認めてくれて……わたしを拒絶しないで、いつでも受け入れてくれそうで……。と、特に夫婦になるなら……そういうのってすごく……大切なことなんだと……思います……。それが自然体でできる今井さんを……すごく尊敬しています……。わたしもいつかはそうなれたらって思える……憧れの対象です……。あ、あと……今井さんは自分の子供に対しても……絶対に肯定から入ると思います……。頭ごなしに叱るってことは……きっとしないです……。きちんと……悪いことをしても理由を聞いて……子供の気持ちを汲んでから……『それは悪いことなんだよ』って……そう、優しく諭してくれそうです……。母性がすごくあって……子供を大事にして……家庭をしっかり支える……良妻賢母の器だと……思います……。わたしも普段の会話で……し、失礼かもしれませんけど……たまに『お母さん』って呼びそうになる時がありますし……。つ、つまり……それだけ今井さんは……優しさに溢れていて……みんなを温かく見守ってくれる存在で……一緒にいるとまるで陽だまりにいるようなポカポカした気持ちになって……そして薔薇輝石のように美しい……素晴らしい女性だと……わたしは思います……」

香澄「おー……」

蘭「ふーん……」

彩(十分喋ってると思うけど前の四人がアレだったせいですごく口数少なく感じる……)

友希那「ありがとう、燐子。それでこそロゼリアよ」

燐子「は、はい……頑張りました……今井さんの良さがちゃんと伝わってるか……ちょっと不安ですけど……」

友希那「あなたにしか出来ない素晴らしいアピールだったわ。もっと自信を持っていいのよ」

燐子「は、はい……ありがとうございます……! そ、それじゃあわたしは……あこちゃんのところに戻りますね……」

彩(燐子ちゃんは小さく頭を下げると、元の席へと戻っていきました。……いいなぁ、燐子ちゃんの物静かな美少女って雰囲気……かわいいなぁ……)

リサ「燐子……頑張ってしっかり喋れたね……よかった……」

彩(そして燐子ちゃんが話している間ずっとハラハラしてたリサちゃんはそう呟いて、温かな眼差しで燐子ちゃんを見送ります。……本当にお母さんみたいだね)

友希那「これでリサの素晴らしさはより理解してもらえたかしら」

香澄「うん、ちょーっとだけですけどね」

蘭「多少は」

友希那「まぁ、認めたくない気持ちは分かるわよ。仕方のない子たちね」

蘭「勝手に言っててください。それじゃあ次はあたしだけど……誰に頼もうかな」

氷川紗夜「話は聞かせてもらいました」

蘭「うわっ!?」

彩(助っ人を探すために会場を見回していた蘭ちゃんは、いつの間にか背後に立っていた紗夜ちゃんから声をかけられびっくりした声を出しました)

友希那「紗夜?」

蘭「なんですか、氷川さん。今井さんのアピールタイムならもう終わりましたよ」

紗夜「いいえ。私がここに来たのはつぐみさんのためよ」

蘭「つぐみのため……?」

紗夜「ええ。話は聞かせてもらったと言ったじゃないですか。今井さんの次はつぐみさんの番……そういう認識でしたがなにか間違いでも?」

友希那「裏切るつもりなの、紗夜?」

紗夜「裏切るもなにもありません。確かに今井さんは素晴らしい女性だと思いますが、私はそれ以上につぐみさんこそがお嫁に相応しいと思っているだけです」

紗夜「なので、美竹さんの許可が出るのならば、私がつぐみさんのことを話そうと、そう思ってここへ来たんです」

蘭「へぇ……ロゼリアにも物分かりのいい人はちゃんといるんですね。いいですよ、アフターグロウはみんな幼馴染だし、外部からのつぐみの見え方ってのを教えて貰います」

紗夜「これで美竹さんの許可は出ましたね」

友希那「……分かったわ。紗夜、あなたの考えを聞かせて頂戴」

香澄「おー……なんだか大人なやり取りだ……」

彩(……そうかな?)

紗夜「では……つぐみさんの良いところを話します。彼女の一番のいいところは相手のことを肯定し尊重できる点、これだと思います。例えば本人があまり良くは思っていない欠点などがあっても、つぐみさんはそれも自分自身の一部なんだと言って認めてくれます。あなたはそのままでいいんだと、ちゃんと言葉にしてくれます。欠点だと思っていることも自分らしさを現わす長所なんだと、そう思わせてくれるんです。これはなかなか出来る事ではありません。また、つぐみさんは他人を認めて肯定することが得意ですが、自身を肯定するのはいまいち得意ではないというところがあります。ここがまた一つのポイントです。『みんなすごいな、もっと私も頑張らなくちゃ』『みんなに迷惑かけないように頑張らなくちゃ』……こういった考えは、周りの人間の良いところが他の人よりずっと分かる、良いところをたくさん見れることの証左です。良いところがしっかり見えるからこそ、相対的に彼女は自分自身の評価が低くなってしまうのです。そして頑張りすぎてしまうところも『みんなこれくらいは努力してるんだから、私も頑張らなくちゃ』と思ってしまうから。これは裏を返すと、それだけ他人の努力を見て、知ってくれているということです。かねてから士は己を知る者のために死す、といいます。自分の努力を見てくれていて、自分のことを肯定してくれる……こんなつぐみさんを娶るのは人生において至上の幸福だと言っても過言ではないでしょう。また、他人を認めるのが得意で自身を肯定するのが得意でないつぐみさんだから出せるいじらしさや健気さというのもいたく男性の胸を打つことでしょう。まさに隣に並び、ともに支えあって生きていきたいと心から願える女性です。さて、次はつぐみさんの外見にも触れましょうか。まずつぐみさんと言えば羽沢珈琲店です。珈琲店と言えば喫茶店。つまりはエプロンです。長年の念願が叶い、つぐみさんと結婚したとしましょう。仕事から帰ってきて、自宅のチャイムを鳴らすとパタパタという足音が聞こえます。そしてエプロンを付けたつぐみさんが『おかえりなさい! その……だ、旦那様……♪』というように初々しく出迎えてくれます。これだけでもう人生すべてをつぐみさんに捧げても何も惜しくはない、そう思うのが人の常です。『もうすぐお料理出来るけど、先にお風呂入る? え? 後で一緒に……ってもう! えっち!』……きっと一緒に入りたいなんて軽口を叩けば可愛らしく怒ってくれます。『……そんなに一緒に入りたいの? もうっ、しょうがないなぁ……』……しかし少し粘ればきっとすぐに折れてくれることでしょう。……話が少しそれましたね。つまり、つぐみさんとエプロンという組み合わせには幼な妻という初々しさとどこか懐かしい気持ちにさせてくれる包容力が合わさった、それは素晴らしいものになるんです。こんなお嫁さんが毎日出迎えてくれるのならば仕事にも熱が入りましょう。『つぐみさんのために頑張るぞ!』と。そしてつぐみさんもそんなわた――旦那様を見て『私ももっと旦那様のために頑張らなくっちゃ!』とより一層気合の入った家事をしてくれることでしょう。これはお互いがお互いを認め合い、さらに高めあう最高の関係です。そういった未来予想図を容易に描けるのはつぐみさんだけでしょう。なので、私はつぐみさんを嫁にしたいと思います」

香澄「ほほぅ……」

友希那「なるほどね……」

彩(私の聞き間違いであってほしいけど、一回『旦那様』のところを『私』って言いかけてたような……)

蘭「へぇ、氷川さんも結構やるじゃん」

紗夜「このくらい、当然です」

彩(ふふんと決め顔をする紗夜ちゃん。……うん、みんな気にしてないみたいだし、やっぱり私の聞き間違いだよね……?)

つぐみ「ぅぅ……紗夜さんまで……」

彩(隣のテーブルのつぐみちゃんは両手で顔を覆って俯いてます。耳まで真っ赤です)

彩(かわいい)

沙綾(かわいい)

紗夜(かわいい)

リサ(かわいい)

紗夜「さて、私の仕事はここまでですね。あとは皆さんの判断に任せます」

蘭「ありがとうございました、氷川さん」

紗夜「いえ、当然のことをしたまでです。それと、私の事は紗夜でいいわよ」

蘭「はい、紗夜さん。今度ぜひ、羽沢珈琲店で話をしましょう」

紗夜「ええ。楽しみにしています。では、あんまり離れると日菜がうるさいので、私はここで」

つぐみ(何を話すか知らないけどお願いだから私がいない時にやってね……?)

沙綾(大変だなぁ羽沢さんも……)

リサ(紗夜ってあんな饒舌に喋ることあるんだ)

紗夜(これで美竹さんは攻略……あと三人ね……)

香澄「うーん、これでひとまず三人とも助っ人まで話しましたね」

友希那「そうね。これだけ話せばあなた達も理解してくれたでしょう」

蘭「だね。もう何も疑う余地はないと思いますけど、一番お嫁さんに相応しいのは――」

香澄「沙綾」友希那「リサ」蘭「つぐみ」

三人「…………」

彩(やっぱり話はどこまでも平行線みたいです。三人とも『この分からず屋め』という顔でお互いを見ています)

彩(正直、そろそろこっちに矛先が向いてくる気がすごいするので、本当に逃げたいです)

彩(お願い、主催者挨拶とかでどこかに行っちゃったこころちゃん、早く帰ってきて……!)

蘭「……こうして話してても分かり合えないみたいだね」

友希那「そうね。残念だけどそうみたいね」

香澄「仕方ないですね。こればっかりは譲れないですから」

蘭「じゃあ、」

友希那「次は外部の人に、」

香澄「話を聞いてみましょうか!」

彩「ひっ……」

彩(三人とも同時に、失言してからずっと黙ってた私の方へ視線を巡らせてきました。同時にこっちに顔を向けられるとすごく怖いからやめてね……?)

香澄「彩先輩、六人の話を聞いてみてどうです!?」

友希那「丸山さん、あなたなら賢明な判断が出来ると信じているわ」

蘭「彩さん、遠慮とかしないでいいんで、忌憚なく言ってください」

彩「あ、あー、えっとぉ……そうだね……」

彩(ああ、やっぱり一番損な役が回ってきた……どう答えても遺恨を残すこの役回りが……!)

彩(だ、誰か助けてくれそうな人は……!? 千聖ちゃんとか……!)

白鷺千聖「…………」ニッコリ

松原花音「ど、どうしたの、千聖ちゃん?」

千聖「なんでもないわ、花音」

彩(会場を見回して目があった千聖ちゃんにはニッコリ微笑まれました。あの笑顔知ってる、私をからかう時の笑顔だ……)

大和麻弥「やっぱりこのメーカーは音作りに対する意識が違いますよね!」

花園たえ「うん。私もそう思う。やっぱり麻弥さんは違いの分かる人だね」

彩(麻弥ちゃんはたえちゃんと楽しそうに音楽談義してるし……)

氷川日菜「お姉ちゃんお姉ちゃん! ほらほらこれすっごく美味しいよ! るんってくる味してるよ! 食べさせてあげるねっ、ほら、あーんってして、あーんって!」

紗夜「日菜、それが人参料理だと分かってやってるわよね、あなた」

彩(日菜ちゃんは平常運転だし……)

若宮イヴ「んー、いっつも思ってましたけど、リミさんって小さくてとても可愛らしいです!」

牛込りみ「イ、イヴちゃん、そんなにぎゅっとされると苦しいよ……」

彩(イヴちゃんはりみちゃん抱っこしてるし……私もりみちゃん抱っこしたい)

友希那「どこを見ているのかしら、丸山さん」

香澄「ささ、遠慮せずに言っちゃってくださいよ、一番お嫁さんにしたいのは同じ学校の後輩だって!」

蘭「香澄、そうやって人に強制するのはよくないよ。常識に沿った答えをくれればいいんですからね、彩さん」

彩「あ、あはは、えっと、えーっと……」

弦巻こころ「たっだいまー! あら? みんなして彩の周りに集まってどうしたの?」

彩(来た、こころちゃん帰って来た! これで助かる!!)

彩「おかえりなさい、こころちゃん。実はね、誰がガルパの中で一番いいお嫁さんになるかって話してて……」

香澄「そうなんだよーこころん! こころんは誰だと思う? やっぱり沙綾?」

友希那「戸山さん、そうやって名前をねじ込むのはよくないわ。正当に評価すればリサに決まっているんだから」

蘭「湊さんもですよ。普通に考えれば羽沢珈琲店にいる天使に決まってますから」

こころ「んー? 誰が一番とか決める必要なんてあるのかしら」

彩(やった、こころちゃんならそう言ってくれると信じてたよ!)

こころ「みんながみんな、それぞれの良さを持っているわ。それぞれ違う考えをしているし、得意なことや苦手なことも違うわ!」

こころ「言葉で『誰が一番か』なんて決めるより、みんなでみんなの良いところを探す方がずっと素敵じゃない!」

香澄「た、確かに……沙綾の良いところをもっと探したい!」

友希那「一理あるわね。私もこうして話をして、リサのいいところをもっと知れたわ」

蘭「うん……つぐみのいいところをもっとみんなに知ってもらうっていうのも大事だね」

彩(流石こころちゃん、このままいい話だなーって方向に持っていけそう! 圧倒的カリスマに感服だよ! BGMに笑顔のオーケストラが聞こえてきそうだよ!)

こころ「そうよ! 世界は素敵なことで満ちているの! みんながはなまる笑顔の一等賞よ! だからもっともーっと、ここにいるみんなと笑顔になりましょう! そのためのパーティーだもの!」

彩「うんうん! そうだよね!」

香澄「さっすがこころん、良いこと言うねー!」

友希那「そうね。たまにはみんなで笑顔でって……そういうのもいいわね」

蘭「ありがとう、こころ。なんだか大事なことを思い出せた気がするよ」

彩(良かった、このまま何事もなく終われる――)

こころ「でも誰か一人を選びなさいって言うのなら花音ね!」

三人「……は?」

彩(――と思ったのになんでえぇぇ……!!)



この後こころちゃんと千聖さんにめちゃくちゃ花音ちゃん先輩自慢された。


おわり


なにこれ

お目汚しすみませんでした。

ドントリーブミーリサって気持ちです。


ではHTML化依頼出してきます。

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