早苗「ん?」このみ「ん?」 (37)

草は生えてませんが気分を害された方がいらっしゃったら申し訳ありません

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早苗「…」カランカラン

美容師「あ、いらっしゃいませー…あ」

早苗「こんにちはー」

美容師「片桐さん!お世話になってまーす!」

早苗「そういうの良いから…とりあえず予約してたんだけど」

美容師「はい!こちらへどうぞー!」

早苗「あーい…」ストン

美容師「…あ、申し訳ありません!ほんの少しお待ち頂いてよろしいでしょうか?」

早苗「え?ああ、うん…」

「どうもー…」カランカラン

美容師「いらっしゃいませー!」

「予約してたんですけど…初めてで…」

美容師「…えーと、お名前…なあに?」

「…馬場です」

美容師「馬場さん?…えっ?」

「…馬場です」

美容師「…あ、あー!はい!申し訳ありません!馬場さんですねー!」

「…」

美容師「い、いや!ちょっと、凄い若く見えたもので!あはは…」

「…」

美容師「じゃあ、此方にお座り下さい!おーい!」

美容師2「はーい」

「…」ストン

早苗「…」

美容師「お待たせしましたー!今日も…いつものように?」

早苗「ん」

美容師「…いやー…びっくりしました…」ボソ

早苗「ん?」

美容師「…いや、片桐さんの反対側に座ってる人、ですよ」ボソ

早苗「…あの子供?」

美容師「ですよね…!そう見えますよね…!?」ボソ

早苗「…何?違うの?」

美容師「…あの人、24歳ですよ…」

早苗「…は?」

このみ「…」

美容師2「どうもー!今日はどうするのー?」

このみ「…この辺梳いて、後この辺…残す感じで」

美容師2「えーと、はい!じゃあねー…」

このみ「…」

美容師2「あ!こんなのどう?似合いそうだけど…」
『22歳 ちなみ 大学生デス?』

このみ「…」

美容師「オイ!…オイ!」

美容師2「?」

美容師「ちょっと…!」

美容師2「?」

美容師「…!…!!」

このみ「…」

美容師2「…?」

美容師「!!…!!!」

美容師2「!!?!?」

このみ「…」

美容師2「…え、えへ…えーと!全体的に梳いて!この辺残す感じですね!りょ、りり了解でーす!」

このみ「…」

…。

美容師「…いやー…でもあれは流石に…」ボソ

早苗「…」

美容師「…」

早苗「…」

美容師「…」

早苗「アタシは高校生だったわね」

美容師「うっ…」

早苗「はいはい人の話は良いからさっさとやって」

美容師「…ぁぃ…」

…。

……。

美容師「じゃ、髪乾かしますねー!」

早苗「はーい…」

美容師2「髪乾かしまーす!」

このみ「…はい…」.

…。

……。

このみ「…」ガー…

早苗「…」ガー…

このみ「…」ガー…

早苗「分かるわよ」

このみ「え?」

早苗「年齢相応に見られない苦しみ。分かるわ」

このみ「…」

早苗「身分証見ても偽物じゃないかって裏とか材質とか見られるでしょ」

このみ「…はい」

早苗「コンビニの店員とか凄いムカつくドヤ顔で生年月日聞いてくるでしょ」

このみ「はい」

早苗「鬼の首取ったみたいな」

このみ「はい」

早苗「…」

このみ「…」

早苗「あれ○○してやりたいわよね」

このみ「そうですね」

早苗「年齢相応に見られたい一心でさ」

このみ「はい」

早苗「何かやった?」

このみ「…」

早苗「あるでしょ」

このみ「腰痛いとか、肩凝ったとか…」

早苗「…」

このみ「体力落ちたなーとか…」

早苗「痛い?」

このみ「…肩は、別に…」

早苗「肩はね。アタシも無いわ。今のところ」

このみ「…でもあれ、調べて分かったんですけどね」

早苗「…」

このみ「特に年齢関係無いみたいです」

早苗「…」

早苗「ちょっとさ、敢えて湿布を分かりやすく肩の辺に貼ったりするでしょ」

このみ「はい」

早苗「後ケータイ分からないわーとか言ったりするでしょ」

このみ「はい」

早苗「でもあれって良く考えたら何のアピールにもなってないわよね」

このみ「30でも40の人でも普通に扱ってる時代ですからね」

早苗「同年代の友達とかむしろ依存症だったわ」

このみ「凄い引かれたんでもうやってませんけどね」

早苗「でもtwitterとかはやってないわね」

このみ「あ、私やってます。ブログとかも」

早苗「ふーん…」

このみ「貴方も、こんな感じだったんですか?」

早苗「そうよ。間違われたのは高校生だけど」

このみ「あ、じゃあ私より大分マシですね」

早苗「身長は?」

このみ「150行かないくらいですかね」

早苗「せめて150は行かないと」

このみ「…牛乳だけじゃダメですかね…」

早苗「あれ、飲みすぎたところで出るでしょ」

このみ「よくお腹痛くなりますね」

早苗「知り合いにさ、170超えてる奴がいるんだけどね」

このみ「その人女性ですか?」

早苗「うん」

このみ「どうしてそんなに大きくなったんですか?」

早苗「何でやろなって言ってたわ」

このみ「イラっとしますね」

早苗「イラっとしたわよ」

早苗「で、結局何もしてないんだって」

このみ「嘘ですよ。多分家帰ったらローラーか何かで身体伸ばしてるんですよ」

早苗「そういえばあの子脚も長いわね」

このみ「同じ人間なのに」

早苗「ちなみに知り合いって程でもないけど187もいるわよ」

このみ「その人女性ですか?」

早苗「…どっちかっていったら…」

このみ「…」

早苗「メスよ」

このみ「へー…」

早苗「こうなるのってね、何か原因があるはずなのよ」

このみ「…そういえば、器具を使ったトレーニングは身体の成長を減らすって何かで見ました」

早苗「…」

このみ「心当たり、あります?」

早苗「…バイクが筋トレ代わりだったかしら」

このみ「…?」

早苗「それで?アンタは?」

このみ「…」

早苗「…」

このみ「…シャーペンカチカチは筋トレに入ります?」

早苗「何筋が鍛えられんのよ」

早苗「え?何?インドア?」

このみ「インドアってわけじゃないですけど…どっちかっていうと事務的な方が得意だったりするので」

早苗「へー…」

このみ「でも最近は良く外で仕事するようになりました」

早苗「あ、そう」

このみ「アウトドアですか?」

早苗「どっちかっていうと外が多いわね」

このみ「外で何するんですか?」

早苗「そりゃぶらつきよ」

このみ「そんな頻繁に行くものですか?」

早苗「まあホントテキトーにぶらつくだけよ。店なりその辺の公園なり」

このみ「ほー…」

早苗「家にいたままだとあんま面白くないのよ」

このみ「…」

このみ「結構食べます?」

早苗「昔はガツガツ食べてたわ」

このみ「…昔から少食だったんですよ。私」

早苗「いやー…あんなの関係無いわ。横に広がるだけよ」

このみ「でももう少しは大きくなったかな、と」

早苗「…」

このみ「私の知り合いなんですけどね」

早苗「うん」

このみ「人の何十倍も食べてるのに体型が一切変わらない子がいるんです」

早苗「それ人間?」

このみ「多分」

早苗「何十倍って何よ。魔人ブウレベルじゃないのよ」

このみ「ホントなんですよ。普通の10倍くらいの量のもの食べてもおやつ程度にしか感じないらしいんです」

早苗「多分それ人間じゃないわよ」

このみ「どうなんでしょうねぇ」

早苗「アタシの知ってる子なんか食べまくったせいでもう標準体重って誤魔化せなくなってんのに」

このみ「普通そうですよね」

早苗「…で?その子ってどうなの?」

このみ「やっぱり、色々出てます。お腹以外」

早苗「…」

このみ「…」

早苗「デカイの出してるわよ。絶対」

このみ「あえて言わなかったのに」

このみ「…逆にですけど」

早苗「…何?」

このみ「この姿を生かしたこと、あります?」

早苗「…やろうとは思ったけど」

このみ「何ですか?」

早苗「学生の振りしてさ、カラオケ行こうとしたわけ」

このみ「はぁ」

早苗「店員に学生証って言われたから顔真っ赤にして忘れたって言って逃げたわ」

このみ「あー…」

早苗「何これ。どっちにしたって証明しないといけないって」

このみ「めんどくさい世の中ですよね」

早苗「身分証無いとゲームオーバーよ」

このみ「私は常に持ってますよ」

早苗「財布?」

このみ「いえ。別で」

早苗「カードとか別で持つタイプでしょ」

このみ「はい…え?違うんですか?」

早苗「めんどくさくない?」

このみ「特には」

早苗「…」

このみ「…もしかして」

早苗「…」

このみ「財布、パンパンですか?」

早苗「うん」

早苗「今までこういう系で一番腹立った事ある?」

このみ「…もう慣れたので最近は気にしてないんですけどね…」

早苗「昔はあったのね」

このみ「20になった翌日ですよ。学校帰りにお酒コンビニで買うってなって」

早苗「…」

このみ「そしたら例のごとく止められるんですよ」

早苗「…」

このみ「とりあえず免許証見せたんです」

早苗「うん」

このみ「顔と生年月日見れば分かるのに、「西暦で生年月日お願いします」って」

早苗「姉のやつかって思われたのね」

このみ「それで言っても隣の店員にぶつぶつ聞いてて」

早苗「…」

このみ「少々お待ち下さいの一言も無いですよ。この間」

早苗「腹立つわね」

このみ「腹立ちますよ」

このみ「その後学生証とか、あと適当なカードとかも見せたんですよ」

早苗「…」

このみ「そしたら露骨にしょーがないみたいな顔で」

早苗「…」

このみ「「本当はダメなんだよ」って」

早苗「張り倒してやんなさいよ」

このみ「相手デカかったので手が届かなかったんです」

早苗「いやー…でもムカつくわー…」

このみ「何かありますか?」

早苗「アタシはね、別の事」

このみ「?」

早苗「たまにいるんだけどね」

このみ「はぁ」

早苗「子供よ」

このみ「子供…ですか」

早苗「おばさんだって」

このみ「ああ…」

早苗「小学生くらい。中学行かないくらい」

このみ「はい」

早苗「おばさんって呼ぶのよ」

このみ「悪気あるんでしょうかね」

早苗「あるわよ。今の子達なんかませてんだから」

このみ「でも怒りづらいですよね」

早苗「おねいさんでしょって言うのよ」

このみ「まあそれしか…」

早苗「うん分かったおばさんって」

このみ「何気にタメ口なんですね」

早苗「ダブルでイラっとするわよ」

このみ「歳が離れてるからでしょうかね。私達と子供って」

早苗「少なくともね、君らのお母さんよりは下な筈ってことよ」

このみ「…ちなみに、お幾つですか?」

早苗「28」

このみ「えっ!?」

早苗「何?」

このみ「…私よりも4つ上なんですね」

早苗「来年の3月で29よ」

このみ「…仕事場だと、私が一番上なんですよ」

早苗「へー。そういえば何の仕事?」

このみ「…39プロジェクトって、分かります?」

早苗「サンキュープロジェクト?」

このみ「はい。そこでアイドルやってます。馬場このみと申します」

早苗「はー…そう」

このみ「貴方は何をやってらっしゃるんですか?」

早苗「アタシ?アタシm」ピーピーピー

このみ「え?何ですk」ピーピーピー

美容師「はーいお疲れ様でーす。じゃあこれで終わりですので…」

早苗「ん」

美容師2「お疲れ様でーす!これで終わりですよー」

このみ「はい」

早苗「…いやー。今日は何か面白い日だったわ」

このみ「そうですね…何だか親近感が湧きましたよ」

早苗「まあねぇ。アタシくらいなもんだと思ってたわ。この業界で10くらい実年齢より若く見られんのって」

このみ「世の中意外と狭いんですねぇ。…え?業界?」

早苗「…あ。そうそう。アタシもアイドルなのよ」

このみ「え!?そうだったんですか?名前…」

早苗「346プロジェクトの片桐早苗よ」

このみ「えっ?」クルッ

https://i.imgur.com/db5HIyp.jpg

早苗「あ。アンタどっかで見た事あるわ。765の子じゃなかったの?」

このみ「…」

https://i.imgur.com/dqs4X3e.jpg

早苗「いやー…こんな偶然あんのねぇ。行く美容院も同じなんてね」

このみ「この裏切り者ォォォォォォオオオオオオオオオオ!!!!!」

早苗「ええっ!!!?」

終わります

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