ちひろ「プロデューサーさんが記憶喪失!?」 (267)


注意書き

キャラ崩壊

誤字脱字

お前いっつも記憶なくなってんなというツッコミはなしで

以上が大丈夫な人で

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1509517364


まゆ「まゆお弁当作ってきましたぁ」

モバP「あー今日は弁当を持ってきてるから...悪いな」

........

桃華「Pちゃま本日はわたくしとディナーをご一緒しませんか?」

モバP「すまん。今日は接待があってだな」

.......

楓「折角2人で帰るんですからお酒でも飲んで行きませんか?」

モバP「この後まだ仕事があるんで.....」

.......

凛「プロデューサー。私の散歩に行こうよ」

モバP「頼むから1人で行ってくれ」



ちひろ「.....プロデューサーさん凄く気になってることを聞いてもいいですか?」

モバP「なんでしょう」カタカタ

ちひろ「なんかアイドルのこと避けていませんか?」

モバP「....」

モバP「やっぱりわかりますか?」


ちひろ「アイドルが入り始めの頃はそんなことなかったじゃないですか」

モバP「最初は俺も普通に接したんですけど徐々にアイドルたちの行動がエスカレートしていってる気がしたんで....」

モバP「このままだと週刊誌に書かれたりとかして大変かなって思ったんですよ」

モバP「俺の自意識が過剰なだけなんですかね?」

ちひろ「いえプロデューサーとしては間違ってはいないと思いますけど」

ちひろ「ただアイドルの中ではプロデューサーさんに嫌われたんじゃないかという声が....」


モバP「難しいものですね。俺の口からそれを伝えても傷ついてしまうだろうし」

ちひろ「大丈夫ですよ。私からそれとなく伝えておきます。

モバP「いいんですか?」

ちひろ「このままあの子達が落ち込んでいるのも見て入られませんし」

モバP「すみませんお願いします」

モバP「じゃ、今からスタジオに顔を出しに行くので」

ちひろ「はい。いってらっしゃい」


......

数時間後

ちひろ「......」カタカタ

プルルルル



ちひろ「はい。○○プロの千川です」

ちひろ「え?? スタジオのセットが倒れてうちのプロデューサーが下敷きに!?」

ちひろ「はい。はい。搬送先の病院は....かしこまりました」



ちひろ「プロデューサーさん.....」


......

病院

ガチャ

ちひろ「失礼します」

医者「あなたがモバPさんの会社の人ですか?」

ちひろ「はい」

医者「本来ならばご家族の方に聞いてもらいたい話なんですけど」

医者「連絡がとれないということなので代わりにお願いします」

ちひろ「はい。それでプロデューサーさんは....」


医者「そんなに構えないでください。軽症ですよ」

医者「外傷は頭を少し切ったくらいです」

医者「搬送中に意識が目覚めましたし」

ちひろ「そうなんですね。よかったぁ」

医者「ただ.....セットに押し倒される際に頭を打ったようで」

医者「記憶に混乱が見られます」

ちひろ「混乱.....」

医者「記憶喪失というやつですね」


医者「一時的なものですぐに記憶は戻ると考えられます」

医者「ただ頭を打っているので精密な検査は必要かと」

ちひろ「えっとなにもかも忘れているってことですか?」

医者「はい。あなたのことも自分のことも」

ちひろ「そんな....」

医者「本人の方が辛いでしょうから優しく接してあげてください」


.....

ちひろ「.....」

コンコン

ちひろ「失礼します」

モバP「.....どちら様、ですか?」

ちひろ(ああ、覚悟をしていたつもりだけどやっぱり効くわ)

ちひろ「初めまして、になるんですかね」

ちひろ「千川ちひろです。思い出せませんか?」

モバP「....すみません」



ちひろ「...そうですか」

モバP「気を遣わせてしまって申し訳ないです」

ちひろ「いえ、ゆっくり思い出していきましょう」

ちひろ「不安でしょうけど私が協力してあげます」

モバP「そういっていただけると安心します」

ガラガラ

凛「プロデューサー!」

モバP「ぷろ...誰ですか?」

凛「え....」

ちひろ「実はね凛ちゃん」


....

ちひろ説明中

凛「嘘でしょ....」

ちひろ「それが本当なんです」

モバP「すみません」

凛「そんな....」

凛「プロデューサー覚えてないの?」

凛「私の飼い主だったこと」

ちひろ「え」

モバP「え」


モバP「僕はあなたの飼い主....ああ!」

モバP「雇い主の間違いですよね!」

モバP「僕は社長か何かなんですかね?」

凛「違うよ。文字通り飼い主」

モバP「」

ちひろ「いやちが.....もごごご!」

凛「公園で首輪を付けて散歩とかしたの覚えてない?」

モバP「僕そんなことしてたんですか?」

モバP「それもこんな可愛らしい学生相手に....」

モバP「僕はやばいやつなのかもしれない....」


ちひろ「ちょ、ちょっと凛ちゃんなに言ってるの!」ヒソヒソ

凛「止めないで。今がチャンスなんだから」ヒソヒソ

ちひろ(あ、これはプロデューサーさん距離置くわ)

ガラガラ

まゆ「話は聞かせてもらいましたぁ」

ちひろ(ああ面倒なのがもう1人!)

まゆ「その人に騙されないでください。プロデューサーさんの彼女であったまゆの話を聞いてください」

モバP「ええ! 僕、彼女がいたんですか!?」


まゆ「証拠に....このキス写真です♪」

モバP「ほ、ほんとだ....」

まゆ「もしかしたらぁキスをすれば記憶が戻る可能性があるのでまゆと___」

凛「このストーカーの話は信じなくていいから」

凛「写真もただのコラだし」

まゆ「うふふ、ワンちゃんがなにか言ってますけど畜生は無視してまゆとキスしましょう」

凛「は?」

モバP「えっとあの」

ちひろ(いけないこのままだとプロデューサーさんが……)

ちひろ(それにまた他のアイドルがここにやって来たらさらに地獄絵図に……)

ちひろ「……!」ガバ

凛「ちひろさん!?」

まゆ「まゆの邪魔するんですかぁ?」

ちひろ「わ、私が取り押さえている間にプロデューサーさんはどこか遠くに逃げてください!」

ちひろ「着替えは私のカバンの中に入っているので!」

モバP「え……でも……」

ちひろ「いいから! ここにプロデューサーさんがいると血の雨が降るかもしれません!」

モバP「わ、わかりました!」タッタッタ

……

道路

モバP「とりあえず公衆トイレで着替えたけど」

モバP「ここはどこなんだろう」

モバP「それにぼくは一体……」

モバP(あの二人の話を聞くと僕は女子高生のペットを飼っていて)

モバP(凄くラブラブ? だった女子高生っぽい彼女がいたらしい)

モバP「……僕はもしかしたら性犯罪者なのか?」


薫(あ、せんせぇだー!)

薫(ちょうど今からじむしょに行くところだったから一緒に――)

薫(……最近せんせぇかおると全然遊んでくれなかったしおしごとで忙しいのかも)

モバP「……」オロオロ

薫(でもなんだか困ってるみたいだしかおるが助けてあげよう!)

薫「せんせぇ!」

モバP「!」


モバP(このランドセルを背負った少女は……)

モバP(そういえばさっき僕のことを先生って)

モバP「!」

モバP(そうか! 僕は教師なんだ!)

モバP(きっとさっきの子達は元教え子で、記憶喪失をいいことに僕をからかったんだ)

モバP(あの大人の女性の方もきっと教員の同僚だ)

薫「せんせぇ……考え事?」

モバP「あ、うん。実は先生はね。昔のことを全部忘れてしまったんだ」

薫「えぇー! じゃあ、かおるも覚えてない?」

モバP「ごめんね」

薫「そんなぁ……」

モバP「そんな顔しないで。今思い出すからさ」

モバP「僕についてなにか答えられる?」

薫「せんせぇについて……? んー、優しかった!」

モバP「も、もっと具体的なのはないかな?」

薫「いっぱい遊んでくれた!」

モバP「……質問を変えようか」

モバP「僕はえっとー薫ちゃんでいいのかな」

モバP「薫ちゃんになにを教えていたのかな」

薫「んーおとな(のおしごと)について!」

モバP「大人について?」

モバP(このくらいの年齢の子の教師が大人についてを教えるなんてこと……)

モバP「!」

……

モバP「かおる、今日も大人について教えてやるよ」グヘヘ

薫「せんせぇ! 今日もしっかり教えてくださいねっ!」

……

モバP「あわあわわわわ!」

薫「せんせぇ?」

モバP(この子にとって僕は夜の教師だったのか!)

モバP(く……! やはり僕は性犯罪者だ!)

モバP「すまない! これ以上君とは一緒にいられない!」

薫「あ、せんせぇ! どこいくのー!?」

公園

キーキー

モバP「……」

モバP(ブランコに座ってもう何時間が経っただろう)

モバP「僕はこの世にいてはいけない存在なのかもしれない」

モバP「いっそ、ここから見えるあのビルから」

智絵里(あ……プロデューサーさんだ……)

智絵里「ぷ――」

智絵里「……」

智絵里(そういえば私最近プロデューサーさんに嫌われてるんだった……)

智絵里(プロデューサーさん……最近一緒に四葉のクローバー探しを手伝ってくれなくなって)

智絵里(避けられてる気がするし……)

モバP「……」

智絵里(でも……なにか思いつめた様子……)

智絵里「プロデューサーさん?」

モバP「ん? 君は……」

モバP「そうですか。君も僕の被害者なんですね」

智絵里「被害者……? ごめんなさい……よく、わからないです……」

モバP「実は今の僕は記憶喪失なんです」

智絵里「え……? そんな……」

智絵里「私のことも……忘れてしまったんですか……?」

モバP「どうやらその様です。それでこの性犯罪者である僕に君はなにをされたんですか?」

智絵里「性犯罪者……いえ……プロデューサーさんはそんな人じゃ……」

モバP「じゃあ僕は一体なにものだって言うんですか!」

智絵里「プロデューサーさんは……」

智絵里「……」



智絵里「四葉のクローバーを見つける仕事をしている人でした……!」



モバP「は!? え!?」

モバP「なんとも……生産性のないことをしていましたね」

モバP「それにそんな仕事がこの世にあるわけが」

智絵里「本当です……! 試しに私と一緒にそこで四葉のクローバーを探しましょう……!」

モバP「……わかりました」スタスタ

モバP(四葉のクローバーを見つけるなんてそんな簡単なことじゃ……)

モバP「あ」

智絵里「早速、一つ見つけましたね……」

モバP「いや、これはたまたま」

モバP「あ、こんなところにも」

智絵里「さすがプロデューサーさん……」ウットリ


モバP(見える見えるぞ! 四葉のクローバーの位置が!)

ボクラハココダヨ

モバP(いや、違う。声が声が聞こえる! 四葉のクローバー達の囁き声が!)

モバP「そうか……僕は四葉のクローバーを見つけるのを生業にしていた人間なんだ!」

モバP(でも待てよ。こんな生産性のない一銭にもならないことを毎日のようにやっていた僕は……)

モバP「!」

モバP(無職! ニート! 現代社会が生んだ癌!)

モバP「そうか……僕は性犯罪者で四葉のクローバーを見つけるのが仕事と言い張るニートだったんだ!」タッタッタ

智絵里「あ……! プロデューサーさん……!」

――

事務所 屋上

モバP「たまたま駆け込んだこのビルの空が最後の僕の景色か……」

モバP「早く楽になろう。僕はこの世界では行けてはいけない人間なんだ」

小梅「プロデューサーさん……?」

モバP「……君も僕の知り合いですか」

小梅「そ、そんなところにいたら……危ないよ……?」

モバP「今から死のうとしている人間にその言葉は通じませんよ」

小梅「え……プロデューサーさん……あの子と同じようになっちゃうの……?」

モバP「どの子ですか」

小梅「そうなれば……ふふ、プロデューサーさんを独り占め……」

モバP「……」

小梅「でも……私……プロデューサーさんに死んでもらいたくないよ……?」

モバP「え?」

小梅「プロデューサーさんが死んだら……なんでだろう……悲しい……」

モバP「そうか。君は僕の死を惜しんでくれるんですね」

モバP「少し僕の話を聞いてください」


モバP「僕はどうやら記憶喪失なんです」

小梅「え……」

モバP「はい。私という人間はどうやら」

モバP「女子高生のペットと彼女がいて、女児に対し大人の授業をし、四葉のクローバー集めを職業と言い張るニートだったんです」

小梅「……プロデューサーさんってそうだったの……?」

モバP「間違いなくそうみたいなんです」

モバP「こんな人間、もう死ぬしかないじゃないですか!」

モバP「だから止めないでください。安らかに逝かせてください」

小梅「……」

小梅「プロデューサーさんはそんな人間じゃないよ……」

モバP「じゃあ、僕はどういう人間だって言うんですか!」


小梅「ゾンビだよ……」


モバP「……人間じゃないじゃないですか」

モバP「それにゾンビなんてありえません」

モバP「私はこのように人体が腐ってませんし、損傷も見られません」

小梅「再生能力のおかげ……腐敗は死んでからまだ時間が経ってないから……」

モバP「そんなわけ……」

モバP「!」

モバP(そういえば僕は病院のベッドで目を覚ました)

モバP(もしかして交通事故かなにかで搬送されていたんじゃないのか!?)

モバP(本来であれば体がバラバラになっていたけど、ゾンビの力に目覚めて再生……)

モバP(その時に脳の再生が不完全で記憶喪失になった……と!)

モバP「なんだよそれ」

モバP「もう死んでるなんて…・…」

モバP「僕は死ぬことすら許されないのか……」

モバP「現世に残り続けて自らの罪に向かい合わなければならない……」

小梅「とりあえず……事務所に戻ろ……?」

小梅「ここは……ちょっと…・…さむい……」

モバP「……君は優しいんですね」

小梅「プロデューサーさんには……勝てないと思うけど……」

四葉のクローバー達の囁き声が聞こえる。って
どっかで聞いた事あると思ったら探偵ナイトスクープか

>>55

え 

――

事務所 休憩室

モバP「……」

モバP「これから僕はどうすればいいんだ」

モバP「死ぬことが許されない。でも生きていることは確実に罪だ」

モバP「僕は……」

菜々(あそこにいるのはプロデューサーさん……)

菜々(最近避けられてるみたいだったから声をかけづらいんだけど)

菜々(落ち込んでいる様子だからナナが元気づけてあげないと!)

>>56
四葉のクローバーの声が聞こえる少女
でググルと出るで。

>>58

彼女は将来いいプロデューサーになるでしょう。



脱線して失礼しました。すぐに続けます。

菜々「プロデューサーさん、どうかしたんですか?」

モバP「君は……」

菜々「安部奈々! 17歳です! キャハ✩」

モバP「……また僕の知り合いの女子高生ですか」

菜々(あ、あれ? いつもと反応が違う気が……)

菜々(それに喋り方とかも……)

モバP「あなたは僕になにをされたんですか?」

菜々「え? なにをって特になにもされてないと思いますけど……」

モバP「いいんです。言ってください!」グワ

菜々「え、え、、え」

菜々(ちょっと……近い!)

菜々「ど、ど、どちらかと言えば菜々がプロデューサーさんになにかしてたと思うんですけど」

モバP「そうか。なにかさせていたんですね。記憶のあったときの僕は」

菜々「記憶?」


……

菜々「なるほど……記憶を失ってしまった、と」

モバP「はい。そうなんです」

モバP「しかも僕は――」

菜々「え? そうなんですか?」

菜々「……」

菜々(たぶんみんながあることないことプロデューサーさんに吹き込みまくったみたい)

菜々(まったくもう! みんな子供なんだから!)

菜々(でも最近まったく構ってもらってなかったし……)

菜々(ちょ、ちょっとくらいナナもイタズラしよっかな?)


訂正

……

菜々「なるほど……記憶を失ってしまった、と」

モバP「はい。そうなんです」

モバP「しかも僕は女子高生のペットと――それとゾンビらしいんです」

菜々「え? そうなんですか?」

菜々「……」

菜々(たぶんみんながあることないことプロデューサーさんに吹き込みまくったみたい)

菜々(まったくもう! みんな子供なんだから!)

菜々(でも最近まったく構ってもらってなかったし……)

菜々(ちょ、ちょっとくらいナナもイタズラしよっかな?)

菜々(どうやら今のプロデューサーさんは物事を信じやすいようだし)

菜々「ごほん。プロデューサーさんはみんなに騙されています」

モバP「え?」

菜々「プロデューサーさんは……」

モバP「僕は……」


菜々「ナナと同じウサミン星人です!」


モバP「いや、それはないですよ」

菜々「え」

モバP「ウサミン星人がどういうものかわからないですけど、宇宙人がこの世界にいるわけないじゃないですか」

菜々「ちょっと待ってください」

モバP「どうぞ」

菜々「プロデューサーさん。ゾンビ、なんですよね?」

モバP「そうみたいですね」

菜々「ゾンビは信じるのに宇宙人は信じないんですか?」

モバP「はい」

菜々「おかしくないですか?」

モバP「おかしいと言われましても……そう感じてしまったので」

モバP(待てよ。なんかおかしくないか?)

モバP(なぜこの人はこんな見え透いた嘘を……)

モバP「!」

モバP「ちょっと手を貸してもらってもいいですか」

菜々「え……?」

サワサワ

菜々「あ……くすぐったい……」

モバP「間違いない」

菜々「なにかわかったんですか?」

モバP「安部さん。あなた17歳じゃないですね」

菜々「」

菜々「じゅ、じゅじゅじゅじゅじゅななさいですよ……」ガクガク

モバP「この肌の感触はおそらく――」

菜々「うわぁぁ! 実年齢だけは言わないでください!」

菜々「ど、どうしてプロデューサーさんナナの年齢を!?」

モバP「どうしてかわかりませんけど、僕には肌を触ることによって年齢がわかるようです」

菜々(そ、そんな特技持っていたんですか)

菜々(そういえば初めて会った時ナナが17歳って言ってもすぐに見破ってましたね……)

モバP「!」

訂正

モバP「どうしてかわかりませんけど、僕は肌を触ることによって年齢がわかるようです」


モバP(彼女はきっと詐欺師なんだ!)

モバP(僕が若い子が好きな男だと調べ近づいてきた)

モバP(わざわざ○○歳なのに17歳と偽って)

モバP(そして知り合いのフリをして話しかけ、その後僕の記憶喪失を利用してきた)

モバP(同じ星出身ということで同調意識を持たせて僕を取り込もうとしていたんだ)

モバP「あなたは……詐欺師ですね」

菜々「え」

モバP「きっと僕を自分に惚れさせて色々と貢がせようとさせてたのでしょう」

モバP「それで金がなくなったらポイ」

モバP「危うく騙されるところだった……!」

モバP「こうしちゃいられない! ここのビルから出ないと!」タッタッタ

菜々「ちょ、ちょっと! ナナは詐欺師じゃありません!」

菜々「待ってください! 待ってくださいってばー!」

菜々「言っちゃった……」

菜々「ナナが詐欺師なんてプロデューサーさんひどいですよ」

菜々「!」

菜々(でも待って。ナナはファンの皆に17歳と確かに偽って活動をしていて)

菜々(ファンのみんなはナナを17歳だと思ってグッズを色々買ってくれている……)

菜々「……」

菜々「ナナはもしかして詐欺師!?」

とりあえずもう寝ないと色々まずいんで寝ます


........

事務室

モバP「出口は....出口はどこだ!?」

輝子「.......」

輝子「な、なにしてるの?」

モバP「うお!」

モバP「な、なぜあなたはデスクの下にいるんですか?」

輝子「いつものことだよ.....」




モバP「は! 君もまさかウサミン星人とグル....!?」

輝子「なにを、言ってるんだ」

モバP「......」

モバP(どうやら彼女は違うようだな)

モバP「すみません。ちょっと動揺していたようです」

輝子「別にいい。し、親友だしな...フヒヒ」

モバP「親友!?」


モバP「僕について教えてもらってもいいですか?」

輝子「急に、どうしたんだ?」

モバP「実は_____」

......

輝子「記憶喪失....か」

モバP「はい。どうやらそのようなんです」

モバP「しかも女子高生のペット____ゾンビらしいんです」

輝子「モバPは...そんなやつじゃないぞ」

モバP「いえでも他の人たちが....」


輝子「そんなに不安なら、こいつらに聞いてみろ」

モバP「こいつらってそのキノコですか?」

輝子「ああ、これもまたモバPの親友だ....フヒヒ」

モバP「そんなはず....」

モバP(だけどなんでだろう。こいつらを見ていると懐かしい気分になる)

モバP(そんな...じゃあこの子が言っていることはほんとうなのか?)

モバP(キノコが親友なんて僕はどんな人生を送って.....)

モバP(いや、しかし性犯罪者でニートでゾンビである俺ならあり得るな)


訂正

輝子「そんなに不安なら、こいつらに聞いてみろ」

モバP「こいつらってそのキノコですか?」

輝子「ああ、これもまたモバPの親友だ....フヒヒ」

モバP「そんなはず....」

モバP(だけどなんでだろう。こいつらを見ていると懐かしい気分になる)

モバP(そんな...じゃあこの子が言っていることはほんとうなのか?)

モバP(キノコが親友なんて僕はどんな人生を送って.....)

モバP(いや、しかし性犯罪者でニートでゾンビである僕ならあり得るな)


モバP「....その手のキノコを貸してもらってもいいですか?」

輝子「フヒヒ.....い、いいぞ」

モバP「.....」

モバP「なんだこの我が子を抱いているような感じは....」

輝子「モバPと私で育てた奴らだからな....フヒッ」

モバP(そうか....僕は生命を育てる喜びを感じられる人間だったんだ!)

モバP(やっと僕のいいところを.....)

モバP「!」

モバP(いや待てよ)


モバP(僕は性犯罪者だ)

モバP(もしかしたら.....)


......

モバP「ぐへへ今日は俺の息子について教えてやるよ」キノコを持ちながら

薫「せんせぇ....かおる怖いよ....」

......


モバP「....」

モバP(なんてこった! 我が子を抱いているような感じとはそういうことだったのか!)


モバP(僕はここでキノコを栽培しそれを女の子たちに使っていた.....)

モバP「ド外道が......」

輝子「ど、どうかしたのか.....?」

モバP「やはり僕はこの世から消えなければ!」

モバP「ゾンビの死に方を調べないと!」

モバP「君もこれ以上僕に関わってはいけないです!」

輝子「ど、どうしたんだ....?」

モバP「犯罪に加担するのは良くないことですよ!」

モバP「僕のことは忘れて楽しく生きてくださーい」タッタッタ

輝子「.........?」


......


モバP「はぁ......はぁ.......!」

モバP(出口は本当にどこにあるんだろう)

仁奈「遊んでくれやがれですっ!」

千枝「いいよ。なにして遊ぼっか」

モバP「!」




モバP(僕の数時間足らずの経験が囁いている)

モバP(きっと彼女たちも僕の被害者に違いない!)

モバP(謝罪をしたいが怖がらせてしまうかもしれないし……)

モバP(とりあえずここは見つからないように)

仁奈「あ! モバPでごぜーます!」

千枝「え!?」

モバP(ばれた!)


モバP「……!」タ

千枝「プロデューサーさん!? なんで逃げるんですか!?」

仁奈「追いかけっこでごぜーますね!仁奈負けねーです!」

千枝「ちょっと仁奈ちゃん!」

……

モバP「ぜぇ……ぜぇ……」

仁奈「捕まえやがったです!」

千枝「に、仁奈ちゃん……早いよぉ……」

仁奈「次はなにして遊ぶやりがますかっ?」

モバP「や、休ませて……」

千枝「千枝も疲れちゃいました………」

仁奈「遊んでくれねーですか……?」シュン

モバP「あ、遊んであげるからちょっと待っててね!」

……

モバP「それでえっとー君は?」

千枝「え? 千枝と仁奈ちゃんですけど……」

仁奈「なに言ってるでごぜーますか?」

モバP「その……実は自分のことを全部忘れてしまったみたいなんだ」

二人『え!』


モバP「それで、記憶があった頃の僕は君たちに嫌なことをしたりしなかったかい?」

千枝「嫌なことですか?」

仁奈「仁奈はとくにねーでごぜーますよ?」

モバP「それはよかった」ホ

千枝「千枝は……」モジモジ

モバP「もしかして僕がなにかしてしまったのかい?」

千枝「あ、あの! 千枝は……最近避けられているのが嫌だったなぁ……って」

モバP「僕が……避けていた?」

モバP(ということはこの子にも僕はなにもしていないのか?)

モバP(よかった! 僕はこの子達に関しては白なんだ!)

仁奈(モバPは本当になにも覚えてねーでごぜーますか……)

仁奈「!」

仁奈「モバPは仁奈のことも忘れちまったんですか?」

モバP「どうやらそうみたいなんだ」





仁奈「……仁奈のパパだったこともですか?」





モバP「え」

千枝「え」

モバP「パパァ!? 僕子持ちだったの!?」

仁奈「そうでごぜーます! ひでーです!」

モバP「ご、ごめんね」

千枝「に、仁奈ちゃんいくらなんでも――」

仁奈「そしてママはここにいる千枝ちゃんでごぜーます!」

モバP「き、君がママなのか!?」

千枝「い、いや千枝は……」

千枝「……」

千枝「そ、そうですよ! 千枝が仁奈ちゃんのママです!」

モバP(そ、そんな……僕は女子高生のペットと彼女がいて女児に夜の授業をしていて)

モバP(四葉のクローバー採取を仕事と言い張るニートでゾンビでキノコを卑猥な道具として扱い)

モバP(子持ちでこんな幼妻がいる男だったなんて――!)

モバP(い、いやさすがにこんな小さな子がママなんてありえないよな)

モバP(僕はからかわれているのか?)

モバP「もしかして僕に嘘をついていないかい?」

仁奈「信じてくれねーですか?」ウルウル

千枝「わ、私がお嫁さんじゃダメですか? もっとオトナの人のほうがいいんですか?」ウルウル

モバP「……!」

モバP(こ、こんなの反則だ……!)

モバP(僕はこんなことを言う資格はない!)

モバP(本来であれば死ぬすべを探さなければならない時なんだが……)

モバP「……」

モバP「ああ! そうなのか! 僕は君のパパで君の旦那さんだったのか!」

仁奈「そうでごぜーます!」パァ

千枝「プロデューサーさん!」パァ


仁奈「千枝ちゃんあみものうめーですし、すげー、ママでごぜーます!」

千枝「そ、そんな仁奈ちゃん恥ずかしいよー」

モバP(この子達は子供だ)

モバP(ちょっと付き合えばすぐに飽きてくれるだろう)

モバP「それで、僕と……千枝ちゃんはパパとママなんだよね」

モバP「なにか僕と千枝ちゃんにしてほしいことはある?」

仁奈「仁奈、ずっと弟か妹がほしかったですよー!」

仁奈「だから、仁奈に弟か妹をくだせー!」

モバP「」

仁奈「そうすれば家でも寂しくねーですよ!」

千枝「仁奈ちゃん……」

千枝「千枝、作り方わからないのでプロデューサーさん教えてください!」

千枝「それに子供が出来れば千枝も立派なオトナです!」

モバP「いや……あの……」

モバP(ど、どうするべきなのか)

モバP(こ、ここは適当に…‥・)

仁奈「……」キラキラ

千枝「……」キラキラ

モバP「……」


モバP「パパはお仕事を思い出したから出かけるね!」

千枝「え、でもさっき記憶がないって……」

モバP「それじゃ!」タッタッタ

仁奈「あー! どこへ行きやがりますか!?」

千枝「そ、そんなに慌てて走ったら危ないですよーっ!」

モバP(すまない……! うまい返しが思いつかないパパを許してくれ……!)

寝ます

――

レッスン室

マストレ「今日はここまでだ」

愛梨「あ、ありがとうございました!」ハァハァ

マストレ「徐々に完成度が上がってきたな」

愛梨「はい! 家でも特訓してましたから♪」

マストレ「いい心がけだ!」

ガチャ

モバP「こ、ここはどこだ!?」


愛梨「あ、プロデューサーさん! おはようございます」

マストレ「む? モバP殿か。仕上がりの確認に来たのか?」

モバP「え? あ、いやあの」

モバP「あなたたちはどちら様でしょうか」

マストレ「え?」

愛梨「え?」


愛梨「じょ、冗談はやめてくださいよ~」

モバP「いや冗談ではなく本当に記憶がないんです」

マストレ「……記憶喪失というやつだな」

愛梨「え、ええ!?」

愛梨「あ! じゃあ、お菓子作ったんで食べてください!」

愛梨「きっとこの懐かしい味で昔のこと思い出すかもしれません!」

愛梨「とは言っても最近あんまり食べてもらえなかったんですけど……」

モバP「い、いえ。遠慮しておきます」

モバP「記憶が戻ったら僕はまた取り返しのつかない人間に戻りそうなので……」

マストレ「取り返しのつかない人間?」

マストレ「君は自分のことをどう認識しているのだ?」

モバP「女子高生のペットと彼女がいて女児に夜の授業をしていて」

モバP「四葉のクローバー採取を仕事と言い張るニートでゾンビでキノコを卑猥な道具として扱い」

モバP「先程小学生くらいの嫁と娘が出来ました」

マストレ「どうしたらそんなエキセントリックな認識になるのだ……」

愛梨「ぷ、プロデューサーさん娘さんができたんですか!?」

愛梨「おめでとうございます!」

モバP「は、はい。ありがとうございます」


マストレ「どういう思考でそうなったのかわからないが君はそんな人間じゃない」

マストレ「君はアイドルの……」

マストレ「アイドルの……」

マストレ「……」

マストレ「!」



マストレ「君はアイドルだったんだ!」



モバP「僕が……アイドル?」

愛梨「ええええ!? そうだったんですか!?」


マストレ(前々から思っていた)

マストレ(彼にはアイドルの才能があると)

マストレ(顔は平凡だが……あの、人を引きつける能力!)

マストレ(トップアイドル達でさえ引きつけてしまう彼は)

マストレ(きっとステージに経てばあらゆる人間を魅了するはずだ!)

モバP「でも、信じられませんよ。僕がアイドルなんて」

マストレ「ふむ。では、まずこの曲で踊ってみてくれ」


テレレーテレレー

愛梨「これって『お願い! シンデレラ』ですか?」

モバP「この曲は……」

マストレ(モバP殿が去年の事務所忘年会で披露して評判が良かったらしいからな)

マストレ(きっと踊りは体が覚えてくれているだろう)

マストレ「そうだ。では、最初から流す」

マストレ「歌えるのなら歌ってもいいぞ」

テレレー♪

モバP「……」

モバP(なんだろうこの曲は……)

モバP(僕には記憶がないはずなのに)

モバP(この曲の歌詞と振りらしきものが頭の中に……)


モバP「!」

モバP「おーねがいーシンデレラー♪」

モバP「夢はゆーめでおーわれーない♪」

モバP「うごきはじーめてるー♪」

モバP「かがやくひのーためにー♪」キラン

マストレ「!」

愛梨「!」

マストレ(こ、これは……!)

愛梨(プロデューサーさん!)

マストレ(歌唱力は某歌が下手なアイドルレベルだが…・…)

マストレ(どうして……どうしてこんなにも……)

愛梨(目が離せないんだろう!)


モバP「――♪」

マストレ「十時、どうして目が離せないのかお前に分かるか?」

愛梨「ど、どういうことなんでしょうか」

マストレ「アイドルに大切なのは歌やダンスましてやトーク力ではない」

マストレ「勿論ないよりはあったほうがいいだろう。だからレッスンをしているんだ」

マストレ「だがレッスンなどでは身につかないアイドルにもっとも大切なもの……」

マストレ「それはこの輝きなんだ!」

愛梨「輝き……!」


マストレ(想像以上だ……)

愛梨(プロデューサーさん……)

愛梨(プロデューサーさんは私達にアイドルだったことを隠していたんですね!)

モバP(なんだこの感じは)

モバP(僕はなぜこんなにも踊れて歌えるんだ)

モバP(なにもかもを忘れているはずのに……)

モバP「!」

モバP(そうか……僕が……僕こそが……)



モバP(アイドルなんだ!)キラン



愛梨「……!」ドキ

マストレ「……!」ドキ


モバP(だが待てよ……)

モバP(僕はこの人たちにおそらく自分の本性を教えていないはずだ)

モバP(僕の正体を伝えた時に困惑していたし……)

モバP(ということは、僕は自分の本性を隠してアイドルをやっていた……?)

モバP(きっと巧妙に偽り続けていたんだろう)

モバP(こんな……こんな男がみんなの夢であるアイドルでい続けていいはずがない!)

モバP「すすーもーうー♪」

シーン

パチ……

パチパチ!

愛梨「プロデューサーさん! 凄いですね」

マストレ「ふふ、当然といったところか?」

モバP「僕……僕、アイドルやめます」

愛梨「え?」


モバP「きっと僕がこのままアイドルを続けていたら皆さんに迷惑になります!」

モバP「週刊文春に僕の悪事を暴露されて」

モバP「ワイドショーなどにも連日取り上げられ事務所に鳴り止まないコールの音……」

モバP「ダメだ! やはり僕は生きていてはいけない!」

モバP「すみません! 失礼します!」タッタッタ

愛梨「プロデューサーさん!?」

愛梨「行ってしまいました……」

マストレ「……」

マストレ「今後入ってくる新人アイドルの目の前で、必ず踊ってもらうよう記憶が戻ったら交渉してみるか」

―――

公園

モバP「やっと戻ってこれた……」

モバP「なんて広さなんだあそこのビルは」

モバP「はぁ……」

モバP「それにしてもどうやって死ねばいいのか」

奈緒「プロデューサー……?」

モバP「君は……」

奈緒「プロデューサーじゃん! え!? セットが倒れて病院に運ばれたって…・…」

奈緒「ま、まさか幽霊……」

モバP「いや、幽霊っていうよりかゾンビかな」

奈緒「は?」


奈緒「いやいや、モバPさん小梅に影響され過ぎでしょ」

モバP「実は……」

……

奈緒「記憶喪失……?」

モバP「そうみたいなんです」

奈緒「え!? なおさらなんでここにいるのさ!」

奈緒「早く病院に戻らないと……」

モバP「青い瞳の子とリボンをした子が揉め始めて」

モバP「蛍色のジャケットを着た人に逃げてと言われたので……」

奈緒「……」

奈緒「あのさ。その二人になんか言われた?」

モバP「はい。僕は青い瞳の子をペットに飼っていたらしいです」

奈緒「」

モバP「リボンの子とはカップルだったらしくて…・…」

奈緒「あの二人は……」

奈緒「モバPさんはさ。自分はどういう人間だって認識してるの?」

モバP「女児に対して――」

モバP「そしてアイドルらしいんです」

奈緒「色々突っ込み所が多すぎるよ!」

モバP「え! でもだって……」

奈緒「わかったよ。じゃあ、私が一つずつ否定してってやる」

奈緒「まず青い瞳の子だけどえっと……こいつだろ」

モバP「そうですそうです!」

モバP「この写真に僕が写ってますけど……」

モバP「なにかを嫌がっている?」

奈緒「凛が無理矢理私の散歩をしてって迫ってたときの写真だよ」

奈緒「普通に断ってたけどな」

モバP「なるほど……」

奈緒「雰囲気見れば断ったってわかるだろ?」

奈緒「それからまゆについては――」


奈緒 説明中


モバP「……」

奈緒「どうだ?」

モバP「全部……嘘だったんですね」

奈緒「まぁ、みんなちょっとおふざけしたくなっただけだよ。きっと」

奈緒「最後にモバPさんの正体だけどさ」

奈緒「実はアイドルのプロデューサーなんだよ」

モバP「……そういえばみんな僕のことをプロデューサープロデューサーって」

奈緒「今頃か……」

モバP「でもよかったです。後もう少しで自殺しているところでした」

奈緒「それは本当によかったな……」

奈緒「しっかし、どうするかな。病院には戻れないし」

奈緒「んー」

モバP「……」

モバP「凄く僕のことを真剣に考えてくれてるんですね」

奈緒「当たり前だろ。モバPさんはあたしにとって……」

奈緒「まぁ……その……なんだっていいだろ!」

モバP「……」

奈緒「とりあえずモバPさんもなんか考えろよな」


モバP「……もしかしてなんですけど」

奈緒「なんだよ」

モバP「僕とあなたは付き合っていませんでしたか?」

奈緒「は、は、はぁ!? 何言ってんだよ! バカじゃないのか!? バカじゃないのか!?」

モバP「で、ですよね! いや、なんか無条件に凄く優しくしてくれるし」

モバP「あなたを見ているとなんていうか……」

モバP「で、でも違うんですもんね!」

奈緒「そ、そ、そうだよ! あたしとモバPさんはアイドルとその担当! それ以上でもそれ以下でもないし!」

モバP「そっか……そうですよね」シュン

奈緒(なんだよ……なんなんだよその反応はぁ!)

寝ます


また携帯からです


モバP「.........」

奈緒「..........」

奈緒(どうすんだよこの空気)

奈緒「そ、そうだ! 記憶を取り戻す方法を探そう!」

モバP「そ、そうですね!」

奈緒「アニメとかだともう一度強い衝撃を与えると治ったりするみたいだけど....」

モバP「い、痛いのは嫌です」

奈緒「だよなぁ」


奈緒「じゃ、モバPさんの家に行くとか」

奈緒「ほら、自分の持ち物とか見たら思い出すかも」

モバP「でも自分の家の記憶が....」

奈緒「大丈夫! 私が覚えているからな!」

奈緒「あ、でも鍵か....」

モバP「それらしきものならポケットに」

奈緒「おお。それはモバPさん家の鍵で間違いないはず」

奈緒「よし。タクシー捕まえるか」


..........

モバP宅 前

カチャ

モバP「あ、本当に僕の家の鍵だったんだ」

奈緒「なんだよ。信用してなかったのか?」

モバP「いえ、そういうわけではなかったんですけど....」

モバP「それにしてもなぜ奈緒さんは僕の家の場所と鍵を?」

奈緒「た、たまたまだって! 変な勘違いとかすんなよな」

モバP「で、ですよねー」

――

モバP宅

モバP「ここが僕の家……」

奈緒「そうだな」

モバP「……」

奈緒「……」

ガラーン

モバP「なにもなくないですか?」

奈緒「た、確かにそうだね……」


モバP「ベッドにテレビと机だけって……」

奈緒「まぁ、前来た時もこんな感じだったよ」

モバP「前とは?」

奈緒「事務所の忘年会の二次会を無理矢理ここでやったんだよ」

モバP「無理やりって……」

奈緒「あの時の年長組の圧力は凄かったなぁ」

モバP「当時の僕は大変だったでしょうね」


奈緒「とりあえずなにかないか探してみる?」

モバP「んーそうですね。なにかありそうなのはベッドの下……ですかね」

奈緒「!」

奈緒「い、いや! そこはやめておいたほうがいいんじゃないかなーなんて」

モバP「どうしてですか?」

奈緒「ど、どうしてってモバPさんがそんなの一番よく知ってるじゃん!」

モバP「記憶喪失なものですから……」

モバP「出来れば説明して頂けるとありがたいです」

奈緒「む、無理だって! 私の口から言えるわけないよ!」


モバP「では、自分の目で確かめてみますね」

奈緒「うわー! ダメだって!」

モバP「これは……」

モバP「CD、ですね」

奈緒「え?」

モバP「ニュージェネレーション初地上波映像……」

奈緒「どういうことだ……?」ゴソゴソ

奈緒「あ! こっちは私が始めてテレビに出た日の日付が書いてある!」

モバP「それで……ここを漁るのをなんでやめたほうがよかったんでしょうか」

奈緒「あ、あはは! そうだ! これ見ればなにか思い出すかも知れないから早速みようよ!」

モバP「そうですね。えっとレコーダーは……」

奈緒(う、上手く誤魔化せた)

モバP「あ、映りましたね」

奈緒「よし。じゃあ、モバPさんの記憶が戻るまで耐久レースだ!」


……

奈緒「はぁ……これでもダメか」

モバP「すみません」

奈緒「モバPさんさっきから謝ってばっかじゃん」

モバP「いえあの……僕のためにわざわざ申し訳ないなって」

モバP「もうこんな夜の遅い時間ですし」

奈緒「気にしないでよ。私だって好きでやってるんだから」

奈緒「モバPさんには早く記憶取り戻してもらいたいし」

モバP「そうですよね。早く昔の僕に戻ってもらいたいですよね」


奈緒「まぁ、それは別にいいかな」

モバP「え?」

奈緒「勿論戻って欲しいって気持ちもあるけど……」

奈緒「記憶があってもなくてもモバPさんはモバPさんだよ」

モバP「でも僕は自分のこと、あなたのこともその思い出さえも忘れているのに……」

奈緒「それは……そうなんだけどさ」

奈緒「私に関してはこれからまた思い出を作っていけばいいよ」

奈緒「春が来てお花見して、夏はそうだな……海はだめだよ! なんか恥ずいし……」

奈緒「そうそう。花火とかがいいな。秋は美味しいものでも一緒に食べてさ」

奈緒「冬は朝までアニメ鑑賞会……なんて」

奈緒「まぁそうやってまた新しく思い出を作っていけばいいよ」

モバP「……」

奈緒「あああ、なんか変なこと言っちゃったな!」

奈緒「深夜テンションだから大目に見てね」

モバP「好きです」

奈緒「は?」

モバP「僕はあなたに恋をしました!」

奈緒「へぇ? あ、なんだって?」

モバP「好きです僕と付き合ってください!?」

奈緒「だ、ダメだって! 私はアイドル……っていうか未成年だし!」

モバP「18歳になるまで待ちます!」

モバP「僕は性犯罪者ではないので!」

奈緒「で、でもさ! 記憶が戻った時はどうするのさ!」

モバP「それは……きっと大丈夫です!」

奈緒「てきとうだなおい!」

モバP「あなたは、あなたは嫌なんですか?」

奈緒「嫌……ではない……けど……」

モバP「じゃあ、お試しでもいいんで付き合ってください!」

奈緒「え、ちょ、近いって」

モバP「奈緒さん……」ジー

奈緒「で、でもでもでも私可愛くないしモバPさんならもっと選り取りみどりだろうし……」

モバP「僕は奈緒さんがいいんです!」


奈緒「……」

奈緒「ちょ、ちょっと考えさせてくれー!」

モバP「奈緒さん!」

――

トイレ内

奈緒「ど、どういうことだ……私のなにがよかったんだろう」

奈緒「それよりも付き合うって……私とモバPさんが?」

奈緒「あ、ありえないありえない!」

奈緒「だって私とモバPさんが付き合ったら……」

……

車内

モバP『お疲れ。さ、早く帰るぞ』

奈緒『あんまり飛ばしすぎんなよー?』

モバP『……ちょっと寄り道してもいいか?』

奈緒『寄り道?』

モバP『ああ、お前と一緒に夜空を見に行きたくてな』

奈緒『夜空って……この時期寒いぞ?』

モバP『大丈夫だよ。寄り合えば暖かいさ」

奈緒『モバPさん……』

……

奈緒「……」

奈緒「悪くないな……」

奈緒「ってー! なにまじになってんだよ!」

ピロロロ

奈緒「電話? 誰からだろう……」


『渋谷 凛』


奈緒「……凛?」

ピ

奈緒「なんだよ。どうかしたのか?」

凛『……ラブコメの波動を感じたんだけど』

奈緒「なんで凛がそんな言葉知ってるんだよ」


凛『どうでもいいことなんだけどさ。奈緒って今どこにいる?』

奈緒「どこって……自分の家だよ」

凛『ふーん。これもまたどうでもいいことなんだけどさ』

凛『プロデューサーの家の電気が点いてるんだけど奈緒なにか知ってる?』

奈緒「は、はぁ!? そ、そりゃ家に帰ってれば電気くらい点けるだろ」

凛『……奈緒って確かプロデューサーの状況知ってたはずだよね?』

凛『ていうか私が教えてたし』

奈緒「あ」


奈緒「い、いや! 今のは勘違いしてて――」

凛『そういえば奈緒ってさ』

凛『最近プロデューサーがアイドル避けてる話知ってた?』

奈緒「あ、ああ。風の噂程度だけど」

凛『そのプロデューサー。なぜか奈緒だけはあんまり避けてなかったよね』

奈緒「……」

凛『ねぇ。奈緒は私のこと裏切らないよね。ね?』

奈緒「」

凛『今からそっちに――』

ピ

奈緒「……」

奈緒「やばいことになったぞ……」

ピロロロ

『佐久間 まゆ』

奈緒「ああああ、もっとやばいやつから電話が!」

奈緒「い、一応出ておくか」

ピ

まゆ『動かないでくださいね』

ツーツーツー

奈緒「……」

奈緒「あ、私死んだなこれ」

寝ます

奈緒(とりあえずここを出よう!)

奈緒(あいつらに捕まったらなにされるかわからないし)

ガチャ

奈緒(付き合う付き合わないの話はその後だ!)

ドンドン

奈緒「……!」ピク

モバP「誰かいらしたんですか?」

奈緒「モバPさん! 出ちゃダメだよ!」

凛『ふーん。やっぱり奈緒そこにいたんだ』

奈緒「ヒッ!」


まゆ『うふふ、いい子ですから鍵を開けてもらってもいいですかぁ?』

奈緒「モバPさん逃げよう!」

モバP「逃げると言ってもどこへ――」

?「こっちです!」

モバP「あなたは!」

奈緒「ち――」

ちひろ「さぁ! このベランダのロープから外へ!」

奈緒「ちひろさん!」

奈緒「どうしたんだよ! そんなボロボロで……」

ちひろ「あの二人を相手にしてたらね」

ちひろ「それよりも! ここは私にまかせて先に行って!」

奈緒「でも……」

ちひろ「大丈夫。必ず追いつくから」

奈緒「……わかった」

奈緒「モバPさんほら」

モバP「は、はい」


ちひろ「あ、プロデューサーさん。記憶が戻ったら……」

モバP「なんでしょう」

ちひろ「いえ、なんでもありません」

ちひろ「さぁ早く!」

奈緒「絶対追いついてよ!」

モバP「よくわかりませんがここは頼みます!」

ちひろ「……」


ちひろ「私も馬鹿ね。こんな一銭にもならないこと」

ちひろ「まぁ、プロデューサーさんを守るためだから仕方がないか」

ガチャ

まゆ「うふふ、開けてくれないから無理矢理開けてしまいました」

凛「……プロデューサーがいない」

ちひろ「ふふ、あの二人を追いたいならまずはこの私を倒してからにしなさい!」


……

奈緒「はぁ……はぁ……!」

奈緒「どこか遠くまで逃げよう!」

モバP「!」

モバP「愛の逃避行というやつですね!」

奈緒「あ、愛って!」

モバP「大丈夫です! 僕が絶対あなたを守りますから!」ギュ

奈緒「て、手ぇ握んなし……」

モバP「二人で誰も知らない土地に行きましょう!」

モバP「そして奈緒さんが仰ってたみたいに二人だけの思い出を作りましょう!」

奈緒「二人だけの……思い出」


モバP「僕ら二人なら絶対上手くやっていけます」

モバP「新しい土地でも力仕事ならすぐに雇ってくれると思いますし」

モバP「そうしたら二人で家を借りて暮らしましょう!」

奈緒「暮らす……」

モバP「最初は貧しいでしょうけど、僕凄い頑張るんで!」

モバP「そうしたら子供も作って……幸せになりましょう!」

奈緒「……」

奈緒「ずっと私を見ててくれなきゃ嫌だからな」

モバP「! は、はい! わかりました!」


一同『ちょっと待って』

奈緒「ん?」

?「わかるわ。学生結婚なんて憧れるものね」

?「P君を誑かすなんて奈緒ちゃんタイホしちゃうぞ♪」

?「記憶喪失を内緒にしているなんてそりゃないっしょ(内緒)ー」

?「プロデューサーは絶対野球やったほうがいいよ! 今からキャッツの一員になろう!」

奈緒「あ、アナタ達は……!」


奈緒「川島さん! 早苗さん! 楓さん! 友紀さん!」

瑞樹「奈緒ちゃん。悪いことは言わないからプロデューサーをこっちに渡しなさい」

瑞樹(これを逃したらまた私の婚期が……既成事実を作らないと)

早苗「迷い人はちゃんと警察が保護しなきゃだからね」

早苗(P君を上手く丸め込んで朝までハシゴ酒……)

楓「なんだか面白そうだったので」ニコ

友紀「プロデューサー運動神経いいんだから早くキャッツのプロテストを受けに行こう!」

友紀(そうすればコネが出来ていい席で試合観戦とかできるかも!)

奈緒「約一名を除いて邪な感情が強い……」


凛「皆ちょっと落ち着いてよ」スタスタ

ズルズル

まゆ「そうですよぉ。うふふ、まゆがプロデューサーさんを守ってあげないと」スタスタ

ズルズル

奈緒「ふ、二人共早すぎないか!? ちひろさんは……」

ちひろ「……」チーン

モバP「あ……」

奈緒(首輪にリボンを付けられて引きずられてる……)


瑞樹「お子様はもう帰る時間よ」

早苗「そうよ。補導しちゃうわよ?」

楓「歩道で補導……ふふ」

凛「いい年した大人が寄ってたかって記憶喪失の人間を襲おうとしているなんて」

まゆ「見ていられませんからねぇ」

奈緒(どの口が言っているんだ)

凛「それよりも奈緒だよ。抜けがけしてプロデューサー独り占めしてさ」

一同『……』チラ

奈緒「あ、いや。これは成り行きというか……」

奈緒「ていうか! 元はといえばお前らが問題で色々無茶苦茶になったんだろうが!」

凛・まゆ『記憶にございません』

奈緒「こいつら……」

モバP「奈緒さんをいじめないでください!」バ

奈緒「モバPさん……」キュン

一同『……』イラ


モバP「安心してください。さっき約束した通り僕があなたを守りますから」

奈緒「そ、そういう恥ずかしいこと皆の前で言うなよ!」

モバP「す、すみません。思わず」

奈緒「べ、別にいいけどそういうのは二人だけの時にしてくれよな……」

モバP「奈緒さん……!」

奈緒「なんだよその顔は! 馬鹿にしてんだろ」ポカポカ

モバP「はははは」

イチャイチャイチャイチャ

一同『いちゃいちゃすんなやゴラァ!』

モバP・奈緒「…」ピクン


凛「あーあ。久しぶりに切れちゃったよ」

瑞樹「一時休戦ね。わかるわ」

まゆ「ҖҚՂԺԹՒՒՂҖ」

早苗「まずは奈緒ちゃんから逮捕ね」

楓「ふふ……ふふ」ニコニコ

友紀「とりあえず奈緒ちゃんには報復死球を……」

奈緒(や、やべぇ……絶対死んだわこれ)


奈緒「とりあえずモバPさんはどこかに逃げて!」

奈緒「あいつらの狙いは私だから!」

モバP「いえ! 奈緒さんを置いてはいけませんから!」

モバP「奈緒さんこそ逃げて――」

奈緒「いいから! ……モバPさんの言葉嬉しかったよ」

奈緒「でもさ、こうなっちゃうんだよ」


モバP「奈緒さん……」

奈緒「そんな顔すんなよ。さすがに命だけは大丈夫……のはずだからさ」

奈緒「落ち着いたらまた色々と話そうよ」

モバP「けど!」

奈緒「女のワガママを聞くのも男の甲斐性ってどっかの漫画に書いてあったぞ」

モバP「……」

モバP「誰か……誰か仲間を連れてきます!」タッタッタ



凛「覚悟はいいよね?」

奈緒「ただでやられるつもりはないからな」

奈緒「同じグループだからって手加減しないぞ!」


……


ギュ

モバP「おわ!」ビタン

モバP「いてて……」

モバP「誰かが僕の脚を……」

ちひろ「……」

モバP「あなたは……」

ちひろ(這いつくばって追いかけてきました)

モバP(直接脳内に!)


ちひろ(力が……力がほしいですか?)

モバP(奈緒さんを助ける力がもらえるんですか?)

ちひろ(あなたが欲すれば……)

モバP(是非……是非ください!)

ちひろ(ならば授けます)

ちひろ(具体的にはあそこにあるコンビニでプリペイドカードを)

ちひろ(五万円分くらい私にお布施をすれば力を与えます)

モバP(なんでそんな生々しいんですか)

モバP「まぁいいです! 買ってきます!」


モバP「とりあえず服の中に入ってた財布全額プリペイドカードに変えました!」

ちひろ(ではこのドリンクを……)

モバP「これは……」

ちひろ(スタドリスーパーです)

ちひろ(それを飲めばたちまち髪の毛が金髪になってあんなことやこんなことができます)

モバP「そうなんですね!」

モバP「では早速……!」

モバP「う……」

モバP(なんだろう。このドリンクを見ていると頭が……)


モバP(マラソン……サバイバル……)

モバP(あ……なんかおぼろげな記憶の断片が……)

モバP(と、とりあえずこれを飲もう!)

モバP(そして奈緒さんを……!)

ゴキュ

モバP「!」

モバP「一口飲んだだけで体中に力が……力が!」

モバP「……」

モバP「……」ピ ピ ピ

モバP「きらりか。今からいうメンバー全員事務所に集めてくれるか」

モバP「報酬は杏を一日好きに出来る券だ」


―――

モバP「……」

アイドル一同『……』

モバP「まずは智絵里だな」

智絵里「はい……」

モバP「なんていうか。うん。四葉のクローバー集めをしたいがためにあんなことをもう二度としないように」

智絵里「すみません……」

モバP「小梅はありがとうな。危うく死ぬところだった」

小梅「うん……危なかった……」

モバP「ゾンビの件は不問にしておくな」

モバP「菜々は……」

菜々「……」

モバP「ごめんなさい」

菜々「普通に謝らないでください!」

モバP「必要であれば文章にしてしっかりとした謝罪を致しますがどうなさいますか?」

菜々「その敬語が逆にナナのハートに効くんですよ!」

モバP「輝子は……なにもしてないな」

輝子「フヒヒ……そ、そうだな。最初はびっくりしたけど……戻ってよかったな」

モバP「マストレさん。愛梨」

マストレ「あれはあれで新しい発見だったろう」

愛梨「はい! 勉強になりました!」

モバP「愛梨は置いといてマストレさんふざけ過ぎなんですよ!」

マストレ「ふざけてなんかいないぞ。モバP殿のアイドル計画……」

マストレ「これは常務に相談すべきかもしれん」

モバP「やめてください」

モバP「川島さん、早苗さん、楓さん、友紀」

モバP「アナタ達いい年してなにやってるんですか」

瑞樹「その……」

早苗「ちょっとしたイベントみたいで……」

楓「気分が高揚して……」

友紀「とりあえず朝のスポーツニュース始まるからテレビつけていい?」

モバP「友紀以外は反省の色が見られるので不問にします」

モバP「友紀は一週間断酒な」

友紀「そ、そんなぁ!」

モバP「小学生組は悪気は一切なさそうだったし叱る必要はないとして」

モバP「お前ら二人は完璧悪意があっただろ」

凛「悪意じゃないよ」

まゆ「好意です」

モバP「お前ら……」


モバP「お前らは一ヶ月俺とは違うPに現場を回ってもらうからな」

凛「そんな!」

まゆ「酷いですよぉ」

凛「誰に散歩を連れてってもらえばいいの!?」

モバP「一人でやってくれ」

まゆ「まゆのお弁当は誰が食べてくれるんですか?」

モバP「ハナコが食べてくれるってさ」

モバP「お前ら本当に反省してないのな」ハァ

モバP「お前ら。ちひろさんをあんな目に合わせておいて」

ちひろ「私がなんですか」ツヤツヤ

モバP「……」

ちひろ「なんだかお金もらったあたりで一気に回復しちゃいました♪」

凛「ピンピンしてるじゃん」

モバP「ごほん」

モバP「とりあえずお前らには反省してもらう以上だ」


……

ちひろ「これで一段落ですね」

モバP「ご迷惑をおかけしました」

ちひろ「私は別になにもしてないですよ」

モバP「いえ、あの病院の一件と自宅の件は凄い助かりましたよ」

モバP「しかしスタドリを飲んで記憶が戻るとは……」

ちひろ「スタドリは記憶の混乱を抑える作用もあったようですね」

モバP「いや、単純にあの味のおかげで思い出しただけのような…・…」


ガチャ

奈緒「……おう」

モバP「な、奈緒か」

ちひろ「……」

ちひろ「あーいけない。そういえば朝ごはんを買いに行かないと」

ちひろ「事務所の留守番はプロデューサーさんと奈緒ちゃんに頼みますね」

ガチャ

バタン

奈緒「……」

モバP「……」


モバP「怪我とか大丈夫か?」

奈緒「うん。平気」

「……」

奈緒「あのさ。記憶がなかったときのやつなんだけど」

モバP「ごほん」

奈緒「ごめん」

モバP「謝るな」

奈緒「あ、じゃあさ。凛から聞いたんだけど私だけ避けなかったのって……」

モバP「なにも答えられない。いいな?」

奈緒「……そうだよな」

奈緒(なんだよ……なんでそんな冷たい感じなんだよ)

奈緒(さっきまであんな私を……)

奈緒(って、昔に戻っただけなのになに寂しがってんだよ)

奈緒(プロデューサーは大人としてアイドルのPとしてしっかりとした態度をとってるだけじゃん)

奈緒(ああ、もうなんでこんなにもやもやすんだよ!)

モバP「奈緒」

奈緒「え?」


モバP「ほら」

奈緒「これ……指輪の折り紙?」

モバP「さっき急いで折ったんだ」

奈緒「ど、どういう意味だよ!」

モバP「まぁ……その……なんだ」

モバP「記憶がなくてもああいうことを言ってしまった手前責任を取らないのもどうかと思ってな」


モバP「ただ本物は渡せないぞ」

モバP「お前の年齢もあるしなによりアイドル」

モバP「俺は今までと変わらずお前と接していくつもりだ」

モバP「ただ……年齢も適齢になってなおかつアイドルを卒業して」

モバP「その指輪を持ってたら……」

モバP「本物に交換してやるよ」

奈緒「……」

モバP「……俺とそういう風になるのは嫌か?」

奈緒「……」フルフル

モバP「だったら笑えよ」


奈緒「わ……わらえる……笑える訳ないだろ!」ポロポロ

モバP「はは、そう言うなって」

奈緒「馬鹿……! キザ……! 仕事マシーン! 女子高生に手を出す変態……!」

奈緒「でも……でも……」

モバP「ゆっくりでいいぞ」

奈緒「自分でも恥ずかしいくらい今、幸せだって思っちゃってるよ……」

モバP「…・…そっか」

end

ということでこれを見た人は皆さん神谷奈緒の恒常SSRが出るまでガチャを回しましょう。

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