妹「兄さん」 兄「なんだよ」 (33)

妹「なんだよ? 今、『なんだよ?』って言いました?」

兄「え…」

妹「言いましたよね?」

兄「はい、言いました」

妹「何ですか、その態度は。反抗してるんですか? 今日の夕飯要らないんですか?」

兄「すみませんでした…!」

兄(おかしいぞ。今日の妹はいつも以上にツンツンしている)

妹「…ほ……ですか?」

兄「…へ?」

妹「まさか今、ぼーっとしてました?」

兄「い、いやその…」

妹「今私が言ったこともう一度言えますか? 言えないですよね」

兄「ごめんなさーい!!」ダダダダダッ

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兄「なぜ今日は妹が変なんだ。昔なんか…」

~昔~

妹「兄さーん! クッキー焼いたの食べてー!」

兄「妹よありがとう! うん、うまいな!」

妹「えへへ」


~もっと昔~

妹「兄さん兄さんっ!」

兄「どうした妹」

妹「今日の夜はカレーだよ~。 ちゃんと兄さんの好きなアレもあるからね!」

兄「おおっ。 今日はナスの揚げ浸しカレーか! やったぜ」


~すごく昔~

妹「兄さん好き! おおきくなったら兄さんとけっこんするー」

兄「えへへ」

~現在~

兄「最近までお兄さん大好きっ娘だったのになぁ」

兄「兄離れの時期なのか…」

妹「兄さん、見つけましたよ」

兄「ひっ…!」

妹「さっきの話の続きですが」

兄「は、はい」

妹「今日の夕飯はカレーにします。兄さん、ほうれん草は苦手ですか?」

兄「いや、大丈夫だ…ですが」

妹「よかった。兄さんの好きなナスも用意してありますよ」ニコッ

兄「ありがとうございます」

兄(夕飯にありつけそうなのか…? だが、妹がこのままだと身が持たん)

兄「ノートに記していこう」

兄「『急に様子が変わった妹をどうにかするノート』と…」

兄「しかし妹にはまだ優しいとこも残ってるしツンデレになるのか?」

兄「まあいい。まずは策その1」

兄「>>5

逆に考えるんだ
こちらから距離を取ればいいんだ、と

兄「『こちらから距離をとる』…と」

兄「さっそく実行だ」

~数分後~

妹「兄さん、夕飯ができました」

兄「今行きます」

兄「…カレーだ! やっ……いや、これは」

妹「兄さんの好物です。喜んでくれましたか?」

兄(ここで素直に言えば…しかし距離を置いてみよう)

兄「そう…ですね。いただきます」

妹「……いただきます」

兄「……」

妹「……」

兄「ごちそうさまでした」

妹「片付けておきます」

兄「ありがとうございます」

妹「…不味かったですか?」

兄「いや、美味しかった…です」

妹「でも兄さんあまり喜びませんね」

兄「そんなことない!…けど」

妹「けど? けど何です?」

兄「いや、その…」

妹「…」

兄「ごめんなさーい」ダダダッ

兄「芳しくないな。妹が悲しそうな顔をしていた気がする」

兄「策その2…」

兄「>>9

抱きついてみよう(長時間)

兄「『長時間抱きついてみる』…と」

兄「よし、妹のとこへ行くか」

~キッチン~

妹「んーんん~♪」ゴシゴシ

兄(下手したら俺の身がさらに危ういな)

妹「…なっ?! 兄さん…?! いつからそこにっ」カアァァ

兄「えっ? ああ、洗い物続けてて」

妹「む……」ゴシゴシ

兄「よ、よし…」ムギュッ

妹「ちょ、兄さん…?!」

兄「……」

妹「兄さん、何か言ってくださいよ!ちょっと…んんっ」

兄「……」

妹「洗い物できないじゃないですかっ」


~5分後~

兄「……」

妹「……もう」


~10分後~

妹「いつまで…そうしてるんですか?」

妹「手洗いますよ。そして兄さんを離れさせます」

兄「……」


~15分後~

妹(兄さんの匂い…もっと…)ギュッ

妹「ちょっと、兄さん…! 離してください」

兄「…」ギュウゥ

妹(どさくさに紛れてもっと…)

妹「いいかげんに…うわっ」ツルッドサッ

兄「いててて…」

妹「もう。兄さんのせいですよ? 兄さんが離れないから…」

兄(あまり変化なしか…?)

兄「あ、俺部屋に戻るわ」

妹「そんな急に? に、兄さんー!」

兄「なんだか眠くなってきた。しかし策その3」

兄「>>13

次は無視していく

兄「『妹を無視する』と」

兄「…大丈夫、だよな?」

コンコンッ

妹「兄さん」

兄(沈黙……)

兄「……」

妹「兄さん…?」

兄「……」

妹「もう、勝手に入りますよ」ガチャ

兄「ん……」スヤスヤ

妹「寝てる…んですか? 兄さん、床で寝ると風邪ひいちゃいますよ?」


~朝~

兄「ふああ…朝か。あのまま床で寝ちゃったのか」

兄「肩と首がバキバキだよ…」

妹「兄さん。入りますよ」

兄「は……」(無視するんだったか…)

妹「兄さん、起きてますよね。なんで返事しないんですか? 私を怒らせたいのですか?」

兄(ど、どうする。これ以上は持たん…!)

兄(>>17

キス


兄「するしかない…!」

妹「この…」ガチャ

兄「今だッ!」スッ

妹「ちょっと?!」チュッ

兄(頬が精一杯だな)

妹「兄さん…!」ベチンッ

兄「うがっ」

妹「もう兄さんなんか知りません」ダダダッ

兄「逆効果だったか…? そうだ、学校行かんとな」


~教室~

兄「…というわけで妹が変なんだよ」

兄「やっぱり兄離れなのか…」

兄「……」

兄「おい、聞いてんのか>>20

幼馴染(♀)

幼馴染「もう兄君のシスコンにはうんざりだよぉぉ」

兄「なっ…! 家族が変なら誰だって心配するだろ?!」

幼馴染「妹ちゃんはそういう年頃なの。わかる?」

兄「ぐぬぬ…。寂しいもんだ」

幼馴染「兄君も妹ちゃん離れして、彼女でも作ればいいんだよ」

兄「そ、それは…」

幼馴染「私知ってるよ? 兄君、彼女できたことないってー!」

兄「そういうお前はどうなんだよ! まな板チビのくせに!」

幼馴染「まな板言うなぁー!」ベシベシ

兄「ちょ、叩くなって」


兄「チビはいいのか?」

幼馴染「んあ?」

兄「まな板って言うといつも怒るけど、チビは怒らないよな」

幼馴染「平均より低いけど困らないもん」

兄「ふーん。じゃあそっちは?」

幼馴染「知っての通りまな板だよ! このバカ兄君! うえーーーん」シクシク

>>23「あーあ、泣かせたー」

友(男の娘)

兄「よう、男の娘」

男の娘「よう、兄君」

兄「さて、そろそろ行くわ」

男の娘「どこに?」

兄「家に帰る」

幼馴染「私は無視っ?!」

男の娘「兄君帰るのいつも早い。寄り道とかしないの?」

兄「いやあ、お迎えが来てるから…。あそこ」

男の娘「妹さんだ。なんか怒ってる?」

兄「最近なんだかツンツンしてるんだよ」

男の娘「そうなんだ」

兄「と言うわけだ。じゃあな」

男の娘「うん。ばいばい」

幼馴染「あ、待ってよー。家近いんだし一緒に帰ろー」


妹「…」ジト

兄「……」

幼馴染(修羅場というやつですかこれは…。さすがの幼馴染ちゃんも困るのです)

幼馴染「ね、ねえ妹ちゃん」

妹「はい、何ですか?」ツンツン

幼馴染「妹ちゃんなんだか大人びたよね? 身長も伸びたし…」

妹「幼馴染さんこそ、髪は伸びましたね」ツンツン

幼馴染(こ、怖えええええ! 『髪は』って何?! 昔はこんなのじゃなかったのに!)

兄「な、言った通りだろ?」ヒソヒソ

幼馴染「……」コクコク

妹「兄さん、何か言いましたか?」

兄「いや、特になに」
妹「言いましたよね? それとも嘘つくんですか?」

兄&幼馴染(怖えよ!!)


幼馴染「じゃあ私こっちだから、ばいばい」テクテク

兄「おう、また明日なー」

妹「さようなら」

妹「…兄さん。幼馴染さんのことどう思ってますか?」

兄「面白いやつだな。小中高と一緒だったけど飽きない」

妹「…兄さんは幼馴染さんのことを女の子として好きか聞いてるのです」

兄「そんなの…わかんねえよ。多分幼馴染は」
妹「幼馴染さんは」

妹「…幼馴染さんは、多分兄さんのことが好きです」

兄「お、おい…。なんでそんなこと…」

妹「見てるとわかります。わかってしまうんです…」


幼馴染(なぜだろう。家族だからとかそういうの、よくわからないけど…)

幼馴染(心配になってしまったのだ。不覚にもこの幼馴染ちゃんは兄君が妹ちゃんに向けているシスコン気味のアレに嫉妬しているのだ)

幼馴染(きっと妹ちゃんの態度が変わったのは、私が兄君に向けている『妹ちゃんと同じ気持ち』を悟られたから)

幼馴染(…とはいえ、間が悪いなぁ。まさか、ね)

妹「…幼馴染さんは、多分兄さんのことが好きです」

幼馴染「全部わかったとはいえ、隠れて聞き耳たてるのは悪いことだよね…」ボソッ


妹「私は! …いえ、『私も』兄さんのことが好きです」

兄「お、おい」

幼馴染(うん…)

妹「ずっと兄さんを想っていました。でも…」

兄「……」

妹「悩みに悩んで兄さんから離れようともしました」

兄「うん」

妹「もう我慢できません…。私はやっぱり兄さんが好きで、もっと甘えたくて、それに『兄妹』という関係じゃ嫌なんです」


幼馴染(ぐむむ…)

男の娘「幼馴染、何してるの?」

幼馴染「うわっ?! …って男の娘君? なんでここに?」

男の娘「友達の家に行くことになったから。ここ通り道」

兄「男の娘に幼馴染…?!」

男の娘「兄君と妹さんじゃん。そだ、僕急ぐからまたねー」

兄「お、おう。じゃあな」

妹「幼馴染さん、その…聞いてましたか?」

幼馴染「うん。全部聞いてた。ごめんね。聞いててひとつ気づいちゃった。私、兄君のことすごく好きで、妹ちゃんに取られたくない!」

兄「……」

幼馴染「私だって妹ちゃんに負けないくらい昔から兄君が好きだったの。ずっと一緒で、ずっと兄君を見てきたの…」

妹「兄さん、私…」

幼馴染「兄君…」

兄(どちらかを選べ、というのか……?)

兄(俺にとって妹は唯一の大切な家族…のはずだ。幼馴染は俺のことなんか…と思って諦めるようにしてきたが…)

兄(俺は…俺は、>>32が好きだ)


兄「俺は、それでも…妹が好きだ」

妹「兄さん…!」

幼馴染「兄君…。……まったく、兄君のシスコンには本当にうんざりだよっ」

幼馴染「…それに、兄君、ちょっと悩んでたし私にもまだ脈あるよね! じゃあ私ほんとに帰るね、ばいばい!」ニコッ

兄「…うん」

妹「兄さん、今のって…! 私のこと…」

兄「ああ」

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