村松さくら「亜子ちゃんは語りたい」土屋亜子「世界3大グルメってあるやんかー!」 (33)

大石泉「? うん」

亜子「食べてみたい、思わへん?」

泉「うーん。興味がないわけじゃないけど、そんなには……」

さくら「高いんでしょぉ?」

亜子「それはそうやろなあ。でもそういう頂点いうか、テッペン知りたいゆうか」

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泉「そもそも何だっけ? 世界三大グルメ」

亜子「んっとなあ、まずキャビア」

さくら「キャビア! 聞いた事ある」

泉「何かの魚の卵……だよね?」

亜子「チョウザメやて。それの卵」

泉「魚の卵っていうことは……」

さくら「イクラみたいな感じかなあ」

亜子「でもあれテレビで見たけど、色が黒いんよ」

泉「黒いイクラ……ちょっと想像できないかな」

さくら「でもねでもねぇ。この間イカスミのパスタを食べたんだけど、とっても美味しかったんだぁ」

亜子「そうやんか! イカスミっぽいイクラと考えると……」

泉「なんだか余計に想像できなくない?」

さくら「他に黒くて美味しいものって言うとぉ」

亜子「あ! バナナ! 黒くなった方が甘くなって美味しいって言う!!」

泉「バナナが黒くなるのは皮で、中はそんなに黒くならないんじゃない?」

亜子「……せやな」

さくら「じゃあ海苔とか」

泉「うん。それは黒くて美味しい」

亜子「せやせや。じゃあ海苔とイクラの味って考えてみると……」

さくら「イクラと海苔って言うとぉ……」

泉「イクラおにぎり?」

亜子「……なんか、コンビニで食べられそうやな……」

さくら「でもでもぉ、イクラのおにぎりってちょっと高いよぉ?」

泉「亜子は絶対買わなそう。ふふっ」

さくら「買っても1日かけて食べそう! 朝ご飯兼昼ご飯兼夕食」

亜子「え、ちょっと待って! アタシいくらなんでもそんなケチやあらへんよ!?」

泉「大丈夫わかってる」

さくら「うんうん。冗談だよぉ」

亜子「え? あ、もう本気かと思ったやんか」

泉「でもイクラのおにぎりをお昼ご飯にしたら、それ1個で済ますでしょ?」

さくら「飲み物も節約するんだよね」

亜子「そんなことあらへー……いや、そう言われると……せやな……」

泉「もう、冗談を本気にしないでよ」

さくら「もしそうでも、ちゃんとさくら達が飲み物は分けてあげるから」

亜子「ありがとう。ほんまありがとうなあ。友情に感謝や」

泉「それで他の3大グルメって何があるの?」

亜子「そうそう。えっと、フォアグラ!」

さくら「それなあに?」

泉「えっと確か、ガチョウの肝臓」

さくら「えぇ!?」

泉「ガチョウの肝臓」

さくら「あんまり美味しくなさそぅ」

亜子「や、でもなでもな。こないだ輿水の幸子ちゃんに、鳥もつ煮ってのをお裾分けしてもろたんやけどな。とっても美味しかってん」

泉「鳥もつ? そうか、ガチョウも鳥だし肝臓はもつって事だよね」

さくら「どんなお味だったのぉ?」

亜子「甘辛ーく煮てあってな。臭みもなくてホンマ美味しかってんよ。なんでも山梨ではよく食べるんやて」

さくら「なんだか美味しそう」

泉「うん。肝臓って聞くとちょっと恐いけど、レバーって牛でも豚でも鳥でもよく聞く食材だよね」

さくら「前に家族で焼き肉屋さんに行った時にね、お父さんのレバー焼き分けてもらったけど、美味しかったよ」

亜子「それのグレートバージョンやないかって思うんよ。フォアグラ」

泉「亜子」

亜子「ん? なに泉?」

泉「グレートバージョンはおかしい」

亜子「え?」

泉「正しくは、アップグレードもしくはバージョンアップと言うべき」

亜子「あー……せ、せやねー」

泉「うん。それが正しいと思う」

さくら「それでぇ? つまりフォアグラはレバー焼きのバーゲンセールって事なのぉ?」

泉「さくら。バーゲンセールじゃなくて、バージョンアップ」

亜子「そ、そういうことやねん。つまりフォアグラって、鳥もつ煮とかレバー焼きのバージョンアップしたやつやねん」

泉「亜子」

亜子「な、なに? 泉」

泉「それはメジャーバージョンアップ? それともマイナーバージョンアップ? あ、メンテナンスバージョンアップとか?」

亜子「……メッチャバージョンアップしてんねん!」

泉「メジャーバージョンアップね」

さくら「なんのことぉ?」

泉「要するに亜子が言いたいのは、鳥もつ煮1.0が鳥もつ煮2.0になるとフォアグラと同等ってことだと思う」

さくら「そうなのぉ?」

亜子「……ま、まあそういうことやな。ようわからんけど」

さくら「じゃあ、幸子ちゃんに『もっと美味しい鳥もつ煮を作ってくださぁい』ってお願いしたらどうかなあ?」

亜子「でも幸子ちゃんにもらった鳥もつ煮、そうとう美味しかったで? あれ以上って難しいんやないかな」

泉「わかった」

亜子「ん? なに? 泉」

泉「メジャーバージョンアップとマイナーバージョンアップを同時に行うのよ」

亜子「? うん?」

泉「鳥もつ煮1.0から鳥もつ煮2.0じゃなくて、鳥もつ煮2.1にバージョンアップするの」

さくら「?」

泉「そうよ。それならフォアグラに届くかも知れないわ」

さくら「アコちゃん、イズミンがなに言ってるかわかる?」

亜子「ようわからんけど、泉やから間違った事は言ってないって思うんやけどなあ」

泉「それから最期はなんだっけ?」

亜子「あ、え、えっとな。トリュフ!」

さくら「トリュフならこの間食べたよ?」

亜子「な、なんやて!?」

さくら「甘くておいしかったぁ」

泉「……甘い?」

亜子「こない近くに、三大グルメ経験者がおったなんて! それで? 甘くて? ほんで?」

さくら「とろけてぇ」

泉「とろける?」

亜子「うんうん! それからそれから?」

さくら「とってもおいしいチョコでしたぁ」

泉「チョコ?」

亜子「チョコ?」

さくら「うん。チョコ」

亜子「泉、確かトリュフってゆうんは……」

泉「うん。キノコのはず」

さくら「えぇー?」

亜子「こういうんは、星の輝子ちゃんに聞いてみるんがエエんやないかな」

泉「輝子ちゃんは確か今日は、収録だったはず」

さくら「ざんねぇーん」

亜子「泉、検索して調べてみてよ」

泉「わかった……検索を始めよう。あれ?」

さくら「どうしたのぉ?」

泉「トリュフ、で検索しようとすると、セイヨウショウロの項目へ飛ばされる」

亜子「セイヨウ……ショウロ? それってつまり、セイつまり星のショウコって意味なんかな?」

さくら「だいはっけぇーん!」

泉「それは違うと思うけど……うん。トリュフはこのセイヨウショウロっていうキノコの子実体なんだって。実に興味深い、ゾクゾクするね」

さくら「チョコレートのトリュフとは、やっぱり違うの?」

泉「うん。形が似てるからトリュフ・チョコレートって呼ぶみたい」

亜子「なるほどなあ。さすが泉」

泉「私は検索しただけだから……あ」

さくら「どうしたのぉ?」

泉「トリュフは別名、黒いダイヤって呼ばれてるんだって」

亜子「ダイヤ!」

泉「そのぐらい高い、ってことみたいだけど」

亜子「エエなあ、ダイヤかあ。ホンマにエエなあ……」

さくら「アコちゃん、たとえだよ? ダイヤは」

泉「うん。それに他にもダイヤがたとえに使われている食材ってあるみたい」

亜子「え? 他にも?」

泉「黄色いダイヤ、っていうのがある」

さくら「それって何の食べ物なのぉ?」

泉「数の子、だって」

亜子「へ? 数の子ってあのニシンの卵の?」

泉「昔は希少で高価だったんだって」

さくら「お正月とかに、お節で食べるあれだよね」

亜子「黄色いダイヤなあ」

泉「赤いダイヤ、っていうのもあるみたい」

亜子「赤! それってなんなん!?」

泉「ええと……小豆だって」

亜子「え?」

泉「小豆」

さくら「小豆って、あんこの原料でしょお?」

亜子「そんな高いモンやんかいな?」

泉「安くて美味しいってイメージがあるよね」

亜子「こういうのは、桃井のあずきちゃんに聞いたらどないやろ」

泉「どうかな。名前が同じっていっても、それに詳しいとは限らないんじゃない?」

亜子「かなあ」

さくら「でもぉ。さくらは桜のこと詳しいよぉ」

泉「そうなの?」

さくら「自分と同じ名前だし、キレイだから」

亜子「なるほどなあ。

さくら「イズミンも、泉の事に詳しい?」

泉「え?」

さくら「泉のこと、イズミンは好き?」

泉「ど、どう……かな。嫌いではないけど」

亜子「そういや泉は、なんで泉って名前なんや?」

泉「確か親が、頭のいい子に育って欲しかったから『知恵の泉』からとったって聞いたような」

亜子「あー……なるほど納得やわ」

さくら「アコちゃんは?」

亜子「え?」

さくら「アコちゃんは、なんでアコちゃんって名前になったの?」

泉「そういえば亜子のそういう話、聞いた事がなかったね」

亜子「んー、最初から話すと長いで?」

さくら「いいよぉ」

泉「うん。だから話して」

亜子「あんな、まだ天と地が分かれていなかった頃、神が『光あれ!』と叫ぶと……」

泉「亜子」

亜子「え?」

泉「手短に」

亜子「わ、わかったて。あんな、これはアタシの知り合いのお爺さんに聞いた話やねんけど」

さくら「どうして、知り合いのお爺さんが亜子ちゃんの名前のこと知ってるの?」

亜子「……ホンマのこと言うと、アタシよう知らんねん」

泉「え?」

亜子「ウチの両親、大阪からなんで静岡に来たんかとか、アタシよう聞かへんねん」

泉「あ、もしかしたら深い事情があるとか?」

亜子「そらわからんけど、なんか改めて聞くんもなあ……て」

さくら「アコちゃんも色々あるんだねぇ」

亜子「ま、ホンマのとこはたぶん大した理由やないんやろけどな。あれ? スマホ鳴って……Pチャンや。もしもし?」

泉「もしかして……」

さくら「お仕事かなぁ」

亜子「え? NWがグルメレポート!?」

泉「亜子、嬉しそう」

さくら「うんうん」

亜子「え? 静岡へ? はあ……三島コロッケの取材……」

泉「亜子、残念そう」

さくら「でもでも、3人で一緒だからさくらは嬉しいよ?」

泉「うん。そうだよね、ほら亜子! 元気出して」

さくら「ふれぇ! ふれぇ! アコちゃん!」

亜子「え? あー……せやな。うん! 若林の智香ちゃんの応援みたいに力でてきた」

さくら「良かった」

泉「やっぱり亜子は、元気でないと」

亜子「よーし。早速Pちゃんと合流するで!!」

さくら「はぁい」

泉「うん。ふふっ」


お し ま い

以上で終わりです。おつき合いいただきまして、ありがとうございました。

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