【クロスSS】ゴジラVSウルトラマン (70)


ゴジラとウルトラマンの対決SSです
数値や設定のおかしな点が多々あると思いますが
どうかご了承下さい


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1503660022



東京より南に約400km、ベヨネース列岩付近の深海300m―――

無人海底探査船「かいてい」



かいてい「・・・」





海上―――


かいていの母船、海洋調査船「海峰丸」

数名の人員が船上で作業をしている

その内の一人が双眼鏡で海面を観察している


調査員1「・・・」

船員「何かありましたか?」



調査員1「いいや、特に何もないみたいだ。海水の変色もほとんどないし」

船員「そうですか。まぁ、穏やかなもんですねぇ」

調査員1「ああ。この辺りの海底火山が噴火して3ヵ月か・・・」

船員「ああ、もうそんなになりますか」

調査員1「活動ももう、大分落ち着いたようだし」



船員「でも、海の底ではまだ噴火は続いてるんですよね?」

調査員1「ああ。けどこうやって無人探査船で離れたところから調査しているし」

船員「じゃあ、急にドカーンとなっても大丈夫ですね」

調査員1「そうだな。それにこの様子じゃ、今後大きな噴火の起こる可能性は少ないだろうな」



船員「それじゃあ、この辺に新しく島は出来ないですね」

調査員1「はっはっは・・・。確かにこの様子じゃ、ちょっと望みは薄いかもな」

調査員1「さーて、それじゃちょっとかいていの様子を見てくるか」

船員「ええ。お疲れ様です」


海峰丸船内

無人海底探査船かいていコントロールルーム―――



調査員1「何か、変わったことはないか?」

調査員2「いえ・・・。モニター映像に特に変わった様子は映ってませんね」

ああどうも
前仰ってたSSにチャレンジして見ました
進行遅めになるかも知れませんけど宜しくお願いします



調査員1「噴火も、大分落ち着いたもんだな」

調査員2「ええ。もうマグマもほとんど出ていませんし」

調査員1「やれやれ。これじゃ新しい島の誕生には立ち会えそうに無いな」

調査員2「ええ。そうだったら良かったんですけど」



調査員1「それにしても、この頃地震が多いが・・・」

調査員2「ええ」

調査員1「やはり、この海底火山の噴火もそれに関連してるんだろうな」

調査員2「そうですね。太平洋プレートの活動がここ数年活発化してますから、
      その影響かも知れませんね」



調査員1「やれやれ、2年くらい前にはでっかい隕石が落ちてくるし」

調査員2「ああ、あれには驚きましたねー」

調査員1「幸い、山奥に落ちたから被害は出なかったが」

調査員2「ええ。もし街中に落ちてたら大変でしたよ」



調査員1「全く、日本はどうなっちまうのかねぇ・・・」

調査員2「いやぁ、こう色んな事が続くと不安になりますね」



調査員1「最近、身勝手な若者も増えてるって言うじゃないか」

調査員1「何だ、SNSだかインスタだかで目立つために人の迷惑も考えないで・・・」

調査員1「・・・ん?かいていからの映像がやけに揺れるな」

調査員2「え?あ、そうですね」

調査員1「船体にトラブルは?」

調査員2「・・・いえ、計器は今のところ異常はありませんが」



調査員1「海流の影響かもな。かいていのオートバランサーをオンにしよう」

調査員2「はい。ちょっと待ってください・・・」カタタ

調査員2「オートバランサーオンにしました」



調査員1「・・・」

調査員2「・・・」

調査員1「・・・うん、揺れは収まったな」

調査員2「ええ」



モニター「・・・」(何か巨大な物体が映り画面が遮られる)

調査員1「ん?何だ?かいていのカメラに何が映ったんだこれは」

調査員2「え?さぁ・・・。何でしょう」



モニター「・・・」

モニター「・・・」(巨大な目が映る)

調査員1「うわぁぁっ!?」

調査員2「なっ、何だ!?」



モニター「・・・」プツッ

調査員1「映像が、消えた・・・。いや・・・。それより、あれは何だ・・・?」

調査員2「あっ、かいていからの信号が全て途絶えました!」



調査員1「あんな巨大な・・・ありえない・・・」

調査員2「くそっ、かいていが何も反応しない!」

調査員1「どんな生物だってありえない、あんな・・・」

調査員2「主任、主任!」



調査員1「あ?あ、ああ」

調査員2「どうします・・・?」



調査員1「そ、そうだな、まず本部に連絡を」

調査員2「はい。・・・?」


グーーーーーーン・・・

調査員1「な、何だ?」

調査員2「船が、持ち上がってる・・・?」



グーーーーーーン・・・

調査員1「・・・」

調査員2「こ、今度は下がった・・・」





調査員1「・・・」

調査員2「・・・」





ドオーーーーーーーーーーーン!


調査員1「うわぁーーーーーっ!」

調査員2「せっ、船体に亀裂が!転覆する・・・う、うわぁーーーっ!」

ザァーーーーー



調査員1「くっ・・・。浸水!脱出だ、すぐ外に・・・」

調査員2「だっ、ダメです!水流が強すぎて・・・うわぁーーーーっ!」

ザァァーーーーー…

ゴボゴボ…















―新聞―


『調査船海峰丸 無人海底調査船かいていと共に行方不明』


昨日未明、関東沖ベヨネース列岩付近の海底火山噴火の調査に向かっていた

海洋調査船海峰丸が、無人海底探査船かいていと共に消息を絶った。

付近では分断された船体の一部が見つかっており、

海底火山の噴火に巻き込まれたものと見られ、海上保安庁による

捜索が引き続き行われているが22名の乗組員の安否は依然として不明・・・


『巨額使途不明金 政府は説明を』


先日、巨額の使途不明金が発覚した問題で、

国民から総理へ説明を求める声が高まっている。

使途不明金は通常の予算には組み込まれない形で秘密裏に運用されており、

その額は推定数千億にものぼるという。この巨額の使途不明金を巡って・・・


『隕石落下の甲府山中 立入り禁止から二年へ』


甲府山中に落下した隕石付近が立入り禁止に指定され二年が経過した。

隕石から放射線が検出されたためで、

現在でも依然放射線の検出は続いているという。

隕石は周辺への影響を遮断するため特殊な建造物で覆われているが、

付近への立入りは政府関係者及び研究者以外は厳しく制限され・・・










                  ゴジラVSウルトラマン









国会議事堂前―――


記者1「待ってください総理、巨額使途不明金について説明を!」

記者2「納得のいくように説明して下さい!」

総理「・・・」

官房長官「・・・」



記者1「我々の税金が何に使われたのか、我々には知る権利があります!」

記者2「会見を開かれる予定は?」

総理「・・・」

官房長官「・・・」



記者1「待ってください、逃げるんですか?」

記者2「国民に向けて何か一言でも!」

総理「・・・」

官房長官「・・・」

バタン



総理「出してくれ」

運転手「はい」

ブロロロ…



総理「・・・ふぅ、うるさい連中だ」

官房長官「ええ、仰る通りですな」

総理「全く、どこから漏れたのやら」

官房長官「まぁマスコミは、これが仕事ですからなぁ」



総理「国民に説明を・・・か」

総理「それが出来れば、こんな気苦労はせんのに」

官房長官「いや、こればっかりは仕方のないことです」

官房長官「あれを国民に知られるわけには行かないでしょう」



総理「ああ」

総理「U計画・・・か」

官房長官「ええ・・・」



総理「全く・・・。いつまで世間の目から隠し通せるものやら」

官房長官「ですが、そうお決めになったのは総理ご自身ですよ」

官房長官「もしあれが公になったら、日本、いや世界中に与える影響が」

官房長官「あまりに大きすぎるからと・・・」

総理「まぁ、確かにそうなんだが」



総理「あんなもの、各国に断りもなしに我々の独断で公表してみろ」

総理「世界中にどんな影響を与えるかわからん」

官房長官「ええ、全く・・・」

総理「経済に与える影響も考えなきゃならん。間違いなく市場に大きな混乱が起こる」

官房長官「ええ、総理の仰る通り」



総理「あれをどうするか、各国の代表で何度か極秘会合を開いたが・・・」

総理「アメリカは、とくにこの件に関して主導権を握りたがっているな」

官房長官「ああ、あれを引き渡せと・・・。そう言っておりましたな」

総理「フン。無茶を言いおって」

官房長官「ええ全く。どうやってあれを日本から運ぶつもりでしょうな」

総理「さぁな・・・」



官房長官「仮に、もし運んだとして・・・。あれを一体どうする積りなんでしょう」

総理「まぁ、おおかた・・・」

総理「軍事目的にでも利用しようと、そう思っているんだろう」

官房長官「ええ、そうでしょうな」



総理「我々はあれを管理下に置き、各国の干渉から守らなくてはいかん」

総理「あれを下手にいじくり回されたら、何が起こるのか想像もつかんからな」

官房長官「・・・」



官房長官「・・・もし」

総理「ん?」

官房長官「もし万が一あれが目覚めて、暴れ始めるようなことがあったら・・・」

総理「だとしたら、大変な事になる」



官房長官「ええ。巨大な体を持ち、何を持ってしても傷一つつけられず・・・」

官房長官「・・・おそらく、現在我々が使っている武器では止めることはできないでしょうな」

総理「だから、そうならないよう日夜研究させているんだろう」

総理「莫大な資金を投じてな・・・」


(ヘリポート)


バタバタバタ…

パイロット「準備はできてます」

総理「ご苦労」

官房長官「いやしかし、こう現場が遠いと大変ですなぁ」



バタバタバタバタ…









甲府山中、U極秘研究所―――


ハヤタ主任研究員「総理、官房長官、お待ちしておりました」

総理「ハヤタ主任。研究はどこまで進んでいる?」

ハヤタ「ええ、これを。昨日ごくわずかなんですが、計測数値に変化が・・・」

総理「歩きながら話そう」



ハヤタ「・・・溶液中の酸素量に変化なし。ナトリウム、リン、その他」

ハヤタ「おおよそ通常の生物が必要とする成分の、溶液中の変化も見られません」

ハヤタ「体表温度も溶液とほぼ同じ・・・」

ハヤタ「また、電波や赤外線、放射線に類する物もこれまで検出されていません」

総理「今までの状態に変化はないのだな」



ハヤタ「ええ。やはり冬眠のような状態にある、という事に変わりはありませんが・・・」

ハヤタ「生体電流だけは変わらず検出され続けています。微弱なものですが」

総理「ああ。それが検出され続けているからあれは生きている可能性がある、
   という事だな」

ハヤタ「はい。我々の常識では、とても考えられませんが・・・」



ハヤタ「それで昨日、その被検体から常にごくわずかに検出される生体電流・・・」

ハヤタ「これに、ほんの少し変化が見られたんです」

総理「ほう・・・?」



ハヤタ「時刻でいうと、昨日の午前11時ごろ・・・」

ハヤタ「ごくわずかですが、数値の上昇が見られました」

総理「あれが動き出す前兆か?」

ハヤタ「いえ、その後数値は平均値に戻りましたから・・・」

ハヤタ「おそらく、一時的なものだろうと」

官房長官「原因は、何かわかったのかね?」



ハヤタ「いえ、まだはっきりとはしないんですが・・・」

ハヤタ「ただ、仮説を立てて見ました」

総理「仮説?どんな仮説を?」



ハヤタ「ええ。昨日、これまで度々あった被検体の生体電流が上昇した時のデータと・・・」

ハヤタ「最近起こった地震のデータを照合して見たんです」

総理「地震のデータ・・・?」

官房長官「それと、あれに何か関係があるのかね?」



ハヤタ「ええ。それが被検体の生体電流が上昇した時と・・・」

ハヤタ「地震が起きた時に、強い関連性があったんです」

総理「ほう・・・」

官房長官「具体的には、どういった関連性かね」



ハヤタ「具体的にはですね、地震の規模が大きければ大きいほど」

ハヤタ「また、発生地が被検体に近ければ近いほど・・・」

ハヤタ「被検体から強い生体電流が検出される傾向があります」

総理「地震・・・か。つまり、地震があれを目覚めさせるきっかけになると?」

ハヤタ「可能性はありますね。ですがあくまで仮説ですし、
    いくつかデータが合わない部分もあって・・・」



総理「それがわかっただけでも、大きな進歩だな」

ハヤタ「はい。ただ、問題も山積みです。地震の何に反応を示しているのか・・・」

ハヤタ「地磁気の変化なのか、それとも地震特有の振動に対してなのか」

ハヤタ「出来る範囲で色々試している所ですが、有効な結果が得られなくて・・・」

総理「まぁいい。その線で引き続き研究を続けてくれ」

ハヤタ「はい」



総理「・・・そう言えば、昨日も生体電流の変化があったと言ってたな」

ハヤタ「ええ、そうです」

総理「昨日は、とくにどこにも地震はなかったと思ったが」

ハヤタ「ああ、昨日は・・・」



ハヤタ「関東沖のベヨネース列岩付近で地震があった筈です」

総理「あの付近で・・・?」

ハヤタ「ええ。昨日、調査船が乗組員と共に海底火山の噴火に巻き込まれる
    痛ましい事故があって・・・ですので」

ハヤタ「海底火山の噴火に伴って、その付近で地震が発生していた可能性が高いんです」

総理「・・・そうか。ああ、確かにそうニュースになっていたな」



ハヤタ「もっと、データが揃えば詳しい事もわかるはずですが・・・」

総理「ああ。何かわかったら、すぐに報告してくれ」

ハヤタ「はい、わかりました。・・・ではこちらへ」


U格納プール―――

体育館ほどの巨大な真っ暗な空間。

そこに照明が灯ると、

水の張られた大型プールの底に仰向けに横たわるようにして

巨大な人型の何かが横たわっているのが見える。


総理「・・・」

官房長官「・・・」



総理「二年前・・・」

総理「これが・・・。何の前触れも無く宇宙から降ってきた」



総理「世間を欺くために、放射能のある隕石が落下したとして」

総理「この周囲を立ち入り禁止とし、巨大な研究施設を築きあげ覆い隠した」

総理「莫大な資金を、秘密裏に使ってな・・・」

官房長官「はい・・・」

ハヤタ「ええ・・・」



総理「我々には想像もつかないほど、巨大な人型をした何か」

総理「二年に渡って研究を続けてきたが・・・」

総理「これが一体何なのか、未だ謎に包まれている」

官房長官「・・・」

ハヤタ「・・・」



総理「身長約80メートル超。体重およそ7万トン」

総理「体は、柔らかな金属のような・・・。我々が用いる道具では傷一つ
   つける事のできない、未知の物質で出来ている」

総理「もし、これが・・・。動き出し、暴れ始めるような事があれば」

総理「恐らく、現在の我々に止める手立てはない・・・」

官房長官「・・・」

ハヤタ「・・・」



総理「U計画。・・・正式名称ウルトラ計画」

総理「これの正体を突き止め、万が一動き出して暴れ回るような事態を」

総理「何としても防がなくてはいかん」

官房長官「ええ・・・」

ハヤタ「そうですね・・・」



総理「・・・これは一体、どこから来たというのか」

総理「超人類、という意味をもつ名の・・・。コードネーム」

総理「ウルトラマン・・・」












今日はここまでにします
毎日更新(予定)ですがどうなるかは未定です

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