お前らとゾンビと夏(12)

とにかく日本にゾンビが現れた。
昼下がりの街角、交差点の真ん中で臓物を食い散らかすゾンビとパニックを起こす大衆。
その中にお前らは居た。糞尿と涙を垂れ流し、老婆だろうが押しのけて逃げ惑うお前らが居た。

やがて息が切れ掛かる頃、お前らは中規模のホームセンターを発見する。
お前らは閃く。ゾンビといえばホームセンターだ、なんかの映画か対策スレでみたぞと。
お前らは最後の力を振り絞りホームセンターの中へ飛び込んだ。

女「きゃあっ!? は、入ってきた、入ってきたよ!?」

男「ち、近づくな!」

幼馴染「バット下ろすんだ男! 人かもしれない!」

男「襲ってきた奴らだって人だっただろうが!」

幼馴染「あいつらは違う! あれは人じゃない!」

男「どっちだって同じだ! 起き上がったら襲ってくるぞ!」

糞尿の染み渡った下半身の嫌悪感と息苦しさが、お前らの頭から吹き飛ぶ。

お前ら「>>2

汚物は消毒だ~~!!

お前ら「汚物は消毒だ~~!!」

響き渡る絶叫、鳴り止まぬサイレン。世はまさに世紀末。
正気を保っていられる方がおかしいのだ、ましてやお前らなど言うまでもない。
声を上擦らせながらお前らはDIYコーナーに走り出した。

女「あ、あの人が持ってるのって火出るやつでしょ!?」

幼馴染「火炎放射器だ!」

男「お、落ち着け!!」

少年少女の声はお前らの耳に届かない。
お前らは汗で滑る手に苛立ちながら包装を剥ぎ、火炎放射器にボンベをセットした。

男「やめろぉぉ!」

お前らは弱い。雨が降ろうと槍が降ろうとゾンビが現れようと、それは変わらない。
か細い腕は簡単に締め上げられ、健康的な少年が馬乗りになる。

男「な、なに考えてんだあんた!!」

お前ら「>>4

決まってるだろ 血祭りにあげるんだ

お前ら「決まってるだろ 血祭りにあげるんだ」

女「もうやだよぉ……」

この地獄の中で辛うじて正気を保っていた少女も、お前らの狂気には耐えられなかった。
少年はくずれおちる少女を励ましながら、もう一人の少女に目配せをする。

幼馴染「ダクトテープがあったぞ!」

お前らは為す術もなく両手を拘束され、肥料の棚に放り出された。

男「こんな奴が来る場所にはもう居れない。とにかくここを出よう」

幼馴染「ああ、危険なのはあの化け物だけじゃないようだ」

少年達はお前らを警戒しながら出口に向かっていく。
もうお前らが掛けられる言葉はない。彼らはお前らとは別の道をいく。

お前らは死人が闊歩する異常事態においても、仲間一人つくれなかったのだ。

そしてお前らは>>6

幼馴染と中出しセックス

そしてお前らは幼馴染と中出しセックス

幼馴染「や、やめっ……やめろっ!離せ!」

少女の長い髪を強く引き寄せながら、お前らは腰を振り続ける。
やがて白く濁った糸が見え隠れしはじめると、少女はお前らの腰の動きが段々速まっていることに気がついた。

幼馴染「っ! やめ、て……お願いします……やめて下さい」

少女の頬を涙が伝う。お前らにとってはそれは、血を滾らせる材料にしかならないのだ。

幼馴染「や、やだ! や――」

何度も強い破裂音を響かせていたお前らの腰が止まる。
鼻につく臭気が漂うホームセンターの中心。なにかを諦めた表情で、少女は瞼を閉じた。



――お前らはいつ現実に戻ってくるのだろう。
一人ホームセンターの床に腰を擦り付けながら、恍惚とした表情を浮かべるお前ら。
少しだけ外の騒音が収まる。あの三人はきっとうまく逃げ延びただろう。

そしてお前らは>>8

ゾンビにもスルーされてしまっていた

そしてお前らはゾンビにもスルーされてしまっていた

ゾンビ「アアァ……アァ? アァァァ」

意識が混濁してしまう程情動を吐き出したお前らは、すぐ横を通り過ぎるゾンビに気づかなかった。
ゾンビも同じだ。あらゆる機能で人間を追い詰める筈のゾンビが、まるで気づいていないかのようにお前らから遠ざかる。

ゾンビ「オオォォォ……オ、オ? え? オォォォォ」

一人。

ゾンビ「アァァア、アァァ、ア……ウワァァ……」

また一人。

何故だろう。人間を見つけ出した途端に食らいつく筈のゾンビ達が。
人間であれば、容赦なく襲い掛かる筈のゾンビ達が――。

お前らはもう、人間として認識されていないのだろうか。

お前らはきっとこの世の終わりまで、このホームセンターで甘い妄想に浸り続けるのだろう。
これがお前らとゾンビと夏に起こった、淡く物悲しい物語の顛末である。


ゾンビ映画のパイオニア、ジョージ・A・ロメロ監督のご冥福と、お前らの社会復帰を切に願う。


ゾンビ観よう

>>9
「え?」じゃねぇよ、素に戻ってんなw

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