海未「小料理屋の園田海未です」 (317)

海未「ふう、今日もお客様が沢山来てくださいました」

海未「売上が上がるのは嬉しいのですが忙しいのは中々身体にきますね」

海未「しかし今日もあの二人が来るのですからもう一踏ん張りです」

カランコロン

海未「来ました!」

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にこ「ういーっす。今日もにこにーが来てやったわよ~♪」

海未「すみません当店はアイドルの方はお断りしてまして」

にこ「ぬわんでよ!この前私の後輩がアンタの店来てたわよ!」

海未「申し訳御座いません・・・当店のウェルカムジョークですよ」

にこ「小料理屋には似合わない洒落ね」

海未「そう言いながら私の冗談に付き合ってくれるにこは優しいですね」ニコ

にこ「当ったり前よ!NO1アイドルは優しさも必要なのよ!」ドヤ

海未「それでは何か作りましょうか?」

にこ「ん、じゃあ焼き鳥頂戴」

海未「畏まりました」

にこ「あ、後日本酒の冷もお願いね」

海未「はい」

海未(目の前に座っている彼女は私の友人であり、トップアイドルとしてその名を馳せている)

海未(その人並み外れた情熱と精神力に幼少時代からの知識と経験を活用して芸能界入り)

海未(瞬く間にライバル達を押し退け、現代ではアイドルと言えば矢澤にこの名を知らない者は居ないと言われる程になった)

海未(そんな彼女が友人の私が経営する小料理屋で焼き鳥をつまみに日本酒をあおっていると誰が思うのだろうか)



海未「ふふ」

にこ「ん、何1人で笑ってんの?」

海未「いえ。普段のにこなら甘めのアルコールを頼むだろうと思いましてね」

にこ「そりゃあアイドルのにこならそうするけどね」

海未「今は違うのですか?」

にこ「何よ、プライベートのにこに不満があるって言うの」

海未(ジトッと私を見るにこの姿はどこか大人の女性らしさが出ていた)

海未(普段のツインテールを解いたロングの髪型がよりそう思わせたのだろう)


海未「いえいえ、とても大人っぽいなと」

にこ「意味分かんないわ」

海未「すみません。にこを見るとどうしてもからかいたくなって」

にこ「はん、いじられるのは慣れてるから良いけどね」

海未「それだけ皆にこが好きなんですよ」

にこ「そうだと良いけどね」

海未「・・・はい、焼き鳥出来ましたよ」

にこ「ありがと」


にこ「うんやっぱり日本酒には焼き鳥ね♪」モグモグ


串から豪快に焼き鳥を頬張るにこの姿に少しだけ笑みが零れた
やはり彼女はアイドルである前に1人の女性なんだと


海未「おっともう一人が来ましたよ」

にこ「やっとね」


カランコロン

花陽「こんばんは海未ちゃん♪」

海未「いらっしゃい花陽」

にこ「アンタ遅かったわねー」

花陽「ごめんごめん田んぼの世話してたら遅くなっちゃって」

海未「相変わらず精が出ますね・・・・それで何にします?」

花陽「とりあえずご飯定食と日本酒下さい!」

海未「はい、少々お待ち下さいね」

にこの隣に座った彼女の名は小泉花陽。

アイドル好きであり、にこと同じ高校を卒業している。

その後、農業の道に進んだ花陽は持ち前の温厚さと真面目さであらゆる知識や経験を積み

今では日本の半数以上の農地が花陽の所有物である。

正直、信じられない話だが花陽が時たま嬉しそうに此処とは違う地方の田んぼの写真を見せてくれる

合成とは思えないその光景に海未は苦笑するしかないのだった。

海未「ご飯定食と日本酒出来ましたよ」

花陽「わーい!これが1日の楽しみなんですよね~」


ご飯定食とは言うが、別におかずも汁物も甘味も白米というわけではない。
念の為に弁解しておくとご飯に合う品物で揃えた一般的な定食である。

花陽「おかわりお願いします!」

海未「はい」

にこ「アンタ良くそんなに入るわね」

花陽「だってここの定食美味しいもん!」モグモグ

にこ「まあ分かるけどね」

海未「有難う御座います」

にこ「あ、そうだアンタも一杯飲みなさい」コトン

海未「え、宜しいのですか?」

にこ「良いわよ、どうせ客は私達しか居ないんだし」

花陽「うんっ!海未ちゃんもこっち来て!」


有名人となった2人だがこういう時は無邪気な子供の様だ。
しかし友人と語らいながらの酒飲み程、魅力的な誘惑も無かった。


海未「・・・それではお言葉に甘えましょうか」


3人の夜はこれから始まるのだった。

プロローグ終了です

これから長丁場になるかもしれませんがどうぞ宜しくお願いします。

朝の5時に海未は料理の仕込みを始める。

昨晩はすっかり飲み明かしてしまったため、唸る頭の痛みを堪えながらの作業だ。

いろんな意味で頑丈な海未もこれには参ってしまった。


海未「しかし来て下さるお客様の為です」

海未「私がしっかりしなければお父様達に示しが付きませんからね」

海未ちゃんは今日も真面目だった。

テレビ『という事で最近は通り魔が多発していますので皆様十分にお気をつけ下さい』


壁に掛けられたテレビでは先程捕まった通り魔の模様が映し出されていた。


海未「やはり近頃はどこも物騒ですね・・・」


平和を愛する海未にとっては懸念すべき事だ。

そんな時に店のドアが慌しく開けられた。


バタン!

花陽「海未ちゃん!」

海未「どうしました花陽!?」


息を切らしながら入ってきた花陽の右手には新聞が握られていた


海未「新聞など持ってどうしたのです?」

花陽「と・・とりあえずこれ見て!」


そこには花陽の故郷である音ノ木の田んぼが見るも無残に荒らされている写真が写し出されていた。

海未「な、何ですこれは!?」

花陽「分かんないの、お昼に様子を見に行こうと思ってたんだけど」

花陽「新聞にこの記事が出た時は吃驚しちゃって」

花陽「花陽が一生懸命作った田んぼがぁ・・・ぐすっ」


必死に涙を堪えていた花陽だったが最後まで言い切って泣き出した。
海未は黙って花陽を抱きしめる。

花陽「ひぐ・・・海未ちゃん?」

海未「辛かったでしょう花陽、ですがこれで参ってはいけませんよ」

花陽「うん・・うん」

海未「必ず犯人を見つけて懲らしめてやりましょう」

花陽「うん・・ありがとう海未ちゃん・・」


未だ涙を零す花陽を優しく抱き止める。


海未(しかし誰の仕業なんでしょう・・・?)

そんな2人のもとにもう一人の来客が訪れる。


にこ「海未ー居る?」

花陽「にこちゃん!」

海未「にこ・・・すみませんが只今取り込み中で」

にこ「その事だけど早速行くわよ」

海未「はい?何処にですか?」

花陽「?」


にこの発言に首を傾げる2人。
そしてにこはとんでもない事を言った。


にこ「今朝の田んぼ事件の犯人が分かったから」

うみぱな『え!?』

音ノ木坂


海未「にこ!先程のはどういう事なのですか?」

にこ「言葉の通りよ」

花陽「もしかして捕まえる事が出来るの?」

にこ「そうね、私の知り合いが2人ともその道のプロだから」

海未「プロ・・・?」


そんな会話を交わしながら3人はある場所に辿り着く。

にこ「ここに2人が居ると思うんだけど」

海未「神田明神じゃないですか」

花陽「ほんとに居るのかなあ・・・」


海未と花陽が一抹の不安に駆られる中、3人の前に目的の人が居た。

?「はぁ~い♡久しぶりねにこ」

?「急に連絡来たから吃驚したやん」

にこ「悪かったわね希、でも暇そうだから良いでしょ」

希「まあなー、でも絵里ちはここいて大丈夫なん?」

絵里「平気よ、こう見えても組織には顔が利くから」


巨乳の金髪と巨乳の紫髪が貧乳の黒髪と会話している。
光景はシュールながら海未と花陽はすっかり面喰らっていた。

花陽「ふわあ・・・何か凄そうな2人だなあ・・・」

海未「すみませんお三方」

のぞにこえり『ん?』

海未「あの・・にこと其方のお二人はどういった関係で?」

にこ「ああ、こいつ等は私の旧友よ」

希「希って言うんよ宜しくな」

気さくに手を差し出す希に海未は戸惑いながらも手を握り返した

海未「あ、宜しくお願い致します」

絵里「ねえそこのキミ」

花陽「はぃい!」


急に呼ばれて声を飛ばすように返事をする花陽。
そんな花陽に絵里はクスッと笑みを零す。


絵里「そんな驚かないで。貴方と仲良くしたいんだからね?」

花陽「あ・・・スミマセン」


すっかり緊張した面持ちで顔を伏せる花陽。
そんな花陽の頬を掴んだ絵里はそのまま顔を近づけた。

花陽「あ、あの貴方のお名前・・・ひゃあう!」


花陽の目と鼻の先に絵里の顔があった。
綺麗で整った絵里の顔は女の子の花陽ですらドキドキさせるのだった。


絵里「あんまり恥ずかしがると・・・・・・」

絵里「チュウしちゃうわよ♡」

花陽「っ!?!?」


後、少しで唇が触れる状態でそう囁く絵里。
人見知りの花陽の心臓は破裂寸前だ。
このままでは本当にチュウしちゃう所でにこの突っ込みが入る。


にこ「やめろ」

絵里「あん痛い♡」

にこ「ったくこのロシアンレズめ」

絵里「もう・・・クォーターって何時も言ってるでしょう?」

希「どっちでもええやろそんなん」

絵里「希まで何よぉ!」


プンプンとした感じで怒る絵里だが、3人なりのじゃれ合いである事は海未にも分かっていた。


海未「あの・・・そろそろ本題に入っても宜しいですか?」

にこ「あー、ごめんねこいつ等が馬鹿やってるせいで」

希「うちは違うよ!」

絵里「馬鹿はにこの方でしょ?」

にこ「あん?」


長身ロシアと低身ジャパンが睨み合う。
しかし海未はそれ以上だった。


海未「ちょっと・・・お三方」

にこえり『何よ!』

希「んー?」

海未「少々話を聞いて下さいますか?」


顔はニコリとしているがその背中には鬼が見えた。
そんな海未に3人は


にこのぞえり『すみませんでした』


ジャパニーズ式土下座を行うしかなかった。


海未「はい、では詳しい話をしましょう」

そして一通りの話を終え


にこ「あんた等準備は出来てんのよね?」

希「バッチリやん」

絵里「何時でもOKよ」


海未「準備ですか?」

花陽「何だろう・・・」

にこ「まあ着いてから分かるわよ」


一同は事件の起きた田んぼに向かうのだった。

絢瀬絵里:警官

日本とロシアのクォーター
レズであり可愛い女の子はとにかくマークする
銃の扱いと事件解決率は組織トップ


東條希:探偵

表向きはバーのマスターだがその正体は探偵。
得意の占いで100%の依頼達成を誇る。
何かとにこをからかう癖がある。

にこ「これが田んぼなのよね?」

花陽「うん・・・」

海未「見れば見るほど無残ですね・・・」

絵里「でもこれだけでは誰が犯行に及んだかは分からないわね」

希「絵里ち、これを人力でやるのは不可能やよ?」

絵里「え、私はてっきり大人数でやったのかと」

にこ「やるとしてもこれだけ広い田んぼをめちゃくちゃにするメリットが無いし時間も掛かるでしょーが」

花陽「確かに2000坪はあるもんね」

絵里「ハラショー・・・じゃあ誰がこんな事を?」

にこ「うんちょっと絵里黙ってて」

にこ「こんな時は希の出番ね」

希「うん!ウチに任しとき!」


そういうと希はカードを取り出した


海未「それは何です?」

希「ウチ占いが得意なんよ。だからこれで花陽ちゃん達の手助けが出来るかなって」

にこ「良いからさっさとしなさい」

希「そう急かさんでええやん。じゃあやるよ」


そう言うと希は目を閉じカードに祈りをこめる。


希「くぬぬぬー・・・・・・」


海未「あれで分かるのでしょうか・・・?」

花陽「でも何か凄そうだよぉ!」

にこ「ああ見えてアイツの的中率は100%だから大丈夫よ」


不安そうに希を見つめる海未と花陽
まるで自分の事のように自信有りげに見守るにこ

そして絵里は

絵里「にこ、銃の準備が出来たけど」

にこ「いや危ないわね!仮にもアンタ警官でしょ!」

絵里「だって私の準備ってこれしかないし」

にこ「警棒とかあるんじゃないの?」

絵里「そんな物普段から持ち歩く人居ないでしょ」

にこ「いや銃の方があり得ないから」


やはりロシアの血が流れているのだと実感するにこであった。

希「ん!原因が分かったよ皆!」

花陽「ほんと!?」

にこ「やっとね」

希「待たせてごめんな。でもここからそう遠くない場所に根源があるから」

海未「どの方角でしょうか?」

希「西やね」

にこ「よし行くわよあんた達!」


にこは勇んで駆け出す。

その背中は小さくも頼れる背中だった。


絵里「にこ!そっちは東よ!」

海未「あらもうあんな遠くに・・・」

花陽「にこちゃ~ん!!戻ってきてー!」

希「まあまあ後から来るやろ」


やはりにこはどんな時でもにこらしかった。

希「あれや」


希が指す先にはまるで妖怪の様な物体があった。
その物体は赤、茶、黒を混ぜた様な不気味な体色に
大きな口と長い舌で農地を荒らしまわしていた。


花陽「ひぃー!!」

海未「うっ・・・あまり直視できませんね」

絵里「何なのあの怪物は!?」

希「分からんけど多分物の怪みたいな感じのやつやね」

絵里「銃は効くのかしら」


絵里はそういった直後に愛用のピストルで物の怪の身体を狙った。

希「多分効くんやないの?」

海未「あまり怒らせてはいけないのでは・・・?」

花陽「でも早くしないと田んぼがどんどん荒れちゃうよ!」


「グォォォォ・・・・・・ズズッズ・・ズッ」

花陽の言う通りであり怪物は今もなお田んぼの水や農作物を
まるでスープの様に飲み込んでいく。


絵里は物の怪の頭に狙いを定め


絵里「お食事中悪いけど・・・消えてもらうわよ♡」バァン


容赦なく発砲した。

「グォォ・・・オオオ!?」


絵里の撃った弾は正確に物の怪の頭にヒットした。


花陽「やった!」

海未「かっこいいですよ絵里!」

絵里「ハラショー♡」


しかし

希「まだやで」

えりうみぱな『え?』


確かに銃弾は頭に当たったが物の怪は倒れなかった。

そればかりか


「グオオオォォォォォ!!!!」


生半可な痛みに怒りを露にした。

希「やばいやん・・・怒らせただけやで絵里ち!」

海未「そうですよ絵里!」

花陽「何やってんの絵里ちゃん!!」

絵里「何で私が責められてんのよ!?」


物の怪さえ居なければ日常あるあるであろう。

しかし今は目の前の物の怪を何とかしなければならない。


希(ていうかにこっち遅すぎやない・・・?)

もしかして本当に迷子になったのかと不安を感じる。
さっきはにこを軽くいなしたが希にとっては大事な親友。
身の危険に晒されているのであれば助けに行くべきだ。


希(でも目の前の物の怪が気になるしなあ・・・)


そんな状態で立ち往生する希に物の怪は舌を伸ばした。


希「・・・えっ?」


そしてあっという間に希は物の怪に捕まってしまった。

希(や、やばいやんこれ・・・)


ぐるぐるウインナーの様に物の怪の舌を体に巻きつけられる。


希「お、おーい!絵里ち!花陽ちゃん海未ちゃん!」


必死に大声を出す希に先程まで言い合いをしていた3人はようやく気づく。


絵里「希!?」

海未「物の怪に捕まっていますよ!!」

花陽「ど、どうしよう・・・!」

絵里「銃は効かないのよね・・・じゃあ物理攻撃は全般的に無効って所かしら」

冷静に敵を分析する絵里。
しかしそんな状況ではない筈だ。

希(いやそんなん分かるやろ・・・)

もはや心で突っ込むしかない希に物の怪は大きく口を開けた


「ズオオオォォォォ!」


『希(ちゃん)!』


希(ま、まずいなこれ・・・)


万事休すかと思われたその時

にこ「こら――――――――!!」


まるでマラソンのアンカーの様な走りでにこがやってきた。


にこ「希!!何処に居るのよ!!」

絵里「あそこよあそこ!」

にこ「あん!?何やってんのあの馬鹿は!」


海未「にこ・・・品がありませんね」

花陽「にこちゃん・・・仮にもアイドルだよぉ・・・」

もはやトップアイドルとは思えない言動と形相に海未と花陽は苦言を漏らすしかなかった。

にこ「希ー!何捕まってんのよ!」

希「しゃあないやろ!それより食べられそうなんよ!」

にこ「しょうがないわね、さっさと助けるわよ!」

にこ「全くアンタが方角言わないからこんな事になったんじゃないの!」

希(いや言ったけどな)

にこ「まあ主役は遅れてくるって言うし~?にこ的にはカッコいい所見せれるから良いけどぉ~♡」

希「何言うてんの、はよ助けてや」


もはや突っ込み疲れた様だ。

にこ(普通の攻撃は通らなそうね)

にこ(じゃあ・・・舌を切るしかないわ)


サバイバルナイフを取り出したにこは物の怪に近づく。

「ズオオォォォ!」

近づかせまいと物の怪は大きく舌を薙ぎ払う。

希「危ない!」

その拍子に希の身体は舌から離れた。

絵里「希!」
希「絵里ち!」

絵里は落下する希の身体を綺麗に受け止めた。

花陽「希ちゃん!」

海未「大丈夫ですか希!」

希「大丈夫やよ。心配かけてごめんね」

絵里「ホントよ・・・無事で良かったわ」


特に目立った怪我も無いのでひとまず安心する一同。
後はにこが物の怪を倒せるかどうかだ。


希(頑張りやにこっち!) 

「ズオオォォ!」

にこ「鬱陶しいわね!」


物の怪の機敏な舌の動きに苦戦するにこ。

しかしにこに抜かりはなかった。


にこ「これでも喰らいなさい!」


そこら辺にあった大きめの倒木を物の怪の口内に投げ入れる。

一見すると意味の無い動きに見えるが、実はかなり有効な手段であった。


「ズオオォォォ・・・ォォッ!!?」


そもそもこの物の怪は体の大きさに反して消化能力は高くない。
そのため普段から水や柔らかい農作物が潤沢に存在する田んぼなどを狙っていたのだ。
当然そこそこ大きく太さも十分過ぎる倒木を消化するのには時間が掛かるため、碌に体を動かせない。


「グオォォォォッ・・・」

予想以上に倒木の処理に戸惑っている物の怪に、にこは一気に間合いを詰める。


「ズオオオオォォォッ・・・オオッ」


舌を動かそうとする物の怪だが倒木が口を塞ぎ、全く舌の自由が効かない。


にこ「これで終わりよ!」


にこは物の怪の舌をサバイバルナイフで一気に切り付けた。


「ズオオオォッ・・・・・」


舌を切られた物の怪はそのまま身体を大きく揺さ振る。

そして塩をかけたナメクジの様に身体が溶けていった。


にこ「終わったわ!」


大きくグーをした右手を突き上げ勝利のポーズを取るにこ。
こんな時でもアピールを忘れないパイセンだった。

にこ「勝ったわよ!」

絵里「やったわねにこ!」

花陽「ありがとうにこちゃん!」

海未「良く勝てましたね・・・」

にこ「まあきつかったけどね」


珍しく素直に返答するにこ。
流石に大変だった様だ。

希「にこっち良くやったなあ」

にこ「んー、何か言いたい事あったような」


多少の疲労ですっかり希への文句も忘れていた。
しかし大体にこが悪かったのだが。


花陽「とにかく、お疲れ様にこちゃん♪」

にこ「ありがと。今すぐ海未の小料理屋で休みたい気分だわ」

海未「私の店を溜り場にしないで下さい!」

にこ「良いじゃないのちょっとくらい♪」

希「あ、じゃあウチらもお邪魔しようかな♪」

絵里「ごめんね海未♪」

海未「貴方達・・・仕方ありませんね」ハア


3人の明らかなウキウキムードに断り切れない海未であった。


にこ「よーし!じゃあ今から海未の店までダッシュよ!」

絵里「ビリはジュース奢りね!」

花陽「えぇ!?」

にこ「ぬわんでよ!」

絵里「じゃあ行くわよ。よーいドン!!」

急な提案をして急なスタートを切る絵里。

しかし絵里は小料理屋の場所を知らない為おそらくビリだろう。


にこ「何やってんのアイツ・・・」

希「まあまあえりちは放っといて海未ちゃんの小料理屋行こう?」

花陽「はぁ・・ご飯定食楽しみだなあ」

海未「では帰りましょうか」

にこ「そうね」


ちなみに絵里が小料理屋に辿り着いたのは4人が到着した2時間後だった。

今日はこれまで

4人が小料理屋に到着する少し前、絵里は何処かの河川敷を走っていた。

絵里「この速さなら1位余裕ね!」

絵里「ジュースは私の物よ」ドヤ

しかし暫くして

絵里(・・・あ、私小料理屋の場所知らないわ・・・)

絵里「ていうかここどこよ?」

足を止めて河川敷を見渡す絵里。

そんな絵里の前を人が通る。

長い橙髪の女の子は速い足で河川敷を駆け抜けた。


絵里「あの子足速いわね・・・しかも可愛い女の子じゃない」

そしてレズの血が騒いだ絵里は

絵里(あの子を私の物にしてやるわ!)

猛ダッシュで前方の女の子に追い付こうとする。

?「ほっほっほっ・・・」

?(何か後ろがうるさいなあ・・・)チラ

女の子は後ろを振り返り、自身も猛ダッシュする。

?「う、うわああああ!!!!」

?(なになになになに!?!?何であの人追いかけて来るの!!??)

絵里「そこの君止まりなさい!」

?「やだよ!!!」

絵里「大人しく止まったらキスだけで勘弁してあげるわ!!」

?「何それ!?止まらなかったら何されるの!?」

絵里「そりゃあもう色んな事するわよ!だから止まりなさい!」

?「やだやだ!そんな事聞かされたら誰だって絶対逃げるよ!」

絵里「じゃあ止まらなくてもキスだけで良いから!」

?「やーだー!!」

夕日が眩しい河川敷で2人は騒がしい追いかけっこをしていた。

小料理屋


花陽「ごっはんごっはん~♪」

希「海未ちゃん焼肉定食!」

海未「どうぞ」

にこ「海未、ナイフ洗わせて」

海未「良いですよ」

希「ていうかにこっちのナイフここにあったやつなんやなあ」

にこ「一応の事があったら危ないから持っていったのよ」

にこ「役に立ってよかったわ」

海未「刃毀れなどしてませんか」

にこ「んー、大丈夫そうね」

花陽「そのナイフってにこちゃんが買ったやつなの?」

にこ「いや、元は海未が持ってたやつよ」

海未「登山時に使用していたのですがこれより良い物を見つけまして」

希「海未ちゃん登山やるんやなあ」

海未「おや、希もですか?」

希「うん。というか旅行とか好きかな」

にこ「あんた等気が合いそうね」

海未「そうですね!今度エレベストとかエルブルスに登りましょう!」

海未「山頂アタックです!」

にこ「出たー海未のお気に入り」

希「あはは海未ちゃん面白いなあ」

カラン

凛「にゃあああああああああああああああ!!」

海未「凛!」

にこ「凛!」

花陽「リンチャンドウシタノオオオオオ!?」

希「誰!?」




海未「・・・成る程、不審者に追いかけられたと」

花陽「ええぇ!?凛ちゃん大丈夫だったの・・・?」

凛「大丈夫だけど多分ここに来るかもしれないんだ!」

にこ「そうよね・・凛を追いかけて来てるわけだし」

希「あのー」

にこ「どうしたの希」

希「全然事情が飲み込めないんやけど・・・誰?」

凛「星空凛だにゃ」

希「ウチは希。よろしくな♪」

凛「よろしくにゃ!」

にこ「はいはい。挨拶は後よ」

海未「そうですよ、凛のストーカー被害の対策を考えなければ!」

花陽「とりあえず凛ちゃんはカウンターの下に隠れて!」

凛「分かったよ!

カラン

『っ!!』

絵里「はぁ・・はぁ・・ここかしら・・・?」

海未「あ、絵里じゃないですか」

希「どうしたん?」

絵里「ここに橙髪の子来てない?」

花陽「えっ!?」

にこ「あんたかあああああ!!」

絵里「え、どうしたのにこ・・・って痛い痛いギブギブ!!」


にこの関節技に音を上げる絵里であった。


凛「もう!凛ほんとに怖かったんだからね!!」

絵里「反省してます・・・」

にこ「ほんと?」

絵里「え、ええ・・・だからキスだけ・・・」


花陽「お釜で30分間蒸してあげましょうか」ニッコリ

絵里「うん、笑顔で非人道的な事言わないで」

海未「非人道的なのはどちらですかね」シュッシュッ

絵里「うん、包丁を研ぐのはやめて」

にこ「その大きな胸を削ぎ落としてやりたいわ」

絵里「うん、それって私情が半分位入ってるわよね?」

凛「ああもう皆!凛もう怒ってないよ」

絵里「星空さん・・・?」

希「凛ちゃん?」

凛「だって悪い人じゃなさそうだし・・・」

凛「それに・・こんな綺麗な人にならちゅーされても良いかなあ///」


花陽「リンチャンナニイッテルノオオオ!?」

にこ「凛が良いなら良いけど・・・」

海未「凛はこの痴女を許すのですか?」

絵里「痴女って・・・」ガーン

希「いや当たり前やん」

凛「とにかく凛に悪戯しないって約束するなら良いよ!」

絵里「・・・分かったわ」

凛「じゃあ指切りするにゃ!」

絵里「ええ」


えりりん『指切りげんまん嘘付いたら針千本のーます!』

花陽「凛ちゃん優しいなあ・・・」

にこ「まあ追いかけられただけだしね」

海未「それでもあれは優しい方ですよ」


希「(色々付いてけんわあ・・・)」

凛「へえー、希ちゃんと絵里ちゃんってにこちゃんの友達なんだね」

絵里「そうよ」

希「ちょっと前からやけどな」

凛「ふうん。あの寒いにこちゃんがねー」

にこ「だぁれが寒いって!?」

凛「だっていっつもTVで『にっこにっこに~♡』って」

花陽「可愛いよね!」

海未「確かに愛らしいです」

にこ「当然でしょお?」

凛「やっぱり寒いにゃ」

にこ「何ですって!」グリグリ

凛「痛いにゃー!」

絵里「ふふっ♡凛とにこは仲が良いのね」

凛「凛がにこちゃんに付き合ってあげてるだけだよー」

にこ「ふうん?じゃあもう凛にはラーメン奢ってやんないわよ」

凛「にこちゃん大好きだにゃー!」

にこ「くっ付くな!」グイグイ

希「仲ええやん♪」

花陽「凛ちゃんにこちゃんだけにああやって甘えるの♪」

のぞえり『ほぉ~』

海未「2人とも何ニヤニヤしてるんですか・・・」

にこ「まったく・・・海未、凛にラーメン作ってあげて」

海未「もう調理し始めてますよ」

にこ「はやっ」

凛「凛と海未ちゃんは以心伝心なんだにゃ!」

花陽「凛ちゃん難しい事知ってるねえ♡」ナデナデ

凛「にゃあ~^」

絵里「あ、海未私にも何か作ってちょうだい」

海未「良いですよ何にします?」

絵里「ペリメニが良いわね」

海未「はて、ロシアの料理ですか?」

にこ「餃子みたいなものよね」

絵里「ええ」

海未「それなら得意分野です!すぐに作りますからね」


店全体に中華の良い香りが漂う。

希「ここって小料理屋やろ?」

凛「海未ちゃんはああ見えて中華料理が得意なんだにゃ」

花陽「ご飯が進むんだよねぇ♪」

にこ「食べ過ぎんじゃないわよ」むに

花陽「ぴゃあっ!お腹つままないでぇ・・」

凛「凛にも触らせて!」

希「うちも!」

花陽「ダレカタスケテー!」

かよちんのお腹は触り心地が良かった。

にこ「しかしあの物の怪は何だったのかしらね」

絵里「確かに気になるわね」

凛「物の怪?」

にこ「そう。さっきにこが倒したんだけど」

凛「嘘だよー、にこちゃん弱いじゃん」

花陽「本当だよ凛ちゃん。ねえ海未ちゃん」

海未「はい、花陽の言う事は本当ですよ」

凛「じゃあにこちゃん、凛と勝負してよ!」

にこ「はぁ!?何でそうなるのよ!」

凛「あー、物の怪は倒せるのに凛は倒せないんだ!」

にこ「・・・分かったわよ!そのかわり容赦しないわよ!」

凛「勿論だにゃ!(ちょろいにゃー)」

希「あれ大丈夫なん?」

花陽「大丈夫だよぉ。にこちゃんと凛ちゃんはたまにああやってお互いを鍛えてるの」

海未「私もたまに2人を扱きますよ」

絵里「ハラショー・・・凛はともかくにこはアイドルよね?」

花陽「にこちゃん曰く、過激なファンに襲われても大丈夫な様にって」


希「にこっちなりに考えてるんやなあ」

海未「そうですね、体を鍛えるのは良い事です」

絵里「でも店の中は危ないわよ?」

凛「にこちゃん外出るにゃ!」

にこ「分かってるわよ!」


そう言って2人は店を出た。


絵里「止めなくて良いの?」

海未「あれも立派な特訓ですから」

花陽「海未ちゃんご飯お代わり!」

希「海未ちゃんこっちもお肉追加な」

海未「はい分かりました」

凛「じゃあにこちゃんいっくにゃー!」

にこ「後悔するんじゃないわよ!」

凛「凛の速さに付いて来れるかにゃ!」


凛は得意のスピードでにこの周囲を走り回る。
にこの視界は凛の残像しか見えていない状態だった。


にこ(やっぱ速いわね・・・)

凛「これでも喰らえー!」

にこ「っ!」

にこに近づく凛。
その一瞬の隙を縫いにこは攻撃する。

にこ「喰らいなさい!」

凛「痛っ!」

にっこにっこにーの手で凛の額を弾いた。
しかし凛の足が脇腹に直撃、にこの身体は上空へと蹴り上げられる。


にこ「ぐっ!?」

凛「かかと落としー!」


そのまま凛は高く飛び上がりにこの頭を蹴り落とす。
強い衝撃を伴い、にこの身体は地面に叩き付けられた。


にこ「う・・・痛いわね!」


よろめきながら立ち上がるにこの身体はたった2回の攻撃でボロボロになっていた。


凛「やっぱりにこちゃん弱いにゃー」

にこ「・・・ふん、油断してんじゃないわよ」

凛「だってもうふらふらしてるじゃん!」

凛「後1発で倒せそうだにゃ」


そう言う凛の頭に異常が起こる。

凛「っ!何・・これ・・・!」


まるで割れる様に凛の頭は痛み出した。


凛「いたたたた!!」

凛(にこちゃんいつ攻撃したの・・・!?)


さっきまでで反撃に移るタイミングは何処にも無かった筈だった。
だが凛は膝を付き仰向けに倒れる。
ズキズキと痛む頭を抑えにこの顔を仰いだ。

凛「痛いよ――――!!」

痛みにのた打ち回る凛に、にこは口を開く。

にこ「アンタがにこを蹴り上げる瞬間」

にこ「額にデコピンしたでしょ」

凛「あっ・・・!?」


確かに凛にもその覚えがあった。
だが人間がデコピンしたぐらいではこうはならない。
しかし凛は現に割れるような痛みを覚えていた。


凛「何でデコピンしただけでこんなに痛いの・・・?」

にこ「それは知らないわよ。でもこの勝負はにこの勝ちね」

凛「えぇーーーっ!?おかしいよもっかい勝負してよ!」

にこ「嫌よ!アンタに2回も蹴られてこっちはボロボロなの!」

凛「あ、にこちゃん待ってよ!」


凛にとって消化不良な勝負が終わった。

海未「あ、二人とも終わりましたか」

凛「まだ痛むにゃー・・・」

にこ「あーあ、脇腹と背中がちょっと血出てるわ」

希「にこっち包帯あるで」

花陽「凛ちゃんも絆創膏貼るよ」


絵里「ハラショー・・2人とも大丈夫?」

にこ「平気よこれくらい」

凛「凛との勝負途中で辞めたじゃん!」

海未「にこ、勝負は決着を付けるまで終われませんよ」

にこ「鬼か!あんた等みたいに無限に体力あるわけじゃないわよ」

凛「凛だって好きで体力が付いたわけじゃないもん!」

希「どういう事なん?」

海未「何、ちょっと登山に付き合わせているだけですよ」

凛「凛は全然登山なんか好きじゃないの!」シャー

花陽「まあまあ凛ちゃん落ち着いて」

にこ「気持ちは分かるけどね」

絵里「そんなに登山って大変なの?」

希「少なくとも旅行気分とかで行ける様なもんじゃないなあ」

凛「そうだ!今度希ちゃんも一緒に行こうよ!」

海未「それは先程私が誘いましたので」


希「いやー・・・やっぱりうち止めとこうかな?」

凛「ダメー!一緒に登山するの!!」

希「にこっちでええやん」

凛「にこちゃんは途中で体力無くなって凛が背負わなきゃいけなくなるからやだ!」

にこ「だからにこは体力無いって言ってるでしょ!」

凛「じゃあかよちんか絵里ちゃん」

絵里「面白そうだけど・・・登山自体あんまり好きじゃないからパスだわ」

花陽「話聞くと大変そうだから・・・花陽もパスで」

凛「ええー!また2人で登るの!?」


海未「皆さんそんなに私と登るの嫌ですか・・・」シュン


この後小一時間しょぼくれる海未ちゃんであった。

今日はこれで終わりです


人物紹介

星空凛:インストラクター
足の速さと身体能力の高さが自慢。
オリンピックにおいては金メダルを総なめしている。
にこを弄り、花陽に甘え、海未に扱かれるという見事なポジション。

にこ『にっこにっこに~♡』

にこ『にっこにっこに~♡』


海未「・・・しかしにこも大変ですね」

絵里「さっきから隙あらばあれやってるわね」

リポーター『という事で矢澤にこさんにお料理を作って貰いましょう!』

にこ『え~!にこに出来るかな~?』


凛「料理なんて何時でも作ってるにゃ」

花陽「にこちゃんの料理美味しいよねえ!」


にこ『出来ましたー!でも美味しいかどうか分かんな~い♡』

リポーター『どれどれ・・・・・・ん!凄く美味しいですよ!!』

にこ『ありがとうございます~♡』


凛「やっぱりテレビのにこちゃん寒いにゃー!」

希「そう言いながらずっと噛り付いてるよ?」

凛「これしか見る番組無いもん」

花陽「うんうん♪凛ちゃんはにこちゃん大好きだもんね♪」

凛「ち、違うにゃ!」

絵里「あらあら、顔が真っ赤よ?」

海未「そうですよ。認めた方が楽になります」

凛「違うにゃ違うにゃー!!」


アハハハ

にこ「ふー、今日も疲れたー」ノビー

後輩「矢澤先輩お疲れ様です!」

にこ「ん、アンタもお疲れ」

後輩「今日は料理の番組だったんですよね?」

にこ「そうそう。急に作れって言われて吃驚したわよ」

後輩「でも先輩って料理上手ですよね?」

にこ「まあリポーターの様子を見る限りは大丈夫そうね」

後輩「凄いなあ・・・私も先輩みたいに色んな番組に出てみたいです」

にこ「アイドルなんだからそれで勝負しなさいよ」ジトー

後輩「あ、そうなんですけど・・・やっぱり業界に居る以上はテレビに出てナンボみたいな所あるじゃないですか」

にこ「まあね。でも実力が無いうちに色々手を出すのは危険よ」

にこ「アンタは十分アイドルの素質があるんだからもっと腕を磨きなさい」

後輩「先輩・・・ありがとう御座います!」

後輩「私もいつか先輩と同じぐらい活躍できる様に頑張ります!」グッ

にこ「ん、頑張りなさい」ポンポン

にこ「ふー、後輩のケアも中々楽じゃあないわね・・・」ガチャ

にこママ「あ、にこお疲れ様」

にこ「・・・ママ~!今日も疲れたー!」ギュー

にこママ「おっと!・・・もうトップアイドルになっても甘えん坊ね」ナデナデ

にこ「だってママしか甘えられる人居ないもん」

にこママ「一応私社長なんだけどね・・・まあ今は二人だけだから良いけど」

にこ「ごめんねママ。お仕事お疲れ様」

にこママ「んー、でも社長って思ったより暇ね」

にこ「うちの事務所少ないもんね」

にこママ「にこと後輩の子が何人かね」

にこママ「でもにこに社長やってくれって頼まれた時は吃驚したけど」

にこママ「意外と楽で経済的にも安定してるから助かったわ♪」

にこ「もうママ!・・・でも急に前の会社やめる事になってごめん」

にこママ「良いのよ別に。もし路頭に迷う事があっても可愛いにこと後輩の子達は私がしっかり守るから!」

にこ「ママ・・・・有難う!」ギュッ

小料理屋


海未「・・・しかし貴方達仕事とか大丈夫なんですか?」

絵里「問題ないわ。組織から長期の休み貰ったから」

希「barは週1しか開いてないし最近は探偵の依頼も殆ど無いんよ」

凛「インストラクターする様な人が居ないんだにゃー」

海未「はぁ・・・花陽やにこは真面目に仕事に取組んでいるというのに」

希「ええやん。海未ちゃんもたまには休んだら?」

絵里「そうよ。肩の力を抜かないと」

海未「その場合にはまず貴方達を出禁にしますが」

『すいませんでした』



カランコロン


にこ「海未ーお酒頂戴」

花陽「ご飯定食お願いしますっ!」

海未「にこ、花陽。いらっしゃいませ」

絵里「ハラショー♡トップアイドルさんがいらっしゃったわね」

にこ「はあ?」

花陽「あ、花陽達にこちゃんが出てたテレビ番組見たんですっ」

希「花陽ちゃんは終わってすぐに田んぼ見にいったんよね」

凛「2人とも忙しいにゃー」

にこ「ふーん、にこの調理姿はぷりちーだったでしょ?」

凛「凛はご飯食べてて分かんなかったにゃ」

にこ「ぬわんでよ!しっかり目に焼き付ける所でしょ!」

海未「にこ、凛も最初から釘付けでしたよ」

希「そうそう、にこっちの発言に丁寧に突っ込んでたなあ」

凛「ちょ、希ちゃん!海未ちゃん!何言ってるにゃ!?」

にこ「へえー・・・可愛い所あるじゃなーい♪」ナデナデ

凛「やめるにゃー!」グイグイ

花陽「やっぱり仲良いねえ」

絵里「ハラショーね♡」

ガチャ


佐藤「園田姉さん!」

高橋「ボスから電話ですよー」

海未「は、はい!」

海未「すみません皆さんちょっと席を外します」

絵里「ああ、良いわよ・・・・!?」

希「ん、誰やろあの2人」

『さあ?』

ガチャ

海未「申し訳御座いません・・・急用が出来ましたので今日はお帰り頂けませんか?」

にこ「えーにこと花陽来たばっかりなんですけどー」

海未「こちらの日本酒お土産にして良いですから」

にこ「よし帰るわよあんた等」

絵里「ハラショー・・・」

希「めっちゃ現金やん」

凛「情けないにゃー」

花陽「でもしょうがないよ。にこちゃんのマンション行こう?」

『OK!』

にこ「ちょっ!?・・・・・・仕方無いわねー!」

にこ「じゃあまたね海未」

海未「はい」


カランカラン・・・

海未「・・・もしかして本当にこうなるとは・・・」

海未「いえ、覚悟を決めなければなりませんね」

海未「・・・・・・・・・・・・・・・・・・絵里、本当に貴方が“裏”の人間だったとは・・・」











凛「よーし!今日は朝まで飲み明かすにゃー!!」

花陽「良いねえ!にこちゃんの手作り料理が久々に食べれるよ♪」

にこ「にこ作るって言ってないわよ!?しかももう夜の10時だし!!」

希「ええやん♪ウチもにこっちの料理食べたいし」

絵里「ふふっ楽しみね♡」




絵里(でもあの2人って私の・・・・・・まさか・・・ね)

今日はここまで

海未「その話は本当なのですか!?」



にこ達が帰る前、佐藤と高橋に呼ばれた海未は小部屋でボスと会話をしていた。


ボス『ああ・・・あの絢瀬絵里という女には気を付けろ』

海未「何故です・・・!?私が見た限りではとてもそんな人物には・・・」

ボス『そういう人間に限って裏があるのだ。ましてやあいつは直接的な繋がりがあるのだからな』

海未「そ・・・そんな・・・・・!!」

ボス『とにかく矢澤くんや小泉くんを守りたいなら何か手を考えておけ・・・じゃあな』

そう言いボスは電話を切る。

受話器を置いた海未は暫くの間茫然と立ち尽くしていた。


海未「絵里が・・・にわかに信じがたい事です・・・」

海未「とにかく皆さんを帰らせなければ・・・」

そしてにこ達を帰らせた海未はとりあえず店仕舞いの準備をする。

そんな海未の元に来客が訪れた。


「まだやってる?」

海未「ああすいません、もう店仕舞いなんです・・・んっ!?」

「何よ?」


目の前の赤毛の女性が首を傾げた。

そんな彼女に海未は見覚えがあった。

海未「・・・もしかして西木野真姫さんですか?」

真姫「ヴェェ!?何で知ってんのよ?」

海未「医療の番組に出演していたのを見た事あるんですよ」

真姫「あっそう・・・」クルクル


赤髪をクルクルしながらそっけなく返事をする彼女は何処かあどけなさを感じた。


真姫「ていうか店仕舞いなのよね?帰って良い?」

海未「あ、すいません呼び止めてしまって」

真姫「良いわよ別に、また宜しくね」

そう言いながら帰ろうとする真姫は足を止めた。


真姫「あ、そうそうこの辺にある大きなマンション知ってる?」

海未「はい、東の方向ですよ」

真姫「・・・ありがと」


素っ気無いが少々顔を赤らめて返事をする彼女に海未は微笑ましさを感じた。


海未「・・・まるでにこの様ですね」

所変わってにこのマンション


にこ「うぇ~い!!あんたらもぉ~っと飲みなさいよ~!!」

凛「うにゃあー・・・・頭痛いにゃ~・・・」

花陽「えへへ・・・やっぱりお握りと日本酒の相性最高だよぉ・・・」


アゲアゲのにこ、沈む凛、myワールドな花陽

そして


絵里「のぞみぃ・・・♡」

希「えりちぃ・・・♡」


今にも花園の音楽が聞こえてきそうなのぞえり


酔っ払い特有のカオスワールドが繰り広げられていた。

ピンポーン


?「入るわよ」ガチャ

凛「うにゃあ・・?にこちゃん誰か来たよぉ~・・・」



にこ「ああー!!やぁっとアイツ来たわねぇ~!!」

最早謎テンションなにこ

真姫「にこちゃんうるさい」

クールな真姫

にこ「真姫ちゃん冷た~い♡」

もたれかかろうとするにこ

真姫「はいはい酔っ払いは大人しくしなさい」

座らせる真姫

花陽「あー・・・真姫ちゃんこんばんは~・・・えへへぇ」

目が妖しい花陽

凛「こんばんはだにゃあ・・・うぇぇ・・・」

吐きかける凛

希「ん・・・だれぇ?」

絵里「さぁー・・?」

花園から帰ったのぞえり

よりカオスワールドになった元凶は希と絵里に目を向けた。


真姫「・・・誰この2人?」

にこ「あぁ~ちゃんと説明するわよぉ~」

にこ「とにかくアンタも飲みなさいってえ~」

真姫「ちょちょにこちゃん・・・きゃあー!!」


訳が分からないまま焼酎の一気飲みさせられた真姫。

で、すっかり真姫も出来あがった。

絵里「へぇ~・・・有名人の真姫ちゃんだったのねぇ~♪」

希「もっと飲み~♪」

真姫「うぇぇ・・・飲んでるわよぉ~・・・」

にこ「こらこら2人ともお医者さん潰したらダメでしょ」


すっかり酔いの覚めたにこ。

ちなみにりんぱなは隣の部屋で眠っている。


希「だってにこっちの酔いが覚めてつまんないも~ん」

にこ「希と絵里だってお酒強いでしょ・・・」

絵里「良いじゃないの別に、こういうのは気分と雰囲気よ」



真姫「意味わかんなぁ~い・・・」

にこ「ほら、真姫も隣で眠ってなさい」

真姫「んえ~・・・」


そのまま引き摺られる様にりんぱなの隣で眠らされた真姫。


既に眠っている2人を起こさない様に、にこは扉をそっと閉めた。

にこ「ふうー・・・結局あんたらと飲むのね」

希「いいやん、最近3人で飲めなかったし」

絵里「そうよ。大人の時間と行きましょう?」

にこ「ふん、にこに比べたら皆子供よ」

希「んん~?そんな事言うていいんかな~?」ワキワキ

絵里「ふふっ♡大人なにこちゃんにパフパフさせて欲しいなぁ~?」

にこ「・・・悪かったわね」


2人の巨峰には適わないにこだった。

絵里「でもにこが凄腕のお医者さんと仲良かったなんてね」

希「人生って不思議やんな~」

にこ「一応にこもトップアイドルなんですけど?」

絵里「えぇ~♪こぉんなに可愛いのにー」スリスリ

にこ「スリスリすな!」

希「ほおー・・・あんまり大きく無いなあ」ワシワシ

にこ「胸揉むなっ!!」



にこ「もう気が済んだ?」

のぞえり『うん』

にこ「まあアンタらには経緯ぐらい教えてやろうかしらね」

希「おお!気になるなあ」

絵里「きっと凄い物語なんでしょうね・・・!」

にこ「別にそんなんじゃないわよ」


にこ「あれは6年前の事だったわ・・・」

回想


にこ「ふうー・・・アイドルになって二年・・・」

にこ「それなりにテレビ出演もあって絶好調ね!」

にこ「でも無駄遣いは出来ないわ・・・コンビ二行こうかしら」


コンビ二前

真姫「まったくパパには腹が立つわ」

凛「真姫ちゃんまた喧嘩したにゃー?」

花陽「仲良くしなきゃ駄目だよぉ・・・」

真姫「何言ってんのよ、ちょっとテストの点が悪かっただけじゃないの」

凛「確か90点だったんだよね?凛の家ならご馳走が出てくるにゃー」

真姫「ふーん・・・でもうちは厳しいの。100点じゃなかったらパパが怒るわ」

花陽「真姫ちゃん頭良いもんね・・・」

真姫「そんな事無いわよ・・・あ、凛タバコ頂戴」

凛「はい!でも真姫ちゃんの家ってお医者さんでしょ?」

真姫「別に良いわよ・・・・私人の血とか見るの嫌だし」

花陽「でもお父さんは真姫ちゃんに受け継いで欲しいんじゃないかなあ・・・」



真姫「だとしてもこんなタバコ吸ってる様な娘なんか向こうから願い下げでしょ」シュボ

凛「まあまあかよちんも吸うにゃー」スパッ

花陽「ええっ・・花陽は良いよ・・」

真姫「アンタ何時も吸わないわよね」

花陽「うん・・煙とかでごほごほってなっちゃうから・・・」

凛「かよちんの体は大事だにゃ、凛と真姫ちゃんで吸っちゃお」

真姫「そうね・・・あーあー、何で医者の娘に生まれたのかしらねえ・・・」



にこ「ちょっとアンタ達」

まきりんぱな『え?』

にこ「コンビ二前で屯られると邪魔なんだけど」

真姫「チッ・・・悪かったわね」

凛「あんた誰だにゃ?」

にこ「誰でも良いでしょ・・・じゃあね」

花陽「あ・・・ちょっと待って下さい!!」

にこ「何?」

花陽「あの、アイドルの矢澤にこさんですよね!?」

にこ「そうだけど・・・あんたドルオタ?」

花陽「そ、そうです!」

にこ「へー!それは嬉しいわね!!」

花陽「ま、まさかにこさんも・・?」

にこ「そうよ、アイドルだけどね」

花陽「うわあ!!そんな人に会えるなんて奇跡ですっ!!」

花陽「あのっ、良かったらLINE交換しませんか・・・?」

にこ「良いわよ、にこのファンなんでしょー?」

にこ「それに昔からアイドルトークで盛り上がる友達が欲しかったのよ」

花陽「と、友達・・・///」

にこ「はい、アンタのLINEに入れといたからね」スッ

花陽「あ、ありがとうございます!!家宝にしますっ!!」ペコペコ

にこ「大袈裟ね」クスッ



真姫「花陽のやつってあんなにテンション高かったかしら・・・?」スパッ

凛「凛はこっちのかよちんも好きだにゃー」

にこ「・・・しっかし煙たいわねアンタ」

真姫「はあ?タバコ吸ってたら煙くらい出るわよ」

にこ「ていうかアンタってあの西木野総合病院のやつよね?」

真姫「それがどうしたのよ?」

にこ「煙草なんて吸ってて良いのかしらね」

真姫「・・・何かムカつくわね貴方」

にこ「親の七光りで不良気取りなんて正直情けないんだけど」

真姫「はあ・・・!?打ん殴るわよ!?」

にこ「何よかかって来なさいよ」


挑発をするにこに真姫はグーにした左手を思いっきり振り下ろす

しかしすんでの所で交わされた

にこ「おっそいわねー。喧嘩慣れしてない証拠だわ」

真姫「うっさい!!その顔腫れさせてやるわよ!」

ブンブンと拳を振り回す真姫だが、にこには一度も当たらない

真姫「何で当たらないのよ!」

にこ「・・・もう良いわ」

ドゴッ!!

真姫「ヴぇっ!?」

にこのパンチが真姫の腹部に命中する。

そのまま真姫は地面にうつ伏せになった。

凛「真姫ちゃん!!」

真姫「はぁっ・・・はぁっ・・・痛いわね・・・!」

にこ「殴られるのも慣れてないのね」

真姫は顔を仰いだ。

倒れた真姫を見るにこの目は氷の様に冷たかった。

にこ「ヤカラを飛ばすだけで碌に鍛えてない」

にこ「そんなんで良く不良やれるわ」

真姫「・・・うっさいわね、いつもは凛に任せてんのよ」

真姫「確かにアンタは強いけど・・・凛には勝てるかしらね?」

凛「にゃっ!真姫ちゃんの敵討ちー!!」

ブオン!!

にこ「うおっ!?」

凛「おー、不意打ちのパンチを避けるなんてやるにゃー」

凛「でも凛のスピードに付いて来れるかにゃ?」


そう言うと凛はにこの周りを高速で走る。


にこ「・・・っ!?何この動き!?」


花陽(凛ちゃん・・・あまり傷付けないでね?)

凛(分かってるにゃー!)


アイコンタクトで意思を疎通するりんぱな。

そして凛は右足でにこの身体を蹴り上げた。

にこ「ぐっ!?」

凛「かかと落としだにゃー!」

上空に蹴り上げられるにこ。

その頭上まで飛び上がった凛は、にこの頭目掛けてかかとを落とす。

強い衝撃を伴い、にこの身体は地面に叩き付けられた。


にこ「うっ・・・げほっげほっ!!」

凛「やったにゃー!!」

真姫「・・ふん、口ほどにも無かったわね」

花陽「凛ちゃん!やりすぎだよぉ!!」ブンブン

凛「うええ・・・ごめんだにゃかよちん~・・・」グワングワン

真姫「まあ良いわ、さっさと帰るわよ」


そう言った真姫は凛と花陽を連れて帰ろうとする。


にこ「ま、待ちなさいよ!」

真姫「何?勝負に負けた人が何の用よ?」

にこ「でもアンタには勝ったわよ!」

真姫「凛に負けたでしょ、じゃあね」

にこ「・・・何よ大して苦労してない癖に」

真姫「はあ?」

にこ「にこはアンタみたいなやつは嫌いって言ってんのよ!!」

真姫「な、何よ・・・!!私だってアンタなんか嫌いよ!!」

にこ「親の七光りの癖に!」

真姫「うるさい!!アイドルなんてチャラチャラしたやつの癖に!!」

にこ「何ですって・・・!!!」

怒りに身体を震わせるにこ。

しかしそれ以上に怒りを露にした者が居た。

花陽「真姫ちゃん!!!」

真姫「っ!?花陽・・・?」

普段の彼女からは想像も付かない程の大きい声に真姫は身体を強張らせた。

花陽「今の言葉無しにしてよっ!!」

真姫「えっ・・何が?」

花陽「アイドルはチャラチャラなんてしてないよ!!」ドン!

真姫「きゃっ!」

怒りの余り真姫を突き飛ばす花陽。

そんな幼馴染の豹変振りに凛は顔を伏せる。

凛(かよちんの前でアイドルを馬鹿にしたら駄目だにゃ・・・)

幼少時代に同じ事を言ったクラスの男子の結末を目の前の出来事に重ねるのだった。

真姫「痛たたた・・・ごめん花陽」

にこ「にこにも謝りなさいよ」

真姫「・・・フン、悪かったわね」

花陽「ごめんねにこさん・・・」

にこ「良いわよ、そんな事よりアンタ」

真姫「何?」

にこ「というよりあんた等3人・・・・・・今からにこの舎弟になりなさい!」

そう言って3人にビシッと指を向けるにこ。

真姫「はあ!?」

凛「絶対嫌だにゃー!!」

花陽「やったあ!」

凛「かよちん!?」

真姫「大体何でそんな事急に言うのよ!」

にこ「うっさいわね~!特に釣り目のアンタはにこが絶対不良から足を洗わせてやるんだからね!!」

真姫「余計なお世話よ!」

にこ「橙髪のアンタもついでに不良から更生させてやるわ」

凛「凛に勝ってないのに何で上からなの!?」

にこ「ドルオタのアンタは・・・まあ可愛がってやろうかしらね」

花陽「あ、ありがとうございます!」

凛「何でかよちんだけそんなに贔屓してるの!」

にこ「悔しかったらにこを崇めなさい!」

凛「それだけは絶対ヤダにゃー!!」

にこ「・・・・・・そんな事があってあの3人と今日までやって来たのよ」

希「えっ、もう終わり?」

にこ「そうよ」

絵里「色々無茶苦茶な気がするんだけど・・・」

にこ「まあ細かい話はまたの機会にするわ」

希「何でやーん、もっと色々聞きたいわー」

にこ「もう夜の1時よ?流石に寝ないと」

絵里「ええ~?まだ夜は始まったばかりよ?」

にこ「どこの恋人よ・・・いいからさっさと寝る!」パンパン

希「しゃあないなー」

絵里「じゃあにこを挟んで川の字で寝ましょうか」

にこ「にこは子供かっ!!」

希「よ~しよ~し、のんたんと寝ましょうね~♡」

絵里「あー、希ずる~い!」

にこ「やめなさいよぉ!」


結局川の字で寝た3人であった。



にこ「ふわあ~・・・」

真姫「にこちゃんおはよう」

にこ「あ、早いわねアンタ」

真姫「頭痛で目が覚めたのよ・・・」

にこ「ああ~・・・アンタビール凄い飲んでたもんね」

にこ「はい水、医者の不摂生も程ほどにね」

真姫「ありがとにこちゃん」コクッ


凛「うーん・・・気持ち良い朝だにゃー!」

にこ「おはよー」

凛「おやおや、朝っぱらからお熱ですかにゃー?」

真姫「ヴぇ!?違うわよ!」

にこ「まあにこは~真姫ちゃんと熱々したいけど~?」キャピ

真姫「ヴぇえ・・・///」

凛「真姫ちゃんトマトみたいだにゃー」

にこ「しっかしアンタらも昔と変わったわね」

真姫「フン、不良時代の事まだ根に持ってるの?」

にこ「べっつにー?まあ真姫ちゃんはにこに負けた事は忘れてるけど?」

真姫「覚えてるじゃないのよ!」

凛「その後凛にぼこぼこにされたんだにゃー」

にこ「そうそうあれは無様だったわね」

にこ「って誰が無様よっ!」

凛「セルフツッコミだにゃー」

真姫「キモチワルイ」クルクル

にこ「でもあの時何でアンタ等を舎弟にしたのかしらね」

真姫「それはこっちのセリフよ」

凛「急に言われたよね」

にこ「まあ可愛いアンタ等を放って置けなかったのかしらね~♡」

凛「真姫ちゃん暖房付けてにゃー」

真姫「26度で良い?」

にこ「聞きなさいよ!ていうか思いっきり暑いわよ!」

ガラッ

絵里「おはよ~」

希「おはよー」

花陽「おはようございますぅ・・・」

にこ「アンタ等寝ぼけ過ぎ」

真姫「顔洗って来なさいよ」

凛「かよちんご飯食べるにゃー」

花陽「すぐ洗ってきますっ!」

希「花陽ちゃん早いなあ・・・」

絵里「うぅ~ん・・・くー」

にこ「寝るな」パコン

絵里「あぁ~ん痛い~」

花陽「ご馳走様でした!」

真姫「ご馳走様」

絵里「ハラショー・・・朝は和食よねえ・・・」

にこ「おばちゃんみたいね」ププッ

希「さてと、BARの開店準備しないとなあ」

にこ「あ、今日は開店日?」

希「そうやー常連さんも待っとるしもう行くわ」

凛「行ってらっしゃいにゃー」

にこ「気をつけなさいよー」


BAR

希「さ、今日も頑張ろーっと」

?「すいませーんもう開いてます?」

希「もうちょっと待っててなー・・・あっ!」

希「久しぶりやなあ!」

佐藤「はい!2週間ぶりですよね」

高橋「え、お前先週行ってねえの?」

佐藤「この前用があったんだよ!」

希「まあまあまだ早いけど中入り」

『お邪魔しまーす』



佐藤「マスター、ビール!」

高橋「あ、俺もビールで」

希「りょうかーい、ちょっと待っててなー」

希が経営するBARにはアルコールなら何でも置いてある。

一番度数の高い“スピリチュアル”は未だ注文した者は居ないとか。

佐藤「あ、マスターいつものやって!」

希「はいはーい、高橋君もやな?」

高橋「あ、お願いしまーす」


希「アルコールパワー、た~っぷり注入!」

希「はーいプシュッ!」

『いただきましたー!』


ちなみに無料サービスでやっている。


佐藤「いやー、やっぱりこれやって貰うともっと美味しくなるわー」ゴクゴク

高橋「めっちゃ分かる」ゴクゴク

希「あ、ウチもちょっと貰って良い?」

佐藤「あ、良いっすよ」


しばしの間店内は盛り上がった。


しかし盛り上がる店内の空気は高橋の一言で打ち破られた。


高橋「そういや園田姉さん大丈夫かな?」

佐藤「あー、ボスから電話あったもんな」

希「・・・ん?」

聞きなれた名前が耳に入った希。

希「高橋君ちょっとええ?」

高橋「何すか?」

希「園田姉さんって・・・海未ちゃんの事?」

高橋「え、マスター知ってるんすか?」

希「知ってるっていうか、まあ友達やな」

佐藤「へえー・・・姉さん他にも友達が居たんだな」

高橋「確かにびっくりだよな」

希「どういう事?」

高橋「いやあー、ここだけの話だけど姉さんってヤクザだから」

希「え・・・!?海未ちゃんがヤクザ・・・!?」

佐藤「そうなんすよー、まあ一応ボスが居るんすけどね」

希「ボスって誰なん?」

高橋「親父さんすよ、園田姉さんのね」

希「海未ちゃんのお父さん・・・!?」

佐藤「まあヤクザとは言っても別に悪い事やるような集団ではないんすけど」

高橋「むしろ世間の困ってる人達を手助けする感じだよな」

希「へえー・・・もしかして2人も?」

そう言う希に同時に頷く2人。

佐藤「まあ下っ端ですけどね」

高橋「給料も安いしな」


自嘲気味に笑う2人を尻目に希は顔を伏せた。


希「そんな・・・海未ちゃんが・・・」

海未「へっくち!」

海未「ずずっ・・・誰か私の噂してますかね?」

凛「そんな訳無いにゃ」

海未「何故凛だけ来てるのですか?」

凛「にこちゃん、かよちん、真姫ちゃんは仕事、絵里ちゃんは何か用事があるって」

海未「希はBARの開店日でしたよね」

凛「そうだにゃー皆忙しいにゃ」

海未「・・・そういえば凛は何故インストラクターを?」

凛「特に理由は無いよ、ただオリンピックも金メダル取りまくって飽きちゃったからかな」

海未「凛は身体能力は人間離れしてますからね」

凛「山登りだけは絶対にしたくないけどにゃ」

海未「今度富士山の登頂を計画してますけど」

凛「オコトワリシマス」

海未「それ誰の真似ですか?」

凛「絵里ちゃんと真姫ちゃんを足してみただけにゃ」

警察署


絵里「すみませーん」

署長「おお、絢瀬君じゃないか!」

絵里「お久しぶりです署長」

署長「何だ何だ、君の休暇はまだ期間がある筈だが?」

絵里「いえ、少し顔を見せに来ただけです」

署長「そうか!是非ともあの3人に会っていくと良いぞ」

絵里「有難う御座います!」


絵里「こんにちは」

ヒデコ「あ、絢瀬先輩!」

絵里「久しぶりねヒデコちゃん」

ヒデコ「フミコとミカは今居ないですよ」

絵里「あら残念ね」

絵里「まあ2人に会ったら宜しく言っておいて」

ヒデコ「了解しました!」ビシッ

絵里「じゃあそろそろ戻ろうかしら・・・」

ヒデコ「あ!先輩もうちょっとだけ良いですか?」

絵里「別に良いわよ?」

ヒデコ「ありがとうございます」


絵里「で、何かお話して欲しいのかしら」

ヒデコ「はい・・・先輩っていつこちらに戻りますか?」

絵里「あら」

ヒデコ「先輩が長期の休みを取るって言う事で私達はこの署に来ました」

ヒデコ「でも・・・先輩と1度で良いから仕事したいです」

絵里「・・・・・・」

ヒデコ「署長は先輩が戻り次第私達をまた別の場所に異動させるらしいですが・・・」

絵里「それは寂しい事になるわね」

ヒデコ「私はフミコとミカと3人でいつも仕事は頑張ってます」

ヒデコ「でも凄腕の警官と言われている先輩と大きな仕事をしたい」

ヒデコ「私はずっとその事を考えてるんです」

絵里「凄腕なんて照れるわね」

ヒデコ「そして私の夢である日本の平和を守る事」

ヒデコ「その夢を先輩と一緒に叶えたいんです」

絵里「警官の鏡じゃないの」

ヒデコ「でも先輩が戻るとその夢は叶えられなくなるんです」

絵里「確かにそうなるわ」

ヒデコ「新米の私達では署長へ意見する事は出来ません」

絵里「成る程ね。大体分かったわ」

絵里「署長には私から話を付けておくから安心しなさい」ナデナデ

ずっと不安から顔を伏せたヒデコの頭を撫でる絵里。

ヒデコ「先輩・・・!」

絵里「可愛い後輩の頼みは断れないわあ」

あえておどけてみせる絵里。

だがヒデコの顔は嬉しさから綻ぶ。

ヒデコ「有難う御座います!」バッ

絵里「良いわよ、私が戻ったら一緒に仕事しましょう?」

ヒデコ「はい!」

絵里「じゃあまた今度ね」フリフリ


未だ頭を下げるヒデコに優しく手を振りながら絵里は署長室に戻った。

署長「おや、もう帰るのか」

絵里「はい・・・署長少しお時間良いですか?」

署長「何だね」

今までの経緯を話す絵里。

署長「そうか・・・しかしあの3人は君の後釜だからな」

署長「結論から言うとその意見を通すのは難しいというのが現状だ」

絵里「そうですか・・・」

署長「只でさえ教育者が少ない上、君が戻ってくる以上あの3人をここに留まらせる理由も無いからな」

絵里「私情を挟みこんでしまってすみませんでした・・・」

署長「いやいや、君が責任を感じる必要は無いのだよ」

署長「私も本音を言えば良く働いてくれてるあの3人を異動させるのは胸が痛むからな」

絵里「・・・」

署長「まあ君の帰りはいつでも待っているからな、ゆっくり休暇を取っておきなさい」

絵里「はい、失礼しました」






小料理屋


海未「ふわぁ・・・」

凛「おっきなあくびだにゃー」

海未「しかし今日は暇ですね」

凛「お客さんあんまり来てないもんね」

海未「凛、しりとりしませんか?」

凛「ええ~?別にいいけど」

海未「では『り』から」

海未「りんご」

凛「ゴムブーツ」

海未「積み木」

凛「キラー」

海未「赤餅」

凛「チーズ」

海未「頭蓋骨」

凛「ツムツム」

海未「虫」

凛「シンセサイザー」

海未「ちょっと待って下さい」

凛「イカリング」

海未「そういう事じゃないです」

凛「これ面白くないにゃ」

海未「にこか希が居れば盛り上がりそうですけどね」

凛「あー、にこちゃんイジリたいにゃー!」ジタバタ

海未「・・・落ち着いて下さい」

カランコロン


絵里「こんにちは海未」

海未「いらっしゃい絵里」

凛「絵里ちゃーん!」モギュ

絵里「きゃっ、もう凛は元気いっぱいね♡」

海未「そういう絵里は少々疲れているようですよ?」

絵里「ちょっと警察署に顔を出しただけよ」

凛「え、絵里ちゃんって警官だったの!?」

絵里「あら言ってなかったかしら?」

凛「初めて聞いたよー!」

凛「じゃあ警察手帳とか持ってるの?」

絵里「ええ、今は署内に置いてるけどね」

凛「今度見せてよー!」

絵里「分かったわ。でも休暇終えてからね」

凛「えー、けちー」ブーブー

駄弁る3人の所に謎の客が訪れる。


カランコロン


?「海未ちゃ~ん」

海未「ああいらっしゃいませ・・・・ことり!?」

ことり「久しぶり♡」

頭にとさかと輪っかのある銀髪の女性は柔らかい笑みを浮かべる。

絵里「あら、可愛らしいお客さんね」

凛「誰だにゃー?」

ことり「やーん♡この子可愛いー!」スリスリ

凛「にゃあああああ!?///」

ことりと呼ばれた女性は凛の顔に頬擦りする。

海未「ことり、凛が困っておりますよ」

ことり「凛ちゃんって言うの?」

凛「は、はいにゃ!」

ことり「私は南ことり、よろしくね♡」ナデナデ

凛「よ、よろしくにゃあ・・・///」

すっかりことりの手のひらに転がされる凛。

それをフォローするかのように絵里が声を掛ける。

絵里「じゃあことりって呼べば良いかしら?」

ことり「うんっ♡貴方の名前は?」

絵里「絢瀬絵里よ」

ことり「じゃあ絵里ちゃんって呼ぶね♡」

絵里「ハラショー♡宜しくねことり」

ことり「こちらこそお願いします♪」

海未「さすがにことりは馴染むのが早いですね」

凛「海未ちゃんの友達なの?」

海未「ええ、幼少時代からの親友です」

凛「あんなに可愛い女の子と友達なんて羨ましいにゃー!」

海未「心配しなくても凛は十分可愛らしいですよ」ニコニコ

凛「にゃにゃっ!?///」


今日の凛は押しに弱いようだ。

穂むら


穂乃果「あー!店番疲れたー!!」

雪穂「後10分だから頑張りなよ」

穂乃果「むー、冷たいなー!」

雪穂「はいはい・・・麦茶持ってくるから待ってて」



にこ「疲れたー・・・」

真姫「私も疲れたわ」

花陽「2人ともお疲れ様♪」

にこ「あ、あんた等ちょっとにこに付き合える?」

まきぱな『?』



にこ「おーい穂乃果ー」

花陽「こんばんは穂乃果ちゃん」

穂乃果「おお!にこちゃんかよちゃんいらっしゃーい!」

真姫「ここって・・・穂むら?」

穂乃果「あ、真姫ちゃんだ!」

にこ「ん、花陽と真姫も来た事あるの?」

花陽「はいっ!ここのお饅頭美味しいって有名なんだよ!」

真姫「パパがたまに買ってくるのよ」

穂乃果「おー、嬉しいねえ!お父さんも喜ぶよ!」

にこ「ていうか穂乃果、これから暇ある?」

穂乃果「あ、後10分で店閉めるよ」

にこ「そう、じゃあ海未の所行く?」

穂乃果「おおっ行く行くー!」

雪穂「お姉ちゃん麦茶・・・あっ皆さんこんばんは!」

花陽「あ、雪穂ちゃん!」

真姫「こんばんは」ニコッ

にこ「雪穂ちゃんちょっとお姉ちゃん借りて良い?」

雪穂「どうぞどうぞ、家に居てもうるさいんで」

穂乃果「何をー!お姉ちゃん怒ったぞー!」プンプン

雪穂「ね?」

にこ「よし引き摺って行こうかしら」

穂乃果「わー、にこちゃんごめん!」

小料理屋


海未「そろそろにこ達が来ますね」

ことり「え、にこちゃん来るの?」

海未「不味いですか?」

ことり「うんうん!久しぶりだから嬉しいなーって!」

絵里「あら、久しぶりってどういう事?」

ことり「うん、お互いに仕事が忙しくなってからあんまり会ってないんだ」

海未「ことりはプロのデザイナーですし、被服の専門店のオーナーでもありますからね」

凛「初めてあったのっていつからなの?」

ことり「んー、6年前かな?」

ことり「まだにこちゃんが駆け出しさんだった頃なの♪」

凛「えっ!?凛も6年前にこちゃんと初めてあったんだよ!」

ことり「ええー!?それって凄い偶然だね!」

凛「ちなみにその頃の凛は高3の不良だったにゃ」ドニャ

ことり「わあー♡凛ちゃんカッコいい♪」

絵里「あらあら♡だから今もやんちゃなのね♪」

海未「私が知り合った頃もそれなりにやんちゃでしたけどね」クスッ

凛「でもどうやって知り合ったにゃ?」

ことり「そうだねー・・・」






6年前、ことりは小規模ながら裁縫の仕事をしていた。

昔から得意な事なので、それなりに順調だったが仕事としてはやはり大変だった。

そんな折、ことりは1人の女性と出会った事で人生に大きい転機が訪れた。


にこ「すいませーん」

ことり「はーい♡何か御用ですか?」

にこ「服が解れたからちょっと直して欲しいのよ」

ことり「かしこまりました!すぐ直しますからそちらでお待ち下さい♪」

にこ「悪いわね・・・よいしょっと」


渡された衣服を直しながらことりは目の前の客に視線を向ける。

只の一般人の様に見えるが、ことりの脳裏にはある日何気なく見たアイドル番組の記憶が思い起こされた。

ことり「・・はい!終わりましたよ」

にこ「ん、ありがと。これ代金ね」

ことり「有難う御座いましたー♪・・・あの、貴方アイドルの人ですか?」

にこ「え、知ってんの?」

ことり「はい!アイドルの番組に出ていたのを少しだけ見たんですよ」

にこ「ふーん、じゃあ名前とか分かる?」

ことり「えーっと・・・ごめんなさい分かりません・・・」

にこ「しょうがないわねー、じゃあそのとさかにしっかり刻み込みなさい!」

そう言うとにこは卓をバン!と叩きながら自信満々に言い放つ。

にこ「矢澤にこ!大銀河宇宙NO.1のアイドルよ!」

ことり「はあ・・・・・・?」

にこ「じゃあね、次はファンとして会いに来なさい!」

すっかり面食らったことりに目もくれずに矢澤にこは店を出た。

ことり「・・・それが始めての出会いだったんだよ♪」

凛「へえー、駆け出しの頃から寒かったんだにゃー」

絵里「何と言うかにこらしいわね」

海未「そんな出会いがあったんですね・・・」

ことり「今はすっかりにこちゃんのファンですっ♪」

凛「えー、急展開過ぎるにゃー!」

凛「もっと細かく聞かせてよー!」

ことり「でももっとお話長くなっちゃうよ?」

海未「もうにこたちも来ますし直接にこに聞いてみては?」

凛「じゃあそうするにゃ!」

絵里「ふふっ楽しみね♡」


カランコロン

希「海未ちゃーん焼肉定食ちょうだい!」

海未「いらっしゃいませ希」

凛「あ、希ちゃーん!」

絵里「お疲れ様、希」

ことり「え、誰?」

希「おおっと?可愛い子が紛れてるなー」

絵里「ことりって言うのよ」

海未「私の親友なんです」

希「よろしくなーことりちゃん!ウチの事は希って呼んでな♪」

ことり「よろしくね希ちゃん!」


カランコロン



にこ「海未ー!穂乃果連れてきたわよー!」

穂乃果「海未ちゃんこんばんはー!」

海未「皆さんこんばんは」

ことり「穂乃果ちゃーん!」ダキッ

穂乃果「おおっ!ことりちゃん大胆!」

真姫「はいはい、お熱いわね」

花陽「ことりちゃんこんばんは♪」

ことり「あ、かよちゃんと真姫ちゃんも来たんだね!」

ことり「そしてにこちゃんも♡」

にこ「ん、久しぶりことり」

凛「おおー!お店が賑やかだにゃー!」

絵里「ハラショーね♡」

希「よーし!という事でにこっち!」

にこ「何?」

希「今日はにこっちの奢りって事で良いかー!」

『異議なーし!』

にこ「ぬわんでよぉ!」

海未「あ、会計してくれるんですか?」

にこ「するかっ!」

希「ええ~!トップアイドルさんはお金持っとるやーん!」

凛「そうだそうだー!」

穂乃果「異議なーし!」

にこ「よし、あんたら3人をまずボコるわ」ピキピキ

にこ「はぁ~・・結局にこが持つのね」

希「ええやんここ安いしー」

海未「安さと安心が売りですからね」

にこ「まあ美味しいから良いけどね」


にこの奢りで9人は思いっきり食事を楽しむ。

その中で凛はこっそりとにこを呼んだ。


凛「ねえねえ、にこちゃん」

にこ「何よ?」

凛「ことりちゃんと昔何かあったんでしょ?」

にこ「ああ、出会いの話?」

凛「そうだよー、ことりちゃんちょっとしか教えてくれなかったんだよ!」

にこ「大して面白い話じゃないわよ?」

凛「良いよ。凛がちょっとだけ気になるだけにゃ」

にこ「しょうがないわねー。じゃあ教えてやるわ」

――――――――――――――

にこ「・・・・・・ていう事があったのよ」

凛「後半ほとんど自慢話だったにゃー」

にこ「事実だからしょうがないでしょぉ~?」

凛「とりあえずくすぐって良い?」

にこ「・・・・・・何故?」

凛「まあかよちんと真姫ちゃんには言わないから安心するにゃ」

にこ「何で上からなのよ・・・」

ことり「にこちゃあ~ん♡」

にこ「うわっ、コイツ酔ってる・・・ちょっと凛!」

凛「お幸せに~」スタコラ


にこ「ちょお!?」

ことり「えへへ~♡」

にこ「もたれないでよ・・・」

ことり「だって海未ちゃんも穂乃果ちゃんも寝ちゃったもーん」

にこ「絵里んとこ行けば?」

ことり「むう、ことりの事嫌いなの?」

にこ「そういう面倒な所は嫌い」

ことり「はっきり言われた~」グズグズ

にこ「嘘泣きするなっ」ポコン

ことり「ちゅん!」

凛「あー、にこちゃんがことりちゃん虐めてるにゃー!」

にこ「ち、違うわよ!」

絵里「にこ?女の子には優しくしなきゃ駄目よ?」

にこ「にこも女なんですけど?」

希「へえー」ワシワシ

にこ「東條さーん、胸は関係ないでーす」

ことり「にこちゃんひどぉ~い」グスグス

にこ「やめんか」ペチ

ことり「やんっ♡」


海未「・・・・・・ん、寝てしまいましたか」

にこ「ぐっすりだったわよ・・・」

海未「にこ、そんなに疲労してどうしました?」

にこ「アンタの幼馴染が絡み酒しただけよ・・・」

海未「申し訳御座いません、酒癖が悪くって」

海未「あ、真姫と花陽はどうしました?」

にこ「飲みすぎて気持ち悪くなってからトイレに篭りっぱなしよ」

海未「他の皆さんは・・・眠っていますね」

にこ「とりあえず大部屋に布団敷くわよ」

海未「このまま雑魚寝と言う訳にもいきませんしね」



そしてにこと海未は布団敷きや人の運搬疲れで眠った。

その途中に真姫と花陽がトイレから帰ってきたが嘔吐物臭かったので風呂に入らせてから布団に入れた。

嘔吐物以上に酒臭い大部屋だったが、久し振りに大人数で眠った事は海未にとって忘れられない夜になったらしい。

今日はここまで

今日はここまで

今日は7/22

矢澤にこの誕生日である

いつもは古風な小料理屋も、毎年この日になると綺麗な飾り付けで彩られる

更に今年は9人揃っての祝いなので例年より豪華なパーティーとなった


にこ「皆グラスは持ったわね~?」

にこ「じゃあ、にこのこれからをいわt」

穂乃果「かんぱーい!」


『かんぱーい!!』

にこ「ぬわんでよ!」

にこ「主役なんだから最後まで言わせなさいよぉ!」

凛「一年中出しゃばってる人が何か言ってるにゃ」

にこ「り~ん?」グリグリ

凛「痛いにゃー!」

海未「はいはい、2人とも今日くらい仲良くして下さい」




絵里「ふふっ♡あの2人は相変わらずね」

花陽「ケーキ美味しいよぉ♪」

ことり「おにぎりもあるよかよちゃん♪」

花陽「ふわぁ・・・花陽幸せですぅ・・・」

絵里「やれやれ、ここも相変わらずね」

ことり「絵里ちゃんもボルシチどうぞ♡」

絵里「ハラショー!」


希「えりちも人の事言えんなあ」モグモグ

真姫「そんなに食べて大丈夫なの?」

希「今日はめでたい日やし少しくらいええやん♡」

真姫「貴方も人の事言えないじゃない・・・」

穂乃果「まあ真姫ちゃん!ほらほら美味しい物いっぱいあるよ!」ドサドサ

真姫「うえぇ!そんなに食べられないわよ!」

にこ「なーに?にこの手料理はお気に召さないかしら?」

真姫「そ、そんな事言ってないでしょ!」

穂乃果「あー!真姫ちゃん照れてるー!」

真姫「照れてないわよっ!」ピシッ

穂乃果「いたーい!うわーにこちゃーん!!」ダキッ

にこ「あらあら乱暴なパンサーちゃんねー♪」

真姫「イミワカンナイ!」

希「うんうん皆仲良しさんやね♡」

穂乃果「よーし!じゃあ皆でにこちゃんにプレゼント渡そうよ!」

にこ「あら、その割にはそれっぽいのが見当たらないけど?」

穂乃果「ふっふっふ・・・穂乃果からはこれをプレゼントします!」ジャーン

にこ「……ほむまん1年分?」

穂乃果「その券でうちにきてくれたら好きなだけほむまんあげるよっ!」

にこ「嬉しいけど…あんたのお父さんとか大丈夫なの?」

穂乃果「大丈夫だよ!これでも儲かってるから」ニシシ

にこ「割とリアルな理由ね・・・」



海未(ほ、欲しいです…!!!)ギラギラ

ことり(にこちゃん半分くれないかなあ…)キラキラ

にこ(何か背筋に悪寒が…)ゾワッ

海未「おっと、私からはこれを」

にこ「ナイフ?」

海未「ええ、日本製の中でも優れた物を」

にこ「あら、高かったんじゃないの?」

海未「問題ありませんよ。トップアイドルならばこれくらいの物を持つべきです」

にこ「嬉しいけどアイドル関係あるのかしら」


ことり「はい、おめでとうにこちゃん♡」

にこ「可愛いパジャマね!」

ことり「にこちゃんに合うようにピンクで作りました!」

にこ「へえ~、今日からこれ着て寝ようかしら」

ことり「そうしてくれると作ったかいがあるな♡」

真姫「おめでとうにこちゃん、これあげるわ」

にこ「ダイヤの宝石!?」

真姫「うん、やっぱり似合うわね」

にこ「…ちなみにいくらしたの?」

真姫「うーん、1億かしらね?」

にこ「いちっ・・・!?」


凛「これあげるにゃ」

にこ「…ストラップ?」

凛「近所の店のやつだにゃ」

花陽「ちなみに2時間悩んだらしいよ♪」

凛「ちょ、かよちん!?」

にこ「もう!可愛い所あるわねー!」モギュッ

凛「にゃにゃ!?やめるにゃー!」グイグイ


花陽「花陽からはこれあげるね♪」

にこ「…権利書?」

花陽「2万坪で良いよね♪」

にこ「農業系アイドルは目指してないわよ!?」

花陽「うーん・・・じゃあお米100tで良いかな?」

にこ「多すぎるわよっ!」

花陽「後で送っておくね♪」

にこ「まあ当分は困らないし・・・ありがと」

絵里「おめでとうにこ、これあげるわ♡」

にこ「あらお洒落なポーチね!」

絵里「ハラショー♪やっぱりにこにぴったりね♡」

にこ「でも水色なのね」

絵里「私とお揃いよ」

にこ「カップルか!」


希「おめでとうなにこっち!」

にこ「あら、お酒!」

希「早速飲んでみてや」トクトク

にこ「ごく・・・ごふっ!?」

希「じゃーん!スピリチュアルでしたー!」

にこ「度数最高のやつじゃないの!!」

希「あとこれあげるわ」

にこ「お守り・・・?」

希「それ持ってたらにこっちを護ってくれるからなー」

にこ「ふーん、ありがと・・・」

この後もドタバタとしたが、特に大きな問題もなくパーティーはお開きとなった

直後、海未は絵里を小部屋に呼んだ

海未「絵里、少々宜しいですか?」

絵里「ん、良いわよ?」

海未「ではこちらに・・・」


小部屋


海未「申し訳御座いません、急に呼び出してしまいまして」

絵里「構わないわ。最近仕事もなくて暇だし」

絵里「で、何か用かしら?」

海未「・・・絵里はあの日の事覚えてます?」

絵里「あの日?」

海未「はい、私がにこに帰宅を促した日です」

絵里「ああ、そんな事あったわね」

海未「その前に2人の男が私を呼びましたよね?」

絵里「ああ…っ!?」

海未「あの時わずかですが絵里が顔を曇らせたのが気になったんです」

海未「その直後私は絵里の話をボスから聞いたのですが・・・」

絵里「・・・」

海未「絵里、単刀直入に聞きます」



海未「貴方は絢瀬組の人間ですか?」












絵里「何の事かしら?」

海未「誤魔化さないで下さい、私は真剣なんです」

絵里「私は警官よ?本当に組織に関わっていたらそんな仕事出来ないでしょう?」

海未「それはそうなのですが…何か引っ掛かりがあるのですよ」

絵里「ふうん、少し詳しく聞かせて頂戴?」

海未「分かりました」

絵里「・・・つまり私は絢瀬組の幹部で」

絵里「今もなお園田組の壊滅を狙って日本にスパイに来てると?」

海未「はい・・・父からはそう聞いてます」

絵里「確かに私は絢瀬組の人間よ」

絵里「でも繋がりなんて一つも無いわ」

海未「どういう事ですか?」



絵里「早い話……私はマフィアなんてやりたくなかったの」

絵里「それに園田組と絢瀬組は昔からの仲でしょ」

絵里「スパイなんてするわけ無いじゃないの」

海未「確かに2つの組は先代からの付き合いがあります」

海未「・・・しかしお父様の言う事も気になるのですよ」

絵里「その気持ちは分かるわ」

絵里「でも私は貴方の組に危害を加える気は無いからね」



海未「絵里……申し訳御座いませんでした!」バッ

絵里「ど、どうしたの海未!?」

海未「絵里を一瞬でも疑った自分が恥ずかしいですよ…」

絵里「そんな事無いわよ・・・お互いこんな立場なら仕方ないわ」スッ

海未「絵里・・・」

絵里「じゃあ仲直りのチュウしましょう?」

海未「し、しませんよ///!!」ズザザ

絵里「あら残念♡」



海未「~~~」

絵里「~~~」


バタン


海未と絵里が小部屋へ移動中、希とにこは古風に戻った食事処でダベっていた(他のメンバーは帰宅している)

ちなみにダベっている理由は単純に2人とも明日が休みだからだ


希「ん、2人とも何かあったんかなあ」

にこ「にこの話で盛り上がってるとかあ~?」

希「それは無いわ」

にこ「即答ね!」

希(それにしても・・・海未ちゃんってヤクザやんな・・・)

希(えりちがマフィアの家系なんは知ってるけど)

にこ「まあカタギじゃない同士なんか話でもあるんでしょ」

希「そうやなあ・・・ん?」

希「えええええええ!?」

希「何でにこっちがそれ知ってるの!?」

にこ「何でって海未とは古い付き合いだし」

希「そうやけど・・・でもそういうのって普通教えられへんやろ?」

にこ「ふっふっふ・・・これには逸話があるのよ!」

希「な、なんやってー!」

にこ「まあ希だけに教えてやるわ!」

8年前、海未がヤクザの若頭に選ばれた事を良く思わない下っ端の一人が一般人を襲う事件が起こった

組の手によって揉み消されたが、この事件は園田組の中で問題となり海未には権利剥奪の危機が迫っていた

そんな中2人の少女が立ち上がった事により事件は意外な方向で収束を向かえる



にこ「海未ー今日も来たわよー」

花陽「ご飯定食お願いしますっ」

海未「ああ・・・にこ、花陽・・・いらっしゃいませ・・・」

にこ「ど、どうしたの!?」

海未「実は・・・」


花陽「ええ!?海未ちゃんヤクザだったのぉ!?」

にこ「・・・マジで?」

海未「申し訳御座いません今まで黙ってしまって・・・」

にこ「それも衝撃だけどそれ以上にアンタの所厳しいわね!」

花陽「そうだよぉ!下っ端の人のせいで海未ちゃんのせいじゃないよね!」

海未「若頭の管理能力が足りないのは裏社会では追放されるのが当然なのですよ・・・」

にこ「でもアンタ・・・納得してるの?」

海未「・・・そんな訳ありません!私は真面目に教育していただけですよ!」

海未「折角お父様に認められたというのに・・・悔しいです・・・!」

にこ「はぁ・・・しょうがないわねー!」

にこ「花陽、あの写真出して」

花陽「はいっ!」

海未「写真ですか・・・?」


にこの指示で花陽は1枚の写真を机に置いた

それは何かを拡大した画を写した写真だった


海未「これは・・・!?」


そこに映っていたのは他でもない園田組の証であるハートに矢が刺さったマークだった




海未「何故です・・・カタギの人では無かったのですか!?」


写真には被害側を拡大した部分、つまり一般人が映っている

園田組のマークが見える事がおかしい筈なのだ


にこ「しっかしまあ・・・良くこんな写真撮れたわね」

花陽「はい、たまたま近くに居ると騒ぎが起きていたんですよ」

海未「ですが何故にこと花陽はこの写真が今回の事件に関連していると思ったのですか?」

にこ「そうね・・・アンタが前に組織の服を見せてくれたでしょ」

海未「あ、あの時に肩の方も見せましたね」

花陽「そうです!それであの時の事を思い出して、もしかしてと思ったの!」

にこ「まああの時は、アンタがヤクザとは知らなかったけどね」

海未「申し訳御座いません・・・」




にこ「――――で、工作をした下っ端は組織から追放されたのよ」

希「微妙に信じ難いなあ・・・」

希「何で海未ちゃんがにこっち達に服を見せる必要があったん?」

にこ「ああ、マークに関してはことりが絡んでるのよ」

希「ことりちゃんが?」

にこ「そう、ことりがデザイナーの仕事で海外に行く時に海未の服の肩部分にそのマークを刺繍したのよ」

にこ「それを海未のお父さんが変に気に入ってね、以降園田組の証として組織の制服にプリントされる様になったって事よ」

希「何かヤクザとは思えんなあ・・・」

にこ「園田組とか言ってるけど実際は慈善事業みたいなもんよ、むしろヤクザとは真逆の存在ね」

希「ふーん、不思議なもんやね」

にこ「アンタそういうの好きな癖に」

希「まーな♪」


希「でも下っ端の人は何で工作なんかしたん?」

にこ「単純に海未が気に入らなかったんでしょ。身内票で若頭になった様なもんだし」

希「まあお父さんがボスな時点で勝ち目は無いよね」

にこ「そう。いつの時代も悪は長く続かない物よ」

希「ていうか花陽ちゃんがたまたま近くを通りかかってなかったら海未ちゃんやばかったなあ」

にこ「そのおかげで今でも海未は花陽に甘いのよね・・・」

にこ「にこには大体厳しいのに」ぷく

希(にこっちにも大抵甘い気するけどなあ)

カチャ


海未「おや、お二人だけですか?」

にこ「ああ他のやつらなら帰ったわよ」

希「なんや、秘密の会合でもしてたんか?」ニヤニヤ

絵里「そんなんじゃないわよ・・・でも海未となら良いわよ♡」

のぞにこ『ひゅーひゅー!』

海未「こ、こら貴方達!///」カァーッ

にこ「でもまあ時間も遅いしそろそろ帰ろうかしらね」

希「そうやなあ、後は若いもんにな♡」

海未「貴方も若いでしょう」

絵里「そこなのね」クスッ


希「2人ともじゃあなー」

にこ「遅くまで悪かったわね」ガチャ

バタン


海未「・・・絵里」

絵里「何?」

海未「もし私の身に何かが起きたら・・・」

海未「貴方はどうしますか?」

絵里「そうね」

絵里「私の命に代えても海未を助けるわ」

海未「・・・そうですか」

絵里「何、もしかして不安になっちゃった?」クスッ

海未「いえ・・・ですが」

海未「幼馴染である穂乃果やことりを守るのは私の義務です」

海未「しかし私の身に何かが起きたらあの2人を守れなくなるので・・・」

絵里「なるほど、その時に協力を仰ぐのね?」

海未「そういう事です」

絵里「勿論そのつもりよ、貴方も貴方の大事な幼馴染も私が守るわ」

海未「ありがとうございます・・・」ギュッ

絵里「・・・お疲れ様、海未」ナデナデ

海未「撫でないで下さい…///」カァァ

絵里「んー?」ナデナデ

絵里「恥ずかしがらなくても良いのよ♡」

海未「うぅ…///」


イチャイチャする2人

その部屋の扉の隙間から謎の視線が動いた



?「……撮ったか?」

?「ああ、ボスに報告しよう」


そんな視線にも気付かずに海未は絵里の帰り支度を手伝っていた


絵里「今日は長居しちゃったわね」

海未「いえいえ、しかし組織の話をするのはあまり気分の良いものではありませんね」

絵里「そうね……まあ弟や亜里沙には堅気を貫いて欲しいわ」

海未「おや、兄弟さんですか?」

絵里「そうそう、とってもハラショーな自慢の兄弟よ♪」

海未「成る程、絵里が言うのなら安心出来そうですね」

絵里「ふふっ、ありがとう♡」



絵里「あら、話し込んじゃったわ…じゃあ明日、また来るわね」

海未「はい、お元気で」

絵里「またね♪」

ナチスのid教えろやゴミクズ

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>>1の[田島「チ○コ破裂するっ!」]垢

岡山に原爆落ちてたらこいつ存在していなかったのに

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糞しょうもないSS集あり
どれも批判されている😝

海未と絵里がお喋りをしている一方、ある地下室では1人の男が作業をしていた

ピロン
?「ん、――からメールだな」カチカチ

送られたメールの内容で男は静かに笑った

?「フフ、アイツは相変わらず元気だな…」チラッ

おもむろに男は傍にある写真立てを見る
そこには兄弟であろう3人の人間が楽しそうに写っていた

?「昔は平和だったな……」カタカタ

?「よし…そろそろ完成するな」カタカタカタ
?「これがあればオレの計画が…ん?」ピロン

再び送られてきたメールに男は目を通した
そこに映っていた画像に男は怒りを露にする

?「な、なんだこれは…!?」
?「何故だ、何故なんだ……クソッ!!」ガン!

怒りに震えた男は壁を殴り付け

?「絶対許さねえ!アイツはオレの物だ!!!」ギリッ

小料理屋

海未「ふわあ…おっと、もう6時ですか」

昨晩、遅くまで絵里と話をしていた海未は眠い目を擦りながら開店の準備をする

「次のニュースです、都内で9人の若者が5人の中年男性に…」

海未「朝はもっと明るい話題が欲しいですね…」チラッ
海未「また暴行事件ですか、全くもって嘆かわしい事ですよ」

テレビの映像では被害側の悲惨な模様が映し出されている

海未「ふう…いつになったらこの世界は平和になるのですかね…」
海未「私達9人はこれからも仲良くしていきたいものです」

最近知り合ったメンバーもいるが、海未にとっては親友に等しい
特に絵里は最近知り合ったばかりだが、連日言葉を交わして話しやすく良い先輩だと海未は感じていた

その時、店の扉が開かれた

海未「おや、お早い来客ですね」

凛「おはようにゃー!」
絵里「はあーい♡」

海未「お二人ともおはようございます」

絵里「凛とマラソンしてたのよ」フキフキ

凛「良い汗かいたにゃー」フキフキ

海未「おや喉渇いたでしょう、コーラをどうぞ」コトッ

凛「んっんっ…美味しいにゃ~♪」ゴクゴク

絵里「私にも何か頂戴?お酒はウォッカ持ってるから」

海未「では簡単なおつまみでも作りましょうか」トントン

絵里「お願いするわ♡」

凛(2人とも大人だにゃー!)キラキラ

ニシンに玉葱、青野菜を細かく切って上に敷く
それに油をかけ薄切りのライ麦パンの上に載せたら完成

海未「どうぞ絵里」コトン

絵里「あら美味しそうね♪」

海未「本当はもう少し手間を掛けるのですが」

絵里「十分よ、じゃあ頂きます」パクッ

絵里「うん、美味しいわ!」

海未「ありがとうございます」

凛「うー……美味しそうだなー」タラー

絵里「食べる?」

海未「凛は魚が苦手なのですよ」

絵里「あら、こんなに美味しいのに」モグモグ

海未「凛はフライドポテトをどうぞ」コトッ

凛「う~ん!ホクホクして美味しいにゃ~♪」モグモグ












TV『3日前の夜、9人の若者が5人の中年男性に激しい暴力を受け……』

画面には病院に搬送される若者の悲惨さが映し出されていた

絵里「あらあら、怖い事件が起きてるわね」

凛「5人のおじさんに絡まれるとかトラウマもんだにゃ」

海未「最近は特にこういった事件が多いですよね…」

絵里「日本も早く平和になると良いのだけど……ね」

凛「日本……も?」

絵里「何でもないわ。それより星座占いやってるわよ?」

海未「おや本当ですね」

凛「凛は5位だにゃ!」

絵里「あ、双子座と蟹座が11位と12位だわ」

海未「確か希が双子座でにこが蟹座でしたね」

凛「えー、じゃあ二人とも何か起きるって事かな?」

絵里「もしくはもう起こってるかもしれないわね……」

海未「ふ、不吉な事言わないで下さいよ……」

凛「何か嫌な予感がするにゃ……」

花陽「み、皆さん大変です!!」ガチャ

凛「うわっ!かよちんどうしたの?」
絵里「何か急用でもあったのかしら」

花陽「に…にこちゃんと希ちゃんが……」


花陽「ヤクザの人達に連れ去られました!!」


えりりん『えっ!?』

海未「ま、まさか昨日の夜に…!?」

花陽「恐らくそうだと思います…今頃2人は…ぐすっ…」ポロポロ

凛「かよちん落ち着いて!」ギュッ

絵里「そうよ、今はどうすれば最善を尽くせるか考えましょう…!」

海未「私は穂乃果達を呼んで来ます!」

海未「…という事で、今言ったとおり2人は何処に居るか分からないのです」

穂乃果「ふ、2人とも大丈夫かなあ!?」

絵里「相手はヤクザよ?早い事助けないと…」

ことり「でも夜の内って事はまだそんなに遠くは行ってないんじゃないかなあ…?」

真姫「そういえば花陽は何でヤクザだって分かったの?」

花陽「近所のお爺ちゃんから聞いたんだよ、怖そうな男5人が大声で叫んでたって…」

凛「間違いないにゃ!その5人だよ!」

海未「方角などは分かりますか?」

花陽「確か…店を出て北の方だった様な」

絵里「成る程……早速皆で向かうわよ!」

海未「お待ち下さい絵里、相手はヤクザですから各自しっかり準備を整えて来て下さい!」

穂乃果「よーし!にこちゃんと希ちゃんを助けるぞー!!」ガチャ

ことり「あっ、穂乃果ちゃん待ってー!」タタタ

凛「かよちん、真姫ちゃん!」

真姫「分かってるわよ!」

花陽「うん、私たちも行くよ!」


海未「行きますか」スッ

絵里「ええ」カチャ

海未はナイフを絵里は銃を持ち、各々の集合を待つ事にした

絵里「皆、準備は整ったかしら?」

絵里の号令に強く頷く面々

海未「では北へ向かいましょう!」ザッ

真姫「待って、犯人の行方は分かってるの?」

ことり「そういえばそうだね…」

絵里「確かに…でもどこの建物かも分からないのよね…」

その時、花陽のスマホに着信が入った

花陽「あっ!!にこちゃん!?」

『は、花陽?花陽よね?』

花陽「うん!今何処に居るの!?」

『やつらの隙を付いてる途中だから手短に言うわ』

『小料理屋から20km離れた薄汚れた倉庫に私達は居るの』

花陽「倉庫?」

『…あと忠告しておくとこいつ等やばいからアンタ達は来ない方が…』

『あっ、バレt』バキッ

花陽「に、にこちゃん?にこちゃん!?」

花陽「もしもし…………?」

花陽「き、切れちゃった……」

凛「2人とも大丈夫かな…」

絵里「大丈夫よ、あの子達は強いから」

海未「しかし20kmですか、車でも時間が掛かりますよ」

ことり「7人居るから2つは必要だもんね…」

真姫「何言ってるの、私のヘリを使えば良いわよ」

穂乃果「え、大丈夫なの?」

真姫「こんな緊急事態よ、四の五の言ってられないわ!」

絵里「早速お願いできるかしら」

真姫「ちょっと待ってなさい。すぐ来るわ」



ヘリ内

穂乃果、凛『広-い!』

真姫「7人位なら余裕で入れるわよ」

絵里「ハラショー……!個人用でここまでのものがあるのね」

ことり「椅子もフカフカなんだね♪」

花陽「あんまり揺れないから酔わなくて済みそうです…!」

海未「はいはい、楽しんでる場合ではないですよ」

海未「それでは操縦士さんお願いしますね!」

操縦士「はい、あ窓は閉めて下さいね」

穂乃果、凛『ごめんなさい』シュン

海未「貴方達、楽しんでませんか……?」

倉庫


4人のヤクザがにこと希の周りに倒れており
その様子に冷や汗を流した1人のヤクザはにこに凄む

ヤクザ「な、何なんだよてめえ達は…!!」

にこ「それはアンタ達でしょ!!」

希「まーまー、にこっち落ち着き」

それ以上に怒っているにこを嗜める希であった

ヤクザ(何でこいつらこんなに強いんだ?……まさか…!!)



昨夜の晩

うみえりを冷やかした後、希とにこは帰路を歩いていた

希「しかしあの2人は特に仲良くなってるよなあ」

にこ「同じ匂いでもするのかしらね」クスッ

そんな事をダベっていると、急に背後から誰かがやってきた

?「動くな」カチャ

にこ「は、はあ!?何なのアンタ達!?」

希「ま、まずいなあ……この状況」

?「さっさとここに入れ」ガチャ

にこ「うぐっ!!」

希「やんっ!」

目隠しをされ、縛られた2人はバンに詰め込まれて何処かへと連れ去られた…

そして車が倉庫に着くと、2人は広い倉庫内の中心に投げられた

『うっ!!』ドサッ

銃を構え、ヤクザは脅しにかかる

ヤクザ「おい。お前達は人質だ」カチャ

にこ「は、は、はああああああ!?にこ25歳なんですけど!!」

希「にこっち、子供の誘拐じゃないよ?」

ヤクザ「あんまり騒ぐんじゃねえ!!!」パン

にこ「フン!そんなの怖くないわよ!」キッ

希「それ空砲やろ?あんまり慣れてないんかなあ…?」ウーン

ヤクザ(な、何だ……何なんだこいつら!!)ワナワナ

自分達を前にして全くビビらない所か言い返してくる2人に逆に恐怖を覚えるヤクザ
しかし面目が潰れない様に凄む

ヤクザ「いい加減にしろ!!てめえらぶっ[ピーーー]ぞ!!」

にこ「うるっさいわねえええええ!!!」

ヤクザ「なっ…!」

にこ「耳元でギンギンギンギンやかましいのよ!!」

希「確かに『トメさんご飯食べたでしょー?』やないんやから」

にこ「ぶふっ、あっはははは!!」

希「くくくっ、あはははっ!」

何故か低俗なギャグで笑い出す2人
しかしヤクザは恐怖の余りおかしくなったと解釈し

ヤクザ(よし、これなら実弾入りの銃を使わなくても良いな)

と、武器を懐に入れて拳を握り固めた

ヤクザ「何が可笑しいか知らないが……ここで[ピーーー]!!」

しかしその拳は2人に当たる事は無かった

にこ「おーっと危なかったわね」ヒョイ

希「にこっちもうちょい早くやろうや」スッ

にこ「うっさいわね、アンタのしょうもないギャグで笑った分我慢しなさい」

希「まあこれで自由の身やな」

ヤクザ「ば、馬鹿な!何で縄が解けている!!」

にこ「そんなのにこのナイフでスパッと切ってやったのよ」フフン

希「人を縛る時は体グルグル巻きにするだけじゃダメやん?」

そう、手を後ろにして縛っていなかった為、にこのポケットに仕舞っていた小型ナイフによって2人の縄は取れたのだ

ヤクザ「じゃ、じゃあさっきまでのやり取りは……!!」

にこ「当たり前でしょー?アンタ単純そうだから芝居したのよ!」

希「その間にウチとにこっちの縄をにこっちが切ったって事なんよ♪」

ヤクザ「ぐ、このガキ共め……!!」ブルブル

自分が年下に出し抜かれたという事実に震えたヤクザは大振りの拳をにこに当てにかかった



ヤクザ「まずはてめえからだ!!」ブン

にこ「当たんないわよそんな攻撃!」ブン

ヤクザ「がはっ…!!」バキッ

希「頑張れ頑張れにこっち♡」

にこ「アンタも戦いなさいよ!」

希「えー、人殴ったらダメってお母さんに教わったもん」

にこ「子供かっ!」

ヤクザ「…舐めんじゃねえ!!」ヒュッ

にこ「おっと危ないわね」ヒョイ

にこ「お返しよ!」バキッ

ヤクザ「ぐわっ!!」ドサッ

軽快な身のこなしで相手の攻撃をかわしつつ、ヤクザの鳩尾を殴り飛ばすにこ
流石のヤクザもこれには耐えられず地面に倒れ伏した

にこ「フン!にこを倒そうなんて百年早いのよ!」ビシッ

希「わーにこっちかっこいいー」パチパチ

カッコをつけるにこを適当に褒める希はしかし、心中では嫌な予感を感じ取っていた

希(でも5人居た筈なのに何でおっさん一人しか居ないんやろ……?)

希「……ま、ええか何とかなるやろ」

にこ「ん、希何か言った?」

希「や、何も言ってないよ」

ヤクザ「……フフフフ、俺も舐められたもんだな」ムクリ

にこ「何よ、まだやるっていうの?」

ヤクザ「お前ら出て来い!!」

ヤクザの号令とともに4人の男がにこ達の前に現れた

にこ「あ?今更数増やして何する気よ」

にこ「何人掛かってこようがにこの敵じゃないわよ?」グッ

ヤクザ「ふん、1人じゃお前には勝てないが」
ヤクザ「5人じゃどうかな!」

ヤクザ「お前ら!あの2人をボコボコにしちまえ!!」

『ウオオオオオオ!!』ダダダ

にこ「の…希!」

希「あれー?5人位余裕なんじゃないの?」ニヤニヤ

にこ「…当然よっ!!」

にこ「このにこにーが全員倒してやるわ!!」ダッ

希の挑発に流されるままにこは5人のヤクザを迎え討つ

希「ふふ、にこっちやっぱりちょろいなー♡」クスクス

希(……でもさっき感じた予感はこんなんじゃない)

希(実はもっと居るとか……?まさかね……)

時同じく、にこ達が倉庫で大暴れしている時に海未達も倉庫前に辿り着いていた

穂乃果「ねえねえ、あれがにこちゃんの言ってた倉庫じゃないかな?」

花陽「あ、あれだと思います!」

凛「確かに大きい倉庫だにゃー」

真姫「この辺りで唯一の倉庫……何か怪しくない?」

ことり「うーん、単純に誰も使ってなさそうだからかな?」

絵里「5人と2人が中に居るには確かに大きすぎる気もするわね」

海未「何はともあれ中に入れば全てが分かる筈です」

海未「操縦士さん、あの入口前にお願いします!」

操縦士「了解」

操縦士「あ、着地時には衝撃にお気をつけて」



穂乃果「ふおー衝撃強かった……!」ブルブル
凛「ちょっと寿命縮んだにゃ……」ブルブル

真姫「早く行くわよ」カミクルクル

海未「私と絵里は先に行ってます!」ダッ

絵里「にこ、希待ってなさいよ!」ダッ

花陽「あ、皆待ってー!」タタ

ことり「かよちゃん早く早く!」タタ

ヤクザ「……?何か外が騒がしい様な……?」

にこ「あー、アイツらやっぱり来たのね」ハァ

希「やっと来てくれたんやね♪」

ヤクザ「援軍なんて卑怯だぞ!!」

にこ「アンタが言う事じゃないでしょ!」

希「まあ、にこっちもう全員倒したんだからはよ帰ろ?」

ヤクザ「ま、待て!まだ俺は倒れちゃ居ないぞ!!」

にこ「アンタもしぶといわね!もしかして何か企んでるのかしら?」

ヤクザ「……!」

にこの発言にヤクザは顔を伏せた

にこ「さ、帰るわよ希」スタスタ

しかし希は相手が不敵な笑みを浮かべて居る事に気が付いた

「まだ気付かないのか?」ニヤッ

希「えっ?」


その時倉庫の奥から絵里達がやってきた

穂乃果「おーい!!」

絵里「にこ、希!」

海未「助けに来ましたよ!」

ヤクザ「……」

にこ「アンタら遅いわねーもう全員倒しちゃったわよ?」

凛「えー?まだ1人残ってるよ?」

にこ「ああ、コイツら大した事無かったし1人放っといても何の問題も無いわよ」

海未「本当なのですか?何やら変な雰囲気がしますが」

希「実はウチも嫌な予感するんよ……」

にこ「あー?何がって言うのよ」

にこ達が会話をしているとヤクザは何かを取り出した

ヤクザ「くっくっくっ、もうお喋りは済んだか?」

絵里「どういう事よ」

ヤクザ「お前ら本当に俺達が5人しか居ないと思っている様だな」

花陽「え?」

ヤクザ「……お前らはここで終わりだ」

ヤクザ「出て来い野郎共!!」

ヤクザが叫ぶとともに倉庫内に百余りのヤクザが現れた

ヤクザ「くくく……倉庫のコンテナに気付かなかったか?」

絵里「……中々用意周到じゃないの」

ヤクザのポケットに入れていたトランシーバーで広い倉庫内にあるコンテナから
出てきたヤクザ達が一斉に9人の周りを取り囲んだ

ヤクザ「ふはははは!たった9人に百の軍を倒せると思うか?」

絵里「それがどうしたって言うの?」

ヤクザ「なんだと……?」

絵里「あんまり私達を舐めないでほしいわ」カチャ

氷の様な冷たい目でヤクザを睨み銃を構える絵里
それに怯んだヤクザに対して9人は士気を上げる

希「えりちもやる気やなあ……皆もそうやろ?」チラッ

にこ「そうね、にこも暴れ足りないのよ!」パキパキ

花陽「花陽も頑張ります!」

真姫「こういうの初めてだけどこの真姫ちゃんには生温い位ね」クルクル

凛「うー、喧嘩にゃ喧嘩にゃー!テンション上がるにゃー!」

穂乃果「おおっ!穂乃果もやる気いっぱいだよ!」グッ

ことり「でも……ちょっと怖いかな?」

海未「心配ありませんよ」ザッ

海未「全員倒して帰りましょう!」

『おー!!』

ヤクザ(な、何だこの自信は……こいつら状況が分かってるのか!?)

9人の団結に気圧されるヤクザはしかし百人の軍隊が居る事実に気を持ち直し

ヤクザ「だが数はこっちの方が上だ!」

ヤクザ「てめえら生きて帰れると思うな!!」

ヤクザの怒号が響き渡るとともに100の群集が絵里達に襲い掛かった 

絵里「皆、固まって戦うわよ!」ドゴッ

「ぐはっ!!」ドサッ

向かってくる敵を殴り飛ばしながら8人に指揮を取る絵里
それに呼応する様に海未も動く

海未「数が多いですが……この場合は落ち着いて対処するのが基本ですよ!」

「くらえ!」ブン

花陽「は、はいぃ!」サッ

ことり「ほ、穂乃果ちゃーん!」トン

「なに!?」ヨロッ

穂乃果「任せて!やーっ!」ドカッ

「ぐわっ!」ドサッ

花陽狙いの拳をあっさり避けられ、ことりに背中を押され穂乃果の三角棒を頭に叩き込まれる
完璧なコンビネーションで下っ端ヤクザは地に伏した

穂乃果「ことりちゃんかよちゃんいえーい!」パン

ことり「やったー♡」

花陽「ほ、穂乃果ちゃん凄いです!!」

にこ「あいつらナイスコンビネーションね!」ドゴッ

「ぐはっ!」
「どわっ!」

穂乃果達を見やりながら下っ端達を伸していくにこ、それを見て希は

希「うちらもああいうのやる?」

にこ「どうすんのよ」

希「おっぱいサンドとか……」

にこ「おバカ」ビシッ

希「やん♡」

チョップを受ける希、しかしヤクザが受けるパンチよりは抑えられた痛みだった

「これでも喰らえー!」ダダダ

そんな2人の隙を突くように1人の下っ端が突っ込んでくる

希「にこっち?」ザッ

にこ「分かってるわよ」ダッ

「なんだと……ぐわっ!!」ドサッ

にこが足払いをし、希がラリアットを繰り出す
こちらもまた完璧なコンビネーションで下っ端を倒した

「うおおっ……ぐっ!」
「こ、こいつら強ええ……!」

真姫「うーん、生温いとは言っても医者が喧嘩なんて良いのかしら」ザクッ

海未「おや、そう良いながらメスを握ってノリノリでは?」ドカッ

真姫「まあ希やにこちゃんが連れさられてたんだし……」

真姫「今回はノーカンね」シュッ

海未「大丈夫です、こんな寂れた倉庫では神様も見逃してくれますよ」バキッ

真姫「そういうものかしら?」ザク

海未は丁寧かつ確実に相手を倒し、真姫は相手の急所にメスを的確に投げ込む
2人の戦闘スタイルに下っ端はまともに近づく事さえままならなかった

「[ピーーー]!!」ブオン

凛「やぁーっ!!」ゲシッ

絵里「動きが慣れてるわね凛」バキッ

凛「絵里ちゃんには負けるよー」ドカッ

「こ、こいつらカタギなのか…?」
「か、勝てねえ……!」

絵里達の猛攻に100の下っ端達は逆に押される

そして遂に、にこと言い合いをしていたヤクザ一人だけとなった


「ぐおお…………!!」
「こ、古鉄のかしらぁ……あいつら俺らの手に負えません……!!」

古鉄と呼ばれたヤクザは全身をわなわなと震わせながら

古鉄「な、何だお前ら!!たった9人に倒れやがって!!」

にこ「アンタ達が弱いんでしょ!さっさと帰りなさい!」

絵里「そうね、これ以上はナンセンスよ?」

海未「それとも……地獄を見たいですか?」ニコッ

『ひいっ!!』

海未の鬼を思わせる笑顔に下っ端達は怯え、古鉄も身体を更に震わせながら叫ぶ

古鉄「て、てめえら覚えてろ!!行くぞ野郎共!!」

「あ、待って下さいかしら!」
「痛え……まさかガキにやられるとは」
「散々だ……何時間もコンテナに居たのに」

地面で呻く下っ端を放って古鉄は逃げ帰る、それに身体を引き摺りながら下っ端達も倉庫を出た

海未「まったく……少々睨んだだけでしょう」

にこ「いや~、アンタに睨まれたら誰でもそうなるわ」

ほののぞりん『うんうん』

絵里「まあ何とか2人も助かったし、帰りましょう?」

花陽「そうだね、花陽お腹空いちゃいました……///」クウー

海未「もうお昼ですからね、帰って食事にしましょう」

真姫「ヘリの準備ならバッチリよ」

にこ「は、あんたらヘリで来たの?」

ことり「うん♡すっごい大きいんだよー♡」

希「へえー、楽しみやなあ♡」

~小料理屋~

にこ「揺れが凄かったわ……」

絵里「大丈夫?」サスサス

真姫「はい、酔い止めよ」

にこ「ありがと……」ゴクッ

希「いや~楽しかったなあ」ツヤツヤ

凛「やっぱり慣れないにゃ~……」

海未「約数名がフラフラしてますがお昼にしますよ」トントン

花陽「わーい♪」

穂乃果「穂乃果は大盛りにしてね!」

ことり「海未ちゃん何作るの?」

海未「ホイコーローですよ」ジュージュー

花陽「わあー!ご飯に合うんだよねー♪」

キャベツ・豚肉・ピーマンを食べやすく切って醤油ベースのタレを絡め炒める
ことりがニンニクを嫌うので香り付けに生姜とごま油を使い完成

海未「出来ましたよ皆さん!」

食欲をそそる香りが店内に広がり皆の胃袋は一斉に食事を求める
特に希とにこは昨夜からの疲れもあり

にこ「頂きまーす!」シュバッ
希「あっにこっちずるい!」パシッ

それに続き6人も動いた

穂乃果「頂きまーす……美味しいなー!」パクパク

花陽「うーん……ご飯が進みます♪」モグモグ

ことり「あっ、海未ちゃんニンニク抜いてくれた?」

海未「勿論ですよ」

ことり「ありがとう海未ちゃん♡」パクッ

絵里「ハラショー……海未の手料理は最高ね♪」モグモグ

真姫「ちょっと濃い味付けね、でも美味しいわ」モグモグ

凛「海未ちゃんご飯お代わりー!」バッ

にこ「あっにこも頼むわ」サッ

海未「はいはい、少々お待ち下さい」スッ

各々海未の手料理に舌鼓を打ちながら雑談を交えた楽しい昼を過ごした

ここはある事務所
古鉄の目の前に居る強面の男は古鉄の上司に当たる人物らしかった
男はワインを注ぎ、一口だけ飲み静かにグラスを置いて古鉄を睨んだ

「…………」

古鉄「あ……その」

「なんじゃ?さっさと用件を話さんか」

古鉄「は、はい実は――――――」





「……で、ノコノコと帰ってきおったのか」

古鉄「いえ……ですがあの2人はやっぱり園田組と繋がりがありまして……」

「そんな事聞いとるんじゃないんじゃ!!」ドン!

古鉄「っ!!」ビクッ

強面の男が机を叩くと古鉄という者は身体を強張らせた

「わしが聞きたいのはお前ら何人やられた?そして何人やった?それだけじゃ」

古鉄「で、ですから101人やられて1人もやれず……」

「何じゃ?それでおめおめと引き返した言うんか?」

古鉄「そ……それは」

「もうええわ……ワレの始末は後で付けるけえの」

古鉄「な、もう一度チャンスを!!」

「黙れ馬鹿タレ」

「この鉄くず処刑箱へ連れて行かんか……はよせえ!!」ドン

頭に血が上っているのか男は銃をぶっ放す
そんな彼に後ろの連中は急いで古鉄をある場所に連行した

古鉄「ま、待って下さいおやっさん!!今一度、今一度チャンスを下さ…いやだああああああああああ!」

古鉄「処刑箱だけは処刑箱だけはあああああああ!!!!!」

「やっぱり園田組には適わん様やったのお……まあ良い頃合を見てやるけえの」

「待っとれよ園田海未、ワレの命頂くけえの!!」

小料理屋

海未「何でしょう、なにやら寒気がします……」

にこ「そう?まあ最近寒いからそのせいじゃない」

絵里「確かに寒いわね……まあロシアに比べたら暖かいぐらいだけど」

凛「ロシアってそんなに寒いの?」

花陽「多分カイロいっぱい必要なんじゃないかなあ?」

絵里「うふふ♡可愛い考え方ね」ナデナデ

花陽「ふわあ……///」

にこ「あんまりにこの舎弟口説くんじゃないわよー?」

希「んー?嫉妬してるん?」ニヤニヤ

海未「舎弟……もしかしてにこって」

にこ「いや、そういう意味で使ってないわよ?」

絵里「にこの事だから分かってなかったんでしょ」

凛「多分カッコ付けたかっただけにゃー」

にこ「ぬわんですってぇ~!」グリグリ

凛「痛いにゃー!」

希「ふふっ、仲良しさんやな♡」

その時、店のドアが乱暴に開けられた

「久し振りじゃの、園田組若頭の店は」バン

海未「……貴方は!」バッ

「ほーう、5人も先客が居るとは失敬したのお」

にこ「はあ?アンタ誰よ?」

「何、昼間はウチの若いのが粗相をしたようで済まんかったわ」

希「っ!貴方まさか……!」

「そうじゃワシもその世界に居るもんじゃ」

凛「や、ヤクザの人!?」

「ヤクザ?極道と言うてくれんか……なあ?」

花陽「ひっ!……誰か助けて……」

「……くく、お前さんからは気迫を感じるのお?」

絵里「あまり騒がしくしないでくれるかしら……極道のおじさん?」

「かっかっか……!度胸のある若人じゃあ……!」

海未「……何か用ですか?」

「いやいや、ワシの名は新銅と言うんじゃがな」

凛「しんどう?」

新銅「そうじゃ、今日は若頭さんに挨拶に来ただけでの」

新銅「特に何かするわけじゃないんでえ」

海未「……なら早急にお帰り下さい」

海未「さもないと……」

新銅「分かっておる分かっておるよ海未さん」

新銅「邪魔したの、お若いの」

口調こそ穏やかだが確実にさっきを込めた目で新銅は

新銅「あんまりウチのもんに手出さんといてやあ」

新銅「お前さんらの血で事務所が汚れるからのお」

そう告げて店を出て帰っていった

海未「……帰った様ですね」

絵里「海未、あの人誰なの?」

海未「清水組若頭の新銅ですよ」

希「えっ、清水組ってあの清水組?」

海未「そうですが……何か知ってるのですか?」

希「いやー、ウチが前々から生業にしてた物の怪の関係者が清水組に関わりがあるって言ってたんよ」

にこ「マジで!?」

凛「物の怪って前ににこちゃんが倒してたって言ってたやつだよね」

にこ「そうそう、物の怪って言っても幽霊とかの類だって希が言ってたけど」

希「それなんよ」

希「本来なら人型の筈だからあんな化物みたいなのはおかしいと思ってたんよね」

花陽「花陽の田んぼを襲ってたやつかな?」

希「そうそれよ、あの時は内心吃驚したけど冷静に考えたらなーってね」

凛「でもそんな不思議そうなの良くにこちゃんが倒せたよね」

にこ「物の怪に関しては私も希に協力してるのよ」

海未「何故です?」

にこ「さっき私が言った幽霊の類が関係してるって事よ」

花陽「え、どういう事なの?」

にこ「んー、まああんまり気持ちの良い話じゃないわよ?」

絵里「あ、そうそう海未達はあんまり聞かない方が良いわ」

凛「んー?何で?」

海未「凛、余り詮索は止しておきましょう」

にこ「ごめんね凛……」

そう言いながらにこは顔を伏せる
普段の彼女からは思いも寄らない憂いた表情に凛の直感は喉まで出かかった言葉を飲みこませ

凛「分かったよ、聞かないから安心してにこちゃん」

にこ「ええ、何かごめんなさいね」

一瞬気まずい空気が流れるが希の言葉がそれを破った


希「ごめん話続けて良い?」

にこ「良いわよ、悪いわね希」

希「気にしないでにこっち」

希「それで清水組の事なんだけどね」

海未「そうです、それと物の怪と何が関係するのです?」

希「どうもウチが今まで仕事の依頼を受けてきた場所がある一箇所から集中してる様な気がするんよ」

凛「どういう事?」

希「例えばどこかの地域に居る物の怪をウチに退治してくれって言う依頼が出てきたとするでしょ?」

花陽「うんうん」

希「そして次は違う地域の物の怪っていう依頼も前のと全く同じ場所から来てる様な気がしてなあ」

にこ「要するに仕事の依頼主が今まで同じ住所から来てるって事なのよ」

海未「それは怪しい話ですね……!」

凛「もしかしてそれが清水組と何か関係あるって事なのかな?」

希「そうそう!凛ちゃん賢いやーん!」ナデナデ

凛「ふにゃあ~♡」

花陽「でもそうだとしたら清水組がもう一個分ぐらいあるって事になるかも……」

希「その可能性は捨てきれないんよね」

海未「確かにそこまで大掛かりな事が出来るなら規模の大きい組織しかなさそうですね」

にこ「その場合になったら確実に清水組と希の言うやつらが結託する可能性も考えられるのよ」

凛「そうなったらまずいにゃ……」

絵里「皆の言う通りよ、清水組というのに既に私達はマークされてるもの」

海未「とにかく今は清水組に対する対策を練る必要がありますよ」

にこ「……というか海未は過去にあいつらと闘った事あるでしょ?」

凛「あー!そういえば1人だけ知ってる感じだったよね!」

海未「実を言うとそうなんです……あの新銅という者と一戦交えた事が」

絵里「やっぱりね、詳しく教えて貰える?」

海未「それは山々なのですが今晩も遅いですからまた9人集まってからにしませんか?」

凛「賛成ー!」

花陽「いっぱい居た方が心強いもんね」

にこ「よーし、あんたら帰るわよー」スクッ

りんぱな『はーい』スタスタ

希「じゃあウチもー♡」

にこ「くっつくなー!!」

絵里「私も護衛させてもらうわ♡」

凛「凛もー!」モギュ

花陽「は、花陽も///」ギュー

にこ「うがー!!アンタら重いわー!!」ギャーギャー


海未「さてと……おや、にこー!リボン忘れてますよー!」タタタ

海未「ふう……まったく慌しい人達です」カララ

プルル

海未「おや、お父様からですね」カチャ

海未「もしもし」

『海未、そちらの様子はどうだ?』

海未「はい、絵里の事なら心配ありません」

海未「堅気として生活しておられる様ですよ」

『そうか…しかしもしもの事があるならその時は……』

海未「……分かっております」

海未「それとお父様、こちらからも質問があるのですが」

『何だ?』

海未「清水組の事なのですが……」


帰り道

にこ「まったく……重過ぎるのよアンタら!」プンプン

『ごめんなさい』

絵里「でも暖かかったでしょ?」

にこ「ええ?まあ確かに……」

希「じゃーあ……ウチがもっと暖めてあげる!」モギュ

凛「あー!凛もー!」モギュ

にこ「やめろー!同じ流れになるわ!」


希「(-ω-)」

凛「(ーωー)」

絵里「凄い顔」

にこ「ごねてもダメよ」

のぞりん『ごめんなさい』

にこ「よろしい」

花陽「にこちゃんお姉ちゃんみたいだね♡」

にこ「まったくよ、うちには3人兄弟が居るってのに」

凛「こころちゃんとーここあちゃんとー」

希「虎太郎君だよね?」

絵里「そういえば久しく顔を見せてないわね」

にこ「予定が開いたらいつでも会いにくれば良いわよ」

花陽「でもにこちゃんのお母さんとかに気遣わせちゃうかな……?」

にこ「大丈夫よ、アンタらならマ……お母さんも大歓迎だし」

希「じゃあ今度顔を見せに行くわ♪」

にこ「お母さんには伝えておくわね」

にこ「それより……にこは亜里沙ちゃんの事が気になるわね」

絵里「あら、最近会ってなかったかしら?」

希「ウチもしばらくよー、凛ちゃん達は知らないよね?」

花陽「うん、絵里ちゃんの妹さん?」

絵里「正解よ♪私の3つ下なの」

凛「凛の後輩だにゃ」

にこ「凛と花陽ならすぐに打ち解けると思うわ」

絵里「そうね、どうせならことり達にも伝えておきましょう」

こうして絵里の妹、亜里沙と8人は会う事になった

絢瀬家


絵里「亜里沙、分かってるわね?」

亜里沙「うん、お姉ちゃんの友達が来るんだよね」

絵里「ハラショー、良く覚えてるわ♡」ナデナデ

亜里沙「もう、子供扱いしないでよ!」

絵里「そう言いながら振り払わないのね」

亜里沙「まあ……お姉ちゃんに撫でられると落ち着くし……///」

絵里「ふふっ♡可愛い妹だわ♪」

ピンポーン

亜里沙「あっ!私が出迎えるね!」タタタ


絵里「亜里沙……まだお姉ちゃん離れは出来なさそうね」クスッ


コンニチハー!

穂乃果「いやー!やっぱり絵里ちゃんの家は立派だねー!」

海未「穂乃果、人の家ですよ」

絵里「自分の家の様に寛いでくれて良いわよ♡」

凛「亜里沙ちゃん初めましてー!」

ことり「やあーん♡やっぱり可愛いー♡」ナデナデ

亜里沙「わわっ、皆さん初めまして!」ペコッ

海未「初めまして、なるほど絵里に似て美人さんですね」ニコッ

亜里沙「な……ななな……ありがとうございます//」プシュー

絵里「あら…海未ったら誑しさんね♪」

にこ「絵里、ここに荷物置いて良い?」

絵里「あ、良いわよ」


凛「ええー!亜里沙ちゃんモデルやってるのー!?」

花陽「ほんとだ……ネットニュースでも美人モデルとして名が出てる!」

亜里沙「はい!お姉ちゃんも警察官で頑張っていますから」

希「成る程なあ、それでモデルを頑張ろうって思ったんやな♪」

真姫「私は一人っ子だから良く分からないけど……亜里沙ちゃんは偉いわね」ニコ

絵里「にこの現場と近いのよね」

にこ「そうそう、たまに亜里沙ちゃんとは会うわ」

亜里沙「この前もご飯行きましたよね」

希「何それーにこっち羨ましいなー」

凛「凛にもラーメン奢るにゃー!」

にこ「何でやねん」ピシッ


絵里「そろそろお昼にしましょう」

海未「私が作りますよ」

亜里沙「あっ、私も手伝います!」

穂乃果「いやー、海未ちゃんの料理はやっぱり美味しいねー!」

亜里沙「とってもハラショーでした♪」

海未「有難う御座います、亜里沙」




絵里「…あ、そういえば夜に皆で寝るのに布団が足りないわね」

にこ「えー?何とか出来ない訳?」

希「ウチはソファーでも良いよ♪」フカフカ

ことり「確かにこのソファー柔らかいから寝られそうだね♪」フカフカ

絵里「それはお客様に悪いわ……花陽、この辺に何か旅館的なの無い?」

花陽「うーん……あっ!ここから3kmぐらいの所に大部屋ありの所がありますよ!」ピッピッ

真姫「お金は足りるの?」

絵里「大丈夫よ、それなりに貯金はあるから」

花陽「料金は1人5000円ぐらいだって!」

にこ「へえー、中々安いじゃない!」

凛「おおー!旅館でお泊りだにゃー!」

穂乃果「よーし!折角だから雪穂も連れて行こー!」ピッピッ



雪穂『えー!?今から旅館!?』

穂乃果「そうそう!行くよー!」

雪穂『ちょ、ちょっと待ってて姉ちゃん!』

穂乃果「早く来てねー!」

清水旅館


雪穂「お、お姉ちゃーん!!」タッタッタ

穂乃果「あー!雪穂遅いぞー!」

にこ「急に呼ばれたらそうなるでしょ」ハァ

絵里「ふふっ、慌しい姉妹ね♪」

凛「早くお部屋に行くにゃー!」ドタドタ

花陽「あっ凛ちゃん待ってー!」タタタ

真姫「ちょっ、私を置いてかないでよ!」タタタ

希「チェックインは済ませたよね?」

ことり「うんっ♪海未ちゃん達も早くいこ♡」タタタ

ワイワイ








?「園田組の連中が入りました……はい、すぐに手配します」スッ

?「てめえら行くぞ!!」

?『はっ!』




凛「広いにゃー!」

亜里沙「す、凄い……竹から水が出てる……!」キラキラ

真姫「ふうん、急に決めたにしては結構良い部屋ね」クルクル

絵里「はい、雪穂ちゃんお茶よ」

雪穂「あ、ありがとうございます絵里さん」

ことり「やーん、この座布団フカフカー♡」

希「ほんまや……えりちのソファーと5:5ぐらいやんな」フカフカ

にこ「何それ……あっ、このせんべい美味しいわね」サクサク

花陽「ここの旅館のご飯も美味しそうだったよお♪」

穂乃果「うわー!楽しみだなー!」


中居「お食事の用意が出来ましたよ」

絵里「あらありがとう、じゃあ皆行きましょ」

中居に案内され、11人は宴会場に向かう

皆が賑やかに騒ぐ中凛は疑問を抱いていた

凛(あれ、でもご飯早くないかな?)

凛「希ちゃーん」

希「どうしたん、そんなに声潜めて」

凛「いやー、実はあの中居さん怪しくないかなーって」

希「そう?でも確かに時間早いなあ」

宴会場へは7時を予定していたのだが

凛「今5時だよね」

希「何か予定変更でもあったんやないの?」

凛「うーん……」

勘の鋭い凛は先頭を歩く中居に嫌な予感を感じ取っていた
そしてその予感は最悪な方向へと当たっていく

中居「こちらでございます」

中居「さて、皆さん」

中居「せいぜい楽しんでください……よ!」ニヤッ

中居の不穏な空気と共に会場の扉が開けられた

そこには……

「おうおう!やっぱりてめえらだったか!!」

海未「貴方は……古鉄!」

宴会場の中央には古鉄が居座っており、下っ端達がその周りを取り囲む
まるで海未達を迎えるごとくドアから一直線に道を開けていた

古鉄「へっへっへ、この宴会場に誘き寄せる作戦は成功だったな!」

にこ「な、何でアンタがここにいるのよ!」

古鉄「お前らここの旅館の名前知らねーのか?」

花陽「旅館の名前……清水旅館?」

絵里「清水って、まさか!」

古鉄「正解、ここは清水組が管理している旅館だ」

古鉄「まさかヤクザが管理している旅館に入ってくるとは思わなかったが……まあ功名って所だな!」

ただのお泊りで来ていた海未達は当然武器など持っていなかった
しかし海未は気を奮い立たせ、皆を鼓舞する

海未「……武器を所持していないからとはいえ貴方達に負ける気はしません、そうですよね!」

にこ「フン、またこの前みたいにブッ飛ばせば良い話でしょ?」

にこ「にこ達を敵に回した事を後悔しなさいよ!」ビシッ

穂乃果「そうだよっ、早くここから出ていってよ!」

希「そうやなあ……この前より数も少ないし、いけるやん♪」

絵里「さっさとこの人達片付けて楽しい夜にしましょう?」

海未「さあ、かかってきなさい古鉄!!」

古鉄(な、何なんだコイツら……まるで怯まないとは)

古鉄「だがな、ここはオレ達のフィールドなんだよ!行くぞお前ら!!」

『おう!!』

海未(…援軍でも居るのでしょうか?)

海未「ですが今は戦いに集中しましょう!」グッ

「死ね!」

海未「おっと」バキッ

「ぐわ!」ドサッ


雪穂「ど、どうしよう亜里沙!」

亜里沙「は、始めてヤクザ見た……私も分かんないよ雪穂!」

「くらえ!」ブン

ことり「雪穂ちゃん、亜里沙ちゃん危ないよ!」

雪穂「あっ」

亜里沙「ひっ!」


穂乃果「とうっ!」バキッ

「どわっ!」

雪穂「お姉ちゃん!」

穂乃果「危ないから奥に行ってて!」

亜里沙「雪穂、ことりさん、ここに隠れて!」

ことり「あ、ありがとう穂乃果ちゃん!」タタタ

真姫「離れないでよ?」

凛「分かってるにゃー」

花陽「あ、来たよ!」

『うおお!!』

3人は出来るだけ身を寄せ合い、八方から来るヤクザ達を誘き寄せ

真姫「ふんっ!」
凛「やああー!」
花陽「えいっ!」

『ぎゃあああー!!』ドカカ

息の合った連携で下っ端を倒していき、気が付けば半数を倒していた

凛「やったにゃー!」
真姫「まあ、私のおかげね」
花陽「うんうん、作戦成功だね♪」

にこ「ちょっとー!にこの分無くなるじゃないの!」ドゴッ

希「そんな事良いながら15人ぐらい倒してるんやからええやん」サッ

絵里「あら、気を抜いたらダメよ?」バキッ

こちらの3人は連携を取るまでもなく上手い連携で下っ端を片付けていく
そんな絵里達にやられていく下っ端達を見て古鉄は歯軋りをする

古鉄「くそ……やはりこの数じゃダメか……!!」ギリッ


数分と経たずに戦いは終わりを迎え

「ぐおお……!」
「こいつら強ええ……!」
「古鉄さんどうします……!?」

絵里「終わったわよ?」パンパン

気が付けば下っ端達は全員倒れ、戦っていた8人の誰にも傷は付いていなかった
まるで相手にならないと言わんばかりに絵里は手を叩く

古鉄「くっくっく……」

古鉄「これで終わりと思ったか……?」

海未「っ!?」

絵里「どういう事?」

古鉄「てめえら出て来い!!」

前回同様大きな声で叫んだ古鉄
すると宴会場の空間に存在する全ての扉が開けられた

海未「な、何ですかこの数は……!?」

にこ「や、やば……!」

その数600を越える下っ端が海未達の周りを取り囲む

古鉄「園田組を相手にするのにこれだけなんて少ない方だ」

古鉄「それに今回は清水のおやっさんもここに来ている」

古鉄「お前らを倒さないとオレの面子が潰れるんだよ!」カチャ

組の上層部が来ている事に多少の焦りがあるのか銃を構える手が震える古鉄
そんな古鉄を前に今まで顔を伏せていた絵里が顔を上げ

絵里「……これだけかしら?」クスッ

古鉄「何だと?」

にこ「確かにやばいわ……数だけはね!」

絵里に続きにこが啖呵を切る
それに続き達も構える

凛「そうだよ、みーんな倒すにゃー!」

穂乃果「雪穂達に手は出させないよ!」

希「ウチらに喧嘩売った事を後悔し?」

真姫「あんまり怪我させないでよね」

花陽「ちょっと多いけど、頑張るよ!」

それぞれが奮起する中、ことりは海未を見つめ

ことり「う、海未ちゃん……大丈夫?」

海未「問題ありません、しかし敵のボスが居るとなれば見過ごせませんよ!」

ことり「え?」

海未「絵里!ちょっと宜しいですか?」

絵里「あら、どうしたの?」

絵里「……成る程、それは良い考えね」

海未「にこ達には悪いですがここは任せましょう」

にこ「ちょっとー?何話してるのー?」

絵里「あら、丁度良いわ、にこ耳貸して」

にこ「あー?こんな状況で……」スッ

絵里は小声でにこに作戦を話した

にこ「ふんふん……よーし!このにこにーに任せなさい!」

海未「すみませんにこ、少々大変かと思いますが」

にこ「ふん、アンタらより先に倒すかもね……さ、行くわよ!」

そして作戦を聞いたにこは古鉄の前に出て叫ぶ



にこ「こらー!!アンタはにこがブッ飛ばすわよ!!」

古鉄「何だと……てめえらやっちまえ!」

『うおおおお!!』

挑発に乗った古鉄は下っ端を仕掛ける

希「何しとんにこっち!?」

凛「やっすい挑発だにゃー……」

希と凛の批判も気にせずにこはこっそり海未と絵里にサインを送った

にこ(今よ!)サッ

絵里(了解よ)

海未(感謝します!)

タタタ……

古鉄「!?あの2人どこに行きやがった!!」

にこ「ふふ、アンタの上司に文句付けに行ったわよ!」

古鉄「て、てめえら……オレはともかくあの2人に喧嘩売る事がどれだけ恐ろしい事か分かってんのか!」

穂乃果「うーん、海未ちゃんに喧嘩売った君の方が恐ろしいかな?」

凛「言えてるにゃ」

古鉄「ククク……あの2人はお陀仏だがお前らを先に屍にしてやる!くらえ!!」バッ

にこ「ウダウダ言う前にかかってきなさい、アンタらの相手は私達よ!」バッ


『ふんっ!!』ガン!

古鉄とにこは拳を振りかぶり、お互いにぶつけ合った

希「にこっちやるやん♪よし!ウチらも行くで!!」

『おーっ!!』


「古鉄さんに続け、全員やっちまえ!!」

『うおおおお!!』




両軍が士気を高める中雪穂はそっと様子を見る

雪穂「だ、大丈夫かなこの戦い……」

亜里沙「お姉ちゃんも海未ちゃんと何処か行っちゃったよ……」

そんな2人を不安にさせまいとことりは2人を抱きしめた

雪穂「わっ!」

亜里沙「ことりさん?」

ことり「大丈夫、海未ちゃん達もにこちゃん達も勝てるよ!」

ことり「私達はここで見守っていよう?」

雪穂「ことりちゃん……」

亜里沙「分かってます、お姉ちゃん達なら大丈夫……ねっ雪穂!」

雪穂「……ふふ、そうだね姉ちゃん力持ちだし」

3人はくすっと笑い合って、にこ達の戦いを見守る

その頃海未と絵里は清水を探しに2階の部屋を探し回った

海未「覚悟!」

「な、何だお前ら!」

絵里「そーれ♪」グイッ

唐突に部屋を開けられた下っ端は絵里に背負い投げされる

「かはっ…!」

海未「清水の居場所を教えなさい」カチャ

1階の戦闘で絵里が敵から奪っていた銃を下っ端の口に捻じ込む海未

「もごっ!もががっ!!」

絵里「そう慌てないで、居場所を教えてちょうだい?」

「ぶはっ!!あ、あっちだ……!」プルプル

震える手で右方向を指す、その奥に扉があった

海未「情報感謝します」ドンッ

「ごはっ!!」

絵里「あら、撃たなくても良いんじゃないの?」

海未「ここはヤクザのアジトです、我々が敵である事の意思表示になりますから」

絵里「成る程ね」

2人は扉の前に立ち、海未が開けようとする
しかし鍵が閉まっているのかドアは開かない

海未「開きませんね……」ギギギ

絵里「ちょっと下がってて」スッ

絵里「はっ!」バキッ

絵里の飛び蹴りで開かれた扉の奥に1人男が座っていた


清水「おや、客人かな?」

初老と思わしき男は乱暴に破られた扉にも動揺せず、2人をじっくり観察する

海未「どうも、清水さん」カチャ

絵里「一階の騒ぎに気付かないかしら?」

清水「……成る程、そうかそうかうちの古鉄君が迷惑かけた様じゃな」

海未「理解が早くて助かります」

絵里「……私達じゃなかったら犯罪ものよ?」

清水「それもそうだな、堅気に手を掛けるわけには行かないのが裏社会のルール」

清水「しかし古鉄君は気が短くてな、客人をまともに迎えられん様じゃ」

海未「なら……貴方には責任を取って貰いましょうか」

清水「ふむ、このじじいに何をさせる気かな」

それまでゆっくりと落ち着いた雰囲気であった清水は

清水「もしかして……命を取るなんて言うのか?」ギロッ

海未と絵里を殺気を込めた目で睨んだ

海未「……っ!!」

絵里「……!!」

清水の気迫に一瞬気圧される2人、しかし清水はすぐ何事も無かったかの様に

清水「いやいや、これでも組の長でな、私が居なくなると部下達が路頭に迷う事になる」

清水「それでは上司失格だと思わないかね?」

海未「……おっしゃる通りです」

絵里「中々部下思いなのね……」

清水「はっはっは…………しかし客人に迷惑を掛けてしまった事は詫びなければならない」

清水「こちらとしては貴方達の条件を飲もうと思うが良いかな?」

海未「条件などありません、いち早く我々の前から去って下さい」

清水「それは勿論だ、それ以外で何か無いかね」

絵里「……この旅館には正規の従業員が居ないのかしら?」

清水「ふむ、こちらに泊まる気かな?」

絵里「割とあの部屋気にいってるのよ、ヤクザさえ居なかったらね」

清水「当然、ここの旅館にも堅気の従業員は居る」

清水「そちらの望み通りに手配しよう」

海未「宜しいのですか絵里?」

絵里「大丈夫よ、邪魔者が居なくなるんだし」

海未「という事です清水さん、突然押しかけてしまい申し訳ありませんでした」

海未「それでは行きましょう絵里」

絵里「ええ」


話し合いを終え、2人は清水が居る部屋を後にした


清水「園田海未……また会えると良いのだが」

一人呟く清水は壁に掛けられているカレンダーを確認し

清水「……後一週間か、友愛会は」

そう言ってワインを流し込んだ

所変わって宴会場ではにこ達との戦いで多くの下っ端達が地面に倒れていた

「痛え……!」
「またやられた……」

雪穂「やっば……」

亜里沙「は、ハラショー……」

ことり「ね、皆なら大丈夫だったでしょ?」


古鉄「こ、こいつら本当に堅気なのかよ……!?」

にこ「何人連れても一緒よ!私達に勝てるわけないでしょ!」

希「あんなに威勢良かったのになあ、皆やられてもうたやん」

穂乃果「さあ、早くここから出て行ってよ!」

古鉄「ぐ、まだオレはやられたとは言ってねえぞ!」ダッ

凛「やあっ!」バキッ

古鉄「ぐはっ!」ドサッ

凛に倒されてなお古鉄の目には闘志があった
しかし

清水「……まだやってるのか?古鉄君」

古鉄「し、清水のおやっさん!!」

清水が現れると同時に古鉄は地面に頭を付け深く土下座をする

古鉄「も、申し訳ございません!!!」バッ

清水「何を謝っている?頭を上げなさい」

古鉄「いえ……園田海未やその他の連中を追い返せず……」

清水「君は何を言っているのだ?いつ私が追い返せと命令したかな」

古鉄「は……?」

清水「全く君は人の話が聞けない様だな……なあ?」

古鉄「……はい」

清水「上司の言う事は最後まで理解してから動きなさい」

清水「分かったかね?」

穏やかな中に怒りを込めた口調で清水は古鉄を諭す

古鉄「す、すみませんでした!!」


凛「やばいにゃー……」ヒソ

にこ「あのお爺ちゃん絶対強いわよ……」ヒソ

希「ウチもそれを考えとったわ……」ヒソ

清水「さてと……君達ウチの古鉄君がすまなかったね」

にこ「そ、そうよ!いきなり襲い掛かって来て!」

清水「本当に申し訳無い……君も謝りなさい」

古鉄「へい……すいませんでした」

希「ええよ別に、そういえば海未ちゃん達はどうしたん?」

清水「あの2人なら心配しなくて良い、私と話を付けに来ただけだからな」

凛「話?」

清水「我々の組がこの旅館から去ると言う約束だ、私はこの条件を飲んでいる」

清水「という事で古鉄君、早く部下達を連れて帰りなさい」

古鉄「わ、分かりました!」

古鉄「帰るぞお前ら!!」

古鉄は下っ端達を引き上げ、自らも事務所へと帰っていった

清水「さて……私も帰るとするかな」

にこ「さっさと帰りなさい!」

清水「そう年寄りを急かさないでくれ……では」


清水が帰った後、海未と絵里も宴会場に戻ってきた

海未「おや、にこ達の方は大丈夫だったみたいですね」

にこ「そういうアンタも平気そうね」

絵里「500人以上居たのに良く倒せたわね」

穂乃果「うーん、穂乃果はもっと戦えるよっ!」

凛「同じくだにゃ」

亜里沙「皆さん強いです!」キラキラ

雪穂「ほんとだよ……良くやるよ」

海未「おや、ことり達も平気ですか?」

ことり「うん、雪穂ちゃんも亜里沙ちゃんも怪我は無いよ」

絵里「あら良かったわ♡」

大部屋

中居「皆さん、宴会の準備が出来るまで入浴はいかがですか?」

絵里「だって皆、行きましょ?」


女湯

チャポン

花陽「良い湯ですう~……」

希「いや~、疲れたなあ~……」

ことり「ほんとだね~……ん?」

にこ「ぐぬぬ……」
凛「うにゃあ~……」


海未「……ふう」

穂乃果「海未ちゃーん!」バッ

海未「せいっ!」ビシッ

穂乃果「ごふっ!」

真姫「何やってるのよ……」


雪穂「はあ……子供っぽいんだから」

絵里「あら、お姉ちゃんの事は嫌いかしら?」ギュッ

雪穂「絵里さん!?」

亜里沙「雪穂~♪」ギュッ

雪穂「亜里沙まで……」

亜里沙「雪穂は穂乃果さんの事好きだよね♡」

雪穂「な……そんな事は……///」カァー

絵里「あらあら♡お顔が真っ赤よ?」

亜里沙「ハラショー!トマトみたいだね♡」

雪穂「か、からかわないでよ///」カァー

穂乃果「卓球行こうよ!」

絵里「まだ宴会まで時間あるし良いわよ♡」


卓球場

穂乃果「よーし!行くよ絵里ちゃん亜里沙ちゃん!」

雪穂「何で私がお姉ちゃんとタッグなの!?」

絵里「あら、姉妹対決ってテンション上がらない?」

亜里沙「うんうん、覚悟してよ雪穂!」

穂乃果「雪穂!2人を倒して牛乳を奢ってもらおう!」

雪穂「……牛乳のためだからね!仕方なくね!」


凛「りんりんスマーッシュ!」バコン

にこ「ちょおっ!もはや凶器よ!」

花陽「避けれるにこちゃん凄い♡」

真姫「凛、真面目にやりなさい……あっ!」スカッ

凛「真姫ちゃんは打つ所から頑張れにゃ」


海未「あの4人は相変わらずですね」

希「海未ちゃ~ん、負けたらわしわしMAXやで?」

海未「さて本気で参りますか」ゴウッ

ことり「海未ちゃん!?オーラ出てる!」

希「頑張るよことりちゃん♡」

海未「というか1対2は卑怯じゃありません?」

希「海未ちゃんスポーツ出来るし……後海未ちゃんをわしわししたい」ポソッ

海未「ん?何か言いました?」

大部屋

希「いや~良い揉み心地やったな♪」

海未「う~ん……」グッタリ

穂乃果「逆に奢らされたー!」

絵里「うふふご馳走様♡」

賑やかに会話しながら部屋に戻り、程無くして中居がやってきた


中居「宴会の準備が出来ましたよ」

海未「有難う御座います、皆さん行きましょう」

『はーい』


宴会場


穂乃果「おおー!!ご馳走がいっぱいある!」

中居「いつもより腕によりをかけました、ごゆっくりお楽しみ下さい」ペコ

絵里「ありがとうね♡」


花陽「ふわあ……ご飯の炊き加減が最高です♪」モグモグ

にこ「く~!戦いの後のビールは最高だわ!」

凛「おっさんみたいだにゃー」ヒョイ

真姫「ちょっと凛!私の皿に魚移さないで!」

希「しゃあないなあ、ウチが食べたげるよ」モグモグ

海未「亜里沙、伊勢海老の殻は剥けますか?」

亜里沙「うーん……固いです」シュン

絵里「お姉ちゃんが割ってあげるわよ」バキッ

穂乃果「おー、良い姉妹愛……という事で雪穂~♡」アーン

雪穂「何やってるのさ……」

ことり「茶碗蒸し美味しい♡」

しばらくして


にこ「いえ~~~い!!にこにーのライブ楽しんでるう~?」

穂乃果「うえーい!!歌え歌えー!」アハハ

凛「か、かよちんもう飲めないにゃ……うええ」

真姫「私も無理ぃ~……」

花陽「何でえ~?私の酒が飲めないってえ~?」トクトク

絵里「希……まだ飲めるでしょ?」ゴクゴク

希「勿論よ……んっんっ……あぁ~~♡」グデーン

絵里「今回は私の勝ちねえ~……うふふふ♡」

雪穂「ううーん……頭がぐるぐるする……」

亜里沙「ゆきほぉ~♡」

ことり「んっ……んうぅ~」スヤスヤ

海未「皆さん飲み過ぎですよ……」ゴクゴクッ

にこ「うみぃ~ぬういっこぬういっこぬうぃ~♡」

海未「呂律が回ってませんよ?」

にこ「いいでしょぉ~♡んー♡」

海未「な、何ですか?」

にこ「ちゅーしましょお……うみぃ♡」

海未「な、なな破廉恥な///」

にこ「ねぇぇ~~ちゅう~~」

海未「しませんよ!」

にこ「おかあさあ~~ん……ぐっううっ……」ポロ

海未「……にこ?」

にこ「……ままぁ……にこがんばったよ……」

海未(過去に何かあったのでしょうか……酔ってるだけですよね……)

にこ「ぎゅーってして……がんばったって……」

海未「……まったくしょうがないですね」

海未(そう言って私はにこに抱きつきました)

にこ「ん……ままぁ?」

海未「にこは良く頑張りましたね、撫でてあげます」

にこ「えへへぇ……ありがとう♡」

海未(普段はあんなに気丈なにこがここまで甘えるなんて……)

海未(しかし私はにこに何か聞く気にはなりませんでした)

海未(今はただ優しく撫でてあげるのが良いでしょう)

にこ「ん……おやすみまま……」

海未「はい、お休みなさいにこ」



にこ「ん……海未、もう良いわよ」

海未「にこ?」

にこ「ありがとうね……あっ!」

凛「くふふ……」プルプル
希「り、凛ちゃん……ぷふっ」プルプル
穂乃果「おおー……2人ともカップルみたいだね!」
絵里「あら……妬けちゃうわね♡」

にこ「あ、アンタ達……///」

花陽「珍しいので撮っちゃいました♡」
ことり「やーん、良く撮れてるね♡」
亜里沙「おおー……ハラショー……//」
真姫「まったく………貴方達趣味が悪いわよ」ジー
雪穂「そういう真姫さんも見てるじゃないですか」ジー

にこ「やめろー!!」

恥ずかしさからくるにこの怒号が宴会場に響き渡った

大部屋

にこ「まったく……頭も痛いし散々だわ……!」

凛「にこちゃ~ん♪」ギュッ
花陽「に、にこちゃん///」ギュッ

にこ「な、何アンタ達抱きついて来てんのよ!///」

海未「いえ、にこが寂しがってると言ったらですね」

にこ「アンタね……!」プルプル

真姫「……///」

希「んー、真姫ちゃんは行かんの?」

絵里「恥ずかしいんでしょ」ニヤニヤ

真姫「な、違うわよ!」

真姫「……にこちゃん!」ギュッ

にこ「ちょっ真姫も!?」


穂乃果「にこちゃん良いなあ……よし、雪穂来なさい!」バッ

雪穂「……///」ギュッ

穂乃果「お、素直になった?」

雪穂「別に……ちょっと羨ましいなって思っただけ……///」

絵里「うちも負けていられないわ……亜里沙!」バッ

亜里沙「うん、お姉ちゃん!」ギュッ


希「ことりちゃんおいで?」

ことり「うん♡」ギュッ

希「うんうん可愛いなあ♡」

希「海未ちゃんも、ほら」

海未「……失礼します///」

希「ふふ、妹みたいで良いなあ♪」

メンバー達が親睦を深める中、清水組の事務所では古鉄が正座をさせられていた


古鉄「…………」

新銅「おう、お前またやらかした様やの」

古鉄「し、新銅さん……!」

新銅「喋るなバカタレ、お前の様な鉄クズが幹部になれると思うとんか?」

古鉄「な、何故それを……!?」

新銅「お前さんが幹部を目指しとって躍起になっとるんは皆知っとるんじゃ」

新銅「その癖、園田組の連中に泡を吹かせる所か大量の下っ端共を使い物にならなくさせるとは……ほんとに役立たずじゃの」

古鉄「で、でも五百人以上の若衆がやられるなんて誰が思うか……」

新銅「やかましい!!!若衆のリーダー如きがワシに口答えするんじゃないわ!!!」

古鉄「ひ……ひいっすみませんでした!!」

新銅「本来ならもう一度処刑箱に連れてくんじゃが……もうそんな気も無いわ」

新銅「鉄クズがどうなろうとワシはもう構わん、ただお前にはもう下っ端を派遣させん」

古鉄「そ、それはつまり……」

新銅「ほうじゃ、ワシらの靴磨きでもしたらええわ、お前は今日から若衆以下の便所掃除係じゃ」

古鉄「も、もう一度だけチャンスを……!!」

新銅「あ?何寝言いいよるんじゃ、何度チャンスやったと思っとる」

新銅「おう、コイツをはよ摘みだせ」

「はっ」

古鉄「ま、待って下さい!!もう一度だけ…………いやだああああああああ!!!!」



新銅「園田海未……いつか殺っちゃるけえの待っとれよ!!」

翌朝、海未達は旅館を出た


海未「しかし良い旅館でしたね」

絵里「そうね、また泊まりたいわ♡」

にこ「じゃあ帰りましょ」

『はーい』

小料理屋

凛「いやー、やっぱりここが落ち着くにゃ」

花陽「~♪」

真姫「何してるの花陽?」

花陽「食べログの旅館版サイトに書き込みしてるの」

絵里「へえ、マメなのね」

にこ「花陽は日本各地の人と交流してるから影響力も凄いのよね」

希「え、何でなん?」

凛「ふっふっふ、それは凛から話すにゃ!」

凛「なんとかよちんはね……白米協会の会長さんなんだよ!!」

『おおー!!』

穂乃果「……って白米協会って何?」

海未「知らずに驚いてたのですか!?」

ことり「白米協会って言うのはね、分かりやすく言うとお米関係を取り扱う大企業の集まりみたいなものかな?」

凛「そうだにゃ!かよちんはその企業の会長さんなんだにゃー!」

花陽「えへへ……///」

雪穂「まさか花陽さんが……!?」

亜里沙「そういえばお姉ちゃんが買ってくるお米にもそんな名前があった様な……」

にこ「そうよ、今市場に出回っているお米製品の6、7割が白米協会の商品なの」

希「凄いなあー……でも何で白米だけなん?」

花陽「花陽は白米しか認めていないの」

絵里「あら、五穀米とかあるのに」

花陽「ギリギリ玄米は認めますっ」

にこ「こうなると花陽は頑固なのよね」

花陽の以外な一面に皆の顔に笑みが生まれた

にこ「あら、もう夜なのね」

絵里「そうねじゃあ帰りましょうか」

亜里沙「お邪魔しました!」

各々が帰り、静まり返った小料理屋に一本の電話が鳴り響いた

海未「おや、またお父様からですか……もしもし」

『海未、お前今まで何をしていた?』

海未「な、何ですか藪から棒に?」

『今朝うちの方に清水組から電報が届いたんだが……まさかお前』

海未「い、いえ何もしておりませんが……」

『そうか……しかし今回はそれ以上の事が起きた』

海未「はい……?」

『単刀直入に言うとお前には1週間後にシルバーズホテルに行ってもらう』

『その時はあの絢瀬絵里にも上手い事言って連れて来い』

海未「…………どういう事ですか?」

海未が組長と話をしている間、絢瀬姉妹は帰宅しながら話をしていた

絵里「亜里沙、昨日今日とどうだった?」

亜里沙「うん、皆優しい人ばっかりだったし私楽しかったよ」

絵里「それに強いし安心よね♡」

亜里沙「うん!……お姉ちゃんにもやっと良い友達が出来たね」

絵里「ちょっとそれどういう意味?」

妹に痛い所を付かれ頬を膨らませる絵里
それに亜里沙は笑顔で答える

亜里沙「だって……にこさんや希さんだけだったお姉ちゃんがあんなに沢山の友達に囲まれて」
亜里沙「私嬉しかったな♪」

絵里「そうね……でも私にとってにこや希は特に大切な人だわ」

絵里「尖っていた私と仲良く接してくれた大事な……ね」

亜里沙「うん……分かってるよお姉ちゃん」

お互いに感傷に浸る間もなく、絵里のスマホに海未からのLINEが届いた

亜里沙「出てあげてお姉ちゃん」

絵里「ええ………1週間後にシルバーズホテルに来てください?」

絵里「私が待っていますので見つけて下さい……もしかしてお誘いかしら♡」

亜里沙「……お姉ちゃん顔がにやけてるよ?」

清水組事務所


新銅「おやっさん、会合は一週間後じゃったかの?」

清水「おお、そうだ……だが今回は私が直々に迎えようと思っている」

新銅「何でですかいな、若頭のワシに任せてええんじゃ……」

清水「ふむ……今回の会合は例年より荒れそうな気がしてな」

清水「清水組組長、そして友愛会の会長でもある私が出向く事で」

清水「少なくとも他勢力への牽制にはなるだろう」

新銅「成る程……会合頑張ってつかぁさい、それでは」

ガチャ……バタン

清水は部屋を出る新銅の違和感に気付いていた

清水「新銅君……何か企んで居ないか……気のせいかな」

そう言って清水はある人物に電話を掛けた

清水「もしもし……独王会の副会長さんか?」

清水「そうだ、永金さん……久し振りだな」

小料理屋

凛「ひまー」
穂乃果「ひまだー」
希「ひまやなー」

絵里「何やってるの貴方達……」ズズッ

二日後に会合を控えているとは思えないほどこの空間は平和であった

凛「だって皆忙しいって」

絵里「当たり前じゃない、皆仕事してるのよ」

穂乃果「絵里ちゃんが羨ましいよー、長期の休暇だって」

絵里「穂乃果も和菓子屋継いでるんでしょ?もっと真面目になりなさいな」

穂乃果「まだお父さんが現役だから大丈夫だよー」

希「ええなー……」

それまでだらけていた希は穂乃果を見つめ

希「……ねえ穂乃果ちゃん……お父さんの事は好き?」

穂乃果「うん!」

絵里「……そう」

希「それなら良いよ」

凛「え、ええ?どうしたの2人とも?」

希と絵里の急な態度の変わり様に戸惑う凛、しかしその空気は一瞬で元に戻った

希「さー!トランプでもやろうやん」シャシャシャ

絵里「良いわね!凛、穂乃果、やりましょ?」

穂乃果「よーし!負けた人がジュース奢りだよっ!」

凛「あっ、ずるいにゃー!」

そして何事も無かったかのようにトランプは盛り上がった

海未「シルバーズホテル……名前に反して目立たない建物ですね」

ことりの車を借りた海未は店から数十分の街に出ていた

そして二日後に開かれる会合の場所であるシルバーズホテルの前に立ち、ホテルを眺めていた

海未「いつもならお父様が会合に出るのですが……今回は私ですか」

海未「若頭となって長いですし、お父様なりの試練と言うわけですね……無事に済むと良いのですが」

海未が考え事をしながら車に戻ろうとすると一人の男とぶつかった

海未「きゃっ」ドン

?「おや、すみません」ペコリ

海未「こちらこそ……」ペコ

?「いえいえ、良ければこれをお使い下さいな」

海未「あ、ありがとうございます」

?「それでは……また会いましょう」タッタッタ


海未「ティッシュとは親切ですね……おや、紙の裏に何か書いています」

海未「どれどれ……っ!?」

そこには

【園田海未を狙え】と書かれていた

海未「ど……どういう事です!?」

海未「……とにかくいち早く店に戻らないと!」

絵里「あら、外が騒がしいわね……?」

凛「ヤンキーが暴れてるんじゃないのかにゃー?」

穂乃果「おおー、喧嘩なら買うよ!」

希「……にしては聞こえる足音が多くない?」

バタバタ

「おーい!!店に4人居るぞー!!」

「マジかよ、店荒らしに来ただけなのに!」

「構わねえ!殺せ殺せ!」

どこからか来たヤクザと思わしき集団が小料理屋前を囲んだ

絵里達はすぐに戦闘態勢に入り、集団に近づいてく

絵里「ねえ、貴方達の目的は何?」

「園田海未の店を荒らしに来た!抵抗するなら殺す!」

凛「凛達の敵って事だにゃ?」

「園田海未はどこに居る!てめえら隠して無いだろうな!」

穂乃果「海未ちゃんは出かけて行ったよ!」

希「君達、急に来て荒っぽいなー、お茶でも飲んだらどう?」

「舐めてんじゃねえ!お前らやっちまうぞ!」

『ウオー!!』

絵里「やる気ね……準備は良い?」

穂乃果「勿論だよっ!」

凛「喧嘩にゃ喧嘩にゃー!」

希「早く片付けるやん?」

絵里「決まりね、行くわよ!!」

海未「やっと見えて来ました……あっ!」

海未が店に辿り着く頃には4人の周りに集団が倒れていた

海未「まさか店に来ていたとは……でも心配は無さそうですね」

海未「皆さん!ただいま帰りましたよ!」タタタ

絵里「あら、お帰り海未♡」

穂乃果「おー!遅いよ海未ちゃん!」

凛「もう戦えるやつ居ないにゃー」

希「うーん……?」チラッ

希は倒れている下っ端の制服に付いているマークに疑問を持っていた

希「……んー、何かどこかで見た事あるようなマークやな」

「ぐおお……」
「あぐっ、痛え……」

海未「はて、この者達は何かの組の者ですかね?」

絵里「ええ……でも清水組では無さそうよ」

海未「もしかして、神田組の者でしょうか」

希「……神田組?」

凛「何それ?」

海未「友愛会に属しているヤクザグループですよ、ですがあの組は今まで暴力行為等を行ってきた様な覚えは無かった筈ですが……」

穂乃果「ちょっと待って海未ちゃん、友愛会って何?」

絵里「あら、そうねそこから聞きたいわ」

すると集団の一人が立ち上がり、顔を上げた

「……バレたか」

海未「何と?」

「お初に海未さん、オレは友愛会所属神田組の幹部……仏樹だよ」

仏樹「確かにオレ達神田組は今まで慈善事業に力を注いできた……でもそれは建前なんだよ」

海未「建前……?」キッ

仏樹「逆に聞くが……ヤクザが慈善事業を何も見返りなく行うと思うか?」

絵里「思わないわ」

海未「絵里……!」

仏樹「いや、正解だ。その証拠にオレ達は市場相場以上の価値をあらゆる施設に付けてきた」

仏樹「だけどこんな世界だ、カタギですら喧嘩や争いの絶えない日々で特にオレ達の管理している施設は黒字が続いている」

仏樹「だが最近良くない噂を耳にしてな……それがアンタ、海未さんだよ」

海未「私ですか?」

仏樹「そうだ、何でも清水組のところと揉めてると聞いてるじゃないか」

仏樹「だからオレがこうして駆り出されたわけだ、多少怪我をさせて圧を掛けて来いとな」

海未「それが貴方達のボスの命令だったのですか……!!」

仏樹「ああ、海未さんも気付いていただろう?ティッシュの紙の裏の文字に」

仏樹「あれもウチの若衆がやった事だ、アンタなら何か感付いてくれるだろうとな」

海未「…………っ!」ギリッ

希「……ちょっと良い?」

仏樹「何だ?」

希「ウチ……神田組って名前聞いた事あるんやけど……」

仏樹「……その関西弁……!」

仏樹(そうか、コイツがあの父親の子か)

海未「希……?」

希「ウチ……物心付いた時からお父さんがおらんかったんよ」

ほのりん『えっ!?』

海未「っ!?」

絵里「…………」

仏樹「……それがどうした?」

希「もしかして……貴方達がお父さんを……?」

仏樹「何の事か分からんな、何故顔も知らないやつの父親に手を掛ける必要がある?」

希「神田組の組長の名前当てて良い?」

仏樹「組長の名前は神田だ、それ以外に何が分かる」

希「それは2代目の名前でしょ?神田組の前には初代があった筈よ」

仏樹「……何だその初代とは」

希「初代の組の名前は……」




「東條組」

『!?』

海未「希の苗字は……東條」

希「……そうよ、私のお父さんはヤクザだったの」

凛「そ、そんな事……嘘だよっ!」

穂乃果「今までそんな話一度も……!」

絵里「……残念ながら本当よ」

海未「絵里!?」

絵里「東條組、希の父親はそこの組長だったわ」

絵里「そうでしょ希?」

希「…………うん」コクン

仏樹「いやはや……驚いたな、オレは新参の方だがまさか目の前に組の関係者が居たとは」

仏樹「しかし今は神田組が組の中心だ、お前が前任組長の子供であろうがオレ達には関係無い」

海未「話が飲み込み辛いですが……仏樹さんは神田と直接的に関わった事は?」

仏樹「無いな、オレは精々幹部程度だ、組長と早々に面会する事など出来ない」

絵里「……何か隠してない?」

仏樹「無い、じゃあオレ達は手を引こうと思う……じゃあな」

希(お父さん……)

希「…………」

絵里「希……」

凛「希ちゃん元気出して……?」

穂乃果「そうだよ……」

海未(希の事も気になりますが、二日後の会合に参加する私を知らないとはいえ襲うとは……)
海未(もしかして神田組の独断で……?)

海未「ふむ……」

穂乃果「ん、海未ちゃんどうしたの?」

海未「いえ……ですが希、私達に隠し事があるのなら話してみると少しは気が紛れますよ?」

希「いや、大丈夫だよ……皆に心配掛けたくないし」

希「……ウチの事は気にせんで良いからね?」ニコッ

穂乃果「希ちゃん……」




にこ「……ふーん、この店にヤクザがねえ」

凛「そうだよー、いきなり来たからビックリしたにゃ」

真姫「その割には5人とも平気そうね」

穂乃果「へへ、喧嘩なら慣れてるからね!」

希「そうそう……大した事無かったよ」

花陽(ん?希ちゃんが関西弁じゃない……?)

ことり「皆頼もしいね♡……どうしたのかよちゃん?」

花陽「あ、いや何でも無いよ?」

絵里「お腹空いたんじゃないの、海未何か作ってあげて」

海未「そうですね、ではチャーハンでも」

穂乃果「やった!海未ちゃんのチャーハン美味しいんだよね♪」


海未が腕を振るう毎にパラパラとチャーハンが炒められていく
食欲をそそる良い香りが店内に広がるとともに9つの皿にチャーハンが盛られた

海未「出来上がりましたよ」

穂乃果「わー、美味しそう!それじゃあ……」

『いただきます!』

穂乃果「ごちそうさまでした~、美味しかったー♪」

にこ「ほんとアンタ中華は特にプロ並みね」

海未「いえいえ、お粗末様でした」

花陽「美味しかったな♪……あれ、このホテル予約いっぱいなんだ」スッスッ

絵里「ホテル……?」

花陽「シルバーズホテルって言うんです、協会の人が旅行の泊まりで使うからって」

海未(友愛会の仕業ですかね)

凛「何か凄そうなホテルだにゃー」

希「シルバーズホテル……もしかしてあそこの?」

花陽「え、希ちゃんどうしたの?」

希「いや、何か聞いた事あるなって」

にこ「ああ、そこならにこも泊まった事あるわよ、まあ大した事無いけど」

真姫「見た目ボロなのよね、中はそこそこ広いって所かしら」クルクル

希「ふーん、そうなんや……」



希(……やっぱりか、お父さんが言ってた事は)

希(シルバーズホテルには絶対入ってはいけないって)

凛(希ちゃんどうしたんだろう……?)



絵里「まあ私達には縁が無さそうね」

にこ「そうね、噂じゃヤクザが裏家業の溜り場にしてるって話だけど」

穂乃果「えー!?普通のホテルにそれは無いでしょー」

海未「いわゆるカモフラージュというやつです、見た目が古いのもそれが逆に良いのでしょう」

海未「ですがせいぜい噂ならそこまで気にする事は無いでしょう……今夜はもうお開きにしますか?」

絵里「そうね、そろそろ良い時間だし」

にこ「じゃ、帰るわよー」

帰り道、にこは舎弟の3人と別れた後希、絵里と帰宅をしていた
しかし普段は盛り上がる3人も今日は大人しかった

希「…………」

絵里「…………」

にこ「…………ねえ」

にこ「何か喋りなさいよ」

希「……うん」

絵里「……そうね」

にこ「あー!アンタら2人して何急に黙ってんのよ!さっきまで楽しそうだったじゃないの!!」

希「……いや、なんでもないよ」

にこ「嘘付け、あからさまにテンション下がってんじゃないの」

絵里「にこ、希だっていつも明るいわけじゃないのよ?」

にこ「それは分かるわよ、でもせめて暗い雰囲気だけでも何とかしたいじゃない」

絵里「……希、昼の事言って良い?」

希「…………ええよ、今のにこっちなら」

にこ「何何、何があったの?」


にこ「……はあ?」

絵里「つまり、希はヤクザの娘だったの」

希「……」

にこ「何それ…………もっと早く言いなさいよ!!」

希「にこ……?」

にこ「しかも何で絵里だけ知ってて私が知らないのよ!」

絵里「それは……希が前に私だけ教えてくれたのよ……」

にこ「ハァ……アンタって前からそうよね、変な所で気遣いって言うか」

希「だって……にこのお父さんだって……」

にこ「そんな事言ってるんじゃないの、アンタにつっかかりがあるなら私に遠慮せず話しなさいって言ってるのよ」

にこ「それが親友じゃないの?」

絵里「にこ、希は貴方の過去を知ってるからこそ言えなかったのよ。絶対バレたらいけないって」

にこ「アンタね……私はもう子供じゃないの。25の大人なんだから自分の中で冷静な処理ぐらい出来るわよ」

にこ「……で、希アンタこれからどうするの?」

希「え……?」

にこ「神田組とかいうのにお父さんの事探り入れるのかって事よ」

希「それは……まあするかも分からないけど」

希「でもこれは私の問題だから……」




にこ「何言ってるのよ、何年アンタの親友やってると思ってるの?」

希「にこ……?」

絵里「そうよ。希はもっと私達を頼りなさい」

絵里「私達親友でしょ?」

希「……にこっち、えりち……ありがと……」ポロポロ

にこ「泣いてんじゃないわよ」ポンポン

絵里「可愛い顔が台無しよ、ほら」スッ

希「ん……」フキフキ

にこ「……にしても私にしても希にしてもヤクザと変な因縁があるわね」

希「そうやね、でもウチはまだ確証が無いけど」

絵里「探りを入れて結果を見てみるのも大事よ」

絵里「それに希が今までやってきた物の怪退治にも何か関わりがありそうだし」

希「それは怪しいなあ……明日ぐらいにでも海未ちゃんに神田組の事聞いてみようかな」

にこ「あ、じゃあにこが聞いておくわ」

にこ「にこも聞きたい事あるし」

希「そう?じゃあ頼むわ」


――――――――――――――

海未「神田組ですか?」

にこ「そう、何か知ってる事ある?」

海未「そうですね……施設の運営や、何やら宗教的な活動を行っているとか」

にこ「っ!!それそれ!」ガタッ

海未「どうしました!?」

にこ「その宗教的な活動の事もっと詳しく教えて!」

海未「わ、分かりました」

海未「ですが私の発言が全てでは無いですが宜しいですか?」

にこ「構わないわ」

海未「これは噂なのですが、シルバーズホテルには地下が存在するらしいのです」

にこ「地下?」

海未「はい、その地下はある人物がヤクザとの争いから逃げ隠れるために使っていた場所だったのです」

にこ「ヤクザと争うって何があったのよ……」

海未「どうもヤクザ側に何か知られてはいけない秘密があったらしいのです、その人物はその秘密を探っていたとか」

にこ「ふーん」

海未「ちなみにその方は既に亡くなっています」

にこ「え、何で?」

海未「いつもの様にヤクザから逃げようとその場所に隠れたら待ち伏せしていたヤクザに射殺されたのですよ」

にこ「ええ……ていうか良く知ってるわね海未」

海未「そういった噂があるのですよ、そもそも整合も取れていないので嘘だろうと言われているのですが」

にこ「にこも信じがたいわねその話……」

にこ「で、その話と神田組の宗教と何が関係あるの?」

海未「一説にはそのヤクザは神田組の関係者で」

海未「ヤクザが居場所を突き止めたのも地下のある部屋に神田組の祭壇が存在していたとか」

にこ「ふーん……つまりヤクザのホームで上手く隠れ続けていたって事だったのね」

海未「そういう事です、どうもその祭壇は普段から使っているものでは無いのでそれまで奇跡的に隠れ続けられていたと」

にこ「そんな事情があったのね……」

にこ「ほんとにシルバーズホテルに地下があるとしたら行きたくないわね」

海未「そうですね……私もその筋の人に聞いただけなので全てを信用してるわけではないのです」

にこ「そうね……あ、そうだもう一つ良い?」

海未「はいなんでしょう?」

にこ「清水組についてなんだけど……あの組って普段は何してるの?」

海未「そうですね、金融関係が中心でしょうか」

にこ(金融……!?もしかして……)

海未「おや、どうしました?」

にこ「いや何でもないわ……」

海未「そうですか、後組員が多いって事くらいですかね」

にこ「今までにも結構な数の下っ端寄越してきたわよね」

海未「ええ、少なくとも若衆だけでも2000は居ます」

にこ「2000!?多くない?」

海未「まあ友愛会を設立した組でもありますし、何より組長の清水は友愛会の会長ですからね」

にこ「その友愛会ってさ表向きは普通の企業なんでしょ?」

海未「そうですよ、あの神田組も友愛会に所属しています」

にこ「あれ、アンタんとこは?」

海未「組長の父上が入会を拒否しているのです、なので所属はしていません」

にこ「何でよ?」

海未「理由は分かりません。ですが父上にも考えがあるのでしょう」

にこ「ふーん……」



希「やっほーにこっち」

にこ「よっ」

にこ「そうそうアンタが聞きたい事海未に聞いてきたわよ」

希「ほんと?」




にこ「――という事なのよ」

希「そっか、ありがとうにこっち」ガタッ

にこ「ん、どうしたの?」

希「ちょっと出かけてくる……」

カランコロン

にこ「行っちゃったわね……」

カランコロン

にこ「ん?ああ花陽か」

花陽「こんばんはにこちゃん、希ちゃんと何かあったの?」

にこ「へ、どうして?」

花陽「……何か希ちゃん悲しそうな顔してたから」

にこ「……え?」

―――――――

希「ハァ……ハァ……ハァ……!」

希は店を出てすぐある場所へと走っていた
その顔は何かを思い出したかのように

希(まさか本当に一緒だったなんて……!)

希が前々から疑問に思っていた物の怪の依頼が届く住所
何とそこは神田組の本拠地であるシルバーズホテルの地下のある部屋と一致していたのだ


希「……着いた」ハァハァ

希は自宅に着いていた。部屋に入り、希はタンスをゴソゴソと探す

希「あった!」

希の手に握られているのは今まで物の怪の目撃情報が綴られている手紙
その手紙が入っていた封筒を希は細かく観察する

希(やっぱりシルバーズホテル付近の住所が書いてある……)

封筒に書かれた住所を見てにこから聞いた話と自分が今までに体験してきた出来事を照らし合わせる


希「……やっぱりお父さんは神田組に……」フルフル

涙こそ出ないものの怒りで身体を震わせる希


そして

希(にこっち……えりち……やっぱり2人は巻き込めないよ)

希(ごめん……ごめんね)

希「でも今、神田組があそこに居るかな……?」

希「……行くだけ行ってみよう」ガチャ



希「ここがシルバーズホテルか……」

希「開いてるかな……?」

ガチャガチャ

希「開いてないな……帰ろう」


落胆し家に帰ろうとする希
その一瞬の隙を狙って一人の男が近づいてくる


?「東條……死ね!!」ギラ

希「……え!?」


男の持ったナイフが希の胴体に……刺さらなかった

?「危ない!」シュッ

?「ぐっ……!」

どこからか投げられたナイフが男の肩に刺さる

希「に、にこっち!?」

にこ「私だけじゃないわ!」

絵里「その通りよ!」ドゴッ

?「ぐほっ!!」

いつの間にか男の背後に回っていた絵里の蹴りが背中に命中し、男は地面に倒れた

?「……やっぱり一筋縄ではいかんな」

希「あ、貴方誰?」

?「俺は神田組の若衆だ、東條の命を狙いに来た」

にこ「随分素直に吐くのね」

若衆「ああ、だがバレた以上もうお前らに勝ち目なんて無いここは手を引こうと思う」

希「ちょっと待って、何でウチの苗字知ってるの?」

若衆「東條組は知ってるな?俺はその代から居たもんだからな」

希「そ、そうなんだ……」

目の前の男は確かに若者というよりはむしろ年は40代ぐらいに見えた
初代東條組からの組員というのにも納得がいく

絵里「という事は貴方は東條組長にも関わりがあるの?」

若衆「勿論だ、ちなみに俺は藤山という」

藤山「東條組長は優しい人でね、俺の様な下っ端にも等しく関わってくれたもんだ」

藤山「しかし東條組が神田組に変わってからというものの組全体がおかしな方向にいっちまった」

希「おかしな方向?」

藤山「そうだ、どうも神田はあの世に居る魂をこっちの世界に呼び操る事が出来るらしく」

藤山「それから神田はその奇妙な能力で物の怪とかいうこれまた不気味なものを組を挙げて開発しはじめたんだ」

にこ「魂を呼ぶ?どういう事??」

藤山「分かりやすく言うなら死人を復活させる技が使える様なものだな」

にこ「ザオラル的な?」

藤山「それだ、しかし肉体という器が無い以上魂だけ……つまり一般的に呼ばれる幽霊の状態として呼ばれる」

藤山「当然幽霊の状態では何も出来ない。だからこそあの男は物の怪という器の開発によって自らの能力を悪用しはじめたという事だ」

絵里「……まるでファンタジーの様ね」

藤山「信用出来ないか?だが西洋では悪魔や悪霊などの文化は今でも残っている」

藤山「それに、東條希は今まで物の怪退治を生業としてきた。お前なら信じてくれるな?」

希「私は……信じる」

絵里「この男の妄言という可能性も捨てきれないわよ?」

希「良いの。それに貴方はお父さんの代から居た人なんでしょ?」

希「神田組の事にも詳しいし、信用してみるよ」

藤山「それなら良い……あと俺が話していた事は神田組の連中にはオフレコで頼む」

にこ「分かったわ、アンタにまた命狙われるのも嫌だし」

藤山「俺こそお前らのようなチンピラに狙われるのはごめんだ……じゃあな」

タッタッタ……

にこ「行ったわね……」

絵里「ええ、それにしてもあの男が言った事は本当なのかしら」

希「分かんないわ。とりあえず助けてくれてありがとうな2人とも」

にこ「良いって事よ……でもアンタまさか一人で神田組潰す気じゃないでしょうね?」

絵里「そうよ、また奇襲かけられたらどうするの?」

希「ごめんな……やっぱり大事な2人を巻き込む事は出来んのよ」

絵里「それは違うわよ希。大事だからこそ私達も希に協力したいの」

にこ「そうそう。どうでも良かったらさっきだって助けて無いわよ」

希「……ありがとうな」ニコッ

希「でもやっぱりお父さんの敵はウチが取りたいわ、その時は2人とも……」

にこ「分かってるわよ」

絵里「雑魚のお掃除は任せときなさい♡」

希「……ふふっ」
希(2人とも優しくってウチは本当に幸せ者やな……)

絵里「そういえば私は明日用事があるから居ないわ」

にこ「あらそう、まあ適当に海未の所で溜まっとくわ」

絵里「あ、その事だけど海未も明日は居ないわよ」

希「え、何かあるん?」

絵里「裏の仕事があるって……私も連れていくって」

希「えりちも?」

にこ「ふーん、まあ店自体には入れないわけじゃないから適当にやっとくわよ?」

絵里「それならこっちも安心だわ」

にこ「一応花陽にでもLINEで知らせとくわ……海未から聞いてると思うけど」



海未「あ、花陽明日はこの店に来ても私は居ませんので」

花陽「え、仕事?」

海未「ええですので皆さんにもそう伝えておいて下さい」

花陽「うん♪」

海未「そういえば希達はどこに?」

花陽「さあ……事件に巻き込まれてないと良いけど」

花陽「あ、にこちゃんから連絡だ……ふんふん、絵里ちゃんも仕事なんだね」

海未(……ホテルの件は教えられていない様ですね)

花陽「どうしたの海未ちゃん?」

海未「あ、ああ何でも無いです」

そして会合当日

海未は以前皆で寝た大部屋で身支度をしていた

身支度を終え、部屋の隅にある一枚の写真を眺め海未は呟く

海未「……本来は貴方の役目だったのでしょうね」

その写真には海未に似た女性が海未と一緒に写っていた

海未「一体どこにいったのですか……」


海未「お姉様……」

プルルル

海未「!」

絵里『ハーイ♡おはよう海未』

海未「ああ、絵里ですか。おはよう御座います」

絵里『準備は出来てるけど……もうホテルに向かった方が良い?』

海未「そうですね。現地集合にしましょう」

絵里『分かったわ、あまり待たせないでね♡』

海未「分かっております。では」ピッ


海未「はぁ……少々気が落ち込んでしまいました……いけません昔に惑わされていては」

海未「絵里を待たせない様にもう行きますか」


ガチャ……パタン


写真に写っている2人はこの世で一番仲の良い姉妹だと言うかの様に良い笑顔だった

海未「お待たせしました絵里」

絵里「大丈夫よ今来たから♡」

海未「流石こなれていますね」

絵里「クスッ♪じゃあ中入りましょ?」

2人がホテルに入る直前、車を運転していたことりが海未達を目撃する

ことり「……?今海未ちゃんと絵里ちゃんが居たような……?」

ことり「あの古いホテル……あれがシルバーズホテルっていうのかな」

ことり「ホテル……ホテル……ええっ!?///」

ことり「だ、ダメー!!穂乃果ちゃん達に連絡しないと!!」

変なスイッチが入ってしまったことり

穂乃果『どしたのことりちゃん?』

ことり「かくかくしかじか……」

穂乃果『ええっ!?とにかくことりちゃん戻ってきて!』

ことり「うんっ!」

凛「穂乃果ちゃんどうしたにゃ?」

穂乃果「やばいんだよ!とにかくシルバーズホテル?に行かないと!」

真姫「ヴぇぇ、何かあったの?」

希「海未ちゃんとえりち居らんしその関係やないの?」


ブウゥゥン……キキィーッ!!

ことり「皆!乗って!!」バタン

花陽「ひゃあっ!」

にこ「な、何だって言うのよ!」

穂乃果「とにかく皆急ごう!!」

バタバタ……


ブイーン

ことり「やんやん……」

にこ「アンタずっとそれ言いながら運転してるけどどうしたのよ」

ことり「だって海未ちゃんと絵里ちゃんが……今頃ホテルで///」

穂乃果「そうだよ!絵里ちゃんが海未ちゃんを誑かしてるかもっ!」

花陽「えええー!?」

希「無い無い」

凛「希ちゃんと同意見だにゃー」

真姫「右に同じ」

シルバーズホテル 5F


海未「失礼します」ペコ

絵里「呼ばれたから来たわよ」

清水「おお、良く来てくれたな。2人の事は組長さんから伺っているよ」

海未「話が早くて感謝します……まだ全員は集まってないようですね」

清水「向こうも忙しいからな、まあのんびりと待っていようじゃないか」

清水「これお前達、お茶の用意をしてあげなさい」

風丸「了解」

大石「こちらをどうぞ」

清水に呼ばれた2人は海未と絵里の目の前にお茶を置く

海未「頂きます」

絵里「ありがとうね」

?「私は水で結構だ」

清水「おや何時の間に来てたかな……永金さん」

永金「最初から居たのだがな……」

永金と呼ばれた男は海未の目の前に座っており、清水より若い見た目で同じかそれ以上の風格を纏っていた

絵里(この人……!)

海未「本日は宜しくお願いします……絵里?」

絵里「……宜しく」

永金「こちらこそ……しかし若いのに大変だな」

海未「どうも」

そして男の後ろには絵里に似た女性が立っていた
その女性は永金に近寄りロシア語で会話を始めた

?『永金副会長』

永金「どうした?」

?『目の前に居る金髪の女性は……』

永金『おそらくレイの姉だろう』

絵里(レイ……どういう事よ!?)

永金『あまりこれ以上喋るな、ボロが出てしまうぞ……エレン』

エレン『失礼致しました副会長』

2人の会話にひっかかりを覚えた絵里はロシアの言葉で会話を切り出す

絵里『……ちょっと良いかしら?』

永金『おっと、どうかしたか?』

エレン『……全て筒抜けでしたか』

絵里『余り貴方は賢くない様ね、もっと言語を学びなさい』

エレン『すみません……学が無い者で』

口調こそ喜劇的だがお互いに緊迫した雰囲気を保ちながらの会話だった

永金『これ以上はこちらの詮索はしないで貰えるか……絢瀬絵里』

絵里『……貴方達は何者なの?』

エレン『耳が聞こえないのですか?副会長の言う事を聞きなさい』

絵里『質問に応えなさい』

永金『その義理は無い』


清水「おやおや、何やら揉め事かな?」

永金『……これ以上の会話はせんぞ』

絵里『分かってるわ……でも覚悟はしておきなさい』

エレン『……っ!』

絵里「……勝手な会話失礼しました清水さん」

清水「いやいや、会合とはいえ雑談ぐらいは構わない」

清水「後は神田組が来るまで皆でまったりしていようでは無いか……」

バタン

神田「遅れてすまない」

仏樹「どうもすみませんね」ペコ

清水「おっと君達を待っていたよ……では友愛会と独王会の会合を始めよう」

海未達が会合を進めている一方でことり達はホテル前に辿り着く


ことり「着いたー!」

穂乃果「よーし、待っててよ海未ちゃん絵里ちゃん!」

真姫「待って、ホテルの真ん前に誰か居るわ」

希「あれ絶対ヤクザ系の人やな……」

凛「お、喧嘩かにゃ?」


登美「もー、青葉ちゃんのせいで会合に遅れちゃったじゃないの」

青葉「ていうか僕がトミーさんを連れてきたんですよ?」

登美「あらそう、それにしても清水ちゃん怒るかしら」

青葉「組長は優しいですから大丈夫ですよ……それより急ぎましょう」

登美「はーい♡」


にこ「げっ、アイツ居るの……」

花陽「どうしたのにこちゃん?」

凛「顔がアイドルっぽくないにゃ」

にこ「な、何でもないわよ……」

そういうにこの頭には昔の記憶、背中には冷や汗が流れていた

希「それより中に絶対ヤクザの人居るよ、どうする?」

穂乃果「勿論海未ちゃんと絵里ちゃんを助けるよ!」

凛「さんせーい!」

にこ「まあそれしかないわね……真姫も花陽も良いわね?」

真姫「勿論よ」

花陽「足を引っ張らない様に頑張ります!」

ことり「あ、じゃあことりは中で待ってるね」

にこ「アンタ戦えないもんね……鍵は掛けといててね」

穂乃果「無事に連れ戻して来るからね!」

ことり「うん♪皆頑張ってきてね♪」

かくして穂乃果達のうみえり救出作戦が始まった

「門番も暇だよなー」

「な、こんなボロいホテルに誰が来る……なっ!」

穂乃果「とりゃー!!」ボゴッ

「ごはっ!!」

「な、なな何だお前ら!」

にこ「正義のヒーロー達よ!そこをどきなさい!」

希(多分ウチらの方が悪人やと思うけど……)

「ク、クソ!ここは通さねえぞ!!」

凛「突撃にゃー!!」



清水「という事で会議は一旦休憩、少し息抜きしなさい」

海未「ふう……中々気が張って疲れますね」

絵里「肩揉んであげる♡」ギュッギュッ

海未「ああ~……気持ち良いです……」

会議が休憩になり、皆がそれぞれ休憩を取る中、部屋のドアが慌しく開けられた

「し、清水組長!!」

清水「おや、どうした?」

「侵入者です!!数は6人!」

清水「一般の方かな?」

「それが……妙に戦い慣れした者達で……」

清水「そうか……会議は一旦中止、客人達を持て成すぞ」

清水「皆、大石と風丸そして今連絡が入った青葉に付いて2階の大部屋に控えなさい」

清水「登美には既に3階に付いて貰っている、急ぐのだ」

『はっ!!』

永金「独王会も臨時体勢を取れ……エレンは4階、私は少し侵入者の様子を見てくる」

『承知』

神田「俺達はバラバラに行く。俺はこの部屋前に構えておくから仏樹は若衆達と1階大部屋にいけ」

『了解!』


各組織が戦闘体勢に入る中、海未と絵里は狐につままれた様な顔で慌しい状況を眺めていた


海未「ま、まさか……」ポカーン

絵里「はぁ……あの子達勘違いしたわね……」ヤレヤレ

そんな上の騒動と連動するかの様に1階にゾロゾロと若衆が集まってくる
その様子を見て穂乃果達は更に士気を高めていく

「てめえら止まれ!!」
「上に行かせるな!」

穂乃果「おおー、いっぱい居るね!」

希「まだ下っ端ぐらいやから今の内に突っ走るよ」

にこ「さあ、カモーン!ドンドンブッ飛ばして行くわよ!」

破竹の勢いで若衆を倒していく穂乃果達、その前方を仏樹達が遮る



仏樹「お前ら止まれ!俺達は仕事中だ!!」

にこ「あ!アンタこの間は良くもにこが居ない時に店を襲おうとしたわね!」

仏樹「うるさい!とにかく上の階には行くな!!」

凛「また凛の足技を喰らうかにゃー?」

仏樹「っち、ガキ共め……!!」

恐怖半分、怒り半分と言った感情で叫ぶ仏樹

仏樹「泣いて詫びても許さ……ぐはっ!!」ザクッ

真姫「邪魔よ」

しかし真姫の投げたメスがアキレス腱に刺さりアッサリと倒れた仏樹

「仏樹さん!!」
「馬鹿な……幹部だぞ!!」

真姫「あんまり雑魚が粋がるんじゃないわよ」ギロッ

『ひっ!!』

真姫の冷たい視線に怯えた若衆達はあっさりと道を開けた

凛「真姫ちゃんかっちょいいー!」
にこ「真姫ちゃんこわーい♡」

真姫「茶化さないで!」プンプン

穂乃果「上の階に行くよ!」

希「おっけーい!」

階段を登り、2階のドアを開く穂乃果
その一瞬の隙を狙った拳が穂乃果の眼前を掠った

大石「喰らえ!」ビュッ

穂乃果「うおっ!危ないなー!」サッ

風丸「大石の拳を避けるとは……!」

青葉「やはり只の侵入者では無い……雑魚じゃ相手にならないわけだな」

穂乃果「貴方達誰?」

青葉「2人は清水組幹部……僕は若頭補佐の青葉だ」

青葉と名乗った男はインテリな雰囲気とは裏腹に鍛え上げられた拳を合わせながら穂乃果達を挑発している

希「若頭補佐……!?」

凛「それって強いの?」

花陽「新銅の右腕って事だよ!」

にこ「ふーん……でもこの階に居るって事は大した事なさそうだけど」

真姫「いや……実力者だからこそ私達を早く片付けようって事も考えられるわ」

青葉「赤髪の君は中々冷静だな……その通り我々はこれまでの様にはいかないぞ」

青葉「悪いがここで君達にはリタイアだ……大石、風丸。行くぞ!」

大石「おう!」

風丸「分かってるよ」

穂乃果達を潰さんとこちらに向かってくる3人

しかしその勢いは3人によって止められた


真姫「喰らいなさい!」シュシュ
風丸「早……ぐわっ!」ザクッ

真姫は風丸の動きを先読みしメスを投げる

花陽「やーっ!」ドガッ
大石「何っ!……がはっ!!」ザザッ

花陽は大石の胴に渾身のパンチを放つ

凛「とりゃー!」バキッ
青葉「ぐっ!」ガッ

そして凛の蹴り攻撃をギリギリ両腕で防ぐ青葉


ピンチと思われた状況が若い3人組によって逆転した瞬間であった


穂乃果「凛ちゃん!真姫ちゃん!花陽ちゃん!」

凛「へへ、ここは凛達に任せるにゃ!」

真姫「さっさと先に行きなさい!」

花陽「花陽達は大丈夫ですから!」

青葉「く……!」

凛「さあー!かかってくるにゃあ!」


希「ウチも残る……うわっ」グイッ

にこ「いいから早く行くわよ!」タッタッタ


立ち止まる希を引っ張りながらにこ達は3階へと走る


希「何するんにこっち!」

穂乃果「ほんとに大丈夫なの、にこちゃん!」

にこ「大丈夫よ!にこの舎弟よ?」

にこ「あんな奴等コテンパンだわ!」グッ

穂乃果「にこちゃん……!」

希「……そうやな、にこっちの舎弟やもんね」クスッ

3F

希「よいしょ!」ガチャ

登美「あらー、侵入者ちゃ~ん♡」

穂乃果「うおっ、おじさん!?」

登美「何よ失礼ね!これでも女よ女!!」

希達の目の前に居る人物は女口調とは裏腹に明らかに40代の男の風貌でソファーに座っていた

にこ「……やっぱり居るのね」

登美「あら、にこちゃーん♡久し振り~」

希「知り合いなん?」

にこ「前に戦った事あるのよ……」

登美「そこのにこちゃんとは熱い拳を交わしたのよ♡」

穂乃果「うおお……にこちゃんなんか凄いね」

登美「良ければ3人で掛かって来ても構わないわよ?アタシ激しいの好きだから♡」

にこ「ふん!アンタはまたにこが相手してやるわよ!!」

にこ「希、穂乃果」

希「はいはい、分かっとるよ」

穂乃果「気をつけてねにこちゃん!」

タッタッタ……

登美「あらー、行っちゃったわね……でもまた熱い戦いが出来るわねにこちゃん♡」バッ

にこ「今度こそ参ったと言わせてやるわよ!とりゃー!!」ダダダ

4F

穂乃果「よっこいしょ……」ガチャ

エレン「……侵入者?」

希「えりち!?」

エレン「違う……私はエレン。独王会の若頭」

穂乃果「若頭……強いんだね」フルフル

希「随分口が軽いんやね……組織の名前なんてそう簡単に言ってええもんじゃないやろ?」

エレン「私の素性を明かした所で貴方達に勝ち目は無い……それに私は頭が良いほうじゃないのよ」

穂乃果「へへ、穂乃果と似てるね……君」

希「穂乃果ちゃん……さっきからウズウズしてるね?」

穂乃果「うん、希ちゃん。ここは任せてくれないかな」

エレン「1対1で戦うって言うの……馬鹿か無謀か……それとも勇者か」

エレン「良いわ、相手してあげる掛かって来なさい」

穂乃果「よーし!やっと強そうなやつと戦えるよ……行くぞー!!」ダダダ


希「……多分次が最上階やね」

希「待ってて海未ちゃん、えりち!」タッタッタ

小部屋

永金は騒動に紛れて小部屋である人物と電話をしていた

永金「……新銅、計画は順調だ」

永金「ああ、もう少し時を待て」スッ

スマホをポケットに仕舞い、怪しく微笑む永金

永金(……もう少しだ、もう少しで我等の計画が達成する)ニヤリ



5F


ガチャ

希「……やっぱり敵が居るんやね、門番さん?」

神田「お前!……東條の娘がここに来るとはな」

希「貴方が……神田?」

神田「正解だ。だが永金さんに会わずにここまで来れるとは運が良いな」

希「永金?誰なんそれは」

神田「俺より数倍強えぞ……しかし俺も門番の役目を果たさなければな」

希「貴方にはこんな慌しい状況で会いたく無かったけど……仕方ないよね」

希「そこを通してもらうよ、仲間を助けるために!」ダッ

神田「フン……来い!!」ガバッ

神田の掴みかかりを避けながら希は神田の足を払う
その攻撃を避けきれず倒れこむ神田

神田「ぐ……やるな」

希「ふふ、喧嘩は嫌いじゃないんよ♡」

希「さあ、ここからや……行くよ!」ダッ

希が神田と戦っている一方、下の階でも戦いは激しくなっていた

凛「やーっ!!」ブン

青葉「ぐおっ……!!」バキッ

凛「まだまだ、足払い!」サッ

青葉「危ない……動きが速いな」ヒョイ

凛「これでも元金メダル選手なんだよ!」ブイ

青葉「成る程……手強いな」ニッ


凛の素早い攻撃にギリギリで回避や防御を繰り返す青葉
中々攻撃に転じる事が出来ない上、長期戦で体力を削られていく

青葉(まるで体力に差があるな……ただの下っ端だと思っていたがここまでとは)

青葉「ここは……大石!風丸!僕の援護を……!?」


真姫「誰を呼んでるの?」

風丸「が……はっ!」

花陽「幹部なのに手応えが無いですね」

大石「ぐう……ゼェ……ゼェ……!!」


いつの間にか真姫と花陽も幹部の2人を倒していた

青葉「どういう事だ……!!清水組の幹部だぞ!!」

凛「凛達だって園田組と繋がりあるにゃー!!」

真姫「所詮数が多いだけのリーダーなんて大した事無いわ」

花陽「花陽達は負けられないんですよ、頭に期待されてますから」


青葉「頭……あのツインテールか……?」

凛「そうだよっ!」

凛「にこちゃんは黙って凛達に任してくれたんだよ。それで負けたなんて言えないよ!」

青葉「……言葉の無い信頼関係か……ウチの組には存在しないな」

青葉「ふん……君達は強い。これ以上の戦いはこちらが消耗するだけの無駄試合だ」

真姫「あら、潔いわね」

花陽「びびってるんですか?」

青葉「何、状況を見極めて撤退するだけだ。次はこうはいかない」

青葉「……先に行け」

凛「よし!行くよ2人とも」

真姫「はいはい」

花陽「分かってるよ」

タッタッタ……

青葉(あの3人……まだ強くなるだろうな……)

青葉「さ……倒れた2人を片付けるか」

にこ「そい!」ビッ

登美「あん♡強くなってるわねにこちゃん♡」

にこ「一々気色悪いわ!」

登美「……でもこれは避けられるかしら……それっ!」ババッ

登美は右腕を振りかぶりにこの頭を狙う

にこ「!!」サッ

登美「そこっ!」ドゴッ

開いた左手の拳をにこの鳩尾に叩きつけた

にこ「ぐはっ!?」ドサッ

登美「あらあら、まともに喰らっちゃったわね……」

にこ「げほっげほっ……!!はぁはぁ……くそっ!!」ギロッ

登美「そう睨まないでちょうだい。アタシも上の命令には逆らえないのよ」

そう言いながら登美はソファーに座る
未だダメージの抜けないにこはその一瞬を見逃さずゆらゆらと立ち上がる


にこ「……だったらこれはどうかしらね!!」

にこ「はぁっ!!」ドカッ

登美「きゃっ!」ゴロゴロ

にこはソファーを蹴り飛ばし、登美を転ばせる


にこ「動くんじゃないわよ!」スチャ

不意を付かれた登美の首ににこはナイフを突きつける

登美「……ほんと強くなってるわにこちゃん……」

登美「強くて諦めない心を持ってる。そういう子アタシは大好きよ」

にこ「アンタなんかに好かれても全く嬉しくないわよ」

登美「うふふ、この先に行きなさいな。もうアタシは貴方を止める気は無いから」

にこ「……感謝するわよ」タッタッタ……


登美(そろそろアタシも真面目に生きるべきかしら……)


ガチャ

凛「あっ、敵が居たにゃ!」

真姫「本当ね。油断しちゃダメよ」

登美「あら、にこちゃんならもう先に行っちゃったわよ」

花陽「え、にこちゃんと戦ったんですか?」

登美「ええ……貴方達も先に行きなさい、通してあげる」

凛「何だか良く分からないけど、ありがとうにゃ!」タッタッタ……


登美(……可愛い子分が居るのね……)

にこ「ぜぇぜぇ……」タッタッタ

にこ(アイツ強かったわね……)


凛「おーい、にこちゃーん!」フリフリ

にこ「あ、アンタ達も終わったの?」

真姫「そうよ。大した事無かったわ」

花陽「もっと手応えのある人は居ないんですか……」

にこ「花陽……いつのまに戦闘モードになってたのね」

凛「おにぎりあげたら落ち着くにゃー、はいかよちん」

花陽「もぐもぐ……美味しい♡」


穂乃果「やーっ!」バキッ

エレン「ぐっ」ガッ

穂乃果「とうっ」ドゴッ

エレン「っ!!」サッ

穂乃果「まだまだ!!」

穂乃果「てーい!」バキ

エレン「ぐ……!」ドサッ

1発目、2発目と穂乃果の攻撃を防いだエレン
しかし3回目のパンチを見切れず床に膝を突く

エレン(……コイツ、強い!)ハァハァ

穂乃果「ハァ……ハァ……君強いね……!」

穂乃果「えへへ、まだまだ戦えるよね?」

エレン「勿論……!」

しかしエレンは穂乃果の後ろにある扉から気配が上がってくるのを感じ取り

エレン「待って、もうすぐ援軍が来る……」

穂乃果「へ?」

ガチャ

にこ「ほ、穂乃果!」

凛「あー穂乃果ちゃん!」

真姫「そいつは……敵ね」

花陽「だ、大丈夫穂乃果ちゃん?」

穂乃果「おー!皆こそ大丈夫?」

エレン(……全員負けたか……何て強さ……!)

穂乃果「おっと、穂乃果は君を倒さないとダメなんだよ!」

穂乃果「ささ、続きやろ!」

エレン「……私の負けよ。ここは通って良いわ」

穂乃果「え、良いの?」

エレン「ええ。早く行きなさい」

穂乃果「分かったよ、ありがとう!」

にこ「ちょちょ、待ちなさいよ穂乃果!」

凛「ありがとうにゃ絵里ちゃんに似てる人!」

タッタッタ……



エレン「あのオレンジ髪……楽しい勝負だったわね」

神田「ゼェゼェ……やるな貴様」

希「ハァ……ハァ……貴方も中々やるね」

神田「これでも友愛会の2大巨頭の組長なんでな……」

希「強いわけだね……」

希と神田が対峙をしていると下の階から足音が聞こえてきた
希「……ん?」

神田「……どうやらお前達の勝ちのようだ」

希「という事は……」


にこ「希!!」バタン

希「にこっち!」

希「穂乃果ちゃん達も……皆勝ったんやね」

穂乃果「へへ、結構相手も強かったよ!」

凛「ちなみににこちゃんだけボロボロだにゃー!」

にこ「りーん?」グリグリ

凛「痛いにゃー!」

穂乃果「おおー、にこちゃん名物ぐりぐり攻撃だっ!」

アハハハ

神田(こいつらが東條の……成る程)

希「あ、ウチも貴方を倒さんと!」

にこ「何よー?まだ決着付いて無かったの?」

神田「……良い、ここは通してやる。いけ」スッ

穂乃果「え、良いの?」

神田「もはや会合をする意味も無い、なら俺が止める意味も無いだろう」

真姫「……筋は通ってるわね」クルクル

希「そうやね。皆行くよ」ガチャ


海未「あ、貴方達!」

絵里「良くここまで来れたわね……」

希「へへ、えりち達の事心配したんよ?」

にこ「後は……アンタ一人だけね」スッ

清水「おやおや、やっぱり君達が客人だったか」

穂乃果「おおー、強そうな人だね」サッ

花陽「こ、この人が……ここのボス?」

真姫「コイツが清水組の組長なのね……」

清水「おっと私は君達と戦う心算は無い。だから武器をしまってくれ」

凛「そういって後で銃でバーンとかやる気でしょー!」

清水「私はそんな卑怯な真似はしないさ。むしろ君達の事は個人的に興味を持っている」

清水「私は強い者が大好きでね……特に若者の生き生きとした姿は惚れ惚れとしてしまうよ」

海未「どうも……」ペコ

絵里「私達の仲間は強いでしょ♡」


にこ「あのおっさんあんなキャラだったかしら……」ヒソヒソ

凛「分かんないにゃ……」ヒソヒソ

穂乃果「そういう時もあるんじゃないの?……」ヒソヒソ






清水「会合は中止になったが、君達とはまた会いたいものだな」

海未「すみませんでした。我々が連絡していなかったばっかりに」

清水「何、人生は全てが上手く行くわけではない。今回の事も良い刺激になったよ」

清水「良ければ君達には私の組の下っ端達を鍛えて貰いたいものだ」

絵里「面白そうね、ウチには喧嘩好きが結構居るし」

清水「はっはっは。血の気が多いのは良い事だ……それでは皆気をつけて帰りなさい」

海未「また会合があれば宜しくお願いします……それでは」

絵里「じゃあ皆帰りましょう」



清水「帰ったか……それにしても面白い若者達だった」

清水「時代が違えば園田海未も私の組の幹部として働いてくれたかもしれん……」

清水「あの子はすぐにでも組長として活躍するはずだ……その時までに私が生きていれば更に刺激のある人生だったかもな」

清水「……」

「……えー!あの海未ちゃんが!?」

「そうだよ♡あの時の海未ちゃんは可愛かったなー」


海未「ことり。お待たせしました……ヒデコ!?」

「ん?あ、海未ちゃん、穂乃果!久し振り!!」

穂乃果「お、ヒデコ久し振りだねー!」

ヒデコ「って……絢瀬先輩!?」

絵里「あら、貴方がどうしてここに?」

ヒデコ「パトロールをしていたらことりちゃんを偶々見かけたんですよ」

ことり「そうそう。それでことりとずっとお喋りしてたの♡」

海未「そうなのですか……しかし懐かしいですねヒデコ」

ヒデコ「そうだねー、でも皆があそこのホテルから出てきたっていう事は……」

ヒデコ「喧嘩でもしてきました?」

にこ「あら、良く分かったわね」

ヒデコ「そりゃ分かりますよ。特に矢澤先輩はボロボロですし」

希「あれ、にこっちも面識あるんやね」

花陽「多分希ちゃんと真姫ちゃんは会った事無いよね?」

真姫「そうね、ヒデコちゃんって言うのね」

ヒデコ「ええ、これから宜しくお願いします」ペコリ



凛「でも凛も久し振りだよー、ヒデコちゃんと会うの」

ヒデコ「最近はヤクザが前以上に抗争が多くて警察も忙しいんですよねー」

絵里「あらあら、署内で何か変わった事は無いかしら?」

ヒデコ「特には無いですかね、そちら側は?」

海未「こちら側も特には無いですね」

ヒデコ「そっか、まあ平和なら良かったよ」

絵里「それじゃあ私達は帰るわ。ヒデコちゃんはパトロール頑張ってね♡」

ヒデコ「はい!先輩もゆっくり休んでくださいね」

ヒデコ「あ、一応これ渡しておきます」

絵里「あら、名刺ありがとう。じゃあね」

ヒデコ「では」ビシ

ヒデコは絵里達に敬礼してパトロールを続けに行き、絵里達は小料理屋に戻った


小料理屋


海未「……しかし何故貴方達はホテルに殴り込みに来たのですか?」

海未「私がちゃんと理由は説明したはずですが」

ことり「だって海未ちゃんと絵里ちゃんがホテルで……あの」

絵里「あら、詳しく聞かせて?」


絵里「……ふふふ……あははは!」

海未「そ、そんな事は絶対ありえません!!///」

絵里「私と海未が……ふふふっ」

にこ「まったく……あんなボロいホテルでそんなムード作れるかって話よ」

凛「その2つ隣ぐらいにあったホテルの方がおしゃれだったにゃー」

真姫「しっかり見てるわね」クルクル

穂乃果「だって海未ちゃんってそういうの弱いし……絵里ちゃんに襲われちゃうかも!」

花陽「ぴゃあ!」

希「ふふ、そうなったら面白そうやね♡」

絵里「あらあら、人想いの幼馴染持って海未は幸せものね♡」

海未「そ、そんな心配は要りませんよ!」


海未「それに……そんな事のために貴方達はヤクザの集会所に殴り込んで大丈夫なのですか?」

にこ「平気よ、にこ達喧嘩好きだし」

凛「そうにゃそうにゃ!あの清水っておっさんも凛達の事怒ってなかったよ!」

絵里「それはそうだけど……チンピラの喧嘩とヤクザの抗争はまるで別物よ?」

海未「軽い気持ちで始めた事が後々大きな解れが起きる事はあり得ます」

海未「貴方達が強いのは分かっていますが……向こうから仕掛けて来ない限りはこちらから刺激する事は出来るだけ控えましょう」

穂乃果「はあーい……」

ことり「な、なんかごめんね海未ちゃん」

海未「構いませんよ、ただ今後向こうから仕掛けて来る事も覚悟しなければなりませんよ」

希「大丈夫よ。ウチが皆を守るからね」

絵里「あら、じゃあ私も」

にこ「あ、じゃあにこに任せなさい」

のぞえり『どうぞどうぞ』

にこ「ぬわんでよ!」

アハハハハ




にこ「ほれほれ海未ちゃ~ん♡」

穂乃果「おおー!えっちな漫画だね!」

海未「や、やめて下さい破廉恥です///」


ことり「海未ちゃん……」チラッ

ことり「……」

希「どうしたんことりちゃん?」

ことり「……もしかしてことりってとんでもない事しちゃったかなって……」

希「昼の事?」

ことり「うん……海未ちゃんと絵里ちゃんを助けたくて希ちゃん達の事まで巻き込んじゃって……」

希「……そんなの気にせんでええよ」ギュッ

ことり「希ちゃん……?」

希「穂乃果ちゃんから聞いたよ。本当は2人を助けたくて穂乃果ちゃんに電話したんやろ?」

ことり「う、うん……かよちゃんからLINEの事は聞いたんだけど、ほんとに海未ちゃん達大丈夫かなって」

希「まあヤクザの本拠地かもしれないって知ってる場所に2人が入っていったら普通は心配するよね」

ことり「そうなの……特に海未ちゃんは穂乃果ちゃんとずっと3人で仲良くしてきた大事な幼馴染だから……」

希「……その気持ち分かるよ、ウチもにこっちとえりちがヤクザに絡まれるって分かったら周りを巻き込んでも助けたいって思うもん」

ことり「の、希ちゃん……」ポロッ

希「ああ、もう泣いたらあかんよ。可愛い顔なんだから笑顔笑顔!」ニコッ

ことり「……うん」ニコッ

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