矢澤にこの否定的な日々 (30)


有り体にいえば、アンチがついた

新曲のPV200に対し評価が既に10件近く。
評価の点数なんて見なくてもわかる。
けど確認。
ほーらやっぱり一点台。

普通なら、評価の点数はある一定のPVがついてから
最低でも1000PV超えるぐらい。
だけど違う。

このやり方は、覚えがある。


苦々しく、自分のしていた日々を思いだす

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1428588234


花陽が入ったばかりの頃に、μ'sの悪口をみて、泣いていたと凛から聞いた。

私が入ったせいで、と花陽は自分を責める。
凛は彼女を庇う。
そんなことする人間が悪いだけだよ。
悪口を影から言う方が間違っている。
かよちんは悪くない。

花陽は考える。
私のせいじゃなくても、そんな悲しいことするのは何故?
やっぱり悲しい理由しか思い浮かばない。

怒る凛と、傷つく花陽

対照的な反応が、二人を支え続けたのかもしれない。
ふと、こんな純真な彼女達を傷つけたことに罪悪感を感じたことも


矢澤にこのソロ活動
μ'sグループの小悪魔的存在、一人になれば隠れないユニークさを放つ。
あざとく、相手に好まれる計算、それをする。
それは充分な資質。
いずれ宇宙ナンバーワンアイドルになる、矢澤にこ。
それが早いか遅いか。
一人でも充分。

癖になる魅力があるのは知っている。
だけど、独特の華は、とても嫌われる。

悪目立ち

気に食わない人間が目の敵にする。
私を好きなヒト以上に、私の活動をしっている。

どこかで何かをいわれている
言われていても、知らないフリ。

鏡よ、鏡、鏡さん、宇宙で一番のアイドルは誰?


嫌いな癖に、悪態をつく癖に、ステージに見に来るコがいた。

教えてあげるのも、いいかもしれないと試してみた。
何度も、何度も。
私は私の歌を歌いたい。
それを、見に来てくれている人もいるの。

だから見に来るのは構わないから、せめて一緒に聴いていて。
でも、歌の途中で邪魔がはいる。

中断。

一度、拡声器をもって、相手の家までいって、訴えた。
これは、やりすぎだったのだろうか。
近所迷惑と顰蹙をかった。


最後は、歌う前にステージ衣装が破かれていた。

その時から、その類と関わるのをやめた。


ふと、これは因果応報なのかと自問する

私だけにくる問題ならそうかもしれない。
だけど、穂乃果やμ'sの人間が、そういった日々を送っていたとは思えない

何かの業が絡まる

光の当たる部分、どこかで影が濃く滲む

矢澤にこというスクールアイドル、嫌いな人間がいる。
にこアンチ。
何か気に食わない振る舞いがあれば、それを猛烈に叩きだす。
排除しても構わない。
異常な執着。


理由は知っている、だけど、悲しくなるから今は答えたくない

だけど、もっと広い定義で嫌いな人もいる。スクールアイドル、いやアイドルが嫌いな人。
アイドルアンチ。
スクールアイドルだけではなく、アイドルに群がる人間も嫌い。
アイドルなんて軟弱なモノなくなってしまえばいい。
そう考える。

にこという小さな存在にアンチする人間も、アイドルアンチの人間からすれば同類になる。
アイドルに関与する人間まとめて、排除しても構わない。
異常な執着。


アンチはとどのつまり、否定にしかならない。

否定することで、楽して自分を肯定できたような気がする。
否定して相手が潰れたことで、自分が強くなったような気がする。
否定することで、今まで自分が得られなかったものを、手にしたものへの怒りをぶつける。
否定して、得られなかった代償行為を済ませる。

だけど、にこはしっている

否定する時間は、相手を否定するための時間である
同時に
自分を肯定する時間を、失っていくことを。

相手を否定する時間に費やしても、自分は成長できない
自分を肯定する時間に費やせば、自分は成長できるかもしれない

苦々しく、スクールアイドルをしたくてもできずにいた日々が甦る。


そうわかっていながらも、にこの日々はしっている。

自分を肯定したとして、何ができる。
スクールアイドルをするにも人がいない、集まらない。
まともな活動すら出来ない。

できるのは憧れのアイドルに花束を届けることと、
モチベーションを保つため、DVDをコレクションすること、

活動できない自分が悲しい、チカラのなさが悲しい、自分を貫いて人を失った自分が悲しい、

肯定しても、できる限界がある。
もうこれ以上は見越せない。
そう思った時、それを手にするものが許せない。

気付けば、スクールアイドルμ'sが結成されていた


そこに自分はいなかった


こんな美少女の矢澤にこちゃんが、平凡な高坂穂乃果に劣っている

認めたくない事実。
何もない人間なのに人が集まりだす。
ただただ、過ごすだけなのに、楽しそう。
それでいて、成長している。

私が得られなかった二年間、たった数週間で手にしだす。


どうしていいのかわからない
自分からいれてほしい。なんて頭を下げる?
いや、冗談じゃない。
私がどんな想いをして、独りでやってきたと思っているの。
どんな辛いおもいをしてきたかしっているの?

私も仲間はほしかった

だけど、ただただ楽しそうに一緒に過ごす仲間が欲しかったんじゃない
結果を出そうとベストを出そうと
スクールアイドルとして有名になろうと、
その意思を持ち続けられる仲間がほしかった

それが私の理想

だからこそ、そんな仲間といられたら、私はとてもとても大切にする、そんな気がする


アイドルを語るなんて10年早い!
(((┗―y(`A´ )y-~ケッ!!


気付けば今日も、悪態をつき、ネットに書き込んでいた。
こんなことばは軽いほう。

私はμ'sが好きなの?
いや、そんなことはない。
嫌い。嫌いだから、嫌いだから、ずっと悪口や陰口で叩いている。
ずっとずっと、誰よりもだ。
粘着してでも相手につきまとう
不快だから
その存在が私にとって目障りだから

誰よりも、相手の動向を、見ている。嫌いだから。とてもとても嫌いだから。


こんな美少女の矢澤にこちゃんが、平凡な高坂穂乃果に惹かれている

気付けば、作詞も作曲もステージ衣装もすべてハイクオリティ。
だけど、その中心人物はとても平凡。
何故だか、いつも注目してしまう、これがカリスマ性?
そんなの認めない。

あんたたち、とっとと解散しなさい

気付けば、自分があの輪の中に入れる能力があるのだろうかと自問する。
アイドルへの想いは負けない自信がある。
だけど、それが直結しないことなんて、残酷なアイドル格差社会が教えてくれる。

私にできないこと
私にしかできないこと

今日も、悪態を


今こんな過去の姿を知れば、凛と花陽はなんていうだろう

花陽はいじらしく、やりたかったけど、できなかったその気持ちわかるよ、にこちゃん
とてもとても優しくいってくれるだろう

凛は、ぷぷぷ、そんなことばっかりしてるからにゃ、ちゃんと素直にならないとだめだよ、にこちゃん
からかいながらも、本心を優しく撫でてくれるだろう


気付けば年齢だけ重なり、能力が積み重なっていないことに怯える
もし、スクールアイドルの彼女たちが後輩になったとして、先輩の私が何を教えてあげられる?
彼女たちは既に、自分たちだけのカラーを持ちだした。
総じて能力が高い。

わたしにできないこと
わたしにできること

にっこにっこにー♪

キャラを作って笑顔をふりまく。
芸が成立すれば、素敵な仕草。
だけど、誰も見てくれないのに、これをやり続けるのは、とても痛々しい

下手なプライドだけが、自分を意固地にさせる
今日の笑顔に、嘘はなかったのだろうか


絵里をみる。
一般常識を備え、美人であり、それなりの能力、そのまま社会に溶け込めるだろう

希をみる。
余裕のあるふるまいと、ポジションに拘らず誰かを補佐できる。どこかに望まれるだろう。

西木野真姫をみた。
私と同じようにこの子はひとりだ。だけど、悲壮感なんて全くない。何もかも優れすぎている。

二年生をみた。
彼女たちの仲のよさは、何もかもが、人としての関係、その基本を教えてくれる。

にこはにこをみた。
積み重ねてきた時間が、私を肯定してきたのか、相手を否定してきたのか、自分の笑顔が教えてくれる


彼女たちは真っ直ぐに自分の道を歩いている。
こんな美少女の矢澤にこちゃんが、意識しているのに、彼女たちは、にこちゃんを全く相手にしていない。
私が誰なのかも知らず、彼女たちは彼女たちの道を歩んでいる。

意識させたいからなのか、劣等感なのか、わからないままに、今日も悪態を


部室に彼女たちがやってきた

花陽だけは、伝伝伝の凄さを理解してくれた。
素直に向ける尊敬の眼差しは気持ちがいい。
そんなこと、いままでなかった

にっこにっこにー♪を披露

凛が素直に、寒いといった。
そうだ。
これが普通の反応。
だけど、そうやっていってくれるだけ有難い。
痛々しいと構われないより


……



わかっている
こんな美少女の矢澤にこちゃんが、したかったのは、スクールアイドルとして活躍すること
気付けば、とても魅力的なグループなのだと
μ'sにはいること



だけど、ほんの小さなプライドがそれを邪魔させる
私のことなんて誰もわかってくれない
ひとりでいすぎた時間が長すぎた
それが、どういうことなのかを忘れてしまうぐらい


痛みの塔を積み上げすぎたのかしら
菓子をたべながら

じゃあそれを壊すハンマーは誰がもっているのかしら
漫画をよみなおす


すなおになれば
スクールアイドルがしたい
それを、高いレベルで成立できるひとが羨ましい
そうなりたい

その憧れの高さと、現状のギャップが、矢澤にこちゃんをつらくさせる。

自分がなれないのであれば、なれるもの、
また、なれる能力もないのに、がんばろうと夢見るもの、
全て目の前から排除したい
みたくない

時間は、相手を否定することにも肯定することにもつかえる
時間は、自分を否定することにも肯定することにもつかえる


平凡な高坂穂乃果、美少女の矢澤にこちゃん

鏡をみたら、裏をみていたようで何も映らない
左右反対になるのはどこをみればよいのか
そもそも見ていたのは鏡だったのか、
くぐもり濁るまえに

否定したときから、まなぶものは何もなく
肯定したときから、全てがまなびと感謝にかわる

まなぶは真似る。誰の真似をすればいいのだろう。

教えて教えてカガミさん
宇宙でいちばんの美少女に、こたえを


平凡な高坂穂乃果がやってきた、美少女の矢澤にこちゃんを部長と呼びながら

私の二年間。自分でみてもあまり意味のある時間に思えない。
だけど、その時間、独りで支えたことを立ててくれたのか
私をヒトの輪に入れない怯えた子供に見立てたのか

わからない

だけど、平凡な高坂穂乃果は、私の時間の在り方を変容させた


自分の評価の低いPVを見ながら、他に目を向ける

少し気になるタイトル。
途中まで聞いてやめた。

あのコだ

直感的なものだから、そうだかわからない。
だけどそうだと感じた

そうか、そうだったのか

頑張れと応援のメッセージを贈ろうかと考えたが、別人だと申し訳ないと考えやめにする
それに最後までは聞かなかったのだから

だから、こころのなかで、エールを呟く


今度する一回目
にっこりの魔法をかけるときは、あのコのことを想いながら

私にできること
私にしかできないこと

私の時間を変容させてくれた存在、感謝するのと同時に、その在り方を魅せつける
またPVに評価の点数が加わる

どれ、と見ながら、また点数が下がる、笑みをにっこり浮かべた

おわりです
よんでいただきありがとうございました

ありがとうございます。
美少女の矢澤にこちゃんは、ステージで披露する一回目を意識したと思うのですが
素敵な人の笑顔は魔法のようなもの(CM口調)、だから、あのコのことを考えてから、次の一回目のにっこりかなと

IDがNCちゃん>>19ここで読んでいたのは、たしか格闘漫画……



にこ「あんたねー、にこはどれだけ孤独に耐えて一人でやってきたと思ってんのよ。」
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【ラブライブ】穂乃果の心を壊してみたよ。雨の日は流石にいないと思うじゃん?
【ラブライブ】穂乃果の心を壊してみたよ。雨の日は流石にいないと思うじゃん? - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1426076996/)
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にこに関して言えば、一度、人間関係でつまずいた事をしっている人間だけに強い。
一度その方向に歯車が傾きだしたら、そうとうな意思をもっても
個人の力ではどうしようもなくなってしまうのを体験してきた。

にこ「別に一人だってやれることはあるんじゃない?」




つまり、人はその人の持つやり方(牙)を持っている。生徒会長だった頃の絵里のように。
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かしこいかわいいエリチカ「ダンスを教えてほしい?」 【ラブライブ×コピペ】
かしこいかわいいエリチカ「ダンスを教えてほしい?」 【ラブライブ×コピペ】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1428421296/)
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んで結局、あの鬼の生徒会長までやってきて、「ど~するの?」ってさ
そりゃ、あんな威圧感半端ないオーラだしてる人間に「やりたいからです!」なんて普通いえないって

穂乃果だから生徒会長と戦えて、穂乃果だから生徒会長がμ'sに入ったとか……

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