兄「日本一周行ってくる」妹「私も行きたい」兄「……え?」(964)

妹「すごーい!見て見て、海!海!」

兄「おー、凄い。朝イチだったけど来て良かった」

妹「あ!浜辺に降りれるよ!行こうよ!」

兄「うーん、これからも海見れるしさ。時間は有るけど限りもあるし。先行こうか」

妹「えー。」

兄「妹さぁ……」

妹「分かった。……でも楽しみ!やっぱり日本一周に来て良かった!ね!」

兄「……ね」

腹筋じゃなかった!

期待

◆◆◆◆◆◆

妹「兄!お母さんから聞いたけど日本一周するって本当!?」

兄「ん、本当だよ」

妹「なんで急に!辞めときなよ!」

兄「急にじゃないよ。受験の前から母さんには了承済み。父さんもオッケーだって」

妹「お母さんなんて『何があっても自己責任だからね!それが分かってれば良いのよ』しか言わないじゃない!」

兄「だから母さんから頼みにいったんだよ」

妹「だいたい大学入学したばかりなのに、友達とかどうするのよ」

兄「今年はちゃんと学生するさ。来年、二十歳になったら。宿泊する時とか保護者無くても出来るしね。それまでは華のキャンパスライフ普通におくるよ」

妹「……何で行くの?電車?」

兄「バイク」

妹「バイク!?危ないよ辞めときなよ!」

兄「まあね、危険な乗り物ってのは同意。それも承知でよ」

妹「泊まる所とかは?」

兄「キャンプしたり、安いゲストハウスとか。最悪野宿」

妹「ヤンキーに襲われたら危ないよ!辞めときなよ」

兄「あ、そういう危険もあるのか。……行く前に治安の悪そうな所調べないとか」

妹「もう!調べたからってもし何か有ったら」

兄「自己責任。父さんは俺に掛け捨ての生命保険かけとくって、保険料も少しはバイトして払うしさ」

妹「……どのくらい行くの?」

兄「一年休学の予定」

妹「そんなに!」

兄「でも半年も有れば出来そうだけどね」

妹「そんなにやりたいの?日本一周。……辞めときなよ」

兄「高校でバイクの免許取ってからやりたいなと。このタイミング逃すて社会人なってからだと出来なそうだしさ」

妹「一人で行くの?」

兄「もちろん。友達誘ってみたけど流石にね。まぁ気ままにやるよ」

妹「……どのくらい行くの?」

兄「一年休学の予定」

妹「そんなに!」

兄「でも半年も有れば出来そうだけどね」

妹「そんなにやりたいの?日本一周。……辞めときなよ」

兄「高校でバイクの免許取ってからやりたいなと。このタイミング逃すて社会人なってからだと出来なそうだしさ」

妹「……どうしても?絶対?」

兄「かな?」

妹「……」

母「兄ー!妹ー!お風呂入っちゃいなさい!」

兄「はーい!……だって。俺先に入って良い?」

妹「……良いよ」

兄「じゃあ……」

妹「……」

妹「……」

>>5ミスった

◆◆◆◆◆◆

友「――それで、日本一周計画はどうよ」

兄「おおむね順調。休学の手続きに必要なものも聞いてきたし、後は来年に向けてバイトして金貯めるさ」

友「しかし、お前は大人しそうな顔なのにやるのと大胆だよなぁ。妙に行動力が有るというか」

兄「お前とママちゃりで埼玉から山梨まで行ったりな」

友「あったあった。中学生の時だっけか?懐かしいなぁー。……ってそういえば妹ちゃんは日本一周なんて」

兄「『辞めとけー辞めとけー』って。まぁ、両親の許可は降りてるから関係無いけどね」

友「そうかなー?山梨行った時も最大の障害はお前の妹だったぜ?『兄を連れてくなんて……』って目で凄い睨まれた」

兄「いや、俺もね。バレたらなんかアクション有るかなー。と思ってたけど今のところなんも無し何だよね」

友「爆弾投下有るかもよ」

兄「辞めろよ……」

◆◆◆◆◆◆

妹「兄ー。ちょっと良い?」

兄「ん?なに?」

妹「兄の日本一周ね。……私も行きたいの」

兄「はぁ!?行きたいってお前な!バイクで行くんだって!荷物乗せるから二人乗り出来ないよ?」

妹「私もバイクで行く。問題無いでしょ?」

兄「いや、じゃなくてさ――」

妹「もう教習所申し込んだ。何取れば良いか分からなかったから大型で教習受けてる。これなら免許的に乗れないバイクほとんど無いって教習所の人言ってた」

兄「でも、母さんとかは――」

妹「もう承知済み。『何があっても自己責任よ』って」

兄「……」

妹「ねぇ、お願い。……私も一緒に連れてくなんて行って」

◆◆◆◆◆◆
兄「爆弾投下」

友「何が有ったか三行で」

兄「一緒連れていけ。バイク教習所申し込み済み。俺結構困ってる」

友「マジか!妹ちゃんもかわいい顔して、やる事凄いな!」

兄「我が妹ながら。流石にちょっとびっくり」

友「俺さ。自由課目、妹ちゃんと一緒なんだけどこの間居なかったのよ。昼見かけてたのな『あれ?いないなぁ?』って。毎回ちゃんと真面目に講義受けてたしさ。……教習所行ってたのかぁ」

兄「マジか。敢えて別の時間にとってたからなぁ。家でも全くそんな素振り無かったし気が付かなかった」

友「しかし大型ねぇ。……あの華奢な身体で良く起こせたな」

兄「本人曰く『意地』だそうな」

友「流石です」

兄「てか、本当にどうしよ」

友「二択だろ?連れて行くか、行かないか」

兄「これは流石に連れて行く以外の選択肢無いでしょ」

友「そうかぁ?……まぁ別に二人で行きゃいいじゃん。俺とツーリング行くみたいなもんだろ?」

兄「長期間、二人ツーリングは世帯としては効率悪い気がするんだよね。ガソリン代とかさ。走ってても妹気にしなきゃいけないし」

友「じゃあ車で行く」

兄「それはさぁ……ロマンが無いと言うか」

友「まぁ分かんなく無いけど。……なるべく安くなら原付で二台。二人で行くなら理想は一台で交代運転。……そんなバイクは無いだろうなぁ。ジムニーとかならいいじゃん。」

兄「まぁ、……でもなぁ。俺はバイクで行きたいんだよ。そもそも一人でってのがさ」

友「結局はお前次第よ。連れて行かないって選択しないんだからさ」

兄「……アイツなに考えてんだろ」

友「分かんないの?」

兄「全く」

友「……お前にもだけど、妹ちゃんにも同情するぜ」

友「なんにしてもだ。とりあえずお前の日本一周はおいて、俺らの部活の出し物決めないと先輩にどやされる」

兄「あぁ、そうだね」

友「我が『自動二輪整備部』の出し物よ」

兄「文化祭まで結構有るけど、夏休みぐらいしかまとまった時間なさそうだしね。先輩はVツインエンジンの系譜と展示だっけ?」

友「ハーレー大好きだからな、あの人たち」

兄「前に行ってた旧車のレストアなんかは?」

友「……それで行くか?車種はどうする」

兄「ブラフシューペリア」

友「バカか。中古、廃車共に出回らねぇって。RZ250RRが良いなぁ俺は」

兄「レプリカも良いんだけどさ。同じヤマハなら650 XSがいい」

友「渋いね。……まぁ、現実出せる金も限りがあるし、バイク屋行って候補選んでみるか」

兄「賛成」

◆◆◆◆◆◆

兄「こんにちはー!」

友「おじさーん、ちょっと見てくよ」

店主「買わねぇんだろ。あんま触るんじゃねぇぞ!」

友「夏休みまでには買うっての!……どうよ」

兄「ここホントに良い趣味してるよね。……あ、サンパチ新しく入ってるマッハも。良く集められるよなぁ」

友「SSなぁ。悪く無いんだけどさNSとかCXターボとか」

兄「カウルが大変だって。楽なの選ぼ」

友「俺がやるよ。だから頼むよ」

兄「レプリカそこまで好きじゃないんだよ……陸王とかが良いなぁ」

店主「そういや、お前。日本一周はどうすんだ?」

兄「しますよ。もちろん。……ただ」

友「コイツの妹が一緒に行きたいって言い出して頭抱えてるよ。マジウケるよね」

店主「なんだそりゃ?妹さんは免許持ってるのか?」

兄「教習所通ってるらしいです。結構本気で向こうも考えてる見たいで」

友 「コイツ二台で行くのが嫌なんだって」

店主「なんでだ?ツーリング行くのと変わらねぇじゃねえか」

兄「いや妹運動はダメなんですよ。自転車も小4ぐらいでやっと乗れたぐらいで。一緒にツーリング行くとこっちが気を使いそうで」

店主「目的地を小さく決めるんだ。それで別行動にすれば走ってる間フリーだぞ」

兄「……地図読めないんです。妹」

店主「そうかぁ、女性に有りがちだけどなぁ。……教習所もそうだが、妹さんは良く日本一周行こうと決心したな」

友「ねー。俺もこんな妹欲しかったなー」

兄「他人事だと良いよね……」

店主「二人でバイクか……ちょっとコッチ来い。友!閉店の看板外に出しとけ!」

友「うーす!」

兄「なんですか?」

店主「ちょっと倉庫にな。……いよっと!ここの掃除も久しくして無いからなぁ」

友「なになに?ここ入るの始めてなんだけど!」

店主「ここは売りもんじゃねぇよ。俺の私物だ……兄、そこはガラスが散らばってるから気をつけろよー。……カミさん無くなってから開けて無いからなぁ。……兄、これ見てみろ」

兄「……W1?」

店主「それのサイドカー付きだ。昔流行った時期があったんだ。これで良くカミさんと良く出掛けたもんだ」

兄「へぇー……これは趣味良いですね」

店主「やるよ、お前に」

兄「え?いや、ダメですよ!」

店主「良いんだ。マンガとかドラマであるだろ?気の言い店主が気にかけてくれてってヤツだ……俺もそういう事やってみたかったんだ」

友「店主!カッコいいっすね!」

店主「……漢だろ?」

友「惚れる!てか掘られてもいい!」

店主「これなら二人で旅が出来る。しかも無茶しなきゃ運転中倒れん。運動苦手な妹さんでも出来ると思うし、お前の条件にも有ってる」

兄「いや、でも」

店主「バイク部でレストアするんだろ?それにも使って良い。ここで埃被ってるよりコイツも喜ぶ。……それに倒れはしないが、運動するのは普通のバイクよりコツがいる。さっさと治して練習出来るようにしないと」

友「なるほどね。コイツをレストアして展示をする。終わったらコイツでお前と妹ちゃんは日本一周すれば良い」

兄「お前な。レプリカはどうしたんだよ?」

友「美人でかわいい妹ちゃん優先だよ。ドゥかティよりアプリリアのバイクより価値がある」

店主「決まりだ、直ぐ出せるように倉庫片付けてやる。お前らも手伝え」

◆◆◆◆◆◆
妹「兄?おかえり」

兄「ただいま。……お前さ、本気で日本一周付いてくる気?」

妹「本気。……兄の迷惑かけないようにするからお願い」

兄「バイクはどうするの」

妹「買う。バイトも見つけたら」

兄「テントとか買わないとさ。バイクのジャケットとかも高いし」

妹「……いざとなったら汚いオヤジにでも身体売るわよ」

兄「……はぁ。分かったよ――バイクな、いつも行ってるバイク屋のオヤジさんがくれるって。これなら二人で旅出来るだろうてさ」

妹「……行っていいの?」

兄「しょうがないだろ。こういう時のお前はわがまま押し通すんだから。……ただバイクは新品じゃ無いし修理も必要でそこのオヤジさんにも迷惑かけるかもだからさ。俺と友もバイク治してみるけど、お前もちゃんとお礼言いに行けよ」

妹「ごめん。……でも、ありがと」

兄「あと日本一周の宿泊費、ガソリン代とかは二人で折半。装備とかテントとかに金掛かるから。お前も管弦楽部あるのは分かるけど、バイトしてちょっとでも金貯めてくれ」

妹「分かった!……兄、怒ってない?」

兄「計画してたのと変わったからいい気分では無い。……ただ怒ってる訳じゃないよ」

妹「……ありがと!とりあえず私はバイトね!」

兄「教習所もなるべく早く受かってくれ。特殊なバイクだから俺も練習が必要だし、バイク治ったら直ぐにでも慣れるように」

妹「はーい!あ、一本橋まで行ったよ!スラロームと波状路まだだけど、けっこうしんどいのね」

兄「頼むよ……ホントに」

◆◆◆◆◆◆
友「いよいよ出発かぁ」

兄「悪いね。バイク治したのお前もなのにさ」

友「良いって!妹ちゃんの好感度上げとけば俺もメリットがある。城攻める時は堀から埋めるんだよ!これで少なくともお前には恩をうれた訳だしな」

兄「まぁ、そうか?……本当ありがと」

友「良いから良いから!……妹ちゃーん荷物積めたー?」

妹「出来たよー!友君ホントにありがとね!それから店主さんも練習とかお世話になりました!」

店主「気にすんな俺も自己満だ。良いってことよ……なぁ、友。良い娘じゃねぇか」

友「……でしょ?兄もだけど育ちが良いんだろうね」

店主「俺が後30年若かったらなぁ……」

友「オヤっさんの分まで俺がアプローチしてるから」

店主「ぬかせ」

兄「そしたら最初は俺が運動するからね。……トイレは我慢しない直ぐ言うこと、次に寄れるところが直ぐ無いかもだから」

妹「分かった!」

兄「サイドカーからあんまり顔とか出さないようにね」

妹「はーい!一応ヘルメットとグローブ付けるんだよね?」

兄「そう。乗ってて雨が降ったり寒かったりしたらレインウェア着れるように足元に置いてね」

妹「おサイフとかは?持ってた方が良い?」

兄「もちろん。荷物出し入れ面倒だから他に良く使うものもね」

妹友達「ねぇー!妹ー!写メ撮ろうよ出発の記念にー!」

妹「分かったー!ちょっと待ってー!……行ってきて良い?」

兄「はよ行け」

妹「ありがと、ちょっと待っててね!」

友「兄、見ろよ。妹ちゃんの人気者っぷりを。管弦サークルのヤツは華が有って良いねぇ。……それに引き換えお前は俺とオヤジさんだけ」

兄「幼い頃から良く知っております。日陰者は日陰者の役割が有るからね。まぁ、人それぞれ十人十色よ」

友「はははッ!まぁとにかくさ、たまにで良いからメールとかラインくれよ」

兄「分かった。……ホントにありがとな。いろいろとさ」

友「だから気にすんなって!今年の展示はレストアW1と日本一周の奇跡なんだからな?俺が部活の備品で自分のバイク弄ってて先輩達にどやされないようにしっかりやって来てくれよ!」

兄「おう!任せとけ!」

友「後、スポンサーの映画部の奴らが『兄の動画はいらん!妹の動画をアングル、画角変えてとにかくたくさん!』って言ってたぜ」

兄「努力するよ。動画撮ってる時間あったらね?」

友「はははッ!頼むぜ?」

妹「お待たせー!ごめんね、友君も待たせちゃって!直ぐ行けるよ!」

兄「よっしゃ!……したらば、行くわ」

友「おう!気を付けてな!……妹ちゃんも無事で帰ってきてね!」

妹「うん!友君、ホントにありがとう!」

ブルルン!ブルルン…………

兄「行ってくる」

友・オヤジ「おう」

兄「妹。行くよ」

妹「オッケー!」

カチャリ、ブロロロ…………
妹友達「妹ー!がんばれー!!」
妹友達「妹ー!かわいいー!」


友「行っちゃったか。良いなぁ……妹ちゃんと旅なんて」

店主「お前ぇも一緒に行きゃ良いんだ」

友「俺は両親が納得しないよ。……それに妹ちゃんはさ。それを望んでないからね」

店主「待ってても始まらんぞ?」

友「人生タイミングが大事ですから。……まぁ、途中行けそうな所に二人がいたら合流して楽しむよ。そのくらいなら大丈夫でしょ」

店主「おめぇも頑張れよ。若ぇウチだけだかんな」

友「そのつもり。……さって解散して寝るかな。朝早いのが堪えるわ」
◆◆◆◆◆◆

切ない

妹「兄ー!これから何処へ行くのー!?」

兄「とりあえず千葉!成田山が最初の目的地ー!交通安全の祈願しよう!」

妹「はーい!……ねぇ!兄ー!なんだかワクワクするねー!」

兄「同意ー!非日常が始まった気がするー!」

妹「顔に当たる風とか、大学下る坂とか。いつもと同じなのに違って見える!」

兄「そうー?とりあえず見納めだよー!次にみるのは何ヵ月か後になるかもねー!」

妹「これからいろんな所二人で行けるのねー!」

兄「……だねー」

楽しみです。

◆◆◆◆◆◆
ブロロロ……
妹「あ、見てみて東京帝都理科大学のキャンバス!」

兄「え?……あーそだねー」

妹「『東京』なのに埼玉と千葉の間にあるのねー」

兄「……まぁ、それを言ったら俺らの東京機気大学の埼玉キャンバスも可笑しいよ」

妹「あ、確かにー!東京とか嘘ばっかり」

兄「同じ学科のヤツ、宮崎出身なんだけど『全然東京じゃない!』って騙せれてたよ」

妹「『埼玉』東京機気大学にするべきよねー。東京の名前に騙されちゃう」

兄「それが狙いなんじゃない?東京ってだけで都会なイメージと言うか、ブランド価値あるよ」

妹「埼玉なんて『ダサいたま 』とか、良いイメージないもんねー。私は好きだけどなー。何も無いが有る県なのよ」

兄「俺も埼玉は悪いとは思わないけどね。まぁ始めての人は良さ分からないよきっと」

◆◆◆◆◆◆
妹「……ねー。まだー?」

兄「んー。まだまだかなぁ?千葉にやっと入った所だもん。ほら東部野田線の野田よ」

妹「成田山ってけっこうあるのねー。……兄は楽しい?」

兄「うん。まぁ渋滞無ければもっと楽しいとは思うけどね。つまらなくは無いよ」

妹「ふーん。……あのさ。そもそも私が勝手に着いてきたのよね。ワガママだって言うのは十分承知よ。……ただね。ちょっと運転してみたいかな。って」

兄「バイク?」

妹「うん。ただ乗ってるだけも飽きちゃったし、兄なんか楽しそうに運転してるし。やってみたいなぁー。……って」

兄「なんだ、全然良いよ。俺も練習は単車側しか乗って無いから舟にも乗ってみたいなとは思ってたしね」

妹「ホントに?ヤッター!」

兄「じゃぁ、次にコンビニ有ったらそこに泊まるよ。トイレとか大丈夫?」

妹「今のところ全然平気よ!直ぐ運転代われる!」

兄「じゃぁ、今のうちグローブとか付けておこうか?ブーツの紐とかもう一度確認ね」

妹「はーい!やったね!たのしみだなぁ!」

妹「準備できたよー。お手洗い良し、ヘルメットした、ジャケットのファスナー閉めた、ブーツの紐良し」

兄「そしたら俺こっちに乗るね。車の量もそんなに多くないしゆっくりで良いからね」

妹「はーい!……なんかね、演奏会とかコンクールの本番前みたいな感じ。いつもと違う衣装付けて、練習と同じ事やるだけなのにね。何かが違うの」

兄「……そっか。そしたらいきますか」

妹「はーい!」

兄「もう一度確認ね、トイレとか大丈夫ね?……まぁ練習では走れてるし、そんなに気負いすること無いけど、周り良く確認してね。」

妹「うん。分かった……よっと」

妹「……ブレーキ掛けて、ギアニュートラル。セルのスイッチを押す」

妹「……ギア一速……補助ブレーキ下ろす……アクセスゆっくり開けて、半クラッチ…………あの車が行ったら行くね」

兄「うん、右からも歩行者、チャリ来てないよー」

妹「……合流す……る!……ずっと真っ直ぐで良いのよね?」

兄「そう!道は俺が案内するから、もし案内が分からなかったら直ぐ言って!もし間違えてもリカバリーするから落ち着いて前見て走り続けてねー」

妹「分かったーま!……やっぱりそっちに乗ってるのと視界が違うね!高いから見渡せるような感じ。風とか匂いも新鮮!」

兄「そりゃ良かった。……ギアあげても良いよ!新聞屋さんみたいな感じでね


妹「あの人たち凄いのねー。こんなこと毎日やってるなんて。しかも知らない人の家まで覚えてるんだもん」

兄「カブはギアがちょっと違うけどそうねー」

妹「かぶ?」

兄「新聞屋さんがバイクの名前」

妹「へぇー!カブって言うのね。これは覚えたよー!だぶわん!だぶわん!」

兄「覚えてくれたならオヤッさんも喜ぶよ!……次に右ねー!ウィンカー忘れないで!」

素直になったな

◆◆◆◆◆◆
妹「…………ねぇ兄。……運転してて本当に楽しい?さっきから信号で止まっての繰り返しなんだけど」

兄「んー。まぁ今はそこまで楽しくないかもね。だけどつまんなくも無いんじゃない?バイク運転してるだけで、何と言うか普通じゃない景色じゃない」

妹「そうかな?……私にはずーっと後打ちで同じ音吹いてるようにしか思えないけど…………後どれくらいかかる?」

兄「そうだねぇ……一時間半かなぁ?」

妹「うぇぇ。そんなに?」

兄「運転変わる?」

妹「……お願いしていい?」

兄「分かった。次にコンビニ見つけたら入って。そこで交代しよう」

◆◆◆◆◆◆
妹「……また信号」

兄「しょうがないよ。市街地だからどうしても信号多いし、この辺は流通ルートだからトラックもたくさんだしね」

妹「……信号嫌い」

兄「気持ちは分かるけどね。なかったら日常で事故、クラクションの嵐だよ。信号なかったらこれ以上進まないよ」

妹「うーん…………」

兄「……あれだったら寝てても良いよ」

妹「いい。起きてる。……でも寝てたらごめんね」

兄「はーい」

◆◆◆◆◆◆
妹「……」コックリ

兄「……」
ブロロロ…………

兄「……なんで着いてきたかな。俺もなんで連れてきたかな。これじゃ意味無いのに」

妹「……」コックリ
ブロロロ……

◆◆◆◆◆◆
妹「……」コックリ

兄「着いたよ。行く?寝てる?」

妹「……ぇぇー?行くー」

兄「ほれほれ、そしたらさっさと降りる。今日はここだけじゃ無いんだからさ」

妹「はーい。……ここって神社?」

兄「いや、お寺じゃないかな?初詣とか有名な気がするんだよね。芸事と言うか歌舞伎の人がお参りしてた気がする」

妹「へぇー。市川海老蔵とか?私もフルートが上手くなるようにお願いしようかな」

兄「……まぁ、すれば良いじゃん?とりあえず行こうか」

兄「おおー。門の提灯デカいね」

妹「へー。両脇のゴツいのなに?」

兄「不動明王?仁王?なんか怒りの神さまみたいな」

妹「こんな人に怒られたら、悪くなくても謝っちゃう」

兄「脅しじゃね?違うなら違うって言わないと」

妹「でもさ、凄く有無を言わせない人っていない?勢いとか圧力掛けてイエスと言わせるみたいな。そういう人私苦手だなぁ」

兄「……俺の中ではお前もそうだけどね」

妹「私?圧力かけた?」

兄「……さぁ」

◆◆◆◆◆◆
妹「見てみて両脇に亀ー!しかも動いてるよー!」

兄「けっこうたくさんいるね。……うぇ、てか階段キツそう」

妹「お寺とか神社って階段たくさんあるよね?なんでだろ?」

兄「さぁ?特別な場所だからかな?簡単に行けないように。でも望んで行こうとすれば行けるように」

妹「望んで行こうとすればねぇ。わざわざお寺に望んで行くなんて」

兄「祈り、願い、自分じゃどうしようも無いことなんてたくさんあるじゃん。少しでも良くなるようにってさ」

妹「その祈る時間で努力した方が良いのにね」

兄「……努力だけじゃどうしようも無いこと。だけどどうしても叶えたい事。望みに近付けたいことなんてさ、いくらでもあると思うけど」

妹「兄はあるの?」

兄「…………妹は?」

妹「……うーん。……考えるとあるかもね」

兄「でしょ?」

妹「祈れば近付くかな……」

兄「それをお願いしに行こう」

妹「」パンパン

兄「お寺は手は叩かないよ。ほら合掌一礼って書いてあるじゃない」

妹「え?二礼、二拍手、一礼じゃないの?」

兄「それは神社。ここはお寺」

妹「神社とお寺は何が違うの?」

兄「神さま居るのが神社。仏さまが居るのがお寺」

妹「神さまと仏さまの違いは?」

兄「さぁ?……俺のイメージと言うかニュアンスだけど、凄い力を持っているのが神さま。いろんな事を制御出来るのが仏さまなイメージ」

妹「神さまの方が凄いんじゃない?」

兄「ほら、力を持て余すって言うじゃない。いくら凄い力でも制御出来ないと意味無いよ。太陽の神さまも制御出来ないから日照りになったりするんじゃない?」

妹「なるほどねー。……大きな音出せる人でも、必要じゃ無いときにメロディー花掻き消す位の音出したら怒られるもんね」

兄「……まぁ。そんなとこじゃない」

妹「兄はいろいろ知ってるね」

兄「知らないよ。今のもけっこう適当だよ」

妹「さんじゅうのとう」

兄「発音よ」

妹「難しい事分からないもん。……でも綺麗ね。……細工が細かい。装飾音で彩られた大きなフレーズ……」

兄「……」

妹「こんなに大きな建物に、あんなに細かい細工至るところにするなんて贅沢よね。昔の人ってセンスあるのね」

兄「……かな」

妹「それに比べるとコンクリートビルって味気ないわよね。遊び心が無いと言うか、ただ建てただけの効率重視というか」

兄「お金掛かるんじゃない?三重でも大変そうなのに24階のビル全部におんなじことやったら、相当な額になりそう」

兄「そしたら次の所出発するけど、妹運転する?」

妹「うーん。……兄はどうしたい?」

兄「お前次第だよ。運転したいなら運転して良いし、運転したくないなら俺が運転するし」

妹「そしたらちょっとまだ運転は辞めておこうかな……ダメ?」

兄「構わないよ。もともと一人で行く予定だったから運転は自分だけって考えてたしね」

妹「……本当に運転してて楽しい?」

兄「まあね。妹は楽しくないの?」

妹「最初は楽しかったけどね。本当に一番最初よ?それもなんかなぁと正直思ってる」

兄「素直でけっこう。そしたら俺がしばらく運転してるよ。……もし運転したくなったら言って。代われたら代わるよ」

妹「……理解出来ないのよね。何が兄をバイクに向かわせるのかを」

妹「……なんか森のなか入ってきた?」

兄「ちょっと市街地より離れるよ。てか今までが交通量も以上多かっただけで、これからは少ない所たくさん行くからね」

妹「……ふーん。なんか地味な所行くのね」

兄「街中は走りづらいしね。人も多かったり気を付けなきゃいけなかったり」

妹「なんか同じ木ばっかりたくさんある。……あ、折れてる」

兄「……お前、もしかしてもう飽きてる?」

妹「別にそうじゃないけど、理解出来ないなーと思って」

兄「まぁ、良いよ。適当に周り見ててね」

妹「……ねぇ、兄。今って『えんじんなんかいてん』?」

兄「んあ?タコメーターの値?……2500かな?」

妹「……2500かいてんだとFかな?F#かな?……なめらかなポルタメント。トロンボーンとかに近いのかな」

兄「……妹さ、今日はなんかいろんな事を音楽用語に例えたりするのなんで?」

妹「んー、フルートの先生いるでしょ?先生が日本一周していろんなもの見るなら、見たもの聞いたものを音楽にしなさいって言ってたのね。だから何となくかな」

兄「……へぇー」

妹「あ、先生が兄の事懐かしがってたよ。『もう、フルート辞めちゃったの?』とか『暇な時遊びにおいでー』って」

兄「……まぁ気が向いたらね」

妹「先生ビックリしてたなぁ……兄がバイク乗るんですって言ったら『あの大人しい良い子が!』『手にケガしないかしら?』とか心配してたよ」

兄「……へぇー。……先生いくつだっけ?」

妹「さあ?定年は越えてるらしいわよ。若いというか綺麗なまま。上品なのよね」

兄「……」

妹「会いたい?」

兄「……どうだろ?でも挨拶はしたいね」

妹「喜ぶよー!日本一周終わったら行こうね!」

◆◆◆◆◆◆
兄「到着です。……駐車場迷ったなぁ」

妹「おばちゃん教えてくれたけど、分かりにくいよね」

兄「反対車線からなら分かりやすくなってたのね。……あぁ、無駄に往復したよ」

妹「ここはどんな所?」

兄「佐原の町並み。古い町並みが残ってるの。……ただそれだけだけど、見たいなと思ったので」

妹「あ、さっき何回か通った橋の所?私も見たいなと思ってた!」

兄「そうそう、川を行き来するボートに乗れるらしいよ」

妹「へぇー……あれかな?」

兄「ん?あぁ、そうだね。……以外と短いなぁ」

妹「そう?でもこういう雰囲気好きよ。情緒があると言うか風情があると言うか」

兄「騒がしく無くていいよね。ホッと一息付くには良いところ」

妹「あそこにベンチあるから少し座らない?」

兄「良いね、流石に朝から運転し続けたら少し疲れた」

妹「良い風ね。あの木は何の木かしら?葉っぱが揺れて良い感じ」

兄「柳かな?川には植えるんだって。土手が強くなるからとか」

妹「へぇー……」

おじさん「お二人さん!カップルかい?良かったら舟乗って行きなよ」

兄・妹「カップルじゃないです、兄妹です」

おじさん「そうかい、そりゃ失礼した!……どうする!?乗るかい?」

妹「乗りたい!」

兄「ダメ。お金無くなっちゃう」

妹「ええー!良いじゃないせっかく来たんだし」

兄「まだ一日目。此れから先まだまだ有るんだから、必要衣装のお金はかけないの……すみませんが僕達はけっこうですので」

おじさん「そうか、気が代わったら声掛けてくれよ」

兄「はい、ありがとうございました」

妹「……えー。乗りたかったなぁ」

兄「使うべきでお金は遣う。お金無くなったら旅終了だよ?ガソリンは絶対使うし、ご飯食べない訳にはいかないしさ。……いいね」

妹「……うん」

◆◆◆◆◆◆
兄「そしたら、今日の最後は犬吠埼。運転どうする」

妹「……じゃあする。信号多い?」

兄「大丈夫。16号ほどじゃないし、交通量もそこまで多くない」

妹「……あんまり気乗りしないけどね」

兄「ゆっくりで十分なんだけど、あんまり遅いと日が暮れて、寝るときこまるかもよ」

妹「……はーい」

兄「……お前が着いて来たいって言ったんだろ?嫌なら返るか?」

妹「……がってんしょうち」

妹「……なんかジェットコースターみたい。」

兄「下り坂だからね。エンブレ描けたいからちょっとギア落として」

妹「はーい。前に車が走って無いと気持ちいいのね。木々の中を縫って、鳥になったみたい」

兄「走ってるだけでも楽しくない?」

妹「……ちょっと楽しいかも」

兄「それなら良かった。……このままずっと運転でも良いんだけどさ。二人で来たからには二人のメリット活かさないと」

妹「私来て良かった?」

兄「そう思えるようにさ、妹が運転してくれると俺はちょっと助かることもあるかもね」

妹「ふふーん♪」

妹「うわぁー!なんかさっきよりも道が凄い!景色も見てみて!」

兄「銚子ドーバーラインって言うらしいよ。名前が付くくらい名道なんじゃない?ちょっと距離は短いけどね」

妹「これは凄い!気持ちいい!!楽しい!」

兄「それは良かった。俺もこういう道走ってる時が好きだね。……こういう道のために他の快走路以外の道も楽しめるのかも」

妹「メロディーの前の伴奏?」

兄「……なのかな?俺は伴奏してるときも好きだったけどね。」

妹「……またフルートやる?」

兄「……もう吹き方忘れたよ。ほら、もうすぐ犬吠埼だよ。入り口分かりにくいかもだけど、通りすぎたら戻ればいいからね」

妹「はーい」

妹「海ー!綺麗ー!」

兄「だねー。海無し県で育ったからか海見るとテンション上がるね」

妹「上がってるの?そしたらもっと叫べば良いのに!」

兄「静かに上がってるのよ。それに公共の場では騒がない」

妹「だっていてもたってもいられないじゃない!雄大で、捕らわれず。見ていてとても清々しいわよね」

兄「まぁ分かるよ。ぽーっとしてるだけで特別と言うかさ」

妹「あ、分かる!細かい装飾なしでこんなにも素敵なんて……あ、崖が凄いよー落ちたら死んじゃうかな?」

兄「死ぬ可能性の方があるんじゃない?」

妹「死んじゃうのかー。……私ね、今まで自殺願望とかってお陰様でないの。でも、もし死ぬならこんな清々しい気持ちで死にたいなって、今始めて思った」

兄「穏やかじゃないなぁ。海見て綺麗だと思って、死にたいて良く思えるよ」

妹「仮定の話よ。惨めな気持ちのまま死ぬよりは、心だけでも晴れやかに死にたいなって!」

兄「……心が惨めねぇ。…………さて、じゃそろそろキャンプ場行くよ」

妹「えー!もう?まだまだ見いていたいのに!」

兄「チェックインの時間あるからさ。こればっかりは頼むよ」

妹「えー。……分かったー」

◆◆◆◆◆◆
兄「さて付ました」
妹「あ!海近い!ちょっと遊びに行こうよ!」

兄「言うと思った。ダメやることがあります……これからテント泊多いんだけど、妹も少し協力してほしい」

妹「……なーに?」

兄「まずテントを張ります。コレが無いと夜寝れないからね。雨の時はタープ張ったりするけど。それはおいおい」
妹「ふむふむ」

兄「次に食事の準備、当たり前だけど母さんいないので自分で作ります。さしあたっては何よりも先に米に水を吸わせます。これやら無いとご飯に芯が有ったり不快です」

妹「ご飯に水……」

兄「最後に今日の洗濯をします。これは明日の天気次第だけど、晴れてたらバイクにくっ付けとくだけで乾く。コインランドリーも安くは無いから節約できる所は節約しましょう」

妹「パンツとかは?」

兄「……それはバイクにくっ付けとく訳にはいかないからなぁ。……お前が良いなら良いけど」

妹「絶対嫌。……テントの中に干しとくとかは?」

兄「夜だけだし、だいいち俺が嫌だよ。お前の下着見ながら寝るなんて」

妹「失礼な」

兄「でも使い終わって捨てるなら言って。お前の下着ならアイドル研に高値で売れそう」

妹「失礼な!」

兄「まぁとりあえず。それが終わったら就寝準備。以上」

妹「私は今日、何すれば良い?」

兄「俺がテント張ってる間に夕食準備……と言っても米に水を吸わせたりしてくれれば良し。後は自分の洗濯物していて」

妹「はーい!」

兄「その後食事の用意できるまで適当。目の届く所、もしくは遠く行くとき一声掛けてね」

妹「洗剤は?あとここの洗濯機どこなの?」

兄「……無いよ。水洗い手洗いが基本。有るところも有るけど、よっぽどじゃなかったらそれで」

妹「ええぇ……」

兄「さっさとする、寝る時間無いよ」

妹「……これは流石に想定してなかった」

◆◆◆◆◆◆
兄「妹ー?ご飯できたよー」

妹「はーい!海凄い気持ち良かった!夕陽が逆じゃなかったら良かったのに」

兄「日の出はこっちだから明日早起きすれば?」

妹「……起こしてね。今日ご飯なにー?バーベキュー?」

兄「いや、途中の即売所で売ってた菜の花のゴマ炒め。コンビニの半額豆腐の麻婆豆腐」

妹「……えぇ。なんかこう、キャンプっぽく無いというか」

兄「肉は保存効かないからね。野菜なら最悪バイクに付けとけばドライベジタブルに出来る」

妹「串焼き、焼き肉とは言わないとけどカレーとかは」

兄「洗い物大変だからなるべく避けたい」

妹「……ロマンねぇ」

兄「ロマンじゃん」

◆◆◆◆◆
妹「温泉とか期待してた私がバカだった」

兄「シャワー浴びてきた?そしたら明日もあるし寝ようか」

妹「え?まだ9時よ?早くない?海に散歩行くとかさぁ」

兄「まぁお好きにどうぞ」

妹「一人は嫌」

兄「じゃあ寝ようか。妹テントの右、左好きな方が決めて」

妹「じゃあ右」

兄「寝るときの説明するね。妹は足を入り口側、俺は奥側に寝ようか。あべこべに」

妹「え?足を兄の顔に向けるの?」

兄「俺はそんな高貴な人間じゃ無いよ」

妹「……匂いとか気になるじゃない。それに話とかも――頭一緒の方向じゃダメ?」

兄「狭くなるじゃん。ただでさえ広くないのにさ」

妹「これだけは嫌。お願い!」

兄「じゃあいいよ。文句言うなよ?」

妹「……せまい」

兄「……妹、足の位置変えるよ?」

妹「……すいませんでした。なんかアレね。思ってたのよりすでに違う感じ。兄は想定通り?」

兄「おおむねそうだね。いつも友とキャンプツーリングするときはこんなだよ?しかも寝るときテント建てないし」

妹「たくましいというか、みすぼらしい旅というか。……でも、こうやって二人で寝るのって何時ぶりだろうね?」

兄「さぁ?小学校の頃じゃなかった?お前が俺と部屋分けて欲しい!ってゴネたの」

妹「私!?言わないわよ?兄が勉強出来ないからって私聞いたわよ?」

兄「あれ?そうなの?母がそう言ってたから、妹がそう言うなら俺も一緒じゃ無くても良いしって」

妹「……母め」

兄「まぁ良いんじゃない?何れは分かれてたんだろうしさ。それに今もホラー映画見たあと、お前にトイレ起こされるんだから変わらないって」

妹「そういうことじゃないのよ、もう。……私だけかも知れないけど、部屋別れてから私達ってなんか変わったわよね」

兄「……そうかな?」

妹「それまでは一緒の部屋で一緒にゲームしたり、学校の話したり良くしてたでしょ?部屋が別になってからそういうの少なくなったなぁって」

兄「お前が勝手に勝手に俺の部屋くるんだから変わらない気がするけどなぁ」

妹「違うの!そういうことじゃないの!」

妹「それまでずーっと一緒があたり前で、遊ぶのも習い事行くのもなんでも兄とだったじゃない?」

妹「中学は一緒に吹奏楽部だったけど、高校は吹奏楽辞めちゃったじゃない?……だんだん兄と一緒じゃないんだなぁ……って」

妹「バイクに乗ってる事も、こうやってキャンプしてる事も私全然知らなかったから。……あんなに一緒だったのに」

妹「それが何と言うか……ねぇ。…………兄?」

兄「…………zzz」

妹「もう寝たの!?早い!……うーん、手強いなぁ」

妹「……焦ることは無いか、まだまだこの先もあるんだもん」

妹「……おやすみ、お兄ちゃん」

兄「…………zzz」

兄「…………」

一応コレで一区切りします
読んでくれた人ちんきゅう

>>2 期待してくれてさんきゅう。
>>25 こんな駄文に切ないなんて感想かりがたいです
>>27ありがとうございます。期待には恐らく添えないと思いますが、頑張ります
>>32素直になったのか、それとも……

妹が兄を落とすまで頑張って書いてくれ

>>57
ありがとう!頑張って書いてみたい!
でも無理だったら脳内で補完してくれ(笑)

二日目 千葉県にて
◆◆◆◆◆◆
妹「……んー。。あ……れ?あ、そうか。テントの中かぁ。以外と寝れるものね……兄……はいないと。……まだ4時じゃない。……早すぎ」

兄「起きたー?まだ寝てても良いよー」

妹「うんー。おはよー。眠いー。けど起きるー。」

兄「おはよ。……なら顔洗ってきな。ご飯つくるよ」

妹「はーい。……兄いつから起きてるの?」

兄「3時」

妹「はやい!……ご飯とか私も出来ること手伝うから一人でやらなくても良いのよ?」

兄「昨日晩から浸けてるから正直何もしてないよ。自分の中の寝袋片付けて、今日のルート適当に考えてただけだから」

妹「そう?……そしたら急いであらってくるね」

兄「おーう。ゆっくりでも良いよ、顔調えてきな」

妹「……失礼な」

兄「さて今日のルートですが」

妹「はい!犬吠埼もう一度行きたいです!」

兄「……まじかー。まぁ、良いかな。時間的には余裕ありそうだし」

妹「やったー!ね、朝日見ようよ!」

兄「出る瞬間はとうに過ぎてるけどなぁ」

妹「海の上にお日さまが有れば良いのよ」

兄「じゃあ犬吠埼行くとして、他は昨日みたく俺が行きたい所行くよ」

妹「分かったー!」

兄「それから今日はもうちょっと運転してみようか、昨日より信号が少ないし何より多分走ってて楽しいと思うよ」

妹「ホント!昨日の最後は運転手楽しかったからあんな感じだったら大感激よ!」

兄「心が強くて何より。……じゃあテント片付けるからその間に着替えてきな」

妹「はーい!」

◆◆◆◆◆◆
ブロロロ……トコトコトコ……
兄「犬吠埼で時間喰ったなぁ」

妹「綺麗だったねー海」

兄「今日はコレから海岸線ずっと走るよ。九十九里浜。途中景色が良かったりするかも」

妹「へぇー……楽しみねぇ。あ!私運転したい!」

兄「うん、良いよー。景色良くなったら交代しような」

妹「コッチだと斜め前は見えるけど、真横はバイクが邪魔で見えないのよね」

兄「俺もそれは思った。……反対側が絶景なら良いんだろうけど、対向車有ったりするしなぁ」

妹「サイドカー側ってあんまり良い事無いのね」

兄「まぁね、これからお前がもし道とか大丈夫そうで、俺が眠いとき交代する時しかメリットないかもね」

妹「あ、景色良いところは私が運転で、どうでも良いところは兄の運転とかは?」

兄「それはズルいよ。険しくない道端お前。運転大変そうな時は俺で、基本交代しながら行こうよ」

妹「冗談よ。……全部兄の言うとおりで良いよー私は着いてきただけで満足なんだから」

ブロロロ……トコトコトコ……
兄「……妹?何やってるの?」

妹「んー、兄が見てた地図見てる」

兄「お、読めるようになった?」

妹「全然、全く、さっぱり。でもコレ面白いね。見所とか、おソバが美味しいとか行って見たくなる」

兄「ツーリング用の地図らしいよ。俺も見てて楽しい」

妹「千葉って舞浜とか幕張とかしか知らなかったけど、けっこうたくさん有るね」

兄「近いからわざわざ来ないからなぁ。九十九里とか有名な所は知ってるんだけどね」

妹「ねー。……こうしてみると日本って見るところたくさんあるのね。全部見て回れるのかしら?」

兄「多分無理だね。生きてる間でも無理だよ。それこそ毎日日本一周して生きてるなら別だけどさ」

妹「ねー。知らない事多いよね」

兄「知ってる事なんて数える位なのにね」

ブロロロ……トコトコトコ……
妹「……兄ー」

兄「んー?」

妹「……酔った」

兄「ばか」

妹「気持ち悪い……」

兄「どうするかなぁ。……次コンビニとか多分多分けっこう行かないとないよ?」

妹「……どこでもいい。休みたい」

兄「……んー。自販機有ったらそこで泊まる泊まるよ。そこまで耐えて」

妹「……しぬー」

兄「……大袈裟な。上を見てな」

妹「……まぶしいー」

妹「うぅ……」

兄「ダメ?」

妹「吐きそう」

兄「だから、吐いてきなよ」

妹「……ここのトイレ汚いんだもん」

兄「おいー。……まさかこんな所で時間喰うとは」

妹「じゅーす飲めば治りそう」

兄「お茶飲んだろ?」

妹「水筒のほうじ茶じゃない」

兄「何が不満なんだよ」

妹「……じゅーす。飲みたいなぁ」

兄「ダメです。早く良くなりな」

妹「けちー」

ブロロロ……トコトコトコ……
妹「普通、さっきまで気分悪かった妹に運転させる?」

兄「単車側の方が快適だろ?振動もサス有るし、景色良いし、気分も良し」

妹「……じゅーす飲めば治ったのに」

兄「アホか駄目だよ。……そろそろ九十九里の有料道路だよ。左折ね」

妹「はーい、……九十九里浜って歌有ったわよね?~あ~あ~~九十九里浜~~って」

兄「有ったね。そこなのか分からんけど」

妹「他にも九十九里浜ってあるの?」

兄「さぁ?知らないから無いとも言えん」

妹「妹市、兄市なんかももしかすると有るかもね」

兄「……ないだろうなぁ」

兄「……次左折ねー……ん?」

妹「なんか工事してるよ?」

兄「あれ?嫌な予感……」

妹「駐車場みたいなところあるよ」

兄「一度、中で止まろう。……あーまじか。有料道路工事してる」

妹「あー!浜辺ー!!遊んできて良い?」

兄「……ちょっと待って。対津波の工事だと?しまったなぁ……関東のツーリングマップは一番古いヤツだったか」

妹「どうするの?」

兄「どうしよう」

兄「海岸線をずっと走る予定だったんだけどなぁ……コレじゃ、海見えずに陸路並走するだけかぁ」

妹「私は別にそれでも良いよ?」

兄「うーん。……ちょっと考えたいかなぁ」

妹「海以外行くの?」

兄「場合によってはね」

妹「そしたらここ行きたい!濃溝の滝!友達も話してたし、ハートの滝があるんだって!」

兄「……ハートの滝かぁ。……あんまりそそられないげど、行ってみるか」

妹「やったー!」

兄「海岸線は別の所にお預けだなぁ……」

妹「そんなに海好きなの?」

兄「いや、千葉で見るもの決めてたのにさ。予定と違うのはどうも気持ち悪い」

妹「……さいですか」

ブロロロ……トコトコトコ……
妹「ねーねー、兄。たまにバイクの人が手を上げるのはなんで?」

兄「んー、あれは『ヤエー』とか言うね。挨拶みたいなもん」

妹「ヤエー?なんか凄い抜けてる挨拶」

兄「もともとyeah!!だったんだよね。ピースサインとか。とある掲示板で誰かがyeahをyaehて間違えたのがきっかけ。それからヤエーって流行ってる」

妹「へー知らなかった。バイクに乗る人はみんなするの?」

兄「みんなじゃ無いよ。オッサン、特にネットやらない世代はやらないと言うかイメージ。試しに若そうな人が来たらやってみなよ」

妹「サイドカー側からでも良いの?」

兄「もちろん。……ただ手を出しすぎないようにね」

トリコロ…?

妹「ヤエー!……やってくれないよ」

兄「みんながやる訳じゃないからね」

妹「なんで兄はやらなかったの?」

兄「運転中は危ないじゃん。舟側乗ってる時はやってたよ」

妹「知らなかった……うーん、ヤエーしたい!」

兄「根気よ、根気。やってくれるまでやればよし。……カーブとかでやったら駄目だよ?」

妹「あー早くバイク通らないかなー!……あ!来た!」

兄「やってみな。直線だから、もしかしたらやってくれるかもよ」

妹「よーし。…………ヤエー!」

バイク「ヤエー」

妹「あ!見た見た!!今の人やってくれたよ!!……あ!まだ手、振ってくれてる!……ヤエー!!」

兄「いい人で良かったね」

妹「いやー!コレ凄い楽しい!!やってくれると嬉しいね!!」

兄「何回も言うけど、みんながやるわけじゃないからね。それに、向こうがやってくれたら返してあげな」

妹「うん!バイクに乗る仲間同士で通じる挨拶って良いね!私ホントこう言うの大好きよ!」

>>70
トリコロってなんじゃ?トリコロールのことですか?

◆◆溝濃の滝にて◆◆
妹「到着!」

兄「よいしょ。……おー、けっこう観光の人要るのね」

妹「テレビか何かで紹介されてたって友達が言ってたよ。私も写真見て、行きたいなーって思ってたの」

兄「へぇー知らなかった。……今はネットとかのお蔭か、以前だったら穴場って所がガンガン観光地になってるね。」

妹「写真見たこと無い?凄い綺麗よ!行きたいなーって思ってたけど、まさかこんな形で来るとは思ってなかったわ」

兄「……歩いて400歩だって。歩ける?」

妹「……大丈夫。ダメだったらおんぶして」

兄「ダメです。却下、歩きなさい」

妹「なんだ、余裕」

兄「へぇー。わざわざ人力でくり貫いたのかー……なんか亀の置物がたくさんあるけど」

妹「ホント!可愛い~」

兄「そうかぁ?」

妹「あ!なんか鐘が有るよ!叩こう、叩こう!」

兄「イタズラに叩くなよ?」

妹「そこまで子供じゃ無いわよ!……えい!」カーン

兄「俺も」カーン

妹「……日本の鐘って変な音しない?」

兄「整数倍音じゃないからね」

妹「せいすうばいおん?もうちょっと詳しく教えて」

兄「俺も勉強そこまでしてないよ……とにかく何て言うかな?調律が違うんだよ」

妹「……ふーん。勉強ね」

兄「……なんだよ?」

妹「べつにー」

妹「キレイ……」

兄「ハートじゃないけどね」

妹「形は良いわよ。……あそこから日の光が差し込んだらもっとキレイなのかなぁ」

兄「午前中、朝早くに来れば良いみたい」

妹「明日も来ようよ!」

兄「流石に勘弁してくれ。今日の犬吠埼もう一回行ったのは近かったから。今夜のキャンプ場はここからちょっと遠いんだよ」

妹「そっかぁー。……残念。またこれたら良いなぁ」

兄「大概の場所はまた来たいねって言っても二度と行かないからなぁ」

妹「何度でも見ても良いのにね。初見も大事だけど、何回も見るから新しい発見が有ったりするのに。もうこれないのかなぁ……もったいない」

兄「……コレからさいろんな所回るけど、ベストな時期、時間帯に行けるかは分からない訳でさ。そう思うことって何度もあるんだろうなって思う」

妹「日本一周しても足りないね」

兄「そだね」

◆◆キャンプ場◆◆
兄「今日はちょっと早いけどテント張るよ」

妹「まだ4時よ?良いの?」

兄「良いよ。今晩雨降るらしいんだよね、明日は晴れるみたいだけど。だから、降られる前に準備します」

妹「はーい!」

兄「今日は妹、テント張ってみようか。時間も有るし一緒にやろう。その後でタープの張り方もオボエラレタラ覚えて」

妹「大丈夫かしら。難しくない?」

兄「大丈夫だと思うけどなぁ。ポール差すだけだし、ペグとかロープも結んであるし」

妹「……分かった。頑張る!」

妹「テントは簡単だった」

兄「でしょ?」

妹「棒曲げるのに力いるぐらいね。タープはちょっと無理、なんで埋めたりしてないのにコレだけでちゃんと立つのかしら?」

兄「張力で支えられてるからね。まぁ慣れるまでやってみてよ」

妹「はーい!……この後はどうするの?」

兄「ご飯までは時間あるからなぁ……俺はバイクのチェーンにオイル挿したりするけど。……自由にしてても良いよ」

妹「ホント!そしたらバイクに荷物取りに行ってきて良い?」

兄「良いけど……積み直せる?」

妹「サイドカーの後ろなの。荷物入れの中!」

兄「じゃあバイクをコッチまで持って来るよ。ちょっと待ってて」

妹「はーい!」

妹「……よいしょ……っと!良いわよ!」

兄「何それ?」

妹「…………まぁちょっと」

兄「なに?ちょっとって?」

妹「ちょっとはちょっと。……向こうへ行ってきて良い?」

兄「良いけど……遠くに行きすぎないでよ?」

妹「大丈夫!……あっちのベンチにいるね!」

兄「分かった。俺もここでバイク触ってるね。夕食は6時ぐらいから作るから」

妹「分かったー!行ってくるねー!」

◆◆妹、ベンチにて◆◆
妹「……さてと。こんなに早くチャンスが来るなんて想定外ね」

妹「いきなりメインはダメだろうしなぁ……最初は……コレかなぁ」

妹「……なんて言うかな。怒るかな」

妹「反応無かったら嫌ね……」

妹「……怒ってくれた方が良いのかも……」

妹「……緊張するなぁ。……お願いね」

妹「私に力を貸してね」

◆◆兄 バイク前◆◆
兄「…………」

兄「…………雑巾持ってくれば良かったなぁ」

兄「チェーンは良し。点灯してる」

兄「ブレーキ大丈夫。オイルもまだまだ」

兄「タイヤ……どっかで交換かなぁ……持ってくれれば良いけど」

兄「ワイヤーもイケる」

兄「……整備用品ちゃんと持ってくれれば良かったかな」

兄「……まぁこんなもんでしょ」

兄「…………」

兄「…………さて、どうしよう。洗濯して夕食じゅんびかな」

兄「…………」

兄「…………ん?」

◆◆妹 ベンチ◆◆
妹「……」~♪~♪

兄「……妹?」

妹「……なーに?」~♪~♪

兄「荷物の中身ってそれか」

妹「うん」~♪~♪

兄「コンサーティーナなんて持って来るなんて」

妹「……他にもいろいろ持って来たわよ。ティンホイッスルと竜笛でしょー。後は……」

兄「……フルート」

妹「ステューデント用のだけどね。友君が高い楽器持っていって壊れたら流石にって、安いの買ってきてくれたの」

兄「……ふーん」

妹「……ダメだった?」

兄「まぁ良いんじゃない……俺向こうで夕食の準備してるから」

妹「手伝った方が良い?」

兄「……んー大丈夫、適当だし。……楽器濡れないようにね、降ってくるらしいから」

妹「はーい」

◆◆◆◆◆
妹「……」~♪~♪

妹「……ダメか」~♪~♪

妹「…………」

妹「……嫌いになった訳じゃ無いと思うんだけどなぁ」

妹「……そりゃそうよね。『お、良いもん持ってきたな!俺もやらせてくれよ!』……なんては言わないわよね」

妹「……まぁゆっくりかしらね」

妹「……先は長いんだし、コレからよね」

◆◆◆◆◆◆
兄「……」

兄「…………何考えてんだろな」

兄「……いや、考えてることは分かるか」

兄「…………」

兄「…………楽器もう一度戻らないかって事か」

兄「…………」

兄「…………」

兄「……まぁいいか。それより飯メシ」

◆◆◆◆◆◆
兄「出来たよー」

妹「お腹空いたよー。今日は何?」

兄「大豆ともやしの甘味噌炒め丼」

妹「うへぇー。美味しそうなんだけどね。BBQとかは無いかー」

兄「大豆だよ?肉だよほぼ。保存も利くしたんぱく質取れるし」

妹「分かってます、分かってます。私の先入観、イメージを変えるべきなのよね」

兄「そういうこと。……あ、先にビタミン剤とかも渡しておくよ」

妹「……健康的なのよね」

兄「つべこべ言わない。……ではいただきます」

妹「いただきます」

兄「どうでしょうか?」

妹「大変美味しゅうございます」

兄「良かった良かった……うん、美味しい」

妹「兄は料理好きよねー、美味しいし。お嫁さんに欲しいくらいよ」

兄「お褒めのお言葉どうも。……そう言えばさ、妹は刃物はまだダメ?」

妹「包丁ダメねー。ハサミとかは最近克服したけど、何て言うかな。刀みたいな刃物は怖い」

兄「……そうか。まぁ、気長にか」

妹「ハサミ使って良いなら料理出来るわよ。この間も管弦楽の先輩とお好み焼き作ったんだけど、キャベツはハサミで切ったの」

兄「……先輩なんか言って無かった?」

妹「『見て!やっぱり天は二物を与えないのよ!私達も妹に差をつけれる所があるのよ!希望を捨てちゃダメ!』」

兄「……良くわかんないけど。まぁ、出来ないと困ると思うよ」

妹「そう?今の時代は外食栄えてるからそうでも無いわよ。最悪兄に寄生すれば良いんだから」

兄「断固拒否」

妹「可愛い妹が毎日来るのよ?」

兄「俺にもプライベートがあるんだよ」

◆◆テントにて◆◆
妹「今日はあんまり疲れなかったかも」

兄「それは良かった。まだまだ長いからね。倒れられたら困る」

妹「私がもし倒れたらどうする?」

兄「……無理矢理でもサイドカーに積めて輸送」

妹「人でなし」

兄「お前は俺が倒れたらどうするんだよ」

妹「もちろん看病するわ。……そうね、近くにあるホテル、もしくは旅館を借りて卵酒、卵のお粥作って『あーん』って食べさせてあげる」

兄「うーん。……意地でも倒れられんな」

妹「人でなし。……昔。子供の頃、兄が私にそうしてくれたじゃない?お母さん、お父さんが仕事だったかしら。担任の先生が兄のクラスに行ってくれて」

兄「あったね。小学4年の頃だったかな?……みんなが授業してるのに、一人だけ特別みたいで、凄いウキウキしてたの覚えてるよ」

妹「もう!……二人で一緒に帰って、兄が私のご飯作ってくれて、私の隣にいてくれて」

兄「やること済ませて、ポケモンやってたね」

妹「……もういい。寝る」

兄「はぁ?なんでさ」

妹「知らない!」

◆◆テント内◆◆
妹「……」スヤスヤ

妹「……」スヤスヤ
◆◆テント外◆◆
……パチ……バチパチ
兄「……」グビグビ

兄「……音楽か」

兄「……」

兄「……」グビグビ

兄「……」

兄「……割りきれんよな」

兄「……」

>>86
ありがとー!

◆◆三日目 千葉◆◆
妹「……」ムクリ

妹「……」

妹「……もう起きてるの?」

兄「おはよう」

妹「……バイク乗る人ってみんな朝早いの?」

兄「出発が早ければ早いほど遠くに行けるからね。どれだけ早く走っても、一時間早く出発するにはかなわないよ」

妹「……そうですか。とりあえずおはようございます」

兄「ご飯すぐ作るね」

妹「至れり尽くせりですいません」

兄「今日は二、三箇所観光したら千葉離れるよ」

妹「あら、もう千葉から離れるのね。終わりかぁ」

兄「まだ47分の1だけどね」

妹「今さらだけど途方も無いのね、この旅。終わった頃にはどうなってるかしらね」

兄「なにが?」

妹「いろいろよ。……価値観、経験、知識とか。やって良かったって言えたら良いね」

兄「そうだね。……結局は自分自身の持ちようだろうけど」

妹「その自分自身が変わるのかしらね」

兄「さぁね。……さて、ボチボチ活きますか」

妹「はーい!」

◆◆房総フラワーロード◆◆
妹「うみー!気持ちいいー!」

兄「だねー。……ここはフラワーロードって言って花も綺麗らしいんだけど、時期外したなぁ」

妹「海だけで十分よ!ホントに運転してると気持ち良さそうね。こっちから真横は兄とバイクに隠れちゃう」

兄「運転してて景色が良いように一応ルート考えてはいるからね。……日本を時計周りで進むと左車線側が海じゃん?」

妹「なるほど。……ん?兄は分かった上でサイドカー側に来なかったの」

兄「…………後で変わる?」

妹「うん!ここは運転してみたい!!楽しい事は二人分!」

兄「……悲しい事は半分。……NHKの歌だっけ?なんだっけ?」

妹「なんだったかしらね。兄妹が主人公だったのは覚えているんだけど」

兄「……だっけ?全然覚えてないや」

妹「NHKで言えばクラシック音楽がBGMの3Dアニメ無かった?」

兄「……あー、野菜のヤツか。途中でパソコンとマウスの主人公に変わってたね」

妹「あれ怖かったのよねー。トルコ行進曲が小さい頃凄い不気味で、そのイメージが凄い強くて。ピアノであれ弾くとき先生に『そんなにおどろおどろしく弾かないの!』って怒られた事あるわ」

兄「へぇー。そこまで思わなかったけどなぁ。普通に楽しめたような」

妹「あれでやってた曲、そのアニメのイメージで演奏する事結構あるわよ?小さい頃の印象って大きいのねー」

兄「……俺には分からないけど、そうなのかもね」

妹「……兄は曲弾くときイメージとか無かった?」

兄「……ピアノ?」

妹「フルートでも何でもよ。変なイメージみたいなの」

兄「……どうだろ。楽譜通りちゃんとやろうとしてたけどね」

妹「そっかー。私だけなのかなぁ?」

兄「……どうだろうね。……ほら、前見て運転運転」

◆◆鋸山にて◆◆
兄「到着……と」

妹「髪の毛が気持ち悪いー」

兄「切ったら?」

妹「嫌よ、成人式までは伸ばすの!……ここはなにがあるの?」

兄「凄い崖。地獄覗きとか言うらしいよ」

妹「へぇー。ちょっと楽しそう!」

兄「……結構歩くよ」

妹「……頑張る。ダメだったらおんぶして」

妹「……むりー」

兄「早いってまだまだ先あるよ?」

妹「ええー……おんぶしてー」

兄「バカ、歩け歩け……ん?」

子ども「うわーい!!」ダッシュ

子ども「パパー!先に居たお兄ちゃんとか抜かしたよー!」ダッシュ

子父「こらー!迷惑掛けないようにしなさーい!」

子ども「だってこのお姉ちゃんとか遅いんだもーん!!」

兄「ボク早いなー。気を付けろよー……妹?」

妹「……」

妹「……」ダッシュ

妹「私の方が早いわよー!」ダッシュ

子ども「あー!ずるーい!!ボクもー!」ダッシュ

兄「……」

兄「……同じ土俵に上がろうとするのが凄いと言うか」

妹「……」

兄「後先考えなさい」

妹「……だって、負けたく無かったんだもん」

兄「いい大人になるんだからさ……あの先にあるみたいだよ」

妹「……頑張るわよ……頑張るけど、石の高さが急でしんどい」

兄「頑張れー。……おー、凄い景色」

妹「どれどれ……いやー!凄い高いのね!風が凄い強い」

兄「ホントだね。……昨日まで居たのはあっちの方かな?」

妹「あそこからバイクで来たの!?凄い走ってたのね」

兄「あっちがコレから行く神奈川県か」

妹「へえー!……神奈川ー!コレから行くわよー!!」

兄「叫ばない叫ばない」

子ども「やっー!ほーっ!!」

妹「やっー!ほーっ!!!」

兄「こらこら」

兄「この手刷り沿いが地獄覗きらしいよ」

妹「ええー。あの先に行くの?」

兄「滑るから気を付けてね」

妹「ちょっとー。……ここから落ちたら死んじゃう?」

兄「まぁ、助からないだろうなぁ」

妹「これは怖い……ちょっと早く行かないでよ」

兄「待ってるからゆっくりおいで。……これは凄いな」

妹「待ってー。……いやー。怖い怖い怖い!」

兄「見ろよ、ホラ。あんな垂直な崖」

妹「嫌よー!……あぁ、でも凄い!何であんな直線なのよ!?」

兄「なんか建材として切り出してあんな形になったらしいよ」

妹「これ人の手で切ったの!?どうやって登ったのよ!?」

兄「さぁ?でも昔の人って凄いよね」

妹「……足ガクガクするー」

兄「そうかー?確かに高いけど柵が有るからそこまで怖く内でしよ?」

妹「兄こそ良く淡々と行けるわよ。そっちの方が信じられないわ」

兄「そうかー?観光地として作ってるんだから安全性はしっかりしてるんでしょ?必要以上に怖がらなくてもさ」

妹「なんかあの柵がもしも折れたらとか、足が滑って柵を越えちゃったらとか凄い想像しちゃうの」

兄「しなきゃ良いのに」

妹「人間は敵を勝手に大きくする生き物のよ!」

兄「そうかな?……ホラさっき覗いてた場所見えるよ」

妹「…………あんな先だけ出てたの?……あの上に居たの?」

兄「我ながらあんな所良く居たなと思うよ。……もう一回行く?」

妹「絶対嫌よ!!」

◆◆バイク◆◆
兄「すごかったねー。来て良かった」

妹「あの仏像!あんなに大きなの良く掘れるわよね!」

兄「だねー。他のたくさんの石像何かも面白かったしまた来たいなぁ」

妹「……下ってる時の思ったんだけど、もうひとつ入り口有ったわよね?そっちの方が近かったんじゃない?」

兄「……あっちは金掛かるからさ」

妹「あんなに登るなら少しでも払って行こうよー!」

兄「登れたじゃん。なせばなる」

妹「私の太もも張ってるわよ!太くなったらどうするのよ!」

兄「コレから行くところそんな所所ばかりだけどなぁ」

妹「嫌よー!!」

ブロロロ……トコトコトコ……
兄「そしたら千葉終わりねー」

妹「楽しかったー!今まで近いからあんまり来なかったけど、ディズニーランドだけじゃないのね!」

兄「そうだね。灯台元暗しってヤツなのかな?……意外と埼玉も知らない所多いかもね」

妹「今度調べてみよー……神奈川県には東京通る?」

兄「通ると言えば通るのかな?アクアラインって知らない?海の上走る高速」

妹「ええー!知らない!……海の上に走るの!?道は?」

兄「もちろん有るよ。風がちょっと強いかも知れないから、荷物とか飛ばされ無いようにね」

妹「わーい!凄く楽しみ!!」

◆◆アクアライン◆◆
妹「すごーい!海の上だよー!!」

兄「あんまり乗り出すなって……あ、立つな立つな!」

妹「だって見えないんだもん!!……潮の香り。こんな所で走れるなんて素敵ね!」

兄「良く作ったよね。鋸山でも思ったけど、ホントに凄い人がいるよなぁ」

妹「これも何百年経ったら言われるかな?昔の人は凄い!って」

兄「どうだろうねー。その頃はバイクって残ってるのかなぁ?」

妹「残るわよ!だってこんなに気持ち良いんだもん!こんなの知ったら車だけなんて考えられないわ!」

◆◆海ほたる◆◆
妹「凄いねー!!海上レストラン!タイタニックみたい」

兄「俺はワンピースのバラティエ思い出すなぁ」

妹「なんだっけ?」

兄「ホラ、サンジが居たとこ。戦うレストラン」

妹「あぁ!小学校の時のテレビでやってたねー!」

兄「あの頃は好きだったけどなぁー。……さて、どうしようかな。ご飯ここで食べようか?」

妹「賛成!海見ながらなんてロマンチックじゃない!こういうのを期待してたのよ!」

兄「夜になるともっと良いらしいよ」

妹「ホント!?夜までここに居る?」

兄「それは無理、神奈川入ろう」

妹「何よ!何で期待させること言うのよ!!」

兄「美味しかったー」

妹「兄っていつもお蕎麦じゃない?」

兄「違うよ。この間、なめろう食べたじゃん」

妹「じゃあほとんど。……いつも決めるとき早いんだもん。私ばっかり待たせてちゃうじゃない」

兄「別に良いよ。俺は俺、お前はお前。全然待つから、ゆっくり選びな」

妹「そうは言ってもねぇ。……あれ?なんか聞こえて来ない?」

兄「ん?……あぁ、楽器の音だね」

妹「ちょっと行ってみようよ!」

兄「……ダメだよ。……っておい!」

妹「ちょっとだけー!早く早くー!」

兄「…………全く」

妹「ほらー!吹奏楽!……マーチングかな?スーザフォン吹いてるよー!」

兄「……あぁ、ホントだ」

妹「高校生かな?中学生かな?……懐かしいなあー」

兄「懐かしいって、お前は今も吹いてるじゃん」

妹「……ちょっと違うのよ。やっぱり高校生までとは」

兄「……ふーん」

妹「あ、終わった。……アンコールだったのねー。…………ブラーブォ!!」

兄「……辞めろって」

妹「良いのよ。マナー違反かもだけど、言われたら嬉しいもんよ」

兄「…………」

妹「良いなぁ。……吹奏楽もまたやりたいなー。……ねぇ、兄?」

兄「……余裕あったらね」

>>103
さんきゅー!ホントにありがとー!
サボり心無くなって、やる気になります!

日本一周完走するんだ

>>107
書いて思ったけど改めて考えると長いよね。途中カットしようかなと考えたり

妹「演奏良かったねー!野球応援とか懐かしいなぁー。あと部長の子が譜面台に付けてた音符のクリップ可愛かったよねー!どこで売ってるんだろ?」

兄「……良くそんな所まで見てるよ」

妹「えー、そう?結構学校によって楽譜のまとめ方違うからそういうところ良く見ちゃうかも」

兄「ふーん。……さて、ボチボチ行こうか」

妹「はーい!次は神奈川県ね!楽しみだなー。……赤レンガとか中華街とか!」

兄「……横浜寄りたい?行く予定ないんだけどなぁ」

妹「えー!なんでよー!行こうよー!神奈川と言ったら横浜でしょう?」

兄「千葉と一緒だよ。ディズニーランドだけしゃ無かったでしょ?知らない神奈川見つけに行こうよ」

妹「……そう言われるとそうね。良いわよ!旅は兄に任せる!」

兄「だと助かる。……まぁでも、ホントに寄りたい所とか有れば言ってね。ちょっとは考えるよ、二人で行くんだしさ」

妹「ホント?ありがとっ!」

兄「どうも。……トイレ行ったね?行くよ」

妹「オッケー!……ありがとー!千葉県ー!!また行くよー!!」

◆◆千葉編終わり◆◆

おつ

関連のssは他にあります?

>>110
ありがとーございます!
関連無いですー。始めたばかりです

妹『兄!吹奏楽部入らないってホント!?』

兄『んー。……まあね』

妹『なんで!?せっかく吹奏楽強いところ入ったのに、なんでこの高校受験したのよ!』

兄『……別に俺が何部入ろうが俺の勝手だろ』

妹『私が吹奏楽部入るのか聞いた時、入るかもって言ったじゃない!……だから私は入部届け出したのに』

兄『……それもお前の自由。俺がどうこう言う事じゃないから、嫌だったら辞めれば良いと』

妹『……なんで?なんで吹奏楽辞めちゃうの。フルートあんなに好きだったのに』

兄『……フルートは吹奏楽部入らなくても出来るよ。高校は他にやりたいこと有るから』

妹『何がやりたいの?一生懸命やってたこと辞めるぐらいやりたいの!?』

兄『……なんでも良いだろ。別にお前に言わなきゃいけない訳じゃ無いし』

妹『……そう。分かった。……私は吹奏楽部入るからね!』

兄『……どうぞご自由に』

妹『ばか!!』


兄『…………』

◆◆神奈川県 猿島◆◆
妹「はぇー」

兄「口閉じな。まぬけ顔してるよ」

妹「だって凄いじゃない。変な顔にもなるわよ。……凄いね。戦争中はここにたくさんの兵隊さんがいたんだよね?」

兄「なのかな?……こうやって残ってるのが凄いよね。連続性というか継承と言うかさ。……戦争が終わって、ここに誰も居なくなってもずっとここにあり続けたと言うかさ」

妹「……ねー。どんな気持ちだったのかな」

兄「物だよ?感情が有るわけないじゃん」

妹「例えばの話よ。……この建物は今も戦争中なのかしら、敵に備えて耐えてるのかしらね」

兄「……どうだろうね」

妹「なんか異世界に来た感じ。こんなに近くて、こんな場所が有ったなんてね」

兄「俺も知らなかった。……海ほたるのおじさんに感謝だね」

妹「近いしまた来ようかなー。……素敵よね」

兄「非日常感は同意。……俺も来ようかな」

妹「一緒に行く?」

兄「……勘弁してよ」

妹「なんでよ!失礼ね!――あら?何あれ」

コスプレイヤー「こんなポーズどうですかー?」
カメ子「良いですwww可愛い……というかエロいwwwコポォwww」

妹「……凄いね」

兄「……非日常だよ」

◆◆バイクにて◆◆
ブロロロ……トコトコトコ……
兄「楽しかった」

妹「私も!満足しちゃった!……次はどこ行くの?」

兄「とりあえず三浦半島南下しよう。宿泊地行くよ」

妹「はーい!」

兄「……それでちょっと相談というか、いろいろ話そうか」

妹「え?なーに?大事な事?」

兄「まあちょっとね。……着いたら喫茶店でも見つけて入ろうか?」

妹「……相談ねぇ。良いこと?悪い事?」

兄「俺にとっては良いことなんだけどね……まぁとりあえず着くまで保留」

妹「気になる!!」

兄「気にしてて」

何の話しかな
ドキドキ

◆◆三浦半島某所灯台にて◆◆
妹「すごーい!」

兄「お前は凄いしか言わないな」

妹「語彙量がないとでも?失礼ね、これを一言で表現する言葉が日本語に無いだけよ」

兄「言い様だね。……さてボチボチ宿なんですが、ここで相談があります」

妹「あ、さっき運転中言ってたヤツね?なーに?」

兄「今日の就寝場所なんだけどね。妹は二択宿か野宿か。宿は一応空き確認済みで、いきなり来ても大丈夫だって」

妹「それだけだと宿一択ね。……兄は?」

兄「野宿」

妹「じゃあ私も!」

兄「だと思った。……ただね、今日の野宿地はけっこう歩くのよ。テントとか担いで行くから、妹多分キツいと思うんだよね」

妹「頑張る」

兄「いや、ホントに。まじでさ。……俺も行くか迷ってるぐらい。ただ歩いて行くのも大変だけど、更に道具有るからさ。……いろんな他意なしで宿に泊まった方が良いよ」

妹「……頑張る」

兄「……絶対、疲れたとか。無理ーとか。言いっこ無しね?俺も自分の荷物で精一杯だから、妹は自分の分は絶対もってね?俺持たないからね?」

妹「……頑張るもん」

>>118
大した相談じゃなくて悪い(笑)
でも感想ホントにありがとう!ホントに嬉しい!

◆◆◆◆◆◆
兄「…………妹ー?」

妹「はぁ……はぁ……だ……いじょ……うぶ…………後どのくらい?」

兄「さっき見た看板に後400mって」

妹「ええー!まだそんなに歩くの!?」


兄「だから言ったんだよ。……今からでも宿行く?」

妹「……いい……頑張る」

兄「そう?……ゆっくりで良いからね。足元良く見て、転ばないように」

妹「……なんでこんな所に行くのよ」

兄「まぁちょっとね。個人的に興味があってさ」

妹「……良い趣味をお持ちで」

兄「……お褒め頂き、光栄の至りです。……ホラ、行くよ」

妹「……ふぁいとー」

兄「はいお疲れー」

妹「……水が重かったー。いつも何気なく使ってたけど、水場が近くに有るってありがたい事だったのね」

兄「水無いと米も炊けないし何にもできなくからねー。蛇口捻るだけで安全な水が出るってホントに凄いよ」

妹.「……今気付いたけど今日ってシャワーとか無し?」

兄「もちろん」

妹「……嫌ぁ。ベトベトなのにこのまま?』

兄「お湯タオルで体拭くと少しは楽。ご飯終わったらお湯沸かすよ」

妹「……お風呂の贅沢だったのね」

兄「勉強になったね」

妹「全くです」

妹「この後どうするの?」

兄「どうもしないよ?ご飯食べて寝るだけ」

妹「ええ!?じゃあなんでこんな所来たのよ!」

兄「来たかったから……だから言ったじゃん。宿行くかー?って」

妹「……何か特別な事が有るのかとおもってたのに」

兄「まぁ、特別と言えば特別な事あるけどね。何かする訳じゃないよ」

妹「騙されたー」

兄「人聞きの悪い事を。……そしたらご飯作ろうか?今日は米炊くのやってみる?」

妹「……凄い気乗りしないのよね」

兄「俺は何回も言ったからな?」

妹「私が悪うございました」

◆◆◆◆◆◆
妹「体拭いたよー。……ホント少しは楽ね。谷間とか気持ち悪かったのよ」

兄「……谷間?…なんの?」

妹「胸よ。おっぱい」

兄「お前、谷間あったか?……いて」

妹「ホントあり得ない……ばか兄」

兄「だってなぁ……」

妹「次余計な事言ったら、チンこモギトルからね!……いつの間にか凄い真っ暗ねぇ」

兄「周り崖だからね。光は入って来ないよきっと」

妹「波の音が凄く大きく聞こえる……今までキャンプしてた時は虫の声とか聞こえたけど、それすらも無いのね」

兄「あーそう言えばそうだね。ちょっと行けば草むらあるけど、海が近いと虫居ないのかな?」

妹「……変な感じ。ちょっと怖くて、だけど整った静寂」

兄「音が有りすぎないって言うのも、知らない事だったんだな……」

妹「知らない事ばっかりね」

兄「同感です」

兄「それよりさ……ホラ上見てよ」

妹「上?…………うわぁ!凄い!星がこんなに!!」

兄「キレイじゃない?」

妹「うん!」

兄「それよりさ……ここ、寝転んでご覧
……電気消すよ」

妹「よいしょ…………うわぁ!凄い!星がこんなに!!」

兄「キレイじゃない?」

妹「うん!とても素敵!」

兄「……あれがうしかい座。北斗七星の近くに有る大きな星から三角形と五角形が有るでしょ?」

妹「アレと……アレかな?」

兄「そうそう。……その下にもうひとつ大きな星。アレが乙女座のスピカ」

兄「さっきのうしかい座の大きな星、アルクトゥールスとスピカ、北斗七星をつなぐと春の大曲線」

妹「春の大曲線?夏の大三角は聞いたこと有ったけど、そんなのもあるのね…………ホントに知らない事ばっかり」

兄「俺もこうやって見るのは初めてだよ。……ちょうど今日、新月だったからキレイに見えるかなと」

妹「へぇー。……なんだこれが見たかったのね。特別な事有るじゃない」

兄「俺にはね、妹がどう思うか分からんしさ」

妹「素敵だと思うわ!ねぇねぇ、他には有名な星無いの?」

兄「他?そうだなー……――」

妹「…………」

兄「…………」

妹「……兄ー」

兄「んー?」

妹「こういうのって天文部に居たときに勉強したの?」

兄「……かな?どっちかって言ったら地学部の方だけどね。ここの場所も地学部の顧問が教えてくれた。都会に近いけどそこそこ見える場所って」

妹「…………高校で地学部入って楽しかった?」

兄「……まぁね。写真部も面白かったし、みんなは文化系の部活バカにしてたけど、けっこう充実してたよ」

妹「……そう」

兄「なんで?」

妹「別にー」

兄「ふーん?」

妹「…………」

妹(それってフルート吹くよりも楽しい事だったの……)

ギャーモギトラレルーーー乙。

妹ちゃんはちっぱいちゃん?ざんねんむねん乙。

乙だ
大した相談でなくて良かった

>>128
モゲルゾー!!(笑)
ちっぱいでしょうか?Cカップぐらいだと仮定してます
>>129
ありがとうございます!
日本一周もまだまだ始まったばかりと言う事で、どうなりますやら。

◆◆◆◆◆◆
妹「……スヤスヤ」

兄「……」グビグビ

妹『なんで吹奏楽辞めちゃうの!』

兄「……」

兄「……」グビグビ

兄「……言えるかよなぁ」

妹『自分に嘘ついて!興味も無いのに写真部?地学部?天文部!?今までそんな事言った?!』

兄「……」グビグビ

妹『バイクの免許?最近おかしいよ、兄!?どうしちゃったの?』

兄「……酒不味いや」

兄「……」

兄「……寝るか、明日もあるし」

妹「……」スヤスヤ

兄「……俺はお前が――」

結ばれて欲しい…。

だな

◆◆神奈川二日目◆◆
妹「うみー!好きー!」

兄「お前はそればっかりだな」

妹「なんか見る時間によって全然違うじゃない?朝は柔らかい感じ。色とか音とか。自然に落ち着くわよ」

兄「さいですか。……あ、そこ曲がるよー」

妹「はーい!今日は鎌倉よね?」

兄「そうだね。けっこう見たい所有るんだよね、俺」

妹「私もー!中学の時の班別行動はさ、先輩達の代まで鎌倉で私達から東京になったじゃない?先輩みんな鎌倉の話するから気になってたのよ」

兄「あー分かる分かる。東京は東京で楽しかったんだけどね。浅草とか水上バスとか」

妹「ねー!あ、江ノ島も行きたいなぁー!」

兄「今日1日で回れるかな?」

妹「頑張ろうよ!ね、ね、ね!」

兄「お前次第かもよ。……まぁ、そだね。楽しみだ」

◆◆鎌倉 大仏◆◆
妹「はぇー」(ポカーン
兄「まぬけ顔」
妹「……」(トジル

妹「……良くこんなの作るわよね」

兄「何が昔の人にそうさせたんだろうね。流行りって言えば流行りかもだけどさ」

妹「……今ね、管弦楽でオーケストラやってるじゃない。交響曲って凄く長い曲でしょ?作曲家は作るときに最初から最後まで頭の中でイメージ出来てるのかなって」

兄「……作るときねぇ」

妹「だってそうでしょ?この大仏もだけど作り始めるときは指とか耳から作るのか分からないけど、パーツでしか無い訳じゃない?」

兄「……主題、モチーフを膨らませたり、展開させたり……か。たしかにね」

妹「私達の日本一周もどうなるのかな。……終わるときどうなってるのかな」

兄「さあね。イメージ出来ないや」

妹「主題……か。……兄の日本一周の主題は?」

兄「…………」

妹「……兄?」

兄「……さぁね。次行こうよ、江ノ島も行くんでしょ?」

妹「…………うん!分かった!」

>>132
>>133
ホントに何度もですが、読んでくれてありがとうございます!

お二方の期待に沿えば良いのですが、続けられなかったら脳内補完を(笑)

◆◆◆◆◆◆
妹「長谷寺楽しかったー!」

兄「ホント、観光地して完成されてると言うかさ。洞窟の中とか細かな演出というか分からんけど、楽しませるようにさ。拝観導線良くできてたね。来て良かった」

妹「だから言ったじゃない!行こうよって!」

兄「だって俺、他の場所来たかったんだよ。……まだ一個も行って無いのにさ」

妹「地図で見たら直ぐじゃない?」

兄「……地図読めるようになった?」

妹「全く。……でも駐車場のおじ様言ってたわよ?バイクなら直ぐだーって」

兄「ああいう人の直ぐは信用ならんからなぁ。渋滞したら車と変わらないのにさ」

妹「渋滞するかな?……じゃあバイクまで走ろうよ!!」

兄「転ぶなよー!あとバテるなよー!!」

◆◆バイクにて◆◆
ブロロロ……トコトコトコ……
兄「あ、早速道間違えたかも。……こっちか」

妹「あら、珍しい。初めてじゃない?」

兄「こういう街中の細かい道の方が分からんよ。今までは大きい道をおおざっぱに進んでたからね」

妹「ふーん?地図覚えてるの?」

兄「おおざっぱにね。国道とかは走ってても分かりやすいしさ」

妹「……凄いなぁ。同じように育ってるハズなのになんでこうも違うかな?」

兄「……さぁ?」

妹「私お母さんからホント毎日言われるのよ『兄を見習えー、兄はちゃんとしてるー、兄は素直だー』って」

兄「……宿題、課題はやった方が良いと俺も思うよ」

妹「楽器ばっかやってるからかなぁ?でも兄も中学まで毎日やってたわよね?」

兄「まぁね。……なんでこう違うかな……」

妹「不思議よねぇ」

◆◆建長寺◆◆
兄「ここが最後です。……鎌倉五山を1日で回るのは無理あったかなー。……でもこれて良かった」

妹「疲れたぁ。ちょっと休憩しない?」

兄「良いよ……そこのベンチで休もうか」

妹「ふー!……いい風ね。気持ちいい!」

おじさん「お嬢ちゃん若いのにへばったのかい?」

妹「あら、こんにちは!……違うのよ、私はゆっくり見て廻りたいのに急かすんだもん」

おじさん「あはは!俺も上さんに同じ事言われるわ!……二人は恋人?」

妹「恋人なんてそん――」
兄「いえ、兄妹です」
妹「……」

おじさん「へぇー!そうか!年子かなにか?」

兄「いえ、同じ歳なんですけど、私が4月生まれで、妹が3月生まれなんです」

おじさん「へぇー!驚いた!そんな事あるんだなぁ!仲良くて何より!気遣ってやんなよ!」

兄「はい、ありがとうございます……妹?」

妹「……別にー」

兄「……?変なヤツ?」

兄「建長寺は鎌倉五山の一位なんだって」

妹「へー。確かに一番立派?かも?……寿福寺だっけ?五山ってほどじゃなかったわよね」

兄「まぁね。……でも一番最初の住職は栄西だし、凄いお寺だったんだよきっと」

妹「えいさい?」

兄「ほら小学校の歴史で習ったでしょ?禅の人」

妹「ぜん?」

兄「もういいわ」

妹「むしろ兄こそ良く覚えてるわよ……ここのお寺も栄西なの?」

兄「いやここは全く違う人らしいよ」

妹「有名?」

兄「……さぁ?」

兄「……でもさ、そういう有名というか凄い人が近くにいると嫌だろうね」

妹「なんで?有名人に会えたら素敵じゃない?」

兄「……嫌でも比べられるじゃん。たぶん建長寺の住職も凄いんだろうけどさ、栄西ってのが有名じゃん。どんだけ頑張っても結局は……さ」

妹「そうかなぁ?そしたらもっと頑張れば良いのよ!」

兄「……頑張ってどうにかなる事ならね」

妹「ふーん?」

兄「お前はそういうの無縁そうだね」

妹「あら、私はいつも優秀な兄と比べられてるのよ?毎日毎日まーいにち!」

兄「苦痛?」

妹「ちーっとも!むしろ自慢の兄だもん、誇らしいわよ」

兄「…………どうも」

妹「兄がもーっと有名になってもそれは変わらないと思うわ!」

兄「…………そっか」

◆◆バイク◆◆
ブロロロ……トコトコトコ……
兄「あ、ここ。SLAM DUNKのモデルになった駅だよ」

妹「ここ?……へー。確かにOPであったかも!SLAM DUNK好きだったなぁー。三井さんとか小暮さんとか!」

兄「俺は魚住とか好きだったけどなぁ」

妹「誰だっけ?」

兄「ほら海南のキャプテン。俺は主役じゃなくて良いとか知らない?」

妹「……んー?良くわかんない。流川君とか凄い好きよ!」

兄「女はそういうキャラ好きだよね」

妹「懐かしいなぁー。……~きみがすきだーと さけびーたい~」

兄「~この熱い 思いを 受け止めて欲しい~」

妹「カラオケ行きたいねー」

兄「日本一周終わったらね」

妹「約束よ?」

兄「覚えてたら」

◆◆江ノ島◆◆
妹「うへぇー、階段凄い」

兄「ホント。……大丈夫?多分けっこう歩くよ?」

妹「鎌倉であんなに歩いたのに!」

兄「辞める?」

妹「……行くわよ。もーなんでこんなに歩くようになってるのよ。エスカレーターとか動く歩道とか、配慮して付けるべきだわ!」

兄「屋外だしなぁ。それに歩いて行くからいいんじゃん?」

妹「みんなマゾね。苦しいのが良いなんてマゾばっかり!」

兄「癖じゃないって」

妹「楽していけた方が良いに決まってるのに、観光考える人もバカね。もう二度と来たくないって思われたら人来ないじゃない!」

兄「自分で頑張って歩いて来たからまた来たいって思うんだよ」

妹「人間って変なの!」

兄「それが人間なのかもね」

兄「ほれ、頑張れ、頑張れ」

妹「無理ー。おんぶしてー。抱っこしてー」

兄「バカ言うなよ、はい、キリキリ歩く」

妹「だっこー!おんぶー!」

子供「ママー。あのおねいちゃん大人なのにだっこーだってー!」

母「疲れちゃったのか知らねー、子供くんはまだ大丈夫?」

子供「うん!ボク最後まで歩けるよー!」

妹「…………」

兄「ほれ、見てみろ。あんな小さなこでも頑張って歩いてるんだよ」

妹「……お姫様抱っこして」

兄「どこに姫がいるんだよ……ほら、いち、に。いち、に!」

妹「……いっちに、いっちに」

兄「おーすごい!来て良かったちょうど夕日だよ」

妹「……わー」

兄「……大丈夫?お茶有るよ?」

妹「飲むー……ホント綺麗。海の水が岩場にたまってキラキラしてる」

兄「ホント、コントラストと言うかさ。ああいうの絵になるよ」

妹「見て、写真撮ってる人モデルさんじゃない?……絵になるわねー」

兄「そうかー?……でもそうだね、わざわざレフ板持って来ないか普通」

妹「素敵ねー」

兄「……あ、そうだ。妹も撮ってあげる」

妹「私?」

兄「映画部に言われてるんだった。旅のお前の動画欲しいんだって。今年の文化それを使うってよ」

妹「なにそれ、勝手に」

兄「お前のバイクのジャケット、ヘルメット。その他一式映画部から協賛頂いております」

妹「もー……綺麗に撮ってね?」

兄「自信は無いけどね」

妹「こんな感じー?」

兄「分かんないよー。適当に動いて見て」

妹「もうー疲れてるのにー」

兄「悪い悪い。でも頼むよ」

妹「スカートじゃ無いから可愛くないじゃないねぇ」

兄「大丈夫、了承済みだよ」

妹「もうー……」

兄「…………」

妹「兄ー?」

兄「……撮ってるよー」

妹「いつまでー?」

兄「30秒をなんカットか、画角変えて何個か撮るよー。それまで適当に動いて。歩いたり、飛んだり、踊っても良いよー」

妹「うへぇー……えい!……ほっ!」ザザァー


兄「…………」

◆◆野宿地◆◆
妹「二日連続、お風呂無し」

兄「お前が江ノ島行きたいとか言うからだろ?キャンプ場のチェックイン過ぎちゃったんだからしょうがないじゃん」

妹「そうだけどさー……臭くない」

兄「どれどれ」

妹「嫌ー!嗅ごうとしないでよ!ばか兄、最低!」

兄「お前が臭い聞くからだろ?」

妹「臭いもだけど髪の毛よ。……洗いたいなぁー。ボサボサになっちゃう」

兄「お前さヘルメット被るときどうしてるの?」

妹「髪の毛?ヘルメットから出た髪はジャケットの中に入れてるわよ。……でも走ってると出てきちゃうから邪魔かもね」

兄「結んだら?」

妹「あなたは知っているでしょう?私が不器用な事を」

兄「文体が変なだよ?……今度結んであげようか?」

妹「ホント!助かるかも」

兄「適当だけどね」

妹「昔さー。お母さんが仕事でいないとき良くやって貰ったわよね」

兄「小学校の頃ね。お前確か靴紐も結べなかったよなぁ」

妹「そうねー。……良く転んで兄にやって貰ったっけ?」

兄「だったかもね。……てか自分の髪ぐらい結えるようになったのかと」

妹「たまに友達がやってくれてたけど、自分の見えない所をやるのは苦手。あんまりギューってなるのも好きじゃなかったから結ばなかったなぁ」

兄「一つ縛り?してなかった」

妹「ポニーテールね。それくらいは出来るわよ……クオリティはボチボチだけど」

兄「ふーん。……はい、出来たよ」

妹「やった。……やっぱり上手ねぇ。どうなってるのこれ?」

兄「三つ編み作って、さらに編み込む」

妹「私には無理だなぁ」

兄「まぁもう寝るからほどいちゃうし、明日は普通に三つ編み一本ね」

妹「良いわよ。ありがとうね明日も楽しみだわ」

兄「それで明日なんだけど、ヤビツ峠から道士みち。その後箱根抜けるよ」

妹「箱根!温泉ね!楽しみー」

兄「……それと、もうひとつ。友が一緒に来るかも」

妹「友くん?なんで?」

兄「さぁ?まぁまだ近いしね。明日土日だしって事じゃない?」

妹「まぁ良いわよ、友くんなら。……バイク?」

兄「もちろん。俺のバイクアイツに預けてるからそれで来るって」

妹「ふーん。……大学の誰かと会うのも久しぶりね。まだ5日ぐらいしかたってないのに」

兄「まだ5日かぁ。。もっと経ってる感覚だなぁ」

妹「友くん何時って?」

兄「道士みちの道の駅で集合。午前中だから明日出発ちょっとはやくなるかも」

妹「良いわよ……起こしてね?」

兄「はいはい」

◆◆ヤビツ峠◆◆
妹「眠いー」

兄「もう6時じゃん」

妹「『まだ』よ。……わー凄いのね高い」

兄「神奈川一望」

妹「あれ三浦半島かしら?あそこにいたのよねー」

兄「あっちは行かなかったけど、また行けたら行きたいなぁ」

妹「海通らないのね」

兄「まぁしょうがない。友がコッチが良いというんだからさ」

妹「大学はもう新入生のオリエンテーション終わった頃かな?……来年の履修どうしようかなぁ」

兄「だね。……まぁ来年の事は来年。今は旅を楽しもうよ」

◆◆どうしみち 道の駅にて◆◆
友「おう、兄!しばらく!どうだ?日本一周?」

兄「まだ始まったばかりだよ。千葉しか行ってないしさ、どうもこうも」

友「そりゃそうか!……妹ちゃんはどう?コイツと仲良くやってる?」

妹「うん!おかげさまで。今思えば、兄と旅行するのって小学校以来なのよね」

兄「そうだっけ?」

妹「中学の時はお互い吹奏楽部の練習でどこも行かなかったし、高校は兄だけでどこか行ってたけど私は部活だったもん」

兄「俺だって部活だよ。写真部とか天文部とか」

友「まぁまぁ!とりあえず楽しそうで何よりだよ……所で兄よ。お前に客が来てる」

兄「俺に?客?」

友「……最初に言っておく。俺のせいじゃないからな」

女か

後輩「兄先輩ー!会いたかったですー!!」

兄「あれ?後輩?……なんで?」

後輩「ここにいる理由ですか?教えてあげましょう!去年から『来年は先輩の大学受けるので、入学したら宜しくお願いします!』って何回も言ったり、メールしたのに。いざ入学して兄先輩探したら見つかりません!それもそうですよね!?そもそも大学休学なんかして日本一周してるんですもん。あれだけ、可愛い後輩が行くと言ってたんだからせめて一言あっても良いと思いませんか?もう私がどれだけ――」

兄「分かった!分かったから」

友「お前が悪いからな。頼むぜ?いきなり部室に来て、高校名と兄の名前言うなり『どこにいますか!』って。もう、ヤバいヤツ来たなって先輩達もたじたじよ」

後輩「だって兄先輩なに部に入ったとか何も教えくれなかったんですもん!写真部かなと思ったら違うし、天文部はキモい人ばかりだし。高校の時に乗ってたからひょっとしてバイク部かなと。そしたらウチの大学バイク部たくさん有るんですもん!スポーツバイク、ジムカーナ研、ツーリング部。……自動二輪整備部なんて最後にやっとですよ!!入ったら失礼な男が対応するし――」

友「てめぇ!俺の事か!」

後輩「そうですよー!『ここは男しか入れないから!』とかキメ顔したつもりでしょうけど、キザったらしいというか鼻に着くというか。『あ、この人、自分に酔ってるなー』ってこんな分かりやすいナルシスト初めて見て、鳥肌たちましたよ!」

友「お前!誰がここまで連れて来てやったと思ってるんだよ!俺がせっかく――」

後輩「――」

妹「……兄? 」

兄「あぁ、悪い。コイツ高校の写真部の後輩。なんか同じ大学入学したんだって」

後輩「初めまして!妹先輩!兄先輩には高校写真部でお世話になりました!」

妹「あ、初めまして。こちらこそ」

後輩「でも私は妹先輩の事は知ってましたよ?たくさんの男が言い寄っても、一度たりとも首を降らないって。先輩、同学年、後輩みんな悉く!なんでも『バイクに乗って無いと嫌、もちろん自分で稼いだお金よ?』とか『この間のマラソン大会で27番の人じゃないとダメ。それ以上でもそれ以外でもダメよ?』とか無理難題で、影ではかぐや姫とか言われてたり」

兄「そうなの?」

友「知らないのお前ぐらいだよ」

妹「……そんなつもりじゃなかったんだけどね」

後輩「とにかく!やっと先輩に会えたんですもん!これからお願いしますね!」

兄「……これからってまさか、日本一周について来る気か?」

後輩「そんな訳無いじゃないですかー!一緒に行きたいのは山々ですけど。…………あ、でも先輩と二人っきり?イヤン!先輩!私はまだ二十歳じゃないんですから!でも先輩となら……」

友「ばーか言ってろ。……悪いんだけどさ、もし兄と妹ちゃん冴えよければ、二日間一緒させてくれ!無理なら良いよ!引きずってでもコイツ連れて帰るから!」

兄「だって、どうする?」

妹「……いいわよ、兄が決めて」

友(妹ちゃんホントにゴメン!)

いやもう友は泣いていい(諦観)。

それはそうと存在感がゴムまりのような後輩ちゃんキターーー!はずむよー超はずむよー乙。

兄「俺に決めてって言われてもなぁ……」

友「俺を見るな、任すよ!ホントに嫌なら嫌で俺が全ての力使って何とかするから」

後輩「何がですか?友先輩の力なんて微々たるモノですけどね!そんな体たらくて一体何が出来ると言うのでしょう!言葉には責任と言うものが有りましてね――」

友「ちょっと マ ジ で お前はコッチに来い!!」

後輩「キャー!行きなり腕力ですか!最低な力に頼るんですね!!女は男に勝てないとわかっていながら卑怯極まりない行為ですよー!兄先輩ちょっと――」

兄「……どうする?」

妹「……だから兄が決めて良いって」

兄「んなこと言われてもなぁ?」

妹「一緒に行くか行かないか。二択でしょ?行きたいなら一緒に行けばいいじゃない!」

兄「何怒ってんだよ?」

妹「…………」

妹「……友くんだけって言った」

兄「は?」

妹「後輩ちゃんが居るなんて聞いてない!だったらコッチ来ないで海の方走ってたかった!」

兄「仕方ないだろ!俺だって知らなかったんだから!」

妹「だいたい誰よ、アノ子。高校の時そんな後輩居るなんて一言も言って無いじゃない!!」

兄「俺はお前に全て教えなきゃいけないのかよ?」

妹「でも仲良いんでしょ!?」

兄「普通だって!……ちょっとお前おかしいんじゃないか?」

妹「元々おかしいですー。じゃなかったら日本一周ついて来ませんー!」

兄「(イライラ)」
兄「……分かった、俺が俺が決めればお前は何も問題ないのな」

妹「どーぞー」

兄「じゃあ一緒に行こう。友もわざわざコッチまで来たガソリン代無駄にしないですむし、俺も後輩と積もる話もある」

妹「勝手にすれば!」

兄「あぁ!そうするよ!」

兄「友、決めたよ!一緒に行こう!」

友「は?お前良いのかよ?」

後輩「キャー!先輩と一緒ですか!!ホントに嬉しいですー!先輩は写真部の合宿に参加されなかったから、私ホントに楽しみにしてたんですよー!!……先輩と一晩?二晩?キャー!嬉しいですよー!嬉しすぎておかしく――」

友「ち ょ っ と コ ッ チ 居 よ う な ー !……妹ちゃん?良いの?」

妹「……うん。良いよ」

友「そうか?……じゃあコイツと一緒で悪いけど」

後輩「なんですか!ちょっとホントに失礼なんじゃないですか!私が何をしたと言うんです!自分で言うのもあれですけど、こんな可愛い子と一緒に旅行出来るなんて普通は涙流して、鼻血もんですよ!」

友「分かった分かった」

兄「……まぁちょっとクセ有るかもだけどさ。……いい子だよ」

友「いい子?コイツがかぁ?」

妹「…………」

兄「とにかく、ちょっと友とルート確認するからしばらく時間貰える?」

友「インカム同機出来たぞー」

兄「サンキュー!こっちも連絡取れたよ。レンタルテントオッケーだって。皿とかは途中コンビニ立ち寄ろう」

友「オッケー!……バイクだけど、お前と妹ちゃん。俺と後輩で良いか?」

後輩「はい!反対でーす!私は兄先輩の運転するサイドカーに乗ってみたいんです!友先輩、運転荒いんですもん!」

友「お前乗せて貰ってホントいい根性してるよな!?」

後輩「だってそうじゃないですかー!途中何度もブレーキでヘルメットぶつかったり、不本意にも抱きついてしまったり!……は!まさかそれが目的でしたか!?私のバストの感触を背中で感じるために何度も何度も!ダメよダメダメ!私の身体は兄先輩に全てあげるって決めてるんですから!」

兄「はいはい、ちょっと待っててね」

妹「…………いいんじゃない?私、友くん、兄でローテーションして運転するの。運転しない人ははサイドカーで休めるし」

友「妹ちゃん良いのかよ?」

妹「良いわよ。……けっこう上手くなったと思うわよ?練習の成果見せてあげるから」

兄「……妹が良いなら良いよ」

友「そうか?……じゃあドライバー三人でローテーション。残りは……後輩と一緒にサイドカー?」

妹「……私の時だけそっちのバイクの後ろ乗らせて貰うわ」

友「俺はなぁー。兄の後ろか、アイツの隣か?」

兄「……勘違いされやすいけど、いい子なんだよ。ホントに」

◆◆バイクにて◆◆
ブロロロ……トコトコトコ……シュイーン!!……シューウン!!

友「なんかホントにお前とツーリング久しぶりな感じするな」

兄「一週間も立って無いのにね」

後輩「私なんて一年も会えなかったんですから!ホントに兄先輩って意地悪ですよー!……は!まさかそういうプレイ?放棄して私の事を焦らして、我慢出来なくなったところを一気に……キャー!先輩って見かけに依らずもしかしてドSですか!?私はどっちでも大丈夫ですけど、あでも、心の準備とかもあるので最初は優しいのが――」

友「うるせぇなぁ。良くもまぁそんなにポンポン出てくるよ」

妹「…………」

兄「……妹?」

妹「……起きてるわよ。実はドSのお兄様」

後輩「やっぱり!そうなんですね!!あぁ、見も全て捧げますけれども、お父さんお母さん!……私は二人の知らない所で少し強烈に大人になるかもしれません!でも私が選んだ方後悔はしません!願わくは娘の幸せのタメにぐっと堪えて見守って――」

友「ああ!うるせぇな!お前だけインカム切るぞ!?」

後輩「なんですか!乱暴な言い方がドSでは無いんですよ?そこに存在する愛が!私達をより強固なモノに――」

◆◆友バイクにて◆◆
友「アイツも考えたな、インカムの通信距離以上の感覚開ければ声が入ってこないとは」

妹「だね」

友「妹ちゃん。……ゴメンな」

妹「ううん、良いよ。友くんが悪い訳じゃ無いのは分かってるの。私が勝手に癇癪起こしてるだけ」

友「……どう?兄との旅。その目的。アイツが音楽辞めた訳を聞くこと」

妹「……どうなんだろ。まだ正直何かした訳じゃないし。……ただね、やっぱり嫌いって訳じゃ無いと思うのよ」

友「アイツも分かりにくいからなぁ。大事な所は隠すというか、はっきりしないと言うか」

妹「……友くんはホントに何にも聞いてないの?」

友「悪いけどね。そもそも俺とアイツが仲良くなったのはアイツが楽器辞めてからだしなぁ」

妹「実はね、兄の前でちょっと楽器演奏したの。……反応は今一だったけど。ほんのちょっとだけ。だけど、その時も前みたいな優しい目で聞いてくれてたのよ」

友「ふーん。……アイツって楽器上手かったの?」

妹「私よりね。……私はずっと兄と一緒にフルート吹けるって勝手に思ってたのよ。firstは兄。secondで兄の隣で支えるのは私だけって」

友「音楽の事は良くわかんないけどさ。……アイツ頑固なところと言うかさ、譲らないところあるじゃん?兄が好きなもの辞めるってよっぽどだと思うんだよなぁ」

妹「うん……」

◆◆兄バイクにて◆◆
後輩「もう!ホントに信じられないです!私が何かしましたか!そう、私が可愛いくて罪なのは認めます!!でも自分ではどうしよも出来ないのです!私を生んでくれたお母さん、お父さんに罪もないのです!悪いのは可愛いく産まれてきてしまった私!!あぁ!私の前世は一体なにをしたと――」

兄「もう良いよ……多分聞こえてないよ」
後輩「……では道化を演じるのはこれまでにしましょうか。お久しぶりです兄先輩」

兄「いちいち面倒じゃない?それ?」

後輩「女の嘘は時に自信を魅力的にしますよ。それに誰にでも本心を晒すほど愚かじゃないです。人間関係は仮面が必要なんです」

兄「そうかなー?まぁ後輩が良いならいいけどさ」

後輩「それよりどうしてまた、日本一周なんて?」

兄「……まぁね。別にいいでしょ」

後輩「えぇ、話したくなかったら無理にとは言いませんよ。……前に言ってた『自分自身を好きになるため』ですか?それとも『ある人とちゃんと向き合うようになるため』ですか?」

後輩「……失礼、ルール違反でしたね。何にせよまた先輩に会えて嬉しく思ってます」

兄「……どうも」

後輩「この後は箱根ですねー。楽しみです。……あ、ちょっと方向違いますけどユーシン渓谷なんて風景写真にぴったりの所もあるんですよ?青い水が幻想的で」

兄「へぇーそれは知らなかった。見に行ってみたいなぁ」

後輩「はい、是非に。…………写真。まだやってるんですね」

兄「え?あぁ、カメラか。違うよ、映画部に頼まれて動画をね。一丸の方が安いハンディより画質良いし、30分以上撮らないカットだったら十分だし」

後輩「動画なんてもったいないです。先輩は続けるべきなんですよ。写真」

兄「フォトコンとか入賞、大賞のヤツに言われてもなぁ」

後輩「その入賞者が言うんです。間違いないですよ」

◆◆県道730 三国峠◆◆
友「おおーすげー!いきなり開けたよ」

兄「解放感あるねー」

後輩「あぁ!こんな所で兄先輩と二人きりで一緒に居られたらどれだけ良いことでしょう!二人寄り添ってただ草原を見る!二人を阻害するものはなく、そして――」

友「分かった分かった!……ちょっと止まるか?」

兄「んー?俺は別に休憩無しでもいいけど……妹は?」

妹「…………」

友「どうする?」

妹「……友くん疲れてない?私達より遠くから来たんだし。私が運転変わるわよ」

友「そう?じゃ一旦止まるかー!……お、そこに駐車スペースあるぜ?」

兄「りょーかいー」

後輩「あぁダメ!先輩!子供はまだ早いと思うんです!でも!先輩が望むのなら私は!私は――」

◆◆バイクにて◆◆
ブロロロ……トコトコトコ……シュイーン……シューウン……
兄「久しぶりに普通のバイク乗ったよ。楽だなーやっぱり」

友「そんなに違うか?俺もサイドカー運転してみたいな!」

妹「……良いわよ。次交換しようね」

後輩「あぁ!兄先輩のバイクに乗る後ろ姿もまた素敵です!身のこなしがしなやかと言うか、流れるように鉄馬を操る姿!何者にも変えられない、芸術と言ってもいいでしょう!願わくは――」

友「お前は隣でホントうるさいんだっつーの!」

後輩「あ!なんですか!人の事指差して!そういう教育を受けなかったんですか!育ちがわかりますね!いいえご両親は悪く無いのでしょう!友先輩自身の業がそうさせるのですね!!あぁ、まったく神と言うものがあるならどうして――」

友「お前さ!!頼むから少し口数減らしてくれよ!兄もなんか言えって!!」

兄「まぁ、眠気覚ましにはピッタリだよ……ただちょっと静かにしようか? 」

後輩「兄先輩が言うのならそうしましょう!好いている方の望みを叶えることそれこそが――」

友「変わらねーじゃんか!!」

兄「……あ、妹。次の交差点曲がるよ。左折ね」

妹「……」

兄「妹」

妹「……分かってるわよ。何回も呼ばないで」

◆◆ユーシン渓谷◆◆
兄「到着」

友「あーつかれた!主に右耳がな」

後輩「兄先輩!妹先輩!!お疲れ様でした!流石ご兄妹ですねー!運転するのも、息ピッタリ!ちゃんと等間隔に運転出来るなんて――」

兄「どうも……妹?大丈夫」

妹「……なにが?」

兄「なにがって」

妹「……適当な気使いならけっこうよ」

兄「……お前いい加減にしろよ。自分の思うようにいかなかったらへそ曲げるなんて子供じゃないんだから!」

妹「子供よ、私。兄なんかより後輩さんの方が産まれた日時違いんじゃないかしら」

兄「何を言って――」

妹「分からないなら無理に私に付き合わなくてもいいから!友くんとか後輩さんとしゃべってれば!」

兄「……お前が自分で言ったんだからな?知らないよ」

妹「分かろうともしないくせに」

友「おい、けっこう歩くな!?」

後輩「はい!駐車場から2時間くらいです!それは山を越え谷を越え、険しい道のりですよ!でもそれを越えた所に本当の美しさが――」

友「兄?妹ちゃん大丈夫か?」

兄「……さぁね。着いてきたかったらついてくれば良いし無理なら引き返せば」

友「妹ちゃん?」

妹「……大丈夫よ。もし無理なら私を置いて行って。一人で休んでるから」

友「とは言ってもなぁー。……おい、兄?」

兄「本人が言ってるんだからいいでしょ」

後輩「……」

後輩「――その時身に付けるのは薄い布のみ!二人をへだてる物は遂に互いの信頼関係だけ!――」

友「お前は良くそれだけ喋り続けられるよ。しかもこの山道、感心するね」

妹「……」

兄「……」

友「兄ー?……あぁ、妹ちゃん休憩する?」

妹「……ありがとう。でも平気よ」

後輩「ちょっと顔色良くないですねー?あ!あそこに東屋が有ります!一休みしましょう!」

兄「……いいよ。妹が平気って言うんだからさ。先行こう、あとちょっとだし」

友「お前なぁ」

妹「……兄の言うとおり。ごめんね迷惑メールかけて、でも大丈夫だから」

友「無理しないようにな?かえりも有るんだから」

妹「ありがと」

妹~!

後輩「じゃーん!到着でーす!」

友「おお!凄い。なんつーかヤバい!」

後輩「友先輩って語彙量ミジンコですよねー。言葉は人間にしかないもので、それを覚えようとしないということは、人間ではない!……は!友先輩って実は――」

妹「……綺麗」

兄「……だね。不思議な色だよ」

妹「……2楽章」

兄「……なんの?」

妹「チャイコフスキーの五番、2楽章。……いつも湖のイメージだったけど、こんな色なのよ」


後輩「…………」

後輩「あ!友先輩にそっくりな変な虫がいますよ!見てください!歩きかと言い、まぁ醜い!」

友「でめぇ!もう許さん!……あ、にげるなー!」

後輩「虫がきたー!いやぁ!しかも人間の言葉しゃべってるー!!」

妹「ホルンのメロディーが好きなの。まどろみの中、モヤがかった所に突然美しい旋律が出るの」

兄「2楽章の主題だね」

妹「……」

兄「……どうした?」

妹「……兄はさ」

兄「うん」

妹「……いい。何でもないゴメン」

兄「……機嫌治った?」

妹「ゴメン。……でもあの子あんまり好きじゃないかも」

兄「……いいやつだよ」

妹「兄にとってはね」

兄「……アイツ変なやつだからさ。でも似てるよ。お前と後輩」

妹「そう?」

兄「……そうだよ。ホントにさ……」

後輩「むむむ~!まだもう人押しでしたねー。引っ込むの早かったですかね?」

友「俺こんなやり方嫌だよ。……てかお前演技上手いのな」

後輩「女性は役者ですから……完全に割れてくれればと思ったのですが、ヒビガ広かったぐらいですかね?」

友「わざわざこじ開けなくてもさぁ」

後輩「金継ぎってご存知ですか?陶器の器のヒビなどを繋ぐ工法です。ちょっとのヒビだったらむしろ完全に割ってしまった方が、やり易かったりするんですよ」

友「にしてもだよ。あんまり意味ないと思うんだけど」

後輩「あの二人は小さなヒビがあるのを知りながら目をつぶってるだけなんです。いっそ完全に割った方がと思ったんですが」

友「結果は?」

後輩「……私が妹先輩に嫌われるだけになったかもしれません」

友「ばーか」

>>152
>>155
>>169
後輩ちゃんです。
ちょっと変な方向にいきましたね。
修正します(汗

友「思いっきりぶつかれば良いって訳じゃないし」

後輩「でもヒビのままだったらそのままですよ?まだ使えるしそのままでもいいやって。割れるからこそ『どうにかしなきゃ!と考えると思うんですけど」

友「ヒビがそのまま味になるときもあるって」

後輩「でもお二方は望んでいません!何かのきっかけと、タイミングだと思うんです」

友「きっかけの与えかたが強引と言うかさ」

後輩「……でないとずっとこのままじゃないですか。ただ待ってるだけは私は嫌です。何か無駄でもしたいんです」

友「……外野が出来ることなんて限られるぜ」

後輩「それでもです」

◆◆◆◆◆◆
妹「……似てようが似てまいが、私はあのこは嫌よ」

兄「いや、だからさホントにいい子と言うか――」

妹「……」

兄「俺にもよく分からないけど、アイツわざとあんなことしてると言うか……でも――」

妹「分からないの?……私は兄があの子の事を隠していたのが嫌なの!」

兄「…………」

妹「高校の時から仲良かったんでしょ?……友くんの事は良く話してたのに、あの子の事は何にも喋らなかったじゃない!」

兄「……それは」

妹「写真部の他の先輩だったり、仲間の話もしてた!でも、あの子の事は何にも聞いてない!あえて隠そうとしてた!」

兄「…………」

妹「私は兄には正直よ?だからって兄も何でも喋れとは言わないわよ!ただ自分にとって大切な人なんでしょ!?そんな人を隠さなくてもいいじゃない!疚しいことでもあるの!?」

兄「……悪かった」

妹「…………」
妹「……何が悪かったのよ。分かって無いじゃない」

兄「疚しいことが有って隠していた訳じゃないことは確か。……後輩!ちょっと事情説明させてくれ」

兄「確かに隠していたよ。それは認める。……ただちょっと理由がある」

妹「……理由って何よ」

後輩「……私ちょっと病気持ちなんですよ。今はお蔭様で元気なんですけど。高校の頃はちょっと入退院をくり返してまして」

後輩「……私も根がアホと言いますか、お花畑と言いますか『このまま死んじゃうんだわ!誰からにも愛されることなく可哀想な私!』……みたいに自分酔ってたんです」

後輩「それで『もし、私が死んだ時。私に関わった人が悲しむのが嫌!』ってなって、関係する人を限定していたと言いますか……」

兄「まぁ、ホントに後輩から口止めされてたんだよね」

後輩「……本気で守ってくれたの先輩だけでしたけどね」

妹「……隠していたんでしょ?」

兄「そうだね。……ごめん」

後輩「私のたわいごとに付き合って頂いてたんです」

妹「……もういいわ。私こそ態度悪かったわね。ごめんなさい」

友「終わったかー?」

後輩「一応終わりましたー!」

友「……お前が要らないことするからだ。ボケ!」

妹「……ごめんね友くん」

兄「迷惑かけた」

友「良いってことよ。……意味わかってないけど。どうする?出発するか?」

後輩「あ!ちょっと写真撮ってきてもいいですか?30分ぐらいなんですけど」

兄「どうする?」

友「いいんじゃね?」

後輩「直ぐすみますからー!」

兄「……俺もちょっと行ってくる。構図とか知りたいし」

友「おーう!ここで待ってるなー!」

◆◆妹 友◆◆
妹「…………」

友「どした?」

妹「……ごめん、なんかよく分からない」

友「そっか?……後輩のこと?」

妹「ううん」

友「……兄のことか?」

妹「ううん。……ホントになんか色んな感情が渦巻いてるというか、自分でよく分からないの。何に対して怒ってたのか、何が気に入らなかったのか。はっきり言葉に出来ないというか。……ちょっと面倒臭いね」

友「ふーん。……まぁ考えて何とかなるものなのか、時間でなんとかなっちゃうもんなのか。分からんけど偏るのもよくないからなぁ」

妹「……嫌ね、私」

友「自分好きのヤツの方が信用出来ないって」

妹「そうなのかな?」

友「少なくとも俺は」

妹「……うん」

友「とりあえず今回は後輩が悪い!意味わからんし!連れてきた俺も俺だけどさ!」

◆◆後輩 兄◆◆
後輩「うーん。……露出が難しいですねー。やっぱり風景は苦手かもしれないです」

兄「日の光のタイミングもあるしね」

後輩「……何事もタイミングですかね?」

兄「そうなんじゃない?」

後輩「今回、私が妹先輩と初めて会ったのはタイミングが良かったですかね?」

兄「さぁね。後輩が普通にしてれば良かったのかもだけど」

後輩「いくら先輩の妹さんでもそれは出来ませんね。初対面の印象は悪くないと後々の人間関係面倒なので」

兄「そうかなぁ?」

後輩「……仲良く、ずっといられたらいいんですけどね。妹先輩と私はぶつからない訳には行かないのでいっそ最初の印象も悪い方がいいんです」

兄「なんで?ぶつからなければ良いじゃん?」

後輩「……ぶつからない為には諦めなきゃいけない事があります。私はそれを諦めたくないので」

兄「諦めたくないこと?なに?」

後輩「……さて、なんででしょうか?」

◆◆友 兄バイク◆◆
友「大丈夫か?あの二人のペアで運転させて?」

兄「妹が言うんだからしょうがないじゃん……あ、次右ね」

友「おーう。……なんかただ、気持ち良く走ってれば良いのにな。余計なことしてると言うかさ、面倒臭いことしてるというか」

兄「妹も一方的に後輩の事はあんなに敵視するなんて思わなかったよ」

友「敵視してると言うか、なんだろうなぁ……てか後輩もよく分からんし」

兄「うーん。……もうちょっと楽しいツーリングになると思ってたんだけだなぁ」

友「余計な事しないで有りのままでいれば良いのにな」

◆◆妹 後輩バイク◆◆
後輩「はぇー妹先輩も凄いですねー!バイク運転出来るだなんて!高校の頃は、フルート吹く淑女なイメージしか知らなかったんですけど、何でも出来るんですねぇ」

妹「……そんな事ないわよ。それに自分からやりたい訳じゃないし」

後輩「……兄先輩の為ですか?いえ、違いますね。やりたくないけど自分の為ですか?」

妹「…………」

後輩「この際はっきり言いますよ。私は兄先輩のことを恋愛対象として見ています。……兄先輩と結ばれるなら誰を敵に回しても良いと思ってます」

妹「……そう、いいんじゃない?」

後輩「……マラソン大会27位の人」

後輩「バイクに乗ってるひと。靴のサイズが27cmの人。学年順位が7番の人。身長が176cmの人。視力が右0,6 左0,7の人。筆箱の中に消しゴムが3つ入っている人……私が調べた竹取物語はピンポイントのもが多かったんですね」

妹「……だから?」

後輩「最初は適当に断るために、相手に当てはまらない条件を羅列してるのかと思ってました。……でも、これらの条件を満たす異性がいるんですよね」

妹「良く調べたわね」

後輩「写真部と新聞部も兼任してましたから」

妹「そう。……一体その条件を満たすのは誰なのかしら?」

後輩「……今日はいきなりですけど宣戦布告にきました」

妹「でしょうね。あんなに敵視持った目で見られたのは産まれたから初めてよ」

後輩「妹先輩は兄先輩の事を好きですね?……それも恋愛感情で」

妹「……違うわよ。私達は兄妹なんだから」

後輩「嘘ですね。私を見くびらないで下さい」

妹「辞めてよ、勝手に人の事決めつけないで」

後輩「……」

妹「……」

後輩「……まぁいいでしょう。とは言えこのまま雰囲気悪いのも良くありません!妹先輩と仲良くする気はありません。けど、普通でいましょう」

妹「随分勝手なのね」

後輩「欲しいモノがある時はどんなことしてでも。自分に出来ることは全部やらないと気がすまない性分なので」

妹「……無視はしないで上げる。けれど私からは喋りかけないわよ」

後輩「ええ、けっこうです。少しの時間ですけどよろしくお願いいたします」

◆◆芦ノ湖にて◆◆
友「おーし!受付済んだし先ずは基地作るか!」

兄「だね。……妹?テント頼んでいい?俺はタープ張るからさ」

妹「良いわよ。張る場所だけ教えてね」

後輩「きゃー!凄いですね!テント張れるなんて!『妹先輩』尊敬します!!」

妹「……凄いでしょ?慣れよ『後輩』ちゃん」

後輩「羨ましいですねー!私ホントにこう言うの出来ないので『妹先輩』流石です!」

兄「あれ?機嫌治った?てか仲良くなった?」

後輩「はい!!バイクに乗ってる時にいろいろ喋りましたから!『妹先輩』素敵なんですもん!憧れですし!そんな女性に成りたかったなぁ!」

妹「あら、愛らしい『後輩』ちゃんは私も好きよ。こんな後輩持てて幸せね、兄は」

兄「へぇー……やっぱバイクの解放感って偉大だなぁ。二人一緒に乗ってもらって良かったよ」

友(どこがだよ。……胃が痛いっての!)

後輩「なんで私がこんなことしないといけないんですか!女性に対しては紳士的で有るように言われませんでした!?」

友「じゃがしぃ!!自分の寝る所は自分で作る!当たり前だろうが!手伝ってやってるだけ感謝しろ!」

兄「……よし、こっちは大丈夫。妹ー?」

妹「張れたわよ。どうする?お米とか浸けとく?」

兄「うーん。……友?どうする?夕食の準備ー!」

友「早くねぇか?風呂とかもさー!安い日帰り入浴施設行くんだろ?……お前!ちゃんと持てって!」

後輩「持ってるじゃないですか!人のせいにしないで下さい!」

兄「……どうするかなぁ。二人のテント出切るまで待ちだけど、これは時間かかるなぁ」

妹「……そしたら少し散歩してきてもいい?湖の見てみたいのよ」

兄「あぁ。……友ー?良いよねー?」

友「おーう!終わったら探しに行くよー!……だから!引っ張るんじゃなくて、テンション保つんだよ!」

後輩「意味不明です!ちゃんとした日本語で指導して下さい!!」

◆◆湖畔にて◆◆
妹「…………」

妹「……嫌い」

妹「大嫌い」

妹「……何より」

妹「自分が嫌」


妹「……よく分からなくなっちゃった」

妹「…………」


妹「……私は兄を――」

◆◆◆◆◆◆
友「やっと張れた。ドームテントの方が楽で良いなぁ」

兄「ワンポールなんかも気になるけどね」

後輩「あ、終わりましたかー?温泉行きましょうよ温泉!やっぱり肌艶を守るためには必要だと思うんです!私はまだ、若いからあれですけど、この状態を維持するだけじゃなくて、より向上するために――」

友「分かった!温泉も行こうな!……どうする?」

兄「風呂行くか?ついでに夕食の買い出しもかな?流石にこの人数は食材買わないと」

友「コンビニかぁ?……ん?」

後輩「……音ですか?どこかで発表会でもしてるんですかね?兄先……輩」

兄「……」

後輩「…………」

友「妹ちゃんかぁー。凄いな、フルートってこんな大きな音なるんだ」

兄「…………」

後輩「……素敵な曲ですね。何て言う曲ですか?」

兄「……白鳥の湖。組曲じゃ無くてバレエのイントロダクション 」

友「あぁ、何となく分かるぜ!ちゃーらりらりらーってヤツだろ?」

後輩「友先輩、ちょっと黙って下さい」

友「なんでだよ!」

兄「….…」

後輩「……綺麗…………ですね。立ち居振舞いと言うか…………先輩?」

兄「…………かもね」

◆◆箱根温泉にて◆◆
友「はぁー!これは良い!日本人は風呂に限るよなー!兄も早く入ろうぜ!」

兄「ちゃんと洗わないとさ。俺二日風呂に入って無いから」

友「もしかして妹ちゃんも?」

兄「もちろん」

友「お前ー!辞めろよな!可哀想に女の子だぞ?」

兄「しょうがないじゃん、野宿続いたらんだから」

友「そうは言ってもさ。健康ランドとかスーパー銭湯とかあるじゃんか」

兄「金がかかる。以外と探すと無いんだよ。1000円以上の所なんか流石無理。二人で二千円。ガソリン満タン分かかるんだぞ?」

友「妹ちゃんだけ入らせてやれよ。お前は汚いままでいい!」

兄「なんて不平等な」

友「……そう言えばさ、聞いた?妹ちゃんの日本一周の理由」

兄「いや?全然」

友「聞こうとしたか?」

兄「まったく』

友「……あのさぁ。流石に酷いんじゃない。せっかく実の妹が慕ってついて来たんだからさ」

兄「……旅に支障が出るなら聞くよ。聞かなくても日本一周出来るならわざわざ聞かないって」

友「でもさぁ――」

兄「内政干渉。兄妹間の問題だよ、ほっとけ」

友「……分かったよ」

◆◆箱根温泉 女湯◆◆
後輩「気持ちいいですねー『妹先輩』美容の為、代謝アップと潤いと。良いことしかないですねー」

妹「……」

後輩「あら無視はしないんじゃなかったですか?」

妹「……二人の時も継続なのね」

後輩「もちろんです!日本の入浴施設なんて甘いですから、男湯にも聞かれてるかもですよ」

妹「分かったわよ。……気持ちいいわね『後輩ちゃん』」

後輩「はい!とっても!」

妹「……いい性格ね」

後輩「自賛しています!」

後輩「『妹先輩』」

妹「……なーに?『後輩ちゃん』」

後輩「兄先輩のどこが好きなんですか?」

妹「……別にそう言うのじゃないの。何回も言わせないでよ」

後輩「では、恋愛としてではなく一人の人間としてです」

妹「……言うわけないでしょう?」

後輩「ギスギスしたの無しですよ?」

妹「分かってやってるクセに。……そーね。何でも出来るところ」

後輩「曖昧ですねー」

妹「……勉強が分からなかったら私に教えてくれるところ。縄跳びとか鉄棒の練習に付き合ってくれた所。いろいろ言うのに最後は私のわがままに付き合ってくれるところ」

後輩「良いお兄ちゃんですねー。そんな兄が私も欲しかったです」

妹「いつの間に私の知らない事を始めてる所。私に逢えて何かを隠そうとするところ。……わかってるクセに答えてくれない所」

後輩「……」

妹「……辞めてよ。私を惨めにさせないで」

妹「……あなたさっき言ってた事。嘘でしょう?」

後輩「なんのことです?」

妹「病気とか嘘言って兄を騙してることよ」

後輩「兄先輩は気付いているとは思いますけどねー。まぁそうですね。その通りです」

妹「なんでそんな嘘を付いたの?」

後輩「本気だからじゃないでしょうか?」

妹「本気?」

後輩「兄先輩に対してです。一番の障害は妹先輩でしたから、私の存在がバレると妹先輩が良からぬ行動に出るかと思いまして。高校在学中ならともかく、大学で私の手の出せない時に何かせれてもこちらも打つ手はないわけですからね……お蔭で計画通りです。……まぁ日本一周は想定外でしたが」

妹「……ズルいわよ」

後輩「私も妹先輩はズルいと。まぁお互いさまだと思いますよ」

妹「……なんで兄なの。他にもたくさんいるじゃない」

後輩「私くらい可愛いと引く手あまたなんですが、そうですね。……一番欲しい気づかいをしてくれたからでしょうか」

妹「気づかい?」

後輩「私は写真が好きです。風景写真が一番好きです。……ただ私の撮る風景写真は面白く無かったんです。それで顧問の薦めでポートレート、人物の笑った所を撮ったらたまたま入選して。以来、人物写真以外撮らなくなりました」

妹「……」

後輩「高校の写真部入っても、私の事を知ってる物好きがいて、私のポートレート写真をみんな期待するんです。……私はそんなの撮りたく無かったんですが、それ以外のモノを撮る私に価値が無いみたいで。ちょっと怖かったんですね」

後輩「そんな時、たまにしか来ない兄先輩が部室に来て、私の写真を見てくれて一言『撮りたくないモノ撮ってこれだけ上手いのは凄いね。もっと撮りたいモノ撮れば良いのに』って」

後輩「最初はいきなり気持ち悪い事言う先輩だなとしか思って無かったんですが、先輩の写真を見てこの人も一緒なんだなぁって思ったのがきっかけですかね」

妹「……一緒っていうのは?」

後輩「撮りたくないモノを撮ってるんだと。……いやそもそも写真を撮ることもホントは好きじゃないのに、撮ってるのかもと」

後輩「兄先輩の写真は上手いんですよ。高校から始めたなんて嫌になるくらいです。……でも構図とか露出とかお手本通りなのに、何か寂しそうな。それでそれで兄先輩に聞いたら『…ホントにやりたい事をやれる人間なんて少ないよ』って」

妹「ホントにやりたい事」

後輩「なんなんでしょうね、兄先輩のやりたいことって」

妹「ホント。何かしらね……何にも教えてくれない」

後輩「そんな所も好きなんですけどね」

妹「……兄はいつもそう、思わせ振りと言うかちょっと言って濁しておしまい」

後輩「本心言わないですねー。……何か聞いて『まぁね。そうかも』とかは実に怪しいです」

妹「隠すほどのことかしら。……そんなに大切な事なの」

後輩「こっちも惚れた弱みで嫌われたく無いからズケズケ聞けないですしねー」

妹「……どこがよ?」

後輩「核心からは遠い浅瀬でちゃぷちゃぷやってますよ?一応、これでも」

妹「…………」

後輩「……何となく分かるんですけどねー。そこを突いたらいけない気はしてるので、でも知りたいですし兄先輩から話してくれないかなぁと。有るはず無き希望にすがってる訳です」

妹「あなたも厄介な人好きになったモノね」

後輩「誰でも良いわけじゃないですから。それにお互いさまでは?」

妹「……私はホントに違うのよ。兄とどうこう成りたい訳じゃないの」

後輩「……本心ですか?」

妹「本心よ。……だって無理じゃない。兄妹よ?そんな事分からない程、常識外れじゃないわ。それに兄が一番困るもの」

後輩「そうですかねぇ。……では、妹先輩は兄先輩とどうなりたいんです?」

妹「……昔みたいに私に笑って欲しい。……いつからか私と距離置くという訳じゃないけど、どこかよそよそしいと言うか、何かホントの兄じゃない野老で話されてる気がするの。……昔みたいに何でも一緒にやりたい、それだけよ。」

後輩「…………」

妹「……もう、でるわね。章がない話して悪かったわ。後輩ちゃん」

後輩「いえいえー……」

後輩「……」


後輩「……もし、兄妹じゃ無かったらどうするんですかね」

◆◆キャンプ場◆◆
兄「ご飯炊けたよー」

友「こっちも炭に火付いたぜ」

妹「……もしかしてBBQ?嬉しい!やっとキャンプらしい食事だわ」

友「……今まで何食べてたの?」

妹「大豆、ご飯、野菜かしら?」

友「修行僧か!兄ー」

兄「肉なんて保存聞かないんだからしょうがないだろ?根菜だったら今の時期、ちょっとは大丈夫だし」

後輩「私は兄先輩の手料理なら何でも大丈夫ですよ!……あ、でも私の手料理も食べて欲しいです!いっそ一緒にキッチンに立ってとか!」

友「アホほっといて始めるか?とりあえず肉!」

妹「にく!」

後輩「妹先輩!お肉焼けましたよ!どぞどぞ!」

妹「あら?後輩ちゃん食べて良いのよ?私に気を使わないで」

後輩「いえいえ、なんかひもじい上手だったらしいので妹先輩先に!それに私こう見えて胸とかお肉余ってるんで、野菜食べたい気分なんです!」

妹「そう?なら遠慮なく頂くわ。お蔭さまで食べても太らないタイプなの、私。」


兄「ほら、仲良くなってるだろ?」

友「……と言うより妹ちゃん変な方に振り切ってないか?」

兄「そうかな?」

友「なんでお前なんだろうなぁ」

友「てか兄、米炊くの上手くなったな?」

兄「けっこう慣れたよ。焦げ作ろうと思えば作れるし、焦がさないでも作れる。個人的には焦げてないほうが後々楽」

友「ほーん。今度また教えてくれよ?……そっちは米いるかー?」

後輩「欲しいでーす!妹先輩は?」

妹「私も少しちょうだい」

友「おっしゃ任せろ!」

後輩「ご飯よそうだけでそんなに気合いが要りますかねぇ」

友「俺はホントにお前嫌い!……はい!どうぞ!」

妹「友くん、ありがと」

後輩「善きにはからえです」

兄「肉上手いなぁ」

◆◆テント前にて◆◆
後輩「いーやーでーす!兄先輩と一緒のテントが良いです!」

友「どう考えても無理!俺と兄、妹ちゃんとお前!それが最善!」

兄「俺は別に良いよ?」

友「黙ってろ!……第一そしたら妹ちゃんと俺になるだろ!」

妹「……私も良いわよ、友くんなら」

後輩「ほらー!!多数決で友先輩負けですよ!負け!」

友「駄目だ!……お前もそんな事言うなバカ!」

兄「いて」

妹「……テント決まったら教えて。私は誰とでも良いから。兄でも友くんでも後輩ちゃんでも」

友「え?あ!……ちょっと、お前らなぁ!」

◆◆湖畔◆◆
妹「……兄とどうなりたい。か」

妹「……具体的になんて考えても無かったかしら」

妹「漠然と一緒いたいだけじゃ」

妹「……」

妹「……ずっと一緒にいたいなぁ」


妹「…………」

◆◆テント前◆◆
兄「じゃあ、間をとって妹と俺。友と後輩は?」

友・後輩「それはいや!」

兄「決まらないじゃん。俺早く寝たいんだけど」

後輩「……友先輩と一緒に寝るぐらいなら妹先輩が良いです……ホントは兄先輩とだけど」

友「最初から言ってただろ!……ホント掻き回すヤツだな!」



兄「…………ん」

友「なんだ?……あぁ、笛。妹ちゃんまた吹いてるのか」

後輩「…………」

友「行ってくれば?」

兄「……なんで?」

友「行きたそうな顔してるからだよ」

兄「してないよ」

友「してた。……どのみち俺らは音楽の事分からんし」

兄「…………」

友「良いから!行けって!」


後輩「……」

後輩「……ズルいですよ」

◆◆湖畔◆◆
妹「~♪~♪~」

兄「…………」

妹「~♪~……聞こえた?」

兄「夜だしね」

妹「ゴメンね」

兄「……なんで?別に構わないよ、今日は俺らの他キャンプ客いないしさ」

妹「…………」

兄「…………」

妹「……何か聞いてよ」

兄「……なんでフルート吹いてんの?昼もだけどさ」

妹「モヤモヤするから。……教えてくれたのは兄よ?音と一緒に嫌な気持ち全部出すんだって。そうすればスッキリするって」

兄「……そうだっけ」

妹「ズルい人……もう吹かないわよ。一人じゃないと意味ないし」

兄「……そっか」

妹「うん」

妹「兄。……私ね」

兄「うん?」

妹「……聞きたい事があるの」

兄「……なに?」

妹「日本一周。なんでやろうと思ったの?」

兄「……まぁ、やりたかったから」

妹「……そう」
後輩『まぁ、とかそうかもとか濁す時は大抵隠してますよねー兄先輩』

妹「……日本一周がやりたいの?……日本一周して何かを変えたいの?」

兄「……さぁね。とにかくバイクで一周なんてロマンじゃん」

妹「私は!……私は……」

兄「…………妹?」

妹「……やっぱり良いわ。ゴメン、楽器片付けたら直ぐに行くね」

◆◆テント 女◆◆
後輩「これはけっこう狭いですねー。あぁ、でも兄先輩と一緒ならこの狭さも良いです。密着というか、物理的な距離がいっそう二人の距離を縮めて……」

妹「……」

後輩「妹先輩。お話しましょうよー」

妹「……嫌よ。あなたと話してると蓋をしたものが緩んできちゃう。それが目的なんでしょうけど。」

後輩「妹先輩が玉砕してくれると、私の段取りがしやすいので」

妹「ズルい子ね」

後輩「妹先輩の方がズルいですよ。と言うより羨ましいです」

妹「……私が?」

後輩「……兄先輩と無条件で一緒に要られて、フルート上手で、美人で……私なんて必死でアプローチしてもどうなるか。……ただ一緒にいたいだけなんですけど、それも難しいんですよ」

妹「…………」

後輩「恵まれてると気付かないですか?」

妹「……私は恵まれてるなんて思ってないわ」

後輩「そうですかねー。……私はホント羨ましいです。そんな女性に成りたかったです」

妹「……私はあなたの事が羨ましいわ」

後輩「……?私ですか?」

妹「……心から思う人に、自分の気持ちを正直に伝えられる――好きって言える、あなたが」

後輩「……言えば良いんですよ。政治なんかと同じで、隠すからおかしくなるんです」

妹「……言えないわよ」

後輩「そしたらいつまでもこのままですか?それで本当に後悔しませんか?私じゃ無くても、他の女性が兄先輩に告白したら?兄先輩がそれを受けてしまったら?」

妹「…………」

後輩「私は何もしないより、何かしたいです。音楽とは違うかもですけど、写真も自己表現なんです。自分が良いなと思ったモノを、自分が良いなと思った通りに誰かに伝えること。……人間の一番の能力なのでは?」

妹「……」

後輩「言葉で伝えられないのに、写真で伝えられるわけないですからね。私は自分の気持ちを隠したり、考えた事を全うしたいです」

妹「……私がもし、兄に想いを伝えたらそれは自己表現じゃないわ。単なるワガママ。相手の事を思って表現しないとダメなのよ」

後輩「そうですかねー?」

妹「音楽は聞く人と、演奏する人がいて成り立つの。演奏するだけじゃ消えてしまうわ。何も残らないの」

後輩「でも妹先輩は演奏すらして無いじゃないですか」

妹「……それは」

後輩「……私の為でもありますけど、妹先輩は一生、兄先輩に気持ちを伝え無いで後悔しませんか?」

妹「……辞めて」

後輩「さっきも言いましたけど、仮に私以外の方と兄先輩が付き合って、結婚して、何もしなかったその心で、兄先輩を祝福できますか?その先、兄先輩とどんな気持ちで向き合うんですか」

妹「……辞めて」

後輩「逃げるのと相手を思いやるのは別だと思うんです。先輩のは逃げてるだけでは?言い訳を作って、蓋をして、その蓋が壊れない一生壊れないとでも本気で思ってますか?」

妹「…………辞めてよ」

妹「…………そんな事、私が一番分かってるわよ」

後輩「だったら――」

妹「でもどうすれば良いのよ!……私の願いは叶わないの!例えどんな神様がいても絶対許されないの!」

後輩「……」

妹「……もし、仮に上手くいっても誰も認めてくれない。両親にも兄にも迷惑をかけてしまう。それならせめてこのまま、妹として一緒にいさせてよ」

後輩「妹として……」

妹「……ちゃんと諦める、諦めるわよ。…………お願いだから、私を迷わせないで」

妹「……ごめんなさい。声をあらげて」

後輩「いえ、こちらこそ失礼しました。出過ぎた発言でしたね」

妹「……」

後輩「妹先輩」

妹「……何よ」

後輩「……恋って嫌ですね」

妹「……」

後輩「『愛し愛しと言う心』とか言う言葉もありますけど、言わずにいられないです。自分を制御出来なくなるんです」

妹「……そうね。ホント恋って嫌ね」

後輩「私は私のやり方でアプローチは絶対します。……ただ妹先輩へ嫌がらせでは無いこと。分かって欲しいです。私は妹先輩も好きになりましたから」

妹「……ズルい子」

後輩「妹先輩と兄先輩の関係を応援はしません。……でも妹先輩自信は凄く好きなので分かって下さい」

妹「……」

後輩「……それでは、おやすみなさいませ」

◆◆箱根二日目◆◆
兄「さて今日は、箱根巡りしたいと思います」

友「おっしゃー!」

兄「観光場所、行きたいところを一人一つ決めて計画します。……時間によってはやむ無く断念する場合も有ります。ご承知下さい」

後輩「はい!星の王子様ミュージアム行きたいです!」

友「どうすっかなぁー。……MAZDAターンパイクか芦ノ湖スカイラインか……」

兄「あ、友そしたら俺、芦ノ湖スカイラインが良い」

友「兄!信じてた!ここまで来て行かないのも無しだよなぁ!」

後輩「妹先輩は?どこ行きたいですかー?」

妹「うーん。……迷ってるのよね。大涌谷か、箱根神社か」

兄「箱根神社は通り道だし観光ってもそんなに時間かからないでしょ?良いよね?両方?」

友「意義なーし」
後輩「支障が無いなら大丈夫だと」

妹「……本当に?ありがとう」

◆◆大涌谷◆◆
友「すっげー!あれ全部温泉!?」

兄「温泉……というか、その元と言うか」

後輩「湯気なのか雲なのか分かりませんね。境目がないと言うか。……匂いも凄いです!」

妹「……」

後輩「どうかしました?妹先輩」

妹「なんか大きなモノ見たかったの。……人間って小さいわよね」

後輩「……そうかもしれませんねー」

友「大きければ良いって訳でもないんじゃね?」

後輩「友先輩のは小さいんですか?」

友「そうそう、大事なのは……って!お前!小さくねぇっての!」

後輩「いつかそんな友先輩でも好きになってくれる女性がいますよ」

友「聞けって!……そんなに言うなら見せてやろうじゃねーか!」

後輩「え?いやです!ちょっと最低ですよー!!」

妹「……この下ってマグマがあるの?」

兄「どの地面の下にもあるんじゃないかな?ここはそれまでの距離が近いけどね」

友「だからあんなに湯気出てるのか?」

兄「てか、なんか活火山なんでしょ?ちょっと前に噴火活動があったとか」

友「え?ヤバくね?」

兄「一応活動レベルと言うか、警戒すべき時はは入れないようになってるから」

妹「今は大丈夫なの?」

兄「去年?確か解除されたはず。今は登山道登れないでしょ?それまではここの駐車場もダメだったはず」

友「へぇー…」

後輩「兄先輩凄いですねー!なんでそんな事知ってるんですか?」

兄「いや、多分そこまで凄くない知識だと思う……ニュースでやってなかった?」

友「そう言うの見ないし」

後輩「芸能関係だけしか」

兄「…………就活苦労するよ?」

友「じゃん!買ってきたぜ!黒卵!」

兄「さんきゅー」

妹「友くん、それ何個入ってるの?」

友「5個入り!……なので争奪戦になるな」

後輩「私は一個頂けたらそれで良いですよ」
妹「私も一つでいいわ」

兄「……動物性たんぱく質は欲しいかも」

友「……負けても文句無しだぜ?」

兄・友「じゃんけん!!」


妹「凄いわね、真っ黒。食べても平気なのかしら?」

後輩「中身は普通みたいですよ」

妹「あら、ホントだ。……後輩ちゃん、お塩どうぞ」

後輩「わー!ありがとーございます!」


友「うわー!!ちくしょー!なんでなんだよ!!」

兄「……役回り的にね。ありがとさん」

◆◆箱根神社◆◆
妹「見て、湖に鳥居があるわよ」

友「ホントだ!アレ、……広島の……男だっけ?」

兄「厳島神社」

友「それ!それみたいだな!」

後輩「絵になりますねー!鳥居の朱と湖の蒼がいいコントラストです。……朝か夕方来たかったですねー」

兄「写真?」

後輩「そうですねー。今も悪く無いですけどね。スナップ写真にしかならなそうです」

兄「明日、早起き出来るなら連れて来ようか?」

後輩「ホントですか!……やっぱり辞めときます」

兄「なんで?」

後輩「……バランスの問題ですかね」

友「お賽銭って5円無かったら1円じゃダメ?」

兄「ダメじゃないと思うけど、なんで?」

友「一円と500円しか小銭なくてさ」

後輩「ご利益薄いですよ。きっと」

友「うーん。……かといって500円は出しすぎの気もするしなぁ」

後輩「どれどれ……えい!」

友「あー!!!」

後輩「そんな心構えでお参りしたら罰が当たります!神様の為に!さあ!お参りを!」

友「こうなったら…………新しいバイク買えますように、留年しませんように、就職出来ますように、彼女出来ますように、日本が平和でありますように――」

兄「友さぁ……」

友「元取るんだよ!元!」

妹「…………」パンパン

兄『自分の力だけじゃ、どうしようもない事を少しでもって神様に祈るんだよ』

妹(自分の力だけじゃどうしようもない事)

妹(……)

妹(神様……)

妹(…………)

妹(……お願いします)

兄「…………」

後輩「…………」



友「……父ちゃんの会社が潰れませんように、父ちゃんがリストラされませんように、母ちゃんと父ちゃんが熟年離婚しませんように」

◆◆バイクにて◆◆
兄「MAZDAはお前に譲る、だから芦ノ湖スカイラインは俺にそっち運転させて。サイドカーも悪く無いけどさ」

友「分かるよ、でも往復するだろ?往路と復路で分けないか?」

兄「それも良いな……じゃ俺は芦ノ湖スカイラインは往路」

友「MAZDAターンパイクは俺が往路な!」

後輩「……ただの道に行きたいなんて、せっかく箱根に来たのに」

友「走ってみれば分かるよ。……名道と呼ばれている理由が」

兄「俺らはこれを楽しみに来たようなもんだからね」

後輩「そんなにいいんですかねー?妹先輩は理解出来ます?」

妹「今まで凄い道が何ヵ所か有ったの。……やっぱりそういう未知を運転手するのは気持ち良いわよ」

後輩「そうなんですねー?私も免許証取ろうかなぁ……そしたら兄と一緒にツーリング?いいですね!それ!あ、でも二人乗りも捨てがたいですし……きゃ!――」

◆◆MAZDAターンパイク◆◆
友「じゃぁ、俺先に行くわ!下で待ってるから!」

兄「分かった、気を付けてな?」

友「安全運転第一!……友!XJR400R!行きまーす!」


妹「友くん速いねー!」

兄「流石は運動部だよ」

後輩「私達はどうしますか?」

兄「一緒に乗りたかったら載って良いよ。三人乗り登録してあるから。……行きたくなかったら、ここのレストランで待ってて。戻ってくるし」

後輩「妹先輩?どうします?」

妹「そうね。……やっぱり行こうかなかしら」

後輩「じゃぁ私も乗りまーす!」

兄「おけ、じゃぁヘルメットして」

妹「うん!」
後輩「はーい!」

後輩「おおー!これは絶景ですねー!!まるで空に向かって走ってるみたいですよー!」

兄「分かる?こういう道走るのがたまらないんだよ」

妹「ホント凄い!今までで一番かも!……あー私も運転したかった!」

後輩「そういうもんですか?」

妹「サイドカーだと景色が余り見れないのよ。バイク側の方が気持ちいいわ」

兄「何より自分の運転と言うのがね。……車より何よりバイクでしか味わえないと思うよ」

後輩「へぇー……やっぱり免許取りに行きたいですねぇ……」

兄「オススメはしないけどね、危ないは危ないし」

妹「……私の時は止めなかったじゃない」

兄「すでに申し込んだのはお前だろ?」

◆◆ターンパイク レストランにて◆◆
友「あー!面白かったー!走りやすいし景色も良い!最高だね!」

妹「途中の展望出来る広場が良いわよね!記念写真撮ってる人たくさんいたもの!」

兄「早く芦ノ湖行きたいなぁ」

妹「ねぇ友くん?芦ノ湖は私がサイドカー運転しちゃダメ?」

友「良いぜ?どうせ復路は俺が一人運転だし。妹ちゃんも楽しみなよ!」

後輩「はーい!私は芦ノ湖の道は兄先輩の後ろに乗りたいです!」

兄「いや、勘弁してよ。流石に俺も楽しみたいしさ」

友「お前は黙ってサイドカー乗っとけ!」

後輩「いやー!みんな楽しそうでズルいですよー!」

◆◆女子トイレ◆◆
後輩「……妹先輩」

妹「なーに?」

後輩「私は許されたのでしょうか?」

妹「約束でしょ?ギスギス無しって。……それに私が勝手に機嫌悪くなってただけだしね。私の方こそごめんなさい」

後輩「いやいや謝って貰うと困ると言うか、むしろ仕向けたのは私ですし!」

妹「いいのよ。……私自身のこと好きでいてくれるんでしょ?」

後輩「はい!それはもちろんです!憧れと言うか、なんと言うか――」

妹「……それにあなたと兄の恋路を私がどうこう言う資格も権利も何もないしね……ただ、私と兄の関係を付くのは無しよ?」

後輩「でもそれだと――」

妹「無しよ?……せっかくの旅なんだもん。楽しまなきゃでしょ?」

◆◆芦ノ湖スカイライン◆◆
友「お前ズルいな!芦ノ湖スカイラインと箱根スカイライン続いてるって知ってたな!?」

兄「もちろん。調べてたからね」

友「だからMAZDA俺に譲ったのかー」

妹「帰りは友くんが運転するんでしょ?変わらないんじゃない?」

友「帰りの車線は山側を走る。景色が遠いんだよー!」

後輩「つーべこーべ言わないで下さい。男らしく無いですよ?」

友「そういうのは差別だ!男だろうが女だろうが関係ない!」

兄「……ある意味男らしいな」

妹「友くん、行きのサイドカー運転して良いわよ。私は帰りだけで、ちょっと走ってみたいだけだし」

友「……いや!妹ちゃんも是非味わって欲しい!俺が我慢する!」

兄「男らしいんじゃない?」

後輩「下心見え見えですけどねぇー。」

兄「それでは。……兄、XJR400R出るよ!」

友「気を付けてなー!」

後輩「……さっきも友先輩言ってましたけど、あれ言わないとダメなんですか?」

友「……モビルスーツのパイロットとしての作法だよ」

妹「モビルスーツ?バイクのライダーじゃなくて?」

友「……ロマンなんだよ、ロマン」

後輩「全くわからないですねー。……でも、出発する瞬間の兄先輩はちょっとカッコ良かったですー!ヘルメットの窓から除く凛々しい瞳!振り返らずに颯爽と飛び出して行く!音とテールランプの奇跡だけを残して!……あぁ!!私は待ちます!いつまでもあなたの帰りを!!」

妹「作法か。……よし!妹!W1サイドカー!出るわよ!」

友「おお!流石妹ちゃん!行けー!」

妹が幸せになればいいのだ

妹「凄い気持ち良いわね!雲が近い!空も!太陽も!」

友「お前もっと積めろよ!」

後輩「いーやーでーす!これでも精一杯なんですから!友先輩の無駄にデカイ体を惨めに縮めて下さい!」

友「なにー!」

後輩「ウドの大木って言葉をご存知ですか?先輩にぴったりなんでプレゼントしますね!ちなみにウドは食用の時期は少しだけ、大きくなりますけど柔らかくて建材にもならないから役に立たない事を意味します!」

友「おーし!やってやろうじゃねーか!」

後輩「え!いや!なにするんですか!セクハラですよ!セクハラ!あ!今おっぱい触りましたね!初めては兄先輩と決めてたのに!変態!スケベ!痴漢ですー!!」

妹「…………まぁ良いわ」

◆◆スカイライン展望台◆◆
兄「お、きたきた」

妹「お待たせー」

友「このやろう!今先輩を蹴ったな?」

後輩「下のモノを大切にするから先輩は敬われるんです!何も理由なしに威張ってるのは先輩でもなんでもないです!!」

兄「……なにこれ」

妹「見ての通りよ。……あぁ!気持ち良かったわね」

兄「もう一回走りたいよ。全部の道がこんな感じだったら良いのに」

妹「同感ね。風の匂いとか流れる景色、体に当たる温度とか全部が心地よかったわ!」

兄「日本にはまだまだ名道があるからね。出来るだけ全部回ろうか」

妹「賛成!日本に産まれて良かったわ!」


友「逃げるな!卑怯もん!」

後輩「辞めて下さい!助けてー!犯されるー!!」

◆◆バイクにて◆◆
兄「最後は星の王子様ミュージアムか」

後輩「はい!ありがとーございます!!ガラスの森美術館と迷ったんですけど、ずっと行ってみたかったんですよー」

妹「好きなの?」

後輩「はい!作者のサン・テグジュペリが好きで他にも夜間飛行とか人生意味をとかも好きです!!」

友「全くわからん」

後輩「教養のない人は嫌ですねぇ。あの宮崎駿もファンだとか」

友「それは凄い!」

妹「星の王子様は好きだったなー」

兄「俺も、切ないというか読後感が何とも言えないんだよね」

妹「確か吹奏楽の曲もあったわよね?兄好きだったじゃない!」

兄「……さぁ。もう、覚えてないよ。中学生の頃だしね」

妹「……そう」

◆◆星の王子様ミュージアム◆◆
妹「え!凄い!可愛い建物!!」

後輩「雰囲気ありますねー!……あ、写真撮ろうっと」

友「……どうよ?」

兄「まぁ、そこまで。……でもテーマが一貫してて面白いんじゃない?」

友「そうかー?ここが一番高いしなぁ。……入場料ぼったくってないか?」


後輩「庭が西洋風なんですねー。日本庭園も良いですけど、こういうのも素敵です。……兄先輩と二人。夜の庭を二人で歩く。ロマンチックですねぇー。」

妹「日本もいいけど外国も行ってみたいなぁー。非日常よね。ヨーロッパかなぁ」


友「……楽しそうだな」

兄「ほら、行くよ」

兄「星の王子様を執筆した建物の再現だって」

妹「こんな場所なんだ。アパートですらなんかおしゃれね。こんなところに住んでたら素敵な話掛けそう」

兄「ん?ニューヨーク?フランス人じゃ無かったっけ?」

後輩「……執筆中は第二次世界大戦だったんです。サン・テグジュペリはアメリカに亡命してたんですよ」

兄「そうなの?知らなかった……」
妹「私も……」

後輩「テグジュペリは飛行機のパイロットでアメリカに亡命したからも、自ら志願してまた戦闘機に乗るんです。……そして、戦闘中行方不明に」

兄「……」

後輩「……未完の小説とかも有ったりするんですけど、私はその続きが凄い気になってたんです。歴史にもしはありませんけれど、戦争さえ無ければと思うんです」

妹「……そうね」

後輩「……テグジュペリは何を思って亡くなったんですかね。私なら書きかけの話、書きたい話があったならそれを完成出来ない事を後悔したでしょう」

後輩「頭の中にはあるけど、それを形に出来ないまま。伝えられないのに、まま死ぬなんて私は嫌です」

妹「…………」

兄「…………」

後輩「『人生には解決法なんてない。あるのは前に進む力だけ』私がテグジュペリの好き言葉です。私は最善解は分かりませんので、なんでもやってみたいし、自分の思ってる事、気持ちをを言葉にしたいんです」

妹「…………」

兄「後悔しないようにか……明日ひょっとしたら死ぬかも知れない。……また明日があるかわからない……か」

後輩「なんとなく生きてて当たり前になるのは誰しもです。頭で分かってるならそれだけじゃなくて、少しでも行動に起こしたいです」

後輩「……失礼しました。先も見てみましょうか」

兄「そうだね。……友もどっか行っちゃったし」

後輩「あの人だけは解決法を教えた方がいいですかねー。前になるのは進むと言うかなんというか」


妹「…………」

◆◆キャンプ場にて◆◆
友「明日は帰るのかー。もっと箱根いたかったなぁー」

兄「俺らは明日から伊豆か。静岡県かぁー。長いんだよなー」

妹「…………」

後輩「妹先輩!お肉焼けましたよー」

妹「……え?あぁ、ありがとう」

友「肉たくさん食っときな。こいつはなかなか買わないと思うぜ?」

妹「ふふ、そうねー。次お肉はいつかしら?」

兄「贅沢言わないの」

後輩「私は贅沢言いませんから、今日だけ兄先輩と夜を共にしたいです!月の下!照らされる湖!寄り添う二人!キャー!」

友「これで終りも寂しい気がするしなぁ。……あ、キャンプの締めと言ったらキャンプファイヤーじゃね?」

兄「ここ、直火ダメだから」

友「そうかー。なんかないかなー、音楽流してフォークダンス的な?」

兄「ないない。……肉焦げるよ?」

妹「……音楽なら任せて。……ちょっと待ってて」

兄「……」

後輩「フルートですかねー?」

友「違うんだなぁ、アコーディオンだよ!」

後輩「え?妹先輩アコーディオンも演奏出来るんですか!すごーい!」

兄「……違うよ。コンサーティーナって言って――まぁいいか」

友「こんさーと?」

後輩「コンサーティーナですって。難聴ですか、おじいちゃん?」

友「ころす!」

後輩「ぎゃー!セクハラジジイですー」

兄「……」

妹「それでは定番のマイムマイムから」

後輩「わーい!兄先輩踊りましょうよ!」

兄「……パス。火見てないとだし」

妹「~♪~♪~♪~」

友「へぇー!アコーディオン見たいだけど六角形で、ボタンが鍵盤の変わりかぁ。難しそうだなー」

妹「そうかもね、私も時々半音の場所分からなくなるもの」

後輩「兄先輩もフルート以外も出来るんですか?」

兄「……俺は」

妹「出来るわよ。なんてたって元々兄の楽器だもん。これ」

友「へぇー。音楽出来るってなんか良いな!兄?」

兄「……もう、辞めて5年立つからさ。俺は出来ないよ」

友「…………そうか?」

妹「…………」♪~♪~♪~

◆◆女テント◆◆
後輩「今日は楽しかったですねぇー。明日は帰らなきゃいけないなんて、もっと一緒にいたいですよ」

妹「そうね、二日だけなのに今まで回ったどこよりも長く感じたわ」

後輩「……妹先輩。あのですね――」

妹「私ね、決めたの。……この旅行中兄に私の気持ちを告白するって。私の気持ちをあなたにどうこう言われる筋合いは無いわよね?」

後輩「そうですね、その通りです。私がどんなアプローチしようとも妹先輩には関係ないとの同じですね」

妹「もちろん多分駄目なのは分かってるから。それに旅の途中気まずくなっても嫌だから、旅の最後に告白するの」

後輩「そうですか。……私もそれで良いと思います」

妹「あなたのお陰よ……ありがとうね」

後輩「いいえ、後悔の無いようにして下さい。私は私で頑張りますので」

妹「……『務めなけらばならないのは自分を完成させることだ』あなたの好きなテグジュペリの言葉よね?私は兄に告白して自分を完成させたい。だから結果は二の次。前に進む為に自分に自身を持ちたいの」

妹「なんとなく兄についてきただけだったけど、この旅のもう一つの目的が出来たわ」

後輩「もう一つは兄先輩の事ですね」

妹「……そうね。ホント何を考えてるのかしらね」

後輩「確かにあれは聞きづらいですねぇー。……音楽に何か嫌な思いされたりとかはないんですか?」

妹「私には見当が付かないのよ。高校に入って突然なんだもん……中学までは本当に毎日楽器を練習してたのよ。私なんかサボって先生に良く怒られたけど、兄は与えられた課題曲黙々とこなしてたし……」

後輩「真面目ですからねぇ。……友先輩もわからないんですよね?」

妹「そうらしいわ、友くんと付き合い出したのが中学3年の夏休みぐらいかしら?……思えばその頃からなのよ。私も友くんに聞いたけど、知らないって」

後輩「嘘は付かなそうですからねぇ、友先輩は。となると真実は兄先輩のみが知るんですね。……自分の事喋りたがらないんですよねぇ、先輩」

妹「そうなのよね……困った兄よ」

妹「いつもあの顔よ。優しいというか懐かしむ目で私が楽器やってるのを見てるの」

後輩「……やりたそうにも見えるんですよね。無理やり我慢しているというか、意識して興味なさそうにしていると言うか」

妹「そうね。……私ね、楽器演奏したら大抵気持ち良くて、その夜はぐっすり眠れるんだけど。兄のあの様子見てから楽器演奏し終わっても楽しく無くなっちゃった」

後輩「私も写真を撮って現像してたりした後は、凄い満足しますけどそんな感じですかねー。写真撮って楽しく無くなったら私も嫌です」

妹「……お陰で兄の前で楽器演奏した後は、いろいろ考えちゃって寝不足よ」

後輩「今日もですかね」

妹「多分ね」

後輩「……そしたら、別の事でスッキリスレバ良いんですよ。……失礼します」

妹「後輩ちゃん?……え、嫌だ!ちょっと何やって――」

後輩「ここですかねぇー。どれどれ……」

妹「辞めてよ!怒るわよ!……んあっ!」

後輩「私も敏感な方ですけど、先輩もなかなかですねぇー。芸術的な人間は繊細なんでしょうか?」

妹「~~ッん!……ホントいい加減~~~ッぁぁ!」

後輩「私、好きになっちゃいましたって言いましたよー。……あ、溢れて来ましたねぇ……楽しくなりそうです」

◆◆◆◆◆◆

◆◆男テント前◆◆
友「旅、夜、酒!良いよなぁこう言うの。火見ながらたまに炭突っついて……ちょっとづつ喉に通す」

兄「だね。……あ、スキットルいいな。買ったの?俺もお前みたいにウィスキー飲めればなぁ」

友「奮発してな、雰囲気出るだろ?……てかまだ駄目か?」

兄「日本酒とかワインは大丈夫なんだけどね。何が違うんだろ?」

友「だよなぁ?お前、日本酒はいくら飲んでも酔わないのにな」

兄「そうなんだよ、ビールとかも平気だし。……日本酒スキットルにいれても様にならないしなぁ」

友「へへへ、こればっかりは俺のロマン勝ちよ」

兄「変な勝ち誇らしげにと言いたいけど、素直に羨ましい」

友「……お前さ、楽器上手かったんだろ?なんで辞めたの?」

兄「…………何を突然」

友「よく分からないけどさ、俺らがツルむ前。フルートの貴公子とか言われてたじゃん?」

兄「………それ誰が言ってた?」

友「音楽教師。……繊細な顔立ちだから似合うわよね~って」

兄「普通に知らなかった。てか恥ずかしい」

友「そうか?二つななんてカッコいいじゃん……てか話そらすなよ」

兄「………お前だって高校まで続けてたバスケ、大学で辞めたじゃん。バスケ部入れば良かったのに」

友「インカレ目指してるなら別だけど、わざわざ大学でやらないって。しんどい練習はもう高校まで」

兄「…………ふーん」

友「俺は話したぞ?ホレホレ、さっさと言え!」

兄「………………」

兄「…………俺も同じだよ」

友「なにが?」

兄「…………しんどいから」

友「なにが?」

兄「…………いろいろだよ」

友「例えば?」

兄「…………いろいろはいろいろだって」

友「そうか?」

兄「…………」

妹はレズの世界に行くのか?
ヤバイな

兄「……お前はバスケやりたいとか思わない?」

友「たまにな。体育の授業とかで下手くそなヤツ見たときとか、逆にネットとかでインハイとかプロのすげープレイ見たときとか、無性にボールに触りたくなるかもな」

兄「…………」

友「まぁ、ちょっと気になっただけだよ。俺はお前が楽器やってところ見たことないしさ、変な事聞いて悪かったな。酒不味くしたか?」

兄「いや、そんな事ないよ」

友「しかし今のお前からは創造出来ないんだよなぁ。……バイクにキャンプ。アウトドアな事しかしてるの見たこと無いしさ」

兄「……今はね」

友「最初に会った時も『ママチャリで山梨』行くだもんなぁ。」

兄「お前が部活帰りの時だっけ?俺は今まで話したこと無いお前が、その日に着いてきたのに驚いたよ」

友「だって面白そうじゃん。日本一周といい、思いきった事するなって感心と言うか男心くすぐられるというかさ」

兄「分かるか?親友?」

友「分かるぜ、相棒!」

◆◆早朝 芦ノ湖◆◆
妹「~♪~♪~」

妹(前に進む為に……)

妹(今までのままだと何も変わらないものね……)

妹(最善解か分からないけど、兄が好きだった音楽をこうしてたくさん演奏する)

妹(そしたら兄はもしかしたら…………)

~♪~♪~

兄「おはよ。……楽器吹いてたの?」

妹「おはよ……そうよ。こんなロケーションで吹ける機会なんかそうそう無いしね。音が伸びて凄く気持ちいいわよ」

兄「…………そう。朝ごはんの準備の前に顔洗ってきな。………二人も起こさないとだし」

妹「……そうね、分ったわ」


妹(……前に進むだけ。止まってても何にも変わらないんだから)

◆◆◆◆◆◆
友「そしたらお別れだな」

兄「だね。気を付けて」

友「お前もな、ちゃんと次もまた会おうぜ!おやっサンも心配してっから!」

兄「うん。店主によろしく」

後輩「兄先輩、たまにはメールして下さいね。妹先輩も……お元気で」

妹「後輩ちゃんもね。……ただやっぱり私はあなたの事嫌いよ」

兄「あれ?昨日仲良くしてなかった?」

後輩「はい!とーっても仲良しでしたよ!……ですよね、先輩!」

妹「……知らない!」

ブルルン!……ブロロロ……。キュュッ!……シュゥーン……
友「じゃーなー!」
後輩「お疲れのでませんようにー!」

妹「気をつけてねー!」
兄「またなー!」
シュゥーン……シュイーン……ブロロロ……トコトコトコ……


トコトコトコ……トコトコトコ……
妹「……行っちゃったわね」

兄「だね。……なんか神奈川はあんまり旅した感じじゃ無かったなぁ」

妹「楽しくなかった?」

兄「……そんな事無いよ。また来たいな」

妹「後輩ちゃんは嫌よ?」

兄「いいヤツだったでしょ?」

妹「さぁ?よく分からない子。……でもそうね、分かりたいなと思ったかしら」

兄「……ちゃんと達成して帰って来ようよ」

妹「うん!」

ブロロロ……トコトコトコ……
◆◆神奈川編 終わり◆◆

>>229
妹の幸せとは何なんですかね
>>245
なんかそうなりましたね。こんなハズじゃなかったんですけど

毎度の事ながら、飽きてしまったら脳内補完でお願いします
それと読んで頂いてありがとうございます!レス有るうちはとりあえず頑張ろうかと思ってます!

妹の幸せ>>1が思い描く最善の結末
でよろしいじゃ有りませんか。
それにしても後輩ちゃんて…。
あの描写だけじゃレズちゅっちゅ確定じゃないよなぁと思ってたら、作者公認キタコレ

書き給えその有り様を。さ さあ(迫真)!

ちな
作中の用語の参考までに

コンサーティーナ
https://youtu.be/h54ZQlIMwSc

白鳥の湖 イントロダクション
https://youtu.be/WFhxUwhW0AQ

W1 サイドカー
https://blogs.yahoo.co.jp/konyou123/53010741.html

XJR400R
http://www.bikebros.co.jp/vbsp/sports/guide/sbg-23.html

>>252
>>253
どうもーホントにありがとーございます。頑張るのでお付き合いのほど

>>254
う、うん。悪いけど脳内補完で(引

でもそんだけテンション上がって貰えて嬉しいです。
飽きずに飽きずにまた読んで下さい

母『あら兄、凄いじゃない!テストで90点なんて、私の子供のだったら出来すぎよ!…… 妹もねぇ、もうちょっとお兄ちゃんと勉強頑張ろうか?』

妹『えー!べんきょうきらいー!』

母『そう言わないの。……兄、良い子だから妹の勉強一緒に見てあげてね?』

兄『うん、いいよ。……妹、しゅくだいやろうか?』

妹『お兄ちゃんもやる?』

兄『やるよ、いっしょにやろうよ』

妹『いいよーお兄ちゃんといっしょ!』
~~~~~~

妹『わたしもピアノやりたいー!友達みんなやってるもん!』

母『妹は直ぐ飽きちゃうでしょ?直ぐ練習しなくなるからダメよ、ダーメ』

妹『いーやーだー!ピアノやりたいー!』

母『もう。……そしたらまた、お兄ちゃんと一緒なら良いわよ?兄、妹と一緒にピアノやってみない?』

兄『えー、ピアノー?おはなとおちゃもやってたら友達と遊べなくなるじゃん』

妹『お兄ちゃん!いっしょにやって!おねがい!おねがい!』

兄『もー、れんしゅうちゃんとするね? ……お母さん、そしたら僕もやるよ』

妹『ホント!?やったー!お兄ちゃんだーいすき!!』

◆◆大室山◆◆
兄「おー……思ったより低いかも?」

妹「そうなの?でもアレで登るみたいよ。……ホラなんだっけ?スキーのヤツ」

兄「え?……あぁリフトの事か」

妹「それ!……懐かしいなぁ。小学校の頃が最後じゃない?」

兄「確か中学の時に宿泊研修みたいなのやったよ」

妹「思えばあの頃から思ってたのよね。高い所行って、ただ降りてくるだけの繰り返しなのに何が面白いんだろうって」

兄「言わんとする事は分かるけどさ。……俺らの旅もにたようなもんかもよ?ガソリン入れて、道走って、ガソリン足しての繰り返し」

妹「あら、走る場所が違うじゃない?見る景色。風も匂いも温度もぜーんぶ違うわ!それを感じるのが私は楽しい!スキーとは違うわよ!」

兄「そうかなぁ?ま、そう言うことにするか。……そしたら登ろうか?」

妹「乗り方覚えてないかもよ?」

兄「止めなきゃ怒られないよ……止めないでね?」

店員「そしたら次来たら乗ろうかー。……お姉ちゃん?大丈夫だからね?」

妹「さっきからすいません」

兄「何が怖いんだよ?」

妹「浮くのよ?怖いじゃない」

兄「バイクの方が怖いとおもうけどなぁ」

妹「次のが通ったらサササ!……ね。大丈夫、大丈夫、大丈夫」

店員「はい、いいよー!」

妹「……やっぱり無理よ!」

兄「……」押ス押ス

妹「きゃー!ちょっと待って!……え、ちょっ……まっ!」

店員「暴れないでねー。バー下ろすよー」

妹「待ってー……あっ!いや!!浮いたー!」

兄「うるさいなぁ」

兄「おー撤回撤回。凄いわ、けっこう高いね。……妹、見てご覧よ」

妹「辞めてー!……ちょっと動かないで、揺れるじゃない!」

兄「だってさ、折角なのに勿体無いじゃん。……ホラ、駐車場だよ。バイクがあんな小さい」

妹「嫌よー、落ちたら死んじゃうのよ?」

兄「だからそんな事考えなきゃ良いのに」

妹「……思えばワイヤーだけなのよね。良くそれだけで、これだけのリフトを支えているわよね。……もしあれが切れたら。…………」

兄「妹、ホラ見なよ。……あっちが相模湾かな?昨日までいた箱根があっちで、東京があっちか~」

妹「良く見られるわよね。……私ホントに怖いの」

兄「鋸山でもそうだったけど、変な事創造しすぎてるんだよ。観光地で整備されてるんだから大丈夫だって」

妹「無理無理無理!お願いだからそう言うことにいわないで!」

兄「……じゃあなんでついて来たんだよ?下で待ってても良かったのに」

妹「……それも嫌、一緒に行きたい」

兄「変なヤツ」

妹「なんか足元フラフラする」

兄「大袈裟な。……おー凄い。カルデラかな?こんなの初めて見たよ」

妹「……へえーホント。山の真ん中が窪んでるわ!」

兄「カルデラだって」

妹「かるでら?」

兄「カルデラ、噴火口の跡。理科の授業でやらなかった? 」

妹「全く覚えていません!」

兄「良くお前は大学受かったよ……授業中何やってるの?」

妹「えー?そうねぇー。……練習中の曲を頭の中で歌ったり、曲の雰囲気を絵に書いてたり……あとは、窓から見た景色に合わせて曲をまとめてみたり?」

兄「…………」

妹「どうかした?」

兄「……いや、日本の教育も考えなきゃなぁと」

妹「なんで?」

兄「なんでだろね」

コレ降りるときはもっと悲惨なやつだ…。

時に、さすがに少々下がりすぎではないかな?

乙。

妹「凄いねぇー山の上なんでしょ?この間の大涌谷と凄い違うのね」

兄「あっちは活火山でこっちは死火山なのかな?」

妹「山も死ぬの?」

兄「と言うより火山活動の有り無しだと思うよ。活動の活」

妹「ふーん。じゃあ昔はこの山も温泉とか有ったのかしら?」

兄「かもね」

妹「あとなんでこんな窪みなのに水が貯まらないのかしら?」

兄「あぁーそういえばそうだね。草津の湯釜とかは水有るのになぁ」

妹「湯釜?」

兄「群馬、草津の山だよ。前行ったこと有るけど、そこはこんな窪みに水が貯まってた。温泉もあるし良いとこだよ」

妹「へぇー!私も行きたい!」

兄「いく予定だよ。……ただ旅の行程でカットするかもだから、スムーズに旅進められるようにね?」

妹「やったー!楽しみだなぁ」

静岡県 1日目
◆◆一碧湖にて◆◆
兄「妹、ホレお茶。……大丈夫?」

妹「ありがとー。……なんか頭フラフラするわ、下りのリフトは初めて乗るもの」

兄「そうか、スキーとかは登ったら滑って来るもんね。とりあえずちょっと休んどこうか」

妹「ふぅ…………綺麗ね。湖面に空が映って本当に鏡みたい。この間の芦ノ湖も凄いなと思ったよりけど、こう言う小さい湖も良いわね」

兄「そうか?俺は大きい圧倒される方が好きだけどなぁ。雄大というか」

妹「好みはそれぞれね。そう言えば兄は交響曲とか大きい曲が好きだったわよね?私は室内楽とかの方が好みだけど」

兄「……昔はね」

妹「……そう」

兄「……でも今は妹も交響曲やってるんだろ?管弦楽部で」

妹「うーん。……何て言うのかしら。大学の管弦楽部はみんな一生懸命じゃ無いみたい。趣味遊びみたいな?……中、高校の部活とか、先生のレッスンとはまた別。それも楽しいんだけれどね」

兄「……そうか」

妹「うん」

◆◆バイク◆◆
ブロロロ……トコトコトコ……
妹「~♪ブラウン管の向こう側~カッコつけた騎兵隊が~♪~」

兄「……ブルーハーツ?」

妹「そうよ。兄が良く聞いてたでしょ?覚えちゃった。面白いわよね、音程とか気にしなくても良いんだって聞いてると思うわよ」

兄「変な聞き方をまた……」

妹「先生が良く言ってたじゃない『音程とリズムの正確さ。表現はそれからよ』って。この人はそこまで音程に拘らないで、自分の表現したいことが先なのかしらね」

兄「…………そうかもね」

妹「あ、そう言えば友くんに教わったらけどこのヘッドセットって音楽も聞けるのね?なんで教えてくれなかったの?」

兄「一番最初に教えたよ。聞かなかったのはお前。俺は最初から聞いてるよ」

妹「あ、ズルいなぁー。……何聞いてるの?」

兄「ラジオとかあとは落語。古今亭志ん朝。けっこう面白いよ。人の話を聞いてた方が案外眠くならないよ」

妹「そうなの?音楽は?」

兄「……まぁ、ラジオでたまには」

妹「ふーん……私も何か聞こうかしら 、兄も聞く?」

兄「……それは勘弁して」

妹「やっぱり運転するの気持ちいいわね~……あ、見てみて!旅の駅だって!道の駅じゃないのね?」

兄「なんか道の駅は国土交通省、旅の駅は通産省が主らしいよ。……前に会ったライダーのおじさんが『官僚の縄張り争いだよ』とか言ってた」

妹「ふーん。……全く分からないけれど。同じにしゃダメなのかしら?」

兄「どっちかに旨みが無いんじゃない?俺も良く分からないけどさ、天下り先とかなんかさ」

妹「そんな事考えないでもっと良い道をたくさん作れば良いのに!そうすればみんなそこに目掛けて旅をすると思うのよ」

兄「まぁ同意。道路ぼこぼこだとね。車は関係無いかもだけど、バイクはちょっと怖いしね」

妹「ね!ね!……例えばそうねー。走ってると音楽が流れる道路とか、夜になるとライトアップされる道路とかどうかしら!」

兄「似たようなのは有るよ。メロディラインとか、タイヤと道路の摩擦音がメロディになる道」

妹「え!凄い!そこに行ってみたい!」

兄「バイクだと分かんないけどね」

妹「えー!じゃあバイクでも分かる音楽の鳴る道を作れば良いのよ!」

兄「んなむちゃくちゃな」

つづいてる!えらい!!乙。

◆◆天城峠◆◆
ガタガタ……ガタガタ……
兄「うぇ失敗したなぁ。未舗装は辛いって聞いてたけど、これは本当に走り辛い。ハンドル凄く捕られる」

妹「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"」

兄「バカやってるなよ。人が真剣なのに」

妹「だって凄いガタガタするのよ。……きゃ!」ガタン!

兄「悪い、ワダチに入った」

妹「お尻凄く痛い!首がもげそうよ」

兄「歯、食い縛ってな。舌噛むよ」

妹「アスファルトって凄いのね!」

兄「同意。峠までずっとこれかぁ」

妹「いやー。お尻腫れちゃう……あ、兄!前から車来たわよ!」

兄「えぇ。マジかぁ?避けれないよ?」

妹「向こうもバックする気無いみたいよ?」

兄「勘弁してくれ。未舗装は金輪際来ない。決めた」

この兄は何故サイドカーで山道を逝こうとするのか
実はこのサイドカー、サイドマシーンなのか(キカイダー並感)。

飛べサイドファントム。乙。

兄「ちょっと待って。……流石に股とか肩周り凄く痛い。緊張したなぁ一。……歩間違えたら真っ逆さまだったかもね」

妹「怖いこと言わないでよ。私はまだ死にたくないわよ?……見たかったのってこれね?」

兄「そう、天城トンネル。……へえー、明治時代に作られたんだって、すごいよね」

妹「天城越えの天城ね?知らなかった。……当時は機械とか有ったのかしら?」

兄「無いみたいよ。人力、手作業、職人の業だよ」

妹「ふーん。……あ、ホント。けっこう亡くなった人も居たらしいわよ」

兄「……そう言えばここ、心霊スポットとか聞いたことかるかも。なんか亡くなった人がトンネルの壁の中に埋められてて、夜になると岩壁が崩れる音と、男達の悲鳴が――」

妹「嫌!いや!嫌よ!!そういうこと言うの本当に辞めてよ!!」

兄「帰りを待つ家族を思いながら、潰されてしまって。さらに今は別の道が主で使われてここは用無し。『俺達はいったい何のために』――」

妹「ホントに辞めてよ!!……夜兄の寝袋に無理やり入るわよ!」

兄「……さて、そろそろ行くか」

妹「おーい」

>>264
>>268
>>270
>>272
>>273
読んでくれて有難うございます!ホント嬉しいです!

>>264 下りでおしっこ漏らしそうになったのは内緒の話

>>270 有難うございます!えらい?誉めて誉めて(笑)

>>272 おや、年齢がばれてしまいますよ……かく言う私も(笑)

◆◆竜宮窟◆◆
妹「すごーい!紅の豚、ポルコの基地みたい!」

兄「ホント。これは知らなかったなぁ。……こんなところでキャンプしてみたいなぁ」

妹「今日はここで寝る?」

兄「流石に駄目だよ。……でも本当ににああいうの憧れるよなぁ。映画のキャッチフレーズが確かさ『格好いいとはこう言うことだ』なんだよね」

妹「格好いい?ブタよ?」

兄「ジャニーズとか格好いいってのも、分かんなくないけど、俺はポルコみたいな格好良さ好きだなぁ」

妹「そうかしら?私は手越君とか好きだけど」

兄「えー。仮にジャニーズだったらTOKIOだなぁ」

妹「おじさんよ?TOKIOなんて」

兄「嵐なんかも良い歳だけどね」

兄・妹「…………」

妹「男女の価値観って相容れないのかしらね」

兄「かもねー」

兄「……紅の豚でさ、ポルコが映画を見て『下らねぇ映画だ』って言うシーンがあるんだけど、覚えてる」

妹「ポップコーン食べてるのよね?昔の仲間が気を付けろって教えてくれるのよ」

兄「ポルコが見てる映画の内容が、彼自身の事なんだよね。飛行機で戦って、殴りあって、ヒロインにキスされてハッピーエンド」

妹「そんなの有ったのかしら?」

兄「まぁ帰ったら見ようか。……それで自分の人生と同じストーリーをさ。讃える訳でもなく卑下する訳でもなく。鼻で笑いながら『下らない』って言えるって凄いなって思うんだよね」

妹「そう?見下してるんじゃなくて?」

兄「そういうのとは違うと思うんだよ。自分の人生と同じストーリーだよ?……少しでもプライドが有ったら面白い!素晴らしい!ってなるし。今までの生き方に自信がなかったら、恥ずかしくなるし、そんな映画見ないと思うんだよね」

妹「自分の今までのビデオをみんなで見られる感じなのかな?……子供の頃のビデオ見られたら、私は恥ずかしいかも」

兄「俺もだよ。かといって自分のビデオを下らないなんて言えないしさ。……やっぱり格好いいんだなぁと思うわけ」

妹「ふーん。いつになく饒舌ね?」

兄「俺だってテンション上がるんだよ。これでも」

妹「良いと思うわよ。私はそういう兄も……好きだと思うわ」

兄「そう?ありがとう」

◆◆キャンプ場◆◆
妹「~♪~♪……ねぇ兄?ちょっと良い?」

兄「…………今さ。火、見てないとだから」

妹「そうじゃなくて、何か弾いて欲しい曲あるかなーって?ホラ、一人で弾いてると曲偏っちゃうのよね……例えばジャンルでも良いし、アーティストでも良いし」

兄「……だからなんでも良いよ。俺は別に――」

妹「なんでも良いの。……何か兄の好きな曲を言って?」

兄「…………コンサーティーナでなぁ。そしたらなんでも良いんだけど、ゆっくりな曲。…………アイリッシュのエアーなんかは?」

妹「エアー?そうね。……ダニーボーイとかアメイジンググレイスとかかしら?」

兄「……でも良いしね」

妹「そしたら。……こうかな?~♪~♪~」

妹「~♪~♪~……アイリッシュ音楽でもダンスじゃなくてエアーね。……兄はゆっくりな曲好きだったわよね」

兄「……好きだった訳じゃないよ」

妹「そう?良く吹いてたじゃない。私はリールとかジグとか好きだったけど……兄の吹く、ゆっくりな曲は癒されるのよ」

妹「…………ちょっとやってよ?兄」

兄「……出来ないって、練習してないんだから」

妹「そっか。……ごめんね」

妹「~♪Amazing Grace~♪~♪How sweet ~♪the sound~♪~」

兄「…………俺ちょっとトイレ行ってくるね」

妹「~♪~はーい!~♪~…………」

妹「~♪~♪~」

妹「…………ダメなのかな」

後輩『解決法出はなくて前に進む力だけしか、持って無いんです』

妹「……前に進む力。前に進めてるのかしらね」

妹「~♪~♪~」

妹「……前みたいに一緒にやりたいなぁ」

妹「……それしか、一緒に要られる方法分からないもの」

妹「この旅が終わったら、またあんまり話す機会無くなるのかなぁ……」

妹「……~♪~♪~」

妹「……兄」

兄「……~♪アメイジング♪~グレイ~♪~…………か」

兄「…………」

兄「…やろうよって簡単に言うなよな」

兄「…………せっかく諦めかけてたのにさ」

兄「ホント、何のために日本一周出たんだか」

兄「妹連れてきたのが間違いだったかなぁ……」

兄「…………」

兄「……~♪~」

兄「……戻った」

妹「~♪~……何よ、遅いじゃない。アメイジンググレイスもう弾き終わっちゃったわよ」

兄「ンコしてた」

妹「ばか、最低」

兄「しょうがないだろ?お前はしないのかよ……いて」

妹「もっとばかよ。……ばかばかばか」

兄「人間しなきゃいけないんだから、恥ずかしがる事ないんだよ」

妹「……恥ずかしいわよ。ホントにばか」

兄「お前より成績は良いけどね」

妹「そしたら学校の勉強もたいしたこのないのよ」

兄「……まぁ、かもね」

妹「~♪~ねぇ、他に何か聞きたい曲無い?」

兄「……なんでも良いよ」

妹「それは無し」

兄「ホントになんでも良いんだって。……でもそしたらゆっくりな曲」

妹「もう。……ゆっくりな曲ね……~♪~何が良いかしら……そうね…………」

妹「…………~♪~♪~♪~……」

妹「~♪Quand nous chanterons♪~♪ le temps des cerises♪~………」

兄「…………さくらんぼの実る季節……」

妹「……そうよ…………今日、紅の豚の話をしたじゃない?私はジーナが好きなの。待ち続ける強さってそうそう持てるものじゃないわ……」~♪~

妹「『この国では恋も人生も、あなたの国より少しだけ複雑なの……』ってセリフがあるじゃない?……私の人生はジーナからしたら、単純なのかしら?それとも複雑なのかしら?」~♪~

兄「……どうだろうね。少なくともまだまだ俺らは若いと思うよ」

妹「……そうかしらね。歳を取れば複雑人生になるのかしらね。……それが良いことなのか」~♪~

兄「……悪い事なのか」

妹「いつになったらそれに気が付くのかしらね。……早く、そうなりたいな。……出来ればちょっと複雑でも。………良い人生に」~♪~

兄「そう……だね」

先生『あら、兄くんはしっかりとピアノ練習してきたのね!そしたら次の曲行ってみようか?妹ちゃんもねぇ。……もうちょっと練習かしら?でも楽しそうに弾いてるのは凄く素敵よ』

妹『わーい!!ねぇ!先生!お兄ちゃん上手?』

先生『上手よー。兄くんは真面目に毎日練習してるでしょ?聞いてて分かるわー』

兄『……毎日してないよ』

妹『えー!うそだよ!お兄ちゃん毎日頑張って練習してるもん!』

兄『妹、うるさい!』

先生『あらあら仲良くね。……でもね兄くん。もっと妹ちゃんみたいに楽しく弾いて良いのよ?悲しい曲は泣いて、嬉しい曲は笑って』

兄『ピアノ弾くときに笑わないといけないの?』

先生『……笑わなくても良いのだけど。そうね、兄くんはピアノは好きかしら?』

兄『……べつにそんなに好きじゃないよ』

先生『ふふふ、そうなの?兄くんは音楽向いてると思うけどなぁ~?』

妹『先生!私は?私は!?』

先生『妹ちゃんも上手よ~!妹ちゃんはちょっと間違うけど、楽しい!嬉しい!悲しいが良く分かるわ。先生も楽しくなっちゃう』

妹『わーい!!』

先生『……そうね、兄くん。今度発表会聞きに来ないかしら?ピアノ以外の楽器もたくさんよ?音楽がもーっと好きになるかも』

兄『発表会?』

先生『そう!……エレクトーンとかギターとかフルートとかバイオリンとか、知ってる楽器も知らないがたくさんよ!』

妹『先生!私も!私も!!』

先生『もちろん妹ちゃんもねー』

妹『やったー!発表会楽しみー!』

先生『もしかしたら二人とももーっと上手になったら出るかも知れないしね。お兄さんお姉さんの演奏聞いてみようか?』

妹『聞くー!発表会!!』

兄『妹は駄目だよ。うるさいから静かに出来ないよ』

妹『出来るもん!ちゃんと聞いてるもん!』

先生『あらあら、楽しみねー!……そしたら今日のレッスンしましょう!』

今度は何ぶっ込もうカナー?
ともあれ確かに長い戦いになるだろう。
がんばれ。

超 が ん ば れ 。

…でも体には気を付けて、登場人物皆々に、幸あれかしと願う。

静岡県2日目
◆◆バイク◆◆
妹「うー。……肩が凄く痛いわ。慣れたかと思ったけど、やっぱり寝袋だと少し疲れるかしらね」

兄「俺は平気だけどなぁ。……身体しんどい?」

妹「平気よ!……と言いたいけれど、正直ちょっとね」

兄「そうかー。……今日はそしたら少し休息日にしようか?一ヶ所だけちょっと寄りたいところが有るから、そこだけ悪いけど付き合って」

妹「いいの?」

兄「たまにはね。どのみちバイクのオイル交換とか買い出ししたいから。町に出たら移動は辞めて、のんびりしようか?」

妹「やったー!ありがとー!!なんていうか、身体がダルい訳じゃないんだけど、薄く鉛の膜が張ってるというかちょっとね。……本当に助かるわ!ありがとう!」

兄「良いよ。お前に倒れられたらそこでロスするし、軽い症状だったら良いけどね。入院とかされたら困るしね」

妹「私が倒れられたら困る?本当に?」

兄「もちろん。1日休むだけで200kmはマイナスだからね。……それよりもたまには休んだとしても、ちょっと進む方が全然いいよ」

妹「そう?……ふふふ。そしたら私も頑張らないとかしらね?」

兄「まぁ、程よくね?キツかったら言ってね?」

妹「はーい!!」

◆◆西伊豆スカイライン◆◆
兄「おおぉ。けっこう山道だな……妹、寒くない?」

妹「大丈夫よー、すでにカッパ着てるから。……思えば防寒着としてしかカッパを着たことないわね。ホントは雨で使うんでしょう?」

兄「そりゃもちろん。……けどラッキーだな。今まで一回も雨に降られてないなんてさ」

妹「私、晴れ女よ?発表会とか運動会、コンクールでも雨が降った事ないわ」

兄「それは凄い。……ただ日本一周中一回も降らないなんてあり得ないからなぁ」

妹「早く雨降らないかしら?雨の日の運転もしてみたいわ」

兄「おいおい、勘弁してくれよ。雨なんてカッパで蒸れるし、視界は悪いしブレーキ利かないし、道路滑るし良いことないんだよ」

妹「そうなの?……カッパは雨具なのにねぇ」

兄「雨は降らないなら降らないが一番」

妹「あーめん」

妹「すごーい、見て!周りに空しかないみたいよー!」

兄「ホント。樹木がないと視界が開けて良いね」

妹「風が気持ち良いー!……ホントにこのまま遠くまで飛べそうよ!私に羽が有ったらなぁ……」

兄「人間は羽が有っても飛べないよ。そもそも鳥は羽が有るからじゃなくて、身体が極端に軽いから飛べるんだよ」

妹「私、けっこう痩せてるほうだけど?」

兄「どれ」プニプニ

妹「バカ!なにやってるのよ!?」バシバシ

兄「だってなぁ。……てかお前、腹の肉――」

妹「失礼ね!全然無いわよ、バカ!!変態!スケベ!最低!」

◆◆修禅寺◆◆
兄「俺、足湯って初めて入ったよ」

妹「え!?今まで行ったところでなかったの?」

兄「有ったけどさ。ブーツ脱ぐの面倒だし、足だけ入ったところでと思ってたよ。これは爽快壮快。……伊豆も良いところだなぁ」

妹「オジサンみたいよ?」

兄「悪かったな……でもオジサン達のの気持ちも分かるよ。てかオジサンになっても良い」

妹「嫌よ、私は。急に兄がオジサンになったら」

兄「女の方が老けるの早いらしいけどね。お前がオバサンに成るのが先かと」

妹「バカ!バカ!バカ!バカ!」

おばちゃん「ゴメンねーちょっとここ入るわよー………あら、お兄さん達はカップルかしら?仲良いわねー」

兄「いえ、僕達は兄妹です」

おばちゃん「へぇ!二人できたの?……仲良いわねぇー。うちの子達にも見習って欲しいわー」ペチャクチャ

兄「……妹?どした」

妹「……何でもないわよー。でも良く聞かれるわね。……私達ってそう見られるのかしら?」

兄「年格好にた男女が二人で居ればね。大抵はそう思うんじゃない?」

妹「……ふーん、そうなのね」

兄「俺は逆にさ。凄いオジサンと若い女性のペアが気になるよ。きっとお店とかなんだろうけどさ、もしかして?いや、親娘?とか」

妹「……そんな事より兄はどう思うの?」

兄「?そりゃお店の客とそっちの人だと思うよ?」

妹「う~!それじゃなくてー!!……やっぱ、良いわよ」

兄「?変なの?」

◆◆バイク◆◆
ブロロロ……トコトコトコ……
兄「さて、町に出ようか」

妹「わーい!やったー!なんか久しぶりにねー!箱根から伊豆回ってあんまりショッピングとかしてなかったものね」

兄「だね。……ちょっとボチボチオイル交換とかしたいしなぁ。やってくれるかな?サイドカーなんて」

妹「兄はどうするの?」

兄「俺?バイクメンテ出してる間、公園でもでも見つけてのんびりかなぁ?……とりあえず米とかは大丈夫そうだし」

妹「映画とか見に行かない?最近なにやってるのかしら?最近二人で見に行かなくなったじゃない」

兄「お金かかるのはしないよ。……勝手に行ってきな」

妹「えー!……でも本当にどうするの?兄が公園にいる間、私は何しててもいいの?」

兄「ショッピングモールみたいなところで一度別行動しようか?俺はバイク屋探すし、そのあと惚けーとしてるし。集合時間を決めてさ」

妹「うーん。買い物もしたいけど、その後が暇になるわねー」

兄「映画見てて良いし、喫茶店で飲み食いしてても良いし好きにしなよ」

妹「うーん……」

◆◆柿田川公園◆◆
妹「良かったね!オイル交換直ぐ終わって」

兄「……結局一緒なのね。良いけどさ」

妹「だってー!兄がウィンドショッピング付き合ってくれないんだもん」

兄「勘弁してくれよ。……大体、良く買いもしない物を見るために、お店の中ぶらつけるよね。買いたいもの有れば良いけどさ、結局買わないとかさ」

妹「見て洋服合わせるだけで楽しいじゃない!家具とかリフォームとか見てるの凄く好きよ?」

兄「俺には欲しいものが無いのに店にいくってのがそもそも理解出来ないよ。……お、見てみて。なんか凄いのが有る。富士の湧水だって、凄い綺麗」

妹「……ホント。こんなところに凄い!透明と言うかサラッとして。冷たいけどトゲが無い色ね。水ってこんな青色になるのね」

兄「富士山からだから凄く濾過されてるんだよ。にしても凄いな」

妹「中で泳ぎたいなぁー」

兄「辞めてくれよ?でも分かる、凄く気持ち良さそう」

乙。

妹「はい、買ってきたわよ!豆腐アイスクリームわさび味」

兄「さんきゅー……お、面白い味。妹は何にしたの?」

妹「豆腐アイスクリーム苺味よ。はぁー冷たくて美味しい、兄食べてみる?」

兄「良いの?そしたら一口頂戴」

妹「どう?甘酸っぱくて豆腐が爽やか。私は好きよ」

兄「有りだね。豆腐アイスクリームってのもだけど、それにフレーバー付けるって考えが凄いよなぁ」

妹「ねぇ。兄のもちょっと頂戴!」

兄「良いけど。……わさびとか辛いのダメじゃなかった?」

妹「良いでしょ。食べてみたいんだもん」

兄「そう?そしたらホレ」アーン

中学生s「あー!カップルだ!間接キスだせ!」
中学生s「あーんとかやってる!」
中学生s「スゲー!俺も彼女欲しいなー!」

妹「…………」

兄「どうした?食べないの?」

妹「食べるわよ」
妹(今まで意識しなかったけど、間接キスなのよね。……キス…………ダメダメ!私は妹なんだもん)

切ないな

兄「さて、どうするかなぁー」

妹「今日はどこも行かないんでしょ?ずっとここのベンチに居ようよ」

兄「とは言ってもさ。いざ、ボーッとここにいるのも勿体無い気もするしさ」

妹「たまにはのんびりしよ?そうだ!楽器持ってきて弾いててあげる!」

兄「……楽器ね。バイクまで遠いよ?」

妹「走ればすぐよ。ちょっと待ってて!」

兄「…………」

兄「…………気を付けろよー」

兄「…………」

妹「お待たせ!さーて、何を弾こうかしらねー。兄はリクエストある?」

兄「…………無いよ。お前の好きな曲弾いて良いよ」

妹「もう、いつもそうなんだから……適当に弾いてると飽きちゃうじゃない。リクエスト有ればそれでレパートリー広がるのになぁ~♪~♪~」

兄「良いんじゃない適当で。………愛の讃歌か」

妹「~♪~♪あなたの燃える手で~私を抱き締めて~ただ二人だけで~~生きていたいの~♪~」

妹「~♪~ただ命の限り~あなたを愛したい~命の限りに~あなたを愛するの~♪~」

おばちゃん「あら、お嬢ちゃん。アコーディオンかしらそれ?上手ねぇ~越路吹雪じゃない!?良いわよねぇ、昔の歌は。お嬢ちゃん良く知ってるわねー」

妹「ありがとう、おば様!私も好きなのこの曲!知ってる?元々シャンソンの曲なのよ?……ええと、誰だったかしら?」~♪~

兄「……エディット・ピアフ」

妹「そうそう!その人が歌ったんですって」~♪~

おばちゃん「あら、そうなの?お兄さんも音楽やるのかしら?」

妹「そうよ!私よりも上手なのよ!」

兄「おい、妹。……僕は全く出来ないんです」

おばちゃん「あらそうなの?でも良いわね~。こんな木漏れ日の中楽器の音を聞きながら、ベンチで一休みなんて」

兄「そう……ですね」

妹「~♪~赤いリンゴに唇寄せて~黙って見ている青い空~♪~」

おばちゃん「並木路子ね。……懐かしいわねぇ。お嬢ちゃんが上手だからおばちゃんも楽しくなっちゃうわ!」

妹「へへへー!ありがと!リクエスト有ったらどんどん言ってねー!なんでも弾くわよ!」~♪~

兄「…………」

先生『兄くん。もっと妹ちゃんみたいに楽しく弾いて良いのよ?悲しい曲は泣いて、嬉しい曲は笑って』



おばちゃん「上手上手~!そしたら次はそうね~。……美空ひばりの『あの丘越えて』なんて出来るかしら?」

妹「~♪山の牧場の♪~ってヤツね?良いわよ~♪~」

兄「…………」

おばちゃん「~♪雁が飛んでる~ただ一羽♪~」

妹「~♪私もひとり、ただ一人♪~」

おば・妹「~♪あおの背中に目を覚まし♪~」

おば・妹「~♪やっほー!やっほー!♪~」

兄「…………」

妹「あー!楽しかったー!久しぶりに思いっきり弾いたわ!あのおばちゃんいい人ねー!お小遣い貰っちゃったわ!」

兄「…………」

妹「今日はこれからどうするの?また、どこか見つけてキャンプするの?」

兄「…………」

妹「……兄?」

兄「……え?なに?」

妹「だから今日はどこに泊まるのかしらって」

兄「あぁ、今日か。……今日はなぁ、久しぶりにテント以外で寝ようか」

妹「ホント!?やったー!寝袋じゃないなんて久しぶりだわー!」

兄「休息日だしね」

妹「休息日最高ー!アイ ラブ お布団!!」

◆◆ネットカフェ◆◆
妹「騙された」

兄「何がさ?ちゃんとテント以外のところじゃないか」

妹「旅館とかホテルかと思ったのに。……せめてビジネスホントとか」

兄「つべこべ言わない。節約節約」

妹「……はーい」

兄「シャワー有るから借りてきな、俺は明日からの行程ちょっと見直してるから。何かあったら俺の部屋来てね」

妹「……はーい」

兄「…………」地図パラパラ

兄「…………」

先生『兄くん。もっと妹ちゃんみたいに楽しく弾いて良いのよ?悲しい曲は泣いて、嬉しい曲は笑って』

おばちゃん『お嬢ちゃんが上手だからおばちゃんも楽しくなっちゃうわ!』

兄「…………」

兄「今さら何を……な」

兄「……諦めたのに…………諦められてないのか」

兄「…………」

兄「……とりあえず日本一周、日本一周」

兄「…………」地図パラパラ

妹「兄ー?」コンコン

兄「静かにね。……どした?」

妹「ひま」

兄「……あのなぁ漫画読むとか、映画見るとか有るだろ?それじゃなかったら寝てなさい」

妹「だって――明るいし、寝るにはまだ早いし」

兄「明日出発早いよ?ちゃんと寝ないとしんどい思いするのは自分だよ」

妹「わかってるわよ。でもね……………ちょっとだけここにいちゃダメ?」

兄「……狭いよ」

妹「ダメ?」

兄「……分かったよ。入りな」

妹「……」ゴロゴロ

兄「限られた場所で暴れないの」

妹「暴れてないわよ。……明日からのまた、たくさん走るわね」

兄「だね。山道多そうだから、妹は乗ってるだけかもだけど」

妹「狭い道も私運転するわよ?」

兄「崖とか高い所だよ?」

妹「……それは嫌」

兄「でしょ?。……ま、運転出来そうな所は代わってもらうかもだけどね。流石に一人でずっとは静岡県キツいかもだし」

妹「任せてよ!私も最近バイクの運転コツ掴んだ気がするの。乗ってるのも楽しいし、兄が辛かったらいつでも言ってね?」

兄「さんきゅー。頼りにしてるよ……そしたら明日に備えて自分のブースに戻りな」

妹「まだ、ここにいたいなぁ……」

兄「妹」

妹「分かったわよ。……お休みなさい、兄」

兄「あぁ、お休み。明日もよろしくな」

>>289
>>297
>>299
読んでくれてありがとー!
感謝感激雨霰!これから梅雨だけど、皆様もお疲れの出ませんように!

>>289
超頑張る!!
基本的にストーリーの場所は代わるけど、内容は日常みたいなもんだから47都道府県ダレないか心配。

>>299
切なく書けてますかね?
こんな恋がしたかった、オッサンが頑張ってます(笑)

???:「後悔はただ認めて、SSのネタにすればいい。

それがおとなの特権だ(震声)。」

ゴロゴロ妹かわいい。乙。

>>309
迷言しかし名言!
いつの間に大人になるんだよなぁ。
こんなはずでは(笑)

妹『発表会凄いねー!大きい部屋!大きいピアノ!』

兄『妹!静かにね』

アナウンス『続きましてプログラム14番○○○○さん。フルートによる演奏です』

妹『ふるーとって?』

兄『僕も知らないよ』

演者『…………………』ツカツカツカ

妹『あれがふるーと?ピカピカしてるねー!』

兄『…………うん、ホントだ。…………凄く綺麗だね』

妹『ふえかなー?あ、始まるよ!』

演者『……~♪~♪~♪~』

妹『うわぁー、優しい音だね!……お兄ちゃん?』

兄『…………ホントだね。優しい音だね。……うん、凄く…………キレイだ』

妹『ふるーと良かったー!』

兄『…………うん、……ホントに良かった』

妹『キラキラしてキレイだし、お姉さんも凄く可愛かったなー!』

兄『…………そうだね』

妹『次はまたピアノだね』

兄「……そうだね」

妹『お兄ちゃん、さっきからそうだねしか言って無いよー?』

兄『…………』

兄『……ねぇ、妹?』

妹「なーに?」

兄『…………フルートやってみたくない?』

秀才が天才に出会って挫折したんか…

>>313
読んでくれてありがとうございます!
はい、そういう事が書けると良いなと思ってるんですけどね。
どうなるやらで(笑)

◆◆三保の松原◆◆
妹「なんか微妙」

兄「同意……晴れて富士山見えないとあんまりかな」

妹「うーん。晴れ女パワーも尽きてきたかしら?」

兄「今までが天気良すぎたってものあるけどね。天女の羽衣の松見れて良しとしようか」

妹「私思うのよ?何で羽衣返してあげなかったのかしら?そんなに意地悪して良いことあるの?」

兄「貴重な物だったんでしょ?売れば一生食べれる金に代えられたかも知れないし、それこそ一目見ただけで欲しくなる程キレイだったのかも?」

妹「それでもよ。私、自分の服取られちゃったら嫌よ?それが無いと帰れないなんてなおさらよ」

兄「確かにね、取られた方は堪ったもんじゃ無いと思うよ。……そう言えば高校の時、先輩にお前のジャージが欲しいって凄く頼まれたんだけどさ」

妹「え!もしかして渡したの!?」

兄「それはしないよ、流石に良心があったからさ。……ただ、新しいジャージを家の洗剤で洗って、お前のシャンプーちょっとだけ着けて売ったのよ。凄く喜んでたなぁ……って思い出した」

妹「…………なんでそんなの欲しがるのかしら」

兄「さぁ?でも、お陰で新しいカメラ買えたんだよね。嬉しかったなぁ」

妹「……良心。ね。」

兄もしたたかな奴よのう

◆◆バイク◆◆
ブロロロ……ブロロロ……
兄「キツいなぁー。この勾配でこのカーブよ。単車だったらなぁ」

妹「前から車来たら入れ違いできるかしら?」

兄「これは無理だねー。来ないことを祈ろう」

妹「山道は木漏れ日とか気持ちよいのだけどね。細い道は嫌いよ」

兄「同感。……言ってるそばからトラック来たよ。……えー。どうするかなぁ?」

妹「あ、後ろから車も来たわよ」

兄「おーおー。……トラック動く気配なしだし、コッチが何とかするかぁ」

妹「トラックの人って偉そうよね。私嫌いよ」

兄「そう言うなよ。コッチは遊び、向こうが仕事。世の為、人の為になってるのは向こうなんだから。……よっと。これですれ違えるだろ?」

妹「でもあんな偉そうな態度取らなくても良いでしょう?退いて当たり前みたいな」

兄「……まぁ確かにね。向こうだって毎日通ってるんだから、すれ違える場所とすれ違えない場所分かって運転して欲しいってのはある。それでもトラックに比べたらバイクの方が小回り出来るんだからしょうがないよ」

妹「嫌ね、損した気分」

兄「こういうのはお互い様だよ」

>>316
使えるものは使う。
今になって思います、妹の制服をヤフオクに売っていれば今頃と(笑)

◆◆井川鉄道 廃線跡◆◆
兄「これは情緒あるね。古くなった枕木とかレールの錆び具合とか」

妹「線路の中歩くなんて初めてよ!……ふふふ、昔縄跳び結んで電車ごっこしたわよね?……がたんごとん!がたんごとん!」

兄「やったやった、懐かしいなぁ。あの頃はこんな所来れるなんて想像してなかったもんなぁ」

妹「子供の頃ここに来れば、本物に近い列車ごっこできたのにね。……そう言えば、ここは使われなくなって結構たつのかしら?」

兄「一般の利用は多分俺達が産まれる前に終わってると思うよ。……で発電所の建設資材運んだりするのに、平成一桁まで使ってたとか」

妹「あ、そうなの?けっこう最近まで走ってたのね」

兄「使われなくなって、しばらくは無法地帯で草とか酷かったらしいよ?こんな風に遊歩道になったのも、一昨年とかじゃないかな?」

妹「へぇー!じゃあ私達が産まれる年がちょっと早かったら、日本一周の時に来れなかったのね!」

兄「……俺は草ボーボーでも来るかも」

妹「私は絶対付き合いたくないわね」

妹「~♪When the night ♪ has come ♪And the land is dark ♪~」

兄「……スタンドバイミーか。線路をずっと歩いて旅するって憧れだよなぁ」

妹「そうねー枕木?だっけ?この上をひたすら歩くの、もしくわレールの上をずーっと……ほっ!やっ!」~♪~

兄「子供の頃仲良かった友達と最終的には離ればなれになるんだよね。……そう言えば小学校の同級生とあんまり遊ばないなぁ」

妹「……私達もどうなるかしらね」

兄「何が?」

妹「大学は実家から通えてるけど、就職したら関東以外に行くかもしれないでしょう?……今は毎日顔を合わせるのが当たり前だけど」

兄「……さぁね。俺は関東就職希望だけど、それでも分からないしなぁ。……日本以外の外国に行くかもしれないし」

妹「……私はなんか嫌だなぁ」

兄「しょうがないよ、こればっかりはさ」

妹「そうじゃなくてね、兄と一緒にいないのが当たり前になることが嫌かなって……」

兄「ん?どう言うこと?」

妹「……兄の言うとおりで、もし外国とかに行ったら毎日毎日が忙しいと思うのよ。仕事、生活にいっぱいになって、私に兄がいること忘れちゃうかもしれない。それが嫌なの」

兄「……まぁ、確かにね。そうなるかも知れないね。……今は学生でこんなこと出来るの当たり前みたいに思ってるけれど。これから先は、妹とこんなこと出来ないんだよね」

妹「そう……なのよね。……だから、この旅はちゃんと良い旅にしたいな」

◆◆奥大井湖上駅◆◆
妹「えぇ!あの湖の上にあるのが駅なの!?」

兄「ね。高さ500mくらい有るらしいよ。あそこから降りてどこに行くんだろうね」

妹「ひゃー。……どうやって作ったのかしらね。ホントに赤い橋と湖の蒼、木々の緑が凄く綺麗ねー」

兄「ちなみにあの駅まで歩いて行けます」

妹「えぇ!!行くの?あんな高い所に有るのに!」

兄「嫌なら俺だけでも――」

妹「行く!行く!行くわよ!……でも怖いかも」

兄「毎回言うけどさ、大丈夫だって。電車が通れるんだよ?人間なんて誤差だよ、誤差」

妹「落ちたらって考えちゃうの!」

兄「想像力豊かと言うか、心配性というか」

妹「うわぁー。……なんかギシギシいって無い?もう歩く音が怖いのよ」

兄「そうかなぁ?まぁ落ちたら助かるか分からないけど、そこまでじゃないって。むしろ絶叫系のアトラクションのが俺は嫌だなぁ」

妹「ちょっと、兄!歩くの早いわよ!」

兄「分かった分かった。……ホレ」手差し出し

妹「……え?」

兄「え?じゃないわ。ホラ、手」

妹「あ…………はい」ギュ

兄「ちょっとここだけで、こんなに時間使えないんだからさ。ちょっとだから頑張れよ」

妹(不意打ちはダメ。…………でも、嬉しいよ)

兄「おー、見てみて。あそこにバイクおいて有るんだよなぁ。けっこう高い所に停めたんだね」

妹(ドキドキしてる。……小さい頃は当たり前だったじゃない。…………手、汗かいてないかしら)

妹(兄の手。……細い指。でもいつの間にか少しゴツゴツしてる。…………知らなかったなぁ)

兄「妹?……おーい妹?そんなに怖いか?」

妹「……へえ!?……いやいや!高いのよね!怖いのよね!」

一周旅行って実体験なの?

乙おつ

兄「はい、到着。……駅は普通?と言うか何もないね。電車来る時間調べてくれば良かったなー」

妹「……手ぇ。…………離しちゃうんだ」

兄「え?なんて?」

妹「いやいやいや!なんでも!……あ!でも何か有るわよ!」

兄「んー?……あぁホントだ。鐘?へぇー、恋人の鐘だって。ハッピーハッピーベル?変なの?」

妹(恋人!?……もう、なんなのよ!ちょっとは休ませてよ!不意打ちばっかりじゃない!)

兄「鳴らす?」

妹「ふぇ!?だって恋人じゃないわよ、私達!」

兄「当たり前だろ?なに言ってるのさ?……なんかパワースポットらしいよ?恋愛、結婚、子宝に恵まれるとか」

妹「……良いのかな?」

兄「なんでさ?さっきのオジサンたちも鳴らしてたじゃん?……よ」カラーン♪

妹「……じゃあ」カラーン♪

妹(兄は気にして無いのかな……どうしよう。こんなことが嬉しいなんて。…………抑えないと……私は妹。この旅の最後に告白。……それまではギクシャクしちゃうでしょ…………)

>>323
まぁね。取材がてら楽しんでるよー
>>324
ありがとー!
読んでくれて。d=(^o^)=b

…今、謎が解けた。

>>327
そんな分かりにくいストーリーじゃ無いので(笑)まぁ、過去の事をチビチビ解放していこうかと

◆◆キャンプ◆◆
妹「ここは家族連れ結構いるのね」

兄「というか、今までのキャンプ場が俺らだけってのがレアだった気がする……あ、こんにちは」

子供達「こんにちは!……ねぇ!早く川で遊ぼー!!」

妹「可愛いわねー!兄弟かしら?……私も妹とか欲しかったなぁー。そしたら一緒に買い物とか出来るでしょう?」

兄「あー分かるかも。俺は兄貴欲しかったなぁ」

妹「なんで?」

兄「友が兄貴いるんだけどさ、バイクの装備とかメンテナンスの道具、兄貴から貰えるんだよね。あれは羨ましい」

妹「兄って利己的よね?でも、そういう意味なら私は兄の恩恵あるのよね。コンサーティーナとかも元々兄の楽器だったし。こうやって色々教えてくれるし……ありがたいありがたい」

兄「…………まぁ。いろいろ覚えてよ?料理とかもさ」

妹「野菜とか切る以外なら出来るわよ!任せて!」

兄「料理なんて下ごしらえがほとんどなのに。……刃物ホントにダメなのな?」

妹「そうなのよねー。自分でも不思議なのよ。ハサミとかは平気なのよ?包丁は触ろうとするのもこわいの」

兄「……そっか。まぁ良いよ。とりあえず、今日はご飯お願いね。炊き込みご飯にするから、俺が先に材料切ってる間に米研いで欲しい」

妹「はーい!了解!がってんしょうち!」

妹「味付けはこんな感じかしら?」

兄「どれ……そうだね。美味しい美味しい。味付けはホントに上手いな」

妹「誉められた?」

兄「大賛辞よ」

妹「やったー!ありがとー!……料理するのってホントに楽しそうなのよね!私も野菜とか切れればなぁ。小さい頃から兄は良く作ってたわよねー」

兄「そうだったけ?……試しに持ってみる?」

妹「無理よ、無理。兄が持ってるの見てるのも少し怖いもの。あ、でも卵料理なら得意よ?……そう言えば卵はこの旅出てから買わないのね」

兄「そりゃ、持ち運べないだろ?少ない数買うのは高いしさ。養鶏場とか近くにあって。そこでもし1,2個の卵が買えたらその時だね」

妹「養鶏場かぁー近くにないかなぁー。兄はオムレツとか好き?私得意よ」

兄「卵料理かぁ。そうだなぁ……茶碗蒸しとか食いたいなぁ」

妹「良いわね。……蒸し器無いから難しいけど。オムライスとかスコッチエッグ」

兄「ゆで卵、卵焼き、目玉焼き」

妹「親子丼なんても良いわね~」

兄「…………腹減ったなぁ」

妹「ホント。……食べましょ食べましょう!」

妹「あー美味しかったわね」

兄「今回のヤツはお前の味付けが光ったよ。……ラー油を甘味噌と混ぜるのか。勉強になるなぁ」

妹「辞めてよ、兄から誉められるとくすぐったいわよ」

子供達「こんばんは!おねーちゃん達は恋人なの?」

兄「こんばんは。……僕たち、お兄ちゃん達はね。恋人じゃなくて兄妹なんだよ」

親「こら!……戻ってなさい!すいませんねーウチの子が。でもお二人は兄妹なんですね!?仲が良くて良いわぁ!……ほら邪魔しちゃダメよ」

子供「はーい!……妹!あっちにトンネルあったぜ?一緒に行ってみようよ!」
子供「あー!待ってー!ズルいよー!!」

妹「ホントに可愛いわね……懐かしくなっちゃう。兄は私の事を誘ってくれなかったわよねぇ」

兄「誘わなくてもお前がいつの間にかいたからね。……男子トイレに入って来たのはビックリしたなぁ」

妹「ええ!いつの事よ!?私全然覚えて無い!」

兄「小学校上がる前かなぁ?SAで俺が用足してる時に、いきなり後ろから『男の子のトイレであたしもしたい!』って声聞こえてビックリした」

妹「ええ!なにそれ?私知らないわよ?」

兄「おもむろにスカート上げようとするしさ。慌てて止めたの覚えてるよ」

妹「ちょっと辞めてよ!……恥ずかしい、なんでそんな事したのかしら?」

兄「ね。子供って不思議だよね」

妹「私そしたら楽器弾いてきて良い?」

兄「……んー良いんじゃん?シャワーの時間決まってるから、それまでには入りなよ?」

妹「はーい!……トンネルがアッチにあるのよね。音響きそうで楽しみだわ」

兄「…………」

兄「……さて。明日の準備するか」


~♪~♪~

子供達「……おねーちゃん!すごーい!アンパンマンやってー!」

~♪~♪~


兄「トンネルは響くなぁ……てかそうか。客がいるところに弾きに行ったわけね」

~♪~♪~

子供達「~♪そうだ!恐れないんだ!生きる喜び!!♪~」

~♪~♪~



兄「…………」

妹「あー!楽しかった!今のプリキュアってたくさんいるのね!ビックリしちゃった!」

兄「子どもと遊んできたの?」

妹「そうよー!アニメソング教えてもらっちゃった!……ふふ、あの子達。特に妹ちゃんが私達が兄妹って言うの信じてないのよ?『ホントは恋人なんでしょ?』って。可愛いわよねぇー」

兄「……そう?けっこういろんな人に言われるね。『兄』『妹』ってTシャツ探して、それ着てようか?」

妹「却下です!断固拒否!……だいたいそんなTシャツ売ってないわよ!あっても絶対着ないからね!……恥ずかしい」

子達「……あ!おねーちゃん!さっきはありがとー!」

妹「はーい!こちらこそありがとー!とっても楽しかったわ!」

子妹「……ねぇ、おねーちゃん。お兄さんと二人は一緒に寝るの?」

妹「ええ?そうよ?どうして?」

子妹「やっぱりラブラブなんだね!ウチのお父さんとお母さんもそうなの!」

妹「え!ちょっと!!」

子兄「なんだってー!?」
子妹「ラブラブだって!」

妹「//////」

兄「……ほらね、Tシャツいるでしょ?」

妹「…………ひらがなで書いてるやつ、探さないとね」

◆◆テント◆◆
兄「あれ?なんかそっち寄りすぎてない?もっとコッチ余裕有るから、使って良いよ?」

妹「良いわよ。だいじょうぶだいじょうぶ」
妹(意識しちゃうとなんかダメ。……もう、こんなじゃなかったじゃない、私)

兄「明日……明後日で静岡県終わりかなぁ?なんかいよいよ実感無くなってきた」

妹「……実感って?」

兄「非日常だったけどさ、これが日常になりつつあると言うか。妹とテントで一緒に寝るのも、最初は違和感あったけどさ。今は別に何ともないしね」

妹「え?……最初は兄、ドキドキしてたの?」

兄「ドキドキというか窮屈と言うか。今までテントは一人だけだったからさ。二人用テントでも二人は狭いんだなって。妹も寝言言うし、寝返りでコッチ来たり寝相悪いし……いて」

妹「私、そんなに寝相悪くないわよ!」

兄「お前、寝袋に入ったままの足で蹴るなよ。器用と言うかなんというか」

妹「ばかばかばか!嫌い!」

兄「ホントの事だもん」

妹「ばかばかばか!」

◆◆◆◆◆◆

兄『……~~~~』

先生『兄くん。息をただ吹くんじゃなくて、角度とか細さとかを変えるのよ』

兄『……角度。~~~~♪~』

先生『そう!やっぱり兄くん!フルートでも上手よ!やっぱりあなたは音楽やるべきなのよ!』

兄『ありがとーございます。……先生?この間の発表会の人みたいに僕も吹けるようになる?』

先生『ふふふ、もちろんよ!やっぱり発表会に行って正解だったかしら』

妹『……ふー!ふー!ふー!』

先生『妹ちゃんはフルートもめちゃめちゃね。でも楽しそう』

妹『……ふー!ふー!ふー!~~♪~♪~~~あ!音出た!!』

先生『あら!大きい音!先生ビックリしちゃった!』

妹『大きい音ダメ?』

先生『ダメじゃ無いわよ!素敵な事なんだから!…………ふふふ、二人とも一緒に音楽続けてたらきっととっても上手になるわね…………さあ!もう一度やってみましょう!』

兄『~~~♪~♪~~~♪~』

妹『ふー!ふー!ふー!ふー!……あれぇ?』

兄『~♪~♪~♪~』

先生『兄くんは上達するの早いわねぇ。先生楽できて助かっちゃう』

妹『~♪ー~♪==≠♪~♪』

先生『妹ちゃん?それは何の曲?』

妹『お母さんと一緒の曲!』

先生『あら聞いただけで分かるの?凄いわね!先生ビックリ!……でも、今は練習のお時間よ?兄くんと一緒にドレミファ練習しましょう!』

妹『へへへー凄い?はーい!お兄ちゃーん!一緒にやろー!』

兄『お前邪魔するんだもん』

妹『邪魔しないもん!』

先生『はーい!仲良くねー!。そしたら先生と一緒にドレミファの音階練習しましょうね?いち、に、さん、はい!』

兄・妹『~♪~♪~♪~♪~♪~』

◆◆寸又挟◆◆
妹「ohh……」

兄「なにそれ、凄く良い発音」

妹「あれ渡るの?凄い揺れてるけど」

兄「つり橋だからね。……いや、でも凄い絶景だよ。来て良かった」

妹「眺めは良いのよ、眺めは」

妹(……昨日鉄の橋で、兄に手を繋いで貰っただけで凄いドキドキしたのに、こんな橋渡るなんて持たないわよ)

兄「けっこう早くに来たのに並んでるのが凄いね。みんなどこ泊まってるんだろう?」

妹「……そうねー」

妹(もういやよ!決心したばかりなのに。こんな所なんて、昨日の事を期待してドキドキしちゃうじゃない。……期待?なに考えてるのよ、私!)

兄「妹ー?」

妹「なに!?」

兄「怖いなら辞めとく?俺だけ行ってくるよ」

妹「……いや、一緒に行きたい!」

妹「……もう大丈夫。……心の準備は出来てる。……先制攻撃すれば良いのよ」

兄「何ぶつぶつ言ってるの?」

妹「乙女のたしなみよ。……兄お願い!手繋いで渡って!」

兄「あぁ、別に良いよ。けっこう揺れるみたいだし」ギュ

妹(昨日は兄が急にだったから異常にドキドキしたのよ!……私からお願いすれば別に何ともないことじゃない!)

兄「おお、けっこう高い……てか思った以上に揺れる揺れる」ユラユラ

妹「ゆっくりそーっと歩けば良いのよ……一緒に足だしてね?」ユラユラ

兄「んな恐る恐るじゃなくても」

妹「だって。……兄は良く手刷りに捕まらないで平気ね?」

兄「まぁ多少怖いよ?ただそこまでかなぁ?」

兄「高さどのくらいだろ?妹、下見てみなよ」

妹「辞めて!もう歩くのだけで必死よ!」

兄「せっかく来たのに勿体ない。川の水がエメラルドグリーンというか、凄く綺麗な色だよ。……景色が映えるなぁ」


中学生「おーい!走って渡ろうぜ!!」グラグラ
中学生「すげー!めちゃめちゃ揺れる!!」グラグラ

妹「きゃあ!!」ダキツキ

兄「おっと、大丈夫か?」ダキ

妹(…………あ。……兄の胸、近い………………凄くガッチリしてる。……兄の手が私の肩に……凄く熱い…………兄、やっぱり私より背が高いのよね…………知らなかった…………兄の香りも……)


兄「おーい!悪いけどこの子高い所怖いんだよー!ちょっと揺らさないでねー!」

中学生「やべー、怒られたぜ」
中学生「すいませーん!……お前がバカするからだよ!」

兄「大丈夫?」

妹「うん、平気。…………高い所の怖さなんてすっかり忘れてたわよ」

兄「え?なんて?」

妹「え!あぁ、コッチの話!……それよりは渡ってコッチからだと落ち着いて見れるわね!……あの橋渡って来たよね」

兄「なんか並んだわりには一瞬だったけどね」

妹「……私は凄く長く感じたわよ」

妹(……今思えば兄に抱き付くなんて初めてじゃない、私。)

兄「これからちょっと歩くけど、もっとベンチで休む?」

妹「え?良いわよ、大丈夫大丈夫!」

兄「だってお前。座ってるのに膝笑ってるよ?」

妹「え!……あれ?なんで?……ホント、おかしいわね」

兄「悪かったね。これから高い所ちょっと辞めとこうか?」

妹「違うの!これは……そういうのじゃないからホントに平気!」

『あに』『いもうと』Tシャツはシュールだな

>>341
『あね』『おとうと』『ポチ』がセットでなんと1000円!(笑)

◆◆バイク◆◆
妹「あー気持ちいいー。森の中で走るのが一番ね!」

兄「ホントに大丈夫か?あんなにガクガクしてたのに」

妹「だから!……あれはちょっと違うのよ…………それよりこれから浜松ね!私凄く楽しみだったの!」

兄「楽器博物館ね。……ヤマハの工場見学とか出来たら良かったけど、飛び入り出来ないからなぁ」

妹「ピアノ工場ね。また今度かしら」

兄「いや、バイクの方」

妹「えぇ!ヤマハってバイクも作ってるの!?知らなかったわ!」

兄「バイクはけっこう有名だと思うけどなぁ?……ちなみに、この間箱根で友とか俺が乗ってたバイクはヤマハのバイクだよ」

妹「ええー!知らなかったわ!言ってよ!私も乗りたかったのにー!」

兄「なんでだよ。……けっこうヤマハのバイクは案パイと言うか無難な感じなんだよね。可もなく不可もなくちょうど良い」

妹「楽器もそうよね!ヤマハの楽器は悪くないのよ!高校で進められるのも分からなくないわ!」

兄「ちょっと、自分の好みとか入ってくると別のメーカーになるけどね。ただ何と無く買うには一番無難」

妹「でも先生は、ヤマハのオーダーメイドは世界一だって言ってたわよ。量産品もそこそこだけど。バイクでも楽器でも有名なんて凄いわね!」

◆◆楽器博物館◆◆
妹「なーんだ、楽器展示してるだけで演奏出来ないのね。つまんないの」

兄「俺は見てるだけでも面白いけどね。……ディジュリドゥ?凄い名前。どんな音するんだろ?」

妹「なんか民俗楽器が多いのねー。……ちょっと怖いかも。見てみて」

兄「これは。……夢に出てきそう」

妹「目が凄いわよね。目力が圧倒的よ」

兄「プリクラ顔負けだね。どこの国の楽器だか分からないけど、デカ目が良しとされてたのかな?」

妹「最近のプリクラもちょっとやり過ぎよね?もっと進化したらこんな感じになったりして」

兄「あり得なくなさそうだから、言葉に困るなぁ」

妹「けっこう打楽器と、弦楽器、笛が多いのね。……知らない楽器ばっかり」

兄「サックバット?へぇートロンボーンって原始的な楽器かと思ってたけど、ちゃんと進化してるんだね」

妹「……兄。見てみて、昔のフルート。吹いて見たいなぁ……どんな音するんだろう?」

兄「…………ホントだ、良く残ってたね。……このヘッドフォンで聴けるよ?ホレ」

妹「聞きたい!私先で良いの?」

兄「時間なくなるから一緒に聞こうよ。俺は聞き耳左だからコッチ。反対側使って」

妹「はーい…………え、あれ?」ドキドキ
妹(ちょっと近い……あ、兄の香りがまた…………あれ?おかしい?……今まで普通にやってたのに。…………私なんか変、なんでドキドキするの)

兄「少し荒いというか繊細じゃない気がする」

妹「え!何が!!?」

兄「このフルートの音。キィの密着度とか隙間の問題?それとも菅とか構造の問題?」

妹(兄。……まつげ長いなぁ…………私よりもしかして長いかしら。…………メガネボロボロ。……高校から同じメガネだったかしら…………)

兄「おしまいかぁ。…………妹?もうとっくに終わってるよ?」

妹「え!……あれ?…………いつの間に!もう一回!もう一回!」

兄「何の為に聞いたんだよ。次行くよ次」

妹「ちょっと、ええー!もう一回!お願い!!」

妹(なんか私変!……こんなにドキドキするなんてあり得ない!…………兄はいつもと同じなのに)

兄「ピアノかぁ。…………ヤマハのお膝元だしたくさんあるなぁ」

妹(……なんで?……いつから?…………間接キスから?)

兄「ピアノフォルテ。……へー中の構造も見れる。外見は鍵盤楽器でも中身全然違うんだね」

妹(……キス…………兄の唇……少し薄い…………顎に髭…………そう言えば伸びたなぁ)

兄「おーい。お前大丈夫か?なんか昨日今日でおかしいぞ?」

妹「え?なにが!?……ちっとも可笑しくないわよ?」

兄「んー?…………そうかなぁ?」

妹「それよりホラ!ピアノフォルテだって!私初めて見たわ!」

兄「それさっき俺が言ったばっかりだけど…………」

◆◆浜名湖◆◆
妹「凄くキラキラしてる!!湖の周り走れるなんて凄く素敵!!こんな道ずっと走っていたいなぁ」

兄「それは何より。……それより妹さん、浜名湖と言えば?」

妹「浜名湖?……さぁ?よく分からないわ。正解は?」

兄「まだまだ。ヒント美味しいモノ」

妹「うーん。……魚?」

兄「近いね。もうちょい」

妹「えー!分からないわよ!」

兄「正解はうなぎです。……今日は贅沢禁止令を解除しようと思います!」

妹「うなぎ!食べれるの!!やったー!日本一周して良かったー!!」

兄「ここのうなぎは日本一らしいからね。俺も食べたかったんだよ。……ちょっとテンション上がってきた」

妹「どこ行けば良いの?私の運転でうなぎのもとへ連れていってあげる!」

兄「なんかね、さっきオジサンに『うなぎ屋って看板の店はダメだ!料理屋って看板のところへ行け!』って言われたんだよね。……今検索してみたから案内するよ」

妹「わーい!なんか日本一周で一番嬉しいかもしれない!」

◆◆料理店◆◆
妹「はぁぁ。凄い、大きいし厚いのね。こんなうなぎ重初めて!」

兄「ひつまぶしも良い感じ。香りも良いね香ばしくて、食欲そそるよ」

妹「兄はなんでひつまぶしなの?」

兄「名古屋寄る予定ないからついでに


妹「あー!ズルいわよ!そう言うのは早くに言って欲しかった!」

兄「まぁまぁ。……冷めちゃうし食べよう!頂きます!」

妹「頂きまーす!……うん、美味しい!凄く柔らかい!はぁー生きてて良かったわー」

兄「大袈裟な。……でもホント。歯に当たってから、スッと噛みきれる感じ。しかも噛みきるまでの時間がとても長い」

妹「タレの甘味が白いご飯に合うのよねー。こんなの食べれるなら太ってもいいわ!」

兄「バイク重くなるからなぁ。おいていくよ……いて」

妹「冗談でしょ!乗っからないでよ!」

兄「自分で言ったんだろ」

妹「私は良いのよ!」

兄「理不尽な」

兄はいつになったら意識するのかな?
楽しみだ

妹「うなぎだけでも幸せなのに、お刺身も食べれるなんて幸せ過ぎて死んじゃうかも!」

兄「大袈裟な。……でもホントに美味しい。スーパーのうなぎなんて食べれなくなりそう」

妹「『違うの!これじゃないの!』って?分かるわー。このうなぎなら、ずっとうなぎでも気にならないわね」

兄「ずっとこのうなぎ食べれるのかぁ……いいなぁ。……あ、忘れてた出汁をかけてと。……ハイ、妹。食べて良いよ」

妹「え?……なんで?」ドキドキ

兄「?食べたいって言ってたじゃん?俺わさびたっぷり入れたいからさきに良いよ」

妹「じ、じゃあ……」 ドキドキ

妹(いつもやってたじゃない。…………なんで……なんでこんなに…………胸が苦しいの……)

◆◆竜ヶ岩洞◆◆
兄「やっぱりロマンだね。洞窟とか鍾乳石ってのは。自然にこんな風になるんだもんなぁ」

妹「ツララみたいな石。ツルツルしててなんか綺麗ね」

兄「長い時間をかけて、水に溶けてた石灰とかが再凝固したんだよ」

妹「それは何と無く分かるわ。……クラシックの楽譜と一緒ね。凄い昔からの曲が当たり前みたいに目の前有るけど、今私が見れるまでとてつもない時間が建ってるのよね」

兄「もしかしたらそれ以上の時間かもしれないしね。何百年、何千年の時間の一瞬が今なんだよね」

妹「もう百年したら床まで届くかしら?」

兄「どうだろう?そこまでいかないかもよ」

妹「へー。……凄いなぁ。…………そんなに多くの時間を過ごしてきて、これからもここにあり続けるのね」

兄「かもね…………さ、まだ奥に行けるみたいだよ。行こうよ」

妹「天井低い……いたい!」

兄「言ってるそばから、気を付けてね」

妹「ライトアップしてくれてるから幻想的よね。こういうの好きだなぁ」

兄「LED様々だよね。電気代安いしさ」

妹「もう、そういうことじゃないのよ。……きゃあ!」ツルッ

兄「あ!……ぶないなぁ。ちゃんと足元見て歩く。滑るからね?」ガチ

妹「ごめん。……ありがとう」ドキドキ

妹(……なんか…………兄に触られた所が熱い。…………と言うか、兄の手が冷たかった…………鍾乳洞の中、寒いのかな…………)

兄「お前、昨日からおかしくないか?」

妹「え!?私?至って普通よ!」

兄「ふーん………」

妹「大丈夫だって!あ、ホラ!見てみて!洞窟の中なのに滝があるわよ!!」

妹「外!ひゃー!まぶしいわね!」

兄「本当だ、太陽の光は凄いな」

妹「あー洞窟の中動き回ってたら、汗かいちゃった!あ、冷凍ミカンだって!食べて良い?」

兄「良いけど。……鍾乳洞で汗?」

妹「わーい!……ひゃー冷たくて気持ちいいわ!兄も食べる?」

兄「……うん食べたいけど」

妹「こう言うのが一番良いわよねー!アイスとかも良いけど、さっぱりしてる甘味と言うか、自然の味というか――」

兄「……妹。ちょっとごめん」

妹「え?なに…………え!!」オデコピタッ

妹(兄!……の顔!ちょっと……近い!辞めてよ…………またドキドキしちゃうじゃない。…………でも、兄のおでこ。…………凄く気持ちいい…………)

兄「…………いつから?」

妹「え?」

兄「熱。いつからあったの」


妹「…………え?」

◆◆天竜スーパー林道◆◆
ブロロロ……トコトコトコ……
兄「……あほ妹。ちゃんとカッパ着てる?寝袋くるまってる?」

妹「……はい、温かくしております」

兄「せっかくネカフェで休息しようって言ったのに、夜通しマンガ読むバカ何処にいるんだよ」

妹「……はい、ここにおります」

兄「自分でちょっと疲れたかもって言ったでしょ?バイクは運転してるだけで風が身体に当たって、体力奪われるんだよ。知らず知らずのウチに疲れなんて溜まるんだから」

妹「……おっしゃる通りでございます」

兄「昨日からおかしいと思ったんだよ。挙動不審というか、テンション別の回路に繋がってるというか……思えば公園でおばちゃんと楽器弾いてた時からちょっとハイだったよね?」

妹「……そうかも知れません」

兄「……もういいけどさ。身体に風当たらないようにね。サイドカーの中に肩入れて、景色とか見るんじゃないよ。寝てなくても良いから目を瞑って休みなさい」

妹「……はーい」

妹(……私ってホント、バカ。…………ドキドキしてたのは、脈が上がってたからなのね。…………兄のこと変に意識しちゃってたのはそのせいなのね…………一人で勘違いして…………迷惑かけて…………)

◆◆天竜にて◆◆
兄「管理者に連絡ついたよ。この山小屋使って良いってさ。今晩ここで休んで、ダメそうなら宿探してそこで休ませて貰おう」

妹「……ごめんね」

兄「良いから寝とけ。……寒くない?」

妹「うう、大丈夫です……」

兄「……頼むよ。もう二人の旅なんだから、どっちか倒れたらアウトなんだから。無理なら無理、ちょっとでも身体に異変が言ったら直ぐに申告する」

妹「はい。……本当にごめんね」

兄「もういいよ。気付かなかった俺も悪いしね。……そしたらご飯作ってくるからね。ちゃんと寝てなさい」

妹「はーい……お粥、卵入れてほしい」

兄「バカ」

妹「……」

妹(兄優しいなぁ。……私ってバカだなぁ。……なんだ、今までドキドキしてたのは勘違いか。…………そうよね。今まで抑えれてたんだもん…………今さら抑えきれないなんてないわよね)

兄「ご飯出来たよー。……妹?」

妹「……スヤスヤ」

兄「寝てるか……そりゃ今まで楽器しかやってなかったんだもんな。疲れて当然か」

兄「……俺も高校で楽器辞めて無かったら、こうなってたのかな」

兄「こんな風にバイクに乗るなんて中学生の時の俺じゃ考えてなかったしな」

妹「……スヤスヤ」

兄「…………」

兄「妹。…………悪いね。この旅が終わるまでだから」

兄「この旅が終わったら……俺は…………」

◆◆◆◆◆◆
兄『……先生、すいませんでした。いろいろお世話になりました』

先生『良いのよ、自分自身の問題なんだから。…………一度離れてみるのも悪くないと思うわよ』

兄『はい……』

先生『それにね、離れるからってそれが無駄にはならないわ。いろんな経験をして、それがあなた自身を作って。きっと今より良い自分になれるはずよ』

兄『そう……だと良いですね』

先生『兄くんは才能はあるの。私が補償します。……大切なのは自分の音楽を好きになること。そして自分自身を』

兄『…………』

先生『比べる必要なんて無いって事に気付けたら。……また音楽をやりたいと思ったらいつでもいらっしゃいね。私はいつでもあなたを待ってるから』

兄『……はい、ありがとうございます』

◆◆◆◆◆◆
妹「……う…………ん」

妹「……あ、そうか。私熱だして」

妹「…………」

妹「……あ、兄の寝袋。私にかけてくれたんだ」

妹「…………」

妹「…………」ピト

妹「熱、下がったかしら?……あ、お粥作ってくれてる」

妹「…………温かい。あ、卵も入ってる。どうしたんだろ」

妹「……ありがとう、頂きます」フーフー

妹「……美味しい」

妹「……ダメだなぁ。足手まといになっちゃうなぁ」

妹「…………」

妹「…………兄。どこかしら?」

コポコポコポ…………
兄「…………」カチャカチャ

妹「……兄?」

兄「んー?起きた?……お粥作って有るんだけど」

妹「食べたわ、ありがとう。……卵なんてどうしたの?」

兄「フリーズドライのスープのやつだよ。……ちゃんと寝てなって、体冷やすよ?」

妹「直ぐ戻るわ。……いろいろありがとう」

兄「いえいえ、早く元気になってなってくれればそれで」

妹「迷惑かけちゃった?」

兄「だと思うなら早く治しなさい。それが何より俺は助かるよ」

妹「…………」ツカツカ

兄「…………」

妹「…………」ウシロダキツキ

兄「……どうした?」

妹「……熱のせいかも」ギュ……

兄「あほ。早くねろ」

妹「……なんか甘えたくて。……兄、私ね」

兄「うん。なに?」

妹「兄とこうやって旅してて幸せよ。一緒にいろんな事が出来て凄く楽しい」

兄「そう?なら良かったよ」

妹「兄って私に優しくしてくれるでしょ。そういう時、本当に大好きだなぁ……って心から思うの」

兄「そう。ありがとう」

妹「…………」

兄「……ココアでも飲む?今お湯沸かしてるから」

妹「……いい。もうちょっとこのままで居させて」

兄「……妹」

妹「……なに?」ギュ

兄「上見てみなよ」

妹「上?…………うわぁ!」

兄「三浦でも見たけど、ここの星空も凄く綺麗でしょ?」

妹「うん。……凄く綺麗。あの時より星がたくさん見えるわ…………」

兄「この間教えた乙女座のスピカは覚えてる?うしかい座のアークトゥルスと北斗七星を繋いで春の大曲線」

妹「……うん、何と無くね」

兄「スピカとアークトゥルス。そのちょうど斜め上に少し小さい星、あれが獅子座のデネボラ。この三つを結ぶと春の大三角形」

妹「……あれね。控えめな光可愛らしい星ね。でも綺麗。…………ピアニシモで遠くまで届くフルートの音色みたい」

兄「……そうかも……ね」

兄「スピカとデネボラの間に大きな星があるでしょ?あれが木星。太陽系の第五惑星」

妹「あんなに大きく見えるの!……知らなかった。肉眼でも見えるのね。……ホルストの惑星を思い出すわ」

兄「ホルストの惑星の作曲時期は日本で日露戦争が終わった頃なんだよね」

妹「そうなの!けっこう最近なのね!知らなかったわ……」

兄「……ホルスト自身は占いの星として惑星をモチーフにしてるらしいけどね。……その頃はもう望遠鏡も凄く発達してたから、もしかしたら望遠鏡で見たことあるかなぁとか。いろいろ考えるのが俺は楽しいんだ」

妹「そう。……そうね、あの星を私達と同じように見ながら、あの曲を作ったのかしらね」

兄「…………今、俺がこうやって話した事は、中学生の俺は知らないこと。……こうやっていろいろ知らないこと知って、今の自分より良い自分になりたいんだ」

妹「……うん」

兄「その為にはちゃんと日本一周全うしたい。……もし妹に倒れて、今みたいに大したこと無かったら良いけど。入院しなきゃいけなかったりすると、旅が終わっちゃうでしょ?」

妹「…………」

兄「……だから妹には本当に無理しないでほしい。一緒に最後まで旅を続けたいから」

妹「……分かったわ。変に感じたら直ぐ言うわ」

兄「……本当に?」

妹「約束よ。……兄も無理しないでね。一緒に旅を続けるんでしょ?私だけじゃなくて兄も一緒よ?」

兄「……分かった」

妹「兄がもし倒れたら、私がしっかり看病するわね」

兄「それはなぁ……避けたい所だけど」

妹「ばか。……もう寝るわね。明日元気で旅が出来るように」

兄「あぁ。しっかり休めてくれよ?」

妹「……ありがと。お休みなさい!兄も早く寝てね!」

兄「おやすみ。……また明日」

◆◆◆◆◆◆

◆◆朝◆◆
妹「おはよー!兄、調子はいかが?」

兄「おはよ、俺は変わりないよ。……その様子を見てると、治ったみたいただね?」

妹「ばっちし!身体の鉛が溶けて無くなったみたいよ!」

兄「熱は……どれ?」ピト

妹「ふふふ!どうかしら?」

兄「……無いね。大丈夫そう」

妹「わーい!これでどこでも行けるわよ!!」

兄「……元気なのは良いけど、ちょっと静かにね」

兄「妹も治ったし、静岡県もおしまいかぁ」

妹「次は愛知県ね!名古屋、ういろう、味噌煮込み!」

兄「食べ物ばっかり……まぁいいか、そしたら行こうか」

妹「はーい!出発!!……ホラ!兄早く早く!」ギュ

兄「おい、手を引っ張るなって。転ぶ転ぶ」ギュ

妹「怪我しちゃダメだからねー!」

妹(熱のせいでドキドキしてたのね。……ちょっと残念というか、勿体ないかも)

妹(兄と二人で旅するため、良い妹でいるためにもこの気持ちは秘密にしないとなのよね)

妹(私だけの想いを。心に閉まって。……それが良い私になりますように。良い旅になりますように)……ドキ……ドキ

◆◆静岡県編 終わり◆◆

良い。実に良い。

>>349
そうですよねぇ。兄はどうやったら意識してくれるでしょうか?(笑)
>>366
ありがとーございます!
誉められると素直に嬉しいです!!(笑)

日本一周 愛知県
◆◆茶臼山にて◆◆
妹「またロープウェイ!?もー!バイクで登れるようにしなさいよね!」

兄「ここは冬はスキー場なんだからアスファルトの道なんかつけられる訳ないだろ?」

妹「……兄はわざと高いところ連れてきてない?静岡からずっと高いところばかりだった気がする」

兄「まさか。行きたいところが山が多いだけだよ。前から来たいなと思ってて、たまたま芝桜のシーズンっていうからさ。」

妹「芝桜なんて秩父で見れるのに」

兄「そういうこと言わない。……どうする、行くか残るか」

妹「……もちろん、行くわよ」

兄「……妹ってさ、けっこうマゾだよね?わざわざ嫌なところ行くなんて」

妹「違うわよ!普通よ、普通!ニュートラルよ!!一人でボーッと残っているのが嫌なの!」

兄「そうかなぁ?」

兄「おー。……妹後ろ見てみなよ。凄いよ」

妹「辞めてよー、ホントに辞めて。と言うかあんまりぐらぐらさせないで」

兄「やっぱりリフトって高いよね。……落ちたらどうなるかなぁ」

妹「あーもう!ばかばかばか!」

兄「おっと。揺れる揺れる」

妹「……このリフト長くない?」

兄「見なよ、まだ半分も行ってないよ?」

妹「最低……。もう浮遊感というか地に足が付いてないのがホントに怖い」

兄「死んでお化けになったらお前はやっていけないね」

妹「お化けって浮いていないといけないのかしら?……それだったら成仏出来なくてもいいわ。ずっと地縛霊で私はいる」

兄「お前の地縛霊かぁ……怖や怖や」

妹「……まだー?着かない?」

兄「ゴール見えないなぁ……ん?妹、ちょっと見てよ」

妹「……空が青いわよー」

兄「今度はホントに。芝桜見えたよ」

妹「嫌ぁ。……あー!ホントね!ハートになってる!可愛いー!」

兄「凄いよね、毎年植え替えてるんだって」

妹「えー凄い!けっこう広いわよ?」

兄「ね。多分土なんかも替えないと行けないだろうし、ここまで運ぶのも大変だろうし」

妹「ねぇ?こんな高いところま……で…………高いわよね。やっぱり怖いー!」

兄「なんだよ。今大丈夫だったのに」

妹「高いの想像するとダメなのー!」

妹「きゃー!凄い、綺麗よー!ちっちゃくて可愛い!」

兄「さっきまでフラフラだったくせに。……でも良いね。冬場はここでスキーしてるなんて信じられないよ」

妹「ホントね!雪もたくさん降るのかなー?雪が積もってもこの子達は生きるのね」

兄「いや、だから植え替えてたじゃない。毎年変えるんだと思うよ?」

妹「えー!そんなに手間な事やってるの!ここまで運ぶのも大変じゃない?」

兄「だからさっき。……もういいや」

妹「何がよ?」

兄「お前は凄いなって再認識してたの」

妹「そう?誉められると悪い気はしないわね」

兄「……ホント尊敬するよ」

◆◆バイク◆◆
ブロロロ……トコトコトコ……
妹「下り坂って怖いのね。兄、良く今まで平然と運転してたわね」

兄「あほ、俺だって必死よ」

妹「そうかしら?何事も無いような感じだったけど。……スピードが凄く出ちゃうけど、ブレーキあんまりかけすぎ無い方が良いんでしょ?」

兄「だね。ギアlowまで下げても良いよ?ゆっくりで良いからさ」

妹「あんまりゆっくり過ぎても怖い感じするのよ……バイク用のエレベーターのか山に作ってくれないかしらね」

兄「また、無茶苦茶なことを……あ!そこ石有るよ、避けて」

妹「おっとっと。……下りの山道は怖いわ。しばらくは兄に譲るわよ」

兄「ハイハイ、登りはそしたら頼むよ。……景色の良いところは俺も運転したいけど」

妹「はーい!……よっ!木の枝じゃまねー」

兄「文句言わない、ガンガン行こう」

◆◆油谷温泉◆◆
妹「ええ!足湯だけなの?せっかくなんだから温泉に入りたいわよ!」

兄「時間がなぁ。夕方ならそうしてたけど、午前中に風呂入ると午後眠くなるよ?」

妹「目の前に有るのにー」

兄「足湯も気持ちいいでしょ?」

妹「足湯じゃ物足りないわよ!温泉入りたいー!……あら?」

中学生「こんにちは!お姉さん、お兄さん。私達も足湯浸かっていい?」

妹「あら、こんにちは。良いわよもちろん!一緒に入りましょう!足湯だけでも気持ち良いわよ!」

兄「……さっき言ってたことと違う」

中学生「お姉さん達はどこからきたの?」

妹「私達は埼玉県から来たのよ」

中学生「ええ!凄い遠いところから!なんでここに来たの?あと、どうやって来たの?車?」

妹「ここの場所教えてくれた人がいるの。それで行ってみようか?って来たのよ」

兄「交通手段はバイクだよ。サイドカーで二人で運転しながらさ」

中学生「ええー!カッコいい!!すごーい!なんか楽しそう!」

妹「楽しいわよ!でもとーっても疲れるわよー」

中学生「でも、なんか憧れるよね!」
中学生「私も大人になったらやってみたい!」

妹「……可愛いわね。無邪気で」

兄「だね。お前に見習って欲しいよ…………いて」

妹「みんなは地元の子?ここには良く来るのかしら?」

中学生「ううん、ちょっと南の町から」
中学生「課外学習?なんていうんだろ?社会科学習で来たの」

兄「そんなのあるんだ?面白そうだね」

中学生「ただ足湯入ってこの辺見て歩くだけよ?あんまり面白くないよ……ねぇ?」
中学生「そうそう!私達の町もそうだけど、この辺は過疎化が進んでるんだって」
中学生「それで、どうしたら過疎化が無くなるか考えよう!ってみんなできたの!」

兄「へぇー……」

中学生「ねぇ!埼玉県って都会?どんなところ?買い物するところたくさん有るんでしょ?」
中学生「オシャレなカフェとか!」

妹「ええ……と。どうなのかしら?」

兄「買い物するところって言ってもなぁ?……カフェは有るけど、そこまでで有名かって言われるとなぁ?」

中学生「でもでもここよりも都会でしょ?」
中学生「電車は何両で来るの?」

兄「高崎線なんかは15両かな?」

中学生「15!!やっぱり都会よ!」
中学生「良いなぁー!埼玉とか関東に産まれたかったー」
中学生「絶対ここより良いよ!大人になったら関東行きたいなぁ」

妹「……そこまで良いものでもないかもしれないわよ?」

中学生「ここって買い物するにも不便だし、オシャレもあんまり出来ないし」
中学生「雑誌に載ってるブランドの服なんて売ってるところ無いよね?」

妹「そんなに関東が良いの?名古屋とか有るじゃない?」

中学生「なんか違うんだよねー?」
中学生「過疎化を防ぐって言っても何にも無いんだもん!私達だってずっとここにいたくないよ」

兄「……そう」

中学生「そんな事よりもさ!二人は付き合ってるの?」
中学生「カップル?キスとかするの!?」

妹「……え?カップルに見える?……ふふ」
兄「違う違う。カップルじゃなくて兄妹だよ」

中学生「ホントにー?嘘だー?私、弟と二人でどっか行かないよ?」
中学生「ねー!?怪しいー!」

兄「ホントに兄妹だよ。君らは恋人とかいないの?」

中学生「いないよー!ねぇ?クラスの男子はお兄さんみたいに大人っぽくないもんねー」
中学生「付き合うなら都会の人が良いなぁ!」

先生「あなた達!早くしなさい!」

妹「あら、先生呼んでるわよ?」

中学生「はーい。お姉さん達もまた着てね!」
中学生「関東行ったら案内してね!」

◆◆バイク◆◆
妹「……兄」

兄「んー、なに?」

妹「地元の過疎化とか活性化って考えた事ある?」

兄「……無いね。あの子達みたいに不満とかもそこまで無いかも」

妹「私もね。……なんか考えちゃって。中学生の時からそんな事考えなかったじゃない?私なんかホントに自分の事だけだったから、地元から離れようとか思いもしなかったわ」

兄「そんな事も言われなかったしね。……でも思うよ。日本で一括りにされるけど全然違うとおもうんだよね」

妹「箱根でも、千葉でも、静岡でも。……日本人なのに知らない物、場所とかたくさんで。……あの子達みたいな考え方も初めてだった」

兄「そう……だね。もしあの子達がここ出ていったら、今日入った足湯も温泉も無くなるかもね」

妹「やっぱり温泉入っとけば良かったかしら?……なんか寂しいわよね」

兄「価値は有るけど、需要が無かったり。お金にならなかったりしたらそうなるのかもね」

妹「……なんか嫌かも」

兄「でもしょうがないのかもね」

◆◆豊川稲荷◆◆
妹「凄い太鼓の音!」

兄「祈祷中なのかな?なんか三大稲荷の一つだって」

妹「あと二つは?」

兄「伏見稲荷と、……どこだろう?」

妹「伏見稲荷は有名よね!鳥居のところでしょ?行ってみたいのよねぇ」

兄「京都は素通りかもよ、見るところ有りすぎるし。北と南でけっこう長いし」

妹「えぇ!清水寺とか金閣寺は?」

兄「俺だって行きたいは行きたいよ。ちょっと考えようか?」

妹「抹茶アイスとか、湯葉とか、湯豆腐とか」

兄「食べ物ばっかり」

妹「キツネがたくさん!……ちょっと恐くない?目とか睨まれてるみたいてで……」

兄「同意。……もうちょいデザイン有っただろとは思うね」

妹「稲荷ってなんでキツネなのかしら?」

兄「『稲が成る』が由来で稲荷。キツネのしっぽが稲穂に似てるからとか」

妹「へぇー!知らなかった」

兄「また、仏教のダキニ神が日本のキツネみたいだからとか」

妹「え?どっちが有ってるの?」

兄「さぁね?民俗学とか社会学になるのかな?専門じゃないしさ。それに由来なんてけっこう適当だったり、ちゃんとした理由が有るものの方が少ないんじゃない?」

妹「有名なんだからちゃんと調べれば良いのにね」

兄「いつの間にか始まったってのが多いんだよ。今日からコレが流行ります!ってのが無いようにさ」

妹「始まりが分からないなんておかしくないかしら?」

兄「例えばね、妹はなんで高い所が怖いの?」

妹「……さぁ?いつからかしら。小学生で東京タワー登った時?幼稚園の滑り台だったかしら?」

兄「ホラね、そんなもんだよ」

◆◆竹島◆◆
兄「到着。……と、今日はここで最後かなぁ?」

妹「うーん!今日はなんか疲れたわねー。キャンプ場は近いの?」

兄「いや、もうちょい遠いかも」

妹「うへぇー。……今日はホントにお尻痛いのよね。このままだと日本一周終わるまでにおっきくなりそう」

兄「もともと妹の尻は――いて」バシ!

妹「それに以上は怒るわよ!ホントに兄って失礼よね!あと、私のお尻はそんなに大きくないわよ!」

兄「自分では気付かないもんだ――いていて」バシバシ!

妹「バカバカバカ!もー嫌い!」

妹「見てみて!素敵!島まで渡る橋なんてロマンチックじゃない?」

兄「まぁ、確かにね。コレがカップルでデートだったら最高のシチュエーションなんだろうなぁ」

妹「……ばか」

兄「は?なにが?」

妹「べーつーにー!でもホントに気持ちわねー!こんな所知らなかった!」

兄「ホントに着て良かったね。愛知は素通りする予定だったからなぁ」

妹「いろいろ再発見ね!」

兄「全くです」

オジサン「君たち!もしかしてサイドカーで日本一周してたりする?」

兄「え?あぁ、そうですけど」

オジサン「駐車場に停めてたW1は君たちのか!?」

妹「あら、見たのね。そうよーおじ様!私達のサイドカーよ」

オジサン「素晴らしい!!……もう竹島は見て回った?もし時間あったら少し話したいんだけど良いかな?」

妹「兄?どうする?」

兄「まぁ、もうキャンプ場行くだけだしね」

オジサン「有難う!ちょっと聞きたいだけどあのバイクどうしたの?出発した日は?どのくらいお金貯めた?あとは――」

兄「ええと、あれは知り合いのバイク屋さんから譲って貰ったというか――」

~~~~~~

~~~~~~
オジサン「いやー!何度も言うけど素晴らしい!君たちは凄いよ!その歳で良く決心した!その年齢じゃないと出来ないことだよ!いやー!私もホントはやりたかったんだ!」

兄「……はぁ。」

妹「お疲れ!……おじ様はバイクに乗っていたのかしら?凄く詳しいみたいだったけど」

オジサン「まさか!私達の上の世代がバカをやったお陰でね、三無い運動なんて言うのが流行ってしまって。私の世代でバイク乗るのは少し覚悟が必要だったんたよ!」

妹「三無い運動?」

兄「確か免許を取らせない。バイクを買わせない。運転させない……だったかな?」

オジサン「そう!私は今でも、あれはトヨタの陰謀だと見てるけどね。バイクが流行って都合の悪いのは車だからね」

妹「あら?愛知の人なのにトヨタの悪口言っても良いのかしら」

オジサン「表現の自由と言うものがあるからね。それに私ごときがこんなところで何を言っても影響は無いさ!」

兄「まぁ確かにそうですね」

オジサン「いや、でもホントに羨ましいよ。君たちみたいに旅がしてみたかった。知らなかった所、知らなかった人。初めてをたくさん味わえるなんてね」

妹「今からでも旅行に行けば良いのよ!それこそ奥さんと二人でね」

オジサン「妻と二人は勘弁してくれ。非日常が日常になったら意味が無いんだ!……それにね、感受性にも衰えと言うものが有るのさ」

兄「感受性の衰え?そんなのあるんですか?」

オジサン「個人差はもちろんあると思うよ?でも私は若い時に初めて見るもの、歳をとってから初めて見るもの。圧倒的に若い時に見たもの方が感動するんだよ」

妹「そう?子どもの時に見ても分からなかったけど、今になったらって言うのもあるんじゃないかしか?」

オジサン「それは知識に過ぎないよ。感動とは頭で考えるモノじゃないんだ。……歳いくとそんな思いも薄れて来るからね。それも知らないウチにさ」

兄「それは……少し怖いですね」

オジサン「だろう?だから今日は年甲斐にも無く感動と言うか、興奮させて貰ったよ!有難うな!オジサンの分まで頑張ってくれよ!」

◆◆テント前◆◆
妹「~♪~♪~」

兄「…………」グビグビ

妹「……兄、お酒って美味しい?」~♪~♪

兄「まぁね」

妹「どんな味がするの?」

兄「お酒によってまちまち。米の味が強いやつ。澄んだ水の味のやつ。甘い、辛い、渋いとかね」

妹「ふーん」~♪~♪

兄「飲む?」

妹「ダメよ、まだ二十歳じゃないもの。決まりを守らないのはフェアじゃないわ」

兄「そうかー?部活のみんな納会とかで飲んでたよ?」

妹「兄は飲んでたの?」

兄「飲まなかったね。てかそもそも俺はバイクだから飲めなかったと言うのが正しいかも」

妹「ほら、だったらダメよ。……フェアじゃないわ」

なんだろ、この「フェアじゃないわ」っての決まり文句みたいによく口にしてたキャラが居たような…乙。

>>407
ちょっと身に覚えが無いです。
……既出だったらパクろうと思った訳ではないです。ええ、ホントに(笑)

妹「~♪~♪~……今日ね。足湯の中学生の子達とか、竹島のオジサン見てて思ったの。可哀想だなって」

兄「それは蔑み?」

妹「まさか、違うわよ。……生まれる場所とか時代とか自分では選べ無いしゃない?それで自分の夢とか、やりたいこと左右されるなんて可哀想だなって思ったの」

兄「そう……かな?」

妹「だってそうじゃない?もし足湯の子達が東京に生まれてたら、夢とか変わってるわよ。東京に行きたいなんて思わない訳じゃない?」

兄「それはまぁね。……俺もわざわざ東京行きたい事なんて、秋葉原行って電解コンデンサ買うぐらいかな?じゃなかったら東京行きたいなんて、常に思わないかもね」

妹「でしょ。それって私達は労せずと言うか、東京までのアクセスが良いからでしょう?……もしあの子達が関東に生まれてたら、どんな夢を持って生きてたのかな?って思ってたの」

兄「言わんとすることは把握。……ただ、しょうがないんじゃない?俺だって『北海道生まれてたらツーリング三昧だったなぁ』って考えるし。絶対今の自分の環境に満足してる人間なんかいないよ」

妹「そうかのかしら。……今の自分の環境がちょっとでも変わってたら、どんな自分になってたかしらね」

兄「違う環境に生まれたいと思ったことあるの?」

妹「……それは、ね。環境と言うか立場というかね。今の自分の環境じゃ無かったら絶対こうしてたのに……なんてよく考えるわ」

兄「……ふーん。まぁ、俺もかな。――きっと誰でもそうなんだよ。東京に生まれたヤツだってさ何か不満に重くかもしれないよな」

兄「俺は可哀想とは思わないよ。生まれた土地、容姿いろいろ自分じゃどうしようも無いことってたくさんあるけど『しょうがない』んだよ」

妹「しょうがない……のかな?」

兄「何か文句を言って変われば良いけどさ、変わらないだろ?そんなの……諦めるしか無いと思う」

妹「諦めたく無いものだって有るかもしれないわよ」

兄「……それでもしょうがないんだよ。届かないものをずっと憧れてるんだ
ったらさ。……スッパリ諦めて別のものを目指した方が良いよ」

妹「……私は嫌。諦めたく無いものだったら何とかしたい!」

兄「……何とかならないものだったら?」

妹「……それでもよ」

兄「……そんなのカッコ悪いじゃん。例えばね、モデルじゃないのに、モデルみたいに服装意識して、でもやっぱりどこか中途半端とかに成るぐらいならさ。モデルはモデル。一般人は一般人」

妹「……嫌よ」

兄「妹が何を諦めたく無いのか知らないけどさ。叶う可能性があるなら頑張るべき。でももうどうしようもないなら、それはそれ。妹は妹」

妹「妹は妹……なのかな」

妹「……やっぱり世の中って理不尽よね。フェアじゃないわよ」

兄「……多分誰も思ってるよ、理不尽だって。だからこそフェアなんだよ」

妹「……兄は理不尽だと思う事。フェアじゃないって思う事あるの?」

兄「…………まぁ……いろいろだよ」

妹「いろいろって何よ?私に言えない事?」

兄「いろいろはいろいろだよ。逆に妹が理不尽に思う事ってなんだよ?」

妹「…………いろいろよ」

兄「ホラ、一言で言えないだろ?――俺、ちょっとコンビニにビール買ってくる。火はそのままにして、先に寝てても良いよ」スタスタスタ

妹「はーい。気を付けてねー」

妹「…………ばか、言える訳無いじゃない」

妹「あなたが好きだから。……妹何かに生まれたく無かったなんて」

~~~~~

兄「…………」スタスタ

兄「……理不尽な事なんて諦めるしか無い」

兄「諦めたんだ。……今さら言える訳無いだろ」

『変だよー!妹ちゃん、兄の事同じ学年なのに「お兄ちゃん」って呼ぶのー!』

妹『変じゃないもん!お兄ちゃんはあたしのお兄ちゃんだもん!』

『変だよー!だって隣のクラスの双子は名前で呼び会うぜ?お兄ちゃん!だなんてぶらこんだーぶらこん!』

妹『違うもん!変じゃないよ!』

『お兄ちゃんの事好きなんだよ!』
『やーい!ぶらこん!ぶらこん!』

妹『辞めてよ!…………うわぁーん!』

先生『こら!また妹ちゃん虐めてるの!辞めなさい!……あ、待ちなさい!!もう……妹ちゃんも、泣かないの!』

妹『……先生。うっ……うっ……。あたし、変じゃないもん……』

先生『そうよー?兄くんは妹ちゃんのお兄ちゃんだもんねー……ただね?同じ学年にいるって言うのはちょっと珍しい事なのよ?』

妹『変なの事なの?』

先生『いいえ、そんな事ないわよ。……あの子達も知らない事だから、どうして良いか分からないのよ』

妹『……ぶらこんって』

先生『兄弟のことを好きな事よ』

妹『お兄ちゃんの事好きじゃ駄目なの?』

先生『全然!ちーっとも駄目じゃないわよ?二人とも仲良くて、いい兄妹で先生羨ましいしいわよ』

妹『……ただいま』

兄『おかえり。……なんだ?お前また虐められたの?』

妹『……違うもん』

兄『全く……じゃあ、なんで泣いてるの?』

妹『…………』

兄『誰?誰に泣かされたの?』

妹『……くんと……くん』

兄『ばーか、相手にするからだよ…………僕、遊びに行ってくるね』

妹『えぇー!』

兄『直ぐ帰ってくるから!帰ってきたら自転車の練習しような?』

妹『……うん』

~~~~~

妹『…………』

妹『直ぐ帰ってこないよ』

妹『お兄ちゃんのうそつき』

兄『……ただいまー』

母『お帰り…………いやだ!兄くん、どうしたの!?顔、傷だらけじゃない!』

兄『……遊んでたら転んだ』

母『嘘おっしゃい!……もうー。あなた今までそんなにしたこと無かったじゃない!』

妹『……お兄ちゃんどうしたの?』

兄『……転んだんだよ』

妹『痛い?』

兄『平気だよ、こんなの』

母『ダメよ、こっちにいらっしゃい!……もう、妹ちゃんは良く汚してくるけどあなたは良い子だったでしょ?』

兄『……ごめんなさい』

母『染みたら言いなさい……妹ちゃん薬箱取って頂戴!』

~~~
妹『え?』

『だからからかってゴメンな。それだけだよ!』
『謝ったんだから良いだろ!兄に言っとけよ!』

妹『うん……』

~~~~

妹『お兄ちゃん。……くん達が謝ってくれた』

兄『そう?良かったね』

妹『お兄ちゃんに言っとけって』

兄『分かったよ。僕も……達に謝ったし』

妹『お兄ちゃんなにしたの?』

兄『何にもしてないよ……ゴメン。またちょっと遊びに行ってくる』バタン!

妹『……行ってらっしゃい』

妹『お兄ちゃんのケガ、もしかして…………』

妹『……あたしがお兄ちゃんって呼んでるから?』

妹『呼ばなくなったら虐められないかな?』

先生『はい、そしたらみんな気をつけて帰りましょう!』

妹『(お兄ちゃんを兄って呼ぶ。お兄ちゃんを兄って呼ぶ。お兄ちゃんを兄って呼ぶ)』

兄『妹ー、家帰る?お前が帰るなら僕……達と遊ぼうと思うんだけど』

妹『私?……ちゃんと遊ぶんだけど、家で遊ぼうって言うね』

兄『ホントに?やった!――良いって!僕も一緒に行くよー』

妹『……あんまり遅くなるとお母さん心配するよ。早く帰ってね!――兄!』

兄『え!?…………うん、分かった!』

妹『じゃーねー!……ちゃん!家で遊ぼー!兄もいないって!』

妹『(呼べた!呼べた!呼べた!これで虐められないわよ!呼べた!兄って呼べた!)』

こまけえこたあいわねえよ乙。

愛知県 2日目
◆◆バイク◆◆
ブロロ……トコトコ……
妹「暑い!走ってないと足元凄い暑いわね!」

兄「W1は空冷だからね。走って無いとどうも辛いよ」

妹「空冷って?」

兄「空気の力でエンジン冷す事。エンジンでガソリンが爆発してるんだよね。だから凄く熱くなる。熱くなりすぎると良くない。だから何かで冷やす必要がある」

妹「よく分からないけど、今は風が当たって無いから冷えないってこと?」

兄「そういうこと。走ってれば何ともないんだけどね。こういう町中はキツいかも」

妹「ホントにそうね。なんかストーブを足元においてる感じがするわ」

兄「ここ抜けるまでの辛抱だよ。抜けたら郊外だからさ」

妹「ううう、これはちょっと辛いわよ。……兄、運転代わる?」

兄「それはズルいでしょ。……でもそうだね。お互いが運転したい時、しなくない時が重なったらジャンケンしよつか?」

妹「いいの?」

兄「その代わり恨みっこなしね?」

>>419
言ってもいいんだぜ?(笑)
アラ多いとは思うけど目ぇつぶってちょ。
ホントにツタナイ文章読んでもらって有難うございます!

ブロロ……トコトコ……
兄「納得できない」

妹「なによ、文句言わない約束じゃない」

兄「うーん……まぁ名古屋城周りは道ヤバいらしいから良いとするか」

妹「やばい?大変な坂でもあるの?」

兄「なんか交差点が複雑なんだって。車線も多いし、周りの車の運転も荒いらしいし。……俺は楽しみでもあるんだけど、妹はしんどいかもね」

妹「あらそうなの?運転の仕方ってそんなに代わるものかしら?」

兄「そうなんだよね。まだ千葉、神奈川、静岡だけしか行ってないから何ともだけど、そんなに変わらないような気もするよね?」

妹「ねー?良くテレビとかで言ってるけど、同じ日本人なんだからどこでもマナー良いと思うのよね」

兄「さて、実際に行ってみてどうなのか。体験しようか」

妹「それまで運転頑張ってね」

兄「……うん。…………熱いなぁ」

◆◆名古屋城◆◆
兄「エライ目にあったよ……ウィンカー無しで急に曲がって来るか?普通?」

妹「ね!本当にビックリしたわ!目の前に急に車来た時なんて体の力とか全部どっかに行っちゃったわよ!」

兄「ビックリというか、怖かったなぁ……名古屋は運転したくないね」

妹「私だって嫌よ!兄だから避けれたのかも知れないし」

兄「勘弁してくれよ……ん?」

妹「なぁに?……きゃ!」目隠し

先輩「だーれだ!」

妹「え!?なに?!え、誰ですか!!」

兄「……お久しぶりです、先輩」

先輩「こらー!兄少年!!喋ったら駄目でしょう!?」

妹「え、……もしかして中学のフルートの……?」

先輩「ぴんぽーん!正解でーす!……妹ちゃん久しぶりね!」

妹「きゃー!やっぱり!先輩!?お久しぶりです!!こんなところで会えるなんて!」ギュ!

先輩「おーよしよし!妹ちゃんは相変わらず可愛いなぁ!私も会いたかったぞー!」

先輩「4年ぶりぐらいになるのかね?いやいや、久しぶりだよまったく!妹ちゃん、兄少年!元気してたかー?」

妹「はい!ホントにこのとおり!先輩も相変わらず綺麗で羨ましいです!」

先輩「妹ちゃんが言うと嫌みに聞こえるなー?でもありがとうね!……兄少年はあんまり変わらないか?」

兄「……このとおりですね。先輩はどうして名古屋に?観光ですか?」

先輩「まさか!私、コッチの大学受けて今独り暮らししてるのよ。今日は中間試験で臨時休講の工業所があったから買い物がてら散歩に来てた訳!」

妹「大学名古屋なんですか!?しかも独り暮らし!……良いなぁ憧れちゃいますよー!」

先輩「言っても料理も何にも出来ないから部屋とかぐちゃぐちゃだけどね!……兄少年と妹ちゃんは二人で観光?」

兄「いや、実は大学を休学して今日本一周してるんです」

妹「私も私も一緒に!しかもオートバイで旅してるんですよー?」

先輩「日本一周!?しかもバイクで!!…………兄少年!たくましくなったじゃないか!先輩は嬉しいよ!」グリグリ

兄「……先輩、痛いです」

先輩「で、妹ちゃんも一緒に。……ハーン?」ニヤニヤ

妹「なんですか!?先輩!」

先輩「いやいや、なんでもないよ!……そっかー。兄少年と一緒にねぇ」

妹「もう!先輩!嫌いになりますよ!!しかも」

先輩「旅してもう半月になるの?その間寝泊まりとか生活のいろいろはどうしてるの?」

兄「基本はキャンプ場でテント張って寝てます」

妹「料理なんかも朝と晩ご飯は自炊なのかしらね」

先輩「へぇー!冷蔵庫とかもないんでしょ?食材とかはどうしてるの?」

兄「米はペットボトルに入れておけばけっこう持ちますし、野菜は切って乾かしてドライベジタブルにしてます」

先輩「それは凄い!……そういえば兄少年は何でも出来たんだったねぇ」

妹「ホントにそうなんですよ!私も手伝うんてますけど、やる前にみんな出来ちゃうんじゃないかってぐらい!」

先輩「分かった分かった!妹ちゃんのそれはもう、私はお腹いっぱいだよ!」

妹「もー!なんですか!変な事言わないで下さい!」

先輩「ははは!ゴメンゴメン!……二人ともそしたら今日は名古屋観光するの?」

兄「いや、名古屋城も見たし、どうしようかと思って」

先輩「なに?!そしたら先輩に任せなさい!半日あればいろんな所連れて行って上げる!」

妹「え!良いんですか!やったー!先輩と一緒にどこか行けるなんて!」

兄「……先輩、もしかして暇でしたか?」

先輩「ん?もちろん暇だったに決まってるじゃない!」

たのしいせんぱいでてきた乙。

>>426
せんぱいかわいい、かわいいお。
ありがとう!

◆◆バイク◆◆
先輩「うひょー!凄い!というかちょっと怖い!バイクというか、サイドカーってけっこう揺れるねー!」

兄「先輩、妹と二人でサイドカー乗って狭くないですか?」

先輩「……聞いた?妹ちゃん。これは私が太ってるって遠回しな指摘よ?兄少年は素直に育ってくれたと思ったのに先輩は残念だわ!」

妹「兄はそうなんです!失礼なんです!この間なんてワタシのお腹つまんだんですよ!」

先輩「あらあら、年頃だから気持ちは分かるけどダメよ兄少年?ダメダメよ!」

兄「……はぁ、もうどうでも良いです」

先輩「相変わらずねー!冷めてるというかなんと言うか」

兄「先輩も相変わらずですよ。お互い様です」

先輩「あー!言うようになったわねー!中一で面倒見て上げたのが嘘みたいだよ!妹ちゃんもあの頃は可愛かったけど、今はホントに美人になったわねー!」

妹「もー先輩、辞めて下さい!先輩に誉められると、調子に乗っちゃう!」

先輩「あらあら?私は嘘は言わないわよ?……ホントに二人とも大きくなったわね。嬉しいよホント」

◆◆愛地球博記念公園◆◆
先輩「ホラね、直ぐだったでしょ?」

兄「……先輩の言うこと信じた俺が間違ってました」

先輩「なにおう!先輩に向かってなんたる無礼を!」

妹「ここって博覧会があった所ですよね?モリゾーとキッコロの」

先輩「そうよん!妹ちゃん!けっこう広くて緑が多くて散歩とかサイクリングにはピッタリでしょ?」

妹「はい!けっこうというか、思ったより広いのね!兄、サイクリングしようよ!」

先輩「お!良いじゃない、兄少年!先輩と妹ちゃん、両手に華で自転車と洒落込もうじゃないか!」

兄「ええ……まぁ、良いですけど。両手に……」

妹「華よ、兄?何か問題でもあって?」

兄「いいえ、全くもって問題ないです」

先輩「よっしゃー!いくぞ!先輩についてこーい!」

~~~~~~
先輩「いやいや!なかなか気持ちいいね!……二人ともなんか変だよ?」

兄「タンク挟めないと気付い。自転車ってこんなにフラフラしたっけ?」

妹「頭では分かってるのよ。……クラッチとブレーキがごちゃごちゃになる」

先輩「あはは!バイクとは違うよ!自分の力で前に進む!良いじゃないか!」

兄「こんなに衰えたとは。……高校は40分も通学で使ってたのになぁ」

妹「先輩ー。ちょっとまってー!」

先輩「おいおい、私より二つも若いのにしっかりしておくれよ!」

兄「……よし、俺はなれてきたかも。先輩、先いきます」

先輩「お、流石男の子!たくましいねぇ!」

妹「えーちょっと待ってよー!兄ー!先輩ー!」

◆◆地球博公園 サツキとメイの家◆◆
妹「疲れたぁ。明日は足パンパンになりそうよ」

兄「大袈裟な、全然漕いでないのに」

先輩「妹ちゃんは相変わらず運動ダメかー?でもでも、そんなところも可愛いぞ!」ギュ!

妹「いやー先輩!汗臭いから駄目ですよー!」ギュ!

兄「……ここがトトロの家の再現したものがあるんですか?」

先輩「んー、そうよん!私も来たのは初めてだけどね!なかなか近いだけに来ないのよ」

妹「先輩は名古屋でなんの勉強してるんですか?」

先輩「名古屋と言うよりも寧ろこの辺なんだけどねー。音楽科に進学したのよ」

妹「えぇ!そうだったんですか!?」

先輩「芸大とかじゃないからね、そこそこよ。フルートもそうだけど、今は音楽の勉強するのがたのしいんだぁ!」

兄「…………」

妹「へぇー!どんなことやるんですか?」

先輩「多分妹ちゃんとかも小さいときやったと思うけど、ソルフェージュとか楽典のお勉強。フルートも室内楽だったりジャンルも様々でなかなか奥が深いわよん!」

妹「凄い凄い!先輩中学の時から上手でしたもんねー!」

先輩「いやいや、中学の時は君らの方が上手かったよ!特に兄少年にはビックリしたなぁ……」

先輩「そういえば、二人はまだ楽器続けてるの?」

妹「はい。一応と言うか、大学の管弦楽部に所属してます。吹奏楽とまた違って難しいです」

先輩「そうか!妹ちゃんはオケやってるの?でも、中学でオケスタやってたし技術的には大丈夫だもんね」

妹「いえいえ、ホントに私なんか遊びでやってるようなものなので」

先輩「謙遜謙遜!とにかく続けてるなら私は嬉しいよ!……兄少年は?」

兄「……俺は。もうやって無いです」

先輩「な!……いや、そっか。辞めちゃったか……遊びでも吹いてないの?」

兄「……まぁ」

先輩「うん。それならそれでだね」

妹「…………」

先輩「ホラホラ、サツキちゃんの家に入る時間だよ!さぁ!行こうじゃないか!」

妹「きゃー!凄い!本物?!」

兄「あほ、再現だよ。しかもアニメの絵が元なんだから本物が有るわけないだろ?」

先輩「妹ちゃんは愉快ねぇ!家の中も外も見れるよ!さぁ!どうする?」

兄「ブーツの脱ぎ履き面倒なので外からで」

先輩「良いよ良いよ、外から行こう!」

妹「あ!柱が腐ってるのも再現されてる!ここはパパの書斎ね!」

兄「へー。作中で何か沢山本読んでたけど大学の先生だったのか。こんな書斎は憧れるなぁ」

先輩「妹ちゃん!見てみて!バケツ!しかも穴空いてるよー!」

妹「あ、ホント!井戸もありますよ!……しかも水もちゃんと出ます!」

先輩「わ、わ!けっこう冷たいんだね!気持ちいいー!映画みたいに足をぱちゃぱちゃしたいねー!」

妹「おべんじょ!」

兄「恥ずかしいから辞めろ。……家のもなんというか昭和な感じ?」

先輩「おー、見てみてサツキちゃんのランドセル有るよ!……どれどれ」

兄「先輩、中を見ないで下さいよ」

先輩「兄少年!ここは見ても良いらしいよ?こんな時女の子のカバンの中なんか見る機会無いんじゃない?」

妹「あ!机の中ビーズとかあるよ!懐かしいなぁー!……ねぇ兄も見なよ」

先輩「ホレホレ、兄少年!良いではないか!良いでは無いか!」

兄「え、なんで無理やり見る流れに?……まぁ、そしたら」

先輩「あ!兄少年が女の子の机を覗き込んでるよ!妹ちゃん!兄少年もしかしたら妹ちゃんの机の中も!」

妹「先輩!どうしましょう!私の机は大丈夫じゃないです!ちょっと不味い写真とか沢山入ってます!」

兄「はいはい、次行きましょうか」

兄「タンスの中も徹底してるよ。……ナフタリンの臭い」

先輩「これ昔おじいちゃんの服から良く匂ってた、匂ってた!なんなのこの匂い?」

兄「防虫材というか、虫が食べないようにしてたんですよ」

妹「え!虫って服食べるの?!」

兄「今の服は化繊だからそこまでじゃないけど、ウールとか絹、木綿に麻なんかは食べられるらしいよ?」

先輩「へー!兄少年は物知りだねえぇ!……そういえば中学の時は楽譜の読み方兄少年に教わってたね?」

兄「中三で楽譜読めないのにフルートやってる人がいるなんて信じられなかったですよ」

先輩「なにー!まだ小学生上がりたての癖に!」

兄「昔の事ですよ?」

先輩「それでもよ!全く生意気!……そういえば妹ちゃんと一緒に教わってたわよねー!」

妹「はい!懐かしいですよね!先輩と良くモノマネゲームやったの覚えてます!」

先輩「あったねー!私が吹いたメロディーを妹ちゃんが真似て、今度は曽野逆をやってたねー!懐かしいなぁー」

兄「…………」

先輩「兄少年はいつも楽譜とにらめっこしてたっけ?」

兄「コンクールの練習をしてたんですよ」

~~~~~~
先輩「さてさてどうしようか?二人は泊まるところ決まってるの?」

兄「一応キャンプ場の目星は付けてるので、これから電話するところです」

先輩「ではその電話は無しだね!良かった、無駄な通話料を使わないで」

妹「もしかして……」

先輩「あぁ!そうだよ!私のウチに泊まりに来なさい!これは先輩命令です!」

妹「やったー!先輩と一緒に入れるなんて嬉しいです!」ダキツキ!

先輩「よしよし、良い子ね!妹ちゃんは!……と言うことだよ、兄少年!」

兄「でも、俺男ですよ?」

先輩「私のことを襲いでもするのかな?」

兄「……間違いが有るかもしれないですし」

先輩「無いね!百パーセント!君らとは一年。……いや、半年も一緒にいなかったけど断言できる!私は私の見る目を信じてるからね!」

兄「…………」

妹「きまりね!?行こうよ、兄!」

兄「……分かった。分かったよ」

ないのか(古江超え)この先輩、おっぱいがとても大きかったらいいのに

わしがまちがいをおこしてやってもいいんじゃぜ?<GUESSGAO

…すまない乙。

>>437
付け加えましょう!大きなおっぱいというか設定を!(笑)

◆◆先輩宅◆◆
先輩「さあさあ、待たせたね!入って良いよ!」

妹「はーい!お邪魔しまーす!……うわぁ!凄い!凄い!凄い!」

兄「楽譜散らばってますね。……こんな曲もやるのか」

先輩「これでも一応中間試験だったからね。練習はするんだよ、一応わたしも!」

妹「ニールセンの木五?こんなのやるんですねー」

兄「へぇー!二楽章のメヌエットは知ってたけど、全部ですか!面白そうだなぁ!」

先輩「お?兄少年も妹ちゃんも興味津々だね?良かったら楽器吹いてもいいよ!一応防音だしね」

妹「ホントですか!先輩、なんか一緒に吹きましょうよ!」

先輩「お、いいねぇ!バルトークなんてどう?元々ヴァイオリンだけど、私好きなんだよ!……兄少年もどうだい?たまには吹かないと鈍ってしまうよ?」

兄「…………いや、俺は良いです。たぶん既に鈍ってますし」

先輩「だからだよ!先輩が教えて上げよう!中学の時は兄少年に教えてもらったからね!今度はその御返しをしないと!」

兄「……ホントに俺は良いです。先輩と妹の演奏聞いてますよ」

~~~~~~
兄「ご飯出来ましたよ」

先輩「おー!ありがとう!本来なら私が振る舞わなければいけないのに。……でも、これを見たら兄少年に任せて良かったよ!私じゃこんな料理は作れない!」

妹「疲れたー!でも楽しかったわ!先輩やっぱり凄い上手いですね!」

先輩「辞めておくれ、妹ちゃんに誉められるとむず痒い!……と言うよりも妹ちゃんもホントに勿体ないね!下手な音大生よりよっぽど上手いよ!」

妹「上手い音大生ほどじゃ無いですから。……兄、ご飯ゴメンね?」

兄「別に良いよ。冷めないウチ食べましょう」

先輩「こんなに美味しそうな手料理は久しぶりだよ!……また、太ってしまうじゃないか!」

妹「先輩太ってますか?そんなには見えないけど」

先輩「ここに貯まるみたいでね。フルートと胸とで肩が凝ってしょうがないんだよ」ユサユサ

妹「良いなぁ。……兄?今どこ見てたの?」モミモミ

兄「もちろん先輩の胸部だよ。男に無い部分強調されたら見るだろ、普通」

妹「ばか、変態」

先輩「襲うのは辞めてくれよ?せめて妹ちゃんのいないところでして欲しいな」

妹「じー……」

兄「襲いませんし、なにもしません。……食べましょう。頂きます」

~~~~~~
先輩「そんな事もあったねぇ!いやいや、懐かしいよ」

妹「先輩達が引退したら、私たちの世代は二年生いなかったので兄と二人だったんですよ?兄はホントに厳しくて厳しくて」

先輩「だからこそ兄少年をパートリーダーに指名したんだからね!……そういえば先輩2とは連絡取ってるかな?」

妹「いいえ、私たち当時中一ですから携帯持って無かったですもん。2先輩とは連絡取ってるんですか?」

先輩「もちろん!同級生だったからね!実は今岐阜県にいるんだよ!私も一度二人で会った事があるよ!」

妹「へぇー良いなぁ、会いたいなぁ……」

先輩「先輩2は兄少年の事気にしてたんだよ?」

兄「俺ですか?なんでまた」

先輩「当時二年生がいなかったとはいえ入部して直ぐ。小学生だった兄少年を私達がパートリーダーにしたんだからって。私は大丈夫だろう!って言ってたんだけど、心配性だからね彼女は」

兄「そう。……ですか」

先輩「いくら当時上手いからって半ば押し付けたような形だったからね。……あ、妹ちゃん!飲み物冷蔵庫に有るから自由に飲んでおくれ!」

妹「はーい!先輩も飲み物入りますか?」

先輩「あぁ!もちろん貰おうか!」

~~~~~~
先輩「兄少年の入部は壮絶だったんだよ。当時の二年生は中学から楽器始めた子ばかりだったからね。楽器経験者、しかも上手いときたら戦々恐々としてて」

兄「そんなに変わらないような気もしましたけどね」

先輩「二年生は初めて先輩になるんだ。初めての後輩が自分より上手いなんてプライドが許さんだろうよ」

妹「……これ初めて呑んだ。美味しい」グヒグヒ

先輩「お、良いよドンドン呑んてよ!私も呑もうか!……兄少年は飲まない?」

兄「僕は良いです。……妹も先輩のなんだから少しは遠慮しないと」

妹「良いじゃない!……ねぇ?先輩?」

先輩「もちろんだとも!せっかく二人とたまたま出会えたんだから!」

妹「ホラー!やっぱり先輩大好きです!先輩2にも会いたいなぁ」

先輩「日本一周してるんだったら岐阜県も通るだろう?連絡して上げるよ!」

妹「わーひ!やっらぁ!!」

兄「…………ん?」

兄「……妹?なに飲んでるの?」

妹「へぇ?なにって……せんぱい?これらんでふか?」

先輩「これはカルーアミルクだよ!妹ちゃん初めて呑んだ?」

妹「はひ!こんら甘いじゅーすはじめてのみました!」

兄「やっぱり……一気に呑んだろ、お前」

先輩「妹ちゃんお酒はじめてかい!?最初もカシスオレンジとかだったけど、早いペースだなとは」

妹「はやくないでふよー?たくさんまってるんですから!」

兄「妹、ちょっと水呑もうか?」

妹「おみず?いーやー!もっとこれのむんらから!」

先輩「……出来上がってしまったね。ゴメンよ兄少年」

妹「なんでせんぱいが謝るんですかー!……謝るくらいならコレ私に下さい!」モミモミ

先輩「ちょっと!妹ちゃん!兄少年がいる前では駄目だよ!……んぁ!」

兄「……片付けしてきまーす」

先輩「兄少年!……妹ちゃ……っん!やめ…………ひぃ!」

妹「せんぱいー。せんぱいー。大好きですよー…………ホントに……大好き」モミモミ

~~~~~~
先輩「エライ目にあったよ。……兄少年、見えて無いだろうね?」

兄「……水色とかは見えてないですね」

先輩「~~~っ!責任取って貰うぞ、全く!……妹ちゃんは寝ちゃったか。大学では飲まないのか?」

兄「妹は飲ま無かったらしいですよ」

先輩「この子はお酒の飲み方を覚えた方が良いかもしれないね。……さてさて兄少年。ちょうど良かった」

兄「え?何がですか?」

先輩「君ほど吹ける人間がなんで楽器を辞めたのか。聞かせて貰おうじゃないか!」

兄「…………別にそこまで吹けて無いですよ」

先輩「じゃあ分かった。君は上手く無かったとしよう!なぜ楽器を辞めたのか。いつ辞めたのか。先輩に教えなさい!」

先輩「……あんなに一生懸命だったじゃないか!誰よりも早く、誰よりもたくさん楽器に!音楽に時間を使ってたじゃないか!」

兄「…………昔の事ですよ」

先輩「あいにく私たちはそんな台詞を言える歳じゃない!……兄少年。私が今こうやって音楽学部の大学に通ってるのは君のお陰だよ!君が一生懸命だったから、それに負けじと頑張って私はこうやっている!」

兄「…………それは凄いと思います。俺とか関係無しに先輩の力ですよ」

先輩「~~っ!この!」ドン!

兄「……先輩。重いです」

先輩「兄少年、君が分からず屋だからだよ!どうしたんだよ!なんでそんなに閉ざしてしまったんだよ!」

兄「……そんな事無いです」

先輩「見謝らないで欲しいね!久しぶりに会った時からおかしいのは分かったよ!…………たまに会った私が分かるんだ。妹ちゃんが今の君を見て、何も思わない訳無いだろう?」

兄「…………」

先輩「もう一度問うよ!なぜ楽器を辞めたんだよ!」

兄「…………ただ、他の事がやりたかったからです」

先輩「じゃあ、私達が楽器を吹いていた時。逃げるように避けるように何処かへ行くんだよ!どうしてそんなに悲しそうな、辛そうな顔をしてたんだよ!」

兄「……もう辞めて下さい。先輩には関係無い事でしょう」

先輩「兄くん、私は君のフルートが好きだったよ。君みたいになりたくて私は…………」

兄「…………俺のフルートはそんなのじゃないです。ホントにすみません」

先輩「……だったら私はここを退かないよ。ずっとこのまま、妹ちゃんが起きるまで君の上に覆い被さるよ」

兄「……役得ですね」

先輩「……年上をからかうんじゃないよ」

兄「…………限界を感じたんですよ。これ以上やっても上手くならないって」

先輩「そんなの努力次第でどうにでも――」

兄「臆病なんです。頑張って手にはいらなかったらとか、損得考えたら他の事に時間を使った方が。と」

兄「お陰で中一の俺は出来ない事を今俺は出来るようになりました。……バイクも、他の事もたくさん。だからコレが俺の答えなんです」

先輩「……本心じゃないね。核心を避けて話している」

兄「……嘘では無いですよ」

先輩「……君はそうやって生きて、後悔しないのかい?後で今までの生き方を見直して自分を責めてしまわないかい?」

兄「……どんな選択をしても、後悔しないなんてあり得ないですよ」

先輩「……君は賢いから言い負かされてしまいそうだよ」ギュウ…

兄「先輩。苦しいですよ」

先輩「……何度でも言うよ。私は君のフルートが好きだった。それは君が心の底から音楽の事に一生懸命だったからだよ」

先輩「君の選択だよ。確かに私が言う権利はないよ。……でも私が今、君にこうして言わないと後悔すると思ったんだよ」

兄「…………」

先輩「すまなかったね。……今夜は妹ちゃんとここで寝なさい。私は今は少し楽器を吹きたいんだ。終わったら適当に寝るから気にしないで良いからね」

兄「…………」
~~~~~~

~~~~~~
兄『一年○組、兄です。フルートは小学生の時から少しやってました。希望楽器もフルートです』

妹『私も同じくフルートを希望します!』

先輩『ほう!経験者なのか!それは有望だね!決定だよ!君たち二人はフルートパートだ!』

先輩2『こらこら、ダメよ?……一応どの新入部員にも全ての楽器やって貰ってから最終的に3年と顧問の先生とでパートを決定してるのよ。……とりあえずどのくらい吹けるか聞かせて貰っても良い?』

妹『何を吹けば良いですか?』

先輩『普通は初心者だからスケールをやっともらうんだよ。……君たちはそうだね』

先輩2『一番得意な事をやってもらおうかしら?スケール、アルペジオでも曲で良いわよ』

妹『だって?兄、どうする?』

兄『お前からで良いよ、好きな曲吹けば良いんじゃない?』

妹『そうね。……そしたらお願いします!……~♪~♪~♪~』

先輩2『……上手ね。楽しそうな感じがいいわ』

先輩『メリハリが付いてるというのかな?……歌うところは伸びやかに。跳ねて、弾んで。……ふふ、自然にこっちまで笑みが出てくるよ』

妹『~♪~♪~……はい。以上です!』

先輩『ありがとう、そしたら次は君ね?』

兄『はい、お願いします』

兄『~♪~♪~』

先輩『…………』

先輩2『……今まで、小学生だったのよね?…………音の粒が恐ろしいほど正確』

先輩『……音程の乱れなんか微塵もない。まるで機械みたいだよ』

兄『~♪~♪~』

先輩『……どれだけ練習したのか。良く吹奏楽なんてやろうと思ったよ』

先輩2『そう……ね。普通にレッスン通ってるだけでも良さそうなのに』

兄『~♪~♪~……ありがとうございました。以上です』

先輩『よし!二人ともフルートパート決定!』

先輩2『ダメよ。……でもそうね。二人ともフルートになるかもね。とりあえず決まりだから、仮入部期間は他の楽器も体験してみて。本入部の時に担当パート本決定します』

兄『はい、分かりました』

妹『じゃあ他の楽器やってみる?』

兄『そうだね。……どうしようかな』

~~~~~~

こん先輩ば、もろうた(トヨトヨ)!

おっぱいありがとうおっぱいナムナム

梅雨入りしてからまともな雨が遂に降ってきた。風邪など引いてはなりません乙。
続き楽しみにしてるよ~。

>>449
雨回避するためにゲストハウス泊まったよ。→
今まで空調なんて無かったところで寝てたよ→
なんか知らんけどお腹を壊したよ
orz

ありがとー!適当に頑張るよー!
更新も雨の日は捗りそうだし。
ひっそりと楽しみしててください!

~~~~~~
兄「…………」グビクビ

裏兄『先輩に図星付かれて、後輩にも、友もみんな気付いてるんだよ。お前の陳腐な自尊心は』

兄「…………」グビ

裏兄『先輩の言うとおりじゃないか。そんなもの守って、余計に惨めになって。後で死ぬほど後悔するんだよ』

兄「…………」……カタ

裏兄『お前はこのまま一生引きずるんだよ、死ぬまでずっと。日本一周なんかしても消えやしないさ』

妹「…………」スヤスヤ

妹「……兄ぃ…………」スヤスヤ

兄「……肩出して寝るなよ、全く」フワッ

妹「…………」スヤスヤ

兄「…………」

兄「……」グビクビ

先輩「……まだ起きてたのか、兄少年」

兄「……なんか寝れなくて」

先輩「すまなかったね。明日も旅を続けなければならないのに」

兄「……いえ、別にいつもこんな感じですよ。妹が先に寝て、俺はちょっと遅くまで酒呑んでます」

先輩「そうか。……私も頂こう」プシュ!

先輩「……ゴク…………ゴク……ゴク…………。音楽家はね。良く酒を呑むよ。私の大学の先生はみんなそうだね。コンサートが終わって、演奏会の後で。何かに理由をつけてたくさん呑むね」

兄「……そうですか」

先輩「キミもイケる口ならきっと音楽家に向いてるんだろうね」

兄「……すいません。でも、もう辞めて下さい」

先輩「……すまない。ゴク…………ゴク……酒を呑むと解放的になるだろ?私はそのあとに無性に楽器が吹きたくなるよ」

先輩「さっきも言ったけど、大抵は呑むのがコンサートの後なんだ。演奏終った後なのに、呑むと吹きたくてたまらないんだ」

兄「……そうですか」

先輩「音楽は『解放』と『制御』の両立だと思ってるよ。どちらかだけでも行けないけど、どちらかと言えば解放が必要だと私は思うんだ」

先輩「キミは制御し過ぎて解放を忘れてるんじゃないかな?音楽だけじゃなくて、キミ自信の解放を」

兄「解放……してるつもりですよ」

先輩「……ゴク…………ゴク……。制御の方が上回っているだろう?解放が暴走しないように制御するんだよ。兄少年はそもそも解放しようとしなさすぎてる」

兄「……してるつもりです」

先輩「自分が抑えられないこと、どうにも制御が出来ない事。それを技術で抑えるんだ。技術だけだとそれは作業になってしまうよ?」

兄「……自分がどうにも出来なくなること」

先輩「今まで無いかな?キミがキミもじゃ無いような事は」

兄「…………」

先輩「私はたくさんあるよ。……今もそうだね。制御が上回っているけど解放がいつになるか……ゴク…………ゴク……限界かもね」

兄「……先輩?……え?ちょっと何してるんですか?……いやいや、上着は着てください。…………バストが自慢?…………はぁ、え!だから上着を、せめてTシャツを…………だから、触らないです。触らないです。……柔らかい?知らないです。……ちょっと先輩……」

~~~~~~

よし今日だけは許す
先輩、男を襲え

>>454
ライオンはメスから誘うらしい(笑)

草食系としては襲ってくれたほうがありがたいのかもですね(笑)

こん先輩ばもろうた!
…もろうたが…よか、兄!たもれ。たんとたもれ!たわわばくろうて、明日にそなえるんじゃ…。
明日にのう…(濁リ笑)。

いやまぁ…「先輩はそのたわわなバストを俺の胸板でつぶすように押し付けると…

…そのままぐっすり朝まで寝た(スヤァ…)」

ってオチもあるかなぁ…乙。

◆◆朝、先輩宅◆◆
妹「……あたま、あたまが痛いわ」

兄「あんだけ急に酒をしこたま飲めばね。二日酔いだよ、今日はずっとサイドカー乗ってな」

妹「コレが二日酔い。軽く風邪をひいたみたいな感じなのね……あれ、先輩は?」

兄「そこ、ベッドの下の寝袋の中」

妹「…………え?先輩どうしたんですか!簀巻きにされて。……しかも手足動かなくなって、口にガムテープが!」

先輩「んー!ん、んんんーん!」

兄「はい、分かりました……口だけですよ」

先輩「プハッ!……いやいや、兄少年はたくましくなったね!こんなに力が強くなってたとは!か弱そうに見えたあの子がこんなになってたなんて、もう少年なんて呼べないじゃない!」

妹「え?兄がやったの?昨日何があったの?」

兄「いや、身の危険というか。貞操の危機と言うか」

妹「え!?先輩!昨日何があったんですか!教えて下さいよ!」

先輩「その前にほどいて貰っても良いかな?……分かってるよ、もう何にもしないから」

先輩「いやいやもっとウチに泊まっても良いんだよ?」

兄「まだ旅もありますし、それに先輩と一緒にいると危ない気がするので」

先輩「音楽家は解放したいのさ!有名な作曲家なんて特に凄いよ!」

妹「解放ってなぁに?」

兄「知らなくて良いよ」

妹「えー!先輩、昨日はホントに何があったんですか?」

先輩「何も無かったよ。と言うよりも何も出来なかったと言うのが正しいのかな?」

兄「もう先輩のウチには行きません」

妹「もう!二人してズルいですよ!教えて下さい!!」

先輩「それじゃあ、気を付けて!……またこっちに来たら泊まりなさい!お風呂も布団も用意しよう!」

妹「はい!先輩ありがとーございました!」

先輩「兄少年。……いや、兄くん!キミもだからね!私は待ってるよ!」

兄「……はぁ、もし旅の行程が会えば是非」

先輩「……それから楽器もね。今度は三人で吹こう。待ってるから」ヒソヒソ

兄「…………まぁ気が向いたら」

先輩「それで良いよ!……あんまり引き留めても駄目だな。ではホントに気を付けて!」

兄「はい、泊めて頂いてありがとうございました」

妹「先輩!お元気で!また来ますからー!」

~~~~

~~ブロロ……トコトコ……~~
妹「先輩変わって無かったね!……中学の頃は楽しかったなぁ……ねぇ兄、私が寝てる時に先輩と何してたの?……まさかエッチな事してないでしょうね?」

兄「……してないよ」

妹「あ!怪しい!先輩、凄く胸大きいから手出したんでしょ!私には出さないのに!」

兄「……出してないよ」

妹「ホントに!?ホントにホント?」

兄「未遂だったから。しかも俺はホントに何にもしてないから………」ジー

妹「何よ?」

兄「いや、今改めて同じ女なのに違うもんだなぁ、と……いて」

妹「バカバカバカ!やっぱり先輩の方が良いんだ!」

兄「……俺は大きすぎるのもと思うよ」

妹「……どのくらいが良いのよ?」

兄「さあね。コレばっかりは実際に見てみないと……いたい、いたい」

妹「ばかばかばか!エッチな兄は嫌い!!」
◆◆愛知編終わり◆◆

乙!…よか!こいでんよか!!<<血涙

…それでも!僕は…おっぱいの可能性の獣/(中略)/岐阜に行ったら淡水魚水族館とかあるなぁ。
とまれ、楽しいSSありがとう。
桜の代門のオジキ達も要警戒ですよ。
アディオス.

『だからね。この子は兄くんの事好きなんだって!それで協力して欲しいの!妹ちゃんに!』

妹『兄の事が好き?』

『勉強も出来るでしょ?運動も悪くないし、ピアノとフルートも出来るし。……この間音楽の時間にピアノ弾いてるの見て好きになっちゃったんだって!』

『もう!辞めてよ!……協力と言うかね。……兄くんに好きな人とか、気になってる人がいないか妹ちゃん知らない?』

妹『……私も兄とそんな話しないから、よく分からないよ』

『そしたらさ!それとなく聞いて見てよ!……兄くん多分中学に入ったら凄くモテると思うのよ!だからその前にこの子が告白すれば――』

『ちょっと!辞めてよ!……まだ告白とかは』

妹『…………』

『ね!とにかくお願いね!また明日ちょっと話聞かせてよ!』

妹『え!……あ、うん。分かった』

『きっとよ!……行こう!兄くん、今日また音楽室でピアノ弾いてるよ!』

『妹ちゃん、ゴメンね。……でもこんなこと頼めるの妹ちゃんしかいないから……またね!』

妹『うん。……バイバイ』

妹『…………』

~~~~~~
兄『ただいま』

妹『……おかえり』

兄『……?どうしたの?テレビも何も着けないで、リビングにボーッとして』

妹『……別になんでもないよ。…………今日遅かったね』

兄『あぁ、音楽室でピアノ練習してたらさ、同じクラスの……ちゃん?がピアノ教えて欲しいっていうから、ちょっと一緒に練習してた』

妹『……ふーん』

兄『あの子真面目だね。今度、発表会があるんだって。それでちょっとでもって。……俺なんかより先生に聞いた方が良いのに、いろんな人の意見聞きたいんだって』

妹『……そうなの』

兄『まだ始めたばかりでバイエルぐらいだけどさ、丁寧に弾くんだよね。おれも負けてられないというか』

妹『良かったね。……楽しく練習できて』

兄『まぁね。あんまり音楽の事っての男同士だと話せないから、今日はちょっと楽しかったかもね』

妹『ふーん……』

兄『冷蔵庫は……麦茶あった!妹も飲む?』

妹『飲むー』

兄『今日、母さんとか遅いんだろ?夕飯作ったら俺、フルート練習してて良い?』

妹『良いよ…………あのね、兄。……例えばなんだけど、好きな人とかいるの?』

兄『はぁ?なにそれ?』

妹『例えばの話よ、例えば』

兄『……チャイコフスキー?』

妹『じゃなくって!……女の子で』

兄『女の子?いないよ』

妹『ホントに?』

兄『ホントだよ』

妹『……こんな子が好きとか。こんな子と一緒にいたい!……ってない?』

兄『分かんないよ、そんなの。……でも今日、あの子と一緒にピアノ練習したのはちょっと楽しかったかもね。誰かと一緒に練習するの初めてだったし』

妹『……そう。……なんだ』

~~~~
先生『妹ちゃん!最近どうしたの!凄い練習するようになったじゃない!』

妹『……ちゃんと連絡したいなと思うようになったんです』

先生『もう!遅いのよ!……でも元々音楽の才能は有るのよ!あなたは良い音楽家になるわ!』

妹『…………音楽家になりたいわけじゃないけど』ボソッ

先生『兄くんは真面目だからピアノもフルート毎日連日してたでしょう?追い付けるか心配だったのよ!でもこの調子だと大丈夫ね!』

妹『私、兄と同じくらい弾けるようになる?』

先生『なるわよ!もー、先生嬉しいんだから!兄くんと妹ちゃん!上手な生徒持てて私はホントに幸せかもね!』

妹『……兄と一緒にピアノとかフルート練習出来るようになるかな』

先生『なるわよ!元々あなたは才能あるんだから!たくさん反復練習しましょ!兄くんと一緒に連弾なんかも出来るようになるかもね!』

~~~~~~

三重県1日目
◆◆関宿◆◆
妹「へー。『お江戸でござる』みたいな場所ね」

兄「また懐かしいものを。……でも、情緒あるよね。ウチの地元も昔は宿場町だったんだよ?」

妹「宿場町?ここみたいだったの?」

兄「景観は分からないけどね。江戸の主要な道には一定の距離で宿場町。休むところがあったんだよ。バイクとか無いから基本歩きだったらしいし」

妹「へぇー。歩いて旅してたの?」

兄「らしいよ。ほら、伊勢参りとか聞いたことない?」

妹「なんとなく。……関東から伊勢って相当歩くんじゃない?」

兄「だろうね。バイクでも高速神戸使わなかったら、無理して1日じゃないかな?歩いたら……検討もつかないや」

妹「旅して目的地に着いたら疲れちゃうじゃない」

兄「だから宿場町があるんだよ。旅の疲れを癒して、次の宿場町を目指してって」

妹「やってる事は私達と一緒ね。ただ、私達にはバイクがある。……この時代で良かったわ。江戸の兄が日本一周したいとか言ったら、私泣いちゃってたかも」

兄「江戸でも着いてくるのかよ。それは勘弁」

◆◆バイク◆◆
ブロロ……トコトコ……
妹「ルバート」

兄「トイプードル」

妹「……ルール」

兄「ルシフェル」

妹「…………ルビー」

兄「ビオール」

妹「…………ぐすん」

兄「妹の番だよ」

妹「兄、嫌い!さっきから『る』ばっかりじゃない!こんなのしりとりじゃない!」

兄「お前がやりたいって言ったんだろ?ちゃんとルールに乗っ取ってるよ。ほれ、はよ言え」

妹「…………ルール」

兄「あ、それさっき言った」

妹「もういや!兄としりとりはしない!!」

◆◆伊賀◆◆
兄「伊賀上野城……思ったよりたいしたことないかも」

妹「名古屋は立派だっだわよねー……あ!忍者屋敷っての有るわよ?面白そうじゃない?」

兄「……まぁ、せっかくきたし行ってみるか?」

外国人「オー!ニンジャ!シノービ!」
外国人「イッツファン!グーッド!」

妹「外国人って忍者好きなのねー。コスプレというかああいうのわざわざ着たいと思うのね?」

兄「ね、確かに面白いというか、興味深いのは分かるけど、あそこまでの熱意はないなぁ」

妹「兄も着てみる?」

兄「嫌だよ、お前が着てみれば良いじゃん」

妹「ホント?……じゃあ」

兄「ゴメン嘘、辞めて」


『そしたらショーの最中、忍者が凄い事をやったら皆さん盛大に反応して下さい!』

客・妹「はーい」

兄「……妹、辞めてくれ」

妹「なんでよ?演者が言うんだもの。素直に従う、それがマナーよ?」

兄「そうかもしれないけどさ……」

『ちょっと練習しましょう!私がニンジャで御座る!……と言ったらみんなでニンニン!と大きな声で返事してください!……いいですか?ニンジャで御座る!』

客・妹「ニンニン!」

『声が小さいよー?もっと大きな声で!』

客・妹「ニンニン!!!」

兄「……にんにん。」

乙っぱい。

~~~~
妹「あー面白かったー!!手裏剣っていろんなのあるのね!凄い速かったし、あんなの刺さったらもう何も出来ないわよね!」

兄「そうだなー。てかもっと連続でシュシュシュって投げるモノかと思ってた。ちゃんとダーツみたいに一投一投しっかり狙いつけるんだね」

妹「あー!私も思った!横にたくさん持ってシュシュシュ!ってイメージだった!……幼稚園の時とか良く兄折り紙で作ってたわよね?」

兄「あー。作ってたね」

妹「夜、タオル顔に巻いて新聞丸めたの背中につけて、爪先で走って無かった?」

兄「……え、お前見てたの?」

妹「うん。こっそり何やってるんだろって。バク転みたいなのやろうとして背中から布団に落ちて無かった?」

兄「…………」///

妹「どうしたの?」

兄「……幼稚園の自分をぶん殴りたい」

妹「なんで?今、その頃の兄と一緒に慣れたらたくさん遊んであげるのになぁ!」

>>474
さんきゅー!読んでくれてありがとう!!

◆◆バイク◆◆
ブロロ……トコトコ……
妹「あーホントに風が気持ちいい~!最近ちょっと暑くなってきたわよね?」

兄「かもねー。走ってて寒いってのは無くなってきたかな?……これからは地獄だよ。梅雨、夏は苦行だね」

妹「梅雨に入ったらどうするの?ずっと運転?」

兄「ちょっと考えたいけど、一週間丸々動かないのは具合悪いし、かといって無理して雨の日に動くのもなぁ」

妹「雨の日は水族館とか博物館たくさん行くのはどう?」

兄「あぁ、それもありだな。近くにそういうところが有ればね。あとはゲストハウスとかライダーハウスで補給、メンテナンスかなぁ」

妹「ライダーハウス?ゲストハウス?なにそれ?」

兄「まぁ、ちょっと休めの宿みたいな所だよ。キャンプ場より高いからあんまり多用はしたくないんだけどさ」

妹「へー?ビジネスホテルみたいなのじゃなくて?」

兄「どっちかと言ったら昔の民宿にちかいのかなぁ?ちょっと俺も行ったこと無いから分からん」

妹「ふーん。……布団で寝れるのよね?ちょっと楽しみかも。今日ゲストハウスに泊まらない?」

兄「今日は晴れてるから駄目、また今度ね」

妹「むー、ケチー!」

>>481
古臭いデザインがいいのよね
女房は買ってもいいと言ってるから少し考えよ

>>484
分かります!
最近のシュッとしたのも悪く無いんですけど、ベッドライトが丸目だったりするのが私は好みです!

良いなぁ。良いバイクだなぁ。。

~~~~
ブロロ……トコトコ……
妹「~♪でんこうせっかのちょうとっきゅうが♪~♪ながれぼしと~ならんではしるという♪~」

兄「……前も歌って無かった?なんでブルーハーツ?」

妹「なんか速く走ってる感じしない?兄のCD借りて良く聞いてたからかしらね」

兄「……ふーん、その割にはスローテンポな電光石火だな」

妹「誰に聞かせる訳でもないから良いのよ。……兄は友達と良くカラオケ行ってたじゃない?いつも何を歌ってるの?」

兄「適当、いろいろだけど。最近の歌手はキー高くて歌えんからブルーハーツとか、福山雅治とかになるのかな?妹は?」

妹「いろいろよ。西野カナとか片平里菜とか柴田淳とか……最近は昔の歌を良く歌うかしらね」

兄「昔って?」

妹「オリビアを聞きながらとか、悲しくてやりきれないとか。ちょっとあやふやだったりするけどね」

兄「……渋いね。友達とかなんも言わない?」

妹「なんにも。第一お金貰ってる訳じゃないのよ?お金払ってるのよ?下手でも知らない曲でも、自分の気持ちいいように歌わないと!」

兄「……自己満足ね」

妹「そうよ!音楽、芸術で自己満足出来ないなら他人も満足しないもの。まずは自分からよ!」

兄「自分から。自身が満足……か」

◆◆青山高原◆◆
妹「うわぁー!凄いー!あれって風車?何て言うの?」

兄「え?風車であってるんじゃない?風力発電機とは言わないだろうし」

妹「これだけたくさん回ってると凄く壮観ね!……良い風。空が青くてとても近いのね、大声で歌いたくなっちゃう!」

兄「辞めろよ?流石に恥ずかしいから」

妹「鼻歌ぐらい良いでしょ?~♪空に~憧れて~♪~空を~かけていく~♪~」

兄「……まったく」

妹「……ひこうきってもっと高いところ飛ぶのよね?凄いなぁ……バイクでも自転車とか車より自由な感じだけど、空を飛べたらどんな感じなのかしらね」~♪~

兄「さぁね?どんなだろ?」

妹「自由なんだろうなぁ……上に下に、前に後ろ。速く飛んだりゆっくり風に乗ったり……」

兄「日本は航空法があるから勝手には飛べないよ」

妹「もう!ホントに雰囲気壊すのね!兄は!」

オジサン「おお!兄ちゃん!このサイドカーは君らのか!?良い趣味してるなぁ!」

兄「はい、そうです」

妹「格好いいでしょ?W1って言うのよ!」

オジサン「知ってるよ!若い頃ホントに欲しかったんだよー!……しかもこれはカワサキ純正のサイドカーだね?羨ましい!サイドカー付けるともう一台買えたんだよ!」

オバサン「あなた!バイク見ると直ぐこれなんだから!ホイホイ声かけるんじゃないわよ!」

妹「そうなの?」

兄「らしいよ?だからオヤッさんにホントに良いのかけっこう聞いたよ」

妹「なんかそんな凄いモノを悪いわね……お土産たくさん買って行こうか?」

兄「そうだね。喜ぶと思うよ……何がいいかなぁ。……酒、タバコうーん」

妹「Tシャツとかは?お土産屋さんで良く売ってるじゃない?可愛いの選んであげるわよ!」

オジサン「へぇー!埼玉から!しかも日本してるの!……羨ましいなぁ。俺も若い頃はそういう旅に憧れたよ」

オバサン「もうあなた!日本一周したいなんて言い出したら怒りますよ?……でも泊まる時なんかはどうしてるの?」

兄「キャンプ場がほとんどです。たまに公園で野宿とか」

妹「テント張ってー、ご飯も飯盒で作るのよ!」

オバサン「お風呂なんかは?」

妹「たまに無かったりしますよー。タオルで体拭いたりするぐらい。そういう時はベトベトするしホントに嫌なの!」

オバサン「お兄さんは良いかもしれないけど、女の子はそうよねぇ……今日ね、もし良かったなんだけど。私の友達が伊勢でゲストハウスやってるのよ。そこに行ってみない?」

妹「え!ホントに!ゲストハウス!!」

兄「またタイムリーな」

オバサン「そんなに安くは無いのよ。だからもし良かったなんだけど――」

◆◆バイク◆◆
ブロロ……トコトコ……
妹「やった、やった!ゲストハウスよー!私初めて!」

兄「そんなに喜ぶ事でも……予算がなぁ。許容範囲だけど望ましくないというか」

妹「お布団とシャワー有るのよ?!先輩のウチと今日とホントに良い旅ねー。とっても優雅よ!」

兄「贅沢というかさ」

妹「あんまり寝袋で寝てると、旅が終わって布団で寝れなくなるわよ?」

兄「大丈夫。この旅の前から家でも寝袋で寝てたから。大分寝袋に慣れたし、むしろずっと寝袋でも良いんじゃないかと思ってるからさ」

妹「いやよ!私は布団でゆっくり寝たいの!身体もゆっくり休めて次の日元気に旅をしたいじゃない!」

兄「まぁ、たまにはね。先に言っておくけど毎日は無理だから」

妹「ケチー!」

◆◆ゲストハウス◆◆
「シャワーここね。それでリビングは10時完全消灯ね!これで全部かな?質問ある?」

兄「大丈夫です」
妹「私も分かりました!」

「じゃあ荷物運んだりしてね!一晩だけど宜しく!!」

妹「はーい!……ずいぶんフランクと言うか砕けた人ね」

兄「……俺も思った。ゲストハウスってこんな感じなんだ。とりあえず荷物降ろそうか、洗濯物も先にやっちゃおう」

妹「りょ!お風呂どうするの?シャワー?それとも外の銭湯行くの?」

兄「俺は銭湯行きたいかも。清めのお風呂なんでしょ?気になるしさ……それぞれ好きにしようか?」

妹「じゃあ私も行きたい!……迷うかもだから連れて行って欲しいなー」

兄「歩いて十分だよ?迷うかなー?……まぁ良いけどさ」

旅の中コンスタントに楽しいテキスト上げてくれてアリガトス.
岡山はもう通過したかえ?

オバサン知り合いの所紹介するなら口利かせて安くするように交渉しろや!
って思うよね?

>>492
>>384から読んでごらん
復路でまた寄るかもね
聞いたから間違いない

>>494
おうふ 乙。

>>492
>>495
いいえー、こちらこそ読んでくれてありがとう!とても嬉しいです!
岡山は倉敷とか行ったよー!
蒜山を復路で行こうかと計画中!
>>493
ホントにそれな!

・知り合いがやってる
→それじゃあ行こうか
→そこまで知り合いじゃない
パターンがけっこう有ったよ(笑)

厚かましいというか、図々しいかもしれないけど、だったら無理して行かなかったのにとかはたくさん!

>>494
そうです!蒜山楽しみにしてます!
計画通りにいけば!(笑)

~~~~
兄「カメラの充電器も忘れないようにと。……妹は大丈夫?」

妹「洗濯物は持ったし、お風呂グッズ持った。……うん、大丈夫!サイドカーカバーするね!」

兄「こっちもチェーンしたし。……宿に戻るか」

イタリア人「オー!コレはバイクはアナタノです?」

妹「え?私達?」

兄「はい、そうです。このバイクは私達のです」

イタリア人「スバラシイ!良いバイクは良い旅デキマス!このバイクは良いバイクデス!」

妹「ありがとー!あなた分かってるわね!私もこのバイク好きで、誉めて貰えて嬉しいわ!」

イタリア人「ワッツ?」

兄「僕達もこのバイクが大好きです。僕達は嬉しいです。あなたに誉めて貰えて」

イタリア人「おー!そうです!このバイクはスバラシイ!スバラシイ!……またアイマショウ!」

妹「面白い人ね。……兄なんで変なしゃべり方だったの?」

兄「妹は英語の長い文章って苦手じゃない?外国の人と日本語の長い文章は苦手だから、短い文で伝えた方が分かりやすいんだって」

妹「へー!でも凄く日本語上手だったわね!あの人」

兄「また会いましょうだって。会えると良いね」

~~~~
妹「着替えたよー!お風呂も入れたしさっぱりしたわ」

兄「海水の風呂なんて面白かったなー……そしたらご飯作ろうか。どうする?適当にリビングで待ってても良いよ」

妹「んー。なんか手伝うわよ!今日の献立は?」

兄「舐めろう丼とか、スーパーで魚安かったからさ。……妹そしたら米炊いて貰っていい?」

妹「はーい、良いわよ!……あら?」

イタリア人「おー!バイクの女の子と男!また会いマシタ!」

妹「さっきの人ね!はろー!」

イタリア人「料理シマスカ?凄くデスね!今日の晩御飯?」

兄「えーと、そうですよ。僕達の晩御飯です」

イタリア人「あなたは料理する仕事デスカ?」

兄「んー?いいえ、仕事では無いです、僕達は学生ですよ」

妹「旅行に来てるの!旅!観光!」

イタリア人「私もデス!たくさん日本、観光デキマス!」

~~~~

~~リビング~~
「日本一周!?凄いわねー!……私?ツアーよツアー!……ってグループしらない?それの追っかけ!」
「俺?出張帰りに観光しようと思ってね。でもバイクで旅かぁ。男のロマンだよなぁ……実は来年、世界一周しようと思っててさ、聞きたいんだけどさ――」

妹「へー!世界一!!……なんかみんな凄いねー。いろんな事してるのね?」

兄「ホント。とりわけ凄いのが――」

イタリア人「こんな子達がずっと旅!外でするのはたぶん強いデス!ホントに素晴らしいと思うデス!」

妹「ありがとう。あなたは1ヶ月も日本にいるの?たくさんいろんな所行ったの?」

イタリア「はい、福岡行ったデスヨ。広島、大阪、京都、ニラ……」

兄「にら?……もしかして奈良?」

イタリア「ソウデス!奈良!奈良!それから東京行きたいデス!」

妹「へーたくさん行ったのねー。仕事はお休み?」

イタリア「ソウデス!日本の人は1ヶ月休みで驚きました!」

兄「1ヶ月休みかぁ。仕事したら夏休みなんて無いもんなぁ。……ところであなたは日本語がとても上手ですけど、日本語は学校で勉強しましたか?」

イタリア「いいえ!チガイマス!……日本語は一人で勉強です!とても難しい!」

兄「日本語?難しいですか?僕はイタリア語、英語が難しいです」

妹「そうよねぇ。あなたはイタリア語と英語出来るんだから凄いわよね」

イタリア「ところであなた達の名前はなんです?」

妹「妹です!それと兄!」
兄「宜しくお願いします。……あなたは?」

イタリア「イタリアです!……そうですか、妹と兄は好きですか?」

妹「好き?何を?」

イタリア「二人は恋人です?」

妹「え!……兄と私?」
兄「いいえ!違います。兄妹です」

イタリア「おー!とても可愛い兄妹デス!」

兄「……妹?」
妹「……別にー」プン!

イタリア「……妹さんはとても可愛いし、兄さんはもっと可愛いですね!」

兄「……ほめられてる?ありがとーございます」
妹「……可愛いだって」
兄「茶化すな」

「兄くーん!コッチの若い子が日本一周で聞きたい事あるってよー!」

兄「あ、そっち行きまーす!……イタリアさんちょっと行ってきますね。また」

イタリア「はーいバイバイ!……」

「米なんかはどうやって?」

兄「そうですね、朝に晩のを。晩に翌朝の分を仕込みます。口の広いペットボトルかコーヒー缶に研いだ米を入れて水に浸けておくと――」

~~~~

イタリア「妹さんはバイクも乗れます?他に何ができます?」

妹「他に?ええと?」

イタリア「your hobby?」

妹「……趣味かしら?music!音楽よ!フルートとか楽器が出来るわよ!」

イタリア「ふるーと?」

妹「ええと。……イタリア語で確か、フラウトだったかな?ほらこんなの」フキマネ

イタリア「おー!flauto!分かりました!音楽好きですか!」

妹「好き、大好き!イタリアの曲もちょっと分かるわよ!……~♪キミは可愛い僕の恋人~♪~赤いリボンが良く似合うよ~♪~」

イタリア「Volevo un gatto nero!デスね!日本も知ってますか!?」

妹「子供の歌ね!ほかもカンツォーネとかは好きかなぁ」

イタリア「妹さんはバイク、歌何でも出来て凄いデス!」

妹「そんな!辞めて辞めて!そんな事無いから!……ホントにそんな事無いのよ」

イタリア「日本は遠慮します!そんな事無いデス!私、妹は可愛いし凄いと思ってマス!」

妹「……遠慮とかじゃないわよ。ホントに。私より兄の方がもっと凄いの」

イタリア「兄さんですか?兄さんも凄い!妹さんも凄い!どっちも凄いデス!」

妹「ありがとー!……でもホントよ。今の私が有るのは兄のお陰。フルートが出来るのも、音楽の事好きなのも。全部兄のお陰なのよ」

妹「兄がいろいろ教えてくれたから。兄が一生懸命だったから。こうやってイタリアの曲も少し分かるのよ」

イタリア「妹さんは兄さんが好きですか?」

妹「もちろん好きよ!」

イタリア「好き、チガイマス!Ti amo!Amore!loveの事デス」

妹「な!違うわよ!!」////

イタリア「loveデスね!」

妹「……違うの!違うもん!!」

妹「……イタリアは兄妹で愛し合うの?」

イタリア「日本よりは愛しマス!寝るときは一緒に寝る事アリマス!」

妹「一緒に!……小さいウチだけ?大人になっても?」

イタリア「子供、大人どっちもデス!それが愛!Amoreデス!」

妹「……ふーん、そうなんだ」

イタリア「妹、兄さん好き?」

妹「だから違うの!」

イタリア「可愛いから兄さん喜びマスよ!……あ、妹さん!私、コップ場所知りません!教えてくだサイ!」

妹「もー。……台所よ、こっちよ!」

~~~~
妹「ええと、ここかなー?……有ったわよ!はい!」

イタリア「アリガトーゴザイマス!……妹さん、兄さんにabbraccio。ハグしないですか?」

妹「ええ!もーなんなの!……そんなのしないわよ」////

イタリア「bacio。キスはシマスカ?」

妹「ノー!ノー!……そういうのは日本はしないの!」////

イタリア「愛をちゃんとスルナラ、必要デス!話だけダメです!」

妹「…………そうなのかな?」

イタリア「ソウデス!ソウデス!……妹さん!私で練習シマショウ!兄さん喜ぶ!妹さんも嬉しい!」

妹「ふぇ!ダメダメダメ!そういうのはホントにしないの!」

イタリア「なんでもトライ!さあ妹さん!」ジリジリ

妹「え!ちょっ!……ホントにダメ!ダメなんだって!」アトズサリ

イタリア「難しいジャナイデス!簡単デス!!」ジリジリ

妹「え!イタリアさん!!……イヤ、ダメよ!」アトズサリ

イタリアーノ容赦せん!

更新来ててうれしい!

乙!

>>505
外国人って凄いよね。だって外国語喋れるんだもん。

ありがとー。適当に更新しますので、暇な時覗いて見て下さいませ

「兄ー!早く来てくれーーーー!!!」乙。

雨降ってきた、えらい勢いだ。ぬれるなよ乙。

>>507
寝とられって燃えるよね(笑)

雨ヤバイねー。雷雨です。in沖縄

妹「……ダメだって!……兄」アトズサレナイ

イタリア「大丈夫デス!ハグ、キッスは挨拶デス!」ジリジリ

妹「……イヤ」


兄「そこまでですよ。日本人はシャイなんです!」

イタリア「おー兄さん!妹さんとっても可愛いデスね!」

兄「可愛いかな?……でも可愛くてもダメです。まだ嫁入り前なので」

イタリア「ヨメイリ?」

兄「説明します。ロビー行きますよ。……妹、ホラ」

妹「…………」ギュ……

兄「……このTシャツ気に入ってるから、伸びると困るんだけど」

妹「…………ありがと」

兄「……どういたしまして、かな?バカ、イタリア人にホイホイ着いていくなよ」

妹「だって……」

~~~~
「そろそろ消灯してくださいー!」

兄「はい。……じゃあ皆さんまた。貴重な話聞けて助かりました」

「こっちこそ!ありがとね!」
「九州きたらよってくれよー!」

妹「…………」

兄「ホレ、お前も寝ろ寝ろ。明日も早いから、準備出来たら直ぐ出発ね」

妹「……うん」

イタリア「兄さん!妹さん!オヤスミナサイ!……妹さんイイデス?」

妹「……何もしない?」カクレ

イタリア「大丈夫デス!…………兄妹寝ます。愛がアリマスよ」コソコソ

妹「え、ちょっと!」

イタリア「オヤスミナサイ!」


兄「なんて?」

妹「……別に」

~~~~

兄「…………明日は伊勢神宮行って。かな……有料道路高いなぁ。…………鳥羽まではスムーズに行きそうだから妹の運転かなぁ」

~~~~

妹「…………」

イタリア『イタリアは兄妹でも一緒に寝マス!大人なってもデス!愛が有るデスよ!』

妹「…………」モゾモゾ

妹「……愛、かぁ」

妹「…………」モゾモゾ

妹「…………うん」

~~~~

~~~~
兄「…………ん?」カーテンユラユラ

兄「……誰ですか?起きてますよ?」


妹「…………兄。ゴメンね」ソロリ

兄「……どした?ここ男性部屋だからダメだよ」ヒソヒソ

妹「あのね、その…………」モゾモゾ

兄「……どした?」

妹「……今日、一緒に寝たい」ヒソヒソ

兄「……女性部屋までイタリアさん行かないよ。他の人もいるんだしさ」ヒソヒソ

妹「そうじゃないの……兄と一緒に寝たい」

兄「……ダメだって、他の客もいるんだからさ。――あ、コラ」

妹「……ちょっとだけ。一緒にいさせてよ」

兄「…………ちょっとだけ?」

妹「ホント。……お願い」

兄「……はぁ。良いよ、おいで」

妹「……何してたの?」

兄「明日のルート覚えてた。……明日は午後ちょっと移動長くなるかもだよ」

妹「大丈夫よ。平気、今日ベッドで寝れるから」

兄「……せっかくベッド広々使えるのに、わざわざ二人で一つ使うことないだろ?」

妹「だって……」

兄「…………どうした?」

妹「……別に。ホントにただ一緒に寝たかっただけ」

兄「今までこんなこと言わなかっただろ?」

妹「……そんな事ないわよ」

兄「…………」

妹「……迷惑?」

兄「……別に」

妹「……ゴメンね」

妹「……兄」

兄「なに?」

妹「……愛ってなにかしらね」

兄「仏教的には渇愛は欲望の一つ。キリスト教的には博愛。慈悲とかに近い感情」

妹「兄……妹愛は?」

兄「……博愛に近いんじゃない?」

妹「……そう」

兄「…………」

妹「……兄は――」

兄「ん?」

妹「……なんでもない。オヤスミ」

兄「……おやすみ」

~~~~
妹「…………」

兄「…………」

妹(兄は……私の事どう思ってるのかしら。……私は…………兄を)

妹(……好き。兄妹……愛なのかな…………)

妹(博愛、慈悲…………渇愛、欲望)

妹(…………欲望)

妹(……兄に手を握って欲しい。ギュって抱き締めて欲しい。)

妹(…………兄と)

妹(……欲望なのかな)

妹「…………」ネガエリ

兄「…………」

妹(……寝たのかしら?)

妹(…………私は)

妹(…………兄とずっと一緒にいたい)

妹頑張って

雷にうたれないように

>>516
ありがとうー。なんか今雨、風凄いのよ 。
妹頑張ってというか、兄どうしようかね

~~~~
『だから、妹ちゃんは誰が好き?』
『そうだよ!みんな言ったんだから妹ちゃんだけズルいよ!』

妹『そんな事言われても……分からないもん』

『じゃあ誰が格好いいと思う?』
『隣のクラスの……くんとかサッカー出来るし格好いいよねー!』

妹『……くんは違うかな』

『誰よー!ウチの……くん!成績優秀だし!』
『格好いいのは……くん……くんとか?……あと兄くんかな?』

妹『……え?兄?』

『格好いいよ!ピアノだけじゃなくてフルートも出来るんでしょ!?もーなんで教えてくれなかったのよ!』
『物静かで優しいしねー。……あ、でも妹ちゃんは違うか』

妹『違うって?』



『だって兄妹は付き合う事出来ないもの』

~~~~
妹「……ん。あさ……兄は?」

兄「……zz」

妹「あれ?珍しいわね。……兄がまだ寝てる。疲れてる……のかな?」

妹「……兄。おーい。…………凄い、熟睡してる。こんなの初めて見たかも」

兄「……zz」

妹「……キレイに寝てるのね。私ももうちょっと寝ようかしら?兄だって寝てるんだから、私だけが悪い訳じゃないし」

妹「……寝てるのよね?……兄?」サワサワ

兄「……zz」

妹「……寝てるのよ……ね」

イタリア『ハグ、キッス挨拶デスよ!』

妹「…………ちょっとだけなら。頬っぺただけ」ソロソロ……




妹「…………あに」 ドキドキ

兄「…………ん。うーん。……妹?」

妹「兄!起きたの?」ガバッ!!

兄「……かも。…………なんか良く寝たなぁ…………あれ!?もう6時か。……しまった寝すぎたよ……ん、妹?何してるの?」

妹「え!?いやいや!なんでもない、なんでもない!」ドキドキ

兄「そう?……なんか顔赤いけど、調子悪い?」

妹「え?あー!顔!?そんな事ないよ!シャワー浴びたからかな!?」

兄「……そう?……てかヤバい。急いで出発の準備しなきゃ。……妹シャワー浴びたなら洗顔済み?ご飯作るからちょっと待ってて」

妹「え!いやいや!ゆっくり準備して!私ももう一度シャワー浴びようかなぁー!」

兄「浴びたならもう一度入る必要なくない?」

妹「いやいや!良いの!もう一度入りたい気分なんだから!」

兄「しまったしまった。なんでこんなに寝坊したんだろ?」

妹「そうね。……もうちょい寝てて欲しかったんだけどね」

兄「え?なんて?」

妹「別に!……出発準備大事よ!」

兄「そう?……あ、忘れ物した。ちょっと待ってて」

妹「はーい!…………あ、イタリアさん」

イタリア「オハヨウゴザイマス!……妹さん?顔色が良いです!良い事ありました?」

妹「何もないわよー。……でも、そうね。イタリアさんありがとね!」

イタリア「?どういたしまして!!」

兄「お待たせ。……あれ?イタリアさん?おはようございます」

妹「忘れ物平気ー?もう私は行けるわよー!」

兄「イタリアさんいいの?」

妹「うん!旅気を付けてって!」

兄「そう?……とりあえず今日は伊勢神宮行こうか。で夫婦石行って志摩半島。最初は妹の運転ね。俺ナビするし」

妹「はーい!ゲストハウス楽しかったわね!いろんな人とたくさんお話出来て!」

兄「そうだね。またなんかの機会で別のゲストハウスよろうか?」

妹「賛成!」

兄「そしたら出発」

◆◆◆◆◆◆
三重県1日目おしまい

~~~~~~
先輩『……という訳で兄くんはフルートパートのリーダーだ!』

先輩2『こらこら。……兄くんも急にって訳じゃないしね。今日から部活終わったらちょっと残って引き続きしようか?』

兄『はい。……だって妹。俺、今日から遅くなるかもだから先に帰っていいよ』

妹『いや!待ってるわよ!』

兄『どのくらい掛かるか分かんないからさ』

先輩『ぱっぱっとヤレば直ぐさ!』

先輩2『適当言わないの。……パート譜、スコアのコピーの仕方とか事務的な事。あと、二人は経験者だから教えなかったけど、初心者に教える時の為の練習ノート有るからそれを説明かなぁ?』

妹『……けっこう時間かかりますか?』

先輩2『兄くん次第だけどねー。ホントは一年かけて一個下に教えてたのよ。それを1ヶ月で教えなきゃだから』

兄『……確実に遅くなりますか?』

先輩2『……かもね。二年生のフルート辞めちゃったからなー。兄くんには悪いけど、練習と別にこれからちょっとゴメンね。あと、妹ちゃんも』

妹『……はーい』

兄『ただいま』

妹『……お帰り。凄く遅いじゃない』

兄『先輩達を送って行ってた。小学校と違って学区広がったからさ。けっこう遠いんだね』

妹『ふーん……』

兄『あと部活もさ。先輩達引退したら、パートリーダーだけの集まりがたくさん有るみたいだから、これから毎日俺だけ遅くなるかも』

妹『え!引き継ぎの時だけじゃないの?』

兄『なんかね。部活って小学校のクラブの違うみたいだね……レッスンの時間変えて貰えないかなぁ?』

妹『…………』


~~~~

『兄くん!今日もパートリーダー集まるよ!準備室集合ね!』

兄『はい、分かりました!……妹さ――』

妹『先に帰ってるわよ』

兄『悪い、気を付けてね。――先輩、持ち物何かありますか?』

先輩『そうね。――』

妹『……せっかく同じ部活になったのに』

兄は妹に惚れていくようにたのむ
だが、先輩の女とくっつくのは有りだな

お尻を大切に(笑)

>>537
兄『すまない、ホモなんだよね』
とかは無しか(笑)

ボラギノール買ったらセットするぜ

~~~~
妹『え?先輩2が?』

『あれ?知らなかった?多分兄くんの事好きだよ』
『ねー!だってあんなにあからさまだもんね!昨日、忘れ物取りに行ったら机挟んでだけど、凄く二人近かったの!』

妹『だってパーツリーダーの事で教わるからって……』

『そうかな?でもウチらそんなのないじゃん?』
『フルートは2年生いないからだけど、ウチの先輩に聞いてもそんな事やって無いって言ってたよ?』

妹『……そうなんだ』

『兄くん格好いいもんねー!どんな人タイプなんだろ?』
『年上だったら先輩2、有利だよねー。三年生で美人だし』
『私にチャンス無いかな?』
『ナイナイ!諦めなよ!……ねぇ?妹ちゃん?』



妹『……嘘つき。そんな事言わなかったじゃない』

三重県2日目
◆◆伊勢神宮 外宮◆◆
妹「ちらほら人が居るのね。私達だけかと思ってた。こんな朝早くから観光客かしら?」

兄「んー。かもしれないし、なんか地元の人みたいだよ?」

妹「そうかな?……でもそうか、あんなラフな格好で旅行しないか」

兄「お参りなんだろうね。地元の小さな神社に行く感覚で、こんな立派な神社にお参りに来れるのか」

妹「良いなぁー。地元にこういう神社とか有ればなぁ」

兄「なんで?毎日お参りしたいの?」

妹「全然、全く。でも、毎日小さな神社より、毎日大きな神社来た方がご利益ありそうじゃない?同じお賽銭なら大きな神社の方が願いが叶いそうよ!」

兄「変わらないと思うけどなぁ……。」

俺がって意味な

お尻は大切にね

ここはしりずきがおおいいんたーねっつでつね!

>>542
デカければいいって訳じゃないのは分かってるんだけどね。
地元の小さい神社とか祠にお参りしてもご利益あるように思えんのだよ(笑)

>>543
尻からなんかはみ出てる感じ。凄く痛いの

>>544
おしりかじり虫も流行った事だし、先天的におしりが大好きなんだよ。看んな。

◆◆伊勢神宮 内宮◆◆
兄「なにすねてんの?」

妹「……ここに早く来た理由が分かったわ。お土産屋さん私に寄らせない為でしょ?」

兄「……ちがうよ」

妹「嘘よ!こんなたくさんお店並んでるのに、お店開いてないなら意味無いじゃない!」

兄「ホントだって。ほら、ゲストハウスだって泊まる予定なかったし、いろいろ変更したからさ」

妹「……まぁそれなら良いけど。でも残念ね。雰囲気有って素敵な所なのに。どんなお店なのかなぁ」

兄「おかげ横丁だってね。ここバイクで走れるのは今の時間だけだから逆に貴重なんだよ?」

妹「あ、赤福!良いなぁ……食べたかったなぁ。疲れた体には甘いものよ!」

兄「…………聞いてないよね」

~~~~
妹「凄く大きな鳥居!なんか新しい?キレイ見えるけど」

兄「この間遷宮が有ったばかりだからじゃない?」

妹「せんぐう?」

兄「ニュースでやってたのに。……まぁリニューアルだよ」

妹「へぇー!リニューアルオープンしたばかりなのね!……あ、なんかみんな鳥居の所でお辞儀してるわよ?」

兄「ホントだ?作法なのかな?全然知らなかった。……帰る人も振り向いてお辞儀するんだね」

妹「神様に?」

兄「なのかな?俺らもちゃんとやろうか」


妹「……神様お参りに来ました。どうぞよろしくお願いいたします」ペコリ

兄「……穢れの身で入る事をお許し下さい」ペコリ

真ん中通っちゃ駄目だぞ

お邪魔します、お邪魔しましたかな?

>>548
たまに真ん中塞いで写真撮ってる人居るよねー。ねー。

>>549
かな?当たり前だけど、神様の場所だもんね。そこまで意識してないけど

妹「凄く大きな木......私が腕回しても抱えられないわ」

兄「だね。なんか遷宮のために木材も育てるってのは聞いたことあるよ。いきなり神社直すって行っても材料ないと駄目でしょ?」

妹「だからこんなに大きな木、たくさんあるのね。……なんかそうね。古い木なんだろうけど、とても力強いというかしっかりしてる感じ」

兄「…かな。ちゃんとした木材じゃないと60年もたないからね」

妹「何で60 年なの?」

兄「なんか60年に一回遷宮ってのをするらしいよ。木材の年数がそうなんじゃない?」

妹「いつから?」

兄「さぁ?ずっと昔からじゃない?」

妹「ふーん。……次の遷宮はまた60 年後なのね。その頃はおばあちゃんかしら」

兄「生きてればね……この旅死なないとも限らんしなぁ」

妹「……事故にならないようにお祈りしなきゃ」

ちゃんと手入れしていけば千年は余裕で持つ

~~~~
妹「うわぁ……伊勢神宮って昔からある神社なのよね?全然そんな風には見えないわね」

兄「遷宮したてだからね。ホントに綺麗だよね」

妹「毎回同じ建物を建てるの?昔からずっと?」

兄「らしいよ?俺だってそんなに詳しくないって」

妹「……なんか良いわよね。昔から、それこそ百年とか、もっともっと昔なんでしょ?そんな風にずっと続くって……」

兄「そうかな?まぁ、でも伝統を守るって凄いよね。口にするのは簡単だけどさ」

妹「伝統とか難しい事は分からないわよ。ただずっと同じように続いているのが羨ましいのよ」

兄「羨ましい?なにが?」

妹「何でも良いでしょ?さ、お参りしようよ!」


妹(ずっと同じ。兄とずっと一緒でいられますように……)

>>552
京都の古寺なんかも凄いと思ってだけど、日本にそれ以上に古い建物多くてびっくりしてます。
凄いなぁ

昔の人は本当に凄いよね
至る所で雨が凄いけど大丈夫かな?
気をつけて

>>ごめん。遷宮は60 年じゃなくて20年


妹「凄いー!本堂?だけじゃなくて他の建物も綺麗なのね」

兄「全部建て替えるらしいね。これだけ木材が有るのも凄いよ」

妹「建物とかはそのままなのかな?」

兄「そうなんじゃない?設計図とかどうなってるんだろうね」

妹「なんかクラシック音楽みたいじゃない?設計図、楽譜はそのままで演奏者が変わって。指揮者によって細かいところ変わったりするのかな?」

兄「……かもね」

妹「クラシック音楽とかこういう古い建物とか、私そう言うの好きかも。……ずっと続くって良いなって思う」

>>555
なんからしいね。九州の人大変だとか?
被害が出来るだけ少なくなるよう。
被害にあった場所が早く復興するよう祈ってます

◆◆夫婦岩◆◆
兄「交通安全の場所なんて知らなかったよ。『無事かえる』だって」

妹「見てみて、かえる可愛い!やーん、こういう場所たくさん増えれば良いよね。龍とか怖いものじゃなくて」

兄「……全部の神社が可愛いのだとなぁ。ほら伊勢神宮が可愛いかったら嫌じゃない?」

妹「……そうかも。でも可愛いのがあっても良いわよね?かえるとかウサギとかネコとか!私、将来神社造ろかなぁ?可愛い神社!絵馬とかも可愛くしちゃうの!」

兄「……意外とハマれば売れそうだから、一概に否定出来んなぁ」

~~~~
妹「石にお参りするなんて面白いわね」

兄「元々日本はアミニズムだから、山とか川とか木とか。何でも神様だったらしいよ」

妹「楽器が神様とかあるかな?」

兄「あるかもね。ストラディバリウスなんてもそんな感じするけどね」

妹「夫婦円満だって」

兄「らしいね」

妹「……兄は好きな人とか、付き合った人っていないの?」

兄「俺?いないよ?」

妹「中学の時、先輩2と付き合って無かった?」

兄「え?先輩2と?無いよ、無い無い」

妹「……ホントに?良く一緒に帰ってなかった?」

兄「無いよ。ホントに」

妹「じーー、」

妹「……兄はどんな人が好き?」

兄「分からないよ。大学に入ってからみんな付き合ったりしてるけどさ、ホントに好きとかじゃなさそうだし」

妹「例えばよ、スタイルは?痩せてるの?太ってるの?」

兄「え?太ってるのは嫌だけど、ガリガリもなぁ?」

妹「顔は?可愛いの?綺麗な人?芸能人に例えるなら?」

兄「えー?テレビ見ないから分からないよ?てか、なんでそんなに聞くんだよ?」

妹「……別にいいじゃない」

兄「逆に妹はどんな人が良いの?」

妹「……内緒」

兄「それはズルいよ。俺に聞くんならお前も言えよ」

妹(目の前にいるのよ。兄のばか!)

◆◆バイク 伊勢志摩パールロード◆◆
妹「気持ちいいー!あ!カキ食べ放題だって!よっていい?」

兄「残念、今やってないよ」

妹「えー!おかげ横丁と言い、わざとでしょ?」

兄「だからたまたまだって。……ただ、やってても入らなかったかもだけどね」

妹「ほらー!旅してからずっと思ってたけど、兄は旅してて楽しい?景色見るのも楽しいけど、その土地の物をたくさん食べるのも旅の良いところじゃない?」

兄「カキは時期じゃないしさ。それに俺が静止するのは無駄だと思う買い物だよ?お前はそれが多いんだって」

妹「そんなこと無いもん!何が無駄なのよ!」

兄「ソフトクリームとかさ。スジャータのアイスなんか何処でも食べれるだからわざわざ買う必要ないんだって」

妹「そんなの分からないじゃない!食べてみないと、もしかしたら味が違うかもしれないわよ!」

兄「コンビニ入る度に駄菓子買ったりさ。さっき何買ったの?」

妹「ココアシガレット。美味しいんだもん、良いじゃない」

兄「旅の醍醐味ねぇ……」

どん兵衛と赤いきつね緑のたぬきは東西で味違うらしいな

>>562
個人的には関西どん兵衛が好きです

あと関西でメジャーなおにぎりせんべいとか言うのも初めて知った!

~~~~
兄「……いい景色」

妹「そうねー!兄も走りたい?」

兄「まぁ、良いよ。往復すると時間かかっちゃうし」

妹「止まるなら行ってよ?私は直ぐ代われるわよ!」

兄「……空間というかさ」

妹「うん?」

兄「いや、何でもないや」

妹「なになにー!気になるわよ、それ!辞めてよー!」

兄「いいんだよ。独り言」

妹「きーにーなーるー!」

◆◆志摩半島◆◆
妹「ええー!展望台まで歩くの!山登りじゃない!」

兄「なんか車は下に泊めろって書いてあるし、しょうがないんじゃない?」

妹「疲れるの嫌ー。兄はホントにこういうところ来るの好きね」

兄「高いところは景色がいいんだよ。ばかと煙は~って言うけど、いい景色見ればみんなバカになると思うんだよね」

妹「兄がばか?それは嫌味ね、学校のテスト赤点取った事ない癖に」

兄「俺は普通です。赤点とる方が珍しいよ。80点以上取るのと、20 点以下取るのと同じぐらいの人数だから」

妹「はいはい、優秀で自慢の兄ですよー。ホントに羨ましい!私も音楽なら100点取れるのになぁ!」

兄「…………俺はそれが羨ましいけどな」ボソ

妹「え?なに?」

兄「何でもないよ、歩こう歩こう」

妹「キツいー。アツいー」

兄「頑張れ頑張れ。ふぁいと」

妹「気持ちの入ってない応援ね。……こういう時、中学高校で運動部に入ってたら。って思うわ。吹奏楽しか知らないんだもの」

兄「……高校の吹奏楽部はみんな走って無かった?」

妹「コンクールに乗れない部員はね。私はそれが嫌だったから必死で練習したわよ!」

兄「ふーん」

妹「運動部が高校の周り全部使ってるから、学校から離れて田んぼの方行くのよ。だから、夏は虫が凄いんだって!」

兄「らしいね」

妹「学校から追いやられて、人知れず走るのはとてもしんどいらしいわよ?……そういえば兄は良く知ってたわね?けっこう離れたところ走るから、みんな知らないよ?」

兄「……たまたま見かけたからさ」

妹「あんなところで?」

兄「どうでも良いだろ?さ、行くよ」

~~~~
「こんにちはー」

兄「こんにちはー……妹、挨拶されたんだから返しなさい……すいませんあとどのくらいですか?」

「そうねー?半分ってところかな?」

妹「半分!そんなに!!」

「女の子は大変かもねー。ゆっくり行きなよ!景色は最高だぞ?」

兄「だってさ、ほれほれ頑張れ」

妹「むりー……あ!あの車ズルい!下で止めなきゃ行けないのに!」

兄「ホントだ。まぁ、乗ってたのお歳召した人みたいだしさ、しょうがないよ」

妹「若者だって疲れるのよ!年取ってるからってズルいわ!」

~~~~
兄「お、見えてきたよ」

妹「ほんと~疲れた~……あ!凄い!島?なの?」

兄「リアス式海岸だから波の力で削られたという………か。おーい」

妹「兄ー!早く早くー!あ、展望台あるよー!人もたくさん!!」

兄「……現金だよなぁ」

妹「早くー!風も気持ちいいわよ!」

兄「わかったわかった。今行くよ」

妹「凄いー!なんかモコモコたくさんしてる感じ!ちょっと可愛いかも」

兄「女の可愛いっていまいち分からないなぁ?でも凄いね。リアス式海岸とか教科書でしかみたことなかったよ」

妹「リアス式?」

兄「うーん……なんと言うかな。断崖のギザギザの海岸のこと」

妹「ギザギザ?木がモコモコしてるわよ?」

兄「ほら海との縁取りは複雑な形でしょ?ああいうのだよ」

妹「へぇー!なるほど!確かにギザギザしてる?かな?」

兄「元々谷だったとかで、海面上昇とかあったら島になるかもって」

妹「あぁ!!だからしま半島なのね!」

兄「……違うんだよなぁ」

妹「なんか面白いわよね。海の色と木々の緑と鮮やかで」

兄「だね。形なんかは不均一でこんな形は作為的に出来ないんじゃないかな?そういえば、この間の伊勢志摩サミットで安倍総理大臣とか来てたんだって」

妹「ふーん。あんな偉い人達はこういう景色はどういう風に見えるのかしらね?」

兄「さぁ?いろんな所行ってそうだしなぁ。もっと凄いもの見てるかもだし」

妹「凄いもの見た後だと、感動しないのかな?私はどんなもの見ても素敵に見えるものだけど」

兄「……妹はさ。どんな風に見える?」

妹「私?そうね、やっぱり可愛いかしら?なんて言うのかな?まりもみたいってのが第一?それでそれぞれの島が性格が違って見えるというか」

兄「性格?」

妹「そうねー。……例えば大きいのはお父さんかしら?厳しそうだけど、雄大なの。それであれはウサギかしらね。寂しいそうで一番可愛いの。音で例えるなら柔らかいマレットで叩くマリンバみないな?」

兄「……感受性か」ボソ

妹「兄はどう見えるの?」

兄「リアス式海岸」

妹「ふーん?見てて楽しい?」

兄「……楽しいと思ってたけどね」

あほのいもうとのこかわいい乙。

げんきなあほのいもうとのこほんとかわいい乙。

>>571
妹可愛いの
こんな妹ほしいでつ

◆◆バイク◆◆
兄「ちょっとこれから長いよ?寝てても良いから」

妹「寝ないわよー。アツいし寝れないわよ」

兄「でも休める時休まないと、バテるよ?」

妹「そうかしら?兄も疲れたら言ってね、私代わるわよ?」

兄「おかげさんで今日は運転初めてだしね。大丈夫だよ」

妹「ふーん。……私ね、最近バイクで走るのとても好きよ。普通の道走ってるのに非日常というか。……なんとなく兄がバイク好きって理由分かる気がするわ」

兄「そう?……あ、次の交差点ーー」

妹「右ね?」

兄「……そう。地図見てた?なんで分かったの?」

妹「なんとなくよ。南に行くんでしょ?だからこっちかなって」

兄「……ふーん」

妹「兄の道案内を毎日聞いてるからかな?でもホントなんとなくだけどね」

兄「………」

妹「~♪恋人よ~僕は旅立つ~東へと向かう列車で♪~」

兄「……木綿のハンカチーフか」

妹「太田裕美よね!関西から東京への歌かしらね?」

兄「九州から大阪かも知れないよ?」

妹「その頃って九州から大阪まで電車通ってたの?」

兄「でしょ?戦争の時にはたくさん線路あったんだしさ」

妹「……男の人って勝ってよね。恋人がいるのに恋人を置いて、一人でどこか行っちゃうんだもの」

兄「そうかな?男のだけって訳じゃないと思うけど?」

妹「そんなことないわよ?どこか行くなら私は好きな人も一緒が良いわ」

兄「まぁ俺の勝手なイメージだけどさ、女の子の方が良く付き合ってる相手じゃなくて、友達同士で旅行してる気がする」

妹「……ホントに好きじゃないのよ、きっと。長い間離れるなんて私は嫌」

兄「ふーん?お前と付き合う相手は大変だな。独占欲というか所有欲でしょ?それ?」

妹「……そうかな?兄はそういうの嫌?」

兄「度が過ぎるのはね」


妹(でも、私はこうやって繋ぎ止めるしか出来ないもの。……繋ぎ止めたくてもいつかは)

…どうも本当の身内じゃない感がするんだよねこの二人…。

…それはそれとして妹は楽しさで些末事を上書きして、いろいろなものを好きになっていく感じがいいよね。

イッチ、よい旅を。乙。

>>575
一応、ホントの兄妹という気持ちで書いてますよー。何でも批判する人より、楽しんでくれる人の方が良いよね!


ありがとさん!旅楽しめるように頑張るよー!

>>576
サンキュ!

~~~~
妹「長いわねー」

兄「そうだね」

妹「次はどこだったかしら?後どのくらい?」

兄「そうだね。次の鬼ヶ城までけっこうあるよ?そうだな、3時間ぐらい?」

妹「うそー!今までで一番長いじゃない?」

兄「だいたいだよ?志摩から120kmぐらいだから3時間ぐらいでしょ?」

妹「なんで3時間なの?」

兄「えーと……目的地まで12kmです。時速4kmで何時間かかる?」

妹「そんなの走ってみないと分からないじゃない?そもそも4kmなんて遅いからもっと速くスピードだすべきね」

兄「……我が妹ながらひどい」

~~~~
ブロロロ……トコトコトコ……
妹「……」コックリ

兄「……」

兄「……いい眺めだな」

兄「……ん、後ろからバイクか。譲るかな」

ライダー「……」手ヒラヒラ

兄「……良いなぁ。一人でツーリングか」

兄「……別に置いて行こうとしたわけじゃないんだけどな。俺一人じゃないと意味ないと思っただけで」

妹「……」コックリ

兄「……勝手だったかな」

兄「~♪いいえ、あなた 私は欲しいものはないのよ♪~」

兄「……」

兄「……そんな見返り求めない女なんかいないよな」

◆◆鬼ヶ城◆◆
妹「すっかり寝ちゃったわ」

兄「アホヅラしてたよ」

妹「そんな顔しないわよ!」

兄「写真見せてやろうか?」

妹「撮ったの!?やだやだ、消してよ!」

兄「嘘だよ」

妹「もー、ばかばか!」ポカポカ

兄「痛い痛い……ん?あれさっきのバイクか」

妹「さっきって?」

兄「俺ら抜いて行ったんだよ。……キレイに乗ってるなー。W1 も洗車したいけど、なかなかなぁ」

妹「バイクって洗っていいの?」

兄「もちろん、洗車した方が錆びにくいし持つよ。泥とかこびりついて水含み安くなるから」

妹「へー?今度洗ってあげようよ!」

兄「雨降ってる日で、屋根付きの水場あったらかなぁ?」

本当に兄妹で旅をしてたら面白いのに

>>582
こんな妹なんて現実には居ないんだよ…

居ないんだよ…

>>582
弟と一緒なら楽しそうなんだけどなぁ。妹と一緒はキツイ

>>583
言葉が重すぎるよ
まぁ、実際いないんですが(笑)

>>583
なんかスマン

姉とはメチャ仲がいいから

>>584
楽しんでるかな

>>585
>>586
楽しんでるよー。
てか、そのねーちゃんくれ!(笑)

ぼくはせんぱいがいてくれればそれで乙。

>>588
おっぱいですね。分かります、(笑)

~~~~
妹「凄い沿ってるというか、ホントに食べられちゃいそうね。鬼と言うかゴジラっぽい!」

兄「鬼と恐れられた海賊を倒したのが由来とか聞いてたから、鬼っぽさは関係ない気がするけどなぁ」

妹「恐れられた海賊かぁ。ねぇ!鬼ってそんなに怖いのかしら?」

兄「さぁ?架空のモノって言われればそれまでだしね。俺は、なんとなく怖いと言うか、正体不明の恐怖の象徴みたいなもんだと思ってるけどね」

妹「夜のトイレとか?」

兄「怖いの?」

妹「家のトイレは平気よ?でも、キャンプ場のトイレは怖い気がするわ」

兄「それは分かる。ムカデとか蛾とかいろんな虫いるからね」

妹「……それも怖いけど、何か居そうな気がするのよね。ある空間だけ空気が違う気がするの。多分気のせい何だろうけど」

兄「……へー?欲分からないけど」

妹「この岩。絶壁なんかも今たくさんの人がいて見るのと、一人で見るのとまた違って見えるのかしらね?」

今日は大山まで行ったよ
県内にはいるよ

>>596
岡山かぁ。早く行きたいのう。。。

~~~~
「なにこれ?ただの崖じゃん?」
「そうかな?でも……」
「ホントにセンス無くね?あり得ないし」


兄「……カップルかな?なんか雰囲気悪いけど」

妹「そうね……」


「ホントに冴えないし、絶対楽しませるって言うか来たのに。意味わかんない」
「ご、こめん」


妹「なんか勘に触るわね。あの彼女」

兄「まぁ同意」

妹「……ちょっと文句言ってくる!あんなの横柄じゃない!?」

兄「え?ダメだよ。内政干渉だって。気持ちは分かるけどさ、辞めろ辞めろ」

妹「嫌!はーなーしーてッ!あんなの同じ女性としてほっとけないわ!」

兄「だから前後関係何が有ったかわからないだろ。……あ、彼氏置いてかれたよ」

妹「もう!言いそびれじゃない!……彼氏さんうなだれちゃって。ちょっと話聞いて来るね」

兄「え、ちょ。……おーい」

妹「こんにちは。……彼女さんとケンカですか?」

彼氏「え?こんにちは。……いや見てたの?」

兄「すいません。……ばか、辞めろって言っただろ?」

妹「だっておかしいじゃない!こんな凄いモノ見てただの崖?あんな感受性ない人が凄いモノ見ても価値が無いのよ!」

彼氏「いやいや、僕が悪いんだよ。……彼女があんまり興味無い事をデートプランに選んだから」

妹「そんなの!せっかくあなたが選んだ場所でしょう!?一緒に来るだけで楽しいじゃない!そう思わないとダメよ!それなのに――ムグムグ」

兄「どうどう。……いきなりですいませんね」口抑え

彼氏「いやいや、僕が恥ずかしいところ見せちゃったから悪いんだよ。ありがとうね」

兄「彼女さん追いかけなくて良いんですか?」

彼氏「ついて来るな!って言われちゃって。車の鍵は僕が持ってるし、多分入り口の売店とかにいると思うから」

妹「はーなーしーてー!!」バタバタ!

彼氏「いつもなんだよ。デート誘って喜ばそうと頑張るんだけど、裏目に出るというか。はぁ。、……君たちは恋人?」

兄「いえ、兄妹です」

彼氏「そうか。……なんかね。彼女が望む事が分からないというか。前のデートで人がたくさんいない所。自然が良いって言ってたからさ」

妹「前はどこに行ったの?」

彼氏「蒲郡って知ってる?そこのレジャー施設だよ。彼女も行く前は良いって言ってたのに、いざ行ったらなんか違うって」

妹「あ!私達も行ったわよね?凄く良いとこだったわよ!そこもダメだって?彼女おかしいわよ!私が文句言ってあげる!」

兄「こらこら。……内政干渉」

妹「でも!おかしい事はおかしいって言わないと!」

彼氏「良いんだよ。ホントに彼女の事を理解してあげられない僕が悪いんだから」

妹「そんな事ないわよ!彼女もそこが良いって言ったんでしょう!?だったら文句言われる筋合い無いじゃない!」

彼氏「彼女は何も言わないよ。ただ僕のデートプランに付き合うだけだし」

妹「なにそれ!もっとひどいじゃない!任せきりで文句言うなんて!」


兄「……お前も似たような所あるけどなぁ」

彼氏「いつもそうなんだよね。デートは行きたいらしいんだけど、何がしたいとか、どんな所行きたいとかは教えてくれないんだ。はは……」

妹「ただのワガママじゃない!そんな彼女と付き合ってるなんて勿体ないわよ!」

兄「どうどう」

彼氏「……そうかな?…………でもね、それでも彼女が好きなんだよ。小さい頃から一緒で、ハッキリしない僕をいつも引っ張ってくれてさ」

妹「そんな。……でも」

兄「付き合って長いんですか?」

彼氏「付き合ったばかりだよ。ずっと言えなくて、この間お酒の勢いでさ。……でも彼女がどう思ってるのか今でも、分からないかな。僕だけが好きなのかもしれないし」

妹「…………」

彼氏「だから自信を持って彼女と付き合ってるって思えるように。彼女に好きになって貰えるように、僕は頑張りたいんだよ。……ゴメンね変なところ見せて。そろそろ彼女の所行かないと」

兄「いえ、こちらこそすいませんでした。……妹」

妹「分かってるわよ!……彼氏さん。彼氏さんは絶対悪くないし、間違ってないわよ!」

彼氏「はは、ありがとう。それじゃあね」

兄「なんで他人の事に突っかかるんだよ?ばか」

妹「ばかじゃないもん!……だって、せっかく付き合ってるのに、その相手を罵倒するなんてあり得ないじゃない!」

兄「ケンカするほど……って言うしさ。当人同士じゃないと、外野が余計なことしない方がいいんだよ」

妹「……付き合えるのよ?恋人同士になれたのになんでケンカするようなこと言うのか私は理解出来ないの!だから無性にイライラしたの!」

兄「付き合ってるからこそ、本音でぶつかりあえるんじゃない?」

妹「……兄はもし、恋人出来たらケンカしたいの?」

兄「わざわざしたくは無いかな?……でも分からないよね。父さんと母さんもケンカするし、そんなもんなのかもね」

妹「……私は嫌よ。好きな人と恋人なれたらケンカなんかしたくない!」

兄「誰だってそうだよ。そう思ってても譲れない所でケンカして。それでもっと相手の事を知ることが出来るんじゃない?」

妹「……そうかな」

兄「分からないよ?俺だって想像で話してるからね?……ほら俺らも行くよ」

妹「うん。。」


妹(せっかく恋人になれるのに。私なんかなりたくてもなれないのに。……凄い贅沢。ズルいわよ)

可愛いな妹

>>603
可愛い姉、妹っていいよね
欲しかった。。。

◆◆バイク◆◆
兄「お前は何を怒ってるんだよ」

妹「怒ってないわよ!」

兄「怒ってるだろ?もう、ややこしいなぁ」

妹「だってホントにああいう女性見てるの嫌いなんだもの!兄はああいう人好きなの!?」

兄「別に好きじゃないけどさ、色恋沙汰なんて当人同士しか分からないって」

妹「そうかもだけど。私分からないのよ!もし……私に恋人が出来たらあんな理不尽なことしないのに」

兄「そうかな?」

妹「……恋人ってもっとお互いに気付って、相手の事が好きで、大好きなんじゃないの!?」

兄「さぁ?俺に聞かれてもさ」

妹「もう!ばか、嫌い!!」

◆◆丸山千枚田◆◆
妹「うそー!棚田?よね?こんな一面に!」

兄「機嫌治った?」

妹「治ったわよ!」

兄「ゲンキンなヤツ。まぁいいけどね」

妹「これ凄いわね!石垣みたいなの全部作ったんでしょう?こんなにたくさん……」

兄「だよね。昔は米が第二通貨みたいなもんだったからさ、たくさん作りたいのは分かるけど、山の中にわざわざこんなに作って、今も使ってるのが凄いよ」

妹「これもうちょい上まで行くの?」

兄「なんか棚田の中の道走れそうなんだよね。とりあえず上まで行ってその後、棚田の中通ってキャンプ場まで行こうか?」

妹「わーい!賛成!」

この気温で信号の多いとこ走ったら死ねるな

>>607
W1は空冷だから渋滞はまったら死だね!エンジン的にも乗ってるライダーも

大昔は陸王があったな
今あればよかったのに

>>613
陸王良いよね!!あとメグロとかも!

今だとトライアンフとかロイヤルエンフィールドとか?
ヤマハのSRもカワサキのW800も生産終了だしねぇ。。。

~~~~
妹「キレイ……」

兄「ホント、夕焼けに間に合って良かったよ。この時期逃すと稲伸びちゃうし、水入ってないと見れないからね」

妹「万華鏡……違うわね。不規則な形の鏡がたくさん有るみたい。こんなにキレイな夕焼け見るの私は初めてよ」

兄「俺もだよ」

妹「……完璧なユニゾン。どの田んぼもそろって光を受け返して。同じグラデーションがこんなにキレイなんて知らなかった」

兄「…………」

妹「今、凄く楽器吹きたいかも。……ダメ?」

兄「……辞めとこうか、人も住んでるかもだしさ」

妹「あー!凄く吹きい!こんなに楽器吹きたくなるの久しぶりよ!……良くね、誰かの演奏聞いて吹きたくなることはあるのよ!何かを見て、楽器吹きたくなったの初めてよ!」

兄「……へぇ。まぁそれだけキレイだよね」

妹「もー!こんなに溢れて来るのに我慢しなきゃいけないなんて!……兄はそういう気持ちになったことない?どうしょうも無く楽器が吹きたくなること?」

兄「……さぁね、もう忘れたよ。楽器の吹き方も吹きたい気持ちも」

妹「…………そうなのね」

兄「ん?もっと下に居るの、さっきの彼氏さんと彼女さんじゃない?」

妹「…………あ!ホント!いつの間に。……私達より早く来てたかしら?さっきまでいなかったわよね?」

兄「んー、そうだね。……ここに来てたんだ」

妹「……また文句言ってるんじゃないでしょうね?今度こそ怒らないと!」

兄「そんな事ないんじゃない?……ホラ」

妹「……ふふ。ホントね手握ってる。良いわね、恋人って」

兄「外野が余計なことしなくても地固まるもんだよ」

妹「そうかもね…………え!嫌だ、あんなにくっついて。……え、もしかしてキス――」

兄「ホラホラ、盗み見るのは良くないよ。……日が暮れたら、俺達もキャンプ場行こうか」

妹「……でも、もうちょっとだけ」

兄「ばか、何を見たいんだよ?……明日も早いよ?テント立てるの遅くなるしさ」

妹「そうね。…………今日、ここに来れてホントに良かったわ」

兄「……また明日も頑張りますか」

妹「うん!明日もよろしくね!兄!」

~~~~
三重県 1日目終了

昔はスズキのゴンゴー(2サイ)その後はZ1を乗ったな
年がバレr…

>>617
z2じゃなくてz1なのがとても良いと(笑)

丸目のバイク好きなのにどんどん無くなる。悲劇。。。

~~~~
『妹ちゃん!ちょっと来てきて!ホラ、あそこ!!』

妹『もー何よー?……兄?』

『隣のクラスの子よ!……そういえば兄くんの事好きって言ってたのよ!』
『告白かな?』
『そうに決まってるでしょ!……あ!終わった?どっちだろ?オーケー?』
『聞きに行こうよ!……ね!妹ちゃん!』

妹『えー……でも。……あ!ちょっと!』

『ねー!兄くん!今のもしかして告白されてた?』

兄『もしかして見てた?……そうだけど』

『やっぱり!……ねぇ!どうするの?付き合うの?』
『ねー!教えてよー!』
『誰にも言わないから!』
妹『…………』

兄『女子の誰にも言わないはアテにならないから駄目。……あの子に聞きなよ。それなら大丈夫でしょ?』

『むー。固いなー』
『隣のクラスの友達に聞いてこようか?』
『そうだね!行こう!兄くんまたねー!』

兄『おーう』

妹『……兄。あの子とさ……付き合うの?』

兄『だから秘密だよ』

妹『……付き合うんだ』

兄『ノーコメント。俺だけじゃなくてあの子に失礼だし』

妹『…………いいよ、別に』

兄『……何怒ってるんだよ?』

妹『怒ってない』

兄『怒ってるだろ?……はぁ、分かった、言うよ。……あの子とは付き合わないよ』

妹『…………うそ』

兄『本当。……放課後とか遊びたいらしいんだけど、俺が部活とかレッスンとかで時間作れないからさ。絶対言うなよ?ややこしくなるから』

妹『……ふーん』

兄『もう良い?機嫌治った?』

妹『別に元々怒ってないわよー!べー!』

兄『あ!お前なー!』

やっぱり昔ながらの形がいいね
Z1はボアアップしたけどあまり変わらなかった

>>621
今のバイクも悪くないけど、欲しく無いの。

ボアアップ興味あり!650から800へ!
あんまり変わらんのかなぁ。。
(。・ω・。)

~~~~
『……ずっと、妹さんの事良いな。って思ってたんだ。……だから、俺と付き合って欲しい』

妹『……え。でも私、貴方の事何も知らないし』

『もし試しに付き合ってみてさ、駄目なら駄目で断ってよ。試しの間にいろいろ知ってほしいし、俺も妹さんの事たくさん知れたら嬉しい』

妹『…………ゴメン……ね?私、やっぱりそういうこと良く分からないから』

『そっか。……分かった。こっちこそゴメン!いきなりで戸惑わせて。……じゃ!』

妹『あ!ちょっと!』

妹『…………』

妹『……付き合えないわよね。好きかどうか分からないんだから』

~~~~

~~~~
妹『兄ー。英語の課題教えてほしいの。時間良いかしら?ここ、過去系にするのがいまいち分からないの』

兄『……あぁ、名詞を変化させても駄目だよ。辞書に乗ってないでしょ?変化させるのは動詞』

妹『動詞がどれだか分からないんだもん』

兄『例えば……とかね?日本語でも遊ぶ、歌うとか何かをやるのが動詞』

妹『歌うこと、とか踊る事になると名詞になるのよ?』

兄『でもリンゴとかフルートとかは動詞にならないでしょ?』

妹『んー、なんとなく分かったような。。』

兄『とりあえず教科書の動詞上げてみなよ。なんとなく分かるよ』

妹『……やってみる。ありがと』

兄『…………妹さ』

妹『なに?』

兄『……に告白されたんだって?それで振ったの?』

妹『……そうよ。振ったというか……付き合うとか、良く分からないんだもん。だから……』

兄『ふーん』

妹『なんで?』

兄『別に。……付き合えば良かったのにと思って』

妹『……なんで?』

兄『いや、別に良いヤツみたいだし。バスケ上手いらしいよ?』

妹『……私には分からないもん。それにそんな事、兄に――』

兄『俺に?』

妹『なんでもない!とにかく関係ないでしょ!バカ!』バタン!!

兄『…………』

兄『……関係無いか』

~~~~~~


妹『兄のバカ。なんでそんな事言うのよ。……兄に誰かと付き合えなんて言われたく無かったわよ』

~~~~~~

~~~~
『なぁ、妹ちゃんなんで付き合わなかったって?』

兄『なんかバスケ上手いとか良く分からないって』

『なるほどね、プラスの要素に見えるけど本人が興味無いものは武器にならないと。……妹ちゃんって何が好きとか分かるか?』

兄『知らない』

『つれないこと言うなよー。頼む!なんでもいいから、なんかこれ興味有りそうにしてたとか無いの?』

兄『無いよ。てか、妹そんなに良いか?』

『バカ!妹ちゃんけっこう狙ってるヤツ多いぞ?バスケ部のヤツが告白したって知れ渡ったから、今まで表面化してなかったのが一気に!』

兄『ふーん?何が良いんだか』

『とりあえず可愛い!てか、キレイだよな!品があるというか』

兄『……妹のことだよね?』

『兄貴には分からんよ!でも良かったよ!お前が妹ちゃんの兄で』

兄『なんで?』

『モテるお前がライバルじゃないんだからな。勉強出来て運動そこそこ、楽器が出来るって嫌みか!でも、他のヤツならなんとか俺にもチャンス有りそじゃね?』

兄『そんな事無いって』

『評価は本人より周りがちゃんとしてるんだよ!ホント良かったよ!でも、ある意味お前って運無いのな。あんな良い女子を彼女に出来ないんだからさ!』

え、リアルに日本一週しながら書いてるの?

お 久々あがってた

良スレ発見
完結も>>1の日本一周達成も応援してるぞ

>>1がもうここを見てない可能性。

>>643
そですー。いろいろ計画倒れですけど(笑)
>>644
お久しぶりです。今年は爽やかな9月になるでしょうか?
>>645
ありがとーございます!
とりあえず日本一周完結出来るよう頑張ろうと。。
>>646
一応見てたり?(笑)
お話は才能というか、いろいろ足りないのは分かってきたので。

とりあえず山無し、落ち無し、意味無しなら書けるのかなぁ?と

和歌山県 一日目
◆◆◆◆◆◆
妹「おはよー。……なんか寝方悪かったかも。肩が痛いわ」

兄「寝相が悪いからな……痛い!」

妹「そんなに悪くないわよ!ばか!」蹴り

兄「どうでも良いけどさ、テントもう一個買わない?二人でも寝れる広さのテント買ったけど、夏はしんどいかもよ?」

妹「うーん。兄に任せるけど高く無いの?」

兄「もう一個はホームセンターの安いやつを買って俺が使うよ。夏になったら考えるかなー?」

妹「……私は一緒で構わないんだけどね」

兄「ん?なんて?」

妹「べつにー」

◆◆◆◆◆◆
ブロロ……トコトコトコ……
妹「今日はどこ行くのー?」

兄「んー?とりあえず那智とかその辺?」

妹「何があるの?」

兄「滝とか、寺神社。那智熊野って有名らしいよ?」

妹「へー!知らなかった!」

兄「なんか3つぐらい有名なところあるんだって?俺も行ったことないからね、楽しみだよ」

妹「今日も楽しい一日になりそうね!」

ブロロ……トコトコトコ……
妹「兄ー」

兄「んー?」

妹「兄って運転してるとき、けっこうぎあ変える?」

兄「時と場合によるよ?だいたいタコメーター見て2000ぐらいで走ってるかなぁ?」

妹「たこ?」

兄「速度計の隣のメーター。アクセル開いたりすると上がるでしょ?」

妹「ああ!あるある!なにかなー?っていつも思ってた」

兄「エンジンの回転数なんだけど、此のバイク最大トルクがだいたい5500回転なんだけど、加速するときは5000回転ぐらい。で一気ギア上げて、2000回転ぐらいで走ってるよ」

妹「???」プシュー……

兄「最大トルクで走りたいけどね、手ぇ痺れるからこのくらいがゆっくり巡航するのにちょうど良いかなって」

妹「……ふ、ふーん」

兄「分かってる?」

妹「バイクって凄いんだなって思ったわ!」

>>652
雨だったのか
県南はさっぱり降らない
日中は暑いから気をつけて

岡山県の県北…あっ(察し)

>>653
岡山晴れの国?(笑)
蒜山は違ったなぁーくそー!

>>654
個人差が有るから(震え)

>>655
蒜山に出かけようと思ってたんだよ
雨降らないな

◆◆熊野速玉神社◆◆
妹「着いたー。……思ったんだけど。兄って神社とかお寺が好きなの?日本一周してからそういうところが多い気がするのよね」

兄「別にそういう訳じゃないけど、日本で観光って行ったら自社仏閣とか城史跡、景勝地にならない?」

妹「そんな事ないわよ?水族館とか博物館とか美術館。他にもいろいろあるわ!この間だって、志摩スペイン村とか鳥羽水族館とか行かなかったじゃない?」

兄「え!ああいう所行きたいの?」

妹「観光雑誌なんかに載ってたら面白そうでしょ?」

兄「うーん。個人的には惹かれないんだよなぁ。水族館なんてどこも変わらないと思うし」

妹「そんな事ないわよ?それにお寺ばかりも変わらないんじゃない?」

兄「歴史とか宗派とか全然違うじゃん。でもそうかー。盲点というか考えもしなかった。これからは要相談かな」

妹「兄が行きたくなかったらいいのよ?私はついてきただけだから。ただ、気になっただけよ!」

兄「熊野信仰ねぇ?」

妹「解説求む!」

兄「俺だって分からないって。……自然信仰からなのかね。山とか森とかいろんなものが神様だって。アミニズムとかじゃない?」

妹「全く分からない?でも凄いもの見て、凄いもの感じて尊敬するって当たり前なんじゃない?」

兄「どうかな。恐れたりすることもあるかもよ?……それに羨んだり、妬んだりもするかもだし」

妹「そうかなー?私は何でも凄いと思っちゃうかも。私より勉強出来たり、楽器が出来たり、知らない事知ってたり」

兄「……そう。いいね、そう思えるって。……羨ましいよ」

妹「熊野は信仰の原点かぁ。よく分からないけど、神社って特別な場所何だなって、何となく分かる気がする」

兄「そう?例えば?」

妹「わざわざこんな立派な建物作らないでしょ?模様とか凄く細かいし。それにいろんな神社見るたびに毎回思うのよ。……作られてからずっと、直したりして同じようにその場所にあり続けるって良いなぁって」

兄「良い?かな?」

妹「……永遠に同じって素敵だと思うの。どうしても変わったり、変わらざるを得なかったり。……変えようとしたり、変わろうとしたりする事の方が多いと思うもの」

兄「そうかなぁー」

妹「……そうよ。きっと私だってこのままではいられないもの。変わらなきゃいけなかったり、変わりたいと思ったりするかもだし。普遍?不変って凄いわよ」

兄「……普遍か。変わらないってことは完成してるんだろうね。変わる必要がないから」

妹「何でも変わらなくても良いのにね。……そのままでいれたら一番いいのに」

兄「例えば?」

妹「……秘密!」

おつおつ追い付いた
実際に走りながらとか凄すぎる

>>656
そっかー会えたら面白かったかな?
また蒜山行くときに会えたら!(笑)

>>660
凄いでしょ!(笑)

なんて、ネットやる環境がWi-FiからLTEに変わってだけ。
好きなこと勝手にやってるだけなので凄くは無い!むしろ生産活動なにもしなくてスマン!

>>661
きっと面白いと思う
ご飯でも食べよう
>>1の奢りだけど(笑)

>>662
間違いない!面白いはず!
ソフトクリームとかヨーグルトとか美味しそうだよね!
もちろん>>662の奢りで!(笑)

◆◆◆◆
ブロロ……トコトコトコ……
兄「うぉぉ。カーブの出口だけグルービングはやめてくれー」

妹「ぐるーびんぐ?」

兄「たまに道路に溝が掘ってあるでしょ?あれの事だよ」

妹「あぁ!あるある!あれ怖いわよね!前のタイヤがククってなるのよ!なんで溝なんか掘ってあるの?」

兄「雨の時はグルービング舗装だと水が貯まらないんだよ。水溜まりで滑るのを防ぐのが目的。ハイドロブレーニングって教習所でやらなかった?」

妹「ふふん。学科は全く覚えてないわ!」

兄「……そういうヤツが免許取れるのも問題だよなぁ」

妹「なによー!けっこう私の友達も同じようなもんよ?それでもちゃんと信号守るし、一時停止するし、巻き込み確認もちゃんとやるわよ!」

兄「まぁ、いろいろ運転の時に知っておいた方が良いこと教えてくれるんだから、覚えた方がいいと思う」

妹「というかね、溝が縦にあるのがいけないのよ!横に掘れば良いのに」

兄「そういうのも有るけどね。縦のヤツが多い気がするなぁ……。これからグルービング走るときはゆっくりで良いからね?」

妹「はーい!ホントに余計な事するわよね、国って」

兄「……グルービングは余計ではないんだけどなぁ」

◆◆青岸渡寺 那智の滝◆◆
兄「けっこう人いるねー。駐車場どこ泊めようかな?」

妹「一番近くで良いんじゃない?」

兄「まぁそうか。……空いてる所は……と」

妹「あそこ!黒い車の横!」

兄「お。隅っこだし良いね。バックするから左見てて」

妹「大丈夫よー!」

兄「よし、……と。あー疲れた。足が固まる固まる」

妹「サイドカーに乗ってても同じよ!エコノミー症候群だっけ?」

兄「そうそう。やっぱり長時間はキツいよ。足伸ばせるステップ着けようかなー?」

妹「それ私の足届くかしら?」

兄「俺が使えればそれで良いじゃん」

妹「え、ズルいわよ!人でなし!鬼!悪魔!」

兄「……仮定の話でそこまで言われるかー」

妹「……また、登るのね。けっこうある?」

兄「さぁ?見る限りまだまだじゃない?ほら、上にお寺っぽい建物がさ」

妹「うへー疲れた!休憩しようよー」

兄「まだまだ先があるんだって……あ、こらこら。休憩しないってば」

妹「おばさーん!ラムネ下さーい!よいしょ……っと!」

兄「年寄り臭いよ?」

妹「失礼ね!これでも兄より若いのよ。それに疲れたら『よいしょ』でしょ?」

兄「同じ学年だけどなぁ」

妹「兄がもう少し早く生まれてたら。私がもう少し遅く生まれてたら違う学年だったのにね」

妹「……もしね。私達普通の兄妹みたいに違う学年だったらどうなってたのかな?」

兄「変わらないんじゃない?俺がお前の宿題見て、最終的には俺がやることになったりさ」

妹「ばか。……そうじゃなくてね」

兄「なにが?」

妹「普通の兄妹だったらもっと違ったのかなぁ……って。こんな風に一緒に旅とかしなかったのかな?」

兄「お前が一個下だったら大学一年だよ?入学していきなり休学はしないだろうね」

妹「それでも着いてたりして?」

兄「……あり得そうだなぁ」

兄「今さらと言うか、何回か聞いたかも知れないけどさ。良く着いてきたよね」

妹「私?なんで?」

兄「なんでってバイクとか旅とか興味無かったじゃん。テントで寝たり、山登ったりやらないだろうなぁと思ってたからさ」

妹「もちろん好きか嫌いかで聞かれて無理やり選ぶなら、どちらかと言えば嫌よ?ホテルのベッドで寝たいし、ご飯もブッフェとかの方が良いわよ」

兄「そう?」

妹「でもだからと言ってテントの良さも分からなく無いし、兄がいつもそうやって何処かに行ってたのを知ることが出来て嬉しいなとも思うわよ」

兄「……ふーん」

妹「なによ?」

兄「お前って変わってるよね」

妹「…………兄がいなかったらこんなことしてないわよ」ボソ

兄「え?なんて?」

妹「何でもないわよ!……ラムネ美味しかった!もう元気よ!早く行こうよ!」

兄「おーい」

蒜山は本当にいい所だよね
地元のヨーグルトも食べさせてあげるよ

ここはモモタロス濃度の高いインターネッツでつね?
今イッチが何処で寝てるか知らないが雨に降られていないことを祈る。

>>674
マジか!それは楽しみ!
ライダーって各地のソフトクリームよく食べるけど、私は各地のヨーグルトを楽しみにしてたり(笑)

>>675
電王ですか?ライダーなのにバイクに乗らないとは……と最初は思ってました(笑)
思えば私が見た平成ライダーの最後の作品だったなぁ。

ありがとー!野宿地上手く見つからない時もあるけど、おかげさんで元気にやってます!

妹「わー!凄い眺め!けっこう高いところなのね!……思ったんだけど、熊野那智大社と青岸渡寺?別のお寺と神社が一緒なの?」

兄「元々、日本は神仏習合だったからね、神様仏様一緒だって。明治で別れたんでしょ?」

妹「へぇー?なんで?」

兄「お国の都合で。天皇の特異性高める為とか、全国の僧侶の力を奪う為とか?」

妹「ふーん?そんな事しなくても特別なのにね。見れば分かるじゃない、わざわざこんなところに大きな建物建てるなんて特別じゃなくちゃやらないでしょ?」

兄「そうかもね。結局上に立つ人たちの都合上だよ。力……それこそ財力とかを自分達の管理出来るようにしたいんだと、俺は思ってるよ」

妹「そんな事して意味があるのかしら?」

兄「コントロールされて今の経済が有るわけだからね。そうじゃなかったらどうなのかとは気になる所だけど」

妹「不況とかデフレとか言われるのに?」

兄「……それすらもコントロールされてたりして?」

妹「ふーん……そんな事わざわざしなくても成り行きに任せれば良いのにね。良いものは残って栄えるし、悪いものは無くなるし。自分が良い思いしたかったら良い事をすれば良いのよ」

兄「……なんかお前らしくないというか、変に真面目というか」

妹「……兄って私の事、ばかにしてるわよね?」

妹「ウチのおばあちゃん嫌いだけど、芯がしっかりしてるのは凄いなとは思うのよね。この塔みたいな感じなのかな?」

兄「そう?おばあちゃん凄いと思うけど。大正生まれであんなに元気だし」

妹「硬いのよ。お母さんが良くあの祖母の下で育ったなと思うわ。私が音楽聞いてたり、ファッション雑誌読んでたりすると、直ぐに嫌味を言ってくるし」

兄「そうなの?俺にはそんな事ないけどなぁ?」

妹「『妹さん。女性がそんなクラブとか人の集まる用な音楽好んで聞いてり、無闇に露出する服装はあきまへん』って。ホントに近所では良い顔して私にはストレートなんだもん」

兄「ふーん?でもお前露出の多い服とか着ないよね?」

私「おばあちゃんに言われたからじゃないわよ?私は私が良いなと思った物を身に付けたいの!流行りとかブランドとかとは別にね?」

兄「ふーん?まぁ俺としてはその方が安心だけどさ」

妹「安心?……私が肌を他の人に見せてほしくないの?」

兄「いや、純粋にバイクに乗ってると危ないからね。転んでも布一枚で多少は違うし、風を身体に受けるのはやっぱり良くないしさ」

妹「そういうことね…………別に期待はしてなかったけど」

兄「あと、お前の堕肉を他の人が見て、お目汚しになるかと思うと…………痛い、痛い!分かったよ、そんなにお前は太ってません。……はい、そうです、スレンダーです、グラマーです。分かったから叩くのやめてくれー」

兄「おー!赤い塔と新緑、滝のコントラストが良いね。凄い映えるというか」

妹「ホントだ!……あそこ。滝の上ってどのくらいの高さかしら?一気に下までって壮観よね!」

兄「一段の滝の落差では日本で一番だってさ。……御滝か拝みたくなるのも分かるかも」

妹「アミニズム?」

兄「かね、流石熊野だよ。俺も日本人なのかな?」

妹「でもほら、外国の人も喜んでるわよ?……凄い物を見て素直に凄いと感じて。滝以上に思えるというか、有難いと感じるのって世界共通だと思うのよ。神様とかキリストとか無理やり作らなくても、凄かったら人間は自然と有難いと思うんじゃないかしら?」

兄「……俺もそう思うね。よく分からないのが何処かの国の崖に彫られた仏像が壊されたってあったじゃん。あれが理解出来ないんだよね」

妹「ダイナマイトで爆発させたんだっけ?けっこう前じゃ無かった?」

兄「そうそう。きっと壊す前にそれを見てるハズなのに何も感じ無かったのかなぁって。俺がもし見たら多分凄いと感じると思うんだよ。…………今この滝見てさ、壊したいって思わないじゃん?何かの任務だったのかもだけどさ。他にも日本が遺産に落書きしたりとか、ああいう気持ちになるのがいまいち理解出来ないんだよね」

妹「そうねー。私も仕事で、もし大金が貰えるとしても、この滝壊せって言われたらやらないかなぁ。……だいたいそんな事命令するやつがおかしいわよね?人間じゃないのかも?」

兄「豚に言われて壊したって?」

妹「宇宙人とか!偉いひとも世界を守るために仕方なく!……とか?」

兄「ないない」

妹「もう!……でも、じゃなかったら同じ人間でも、凄いものを見て壊したいって思う人がいるのよね。……私はそれは少し嫌かも」

兄「ね。出来るだけ凄いものは残して欲しいよね。……少なくとも俺らが見るまではさ」

◆◆◆◆
兄「~♪1985~国籍不明の~1985~飛行機が飛んだ♪~だ」

妹「~♪だからお願い~僕のそばに~居てくれないか~キミが好きだから♪~ら!」

兄「~♪love is over~悲しいけれど~終わりにしよう~キリがないから♪~ら」

妹「らー?……~♪ラララ、ネバーギブアップ!頑張るわ!この勝負にかけてるの♪~の!」

兄「何だっけ?その歌?」

妹「セーラームーンSUPERSのエンディングよ。ミニスカートのセーラー服って可愛いなって思ってたわ!」

兄「良く覚えてるなぁ。……えーと?の、だっけ?~♪野に咲く~花のように~風に吹かれて♪~て」

妹「……兄って昔の歌好きよね?」

兄「良いじゃん。歌いやすいし、早い曲あんまり好きじゃないし」

妹「年寄り臭い。……きゃ!痛い!運転中は辞めてよ!」

兄「……生意気な妹に制裁」ケリケリ

妹「うーん、ヘルメット蒸れる~。……前の所開けちゃダメ?」

兄「シールド?」

妹「ううん、顎からカパッってなるところ」

兄「あぁ、チンガードか。オススメはしないけど開けて運転してる人もいるね」

妹「開けちゃおー!……やっぱり気持ち良いわねー!景色も凄くキレイに見える気がするわ!」パカッ

兄「まあ分かるよ。顎まで覆われてた方が雨の時とかは便利なんだけどね」

妹「そう言えばあまり雨降らないわね?」

兄「ね。俺はもっと降ること覚悟してたんだけどなー。まぁ良いことだけどさ」

妹「お日様の光と、風と、海の香りとかホントに走ってて気持ち良いわねー!車だと味わえないかも?……きゃ!!」

兄「どした?」

妹「なんかおでこに当たったー!凄い痛い!」

兄「あぁ虫だね。この世界人間だけじゃないから。こういう自然も車だと味わえないよ」

妹「……やっぱり閉じよー」パカッ

妹「兄ー?あとどのくらい?」

兄「んー?あと少しかなぁ?休憩する?」

妹「するー!足がダルいのよー」

兄「そしたら次、道の駅あるからそこで交代しようか?……と、言ってもそこから20分も無いんだけどね」

妹「交代するー」

兄「いいよー。それまで頑張れる?」

妹「もちろん!あ、応援してくれたらもっと頑張るわ!」

兄「ふぁいとー」

妹「心が込ってなーい!」

◆◆橋杭岩◆◆
兄「お疲れさん。どうする?ちょっと見ていく?」

妹「うん!お手洗いも行きたいし!」

兄「そしたら俺はこの辺を適当に見てるよ、準備できたら声かけて」

妹「はーい!」


女性達「すいませーん!写真撮って貰っても良いですかー?」

兄「全然、良いですよー。……はいチーズ」

女性達「ありがとーございます!……どちらから来られたんですか?」

兄「埼玉県ですよ。実は日本一周してるんです」

女性「ええ!凄ーい!けっこう何日も旅されるんですよね?……え?しかもバイクで!格好いいなぁ。。あ!良かったら私達と一緒に写真撮って貰っても良いですか?」

兄「え?構わないですけど」

女性「やったー!友達とかに話しますねー!凄い人と話したよーって!…………はい!ありがとーございました!頑張って下さーい!」


兄「こちらこそー。お気をつけてー…………うわ!なんだよ?お前!もうトイレ行ったの?」

妹「……油断も隙もないんだから。オチオチ一人に出来ないわね」

兄「橋杭岩かー。夕日だとシルエット逆になるなぁ。朝もう一回ここに来ようかな?」

妹「……じー」

兄「……なんだよ?」

妹「おねーさん方と楽しそうだったわね?」

兄「まぁね?綺麗な人達だったよね。関東以外は田舎でダサいなんて、先輩とか言ってたけど、あんまり変わらないよね」

妹「そーねー」

兄「NMBとかHKTとかNGTとかご当地でアイドル出来るんだし、各地の綺麗な人と話せるのは楽しみだよ」

妹「……会うたびに鼻の下伸びて、旅が終わったらだらしなくなるわね」

兄「そう?ヘルメット入らなくなったら嫌だなぁ」

妹「ばか」

◆◆潮岬◆◆
妹「着いたー!今日のキャンプ場ね?」

兄「そう、テント張ったら岬とか灯台行って風呂行こうか?なんか町にあるらしいから」

妹「やったー!さっさとテント降ろしちゃおー!……あれ?ここって本州最南端なの?」

兄「だね。今日は本州の一番南で寝る事になるのかな」

妹「へー!知らなかった!……最南端の自動販売機。最南端のポストだって!面白いわねー!私達はもしかして本州最南端にいる兄妹かしら?」

兄「そういうことになるのかな?」

妹「へー!ふふっ、なんか良いわねそういうの!……ねぇ兄?」

兄「んー?」

妹「今のが本州最南端にいる妹からの問いかけよ?嬉しい?」

兄「あんまりいつもと変わらないけどなー?」

妹「綺麗ー!本州最南端の夕日よ!」

兄「まだ言ってる。……でもそうだね、千葉、神奈川、静岡、愛知、三重。そして和歌山。本州最南端もあっという間だったなぁ 」

妹「ね!いよいよここまで来たのかって感じよね!」

兄「本土最南端と、日本最南端もまだあるよ」

妹「そうなの?……なんか日本って広いわよね!小さい国だって言われてるけど、十分だと思うの!」

兄「まぁね、人間一人だけなら広すぎるよね。けっこう見たくても逃した所とかもあるし、全部見ることなんて出来ないんだろうなぁ」

妹「そうね。……きっとどんなことでもそう思うの。知る前より、中途半端に視界が広がれば余計にね」

兄「……だね」

妹「……ね。兄はさ、私のことどのくらい知ってる?」

兄「さぁね。全然知らないんじゃない?」

妹「知りたいって思う?」

兄「……ノーコメント。ほら、夕飯の準備行くよ」

妹「あ、ズルいわよ!ねぇ、ちょっと!!」

~~~~~~
友『あったま痛ぇー。今まで部活一色で今さら勉強なんて無理無理ー。俺は適当に入れる高校で良いッてのに!……ん?あれは?』


兄『これで準備は良いかな?後は食材は現地調達か。……タイヤの空気入れとかないとか』ブツブツ

友『よう!兄……だっけ?なんだよその荷物?チャリにいっぱいにさ』

兄『えーと……』

友『友だよ、隣のクラス。体育で一緒になったりするだろ?』

兄『あぁ、そっかゴメン。何やってるの?』

友『高校受験の為に塾行ってんの。夏期講習ってヤツ。……でなに?その荷物?』

兄『これ?旅行の準備』

友『ふーん?家族旅行か?どこ行くの?』

兄『いや、一人で。山梨県まで行って見ようと』

友『マジで!?電車とか何か?』

兄『コレ。自転車でさ』

友『マジか!!……すげえなそれ!』

兄『……別に凄くないよ。まだ何もやってないしさ』

友『なんで一人で旅行すんの?しかもチャリで?』

兄『……別に何となくだよ』

友『泊まる所とかどうすんの?』

兄『……なんか適当に』

友『良いな!それ!ちょー格好良いじゃん!』

兄『そうかな?』

友『格好良いって!!旅行ってか旅だろ!うわぁ、そういうのちょー憧れる!……なぁ!いつから出発すんの?』

兄『自転車に箱着けたり、後もう少し準備したいから、明後日の早朝にかなって』

友『へぇー!!……なぁ?俺もそれ着いて行っていいか?ちゃんと自分の分は何とかするからさ!』

兄『…………え?』

~~~~
兄『きっつい』

友『同じく。……ママチャリじゃ限界じゃね、この坂?押そうぜ』

兄『そうだね……よっと。けっこうありそうだね』

友『普段旅行とかは車で行くから直ぐだけどさ、有り難みがわかるよな?』

兄『埼玉県って広いよね』

友『だな、山梨までけっこうあるんじゃね?今日、埼玉出れるか?』

兄『頑張ろうよ。…………でもこの坂越えたらちょっと休憩させて欲しい』

兄も友も>>1もがんがれ。超乳がんがれ乙。

>>702
設定細かいからメットも決まっているかと思ってた
同じメットを使うとかエッチだ!
兄も凄いけど友の行動力もヤバイ
おつおつ

>>707
乳(笑)
さんきゅー!ありがとう!!

>>708
「コレが兄が被った後のヘルメット……」はぁはぁ
みたいな?(笑)

サイドカー乗った事ないからよく分からないけど、流石舟側でアゴまで覆うヘルメットはキツいのでは無かろうと、勝手に思ってた!

>>709

ぅ うわぁぁあああああああああ

ぶ ぶるるぁぁぁあぁあああああう!!

――――ガクリ↓

>>710
どうした?落ち着け(笑)

◆◆◆◆
友『おー!やっと来たな!足痛ぇ!』

兄『俺はケツがヤバいかも』

友『分かる!……てかどうすんの?泊まるとこ?』

兄『……ね。どうしよう?ちょっと適当に東屋とかあったらそこで寝ようかと思ってたんだけど』

友『東屋なぁ?公園とか探すか?』

兄『そうだねー。あとスーパー行って夕飯の材料買わないと』

友『こういう時携帯持ってたら便利なー!お前もってる?』

兄『まさか。女子とか持ってる人多いけどね』

友『そっか、そういやお前吹奏楽部だっけ?』

兄『……良く知ってるね』

友『なんか有名なんだろ?笛が凄い上手いって』

兄『……別にそんな事ないよ』

兄『……友は何部なの?』

友『俺?俺はバスケ。まぁ、県大行けなかったしそこまで熱心でもないけどさ』

兄『ふーん。高校でも続けるの?』

友『さぁなー?他に興味有るもん無いし続けるかもな。……その為には高校入れるかだけどさ』

兄『……』

友『お前は高校でも吹奏楽すんの?確かあれだよな?フルートだっけ?お前がやってる笛?けっこう長い事やってるんだろ?』

兄『……分からないよ。高校入ったら決めるかもね』

友『ふーん?』

兄『それよりまずスーパー行こうよ。食材買わないと』

友『りょーかい!頑張りますか!!』

~~~~
友『こうして外で飯作ってると、なんか旅って感じだよなぁ!てか、悪いな!飯全部作ってもらって!』

兄『まさか洗剤で米洗おうとするなんてマンガだけかと思ってたよ』

友『飯とか全部かーちゃんがやってくれてたからな!お前こそ慣れてるな?家で作ってんの?』

兄『夕飯だけね。共働きだから、ウチ。妹が全然出来ないし、不味い飯とか嫌だから俺がしょうがなくさ』

友『え?妹いるの!?おにーちゃんって?良いなぁ!!……いくつ離れてんの?』

兄『同じ歳だよ』

友『はぁ!?』

兄『俺が4月で、妹が3月生まれ。だから妹って感じ全然しないんだけどさ』

友『へぇー!そんな事あるのか?まぁ、でも俺と姉貴も6月生まれと5月生まれの年子だから可能性あるのか。……ん?ってことは同じ学年?ウチの学校か?』

兄『妹って知らない?同じ吹奏楽部なんだけど――』

友『妹ちゃん!!知ってるよ!俺の友達が告って振られてた!どんな女子なんかなぁ?って部活のみんなで覗きに行ったよ!!……マジかぁ。お前、妹ちゃんの兄貴だったのかぁ!』

友『良いよなぁ……あんな可愛い子が妹とかさ。家で二人で何やんの?エロい事とかすんの?』

兄『しないよ、そんなの。……それに良くもないというか…………俺はアイツが妹じゃ無きゃ良かったよ』

友『あん?なんでさ?』

兄『…………友はさ、なんでバスケ部入ったの?』

友『何となく。背伸びるかなぁとか、運動部の方が何となくモテそうだなぁって。あとSLAM DUNKの影響』

兄『……そっか』

友『それと妹ちゃんとなんか関係あんの?あ、そうか二人とも吹奏楽部だから?妹ちゃんが吹奏楽だから吹奏楽部入ったとか?』

兄『……そうじゃないけどさ。――ほら、米炊けたかも。食べて見ようよ』

友『お、マジで?どれどれ…………硬い。なんか芯あるぜ?』

兄『え?……ホントだ?なんでだ?』

友『水足せ、水!』

兄『あ!バカ!今水入れたら――』

~~~~
友『まさか風邪ひいて無いのに粥食うとは思わなかったなぁ』

兄『水入れすぎなんだよ。……でもけっこう大変だね。家だと炊飯器で一発だけどさ』

友『悪かったな。まぁこういうのが旅の醍醐味じゃん?……そう言えばお前さ、なんでチャリで山梨来ようと思ったの?』

兄『……友こそなんでさ』

友『夏期講習が嫌だから。逃げてきた。お前は?』

兄『……別に、何となくだよ』

友『はぐらかすの良そうぜ?確かに今までクラス違うし接点無かったけどさ、こうして一緒に来たんだからさ!』

兄『……部活が終わったからだよ。一昨日、県大会。……ダメ金だったけどね』

友『けっこう大会遅くまでやってんのな?てか、なにそれ?ダメ金?』

兄『金賞。一番上の賞だけど、他にも金賞たくさんで。西関東大会の推薦からもれたの』

友『負けたってことか』

兄『簡単にいうとそうだね』

友『中学最後の大会で負けたからショックだったとか?』

兄『そうじゃないけどさ。……なんて言うか説明できないよ』

兄『例えばさ。絶対負けたくない相手がいて。でもソイツの方が自分より上手くて。……どんなに頑張ってもかなわないって思ったらお前はどうする?』

友『練習する。当たり前じゃん?負けたくないんだろ?』

兄『じゃなくて………負けるなんて微塵も思ってない相手に負けたら――』

友『練習する。なんだ?後輩とかに負けたのか?』

兄『そうじゃないけどさ……』

友『要するに、今まで眼中に無かった。見下してた相手に負けたらってことか?』

兄『見下してた?』

友『負けるなんて思って無かったんだろ?格下だって。……そりゃショックかもなぁ。でも頑張るしかないんじゃね?負けたくないんだろ?』

兄『…………どう頑張っても勝てないって思ったら?』

友『んー。諦めるしかないんじゃね?他の事で勝負するとか』

兄『諦める?他の事?』

友『良く分かんないけど、吹奏楽で負けたんだろ?負けたくない相手に。でも頑張ってもどうにもならないなら、吹奏楽以外で勝負すれば良いじゃん?』

友『バスケってさ、テクニックとかいろいろ有るけど、けっこう身長ってデカいヤツ有利なのよ。ディフェンスなんか自分の届かない所ボール投げられたらどうすることも出来ないわけ』

兄『うん』

友『そんな相手にジャンプしてボール取ろうと頑張るくらいなら、ソイツ無視してパス出すヤツを潰した方が効率良かったりするのよ』

友『つまり身長じゃいくら頑張っても勝てないんなら、高さ勝負はあきらめて、他のところで勝負するんだよ!バスケだとな』

兄『他のところ……か』

友『お前、ソイツに何が負けてんの?音の大きさとか?』

兄『……なんて言うかな。一言で言うと表現力。感情の豊かさなのかな』

友『なんじゃそりゃ?……良く分かんないけど。だったらさっきの話さ!他のところで勝負すんだよ!音の大きさとか、超速く楽器吹くとか…………いっそのこと別の楽器やるとか』

兄『別の楽器?』

友『バスケの才能って言ってもいろいろ有るのよ。フォワードだと上手くいかなかったけど、ガードになったら才能開花したヤツとかいるぜ?お前も楽器でも笛以外出来ないの?ポジション変えれば良いじゃん!』

兄『……ポジションを変える、か』

友『吹奏楽辞めたい訳じゃないんだろ?だったら他にやれそうな、自分に向くポジションやれば良いじゃん?案外上手く行くかもよ?』

兄『……かもね。やってみようかな』

友『絶対やれよ!知らないけどお前を負かしたヤツぶち抜いてやれ!』

>>709
そうそう妹は被る時に兄の匂いを堪能しているとおもうと胸熱
物語も佳境かね
おつおつ

>>719
書いててなんだけど、ジェットヘルメットは匂い籠るのかしら?

ただ、女の子のヘルメットは良い匂いするんだよね。むしろ兄がはぁはぁかもしれん(笑)

◆◆潮岬 キャンプ場◆◆
妹「美味しかったー!こんな美味しいのにあんな安くて良いのかしら!」

兄「海沿いはホントに魚が上手いね、スーパーの刺身でこれだけ上手いなんて埼玉だとあり得ないよなぁ」

妹「ホントよね!旅して良かったかも?」

兄「同感。……さて、少し休んだら片付けしようか?」

妹「はーい!……あれ?なんか聞こえて来ない?」

兄「本当だ。……楽器?」

妹「あそこのテントよ!ちょっと行ってみましょ!」

兄「……おーい」

妹「こんばんわー」

「こんばんわ!ゴメンね?煩かった?」

妹「いいえ、まさか!楽しそうだなーと思ってちょっと覗きに来たんです!」

兄「皆さんここでキャンプですか?」

「そうだよー」
「僕たちはね、カントリー音楽の楽団でさ。全国のライブハウスか音楽バーみたいなところで演奏して回ってるんだ」

妹「へー!凄いですね!コレはギター?」

兄「たぶんバンジョーじゃないかな?」

「お兄さん正解!お嬢ちゃんはこういうの見たこといかい?」

妹「うん!初めてよ!教科書とか図鑑では見たことあるかもだけど」

「はは!そしたらちょっと楽しんで行くと良いよ!ココアとか飲んでいきな!」

メット被るときに吸い込んで堪能するのだ
めっちゃ不自然!
音楽の話題になると避けてたのに進歩してるな兄
新鮮な魚は本当に美味しいよねシラス食べたいぞ
おつ

>>723
実は避けてない音楽の話題があったりするんです。今回も今のところ避けてないですねぇ。。(笑)

妹「カントリーかー!アメリカと言うかウエスタンショーみたいな音楽ね」

兄「ウエスタン、テキサスとかかな?フィドルですかコレは?」

「お!良くわかったねぇ!!」

妹「ふぃどる?バイオリンじゃないの?」

兄「アイルランドの音楽とかでも使われるんだけど。微妙に違うらしんだよね」

「実はバイオリン使ってる奏者もいるらしいけどね!なんかリクエストあったら弾くよ!」

兄「リクエストですか?うーん。。。」

妹「あ!リクエストじゃないけどいい?私も一緒にやりたい!実は私も楽器持ってきてるの!」

「お、おねーさんも音楽家か!良いよー!なんでもござれ!こっちはプロだし任せなよ!!」

妹「ちょっと待っててねー!」

兄「…………」

妹「おじさま!お待たせ!本業というか、フルートが主だけど。こんなのも持ってきたの!おおスザンナとか出来る?」

「お、ティンホイッスルか!良いね!いいよー!任せときなさい!」

~♪~♪~♪~♪~♪~

「ははは!ロールにカット、スライド!良いねぇ!バグパイプの奏法か!ティンホイッスル吹きは良くやるよね!」
「楽しんでやるのがまた良い!……おっとテンポ上げたな?負けらんない!」

兄「…………楽しそう……か」

「お兄さんも手拍子とかでも良いよ!なんならタンバリンとかもあるし、適当にやりなよ!」

兄「……いえ。僕は聞いてるだけで」

「そうかい?音楽なんかは楽しんだもん勝ちだよ!」

妹「…………」

「参った参った!お嬢ちゃんやるなー!音大生かい?」

妹「残念!普通の大学生よ!」

「そりゃ勿体ない!おじさん達と一緒に旅して回らないかい?」
「スカウトか?止めとけ辞めとけ!こんな、むさっくるしいオッサンと一緒なんてなぁ?」

妹「そんな事無いけど、残念!私も私の旅があるからまた今度ね!」

「ほらみろ!振られてやんの、もうすぐ若くないんだから!」
「うるさい!俺はまだまだコレからの男よ!」
「んな事言ってらぁ!」

妹「あー!でも楽しいわね!……あれ?…………兄?」

~~~~~
兄「…………」

兄「~♪~♪~♪~」

兄「……楽しんでたんだけどなぁ」

得意なことで一番になって他を見下ろす愉しみか。

…よそう、疲れてんな我(オレ)。

◆◆◆◆◆◆
兄『……ワールドミュージック。クラシック以外にも結構音楽ってジャンルがあるんだ』

兄『アイリッシュフルート。……キイが無いんだ。コレなら出来るかも』

兄『…………お年玉降ろすときが来たか。じいちゃんありがと』

~~~~~~

妹『ただいまー!おかーさーん!兄はー?』

母『おかえりー。さっき帰ってきて部屋でフルート吹いてるわよー』

妹『そう?ありがとー!……ホントだ。部活終わったのに熱心ね。…………あれ?なんか変な音?…………変な吹き方?何やってるのかしら?』

~~~~~~
兄『タップ、カット。……トリルとか装飾音符っぽいけど、入れるタイミングが違うのか…………スライド。トリプレット…………へぇ。』

妹『兄ー?入るよー?』

兄『お前な、入ってから言うなよ。ノックしろノック』

妹『別に兄妹なんだから良いじゃない!……って?なにそれ?フルート?』

兄『アイルランドの昔のヤツね。いつものと違って面白いよ』

妹『ふーん。どうしたの?』

兄『買った』

妹『え!おかーさーん!兄が無駄遣いしてるー!!』

兄『ばーか、ちゃんと母さんには言ったよ』

妹『もう!お母さんは兄に甘いのよね!ズルいわ!』

兄『お前はマンガとかばっかり買うからだろ?……練習したいから自分の部屋行けよ』

妹『はーい!』

兄『まったく……ええと……。~♪~♪~♪~……スライドってこんな感じかな?後は…………』

~~~~~~
妹『……ふーん。その楽器。アイリッシュフルートだっけ?随分慣れたみたいね?』

兄『フルートと違ってちゃんと押さえないといけないからちょっと難しいけどね。なかなか面白いよ』

妹『へぇー。……ねぇ!ちょっと私にもやらせて!』

兄『出た。お前はいつも人のやってるものを真似する』

妹『良いじゃない、ちょっとだけ!強く吹いて楽器のクセとか絶対変えないから!』

兄『……まったく…………ちょっとだけだよ?』

妹『やったー!持ち方一緒よね?……わ!軽い!なんか変な感じね!……運指はどうするの?』

兄『適当にフルートと同じでやってみろよ』

妹『べー!意地悪!良いわよー!……~♪~……へぇー!なんか懐かしい感じの音っていうのかな?不思議ね!……~♪~♪~……♪~……ちょっとクセが違うから難しいわね!良くサラサラ吹けるわね』

兄『慣れだよ、慣れ』

妹『~♪~……♪~……ちょっとかすれたりするわね。難しい~!でも楽しそうかも!』

兄『はい、終わりー。ほら返せよ』

妹『後ちょっと!』

兄『だーめ!まったく……~♪~♪~♪~』

妹『凄いなぁ。ホントに兄はなんでもスラスラ出来ちゃうのねー』

妹『兄ー?ちょっと良い?』

兄『~♪~♪~……今練習中だからダメ。後にして……~♪~♪~』

妹『もう!さっきもそう言ったのに!……でも、楽しそうだなー。兄』

兄『~♪~♪~』

妹『…………そうだ!良いこと考えちゃった!』

~~~~~~

妹『じゃーん!私も買っちゃった!ねぇ!兄、見てみて!』

兄『え!お前どうしたの?』

妹『お父さんにおねだりしたの!』

兄『母さーん!妹がまた父さん騙したー!』

妹『失礼ね!お母さんも知ってるわよー!』

兄『まったく。……ウチの両親は本当にお前に甘いんだから』

妹『ねぇねぇ!そんな事良いからちょっと教えてよ!なんかタララ!って兄やってるじゃない?』

兄『……タップ?それともロールのこと?もう……俺の練習時間とるなよ。あれはね……――』

~~~
妹『~♪~♪~』

兄『ただいまー。……リビングで楽器禁止だろ?』

妹『お母さんいないもん。良いのよ!それよりちょっと聞いてよ!上手くなったと思わない?~♪~♪~♪~』

兄『本当だ。かすれなくなったね。…………お前、トリプレット出来るようになったの?』

妹『ロールじゃない?よく分からないけど、CD聞きながらこんな感じかなって!』

兄『……ふーん』

妹『ねぇ!ちょっと一緒にやろうよ!私、簡単な曲なら吹けるわよ!』

兄『……良いよ。ちょっと待ってて』

妹『やたー!~♪~♪~♪~』

~~~~~~
兄『~♪~♪~♪』
妹『~♪~♪~♪』

妹『あ!ここ、CDだとこんな感じだったわよ?~♪~♪~』

兄『……そう?~♪~♪~こんな感じ?』

妹『~♪~♪~♪~みたいな?装飾音符というかたくさん細かく音入れてるみたい~♪~♪~』

兄『…………』

兄『音楽の才能か……』

『バスケの才能って言ってもいろいろ有るのよ!ディフェンス、センター、ガードでパス。もちろんドリブルとかシュートセンスもな!』

兄『…………他の楽器かぁ』

兄『……金がなぁ』

~~~~~~
妹『兄!また楽器買ったの!?なにそれ?』

兄『これは黙ってろよ?安かったけど、母さんに内緒なんだから……ティンホイッスルって。やっぱりアイルランドの楽器』

妹『へぇー!?ねぇ、どんな音するの?』

兄『~♪~♪~♪~……こんな感じ?』

妹『やりたいやりたい!ちょっと貸して!』

兄『ダメ』

妹『お母さんに言うわよ?』

兄『…………ほら』

妹『やたー!~……~♪~♪~へぇー、リコーダーみたいね?でも、穴は少なめ?いつも横笛だから違和感かも』

兄『直ぐ返せよ。俺も練習したいんだから』

妹『はーい!~♪~♪~』

~~~~~
妹『~♪~♪~♪~』

兄『お前……勝手に人の部屋に。てか俺の楽器使うなよ』

妹『ダメ?ゴメンね!楽しくって!吹くの簡単で良いわね!ティンホイッスルって!~♪~♪~♪~……タイタニックの映画でこんな感じの曲やってたわよね!楽しくて私好きだわ!』

兄『……返せ』

妹『あー!もうちょっとやりたかったのにー』

兄『アイリッシュフルート買ってもらったんだろ?そっち吹けよ』

妹『べー!良いわよー!あ、一緒にちょっと合わせない?ティンホイッスルとアイリッシュフルートで!』

兄『……今日はちょっと自分の練習したいから』

妹『けちー!どうしようかなー?部活無くなると夏休みも暇ね!』

兄『勉強しろ勉強。受験なんだから』

妹『兄だってしてたいクセに!……はーい自分の部屋行こうっと!』バタン!

兄『…………』

兄『…………俺よりも妹の方が…………』

>>728
>得意なことで一番になって他を見下
>ろす愉しみか。

いや、あってます!伝わってたなら良かった!(笑)


得意なことでというか。好きなことでと言うか。
今までいろんな事。勉強とかそれこそいろいろで下に見てた他者が、自分の一番好きな事で、自分よりも優位にたったら?みたいな事を泣けたら良いなと思ってます。

文章力無いのでもどかしいですが(笑)

泣くな。

そんなところもあるのがわれわれといういきものだろうさ。

つうかすまん、いらぬレスした。すまん。

がんがれ。超乳がんがれ(確信犯)。

>>737
ちなみに今野宿どしゃ降りで泣きたい(笑)

乳、頑張る!おれ頑張る!

◆◆◆◆◆◆
「おや?こんばんは。さっきのお兄さんかな?」

兄「こんばんは」

「お嬢ちゃんはもう寝たのかい?」

兄「みたいですね。けっこうはしゃいでたみたいだから今日はグッスリ寝てると思います」

「そうか、私達も久しぶりに若い人と演奏出来て楽しんだからね。普段の客の前で演奏するのも楽しいが、誰も聴衆のいない、内々の音楽と言うのもまた良いもんだね」

兄「……あの、聞きたい事があるんですけど」

「私にか?何かな?」

兄「……皆さんはプロの音楽家なんですよね?やっぱり小さな頃から音楽やってたんですか?」

「まさか、我々は好きが好じてやってるようなもんだからね。私は楽器始めたのなんかそうだな。……ちょうどキミぐらいの歳だったかな?」

兄「でも、何か特別な練習したりとか、先生についてレッスンとか」

「ははは!ないない!あり得ない!そもそも本当に趣味でやってたのがいつの間にかなんだよ。プロの音楽家なんて良いもんじゃないよ!」

「さっきは演奏に参加してなかったけど、君もフルートが吹けるんだろう?」

兄「え?なんで……」

「お嬢ちゃんがずっと話してくれたよ。『私より兄の方が凄い!』『兄は天才だから!』ってな」

兄「…………」

「君はプロの音楽家になりたいのか?さっきから私達の事気にするね?」

兄「別にそう言う訳じゃ……」

「私達はアマチュアの凄いもんくらいだよ?プロなんて烏滸がましいもんじゃないぞ。私に聞いた所で何にもなりゃせんよ?」

兄「……それでもずっと続けてる訳ですよね?皆さんで」

「それが取り柄みたいなもんだからね。仕事してる時は合間を縫って。今は家に居るとカミさんにやっかまれるからね。仕方なく外で居場所を探してるだけだよ」

兄「…………」

「何が気になるんだい?音楽家なんてそう珍しいもんじゃないだろう?」

兄「……皆さん診たいにどうやったら成れるのかなと」

「適当だよ!適当にで私達があるんだ」

「音楽は楽しんだもん勝ちだよ?楽しく吹いて、楽しく聞いて。ただ、それだけで十分さ!私は適当な音を聞いてるだけで楽しい!」

兄「……楽しいかったです。俺だって昔は」

「いつだって音楽は楽しいもんだよ?楽しくないなら、自分自身に問題がある」

兄「…………自分自身。下手だから」

「違う違う!小さな頃は下手でも楽しかっただろ?上手で楽しいのも一理有るが、それだけが音楽じゃないんだよ」

兄「…………」

「論より証拠。……ホレ、コッチ来なさい」

兄「え?……ちょっと!」

「笛系はなんでも出来るんだろ?それ以外にしようか。……ホレ、簡単なギターだよ。やってみなさい!」

兄「……いや、でもやったこと無いですし」

「そう、始めてだ。だから上手いも下手も無い。私が教えて上げよう持ち方はこう。……そうそう、そうだ!まずはそうだね。和音を教えようか」

兄「……こう、ですか?うーん、音がならないです」

「そう、そんなもんだよ!手首をたてると言うかこんな感じ。指先とネックを垂直に」

兄「あ。なった。……こんな感じですか?」

「そうそう、飲み込みが早いね。……音楽やるヤツはどっちかでね。飲み込みが早くて伸び悩むヤツか、なかなか上手くならないけどコツを掴んで一気に上手くなるヤツ。君は前者かな?」

兄「……そんな事ないですけど」

「音楽をするには自分を好きになること。自分を好きになるには自分自身を知ることが大丈夫だよ?過小評価でもなく過大評価でもなくね」

兄「……自分自身を知ること」

「もっと言うなら、自分自身を知って、自分を好きになったら。最後には自分を忘れる事が出来たらピカイチだけどな!」

兄「……自分を忘れる?どういう事ですか?」

「価値観が固まってしまうんだよ。こうじゃ無きゃイケない。こうしたらダメとかね。音楽は音を楽しむんだよ。好きな曲、嫌いな曲。凄い奏者も下手な奏者。良い音、悪い音。どんな音でも楽しむ事が出来ないとね」

兄「……楽しんでるつもりです」

「なら多分君みたいに悩まないよ。悩むのは原因がある。……解決策はいろいろ有るけど。まずは自分を知り、自分を忘れる事が大事だよ」

兄「自身を知り、忘れる。…………僕は自分の事知らないんですかね?」

「誰でも自分のことを知ってるつもりが多いさ。……まずは知ること。頭の中だけじゃない、本来の自分自身をね」

兄「…………」

「お、良い音じゃないか!私は歳だから覚えが悪くてね!君みたいに飲み込みが早いのは羨ましいよ!」

兄「……ありがとうございます」

「はは!どんどんやろう!次は――」

◆◆◆◆◆◆

~~~~~~
兄「……でFがこう、か。人差し指がつらいですねコレは」

「指の力だけで押さえようとするのがいかん!手の甲を奥に出すようにしてみな」

兄「えっと。……お?なるほど。フレット見ようとすると、ネックの角度が斜めになって押さえられなくなるのか。指の感覚だけで、形を覚えれは」

「……どうだ?楽しいんじゃいか?」

兄「……まぁ、そうですね」

「今はきっと知ってる自分を忘れてたの思うぞ?自分を忘れれば自然に楽しくなるんだよ」

兄「……そうですかね」

「まぁ、いきなりは出来んかもだけどな。こんな感じだよ!もってるこだわりとかも大事だけど、それが一番じゃない!大切な事を間違えないようにな」

兄「……はい」

「……さて、随分長居させたね。もうちょいやるかい?」

兄「いいえ、僕ももう寝ます。明日早いですし。……おやすみなさい」

「そうか。お休み!」


「…………あれは重症かもな。嬢ちゃんも難儀だよ」

~~~~~~
兄「……よいしょっと」

妹「…………どこ行ってたの?」

兄「なんだ、起きてたの?……さっきのおじさんとちょっとね」

妹「……話してた?」

兄「……かな?」

妹「そう?何の話してたの?なんか嬉しそうかも?」

兄「さぁね。……宗教みたいな話かな?」

妹「変なの」

兄「かもね…………俺ももう寝るよ。お休み」


妹「……うん、お休み」

◆◆◆◆◆◆
『ははは!良いねぇ!お嬢ちゃん!おじさん達がヒイヒイだよ!』
『俺らもだらしないのう!だいたい打楽器がお嬢ちゃんに引っ張られてるんた。頼むよー!』
『んな事言ってもみーんなでお嬢ちゃんに合わせたら、コッチだって合わせない訳にはいかないだろ?』

妹『あー!楽しい!!おじさん達上手ねぇ!私が何やっても合わせてくれるんだもん!』

『転調は勘弁してくれよー。おじさん頭悪いからビックリしたら、おっつかないよ!』

妹『ごめんなさい!でも楽しいわ!…………あれ?兄?』

『どっか行っちゃったなぁー?』
『テントの前、火がついてら。酒でものんでるかな?』

妹『そう。……兄のばか』

『にいちゃんは音楽は興味ないかー?バイク乗りだしなぁ?』

妹『そんな事無いわよ。……兄は私よりずっとずっと上手だし。私にいろいろ教えてくれたのも兄なのよ』

『んじゃ、気が乗らないんだろうよ』
『そう言う時もあるよなぁ?』

妹『……おじさん達は音楽辞めたくなった時ってある?私、そんな事思ったこと無くて』

『あるある!いつもだよ!頭では分かってるけど指が追い付かなかったり、こんちくしょう!って思いながらいつもやってるよ!』
『下手くそだからなぁ、俺ら』

妹『下手だから?……上手だったら?』

『上手でもなぁ?カミさんに辞めろーって言われたり。仕事やってた時は、それどころじゃ無かったりなぁ。……今だからこそ仕事も何にもしないで、音楽できるけどね!』

妹『……』

『お嬢ちゃんは音楽辞めたくなるのかい?』

妹『まさか!私は全然!……兄がね。ある時から楽器に触らなくなっちゃったの。私より上手で、辞めたくなることなんか無いと思うんだけどね』

『ははは!良くあるよ!ちょっと離れてまた戻ったりさ!』

妹『また楽器やるようになるかな?』

『それはにいちゃん次第だよ。音楽なんてやりたくなったらやるし。辞めたくなったら見向きもしないしね』
『昔の仲間で辞めて、それ以来音楽やらないヤツなんかたくさんいるよ!』

妹『……そう』

『お嬢ちゃんはにいちゃんに楽器戻って欲しいのかい?』

妹『……うん。一人でやるのはつまらないもの。誰かと。……兄と一緒に楽器吹きたいなぁって思うの』

『さっきも言ったけど音楽やりたかったら勝手にやる、それだけだよ。誰かにやらされてやるなんてあり得ないしね』

妹『…………』

『なんでにいちゃんが辞めたのか。それに尽きるよ。それが分からんことにはどうにもならんし、分かった所で結局本人次第よ』

妹『……私は何も出来ないのかな』

『そんな事ないさ!兄ちゃんが楽器をまたやりたいと思ったとき戻る場所になってあげなよ!お嬢ちゃんが兄ちゃんの音を受け止めてやればいい』

妹『……受け止める場所。私が?』

『そうさ!やりたい時でも一人だけだと続かなかったりするからね。誰かと一緒ってのは心強いもんだよ』
『俺らも誰か一人でも居なかったら、今こうしてやってないよなぁ?』
『まったくだ!感謝しろよ、お前ら?』

妹『…………』

『辛抱が必要かもしれないけどね。いつになるか分からないし、もしかしたら戻らないかもしれないし。……それでもお嬢ちゃんが本当に望むなら。お兄さんを待っておあげ』

妹『…………うん。分かった』

◆◆◆◆◆◆
妹「……うーん。……おはよー」

兄「おはよ。……寝癖ひどいよ?流し行ってきな?」

妹「うへー、ホントに?水で髪洗うと臭くなるんだもん。ブラシだけで何とかならないかなぁ?」

兄「なんでも良いけど、今日一日ボサボサ髪の妹と一緒なんて嫌だよ、俺は」

妹「はーい。……ついでに歯ブラシ持って行こー」

兄「さて、今日も頑張りますか」

妹「そうねー」

「おーい!お嬢ちゃん達ー!早いなぁ?もうでるのか?」

妹「そうよー!おじさん達は寝坊助ね!」

「ははは!手厳しい!」
「うちのカミさんより上手になるよ!」
「気をつけてなー!」

兄「ありがとーございます!皆さんもお気をつけて!」

妹「ばいばーい!」

ブルルン!……ドコドコドコ

ブロロ……トコトコトコ
妹「おじさん達、楽しい人達だったわねー」

兄「そうだね。……ああいう旅というか老後も楽しいかもね」

妹「ねー!仲良いし楽しそう!私もあんな風な歳の取り方したいなぁ」

兄「風呂とか入らないとか言ってたよ?」

妹「それは嫌!ちゃんとお風呂入ってー。美味しいもの食べてー。全うな旅をしてみたい!」

兄「悪かったね、貧乏旅で。……コレはコレで楽しいけどなぁ?」

妹「もちろんよ!でもあわよくばと言うか、なんと言うかねー」

兄「ハイハイ、贅沢病ね?」

妹「そうなのかな?……兄の貧乏性とどっちが良いかしらね?」

兄「そんな事ないよ?」

妹「本人は分からないかもねー」

兄「ちょっと――」

妹「なによー――」


和歌山篇
一日目終わり

和歌山3日目
◆◆猫の駅長◆◆
妹「可愛い~!おーい、こっち向いてよー!」

兄「……グッズが凄いね。駅長効果抜群」

妹「ウチの猫。ユズちゃんは元気かしらねー。お母さんちゃんと餌上げてるかしら?」

兄「今ってウチ、母さんだけだもんなぁ。……お土産とかなんか送った方が良いかな?」

妹「……大蔵大臣?良いのですか?無駄遣いはしてはいけないと私にあれほど言っているのに?」

兄「官僚補佐よ。ちゃんとした投資と考えよう。もしかしたら母からの援助金が入ればこちらとしても得であろう?」

妹「お母さんは兄以上にしっかりしてるからなー。『それはそれ、コレはコレ』なんて言いそうね」

兄「……まぁ期待は出来ないかもね。恩を売っても所詮、俺らは子どもだからなぁ」

妹「やっぱりターゲットはお爺ちゃんとかお父さんね。お婆ちゃんは厳しいからダメ」

兄「下心有りはバレるよ?」

妹「有難い事に私には甘いのよ。……そう言えば欲しい楽譜あったなー」

兄「……したたかと言うか、なんと言うか」

◆◆◆◆◆◆
ブロロ……
妹「寒いー。トンネルの中って凄い冷えるのね!」

兄「場所にもよるよ?アクアラインとか熱かったじゃん」

妹「あー思い出した!しんどかったわねー。なんかもう懐かしいわ。千葉、神奈川にいた頃がずいぶん昔みたい」

兄「だねー。コレから先旅してて、千葉の事とか覚えてるかな?」

妹「鋸山は忘れないわよ?あんな高くて怖い所行きたく無いなー」

兄「…………」

妹「兄?」

兄「これから向かう、奈良に日本一のつり橋と言うのがあってだな」

妹「……高い?」

兄「揺れるらしいよ?」

妹「……怖い所は忘れられなそうね」

~~~~~~
兄「え?通行止めか?」

妹「ホントね。迂回路かいて有るわよ」

兄「どれ…………えぇー。かなり戻るよコレ」

妹「どのくらい?」

兄「……一時間は戻るなぁ」

妹「そんなに戻るの!!もっと前に書いてくれれば良いに!」

兄「有るはずなんだけどね。見落としたかなぁ?」

妹「そんなの無かったわよ?……ちょっと私、文句言ってくるわ」

兄「辞めろ辞めろ。しょうがないよ、戻るかぁ……」

妹「工事しても良いけど、こういうところ嫌いよ私!」

兄「でも工事しないと道路出来ないからね?」

妹「……一瞬で道路が出来る機械とか作れないのかしらね」

兄「また無茶苦茶な事を」

看板はわからない時があるよな

>>787
田舎はマジで50km先まで分からないこと多いしね。時速50kmで一時間。うーん。。

~~~~~~
ブロロ……ドド……ドド……ドド
妹「あれ?兄ー?なんか変な感じする。トトトト……って一定のリズムじゃ無くて、途中途切れる感じ?」

兄「んー?…………まさか、tripメーター今いくつ?」

妹「え?どれ見れば良いの?」

兄「速度計の下のクルクル回ってる所。数字動いてるでしょ?」

妹「えーと。……280かな?」

兄「……ガス欠かぁ。リザーブにしないと。……エンジンの左にツマミ有るの分かる?」

妹「えー?分かんないわよ?」

兄「そしたらちょっと道に寄せようか。……ウィンカー左。その先ちょっと止まって」

妹「はーい!」

兄「ここのツマミ。コレをRESにしてね。……てか、しまったな。……途中引き返したからなぁ。そりゃ持たないか」

妹「ガソリン無くなったらどうなるの?」

兄「……スタンドまで押す」

妹「ええ!このバイクを!押せるの?動く?」

兄「ニュートラルにすればね。……スタンドまで持つとは思うけど、最悪そうだね」

妹「……私も?」

兄「お前、俺だけに押させる気か?勘弁してくれ」

~~~~~~
兄「(^ω^)」

妹「……兄?バイク動かなくなっちゃったんだけど」

兄「……持たなかったね」

妹「いやー!頑張ってよW1?」

兄「燃料無かったら無理無理。……後3kmかぁ、押せなくはないけどしんどいな」

妹「車通るまで待とうよ。親切な人が分けてくれるかも?」

兄「和歌山の山奥で?ないない。……それか俺がスタンドまで走って携行缶に入れてくるか。お前ここで待ってる?」

妹「一人で!嫌よ!熊とか出てきたらどうするのよ?か弱い私をこんなところに置いてくなんて!!」

兄「でもどっちかだよ。頑張って押すか、俺がガソリン持って来るまで待つか。2~3kmでしょ?20分も有れば戻って来るよ」

妹「……嫌。押す」

兄「途中で『疲れた、嫌、無理』言うの禁止な?」

妹「……分かったわよ。文句言いません」

兄「なんでわざわざ辛い方選ぶかなぁ?」

妹「……一人で待つ方が怖いもん」

兄「そう?そしたら頑張るか。……ほれ、早く」

妹「……え?なんで兄バイクに乗ってるの?」

兄「早く押せよ。俺が跨がって方向修正するから」

妹「私一人で押すの!ズルい!」

兄「結局こうなるんだよなぁ……よい……しょっ……と!」

妹「頑張ったのよ?ちょっとは動いたじゃない!」

兄「5cm動くのにどれだけ時間かかったか。……てか休憩。ちょっとブレーキ握ってよ。……本当にガソリン入れるだけで動くって有難いよなぁ」

妹「あ!でも見て!あれガソリンスタンドよ!」

兄「おー本当だ。1kmくらいかな?」

妹「早くー!後ちょっとよ!」

兄「変わるかー?お前が押せー」

妹「……休憩って大事よね。私がしっかりブレーキかけてるから兄はちゃんと休んでちょうだい!」

~~~~~~
ブロロ……ドコドコドコ……
妹「ガソリンって凄いわね!押したら大変なのに、エンジン動けば一瞬よ!」

兄「ホントだね。……あー足が痛い」

妹「ありがと!お疲れさま!私が運転中寝てても良いわよ?」

兄「んー、まぁどうしようかな。眠かったら寝るかもだけど、今のところ眠いとかは無いから大丈夫だよ」

妹「そう?無理しないでね?」

兄「お前が半分でも押してくれればなぁ。……てかお前良くバイク起こせたね?教習でやったでしょ?」

妹「えー?教習所の先生がちょっと手伝ってくれたわよ?ちょっと上がったら何とか頑張るかも」

兄「え、そんなのあるの?」

妹「淑女にあんな重いの起こさせる何て無理よ!……あ、でも内緒だよ?とは言われたかしら?」

兄「ズルい。不公平の極みだ」

いやいや…いやいやいや…ねぇわ

◆◆高野山◆◆
妹「すごーい。なんか町全体がお寺?こんなに沢山なんて京都以外にも有るのね!」

兄「ホントにね。宗教都市というかチベットとかもこんな感じなのかな?」

妹「あ!見てみて!お坊さんが歩いてる!コンビニ入ったわよ!」

兄「そりゃ坊さんだって人間だしな。歩くしコンビニだって使うだろうよ?」

妹「だってなんかそんなイメージ無くない?コンビニで何買うのかしら?」

兄「買い物する場所って最近だとコンビニが主だからなぁ?坊さんが買い物しやすいところなんて日本にもう無いんじゃない?」

妹「神社の神主さんも謎よね?何食べてるんだろ」

兄「さぁ?でも一緒じゃない?コンビニで買って食べるもんなんてさ」

>>795
まぁフィクションなので(笑)

バイクの教習の難所。引き起こしは女の子にはキツいらしいけど、ぐぐっと腰使えば力要らないのになぁと。

~~~~
妹「なんか雰囲気というか、オーラというか。荘厳な感じ?なんて言うのか説明出来ないんだけど、パワースポットなんて言う言葉とはちょっと違うんだけど……」

兄「聖域?霊場?かな。言いたい事は何となく分かるよ。……良くこれだけのお寺建てたよね」

妹「ホントよね!昔はクレーン車とか無かったんでしょう?どうやって作ったのかしらね?」

兄「木材で足場は今と同じように作れるかもだけど、持ち上げるのがなぁ。滑車使ってもけっこう大変だよね」

妹「お寺とか見て毎回思うけど凄いわよね……こんなに大きなもの、こんなに沢山作れるのって」

兄「同感。……日本の善き伝統なのかもね」

妹「ふーん真言宗の本山なのね。……真言宗とか浄土宗とか有るじゃない?何が違うのかしら?」

兄「教義が違う?のかな。イメージだけど天台、真言宗は凄い術使えそう」

妹「浄土宗は?」

兄「極楽に行ける?なんか楽そう」

妹「曹洞宗は?」

兄「修行が厳しそう?……曹洞宗とか良く知ってたな?」

妹「私の事バカにし過ぎよ。ウチの宗派でしょ?お婆ちゃんが煩く言ってるから覚えるわよ。……そう言えば今年はお盆どうするのよ?」

兄「日にち合えば行くけど、合わないだろうしなぁ。……とりあえず行けた時に墓参りしようよ」

妹「初めてかも?お盆に親戚と会わないのって」

兄「そうかもね。……大学卒業して就職したら皆と会うことも少なくなるかもね」

妹「……私達もさ。どうなるのかな?」

兄「卒業したら?前もそんな事言ってなかったっけ?」

妹「兄と私。別な仕事だったら年に何回かしか会えなくなるのかなぁ」

兄「それこそ盆と正月に会えれば良いけど、今の時代厳しいんだろうなぁ。親父とかもさ、八十まで生きたとして、年に二回しか会えないとすると。……50回会えるか会えないかになるよね」

妹「……なんか寂しいな」

兄「しょうがないんじゃない?」

妹「兄は寂しくないの?」

兄「なって分からないって。でも、いつかそれが普通になるんだろうね。今は毎日顔合わせて普通だけど、顔合わせ無くて普通にさ」

妹「…………普通になる……か」

妹「お墓いっぱいね」

兄「偉い人の墓なのかな?大きなお墓多いね。……お、徳川の墓だって。こんなところにも有るんだ」

妹「不思議と怖いないわね」

兄「不気味な雰囲気はないよね。それこそ霊場的な?」

妹「死んだらこんな静かな所にずっといるのかー。それも良いかも」

兄「死ぬ後の事考えるの早くない?」

妹「明日、事故で死ぬかもでしょ?」

兄「まぁ、そうか。……何か実感無いんだよなぁ。明日死ぬかもって言われても、ピンと来ないというか」

妹「そうね。……ねぇ、もし私が明日死んだらどうする?」

兄「とりあえず警察、救急。で葬儀社と菩提寺さんに電話かな?」

妹「……ばか」

兄「妹はどうする?俺が明日死んだら」

妹「…………嫌だなぁ」

兄「可能性は有るんだろ?」

妹「……そうなのよね」

妹「……ねぇ兄?」

兄「んー?」

妹「手。……繋いで欲しい」

兄「え?なんで?」

妹「もし私が明日死んだら後悔すると思うから。後悔しないように」

兄「アホか」

妹「でも、そうでしょ?可能性の話ならあり得ないなんてあり得ないのよ。私は明日死んだら、今日兄と手を繋がなかったこと。絶対後悔すると思うもの」

兄「……なんで手?」

妹「……秘密」

兄「教えてよ?それこそ俺が後悔するかも」

妹「後悔してずっと私の事覚えていてくれる?……なら教えない!それに手を繋がなくてもいいかな」

兄「なにそれ?」

妹「良いのよ!」

教習でとれると楽だよね

◆◆竜神スカイライン◆◆
ブロロ……トコトコトコ……

妹「やえー!……やってくれない人もいるねー」

兄「やらなきゃいけないって訳じゃないからね。普通に片手離すなんて……って非難する人もいるよ」

妹「バイク同士のコミュニケーションみたいで楽しいのにね。それこそ車の旅だと楽しめるのは無い楽しみなのに、もったいないわ!」

兄「コミュニケーションをあえてとりたくない人もいるんだろうね。……後は個人的で勝手な思い込みだけど、ハーレー乗りはやらない」

妹「なんで?」

兄「さぁね。そもそも俺の主観だけどさ、ハーレー乗りはハーレー乗りの仲間内だけで盛り上がるんだよね。他のバイク乗りはいろいろ装備だとか、ツーリング先の話するけど」

妹「ふーん。……ハーレーってどんなバイクなの?形は?」

兄「アメリカっぽいヤツだよ。ドゴドゴするやつ」

妹「……よく分からないわ?何にせよ、仲間内とかグループで意識的に区切って楽しいのかしらねー?せっかく非日常を楽しみに来てるのに、仲間内だけなんて日常と変わらないじゃない?」

兄「俺らみたいなもんじゃん?お前がいなかったら非日常だけど、なんか日常感凄いするんだよね」

妹「あら?こんな可愛い妹と旅なんて非日常じゃない?ドラマでもあり得ないわよ?」

兄「……自分で言うのが凄いよなぁ」

>>809
金で免許を買う?
上等上等(笑)

~~~~~~
ブロロ……トコトコトコ……
妹「良い道ね~!……あ、ウグイスが鳴いてるわよ!」

兄「え?そんなの聞こえた?」

妹「聞こえるじゃない!ほら、また鳴いてる!『ホーホケキョ』の後に『ピヨピ、ピヨピ、ピヨピ』って鳴くのが私知らなかったの!凄く可愛いわよね!」

兄「……ふーん?」

妹「可愛いと思わないの?」

兄「……そもそもウグイスの鳴き声聞こえなかったし」

妹「えー?あんなにちゃんと鳴いてたのに!でも多分また鳴くわよきっと!」

兄「……聴力か」

妹「え?なに?」

兄「別に、なんでもないよ」

妹「えー?なにー?!」

妹「良い道ねー。旅行って観光名所とか食べ物を楽しむものだと思ってたけど、そこまでの道を楽しむってバイクならではじゃない?」

兄「おー分かるか。ここは竜神スカイラインって言って有名なツーリング道路らしいよ。女性なんかドア・ツー・ドアで旅の行程、道中楽しまないって聞くけど、お前は違うんだね」

妹「えー?なんで?楽しいじゃない!走ってて見る景色は違うし、流れる空気も、温度も全部新鮮で!」

兄「同意。ホントにそうだよね」

妹「有名な観光名所だけじゃ無くて、いつもと同じ夕日も違って見えるし、空も、山も、川も何もかも違うのよ?楽しいに決まってるのにね!」

兄「地元に無いもの。非日常なんて特別なものだけじゃないよね。ゆっくりトコトコ走ってそれを体感するのがすきだよ」

妹「私達、気が合うわね?」

兄「……そうかな?」

◆◆竜神温泉◆◆
妹「きたー!三大美人の湯よ!楽しみだったの!」

兄「お前が入ったところで変わらないって……イテ」

妹「バカ。可愛くない妹より可愛い妹と一緒に旅がしたいでしょ?」

兄「温泉で美人になれるなら整形なんてしないよ。変わらない変わらない」

妹「なんでそういうこと言うのかしら?……ホントに兄って私の事ないがしろというか雑よね!」

兄「そうかー?こんなに妹思いの兄貴いないと思うけどなぁ?」

妹「…………ふーん」

兄「なんだよ?」

妹「妹思いなの?」

兄「そうじゃん?」

妹「……それなら良いわ」

兄「変なやつ」

妹「ええ!入れないの!」

兄「定期点検か。しょうがないね」

妹「嫌よ!せっかく来たのに!!ねぇ?他に何とかならない?」

「ここより高いのですが、他にも入れるところも有りますよー!泉質もかわらならないかと!」

兄「高いのかぁ……」

妹「やった! 良いじゃない、少しぐらい高くても!」

「あと、混浴もあるのでカップルにもオススメです!」

妹「混浴かー……」

兄「いいね!せっかく来たんだし、少しぐらい高くても入るべきだよ!」

~~~~~~
兄「別に無理に混浴の方に入らなくても良いよ?俺はそっち入るけど」

妹「普通に男湯はいれば良いじゃない!」

兄「せっかくの旅だしさ。年々混浴も少なくなってるらしいし、入れるうちに入らないとかなって」

妹「…………いいわ、私もそっち入る」

兄「無理しないでいいって。俺は俺で、お前はお前で楽しめば良いよ」

妹「本音は?」

兄「あわよくば女子大生とか入ってこないかなと……いて」

妹「やっぱり私も入る!」

~~~~
兄「…………」

「あらー!若いわね!どこから来たの!?」
「貴方、誰かに似てない?ほら、冬のソナタの!」
「ヨン様よ!イケメンねぇー!」

兄「……甘かったか」


妹「体洗い終わったわよー……そっち行くわね。…………ちょっと向こう向いててよ」

兄「なんで?良いじゃんそのままで?……うぇ!お湯かけるなよ」

妹「ばか!エッチ!そっち向いてて!」

兄「はいはい」

兄「背中合わせで入るって変じゃない?」

妹「いーやーよ!絶対コッチ見ないでよ!?」

兄「普段、風呂上がりスッポンポンで家の中歩き回ってるのに?」

妹「裸じゃないわよ!ちゃんとタオル巻いてたりするもん!」

兄「変わらん気がするけどなぁ?」

妹「……全然違うわよ。ばか」

兄「そうかな?……小さい頃は一緒に入ってたのに。いつからだっけ?入らなくなったの?」

妹「覚えてないわ。……小学5年だったかしらね?確か兄が入らなくなったのよ?」

兄「そうだっけ?」

妹「一緒に入ろーって誘ったら嫌だって言わなかった?」

兄「覚えてないなぁ?」

兄「エイッ。エイッ」パシャパシャ

妹「何してるの?」

兄「んー?水鉄砲。昔良くやったなぁって。お前は不器用だったよね」

妹「難しいんだもん。今も出来ないかも。エイッ!……ダメねー。やっぱり出来ないわ」

兄「なんで?こんなに簡単なのに?……それ、それ」

妹「なんか出そうとしてる所と別の隙間から水が出てくるのよねー」

兄「ちゃんと指の隙間埋めるんだよ。ちょっと見せてみ……うわ!」パシャ!

妹「コッチ向こうとしないでよ!」

兄「なんだよ?別に減らないだろ?」

妹「……そんなに私の裸みたいの?」

兄「いや?別に?見たくないし、興味もない……うわ!辞めろ辞めろ」パシャ

妹「もう!ばかばかばか!」

兄「振り向こうとしたら怒るし、興味ないって言ってるのに腹立てるし、俺はお前が全く分からん」

妹「なんかここのお湯って凄くヌルヌルするのね?」

兄「アルカリ質らしいからね。肌の角質とか溶かしてくれるんだって。だから美人の湯らしいよ」

妹「へぇー…ねぇ?兄?」

兄「んー?」

妹「兄はもし、今付き合うならどんな人が良いの?」

兄「恋愛で?さぁね、よく分からないし。仮に付き合ってもやりたいこととか無いから、正直興味無いかな?……てか前もなんかそんな事聞かなかった?」

妹「うん。考え変わったかなと思って」

兄「変わらん変わらん」

妹「ふーん。…………」

兄「…………」

妹「私に聞かないの?」

兄「妹は?」

妹「ヒミツ」

兄「……よく分からないよ、お前が」

周りでおっさん達が妹を凝視してるんだろうな…

現実だとだいたい男がワニするらしいから女性は注意だよね
酸性よりアルカリの方がなんかきれいになった気がする
おつおつ

>>833
オッサンは凝視。若者メンズは逆に逸らすよね。私もまだまだ若いという事で(震え)

>>834
危険な所はホントに危ないらしいからねー。九州でそれこそ殺人があった風呂とか行ったけど、看板あちこちにあって怖かったわ

◆◆◆◆
ブロロ……トコトコトコ
妹「凄いわよ!お肌スベスベ!」

兄「この内ベトベトになるけどね」

妹「ばか。……でも毎日あのお風呂入れる人もいるんでしょ?羨ましいわよねー。一般庶民なんかただ老いるのを待つだけだもの」

兄「その土地に生まれれば別だけどね。けっこう人生って運の要素が大きいよなぁ。たまたま出身地が温泉の近くだったらそういう恩恵あるけどさ、近くに高校とか無いから就学ではハンデになるわけだし」

妹「埼玉ってハンデになるかしら?」

兄「さぁね?」

妹「もし違う所で生まれてたら、そうやって旅とかしてなかったかなー?」

兄「バイク屋少なかったり、無かったりしたらそうかもよ?この辺もバイク屋全然みないしね」

妹「ふーん。そしたら埼玉で良かったかしら?私は今兄と旅が出来て楽しいもの!」

おお、>>1が釣れたぞ(笑)。

まぁ生存報告はやっぱり欲しいかな…てか更新間隔が初期の頃と違いすぎるし、バイクで長丁場の旅となると、よからぬ想像がどうしてもね。

…多少煽れば『ブジダヨー』って言ってくれるんじゃね?と思って書いた。正直すまんかった。
|||orz

乗っ取りについてはタイトルが
兄「先輩の部屋にいってくる」先輩「大丈夫?おっぱい揉む?///」妹「私もいきます!!」
になるから遠慮しておきます。
よい旅を。m(__)m

無事ならよかった
確かに晴天の日は気持ちいいしな

>>846
>>847
旅終わったよー!
疲れたー!!

落ち着いたらまた適当に書くよー!
とりあえず職安行かねば(笑)

お疲れ様でした!
続きのほう期待してます

うん 待つからさ。

仕事決まったら、宇宙の何処かでまた会おう!

アディオス!

>>849
ありがとー!気長に行くよ(笑)
>>850
まさかのJAXA!?(笑)

◆◆熊野本宮◆◆
兄「到着。これで熊野三山制覇かな?」

妹「木が凄く大きいー!高い気がする?」

兄「伊勢神宮が修繕に使うための材料として、近くに建材用の木を植えたとか言ってたからそうなのかもね」

妹「神社を直すために?こんな大きな木が必要なのねー」

兄「神社とかお寺って凄いよね。何百年以上のサイクルで保守点検考えるんだからさ」

妹「ねー!でもそれだけの価値があるのよね!きっと!」

妹「お参りしゅうりょー!」

兄「お疲れさん。お参りする階段がけっこうあるよなぁ。歳いってからだとキツいかもね」

妹「ねー!私今でも脚パンパンよ!」

兄「可哀想に、太ましくなって……いたいごめんいたい」

妹「ホントに信じられない!デリカシーの欠如は問題よ?……でもそーね、きっと階段少なかったら、もっとたくさんの人が来るのにねー」

兄「昔は伊勢とか奈良からここまで歩いて来てたらしいよ?それ考えたら楽にはなったんだろうけど、それでも年寄りにこの階段らキツいよなぁ」

妹「伊勢から!?凄いわねー!バイクでも1日かかるでしょ?昔の人がオリンピック出たら金メダル取れちゃうかも!?」

兄「かもね。今は機械で便利になった変わりに人間が衰えたりする部分もあるだろうしね」

妹「それでも歩いてここまで来るぐらいなら、私はちょっと楽出来る方がいいわ!」

兄「年取ってから知らないよ?」

~~~~~~
兄「さて、腹減ったかも」

妹「そーねー。夕食時?早くキャンプ場行きたいわね」

兄「ところがね。何か日が暮れたし、これからご飯作る気しないんだよね。外食に逃げるのはどうでしょう?」

妹「意義なーし!寝るの遅くなっちゃうしねー。この辺で食べる所あるかしら?」

兄「一つ、蕎麦屋。一つ、中華」

妹「今日のお昼も蕎麦屋だったじゃない?中華料理もねー。油物は夜食べたくないかも」

兄「うーん。そしたら洋食屋かなぁ?」

妹「良いわね!そこにしましょう!」

兄「……洋食も油の量変わらん気がするけどなぁ?」

◆◆洋食屋 みるりいな◆◆
妹「ほら!お洒落じゃない!素敵ねー!あ、なんか子ども用の遊具がある!……遊んじゃだめかな?」

兄「頼むから辞めてくれ。でもホントに内装全部手作りなのかな?……お、熊野牛のステーキかぁ。高いなぁ。……牛丼なら手が出るかな?」

妹「私はオムライスとデザートセット!」

兄「妹?太るよ……痛い痛い痛い」

「おにーさん、おねーさん。お水です!このお水はすごくおいしいの!」

妹「え!あら、ありがとー!……お嬢ちゃんはココの子?お手伝い?」

「うん!明日がっこうお休みだから、『ほーる』の仕事をするの!」

兄「偉いねー!年はいくつ?」

「11才!小学五年生よ!」

妹「すごーい!その年でお手伝いなんてしっかりしてるわね!」

「えへへ!妹も一緒にお手伝いするの!でも私の方が上手なの!」

兄「へー、姉妹でお手伝いか!看板娘だね?」

「おねーちゃーん。料理一緒に持ってー」
「いいよー、溢さないように一緒にはこぼー」

妹「……なんか凄く微笑ましいわね」

兄「てか、凄いよ。俺らなんか小学校の時なんか遊んでたのにさ」

「はい!おにーさんが牛丼ね!おねーさんはオムライス。デザートは食べ終わったら持ってくるね!」

妹「ありがとー!うわぁ美味しそう!」

「美味しいよ!おとーさん料理上手だもん」
「ねー!どーぞごゆっくり!」

兄「ありがとーね」

妹「いただきまーす!」

~~~~~~
妹「美味しかったー」

兄「ホントに。なんかさ食事って大事だよね」

妹「ん?どういう事?」

兄「いつも正直適当だったりするけどさ、こんな風にちゃんと食べれると元気になるよ」

妹「あ、それ少し分かる気がする!ちゃんとしたモノ食べると疲れがちょっと無くなるかんじするもの!」

「おいしかった?」
「お父さんの料理はホントに美味しいの!ねー?」
「ねー!」

妹「美味しかったわー!ホントに今まで食べた料理で一番よ!」

「でしょ!でしょ!?」
「良かったー!お水持ってくるねー!」

兄「……またああいう子が一生懸命だと和むよなぁ」

妹「ホントに。可愛らしいわよね」

兄「……お前も昔はなぁ」

妹「なによ?」

「すいませんね、子どもの拙い接客で」

兄「あ、お父さんですか?」

妹「拙いなんてとんでもない!ちゃんと丁寧な接客してくれましたよー!」

「そういって貰えると有難い。……お前たちちゃんとお礼するんだよ?」
「「ありがとーございます!」」

妹「いいえ、こちらこそありがとう!……もーホントに可愛いー!」

兄「ずっとココで手伝いしてるんですか?」

「いえいえ、今日は土日なので。普段は学校行ってますよ?」

妹「そっか!……こうやって旅してると曜日感覚が無くなるわねー」

兄「俺は日にち感覚も怪しいよ」

「……お二人は旅行じゃない?」

妹「そうよ!バイクで旅をしてるの!」

「それは凄い!……いや、私も昔は――」

「いやいや、楽しかった!今日はお客さんも他に居ないし、ホントにゆっくりしていってね!後でコーヒーのおかわりも持って来よう!」

妹「ありがとーございます!……なんかいい人ね!あの子達がいい子でお手伝いしてるのが分かる気がするわ!」

兄「だね。……ほら今も見てよ」

「違うよ!ちゃんとこうやって絞って拭くの!」
「ちゃんとやってるもん!」
「じゃあ、妹にはまだ早いんだ。私に任せて!」
「そんな事無いもん!ちゃんと出来るもん!」

妹「微笑ましいわよね。私もあんな頃あったなぁ。……覚えてない?兄がご飯よそってるの見て、私もやりたくて。……それで取り合いになってお茶碗割って、大泣きしたこと」

兄「あったような無かったような?……お前は俺のやってること、直ぐ真似したがってたからなぁ」

妹「妹ってそうなのかしらね。……ふふ、ちょっと手伝って来ようかしら」

兄「辞めろ辞めろ。内政干渉じゃないけど、知らない人が余計な手を出すもんじゃないよ。…………ほら、終わったのかな?」

「おにーさん、おねーさん!コーヒーのおかわりです!」

妹「ありがとー。嬉しいわ!」

「おにーさんとかはまだ家に帰らないの?」

兄「とりあえずね。明日もこの辺を見て回るかもね」

「あのねー!私の笛聞いてほしいんだ!来週ね、学校のテストがあるの!でもおとーさんが教えてくれるけど、難しい事言ってよく分からないの!」

妹「あら、良いわよ!持ってらっしゃい?」

「♪……♪~…………♪~」

妹「良いじゃない!上手よー!……ねぇ?兄?」

兄「そうだね。……タンギングって習ったかな?音の切り方なんだけど」

「たんぎんぐ?わかんないよ?」

兄「音を切るとき。フーフーって息でやってるね?……ちょっと貸してもらっていいかな?こうやって……♪~♪~♪~♪~♪~同じ音を区切れる?」

妹「!?」

「えーと?……♪~♪~……♪……♪~♪難しいよー!」

兄「ベロでね。トゥートゥートゥーって感じで音を切るの」

「♪~♪~♪~♪~♪~……あ!こんな感じ?」

兄「そう、上手上手。あとはさっきの曲も一つ一つの音をトゥートゥーって区切って見ようか」

「♪~♪~♪……~♪~」

兄「そうそう。ちょっとだけ音を区切ってあげるの。……そうだね、上手上手」

「えへへ!テスト大丈夫かな!?」

兄「大丈夫だよ。もっと練習すればきっと上手に出来るよ」

妹「………………」

「おにーさんも笛吹けるの?」

妹「あら、お兄さんもおねーさんも上手なのよ?ちょっと待っててね。――じゃーん!おねーさんはこの笛が得意なのよ!」

「きれーな笛!」「私知ってる!フルートでしょ?」

妹「正解!ちょっと吹いてみる?」

「やりたいやりたい!」
「おねーちゃんズルい!私もやりたい!」

妹「順番ねー!持ち方はこうやって横に持って……そうそう!それで息を優しく吹いてあげて」

「ふー!ふー!ふー!…………音出ないよー?」「あたしもやりたい!………………ふー!ふー!…………ホントだ。おねーさん?壊れてるよー?」

妹「あら、壊れて無いわよー?ちょっといいかしら?…………♪~♪~♪~♪~」

「あ!トトロだ!すごーい!やりたいやりたい!…………ふー!ふー!ふー!……あれー?どうやって音の出すのー?」

妹「そうねー。………兄?どうかしら?」チラッ

兄「…………そうだね。口を少しだけ横に伸ばして……そうだね。それで芯のある息で。……真っ直ぐにふー!って吹いて見ようか?」

「えーと。…………ふー!……♪~!あ!音が出た!!」
「おねーちゃんだけズルい!私もやりたいやりたい!」

兄「そうそう。………そうだね。楽器も真っ直ぐ持ってあげて。……目線は少し前に向こうか。この辺見てごらん…………そうだね。とっても上手だよ」

「わーい!もっとやりたいやりたい!」「ダメだよー!次、私がやる!」

「フルートって難しいねー!……ねぇ!おにーさん!なんか吹いてよ!」

兄「…………なんか吹いてかぁ」

「聞きたい聞きたい!」
「ねー!何吹けるのー?」

兄「……そしたらそうだね。♪~♪~♪~~♪~……」

「あ!メヌエットだ!学校の給食の時流れるよ!」
「私、知らないー。でもキレー!ね!おねーさん!」

妹「…………そうねー。ホントにキレいよね」

兄「~♪~♪~♪~……♪~♪~」

「あ!間違えた!」
「ばかー!そういう事言ったらダメだよ!」

兄「良いよ。……お兄さんは下手だからさ。……お姉さんに吹いてもらいな」

妹「…………」

「おにーさんも吹けるの?」
「聞きたい聞きたい!!」

妹「そう?じゃあね。……♪~♪~♪~♪~」

~~~~~~
「楽しかったー!おにーさん、おねーさんバイバイ!また来てねー!」
「待ってるからねー!バイバイー!」


妹「はーい!またねー!いい子でねー!凄く可愛いらしい子達だったわねー!将来自分の子供と一緒に喫茶店とか出来たら面白そうかも?ね!兄?」

兄「…………そうだね」

妹「お客さんと一緒に演奏したり、音楽喫茶とか面白そうじゃない?」

兄「……そうかもね」

妹「ね!大学卒業したら一緒にお店やろうか!私がウエイトレスで兄がマスターで!」

兄「…………」

妹「…………ね、ねぇ?」

兄「…………あぁ、ゴメン。なんて?」

妹「……ううん。何でもないわ」

兄「そう?…………キャンプ場着いたら直ぐにテント建てようか。今日は遅くなったから、なにもしないで直ぐ寝よう。明日も早いしさ」

妹「…………うん。分かったわ」


和歌山県 3日目終わり

◆◆◆◆◆◆
妹『お兄ちゃんだけズルいー!私もやりたい!』

母『妹はだめよ!ちゃんと言うこと聞かないでしょ?』

兄『……僕、別にやりたくないんだけど』

母『今の時代、男も料理出来ないといけないの!』

妹『私も!私もやりたい!』

母『妹はまだダーメ!お兄ちゃんが出来るようになったらね?』

~~~~~~
父『ん?今日の夕飯どうしたの?』

母『兄が作ったのよー!……これからはちょっとづつ子供にも任せようかと思ってるのよ』

父『ほー、凄いじゃないか!……妹は手伝ったのか?』

妹『……アタシはやっちゃダメだって。アタシだって出来るのにー!』

母『お母さんも兄と妹と一緒に教えられないの!順番ね!順番!』

妹『ズルいー!お兄ちゃんばっちり!』

兄『僕はやりたくてやったんじゃ無いけどね』

父『はははっ!美味しいよ!兄は何でも出来るな?妹の作る料理も楽しみだよ!ちゃんとお母さんの言うこと聞くんだぞ?』

~~~~~~
兄『ただいま。……あれ?もう台所?母さんいるの?』

妹『お帰りー!お母さんまだよー!』

兄『……お前なー。勝手にやってたら怒られるよ?今度の土日に教えてくれるって言ってたじゃん?』

妹『アタシだって出来るもん!』

兄『出来ないなんて誰も言ってないじゃん?なんか怒られも俺、知らないからね?』

妹『野菜は皮剥くんでしょ?ピーラーで?ちゃんと見てたもん!』

兄『その前に洗おうね。……しょうがないな、何やるの?手伝うよ』

妹『わーい!やったー!あのね、カレー作ろうと思ってるの!』

兄『そしたら――――』

~~~~~~
妹『洗ったよー!皮剥くんでしょ?』

兄『そうだね。妹はピーラーでニンジンの皮剥きしようか?』

妹『お兄ちゃんはー?』

兄『僕はジャガイモ剥くよ』

妹『ピーラー一個しかないよ?』

兄『包丁で。お母さんがやってたんだよ。リンゴ剥く見たいにさ、やってみたかったんだよね』

妹『ふーん?』

兄『そしたらやろうか』

妹『はーい!』

妹から刃物触れなくなったトラウマの回想か

~~~~~~
妹『できたー!』

兄『早いな。そしたらジャガイモ剥くの手伝ってよ。……僕、ちょっとトイレいってくる』

妹『もー!行ってくれば良いのにー!』

兄『だって帰ってきたらお前が台所居たんだもん。行く暇無かったんだよ。――ジャガイモ頼むよー?』

妹『はーい!…………お兄ちゃん包丁で上手く剥いてたわね?私にも出来るかな?』

兄『妹ー。剥き終わった?』

妹『まだー。包丁で剥くの難しいー!』

兄『え!?お前!大丈夫か?』

妹『へーき、へーき!でも力無いと難しいかも』

兄『ちょっと気をつけてよ?あー!包丁の先に左手有ると危ないよ』

妹『えーこうかな?……きゃあ!!』

兄『ばかッ!!』

妹『……危なかったー!足に包丁刺さったか……と。…………え!兄?!……兄!!』

~~~~~~

>>869
さんきゅー!ゆっくり更新するよー
>>874
そうでーす。覚えてて頂いて嬉しいよー

奈良編 1日目
◆◆谷瀬のつり橋◆◆
妹「…………」

兄「一応聞くけどさ。渡る?渡らない?」

妹「兄渡るんでしょ?……るわよ」

兄「え?なんだって?」

妹「渡るわよ。…………渡りたく無いけど」

兄「……無理して渡らなくても良いのに」