藤原肇「黒い悪魔vs私」 (19)

ガチャ

パタン

肇「帰りました」

肇「…またゆーてしもーた」

肇「誰もおらんのに……」

肇「はよう慣れんとなぁ、一人暮らし」

肇「……」

肇「よし、お風呂入ろ」

ピー ユハリノセッテイガ カンリョウシマシタ

肇「お風呂沸くまで壺でも眺めとこ」

肇「おじいちゃんがくれた新作、やっぱりええ色合いじゃなぁ」

肇「私にはまだまだ無理じゃなぁ」

カサッ

肇「……?」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1492507795

肇「風?でも窓閉まっとるし……」

カサカサッ

肇「……?」チラッ

G「……」

肇「……」

肇「ふぅ……」

肇「……」チラッ

G「……」

肇「……」

肇「ふぅ……」

肇「……」

肇「ゴキブリぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!」

肇「ウソじゃろ!?ウソじゃろ!?ホンマなん!?ホンマにホンマなん!?」

肇「どっからきたん!?アンタどっから入ってきたん!?」

G「……」カサッ

肇「動くなやぁぁぁぁ!!!!!」

肇「わやじゃな!ホンマわやじゃな!!!」

肇「岡山か?私が岡山じゃからか?岡山じゃから入ってきたんか!?」

肇「田舎者舐めるなやぁぁぁぁ!!!!!」

G「……」カサッ

肇「動くなやぁぁぁぁ!!!!!」

肇「どうしょう?えっと、殺虫剤…ねぇ(無い)!殺虫剤ねぇ!ありません!!!」

肇「で、電話する?誰に?プロデューサーさん?プロデューサーさんに頼む?」

肇「い、いけん(ダメ)!おえん(ダメ)!」

肇「ひ、一人暮らしの女の子の部屋にプロデューサーさんは呼べん!!!」

肇「操は守らんと!!!」

肇「えっと、じゃったら…じゃったら……」

肇「ゴ、ゴキブリに強そうな人…誰?誰?」

omakase…

肇「え、えっと…加奈ちゃんは絶対無理じゃろうし……」

OMAKASE

肇「は、蓮実ちゃんも苦手そうじゃし…じゃったら……」

O・MA・KA・SE☆

肇「瑛梨華ちゃん!!!」

肇「大丈夫そう!瑛梨華ちゃんゴキブリ大丈夫そう!!!」

肇「で、電話!瑛梨華ちゃんに電話!!!」

プルルルル

『もしもーし☆』

肇「え、瑛梨華ちゃん!」

『瑛梨華ちん、ただいま電話に出んわ~☆』

肇「留守電んんんん!!!!!」

肇「おまかせは!?おーえむえーけーえーえすいーは!?」

肇「これじゃから!これじゃから岡山市民は!これじゃから岡山市民はおえん!!!」

肇「ホンっっっマ銭(ぜに)にならん!!!」

肇「そ、そうじゃ!そういやぁ聞いたことある!」

肇「原由実さんっていう人は、部屋にゴキブリが出たときにツイッターいうやつで情報収集したって!」

肇「つ、ツイッター!ツイッター!!!」ポチポチ

肇「……」

肇「わからん!!!やり方わからん!!!」

肇「ガラケーか!私がガラケーじゃけぇおえんのか!!!」

肇「なんでもかんでもスマホなんか!!!!!!」

G「……」カサッ

肇「ジっとしとれやぁぁぁぁもぉぉぉぉ!!!!!」

プルルルル

肇「!?!?!?」ビクゥッ!

肇「で、電話!?え、瑛梨華ちゃんかな?」ポチッ

肇「プロデューサーさんか!なんなら!いまそれどころじゃねぇんじゃ!なんならホンマに!!!」

肇「もう!!!」ポチ

肇「……お疲れ様です。藤原です」

肇「え?日時の変更ですか?」

肇「はい。はい。分かりました、4月25日ですね」

肇「え?」

肇「ふふっ。寂しくなんてありませんよ」

肇「思っていたよりも大丈夫そうです、一人暮らし」

肇「はい。はい。それでは失礼します。おやすみなさい」

肇「……」

肇「なんなん!なんなんそれ!いまいる?その伝達いまいるんか!!!」

肇「明日でよかろうがぁぁぁ!!!」

G「……」カサカサッ

肇「動くなってぇぇぇぇオメェ(お前)ほんまにぃぃぃ!!!!!」

肇「こ、こうなったら仕方ねぇわ」

肇「叩くしかねぇ!」

肇「し、新聞紙あったかな?」

肇「新聞紙…新聞紙…」キョロキョロ

肇「逆から読んでもしんぶんし……」キョロキョロ

肇「……ねぇ」

肇「新聞紙ねぇ!ねぇが!!!」

肇「山陽新聞ねぇんかぁぁぁぁ!!!!!」

肇「もぉぉぉぉ!!!!!」

肇「あんごー(罵倒の際に用いる岡山弁)!!!!!」

肇「ほんまに!ほんまにわやじゃ!ほんまヤッチクソもねぇ(しょうもない、というニュアンスの岡山弁)!!!!!」

肇「銭にならん!!!」

肇「あっ!!!」

肇「雑誌!!!」

肇「ファッション雑誌があったはず!!!」

肇「楓さんが表紙の!!!」

肇「あ、あれ丸めよう!あれ丸めて叩こう!!!」

肇「楓さんで叩こう!!!」キョロキョロ

肇「おった!楓さんおった!!!」

肇「いける!これでいけるわ!!!」クルクル

肇「…ふぅ」

肇「落ち着け、落ち着け肇、落ち着くんよ」

肇「剣も陶芸もこころは同じッ!」

肇「心気を研ぎ澄ませるんよ!」

肇「宮本武蔵は岡山出身なんじゃけぇ!!!」

肇「スゥ…ハァ…スゥ…ハァ……」

肇「……いきます」

肇「心頭滅却すれば、祇園精舎の鐘が鳴るなり法隆寺ぃ!!!」

肇「えいっ!えいっ!えいっ!」パスンパスンパスン

G「……」カサササ

肇「避けるなやぁぁぁぁ!!!!!」

肇「なんで!なんで避けた!なんで避けたん!!!」

肇「楓さんか!楓さんがいけんのか!川島さんなら良かったんか!!!」

肇「知らんがなぁぁぁ!!!」

G「……」カササ

肇「来るなやぁぁぁ!!!!」ダダッ

肇「なんで来た!?なんでこっち来た!?いま私の番じゃろうがぁ!!!」

肇「……」

肇「テーブルに乗ってしもうた」

肇「どうしょう」

肇「逃げ場がねぇ!!!」

G「……」ジーッ

肇「見るなや!ジッーっとこっち見るなや!」

肇「Gじゃけぇジッーと見るんか!そうなんか!」

肇「面白うねぇわ!!!GO・KI・BU・RI☆か!!!」

ピー オフロガ ワキマシタ 

肇「うるせぇわ!!!いまそれどころじゃねぇわ!!!」

肇「……」

G「……」

肇「……」

G「……」

肇「どうしょう……」

肇「と、とりあえずテーブルから降りんと……」

肇「ゆっくり……」ソローッ

ガタンッ

肇「ッ!?!?!?」

G「ッ!?!?!?」カサカサカサカサ

肇「く、来るなやぁぁぁ!!!!!」ポイッ

ガシャーン!!!

肇「壺ぉぉぉ!!!!!」 

肇「投げてしもうた!おじいちゃんの壺投げてしもうた!!!」

肇「割れてしもうたぁぁぁ!!!!!」

肇「……あれ?」

G「……」ピクピク

肇「……」

肇「……」

肇「……」ソロリ

肇「えいっ!」パスン

G「……」

肇「……」

肇「……勝った」

肇「藤原肇、勝ちました!!!」

肇「ありがとうおじいちゃん!!!」

東京の街はとても賑やかで
土の匂いもしなくて
まだまだ戸惑うことばかり

だけど私はこの街で
輝いていきたいって
そう思うから

そう
故郷から遠く離れた
この街で

肇「……」

肇「…って、ポエム読んどる場合じゃねぇな」

肇「片付けんと」

肇「と、とりあえずティッシュにくるんで……」

ガサッ

肇「……」

肇「……」

肇「……ふぅ」

肇「……」チラッ

アシダカ「……」

肇「……」プルルルル

肇「もしもし、プロデューサーさんですか?」

肇「私の部屋に、来ませんか?」


お し ま い

終わり!
普段は慎ましい女の子が方言で喚いてるのって、良いですよね
読んでくれた方、ありがとうございました!

あ、このSS内で肇ちゃんが喋っている方言は備中地方(>>1が備中地方出身のため)のものであり、備前地方の方言とは異なる場合があります。
悪しからずご了承下さい。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2017年04月19日 (水) 09:10:40   ID: dFvXNT6-

あっ!(雄叫び)

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