水木聖來 「もっと、もっと先へ」 (9)

ダンスが得意。

たったそれだけの理由でずっと街角で踊っていたアタシがここまで来れたなんて、あの頃の自分に言っても信じなかっただろうな。

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アイドルになる前、ステージで踊れればいいやと思ってスカウトを受けたのに、この前ではブロードウェイのきらきら煌めき歓声轟くステージでアタシを沢山の人に見てもらうことができた。

好きなことを諦めたくなかった。

好きなことで生きていくことは難しいと思っていたけれど、今はこうしていられる。

もちろん簡単なことじゃない。

レッスンだって大変だし、ブロードウェイへの挑戦の時にはそれに加えて英語も覚えなきゃいけなかったんだもん。

それでもこうやって続けてこられたのは、諦めたくなかったというのもあるけど、欲張りになっちゃったからというのもあるかな。

あの人に見出されてアイドルになって、アイドルという楽しさを知ってしまったから。

もっとキラキラしたい。もっともっと、アイドルセイラを世界中の人に知ってもらって、アタシという光でファンのみんなを照らしたい。

あの日、あの人という光に導かれて新しい世界へと踏み込んだアタシを輝かせてくれた想いに応えたい。

それが大変なことくらい分かっている。

アタシよりも先にアイドルになっているみんながまだその途中なんだから。

でも、アタシは諦めない。

だって、今度はアタシが導く番だもん。

いっつも引っ張られてばかりだったけど、次はアタシがプロデューサーさんを引っ張っていく。

プロデューサーさんの言葉に背中を押されて、勇気を貰ってきたアタシがプロデューサーさんをこの先へと。

もっと頑張らなきゃいけないけれど、アタシを輝かせてくれたプロデューサーさんとなら、この大きな夢へと羽ばたいていける。

アタシはそう信じている。

そして、いつかこの夢へと辿り着けたらきっと言うんだ。

一緒に歩んでくれてありがとうって、そんなアナタが大好きなんだって。

だから……それまで絶対この手を離さないでね、プロデューサーさんっ!

終わりです。
第6回シンデレラガール総選挙、水木聖來をよろしくお願いします。

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