【艦これ】駆逐艦セクシー担当反省会! (63)

夕雲「軽い……」

如月「うん~?」

夕雲「最近提督から私たちの扱いが……非常に軽い……」

如月「そうかしら? 夕雲型は全然主力で活躍してると思うけど」

夕雲「そうじゃなくてね、私たちっていうのは……」ピシッ

如月「ふぇ?」

夕雲「私や如月ちゃん、セクシーを売りにしてる駆逐艦のことよ!」


夕雲「と、いうわけで駆逐艦セクシー担当反省会をします!」

村雨「突然引っ張られて何かと思ったら」

荒潮「なんだかおもしろそうね~」

如月「何かしら……珍しく夕雲ちゃんの勢いについていけないわ」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1487509591

村雨「暇だったから付き合うのはいいんだけど、何を反省するの?」

荒潮「そうね~夕雲ちゃんは知らないけれど、私たち別に悪い事してないわよぉ」

夕雲「私だってしてません。この時期に話すことといえば……バレンタインよ!」

荒潮「もう終わったわよ~?」

如月「荒潮ちゃん、そうだけど多分そうじゃないわ」

村雨「如月ちゃんもまだバケツチョコ抱えて出撃してるものね」

如月「やっぱりバケツ一杯は余っちゃって……じゃなくて」

夕雲「そう、言うなればこれはバレンタインの反省会なのよ!」

如月「じゃあ最初からそう言えばいいのに……」

荒潮「あら? でもあの日夕雲ちゃん提督にチョコ渡してたかしら?」←当日秘書艦

夕雲「ギクッ」

如月「……まさか夕雲ちゃん」

村雨「ま、まあまあ。つまり夕雲ちゃんは私たちに相談したかったのよね? 今からでもなんとかならないか、って」

荒潮「そうなの~? 確かに、皆提督にチョコ渡してるわねぇ……夕雲ちゃん以外♪」

如月「実は荒潮ちゃん、急に呼ばれて怒ってる?」

荒潮「あら~別に怒ってないわよぉ? 今日は暇だったしぃ、いつも通りよぉ」

如月「それはそれで怖いわね……」

村雨「それで? 夕雲ちゃんはどうしたいの? やっぱり今からでも渡したいわよね」

夕雲「あ、あのね? 違うの。ちゃんと渡したのよ? ……翌日だけど」

如月「あら、それならいいじゃない。解決しちゃったわ」

夕雲「違うの。問題はここからなのよ……」

問題はどこからなんだ!

問題はRJ

見てくれる人がいたとは思わんかった
今更だけどキャラ崩壊注意です

見てるよ

期待

見てるからはよはよ

15日……

夕雲「これ、一日遅れちゃったけどバレンタインのチョコ……受け取ってもらえるかしら」

提督「おぉ、夕雲もくれるのかーありがとうなー」

夕雲「ごめんなさいね、遅れちゃって」

提督「いやいや、もらえるだけで嬉しいよ。ありがとう夕雲」

夕雲「喜んでもらえて良かった♪ 夕雲特製、本命オブ本命チョコよ、召し上がれ」

提督「そっかー、じゃあ有り難く頂きます」

夕雲(……あらっ?)

提督「うん、おいしい! 流石だな夕雲」ナデナデ

夕雲(……んん?)

夕雲「あの……提督? 本命オブ本命……なのよ?」

提督「うん。ありがとうな

    いやーこれだけ駆逐艦に慕われてると提督冥利に尽きるなー」

夕雲(これってもしかして……全然相手にされてない!?)

……

夕雲「その後何人か聞いて回ってみたのだけれど、やっぱり駆逐艦は皆おんなじような反応だったそうよ」

如月「うーん……でも司令官って優しいから、誰であれ平等に扱ってくれそうじゃない?」

夕雲「そうね。そこでようやく反省会なのよ」

荒潮「随分長い前フリだったわね~」

夕雲「吹雪ちゃんや暁ちゃんが子供扱いされるのは申し訳ないけど分かるとして、
   私と似た方向でアピールしてる皆の結果を聞かせてほしいの」

村雨「うーん、聞かせるのはいいけどそんなに面白いことも無かったかなぁ」

村雨の場合

村雨「村雨の、ちょっといいチョコ食べてみる?」

提督「村雨か、今年も気合い入ってるなぁ」

村雨「今年もチョコすごいね~執務室埋まっちゃいそう」

提督「慕われてると思えば嬉しいことだけど、流石に舌が溶けそうだよ」

村雨「そう思って、ちょっとビターにしておきました。はい♪」

提督「おぉ……これはいいな。スパスィーバ」

村雨「なんで響ちゃんみたいになってるのよ」

提督「この苦みがすごくうれしい……チョコも美味くて気遣いもできる。村雨はいいお嫁さんになるな」ナデナデ

村雨「ふぅ~ん……じゃあ、提督のお嫁さんになってあげようか?」

提督「ハハッ、あと十年独り身だったら甘えようかな」

村雨「十年かぁ……」

……

夕雲「完全に子供扱いね」

如月「なんか親戚の子供あやしてるみたい」

荒潮「十年も待ってたら戦争終わっちゃうわよぉ」

村雨「だから面白くないって言ったじゃなーい……」

如月「アピールは一応してるのにねぇ」

夕雲「完全に流されてるでしょう?」

村雨「一緒に遊ぶ時とか、いっつもこんな感じだし慣れちゃったかな」

荒潮「でもアピールをやめたりはしないのねぇ。偉いわぁ」

村雨「まぁ今更引き返すとかキャラ変えるっていうのも……ねぇ?」

如月「でもたまには手を変えてみるっていうのもアリかも知れないわ」

夕雲「そのための反省会にもしましょう」

荒潮「そうね~。如月ちゃんなんて事あるごとに提督のことベッドに誘って断られてるもの~」

村雨「うわ~如月ちゃん大胆……」

如月「そっそれは、そうだけれど……もうっ! バレンタインの話でしょう!」

如月の場合

如月「はぁ~い、如月の気持ちを込めたチョコレート」

提督「しずこころなく はなのちるらむ~」

如月「もうっ、百人一首じゃないわ。お正月気分が抜けていないのかしら?」

提督「や、なんか五七五っぽかったからつい。かるたも随分お前の姉妹に付き合わされたからなぁ」

如月「あはは……睦月ちゃんあれで結構負けず嫌いだから」

提督「で、何だっけ? チョコ? 相変わらずバケツ持ってるけど渡してるのは普通のサイズなんだよな」

如月「これは睦月型みんなの分もあるから。はい、どうぞ♪ ちゃんと最後まで、食べてね?」

提督「勿論だ。俺が出されたものを残したことがあったか?」

如月「比叡さん……」

提督「言うと思ったけどあれはダメだろ」

如月「ふふっ大丈夫よ、ちゃぁんと美味しくできてるわ」

提督「あぁ……そこは信頼してるよ。今年もありがとうな」ナデナデ

如月「んっ♪ ふふっ、どういたしまして」

……

夕雲「いつも通りね」

村雨「いつも通りだねぇ」

荒潮「いつも通りね~」

如月「な、なに? 何か不満なの?」

村雨「前々から思ってたけど、如月ちゃんってさ~」

夕雲「近づくだけ近づいて攻撃しないわよねぇ」

如月「え……えぇっ??」

荒潮「確かに提督との距離は詰めてるけれどぉ、そこからもう一押しアピールが欲しいわよねぇ」

如月「そんな、近くにいるだけで精一杯なのに、二人みたいに本命とかお嫁さんとか口走れないわよぉ……」

村雨「ベッドには誘えるのに……?」

荒潮「確か~『二人でお祝いしましょ』とか言ってなかったかしらぁ?」

夕雲「二周年か三周年の時かしら。すぐ見つかって連れ戻されてたけれど」

村雨「しかも結局撫でられて満足しちゃってるしー」

如月「ん、もう! じゃあどうすればいいのよぅ!」

夕雲「告白とまでは言わなくても、もう一声何か欲しいわよね」

村雨「いっそ荒潮ちゃんみたいにオープンになっちゃえば楽かも?」

如月「……そういえばよく『好きよ』って言ってるわよね。どうすればそんな風に言えるのかしら?」

荒潮「う~ん、自然に思ってることを言ってるだけなのよねぇ」

荒潮の場合

荒潮「うふふふふっ」

提督「おはよう荒潮。そういえば改二になってからは初めての秘書艦か」

荒潮「あはははっ!」

提督「っ!?」ビクッ

荒潮「チョ・コ・レ・エ・ト?」

提督「チョコ……あっ、バレンタインか! 呪いのビデオでも押し付けられるのかと……」ボソッ

荒潮「食べる?」

提督「あぁ、頂くよ。ありがとう」

荒潮「本当? じゃあ、あ・げ・る♪」

提督「おぉ、去年より綺麗に出来てるんじゃないか? 味も……うん、上達してる」

荒潮「去年のなんて覚えてるの?」

提督「当たり前だろ。皆がくれたプレゼントなんだから」

荒潮「ふぅん……」

提督「荒潮も食べてみろ、ほら」ヒョイ

荒潮「んっ」

提督「な?」

荒潮「自分の去年作った味なんて覚えてないわよぉ」

提督「それもそうか。でも嬉しかったよ。ありがとな」ナデナデ

荒潮「ん♪ ……好きよ」

提督「はいはい」ナデナデ
   

……

夕雲「うーん……これは」

村雨「普段から言いすぎて真に受けてもらえないパターンね」

荒潮「あらあら、困っちゃうわねぇ」

如月「素直に言えたら言えたでまた問題なのね」

夕雲「でも、荒潮ちゃんあんまり困った感じに見えないわよ?」

荒潮「確かに、気持ちが伝わってないかも、っていうのは面白くはないわぁ」

村雨「あの感じだと伝わっててもLOVEよりLIKEって思われてそうよね」

荒潮「でも、あんな感じだから朝潮姉さんたちに慕われてるのかしら、って思うと直してもらおうとも思えないのよねぇ」

夕雲「……確かに提督が遊び好きだったら鎮守府が大変なことになるわね」

村雨「でもでもっ! 水着見せた時とか反応無いわけじゃなかったし、望みは無くはないと思うの!」

如月「そうね。それを探すための反省会だものね」

夕雲「あら、いつの間にかノってきたわね」

村雨「もちろん! 提督を振り向かせたいのは皆同じだもん、ね?」

荒潮「そうねぇ、どうせなら好き合いたいわよねぇ」

夕雲「うふふ♪ じゃあここまでの情報から対策を練りましょうか」

遅筆で申し訳ありませんが本日はこれまで
明日も多分同じ時間帯に投稿します
花粉症には気を付けよう!

おつ たのしみ

よくよく考えたら色っぽいけど村雨嬢とかまだ未成年なんよな外見的に。人によっちゃ最悪中学生レベルで

村雨より荒塩なんか小学生なんですがそれは

個人的には夕雲姉さん=小6派

夕雲「それぞれの話をまとめるとこうなるわね。

   夕雲は駆逐艦の一人扱い

   村雨は十年待てばワンチャン

   如月は料理に関しては信頼されている

   荒潮は告白しても真に受けてもらえない

   ……こんなところね」

村雨「……これってさ、すごく言いづらいけど」

如月「えぇ。一番絶望的なの夕雲ちゃんよね」

夕雲「思ったけど! 思ったけどそこは胸に仕舞っておいて欲しかったわ!」

荒潮「大丈夫よ~夕雲型の実力は提督も認めてるわ~」

夕雲「それはそれで嬉しいけれど、夕雲『型』じゃなくて私個人を見て欲しいのよ……」

夕雲「……それに夕雲型に改二が来ないせいか出撃は白露型より少ないし任務なら朝潮型が呼ばれるし
   遠征はいつも通り睦月型の独壇場だし正直最近駆逐艦としてもちょっと薄いし……」ブツブツ

如月「ゆ、夕雲ちゃん……(汗」

村雨「なんか様子がおかしいと思ったら色々溜まってたのねぇ……」

荒潮「大丈夫よぉ、そんなことで提督は私たちを見捨てたりしないわぁ

   それに影の薄さならウチの満潮ちゃんだって悩んでるんだからぁ」

如月「励ますついでにサラッと姉妹貶めたわね!?」

夕雲「八駆で改二の来ない最後の一人……だったかしら。いいわねぇ。私たちなんて誰一人……」ズーン

村雨「まあまあ、もうとことん付き合ってあげるから元気だして、ね?」   

十分後

夕雲「……んんっ。お見苦しいところをお見せしたわね……」

村雨「それで? あの結果からどんな対策を練るのかしら」

如月「そうねぇ……対策と言って立てられそうなのは荒潮ちゃんくらいかしら。告白しないとか?」

荒潮「村雨ちゃんも十年待つっていう手があるわよぉ」

夕雲「そこまで消極的にならなくても……。私が見た感じ対策としては……

   夕雲→自分個人をアピールする

   村雨→大人っぽくしてみる

   如月→ちょっと分からないわね

   荒潮→告白の仕方を変えてみる

   こんな感じかしら」

如月「ちょっと待って!?」

村雨「あ~でも分かるかも」

夕雲「実際如月ちゃんは問題点が分かりづらいのよねぇ。

   まぁ強いて言うならさっき話に出てた攻め手に欠けるってとこかしら」

荒潮「じゃあ如月ちゃんは『ガンガン攻める』ってことねー」

村雨「ふむ。対策はわかりました。で、どうするの?」

夕雲「ふふふ。実はここに鹿島教官からお借りした教導本があります!」

村雨(popteenだ……)

荒潮(私ニコラ派なのよねぇ)

如月(今月号買ってなかった!)

夕雲「これによると、いつもと違う自分を見せたい時は、まず友達を参考にする。そうよ」

荒潮「参考?」

夕雲「そう。例えば……そうね、荒潮ちゃんが如月ちゃんの真似をしてみるとか、どう?」

村雨「如月ちゃんみたいな荒潮ちゃん……?」

Oo。

荒潮「荒潮と申します。お傍に置いて下さいね?」

荒潮「んもぅ……司令官も好きなんだからぁ」

荒潮「んもぅ~、ギリギリまで一緒にいたいのにぃ……あなたも、一緒にお休みする~?」

荒潮「なぁ~んちゃって♪」

…………

村雨「……アリなんじゃない?」

荒潮「確かにぃ、好きって言わないしアプローチも変わってるわねぇ」

如月(改めて考えると私すっごいこと言ってる……!?)

夕雲「こんな感じで、お互いの台詞だけでも交換してみたら、いい感じに提督の心を揺さぶれるんじゃないかしら」

村雨「な~るほど! この四人ならそこそこ無理も無さそうだし、いいかも!」

荒潮「睦月ちゃんみたいな真似しろって言われると困っちゃうけどぉ、如月ちゃんなら大丈夫ねぇ」

如月「なんで睦月ちゃん名指しなのか分からないけど……面白そうね、やりましょうか」

夕雲「それじゃあ次は如月ちゃんね。……せっかくだから荒潮ちゃんと入れ替えてみましょうか」

Oo。

如月「勝利の女神はここよ~、早く捕まえてぇ♪」

如月「あらあら、素敵なことするのねぇ」

如月「うふふっ、好きよ」

如月「好きよぉ……」

…………

村雨「解決しちゃったね」

夕雲「言い出した私もビックリよ」

荒潮「私そんなに好き好き言ってたかしらぁ……///」

如月「なんか私もこれでいいような気がしてきたわ!」

村雨「じゃあ後は私と夕雲ちゃんで交換してみようか」

夕雲「そうね。じゃあまずは村雨ちゃんからやってみましょう」

Oo。

村雨「提督、甘えてくれてもいいんですよ?」

村雨「はいはいなんですかぁ、スキンシップ大好きですね」

村雨「提督、私を選んで良かったでしょ?」

村雨「有り難く、使わせて頂きますね」

…………

如月「前々から思ってたけど夕雲ちゃんの台詞ってすごく大人びてるわよねぇ」

夕雲「長女ですもの。これくらいの落ち着きはないと」

村雨「どうだろ? 提督反応してくれるかしら?」

荒潮「こればっかりは本人に聞いてみるしかないわねぇ」

如月「最終的には皆そうなんだけれどね……」

夕雲「さて、最後は私ね……」

村雨「あーそれなんだけどさ」

夕雲「何?」

村雨「夕雲ちゃんの場合誰かの真似しただけでいいのかなーって」

如月「ほら、夕雲ちゃんって『駆逐艦じゃなくて個人で見て欲しい』ってことだったじゃない?

   それが他の駆逐艦真似しただけじゃ解決するのかしら、って」

夕雲「それは……そうね。でもどうしたらいいの? ここにきて一人だけ睦月ちゃんの真似、とか言わないでよ」

如月「なんでさっきから睦月ちゃん名指しされるのか分からないんだけれど……」

荒潮「迷ったらぁ、全部やっちゃえばいいのよぉ」

夕雲「!?」

荒潮「提督もよく言ってるでしょ~、

   『攻略もする。新艦掘りもする。「両方」やらなくっちゃあならないってのが「提督」のつらいところだな』って」

村雨「なんか違う気もするけど、でもそうね! 影が薄いとかなんとか提督は絶対思ってないし、ここらで一発ガツンとアピッちゃおう!」

如月「まぁ皆大人しいほうだし、間違っても変な事故は起こらないわよ」

夕雲「つまり四人全員を混ぜるってこと……? できるかしら」

如月「最悪お茶目で済むし、どう転んでも司令官の印象には残るんじゃないかしら」

村雨「それじゃあ明日、提督の前でやってみよっか!」

夕雲「えぇっ、こ、心の準備が……」

荒潮「大丈夫よぉ、秘書艦権限で舞台だけはしっかり整えて、あ・げ・る♪」

今日はここまで
明日最終回です。
popteenとニコラはそれぞれハイティーンとローティーン向けのファッション誌です
気になる人は買って、どうぞ

ファッション誌ダイマとかテメー編集の回しモンかよぉ!
おつおつ

おっつ

ファッション誌って一体何が書いてあるんだろう…
たまにツイッターで回ってくるすごい記事の画像でしか知らない存在だ

翌日

提督「よし、この辺で少し休憩するか」

荒潮(計画通りねぇ)

荒潮「それじゃあ間宮さんに何かもらってくるわねぇ」ガチャ


荒潮「はい、準備はできたわぁ。後で感想、聞かせてねぇ」

村雨「うぅ……一番手かぁ、いつもは白露ちゃんが率先するから慣れてないのよねぇ」

荒潮「ジャンケンだもの、仕方ないわぁ。それじゃあ頑張ってねぇ♪」

コンコン

提督「どうぞー」

村雨「し、失礼しまーす……」

提督「村雨か。どうした?」

村雨「え、えーっと……」

村雨(しまった! 話し方ばっかりで肝心の話す内容考えて無かった!)

村雨「…………あ、甘えてくれてもいいんですよ?」

提督「……は?」

村雨「い、いや! 違うの! ごめん、なんでもないからっ!」

提督「……とりあえず落ち着けよ。ほら座って、今お茶淹れるから」

村雨「う、うん……」

……

提督「落ち着いたか?」

村雨「う、うん……じゃなくて、えぇ。有難う提督」

提督「……? それで、何か用あったんじゃないのか」

村雨「あ、その、えぇと……提督と少しお話がしたくって……ダメかしら」

提督「別にいいけど、珍しいな。用もないのに駄弁りにくるのは鈴谷か北上くらいだと思ってた」

村雨「そうね。でも用が無くてもお話したい子はいっぱいいるのよ?」

提督「それは悪かったな。今度から食堂で仕事してみようか?」

村雨「ふふっ、間宮さんに怒られますよ?」

提督「それはマズいな」

村雨「えぇ」

提督「……」

村雨「……」

提督「……なぁ」

村雨「提督っ!」

村雨「今日の村雨、どう、かな」

提督「どうって……」

村雨「」ジーッ

提督「変、だな」

村雨「……変、かぁ」ガックリ

提督「口調に妙な違和感があるんだよな。悪いとは言わないけど」

村雨「大人っぽく……ない?」

提督「大人っぽくなりたかったのか?」

村雨「……だって提督、十年後ならお嫁さんにしてくれるって……

   そんなに待てないから、私が十年分大人びればいいかな、って……」

提督「そんな無茶苦茶な」

村雨「だって、皆提督のこと好きだもん。十年なんて、ううん、明日にだって誰かに取られちゃうかも知れない。

   そう思ったら怖くて、大きくなるのを待ってよう、なんて言えないよ……」

提督「……そっか。思いつめさせちゃったな」ギュ

村雨「提督……?」

提督「駆逐艦だから、とか見た目が幼いから、とか……そんなの全部言い訳なんだ」

村雨「……え?」

提督「要は、俺が艦娘と二人の関係になるのが怖かったから、なんだかんだと理由とつけて上司と部下でいようとしたんだよ」

村雨「提督も……怖かったんだ?」

提督「そりゃあな。誰かを選んで確執ができたら…とか、実は社交辞令で俺が勘違いしてるだけなんじゃないか…とかな。
   
   考え出したらキリがない」

村雨「そんなこと……」

提督「だろ? 村雨の話聞いて俺もそう思った。……案外一人で悩んでることなんて口にしちゃえば下らないのかもな」

村雨「もー、下らないって何よぉ」

提督「……だから、もう大人になろうとか思わなくていい。村雨はそのままで十分魅力的だから」

村雨「それって……?」

提督「少なくともここに本気なのが一人いるんだ。俺もいつまでも怖いとか言ってられないよな」

村雨「……それじゃあ、ここからが本当のスタートラインってことね」

提督「人間関係のスタートライン、ね。中々面白いこと言うじゃないか」

村雨「これからもたーっくさん、村雨の、ちょっといいトコ見せたげる♪」

……

提督「デイリー任務は大体片付いたな」

荒潮「この改修で最後みたいねぇ。明石さんの所に持ってっちゃうわねぇ」

提督「あぁ頼む。おやつの用意しておくよ」

荒潮「うふふ、楽しみねぇ~」ガチャ


荒潮「はい、用意できたわよ~」

如月「大丈夫、大丈夫……一杯練習したんだもの、いけるわ……」

荒潮「あらあら大変、大丈夫? おっぱい揉む?」

如月「え? なんでおっぱ……ふやぁ!?」フニフニ

荒潮「こうすると落ち着くって、秋雲ちゃんから前に聞いたのよぉ」

如月「だからってなんで私……んゃっ、もう、大丈夫だからぁ」フニフニ

コンコン

提督「また客か? どうぞー」

如月「し、失礼するわぁ……」クタァ

提督「き、如月……? どうしたその服の乱れ方……顔も赤いし、風邪か?」

如月「い、いえ、大丈夫、平気だから……」

提督「そ、そうか……? 今おやつの準備してたとこだけど如月も食べるか?」

如月「そうね、頂くわ」

提督「そうか、今用意するな」

みんなかわいい

提督「相変わらずナテュラルに隣に座るよな、如月って」

如月「あら、嫌かしら?」

提督「そんなことはないが。で、如月は何の用なんだ?」

如月「用……ねぇ、そうねぇ……」スーハー

提督「?」ズズッ

如月「す、……好きよ……///」

提督「」ブーー

如月「あらあら大変、結構零しちゃった」

提督「じ、自分で拭くから大丈夫……(今度は如月かぁ)」


提督「……で、なんで突然こんなことを?」

如月「こんなことって?」

提督「普段だったら『好きよ』なんて言わないだろ、如月。……何か不安なのか?」

如月「不安……そうねぇ、不安、だったのかも知れないわ」

提督(やっぱりか……色々抱え込ませちゃってるんだな……うちの艦隊は)

如月「司令官……今のも冗談か何かだと思ってる?」

提督「今までだったら冗談で済ましただろうな」

如月「あら?」

提督「まぁ少し思うところあってな。少し素直に人の言うことを信じることにしたんだ」

如月「そう? じゃあもう一回言うわね。……好きよ」

提督「あぁ」

如月「ふふっ……初めて、言葉が通じたような気がするわ」

提督「思えば如月には悪い事してきたな。いつも誘うような事言ってくるから、ほとんど冗談だと流してたんだよ」

如月「ううん、私も直接言う勇気が無かったから……今日も荒潮ちゃんの言葉を借りて言うのが精いっぱい……」

提督「……聞いていいか? いつからそんなに俺のことを?」

如月「そうね……最初は打算だったわ。ほら、『私』ってろくに戦果も挙げられずに沈んじゃったじゃない?

   だから、『戦力』としてダメでも、『女』として傍に置いてもらえれば、自分や姉妹を守れるんじゃないかって」

提督「でも、如月は活躍してくれたな。如月に限らず睦月型も、今やなくてはならない存在だ」

如月「えぇ。始めに私を主力艦隊に入れるって聞いた時は耳を疑ったわ。そこまで戦力不足が深刻なのかしらって。

   でも、あなたはその後も私たちを使い続けた。出撃に遠征に、大忙しだったわ」

提督「今でこそ駆逐艦は大勢いるけど、それでも如月たち無しじゃ回らないんだよな」

如月「あぁ、この人は私たちをちゃんと見てくれるんだ、って。そう思ったの。

   気が付いたら司令官を目で追ってたわ」

提督「そうだったのか……今まで気付けなくて済まなかったな」

如月「いいのよ。もし司令官がそういうことに聡い人だったら、私は初めのうちに嫌々手籠めにされてたかも知れないものね」

提督「しかし、そういうことなら無理に誘うような事はもう言わなくていいんだぞ?」

如月「……そういうところが司令官よねぇ。今は嫌でも打算でもなくやってるのよ?」

提督「面と向かって言われるとクるものがあるな……」

如月「でも……そうね。私はまだ子供だから、本当に押し倒されたりしたら泣いちゃうかも」

提督「ほらな? ……いやしないけど」

如月「でも、司令官を好きな気持ちは本当よ。だから……時々こうやって、一緒に海を眺めてくれたら、それだけで幸せだわ」

提督「そんなことでよければ、いつでも付き合うよ」

如月「もちろん、ゆくゆくはキスもその先も、司令官にもらってもらうんですからね。だから……」


如月「これからも……如月をお傍に置いて下さいね♪」

……

提督「これで最後っと……今日は早く片付いたな」

荒潮「そうねぇ、いつもこれくらい早いといいんだけどねぇ」

荒潮(今日は皆であらかじめ仕事量減らしておいたのよねぇ)

提督「さて、せっかく早めに終わったし、何か食ってくか。奢るぞ?」

荒潮「それもいいけどぉ、折角なら少しお掃除しない? 机の周り、だいぶ汚れてるわよぉ」

提督「ん……確かに。軽くやっとくか」

荒潮「それじゃあ掃除用具持ってくるわねぇ」バタン

提督(……ん? このパターンって)


荒潮「お待たせぇ、用意はいいかしらぁ?」

夕雲「ちょ、ちょっと今話しかけないで……台詞が飛んでっちゃう……」

荒潮「あらあら……」

コンコン

提督「ヤハリソウイウコトカ……開いてるぞー」

夕雲「は、はいはーい! 私、夕雲ですー、お傍に置いて下さいね!」

提督「…………夕雲」

夕雲「……はい」

提督「すまなかった……っ!」ギュウウ

夕雲「えっあ、あの……?」

提督「お前がそんなに思いつめていたなんて……俺は、甘え過ぎていたんだな……っ」ポロポロ

夕雲「えっ、ち、違……提督? ていとくー?」

……

夕雲「落ち着きましたか?」

提督「あぁ……済まない。取り乱した。ちょっと今日は色々あってな」

夕雲(皆どんな精神ダメージ与えてたの……?)

夕雲「い、いいんですよ。私も久しぶりに提督のお世話が出来て、嬉しかったですもの」

提督「そうか……そういえば最近めっきりやらなくなったな」

夕雲「えぇ……提督ったら、お世話する隙を見せてくれないんですもの」

提督「百隻超の大艦隊の司令官だからな……いつまでも夕雲と雷に両サイド固められてるわけにもいかないさ」

夕雲「うふふ、あれはあれで楽しかったんですよ? ……提督の役に立てている気がして」

提督「あんな形じゃなくても、夕雲は立派に俺たちの役に立ってるだろ」

夕雲「……本当ですか?」

提督「ん?」

夕雲「夕雲型は……私は、本当に提督のお役に立てていますか……?」

提督「……言いたいことは分かる。確かに現状、夕雲型に秀でた特技はないかもしれない」

夕雲「それだけじゃありません! 艦としてだけじゃなく娘としても……今の私は提督の役に立てない……」

提督「俺が、そんなこと言ったか?」

夕雲「夕雲は……ダメな女なんです」

提督「?」

夕雲「雷ちゃんのように無邪気にもなれない……如月ちゃんのように誘惑もできない……

   子供としても女の子としても中途半端で、なのに提督の『特別』になりたがってる……!」

提督「それは、駆逐艦としての微妙な立ち位置を補うためか?」

夕雲「…………わからないわ」

提督「わからない?」

夕雲「最初は、自分たちに自信があったのよ。でも、人が増えて、改装できる娘や装備が増えて……

   夕雲型の優位性が無くなった時……『見捨てられる』と思ったわ」

提督「皆似たようなことを考えるんだな……まぁ『前』は時代も時代だったしわからんでもないが」

夕雲「でも、提督は私たちを見捨てたりしなかった。分かりきっていたことなのにね」

提督「誰かを捨てるって選択肢が俺に無かっただけの話だ」

夕雲「今ならそんな提督のこともよく分かるわ……だから」

チュッ

提督「ッ!? 夕雲、おま、いま、何を」

夕雲「多分私は、逃げていただけなんだと思います。姉妹がどうとか、性能がこうとか。

   娘の心を艦の理屈で捻じ曲げて、どっちでも提督と向き合おうとしなかった」

提督「……」

夕雲「今分かったのよ。提督の前で、提督との思いでを振り返ってみたら、簡単なことだったわ

   でもさっき、提督に問われなければ気付かなかったかも知れない。……ふふっ、滑稽ね?」

提督「正直、夕雲のテンションの落差に置いてかれてるんだけど」

夕雲「心配しないで。提督のおかげで、夕雲は元気になりました。ってことだから」

提督「……ま、そういうことならそれでいいか」

夕雲「うふふ」

提督「やっぱり、笑顔のほうが可愛いな」

夕雲「うぇっ!?」

提督「お、珍しいうめき声。今日はいろんな夕雲が見れて得した気分だな!」

夕雲「もうっ! 提督ったら!」

提督「まあまあ、その代り俺も肩肘張るのはやめにするからさ」

夕雲「提督……あんまりズボラなのはダメですからね?」

提督「分かってるって」

夕雲「ならいいです。でも、ちょっとくらいなら……」

夕雲「提督、甘えてくれても、いいんですよ?」

……

提督「よし、こんなもんか」

荒潮「お疲れ様ぁ、綺麗になったじゃなぁい」

提督「こないだ大掃除したと思ったのになぁ。こりゃ夕飯の前に風呂だな」

荒潮「あらぁ、それじゃあ、一緒に入る?」

提督「……なんと?」

荒潮「お風呂、一緒に入る? って聞いたのよぉ」

提督(……そうか最後はコイツもかぁ)

提督「断ると言ったら?」

荒潮「逃げられないって言ってるでしょ?」

提督「……水着は着ろよ」

荒潮「はぁーい」

荒潮「見てみて~、この輝く肌ぁ」

提督「ほら、シャワー出すぞ」

荒潮「あぁん、つれないんだからぁ」

提督(いちいち付き合ってたらこっちの身がもたないからな!)

荒潮「はふぅ~温まるわねぇ~」

提督「百数えたら出るぞ」

荒潮「あらあら……荒潮のお話は聞いてくれないのぉ?」

提督「……やっぱり、今日の三人と関係あったんだな」

荒潮「関係っていうかぁ、共犯?」

提督「共犯って……まぁ悪い事したわけでなし、あいつらの悩みも知れたし怒るつもりはないけどさ」

荒潮「それじゃあ、荒潮のお話も聞いてくれるかしらぁ」

提督「聞かないと俺の上から退いてくれないんだろ?」

荒潮「うふふふふ、ごめいと~う」

提督「いいよ。どうせそのつもりで来たんだ」

荒潮「それじゃあ単刀直入に聞くわねぇ。

   提督はぁ、荒潮のこと、好き?」

提督「……これはまた、ダイレクトに来たな」

荒潮「私は勿論、好きよぉ。提督だけじゃなくて、朝潮型の姉妹みんなとか、鎮守府の仲間とか、皆みんな好き」

提督「あぁ、そういう……」

荒潮「でもねぇ、提督の『好き』だけはちょっと違うのぉ」

提督「……」

荒潮「今日も皆が提督とお話してる間、ずっと胸のあたりがモヤモヤして……嫌、だったのねぇ」

提督「嫉妬、しちゃったんだな」

荒潮「今日だけじゃないわぁ。皆に優しい提督が好きなはずなのにぃ、誰かに優しくしてる提督を見ると苦しくなるのぉ」

提督(これって……純粋な恋愛相談じゃない? 本来鳳翔あたりに頼むべきやつじゃない?)

荒潮「提督ぅ……私、どうしたらいいのかしらぁ」

提督「……どうもしなくていいんじゃないか?」

荒潮「えぇ?」

提督「まず、最初の質問だけど、俺も荒潮は好きだぞ」

荒潮「あっ……」

提督「勿論荒潮の姉妹も、鎮守府の仲間も皆大好きだ」

荒潮「そ、う……ねぇ」

提督「今の聞いて、どう思った?」

荒潮「ちょ~っと、いいえ、すごく残念、かしらぁ」

提督「つまり、そういうことだ。荒潮は皆と同じに好かれたいんじゃなくて、特別に思われたいんだ。

   逆に言えば、俺のことも皆と同じ『好き』じゃないんだろう」

荒潮「特別に……」

提督(自分で言ってて死ぬほど恥ずかしいんだが……荒潮がわざわざ俺に相談してくれてるんだから、答えないわけにはいかないよな)

荒潮「言われてみるとそうねぇ。朝潮姉さんのこと見てても、こんなに胸がきゅーっとならないものぉ」

提督「だから、その人が自分以外の人のところにいると、悲しくなったり苦しくなったりするんだろう」

荒潮「……その通りねぇ」

提督「言ってしまえば、解決する方法は、ない」

荒潮「えぇ?」

提督「こればっかりは荒潮の心の問題だ。自分で整理をつけるしかない」

荒潮「そう言われると……そうだけどぉ」

提督「お前のことは好きだ。けど、現実的に俺はお前だけのものにはなれないし、他の誰かと接しないわけにもいかない」

荒潮「そうねぇ……」

提督「でも、何処へ行こうと何をしようと、俺がお前を見捨てることだけは絶対にない」

荒潮「……あぁ」

提督「今はこれで、納得してくれないか」

荒潮「……そうねぇ、少しだけ、気持ちは楽になったかしらぁ」

提督「それはよかった」

荒潮「でもぉ、やっぱり苦しくなったらぁ、その時は、またお話聞いてねぇ」

提督「……次は風呂の外でな」

荒潮「うふふ……どうしようかしら」

提督「全く……ほら、あがるぞ。飯だ飯」

荒潮「はぁい…………提督?」

提督「ん?」

荒潮「好きよぉ」

翌日

荒潮「そんなわけでぇ、昨日の報告会……と思ったのだけどぉ」

如月「うふふ……♪」クネクネ

村雨「ふふふーん♪」ウキウキ

夕雲「うっふふ♪」フリフリ

荒潮「話が聞ける状態じゃなさそうねぇ~」

荒潮「あらあら~♪」ユラユラ



青葉「何ですかこの光景は……謎の儀式を行う駆逐艦! 青葉、見ちゃいました!」

おしまい

思いつきでSSとか書くもんじゃないね!


こんな思い付きならいつでも大歓迎

乙でした

おつ
みんな可愛すぎ

よかったー
色々言ってる割に結局迷走してしまってる感じがいい

すばら!

天使しかいないな

こんな事を思いつく奴は反省会な


各々のキャラ付けの解釈が素晴らしい

如月改の補給ボイスも聞いてみて

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