【コンマ】崩壊した世界を旅する3【安価】 (1000)

コンマによる判定と安価による選択で、崩壊した世界を旅するSSです。
結末はあなたの選択、そしてコンマによる運で決められます。

最終目標はストーリーの展開で変わります。デッドエンドも当然あり得ますが、一応できうる限りキリのいいところまではやるつもりです。
なお、スレ主は主にスマホから打つため、進行が遅くなりがち&まとまった投下がしにくい点ご容赦ください。

>>2以下、基本的なルール説明とキャラ設定、現状説明になります。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1487342414

ルール設定

コンマは二桁で判定します。数字が小さいほど悪く、大きいほどいいものとします。
また、ゾロ目発生時には特殊イベントが発生します。数字が小さいほど不運なイベント、大きいほど幸運なイベントになります。
例えば50以上で成功判定の場合、55だとちょっとしたボーナス付き、99だと状況を一変させる大ボーナス付きの何かが起きます。逆もしかりです。

なお、00のみ特殊イベントが起きます。直後にコンマの偶奇で再判定し、奇数なら0、偶数なら100で判定します。
ともにストーリー進行を激変させる何かが起きます。

また、安価はストーリーの分岐点で発生します。
賢明な選択か否か、よく考えて選んでください。場合により多数決を取ることもあります。

ルール説明2

旅は地上にあるいくつかの町と、その近郊にあるダンジョンで行われます。
町でのイベントや聞き込みが、ダンジョン攻略の糸口になることもあるかもしれません。
一応ダンジョン踏破は最終目標に入ります…が、かなりの困難を伴います。もちろん、御約束の大ボスもいます。

イベントを通してキャラクターは成長します。強力な武器や防具も手に入るかもしれません。
仲間やヒロインとの交流を通して、世界崩壊の謎を解き明かしてください。

シデ(主人公、29歳翼人)

HP 53
筋力 7
知力 5
器用さ 3+4
賢さ 14
耐久力 8
魅力 11+4
職業:モンク

特徴:
・朦朧打撃…
命中判定クリティカルか、ダメージ判定時コンマ60以上で発動。次の一撃が無条件で当たる。
さらにその際のダメージ判定コンマが40以上なら継続。

・秘孔ヒット…
ダメージ判定コンマゾロ目で発動。ダメージが通常の×3に加え、朦朧打撃が強制発動。

・鋼体術(条件:賢さ7以上)…
不意討ちでない限り攻撃と防御にボーナス

・治癒術(条件:賢さ5以上)…
階を一階降りるごとにHP10回復

・高速治癒術(条件:賢さ13以上)
ターンを一回飛ばし、対象のHPをコンマ下一桁×3+賢さだけ回復

・破邪術(条件:賢さ10以上)
念を込めた拳で死者・悪魔系に追加ダメージ(コンマ下一桁×5+筋力×4)

装備:
神器「フィンゴルの手甲」
器用さ、魅力すべて+4、ダメージ軽減20(重複可)、与ダメージ修正+35、コンマ判定10、朦朧修正60以上で発動(継続判定は40以上)

守護のヘアバンド(ダメージ軽減10)

シデ背景概略

・ユングヴィ教団上位幹部の息子。14の時に災厄の日に遭遇、奇跡的に難を逃れる。
・その後修行や治癒のため司教に付き従っていたが、司教の死により5年前よりアングヴィラに。
・アングヴィラに来た当初穴に潜ったが、第一階層でエルダードラゴンに遭遇。パーティが全滅する中、生還。
・その後は冒険者の治癒などで生計を立てる。
・酒は宗教上の理由であまり飲まない。食事もそれほど気にしない。
・性格は生真面目。慈悲深く、聖人とも言えるほど。半面、お堅い人間とみられがち。実際その面はある。
・女性関係にも真面目。宗教上の理由で遠ざけてきたが…?

ダナ(20歳女性、人間)

HP 95
筋力 9
知力 10
器用さ 11
賢さ 8
耐久力 6
魅力 10
好感度 122

職業:勇者の娘

特徴:
・魔法…
火、氷、雷術の3種が可能。使用可能回数は5回。
ダメージは火、氷がコンマ一桁×3+知力×3
雷がコンマ一桁×4+知力×4
ただし、特効ありのため、使い分けが重要。

装備:
 杜の鎧(ダメージ軽減10)
ダリオのヘアバンド(基本コンマに20のプラス補正)

ダナ背景概略

・穴深層に到達した勇者「ダリオ」の一人娘。一人称は「ボク」。基本元気で前向き。
・5歳の時災厄の日に遭遇。父とともに難を逃れる。その後は母と祖母のいる村に預けられて育つ。
・最近肉親が病で相次いでこの世から離れ、父の後を追って穴に向かった。
・ダリオは災厄の日の後、穴に潜ったが「死んだ」(コーウィン)。
・酒はよく飲む。食事は基本大食。
・身長は162程度。B~Cカップ。体重はそこまではないが、基本筋肉質。なお、シデは182で75キロほど。

ミドル

HP 51
筋力 3+2
知力 3
器用さ 5+2
賢さ 5
耐久力 6+2
魅力 4
好感度 104
職業:村人

装備:
遺物「ペネトレーター」
腕力、器用さ、耐久力すべて+2、HP+30
命中補正10 ダメージ補正20
遠距離攻撃可(命中基準100)

※ただし、ミドルでは遠距離攻撃がまだ使えません。(知力7必要)

特徴:
・良成長…
ミッション達成時のポイントにボーナスあり。

ミドル背景概略

・アングヴィラとテルモンの中間の村ペラ出身の15歳。ごく普通の少年。身長は160ほど。筋肉はないが、成長期はこれから。
・ペラがレッドドラゴンに襲われ、仇を取れる冒険者を探しにアングヴィラを訪れた。
・基本真面目。若干守銭奴の気あり。
・最近酒を初めて飲んで主にライラにいぢめられたが、記憶は今のところ飛んでいる。

ライラ(女性、21歳人間)

HP 49
筋力 2
知力 10
器用さ 5
賢さ 6
耐久力 6
魅力 7
好感度 51

特殊能力 闇魔術
・闇で目眩ましができる。近くにいるものを巻き込めば不意討ちが可能。あるいは逃走判定に大幅プラス
・生命力吸収 触った相手から生命力を少し吸収(コンマ下一桁×2+知力)
・闇弾 遠距離から闇の弾を発射、ダメージは小さい(コンマ下一桁×2+知力)。判定成功で目つぶしの追加効果。

ライラ背景概略

・本人曰く「駆け出し魔術士」。ただ師匠は「影のジャック(別名シャドウ)」と呼ばれる大物魔導士であり、才能はある模様。
・師匠からの命令で「『怪竜ガチャ』を倒せ」と言われている。
・その他の背景は現在不明。
・身長166ほど。体重は多分50台前半。ゆるふわ金髪Eカップと男が好きそうなルックスとスタイルだが、酒豪であり酒乱。
その手の経験がどこまであるかは現在不明。
・最近ミドルを酒の勢いでいぢめた。

・ミッション

ストーリー進行に関わる「大ミッション」と、ダンジョンを潜る上で発生する「小ミッション」があります。

ともにクリアすればステータスの底上げやアイテムの支給がありますが、当然大ミッションの方が大きな果実を得られます。
ただし、果実はミッションクリアの度合いに比例します。その過程で何かしらの犠牲や損失があれば割り引かれますし、逆に想定以上ならボーナスがあります。

小ミッションは穴5階層ごとに必ず発生するものです。通常より強い「名前付き」の魔物が、行く手を遮ります。
強さはコンマ次第です。手の付けられない怪物が出るか、雑魚より少し強い程度か。完全に運です。
逃げてもストーリー進行には基本的には無関係です。倒せば旨みがある宝物が入手できるぐらいです。
ただ、後半以降は撃破が絶対要件になる敵も出る、かもしれません。小ミッションのクリアが大ミッションの(あるいはストーリーそのものの)クリアに直結する可能性もあります。

ミッションクリア後は、内容に応じ成長ボーナスがあります。コンマで伸び幅を決めますが、ゾロ目なら追加の成長機会もあるかもしれません。
逆に言えば、ミッションクリア以外に成長機会はありません。雑魚撃破で成長することもゾロ目時などあり得ますが、基本はミッション達成の時だけです。
なお最大の20までステータスが上がることがあるかは謎ですが、上がった場合はあるボーナスを用意しています。

好感度はミッション以外でもイベントで上下します。コンマより、適切な行動を取ったかどうかが大きいかと思います。慎重に判断してください。
なお、0でパーティーから離脱します。復帰可能性は基本ありません。シデの場合、余程相性が悪い相手でなければ0まで行かないとは思いますが。
200まで行ったキャラの好感度はそこで固定です。ストーリー次第ですが、あまり一気に上げることはしない方針です。せいぜい一桁ずつでしょう。

問題となるのはキャラロスト。仲間キャラが誰かにもよりますが、ステータスダウンが発生する可能性が高いと思って下さい。その他、もろもろ不利な何かが生じます。

・ダンジョン

1階層ごとに、雰囲気チェックをコンマで行います。言うまでもなく0に近ければ危険で、100に近ければ安全です。
危険だからといって実入りがあるわけではありません。通常より強い魔物を倒して、良い宝物が見つかる可能性はありますが。
また、安全ならとっとと下に行くことをお薦めします。ローリスクローリターンなのです。

ゾロ目なら、その階には何かがあります。あるいは誰かがいます。
強大な魔物とセットで強力な遺物がある宝物庫があるかもしれないですし、ストーリー進行を左右する重要人物がいるかもしれません。

危険な階と分かれば即離脱が大事です。危険に巻き込まれる前に逃げましょう。
なお、帰還のルーンは複数持ち歩くことを強くお薦めします。なくなった場合、徒歩で上に戻るか、ダンジョン内でルーンを見つけるかしないとなりません。浅い層ならまだしも、深層では致命的です。
帰還のルーンは道具屋で比較的安く買えます。最重要アイテムと心得ましょう。

・現在の大ミッション

※アングヴィラを救う財宝を見付けよ
…500マドル以上の魔力が含まれる宝物(ほうもつ)をエルヴィンに渡す(500以上ならボーナスあり)
※レッドドラゴンを倒せ
…廃村ペラにいるレッドドラゴンを倒す(ミドルがパーティにいればボーナスあり)
※審判の石を探せ
…聖地ウィルコニア(第四十五階層)にある審判の石を入手
※怪竜ガチャを倒せ
…怪竜ガチャを倒す(ライラがパーティにいるのが条件、第十五階層フロアマスター濃厚)
※サーリャの仇を取れ
…サーリャのパーティの殺害犯(帝国関係者、ザッシュのみ確定)を倒し、モリブスにいるはずのサーリャに報告する
※ベネディクトの野望を砕け
…「一族」ベネディクトの撃破

・その他登場人物

・エルヴィン…
アングヴィラの村長。見た目は30代だが、実年齢は60過ぎのエルフ。大陸南西部のトリス森王国出身。

・エイラ…
ユングヴィ教団の元シスター。戒律くそくらえな豪快ばあさん。

・ハーニス…
医師。元ズマ魔侯国の出らしく、シデにはやや複雑な感情あり。

・ゴラフ…
ギルドハウス主人。元冒険者で、料理が上手い。懐が深く剛毅な禿中年。

・ダリオ…
ダナの父で「勇者」。災厄の日以降消息不明。コーウィン曰く「死んだ」。
40年ほど前の「へイルポリスの惨劇」の生き残りであるらしいが?

・影のジャック…
ライラの師匠(魔族)。現在テルモンに居住?魔侯国に反発したレジスタンスで、ダリオやシデの父とも面識があった。

・ネモ…
第一階層で会った胡散臭い中年男性。ジェスタル帝国の鎧を着ている。

・ザッシュ…
第八階層で会った糸目の青年。ジェスタル帝国の鎧を着ている。サーリャのパーティの殺害実行犯。

・サーリャ…
ザッシュともう一人(小柄な男?)に襲われ瀕死の重傷を負ったシーフ。現在モリブスに向け移動中。

・キルト・ウルファの娘…
「穴」に消えた父親の手掛かりを探している。

・ジェイクとリリア
食堂で出会った馬鹿ップル。「穴」で行為に及ぶなど節操はないが、腕は一流。
モリブス領事府のエージェントとしてドラゴン襲来事件を調べる、2人組の冒険者。

・コーウィン…
ギルドハウスで出会った男。「一族の第四位継承者」と名乗り、穴の管理者を自称する。圧倒的圧力と力量を備え、数万年を生きる人外。
ダリオの育ての親であるらしいが…?地上争覇のためにユングヴィ教団を作り出し、1000年に及ぶ三つ巴の争いを始めた張本人の一人。

・ランダム…
第十二階層で出会った男。「一族の第十位継承者」であり、「一族」でありながら人として悠遊と生きるつかみどころのない男。
酒を愛してやまない世捨て「一族」。王位争奪争いには全く関心がない。

・ベネディクト…
第十三階層で出会った「一族の第一位継承者」。最強の怪物の作成を続けるマッドサイエンティスト。
実は自分が作った怪物で「一族」の皆殺しを企んでいる。コーウィン、ランダムとは敵対関係にあり、
シデたちパーティとも敵対している危険人物。

用語集

・災厄の日…
15年前に世界をほぼ滅ぼした出来事。詳細は一切不明。死者には外傷がなかったとされるが?

・穴…
ダンジョン。恩恵と災いを生み出すすべての源。多くの冒険者が挑み、散っていった。なお、人間による最深到達は第三十二階層とされる。

・へイルポリスの惨劇
40年ほど前にユングヴィ教団、ズマ魔侯国、ジェスタル帝国3か国の国境付近にある独立貿易都市「へイルポリス」が滅ぼされた事件。
大量のドラゴンが街を焼き尽くし、ドラゴン自らも炎に焼かれたとされるが、原因は不明。

・一族
「アンバーの一族」とも言う。穴の管理者で、空位の王位を巡り1000年争っている。王位継承者は以下の通り。
ベネディクト、ジェラード、エリック、コーウィン、ケイン、ブランド、フィオナ、ジュリアン、ブレイズ、ランダムの計10人。
地上の制圧か、他の一族皆殺しが王位に就く条件。

・神器
「一族」特効の凶悪な武器・防具。現在シデの「フィンゴルの手甲」、コーウィンの「グレイスワンダー」がある。

・アンバライト
魔力を込められた石で、時間とともに中の魔力が増え続ける魔石。輝きが最高潮に達すると、ドラゴンが招かれるとされる。
ペラはこれで滅ぼされた。また、アングヴィラ側の穴入口付近にも仕掛けられ、深層からドラゴンを呼び寄せようとされた節がある。

・アングヴィラ
大陸北部の人口1000人足らずの街。これでも世界3位の街。
ユングヴィの影響がやや強いが、基本は平和。

・テルモン
大陸北東部の都市。人口は現在不明だが、かなり規模は大きい。
ジェスタル帝国の影響が強いとされる。

・モリブス
大陸南東部の都市。規模はテルモンと同規模。
ズマ魔侯国の影響が強いとされる。

持ち物
500マドルの胸当て
500マドルのブーツ
200マドルの小盾
200マドルの骨董品
シトロリンゴ 3個
身体増強薬(ミドル所有) 3本
隠密の数珠×4

テンプレ以上です。スレタイは間違ってませんね?
抜け落ちなどあれば、ご指摘のほどを。


ところで前スレとかってテンプレに入れない感じ?

再開前に、今後の進行のヒントを。

・大ミッションがたまってきましたが、片付けられるものは片付けましょう。
エルヴィンの依頼はもちろんですが、ガチャやドラゴンも問題ないはずです。(ドラゴンは安価次第ですが)

帝国関連もザッシュを倒すぐらいは全く問題はないでしょう。
ただ、集団戦になるでしょうから、いかにして多数対1(せいぜい多数対2)に持っていくかがポイントです。黒幕に出張らせないためにも、です。
黒幕まで倒せればいいですが、そこまでいくにはかなり大変です。場合によっては早めに引き上げるのも手です。

審判の石とベネディクトは最終盤のミッションですので、当面無視でいいです。
ベネディクトからの刺客(?)は来ますけど。

・探索は第二十階層以降タフになります。というより、隠密の数珠の効果は第二十五階層ぐらいからなくなります。
他の街に行くなりなんなりして、そこで発生するイベントをこなすほうが安全・確実です。
逆に言えば、第二十階層のフロアマスターぐらいまではよほどひどいコンマでなければ「一族」と会うことはないです。
00(奇数・偶数)、11、98~99ぐらいでしょうか。何かあるとすれば。

では、再開。

##############

帰還すると、外はまだ明るかった。陰の2の刻ぐらいだろうか?

「とりあえず、お腹すいたね」

ダナが腹部を押さえて言う。そう言えば、立て続けの戦闘にベネディクトとの遭遇、コーウィンとの再会など色々なことがあって休憩一つ取っていなかった。
問題は、外をぶらついて大丈夫かだ。ザッシュをはじめとした帝国の残党がいた場合、多少厄介なことになるかもしれない。
困ったことに、昼食の材料はなかった。鑑定屋に寄る必要もあるが、どうしたものか。

1 ギルドハウスに行く
2 食堂に行く
3 宿屋に行く

「やっぱりガッツリ食べたいし、食堂だよねー」

ライラの提案に乗ることにした。昼食にはもう大分遅い。
帝国の残党がいたとしても、情報収集の場であるギルドハウスや、宿泊先である可能性もある宿屋よりは可能性が低いだろう。

01~05 ザッシュとネモがいる
06~10 ザッシュと小柄な中年の男がいる
11~20 少年と中年の女がいる
21~30 小柄な中年の男がいる
31~80 普段通りの食堂だ
81~97 エルヴィンが男と話している
98、99 妖艶な若い女性がいる


少し中断します。

食堂に着くと、半分ぐらいの客入りだった。もう昼食時は過ぎていることを考えると、普段通りといえるだろう。

「それにしても、今日は色々あったねえ」

ライラがトマトソースの大盛りパスタに舌鼓を打ちながら言った。

「魔物にいきなり襲われて、得体の知れない気持ち悪いのが出てきて、眼鏡の危ない人にシデが殺されそうになって……」

「『一族』の件は、本当にごめんね。ライラちゃんは、危険に晒したくなかったの」

シュンとするダナに、ライラが手を振りながら言う。

「いやー、気にしなくていいよー。あんな危ないの、関わらせたくないってのは分かるし」

ライラがフォークにパスタを絡ませる。

「それに……はふっ、ランダムさんみたいないい人も……もむもむ、いるみたいひゃなひ?ていうか、ごくっ、あの人普通じゃないっぽいなーとは思ってたし」

「ああ、やっぱり?」

「うん、あのお酒見りゃ分かるよ。見かけによらず、超お金持ちなのかなーと思ったけど」

私の向かいに座るミドルが目をぱちくりさせている。

「僕まだ子どもですけど、そんなに珍しいお酒だったんですか?」

「珍しいもなにも、存在しないはずのお酒だったからねー。ヘイルポリスのウィスケ45年物なんて、その『ペネトレーター』並みの価値があるかも」

「や、さすがにそれは。でも美味しかったなあ。華の蜜のような薫りがぶわっと拡がって、強いのに飲みやすかったねえ。もう一度飲めるかなあ」

女性陣二人がうっとりするのを、ミドルは冷めた目で見ている。

「二人ともいい人ですけど、お酒に関してだけはダメですね……。そもそも、ランダムさんにはこれのせいで暫く会えないんでしょ」

ミドルは手首に巻いた数珠を見た。ベネディクトに会う可能性は減ったが、ランダムに再会するのも当分先になりそうだ。

「その分、私たちだけで問題に対処しなくてはな。……やはり、帝国か」

ミドルが頷いた。

「奴らはこの街を、僕の村みたいにドラゴンに襲わせ、消し去るつもりだったはずです。となれば、本来はもう計画が実現していてもおかしくはないはずです」

「そうだ。アンバライトはコーウィンが握り潰し、その後に見つけたものもライラが無力化している。アンバライトがたくさんあるものなら別だが、第十階層以降はアンバライトは見かけていない」

私は、アングヴィラでザッシュやネモを見かけない理由を考えていた。もし計画に狂いが出たなら、その原因を必死になって探すはずだ。それがない、ということは何を意味しているのか?

「いくつか考えられるね……ボクの意見、言っていい?」

私は頷いた。

「一つ。実はひっそりと原因を探してる。ザッシュとネモはともかく、それ以外だと変装されたら分からないからね。で、ボクらがそれに気付いてない」

「なくはないな。ただ、ザッシュもネモも、私たちとは会ってる。さほど警戒はされてなかったはずだが、私たちが関与してないと考えるのは甘い。少なくとも、何らかの形で接触はしてきたはずだ。襲撃されていても不思議じゃなかった」

ダナも同意した。

「そう。だからそうだとすれば、まだボクらに辿り着いてないか、さもなきゃ無能ってことになる」

「あるいは、失敗を理由に消されたか。コーウィンは帝国の背後に『ジュリアン』がいると言った。彼は『一族』のはずだから、人間を使い捨ての駒と考えてる公算が大きい。失敗に寛容とは思えない」

ライラがパスタを食べ終え手を挙げた。

「あるいは逆に、仕事は済んだと思い込んでどっか消えちゃった、とか。これだったら笑えるんだけどねー」

私たちは首を捻った。とにかく、結論までは遠そうだ。

###########

食堂で腹を満たした私たちは、鑑定屋のイェンダーのところに向かった。

30以下で追加イベント。

中断です。まだ会いませんねえ。

再開です。

###########

「よう、元気そうで何よりじゃな」

イェンダーが私たちを出迎えた。奥方は冒険者にお茶を出しているところだ。
冒険者は年のころ20代後半といったところか。モリブス側の入り口が当面入坑禁止となったため、仕方なくこちらに流れてきたという。

「ジェイクたちが言ってた、ドラゴンの件かな」

「かもな。彼らが戻れば進展があるかもしれないが」

私は小声でダナに答えた。

「……おう、待たせたな。この兄ちゃんの案件が片付いたんで、お前らのにとりかかるぞ」

イェンダーにブーツと胸当て、小楯を渡すと「三つか、ちょい時間もらうぞ」という。一刻半ぐらい欲しいそうだ。

「ちょっと時間ありますね。どうしますか?」

1 ここで待つ
2 ギルドハウスで聞き込みする
3 宿屋で聞き込みする

「なら、少しギルドハウスを覗いてみるか。そろそろ人も集まるころだろう」

イェンダーの鑑定屋からギルドハウスはほど近い。3分ほどしてギルドハウスに着いた。
外からそっと中を覗くと……

01~05 ザッシュとネモがいる
06~15 ザッシュと小柄な中年の男がいる
16~40 少年と中年の女がいる
30~60 小柄な中年の男がいる
61~70 誰もいない
71~90 エルヴィンがゴラフと話している
91~97 どこかで見た二人組がいる
98、99 妖艶な若い女性がいる

中を覗くと、エルヴィンがゴラフと話しているのが見えた。

「こんにちは。どうしました?」

「おお、シデか。まあ、世間話と……例の件についてだ。誰か怪しい奴が来ていないか、と思ってな」

「例の件」以降、エルヴィンは小声になった。彼も独自に動いてくれていたらしい。ありがたいことだ。

「私もその件でここに来ました。何か収穫は?」

01~25 残念ながら、ねえな
26~50 毎日のように来る客がいるな
51~75 昨日来た客が、しきりにお前らのことを聞いて回ってたぜ。
76~99 昨日来た冒険者が、紋章の鎧を着た二人組にやられかかったらしい。命からがら逃げかえって、今は宿屋だ

「おう、収穫ありだ。昨日来た客が、しきりにお前らのことを聞いて回ってたぜ。まあ、当然『しらねえなあ』と答えてやったがな。
食い下がってきたが、軽く凄んでやったら諦めて出て行ったよ」

ゴラフが豪胆に笑った。

「どんな客だった?多分、その感じじゃ力量はたかが知れてるだろうが」

01~25 そこの少年ぐらいの年の少女だよ。
26~50 中年の女だったな。
51~75 若い気の弱そうな青年だな。
76~99 若い女騎士で、帝国の紋章付きの鎧を着てたな。

「中年の女だったな。慇懃無礼な態度だったが、どうにも怪しい。
特にシデ、お前さんじゃなく、そこのヘアバンドのねーちゃん、ダナちゃんだったかのことを聞いてたからな」

ダナのことを?それは少々引っかかる。
翼人で目立つ私なら分かるが、ダナに注目しているということは、何か訳がある。

「同行者は?」

「いや、一人だ。地味目の服に容貌だったから、お前さんらのことを聞かれなかったら印象にも残らなかっただろうな」

なるほど。ただ、ジェイクとリリアの証言とは合致する。かなりの確率で帝国の残党と見て間違いない。

「来た時間は?」

「夕方から夜ぐらいだったな。一人でちまちま軽食取って、閉店前に引き上げていったぜ。今日も来るかもな」

「ありがとう。こちらもまた来よう。……っと。エルヴィンにはいい知らせがあります。例の依頼、達成できそうですよ」

エルヴィンの顔が明るくなった。

「本当か!?」

「ああ、ただ、どれを渡すかは思案中ですね。候補がいくつかありまして。場合によっては後になるかもしれませんが、それでもいいですか」

「構わんよ。しかしこれほど短期間に見つけるとは。さすがとしか言いようがないな。……というより、その手甲は」

私は苦笑した。さすがにこれは誰にでも分かってしまうらしい。

「残念ながら、これは対象外です。これからイェンダーの爺さんの処に行きますが、ついてきますか?」

エルヴィンは「もちろん」と即答した。

#############

ギルドハウスで適当にコーヒーを飲んだ後、私たちは鑑定屋に向かった。

「おう!鑑定できたぜ。ブーツと胸当て、かなりの逸品じゃねえか。とりあえず、順番に結果を言うぜ」

小楯は……

01~50 魔法系攻撃(ブレス含む)ダメージを5軽減
51~00 不意討ち回避判定に5修正

ゾロ目、00特殊判定はなし

「小楯の方は魔法のダメージを少しだけ軽減してくれるってもんだ。まあ、気休めにはなるな」

1 売る
2 売らない(この場合は誰に装備かも)

5だけだとなぁ

2エルヴィン売却候補ってことに

>>54
エルヴィンには500マドル以上のものしか譲渡できません。なので、安価は下に回します。

「これは、売ってしまうか」

3人とも同意した。魔法攻撃にしか効果がないのでは、どうにも心もとない。骨董品と合わせて、帰還のルーンと非常食、日々の生活費に充ててしまおう。

「お次はブーツだ。こいつはなかなか凄いぞ。低位遺物だが、使い道はあるんじゃねえか」

01~25 「グラスブーツ」魅力+4、器用さ-1、ダメージ軽減5
26~50 「狩人フッドのブーツ」器用さ+3、ダメージ軽減5
51~75 「戦士ヨシュアのブーツ」腕力+2、ダメージ修正10
76~99 「吟遊詩人フーリのブーツ」知力と魅力+2、ダメージ軽減5

00の場合鑑定ミス(奇数で750マドル、偶数で1500マドル相当)

「銘が振ってあったな。『吟遊詩人フーリのブーツ』。魔法使いにはいいんじゃねえかね」

なるほど。一考の余地はあるが、胸当てを見てから判断するか。

「最後に胸当てだ。これも良品だぜ」

01~25 「疾風の胸当て」器用さ+5、腕力-1
26~50 「盗賊ゾットの胸当て」器用さ+3、回避修正10、ダメージ軽減10
51~75 「剣士タカスの胸当て」腕力と耐久力+2、ダメージ軽減5
76~99 「女騎士シーラの胸当て」賢さと魅力+2、ダメージ軽減10

00の場合鑑定ミス(奇数で750マドル、偶数で1500マドル相当)

ゾロ目なので、修正かけます。

「女騎士シーラの胸当て」腕力+1、賢さと魅力+2、ダメージ軽減10

「これにも銘が振ってあったぞ。『女騎士シーラの胸当て』らしい。女しか装備できないが、結構なもんだぞ。
ああ、あとお前さん500マドルといっとったが、こりゃ600マドルじゃな。鑑定計はたまに間違えるんじゃよ」

「女の子限定の装備かあ。でも私今の『杜の鎧』あるしなあ」

「ライラは胸当て装備できるけど、なんか噛みあわないよねえ。鎧売ってダナちゃんがつけるか、これをエルヴィンさんにあげるか。難しいねえ」

難しいところだ。「ペネトレーター」を渡す選択肢もなくはないが、どうしたものか。

1 両方自分たちで使う。「杜の鎧」は売る(ブーツの装備先も)
2 両方自分たちで使う。胸当ては無理やりライラが使う(ブーツの装備先も)
3 ブーツを渡して胸当ては使う。「杜の鎧」は売る
4 ブーツを渡して胸当ては使う。胸当ては無理やりライラが使う
5 ブーツを使って胸当ては渡す(この場合誰に装備かも)
6 両方渡す
7 ペネトレータ―を渡す

安価下5まで多数決。同数、あるいは決まらない場合はコンマが大きい方

あ、ダナの一人称間違えてました。「女の子限定の装備かあ。でもボク今の『杜の鎧』あるしなあ」が正しいです。
安価下。

5で決定します。

##############

「私はブーツをミドルに渡して、胸当てはエルヴィンに渡すのがいいと思うが」

「ボクも異論なし。もったいないしいい品だけど、ちょっと合わないよねえ」

ミドルが驚いたような顔をした。

「えっ、いいんですか?僕がこれ使っちゃって」

「ああ。というか、ベネディクトは『ペネトレータ―』を伸ばして使っていただろう。魔力があれば、ミドルにもできるかもしれんと思ってな」

「無理ですよ!あんな怪物と同じ真似、できないです」

「そうかなー。多分あれ自体は簡単にできるよ。ちょっと貸してみて」

ライラがミドルの「ペネトレーター」を手に取る。少し彼女が念を込めると、その刀身はすっと10ミドほどの距離まで伸びた。

「ほら。ライラじゃ小剣持ってても振れないし、何より魔導の力が逃げるから無意味だけど。大丈夫できるって」

ミドルは「そうなんですかねえ」と首をかしげている。ともあれ、これで決まりだ。

「エルヴィン、とりあえずこの胸当てをお渡しします。かなりのものですし、金品に変えれば村は潤うでしょう」

「本当か!600マドルものものを渡してもらえるとは望外だよ」

エルヴィンは深々と私たちに礼をした。「いや、お気持ちだけでも」と言ったが、彼はやめなかった。

「では、一回私の家に行こう。渡すものがある」


※ご指摘の通り、素の能力で知力7が必要です。ただ、命中判定が知力なので無駄ではないです。

############

「これを渡そう」

エルヴィンが私たちに渡したのは、小さな宝珠だ。

「トリス森王国から出るときに持ってきたものだ。2個あったが、1個は使ってしまってな。
もう冒険に出ることはないだろうから、残りは君たちに使ってもらおう」

「これは何ですか?」

「『不幸の宝珠』という。ああ、名前から想像するのとは逆の効果だ。一回だけ、不運を肩代わりしてくれるものさ」

「肩代わり?」

「そう。よほど酷い不運があったとき、一回だけそれを引き受けてこいつが割れてくれるのだ。
ここに来るときにエルダードラゴンに襲われたことがあったが、2つのうち1つはそこで割れた」

なるほど。これは心強い品だ。

「ありがたく使わせていただきます」

「ああ、君たちの冒険に幸あることを。何か心配事があれば、いつでも相談に乗ろう。あと、帝国だな。信頼しているよ」

私は心からの礼を言った。彼が村長で、本当に良かった。改めてそう思った。

※大ミッション「アングヴィラを救う財宝を見つけよ」をクリアしました!

※不幸の宝珠は00奇数が出たとき一回だけ無効化し、やり直すことができます。
ただ、使うか使わないかは選択できず、「00奇数が出た場合強制的にやり直し」になります。
00奇数が出た場面によっては有効でないこともありますので、その点ご承知おきください。

今日はここまで。明日はステータス上昇判定からになります。

少し再開。

成長判定行きます。シデからやります。

HP上昇=コンマ下÷4(四捨五入)
ただし、10未満は再判定

HP 53→74

ステータスの上昇ポイント数を決めます。

01~33 3ポイント
34~66 4ポイント
67~99 5ポイント

コンマ下

4ポイントの上昇です。

さて、4ポイントのうち2ポイント、好きなステータスに割り振れます。
どれにしますか?(賢さと魅力は2ポイント必要)

安価下

知力 5→6
器用さ 3→4

あとはランダムになります。

1回目

01~16 筋力
17~32 知力
33~48 器用さ
49~64 賢さ(2p)
65~80 耐久力
81~96 魅力(2p)
97~00 自由割り振り

自由割り振りです。2ポイント使えば賢さ、魅力も上げられます。

安価下

賢さ 14→15

※集気弾を覚えました。
(賢さで命中判定、朦朧ヒットなし、ダメージ コンマ下一桁×5+賢さ×5)
(フィンゴルの手甲の修正は乗らない)

シデ

HP 74
筋力 7
知力 6
器用さ 4+4
賢さ 15
耐久力 8
魅力 11+4

以上です。再開は多分夜。

余裕が少しできたので、ダナまでやってしまいます。

HP上昇=コンマ下÷4(四捨五入)
ただし、10未満は再判定

HP 95→113

ステータスの上昇ポイント数を決めます。

01~33 3ポイント
34~66 4ポイント
67~99 5ポイント

コンマ下

4ポイントの上昇です。

さて、4ポイントのうち2ポイント、好きなステータスに割り振れます。
どれにしますか?(知力と器用さ、魅力は2ポイント必要)

安価下

知力 10→11

あとはランダムになります。コンマで順に決定します。

1回目

01~16 筋力
17~32 知力(2p)
33~48 器用さ(2p)
49~64 賢さ
65~80 耐久力
81~96 魅力(2p)
97~00 自由割り振り

自由割り振りです。2ポイント使えば知力、器用さ、魅力も上げられます。

安価下

筋力 耐久

>>111
割り振りは一つだけなので、どちらかでお願いします。

耐久力 6→7

2回目

01~33 筋力
34~66 賢さ
67~99 耐久力

ゾロ目は自由振り分け

筋力 9→10

※物理攻撃の際の乗数が3→4になります。

※次回以降、成長判定では残り1ポイントになった際に「次回に回す」を選べます。
1ポイント分を次のランダム判定に使えるようにする選択肢です。

最後に好感度上昇
コンマ下一桁分

好感度 122→127

ダナ

HP 95
筋力 10
知力 11
器用さ 11
賢さ 8
耐久力 7
魅力 10
好感度 127

ミドル行きます。

HP上昇=コンマ下÷4(四捨五入)
ただし、10未満は再判定

ミドルHP 51→61

ステータスの上昇ポイント数を決めます。

01~33 5ポイント
34~66 6ポイント
67~99 7ポイント

コンマ下

5ポイントの上昇です。

さて、5ポイントのうち2ポイント、好きなステータスに割り振れます。
どれにしますか?

安価下

知力 3→5

あとはランダムになります。

1回目

01~16 筋力
17~32 知力
33~48 器用さ
49~64 賢さ
65~80 耐久力
81~96 魅力
97~00 自由割り振り

筋力 3→4

2回目

01~16 筋力
17~32 知力
33~48 器用さ
49~64 賢さ
65~80 耐久力
81~96 魅力
97~00 自由割り振り

筋力 4→5

3回目

01~16 筋力
17~32 知力
33~48 器用さ
49~64 賢さ
65~80 耐久力
81~96 魅力
97~00 自由割り振り

知力 5→6

好感度
コンマ下一桁上昇

好感度 104→112

ミドル

HP 51
筋力 5+2
知力 6
器用さ 5+2
賢さ 5
耐久力 6+2
魅力 4
好感度 112

最後にライラです。

HP上昇=コンマ下÷4(四捨五入)
ただし、10未満は再判定

HP 49→70

ステータスの上昇ポイント数を決めます。

01~33 3ポイント
34~66 4ポイント
67~99 5ポイント

コンマ下

3ポイントの上昇です。

さて、3ポイントのうち2ポイント、好きなステータスに割り振れます。
どれにしますか?(知力は2ポイント必要)

安価下

知力 10→11

後はランダムです。

01~20 筋力
21~40 器用さ
41~60 賢さ
61~80 耐久力
81~99 魅力

ゾロ目なら自由振り分け

筋力 2→3

好感度
コンマ下一桁上昇

好感度 51→57

ライラ

HP 70
筋力 3
知力 11
器用さ 5
賢さ 6
耐久力 6
魅力 7
好感度 57

これで成長判定終了です。
本編は後程。

ミドルのステータス訂正。

ミドル

HP 61
筋力 5+2
知力 6
器用さ 5+2
賢さ 5
耐久力 6+2
魅力 4
好感度 112

ああ、やらかしました。再訂正。ブーツを忘れてました。

ミドル

HP 61
筋力 5+2
知力 6+2
器用さ 5+2
賢さ 5
耐久力 6+2
魅力 4+2
好感度 112

再開。

##########

エルヴィンの家を出ると、西の空が茜色に染まっていた。そろそろギルドハウスに、穴から帰りつくことができた冒険者が集まる頃合いだ。

「そろそろ、かな。ゴラフさんの言ってた女が来るの」

「そうだな。問題は、仮にいたとして後をつけるか、その場で問い詰めるか。あるいは……」

「二手に別れて、片方はわざとつけられておくのはどうですか?もう一方が女をつけて、小道に入ったところで挟み撃ち。上手く行けばかなり確実に捕縛できるんじゃないかと」

ミドルの提案に、ダナはうーんと考え込んでいる様子だ。短い間に大分成長したなと思うが、そう上手くいくかは別問題だ。

ともあれ、ギルドハウスに行かねば話にならない。中には……

01~20 中年の女とミドルぐらいの歳の少女だ
21~50 中年の女と小柄な中年だ
50~70 それらしき人物はいない
71~99 中年の女一人だ

>>154
51~70の間違いです。訂正します。

ギルドハウスの入口からそっと中を覗くと、何人かいる冒険者の中に中年の女がいた。コーヒーにサンドイッチだろうか。テーブルの上のそれらには手をつけず、たまに店内を見回している。
カウンターにいたゴラフが私たちに気付くと、そっと女の方に親指を向けた。どうも間違いはなさそうだ。
女は幸いにして私たちに気付いていない。さて、どうするか。

1 店外に出るのを待って後をつける
2 店内に入り問い詰める
3 店内と店外の二手に分かれて挟み撃ちを狙う

安価下3多数決

「彼女が店外に出るのを待って、後をつけてみよう。……問題は二つ。誰がつけるかと、つけた後どうするか」

「うん、前にも同じようなことあったけど、ボクやシデじゃ目立つから尾行向きじゃないんだよね。それを承知でつけるなら、気付かれたら即捕まえにいかないと」

私はダナの言葉に頷いて続けた。

「そうだな。そして、上手く後をつけられたとして、アジトが分かったらどうするのかだ。一気に押し入るのか、確認できたのに満足して後日他の冒険者と一緒に押し入るのか。それも決めないといけない」

四人ともそれきり黙ってしまった。さあどうするか?

1 全員で尾行、アジトが分かれば突入
2 全員で尾行、アジトが分かったら後日応援頼んで突入
3 ミドルとライラが尾行、シデとダナはその後ろを付いていく。アジトが分かれば突入
4 ミドルとライラが尾行、シデとダナはその後ろを付いていく。アジトが分かったら?応援頼んで突入

安価下3多数決です。

「なら、僕が行きます。シデさんやダナさんほど、顔は把握されてないはずです」

「じゃあライラも。つけるなら二人の方がいいでしょ。シデさんとダナちゃんは、ライラたちの後ろからついてくる感じで」

なるほど、形は違えど二手に分かれてか。悪くない。

「問題は、つけた後だ。本拠が見つかったら、後日応援頼むべきだろうな。エルヴィンには帝国の残党について話してはいないが、言えば助けてくれるだろう」

異論はなかった。作戦遂行だ。

###########

女が出てきたのは、2刻半ほどしてからだった。随分待ったが、向こうも持久戦の構えだったのだろう。かなり遠間からだが、少し足取りが重いように見える。
一区画ほど先、ギルドハウスの二軒ほど隣の辺りにはミドルとライラがいる。女の姿を見て、ゆっくりと動き始めた。手を繋いでいるが、姉弟のふりだろうか。恋人には少し無理がある気もする。
私たちもその後をついていった。上手くいくか。

100-ミドル器用さ(7)×9=37以上で成功

80…成功

辺りが暗くなっていることもあり、女はミドルとライラに気付く風はない。上手くいっているようだ。
しかし、どうにも妙だ。女はどんどん街の中心部から離れ、街道の方に向かっている。
もうしばらくすると、建物らしい建物はなくなる。次の建物は、アングヴィラから1日歩いた先にある、畜農家の家のはずだ。そこまで歩くのか?そもそも、そこが誰かに乗っ取られたなどという話は聞いたことがない。

「シデ、これ変だよ。合流した方がいい」

私は同意し、歩くペースを上げた。徐々に先を行くミドルとライラとの距離が詰まる。
その時、女が足を止めた。気付かれたか?いや、その気配はない。
……ただ、女は懐から何かを取り出して何か操作しようとしている。これは止めるべきか?

100-ライラ知力(11)×5=45以上で成功

40…失敗

ライラが何かしようと動いた。しかし、女の姿は歪んで消えた。まるで帰還のルーンを発動した後のように。

「ごめん、間に合わなかった」

ライラは悔しさを隠さず言った。

「いや、ここまでよくやってくれた。多分、私たちがつけていたのはバレていない。だからさほど問題はないはずだ。……それに」

私はダナの方を見た。

「この消え方。帰還のルーンを使った時みたいだったよね。とすれば」

「アジトは『穴』の中、ですか」

ミドルも同じ結論に達したようだ。

「そうなるな。とすれば、潜っている最中に行き着いてしまう可能性はゼロではない。一番いいのは、今度それらしい人物を見つけたら、捕縛してしまうことだな」

次の日か、その次か。勝負はそこになりそうだ。

###########

翌日。3人はいつも通り8の刻頃に家に来た。簡単な朝食を取りながら、今日の方針について話し合う。

「ライラは探索でいいと思うな。ガチャ倒しておきたいし。二階層なら、戻れば夕方ぐらいでしょ?仕切り直しには、丁度いいと思うけど」

迂闊にふらふら出歩いて、奴らに見つかるのも芸がない。ここは下に行っておくのが正解だろう。

【第十四階層】
雰囲気…コンマ下

【第十四階層】
雰囲気…そこそこ安全

降り立った先は、針葉樹の森だった。獣の通った跡が、進むべき道を示している。

「少し肌寒いけど、それ以外はあまり大した感じはしないね」

ダナが言う。そう言えば、イーリスもこのぐらいの気温だっただろうか。
もう人が住まなくなって久しい故郷を思うと、軽く心が軋んだ。

少し歩くと……

01~20 魔物だ
21~40 野犬が三匹いる
41~60 リスがこちらを見ている
61~80 何かの実をつけた木々を見つけた
81~99 何かが落ちている

少し歩くと、何かの実をつけた木々を見つけた。ミドルが興味深そうに見ているが……

100-ミドルの知力(8)×8=36以上で成功

17…失敗

ミドルは「うーん、分からないですねえ」とだけ言った。パッと見食べられないこともなさそうだが……

1 食べてみる
2 先を急ぐ

「とりあえず一つだけもらって先に行くか」

私は実を一つザックに放り込んだ。食べられるものなら、後でゴラフでも聞けば教えてくれるだろう。

さらに先に進むと……

01~10 誰かいる
11~30 魔物だ
31~50 鹿がいる
51~70 何か落ちている
71~90 あっさり階段を見つけた
91~97 ふらふら歩く魔物がいる
98、99 ???

さらに行くと、道端に何か落ちている。光っているようにも見えるが、何だろうか?

01~20 鉄塊だ
21~40 古い銅器だ
41~60 盾だ
61~80 手斧だ
81~99 長剣だ

手にとってみると、古い銅器だ。

「あまり価値無さそうですけどねえ」

ミドルは渋い顔だ。まあ、鑑定するだけしてみよう。

01~20 鑑定計は動かない
21~40 100マドルを指した
41~60 200マドルを指した
61~80 300マドルを指した
81~95 400マドルを指した
96~98 500マドルを指した
99   ???

鑑定計はピクリとも動かなかった。

「うん、やっぱりゴミでしたね。先に行きましょう」

ミドルはこの辺り非常に冷静というか、冷徹だ。彼は一人っ子であったらしいが、村では年齢が近い子どもが全て年下というのもあって、まとめ役的な立場であったとも聞いた。
真面目でどことなく背伸びをしたがっている気がするのは、そのせいかもしれない。

さらに先に行く。

01~15 階段近くに誰かいる
16~90 階段を見つけた
91~99 階段近くに昨日の女がいる

あっさりと階段は見つかった。さて……

「次は、ガチャがいるだろうね」

ライラの言葉に、皆が頷いた。かなり戦力は整っているし、ミドルも育ってきた。勝ち目は高そうだが、油断はできない。

「とりあえず、万全は期したいけど。ミドル、身体増強薬飲む?」

「うーん、迷ってます。身体にかかる負担は大きいらしいですし。もっと先にとっておきたい気もするんですよね」

私は……

1 使うといい
2 ならばやめておくべきだ
3 なら、私が使っていいか

「ならば、やめておくべきだな。ドラゴンやら、倒すべき相手の時に使う方がいいと、私も思う」

「そうですよね。じゃあ、頑張りましょう」

私たちは階段を降りていった。

【第十五階層】
雰囲気…コンマ下

【第十五階層】
フロアマスター 「怪竜ガチャ」
雰囲気 55…普通だが……?

「……何、ここ?」

ダナが降りるなり唖然とした声を出した。無理もない。そこにあったのは、小さな集落であったのだから。
しかも、人がいる?近くにいるのは農夫風の男だ。これはいったいどうしたことだ?

「すみません、ここは?」

私が聞くと、男は驚いたように口を開いた。

「お……おお!久し振りの人だ!何と言うか……永かったよ。本当に、永かった……」

そう言うと男は崩れ落ちて泣き始めた。

「一体どうしたというんです。『穴』に人が住んでいるのも、集落があるのも想像をはるかに超えているんですが」

「あ、ああ。それは、そうだろうな。まず家に上がってくれ。話はそれからだ」

男は涙で濡れた目を擦りながら立ち上がった。

##########

「ここが私の家だ。さあ、上がってくれ」

戸惑いながらも私たちは家に入った。男は部屋の奥からグラスと飲み物が入った瓶を持ってきて注いだ。香りからして、ジュースか何かだろうか?

「遠慮せずに飲んでくれ。まあ、『穴』を探索していたら人が住んでいるところに出くわすなんて、警戒しないわけにはいかんだろうが」

「……あなたは、何者なんですか?」

私はそれでも警戒を解かずに言った。「一族」ではないと思うが、関係があるなら厄介だ。

「私はクラークという。元々はアングヴィラ近くの集落でトウモロコシと芋を作って生活していた。もう10年以上も前だがな」

クラーク?聞いたことがない。ただ、私がアングヴィラに来たのは5年前だから、知らないのは当然とは言える。

「それが、なぜここに?」

クラークと名乗る男は首を振った。

「分からん。夜寝てたらいきなり光に包まれ、気が付いたらここにいた。集落ごと移されていたが、他の誰も分からなかった」

「今ここにいるのは、クラークさんだけですか?」

ダナが訊いた。

「ああ。向かいのタケ爺とムウラ婆は3年前に死んだよ。老人が多かったから、皆自然と逝っちまった。あるいは逃げようとして魔物に食われたかだな。1年前にはアラン一家がいたが、緑色の魔物に食い殺されちまった。『夜』に出歩くからだ」

「『夜』?」

「ああ、この階層に来て妙に明るいとは思わなかったか?お日さまの光じゃねえが、それを真似たようなのがどこからかにあるのさ。それが消えると、『夜』が来る。緑色のあいつの時間さ」

私たちは顔を見合わせた。「怪竜ガチャ」であるのは間違い無さそうだ。
クラークは続ける。

「奴は絶対に昼には来ない。家のなかにも入らない。ただ、夜出歩いている奴はとりあえず補食する。
ここに来た当初はそれに気付かない奴が20人ぐらい死んださ。おかげで残ったのは爺婆ばかりになり、遂には俺だけになった。
アラン一家は頑張ったんだが、アランの親父さんが狂っちまったんだろうな。夜に飛び出したアランを連れ戻そうとそれっきりだ。奴らが生きてりゃ、まだ……」

クラークが悲痛な表情で下を向いた。

「ということは、一年も一人だったわけですか。でもどうやって生きてきたんです?」

「それが妙でな。あとでちょっとついてきてくれ」

ここまで。また妙な感じになってきましたが。

>>1的には想定内?

>>199
若干の想定外、と言った程度です。いつかはやるつもりでしたが、ガチャと重なったので調理法を思案中といったところでしょうか。

再開。

############

クラークが連れてきたのは、集落の隅にある小屋だった。ただ、見た目からして違う。屋根も窓もない。ただ四方を壁で覆われている。
クラークが壁にある釦を押すと、その壁の一角が開いた。「ええっ!?」と驚く声が聞こえたが、信じがたいのは私も同じだ。どこに扉があったのか、まるで分からなかった。

「こいつだ」

クラークが指差したのは、彼の背丈ほどもあるような巨大な細長い箱だ。箱の横には……小さなテーブルのような何かがあった。
クラークはそこに行くと、指で何か操作し始めた。ピッピッと音がする。
そして箱を開けるとそこには様々な食材が並んでいた。肉まである。新鮮そうで、食べるには支障がなさそうだった。

「これは望んだ食い物をここに運んでくれる『遺物』だ。そこの板に食いたいものを教えると、好きなだけの食い物がこの箱に入るようになってる。だから決して餓えることはなかった」

箱の中に手をやるとかなり冷たい。氷魔法の応用なのだろうか?

「あんたたちに出したリンゴのジュースも、ここから取り出したものだ。まあ、満たしてくれるのは空腹だけで、孤独までは満たしてくれねえんだが」

クラークが寂しそうに笑った。

背中がツンツンとつつかれる感じがする。ダナが「耳を貸して」という。クラークは酒をせがむライラの対応に苦慮しているところだ。少しだけなら大丈夫だろう。

「……やっぱり変だよ。これ『一族』が関わってるんじゃないの?」

「何でも彼らに結びつけるな……と言いたいが、そう考えるのが自然だな。問題は、誰が、何のためにやったことかだ」

ダナは「うーん」と黙ってしまった。ベネディクトかもしれないが、クラークたちを生かしていく意味がわからない。また、性格上コーウィンやランダムではないだろう。
帝国の背後にいる奴らなら、ミドルの村のように焼き払うのではないか。
とにかく、現状では結論を出すには情報が少なすぎる。

「説明は終わった。家に戻るぞ」

クラークがそう言う背後で、ライラは満面の笑みで、一本の葡萄酒を抱えていた。

「……で、どうするの?ガチャは夜になるとこっち来るんでしょ。闇討ちのチャンスかも」

クラークの家に向かう途中でダナが訊いてきた。

「確かにそうだが、帝国の残党をどうするかは明日に回さなきゃいけない。あの女が、今日も探しに来ていることすら分からない。早めに手を打つべきかとも思うが」

「それもそうだよねえ。ってクラークさん、ガチャって昼どこにいるか知ってますか?」

「ああ、奴はここからそう遠くない所に家を持っている。……怪物が家を持つというのは変に聞こえるかもしれんが、本当だ。そして昼はそこで寝ている、らしい」

寝ているなら襲えば好機では?と思ったが、クラークは続けた。

「ただ、戻ってきた者は一人だけ。その一人も戻ってすぐに死んださ。何が起こったか、全て語ることすらできなかった」

昼に行くのにもそれ相応のリスクがあるようだ。どうするか?

1 今から急襲する
2 夜まで待つ

安価下3多数決

「念には念を、だな。夜に奴が来たら、入口近くで待つ。通り過ぎたら、背後から急襲だ。一斉攻撃で反撃の余地を与えず倒しきってしまおう」

ダナが頷いた。「それでいいね」と言うと、ミドルとライラにも伝えて承諾を取った。半日は、クラークの家で時間を潰すことになる。

##########

夜にガチャを襲うとクラークに伝えたら、「それは無茶だ」と動揺された。集落の約半分が奴に食われているのだから、それも道理ではある。
ただ、半刻ほど滔々と説得しやっと折れた。「お前たちを信じることにするよ」との言葉を、裏切るわけにはいかない。

彼は話し相手に餓えていたからか、随分と饒舌だった。今35であること、惚れていた集落の女に振られたこと。その女もあっさり死に、美しく育ったアラン一家の末娘もガチャに食われてしまったこと。
この一年生きてきたのは、「意地のようなものだ」という。「生き続ければ、いつかは帰れる」とかすかな希望を繋いだ先が、私たちだったというわけだ。
もし私たちがガチャを倒したら、一緒にアングヴィラに帰り商売したいという。「その時は、あの小屋ごと戻れねえかなあ」だそうだが、さすがにそれは無理な願いだろう。

###########

そして、夜が来た。例の小屋近くで、4人息を潜める。そして、闇に紛れて小柄な何かが向こうから来た。はっきりとまでは見えないが、小さな鶏冠のようなものがある。

間違いない。「ガチャ」だ。

90-器用さ(8)×8=26以上で成功

一気に距離を詰める。が、奴の目がこちらに向いてギラリと光った。気付かれたか。

「遊ぼうよ!僕の友達!」

50以上で先制

良いところですがここまで。なお、視界が悪いので命中、回避判定は10マイナスされます。

再開。

向こうも戦闘態勢に入ったが、こちらの方が少し早い。問題は、私がどうするかだ。
今、覚えたての集気弾を撃つか?暗闇で遠間から打って当たるか微妙だ。
ならもう少し近付いて、当たる距離まで行くか。ただ、攻撃できるのは後になる。先にダナに遠距離攻撃を撃たせて、その上で叩き込むか?

1 集気弾を撃つ
2 接近して殴る

私は足を止めずに奴に走った。確実に、接近戦で仕留める!

「いっけえええ!」

ダナが後ろから雷光を放った。それは私たちを追い抜きガチャに向かう……

90-知力(11)×5=45以上で成功

光の矢はガチャに直撃した!

ダメージ
コンマ下一桁×4+知力(11)×4

ダメージ
(28+44)×2=144

ガチャ残りHP 400-144=256

『うわああああ!痛いなぁもぅ!』

半目の隙間から、憎悪に満ちた視線が私たちを射抜く。

『みんな集まれー!』

先陣を切る私とミドル、後方支援のダナとライラの間にある地面が急に盛り上がってきた?

01~25 ヒドラが4体だ!
25~50 ヒドラが3体だ!
51~75 ヒドラが2体だ。
76~99 ヒドラが1体だ。

そこから出てきたのはヒドラが2体。これはダナとライラに任せるしかない。
私は構わず駆けると、ミドルより一歩先にガチャの元に辿り着いた。
近いが暗い。右を全力で振るうが、当たるか?

50-器用さ(8)×5=10以上で成功

44…成功、朦朧ヒット

闇雲に振るった右は、怪物の顎に当たる部分を打ち抜いた!ゴキィと嫌な音が響く。もらった……!

ダメージ
コンマ下一桁×3+筋力(7)×3+35

ダメージ
18+21+35=74

ガチャ残りHP 256-74=122

急所を射抜く一撃で、奴の意識はまだ定まらない。もう一撃!

ダメージ
コンマ下一桁×3+筋力(7)×3+35

ガチャ残りHPは182です。訂正します。
コンマ下。

ダメージ
24+21+35=80

ガチャ残りHP 182-80=102

次の一撃は左をこめかみに。右を突き上げ終わらせよう。

ダメージ
コンマ下一桁×3+筋力(7)×3+35

ダメージ 74

※朦朧継続のため、ガチャの死亡が確定。

右を突き上げると、ガチャはそのまま仰向けに倒れた。微かに息はあったが、顔面にもう一度右を叩き込むと、緑色の怪獣はあっさりと事切れた。

振り向くと、ダナとライラがちょうどヒドラと向き合ったところだった。

「ミドル!後から刺せ!」

ミドルは軽く頷くと、銀色の小剣を無警戒のヒドラに刺した!

ダメージ
コンマ下一桁×3+筋力(7)×3+20

朦朧がこれだけ一方的だと敵として使ってくる敵が怖いな
何階層から出るか知らないけど

朦朧じゃなくても混乱や毒に麻痺に洗脳とか
とにかく状態異常付与の敵相手に低コンマが出るとひぃひぃ言う羽目になりそう

>>243
第二十階層くらいですかね。ぼぇーなあれとか。

>>245
ガチャは混乱攻撃持ってましたが、やる暇もなくぶっ殺されました……

では、続き。

ダメージ 24+21+20=65
ヒドラ残りHP 150-65=85

「PYEEEEEE!!!!!」

ヒドラが怪音を7つの首から叫んだ。
もう一匹のヒドラには、ライラが闇を纏わりつかせようとしていた。

100-知力(11)×5=45以上で成功

92…成功

闇はすっぽりとヒドラを覆った。ミドルが刺した方のヒドラにはダナが斬りつけようとしている。
なら、私はライラの方をやることにしよう。背後から左を辻斬りのように撃ち込む。

ダメージ
コンマ下一桁×3+筋力(7)×3+35

ダメージ 27+21+35=83
ヒドラB残りHP 67

隣ではダナが袈裟斬りにした後、ミドルが止めの一撃を突き刺していた。こちらもそろそろ仕上げだ。

……その時。残したヒドラが暴れ始めた。ヒドラを覆う暗闇から、何か光っている。……これは?

「まずい、避けろ!」

01~40 ダナとライラに向けてブレスを放った!
41~80 私とミドルに向けてブレスを放った!
81~99 不発に終わった。

しかし、それは微かな黒煙を吐くだけで不発に終わった。それを見た私は、奴の胴体目掛け止めの一発を打つ。
ヒドラの巨体は、音を立てて崩れ落ちていった。

※大ミッション「怪竜ガチャを倒せ!」をクリアしました。
※第十五階層小ミッションをクリアしました。

「なんだか呆気なかったねえ」

ライラが呑気そうに言った。手間取れば分からなかったが、速攻でガチャを始末できたのは幸いだった。

「しっかし、これどんな生き物なんだろうね……って牙折れてたよ」

ダナがガチャの死骸近くから何かを取り上げた。短く白い牙のようだ。私の止めで折れたらしい。
これを削り出すと、良質の武具ができるという。どんなものなのだろうか?

「……シデさん、段々人間離れしてきましたね……この前も触手の怪物、瞬殺してましたし」

私はミドルの言葉に苦笑した。大体は、ランダムからもらった手甲のせいだとは思うが。

「って、あれ?この怪物、何かを落としてますよ」

暗闇で見えにくいが、確かに何かが光っている。これは……

01~20 骨董品だ
21~50 ティアラだ
51~80 ワンドだ
81~99 指輪だ

落ちていたのはワンドだ。よく見ると、ガチャの腹部にはポケットのような何かがある。
確かダナは、ガチャには遺物を集める性質があると言っていた。これは期待できそうだ。

##########

「本当に、本当にあいつを倒したのか?」

全くの無傷で戻ってきた私たちに、クラークは半信半疑だった。

「まあ、来てもらえれば分かります」と死骸の所に連れていくと、クラークは死骸を殴り始めた。

「うあああああ!これはっ、デイジーの分!これはっ、アランの分!これはっ……」

涙を流しながら死骸を駄々っ子のように殴るクラークに、私たちは何も言えなかった。

##########

クラークが落ち着くと、私たちは階段を探して帰る旨を伝えた。

「あなたも帰るつもりでしょう?」

「ああ、その前に。これは礼だ、取っといてくれ」

クラークは家の奥から剣を持ってきた。なかなか立派な鞘だが、なぜここに?

「地上にいた時、ある騎士を泊めてな。その時の例にと貰った品だ。ただ、農家の俺には振るえる代物じゃない。だからお前らが使ってくれ」

ぱっと見、かなりの逸品だ。さすがに悪いと断ったが、クラークの熱意に負けた。これはダナ用だろうか。

###########

私たちは帰路につくことにした。階段があるとすればガチャの家かと思い向かうと、奴の顔を模した家がそこにあった。
「ガチャの家」とわざわざ表札にある。奴は何者だったのだろうか。
扉の取っ手に手をかけると、ダナが「かなり高度な罠がある」という。何事かと思い訊いてみると、「開くと大きな音が鳴る仕組みなんだ」とのことだ。
ただ、もう主はいない。思いきって開けると、ピリリリリリリ!!と甲高い音が家中に響き渡った。なるほど、これがあるから昼間は寝ていられた、というわけだ。

家の1階には下り階段があったが、それとは別に収穫もあった。それは……

01~33 鎧を見付けた
34~66 魔力がこもった服を見付けた
67~99 指輪を見付けた

それは重鎧だった。細工が施された品だが、これも奴の収集品だったのだろうか?

「装備できるとしたらボクだけかなあ。でも、まあ中身次第だよね」

夜も遅いので、ひとまずは帰還だ。鑑定は明朝でいいだろう。

「クラークさん、いいですか」

「ああ、10年ぶりのシャバだ。……やっと帰れる」

そう言った彼の目は、歓びと哀しみと寂しさが入り交じったような、何とも言えないものだった。

本編ここまで。これ以降はステータス上昇判定です。

なお、一方的にボコったわけですが、一応苦戦への道筋は用意してありました。……まあ、最後のブレスまで回避されてはお手上げですね。

では成長判定行きます。シデから。
なお、大小両ミッション一緒です。

HP上昇=コンマ下÷2(四捨五入)
ただし、10未満は再判定

シデHP 74→94

ステータスの上昇ポイント数を決めます。

01~20 5ポイント
21~40 6ポイント
41~60 7ポイント
61~80 8ポイント
81~00 9ポイント

コンマ下

8ポイントの上昇です。

8ポイントのうち3ポイント、好きなステータスに割り振れます。
どれにしますか?(賢さと魅力は2ポイント必要)

安価下

知力 6→9

あとはランダムになります。

1回目

01~16 筋力
17~32 知力
33~48 器用さ
49~64 賢さ(3p)
65~80 耐久力
81~96 魅力(2p)
97~00 自由割り振り

賢さ 15→16

2回目

01~20 筋力
21~40 知力
41~60 器用さ
61~80 耐久力
81~00 魅力(2p)

ゾロ目は自由振り分け

耐久力 8→9

3回目

01~25 筋力
26~50 知力
51~75 器用さ
76~00 耐久力

耐久力 9→10

シデ

HP 94
筋力 7
知力 9
器用さ 4+4
賢さ 16
耐久力 10
魅力 11+4

小休止入れます。なお、シデの賢さが18になると、例のドーピングを覚えます。
しかし、筋力伸びませんねえ。今のままでも過剰に強いですけど。

では、ダナです。

HP上昇=コンマ下÷2(四捨五入)
ただし、10未満は再判定

ダナHP 95→141

ステータスの上昇ポイント数を決めます。

01~20 5ポイント
21~40 6ポイント
41~60 7ポイント
61~80 8ポイント
81~00 9ポイント

コンマ下

9ポイントの上昇です。

9ポイントのうち3ポイント、好きなステータスに割り振れます。
どれにしますか?(筋力と知力、器用さ、魅力は2ポイント必要)

安価下

あと、ダナのHPですがずっと間違ってました。正しくは113→159です。

筋力 10→11
耐久力 7→8

以下、ランダムになります。

1回目

01~16 筋力(2p)
17~32 知力(2p)
33~48 器用さ(2p)
49~64 賢さ
65~80 耐久力
81~96 魅力(2p)
97~00 自由割り振り

魅力 10→11

2回目

01~16 筋力(2p)
17~32 知力(2p)
33~48 器用さ(2p)
49~64 賢さ
65~80 耐久力
81~96 魅力(2p)
97~00 自由割り振り

器用さ 11→12

3回目

01~16 筋力(2p)
17~32 知力(2p)
33~48 器用さ(2p)
49~64 賢さ
65~80 耐久力
81~96 魅力(2p)
97~00 自由割り振り

魅力 11→12

好感度上昇
コンマ下一桁

好感度 127→136

ダナ

HP 159
筋力 11
知力 11
器用さ 12
賢さ 8
耐久力 8
魅力 12
好感度 136

またちょっと休憩。
ダナちゃん、実に平均的に上がりますね。優等生的ですが、爆発力が欲しいところ。
知力か器用さが15に達すると、何かがあるかもしれないですが…。

というか、職によって違いますが特定のステータスが15まで到達すると、強力スキルが開放されます。
例えばシデの集気弾は基本9割当たる上に最低ダメージが85という鬼のようなものです。…朦朧取れないんで、そこが難点ですが。

ミドル行きます。

HP上昇=コンマ下÷4(四捨五入)
ただし、10未満は再判定

ミドルの判定、間違えました。

HP上昇=コンマ下÷2(四捨五入)
ですね。

ミドルHP 61→71

ステータスの上昇ポイント数を決めます。

01~20 9ポイント
21~40 10ポイント
41~60 11ポイント
61~80 12ポイント
81~00 13ポイント

コンマ下

13ポイントの上昇です。

13ポイントのうち3ポイント、好きなステータスに割り振れます。
どれにしますか?

安価下

あ、ゾロ目のため自由振り分けは4ポイントです。

知力6→10

※薬草知識を身に付けました。戦闘中に治療薬や高速治療薬など回復アイテムを使った場合の効果が倍になります。

※ペネトレーターによる遠距離攻撃ができるようになりました。

あとはランダムになります。

1回目

01~16 筋力
17~32 知力(2p)
33~48 器用さ
49~64 賢さ
65~80 耐久力
81~96 魅力
97~00 自由割り振り

知力 10→11

2回目

01~16 筋力
17~32 知力(2p)
33~48 器用さ
49~64 賢さ
65~80 耐久力
81~96 魅力
97~00 自由割り振り

賢さ 5→6

3回目

01~16 筋力
17~32 知力(2p)
33~48 器用さ
49~64 賢さ
65~80 耐久力
81~96 魅力
97~00 自由割り振り

筋力 5→6

4回目

01~16 筋力
17~32 知力(2p)
33~48 器用さ
49~64 賢さ
65~80 耐久力
81~96 魅力
97~00 自由割り振り

賢さ 6→7

5回目

01~16 筋力
17~32 知力(2p)
33~48 器用さ
49~64 賢さ
65~80 耐久力
81~96 魅力
97~00 自由割り振り

筋力 6→7

6回目

01~16 筋力
17~32 知力(2p)
33~48 器用さ
49~64 賢さ
65~80 耐久力
81~96 魅力
97~00 自由割り振り

自由振り分けです。

安価下

知力 11→12

7回目

01~20 筋力
21~40 器用さ
41~60 賢さ
61~80 耐久力
81~00 魅力

ゾロ目は自由振り分け

自由振り分けです。安価下。

魅力 4→5

好感度上昇
コンマ下一桁

好感度 112→118

ミドル

HP 71
筋力 7+2
知力 12+2
器用さ 5+2
賢さ 7
耐久力 6+2
魅力 5+2
好感度 112

最後にライラです。

HP上昇=コンマ下÷2(四捨五入)
ただし、10未満は再判定

ライラHP 70→116

ステータスの上昇ポイント数を決めます。

01~20 5ポイント
21~40 6ポイント
41~60 7ポイント
61~80 8ポイント
81~00 9ポイント

コンマ下

9ポイントの上昇です。

9ポイントのうち3ポイント、好きなステータスに割り振れます。
どれにしますか?(知力は2ポイント必要)

安価下

知力 11→12
器用さ 5→6

1回目

01~16 筋力
17~32 知力(2p)
33~48 器用さ
49~64 賢さ
65~80 耐久力
81~96 魅力
97~00 自由割り振り

耐久力 6→7

2回目

01~16 筋力
17~32 知力(2p)
33~48 器用さ
49~64 賢さ
65~80 耐久力
81~96 魅力
97~00 自由割り振り

知力 12→13

※「闇吸血」を覚えました。(最大2体を対象に盲目+ダメージコンマ下一桁×3+知力×3、かつダメージ÷5だけ回復)

3回目

01~16 筋力
17~32 知力(2p)
33~48 器用さ
49~64 賢さ
65~80 耐久力
81~96 魅力
97~00 自由割り振り

耐久力 7→8

4回目

01~16 筋力
17~32 知力(2p)
33~48 器用さ
49~64 賢さ
65~80 耐久力
81~96 魅力
97~00 自由割り振り

筋力 3→4

5回目

01~20 筋力
21~40 器用さ
41~60 賢さ
61~80 耐久力
81~00 魅力

ゾロ目は自由振り分け

賢さ 6→7

好感度上昇
コンマ下一桁

好感度上昇はゾロ目のため倍です。

好感度 57→75

ライラ

HP 116
筋力 4
知力 13
器用さ 6
賢さ 7
耐久力 8
魅力 7
好感度 75

以上です。…ミドルがヤバイことになってます。HP以外。
装備でかさ上げされまくっているとはいえ、多分火力はシデに次ぎますね。

なお、15到達でスキル取得となるパラメーターは以下の通りです。(魅力は全て共通)

シデ 筋力、賢さ
ダナ 知力、器用さ
ミドル 知力、器用さ
ライラ 知力、耐久力

もうこれドラゴン行ってもいいんじゃね?
ライラ次第だが

それにしても、豪運なパラメーター上昇でした。シデが見劣りするとか色々おかしい。

>>360
一応言いますが、まだ装備鑑定終わってないんすよね…。
ドラゴンはコンマ次第ですが、悪いコンマが出ても戦えそうな気はします。
てかミドル君が今回はっちゃけた成長をしたので、足手まとい化はないです。多分。

再開です。

結果的に大盤振る舞いになりましたが、次の成長機会はドラゴン討伐ぐらいしかないので、大丈夫です。多分。

########

その夜は全員、私の家に泊まった。客人用のベッドと布団を合わせても足りなかったので、私は床に寝た。寝心地は良くなかったが、やむを得ない。
それに、クラークをどうするか考えていた。10年ぶりの地上で身寄りもない。エルヴィンに相談すべきだろうが、受け入れ先があるのだろうか。考えると、眠気はなかなか訪れなかった。

########

「で、まず簡易鑑定だね」

朝食を食べ終え、ダナが切り出した。いきなりイェンダーの所に持っていってもいいのだが、ある程度目星がついていないと時間がかかってしまうらしい。
「魔力含有量くらいそっちで調べとけ」だそうだ。
収穫は3つ。ワンドに長剣、そして鎧だ。まずはワンドから行こう。

01~30 300マドル
31~60 400マドル
61~80 500マドル
81~99 鑑定計が動かない

「400マドルか、まずまずだねー」

ライラがうんうんと首を振っている。次は長剣だ。

01~20 300マドル
21~60 400マドル
61~80 500マドル
81~99 鑑定計が動かない

「これも400か。まあ長剣ならボクが使えるし、無駄にはならないかな」

「マドルってなんだい?」

横からクラークが覗いてきた。唐突だったせいか、ダナが「きゃっ」と小さく声を上げた。

「武器や道具、あるいはその他の道具に込められた魔力のことですよ。これが多いと、強力なものになりやすいのだそうです」

「じゃあ、この剣はいいのかい、悪いのかい」

ミドルが説明するとクラークは興味津々だ。

「400だと、かなりの逸品ですね。店売りだと最高級に近いかと」

「そんなものなのか?なぜあの騎士は、俺にそんなものをくれたんだろうな。宿代にしては高いだろ……」

唖然とするクラークを尻目に、最後の鑑定だ。

01~20 400マドル
21~50 500マドル
51~80 700マドル
81~99 鑑定計が動かない

「500か、低位遺物って感じだね。まあ、乗り換えるかは中身次第かなあ」

ダナは思案顔だ。どちらにせよ、どちらかは売ることになる。

「で、イェンダーさんの所に行くのはいいとして。今日どうしようかねー。お師匠のところに行ってもいいけど」

「……まずはエルヴィンにクラークを紹介しよう。それから鑑定してもらって、どうするかだ」

これはなかなか悩ましい。帝国のことも気になるが、ライラの師のところにも近いうちに行かねばならない。ドラゴン討伐も頃合いだ。さて、どうしたものか?

1 帝国残党を探す
2 テルモンに行く
3 ドラゴン討伐に向かう
4 自由安価

安価下3多数決

ここまで。やっと旅らしくなります。

ちょい荒れ気味なので。

安価取る際に意見を書くのは歓迎です。
多数決形式を多く使っているのは、ストーリーの暴走防止のみならず、色々推理して欲しいという思惑もあります。
ただ、他の方の批判だけは避けて頂けたらと。その点、よろしくお願いいたします。

なお、作者的には「えーそっち選ぶ?」みたいなのが存外多く、ある意味楽しんでます。
シデの手甲なんて、その産物ですしねw。あそこでみんな一斉にランダムにたかりに行ったのは吹きました。
(そこから低確率成功→ゾロ目で頭を抱えちゃったわけですが)

どうでもいいけど一族ってベネディクト押さえるときは結託したのよね…正気を失った方は置いておくとして、まともな感性がある人達には協力を仰げないだろうか…呉越同舟的な感じで一時的に。上位のコーウィンですら五分な相手が自分たちの殺害を企ててると知れば皆覇権争いどころの話じゃなくなってくる気も…

2130ぐらいから再開。

>>399
マトモな感性の持ち主が何人いるかというそもそも論があります。

では、再開。

「……なら、テルモンに向かおう。『影のジャック』に会えば、何かしらの情報を持っているかもしれない」

「そうだねー。お師匠、部屋散らかしてないかなー」

「……ちょっと待って。帝国の残党はどうするのさ」

暢気に言うライラに、ダナが異論を挟んだ。確かにそれはもっともだが。

「奴らがまだ、アングヴィラにいる可能性は?私たちは、昨日一日ここにいなかった。一昨日見掛けた女は、かなり憔悴していた。奴らは奴らなりに、かなり切羽詰まっているのじゃないか」

「……まあ、そうだけど」

「それに、私たちを狙っているなら逃げるのも手だ。多分、アングヴィラを潰す計画は頓挫した。だから私たちを探しているとすれば、ここを離れてしまうのは悪手じゃない」

ダナは黙ってしまった。一応、筋は通っているはずだ。

「でも、ドラゴンはどうするんですか?テルモンに向かうなら、途中で寄れなくはないですけど」

ミドルもやや不満げだ。彼の気持ちも分かる。かなり成長した今のミドルなら、十分戦力として期待はできる。

「そうだな。だが、やるには万全を期したい。テルモンの方が、色々道具は揃う。その上で行った方が、より確実だと思っているが」

「まあ、確かに……」

ミドルも一応は納得してくれたようだ。

「決まりだな。テルモンに向かおう。一週間ぐらいはかかるが、街道沿いに行けば問題はないはずだ」

#########

イェンダーの所に行く前に、エルヴィンにクラークを紹介した。
クラークの集落が消えた話は噂には知っていたらしいが、本人を前にしてさしものエルヴィンも相当驚いたようだった。
「少しでも人口が増えるのは大歓迎だ」とのことで、しばらくクラークはエルヴィンの家を間借りすることになった。当面はエルヴィンが仕事を世話するという。

「なあ、頼みがあるんだが」

去り際、クラークが言った。

「俺の集落がなぜ消えたか、調べて欲しいんだ。俺には皆目見当もつかないが、あれで俺含めてみんなの人生が狂った。だから頼む。せめて理由だけは知りたい」

「分かりました。約束します」

私はクラークに微笑んだ。

※40以上で追加イベント

エルヴィンの家を辞すると、後ろからエルヴィンが急いで追いかけてきた。

「……ああ、済まん。大事なことを言うのを忘れていたよ」

エルヴィンは膝に手を当て、息を切らして言った。

「君らを探していた女だが。今朝、死体で見つかったそうだ。町外れでな。保安官のペレスが話を聞きたがってたから、後で行ってくれ」

私たちは、顔を見合わせた。

ペレスの事務所は、エルヴィンの家から徒歩で2分ほどの所にある。
行くと、不機嫌そうな褐色の肌の男が、商人風の男と話していた。

「……シデか。エルヴィンから話は聞いている。協力願いたい」

褐色の男、ペレスは私たちに中に入るよう促した。

「何も出せなくてすまんな。まあ、あまり時間は取らせん。追われていたと聞いたが」

「ええ、確かに。実は、私たちも彼女を追ってました」

「何故だ」

ペレスは短いが、有無を言わせぬ口調だ。さすがに私を疑っているわけではないだろうが、どこまで話すか。

1 全て正直に話す
2 適当にごまかす
3 サーシャの件のみ話す

あ、サーリャでした。訂正します。
安価は下3多数決です。

413は有効投票とします。残り2です。

私はサーリャ一行が帝国の鎧を着た男二人組に襲われたことと、私たちが瀕死の彼女を助けた話をした。
その後、私たちを探す怪しい人物が出てきたとも伝えた。それがおそらく、彼らの仲間だろうことも。

「筋は通っているな、ただ、証拠がない。サーリャという冒険者は、既にここを発っているのだろう。実在したかも怪しい」

「宿屋の記帳にサーリャとそのパーティの名がある筈です。宿屋を発った記録もあると思いますが」

ペレスは黙った。

90-魅力(15)×5=15以上で成功

80…成功

ペレスはふうと息を吐いた。

「まあ念のためと思って訊いたがな。やはりお前は白だ。疑って済まなかった」

「いや、いいんです。……死体はどんな感じだったんですか」

「心の臓を何かでグサリ一突きだ。ありゃ、苦しむ暇もなかっただろうな。見るかい」

私は頷き、部屋に通された。夥しい血が服を深紅に染めている。顔は布で覆われ見れないが、私は深く祈りを捧げた。

「これ、あいつの仕業だよね」

後ろにいるダナが死体を見て言った。槍で急所に一撃。ザッシュの手によるものであるのが濃厚か。
とすれば、話は厄介だ。いつまでたっても私たちを捕まえられない――それどころか見つけられてすらいない女に見切りをつけ、実力行使に動き始めた可能性がある。
この状況下、テルモンに行くのは正しいのか。

1 テルモンに行く
2 アングヴィラに残る

安価下3多数決

ちょっと中断。

「……事情が変わったな。これは奴らからの宣戦布告と見た方がいいかもしれない」

奴らはわざと見つかる場所に死体を置いた。つまり、「次はお前だ」という見せしめである可能性がある。仮にこっそり街を発ったとしても、執拗に追ってくるか、あるいは……

「そうだね。下手すりゃボクらのことを見つけて殺すまで、手当たり次第に心当たりのある人を手にかけかねない」

そう。ダナが言うその可能性を捨てきれない。向こうが力付くで来ないことからして、戦力的に一気に街を制圧はできないのだろう。
ただ、エルヴィンやエイラ、ゴラフといった人々を一人づつ消していくことは、おそらくできる。それは想像しうるなかで最悪のシナリオだ。
単に何の考えもなく使えない仲間を殺しただけの可能性はあるが、最悪に備えた方がおそらくは正解だ。

「とすれば、どうしたものか。向こうが私たちを追っていて、こちらも奴らを追っている。つまり、先に相手を捕捉した方が圧倒的有利だ」

「何の話だ」とペレスが私たちに割り込んできた。私は、おそらく下手人を知っていること、そしてザッシュの人相を彼に伝えた。
「お前らを追う怪しい人物がいたら、すぐ知らせよう」という。多少ではあるが、心強いことだ。

「とにかく、どう相手に気付かれる前に見つけて仕留めるかだね」

ダナがペレスの事務所を出て言った。問題は、奴らの本拠は多分「穴」にあることだ。前のように逃げられては元も子もない。

少し考えよう。私たちがまとまって動くなら、襲撃は難しい。普段の就寝は宿屋や自分の家でやっているが、いざとなれば私の家に泊まれば各個撃破されるリスクは激減する。
ただ、それでも私の家自体を急襲する可能性はある。

逆にバラバラになったと見せ掛け、囮で釣る手はある。囮が襲われた瞬間、残りがそこを狙って叩く。
この場合は囮役が囮に徹することができるかがカギだ。

あるいは、ギルドハウスでそれらしき奴を見掛けたら、問い詰めた上でその場で捩じ伏せる。シンプルだが、これはこれで悪くはない。

さあ、どれがいいのか。

1 まとまって聞き込み
2 囮作戦
3 実力行使

2の場合は誰が囮かも含めて。

安価下5多数決

「とりあえず、まとまって動こう。怪しいのを見つけても、ひとまずは泳がせる。ただ、危害を加える素振りを見せたら、確実に叩く」

「そうだね。しばらくはシデの家で寝泊まりしよう。ベッドと布団の数は足りないから、買わないといけないけど」

そこにミドルが小さく手を上げた。

「でも、待ち伏せされてたらどうしますか?」

「その時はやるしかないな。ただ、ペレスには怪しい動きがあれば伝えてくれるようにしている。その時は、応援もあるはずだ」

これが一番安全だろう。後は向こうがどう出るかだ。

ここまで。鑑定の後が本番です。

再開。

「方針は固まったね。じゃ、イェンダーさんの所に行こうか」

80以上で追加イベント

イェンダーの店に向かう途中、妙な視線に気付いた。他の3人は、多分気付いてない。
距離は10ミドほど、人数は二人か。ちらりとしか見えなかったが、男に女の組合せで、遠くて顔は見えないがおそらく会ったことはない。
早速食いついてきたというわけか。おそらくはペレスの事務所近くで張っていたのだろう。
ただ、こうあっさり感付かれる辺り力量は大したことはない。気付かないふりをして嵌めることも、十分できるだろう。
鑑定屋から出たら、早速試してみるとしよう。

#########

「おお。この前の胸当てはエルヴィンに渡したらしいな。随分と勿体ないことをするもんだ」

鑑定屋に着くとイェンダーが苦笑していた。600マドルの遺物はそう出るものではない。イェンダーも半年ぶりの逸物だと言っていたから、あれを譲り渡す私たちは奇特に見えただろう。
私たちも手甲やミドルの小剣のせいで、どうにも感覚が狂っているようだ。

「で、今日は何かね」

私はパンパンに膨らんだザックから、ワンドと長剣、鎧を取り出した。それぞれ400マドル級が二つ、500マドル級が一つと伝えると、イェンダーは「また凄いな」と目を丸くしていた。
鑑定結果が出るまではしばらくある。どうするか。

1 ここでお茶でも飲んで待つ
2 ぶらぶらすると見せ掛け、尾行者を路地に誘い込む
3 とりあえずギルドハウスを覗く

安価下3多数決

中断します。

「鑑定結果が出るまでは?」

「3つだから、1刻半は見てくれ。茶でも飲むか?」

私はちらりと尾行者の二人を見た。向かいの雑貨屋の前で立ち話の風だが、ちらちらこちらを見る視線は隠しきれてない。
ならば、少し罠にはまってもらおう。

「いや、いい。少し散歩でもするよ」

「散歩ですか?」

「ああ。3人ともゆっくりこの街を回ったことはなかっただろう。小さな街だが、簡単な案内だ」

私はミドルにそう告げた。敵を騙すには、まず味方からだ。

###########

「……ここが旧庁舎だ。昔はこの街も、ずっと大きかったのだとか」

「へえ、そうなんですか」とミドルが感心したように言う横で、ライラは欠伸を噛み殺していた。

「ふ、ふぁあ……こんな小さな街で、そこまで案内する所ってあるのー?」

「いや、本当そうだよ。大体主だった所は回ったと思うけど?」

ダナも訝しげだ。強引な理屈をつけての「散歩」も、1刻ほどになる。そろそろ頃合いか。

「そうだな、じゃあ帰るか。……ああ、ちょっとそこの路地を通ろう。近道になる」

私は大通りではなく、左に伸びる路地を指差した。確かに近道だ。しかし、本当の狙いは別にある。
路地に入ってしばらくして、私は「すまない、旧庁舎前に忘れ物をしたようだ。先に行ってくれ」と告げた。

80-ダナ賢さ(8)×5=40以上で成功

14…失敗

「さっきからおかしくない?意味のない散歩に、今度は忘れ物?今日のシデは変だよ」

ダナは納得しない。そう、不自然だ。ダナなら気付くと思っていたが、少々甘かったか。

「……私の後ろ、10ミドほどだ。尾行(つけ)られている」

ダナは私の後ろを見た。「あっ」と小さく声を出す。

「ごめん、そういうことか」

「ああ、罠にはめるつもりだ。ただ、連中、今ので気付いたかもしれんな」

50以上で発覚せず

77…発覚せず、かつ完全に余所見

中途半端ですが、夜に再開。

尾行無能

そろそろ再開。

>>449-450
メタなことを言えばコンマ神が全部悪いわけですが、尾行者がポンコツなのにはそれなりの理由を用意してます。

「ん、でも奴ら振り返って旧庁舎ばかり見てるよ」

ダナの言う通り、二人は目線を完全に私たちから外している。逃げられたらどうするつもりなのか。
しかしこれはある意味好機だ。

「なら、先に行ってくれ。事が済んだら呼ぶ。多分、大丈夫だろう」

「了解。頼りにしてる」

ダナはウインクして前を行く二人を小走りで追いかけた。

さて、奴らはようやくミスに気付いたようだ。路地に消えた私たちを焦って追ってくる。
しかし、この路地を選んだ理由を、奴らは知らない。ここは家と家同士の幅が狭く、壁を両足で突っ張れば上に登れるのだ。
だから、路地に入った奴らは、すぐ上にいる私に気付かない。奴らが通り過ぎた後で地面に着地すれば、背後からの急襲が成立だ。
とりあえず後ろを走る男の背中に左を放った。

※不意討ちのため強制ヒット

ダメージ
コンマ下×3+筋力(7)×3+35-15(男の防護服分)

ダメージ 3+21+20=44
尾行者男 残りHP70-44=26

※朦朧ヒットのため強制終了

「がぁっ……!?」

左は人体の急所の一つ、腎臓を直撃した。男はその場に崩れ落ちる。

「えっ、何??」

男の呻きを聞き、女が私の方を向いた。やや距離はあるが、どうするか?

1 やや遠間から殴る(80-器用さ(8)×5=40以上で判定、朦朧あり)
2 集気弾を撃つ(90-賢さ(16)×5=10以上で判定、朦朧なし)

63…成功

この距離なら集気弾だ。女性を傷付けるのは性ではない。顔は避けて胴体を狙ったそれは、狙い通り直撃した。

ダメージ
コンマ下×5+賢さ(16)×5-15(女の防護服分)

ダメージ 35+80-15=105
女残りHP 70-105

※オーバーキルなので、手加減しているとはいえ女は瀕死(HP1)、意識不明です。この後の尋問には参加できません。

中断します。

なお、秘孔ヒットだと手加減してるのに即死でした。ある意味危ない所だったのです。

再開です。なお、明日は夜更新は多分ありません。

「…………ッ!!!」

集気弾は女の鳩尾に直撃した。女はピクリとも動かない。……やり過ぎたか?
近くに駆け寄り脈を取ると、弱いが辛うじて息はある。内臓をやられているかもしれないが、治癒術で何とかなる範疇だろう。
ただ、この分だとしばらくは目が覚めまい。情報を聞き出すなら、男の方になるだろう。

「ダナ!もういいぞ!」

大声で叫ぶとダナが二人を連れてやってきた。

「こりゃまた、キツくやったもんだねえ。……女の人、生きてる?」

「やり過ぎたがなんとか。治癒術で回復させているし命は大丈夫だが、意識はしばらく戻らないだろう」

男はまだ背中を抑えて転げ回っている。こちらも回復術がいるだろうが、話はできそうだ。

「とりあえずあいつの手を後ろ手に縛ってくれ。できれば足も。軽く回復させておくから、ペレスを呼んでくれ」

#########

「尾行されてたとはいえ、痛め付けすぎだな。手加減を覚えろ」

駆け付けたペレスは、開口一番こう言い放った。

「すまない、手加減はしたが。まあ、今後は気を付けるさ」

私は苦笑した。どうもこの手甲、人に使うには過ぎた代物のようだ。注意しないと、殺人者になりかねない。
男は手錠をかけられ「ふざけんなこれを外しやがれ!」と喚いている。少し回復させ過ぎたかもしれない。女はダナとライラが見ているが、一先ずは眠っているようだ。

私は男の方に向かった。

「聞こう。なぜ私たちを襲った?」

01~50 俺たちは雇われただけだ
51~90 そんなことを言うとでも?
91~99 いきなり泣き始めた

「そんなことを言うとでも?」

男は私に向かい唾を吐いた。見掛けによらず口は堅いようだ。どうやって口を割らせるべきか。

1 男に知っていることを全て伝える
2 今朝死んだ女の代わりだろうと言う
3 男と女の身体検査をする

安価下3多数決

「お前たちは、今朝死んだ女の代わりだな」

私が言うと、男の目が少し冷えた。

「だったらどうした」

「つまりは、お前たちは捨て駒だということだ。失敗すれば消される。成功すればもうけもの。そういう存在だということだ」

男が怒りに燃えた。

「……っざけんなよぉ!?てめえに俺らの何が分かる?それにあの方が俺らを殺すわけがねえ。あの女は裏切ったから殺された、それだけだ!」

想像以上に忠誠心が強いようだ。雇われた駆け出しシーフの線も考えたが、これは違う。
だが、このままでは埒が明かない。放っておけば舌を噛んで自死しても不思議ではない。

90-賢さ(16)×5=10以上で成功

22…成功、追加情報あり

私は考えを巡らせた。こいつらの役割は?彼らの力量で私たちを倒すなどは到底無理だ。とすれば、考えられるのは二つ。
私たちの家を把握して闇討ちすること。あるいはバラバラになったのを見届け、各個撃破すること。
どちらにせよ、ザッシュら戦闘要員を何かしらの方法で呼ぶ必要はある。しかし、どうやって?

……女の最後の姿が思い起こされた。懐から取り出したのは何か?なぜ帰還のルーンのように、彼女は消えたのか?

……彼女はルーンを発動したのではない。「発動してもらった」のだ。

そして彼女が、おそらくは目の前の彼らも持っているものを、私も持っている。

「ダナとライラ、すまないが彼女の身体を探ってはくれないか。私とペレスは、彼の方を探す」

「えっ、なんでそんなことするのさ?」

「多分、彼女かこいつ……あるいは両方が『電話』を持っている。それを没収するためだ」

二人は得心したようだ。

「そうか!だから尾行者は対した腕じゃなくて良かったんだ」

「そう。気付かれたら応援を呼ぶか、あるいは逃げ帰ればいい。帰った場合の命は、多分ないだろうが」

男の顔は青ざめ、急に無口になった。ペレスは「何を言っている?」というが、仕方がないことだ。「電話」の存在なんて、私たちもコーウィンとランダムに出会わねば一生知ることはなかっただろう。

そして、予想通り、二枚の黒い板が彼らの懐から見つかった。

#########

二人はペレスの事務所に移された。女のことはやや気掛かりだったので、ハーニスを呼んでもらうよう手配した。また彼からの毒舌が厳しくなるかもしれない。
男はすっかり黙ってしまった。ペラペラと口を割らなかったのは大したものだが、カードはこちらにある。後でゆっくり訊くことにしよう。

「それにしても、なんで尾行する人があんなのだったんでしょうか」

ミドルが疑問を呈した。

「おそらくは、残党はそう多い人数じゃないな。ザッシュとその相方はかなりの腕だろう。ただ、今日の二人はかなりいい装備を着させては貰っていたが、戦闘経験は浅い。多分、殺された女もそうだ」

「でも、黒幕はジュリアンって『一族』なんでしょ?それにしては、人数が少なすぎないかなー」

ライラの言う通りだ。それも多分、こいつを見ればある程度分かる。
操作方法は私のと同じはずだ。多分、ランダムがかけたようなアンロック機能もないだろう。

01~20 しかし、予想に反して動かない
21~50 連絡先は「ザッシュ」と「アーバイン」だけだ
51~80 連絡先は「ザッシュ」と「ネモ」だけだ
81~99 「ザッシュ」「ネモ」のほか、「アーバイン」と「ジュディ」の名がある

ちょい中断します。

黒い板を操作してみる。連絡先を表示すると、出てきたのはわずか2件だった。……「ザッシュ」と「ネモ」。

私の背中が粟立った気がした。やはり、第一階層で会ったあの男は一味だったか。
そして、なぜ私ではなくダナを探していたかの理由も分かった。おそらくネモは、あの時点でダナが何者か感付いていたのだ。
「ダリオの娘か血縁者なら、アンバライトを何とかしても不思議ではない」と考えていたなら、私たちを追う理由にはなる。

ただ、そうなるとザッシュが私たちを襲わなかった理由が見えない。一人では勝てないと見たのか、それとも別の理由があるのか。それは謎のままだ。

「これは……どうしよう?」

ダナが考え込んでいる。電話するとどうなるのだろう?
おそらくは、この「電話」は帰還のルーンの基点の役割も果たしている。とすれば、下手に連絡を取れば居場所も知れてしまう公算が大きい。
向こうの戦闘要員が一斉に駆け付けるようなことがあれば、その結末は読めないだろう。

ただ、逆に男の失敗を偽装できたとするなら?あるいは連絡をとらないままにしたならば?
一人ずつ残党を消せるかもしれないし、こちらの居場所を探れなくなるかもしれない。それはやってみないと何とも言えないところだ。

さあどうすべきか?

1 ザッシュの文字を触る
2 ネモの文字を触る
3 電話をどこかに埋める
4 男を説得しこちらにつかせる
5 とりあえず当面放置

安価下5多数決。決まらない場合はコンマの大きさで判定

1で決定します。全面対決ルートです。
会話の展開には細心のご注意を。

というわけで、ここまで。

何かキリが悪いので、髪が乾くまで続けます。

私はザッシュの文字を触った。

「えっ、いいの?」

正直、自信はない。ザッシュの力量も把握できてないのに無謀かもしれない。
ただ、問題を解決できる手段が目の前にあるのに、それを使わないのは損だと思った。それだけだ。

プルルルル、プルルルル……

01~85 もしもし、首尾は上々ですか?
86~95 すみません、今立て込んでるんですが後でいいですか?
96~99 『ただいま、電話に出ることができません』

「もしもし、首尾は上々ですか」

やや高い声が向こうから聞こえてきた。ザッシュで間違いはない。

1 電話をすぐ切る
2 素直に名乗り出る
3 男の声色を真似る

安価下3多数決

私は少し悩んだ。男の声質と私のそれは、そう遠くはない。しかし、口調はまるで逆だ。騙せれば有利に進めるだろうが、逆上させる可能性の方がずっと高い。

それでも私は、男を騙ることにした。

90-魅力(15)=75以上で成功

73…失敗

「……誰です?あなたは」

「俺だ、上手くいったぜ」の一言だけで、あっさり看過された。やはり上手く行くはずなどなかった。

「……誤魔化せないか。シデという者だ。第八階層では、世話になったな」

電話の向こうから緊張が伝わった。

「ええ、その節は。なんでまたあなたが出てるんですか」

「しらを切るか。お前らが私たちを追っていたのは知っている。無論、アンバライトについてもだ」

私は全て話す方針に切り替えた。もう誤魔化しは効かない。

「やはり、あなたたちでしたか。ネモさんの推測通り、ですね」

口調こそ飄々としたままだが、明らかに作っている。感情を押し殺そうとしているのは明白だ。

「あれを使ってドラゴンを呼び出そうとした。違うか?テルモンでも同じことをしようとしたらしいな」

「…… どこまで知っているのかは知りませんが、これ以上喋ると殺しますよ」

声のトーンが明らかに下がった。奴は本気だ。
おそらく、このまま通話を続ければすぐにでも奴はやってくるだろう。ペレスの事務所の中だろうお構い無く、だ。
そして私たちもペレスも尾行者の二人も皆殺しにするのを狙うはずだ。
私たちの力量はある程度高いが、それは避けるべきかもしれない。どうする?

1 コーウィンの名前を出す
2 ランダムの名前を出す
3 このまま会話する

安価下3多数決

上げます。

コンマで3で決定します。今日はここまで。

次回は確実に戦闘になりますが、コンマ次第でデッドエンド濃厚とだけ言っておきます。

再開。

「殺す?第九階層にいた冒険者たちのようにか?それともペラの村の人々のようにか?やってみるならやってみせろ」

私は止まらなくなっていた。ミドルの村のこと、サーリャのこと。怒りを制御できない。

「本当に死にたいらしいですね、いいでしょう。今行きます。……必ず殺す。皆殺しだ」

そう言い残し電話は切れた。最後の一言は、明らかに口調も声色も変わっていた。覚悟を決めるしかない。

「ペレスは外に出てくれ。そして、できるだけ遠くへ逃げろ。この事務所の修理代は、後で払う」

「おい、何を言っている?」

「いいから!死んでもしらんぞ!」

ペレスは気圧されたか。軽く頷き部屋を出た。
目の前の空間が歪み始める。

「すまない、こんなことになって」

私は振り向き、3人に頭を下げた。

「いいよ。いつかは戦わなきゃいけなかったんだ。4人なら大丈夫だよ」

「僕もです。仇の一人が来るなら、むしろ本望ですよ」

「テルモンに早く行きたいし、とっとと片付けようよ」

幸い、皆前向きだ。いい仲間を持った。

歪みから人影が現れる。来る。

01~25 ザッシュと小柄な全身鎧の男、そしてネモだ
26~50 ザッシュと小柄な全身鎧の男だ
51~99 ザッシュが現れた

現れたのは……ザッシュに小柄な全身鎧の男、そして……ネモだ。

「ザッシュから色々聞いているよ。まさかあそこまで、私たちについて知っていたとは、ね」

ネモは冷たい瞳で私たちを見た。第一階層で会った時は分からなかったが、今なら分かる。これは、少なくとも4対3でも勝てる相手ではない。4対1ですらどうか?
背中に脂汗が流れるのを感じた。完全に失策だった。

「まあ、とりあえずザッシュが言った通り皆死んでもらおう。3人ではこの街の殲滅は難しいから、後で応援にも来ていただこう。本意ではないがやむを得ん」

ネモは右手に力を込め始めた。強大な、強大すぎる魔力が奴の右手に集まっていく!

※最終安価です。

1 コーウィンはこちらの側だぞ?
2 ランダムはこちらの側だぞ?
3 ベネディクトはこちらの側だぞ?
4 ジュリアンが黒幕なのは知っているぞ?

安価下5多数決、同数ならコンマの大きい方で判定

人が少ないようなので上げます。
なお、失敗したらデッドエンドです。よく考えて下さい。
成功でもコンマ判定を一回突破しなければいけませんが。

「ランダムはこちらの側だぞ?」

私は叫んだ。「一族」のことを知っているなら、止まってくれるかもしれない。

…………

「誰だそれは。死ね」

……ネモの右手から放たれた無数の魔力の矢は私たちを貫き、一瞬で意識はかき消された……

DEAD END

というわけで、デッドエンドです。

初回のデッドエンドなのでペナルティーは特例でなしにしますが、次回以降は一部例外を除いて大きなペナルティーを課します。
具体的には

・重要アイテム、装備の消失
・ステータスの大幅ダウン
・好感度の大幅ダウン

のいずれか、または複数です。

このSSはデッドエンドを複数回通ることを前提にしていません。逆に言えば、正しい選択のヒントは必ずどこかにあります。バッドエンド埋めの感覚で選択するのはお薦めしません。

また、安価下3ではなく安価下5、ないしは7の場合は重大な選択です。
考察を書いた方がいいかもしれません。(というか作者も知りたいところです)

再開は作者権限で487からにします。
安価は以下の通り。

1 ネモの文字を触る
2 電話をどこかに埋める
3 男を説得しこちらにつかせる
4 とりあえず当面放置

安価下5でお願いします。

上げます。

ザッシュ達が前触れもなくすぐ来れたってことは電話には探知機能があるみたいだからすぐにでも埋めた方がいい気もするが
逆にさっきみたいに逆上させて誘き寄せて罠にかける手段としても使えそうだし持ったままもありなのかな
安価下

もう1つ上げます。

>>530-531
詳しく言えませんし、正しいかも言えませんが、考察として面白いですね。

3で決定します。

なお、487以降の選択は作者的には全部NG選択肢でした。
(声色を真似るはもう一度低確率コンマを突破しなければダメ)

うーん、ヒントが分かりにくいですかねえ。安価選択の際の記述読めば分かるかなーと思ってたわけですが。
一応最後の救済安価もあったわけですが、「ジュリアンが誰を警戒しているか」を考えればすぐに正解に辿り着くと思ってました。甘かったでしょうか。

それをジュリアンに伝えたら
そんな奴と関わりがあるのか→先に殺しておく
ってなると思った

再開します。

>>535
ジュリアンはコーウィンの性格を知ってますし、力量的にコーウィン>ジュリアンなのでここでコーウィンの動きは警戒していた、はずです。無論、幹部級にもそれは共有されています。
なので、コーウィン側の人間を殺すリスクは極めて高いのです。問題は、シデ一行がコーウィン側であると信じさせられるかどうかなわけですが。

なお、ジュリアンはランダムを相手にしてないので、当然彼の情報はネモらに降りてません。故に「誰だそれは」なのです。

「男からもう少し話を聞こう。なぜそこまで忠誠を誓うのか読めないし、何か偽りの情報を信じ込まされているかもしれない。もしそうなら……」

ダナがハッと気付いた。

「……彼らを味方につけられる?」

私は頷いた。

「もちろん、完全に裏切ってくれないと意味がない。ただ、そうなれば彼らと『電話』を使って、一人ずつ誘き寄せることができるかもしれない」

「そうなればこっちとしては願ったり叶ったりだねー。でも、上手くいかなかったら?」

ライラの不安はもっともだ。この「電話」が私たちのものと同様のものであるとすれば、持ち主の場所は向こうに把握されているだろう。
そして、通話をきっかけにルーンが発動するなら、自ら死地に赴くようなものだ。
ザッシュの力量は分からないが、少なくとも相当のものであるのだけは確かだ。彼一人ならまだしも、複数で来られたらかなり不味い。

「そうだな……『電話』は」

1 どこかに埋めよう
2 壊してしまおう
3 しばらく持ち歩こう

安価下3多数決

「そうだな……『電話』はどこかに埋めよう。場所は特定できなくなるし、万が一分かっても帰還先は土の中だ。逃げ切れる可能性は高いはずだ」

「埋める場所は考えないといけないですけどね」

ミドルの言う通りだ。それによっても状況は変わるが、まずは説得だ。
説得しきれないのはまだしも、向こうに逆に騙されて誰かを呼ばれる事態だけは避けたいところだ。

「男は?」

「座敷牢の中だ、話があるなら案内しよう」

後ろで話を聞いていたペレスが、事務所の地下に促した。

座敷牢は暗い地下にある。部屋は3つ。荒くれて狼藉をやらかした冒険者が大体一人はいるが、今日はこの男だけだ。なお、犯罪人は程度にもよるが追放刑となることが多い。
女は治療のため、上のベッドで寝ている。たとえ意識が戻っても脱走はできまい。

牢の前に来ると、男は塞ぎこんだ様子だ。私が来ても顔を上げず、ずっと下を見ている。

「さっきはすまなかったな」

男から返事はない。無視を決め込んでいるのか。

1 名乗った上で名前を訊く
2 生まれを訊く
3 女は助かったと告げる

安価下3多数決

「君と一緒にいた女は、助かったよ」

そう言うと男は顔を少しだけ上げ「本当か」と呟いた。

「ああ。今上で寝ている。私が治療術を使って、命の危険はなくなった。目はまだ覚めないだろうが、そのうち医者が来る。問題はない」

「……そうか、それは、良かった」

「私もやり過ぎた。すまないと思っている」

頭を下げたが、これには反応しない。

「彼女とは、親しい関係なのか」

90-魅力(15)×4=30以上で成功

36…成功

男はこくんと頷いた。

「恋人か」

男は少し逡巡した後、「違う」と答えた。

「なら、兄妹か何かか」

90-魅力(15)×5=15以上で成功

86…成功

「ああ。腹違いの、だけど」

私は男をよく見た。無精髭で分かりにくいが、存外若い。女もそう言えば、ミドルより少し上程度の見た目だった気がする。

「小さい頃から、ずっと一緒だったんだな」

男はようやく私の方を見た。わずかだが、目に光るものがある。

「私はシデだ。君は」

70以上で追加情報

※追加情報なし

「アンリ」

「アンリか、いい名だ。生まれはどこだ」

「……まずあんたから言えよ」

「イーリスだ。もう人が住めない土地になったがな」

災厄の日の後、ほとんどの土地の土は毒で犯された。今でもそれは変わってはいない。
「穴」の周辺にあった街と集落だけが、難を免れたわけだ。

90-魅力(15)×5=15以上で成功

05…失敗

アンリと名乗る男は黙ってしまった。イーリス、あるいはユングヴィ教団に思うところがあるのだろうか。
帝国の残党であるならば、当然と言えば当然だが、少し引っ掛かる。

1 帝国の生まれか
2 ユングヴィに恨みでも?
3 災厄の孤児か

安価下3多数決

「災厄の日の孤児か」

私が言うと、男の目に憎悪が広がった。

「……っ!!お前らがすべてやったんだろぉ!!」

立ち上がると、後ろ手に縛られたまま柵に体当たりを仕掛けてきた。無論、古いとはいえこの程度で柵は壊れない。
そして、違和感を覚える。「お前らがすべてやった」?つまり……

「災厄の日は、ユングヴィ教団が引き起こしたと?」

「それ以外に何があるっつーんだよ!『あの方』もそう言ってた!お前らのせいで、帝国も世界も滅んだんだ!!」

そんな話は初耳だ。その可能性はあるだろうか?
……いや、ない。コーウィンが善人とは思わないが、地上を荒らす行為に手を染めるとは極めて考えにくい。コーウィンが知らない教団の誰かがやったならば、彼が災厄の日の原因を「知らない」というはずもない。

結論は、「アンリは災厄の日の原因が教団にあると信じ込まされている」。

とすれば……

1 私も災厄の日に家族を失った。
2 それはあり得ない。
3 私も分からない。だから真相を探っているところだ。

安価下3多数決

「……私も、災厄の日に家族を失っている。君と同じだ」

「だから何だってんだよ!教団も、普通の人は関係ねえと皆殺しにしたんだろうが!その結果がこれだ!」

「私の父は、教団の幹部だった。それでも死んだ。あの災厄で生き残ったのは、運良く『穴』周辺にいた、私のような者だけだ。みんな平等に死んだ。教団も、帝国も、魔候国もだ」

アンリの目に微かな動揺がある。しかし、それはすぐ消えた。

「いや!『あの方』が嘘を言うはずがない!ふざけるなよてめぇ!!」

「さっきから『あの方』と言っているが、誰だそれは」

90-魅力(15)×4=30以上で成功

49…成功

「決まってるだろ!ジュリアス・ド・ヴィルエール・ジェスタル!ジェスタル帝国ヴィルエール朝が18代皇太子!帝国を再び、天下の中心として甦らせ、滅び行く世界を生まれ変わらせる者だ!!」

ジェスタルの皇太子、ジュリアス?聞いたことがない。帝国の王家の血筋は、絶えたものとばかり思っていた。
しかし、それなら色々合点は行く。アンリの忠誠心の強さ、不自然にしっかりとしたネモやザッシュの鎧。
私は彼らを「帝国の残党」と思っていたが、ひょっとすると帝国そのものであるのかもしれない。

とすれば、話は厄介だ。アンリはおそらく、帝国の生まれだろう。王家への忠誠を崩すのは、生半可ではない。彼に災厄の日を巡る嘘を気付かせても、なお向こうに走る懸念はある。
さあ、どうするか。

1 話を打ち切る
2 説得を続ける
3 怒りを煽りながら情報収集に切り替える

安価下5多数決

上げます。

可能性は薄そうだが、説得を続けよう。しかし、何が突破口になるのか?

1 妹の話に切り替える
2 ミドルの村の話をする
3 「一族」の話をする

安価下3多数決

「……一つ聞くが、ペラという村を聞いたことはないか?」

長い沈黙の後、私は切り出した。彼がどこまで知っているかは分からないが、ネモやザッシュたちの計画を知れば翻意する可能性は、ある。

「ねえよ。それがどうかしたか」

「君の仲間が滅ぼした村だ。アンバライトという特殊な石を使い、ドラゴンを呼び寄せた。そして、この街も同じように滅ぼそうとした」

※90以上でイベント発生

※イベントなし

「だから知らねえってんだろ!証拠でもあんのかてめえ!!」

やはり知らない様子だ。だが、彼を説得できる証拠は確かにない。とすれば……

1 諦めよう
2 ミドルを上から連れてこよう
3 ライラを上から連れてこよう

安価下3多数決

上げます。

「分かった、ちょっと待ってくれ」

私は階段を登り、上で待つ3人のところに来た。お茶を飲んでいるライラに、私は声をかける。

「ライラ、少しいいか」

「んー、何?」

「ちょっとアンバライトを持って下に来てくれ。下の彼に見せたい」

ライラは「分かったー」というと、ザックからアンバライトを取り出した。一日2回、魔力を吸い出しているという。「結構めんどいんだよねえ」と愚痴っているのを、以前聞いた。

下に行くと、アンリが睨みつけてきた。私はライラを促す。

「これがアンバライト。シデから話は聞いてるかもだけど」

ライラの掌にあるアンバライトは、暗がりの中でうっすらと青く光っていた。アンリは黙ったままだ。

「空気中の魔力を吸収する石でね。放っておくと昼でも分かるくらい激しく光るみたい。で、これが限度を超えると、ドラゴンがこいつを食べにくるってわけ」

ライラは言い終えると、両手でアンバライトを包んだ。軽く念を込めると、その輝きは失われていた。

「あたしは魔力とか生命力を吸い取る魔術を使えるの。だからこうして無力化してるってわけ」

私はアンリを見た。

90-魅力(15)×2=60以上で成功

82…成功

一旦ここまで。正規ルートではないですが、光明が見えてきた辺りですね。

一旦諦めて妹先に説得とかが正規ルートだったのかな
ミドルは呼んでも村の話知らない時点でお互い余計な因縁つけて終わりそうだし

>>589
妹は重要人物ですが、そっちではないですね。ただ、完全に味方にするには彼女の助けが必要です。
(つまり、日を跨ぎます)

ミドルについてはズバリ正解。呼んでも紛糾するだけで、説得が遠のくだけでした。ここは引っ掛けのつもりでしたが、回避はお見事です。

再開。ところでエミュリアってなんですか?エミリアでもレミリアでもなく。

>>597
>>592>>593に別スレの誤爆と書いてあります

アンリはしばらくアンバライトを見つめ、軽く首を振った。

「これが証拠とでもいうのか」

「ああ。君を納得させるには足りないのは分かっている。これが本当にドラゴンを呼び寄せるかの証明はできない。同じものを見て、実際にペラで襲われた被害者がいるが、きっと君は信じないだろう」

それに、ミドルはこの件でアンリと会えば憎悪を剥き出しにするだろう。話を穏当に済ませるには、ミドルと対面させない方がいい。
私は続けた。

「ただ、嘘は言っていないのも感じてもらえたかと思う。こんな手の込んだ嘘をついても、疲れるだけだからな」

アンリはまた黙りこんだ。少し落ち着いて考えさせる時間がいるかもしれない。

「明日には君の妹も目を覚ますだろう。ただの未遂犯だし、君も一応は自由の身になるはずだ。監視はつけさせてもらうが」

私が上に上がろうとすると、アンリが急に怯えた様子になった。下を向き、目が左右に揺らいでいる。

「君の上役のことか」

「……奴らは失敗を許さない。殺されはしないと思うけど……怖い」

「……君も内心、今朝の女は失敗のカタを取らされたと思ってるんじゃないのか?」

「違う!ジュディ……さんはジュリアス様の長年のお付きと聞いてる。ジュリアス様にとっては亡き母上に近い、大切な方だ!だから裏切ったと聞いて驚いたし、殺されて当然と思った。……でも、分からない……」

心が揺らいでいるのは確かだ。

「ここにいる限りは安全だろう。これだろう?君らがザッシュたちを呼び出すのに必要なのは」

2体の「電話」を見せると、アンリは無言で頷いた。

「私たちも同じようなものを、実は持っている。だから、これが持ち主の場所を教える機能があるのも知っている。仮に君を始末しようと思っても、奴らが来るのは君のところではなくこいつの持ち主だ。安心してもらって構わない」

アンリは少し驚いたようだったが、少しして視線を私から外した。まあ、信頼しきれてないのは仕方ない。

「また明日来よう。では、また」

昼に少し再開予定。

>>598
いや、単に元ネタが分からないというだけです。失礼しました。

「どうだった?」

「まあ、疑念ぐらいは感じてもらえたようだな。ただ、もう少しかかる」

上に戻ってダナに伝えた。日は既にかなり高くなっている。

「見た感じ、結構頑固そうだったからねえ。どうすればいいかなー」

ライラの言う通りだ。何か決定打がいる。とすれば……

「カギを握るのは、妹だろうな」

「妹って、さっきハーニスさんの所に運ばれていった子?」

「そうだ。地下の彼とは腹違いらしいが、随分長く一緒だったようだ。私が彼女の無事を伝えた時が、一番素の表情に見えた」

ミドルが身を乗り出した。

「ということは、彼女を説得できればいいってことですね!」

「そうなるな。ただ、説得役に私は不適任だろう。彼女を痛め付けた張本人だからな。とすると……」

1 ダナ、任せた
2 ミドル、任せた
3 ライラ、任せた

安価下3多数決

再開します。

「説得は任せた、ダナ」

ダナは「任せて」と笑った。こういうのは、やはり同性の方がいい。

「あとはこいつの処遇だね。どうしようか」

ダナはテーブルの上にある二機の「電話」を見た。

「埋める方向は決めたが、どこに埋めるかは考えどころだな。奴らを誘き寄せるために使うかもしれないものだが……」

1 テルモン方面の街道の道外れに埋める
2 モリブス方面の街道の道外れに埋める
3 アングヴィラの裏山の奥に埋める
4 第十六階層まで行って埋める

安価下5多数決

上げます。

「これがある限り、襲撃の可能性は消えないよねえ。なら、絶対追尾できないとこに埋めちゃえば?」

ライラが言った。その手は確かにある。

「……つまり、『穴』に行って埋めてしまえと?」

「そう。簡単でしょー」

ライラが得意げに笑った。「電話」の再利用はできないが、代わりに追跡される懸念も消える。アングヴィラから離れればなお安全だ。
ただ、そうなるとあの兄妹をどうするかという問題がある。彼らもアングヴィラから移さないと、仮に帝国の一派が何らかの形でここに来た場合危険だ。放っておくのもいいが、目覚めは悪い。

1 それでも放っておく
2 一緒にテルモンまで行く
3 モリブスに逃がす

※2、3の場合説得イベントのクリアが必要
※2の場合、道中での二人の戦闘参加はできず

安価下3多数決

「分かった、それでいこう。それであの兄妹だが、一緒にテルモンまで連れて行こうと思うがどうだろうか。無論、説得しないといけないが」

「ボクは賛成。騙されてるんでしょ?その子たち。だったら安全な場所まで逃がそうよ」

「ライラも。お兄さんの方は、お酒飲めるかなあ」

ミドルだけ黙っている。帝国の人間だけに、相当思うところはあるのだろう。
ただ、ふうと息をついた後「いいですよ、仕方ないです」と苦り切った顔で言った。少しは成長したのかもしれない。

「じゃあ、鑑定結果を聞きに行って、その後少し潜る。これでいいね?」

「ああ。そして明日朝彼らを説得し、街を出る。これで問題はないだろう」

方針は決まった。後はやることをやろう。

#########

「随分遅かったじゃねえか。鑑定、一通り終わったぜ」

着くなりイェンダーが満面の笑顔で出迎えた。鑑定屋の収入は、鑑定品の価値に大体比例する。鑑定料自体は一定だが、武具や防具を売った場合その手数料が入る仕組みなのだ。
私たちが魅力の指輪を売った際は結構潤ったと聞いた。今回もそういうのを期待しているのだろう。

「で、まずワンドだ」

01~30 知力+1、魅力+1
31~60 知力+1、器用さ+1
61~80 知力+2
81~99 知力+1、魔法ダメージ+10

「『魅惑のワンド』てヤツだな。ああ、鑑定計狂ってて500マドル相当だったぜ」

※知力+2、魅力+1

ライラが「やったあー」とはしゃいでいる。これは助かる一品だ。

「次は長剣か。これは……」

01~30 筋力+1、物理ダメージ+5
31~60 筋力+1、器用さ+1
61~90 筋力+2
91~99 物理ダメージ10

「銘があったぜ。『フォラスギル』というらしい。あ、これも500マドル相当の低位遺物だ。お前んとこの鑑定計、大丈夫か?」

※腕力+2、物理ダメージ+10

「これはいいね!使わせてもらうよ」

ダナが嬉しそうだ。これも心強い。

「最後は鎧だな」

01~30 ダメージ軽減15
31~60 耐久力+1、ダメージ軽減10
61~90 耐久力+2、ダメージ軽減5
91~99 腕力+1、耐久力+1、ダメージ軽減5

※ダメージ軽減は重複可

「『大地の鎧』だな。お嬢ちゃんの着ている『杜の鎧』の上位互換になるな」

「うん、これ売れば旅の資金も十分だし、いい感じだね」

これで準備は整った。家に戻り、帰還のルーンを発動させよう。

【第十六階層】
雰囲気…コンマ下

【第十六階層】
雰囲気…99 極めて安全、誰かいる

ここで休憩。

第十六階層に入ると、清浄な空気がすうと肺に入ってきた。少し冷たいが、この上なく快適だ。
目の前には木々と、湖だろうか。地中湖らしく、とても澄んでいる。天井にはヒカリゴケが生えているからか、薄曇りの日のようには明るい。

「これ、多分飲めますよ」

ミドルが湖の畔で水を掬うと、少し飲んだ。ぷはあと声がもれる。

「うん、やっぱりそうだ。この水、すっごい美味しいです」

どれどれと畔に行って水を飲むと、なるほど冷たくて雑味がない味だ。これで茶を淹れたら格別だろう。

「素晴らしいな……あれは?」

ふと近くの木をみると、木陰に誰かがいる。薄い金髪に髑髏のシャツ。あれは……

「ランダムか!?」

私の叫びに気付いたのか、男は「おーい」と呑気に手を振った。

会いにくくなってるのにすぐにランダムに会えんのなww

微妙なところですがここまで。疲労がぱないのです。

隠密の数珠?コンマ神の前では無力でしたねえ。
これで大分楽になる、はずです。

>>634
>>23で書きましたが、一部ゾロ目は例外です。てか99と00ゾロ目偶数以外では友好的な一族(ランダム、一応コーウィン)は出ないはずでした。

次回は文章多めです。

剛運ですなぁ
しかし99でランダムが出てくるという事は、88以下のゾロ目の場合数が大きいほど危険度が低かったり友好度が高かったりするキャラが出てきたのかな

>>638
現在は隠密の数珠があるため「一族」ないしにその血族は出ません。
ただ、基本はおっしゃる通りです。つまり22とかだと○○○○がいるかもしれませんし、77だと○○○○○が何かやらかしてるかもしれません。
基本は筆者の気分次第ですが、大体ゾロ目の階は遺物があるようにする方針です。どのレベルかは運次第ということで。

再開します。

「よう、奇遇だねえ」

ランダムは以前会ったときと同じ、ヘラヘラした笑みを浮かべている。手元には薄黒い液体の入った瓶がある。

「わー、ランダムさんだー。こんにちはです!これもお酒ですかー?」

「おう。『マイヤーズ』だ。強いが甘みと香りは抜群だぜ。地上にラム作っている所は、まだあんのかねえ」

早速ライラが飛び付いた。ランダムは「お試しだ」とグラスに薄黒い液体を少し注ぎ、彼女に渡した。

「……んー、おいしー!口の中でぶわっと香りが広がるねえ。少し苦さもあるけど、これがまたいいなー。もう一杯!」

ダナも「私にもちょーだいよう」とねだっている。ランダムは「仕方ねえなあ」と言いながらも嬉しそうに酒を振る舞った。

「そっちの坊主はどうだい?」

「い、いえ。お酒は苦手なんで前と同じでミルクでいいです」

「そうかそうか、じゃあおっさん特製のミルクを出そう」

ランダムはザックをゴソゴソやり始めた。この前のもミルクではなくそれっぽい酒だったと思うが、ミドルは気付かなかったらしい。
ランダムは白い瓶とミルクらしきものが入った瓶を取り出すと、その中の液体をグラスに入れ混ぜ合わせた。

「『マリブミルク』だ。お子様にはいいだろう」

ミドルが恐る恐るグラスに口をつけると、「美味しいです!」と笑顔になった。ランダムも満足そうだ。……多分あれも酒だろう。

「おう、シデも難しい顔してねえで一杯やろうや」

「ああ……じゃあこの前のを少しだけ。それと、大事な話があります」

「ん?なんだ大事な話って。まあ大方厄介事にでも巻き込まれたんだろうが……」

ランダムはよく分からない言語のラベルが張ってある瓶から、透明な液体を注いだ。「純米大吟醸」というらしい。とにかく香りがふくよかで飲みやすい酒ではある。

「で、なんだ。2回もこうして偶然に出会った縁だ。できる限りで相談に乗るぜ」

酒盛りを始めようとした3人の視線もこちらに向かった。さあ、何を話そう。

1 帝国の件
2 ベネディクトの件

「前にも少し話したかもしれませんが、帝国の残党がアンバライトを使って地上を荒そうとしています。その件で、私たちはどうも追われているようです」

ランダムはウィスケの小瓶を取り出し、黙って口をつけた。私は話を続ける。

「実のところ、向こうの戦力は分かりません。ただ、並ではない。既に何人かの冒険者が、『穴』で殺害されてます。それに……これを」

私は二機の「電話」を取り出した。ランダムの顔が険しくなる。

「完全に、背後には『一族』の影があります。多分、ジュリアンという男でしょう。捕まえた下っ端の男は、帝国の皇太子が上にいるようなことを話してましたが」

ランダムは酒を飲むとふーっと息を吐いた。

「想像以上に面倒だな。時に聞くが、お前さんたち向こうのことをどれだけ知ってる?」

「……正直、自信はないです。戦えばかなり大変だろうとまでしか」

「そうだろうな。考えがかなり甘い。ジュリアンのことを知ってたら、その部下に手を出すのはかなり自殺行為に近いからな」

「……そこまでですか」

「今のお前さんなら、ただの戦闘要員なら1対1でも戦えるかもしれん。ただ、複数対複数だと多分全滅するな」

ランダムは私たちを見渡した。

「見りゃ分かるよ。お前さんたちはかなり強い。『普通』なら帝国の残党でもまず負けねえ。だが、ジュリアンは間違いなく、『神器』に準ずる武具や防具を与えている。……てかシデのそれ、ジュリアンが作ったもんだからな」

私は驚いた。手甲は「一族」の手によるものだったのか。

「ジュリアンとは何者なんです?」

「『一族』の第八位継承者で、別名が『魔封師ジュリアン』。魔力をアイテムに込める達人で、とてつもなく優秀な武具職人さ」

ここで中断。やっと帝国の戦力が見えそうです。

再開します。

ランダムは一気にウィスケの瓶を飲み干した。

「そもそもおかしいとは思わなかったか?アンバライトは確かに大気中の魔力を吸収する。それがなぜ、ドラゴンを呼び寄せるのか」

「そういう性質のものとばかり思ってました」

「そこさ。アンバライトは大気中の魔力を『龍が好むエサ』に性質を変える、『コンバーター(変換器)』なのさ。無論、ジュリアンしかあれは作れない」

「そんな出鱈目なことができるの?」

ライラが真剣な目でランダムを見た。酒を飲んでいるにもかかわらず、「真面目モード」になったライラは初めて見た。

「できる。あいつならな。戦闘能力だけなら俺より弱いが、あいつの作るアイテムは『一族』の力関係すら変えかねないものだ。並の兵士を達人に、達人を魔人にする武具を作るぐらい、お茶の子さいさいだ」

ランダムはまたどこからか酒の瓶を取り出した。また異国の文字がラベルに書かれている。

「俺の読みでは、ドラゴンをアンバライトで呼び寄せた後、手勢にそれを消させることで地域の支配を握る考えだったんだろう。あるいは、ある程度荒らした上で、英雄としてドラゴンを討伐して民草の指示を得る。地上人なぞカスとしか考えてない、奴らしいやりくちだな」

「じゃあ……なぜ僕の村は消されたんですか!」

「テストだろうな。本番の。モリブスやアングヴィラであっさりやられたのは予想外もいいとこだっただろうが」

ランダムがミドルにそう言うと、ミドルは無言で立ち上がり木を渾身の力で蹴りつけた。

「ふざけないでください!……僕の……僕たちの村は……テストのために消されたんですかっ……!?」

「その可能性が高いな」

ミドルはその場に泣き崩れた。

「坊主には悪いが、おそらくそれが現実だ。ただ、それにしては腑に落ちない。なぜ予行演習をやったのか、そして再犯可能性が高いか、だが」

「予行演習をやったのは、自信がなかった、からじゃないですか」

ダナが訊いた。

「それはあるかもしれないな。慎重なジュリアンのことだ、成功確率100%でなければ本来は動かない。ただ、色々引っ掛かる」

ランダムが思案顔だ。

1 ジュリアンならその程度簡単だと?
2 なぜドラゴンを召喚するのか?
3 ジュリアン自身ではなく、帝国の皇太子が首領という点か?

安価下3多数決

読み返しておかしいので訂正。最初の文はこちらが正しいです。

「坊主には悪いが、おそらくそれが現実だ。ただ、それにしては腑に落ちない。なぜ予行演習をやったのか、だ」

「ジュリアン自身ではなく、帝国の皇太子が首領である点ですか?」

「いや、ジュリアン自身が出てないのは分からないでもない。元々政治関係はブランドに任せ、軍事の後方支援をジュリアンがやるのが長年の手口だったからな。
ブランドが狂って仕方なくジュリアンがこの50年ほど先頭に立ってきたが、元々職人気質で引きこもりの奴だ。工房に籠りたがる癖が直るわけがないし、誰かを神輿に立てたがるのは分かる」

確かに。コーウィンも決して歴史の表舞台には立っていなかった。別の人間を動かすことで、地上の覇権を握るというのは、「一族」間の暗黙の規則であるのかもしれない。

「……ただ、俺が引っ掛かったのはジュリアンが出ないことじゃない。帝国に皇太子なぞいないことなんだよ。確かに災厄の日に帝国皇帝には子供がいたが、息子ではなく娘だ。
しかも死んだはずで、生きてヴィルエール朝皇太子を名乗っているのも、それが普通に信じられているのもおかしい。
一応、度々地上に出て様子は探ってたからその辺りの事情はそれなりに詳しいはずだ」

しかし、アンリの忠誠の堅さは本物だった。彼の性格が頑固だという点を差し引いても、余程のカリスマ性の持ち主であるのだけは疑いがない。

「ただ、私が会ったネモという男、帝国のそれなりの地位にある人間に見えました。帝国の中枢に近い人間が噛んでいると見ましたが」

「そうだな。彼が傀儡を立てている可能性はある。ただ、そうなるとジュリアンがネモという男と組む理由が分からない。何にせよ、そこは情報不足だ」

90-賢さ(16)÷2=82以上で成功

06…失敗

これは今の時点ではなんとも言えなさそうだ。まだ色々探る必要がある。

「ていうか、ジュリアンなら予行演習する必要なんてなかったんじゃないですか?」

ダナが酒を一口飲んで訊いた。ランダムが頷く。

「ああ。作るには時間がかかるが、ドラゴンを呼ぶアンバライトならジュリアンなら問題なく作れる」

90-賢さ(16)×2=58以上で成功

87…成功

「アンバライトを作ったのは、ジュリアンじゃないのでは?」

私は訊いた。そうすれば色々合点がいく。予行演習が必要だったのも、アンバライトを二度無力化された後、新しいアンバライトが見当たらなかったのも。
多分、作るのに不馴れな誰かがやっているのではないか。

ランダムが目を見開いた。

「それだ!しかし、ジュリアン以外にあんな芸当ができるのは知らない。それに、一派にはかなり凄腕がいるようだ。ジュリアン自身が噛んでないわけはないはずだが」

※自由安価下3まで。正解の推理があった場合、話を進めます

※推理は「アンバライトを作ったのは誰か」「なぜアンバライトが作れるのか」の二点をお願いします。
なお、推理が当たらなくてもさほどマイナスではありません。当たればかなり大きいですが。

一応、ヒントは薄いですが出してます。

日付が変わるぐらいまで不在にします。

とりあえず全員外れです。

実はこのスレに一人だけかなりいい線まで勘づいていた人がいますが、彼が真相まで行っていたかは不明です。
ともあれ、まだ分からなくてもいい話ではあるのでこのまま進行します。

再開は0020ぐらい。

と、670正解なんですが、どうしましょうかねこれ。

670さんに追加質問。

・なぜそう思ったか
・皇太子というのはどこまで本当か

安価下3に入ってないのですが、打ち切りの書き込み直前だったので考慮します。

670さんがいませんが、とりあえず他の方でもいいので考察あれば。
0030から少しだけやります。考察なければ部分的に明かす方向にします。

>>599で自称皇太子の母親の話出てて>>658でそれっぽい人が
あとやっぱ名前が似てるww

>>675
ということは、

・ジュリアスはジュリアンの実子
・王家の血は引いている

でよろしいですね。とすると一つ矛盾点が出ますが、そこはどう考えますか?

ジュリアンがジュリアスを作ったのは最近?

ジュリアンが表だって動けない理由 がある?

アンバライトは自分で作ればいいのになぜ他人に作らせる?

わかんないのはこの辺か

>>677-678
ポイントとしてはいいところ突いてます。もう一歩ですね。矛盾点も「性別が違う」で正解です。
さすがに現時点で「今ジュリアンが何をやっているか」「なぜこんな矛盾が生じているか」が分かったら筆者も驚きますので、この辺りで。

(ただ、これも一応1スレ目からヒントは出してます。選ばれなかったコンマまで見れば分かるかもです)

では、少しだけ。

「ひょっとして、ジュリアス皇太子はジュリアンの血縁者なんじゃないでしょうか。そして、彼がアンバライトを作った」

私はふと思い付きを言った。名前がまず似ている。カリスマ性も「一族」の血で説明できる。
ネモらがジュリアス皇太子を王家の人間と信ずる理由は分からないが、筋は通る。

「ありえ……なくもねえな。ハーフ、つまり血が半分程度なら、ある程度能力は遺伝する。それなら、テストが必要だったのも、大量生産ができないのも分からなくはねえ」

ランダムが鼻に人差し指を当てながら言った。

「ただ、じゃあなんでジュリアンがアンバライトを作って寄越さなかったかって問題もあるがな。まあ、考えても仕方ねえか。……ただ、仮にそうだとすれば、向こうさんの勢力はそんなにはでかくねえかもな」

「なぜです?」

「ジュリアン自身が先頭に立ってりゃ、こんな回りくどいやり方はしねえはずだ。ストレートにモリブスなりアングヴィラなりを占領しに来るし、それだけの人数を集めるだろうさ。
そうせずに、荒らした上で帝国の残党がやってくる手を使うってことは、それは逆に言えばドラゴンの手を借りなきゃいけねえほど人がいないてこった」

「それは、一理あるねぇ」

酔っぱらいながらもライラが話に絡んできた。ミドルは泣き疲れたのか、酔いがもう回ったのか、近くで寝ている。

「とすれば、戦闘要員も多くはないな。3人てこたあねえだろうが、10人はいない。で、手練れはザッシュってのとその相方、んでおそらく現場統括やってるネモってのだな」

ランダムの読み筋は当たっていそうだ。そうなると、この電話はどうすべきか?

1 予定通り埋める
2 ランダムに改造してもらう(30以上で成功)
3 今ここで誰か呼び出す

安価下3多数決

※2で決定します。

「そうなると、これはどうすべきでしょうか。位置情報を分からなくするとか、間違った情報を流せるならいいのですが」

私はランダムに尋ねた。彼は少し難しい顔をしている。

「俺はこの手の改造、得意じゃねえんだがな。ま、ちょいとやってみるか」

ランダムは「電話」をなにやら弄り始めた。

30以上で成功、90以上かゾロ目で追加効果

98…追加効果あり

今日はここまで。対帝国は一気に優位に立ちそうではあります。

しかし、3選ばれたらどうしようかと思ってました。
ミドルは寝ててライラは酔っ払い。ダナも酒入ってるわけで、そっちを狙われたらキャラロスト必至でしたからねえ。

一応、戦闘回避ルートはその場合でもありましたが。
戦闘やったら結構ヤバかったと思います。

終わったことだけど99だった場合と90~98だった場合で当然違いは考えてたんだよね?
もし差し支えなければどの程度の違いを付与する予定だったのか教えて欲しい

>>693
考えてましたが、次の更新内容に引っ掛かるので詳しくは勘弁を。

夜更新は遅くなります。

気軽に危ない橋を渡るべきじゃないな(´・ω・`)

乙乙。
割とここのスレのコンマ神も
エンタメスピリット強いねー

さんざん(不手際チョイスしたとはいえ)
窮地に陥ったあとに
ランダム氏登場で一気に形勢逆転の光明とか

1、2レスぐらいは更新できそうなので、少しだけ。

>>695
>>523にも書きましたが、気軽に危ない橋を渡るのは全くお勧めしません。
どんな相手でも、選択次第で戦闘なしで決着できたり、優位な状況で戦えるようにはなってます。

>>696
あそこで99は豪運としか。

「……できたぜ。案外やれるもんだな」

10分ほどして、ランダムが操作を終えた。

「まずはこいつについてた位置情報探知機能だが、うまい具合に解除できたぜ。あと、設定が甘かったからか、逆に相手の位置情報を分かるよう設定できた。これで通話しても追尾できないし、こちらからは向こうさんの場所が丸分かりってわけだ」

「すごいじゃないですか!さっすがランダムさん!」

「いやー、ありがたいねー。ランダムさんにはライラちゃんからのちゅーをあげよう」

女性陣二人が快采の声をあげた。

「いやー、お嬢ちゃんたち照れるねえ。まあ、さすがに帰還術の発動は無理だったが。これさえなんとかすりゃ、通話したらこちらだけが相手側に転送できたんだが」

「いや、それでも充分です。本当にありがとうございます」

「あとは、これをどう活かすかだ。罠に嵌めるのも交渉するのもいいが、くれぐれも無茶はすんなよ」

ランダムが真剣な表情になった。

「早速、試してみようよ。どっちの場所を探る?」

1 ザッシュ
2 ネモ

「まずネモだな。おそらく組織の幹部だろうし、奴がいる場所が本拠の可能性が高い」

私はダナに答えた。ランダムから教えてもらった使い方はやや繁雑だったが、なんとかそれらしき情報に辿り着いた。ネモがいるのは……

01~10 アングヴィラ?
11~20 テルモンだ。
21~50 第十八階層だ。
51~99 第二十三階層だ。

ネモがいるのは……アングヴィラ?これは、まずい。
詳細情報を見てみる。すると……

01~10 私の家だ……
11~30 ペレスの事務所だ……
31~60 ギルドハウスだ。
61~99 街外れ、おそらくは街道近くだ

詳細情報には……ペレスの事務所近辺とある。これはかなりまずい。アンリの不手際に勘づき訪れたのか。それとも今朝の女の件か。
後者ならさしたる問題はないが、前者だと兄妹の命はかなり危ない。

ダナの顔色も一瞬で青ざめた。

「これは相当ヤバくない?すぐに戻った方がいいかも」

1 ザッシュの居場所も調べる
2 すぐに全員で戻る
3 ランダムについてきてもらい、酔いの激しいミドルとライラは残す

安価下3多数決

「ああ、そうすべきだ。ただ、寝ているミドルはもちろん、ライラもちょっと連れてはいけない。こんな事態は想定してなかったとはいえ、少し飲みすぎている。……すまないな」

「ああ……うん。これはあたしが悪いや。ごめんね」

ライラがしゅんとしている。私はランダムの方を向いた。

「申し訳ありません。連中、アングヴィラにいる可能性があります。最悪、私たちを待っているかしれません。ただ、先程のあなたの話を聞く限り、私たちでは手に負えないかもしれません。
図々しいお願いとは分かっていますが、ご助力お願いできますか」

ランダムは苦笑した。

「本来人間同士のいざこざに力は貸さないんだがな。ジュリアンが背後にいるんじゃしゃあない、行くよ」

私は深々と礼をした。

##########

私たち3人は自宅に帰還すると、全速力でペレスのところに向かった。間に合うか?

01~20 事務所には、事切れたペレスがいた。
21~30 事務所には、深手を負ったペレスがいた。
31~40 事務所前でネモとザッシュ、そしてペレスが押し問答している。
41~60 事務所前でネモとペレスが押し問答している。
61~99 「シデ、どうした」

事務所に着いたが、人の気配はない。しかし、入り口からは鉄のような嫌な臭いがする。……これは。

「ペレスゥ!!!」

そこには血の海に横たわるペレスがいた。

「しっかりしろ!!起きろペレス!!……ッ!!」

抱き抱えたが、彼の目からは生命の光は消えていた。……血はまだ温かい。

「遅かった!だが、まだ遠くじゃないはずだ!」

私は叫んだ。地下に行きアンリの安否を確かめている暇はない。電話の位置情報は、ギルドハウス近辺を指している。このまま街を抜けるのか、それとも寄るのか?猶予はない。

私たちはギルドハウスに向け走った。そこには……

01~10 ネモとザッシュ、小柄な男がいた
11~20 ネモとザッシュがいた
21~60 ネモがいた
61~99 ネモとアンリがいた

ここで中断。さすがに終わってる展開になったわけですが、どうしようか思案中です。

ここで決を取ります。

1 不幸の宝珠を消費、コンマを強制的に「ネモのみ」「ネモとアンリ」に変更した上で再設定
2 このまま続行

2の場合、かなり厳しい展開になります。戦闘を避けられるかもしれませんが、それでも不利です。

それを踏まえた上で、安価下5で多数決。

1にします。というか、ここ数回最低コンマを引き続けたわけですが、00奇数引くより低い確率なので特例とします。

正直言えば、3vs3で敵前逃亡以外に打開策が思い浮かばなかったというのが本音です。
んで、前回デッドエンドで示唆されていた通り、その場合焦土作戦に動かれていたはずなので…。

宝珠使用でも、vsネモはかなりの確率で避けがたいですが、ランダムがいるのでなんとかなるはずです。多分。

ギルドハウスに向かう途中、懐で何かが割れる音がした。……不幸の宝珠か?
何か最悪の事態が起こったかもしれないが、身代わりになってくれたのだろうか。

ギルドハウスの前、見たことがある後ろ姿を見た。

01~30 ネモだ。
31~99 ネモとアンリだ。

ギルドハウスの前には、後ろに撫で付けられた髪と口髭の男、ネモがいた。一人ということは……多分、アンリも殺されたのだろう。
腹の中に煮える怒りをどうにか閉じ込め、私は叫んだ。

「ネモ!私はここだ!」

「……はて、どこかでお会いしましたかな」

ネモは不思議そうな顔をしている。しかし、しらを切っているのは明白だ。

「第一階層で会っているだろう。お前たちが私たちを追っているのは、とうに知れている。なぜ追っているのかも、な」

ネモはニヤリと笑った。

「実に話が早いな」

「私を殺そうとするのは構わん、しかし
……罪のないペレスを殺したのは、許しがたい」

ネモはなお不敵な笑みを浮かべている。

「ほう、なら私を殺すか?1対3、騎士道にもとると思うがね……まあ、勝つのは私だが」

周りには人だかりができはじめていた。ギルドハウスからは、ゴラフが心配そうに覗いている。

1 この場で戦闘を始める
2 ランダムが「一族」であること、ジュリアンがネモ一派の後ろ楯にいることを伝える
3 コーウィンやベネディクトの存在含め、一通り伝えて交渉に入る

安価下5多数決

「殺したいのは山々だ。……が、お前の力量も分かる。取引をしよう、お前らにも決して悪い話ではないはずだ」

それを聞いたネモが笑い弾けた。

「うわははははは!!!取引、取引だと!?どこに取引となる材料がある?」

ダナはもちろん、ランダムも不可解といった顔で私を見た。

「まず、いくつかの単語を聞かせてやる。コーウィン」

ネモの笑いが止まった。

「……誰だそれは」

私は続ける。

「一族」

ネモの顔が驚きで見開かれた。

「そして、ここにいる男もその一員、ランダムだ。お前なら解るだろう。彼の力量が」

ネモはしばし無言で、何かを考えていた。私はさらに続ける。

「ジュリアン、おそらくはその血族でお前の上にいる、ジュリアス皇太子」

「そこまで知っているか。生かして返すわけにいかない……と言いたいが。そこのランダムという男、確かに本物の『一族』なのだな」

ランダムは苦笑した。

「人間同士のいさかい事には首は突っ込まないたちなんだがね。ジュリアンがバックにいると知っちゃあ別だ。……ああ、お前さん喧嘩して俺に勝つ自信、あるかい」

「あると言いたいがな。1対3で勝てる自信はなくなったな」

ネモからは余裕が消えていた。

90-賢さ(16)×5=10以上で成功

私はネモがそっと右手を後ろに回しているのに気づいた。

「……『電話』で応援を呼ぼうとしても無駄だ」

ネモは舌打ちし、右手を元に戻した。

「そこまで知っているか」

「下手な小細工は無駄だ。これから宿屋に行く。そこで私たちとお前だけで、伝えたいことがある」

ネモは「クソォ!」と一言だけ吐き捨てた。

##########

「ランダム、申し訳ありません。これはあなたにも大いに関係がある話です」

私は宿屋の一室を借り、ネモを中に通した。
本格的に交渉に入る前に、ランダムには言わねばならない。ベネディクトの野心を。

「……なぜ俺に話を振る?」

「これ、変だと思いませんでしたか?」

私は隠密の数珠を見せた。ランダムは軽く頷いた。

「ああ。それは『一族』から存在を隠す魔力がある。わざわざそんなものを着けている理由は、あとで訊こうと思っていた」

「これは、コーウィンがくれたものです。理由はあとでちゃんと話します。……さて、だ」

私は長椅子に向かい合って座るネモを見つめた。

「察してくれたかもしれんが、私たちはコーウィンと繋がっている。アンバライトのうち一つを砕いたのは、そのコーウィンだ」

「……合点がいったよ。あれを無力化できる時点でおかしいとは思った。コーウィンのお気に入りの勇者ダリオ、その娘がいたから、最初から警戒はしてたんだがね」

ダナは「そうなの?」と驚きを隠さなかった。だから連中は、ダナを探していたのか。

「コーウィンの存在、やはり知っていたな。ジュリアンから要注意人物として、話は聞かされていたと思ったよ」

「なるほどな。だからお前たちに手出しをするな、そう言いたいのか」

ネモの敵愾心はまだ強い。隙あらば襲い掛からんという殺気を放っている。

「いや、違う。コーウィンは滅多なことでは動かない。そうもジュリアンから聞かされているはずだ」

「そこまで読んでいるならこれ以上の話は無駄だな。勝てるか分からんが、そこの薄い金髪以外の二人なら、消し炭にすることはできるが」

「……本題はここからだ。ベネディクト。聞いたことはあるか」

80以上で追加イベント

※追加イベントあり

ネモの表情が凍った。ランダムは「はぁ!?」と一言口にしただけだ。

「その様子では、知っているな。ベネディクト、第一位継承者。ひょっとして、お前たちも既に被害を受けたのじゃないか」

「ちょっと待て!ベネディクトが何をしでかした?」

ランダムが青ざめた顔で言ってきた。

「運悪く、『穴』で会ってしまったんですよ。奴と、奴が作り出した怪物に。殺されかけましたが、コーウィンがすんでの所で救ってくれました。
……そして、奴の狙いは奴が作り出したモンスターによる『一族』の完全な抹殺。『最高の素体を見つけた、計画は最終段階だ』と言い残して消えました」

「うっそだろ……ただの死にたがりのマッドサイエンティストじゃねえのかよ……洒落にならねえぞ」

ランダムが恐怖で震えた。顔には冷や汗も滲み出ている。

「ええ、だからあなたも狙われているんです。そして、ジュリアンも」

ネモはごくりと唾を飲み込んだ。

「アンバライトを第二十階層近辺で設置しようとした部下が、瀕死の重症で帰ってきたことがあった。『ベネディクトにやられた』とだけ言い残して死んだ。
その後ジュリアン様がそこにいる男と同じような顔をして『ベネディクトから逃げろ』と言っていたが、そういうことか」

「そういうことだ。私たちは奴に追われ、お前たちも奴と敵対している。なら、答えは一つじゃないのか」

100-魅力(15)×6=10以上で成功

「……停戦協定を結べ、そういうことか」

「ああ。私はお前たちを許すことができない。許されるなら、今すぐお前を殺してやりたいとすら思う。
だが、ベネディクトはあまりに危険だ。……お前たちの助けなしに奴は倒せないし、その逆も同じだ。違うか」

ネモは私をしばし見つめ、軽く目を閉じた後、「分かった」と短く答えた。

「協定の内容は単純だ。互いに攻撃はしない。ベネディクトを見かけた場合は逃げた上で情報を共有する。時期が来れば、ベネディクト打倒の共同作戦を張る。
向こうの駒は分からないが、対ベネディクトだけは結束しないと勝てない。お前の上役なら分かるだろうが」

ネモは席を立った。

「……ジュリアス様、そしてジュリアン様に相談した上で回答しよう。おそらくそっちにはアンリとマリアの『電話』があるだろう。そこ経由で連絡する」

ネモが「電話」を操作すると、ルーンが現れた。

「ああ、無論契約破りは万死に値する。そのつもりでいろ」

そう言うと、男は空間の歪みに消えた。

ランダムに会って情報手に入れたのは良いけど結局ペレスとかやられてコッチ陣営は損しかしてないなぁ

########

宿屋を出た私たちは、まずエルヴィンに事の顛末を伝えた。無論、「一族」には触れず、ただ「帝国関係者らしき男が殺したようだ」「力量差もあって手出しできなかった」とだけ伝えた。
エルヴィンは涙を流し、街の英雄の死を悼んだ。そして、急ぎエイラが「街葬」の準備をすることになった。

ペレスの事務所の地下には、案の定アンリの惨殺死体があった。幸い、ハーニスの所にいる妹は無事だったという。彼も思えば、不幸な人生だったと言えそうだ。

ペレスの後任は、暫定でゴラフが兼ねる結果になった。「優秀な冒険者で、定住してくれそうなのがいればいいが」と肩を落としていた。

とにかく、街全員がペレスの死を嘆いた。それだけは、疑い無いことだった。

#########

私たちは、ランダムのプレーンシフトを使って第十六階層に戻った。ミドルとライラは、木陰で隣り合って寝ている。

「戻ったぞ」

「……ん、あ。ああ、おはようございます」

ミドルの目が覚めた。それを受けてライラも身体を起こした。

「ごめん、深酒して。首尾は?」

私は黙って首を横に振った。

「あまりいい知らせじゃない。ペレスとアンリは、ネモに殺されていたよ」

重い空気が流れる。

「じゃあ、ネモは倒せたんですよね?」

「ごめん、逃がした。そうせざるをえなかった。……ゴメンね」

ダナがそう言うと、「何でですか?なぜ逃がさなきゃいけなかったんです!?」と、ミドルはまた泣きじゃくりながら言った。

「しゃあねえよ、坊主。ありゃ相手が悪い。それに……」

ランダムはちらりと私を見た。

1 素直に話す
2 嘘で誤魔化す

安価下3多数決

1

ペレスは慕われた保安官だったんだろうなぁ
1回目のデッドエンドでも恐らく一族の攻撃で事務所大破してるだろうし不幸の星の元に生まれた人やね

…ネモはランダムだけじゃなくコーウィンのことも覚えてないのか
一族で過去に集まりがあったとすれば一部記憶喪失ありそうだし、そうでもないなら他の一族に疎いのか興味がないのかなんなのか

停戦協定締結の件についてはコーウィンにどう伝えるんかね
こっちから連絡とれないしランダム経由でも上手くいかないだろうし…

私は正直にいきさつを話した。ミドルの目が憎悪で揺れる。

「はああ!?何ですか停戦協定って??心底見損ないましたよ!!」

ミドルの怒りは、実にもっともだ。しかし。

「なら、ベネディクト相手に私たちだけで立ち向かえると思うか?向こうも被害は受けている。襲われる懸念を減らすには、仕方がない選択だった」

「じゃあシデさんたちだけで勝手にやっててくださいよ?僕は一人で戦い……」

パシーン。

ミドルの頬を打ったのは、ライラだった。

「子供がなめたこと言うんじゃない!シデさんが、ダナちゃんがどんな思いで決断したか、知ろうともしないで!」

ライラの顔からは、普段ののほほんとした雰囲気は消えていた。目には涙も浮かんでいる。

「ペレスさんがどういう人か、あたしは知らない。でもきっと、シデさんにとっていい友人だったんだろうなというのは分かる。
あのアンリって子だって、決して悪い子には見えなかった。彼らを殺したネモって奴に、怒りがたぎってないわけがない。
でも、シデさんは……私たちのために辛い選択をしたんだ。私たちができるだけ傷付かずに済むように、そしてこれから最後まで旅を続けられるように。そのために怒りを飲み込んだ。あんたにそれができる??」

ミドルは押し黙った。ランダムがその後に続ける。

「俺は詳しい事情はよく知らねえし、人間同士の争いなんて興味もない。だが、これは俺にとっても大きな問題がある話だった。
たった二回会っただけの俺のために、俺の平和のために、この選択をしたシデは偉い奴だよ。大人の選択と分かってくれ、なんてこたあ言わない。だが、少しだけでも分かっちゃくれねえか」

コンマ下一桁×6、ミドルの好感度下落

好感度112→64

「……分かりました、なんて言えません。許せないものは許せないですし、それと仮初めにも手を結んだシデさんにはやっぱり共感できない。
……でも、感情はともかく理性では、シデさんが間違ってないというのも分かります。だから、その決定は尊重します」

ミドルが声を振り絞った。彼は辛いだろうし、私も望まない選択だった。だが、仕方がない。仕方がないのだ。

「……で、ランダムさんはどうするんですか?ベネディクトに狙われているのは間違いないですけど」

「そこだよな。『穴』にいると危険しかないから、ブラブラするのももう難しいな。地上でしばらく生きるか、あるいは……」

90-魅力(15)=75以上で成功

48…失敗

「……あいや、やっぱなしだ。地上にいることにするわ。ただ、ベネディクトの話は協力するぜ。何かあったら、情報交換でもしようや。
……っと。ただ対ベネディクトだとお前さんたちはまだ心許ないな。御守りを一つやろう」

ランダムはザックから何か取り出した。

01~20 不幸の宝珠だ
21~40 軽鎧だ
41~60 長剣だ
61~80 服だ
81~99 指輪だ

取り出したのは軽鎧だ。

「まああんま大したもんじゃねえがな。軽いから誰でも着れるってのが売りだ。んじゃまあ、また会おうぜ」

ランダムはゆっくり消えていった。

#########

階段はすぐ近くにあった。今回は潜ることが目的じゃない。一先ず戻ることにした。

ここまで。ミドル回りは説得力がどうかなと筆者ながらに思ったりします。

停戦協定ルートは一応想定してました(デッドエンドになった際、ザッシュでなくネモにかけていたらあり得たルート)。
しかし、ランダム登場で罠にはめてじわじわ…と思ってたらこの有り様だよ!
ペレスさんはどっちでも死んでたわけで、不運な人でした。安らかに。

ちなみにこれ今嘘言った所で誤魔化し切れるものじゃないのは明らかじゃない?後からばれたらもっと下がる予定だったよ!とかはありました?

ペレスは犠牲になったのだ・・・
さて今の所はベネディクトの件に完全に気を取られてて忘れられた妹の方はどうするかだな
協定のお陰でネモが慌てて殺しに戻ったり誰かを寄越すって事もなさそうだし

>>755
ていうか、サーリャの依頼達成がほぼ不可能になりましたからねえ。部分的にはチャンスはありますが、どうなるか。
ただ、当面の敵が一陣営だけになったのは救いとは言えます。まあ、このまま行かせるつもりはないですが。

>>759
ネモはコーウィンは知ってますよ。知らないのはランダムはじめ数人です。
一族大会議はいつかやります。ある意味今回のはそちらルートの第一歩ではあります。
コーウィンは、停戦協定は知っても「そうか」止まりでしょう。ジュリアンが彼にとって当面の敵でないと思ってますし、そんなのよりもっと大事な案件が2、3あるからです。

>>776
当然ですね。多分一発離脱級(コンマ下一桁×20)とかになったはずです。

>>777
そこは次触れます。なお、帝国陣営も……げふんげふん。
コンマ次第ですけどね。

>>778
あー、つまり>>745のネモの笑いを止めてからの「誰だそれは」は知らなかった訳じゃなく知らなかったふりをして動揺を誤魔化そうとしたと
行間の描写が読み取れんかった

まあ避けられないとは分かっててもなるべく血が流れるのは少なくしたいよね
メタ的に考えると一族と戦って勝っても経験値が入るわけじゃないんだし争いは避けた方がいい

>>781
ああ、そういうように読まれちゃったなら文章力不足です。申し訳ありません。
ご指摘の通り、動揺を誤魔化してたのが正しいです。

一応、一族と戦って勝てば強力無比なアイテムが入手できるかもしれません。
ただ、一部の一族以外は戦闘しなくてもいいようにしてます。さすがにベネディクトだけは無理っぽいですが。

今って正規ルート?それとも絶賛脱線中?

にしても、今回はかなり苦労しました。予定通り各個撃破ルートになりゃ良かったですが。
このため、破綻等色々あるかもしれません。遠慮なくご指摘お願いします。

いやー、仕事が急になくなったからなんとか対処できたようなもんですね。

>>784
本線かというと違いますが、大会議ルート自体は可能性として考えていました。
問題は、そこに漕ぎ着くまであと2陣営との交渉が必要です。なお、そのうち一つは影も形も出ておらず、もう一つもごくごく軽くしか出ておりません。

あと二陣営かー
他の街にも積極的に足踏み入れなあかんのかな

>>789
そういうことですね。影のジャックに会わないと始まらないかと。
あと、ドラゴン退治はそろそろという感じです。

少し再開。

########

戻ってから、重い雰囲気が私たちに流れた。
帝国の一派が襲撃するおそれは、大分減ったとは言える。
しかし、彼らと部分的にとは言え手を結ぶという選択が正しかったのか。私には全く自信はなかった。

ミドルは「しばらく一人にさせてください」と足早に帰ってしまった。感情を理性で抑えるには、彼はあまりに若すぎる。
ライラも「ちょっと疲れた」と宿に戻ってしまった。色々なことが、今日はあまりにありすぎた。

70以上で追加イベント

※追加イベントあり

部屋には私とダナだけが残った。

「ちょっといいかな……停戦協定のことだけど」

ダナが私を見据え、ぽつりと言った。

「本当に、あれで良かったのかな?」

「……私も自信はない。多分、我が身かわいさはあったと思う。ネモに勝てる自信はなかったからな」

ダナは下を向いた。

「ボクだって、シデに怒りたかったさ。ミドルの気持ちはよく分かる。……でも、ボクもあいつと向き合ったから分かる。戦って、命の保障がある相手じゃないって」

私たちの間に沈黙が流れた。窓から差し込む夕暮れの明かりが、ダナを照らしている。
頬には数筋の光が見えた。

「……もっと強ければ、こんな思いせずに済んだのかな?もっと勇気があれば、こんな辛い思いをせずに済んだのかな?」

気が付くと、ダナは私の胸を掴んでいた。私はそっと、彼女を抱き締める。

「……そうかもしれない。ただ、現実がどんなに残酷でも、それを受け止めて足掻かないと生き残れない。あの選択も、そんな『足掻き』だった、ような気がする」

ダナは黙ったままだ。私は続けた。

「私は、そして多分君も、『災厄の日』から足掻き続けて生きてきた。人が死に絶えていく中でも、それでも皆、なんとか生きようとしている。
その時の選択が正しいかは分からないが、全力を、全智を尽くした選択ならそこに後悔はしたくはない。……上手く言えないが、そういうことだと思う」

ダナは「そっか」と小さく言った。

60以上で追加イベント

ダナは私の唇に彼女のそれを合わせた。……前にもこんなことがあった。
数秒の接吻の後、彼女は少しだけ離れ、言った。

「ボクも、後悔しないようにする。シデ、好きです。仲間としてじゃなく、一人の男の人として」

茜色の光が、彼女を浮かび上がらせていた。頬の赤みは、光によるだけのものでは、多分ない。
短く切り揃えられた黒髪が、どこか艶だって見える。

「返事は、今はいいよ。いきなり言われて戸惑ってるだろうし。でも、いつ死ぬか分からないからさ。今のうちに、言っておきたかった」

ダナが部屋を出ようとする。

90-魅力(15)×2=60以上で追加イベント

私はそれを、黙って見送った。いつか、彼女の気持ちに応えなければいけないのだろう。
ただ、私にはまだ、その覚悟はなかった。

コンマ下一桁、好感度上昇

好感度が上昇しないだと……!?

ダナ好感度 136→146

ここまで。150越えたら何かイベントあります。

>>810
下一桁判定では、0=10でやっています。
なので上がらないことはありません。

しかしあれですね。コンマ神はまだ早いと言っておられるようです。

今更突っ込むのもアレだけどコーウィンに再開した時に新しく手に入れたアンバライトぶっ壊して貰えば良かったのに

再開します。

>>817
まあライラが無効化してたうえに、アンバライト破壊はコーウィンとの再開時では重要事項ではなかったので、そこに考えは及ばなかったですね。

###########

翌朝。私の家を8の刻に訪れたのは、ダナとライラだった。ダナの顔を見ると、少し気恥ずかしそうに視線を反らした。
私もどうしても意識してしまう。女性から愛を囁かれたことがないわけではないが、ここまで誰かが気になることはなかった。
14や15の少年でもあるまいにと思うが、感情が少しだけ勝っている。

「何かあったのー?」

「えっ、な、何でもないよ。ねえシデ」

ライラの問いに対し、ダナは挙動不審だ。私は「まあ、な」と答えたが、ライラは「ふーん?」とまだ訝しげだ。

「そう言えば、ミドルは?」

私は話題を強引に変えた。そう言えばいない。大体は、3人一緒に来るはずだが。

「『ちょっとそっとしておいてください』だってさ。今日アングヴィラを発つのは難しいかもね」

ダナが渋い表情だ。前にも同じようなことがあったが、明日には戻っているだろうか。

さて、どうするか。

1 ミドルの家に行く
2 ハーニスの家に行く
3 鑑定屋に行く

ミドルの家は民家が並ぶ居住区の一角にある。以前会った、キルト・ウルファの家もそう遠くない。
ミドルは伯母と一緒に住んでいる。子供に恵まれないまま夫が災厄の日で死んだこともあり、ミドルを実の息子のように可愛がっているようだ。

「すみません、よろしいですか」

私は家の扉を叩いた。「はーい」と銀髪の初老の女性が出てきた。ミドルの伯母だ。

「あらシデさん。ミドルですか?」

「ええ、少し話をしたいのですが」

01~20 ミドルなら出掛けましたよ
21~99 ミドルは具合が悪いみたいで……

「ミドルは具合が悪いみたいで……明日には治るって言ってましたよ」

前にも似たようなことがあった。あの時はちゃんと翌日立ち直ってきたが。

1 放っておこう
2 ちゃんと会って話をしよう

「ちょっと会いたいんですが、いいですか」

「どうでしょう、あの子、一回寝込むと起きないですし。でもシデさんだからいいかしら」

伯母は悩みながらも私たちを家にあげた。ミドルの部屋は二階という。
ドアをノックした。……返事はない。

「ミドル、まだヘソ曲げてるのかな」

珍しく苛ついた顔でライラが言う。昨日もミドルの頬を張っていた。思うところはあるのだろう。

1 自分がドアを開ける
2 ダナがドアを開ける
3 ライラがドアを開ける
4 やっぱり帰る

安価下3多数決

「どうするか」

「……あたしに任せてもらっていい?」

ライラが言った。私が頷くと、彼女はいきなりドアをバァンと開いた。

「ミードールー。いつまでいじけてんのさ!」

「……えっ?ライラさん?」

部屋の隅で膝を抱えていたミドルが、驚きで顔を見開いた。

「昨日言われたこと、もう忘れたの?いい加減にしないと、これ飲ませるよ??」

ライラの手には……小さい酒瓶?一体何時の間に、どうやって取り出したのか。

「えっ、それはちょっと……」

「ならちゃんとシャキッとなさいな!あたしに甘えるのはいいけど、いつまでもウダウダウジウジしてんじゃないわよ!」

ミドルがおろおろしている。ライラはこんな性格だっただろうか?ダナも「えっ?」と声を発したまま動かない。

「えっ、でも、気持ちの整理がまだ……」

「そんなのは後でつくもんだよ?とりあえずこれ飲んで気合い入れていくよ」

ライラが薄黒の液体が入った瓶をミドルに付きだした。
ミドルは仕方なしに酒瓶をあおり……そして酔いで倒れた。

眠気が強いのでここまで。

再開します。

「……ライラちゃん、これはちょっとやり過ぎなんじゃ……」

ミドルはぐったりとしている。そこまで多量の酒を飲んだようにも見えなかったが。

「いいのいいの。この子、基本甘えたがりなだけだから。シデさんたちが留守の間にミドル君が目を覚ましたんで少し飲ん……いや話したんだけどさ。
村には若い子供がいなかったから、まとめ役として気を張ってたらしいよ。だから誰かに甘えたいんだって。……まーこの場合それが甘い方向に出てるわけだけど」

ライラは苦笑いした。そう言えば、意外とこの二人は一緒に行動している。存外、この中でミドルのことを分かっているのは彼女かもしれない。
……ただ酒を飲ませたかっただけな気もするが。

「まあそんなにしないうちに起きるでしょー。起きたらいこ」

#########

ライラの言う通り、ミドルはじきに目を覚ました。「よく分からないけど、何か嫌な目に遭った気がします」だそうだ。
私に気付くと、「ごめんなさい、大丈夫です」と頭を下げられた。酒によるショックで、ある程度気持ちは落ち着いたようだ。ただ、本能的にかライラを少し避けてはいたが。

#########

「次はハーニスさんの所かな」

「そうだな。兄妹の妹に、一応顛末は伝えねばならない」

それは兄の死を伝えるのと同義語だ。私の足取りは少し重くなった。

20以下で追加イベント

妹暴走か脱走判定かな

※追加イベントなし

「よう、人殺し未遂。何の用だ」

ハーニスが不機嫌そうに出迎えた。

「昨日運ばれていった女性に会いたい。と言っても、会うのは私じゃない。この子だ」

私はダナを促した。昨日話した通り、私が会うのは少々まずいだろう。

「どうも、ダナです。先日はシデを治療してくださり、ありがとうございました」

「いや、それはいい。それにしてもどういう風の吹き回しだ。女嫌いかと思っていたが」

「別に女性が嫌いなわけじゃない。それに彼女は、大切な仲間だ」

仲間?本当にそれだけだろうか。自分で言って引っ掛かるものを感じる。

「まあいい。こっちだ」

※ここより、ダナ視点になります。

一旦中断。一人称変えるのは初めてなので、上手く行くかどうか。

>>839
可能性がなくなったのでばらしますと、ザッシュが残り一人を消しに出てくる予定でした。

読んでるとたま~にダナの一人称が私になってる時あるね

再開します。

>>843
申し訳ありません…。元々ボクっ娘として出す予定ではなかったため、油断すると一人称がブレますね。
なお、ライラのキャラがぶれているのは仕様です。多分。

########

部屋に入ると、長い黒髪の女の子がベッドにいた。眠っているようだったけど、ボクの気配に気づいたのかすっと目を覚ました。

「……誰?」

女の子はボクの方を見た。青い目がボクをしっかりと捉える。

「はじめまして……って言えばいいのかな。ダナっていうんだ。君たちが追ってた一行の一人」

女の子はふうと息をついた後、視線を天井に向けた。

「私に何の用?話すことは、ないわよ」

やはり忠誠心は強いのかな。簡単に話はしてくれそうもない。

1 お兄さん、殺されたよ
2 君が誰かは知ってるよ
3 少し、自己紹介でもしようか

安価下3多数決

上げます。

「少し、自己紹介でもしようか。ボクはダナ。これはさっき言ったね。一応、冒険者やってる。君は?」

「……マリア」

彼女はそれだけ言うと、視線を天井に向けた。
しばらく沈黙が続く。こういうのはあまり好きじゃない。

1 どこの生まれなの?
2 なんでこんなことしたの?
3 君たちのことは、大体知ってるよ

安価下3多数決

「マリアはどこの生まれなの?」

彼女は数秒して口を開いた。

「……マジェスタ」

マジェスタ?帝国の首都があった場所だ。もちろん、今では毒に犯され人が住めない街になってしまったけど。
あそこは、貴族や大商人など特権階級しか住めない街だった。庶民は少し離れた「デミマジェスタ」に集められていた。
シデから聞いたアンリの印象では、てっきりそっちの子かと思っていた。もし聞き間違いじゃなければ、この子は相応の生まれだったことになる。

「帝国の首都だね。……ボクはチェルチという小さな村の生まれだよ。もう、なくなっちゃったけどね」

ボクはかすかな動揺を悟られないように言った。もちろん、嘘はついていない。

「マジェスタってことは、結構なお金持ちだった?」

80-魅力(12)×4=32以上で成功

44…成功、追加情報あり

また少し中断。

再開します。

マリアという子は、黙ってボクの方を向くとじっと目を見つめてきた。また、嫌な感じの沈黙が流れる。
やがて、彼女がポツリと言った。

「……どこまで知ってるの」

「どこまでって、どういうこと?」

「とぼけないで!アンリから聞いてるんでしょ?私たちが、帝国の王族ってことよ!」

……驚いた。てっきりただの下っ端だとばかり思っていた。まさか、そういう立場の人間とは。
しかしなぜ捨て駒のような役割を?考えればそうだ。殺された女の人だって、皇太子のお付きだったって話だ。どうにもおかしい。

ぼけっとしているボクを見て、マリアがしまったという表情を浮かべた。

「本当に知らなかったの?」

ボクはこくんと頷いた。

「君たちが帝国の人だってのは知ってた。ボクらを追う理由も。でも、なんで君みたいな子がこんなことを?」

80-魅力(12)×5=20以上で成功


12…失敗

「関係ないでしょ」

彼女はそれきり口を閉ざしてしまった。あまり触れられたくない話だったのだろうか。

1 このまま去る
2 アンリの死を伝える

「……じゃあボクは帰るけど。君のお兄さん、殺されたよ」

マリアがベッドから飛び起きた。

「……嘘。嘘よおぉぉ!!」

覚束ない足でボクに向かって走り、胸ぐらを掴んだ。目からは涙が溢れている。

「ねえ……嘘でしょ?アンリは死んでないよね?あんたが、私を混乱させるためについた嘘よね??」

ボクは首を振った。

「……残念だけど、本当なんだ。保安官のペレスさんと一緒に殺された。殺したのは、君の上司、ネモだ。既に街中に手配書も回ってる」

「…………うわぁぁぁぁぁっっっっ!!!」

マリアはその場に崩れ落ちた。「どうして、どうして」と狂ったように繰り返している。ボクも居たたまれなくなった。

1 その場に残る
2 そっと部屋を出る

ボクはその場に残ることにした。多分、何をしても慰めにはならないなと思ったけど、彼女の側にしゃがみ、髪を撫でてやった。

80-魅力(12)×4=32以上で成功

74…成功

マリアはされるがまま、嗚咽を洩らしていた。
どのくらいたっただろうか。彼女がゴホッゴホッと咳き込んだので、背中を擦ってベッドまで肩を貸してあげた。

「……ありがと」

「いいよ。ボクも母さん死んじゃったし。父さんも死んだって最近言われた。肉親が亡くなった時の気持ちは、よく分かるよ」

マリアは涙がまだ滲む目で天井を見上げた。

「一人に、なっちゃった」

またしばらく沈黙が流れた。それを断ったのは、マリアだった。

「私ね、王弟のフレッド・ド・ヴィルエール・ジェスタルの娘なの。私は母様……第一婦人の、アンリは第二婦人の子。三日違いで生まれたの」

ボクは黙って聞いていた。それにしても、王家と極めて近い関係とは。

「小さい頃から一緒でね。本当に完全に血の繋がった兄妹みたいだった。父様も母様たちも、みんな優しくて幸せだった……でも、3歳の時、すべてが変わってしまった」

「『災厄の日』だね」

マリアが頷いた。

「たまたまテルモンに用があった母様が、私たちを連れてきたの。その日何があったかはよく覚えてないけど、そのおかげで私たちは助かった。……でも、父様たちは……」

悪夢を思い出したのだろうか、マリアはまた咽び泣いた。
泣くのが収まるのを待つと、彼女は続けた。

「そこから先は大変だった。王族とはいっても、もう王家はない。帝国に恨みを持つユングヴィやズマの連中から狙われもしたわ。
母様は最初こそ支援してくださった商人の方に助けられたけど、そのうち付け入られて。最後は娼館に入れられて死んじゃった。あの美しかった母様が、最後は気が狂ったようになったの」

酷い話だな、そう思った。僅かな富に群がる奴は、父さんとの旅でもよく見かけた。その毒牙にかけられたのは、ただ同情するしかない。

「……まだ小さかったけど、アンリが色々助けてくれた。盗賊じみた真似もしてたみたいだけど、私だけは守ってくれた。私が娼館に入れられそうなったときも、全力で戦ってくれた。
……アンリは、私にとっての勇者様だったの」

多分、マリアはボクが勇者ダリオの娘と知って言ったのだな。そう思った。

「どうして、ネモの元に?」

マリアは一瞬ふふっと笑った、ように見えた。

「テルモンでなんとか生きてきた私たちの元に、偶然あの方が来たから。ジュリアス・ド・ヴィルエール・ジェスタル」

「皇太子だね。でも本物なのかい?皇帝シグルドには、娘しかいなかったと聞いたけど」

マリアはキッとボクを睨んだ。

「本物に決まってるでしょ?皇帝直系の血筋しか持ち得ない、紋章のアザが右拳にあったんだから!」

そうなのか?作り物である可能性はないのか?それとも……

※自由安価3、可能性を推理して下さい。正解者がいなければ、ここはそこまでにします。

一度上げます。

0050までレスがない場合、強制的に全員不正解として続けます。
なお、ここで不正解でも対帝国の交渉が優位になるだけであまり大きな変化はないです。

とりあえず続行です。なお、現在の所は不正解になります。

ヒントは
・ジュリアスはジュリアンの血は引いている
・ジュリアンは帝国の後ろ楯の一人(ただしメインではない)
・お付きのジュディは本物

以上です。朝まで時間を伸ばしますので、今日はここまで。

なお、ジュリアスの行動の理由まで当てられた場合は今後何か考えます。
現在のところノーヒントもいいとこですので、こちらを当てられたら脱帽しますが…

再開します。

なお、正解はなしですが半分ぐらいまでは来ている印象です。
まあ、帝国関連は情報少なかったですし、仕方ない面はありますね。
そう遠くないうちにジュリアスとは対面するはずですので、そこで色々分かるかと思います。

てか一人、没設定に限りなく近い指摘をされている人がいてビビりました。
人間の想像力は怖いですねえ。

ジュリアスは実はジュリアンが自分の血や遺伝子と皇帝もしく血を受け継いでる人間を混ぜて作ったハイブリットクローンだからアザがあったとか?
似た様な事をベネディクトもやってるみたいだし技術力特化のジュリアンならより精巧なものもいけそうだが

アザが本当に遺伝で出来るものなのかどうかで大分推理も変わってくる

……ちょっとよく分からない。もう少し情報がないと。

ただ、忠誠心の理由は分かった気がする。貧しいなか生きてきた二人の元に、血縁の王族が来たら。ボクが同じ立場なら、喜んで頼っただろう。

「それで、それ以来一緒に行動するようになったんだ」

「『帝国を再興する』と高らかにあの方は言ってくださった。私たちも何でもやったわ。帝国近衛騎士団長のネモ様がいらっしゃったのも心強かった」

ネモは帝国の近衛騎士団長だったのか。想像以上に王家との結び付きは強かったみたいだ。
とすると、人数は少ないけど、信頼できる身内だけで構成されている一団が彼らなのかもしれない。ネモの強さに対する自信も、何となくだけど理解できた。

「だから、そのネモ様がアンリを殺したのは、全然分からない……。帝国復興への想いは誰より強い方だけど、非道な方じゃないと思ってたのに……。
ジュディさんだって、簡単に裏切る人なんかじゃない。……もう誰も、信じられないよ……」

マリアは再び泣き始めた。情報が色々混乱してる。
ただ、帝国一派からボクらが襲われる危険は大分減ったとはいえ、彼女の(そしてハーニスさんの)身の保証はない。これは確かな気がする。

「……ボクらと一緒に来るかい?」

80-魅力(12)×5=20以上で成功

マリアはしばらく黙った。いきなり今まで追っていた相手から誘いを受けて、しかも身内を殺されて「行きます」と即答されたら、ボクの方が驚く。

「君は、多分まだ狙われている」

ボクは彼女に告げた。泣きはらした目から動揺が見える。

「ボクらと帝国、少なくともネモとは、互いに攻撃し合わないよう交渉しはじめた。まあ色々理由はあるんだけどそこはいいや。
でも、よくは分からないけど彼らは彼らなりに余裕がない。失敗は絶対許さない、そんな感じがする。アンリもジュディさんも、だから殺されたんじゃないかな。
とすれば、君が生きてるのが分かったら多分誰か来るよ。見つかりにくい別の街、モリブスなら大丈夫かな。そこに行って身を隠せばいいと思うよ」

「でも、あの方たちは私の居場所が……」

「ああ、『電話』のことでしょ?」

ボクはにやっと笑った。マリアは口をあんぐりとさせている。普通の人じゃ「電話」なんて知らないよなあ。

「ある人に頼んで、位置情報は分からないようにしたから大丈夫。まあ、安心してよ」

「……『勇者ダリオ』の娘って話、本当だったのね」

ボクは苦笑した。

「いや、ボクはただの冒険者さ。たまたま運がいいだけの、ね。じゃあ、準備ができたら一緒に行こうか」

※ミッション「マリアをモリブスまで護衛しろ」が発生しました。なお、ポイント付与は小ミッションに準じます。

ここで休憩。

>>881
ジュリアンの技術は理工系、ベネディクトの技術は生物医学系なので……

>>882
一応言いますが、遺伝です。

このミッション大分辛くないか

お互い手出しはしないっていったけどあくまでマリアは向こうの部下扱いだから手出しできない対象にはならないだろうし

>>887
そうですが、向こうもこちらの居場所が分からない&こちらは向こうの居場所がわかるので、逃げようと思えば何とかなります。
コンマ勝負の面が大きいですが、逃げ切りの目は大きくする方針です。
あと、戦闘になっても3人出てきて実質詰みみたいなことはしません。

再開します。

#########

「様子はどうだった」

ダナはにかっと笑うと「大丈夫、一緒に行くって」と答えた。詳しく聞くと、王弟の子供という。
アンリからはそういう印象は一切受けなかったが、盗賊紛いのことをして糊口をしのいでいたからなのかもしれない。
あと、忠誠心の源も分かった。皇太子が本物かは分からないが、そう信じ込んでいるなら口を割らなかったのも道理ではあった。

「で、モリブスに行く前にいくつかやることありそうだねー。鑑定とか」

そうだった。ライラが言う通り、ランダムから貰った軽鎧を鑑定し忘れていた。ザックは自宅だから、一度戻らないといけない。

「あとは食料品とかの買い出しですね。お金は大丈夫っぽいですけど」

結構色々あるものだ。マリアの分も買うとなると、それなりの荷物にはなる。それと……

「確認しなきゃいけないのは、ザッシュとネモの居場所だな。尾行に失敗したマリアを消そうとしてないとは、全く言い切れない」

緊張が私たちに走った。電話を操作すると……

01~05 ザッシュがアングヴィラにいる?
06~50 二人は第十八階層にいる
51~99 二人は第二十三階層にいる

「二人は第十八階層にいるようだな」

おそらくそこが本拠だ。無論、行くには何かしらの「鍵」が必要なのだろうが、迂闊に潜れなくなったようにも思う。
あるいは、停戦協定が発動してから許可をもらって通り抜けるか。やや面倒なことにはなった。

「まあとりあえず、すぐにどうこうってことはなさそうだね」

ダナの言う通りでもある。ただ、旅路で油断はできないだろう。

##########

私たちは、マリアを連れてハーニス宅を出た。一応高速治癒術をかけ直し、普通に歩ける程度には回復させた、つもりだ。
ハーニスは「しばらく来るな」と捨て台詞を吐いたが、彼なりの離別の挨拶と思っておこう。
念のため奥方には、誰かマリアのことを尋ねたら、モリブスではなくテルモンに向かったと言って欲しいとだけ伝えておいた。上手い具合に騙されてくれれば幸いだ。

###########

自宅に戻り、ランダムから貰った軽鎧を取り出した。まずは簡易鑑定、それとイェンダーの所に行くのが早い。

鑑定計にかけると……

01~40 1000マドルだ
41~60 1500マドルだ
61~80 2000マドルだ
81~90 2500マドルだ
91~99 針が振り切れた

「1000マドルか、流石の逸品っぽいね」

「これぐらいじゃないと、増していく危険には対応できないと思ったのだろうな。ありがたく使わせてもらおう」

#########

イェンダーの鑑定屋では、彼に「色男、また女の子を加えてどうするんだ?」とからかわれた。
「いや、モリブスまで送っていくだけだよ」と言ったが、イェンダーと一緒になって笑うダナの目は笑ってないように思えた。
見た目ならダナが一番美しいとは思うが、確かにマリアにはどこか深窓の姫のような雰囲気がある。愛を告げられたからでもないだろうが、ダナはダナなりに気にはしているように思える。

鑑定が一品だけだったので、時間はそうかからないという。
適当に食料品とテント、その他調理器具を買い込んで帰ると、イェンダーが興奮ぎみに出迎えた。

「こりゃまたすげえな!どんだけ遺物級を探してくるんだい」

イェンダーが告げたのは……

01~33 軽鎧「ヒムリング」 耐久力+4、ダメージ軽減25
34~66 軽鎧「ヒスロミア」 筋力+3、魅力+3、ダメージ軽減10
67~99 軽鎧「アルドゥヴェイ」 筋力+2、知力+2、器用さ+2、ダメージ軽減10

「軽鎧『ヒムリング』とあるな。とにかく守りに特化した鎧だ。重鎧よりも遥かに堅く、しかも動きを妨げない逸品だぜ」

これは確かに使えそうだ。問題は誰に装備させるかだが……

1 自分で使う
2 ダナが使う(大地の鎧は売却)
3 ミドルが使う
4 ライラが使う

安価下3多数決

「これはライラが使ってくれ。これで守りも堅くなるんじゃないか」

「あ、ありがとー!魔力もちゃんと保持できるし、いい感じだねえ」

ライラが跳び跳ねて喜んだ。これで行く準備はできたことになる。

##########

出立の前、私たちはエルヴィンの家を訪れた。モリブスに行くためしばらく街を離れること。仮に帝国の連中が来ても知らぬ存ぜぬを通して欲しいということ。
エルヴィンは「分かった、寂しくなるが、また戻ってくるのだろう?」と言った。
私は「もちろん」と答え、エルヴィンの両手を握った。

「では、お元気で。しばしのお別れです」

「ああ、戻ってきたら馳走でもしよう。留守は心配するな」

エルヴィンはそう言って、私たちを送り出した。

切りの良いところで中断。

次回以降は移動編です。

再開します。

色々な考察、ありがたいです。まだ情報が少ないわけですが、色々明らかにしていくつもりです。
一つ申し上げると、「ランダム以外の『一族』は大体面倒くさい人達」です。その点念頭に置くと、ある意味楽しめるのではないかと。

ちなみに、今の時点でベネディクトの最期だけは脳内で原稿ができてます。
いつお見せできるかは分かりませんが。

モリブスに向かう街道は、街の南東にある。街道といっても、馬車の轍が土の地肌を見せているだけで、舗装などはされていない。
目的地に着くまでは大体一週間。起伏が少なく、見晴らしがいい平地が続くが、中間地点ぐらいではちょっとした森を抜けないといけない。見通しが悪いので、野盗が多い難所だ。
とは言っても、以前よりは大分少なくなったとの話だ。森の手前を穴側に向かうと、今はもうないミドルの村に3刻ほどで着くらしい。
宿泊は基本野宿だが、街道沿いに小さな宿場町――集落に近いが――が3つほどある。まずはそこまで向かうのがいいだろう。

最初の宿場町、サラスまでは約2日。空は青空だが、このように視界良好のまま行けるだろうか。

01~03 誰かに尾行(つけ)られている?
04~20 街道の外れから、何かの気配がする
21~80 何事もなく、空は暗くなった。
81~97 街道を歩く旅人がいる
98、99 街道を歩く、見知った顔がいる

歩き始めて2刻ほど。……私は何か嫌な気配に気付いた。私たちから距離にして100ミドから200ミドほど。その距離を保ちながら歩く人影がある。

「ダナ、後ろ気付いたか」

ダナは頷いた。

「いるね、確かに」

帝国の手のものなら、かなり良くない事態だ。遠く顔は見えないが、このままでは夜営もできない。
一応「電話」でザッシュとネモの居場所を調べる。

01~15 ザッシュだ。
16~99 二人ではない。

二人とも、まだ第十八階層にいる。とりあえず、二人ではない。
ただ、ザッシュと一緒にいた小柄な男である可能性はある。ここからそこまで分かるだろうか?

90-賢さ(16)×4=26以上で成功

とりあえず背格好は分かりそうだ。さて……

01~30 小さな背の男だ
31~60 若者だ
61~90 女性のようだ
91~99 少女?

ここから見るに、女性のようだ。多分、歳は私ぐらいか。

「マリア、帝国の一派に女性は他にいたか?」

60以上でいない。59以下のゾロ目は追加情報あり

「いるわ。でもそれがどうかしたの」

「……実は尾行されているらしい。ここからじゃどういう相手か分からないが」

マリアが唾を飲み込む音が聞こえた。顔も青ざめていく。

「……どうしよう」

「どういう奴なんだ?」

「二人いるわ。一人は元貴族のフェリル。この人はそんなに問題じゃない。ザッシュの愛人とか何とか噂はあるけど、あなたなら戦っても問題ない、と思う。
もう一人は帝国近衛騎士団の一人、クシャナ。こっちだとかなりまずいわ。見たことはないけど、かなり『使う』って話だもの」

なるほど。どちらかはここからでは判断できない。しかし私の記憶が確かなら、見晴らしが悪くなるのは小さな丘のある所ぐらいだ。
できれば撒いて終わりたいが、できるだろうか?

1 アングヴィラに戻る方向に歩く
2 シデが一旦街道を外れ別行動し、大きく後ろから回り込む
3 夜になるまで待ち、暗闇に紛れて一気にペースを上げる。眠らず歩き続けて無理矢理撒く(耐久判定各自にあり、全員の成功が必要)

安価下3多数決

「ちょっと試してみたいことがあるんだが」

私は歩きながら皆に話した。

「ダナとマリアにはもう伝えたが、今尾行されているようだ。このままじゃモリブスには到底辿り着かない」

ミドルとライラにも緊張が伝わったようだ。

「まだ夜には少し間があるが、暗くなって夜営している所を襲われたら終わりだ。だから、少しだけだが私だけ単独行動を取りたい」

「何をするんですか?」

「街道から外れてぐるりと回り込む。丘の辺りなら、身を隠すことはできるはずだ。そこで私が女の後を逆に尾行する」

「尾行してどうするの?」

ダナが訊いた。

「できれば、追い付いた上で話をつけたい。相互不干渉ではないのか、と言うつもりだ。説得が上手くいくかは分からないが、できるだけ戦闘は避けるつもりだ」

「クシャナだったらどうするの?」

マリアが不安な様子で言った。

「『電話』でネモに話をする。あまり自信はないが、説得相手としてはまだネモの方がいいはずだ」

あまりに見つかるのが早いが、仕方ない。ある程度危険を犯さないといけないようだ。

目の前丘が見えてきた。下りきる手前で、私は街道を外れ丘の麓沿いに歩くようにした。道はないが、まだ歩きやすい部類だ。僅かな木々も、私を隠してくれる。
遥か遠くに街道が見えるところに来た。木々の枝の隙間から、一人の豆粒のような人影が歩くのが見える。頃合いだろう。
私は再び街道に戻る方向に歩いた。

90-器用さ(8)×8=26以上で成功

29…成功

人影は時折立ち止まりながらも、歩を進めていた。疑われてはいる。しかし、私が後ろにいるのは何とか気付かれていないようだ。
少しづつ、少しづつ差を縮める。1刻ほどして、100ミドを切るぐらいの距離になった。
女の特徴は……

01~50 ローブを羽織っているが、肩幅は広そうだ。多分、下には鎧がある
51~99 華奢な感じの女性だ。多分フェリルという女か

女はローブを羽織っているが、肩幅が随分と広い。中に鎧を着込んでいると見るべきだろう。クシャナという女騎士であるようだ。
これは困ったことになった。戦闘になり勝てる保証はない相手だ。仮に勝っても、停戦協定はまず反古になる。今の私たちの力量では、ザッシュはともかくネモには決して勝てない。
何とかして穏便にことを終えたいが、どうすべきか?

1 一気に近付いて背後から襲う
2 少し近付いた所から呼び掛ける
3 できるだけ近付いて呼び掛ける

安価下3多数決

私は女と40ミドほどの距離になった所で大声で呼び掛けた。

「そこの方!止まってもらえますか!」

女が振り向いた。険しい表情を浮かべている。

「翼人か!やはり尾行していたな」

少しずつ距離がつまる。女が剣を抜けば、ある程度の戦闘は避けがたい。

「私は戦うつもりはない。少し話をできませんか」

90-魅力(15)×5=25以上で成功

あ、15以上ですね。失礼しました。

46…成功

女は剣の柄に手をかけながらも、それを抜くことはしなかった。
茶色と白髪の混じった癖毛に右目に眼帯という風貌は、彼女の彫りの深い美貌以上に印象を与える。

「ありがとうございます。剣を抜かれたら、どうすべきかと思っていました」

「……これから抜かぬ保障はないが?シデというのだろう、話は聞いている」

「ええ、こちらも状況は分かっています。先を行く彼女、マリアに用があるのでしょう?」

女は嘲ったように笑った。

「だから何だと言うのだ。こちらの者をどう扱おうが、こちらの勝手だ」

「生憎、命を狙われている者を見捨てるほど、薄情ではないので。彼女があなたたちに危害を加える存在とは、到底思えませんが?」

「失敗者には然るべき罰を。そういう命令だ。お前たちと戦わないのと、彼女を拐うのとは矛盾しないが?」

確かにその通りだ。ただ、少し引っ掛かる。

「命令したのは誰ですか?」

01~10 ジュリアス様だ
11~30 ネモ様だ
31~99 ザッシュ殿だ

「ザッシュ殿だ」

やはりおかしい。ネモの語り口から考えると、私たちと対立するような手は打たないはずだ。
コーウィンを正面から敵に回し、ベネディクトにも対応ができない。そういう状況は避けるべきと、あの男は考えるのではないか。
特にベネディクトへの恐怖は相当なものだった。今マリアを殺すのは、下策と分かるはずだ。

「なるほど。……いいですか、少し。ネモに話をします」

私は「電話」を取り出した。

「ちょっと待て、何をするつもりだ?」

「ネモにあなたを説得してもらうのですよ」

私はネモに電話を繋いだ。

『何用だ』

「シデだ。ちょっとおかしなことになってる。マリアを襲えとは、命令してないな?」

90-魅力(15)×5=15以上で成功

64…成功

『ああ、ない。それがどうした』

「おたくの部下、クシャナという女がザッシュに命じられてマリアを襲おうとしていた。おかしくはないか」

電話の向こうから長い沈黙が流れ、そして『クソッ』と悪態が聞こえてきた。

「やはりお前の意図と違うのだな」

『あいつは狂犬だ。私の意思とは大分離れている。多分、クシャナはお前たちの抹殺まで込みで命じられたのではないか?』

クシャナを見ると、顔から血の気が引いていた。

「そのようだ」

『だろうな。大方、夜営を見つけたらザッシュを呼びだせと言っていたのだろう』

「なぜザッシュを野放しにする?上役であるだろう、お前の言うことを聞かないのは変だろう」

またネモが黙った。横を見ると、クシャナは呆然としていた。

『あれは、戦力として優秀だ。……優秀すぎるほどには。何より、私とは相性が悪い。消さないし、消せないのだ』

相性が悪い?少々引っ掛かるが、話を続けた。

「貴重な戦闘人員を、お前自ら奪うことはない、そういうことか」

『もっとこちらに人が多いならいいのだがな。残念ながら、あれ以上はそうはいない』

「電話」の向こうから、大きなため息が聞こえたように思えた。

ここまで。

戦闘は回避されそうですが、予想よりやや早くザッシュ追尾ルートに入りました。
完全に撒ききるか、ザッシュ撃破が条件になるでしょう。

もしかしてここまでもザッシュだけの意思で動いてたことがあったんかな

戦力的には余裕と言われていたザッシュがここにきて一気にネモ以上の強キャラっぽく

案外苦労人キャラだったんすねネモさん

この分だと、明日から次スレですかね。
スマホからテンプレ入力は面倒ですが、夜には本編入りできれば。

>>956
実は結構やらかしてます。ネモは「抵抗されない限りは手を出さない」「裏切りの可能性がなければ手を下さない」という、一応の騎士道は持ってます。
つまり……。

>>957
シデ一行だと案外相性はいいんじゃないでしょうか。ヒントはデッドエンドの描写ですね。

>>958
中間管理職故、色々大変なんですね。

再開します。

なお、筆者は大まかな設定だけ決めて後はコンマでアドリブで確定するスタイルですので、
推理はシンプルすぎるほどシンプルにした方が当たっているかもしれません。
(コンマで設定を変えたり、推理が当たっているからといってストーリーを曲げたりはしません)

「それで、この女――クシャナはどうする?さすがに追わせはしないだろう」

『私が引き取ろう。ザッシュが彼女を攻撃しようとするなら、私の権限で呼び戻したことにする。
ただ、あの男は止まらんだろうな。奴は自分の名誉を傷付けた相手を決して許さない。何より……殺人狂の加虐趣味者だ』

アンバライトを無効化された責を取らされたのか。あるいはサーリャを殺し損ねた件なのか。どちらにせよ、こちらに恨まれる筋合いなどない。

90-賢さ(16)=74以上で追加情報

※追加情報なし

『とにかく、クシャナは今すぐ帰還せよ。しばらくはジュリアス様の警護を命じる』

「ははっ」

クシャナが帝国式の敬礼をした。

「助かった。礼を言う」

『貴殿らを殺させても構わなかったのだがな。それに対応する我々のリスクが大きいと判断したまでだ。
……あと、貴殿には近々我々の本拠まで来てもらう。ジュリアス様、あるいはジュリアン様に御対面頂き、それで協定が成立するだろう』

ジュリアン、か。またも「一族」と対面となると、万一のことは考えるべきだろう。場合によっては、ランダムに応援を頼むことになるかもしれない。

「分かった。もし、ザッシュが現れた場合は?」

僅かな沈黙の後、ネモは口を開いた。

『……反逆者として殺すのを許可する。ただ、奴一人と考えぬことだ』

サーリャ一行を襲ったのは、ザッシュともう一人いた、はずだ。小柄な男と聞いたが?

「もう一人、いるのだな」

『さて、な。一人とは限らぬぞ』

そう言うと、「電話」は切れた。

「どういうことだ?」

90-魅力(15)×2=60以上で成功

60…成功

私の独り言に、クシャナが反応した。

「……一人はアーバインで間違いない。無口で無感情、誰の命令でも忠実にこなす、『道具』のような男だ。だからネモがやめろと命ずれば、おそらくは止まる。
もう一人は……あの娘か」

「娘?」

「ああ。ザッシュが拾った孤児と聞いた。ザッシュの言うことしか聞かない、まるで自我のない操り人形のような娘だ。
一度、『穴』で冒険者を切り刻んでいたのを見たことがある。……悪趣味なことだ」

クシャナが吐き捨てた。

「そこまで私に話していいのですか」

「私は軍人だ。である以上、上役の言葉は絶対だ。ネモ様が危害を加えるなと言うなら、私は貴様らにある程度協力せねばならん。
……それに、ザッシュ殿には私もいい感情を抱いてないのでな」

おそらくは後者が本音だろう。そう言えば、マリアを「拐う」とは言っても「殺す」とは言っていなかった。
私たちにせよ、クシャナ自身は手を出すつもりはなかったのかもしれない。ある程度話が通じる相手だったのは僥幸だった。

「ありがとう、助かりました」

「礼などいらん。失礼する」

クシャナは「電話」を操作すると、そこからできた空間の歪みの中に消えた。

※「マリアをモリブスまで護衛しろ」が大ミッションに昇格しました。

本スレはここまで。続きは次スレで。

以下、雑談、批判などご自由にお使いください。

前々スレ読み直して気づいたんだがモリブスって魔侯国側じゃん?(多分)
魔侯国側って事はエリックとかケインが出てくるって事で、でケインについてはダナにフラグ立ってるっぽいんだがまた一波乱どころじゃないのがありそうで怖いな

現在次スレ立てているのですが、色々酷い粗を発見。モリブス(魔候国側)とテルモン(ジェスタル帝国側)がかなり混同してますねこれ。なお、ライラの師匠がいるのがモリブスです。
ということは、914のミドルの村の下りはおかしいことになります。ペラはアングヴィラとテルモンの中間なので。
故にこの点はなしにします。致命的ではないですが、申し訳ありません。

>>975
非常にいい線突いてます。

ランダム以外はめんどくさい人たちってかいてあったけどコーウィンはどういうところが面倒臭いんだろうか…

次スレです。2200までには再開します。

【コンマ】崩壊した世界を旅する4【安価】
【コンマ】崩壊した世界を旅する4【安価】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1488424313/)

以下、適宜埋めどうぞ。

>>978
王位継承争いしているわりに、今何やっているのか謎ではありませんか?
そもそもなぜ審判の石を欲しがっているのか、その点考えるといいのではないかと。

>>978
あと、ダリオと仲違いした理由もなかなか面倒くさい理由です。これはおいおい。

モリブスも波乱あるのかー壊れるなぁ
まぁ、ブレイズも居るみたいだし会えたら話を聞いてみたいねぇ


埋めついでにまた疑問
コーウィンのアヴァロン邸に初めて招かれた時にブランドとデアドラも同席って言ってたけどブランドは設定が定まってなかった時の表記揺れ?

>>983
ブランドじゃなくブレイズの間違いですね。単純ミスです。
デアドラは出てもちょい役です。

モリブス編は3つ勢力がいるので破綻なくいけるかどうか…

ダリアのヘアバンドについて、この装備はいつどんな感じで発動するんですか?
ダナが攻撃するときの判定にも使われてないし、ダナ目線で物語が進行している時の会話の中でのコンマにも反映されてなかったぽいので。
読み落としてならすみません(。-_-。)

>>985
常に反映されてますよ。判定基準が100ではなく80に補正されているはずです。
ぶっちゃけ、結構なチートアイテムでかなりの価値があるものです。

寝る前に簡単な外見イメージを。

シデ…黒髪の無精髭のないトキ、天使の翼付き

ダナ…DQ3の女勇者、髪はセミロングぐらい、若干癖毛、目は茶色

ミドル…FE覚醒のドニの鍋を取ってもう少し目をパッチリさせた感じ

ライラ…艦これポーラに黒ローブを着せたら大体そんなもの

ネモ…クローンゼロ

ザッシュ…金髪、短髪の如月左衛門

コーウィン…青い目の斉藤一(るろ剣)

ランダム…忍野メメをもう少し外人寄りさせた感じ

ケイン…(現時点で)髪型が普通の貝木泥舟

ベネディクト…アンデルセン神父と大佐を足して2で割って白衣を着せて見た目善良っぽくする

アンナ…この系統は多いが、さんかれあのれあ辺りが幸薄そうで近い

バカップルの二人…MTGのジェイス(目は光ってない、もう少し気弱)とリリアナ(実年齢がちゃんと28、髪やや短め、露出も多め)

その他、リクエストあればどうぞ。

>>987はあくまで筆者の中で話であり、どうイメージされるかは読者の方々にお任せします。

ライラはなんとなく似たイメージだった

ガチャピンってまんまガチャピンなの?ちょっとモンスター風になってたりはしないの?

ベネディクトって部下(魔獣)に裏切られる展開が凄く似合いそう

な、なにをすrうわあああああって

>>989
リアルガチャ○ンですね。
ライラは戦闘中はザラねーさまっぽくしてます。艦これは休止中ですが、改2強いらしいですね。

>>990
外見イメージと性格は必ずしも一致してないですが、ベネディクトの場合神父と大佐がモチーフなので無様な死に方はあまり想像できないですね。
というか、前述したように彼の最期だけはもう粗々作ってます。

>>987
すまん、アンナって誰だっけ?
読み直しても誰か分からん…


ライラの師匠候補安価にフローラ居たからコンマによってはモリブスで会えるかな?

>>993
あああ、マリアですね。失礼…。眠気でボケてました。

フローラはいるかもしれませんね。

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