男「何かを犠牲に強さが手に入るって? …よーしっ」【安価】 (16)

さあ寝ようかと横になったところに、
突然現れた黒い角、黒い翼のいかにも悪魔といった者。
しかもそいつは開口一番、俺に取り引きをふっかけてきたのだった。
怪しい。危険。
そんなことに不安を感じるよりも、ちょうど今、俺はどうしても力を欲する理由がある。
迷う必要はない、この機会を逃すものか―――

男「強さの為なら、>>3 くらいくれてやるよぉ!!」

悪魔「即決か、気持ちのいい人間だ。俺の目に狂いは無かったということか」

悪魔の顔はもやがかかったように見えないが、確かに笑った気がした。


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ちんこ

悪魔「いつまで呆けている。もう力は与えたぞ」

悪魔「勿論、犠牲はきちんと払ってもらったがな」

男「……」

自分が男としたこの場に居ることに生まれて初めて疑問を持った。
当たり前のものが失われた今、再び自分という者とは一体何なのかをよく考えるべきなのかもしれない。
俺、いや、私? …自分は、男性器…親しみを込めて言えばちんこ、を代償に力を得た訳だが、
それを失う際に覚悟していた『痛み』が伴わなかった為、本当に取り引きはなされたのか全く実感が沸かないのだ。
パンツを下ろしてそこにあるはずのものを凝視する。
無い。では、代わりに力があるはず。
そうだ…力だ。モノの有無などどうでもいい。
自分は一体、どんな力をこの身に宿したのか?

男「……力、自分はただ漠然と力が欲しいと願ったが、今の自分にはどんな力があるんだ?」

悪魔「それはお前が一番よく分かっているはずだ。無意識に願った力を、俺はお前に授けた」

男「俺の、力……」

それは ↓2

男「……精力増強、か……?」

悪魔「正解だ」

男「な、なんてことだッ!」

思わず頭を抱えた。
精力増強、それは確かに自分の願いでありたった今叶えられた。
しかしこの力はどうやっても発揮されることはない。
代償にちんこを差し出したからだ。
水はあっても捻る蛇口が無い。
金はあっても買う物が無い。
なんと過去の自分の愚かなことか……!

悪魔「……お困りのようだな」

男「何だまだ居たのか。さっさと失せてくれ、自分は絶望するのに今忙しい」

悪魔「まあそう言うな、名案をくれてやろう」

男「なに?」

悪魔「あのな、簡単なことだ」

悪魔「失った性器を得るために、また何かを犠牲にする。つまりはまた俺と取り引きするのだ」

男「その手があったな! では宜しく頼む!」

悪魔「では何を犠牲にするのだ」

男「↓2 だ!!」

悪魔「お前の身体の悪性腫瘍を犠牲に、お前に性器が与えられた」

男「ああ…ついている。確かな感触を感じる」

男「これが男として生きている、ということなのだな」

お帰り、『俺』

悪魔「……さあ、色々とごちゃっとしてしまったが、当初の望みはこれで叶えられただろう! 人外の精力がお前の力だ!!」

悪魔「力をやったのだ、俺にはそれをどう使うのか知る権利がある」

悪魔「聞かせろ、男よ……お前はその力で、一体何をするつもりなのだッ!?」

男「↓2 さぁ!!」

堂々と宣言してやった。

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