龍驤さんとサラトガさん (24)

それはある日の事やった。

提督「・・・以上が今回の報告だ」

龍驤「了解や、じゃあウチは・・・」

提督「龍驤!お前は・・・」

龍驤「キミ、ウチは大丈夫やって」

提督「あ、ああ・・・」

龍驤「それじゃ、行ってくるで」ガチャ

    パタン

提督「・・・・龍驤」

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龍驤「・・・」

今度、ウチの艦隊に新入りがくる話を司令官から聞いた。

正規空母、名前は・・・「サラトガ」

忘れようにも、忘れられない・・・

ウチを、沈めた人。

天津風「龍驤さん!」

龍驤「・・・ん?なんや天津風、それに時津風も」

時津風「いやー話を聞いてさぁ、大丈夫かなーって」

龍驤「ああ、早いなぁ・・・サラトガのことやろ?」

龍驤「平気やって、今は味方で一緒に戦うことになるんやで」

天津風「でも・・・」

龍驤「心配してくれてありがとなぁ、でもこのコトはウチだけの問題やないし」

駆逐艦の子にまで心配されてるようじゃアカンなぁ・・・・

もっとしっかりせんと!

龍驤「それにウチはちょっち楽しみでもあるんよ?」

天津風「へ・・・?」

龍驤「色々話したいことがあるんよ」

龍驤「艦載機の事とか、あっちの事とか、戦いの事とか・・・」

天津風「・・・・・」

時津風「龍驤は大人だねー」

龍驤「せやろ?アメちゃんあげるで」

時津風「わーい」

龍驤「せやから、そんな心配せんでも大丈夫やって、な?」

天津風「龍驤さんが、そういうなら・・・」

・・・・空母寮、廊下


天津風達に言ったことは嘘じゃない。

だけど全部じゃない。

確かに話したいこともある、楽しみもある。

だけど、不安もあるし恐らく恐怖もある。

実際会って何から話そうか未だに決め兼ねてるし

もし仲良くできなかったら、また戦いになったら。

龍驤「・・・・・」

この自分でも理解しがたいふわふわぐるぐるした感情は

まだ覚悟仕切れてないってこと何やろか。

おそらく、もう、時間が・・・





   「Hey!そこの貴女、少し訪ねたいことがあるのだけど」



声をかけられ、振り返って、姿を見て。

その瞬間、ウチの神経が、細胞が、感覚が、魂が。

それを誰かを完全に理解した。

   「私はSaratoga!サラって呼んでいいわ」

息ができなかった。汗が出てくる。声が出ない。

サラトガ「貴女ここの艦娘よね?」

目がチカチカする。心臓が飛び出そうだ。吐き気もする。

サラトガ「それで聞きたいことってのは・・・」

そしてサラトガは、ウチに向かってこういった。





サラトガ「リュージョーって子を探してるんだけど、知らない?」

龍驤「へ?」



・・・・?

何だかウチの中の色々なものがすっ飛んで、壊れて、頭が真っ白になった。

龍驤「あー、ウチが龍驤やけど・・・・」

サラトガ「・・・Oh sorry!サラが探してるのは空母のリュージョーなのよ」

龍驤「いやウチが空母の龍驤なんやって!」

サラトガ「・・・Oh my god 」

龍驤「ウチがおーまいごーなんやけど」

サラトガ「Really?」

龍驤「うんマジで」

サラトガ「・・・・・・」

龍驤「・・・・・・」





サラトガ「Tiny and cute・・・」

龍驤「キミもしかして馬鹿にしてるやろ?」





あー・・・色々考えてた事が吹っ飛んだわ。

グダグダ性に合わない事してたのがバカバカしくなったわ。

龍驤「まぁあらためて・・・」

龍驤「ウチが龍驤や!昔はやりあったこともあるけどこれからよろしゅうね!」

サラトガ「お、OK!改めてサラよ、こちらこそよろしく」

まだ混乱してるみたいやね、まあウチもそうなんやけど。

サラトガ「貴女に会ったら色々話したいことがあったのだけど、驚きすぎて吹き飛んじゃったわ」

龍驤「あはは、とりあえず荷物置いたら鎮守府案内したるわ」

そういって握って引っ張った手は、ウチとは違って大きくて。


ウチとおんなじ暖かかった。

サラトガ「アイオワも騙すなんて酷いわ!terrible!」

龍驤「キミも難儀やねぇ・・・」

どうやらきちんと伝えられてなかったみたいやった。

鎮守府を案内して休憩がてら間宮へ来た。

お茶を飲んでいたら頭が落ち着いてきたようやわ。

龍驤「・・・聞きたいんやけど」

せやから、だから、聞かないといけないことがあった。

龍驤「どうして一人で日本へ来たん?」

怖くなかったのか、不安は?

もし逆の立場だったらウチにはきっとできないことをどうして。

サラトガ「そうねぇ・・・」

ウチは息を呑んだ。

サラトガ「アイオワから「二ポーンはとてもいい所」だって聞いてたのもあるけど」

サラトガ「サラが空母の最初に慣れればなって思ったのよ」

龍驤「・・・最初?」

サラトガ「yes、戦ったんだもの、急に仲良くしろって言われても無理だわ」

サラトガ「それなら、サラがその間を取り持つ事ができればなって・・・」

龍驤「・・・・」

サラトガ「However、不安もあったわ、でも貴女がリュージョーで良かった!」

龍驤「ウチで?なんで?」

サラトガ「だって、こうやってお茶を一緒に飲めるんだもの!」


そういって笑う顔は無邪気で、大人なのに子供のようだった。

龍驤「・・・・」

本当はウチも同じことを考えてた。

赤城加賀、翔鶴瑞鶴・・・

他の空母のみんな、もしウチが助けに慣れればと。

だけどそれは簡単にはできることじゃなくて、怖くって。

サラトガ「・・・?What's wrong?」

龍驤「うん、かなわないなぁって」

同じことを考えてて、できなかったウチと、やっていたキミ。

だけど、まだ間に合うはずや、今からでもきっと間に合う。

ウチはお茶を飲み干した、ニッガーイ。


それから色んな事を話し合った。

サラトガ「それでヨーキーが・・・」

龍驤「赤城はああ見えて負けず嫌いで・・・」

サラトガ「エンタープライズが会いたい子がいるって言ってたわよ」

龍驤「え~?誰やろ?」

気づいた時にはウチもサラトガも笑っていた。

知らないうちにウチは彼女のことをサラって呼んでいた。


龍驤「キミと加賀の航空戦はちょっち見てみたいなぁ・・・なぁに?」

気づけばウチの顔をじっとサラが見つめてきていた。

なんか付いてるやろか?クシクシ

サラトガ「ううん!ただ、その・・・」

サラトガ「貴女は本当に仲間思いなのね」

龍驤「へ?」

大きな瞳でこちらを見つめながら、サラトガは続けた。

サラトガ「だって、貴女が仲間の事を話す時本当に嬉しそうに楽しそうに話すんだもの」

龍驤「そ、そかな・・・えへへ」

そんなにウチ分かりやすかったかな?

なんか、なんか恥ずかしいわ・・・


龍驤「ん、まぁ・・・」

ちょっち悔しいから、カウンターでも決めさせてもらおうかな~

龍驤「それならきっとキミの事話す時はウチめっちゃ笑顔になっとるやろな!」

サラトガ「・・・」

あ、あれ・・・?

なんかしくったかな?

サラトガ「・・・リュージョー」ウルウル

龍驤「ご、ごめん!ウチそんなつもりやなくて・・・」

アカン、こりゃまずいで・・・

突然、サラトガがウチを抱きしめてきた。


サラトガ「Thank you!!サラも貴女と仲間になれて嬉しいわ!」

龍驤「ちょちょちょキミ!急にだっこすんなや!」

ま、まさかここまで感激されるとは・・・

サラトガ「今日から私たちは仲間、ううん!姉妹よ!」

龍驤「は?」

どうやらウチはサラを壊してしまったみたいやわ・・・

サラトガ「おねえちゃんって呼んでもいいわ!」

龍驤「えぇ・・・遠慮するわ」

サラトガ「No-puroburemu!実は姉に憧れてたのよ!」

龍驤「ええからおーろーしーてー!」


ハナセー!   リュウジョー!



時津風「・・・どうやら心配なさそうだねー」コソコソ

天津風「・・・そうね」コソッ

時津風「しれーも心配してたけど、時津風はこうなるって思ってたよー!!」

天津風「・・・でもちょっと馴れ馴れしすぎないかしら?」

時津風「おやぁ?じぇらしー?」

天津風「そ!そんなんじゃないわよ!」

そういう天津風の顔は赤く、頭から煙がでていた。

時津風「はいはい、じゃあsれーに報告いこっかー」

天津風「ちょっと待ちなさいよ!」


今日新しく仲間になった子は。

優しくて、明るくて、大人っぽくて。

強くて、綺麗で、仲間思いで。

そんな子と仲間になった、今日からはきっと。

サラトガ「さぁリュージョー!もっと鎮守府を案内してね!」

龍驤「案内はええけど、おろせやぁ!」

騒がしくも楽しい日になるんだろうなと思いました。

龍驤「はぁ、まったくやれやれやわ・・・」

おわり
龍驤はなんだかんだ言って仲良くなりそうだなぁと思って書きました
公式で絡みがないなら自分で作れば良いのさ

乙乙
良かった。やっぱり貧乳娘は女神やな

ええやん、おつ

乙でございます

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