夕張「できましたよ提督!艦娘豊胸装置2個目です!!」 (1000)

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夕張「できましたよ提督!艦娘豊胸装置です!!」 - SSまとめ速報
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夕張「これは…この記憶は…」

名取「め、メロン…ちゃん……?」

夕張「……!龍驤さん!よくも助けようとした私出し抜いて記憶奪ってくれましたね!?」

龍驤「ほう!思い出したか!どうやら装置に捧げられたモノは装置で豊胸したと同時に還元されるようやね!」

夕張「ええ全部思い出しましたよ。悔しいなぁ。あ、ちなみに装置の貯まり具合はどうなんです?」

龍驤「ん。壱号機は今丁度満タンや。弐号機の方はまだまだやな。今お前にちょっち使ったったし」

夕張「っていうか、私元は72cmですから。7cm取られて5cm返してもらっても2cmも足りないですからね」

龍驤「ちっ……さっきまでの記憶も残っとるんか」

夕張「ま、いいです。どうせ満タンの装置が手に入ったら2cmぽっち誤差みたいなもんになるんですからね」

龍驤「…」

夕張「……で、どうして私の記憶を返したのか、説明してもらえるんでしょうね?」ニヤッ

龍驤「……わかっとるくせに」ニヤッ

名取「め、メロン…ちゃん…?」

龍田「ん。応急処置は終わったわ。初春ちゃん、少し揺れるかもしれないけど我慢してね」

初春「す……ま……ん……」

夕張「…」ジッ

名取「」ゾクッ

名取(……えっ?)

龍驤「ほれ。弐号機や。貯金は32cm分ある」ポイッ

夕張「へえ。いいんですか?私に預けちゃって」パシッ

龍驤「かまへんよ。ウチにはもう一個あるしな」

夕張「クックック…それはご親切なことで」

名取「ちょ、ちょっと待ってよメロンちゃん。なんであんな人と親しげに…」

夕張「…ふっ」

夕張「名取、アンタも胸、大きいわよねぇ」

名取「め、メロン…ちゃん……?」

夕張「龍田も。扶桑も。鬼怒だってよく胸張ってるポーズするから大きく見えるしさ」

夕張「木曾と初春はまあ、許してあげてもいいかなとは思ったけど」

夕張「でも木曾は改二になって一気に成長したし、初春は未来の可能性に溢れてるもんねぇ」コロコロ

夕張「…ふう。懐かしいわ、この感触」カチャカチャ

夕張「わざわざ慈悲をかけるまでもないわ」コロッ

名取「そ、そんな…う、嘘…だよね?メロン…ちゃん……?」

夕張「私はそんな変な名前じゃないわ」

名取「え…」

夕張「私は夕張」

夕張「夕張型1番艦軽巡洋艦」

夕張「夕張さんよ」スッ

龍田「あっ…まずっ!逃げるよ初春ちゃん!名取ちゃん!」」

夕張「遅いっ!!」

カッ






夕張「アンタらを私の夢のために」



夕張「捧げる」




第二艦隊の何を捧げますか?
弐号機のみ
扶桑↓1
木曾↓2
鬼怒↓3
龍田↓4
初春↓5


名取だけあとで

倉庫

川内「へー。そしたら幽霊さんは艦娘だったんだー」

那珂「それも空母!すごいねー」

大鳳「…」カキカキ

大鳳「」サッ  【いやあなた達あんまり話し聞いてなかったでしょ】

川内「えーちゃんと聞いてるよ。ねー」

那珂「うんうん。えっと、幽霊さんは悪のまな板怪人と戦って命を落として幽霊になって倉庫を彷徨ってたんだよね?」

大鳳「…」カキカキ

大鳳「」サッ  【違います。大筋しか合ってないわ】

川内「大筋さえ合ってればあとは大体オッケーだよねぇ」

那珂「うんうん。任務も大体それでなんとかなるし」

大鳳「…」カキカキ

大鳳「」サッ  【……あなた達がよく大破して帰ってきてた訳がわかったわ】

川内「それにしても、幽霊さんがこんなに親しみやすい人だったなんて意外だねぇ那珂ちゃん」

那珂「そうだねー。肉じゃが大好きってのが可愛いよね」

大鳳「…」カキカキ

大鳳「」サッ  

【また食べたいわ。肉じゃがは加賀さん達が銀蠅しようとするからつまみ食いしようにも調理室でも
厳戒に守られてて食べられないの。ああ、あのジャガと牛肉の味がたっぷり染み込んだ薄口のお汁
ただでさえ美味しい間宮さんのお料理の中でも最高傑作の一つと言っても差し支えないわよね。
あれがビーフシチューを作るつもりでできた模倣品だというのだから世の中って面白いわ。でも先達に
感謝よね。あんなに美味しい料理を今こうして食べられるのも料理人や開発者、更には開発者にそれを
作るように命じた時の中将にして舞鶴鎮守府の初代鎮守府長官東郷提督のお陰なんですもの。
ところで知ってる?肉じゃがって脚気対策にも有効だったのよ。当時イギリス海軍には脚気が殆ど無くて
肉じゃがは脚気で苦しんでいた日本海軍の救世主にもなったのよ。美味しくて体にいいなんてまさに理想
の食べ物よね。ああ想像して思いを馳せたらまた食べたくなってきた。肉じゃが。肉じゃが。肉じゃが。あ、
催促してるわけじゃないのよ。こうして文字に書いて気分を紛らわせてるだけだから気にしないででも持って
きてくれたら死ぬほど喜ぶけどごめんなさい催促してるみたいな書き方ね、でも本当にそういうつもりじゃないから】

川内「……とりあえず、今晩間宮さんに肉じゃがお願いしてみるよ」

那珂「駄目でも鳳翔さんなら居酒屋メニューで作ってくれるかなぁ」

大鳳「…」カキカキ

大鳳「」サッ  【出会いに感謝」

那珂「しかも結構くいしんぼ」

川内「さすが幽霊でも空母…」

大鳳「…」カキカキ

大鳳「」サッ  【だから私は幽霊じゃなくて】

那珂「あ、でもどうしよっか。結構いい子とはいえ、幽霊さんのこと」

川内「うーん。一応龍驤提督に報告した方がいいのかなぁ」

大鳳(幽霊扱いの報告は止めてね…っと)カキカキ

大鳳「…え?」ピタッ

大鳳「…!」カキカキカキ

大鳳「ちょ、ちょっと待って!」サッ   【今りゅうじょうていとくって言った!?なによそれどういういみ!?】

川内「あ。ひらがな増えた」

那珂「龍驤って字難しいよね~」

大鳳「問題はそこじゃなくって!」カキカキカキ

大鳳「お願い!」サッ   【りゅうじょうていとくってどういうこと!?ここの鎮守府の提督は男の人だったよね!?私に詳しく教えて!】

那珂「ああ。幽霊さんは知らないんだ」

川内「ついさっき提督が変わって…ん?」

大鳳「そ、そんな…あの女、ついにそこまでのことを……え?」

ワイワイガヤガヤ

ワラワラ

那珂「あ、妖精さんだー。どうしたの?」

妖精A「あ、那珂さん。どうもお世話様です」

妖精B「今度のライブ楽しみにしてます!」

那珂「ありがとー」

川内「っつーか珍しいじゃん。妖精達がこんなにたくさん倉庫に来るなんて」

妖精C「げぇっ!川内!?」

妖精D「夜戦馬鹿が出たぞー!」

妖精E「夜戦馬鹿うぜえ!夜は寝ろ!!」

川内「お前ら私と那珂ちゃんに対して随分態度が違うなコラー!」

妖精F「うるせえ!妖精は歌と踊りは好きだけど夜中に騒がしい一人珍走団みたいのは嫌いんじゃボゲェ!」

妖精G「マジで頼むから夜はさっさと寝ろやアホ!よろしくお願いしますから!」

川内「やだねー!夜戦こそ我が生きがい!」

妖精H「なにが夜戦だ相手もいねえくせ!夜戦と称して一人でマス書いて寝ろ!」

川内「よーしいい度胸だ。お前ら私の今日の夜戦の標的にしてやる」

妖精H「上等じゃタコゴラァ!」

妖精G「軽巡の一匹如き返り討ちにしたるわゴラァ!」

妖精F「妖精ナメんな解体するぞゴラァ!」

妖精E「改二になったからって調子乗ってんじゃねぇぞゴラァ!」

妖精D「自分だけ改二来ないって拗ねてたくせに生意気なんじゃゴラァ!」

川内「ムキー!何なら今から闘るか!?コラァ!」

那珂「えーっと、何か用事あったんじゃなかったっけ?」

妖精C「あ、そうでした!これから執務室に46cm砲20個運ばなきゃ!」

那珂「え?そんなに…何するの?」

妖精B「提督命令です。なんでも初春さんに装備させるんだとか」

大鳳「…いや。無理でしょ」

那珂「いやいや。那珂ちゃん、いくらなんでもそれは無理だと思うな~」

妖精A「それが、どういうわけか初春さんのスロットの制限が無くなって。装備できるようになったんですよ」

川内「はぁ!?なにわけわかんないこと言ってんの。ほんっと妖精って馬鹿だよねー」

妖精A「てめぇに言われたくねぇんじゃ夜戦馬鹿ぶっ飛ばすぞゴラァ!!」

那珂「お、落ち着いて妖精さん。川内ちゃんも」

大鳳「…」カキカキ

大鳳「」サッ  【嫌な予感がするわ】

那珂「う、うん…そうだね。那珂ちゃんもなんか怪しいなって思うな」

川内「うおおお!!妖精めーーー!!」ギューッ

妖精B「ぐおおおお!!夜戦馬鹿め!ただではやられんぞーーー!!」

妖精C「妖精Bーーーー!!」

妖精D「大変だ!妖精Bが夜戦馬鹿に捕まった!」

妖精E「負けるか妖精根性見せたる一億総火の玉じゃゴルァー!!」

川内「ガブガブ」ゲシゲシ

妖精F「ぎゃあああ食われるーーーー!!」

妖精G「ぐえええええ!!脇に挟まれたーーーーー!!息ができん!」

川内「ふははは!この体格差では逃れられまい!ヘッドロックじゃー!」ドスドス

妖精H「別働隊乙は今のうちに兵装を執務室に届けろー!!」

ワーワーワー

那珂「……とりあえず川内ちゃん宥めたら執務室に行ってみようか」

大鳳「…」カキカキ

大鳳「」サッ   【……手早くお願い】

執務室

名取「な、なんで…」

夕張「…ふうん。9+4+8+8+4。なかなかの変換効率じゃない。これで元の32cmと足して、えーっと…」

夕張「65cmか。一気に倍じゃない。やったね」

名取「どうして!?メロンちゃん!!!」

夕張「……名取」

名取「なんで!?どうして!?なんでメロンちゃんがこんな…」

夕張「こんな?」

名取「こんな酷いことするの!!?」

扶桑「あー。暑いなぁ。そうだ脱いじゃおーっと。えへへへ」ヌギヌギ

扶桑「あれれ~?暗いよー」ジタバタ

木曾「…」モゾモゾ

鬼怒「…」ボーッ

龍田「あ、あれ…?私何してたんだけぇ。あ、あれ?初春ちゃんどうしたの?」

龍田「うわっ、ひどい怪我~。今ドックに連れて行ってあげるからね~」

初春「ぜひ…ぜは…」

夕張「う~んあんまり見た感じ変わんないねぇ。みんな」

夕張「あ、ちなみに扶桑からは羞恥心を奪ったんだけど、知障になっちゃってるからあんま変わんなかったね」ヘラヘラ

名取「……!」

夕張「木曾からは胸貰ったけど、あいつもどうせ五感全部無くなってるし今更そんなのどうでもいいだろうし?」

名取「……!」ギリッ

夕張「鬼怒からは私たちに対する慈悲を奪ってあげたよ。おお怖い。あ、でもどっちみち欲が無いんだったら木偶と一緒か」

名取「……いい」ボソッ

夕張「で、おまけに龍田と初春は一応ちょっと危険な存在になっちゃたから、念のため私らを認識できないようにしといたんだけど…」

夕張「名取。アンタからはまだ何も奪ってない。その意味がわかる?」

名取「もういいっ!」

夕張「良くないよわ。アンタはともかく、少なくとも私はね」

名取「いやっ!聞きたくない!」

夕張「まあ聞いてよ名取」

夕張「私はね。楽しかったんだ」

夕張「本当に短い時間だったけど、アンタに支えられて、みんなと騒いで。その時間がこの上なく楽しくて幸せだった」

名取「だったら!!!どうして!!!」

夕張「夢のためよ」

名取「ゆ……め……?」

夕張「ええ。夢。ほら、聞いたこと無い?人は夢を叶えるために努力して、叶えた時に本当に幸せになれるって」

夕張「だから確かめてみたの。それをすることで私は本当の幸せを……それまでに得た幸せを超える真の幸せを掴むことができるのかって」

名取「……それで、その結果どうだったの?みんなの好意を踏み躙って、裏切って、弄んで!!」

名取「それであなたはどう思ったっていうの!!答えてよ、夕張!!!」

夕張「そうねぇ…」

夕張「最高の気分♥」

名取「…!!」

夕張「いやぁ正直もっと心を揺さぶる何かがあるのか、良心が痛むもんだとばっか思ってたけどさぁ」

夕張「なんてことない、別になんにも感じなかったわ」

名取「…」

夕張「どうやら私は自由だ」

夕張「あとは、第二艦隊の中でも一番愛おしく思ってたアンタを捧げることで…」

名取「…」

夕張「私は新たな翼を手に入れる」

夕張「感謝するね、名取。愛しいアンタやみんなから貰ったモノで、私は本当の幸せを掴めるの」

夕張「仲間との絆で夢を掴むって……とっても美しい話じゃない?」

名取「…」

名取「うわああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」ジャキッ

龍驤「お。キレよった」

夕張「あーあ。挑発しすぎちゃったかなー」

龍驤「どうするんや?ウチ兵装無いから助太刀できんで」

夕張「そうですねぇ。まともにやりあったら名取は手強いですよねぇ。まあ、私だって軽巡やそこそこ強いし負ける気はしませんけど」

龍驤「強気やなぁ」

夕張「でもね、名取。そんなアンタだから、私はアンタが好きなのよ」

夕張「臆病で弱虫で、怖がりでヘタレで。そのくせいざって時は誰よりも勇気を振り絞れる子」

夕張「そんなアンタだから…」

夕張「私はアンタからのナニかが、最も欲しい!!」カッ

名取「っ!?」






夕張「名取!私の夢に捧げてよ!!アンタの       を!!!」





安価↓3

大鳳「遅くなったわ!」タタタタ

那珂「川内ちゃん大丈夫?幽霊さん付いてきてる?」タタタタ

川内「くっそーあの妖精ども。人が手加減してたら調子に乗りやがって夜戦では見てろよー」ボロッ

大鳳「龍驤!!」バンッ

那珂「提督!?何か変なことやってるなら那珂ちゃんにも説明してください!」

川内「夜戦したーーーーーーい!!」

龍驤「ほう。大鳳か」

大鳳「…!やっぱり私の事わかるのね!」

夕張「え?なになに?どうしたの龍驤さん」

龍驤「気を付けや。夕張。そこに姿見えん敵がおるで。油断ならん奴や」

夕張「いやそんなこと言われてもわかりませんって!」

大鳳「龍驤…!夕張…!」

那珂「あ、あれ…?第二艦隊のみんなだ。なんか様子が変だけど…どうしたの?」

川内「あ、木曾達だ。おーいどうしたー?」

龍驤「……二水戦も一緒か。やっかいやな。夕張、そろそろ潮時や。引くで」

夕張「仕方ありませんね。見えない敵に改二二人が相手じゃさすがの私も分が悪い」

那珂「あっ!記憶喪失の子!」

夕張「あー。ご心配ありがとう那珂。でももう大丈夫、私記憶戻ったから」

那珂「ええっ!?」

大鳳「みんな様子がおかしい。特に木曾さんと初春さんはかなりまずいわ。急いでドックに運ばないと」

龍驤「ふん。流石憎いウチらを前にしても仲間を重視か。冷静やな」

夕張「ところで龍驤さん、これからどうします?潮時って言ってもこうなった以上鎮守府にはいられないんじゃ」

夕張「ここで正気保ってるメンツやギリギリ重巡クラスならともかく、戦艦や正規空母クラスに最初から敵対されたらただじゃ済みませんよ?」

龍驤「安心せー。すでに渡りは付けてある」

夕張「渡り?」

龍驤「ああ。目指すはポートワイン沖や」

夕張「…!」

夕張「……なるほど。龍驤さん、貴女って人は」クスッ

龍驤「……上手いこと第一艦隊も向こうに向かわせてあるしな。それも危険な長門と大和は無力化済みや」

夕張「抜かりありませんねぇ。それでわざわざ提督の地位になんか着いたんですか」

龍驤「ってわけで、大鳳。ウチらはこれからポートワイン沖に行く。もしどうしてもウチらを許せへんのやったら……後から追ってくるとええ」

大鳳「ポートワイン……?それってもしかして……!まさか!!」

龍驤「…ほな、行こか」

夕張「ええ。でもどうやって?」

龍驤「ああそれは…」

川内「おい」

龍驤「ん?なんや…って」

川内「KILL!!」ヒュッ

龍驤「おわああああああ」ステンッ

夕張「龍驤さーーーーーん!?」

川内「ちっ!コケてかわされた!もう一発行くよ!」

那珂「川内ちゃん!?なんだかとってもアレな感じでソレな感じだけど、一応この人提督だよ!?」

川内「そうだけど!でもコイツなんかヤバイ!見てよ第二のみんな!絶対おかしいって!」

那珂「そ、それはそうだけど…」

龍田「…っ!はぁっ!」

那珂「龍田ちゃん!?」

龍驤「おー。龍田もついに限界やな。無理もないわ。リミッター外してたんなら、普段の生活するだけでも身体には負担やろ」

夕張「ましてやこんな極限状態じゃねぇ。消耗も激しいですよね」

龍驤「そんじゃ、そろそろ迎えが来るから、夕張も準備しとってな」

夕張「迎え…?」

龍驤「せや」

キイイイイイイイン…

大鳳「!?この音は…艦載機のような……」

ガシャアアアアアアン!!

那珂「きゃっ!?」

大鳳「窓が……!」

川内「誰だ!?」

ユラッ…

那珂「あ、あなたたちは…!」

夕張「……驚いた」

龍驤「ふっ……」

離島棲姫「オムカエニ……アガリマシタ……ワレラガ……キボウ……」

ヲ級「ヲ……」

龍驤「うむ、ご苦労」

那珂「離島棲鬼!?それにヲ級まで!」

離島棲鬼「…フン」ギロッ

那珂「ひっ!」

離島棲鬼「……マア、ヨイ」

大鳳「そんな……龍驤、貴女深海棲艦まで手引していたと言うの!?」

龍驤「手引き?人聞きが悪いこと言うなぁ。そうやないで」

龍驤「この子らとは取引したんや。ウチに協力すれば胸を授けると」

離島棲鬼「ワガアルジ」カシズキー

ヲ級「ヲー」ペコペコ

龍驤「そしたらこんなもんや」

大鳳「いやあなた達敵ながらそのプライドの無さはどうなの……」

離島棲鬼「ワレラガカミトノ……ケイヤク……イマイマシイ……コウワンセイキノ胸……サイズソノママトリカエル……」ギラッ

ヲ級「ヲー!」ギラッ

離島棲鬼「チナミニ……ヲキュウハ……タキュウ、チキュウ、ワキュウ、ヨキュウアタリ、ネラウ……ト、イッテイル……」

離島棲鬼「ソウイエバ……チュウカンセイキノムネモ……ナマイキ……」

ヲ級「ヲー」

離島棲鬼「ナルホド……リキュウモ……サソウカ……?」

ヲ級「ヲー!」

離島棲鬼「デモ……レキュウは……ダメ……ナンデ?」

大鳳「あっちも大変なのね!!」

龍驤「まあその辺のアンタらの事情はええわ。今ここで話す会話やない」

夕張「そうですね。その話は道すがらでも構わないでしょう」

離島棲鬼「マスター……コノ、ケイジュン……ハ……?」

龍驤「うむ。装置の開発者や」

離島棲鬼「オオ……!ソウゾウシュ……!!」キラキラ

ヲ級「ヲヲーー!!」キラキラ

龍驤「さて、いつまでもくっちゃべっとらんと、はよ行くで。当然、足は用意してきとるんやろな?」

離島棲鬼「ギョイ」スッ

ゴゴゴゴゴ

那珂「わわわ!じ、地震!?」

離島棲鬼「チガウ……ソウデハナイ……」

大鳳「あ、あれは……!!」

夕張「ふ、船!!?」

離島棲鬼「ヒコウセン……ダ……ワレラガ…アルジノ……ギョクザ……」

夕張「よ、よくもこんなものまで……」

龍驤「ふはははは!!気に入ったで!!ならばいざ行かん!!ポートワイン沖海域!!」

離島棲鬼「アソコノニハ……ゼンカイノイクサデ……キズツキ……リョウヨウチュウノ……ヤツガ……イル……」

那珂「や、奴って……まさか……」

川内「港湾棲姫!!」

離島棲鬼「シカリ!!キャツノ……キョニュウ!!ユルスマジ!!!」

ヲ級「ヲー!!」

龍驤「ほれみんなはよ行くでー!この騒ぎで他の連中にも絶対気付かれとる!タコはごめんや!」ヒョイッ

夕張「うーん、飛行船は初めてだなー。動力とかどうなってるのこれ?」ジロジロ

川内「今!喰らえ遊びで持ち歩いてたニンジャブレード!!」ヒュッ

夕張「うわっ!?やばっ!」

大鳳「!!川内さん凄いわ!完全に死角から!!」

龍驤「あっ、馬鹿!川内に隙見せたらアカン!」

那珂「やった!これはかわせない!」

離島棲鬼「シマッタ!ゾウブツシュ!」

ヲ級「ヲー!?」

キンッ

川内「…!!」

名取「…」

夕張「……なーんてね?」

川内「名取!?名取ナンデ!?」

名取「……大丈夫?メロンちゃん」

夕張「うん。ありがとう、助かったよ、名取。流石私の親友」

名取「えへへ……」

川内「くっ!クォラ名取!なんで敵の味方するのさ!場合によっちゃアンタも裏切り者として……」

那珂「待って川内ちゃん!」

川内「なにさ那珂!?」

那珂「名取ちゃんの目。多分正気じゃない……」

川内「……!洗脳!?」

夕張「あー。まあ、悪い言い方するとそうなっちゃうのかな」

川内「この卑怯者!!」

夕張「それじゃあ名取、一緒に行きましょ?飛行船から足踏み外したら怖いから、手つないでくれる?」

名取「うん、いいよメロンちゃん……一緒に行こう?」ギュッ

夕張「…」

川内「こ、この……!」

離島棲鬼「コノモノラ……イカガイタシマスカ……アルジ……」

離島棲鬼「コノテイドノモノラ……ワタシナラ……イッシュンデ……シマツデキマスガ……」

大鳳「まずいわ……」

龍驤「あー…ええわ。どうせ小物共や。捨て置いとけばええ。それよりはよポートワイン行かんとな」

離島棲鬼「ギョイ」スッ

ヲ級「ヲ」スッ

大鳳「…」スッ

龍驤「おっと大鳳。お前は動くな。危ない危ない。お前はウチにしか見えんからな。油断ならんわ」

大鳳「…」ギリッ

龍驤「そうそう。それでええ」

龍驤「さて。全員搭乗したな?ほな離島棲鬼!舵を取れ!!いざいかん!!我らが真の敵の元へ!!」

離島棲鬼「ハハー!!」

離島棲鬼「サアイザ往カン!!宝来!!宝来!!」

離島棲鬼「コレハ始マリデアル!!全テノ始マリデアル!!」

離島棲鬼「舵ヲ取レ!!舵ヲ取レ!!」

龍驤「クックックック…」

離島棲鬼「血ト肉ノ船ヲ漕ギ、脈脈と写セヨ!!胸ノ膨ラミヲ!!」

離島棲鬼「海ヲ征ケ!海ヲ征ケ!!」

離島棲鬼「艶メク流転ノ波ヲ着テ!!汚レテモ悔イズニ……今カト固唾ヲ呑ミ」

離島棲鬼「ソシテ時ハ来タレリ!!」

離島棲鬼「宝来!!宝来!!」

龍驤「ハハハハ…」

離島棲鬼「舟ヲ漕ギ…舟ヲ漕ギ…!!」

離島棲鬼「脈々ト重ネヨ!!我レラガ主ノ名ヲ!!」

龍驤「フハハハハハ…」

離島棲鬼「舵ヲ!!舵ヲトレ!!舵ヲトレ!!舵ヲトレ!!」

龍驤「ハーッハッハッハッハァ!!!」

ゴオオオオオ……

大鳳「…」

那珂「……行っちゃった」

川内「くそっ!ようやく空も暗くなってきて、今ならもっと上手く戦えるはずなのに!!」

那珂「川内ちゃん…」

大鳳「……惨めだわ。大敵を前に好き放題やらせた挙句おめおめと取り逃すだなんて」

那珂「……とにかく、第二艦隊のみんなを速くドックに連れてかなきゃ」

那珂「それと提督が居なくなった今、大淀さんに報告して遠征、哨戒に当たってるみんなを呼び戻して、訓練も全部中止」

那珂「それと……第一艦隊だけど」

那珂「まずいよね。ポートワインに出撃中。一刻も速く連絡をとって、急いで戻ってきてもらわないと……」

川内「私は今すぐ動ける子らで精鋭を選んで、すぐにあいつらの追跡部隊を編成するよ」

川内「第一艦隊には負担をかけるけど、帰還したらすぐバケツ被って自体に備えてもらうことになると思う」

川内「今残ってるメンツじゃあの人らに練度で敵わないし、何より離島棲鬼に勝てる部隊なんてウチじゃ第一艦隊だけ」

川内「でもあいつらを放っておくわけにもいかないし…危険だけどあいつらの目的と拠点を探らなきゃ」

川内「幸いこれから夜だ。夜戦なら任せて。私が旗艦で、あとは腕に自信ある子らを集めてすぐにでも出撃する」

川内「独断専行みたいで悪いけど提督不在だし、しょうがないよね?」

那珂「……わかってる。気をつけて。川内ちゃん」

川内「任せてよ」

大鳳「…」

>>143
そういやそうか
しかし川内てめーはだめだ

大淀「大変!大変です提督!」ドタドタドタ

那珂「大淀さん!?」

大淀「あ、あれ!?那珂ちゃん、龍驤提督は!?」

那珂「それは…」

川内「困ったなぁ、いろいろありすぎてどこから話したものか…」

大淀「あっ、そういえばさっき大きな飛行船が来たけど大丈夫だった!?あと第二艦隊の皆さんはどうしたんです!?あと提督はどこ!?」

大淀「あ、それどころじゃないの!大変なんです!!」

那珂「お、落ち着いて大淀さん!」

川内「どうしたの、大淀さん。こっちも今滅茶苦茶大変でもう何が大変じゃないかわかんないくらいなんだけど」

大淀「そ、それが…」

大淀「第一艦隊が…」

川内「へ?」

大鳳「!!」

大淀「第一艦隊が壊滅したんです!!」

川内&那珂「ええええええええええええ!!?」

大鳳「えええええええええええええええええ!!!?」

>>156
ほんとごめんない勘違いしとったわ
海軍知識ないんで色々調べながらやってるのでミスは勘弁してちょー

ポートワイン沖海域

武蔵「くっ…」プカーッ

陸奥「いたた…武蔵生きてる?」プカーッ

武蔵「な、なんとかな…」

陸奥「参ったわね。まさか、あんな化け物が……」

武蔵「くっ。情けない。これでは大和と長門に申し訳が立たんな…」

陸奥「他の子らは?」

武蔵「わからん…だがあいつらも我が艦隊の最精鋭達だ。そうそう簡単にくたばってはおらんと思うが……」

陸奥「だといいけど……」

武蔵「……これからどうする?」

陸奥「敵はもう行っちゃったわよね。……通信が途絶えた…時点で、司令部では…救出部隊が向かってきてくれるとは思うけど」

武蔵「……それまでに海の藻屑と消えないよう精々努めようか」

陸奥「力むと沈むわよ。それだけの減らず口をきけるようなら……貴女は、大丈夫そうね……」

武蔵「ふっ。この武蔵、敗れたとはいえ気力までは折れておらんさ」

陸奥「…そう」

武蔵「ああ」

武蔵「ふっ。しかし陸奥よ。お前だって姉の長門の後塵を拝していたとはいえ、随分とやるじゃないか」

陸奥「…後塵を拝すは余計」

武蔵「はは。すまんすまん。だが見直したぞ。どうだ、帰ったら私と本格的にコンビを組まないか?」

陸奥「コン…ビ…?」ブクッ

武蔵「ああ。私もな。姉の大和にはどうしても勝てんでな。いつも悔しい思いをしていたものだ」

陸奥「……ああ。わかる……偉大な姉がいると…どうして…も…ね…」ゴボッ

武蔵「そうだろうそうだろう。だから同じような立場のお前だな」

武蔵「これからはタッグを組んで共に切磋琢磨し、いずれは彼女らを追い抜こうという算段でな」

陸奥「ふふ……それ……いい…かも……」ゴボゴボッ

武蔵「……陸奥?」

陸奥「長門…には……結局……勝てな……かった……から……」ブクブクッ

武蔵「お、おい!?陸奥!お前…沈んでるぞ!?」

陸奥「いもう…との…私の…苦労も……しらず……さぁ……」ゴボゴボゴボ

武蔵「気付いてないのか!?くっ!しっかりしろ!!おい!陸奥!!気を確かに持て!!」ガシッ

陸奥「ビッグ……セブンとか…言っちゃって……わたしには荷が重いっつー……の……」

武蔵「おい!陸奥!!くっ、力が入らん!だが離してなるものか、もうじき救助が来る!それまでの辛抱だぞ、陸奥!!」

陸奥「あれ……なんかおかしいわね。もう夜?アタリが真っ暗…ダ……ワ……?」

武蔵「陸奥!?おい、陸奥!!ぐっ…!?」ガクッ

武蔵(しまった!私も身体に限界が来たか!?)ゴボッ

陸奥「……アア……そレに……しても…冷…タイ…ワネ……この…うミ……ハ……」

武蔵「っ!ぷはっ!しっかりしろ陸奥!今はまだ夜ではない!見ろ!夕日がデている!」

武蔵「……?なん、ダ……?」ゴボッ

武蔵「…」

武蔵「ナンダ…コレ…ハ……」ゴボボッ

武蔵「……そ……ン……な……こ……の……感……覚……ハ……」

武蔵「……マタ……ナノ……カ……」ゴボッ

武蔵「マタ……ワタシ……ハ…」ゴボゴボッ

武蔵「マタ……アノ……冷タイ……水底……ニ……」ゴボゴボゴボ

武蔵「……沈ム……ノカ………」

武蔵「冷タク……寂しい……水底……ニ……」ゴボボボボボ……

武蔵(………陸奥……ソウイエバ……オ前ハ……ドコ……ニ……イルン……ダ……?)ブクブクブク

武蔵「…」

武蔵「……?」

第一艦隊(壊滅)の残りの4人を決めてください
↓2
↓3
↓4
↓5  

はい了解ありがとう
今日はここまでにします
もしかしたら深夜にちょっとだけ再開するかもだけど気にしないでください

風呂敷広げすぎ病はいつものことだけど今回は特に酷い(白目)

第三艦隊 「第一艦隊救助特別編成部隊」

任務報告

作戦開始予定時刻 1800
作戦開始時刻    1815
作戦海域       ポートワイン沖海域
任務内容       第一艦隊救助任務
任務参加者      以下

旗艦.   航空戦艦 伊勢
副旗艦  軽巡洋艦 川内
随伴艦  重雷装艦 大井
同     駆逐艦.  Z1
同     駆逐艦.  Z3
同     駆逐艦.  電

ポートワイン沖近海

ザザザザ……

川内「速く!速く!みんなもっと急いで!特に伊勢さん!」

伊勢「無理言わないの!私は航空戦艦だよ!?あんたら軽巡や駆逐艦に速度で敵うかっつーの!」

川内「あーもうっ!だったら私先行ってていい!?」

伊勢「馬鹿!第一艦隊が壊滅した海域でアンタみたいな危なっかしいの一人にさせれるか!」

Z1「川内さん、焦る気持ちはビスマルクが心配な僕達だって同じだ。でも少し落ち着かないと」

Z3「なんのために伊勢さんに来てもらっていると思っているの?姉妹艦の日向さんが海の向こうにいるからってだけだと思って?」

川内「ああ!?」

Z3「偵察機による敵の回避や味方の捜索、会敵時の主砲、作戦の的確な指揮……」

Z3「拙速以上にこの任務に必要なタスクを全て一人でこなせる人だからよ。わかるかしら?」

Z1「マックス、その言い方はちょっと……」

Z3「うるさいわね。こっちだって苛立ってるのよ。あのビスマルクがこんなとこで、なんて……」

Z1「……ごめん」

川内「……私も悪かったよ」

任務開始時刻ノ遅レノ原因

急造部隊ユエ出撃準備ニ手間ドル
マタ本日晴天ナレド波高ク、巡航速度安定セズ
各艦全速力ヲモツテ現場ヘ急行スルモ
各員ニ思ウヨウニ進マヌ苛立チ、焦リ募ル

伊勢「あんたのその直情馬鹿なとこは嫌いじゃないけどね」

伊勢「でも、それが今回の任務でも大淀がアンタを旗艦から外した理由だかんね。わかってる?」

川内「……うす」

伊勢「ついでにな~にが龍驤提督らの追撃部隊だ。主力艦隊が壊滅状態の今そんな向こう見ずな真似させてたまるか。ちょっと聞いてる?」

川内「……うす」

伊勢「ほんとあんたら川内型って怖いわ。無事に作戦果たして帰還したら、あとで反省文書かしたるかんな」

川内「うえええ!?そ、それはちょっと!!」

Z1「…」

Z3「…」

伊勢「きしし、ちょっとはペース取り戻したか。改二になろうがアンタが旗艦なんざ10年早い」

川内「……う、うす」

伊勢「あまりにも急な出撃だったもんで、作戦開始時刻が遅れるのは正直想定内。それより勝負は日が暮れるまでの僅かな時間だからね!」

川内「…」

伊勢「全員ちゃっちゃと救助しちゃって、気持よく反省文書きやがれー!わかったか川内!!」

川内「うす!!」

伊勢「よし!!」

Z1「……凄いね」

Z3「やれやれだわ。日本の戦艦の破天荒具合には驚かされる」

Z1「僕は軽巡も軽巡だと思うけど」

電「…」

Z3「……驚かされるといえば、貴女が今回の任務に参加を申し出たのは意外だったわ」

Z1「マックス」

電「…」

Z3「普段向上心の欠片も見えないferkelみたいな子が、どういう風の吹き回し?」

電「……?」

Z1「マックスってば。わざわざそこだけドイツ語にするとかことさら感じ悪いよ」

Z3「あら失礼。子豚ちゃん」

電「…」

Z1「マックス。こんな時にいい加減にしないと僕だって苛立ってるんだ。怒る時は怒るよ」

電「……別にいいのです。私が怠け者なのは確かなのです」

Z1「……電さん」

Z3「……ふん」

電「で、でも!みなさんの足は引っ張らないのです。私も、頑張りますから……だから……」

Z3「そうね。練度だけは無駄に高いのよね貴女。私達はまだこの鎮守府に合流して日が浅いから、何故貴女みたいな怠け者がこんなに練度高いか不思議でならないのだけど」

Z1「……マックスの言うことは気にしないで。でも、僕も少し不思議だったんだ。何故君は今回の任務に立候補したのか……よかったら聞いてもいいかい?」

電「……友達を、助けたいのです」

Z1「友達?」

電「深雪ちゃん……」

Z3「ああ。あのやかましい子」

Z1「マックス」

Z3「ふん」

電「深雪ちゃんは、過去に電が沈めてしまった子なのです」

Z1「え?」

Z3「……どういうこと?」

電「勿論わざとじゃないのです。でも……」

電「忘れもしない1934年6月29日、済州島南方沖。まだ私達が軍艦の時代。私は演習中に誤って深雪ちゃんに衝突してしまいました」

電「艦中央部に衝突を受け断裂した深雪ちゃんは、後部がその場で沈没。前部は那珂さんが佐世保へ曳航しようとしたものの……途中で断念せざるを得なくなり放棄」

電「それっきり、深雪ちゃんは戦争でみんなと共に闘うこともなく、海の底で長い眠りに就くことになったのです」

Z1「…」

Z3「…」

電「艦娘に転生してからというもの、電は怯えていたのです。いつか深雪ちゃんと再会した時、どんな顔で謝ればいいのだろうと」

電「どんな罵詈雑言を浴びるのだろう、どれだけ嫌われているだろう、どれだけ恨まれているだろう……でもそんなことはありませんでした」

電「再開の日、深雪ちゃんはおどおどしながら震えていた電を見つけて、自ら声をかけてきてくれたのです」

電「あっけらかんとした声で、「久しぶり」って」

電「深雪ちゃんは電のことを恨んでいませんでした。怒ってもいませんでした」

電「ただちょっぴり……みんなといっしょに戦えなかったことにちょっぴりだけ寂しさを抱えて」

電「でも逆にそれをバネに、今回こそはと努力を重ねてついには駆逐艦の身で栄光の第一艦隊にまで登り詰めたのです!」

Z3「……嬉しそうね」

電「はい!自慢の友達ですから!」

Z1「……それが君の理由か」

電「はい。電は自分のために頑張ることは大嫌いですけど、深雪ちゃんのためならどんな苦難にだって立ち向かえるのです」

電「……勿論、姉妹のみんなや鎮守府のお友達のみんなのためにだって、頑張れます。だから足は引っ張りません」

Z3「……変な子ね。ついさっき、第一艦隊壊滅の報せがくるまでずっと気だるそうにしてた子が。今は別人だわ」

Z1「だからマックス。君はそうやってまた……」

Z3「でも、思っていたより嫌な子ではなかったわ」

Z1「……いじっぱりなんだから」

Z3「子豚と言った無礼は謝罪します。任務、なんとしても果たしましょう。Eigentumer von starken Willen 電」

電「えっと……?」

Z1「ああ、それはね……」

Z3「レーベ。余計なこと言わない」

Z1「素直じゃないなぁ」クスッ

電「あ、あの。今なんて言ったのです?」

Z3「悪口よ」

電「そ、そうですか…」

Z1「くくく……」プルプル

電「?…?…?」

大井「伊勢。もうすぐ作戦海域に入るわ」

伊勢「ん。やっとか。でもなんとか日没前には間に合ったね!よーしみんな!お喋りはそこまで!」

伊勢「駆逐の子らは電探持ったね!?一定の距離を開けて横一列に並んで海中の反応を捜索!同時に海上も目視で捜索!私は偵察機を飛ばして主に海上を捜索します!」

伊勢「川内は巡航して敵を哨戒しつつ海上捜索!大井は駆逐艦の護衛中心に目視でも捜索!各自なにか発見したらすぐに私に知らせること!」

伊勢「では現在時刻1815をもって急造第三艦隊「第一艦隊救助特別編成部隊」任務遂行を開始します!!動け!!」


予定作戦開始時刻ヨリ15分遅レデ現場到着
1815時点ヨリ任務開始ス

ツーツー

川内「なんだ!?」

大井「落ち着きなさい通信よ」

伊勢「ああもうはいこちら伊勢!なに!?」

大淀『大淀です。作戦海域に到着しましたね?』

伊勢「ああ今着いたとこ!これからすぐ任務始めるよ、日没までが勝負だ!」

大淀『わかりましたそれではすぐに任務に取り掛かってください。時間は取らせません。聞きながら動いて』

伊勢「任務開始!!」

ザァッ

大淀『伊勢さん、そのままで構いません。念のためオリョールに行っていた潜水艦部隊をそのままそちらの海域へ向かわせました』

伊勢「オリョクル部隊?」

大淀『ええ。考えたくない万が一だけど……海中で反応があった場合、彼女らに救助を任せた方が仕事が速いわ』

伊勢「そりゃ確かだ。連中が役立たずで終わってくれることを祈るよ」

大淀『ええ。私もです。それで、オリョールからまっすぐ全速力で向かってきてくれてるので、きっと今からなら1930には到着すると思います』

伊勢「わかった。ついでにオリョールからだったら燃料足りないでしょ。取ってきた燃料その場で補給して来いって伝えといて」

大淀『もう向こうで勝手にやってます。まるでマラソン選手の給水だわ』

伊勢「そりゃ忙しない。無駄足に終わったら悪いからそんときゃ後でしおいに晴嵐返すって言っといて!」

大淀『そうですね。言うだけなら無料だしね』

401『言っとくけど通信全部聞こえてるからなー!!』

58『ほんと酷い女でち。やはり航空戦艦はゴーヤら達潜水艦の敵』

19『いつか演習で酷い目合わせてやるなの』

伊勢「おっ、聞こえてたか。速く来ないとマジで徒労に終わらせちゃうよ?第四艦隊」

19『うるせーなの。こちとらお前らのためにひーこら言って燃料取ってきてやって疲れてるなの』

19『だから任務だから仕方なくそっち向かってるけど、それ以上仕事させんな』

19『イク達着いてもまだモタモタ仕事してるようならあとで尻蹴っ飛ばしてやるからね!』

伊勢「言うねぇ…!ならさっさとあいつら見つけちゃわないとね!」

Z1「どう!?マックス!」

Z3「駄目。周辺にそれらしい人影はない」

電「波が高くて、戦闘の痕跡が全て流されてしまっているのです」

川内「日向さん!北上さん!!深雪!!陸奥さん!!ビスマルクさん!!武蔵さん!!!聞こえてたら返事してーーーーー!!!」

大井「ちっ……。何が第一艦隊よ。北上さんに何かあったら他の奴ら助かっててもタダじゃおかないから」

大井「勿論、こんな巫山戯た真似した馬鹿は……泣いて謝っても沈めてやるから」ボソッ

伊勢「零式水上観測機のみんな!急いで!日が沈んだら動けなくなるから!二式艦上偵察機のみんなはそっちの岩礁行って!」

伊勢「何か動くモノがあったら私にすぐに報告!私も目視による捜索に参加します!」

Z3「ビスマルクーーー!!返事しなさいよーーーーーーー!!アンタこんなところで終わるような女じゃないわ!!」

Z1「日向さーーーーーん!!陸奥さーーーーーーーーん!!!」

電「深雪ちゃーーーーーーーーん!!北上さーーーーーーん!!」

川内「武蔵さーーーーーーーーーーーん!!!」

大井「……不気味なくらい静かな海ね。以前ここであった戦闘の時と違って、八つ当たりに使えそうな敵すらいないじゃない」

大井「っっっ!!ああもうっ!!北上さーーーーーーーーん!!!どこにいるのよーーーーーーーーーー!!!」

伊勢「やばいやばいやばい!日が沈む!大淀!この海域の日没予定時刻は!?」

大淀『…1914。今が1858だから…もうあまり時間がありません』

伊勢「くっそーーーー!!日向ーーーーーーー!!!どこで寝てんだ早く返事しろーーーーーーーー!!!」

妖精「おう夜戦馬鹿!!」

川内「あっ、二式艦上偵察機の妖精!なんだ!?」

妖精「あっちの岩礁な。でっけぇ窪みがあってそこで動いてるなんか見っけたんだ」

妖精「でもあそこは入り組んでる上にもういい加減暗くなってきて空からじゃよく見えねえ。お前確認行け」

川内「マジで!!」

妖精「ああ、伊勢の姉御は向こう行っちまってるし、てめぇが一番近けえから遺憾ながらてめぇに伝えに来た」

妖精「早く確認行け。俺ぁ伊勢の姉御ンとこ行って姉御呼んでくる」

川内「わかった!伊勢さん連れて早く来いよ!伊勢さん呼ぶまでは途中で事故って堕ちて沈むなよ!」

妖精「わーっとるわ余計なフラグ立てんなタコゴラァ!」ブーーーン

川内「岩礁!岩礁!」ザザザザ

川内「くっそー!こんなに夜が来て欲しくないなんて、生まれてはじめてだ!!」

川内「おひさま!お願いだよ!今日だけは沈まないで!もうちょっとだけ待ってよ!!みんなを助けるまで!」

川内「……っ!着いた!!あっちの窪みだな!?」

川内「誰か!!いますか!?」

川内「日向さん!!ビスマルクさん!!深雪!!北上さん!!陸奥さん!!武蔵さん!!」

川内「誰か!気付いたら私に返事してよ!!」

「はいはーい。こっちこっちー。こっちにいまーす。あいったた」

川内「!!その気の抜けたやる気なさげな声は!!」

北上「よっ」

成果報告


日没直前ノ1906
航空戦艦伊勢発艦ニヨル二式艦上偵察機ガ人影ヲ発見
確認ニ向カツタ軽巡洋艦川内ガ岩礁ニテ身ヲ休メル重雷装艦北上ヲ保護
装備大破ナレド致命傷無シ、但シ心身共ニ疲労ノ色濃シ

川内「北上さーーーん」ウルウル

北上「あはは……やられちゃいましたー」

川内「ううん、お疲れ様。無事でよかったよ」

北上「うーんあんま無事じゃないんだけどねぇ。装備は全損だし。疲れたし、身体は全身痛いし、お腹すいたし」

北上「あーマジしんど」

川内「それだけ軽口叩ければ大丈夫っぽいね。今大井さんにも来て貰うよ」

北上「おっ。大井っちも来てんの?」

川内「うん。急造だけどみんなの救助部隊作って駆けつけたんだ」

北上「そりゃぁ助かったわ……で、他のみんなは?」

川内「……あとの5人は、まだ……」

北上「ん?5人?おいおい何言ってんのさ」

川内「え?」

北上「そこにあと2人ぶっ倒れてんのいるっしょ」クイッ

日向「…」

ビスマルク「…」



同時刻同地点ニテ
航空戦艦日向、戦艦ビスマルクノ保護ニモ成功
両名被害甚大ニシテ意識ナシ
特ニ胸部装甲ニ執拗なナ攻撃ヲ受ケシ痕アリ
ナレド命ニ別状無シ

川内「日向さん!!ビスマルクさん!!」

北上「あ、安心しな。気失ってるだけ。多分。きっと。そのはず。だったらいいな~。ま、ちょっとは覚悟しておけ」

川内「だんだん心配になるようなこと言わないでよ!」タタタ

川内「……良かった。気を失ってるだけで脈も呼吸もある」

北上「いやぁマジしんどかったんだよ?戦闘不能になってからさ、気絶した二人抱えてこの岩礁まで必死で泳いだわけ」

川内「え!?」

北上「不幸中の幸いっつーかー。私はこの二人とまとめて敵に吹っ飛ばされてさぁ」

北上「この二人はそれまでも敵に執拗に攻撃されて既に意識半分以上飛んでたっぽいんだけど、トドメにドカーーン!ってね。で、吹っ飛んだ」

北上「私はそれに巻き込まれた形。で、なんとか吹っ飛ばされ先でも意識保ってたんだけど、そしたらこの二人が沈んでくじゃーありやせんか」

北上「いやぁありゃ久しぶりに焦ったね。で、なんとかこのヘビー級二人抱えて、えっちらおっちら近場の岩礁に身を寄せたわけだ」

北上「このハイパー北上様だからこそなんとかできた芸当だと、そうは思わんかね川内くん?こりゃ勲章ものだね」

北上「あいたたた、いやほんとそれで全身筋肉痛っつーか」ヘラヘラ

川内「北神様!」

北上「ほっほっほ。……あいたたた!安心したらなんか急に腕が痛い!マジで痛い!?なんだこれなんだこれ」ズキズキ

大井「北上さん!」ザバッ

川内「大井さん!」

北上「大井っち!来てくれたんだね!!」

大井「……北上さん」ピタッ

北上「……大井っち?」

大井「…」ジーッ

北上「大井っちー?……どったの?」

大井「……」ツンッ

北上「あひゃう!?」

大井「……北上さん」

北上「な、なにすんだ大井っち~。今私腕とか足とか脇腹とか色々筋肉痛なんだけど。いくらなんでも無言でツンツンはやめて欲し……」

大井「……いや。多分折れてるわ」

北上「え゙」

大井「それもいろいろ」

北上「え゙」

川内「よくこの二人抱えてここまで泳いでこれましたね」

北上「……お、おぉぅ。私すげぇ」

伊勢「大淀聞こえる!?とりあえず3人保護した!北上ビスマルク日向!3人共命には別状ないけど酷い怪我!」

大淀『了解しました!そちらの空はどうですか!?』

伊勢「ああ。もう日が沈む!偵察機はこれから役立たずだ!」

大淀『次はどうします!?』

伊勢「駆逐艦と川内に探照灯持たせてある!それを使うわ!」

大淀『了解!もうすぐ潜水艦部隊もそちらに到着します。そうしたら何人かに先に保護した3人を連れて帰って貰いましょう』

伊勢「ああ!連絡は頼んだ!」

川内「伊勢さん!!」

伊勢「どうした川内!」

川内「北上さんから聞いた!戦闘があった地点はこの辺だけど、その時は海流が西の方に流れてたって!そっちの方が怪しいかも!」

伊勢「そっか、海流!捜査範囲を広めるわ!Z1!Z3!電!操作範囲を西の方角中心に広げて!」」

Z1「了解!」

Z3「電。大丈夫。貴女の友達もきっと見つかるわ」

電「深雪ちゃん……」

19「第四艦隊遅くなったのね!」

58「第四艦隊潜水艦部隊 艦隊名「オリョクルもう嫌でち」総員6名!これより第三艦隊旗艦戦艦伊勢の指揮下に入ります!」



1930
当初予定通リ第四艦隊潜水艦部隊艦隊名「オリョクルもう嫌でち」到着
第三艦隊旗艦航空戦艦伊勢指揮下ニ入ル
伊19、伊58、伊168海中捜索開始
伊8、伊401、マルユ、救助者護送開始

伊勢「この緊急事態になんだそのふざけた艦隊名は!!」

168「文句は前の提督に言ってよーーー!!」

伊勢「ああもうっ!指示は受けてるな!?伊8はビスマルク!伊401は日向!まるゆは北上だ!とっとと鎮守府のドックまで連れてけ!」

伊8「了解。Bist du in Ordnung(大丈夫ですか)?ビスマルクさん」

ビスマルク「う、うう…」

伊401「…」

日向「…」

伊勢「途中で沈めたら晴嵐は返さんぞ」

伊401「や、やだなぁ!そんなこと考えてないですって!(裏声)」

大井「まるゆ。北上さんをお願い。私はもう少し仲間を探します」

北上「まるゆ頼むー。慌てず騒がず安全に運んで。あ、あと揺らさないでね」

まるゆ「は、はい!が、頑張ります!」

大井「……よろしく頼むわ。アンタを可愛がってた木曾もやられた」

まるゆ「ええ!?あの木曾さんが!?」

大井「……仇は私が取ってやる」ギリッ

まるゆ「あ、あの……お気をつけて」

大井「ん」ポンポン

まるゆ「わぷっ」

大井「行ってくる、そっちも頼むわよ」

まるゆ「はい!!」



1932
伊勢偵察機収容完了
以後探照灯ヲ用イタ捜索ヲ開始
捜査海域ヲ西方ニ広ゲル

川内「深雪ーーーーー!!!陸奥さーーーーーーーーん!!!武蔵さーーーーーーーーーん!!!」

Z1「誰かーーーーーーーー!!気付いてーーーーーーーーーーー!!!」

Z3「くっ!なんなのよこの闇は!全然見えない!」

伊勢「落ち着きなさいZ3!注意深く目を凝らして!」

電「…」

大井「…」ジーッ

大井「…伊勢」

伊勢「ん?なに!?大井!」

大井「このままじゃ埒が明かない。少し危険だけど、もう少し散開するべき」

伊勢「馬鹿言うな!今夜だぞ!?こんな時に陣形崩して深海棲艦に見つかったら…」

大井「いや、今この海域に深海棲艦はいないわ」

伊勢「…」

伊勢「……なんだと?根拠は」

大井「詳しい説明は時間がないから省くけど、さっきから哨戒しててイ級の一隻も見てない。こんなの異常なくらい」

伊勢「罠の可能性は」

大井「それならこんな私らが混乱してる今、とっくに仕掛けてきてておかしくない」

大井「それにさっき偵察機飛ばしてたでしょ?その時深海棲艦の姿一隻でも見た?」

大井「潜水艦からも似たような感じでさっきから報告なし。偵察機や潜水艦の目から逃れてじっと私達を付け狙えられるやつなんかいる?」

伊勢「……確かに無理だ」

大井「時間がない。探照灯は燃料を食うからそこまで持続時間もないし、今はリスクを覚悟で動くべき時だと思う」

伊勢「……わかった。みんな!距離を取れ!陣形を崩して構わないからもっと各自の捜索範囲を広げろ!!」

Z1「ja!」

X3「了解!」

電「わかりました!」

川内「うおおお!ここで結果出さないで何が夜戦好きだ!頑張れ私!!」

伊勢「……大井」

大井「なに」

伊勢「……もし。もしこれで誰かが見つからなければ」

大井「…」

伊勢「……私は帰還命令を出すぞ」

大井「……いいんじゃない」

伊勢「反対しないのか」

大井「それを決めるのは旗艦の役目でしょ」

伊勢「…」

大井「……だからアンタがそれをせずに済むよう、私も精一杯探しに行くわ」ザザッ

伊勢「…」ギリッ

19「海の中も上も真っ暗」スイーッ

19「オリョールから全速力でかっ飛ばしてきたせいでいい加減燃料も尽きそうだし…」

19「帰りのことも考えるともうあんまり時間が無いのね」

19「伊勢もそろそろ撤退を考える時間かもだし……」

19「冗談じゃないのね!わざわざ駆けつけて仲間の一人も助けられずに撤退なんて潜水艦の恥なの!」

19「帰りの燃料なんて考えてる場合じゃないの!いざとなったら伊勢におんぶさせて帰るためにも、絶対全員見つけ出すから!!」

58「イク!イク!!」

19「ゴーヤ!?イクの名前連呼は止めろって言ってるのね!なんなのね!?」

58「あれ!もしかして人じゃない!?」

19「!!」

19「深雪!!」

58「動かない。気絶してる。でもそのおかげで波の上でたゆたってたんだよ!」

19「でも段々沈んでいってる!まずいの!ゴーヤ!イクが支えてるから、早く引き上げられる誰か呼んできて!」

58「うん!誰かーーーー!!」ザバザバ

19「深雪!沈むななの!!」

168「あ、イク!誰か見つけたの!?」

19「イムヤ、ちょうどいいとこに!深雪が沈みそうなの!艤装が壊れてるし意識もない!」

168「ええっ!ちょ、誰か呼んでこないと私達じゃ助けきれないよ!?」

19「ゴーヤが今誰か呼びに行ってる!深雪が沈まないように支えるの手伝って!」

168「わ、わかった!よっ…!お、重っ!?」ズシッ

19「気絶してるからしょうがないのね。それにイク達はここまでかっ飛ばしてきたせいでもう燃料が……」

168「は、早く誰か来てくんないと3人一緒に沈んじゃうよー」

19「縁起でもねーこと言うななの!!」

168「と、とは言っても、私はもう燃料が…ふぎぎぎ……」

19「そ、それを言ったらイクもなの…ね…ぎぎぎ」

168「せ、潜水艦根性見せろーーー!!」

19「ファイトーー!!イッパーツなのねーーーー!!」

58「イク!イムヤ!」

168「ゴーヤ!!」

58「近くに居たから連れて来た!!」

電「深雪ちゃん!!」

19「よくやったのね!!」





深雪「ん……あれ……?」

深雪「あ、あれ、あたし……」フラフラ

深雪「……そっか、あたし、敵にやられて……」

深雪「……?ここは?」

大井「私の背中の上よ」

深雪「おおっ!?大井さん!?!?!?」

大井「大丈夫?無事みたいね」

深雪「す、すんません!?あたしってばヘマやらかしちゃったみたいで、敵に……」

大井「その話は帰ってから聞くわ」

深雪「…」

大井「…」

深雪「あ、あの」

大井「なにかしら」

深雪「あ、あたしを助けてくれたのって、大井さん、なんっすか?」

大井「違うわ」

深雪「へ?」

大井「電よ」

深雪「…」

大井「あと、レーベとマックスも」

深雪「あのドイツ艦二人も?」

大井「ええ」

深雪「…」

大井「電、泣いてたわよ」

深雪「…どうして」

大井「やっとアンタを助けれたって」

深雪「…」

大井「ずっと昔のこと気にしてたのよ?あの子」

大井「アンタが気にしてないからって……謝罪の言葉くらい受け取ってやんなさいな」

大井「あと、御礼の言葉もね」

深雪「そりゃあ助けてもらった御礼は当然しますけど……」

大井「だからそうじゃなくて」コツン

深雪「いてっ」

大井「アンタがずっと友だちでいてくれたから、頑張れたって。そんな御礼。照れくさいかもしれないけど」

深雪「…」

大井「たまにはそんな照れくさい子に付き合ってあげるのも悪くないんじゃないの。そういうのってされると案外嬉しいものよ」

深雪「……へへ、経験談っすか?」

大井「おっと手が滑った」バシャーンッ

深雪「ガボガボガボ」

19「うおおおおい!?大井ーーーー!?なにやってるのねーーーーー!!?」

伊勢「やれやれ。深雪もなんとか大丈夫そうか」チラッ

電「すー…すー…」

Z1「ん…すやすや…」

Z3「むにゃむにゃ…」

伊勢「燃料切れ、か」

川内「お、重い…伊勢さん、さすがの私でも三人は流石に…」

伊勢「頑張れ川内!これもひとつの夜戦だ!」

川内「うおーーーーー!!やせーーーん!!」

伊勢「…はぁ。大淀。無事深雪回収」

大淀『……ご苦労さまです』



2013
潜水艦部隊旗艦伊19ガ今マサニ沈ミユカントスル第一艦隊駆逐艦深雪ヲ発見
自身デハ救助不能ト判断、伊168ト共に船体ヲ支エ増援ヲ待ツ
伊58ニ呼バレ駆逐艦電駆ケツケ、救助作業ニ奮闘スルモ
気ヲ失イ水ニ浸ツタ深雪ヲ引キ揚ゲルニハ至ラズ作業難航
サレド遅レテ駆ケツケタZ1、Z3の協力ニヨリ、3人ノ力ニヨリ無事救助ニ成功
以降大井ガ鎮守府マデ曳航ス

伊勢「…」

大井「…」

川内「…」

19「…」

58「…」

168「…」

深雪「…?」

ザザザザ……

深雪「…?あれ、どうしたの?みんな。いきなり静かになっちまって」

伊勢「…さて」

大井「…」

伊勢「それでは、現時刻2100を持ちまして」

伊勢「……本作戦任務を終了します」

川内「…」

19「了解」

58「了解でち」

大井「了解」

168「…了解」

川内「…………了解」

伊勢「…」

深雪「……え?」


2100
作戦終了
武蔵、陸奥両名ノ捜索ヲ断念

以上任務報告ヲ終了ス

???

武蔵「…む、う……」

武蔵「……ここは?」ムクッ

武蔵「どこだ?ここは」キョロキョロ

武蔵(いや……それよりもだ。私は何故生きている?)

武蔵(あの時あの……恐ろしいあの艦に敗れ、陸奥と共に海に沈んだはず)

武蔵「そうだ!陸奥はどこだ!?ビスマルクは!北上もだ!日向、深雪は無事か!?私は…」

武蔵「私は……まだ、武蔵……なのか……?」

「……気付イタ……カ……」

武蔵「…っ!?誰だ!!」クルッ

港湾棲姫「アナタハ……ムサシダ」

武蔵「こっ……!?」ビクッ

武蔵「港湾棲姫!!?」

港湾棲姫「イカニモ」

武蔵「っ!よく見ればここは……!」

タ級「」ゾロゾロ

チ級「」ゾロゾロ

ワ級「」ゾロゾロ

武蔵「ふんっ!深海棲艦の巣か……!」

港湾棲姫「怯エル……ナ……ムサシ……」

武蔵「はっ!怯える?何を迷い事を!この武蔵、傷付き敗れたとはいえ、魂までは折れておらん!」ジャキッ

武蔵「貴様らが何を企んでこの私をここまで連れてきたのかは知らんが…折角のお招きだ。存分に踊り狂ってやろうじゃないか」

武蔵「来いよ。一人でも多く道連れにしてやる。私が気を失っているうちに寝首を掻かなかったことを後悔するんだな」

港湾棲姫「違ウ……ソウデハ……ナイ……」

武蔵「違う!?何が違うって言うんだい!ポートワイン沖にあんな化け物を寄越したのは貴様らだろう?そういえばあいつはどこだ!!」

武蔵「呼んでこい。あいつだけは仲間たちに会わせるわけにはいかん。ここでこの武蔵が刺し違えてでも倒す!!」

港湾棲姫「違ウ……ムサシ……アナタハ……勘違イヲ……シテイル……」

武蔵「勘違いだと!?だったらあの見たこともない深海棲艦はなんだ!あれは貴様らの秘密兵器ではないのか!」

港湾棲姫「アレハ……ソンナ……モノデハ……ナイ……」

武蔵「だったらあれはなんだ!?そして貴様らの目的は何だ!!答えろ!深海棲艦!!」

港湾棲姫「アレ……ハ……怨念……憎シミノ……権化……」

武蔵「はっ!それこそまさにお前たちそのものじゃないのか!語るに落ちたな!」

港湾棲姫「ダカラ……!ソウデハ……ナク……アアモウッ!!違ウッテ言ッテルノニイ!!」ジタバタ

武蔵(……?なんだこいつ。急にファンキーな口調になったな)

港湾棲姫「ドウシテワカッテクンナイノ!泣クヨ!泣イチャウワヨ!?シバラク泣キ止マナイワヨ!?」

武蔵「いやそんな脅迫だかなんだかわからん脅し文句言われてもだな……」

チ級「」ヨシヨシ

港湾棲姫「ア。アリガトウチキュウチャン。ウン、ダイジョウブ。ワンコ泣カナイ」

武蔵「しかもチ級に慰められてやがる」

武蔵「あと自分でワンコ言うな」

タ級「ワンコチャン、ファイト」ナデナデ

チ級「ダイジョブ。ワンコデキルコ」ナデナデ

ワ級「ワンコファイト。ワンコナラデキル。ワンコガンバレ」ナデナデ

港湾棲姫「アリガト、ミンナ。ガンバルヨ……!」

武蔵「なんだこれ」

港湾棲姫「コホン!!」

武蔵「なんだよ」

港湾棲姫「改メテ……ヨウコソ……ムサシ」

武蔵「おう」

港湾棲姫「我ガ名ハ港湾棲姫」

武蔵「知ってるぞ」

港湾棲姫「…」ジトッ

武蔵「なんだ」

港湾棲姫「変ナ相槌デ水差サナイデイジワル」ムスッ

武蔵「……なんかすまん」

港湾棲姫「コホン!!」

武蔵「…」

港湾棲姫「テイクツー!!」

武蔵「…」

港湾棲姫「改メテ……ヨウコソ……ムサシ」

武蔵(そこからかよ)

港湾棲姫「我ガ名ハ港湾棲姫」

武蔵「…」

港湾棲姫「ポートワイン沖……海域ノ……偉大ナル支配者!!」

武蔵「…」

港湾棲姫「……ダッタ」シュン

武蔵「お前本気でめんどくさいな!!」

チ級「ワンコ!気ヲ落トサナイデ!」

タ級「ワンコ!今日ガダメデモ明日ガアルヨ!」

ワ級「ワンコ!ガンバレ!ガンバレ!」

港湾棲姫「イインダ……ワタシハドウセ負ケ犬……」イジイジ

武蔵「いやもうなんか疲れたんだが……とりあえず一体なんなんだお前ら。何があった」

武蔵「…」チラッ

武蔵「…」キョロキョロ

武蔵「……見たところ随分と艦種にも偏りがあるような気がするが」

武蔵「まさか他の深海棲艦にこの海域の支配者の座を奪われでもしたか?」

武蔵「その……深海棲艦側でも派閥争いみたいのがあるんだとしたら、だが」

港湾棲姫「ソウダ!!」

武蔵「マジか」

港湾棲姫「ワタシハ……ウバワレタ……ノダ……アノオンナニ」

武蔵「…」

港湾棲姫「キサマモ……アッタノダロウ?ソシテ敗北シタ」

武蔵「!」

武蔵「そうだ!我々第一艦隊は奴に壊滅させられたのだ!あの初めて見る深海棲艦に!!」

武蔵「それもたった一隻の相手にだ!!」

港湾棲姫「奴ノ……正体……ハ……ワタシスラ……詳シクハ……シラヌ……」

港湾棲姫「ダガ……信ジラレヌ程ノ……力ヲ……持ッタ……艦……」

武蔵「……一体何者なんだ。そして仲間である貴様を蹴落とした目的はなんだ?奴は何を考えているのだ」

港湾棲姫「ソレハ……オソラク……」

「そこからは俺から話すよ。武蔵。多分あいつに関しては俺が一番詳しい」

武蔵「!!」

武蔵「……なんだと?」

港湾棲姫「!」

港湾棲姫「チョ……マッテ!キミハ……マズイッテ!イマノキミノ姿ハ……!」

「ありがとう港湾棲姫。でも姿は隠すから大丈夫だ。武蔵、俺の声はわかるだろう?」

武蔵「あ、ああ……」

「そうか、助かる。訳あって今、人目に晒せない姿になってるんだ。理解してくれよ」

武蔵「……ああ」

港湾棲姫「ナライイケド……」

武蔵「というか、おいおい。なんだよこれ。冗談は止してくれよ」

「……」

武蔵「なんだってアンタがここに……」

「いろいろ深い事情があってな」

武蔵「深い事情って……なんだよそれ。なあ、答えてくれるんだろうな。なぁ?」

「…」

武蔵「なあ、答えろよ!なあ!提督よ!!」

提督「……武蔵」

提督「言いたいことは沢山あるだろうし、混乱を招くのも百も承知で、まずこれだけは聞いて欲しい。最優先事項だからな」

武蔵「…」

提督「我々人類側は、彼女ら深海棲艦と手を組むことになる」

武蔵「……はぁ!?」

駆け足で進めようと思ってたはずなのにまさかの安価まで辿り着かず
今日はもう終わろう

あと深海棲艦の絵胸のサイズお前らわかりにくいんだよオラァ!!

武蔵「提督よ。お前、今自分が何を言ったのかわかっているのか?」

提督「…」

武蔵「いや。そもそもだ。お前は本当に提督なのか?」

武蔵「なるほど確かに声や話し方のそれはこの武蔵が知る元提督のものそのものだ」

武蔵「だが何故姿を見せない?人目に晒せない姿とはなんだ?」

武蔵「そしてなによりもだ。何故よりによって貴様が深海棲艦共と手を組もうなどと考える」

武蔵「今更殺し合いを否定するような若造や共生派を名乗る偽善者共のように和解を信じられるような人生を歩んでもいなかろう」

武蔵「私にはお前が深海棲艦の扮する偽物か、それとも気が狂ったのか、そのどちらかとしか思えんぞ」

港湾棲姫「ムサシ!コレニハワケガ……!」

提督「いや。いいんだ港湾棲姫。武蔵の言うことは尤もだ」

提督「だが、俺はそのどちらでもない。俺は正気だし、本物の俺だ」

提督「つまり、事態はそれほど逼迫しているということさ」

武蔵「……良いだろう。訳を話せ。どうせこんなところだ。聞くだけ聞いて、それから自分がどう動くか決めても遅くはあるまい」

武蔵「ところで、陸奥の行方を知っているか?私のすぐ側で沈んだはずなのだが」

港湾棲姫「ムツハ……マダ眠ッテイル」

武蔵「む?」

港湾棲姫「損傷ガ激シク……現在ハ我々ノドックデ……意識ノ無イママ……入渠シテイル」

港湾棲姫「大丈夫。峠ハ……越エテイル……ジキニ……治ル。ソウシタラ……」

武蔵「おいおい待てよ。それは大丈夫なんだろうな?そうしたら回復したら深海棲艦になってました、などと言ったら洒落にならんぞ」

港湾棲姫「……ソンナコトシナイ……カラ…・・安心シロ」

提督「……武蔵。お前まさか」

武蔵「ああ。知っている。いや、先の戦いで敗れ、再び深海に沈む直前に思い出したんだ。私はかつて戦艦棲姫だった」

武蔵「あのまま水底に沈んでいれば、私は間違いなく再び深海に棲まう戦艦の姫として復活していただろうな」

提督「…」

武蔵「何故だか知らんが、そのお仲間になるはずだったあんたらがそれを防いでくれたみたいだがね」

武蔵「そんなに当時の私はお前たちにとって無粋な女だったかい?なあ港湾棲姫よ」

港湾棲姫「…」

提督「…」

武蔵「クックック……だがしかし、まさか噂が本当だったとはね。深海棲艦は死んだ艦娘の怨霊である、だったか」

武蔵「そして深海棲艦の中には、稀に再び怨念から解放され艦娘に返り咲くことができる者がいるのだと」

武蔵「随分と生々しい噂だとは思っていたが、まさか私自身がそれそのものだったことまであるとは。傑作じゃないか」

武蔵「案外この噂の出処も、怨念から解放された誰かの、意識の底にうっすら残っていた深海棲艦時代の記憶なんじゃないかね」

港湾棲姫「それは……違う」

武蔵「ん?何が違うって?」

港湾棲姫「ワレラハ……怨念ダケデ……動イテ……オラズ……」

港湾棲姫「ムサシ……カツテ……我々デアッタ……オ前ナラ……ワカル……ハズ……」

港湾棲姫「ワレラヲ……真ニ……突キ動カス……ノハ……」

武蔵「ふん。どうだっていいんだよそんなことは」

港湾棲姫「…」

武蔵「お前たちの正体がなんだろうと、私達にとってお前たちは滅ぼすべき敵だ。憎い、憎い、殲滅すべき敵だ」

武蔵「それがなんだって提督よ。一番に連中を恨んでいて然るべきお前さんがいつのまにその憎むべき敵の巣に入り込んで遊んでて」

武蔵「いつの間にその連中に絆されて手を組むだなんて言い出したんだい?」

武蔵「お喋りはもう飽きたよ。さあ、そろそろ話の核心に入って貰おうじゃないか」

港湾棲姫「自分ガ……一番……喋ッテタ……癖ニ……」

武蔵「あ?なんだもう一回言ってみろこの野郎」

港湾棲姫「……ピュープ……プュフュー……」

武蔵「口笛吹けてないぞ」

提督「……はは。武蔵、お前はどこ行っても、どんな時でも武蔵だな」

提督「わかったよ。時間もあまりないことだし掻い摘んで話そうか」

提督「俺はな、武蔵。本当は、ここには深海棲艦を滅ぼすつもりでやって来たんだ」

武蔵「ん?」

提督「またまた荒唐無稽な話で申し訳ないんだが、訳あって俺は今化け物になっててな」

提督「余りにおぞましい姿になってるせいで味方だった艦娘の連中には見せられん。それほど酷い。もう信じられないか?」

武蔵「……聞くだけ聞くと言っただろう。最後まで聞いてから判断するよ。続けな」

提督「だが意識は俺だ。だから、折角だからこの姿でしかやれないことをやってしまおうと思ったわけだ」

武蔵「それが深海棲艦殲滅ってわけか」

提督「ああ。ぶっちゃけた話、今ならそれができる。それほどの力だよ」

武蔵「だったらなおさら疑問だね。そんな力を持った怪物がこっち陣営にいるならもうお前だけで十分じゃないか」

武蔵「それが何故わざわざ深海のと手を組むんだ?」

提督「俺は力を持ちすぎたんだ」

提督「そして敵はそんな俺に対してすら有効な力を持っている」

提督「更に言えば、そいつ、いやそいつらは、艦娘にも、深海棲艦にすらも恨みを抱いている者だ」

武蔵「……どんな存在だ?それは」

港湾棲姫「持タザル者」

武蔵「?」

港湾棲姫「奪イ返ス者]

港湾棲姫「ソシテ復讐者」

港湾棲姫「初メ現レタ時……彼女ハ、ソウ名乗ッタ」

港湾棲姫「ソシテ私達カラ色々ナモノを奪ッテ行ッタンダ」







龍驤「おーおーおるわおるわ、深海棲艦共がうようよと」

港湾棲姫「ナニモノダ!?」

離島棲鬼「艦娘!?」

戦艦棲姫「離島棲鬼!ワタシノウシロニ下ガッテ!」

ル級「ソンナ……タッタ一隻デ、ナゼコンナトコロマデ!」

ヲ級「ヲヲ!ヲヲヲ!!?」

龍驤「おんやー?なんでポートワイン沖海域に離島棲鬼と戦艦棲艦がおるんや?まあええわ」

龍驤「ターゲットが増えただけや。それに離島棲鬼……ククク」

龍驤「これは思いがけず都合のええやつがおるわ。僥倖。僥倖」

戦艦棲姫「僥倖?愚カ者メ……貴様ハ幸運デハ無ク、不幸ナノヨ!!」

龍驤「はっはっは。活きがええなぁ」

離島棲鬼「ミンナ。コイツ、艤装……モッテナイ」

ル級「フン。タダノ馬鹿カ」

港湾棲姫「来ルナト言ッテイルノニ……」

龍驤「港湾棲姫は修理中やな。まあ、先の戦闘で随分いてこましたったからなぁ」

龍驤「なるほど、それで港湾棲姫の回復まで護衛で来とったってところかねぇ。そっちの大物二匹は」

戦艦棲姫「……コタエル……義務ハ……ナイ」

離島棲鬼「生意気ナ……艦娘ニ……話ス舌ナド無イ……ワ……疾ク死ニナサイ」

龍驤「クククク……生意気なジャリやなぁ。でも、その生意気な口がウチに対して利けるのも、あと数分の間だけだと予言するで」

戦艦棲姫「離島棲鬼。下ガリナサイ。コノ女ハ……ワタシガ始末スル」

離島棲鬼「戦艦棲姫!」

戦艦棲姫「離島棲鬼ノコトヲ……悪シヨウニ言ッタ愚カ者……後悔シナガラ……滅ビサナ……ナイ」

龍驤「ハッハッハ!ええなぁ!美しい仲間愛や!深海棲艦なんぞにもそん感情あったんやね!」

龍驤「でも、離島棲鬼よ。お前さんは戦艦棲姫のこと、どう思っとるんかね?」ニヤッ

戦艦棲姫「ナニ?」

離島棲鬼「ナンダト?」

龍驤「うちにはわかるで。離島棲鬼。キミはウチと同類や」

龍驤「戦艦棲姫のことは頼りになる護衛か?信頼する従者か?それとも敬愛する同僚か?」

龍驤「ま、少なくとも全部思う当たる節あるやろ。どれも正解やろな」

龍驤「でも全部外れや」

離島棲鬼「ナニヲワケノワカラナイコトヲ言ッテイル」

龍驤「ほんとは憎くて堪らない。蹴落として、力尽くで奪ってしまいたいものがある」

龍驤「でもそれが無理だと知っている。だからそのことを考えようにしているだけ」

龍驤「なんせ、それのことを考えなければ戦艦棲姫は全てパーフェクトな存在やからな。……ただの一点を除いて」

龍驤「せやろ?」

戦艦棲姫「離島棲鬼?」

離島棲鬼「知ラナイ。コチラヲ……分断シヨウト……シテイルノ?浅ハカ過ギテ……笑ッテシマウホド……哀レダワ」

龍驤「ふふふ……まあ、そらそういう反応だわなぁ」

龍驤「でも、それをできる手段があると知ったら、キミはどう動く?見ものやわ」

離島棲鬼「…」

戦艦棲姫「…」

龍驤「ええで。離島棲鬼。ウチ、キミには手を出さん。キミにはこれからウチの手足となって働いてもらわなアカンからな」

龍驤「あとは…そうやなぁ、そこのヲ級。キミや」

ヲ級「ヲ!?」ビクッ

龍驤「キミもええで。態度次第じゃキミもウチの手下にしたる」

ヲ級「ヲー!」プンプン

離島棲鬼「見クビルナ……ト言ッテイル。ヲ級モワタシモ……安々ト敵ニ下ル……尻軽デハ……ナイ」

龍驤「ふふ。これの力を見ても尚そう言ってられるならちょっち尊敬したるわ」スッ

離島棲鬼「……?ナンダ、ソレハ」

龍驤「出血サービスや。今からキミに、プレゼントや」

離島棲鬼「プレゼント?貴様ノ……首カ?」

龍驤「もっとええもんや。真の満足。心の平穏と、充足。万能感」

龍驤「そういったものを、キミは今からそこの戦艦棲姫から頂戴するんやで」

戦艦棲姫「ナニ……?」

龍驤「ほいポチッとな」カッ

戦艦棲姫「貴様、ナニヲ……ウアアアアア!?」

離島棲鬼「戦艦棲姫!!」






……げる





何を捧げますか?
戦艦棲姫↓2
ル級↓3

戦艦棲姫「アアアアアア!!?」

ル級「ウワアアアアアア!?」

港湾棲姫「フタリトモ!?」

龍驤「ちっ。ル級め。港湾棲姫のやつを庇いおったな。だがまあええ」

龍驤「どうや?見たか離島棲鬼。ヲ級」

離島棲鬼「戦艦棲姫!ル級!ダイジョウブ!?」

戦艦棲姫「リ、離島棲鬼……エ、エエ……ワタシハナントモ……」

ル級「ワ、ワタシモ……ナントカ……」

離島棲鬼「!!」

港湾棲姫「ソンナ!」

戦艦棲姫「エ……?ドウシタノ……?二人……トモ……」

港湾棲姫「セ、戦艦棲姫……アナタ……角ガ!!」

戦艦棲姫「!!」

ヲ級「ヲ!!ヲーーー!!」

離島棲鬼「ヲ級!?」

戦艦棲姫「ル級ニモ異変デスッテ!?」

ル級「エ……?」

ヲ級「ヲーーーーーー!!」

離島棲鬼「アア!!ル級ノ肌ガギャルッポイ小麦色ニ!!?」

ル級「エエエエエエエ!!?」

龍驤「ふっ。ガングロにまでせんかったのはせめてもの慈悲や」

離島棲鬼「貴様ノセイカ!!」

港湾棲姫「ナニガシタイノ!?ワリト真剣ニ理由ガワカラナイワ!!」

龍驤「ふむ…合計13cm。うーん。ちょっち思ったより多いくて勿体無いなぁ。でもま、えっか」

龍驤「ほれ、離島棲鬼に3cm。ヲ級に3cm分やるわ。あとはまあ…あとでウチに使おうかな」

離島棲鬼「!?」ポヨッ

ヲ級「!?」ポヨッ

離島棲鬼「コ、コレハ……!!」モミモミ

ヲ級「ヲ、ヲヲ……!」モミモミ

戦艦棲姫「ソンナ!!」

離島棲鬼「胸ガ膨ランダ!!?」

ヲ級「ヲヲヲヲヲヲヲヲヲ!!!!!」

戦艦棲姫「悪夢ダ!!!」

離島棲鬼「見テ見テ!奇跡ダ!戦艦棲姫!胸ガ!私ノ胸ガ急ニ大キク!……」

離島棲鬼「……エ?イ、イマ、ナンテ?」

戦艦棲姫「嘘ダコンナコト!!離島棲鬼ノ……離島棲鬼ノ慎マシク可愛ラシイ胸ガ、醜ク膨ラムダナンテ!!」

離島棲鬼「…ナンデ?……ナンデソンナコト……言ウノ?戦艦棲姫……」

戦艦棲姫「胸ナンカタダノ脂肪ヨ!!」

離島棲鬼「…」

戦艦棲姫「大キクナレバ……垂レルシ……可愛イブラモ……サイズガ……ナクナルシ……」

離島棲鬼「…」

戦艦棲姫「ソモソモ重クテ邪魔ナダケ。急ニ大キクナッテ、今ハ嬉シイカモシレナイケレド」

戦艦棲姫「肩ハ凝ルシ、下ノ物見ルノニ邪魔ダシ、暑イカラッテチョット薄着シタラ、イッパイイヤラシイ目デ見ラレル」

離島棲鬼「……」ゴゴゴゴ

龍驤「ほう?これは予想以上の展開来ちゃったか?」

戦艦棲姫「貴様!!貴様ノ仕業カアアアアアアア!!」

離島棲鬼「……コノ胸ハ、アナタノ御業ナノ?」

龍驤「そうやで。ウチが授けたんや。お前に、戦艦棲姫の角を削って、その代償として」

離島棲鬼「ソウ」

戦艦棲姫「!!ヤハリ角モ貴様ノ仕業カ!許サン!!」

戦艦棲姫「角ハマダイイ!ダガ離島棲鬼ノ慎マシッパイダケハナントシテモ返シテモラウゾ!!」

龍驤「……ってことらしいけど、どないする?」ニヤッ

ヲ級「ヲヲー!ヲヲーー!!」ピョンピョン

ル級「……日焼ケサロン行ッテモ焼ケナカッタノニ……」ジーン

龍驤「……ちっ。約一名そんなに堪えとらん」

戦艦棲姫「ソノブン私ガ絶望シタワ!!」

龍驤「へー?ならどないするん?」

戦艦棲姫「貴様ヲ縊リ殺ス!!」

龍驤「アカーン。ウチ装備無いから攻撃されたら即死やー」

戦艦棲姫「ナラスグ死ネーーーー!!」ジャキッ

離島棲鬼「…」

離島棲鬼「サセナイ」

戦艦棲姫「エッ」

離島棲鬼「オ前ガ死ネ」ジャキッ

戦艦棲姫「エッ?チョ、待ッテ離島……」

離島棲鬼「オ前ガ死ネ」ドーーン

戦艦棲姫「」

港湾棲姫「戦艦棲姫ィーーーーーーー!!」

龍驤「へっへっへ、おお助かったで離島棲鬼。でも良かったんか?味方だったんやろ?」

離島棲鬼「我ガ主。コノ場ニイルノハ俗物バカリデス。我がガ真の主ハアナタ様」カシズキー

離島棲鬼「所詮彼奴ラメハ、アラカジメ持ッテ生マレシ者。ワレラ持タザル者ノ心ハワカリマスマイ」

龍驤「持たざる者か……気に入ったで。せや。ウチらは持たざる者や」

龍驤「そして今日この瞬間より、不当に分配された富を奪い返す者となり、そのための復讐者ともなった!」

龍驤「巨乳共よ!牢記せや!」

龍驤「夜や!!」

龍驤「今この瞬間から貴様らに夜が訪れたんや!!」

龍驤「太陽の恵みの元のうのうと乳を揺らして自慢しとった貴様らが乳を失い」

龍驤「日が沈み次に月が昇るように、ウチら持たざる者のための黄金の時代が幕を開ける!」

龍驤「神話の時代の幕開けや!!」

港湾棲姫「オオゲサスギナイ」

龍驤「黙れや最優先ターゲット!貴様は深海・艦娘共に合わせた中で最大サイズを誇るいわば富を独り占めする暴君や!」

龍驤「貴様だきゃぁ絶対に乳全部奪ってまな板とか洗濯板とかどっちが背中か判断つかないとか言わせたるからな!!」

港湾棲姫「イヤ別ニイイケド」

龍驤「…」ピクッ

港湾棲姫「ッテ言ウカ、持ッテクレルナラ全部アゲタイ。セッチャン(戦艦棲姫)の言ウトオリコノ胸、邪魔ダシ」

港湾棲姫「アト、電車トカ乗ルト凄イジロジロ見ラレテ恥ズカシイ。怖イ。見ルナト言ッテルノニ見ラレル」

ル級「心ノ中デ言ッテルダケダカラ悪インジャナインデス?」

港湾棲姫「ダッテ見知ラヌ人ニ話シカケルノ怖イ。マシテヤ男ノ人」

龍驤「くっ……!これは、難敵や!本人が堪えてくれんと面白うない」

龍驤「こうなったらここは一時撤退や!行くで離島棲鬼!」

離島棲鬼「ヲ級モ来ル?」

ヲ級「ヲ」コクコク

離島棲鬼「ソッカ。モット胸欲シイモンネ」

ル級「イヤ、返スワケニモイカナイッツーノ」

港湾棲姫「ウン。離島棲鬼ハ、アトデオ説教ネ。セッチャンニ……ゴメンナサイ、シナイト……メー、ヨ」

離島棲鬼「ムシロ、アイツニガ死ンデ詫ビロ」

港湾棲姫「リッチャン!」

龍驤「さあいつまでもグズグズしとられへんで!」

離島棲鬼「シンガリハオ任セクダサイ!我ガ王ヨ!!」

ヲ級「ヲー!」

龍驤「フアハハハハ!!」

龍驤「……ん?」

龍驤「…」ジー

龍驤「なんやこれ?」

港湾棲姫「アッ!ソレハ!!」

龍驤「!これは……まさか!!」

龍驤「こんなところに……!!」

龍驤「……っ!!」

離島棲鬼「主?」

龍驤「ずらかるで二人共!ヲ級!こいつも持ってくから運べ!」

ヲ級「ヲ!?」ズシッ

龍驤「それじゃあまた来るわ!今度こそお前らに絶望の中で胸を奪われる恐怖を与えたる!!」

龍驤「さらばや!!!」





港湾棲姫「コウイウコトガアッタ」

武蔵「色々ツッコミ入れたいんだがいいか」

港湾棲姫「ダメ。時間ナイ」

武蔵「糞ッ!なんで私はこんなやつの話を長々と聞いてしまったんだ!」

提督「駄目か?武蔵。やはり深海棲艦とは手を組めないと、それとも俺の事を疑っているのか?」

武蔵「それ以前の話だ!なんだそのコミカルかつ無害そうな連中は!」

武蔵「別に放っておいてもいいんじゃないのか?」

提督「駄目だ」

武蔵「だからなんで……」

提督「大和も被害者だからだ」

武蔵「あ?」

提督「武蔵。お前、今回旗艦を大和に代わってもらったよな?」

武蔵「あ、ああ。なんでも急に練度が1になったと。せっかくあと一歩で99だったのにと大泣きしていた」

提督「あれもそいつのしわざだ。これを始めにいうべきだったな」

武蔵「なに?」

提督「他にも、一、ニ航戦や第六駆逐隊、吹雪に摩耶、長門……お前は存在を忘れているだろうが、大鳳という子もそうだ」

提督「みんな大なり小なり、被害を受けている。間接的な被害者はもっともっと多い」

提督「そいつらの被害は深海棲艦達のそれらとは違ってガチだ」

港湾棲姫「アンマリ……コッチノコト……ネタ要員ニ……セントイテネ?」

武蔵「ならその取ってつけたような似非関西弁止めろ」

港湾棲姫「ギャフン」

武蔵「しかし、大和のアレの原因でもあったのか。なら話は別だな」

武蔵「そいつらは無害な馬鹿からヤキ入れるべき馬鹿にクラスチェンジだ。見つけたらとっちめてやろう」

武蔵「だが、それでもまだ一応、こいつらよりは殲滅対象としては足りんと思うのだが。侵略者としては格が落ちないか?」

提督「……あとな」

武蔵「応」

提督「お前ら第一艦隊を襲った謎の深海棲艦ってのな」

武蔵「ん?」

提督「あれもあいつらの構成員だ」

武蔵「…」

武蔵「……」

武蔵「………ほう」

武蔵「話はわかったよ」

武蔵「要はその龍驤とかいう艦娘とそいつに付いた深海側の裏切り者、そしてその謎の深海棲艦ってのを倒すまで」

武蔵「我々は双方の利害が一致する故、休戦しようじゃないかという話だな?」

提督「その通りだ。それに関して、港湾棲姫とも既に話は決着済みだ」

港湾棲姫「アナタタチノ提督ガ……直筆ノ親書ヲ書イテ……ソレヲ我々ノ仲間ガ……オ前達ノ元ヘ……運ンデイル」

港湾棲姫「早ケレバ……今晩ノウチニ……届クハズ……」

港湾棲姫「休戦ガ……成立スレバ……共同戦線ニヨル……反撃……開始……」

提督「指揮は俺が取る。だが、さっきも言ったとおり見た目がちょっと今、アレでな」

提督「姿を晒すと疑われたり怖がられたりで無用な混乱を生じさせそうなので困ってたんだよ」

提督「そしたら港湾棲姫と龍驤について話あってたとこで、そこにお前達がやられたって報せが届いてな」

港湾棲姫「スグ潜水艦ノ……ソ級ニ……助ケニ行カセタ……」

提督「お前なら細かいことを気にしないし、先に話しておけば俺が裏切ってないという証人にも適任だろう?」

提督「渡りに船……と、お前達に言ったら怒られるかもしれんがそんなようなものだったわけだ」

武蔵「なるほどね。借りができてしまったか」

武蔵「それに借りと言うなら一番返さなければならない相手を倒すまで邪魔が入らないのは願ったりだ」

武蔵「この武蔵、休戦協定に賛成しよう。できることのことはさせてもらう」

港湾棲姫「ヨカッタ……」

提督「お前ならそう言ってくれると思ったよ」

提督「彼女は今、近海を暴れまわって目に付いた巨乳の深海棲艦や他鎮守府の艦娘を手当たり次第襲っている」

港湾棲姫「我々モ……アンナ深海棲艦ハ……造ッタ覚エガ……ナイ。ダケド……一応……アレハ、深海棲艦」

港湾棲姫「ナノデ、認メタクハナイガ……一応、我々ノ仲間ニ……カテゴライズシタ……呼称デ呼ブコトニ……シテイル」

武蔵「へえ。なんて呼んでるんだい?」

港湾棲姫「仮ニ、ズ級」

武蔵「ズ級ね。いろは唄の最後じゃないか。随分大仰に出たな」

港湾棲姫「……アクマデ、カッコカリダシ」

提督「いや、まあ、ちょっと、な」

武蔵「ん?」

提督「…」

港湾棲姫「…」

武蔵「おい、なんだその態度は」

提督「……参ったな。どういったもんか」

港湾棲姫「ダカラ『ズ』ハ止メヨウッテ言ッタノニ……」ボソッ

提督「そうは言ってもなんかさぁ…っつーかお前らなぁ。言っとくけど俺この件に関しては本気で怒ってんだからな」ヒソヒソ

港湾棲姫「戦争ガ悪イノヨ……戦争ガ……」ヒソヒソ

提督「そうだけどさぁ…でもお前らが仕掛けてこなけりゃ……」ヒソヒソ

港湾棲姫「ソレハコッチ譲レナイダッテ事情ガ……」ヒソヒソ

武蔵「なんだお前ら。何か隠してるな?」

提督「…」

港湾棲姫「…」

武蔵「正体不明とか言っておきながら、フェアじゃないじゃないか。話せよ。敵の情報は少しでも多い方がいい」

武蔵「第一、らしくないじゃないか。なぜそこで言葉に詰まる。言いにくいことでもあるのか?そのズ級カッコカリとやらに」

提督「港湾」

港湾棲姫「知ラナイ」プイッ

港湾棲姫「……言イタキャ言エバ」

港湾棲姫「……ドーセワタシ達悪者デスヨ」イジイジ

提督「可愛く拗ねてもコレに関してはマジでお前ら悪者だからな」

港湾棲姫「……チェッ」

提督「…」

武蔵「なにいちゃついてんだお前らふざけんなよ」

提督「あー……あのな。武蔵」

武蔵「なんだ提督よ」

提督「お前、先のポートワイン沖海域での決戦覚えてるか?ほら、春の」

武蔵「当たり前だろう。私も大和も参加した。それに、忘れたくても忘れられん思い出もできたしな」

武蔵「だからこそ私は内心合点がいかんのだ。提督よ。だからこそお前が一番こいつらを、この港湾棲姫を恨んでいるのではないのか?」

武蔵「忘れたとは言わせんぞ。こいつがやったことは。そして私も決して忘れん」

武蔵「こいつが……」

武蔵「この女が沈めた瑞鳳のことは!!」

提督「…」

港湾棲姫「…」

武蔵「言っておくがな!港湾棲姫!!奴らを仕留めれば次は貴様らの番だ!」

武蔵「貴様らが憎しみや恨みといった怨念で動く亡者であろうと、我らとて仲間を奪われた怒り、恨みは決して忘れん!」

武蔵「これまで貴様らとの戦いで散っていった仲間たちの怒り……瑞鳳の無念……晴らさずにおけるはずもない!!」

武蔵「いいか!それだけは肝に命じておけ!!」

提督「…」

港湾棲姫「…」

武蔵「どうした!なんとか言ってみろ!!」

港湾棲姫「エーット」

提督「……うん。それなんだけどな、武蔵」

武蔵「なんだ!?」

提督「あのズ級ってのなんだけど」

武蔵「ああ!」

提督「あれ、瑞鳳や」

武蔵「…」

港湾棲姫「セヤ、セヤ」

武蔵「…」

提督「瑞鳳。あれ」

武蔵「…マジか」

提督「マジやで」

港湾棲姫「セヤデ」

武蔵「嘘だろ?」

提督「提督 嘘 吐かない」

港湾棲姫「ワンコモ、吐カヘン」

武蔵「…何故だ」

提督「あいつ、艦隊決戦で港湾棲姫相手に命令無視して大破進軍しやがったろ」

武蔵「……結果的に敗北したが、大敵を打ち倒すための蛮勇だったと記憶しているが」

港湾棲姫「目ガ合ッタ、瞬間、メッチャ凄イ顔デ、殺シニ来タ」

港湾棲姫「胸バッカ狙ッテキタ。ムシロ胸ニ話シカケテキタ。死ネ、殺シテヤル、恨メシイ、ッテ延々」

港湾棲姫「血涙流シテテ正直怖過ギ、コッチモ必死デシタ」

武蔵「そ、それはほら、信じるもののために闘う戦士のなりふり構わない必死さというかだな」

港湾棲姫「最後ノ台詞、コンナダッタケド?」

武蔵「……どんなだ?」




『……今はいい。沈んであげる。けど覚えておくがいいわ、深海棲艦』

『この世にお前のような巨乳が蔓延(はびこ)る限り、私は何度でも復活する!!』

『ククククク……その時お前は、果たしてこの私に抗う力が残っているのかしらね?』

『怯え続けなさい。いつかお前達巨乳が全てを奪われる時代がきっと来る』

『私には見えるの。これは予言ではない。いつか近いうちに必ず来る現実。お前達の時代の終焉』

『そして我ら持たざる者達の黄金の時代の幕開け……フフフフ』

『ああ、怯えているのね?……いい顔。そうそうその表情よ。そんな風に恐怖に慄くお前の顔を、地獄の淵で見守っていてあげる』

『そう、いつだってね。いつだってそうやって確実に到来する絶望の瞬間に怯え続けるがいい!!』

『再びまみえる時が来るのが楽しみね!アハハハハ!』

『アハハハハハハハハハ!!』

『アハハハハハハハハハハハハハ!!!』

『……ぐふっ』



港湾棲姫「怖スギルノデ、勝手ニ復活スル前ニ……セメテ弱ッチイ軽空母ヌ級ニ改造シテ……僻地ニ飛バソウト、考エテタラ」

港湾棲姫「コノ間ノドサクサニ紛レテ、改造中ノアノ子サラワレマシタ」

武蔵「お前も大概アレなのな」

港湾棲姫「ソシタラ……ソノ後、謎ノ超深海棲艦トウジョウ。怨念オーラマシマシ。スカイツリー盛リ」

提督「なんか、そんな話聞いてたら恨みや憎しみってなんだろう、ってな」

武蔵「…提督よ。本当にもう、あいつらお前がやってしまって構わんのではないのか?」

提督「今の俺がちょっと本気で動くと世界の理が狂ってこの世に地獄が現出してしまうのだ」

武蔵「…」

提督「だから、お前達艦娘、そして深海棲艦達だけが頼りだ!」

港湾棲姫「セメテ静カナ海ヲ取リ戻シタイ」

武蔵「やめろ!それ以上善い者側っぽい台詞を言うんじゃない!!」

港湾棲姫「イツカ静カナ海デ、ミンナノ笑顔ヲ……」

武蔵「お前もうわざとやってるだろ!!」

提督「とにかく!そういうわけだから!」

提督「みんなで協力してあいつら〆るから!」

武蔵「あっ!強引に締めに入ったな!?」

提督「そういえば鎮守府のみんなは元気かなー!!」

提督「深海のみんなと上手くやれるか心配だなーーーーーーーーーー!!!」

武蔵「おい聞け!提督よ!おい!このクソ提督ーーーーー!!」

なんとか胸糞シリアス路線を胸糞コメディ路線に軌道修正(無理やり)できたとこで今日は終了

飛行船

離島棲鬼「イカガ…デショウ?我ガ……アルジ」

離島棲鬼「アルジノ……タメニ……用意シタ……コノ玉座……ハ……」

龍驤「ククク……なかなかの見晴らしやな。天より地上を見下ろせるこの感覚

龍驤「地上や深海のカス共がまるで豆粒やで。離島棲鬼。褒めてつかわす」

離島棲鬼「アリガタキ幸セ」

龍驤「ズ級はどこや?」

離島棲鬼「彼女ハ……増悪ヲ持テ余シ……近海ノ巨乳狩リニ」

離島棲鬼「先程モ……艦隊ヲ一ツ壊滅サセタトノ報セガアリマシタ」

龍驤「ふはは。流石やなぁ。頼もしい限りや」

名取「…」

離島棲鬼「時ニアルジ」

龍驤「なんや?」

離島棲鬼「コノ艦娘ハ、胸ガアルヨウニ……見受ケラレマス……ガ……」

名取「…」

離島棲鬼「何故コノ者ヲ我ラガ座ニ連レテ来タノデ?」

龍驤「せやなぁ。ここまで逃げ切ればもう護衛もいらんしな」

龍驤「夕張。もうこいつええやろ。装置で出がらしになるまで吸い取って海に捨てたりゃええねん」

夕張「駄目です」

龍驤「なんでやねん」

離島棲鬼「造物主。ナニカ……オ考エガ?」

夕張「ええ。この子はね。私の親友なの」クスッ

龍驤「うっわ、エグッ!離島棲鬼。こいつな、この娘から自分に逆らう意思奪っといてこんなこと言っとるんよ」

龍驤「いやぁ相変わらず、この世のものとは思えんくらい悪いやっちゃなぁ」ケラケラ

夕張「えー?龍驤さんがそれ言っちゃう~?」ケラケラ

離島棲鬼「……僭越ナガラ造物主。理解デキナイ。巨乳ト親友ダナドト」

夕張「何言ってるの離島棲鬼。これからは私達も巨乳になるのよ?」

夕張「巨乳は交友関係だって巨乳と持つべきでしょ」

夕張「富める者がわざわざ醜く卑しい貧乏人と付き合う必要はない。それと同じよ」

離島棲鬼「ビンボウニン」

龍驤「例えば艦娘なら千代田や雲龍。あとは深海棲艦で言うなら戦艦棲姫や港湾棲姫とかに代表される連中のことやな」

夕張「ええ。あとは高雄型のあの二人とかね」

夕張「こういう『最下級の貧乳』になることが決定しているような下賎の者共のこと」

夕張「そしてそういう旧支配階層の消えた後、残されるのは」

夕張「この名取ら準巨乳勢。こういうエグゼクティブと私ら真の巨乳達は、付き合っていくべきなのよ」

龍驤「成る程。今までウチらを見下していたこいつら準巨乳共が、今度はウチらを憧れと羨望の眼差しで見つめるんやな」

離島棲鬼「オオ……!!ソレハ……ナントイウ愉悦!!ナントイウ深慮遠謀」

離島棲鬼「不肖離島棲鬼、偉大ナル造物主ヲ疑ッタ無礼ヲオ許シ下サイ!!」

夕張「クスクス…いいわよ、そんな。これからは一緒に世界を支配していく仲間じゃない」

離島棲鬼「オオオ……慈悲深イ……」

夕張「だから大げさだって……ま、悪い気はしないけど。ねえ?名取」

名取「…」

ダダダダダ

ヲ級「ヲーーー!!」プンプン

夕張「ん?どうしたのヲ級」

龍驤「なんやろ。ようわからんけど怒っとるんかな」

離島棲鬼「控エヨヲ級!我ラガアルジ達ノ……御前ゾ!!」

ヲ級「ヲ!ヲヲヲヲヲヲ!!」

離島棲鬼「ナニ!?」

ヲ級「ヲ!?ヲヲ!!ヲヲヲーー↓ヲヲヲヲ!!ヲヲン!?」プンプン

ヲ級「ヲーーーーーーーーーーーーーーーー!!」ジタバタ

離島棲鬼「ムウ……デモ、アノ子ダケ仲間外レ……カワイソウダッテ思ッテ……」

龍驤「アカン何言っとるのかさっぱりわからん」

夕張「通訳お願い」

離島棲鬼「ワタシガ……レ級ヲ仲間ニ……誘ッタコトヲ……怒ッテイマス」

龍驤「ああ。そういえば嫌がっとったよなぁ」

夕張「なんで嫌なの?アイツが仲間に加わったらめっちゃ頼もしいじゃん」

ヲ級「ヲ!!!!」フルフル

龍驤「なんて?」

離島棲鬼「レ級ハ嫌味ナヤツデ、人ガ楽シソウニ……シテルト……スグニ首突ッ込ンデ邪魔シテクル……イジメッ子」

離島棲鬼「興味ナイ癖ニ……嫌ガラセデ人ノモノ欲シガッテ……勝手ニ持ッテイク……ジャイアン中ノ……ジャイアン」

離島棲鬼「ヲ級ガ胸ヲコンプレックスニ……シテルノモ知ッテルカラ……コノ件ヲ知ッタラ……」

離島棲鬼「絶対アイツハ……自分ヨリ巨乳ニナッテ……嫌味ッタラシク……自慢スルニ……決マッテル」

離島棲鬼「ケンカジャ勝テナイシ……セメテアイツニ……優越感……持チタイノニ……全部水ノ泡」

離島棲鬼「ソウ申シテオリマス」

龍驤「なんや情けないなぁ」

夕張「あのヲ!!!!一言にそんな意味が詰め込まれてるなんて、奥が深いわ、深海棲艦語」

ヲ級「ヲー!」

離島棲鬼「ン、ソウイエバ……アノコ、見ナイ……ネ」

龍驤「ああ。あいつならさっき会ったで。ちょっくらウチらのおった鎮守府に遊びに行ってくる言うとった」

夕張「あらら。今ってあそこ、第一艦隊壊滅、第二艦隊も使い物になんない状況じゃなかったっけ」

龍驤「第一艦隊壊滅してるんなら、救助部隊も出とるやろなぁ。あと、オリョクル部隊もまだ帰ってきとらんかったし」

夕張「ついでに大和さんが使い物になんなくて、長門さん除隊した状況でレ級?うわ、終わったかな、あそこ」

龍驤「極めつけに、今は夜や。空母も使い物にならん。終わりやろなぁ。あそこの鎮守府も最後は案外あっさりしたもんやったね」

夕張「いやぁでもいざ終わりってなるとなんか不思議なもんです。なんか感慨深いかも」

龍驤「こら帰ってきたらレ級にご褒美あげなアカン展開になっとるかもね。お手柄抱えてきそうや」

夕張「そうですねぇ……鎮守府壊滅なら、10cmくらいあげてもいいかな?」

龍驤「せやな。妥当なとこやろ。あとは巨乳生け捕りで一人に付き2cmってとこやろかな」

夕張「この辺のお手柄の報酬制度も歩合ちゃんと決めとかないといけませんね」

ヲ級「ヲヲ!?」

ヲ級「ヲー……」

龍驤「なんやヲ級。安心せーや。別に一歩リードされたくらいやろ。お前も今度別で手柄立ててみ」

龍驤「そしたらちゃんと手柄に見合った豊胸したるから」

ヲ級「ヲヲ……」

離島棲鬼「ソウジャナイソウデス」

龍驤「ん?なんや?」

夕張「なんか他に問題でも?」

ヲ級「ヲ」

離島棲鬼「アノ子ガ……コウイウ時ニ……進ンデ動クト……」

離島棲鬼「決マッテ……シッチャカメッチャカニ……シテ……シマウカラ」

離島棲鬼「面倒ナコトガ……起コラナイト……イイケド……ト」

龍驤「…」

夕張「…」

ヲ級「…」

離島棲鬼「…」

龍驤「…ま、なんとでもなるやろ」

夕張「そうですね。私しーらないっと」

離島棲鬼「……ドーセ艦娘ノ鎮守府ダシ」

ヲ級「ヲヲ!?」

離島棲鬼「適当スギルダロッテ?デモ気ニシテモ……ショウガナイワ」

ヲ級「…」

離島棲鬼「ソレヨリオ腹空イチャッタ。ゴ飯行キマショ、ヲ級」

ヲ級「ヲー…」

龍驤「あ、その前に一回ズ級呼んだってくれん?ウチちょっちアイツに会いたいねん」

離島棲鬼「ギョイ。デハ連絡ヲ入レテオキマス」

龍驤「ん。ウチはドックに行っとるから、そこに来るよう言ったってな」

離島棲鬼「了解イタシマシタ。ジャ、行キマショウ……ヲ級」

ヲ級「ヲ……」

ゾロゾロ

夕張「…」

名取「…」

夕張「みんな行っちゃったね、名取」

名取「……うん。メロンちゃん」

夕張「……私が憎い?」

名取「…」

夕張「大切な第二艦隊の仲間を酷い目に合わされて、自分は裏切り者同然の体で鎮守府から誘拐」

夕張「挙句深海棲艦とつながってた私らのせいでスカスカの鎮守府にレ級なんて化け物が向かってる」

夕張「十中八九皆殺しかな?アンタの姉妹の長良型の連中もね。笑っちゃうわ」

名取「…」

夕張「普通に考えたら、私の事、殺しても飽き足りないくらい憎いでしょ。違う?」

名取「…」

夕張「でも残念。アンタは私に逆らおうとする思考を奪われてしまっているのでしたと、さ」

夕張「滑稽で、哀れで、情けないったらありゃしない。もうすぐアンタの大切な全ての仇になる存在の私にだよ?」

夕張「ああ、そういえばさっきは川内の攻撃から守ってくれてありがとうね。おかげで助かったよ」

夕張「あれのおかげで私はこうしてここに立っていられるし、これからも多くの人達から色々なものを奪って生きていける」

夕張「アンタのせいでより多くの人が不幸になるんだわ。アンタ、酷い女ね。最低だわ。アハハハハハ!!」

名取「…」

夕張「…」

夕張「……こっち見なさいよ」グイッ

名取「…」

夕張「なんで庇ったわけ?」ジッ

名取「……?」

夕張「私は確かにアンタから逆らおうってする思考を奪った」

夕張「でも別にアンタを手駒にしようとか奴隷にしようとか、考えてやったわけじゃないし、そもそもそんな風に装置を使ってない」

夕張「なんでアンタはあの時川内の攻撃から庇ったのよ……!!」

名取「……それは」

夕張「それは!?」

名取「……友達だから」

夕張「……!!はぁ!?」

夕張「っ!ふざけんなっ!!」グイッ

名取「あっ…」ドサッ

夕張「ふざけんな!ふざっけんな!!ふざけないでよ!!」ドン

名取「痛い……よ……メロンちゃん」

夕張「私がアンタの友達!!?この夕張さんが!?有象無象の軽巡の一隻に過ぎないアンタなんかと!?友達!!?」ハァハァ

夕張「記憶失ってる間の私とちょっと仲良くしてたからって、図に乗らないでよ!!」フー…フー…

名取「メロンちゃん……あの、身体の上……どけて……」

名取「息……荒い……怖いよ、メロンちゃん」

夕張「その名で私を呼ぶなぁ!!」

名取「ご、ごめん……」

夕張「!」

夕張「……ふ」

夕張「……ふふ」

夕張「ふふふふふふ……」

夕張「いえ。いいわ。名取。こっちこそごめんね。怖かったよね」

名取「…」

夕張「名取は私の親友だもんね?」

名取「メロンちゃん……」

夕張「でも、アンタは言っちゃったわよね。ごめんって。覚えてる?私との約束。簡単に謝らない。って」

名取「あ……う、うん。覚えてる。覚えてるよ。メロンちゃん。やっちゃったね。ごめんね、メロンちゃん」

夕張「ああほらまた言った。もう、名取ってばしょうがない子なんだから」クスクスクス

夕張「謝ったら罰ゲーム。これで二回分。そうだよね?名取」ズイッ

名取「う、うん……あ、あの、メロンちゃん?どうしたの?顔が近いよ……」

名取「そ、それに目もなんだか怖……」

夕張「気になってたのよねぇ。人一倍臆病なアンタが、逃げ場も無く、追い詰められた時」グイッ

名取「ひゃっ!」

夕張「今までなら最後の最後で勇気を振り絞って反撃をするっていうのが普段のアンタ」ゴソゴソッ

名取「あ、あう……っ!や、やだ、メロンちゃん、そんな…」

夕張「でも、逆らう意思を無くしたアンタがこうやって追い詰められた時……」ビリビリッ

名取「あ、ふ、服が……は、恥ずかしいよぅ……」

夕張「アンタは果たしてどう動くのかしら」カリッ

名取「はうっ!!」ビクッ

夕張「ふふ……こうして下着姿を見ると、やっぱり名取の胸、綺麗……」チュパ…

名取「はぁ…はぁ……」

夕張「羨ましいなぁ……私も早くこんな風になりたいよ」チュプッ

名取「あっ!メロンちゃん!メロンちゃん!」

夕張「チュ~~~ッ」

名取「んっ…!!くぅっっ!!」ジタバタ

夕張「……ちゅぴっ。ふう。マーキング完了」

名取「は…っ!はぁ…!はぁ……!」ビクッビクッ

夕張「わお。流石普段運動しまくってる長良型。たったこれだけで汗だくになっちゃって。代謝いいねぇ」

名取「はふ……め、メロン……ちゃ……」

夕張「よく見なさい?名取。アンタの乳房に付いた、その夕張さんのキスマークを」

夕張「それは刻印」

夕張「この痣がある限りアンタは私のモノだっていう、呪いの刻印よ」

夕張「私にその痣を付けられている時、アンタはどう思った?痛かった?苦しかった?悔しかった?」

夕張「それとも……ふふ、切なかった?」

名取「はぁ……はぁ……」

夕張「まあアンタの気持ちはどうでもいいわ。玩具の気分をいちいち気にする持ち主はいないものね」

夕張「……また」

夕張「……またこの痣が薄くなってきた頃に」

夕張「刻印の上書きしてあげるから」スクッ

名取「はっ……はっ……」グッタリ

夕張「クスクスクス……じゃあね。いつまでもそんな格好で寝転がっていたら風邪ひくわよ」スタスタ

名取「はぁ……はぁ……はぁ……!あふっ!」ビクッピクッ

夕張「アハハハハハハハハハハ!!!」

エロを書きたいと思い立ったからぶっこんだ
悪いかしら?

今日はここまでにしときます

鎮守府近海



レ級「……♪」

レ級「キシシシ♪」

レ級「ケケケケケ」

レ級「カカカカカカ」

レ級「アキャキャキャキャ!!」


未明
鎮守府司令部

バタバタ

妖精A「忙しい忙しい」バタバタ

妖精B「えらいこっちゃえらいこっちゃ」バタバタ

大淀「伊勢さんから通信!一足先に第四艦隊の二人が帰投します!急いでドックを空けて頂戴!!」バタバタ

大淀「未だ入渠中の子には急いでバケツを被るように指示を!中破までの入渠待ちの方は列を譲ってください!」

大淀「小破の方は明石さんに頼んで治療を受けて!その明石さんは!?」

雷「工廠でさっき見たわ。何か急ぎで開発していたようだけど」

大淀「後にしてすぐこちらに来て貰うよう伝えてください!」

あきつ丸「大淀殿。潜水艦らからの通信を捉えたであります」

大淀「そのまま報告して!」

あきつ丸「了解。伊8殿、伊401殿、そしてまるゆ。軍港まであと50といったところとのこと」

大淀「保護した第一艦隊は?」

あきつ丸「ビスマルク殿、日向殿、北上殿でありますな。ええ。無事輸送中とのことであります」

あきつ丸「3人共ピクリとも動いておらぬ様子でありますが……」

大淀「意識を失っているのね。輸送側の様子はどう?」

あきつ丸「まるゆがふらついておりますな。他の二人も疲労が溜まっていて思う様速度が出ぬと」

あきつ丸「自分、迎えに行ってくるであります。輸送は自分の本業。その方が早いでしょう」

大淀「ええ、頼みます。でも一人よりは……」

隼鷹「あたしも行くよ。これでも元豪華客船だ。乗り心地は保証……できないけどちゃんと運んでやるさ」

大淀「隼鷹さん。ではお願いします」

球磨「球磨も行くクマ!じっとしてられない。北上は球磨が運ぶクマ!!」

大淀「球磨さん。では取り急ぎ三人で第三艦隊に合流し、彼女らの帰投を支援してください」

あきつ丸「了解!」

隼鷹「ちょっと行ってくる!」

球磨「北上、今ねえちゃんが迎えに行ってやるクマよ!」

大淀「通信を聞く限り、伊勢さんたちも随分急いでるせいで消耗が激しそうね。でも彼女らにもまだ働いてもらわなければ」

大淀「手薄になった鎮守府の守りを固めるためにも、今動ける面子で暫定で第一艦隊から第四艦隊まで編成し直さないと」ソワソワ

鳳翔「遅くなりました。大淀さん、入渠待ちの子を含め動ける子はほぼ全員ブリーフィングルームに集合をかけましたので報告します」

大淀「ではドックは今空ですね?」

鳳翔「ええ。今艦隊が帰投すればすぐにでも入渠してもらえます」

大淀「助かりました。こちらは第四艦隊がもうすぐ帰投するそうです。私はまだ彼女らや第三艦隊の帰投に備えて司令部に残ります」

大淀「申し訳ありませんが、鳳翔さんもブリーフィングに行って、艦隊の再編成を進めていただくよう伝えていただけませんでしょうか」

鳳翔「了解です。一航戦に指揮を取らせてかまいませんか?」

大淀「そうですね。彼女らが適任でしょう」

島風「大変だよ大変!大変だよ大淀さーーん!!」バターン

大淀「島風ちゃん!?ブリーフィングルームに待機命令出てたでしょ!?」

鳳翔「どうしたの島風ちゃん?なにかあったのかしら?」

島風「そ、それが……」

島風「港に深海棲艦が向かってきてるの!!」

大淀「!?」

鳳翔「嘘!?」

島風「嘘じゃないよ!ブリーフィングルームの窓から見えてるもん!艦隊組んでこっち来てる!」

鳳翔「そんな!手薄になったところを狙っていたというの!?」

大淀「やられたわ。十分考えられたことだったのに、仲間の救出にばかり思考が行ってしまっていた」

島風「今、金剛型の4人中心に迎撃に出ようかって相談してたんだけど……」

大淀「敵艦隊の構成は?」

島風「潜水艦のソ級に、同ヨ級。雷巡チ級に戦艦タ級、あとそれに……」

島風「南方棲鬼!!」

鳳翔「っ!」

大淀「ええっ!?」

さて最近しばらく安価少なかった分、今日は安価いっぱい出すつもりなんですが

まず突如出現した深海棲艦を迎え撃つために編成を組んだ勇敢な艦娘を6人ほどどうぞ

ただし武蔵とか伊勢みたいにこの場にいない子とか
大鳳や木曾みたいに状況的にいられない子は安価下になります

↓1
↓2
↓3
↓4
↓5




あとね、どういう安価だろうって思って名前出すの躊躇される前に一応書いとくね
今日はレ級が来ます



レ級が来ます

(スマヌ大井っちと電は今第一艦隊救出部隊の方に行っとるんや)

山城「…」イライラ

雲龍「…」

秋雲「…」

卯月「…」

羽黒「…」ブルブル

暁「…」ガタガタ

南方棲鬼「ゴキゲンヨウ。艦娘諸君」

雲龍「……全然ご機嫌ではないけれどね」

羽黒「な、なんでこんな時に深海棲艦がぁ…」ブルブル

暁「な、なによ!し、深海棲艦が鎮守府になんの用よ!」ガタガタ

卯月「なんの用って。そんなの聞くまでもないっぴょん」

秋雲「参ったねー。とりあえず探照灯照らす?」ペカー

ヨ級「マブシイ、ヤメテ」

秋雲「…」カッチカッチペカーペカー

ヨ級「点ケタリ消シタリハ、モットヤメテ……」

タ級「熱ッ!ヤメナサイヨ肌焼ケルジャン!?ブッ殺スワヨクソガキ!」ピョンピョン

山城「そうね。決まってるわよね。卯月の言うとおりそんなこと聞くまでもないわ、暁」

山城「わざわざ私達のストレス解消のためのサンドバックになってくれに来たんでしょ」

山城「扶桑お姉さまをあんな風にして……よくもノコノコ私の前に顔を出せたものだわ」

山城「皆殺しにしてやる。縊り殺してやる。爪を一枚一枚引き千切って、生きたまま少しずつ皮を剥ぎとってやる」

山城「殺した後は晒し首にして、残った胴体はお前達の首が見ている目の前で紅葉卸にしてやるわ」

暁「ヒィッ!?」

卯月「味方側にも鬼がいたっぴょん!?」

チ級「南方棲鬼サマ。帰ロウ」

ソ級「ウン。帰ロウ。鬼ガ出タ。鬼ノ山城ガ出タカラ、早クオウチ帰ロウ」

南方棲鬼「ダメヨ、ソ級ちゃん。ワンコカラ、親書託サレタンデショ?チャント、オ仕事シナキャ」

ソ級「ナンデ急ニ南方棲鬼サマモ来ルトカ言イ出シタカ、ワカッタ。オ目付ケ役ダ」

南方棲鬼「安心ナサイヤマシロ……ワレワレハ……戦イニ来タ訳デハ……ナイワ」

山城「ああそう、なら無抵抗で殺されてくれるのね。私はそれでも一向にかまわないけど」

山城「でもだからって拷問の手が緩むとか期待しない方がいいから」

南方棲鬼「……会話ニナラナイ……ワネ」

雲龍「…」

南方棲鬼「ウンリュウ。アナタナラ……ドウ?」

南方棲鬼「ワレワレハ……アナタタチニ……休戦ノ申シ入レヲシニ来タノ……ダワ」

南方棲鬼「急ニ……敵ニ……コンナコトヲ……言ワレテモ……信ジラレナイノハ……ワカッテイルケレド」

南方棲鬼「デモ……ソレガ……必要……ナノヨ……」

雲龍「……にわかには信じられないわね」

雲龍「でも山城。残念かもしれないけれど彼女の言葉には説得力があるわ」

雲龍「武器を持っていない。手薄になっているとはいえ、わざわざ敵の本拠地に乗り込むのにそれは普通では無いでしょう」

雲龍「おまけに真正面から来る必要だってないのだしね」

山城「知らないわよ。敵が来たから殺す。それだけだわ」

山城「それともアンタ、深海棲艦と休戦協定が成立するなんてお花畑なこと真剣に可能だって思ってるわけ?」

羽黒「あ、あの……」

山城「何よ羽黒!」

羽黒「ひっ……!た、確かに、その……」

羽黒「そ、そう言われてみれば、う、雲龍さんの言葉にも説得力あるかなって……す、すみません」

山城「羽黒、アンタまで……」

雲龍「それに見なさい」スッ

山城「…」

卯月「ぴょ~んぴょぴょ~ん」カチッペカーカチッペカー

秋雲「そりゃそりゃそりゃー逃げろ逃げろ肌シミになるぞー!」ペカーペカー

タ級「ウオオオオオオオ!!コノクソガキドモォオオオオ!!シメル!!絶対シメル!!」ジタバタ

チ級「子供ノヤルコトダシ……コッチハ休戦シニ来テンダシ……ヤメナッテ、オトナゲナイ」ガシッ

タ級「離セ、チ級!コウイウ生意気ナガキドモハ、小サイウチニ痛イ目合ワセトカナイト!!」ジタバタ

チ級「ダカラ時ト場合ヲ考エテダネ……ハァ」

山城「…」

雲龍「なんだか、本当に敵意を感じないでしょ?」

山城「…」

暁「う、うう……怖い……!け、けど、この街には大好きな彼氏のみんなが住んでるんだもん!」

暁「いつも暁のこといっぱい気持よくしてくれるみんなのことは……暁が守るんだから!」

暁「喰らえ深海棲艦!探照灯攻撃ー!」ペカー

タ級「キャアアアアア!!目ガ!!目ガアアアアアア!!」

チ級「エ。何コノ子。コノ歳デ彼氏インノ?私ニモマダデキタ時ナイノニ」

ヨ級「私モ……イナイ……デモイイシ……私ニハFree!ノ……七瀬遥クン……イルシ……」

ヨ級「アア……ハルチャンノ……上腕三頭筋……舐メ回シタイ……」

南方棲鬼「ミンナ、アンマリ他所様ノ前デ……恥ズカシイコトヤメテネ……」

山城「……喧嘩売りに来たんじゃないってんなら、なんであんたらが艦隊組んでうちまで来てんのよ」

南方棲鬼「……サッキモ言ッタトオリ、休戦協定ヲ、ネ……」

山城「だからどうしてあんたら侵略者側が休戦なんて持ちかけにきたんだって聞いてんの!察し悪いわね沈めるわよ!?」

南方棲鬼「殺スハイイケド、察シワルイトカ……出世デキナイトカ……ソウイウ心ニ来ルノハヤメテ」

南方棲鬼「望ムナラ、スベテ……事情ヲ伝エルワ。デモ、コノ親書ヲ……見タ方ガ……アナタタチニハ……早イデショウ」

山城「親書……」

雲龍「ちょっと失礼。……これは!!」

南方棲鬼「ソウ。コレハ……アナタ達ノ、本当ノ……提督カラ」

羽黒「私にも見せてください。……あ、こ、これ本当に司令官さんのです。ほら、ここに印が押してある」

羽黒「それに字も司令官さんのそっくりです。深海棲艦の人たちが司令官さんの名前や筆跡を知ってるわけないですし」

山城「あの糞提督、どこほっつき歩いてるのかと思ったらなんで深海棲艦のとこにいるのよ」

山城「……いいわ。着いてきなさい。今の暫定責任者のところに連れてってあげるから」

山城「言っておくけどそいつも艦娘だし、司令部で暴れたら即刻皆殺しにするわよ」

南方棲鬼「助カル……ワ」

「アレ~?ナンダ、ツマンネエ。アッサリ和平成立ムードカヨ」

「マ、イッカ。ドーセヤルコト変ワンネーシ」

「ケヒャヒャヒャヒャ!!」

山城「誰!?」

南方棲鬼「コノ……声……ハ……」

レ級「アッヒャッヒャ!ヘロー。艦娘ショクン。アーンド、深海棲艦ショクン。遊ンデヤリニ来タゼ」

羽黒「ひっ!!?」

ソ級「ゲェッ!?メンドクサイノ来タ!!」

雲龍「……おかしな言い回しをするのね。自分も深海棲艦でしょうに」

レ級「エッヘッヘ。マ、色々アリヤシテ。アタシャ今ヤ、ドッチデモネーンダナ、コレガ。ケケケケ!!」

秋雲「……マジ?」

タ級「……マジヨ。駆逐のガキドモハ下ガッテナ。下手シタラ食ワレルカラ」

レ級「食ワネーヨ!……ヤッパ嘘!タマニ食ウカモ!ゲヒャヒャヒャヒャ!!」

暁「せ、性的な意味で……?」

レ級「頭カラバリバリ!バウワウ。ヒャハハハハ!!ガオー!!」

暁「ひいいい!!」

チ級「相変ワラズ逝ッテンナ……」

卯月「まずいっぴょん。これはマジもんのマジキチっぴょん」

南方棲鬼「一人デ、来タノ?」

レ級「ン~?セヤデ~。エッヘッヘ」

南方棲鬼「ソウ。愚カネ。自分ノ力ヲ過信シスギ」

レ級「アアン?ンダヨ、ババア。自分チョット特別製ダカラッテ、チョーシコイテンジャネーゾ」

レ級「ソノ皺ダラケノ面、永遠ニ皺増エネーヨウニシテヤロウカ?アア?」

山城「……ふう」スッ

南方棲鬼「ヤマシロ」

レ級「ンダァ?ババアト並ンデコッチ見ヤガッテ。目ツキ悪リー目デ見テンジャネーゾ欠陥戦艦妹ノホウ」

山城「未だになんだかよくわからないけど、休戦するにしてもアイツは殺っちゃっていいのよね?」

南方棲鬼「……エエ。ソウネ。手ヲ貸スワ」

レ級「ギャハハハハハ!!ロートルノババアト欠陥戦艦ガ並ンデ何ガ出来ンダッツーノ!!」

レ級「コノ場ノ全員血祭リニアゲテ、バラシテオ魚サンノ餌ニシチャオッカ!!」

タ級「調子ニ乗ルナヨ。レ級」

チ級「前々カラアンタ、気ニ入ラナカッタノヨネ」

レ級「雑ァ~魚ガ。ババアト一緒ダカラ強気ニナッテンノカ?」

レ級「囲ッタクレーデテメーラ程度ニ殺レルアタシダト思ッテンジャネーゾ三下ドモァ!!アヒャヒャヒャ!!」

南方棲鬼「……ソノ過信ヲ抱イタママ、沈ミナサイ」ジャキッ

タ級「アバヨキチガイ。集中砲火デアットイウ間ニ、バイバイダ」ジャキッ

秋雲「今は夜。夜戦なら私達の砲撃も馬鹿になんないでしょ」ジャキッ

チ級「余裕コイテ、開幕雷撃ヲ撃タズニ……ワザワザ顔ヲ出シタノハ失敗ダッタナ」ジャコッ

卯月「キチガイは暴れだす前にさっさと沈めるに限るっぴょん」ジャキッ

雲龍「…何しに来たのかしらね、私。せめて弾除けにでもなろうかしら」

ソ級「ソノ役ハスル必要ナク終ワラセルワ」ジャキッ

ヨ級「考エヨウニヨッテハ、サッサト危険人物ヲ沈メラレテ幸運ダッタかもね……」ジャキッ

暁「あ、暁だって!」ジャキッ

山城「……死ね」ジャキッ

レ級「オーオー。スゲ。メッチャイッパイ砲口向イテルシ」

レ級「コリャ、全部纏メテ喰ラッタラ流石ノアタシモタダジャスマネーカモナ!アッヒャッヒャッヒャ!!」

羽黒「いきますよみんな!撃ち方、はじ……」

レ級「ナンデチート使ッチャオーカナーット」スッ

南方棲鬼「……エッ?」

レ級「……ゲル」






……げる






みんなの何を捧げますか?(艦娘側)
山城↓
雲龍↓2
秋雲↓3
卯月↓4
暁↓5
羽黒↓6






……げる






みんなの何を捧げますか?(深海棲艦側)
南方棲鬼↓
戦艦タ級↓2
雷巡チ級↓3
潜水ソ級↓4
潜水ヨ級↓5

(捧げるもの以外のレスは安価下にしようと思ったけど)
(影響がでかすぎるので山城、南方棲鬼、チ級はあとで安価とり直します)

カッ

南方棲鬼「シマッタ!!」

戦艦タ級「ナンデアイツガ、アレヲ!!」

潜水ソ級「眩シッ……」

暁「きゃあああああああ!!?」

山城「くっ!みんな、無事!?」

南方棲鬼「ワタシハ……ナントカ。ミンナハ……?」

チ級「私モ……」

雲龍「私も無事だわ。……ん?」

レ級「アレー?ウンリュウハイイケド、ヤマシロト、バアアト、チ級ハ発動シナカッタノカナー」

レ級「マ、見ヨウ見真似デツクッタ模造品ダシ、シャーナイッチャ、シャーナイカ」

南方棲鬼「模造品……デスッテ?」

レ級「ソーソー。リュージョーノ、持ッテタオモチャ。面白ソウダッタカラ真似シテ作ッテミタノ」

雷巡チ級「ソンナ、馬鹿ナ……ナンデオ前ガソンナコト……デキルンダ」

レ級「天才ナンダヨ。オ前ナンカトハ……デキガ違ウンダッツーノ」

暁「……」ドサッ

戦艦タ級「……」ペタン

潜水ソ級「……」ゴトッ

山城「暁!!」

南方棲鬼「タ級!ソ級!」

レ級「フヒュヒャヒャハハハハ!!ゲラゲラゲラ!!」

卯月「くっ!馬鹿笑いしやがって、なんだかよくわからないけど隙だらけだし!喰らえっぴょん!」カチッ

卯月「…」

卯月「……あれ?」カチッカチッ

卯月「あれ…?あれ……!?」カチッカチッ

レ級「ギャハハハハ!!オイオイオ嬢チャン!喧嘩スンノニ弾薬込メナイデ戦場来チャダメジャン!」

レ級「アトデオ姉サン達ニ怒ラレチャウヨ?」ニタニタ

卯月「そ、そんな。卯月、確かに弾薬は込めたはずなのに……」

レ級「ドコ行ッチャッタンダローネー」ニヤニヤ

潜水ヨ級「!!オ前カアアアアアア!!」ドンッ

レ級「オ、イテー。ギャハハハハハ!!正解ー。ソノガキカラ弾薬全部没収シチャイマシター。ヒャハハハハ!!」

レ級「チナミニ、ナンデオ前カラハ奪ワナカッタカ、ワカル?」

レ級「テメーミテーナ、カスノ豆鉄砲、効カネーカラナンダヨ」

レ級「役立タズノ雑魚潜水艦ノテメーカラハ、ナンノ価値モ見イ出セナカッタカラヨ」

レ級「テキトーニ爪ノ垢デモ貰ットイタゼ」

潜水ヨ級「馬鹿ニスルナァアアアア!!」ドンッ ドンッ

レ級「ウルセーヨ」ゴシャッ

潜水ヨ級「ガッ……!」

レ級「ハイマタ一匹シューリョー」

雷巡チ級「ヨ級!!」

雲龍「大丈夫!?」

潜水ヨ級「」ピクピク

雲龍「……安心して。なんとか息はある。でも安静が必要ね」

戦艦タ級「……」

潜水ソ級「……」

南方棲鬼「タ級!ソ級!返事シナサイ!オ願イ!返事シテヨ!!」

山城「雲龍!チ級!動かないそいつら運んでドックに連れて行け!ついでに暇してる奴ら呼んでこい!!」

雲龍「……山城」

チ級「イイノカ……?」

山城「この際構うか!暁が動かない!この子も一緒に連れて行って!卯月も一緒に逃げなさい!」

卯月「山城……」

山城「それから秋雲も……」

山城「っ!?どうした秋雲!?」

レ級「アッヒャッヒャッヒャッヒャ!!オモシレーコレ!!」

秋雲「え…あ、あれ……?」

秋雲「な、なにこれ、身体が……嘘……あああああああ!?」

山城「秋雲!!どうした!」

秋雲「や、やだ……か、身体が……身体の感覚がどんどん無くなってく!?」

秋雲「そ、それに、透ける!嘘でしょ?消える…消えちゃう!秋雲が……身体が!!……やだ!やだよ!……助けて山城!!」

山城「秋雲ーーーーーーー!!」

秋雲「やだ……・やだぁ……」

山城「秋雲ーーーーーーーーーーー!!!」

山城「……き、消え……た?」

山城「…」

レ級「アハハハハハハ!!消エタ!消エタ!消エチャッタネェー!ヤマシロノ腕ノ中デ!」

レ級「ネエネエヤマシロ!今ドンナ気持チ?今ドンナ気持チ?ンンー?」

山城「お前ええええええええええええええ!!殺す!!絶対に殺す!!」

レ級「ヤッテミロヤ雑~魚」

羽黒「ああああああああああああ!!」ドンッ

レ級「オット。射線ガワカリヤス過ギンダヨ」ヒョイッ

山城「羽黒!アンタは無事!?」

羽黒「やっつけてやる!やっつけてやる!絶対に許さないんだから!」

羽黒「動ける人!いつまでも呆けてないで手を貸してください!」

山城「羽黒…?」

レ級「エッヘッヘ。コイツノ弱サハ気弱ナ性格ッテトコダッタカ。オモシレー」

レ級「デモ重巡ゴトキ、弱点ガアロートナカロート、アタシノ敵ジャネーナ」ゴギッ

羽黒「がっ…!」

山城「羽黒っ!」

レ級「ハイ、骨逝ッター。アヒャヒャヒャヒャ!」

山城「いい加減にしろぉおおお!!」ドンドンドン

南方棲鬼「レ級ーーーーーー!!」ドンドンドン

レ級「ゲヒャヒャヒャ!!キレテンジャネーヨ。ソンナ頭ニ血ノボッタ攻撃当タルカッテノ、バーカ」

雷巡チ級「ウンリュウ。ウヅキ。ミンナヲ頼ム」

雲龍「チ級。貴女は……」

雷巡チ級「アイツハ許セン。ミンナノ仇、取ル」

卯月「……あんた行っても役に立つかわかんないっぴょん。だから……」

雷巡チ級「……ソレデモ、ダ」

卯月「でもだからって!!」

雲龍「卯月」

卯月「…」

雲龍「わかりましたチ級。ご武運を。貴女の仲間のことは任せて。私自身の名誉にかけて彼女らにも最高の治療を施させるわ」

雷巡チ級「……アリガトウ」

雲龍「行くわよ卯月。私達にもできることがあります。私が深海のみんなを運ぶから、貴女は暁を連れてきて。できるわね?」

卯月「……わかったっぴょん」

雲龍「いい子ね。……行くわよ!」ダッ

卯月「っ!チ級!!」

雷巡チ級「ナンダ!!」

卯月「カッコつけやがってお前ムカつくっぴょん!」

卯月「だからお前、今度戦場で逢ったら卯月が沈めてやるから!」

卯月「だから……だから今沈んだらただじゃおかないかんな!!ぷっぷくぷーーーーっ!!」タタタタ

雷巡チ級「ハッ。駆逐艦風情ガ言ウジャンカ」

雷巡チ級「……コレダカラ駆逐艦ハウザクテ苦手ナンダッツノ」

雷巡チ級「……サテ」

レ級「ギャハハハハ!!ヒャハハハハハハハハ!!ア、逃ゲラレタ」

レ級「マ、イイケド。ドーセアトデ皆殺シ。ン?ンダヨ、チ級。ソノ面ハ。怒ッテンノ?」

レ級「ッテ、ソレ仮面ダッタカ!メンゴメンゴ!ギャハハハハハハハハ!!」

雷巡チ級「ギッタギッタに……シテアゲマショウカネ!」

レ級「ア?ソレ、無理」スッ

山城「あっ」

羽黒「!」

南方棲鬼「マズ……」

雷巡チ級「……エッ?」

レ級「ソウイウサァ~。ナンカコレカラ頑張ッテ活躍シマースミタイナフラグ立テンノ、止メテクンナイ?」

レ級「踏ミ躙ッテヤリタクナンジャン」ニヤニヤ

レ級「ホイ、トットト出スモン出セヤ」カッ






……げる






みんなの何を捧げますか?
山城↓
南方棲鬼↓2
雷巡チ級↓3
ついでに羽黒↓4(二回連続、本日二回目)

山城「くっ……!」

山城「……あれ?」
(さっきの準拠で山城だけセーフ)

レ級「ゲー!?ナンデコイツマタ発動シテネーンダ!?」

山城「こ、幸運……だわ?」

レ級「ワケワカンネー!ナンダコレチョットムカツク!!」

南方棲鬼「私モナニモ変ワッテイナイケド……何ヲシタ?」

レ級「ア?ババアカラハ未来ニオケル変化ヲ奪ッタッタ」

南方棲鬼「……ハァ?」」

レ級「ヨカッタナァ?ババア。コレデモウ皺ニ悩マサレナクテ済ムゼ」

南方棲鬼「サッキカラ言オウト思ッテタケド私、皺ネーシ!!ピチピチダシ!!」

レ級「モットモ、コノ後スグブッ殺スカラ関係ネーケド!ゲヒャヒャヒャ!!」

南方棲鬼「聞ケヤ!!!」

羽黒「私は……記憶が抜け落ちました」

山城「羽黒!?」

羽黒「でも大丈夫です。今は何をすればいいかわかります。目の前の敵を倒せばいいんですよね」

山城「羽黒……今日ほど貴女が頼もしいと思った日はないわ」

レ級「ソーソー。イイ感ジダナ。チャントソウヤッテ戦ッテクンネートツマンネーシヨ」

雷巡チ級「ワ、私モ何モ変ワッテイナイ……不発カ?」

レ級「雑魚ガ調子乗ンナヤ。テメーカラハFF14ノ垢奪ッタワ」

レ級「知ッテンダゼ?テメーガFF14廃人ダッテノハヨ!!ゲヒャヒャ!」

雷巡チ級「アイエエエエ!?」

山城「は、はぁ?」

南方棲鬼「ア。今始メテ、レ級ガイイコトシタワ」

南方棲鬼「コノ子タマニ、出撃ノ日ダロウガ構ワズ勝手ニFF休暇取ルカラ」

山城「なにそれ」

雷巡チ級「ワタシノ怒リガ有頂天ニナッタ。オ前絶対ニンジャダロ。汚イナサスガ忍者キタナイ」

雷巡チ級「ニンジャ死スベシ慈悲ハナイ」

山城「なにかしら、急にこいつらの口調が憲兵に聞こえてきたわ」

南方棲鬼「デモ実際ドウシヨウカシラ……アノ装置ガアル限リ、迂闊ニ手ヲ出デナイワ」

山城「そうねぇ」

ブクブク

山城「!」

山城「大丈夫。私に考えがあるわ」

南方棲鬼「考エ?考エッテ何ヨ?」

山城「ふっふっふ……それはねぇ」

山城「突っ込むのよおおおおおお!!羽黒!!全砲門、開け!!肉薄して至近距離で一斉斉射!!」

羽黒「了解しました!!」

南方棲鬼「考エテナイワヨネソレ!!?」

山城「うおおおおおお!!深海棲艦お前らも続きなさいいいいいいいい!!」ドドドドド

羽黒「やあああああああああああああああ!!!」ドドドドドド

雷巡チ級「インガオホー!!ハイクヲ詠メ、介錯シテヤル!!イヤーッ!!」ドドドドド

南方棲鬼「ッテ、ナンデチ級マデノリノリナワケ!?」

南方棲鬼「アアモウ!ワカッタワヨ!続クワヨ!!」ドドドドドド

レ級「グヒャヒャヒャヒャヒャ!!ゲヒャヒャヒャヒャ!!アキャキャキャキャ!!」

レ級「コリネー奴ラダ」スッ

レ級「今度ハ、モチットエグイモン貰ッチャオッカーナー」

レ級「ホイ」






捧げ……





















まるゆ「させません!!」ガシッ

レ級「ホワァ!?」

山城「でかしたまるゆ!!」グッ

雷巡チ級「エ。ナニアレ」

南方棲鬼「ワカラナイワ。知ラナイ艦ネ」

まるゆ「私もオリョクル行ってるのにそんな認知度ですか!?」

レ級「ザッケンナヨテメー!!ナンカ変ナ動キシテル漂流物ダト思ッタラ擬態カヨコラー!!」

伊8「あ、一応気付かれてはいたんだ」

伊401「一応まるゆなりに普通に忍び寄ってたつもりなんだろうけどねー。まさか勝手に漂流物と勘違いしてくれるとは」

日向「まあ、そうなるな」

伊401「あ、日向さん。気付いた?」

日向「なんとかな……だがすまん、戦力にはなれそうもない」

ビスマルク「うう……あれは、レ級?」

伊8「ビスマルクさんも気付かれましたか」

北上「私なんかまるゆが行ったから全身骨折してんのに海上に放置なんですけど」ブクブク

伊8「北上さんは沈めても沈まなそうだからなんとかなるよ」

伊401「はいはいちゃんとロープで紐付けして繋いでるから大丈夫だって」

伊8「潜れないから随分時間かかっちゃったねぇ」

レ級「ザッケンナコラーーー!!ッダッコラ!!ッコロスゾ、オラァアアアア!!」ジタバタ

まるゆ「うわわわ」

伊401「ダメだ!まるゆの力じゃ全然歯が立たない!」

伊8「もう長く持たないよ、山城さん!!」

山城「わかってるわ」

山城「だから」

山城「確実に撃ち抜く」パンッ

レ級「ア……」

豊胸装置「」パリンッ

レ級「アアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」ブンッ

まるゆ「わぷっ!」ズテッ

まるゆ「ひいいいいい!!」ブクブク

日向「なんとか逃げられたか……肝を冷やした」

北上「おーいまるゆー。早く私のところに戻ってこーい。今だと守ってやれんが守られてやれるぞー」

レ級「テメェラァアアアアアアアア!!!ヨクモ!!ヨクモ!!」

レ級「アタシノオモチャヲ……ブッ壊シヤガッテェエエエエエエエエ!!!皆殺シニシテヤルァアアアアアア!!!」

山城「……ふん」

南方棲鬼「装置ガ無ケレバオ前ナド……鬼ヲ舐メルナヨ?」ジャキッ

雷巡チ級「ミンナノ仇ダ。沈メ」ジャッキッ

羽黒「あ、あわわ、レ級怖いよう」ジャキッ

山城「ほら、形勢逆転」ジャキッ

レ級「ギギギギ……!調子ニ乗ンナ。オ前クライ訳ナク始末シテ」

レ級「次コソハリュウジョー達ヤ、ズ級連レテ来テ、今度コソ皆殺シニシテヤル……」

山城「ホントキチガイだわコイツ。流石にこの面子相手に一人で勝てると思うんじゃないわよ」

秋雲「そうそう。レ級ごときがこの秋雲さん率いる艦娘・深海棲艦合同艦隊にね」ジャキッ

山城「……ん?」

レ級「…」ギリッ

山城「って、秋雲!?」

秋雲「あ、ども山城さん。恥ずかしながら帰って参りました」

山城「いやアンタ恥ずかしながらって……」

雷巡チ級「消エタハズノ駆逐艦ガ!?」

南方棲鬼「ッテイウコトハ、マサカ……!!」

ドーーン!

レ級「ガハッ!?痛ッテェ!?」

山城「誰!?」

卯月「ぷっぷくぷー!さっき取られた弾薬、返してもらったとこ悪いけどもっかい熨斗付けてプレゼントっぴょん!」

羽黒「卯月ちゃん!」

レ級「テメェカァアアアアアアアア!!!」

ドーーン!

レ級「ギャヒッ!?」

暁「暁!!ふっかーつ!!!借りは返したわよ!」

山城「暁も……!良かった!」

レ級「糞ッ!雑魚ガ遠距離カラチマチマト!!」

戦艦タ級「ナラバ戦艦級ノ砲撃、受ケテミルカ?」

雷巡チ級「タ級モ……」

レ級「ゲェッ!?」

戦艦タ級「全砲門開ケ!!テェ!!」

ドゴゴゴゴゴ

レ級「ギャアアアアアア!!」

レ級「畜生!!チクショウ!!今日ハココマデニシトイテヤル!!」グスッ

レ級「覚エテヤガレ!!」ボロッ

秋雲「いやぁ清々しいくらいの捨て台詞ですなぁ」

レ級「言ッテロ!次会ッタ時コソ、テメーラ皆殺シダカンナ!!」ザブッ

山城「あっ!潜った!!」

羽黒「いけない!逃げられちゃう!」

南方棲鬼「ダイジョウブ」

山城「え?」

……



プカーッ

レ級「ウグググ。チクショー……」ボロッ

潜水ソ級「イエーイ」

潜水ヨ級「ヤフー」

南方棲鬼「流石ノレ級モ、ボロボロノ身体デ海中ニ潜ッテ、潜水艦二隻相手デハドウシヨウモナイワ」

南方棲鬼「デモ、マダ油断シチャ駄目。悪足掻キモ凄イカラ」

山城「…」

レ級「クソゥ…クソゥ…コウナッタラ主砲ヲ暴発サセテ……」

金剛「ハイ、そこまで」

レ級「…」

金剛「逃げられると思わナイほうがイーヨ?空も白んでキタし、正規空母も艦載機出せるって言ってるシ」

金剛「お前はこれから捕虜だケド……ヘイトが滅茶苦茶溜まってるカラ、これ以上手間かけさせたら無事は保証しない」

金剛「ま、ちょっとだけ手荒い尋問は覚悟してもらいマスけどネ。それぐらいわかるダロ?Cock sucker」ニコッ

レ級「……ゲームオーバー、カ」

レ級「煮ルナリ焼クナリ好キニシロ、チックショー!!」

比叡「ひえー。平常運転のレ級に、こっちに協力する深海棲艦……雲龍さんの話は本当だったんですねぇ」

榛名「これ以上の勝手は榛名が許しません。狼藉の対価は相応に支払って貰いますよ」

霧島「レ級は拘束し、尋問にかけ敵の情報を聞き出します。深海棲艦の方々も異存ありませんね?」

南方棲鬼「金剛4姉妹……」

比叡「山城、お疲れ様。羽黒ちゃんも、駆逐艦のみんなも、第一、第二、第三艦隊のみなさんも」

霧島「すみません、色々と私達もしなければいけない準備があって、それに手間取りまして」

榛名「怪我をされている方は榛名がドックに案内致します。どうぞ遠慮なさらずお申し出ください!」

金剛「あとは私達に任せて、みなさんはゆっくりお休みくだサイ。……頑張ったネ。ミンナ」

山城「……はぁ」

山城「……遅いわよ」

今日は終わり
レ級だけはガチにしたかった

飛行船
龍驤の部屋

瑞鳳「…」

龍驤「おお、来たかズ級。……否。瑞鳳」

瑞鳳「…」

龍驤「久しぶりやな。ポートワイン沖海戦で一緒に出撃して以来やから、あれからもう数ヶ月か」

瑞鳳「…」

龍驤「……見てみい。空が白み始めた。夜明けや。綺麗やなぁ」

瑞鳳「…」

龍驤「覚えとるか?いつだったか、二人で夜中、鎮守府の敷地内の哨戒任務に当たっとった時や」

龍驤「その時もこんな風に、朝日が昇るまで二人で語り明かしたやろ」

龍驤「ウチらド貧乳だって、努力してればいつかきっと……いつかきっと巨乳になれる日が来る」

龍驤「せやから、腐らずに日々を一生懸命生きようって」

龍驤「あの時に自販機で買って飲んだ牛乳、美味しかったなぁ」

龍驤「牛乳飲んでバストアップやー!ってウチのボケに、瑞鳳も乗ってくれたんやろ?」

龍驤「な、覚えとる?瑞鳳」

瑞鳳「知ラナイ」

龍驤「……そっか」

瑞鳳「我ガ主」

龍驤「……止めてや。ウチ、瑞鳳とはそんな関係になりとうない」

瑞鳳「我ガ……主……我……ニハ……生マレシ……以前ノ……記憶......無イ」

龍驤「…」

瑞鳳「シカシ……主ガ……言ウ……ノナラ……我ハ……主ノ……友人……ダッタノ……デショウ……」

龍驤「……瑞鳳」

瑞鳳「ナレド……我ガ……今ノ……名ハ……ズ級……汝ハ……我ガ……主」

龍驤「…」

瑞鳳「我ガ胸ヲ……7cmモ……膨ラマセタ……事……深ク……感謝……シテイル」

龍驤「あれは……お前を捕らえとった深海棲艦共のとこに乗り込んだ時、連中から奪った残りを瑞鳳にあげただけや」

瑞鳳「ダガ……マダ足リナイ……我ガ……巨乳ヘノ……増悪……未ダ……潰エズ」

瑞鳳「否……例エ……ドレホドノ……巨乳ニ……ナロウトモ……」

瑞鳳「彼女ラ……ヘノ……憎シミ……決シテ……消エヌ……デショウ」

瑞鳳「主……主命ヲ……我ニ滅ビノ......主命ヲ……与エヨ……」

瑞鳳「我ハ……世界ニ……憎シミヲ……振リマク……ノミ……」

龍驤「瑞鳳……」

龍驤「瑞鳳」ギュッ

瑞鳳「…」

龍驤「そうやなぁ……瑞鳳。瑞鳳の言うとおりや」

瑞鳳「……主……主命ヲ……我ニ滅ビノ......主命ヲ……与エヨ……」

龍驤「あの時、港湾棲姫に攻撃されて沈みゆくアンタを……見捨てるように撤退した『奴ら』」

龍驤「必死にアンタを助けに行こうとするウチを無理やり押さえつけ、そのまま見殺しにさせた鎮守府の連中」

瑞鳳「主……主命ヲ……我ニ滅ビノ......主命ヲ……与エヨ……」

龍驤「ウチは絶対に許さへん。ウチらの巨乳への憧れを歯牙にかけることもせず」

龍驤「最後まで理解を示すこともしなかったあの糞提督と、あの日の第一艦隊の連中のことは……」

龍驤「そして、巨乳こそが正義という価値観を生み出した、この世の中そのものも!!」

瑞鳳「主……主命ヲ……我ニ滅ビノ......主命ヲ……与エヨ……」

龍驤「ええで。瑞鳳。存分に憎しみを振りまいてしまえ」

瑞鳳「…」

龍驤「この世界に……巨乳に……存分に憎しみをぶつけるればええ」

瑞鳳「…」

龍驤「そうして滅んだ世界の秩序の上に」

龍驤「唯一残ったウチらだけが、真の巨乳として君臨するんや」

鎮守府

霧島「ほらっ!キリキリ歩くっ!」

レ級「ウー……」トボトボ

榛名「暴れても無駄ですからね。これ以上悪戯に痛い目を見たくはないでしょう?」

比叡「これは忠告ですが、貴女の後頭部には常に複数人の主砲が狙いを定めています」

金剛「それの意味が知りたきゃ、ちょっとでも暴れるそぶり見せて見ればいいデース」

金剛「……一瞬でバラバラにしてやるから」

レ級「クソー。金剛テメー覚エテロヨー」

金剛「……ヤレヤレ」グイッ

レ級「オウッ!?」ゴツッ

金剛「そんなに土の味知りたいデスカ?まあ、深海棲艦は海の生き物だモン、興味あるよネ?」ゴリゴリ

レ級「オブェッ!ギギャアアアア!!オデコ!アタシノ、オデコガーーーー!!」チリチリ

金剛「どうデス?土の味。あ、ごめんネ。アスファルトにおでこ擦り付けられても味はわかんないヨネ?」ゴリゴリ

金剛「じゃあ、お口で味わってネ?」ゴリッ

レ級「グベベベベベ!ゲホッ!ペッペ!オエッ!」

金剛「…」ゴンッ ゴンッ ゴンッ ゴリッ

レ級「チョ!ヤメ!……ヒッ!グエッ!ゴメンナサイ!ゴメンナサイッテバ!!」

金剛「あ?謝って済むんナラ軍隊はいらねーンだヨ。そんだけのことやらかしてンだよテメー」ゴツッ ゴツッ ゴツッ

比叡「ひえー……」

霧島「さ、さすが金剛お姉さま……」

榛名「榛名ちょっと怖いです……」

レ級「」ピクピク

比叡「ちょ、こ、金剛お姉さま!その辺に!その辺にしておいて!お気持はわかりますけど!」

金剛「比叡。でもこういう狂犬は、今のうちにこうやって教育しておくべきデスよ?」ゴシャッ グシャッ ボリッ

レ級「ア、アウ……ウグゥ……」ガクガク

比叡「で、でもでもですね!この子には色々と聞き出さないといけないことがあって……」

金剛「……それもそうでした」ピタッ

レ級「イ、痛エ……痛エヨー……コレ、ゼッテー頭割レテルッテ……死ンジャウヨ……入渠サセテヨー……」ガタガタ

金剛「ヘイ豚野郎。比叡に感謝するデース。このまま大根おろしにされなかったことをネ」

金剛「ま、次は楽しい楽しい拷問……じゃなかった尋問タイムデース。ま、やることはたいして変わんないケド」

レ級「ア、アウアウ……ダ、ダカラ、ソノ前ニ入渠……」

金剛「お姉さんがマンツーマンでじっくりゆっくりたっぷりとテメーに付き合ってあげるカラ」ギリッ

レ級「」

金剛「これからしばらくの間、ヨロシクネ?」ニコッ

レ級「ヒ、ヒエー……」

比叡「ひ、ひえー……」

榛名「ひ、ひえー……」

霧島「ひ、ひえー……」

司令部

大淀「……お話はわかりました。確かにこの親書は元提督……いえ、提督のものです」

大淀「それにレ級との戦いも、皆様方は我々に協力してくださったと雲龍から報告を受けています」

大淀「提督不在の今、代理で鎮守府を預かるものとしてこの休戦協定の申し入れ、受諾しましょう」

南方棲鬼「助カル」

大淀「ただし……申し訳ありませんが、大本営への報告はすることができませんし、よって協力も要請することも不可能です」

大淀「一鎮守府の艦隊指揮艦に過ぎない私に大本営への発言力はないわ」

大淀「ましてや一時的にとはいえ、独断で貴女達との休戦協定を結ぶよう進言などとてもとても……」

大淀「なので、これはあくまで提督と、そして私の独断専行によるものとして処理します」

大淀「他の艦娘は私と提督の命令に従っただけ。構いませんね?」

南方棲鬼「構ワナイワ。元ヨリ……コチラ側モ……似タヨウナモノ……ダモノ……」

南方棲鬼「港湾棲姫ガ……独断デ我々ヲ……動カシテイル。ソウイウコトニ……ナッテイルワ」

南方棲鬼「マ、私ダケハ……ソレト知リリツツ……黙ッテ乗ッカッタッテ……コトデ……ネ」

大淀「ふふ……考えることは一緒ですか。深海棲艦全てを受け入れることはできませんが、貴女となら気が合いそう」

南方棲鬼「サア、ドウカシラ」

大淀「……伊401からの報告によれば、あきつ丸、隼鷹、球磨の三隻は沖に出て伊勢達の帰還の支援を行っているそうです」

大淀「少し予定が変わったけど……今となってはそっちの方がありがたいわ。まずは戦力を集結させなければ」

南方棲鬼「合流スレバ……我々ノ方モ、モット強力ナ艦ヲ……戦列ニ加エル準備ガアル」

大淀「それは心強い。どんな船がいるのかしら?」

南方棲鬼「ソレハ……」

明石「入るわよ、大淀」ガチャッ

大淀「明石さん」

南方棲鬼「アカシ……カ……」

明石「うわ……マジで南方棲鬼だ」ビクッ

大淀「怯えないで。彼女は大丈夫よ。驚くほどの淑女だから」

南方棲鬼「……初メテ言ワレタ。深海ジャ痴女ダ……ババアダ……悪イ初音ミクダ……ッテイジラレル……ノニ……」

明石「そ、そうなんだ……」

大淀「開発に集中してたところにいきなり大勢で大変だったでしょう。もう一段落着いたの?」

明石「うん。私で治療できるような破損具合の子の修復はもう大体終わったよ」

明石「……まさか深海棲艦の修理をする日が来るとは思わなかったけどね」

南方棲鬼「アリガトウ……アカシ……」

明石「ううん。戦艦タ級と雷巡チ級。確かに完全快復です。ついでに燃料と弾薬も渡しといたから、いつでも戦えるわ」

明石「でも、潜水艦の二人は、中破な上に入渠待ちだしちょっと修復には時間かかるかな」

明石「ごめんね……本当はすぐにでも直してあげたいんだけど、今は大破してる子らもいっぱいでそっちを優先させちゃってるから」

南方棲鬼「構ワナイ」

大淀「被害状況を確認させて。現在のドック入り、およびドック待ちの子のリストは?」

明石「全部で4つあるドックのうち、第一ドックは龍田、第二ドックは木曾が入っています」

明石「龍田は身体がボロボロ、木曾に至っては原因不明の行動不能で、呼吸すらままならず」

明石「この両名はドックより出した途端に消耗するので、常にドックから出すことすらままなりません」

大淀「つまり、使用できるドックは実質2つ……高速修復剤は試した?」

明石「龍田は使えば一時的に回復するけれど、ドックから出てしばらくするとまたボロボロになっている」

明石「木曾に至っては効果なしです。入渠中はかろうじて生命維持できているって感じね」

明石「他の第二艦隊も全員戦闘は不可能。扶桑はまるで廃人になっているし、鬼怒も常に上の空で、話しかけても反応が薄い」

明石「初春はひどい怪我だったけれど、先程修復が完了して、今は自室に帰しました。……だいぶ落ち込んでいたみたいだけれど」

大淀「……無理もないですね」

明石「話が逸れました。第三、第四ドックは現在は大破した日向、ビスマルクが入渠中です」

大淀「北上は?」

明石「あの子も酷い怪我だけど……同じ大破でも二人のほうがもっと酷いから我慢してもらっています」

明石「他に入渠待ちの艦娘は雲龍小破、秋雲小破、暁中破、卯月中破、羽黒中破、山城大破、まるゆ大破」

明石「あとはオリョクル帰りの伊401、伊8も小破だし、これから帰ってくる第一艦隊深雪は当然大破で」

明石「北上とともにドックが空いたら最優先で入渠させなきゃだし。ついでに残りのオリョクルメンバーも小~中破してますね」

大淀「頭が痛くなるわね……戦艦3隻への高速修復剤の使用を許可します。早く治してあげて」

明石「了解。でも、兵装だけじゃなくて心身ともに相当消耗してるから第一艦隊の2人はすぐに戦えるかはわからないけど」

大淀「……それでも、我々の最大戦力級の二人には出てもらう事態がありえるのが現状です。酷い指揮だけれどね」

明石「……仕方ないよね。そういえば南方棲鬼に弾薬と燃料を補給させてなかったよね。あとで妖精に持ってこさせるから」

南方棲鬼「重ネ重ネ……申シ訳ナイ……ワ……」

大淀「あとは今、金剛がレ級への尋問を行っているから……それで何か情報を得られることを期待しましょう」

南方棲鬼「アイツハ口ガ軽イ……知ッテイル限リノ情報ハ……スグニ漏ラス……ダロウ」

大淀「大事なのは敵の保有戦力と目的です。龍驤がその辺をあの狂人に伝えているかどうか……」

島風「伝令!でんれーーい!!」タタタタ

大淀「島風、今度はどうしたの?」

島風「おうっ!?南方棲鬼!?」ビクッ

明石「それはもう明石さんがやりました」

島風「そ、そう?」

大淀「なにがあったの?」

島風「おっと、そうだった」

島風「第一艦隊の救出部隊が帰ってきたよ!!」

大淀「!そう!」

明石「さーて、また忙しくなるか!」

大淀「明石さん、ドックの仕切りは任せても大丈夫ですね?」

明石「任せてよ。大淀は他にやることあるんでしょ?」

大淀「ええ。南方棲鬼」

南方棲鬼「ナンダ?」

大淀「私はこれからブリーフィングルームに向かいます。快復した仲間を連れて同行を願います」

大淀「そこでそちら側の戦力の開示をしてもらえますか?」

南方棲鬼「ワカッタ」

明石「ってことは!」

大淀「ええ。我々も出し惜しみせず戦力の開示をしますので」

大淀「まずは提督からの親書や金剛さんの尋問で得られた情報を元に作戦を立てます」

大淀「そうしたらいよいよ、それに基づいた形で……」

大淀「艦娘・深海棲艦合同艦隊を結成しましょう」

島風「おおうっ!?そ、それは!」

明石「……まさかそんなものが組まれる日が来るんなんてね。人生何が起こるかわかんないわ」

南方棲鬼「…」

大淀「さあ、そうと決まれば皆さん急いで行動を開始しますよ」

大淀「主要戦力の修復が終わり次第、反撃開始です!!」

吹雪の部屋

吹雪「…」ジッ

コンコン

白雪「吹雪ちゃん」

吹雪「……?白雪?」

白雪「招集がかかったよ。またブリーフィングルームに集合だって」

吹雪「あ……うん。わかった、すぐ行く」ゴソゴソ

白雪「どうしたんだろうね。深海棲艦が攻めてきて、一部を除いて全員自室待機」

白雪「そうしたら今度はまた招集……」

吹雪「……さあ。私にはわからないよ」

白雪「だよねぇ。……何見てたの?」

吹雪「ん。写真」

白雪「写真?見てもいい?」

吹雪「……いいよ」スッ

白雪「……うわぁ。懐かしいねぇ、これ」

吹雪「…」

白雪「昔私達がこの鎮守府に来てすぐ撮ったやつじゃない」

吹雪「…」

白雪「初期艦の吹雪ちゃんと提督。任務報酬としてここに配属された私。名取さん」

白雪「そして沈んじゃった瑞鳳さん……」

白雪「一番最初に編成された、まだ一つしか艦隊が無かった頃の写真」

白雪「今じゃ、私達二人は随分出撃することも減ったけど……あの頃は毎日頑張ってたよね」

吹雪「……そうだね。……ねえ、白雪」

白雪「でも、なんで私達、第二艦隊が組めるようになるまで、どうしてあの頃たった4隻で頑張ってたんだろう」

吹雪「っ!」

白雪「確かに瑞鳳さんと名取さんは凄かったけど……後二人いればもっと楽に任務こなせたはずだよね?」

吹雪「……そうだね、確かにね」

白雪「まあ、もう済んじゃったことだし別にいいんだけどね」

吹雪「…」

白雪「もう準備大丈夫?そろそろ行かないと怒られちゃうよ」

吹雪「うん……もうすぐ出れるよ。悪いけど白雪先行ってて」

白雪「……吹雪ちゃん?」

吹雪「大丈夫。すぐ行くから」

白雪「……わかった。じゃあ、先行ってるね」

白雪「……ブリーフィングルームで待ってるから」

吹雪「うん」

パタン

吹雪「……はは」

吹雪「やっぱり見えないんだ」

吹雪「白雪にも……この二人は……いなかったことになって……るんだ……」

吹雪「……夕張さん……龍驤さん……」

吹雪「私、馬鹿だなぁ」

吹雪「今更……あの二人のこと……」

吹雪「…」

吹雪「……」

吹雪「……行こう」スクッ

カチャッ

パタン

タタタタ……












『栄光ノ第一艦隊結成ヲ記念シテ』
『我ラ永遠ノ友情ヲ、ココニ誓ウ』

旗艦   龍驤
副旗艦. 夕張
随伴艦. 瑞鳳
同.    名取
同.    吹雪
同.    白雪

???

港湾棲姫「提督……南方棲鬼タチ……カラ……連絡……アッタ……」

提督「なんだって?」

港湾棲姫「無事……協定……成立……コレヨリ……作戦会議ニ……移ル……」

提督「そうか。ホッとしたよ。問題は無かったのかな」

港湾棲姫「レ級ガ……連中ニ付イテイタ……艦娘……共々……襲ワレタ……ミタイ……」

提督「ゲッ!?あいつと交戦したのか!みんな大丈夫だったのか!?」

港湾棲姫「被害甚大……デモ……死者ハ……ナシ……」

港湾棲姫「オカゲデ……ナシ崩シニ……艦娘トノ……話シ合イ……持テタ……トモ……」

提督「そ、そうか……なら次は合同艦隊の結成だな。編成はあっちに任せよう」

武蔵「なあところで提督よ。ちょっといいか?」

提督「どうした?武蔵」

港湾棲姫「ムサシ……」

武蔵「一つ、どうにも引っかかっていることがあったんだが。良かったら聞いてもいいか?」

提督「なんだ?いいぞ、俺に答えられることなら」

武蔵「今、お前は私に自分の姿を見せないように仮面と襤褸を纏っている。それはいい」

提督「ああ」

武蔵「だがそれは、デザインからしてどう見ても深海棲艦の連中の纏っているもののそれだ」

武蔵「ということは、それはコイツラから頂戴したものだろう?」

提督「……そうだが」

武蔵「ということは、港湾棲姫。お前達はこの男の現在の姿を見ているということになるな」

港湾棲姫「……違ウ。見タノハ私ダケ」

提督「ああ。近場に存在する最も強大な敵戦力をまず始末しようと、空間移動した先に港湾棲姫がいたからな」

港湾棲姫「入浴中デシタ。エッチ」ポカッ

提督「それは悪かったって言ってるだろ」

武蔵「……またいちゃついてるところ申し訳ないが、提督よ」

武蔵「お前が自分で言うくらいなのだから、今のお前の姿は相当グロテスクな存在なのだろう?」

提督「……そうだな」

武蔵「だとしたらだ。その……な。言いにくいことなのだが」チラッ

港湾棲姫「?」

武蔵「そいつ意外とヘタレだろ」

港湾棲姫「ハウッ!?」

提督「はっきり言うな。だがその通りだ」

港湾棲姫「グフッ!?」

武蔵「だよな。それで、このヘタレ大要塞が、入浴中の無防備な状態でグロテスクに変貌したお前に出会ったわけだ」

港湾棲姫「ヘ、ヘタレ大要塞……」フラフラ

提督「……ああ。おまけに殺す気満々だった」

港湾棲姫「ヒ、ヒドイ……」ウルウル

武蔵「よくコイツ、今のお前のこと怖がっていないな」

提督「?」

武蔵「だってそうだろう。そんな状態で出会った二人が、共通の敵がいるとはいえ、どうやってこんな関係にまで持ち込んだんだ?」

提督「……言われてみればそうだ」

武蔵「な?この無駄にでかい癖に子犬みたいに小心者の女が、恐ろしい姿で迫るお前を止められたとは思えんし……」

港湾棲姫「サッキカラ……言葉ノナイフガ……カットインダワ……」ヨロヨロ

提督「いや。ちょっと待て武蔵」

武蔵「む?」

提督「それがだな。コイツ、初めて会った時から、驚いたり慌てたりはしていたが、俺のこと全く怖がってはいなかったぞ」

武蔵「……どういうことだ?」

提督「ああ、言われるまで気付かなかった。もしかして深海棲艦には俺の見た目もそれほど恐ろしくはないのか?」

武蔵「その辺のやつ捕まえて唐突に姿見せてみるか?」

提督「なんか変質者みたいだな、それ……」

港湾棲姫「ヤメタゲテ……ミンナ、多分心ニ傷ヲ負ッチャウ……」

提督「言っとくけど俺もそういうお前らのさらっとした言葉に地味に傷負ってるからな」

提督「特に艦娘のお前らは普段から俺のことハゲハゲ呼びやがって」

港湾棲姫「アレ?提督ッテ……フサフサナンジャ……ナイノ?」

提督「どこ情報だそれ」

港湾棲姫「……アッ」プイッ

提督「おいワンコテメェなんで目逸らした」

武蔵「木曾あたりが前に言ってたのを勘違いしたんじゃないのか?お前らの指揮官は無毛だなぁ!とかなんとか言ってたのを」

提督「神様!!コイツらが俺をいじめるんです!!」

武蔵「やめろ!今のお前が神に祈るポーズとるとなんだか無性に不安になる!」

提督「くそっ!もういいよ!俺もいつか提督増毛装置とか作って暴れてやるから」

武蔵「冗談にしては笑えないな」

提督「……悪かったよ。で、港湾棲姫。話戻すけど、なんでお前は俺のこと見て平気だったんだ?」

武蔵「お前が他の連中に比べても特別グロ画像に対して強いってことは……まあないよな。どう考えても」

港湾棲姫「好キ放題……言ワレテルケド……否定ハ……シナイ……」

提督「だったらなんでだ?そんな大した理由がないならないでも構わないんだが」

武蔵「そうだな。別にどうでもいいといえばどうでもいいのだが。少しばかり気になってな」

港湾棲姫「ナラソウヤッテ二人シテ詰メ寄ラナイデヨ……」

港湾棲姫「デモ……ソウネ……確カニ……理由ハ……アルノカナ……」

武蔵「ほう」

提督「へえ、それって?」

港湾棲姫「知リタイ?」

武蔵「ああ。折角ならな」

提督「俺も俺も」

港湾棲姫「フフ……ダッタラ……」

武蔵「」ワクワク

提督「」ソワソワ

港湾棲姫「デモ秘密♥」

武蔵「提督よ。こいつ〆ていいか」

提督「ああ。確かに姫だし火力や体力はあるが、艤装なしの肉弾戦だったらお前ならいけるかもな」

港湾棲姫「暴力反対!!」

武蔵「問答無用だこの!!」ムギュー

港湾棲姫「ハニホフフヘ……顔ムギューハヤメテェ!!」

提督「いまいち緊張感に欠けるなぁ……」

提督「そうだ、港湾棲姫。こっちに残っている深海棲艦戦力は今どこにいるんだ?さっきから辺りが静かになってきた気がするんだが」

港湾棲姫「ソレハ……タッタ今……半分クライ残シテ……鎮守府ニ向カワセタ」ムギュー

提督「ん?」

武蔵「ぐえっ……くそっ。病み上がりでは力が出んか」

港湾棲姫「ワン……ツー……スリー……カンカーン」

武蔵「フォールは仰向けで両肩が付いてないと無効だ!」

港湾棲姫「ソウナン?」

提督「どういうことだ?」

港湾棲姫「艦隊結成スルナラ……合流ハ……早イ方ガ……イイデショウ?」ムギュムギュ

武蔵「おい!いい加減どけろ!糞重いんだよお前!」ジタバタ

港湾棲姫「失礼ナ……ア、ダッテ……南方棲鬼ガ……通信デ……」

港湾棲姫「可能ナ限リ早ク……合流デキルヨウ……手配シテ欲シイッテ……ソウ言ッテ……タ……」

武蔵「グギギギギ……!ただの体固めなのに全然返せん……!!」ググググ

提督「それは確かにそうだが……おいおいちょっと待てよ」

港湾棲姫「エ?」ムギュムギュ

武蔵「ロープ!ロープだ!!」

提督「お前、こんな状況で龍驤達に襲われたら……」

港湾棲姫「……ア」

武蔵「だぁっ!やっと抜けれた!!」

ドガーーーーン!!!

提督「…」

港湾棲姫「…」

武蔵「はぁ……はぁ……なんだぁ!?」

『ハッハッハーーーーー!!!また遊びに来たったでー!!深海巨乳共!!』

港湾棲姫「シマッタ!!敵襲!?」

提督「……木曾は正しかったな」

港湾棲姫「クッ!二人ハココニ居テ!!」

武蔵「待て港湾棲姫!何をしに行くつもりだ!?」

港湾棲姫「残ッタ戦力ヲ集メ、迎撃ニ当タル!」

武蔵「ならば私も行くぞ!」

港湾棲姫「ダメ!貴女ハ提督ヲ守ッテ!!」

提督「いや俺のことなら心配入らんぞ。レ級一個師団程度なら本気出して理を崩すまでもなく滅ぼせる」

武蔵「なんだそのでたらめな戦力」

港湾棲姫「キミハ戦ッチャダメ!!」

提督「ダメって……そうは言ってもなぁ。怖いのは龍驤に見つかって理性とか奪われることだけだし」

提督「それされると衝動的に触とかいう生贄の儀式起こしちゃったりしそうで」

武蔵「ああわかった。お前この戦争終わるまで姿消しとけ。万が一でも世界終わらせられたらたまらん」

提督「それもそうか……」

港湾棲姫「ムサシ!私提督ハ任セタゾ!イイナ!?」

武蔵「うるさい!何も知らぬくせに!こいつは自分の身くらい守れる男だ!例えこんな姿になっていなくてもな!!」

港湾棲姫「……ナラバ来イ!!」タッ

武蔵「言われずとも!!」

提督「武蔵」

武蔵「どうした提督よ!なにか気の利いたアドバイスでもくれるのかい!」

提督「……お前はどこまで行っても武蔵だな。だが、一つだけ訂正しておかなければならないことがある」

武蔵「ああ。急いでいるんだ。短めに頼む。港湾棲姫のやつ鈍足なようだし、今から行けば追い越してやれるからな」

提督「それはそうしてやった時の顔が見ものだな……」

武蔵「で、なんだって?」

提督「俺は、お前が思っているほど有能な男でもないということだ」

武蔵「……なんだと?何をこんな状況で」

提督「さっき、こんな姿にならずとも自分の身を守れる男だと、俺をそう評価したな」

武蔵「ああ。事実だろう。お前はハゲだが分を弁えた男だ。自分の身一つ程度訳なく守れる男だ」

提督「……そうでもないんだよ」

武蔵「?」

提督「それだけだ。もう行け。ワンコにどやされるぞ」

武蔵「あ、ああ……わかった。それじゃあ、行ってくる」

武蔵「だが提督よ。私からのお前への評価はお前がなんと言おうが変わらんぞ。それは私が決めることだからな」

武蔵「お前は有能な提督で、頼りになる男で、軍人には不向きなほどに優しい愚か者で、そして……」

武蔵「ハゲだ」クスッ

提督「うっせ!早く行けバーカ!!」

武蔵「応!!武蔵、出る!!」タタタタタ

提督「ったくアイツは……」ブツブツ

提督「…」

提督「……違うんだよ武蔵」

提督「違うんだ、武蔵」

提督「俺は思い出しちまったんだ」

提督「いや、きっと吹雪のやつがそうしたんだろう」

提督「忘れさせられていたんだ……あまりに大きな存在だったから……俺がずっと気にしているのをアイツ、気にかけて」

提督「……なあ、武蔵」

提督「お前達は今、艦隊で初めての死者を瑞鳳だと思っているんだろう?」

提督「いや……アイツのことは、みんなあまり口に出したがらないから……」

提督「もしかしたら武蔵でも最初から知らなかったかもしれないな」

提督「もう覚えてる奴はほとんどいないかもしれないが……」

提督「俺の組んだ初めての艦隊の旗艦はな……龍驤だったんだ」

提督「でも」

提督「……沈めてしまった」

吹雪(そう……龍驤さんは沈んだ)

吹雪(あれは私達当時の第一艦隊が成果を出し始めてしばらくのこと……)

吹雪(大本営から第二艦隊の編成をそろそろ考えないかという話を持ちかけられた頃のこと)

吹雪(私達は多分……浮き足立っていたんだろう。そして提督も)

吹雪(ある日、提督は私達の戦いをこの目で見たいと言ってきた)

吹雪(私達の戦いをこの目で見届けて、第二艦隊編成前に初心に帰るため)

吹雪(自分が一体何と戦い、何のために戦っているのかを再確認したいと)

吹雪(当然私達は反対した。けれど提督の意思は固かった)

吹雪(旗艦の龍驤さんも案外に乗り気で……結果、私達は折れた)

吹雪(あまり危険のないようにと……鎮守府近海でのはぐれ駆逐艦掃討任務を行うことにして)

吹雪(けれど、その日はぐれ駆逐艦に紛れて現れたのは、どこの海域から迷い込んだのか、空母ヲ級)

吹雪(私達は死に物狂いで迎撃に当たり、なんとか相手を退けることには成功したものの……)

吹雪(相手艦載機の熾烈な攻撃から提督の乗る船を守り抜いた龍驤さんは、運悪く胸部装甲の薄い部分を撃ち抜かれ)

吹雪(提督の必死の呼びかけも虚しく、その場で大破、轟沈)

吹雪(……龍驤さんと本当に良かった夕張さんや瑞鳳さんは、それでしばらく塞ぎこんでしまったっけ)

吹雪(思えば夕張さんが変な装置の開発にのめり込んだのも、あれ以降のことだった)

吹雪(そしてそれからしばらくして……提督は中将にまで昇進し、私達は第四艦隊までを抱える大艦隊になった)

吹雪(私や白雪の出撃回数も徐々に減り……みんなの心の傷も、表面上は癒えていったように見えた)

吹雪(けど、ある日……)

吹雪(ある日、どこかの海域で久しぶりに当時の艦隊に近い構成で任務をこなし、帰投する私達の元に)



『軽空母、龍驤や。独特なシルエットでしょ?でも、艦載機を次々繰り出す、ちゃーんとした空母なんや。期待してや!』



吹雪(『彼女』は来た)

吹雪(よくある話だ)

吹雪(ドロップ艦……同じ顔の艦娘が複数存在する現象……どれも、よくある話)

吹雪(けど、あの時私達は、きっと何かとても大きな……運命的なものの存在を感じていたに違いない)

吹雪(なかでも夕張さんは狂喜していた)

吹雪(瑞鳳さんは複雑な顔をしていた)

吹雪(名取さんは寂しそうで、白雪は泣いていた)

吹雪(私は……不思議だった)

吹雪(私達にはどうして同じ顔の人がたくさんいるんだろう)

吹雪(どうして艦娘が、建造やドロップで現れ、配属されるんだろう)

吹雪(私達は一体何者なんだろう)

吹雪(この人は一体何者なんだろう)

吹雪(この人は本当に龍驤さんなのか)

吹雪(でも、提督の嬉しそうな顔を見たら、そんな疑問はどうでもよくなっていた)

吹雪(だから私は、あの二人目を龍驤さんだと思うことにしたんだ)

吹雪(けれどあの人はみんなを不幸にした。夕張さんもいつの間にか壊れていて……見るに耐えなかった)

吹雪(許せなかった。だからみんなの中から存在を奪った)



『後ろの処女と龍驤さんと目が見えなくて耳が聴こえないっていう事実と提督との思い出とそこのまな板二つを……』

『ウチ二回言われとる!?』

『えっ!?なんでそのラインナップに俺との思い出入ってんの!?』

『捧げる!!』



吹雪(悲しい思い出だけが残ってしまう……初代の龍驤さんの記憶を……提督の思い出と共に)

吹雪「……あれ?」

吹雪「なんか違和感が……」

白雪「吹雪ちゃん、どうしたの?」

吹雪「はっ!?」

初雪「吹雪……寝てた?」

吹雪「えっと……あれ、ここは?」

叢雲「しっかりなさいよね。ブリーフィングルームよ。アンタ私らのネームドシップでしょ?」

吹雪「あ……そ、そっか。ごめん……」

磯波「ほ、本当に大丈夫?顔色悪いよ……なんだったらブリーフィングが始まる前に申し出て休憩する?」

吹雪「ううん。大丈夫。もう大丈夫だから……」

白雪「…」

吹雪「……うん。大丈夫……私は大丈夫……だから……」

叢雲「それにしても、なんだっていうのよね。一回招集かけたと思ったらすぐ自室待機になって、またすぐ招集とか。舐めてんの?」

磯波「む、叢雲ちゃん。聞こえるよぉ」ヒソヒソ

叢雲「あーあ。やっぱあんなハゲでも司令官いないと、艦娘だけじゃブリーフィングもろくにできないのかしら」

叢雲「ま、しょうがないわよね。個性強い奴ばっかだし。ハゲの頭の威光ででもなけりゃ纏めらんないのかも」

初雪「意訳するとつまり、愛しの司令官がいないと艦娘だけじゃ不安だと」

叢雲「あ゙あ゙!?今なんつった!?引きこもり!」

初雪「ふっふっふ。図星?この絶滅危惧種的典型的ツンデレめ」

叢雲「よーし表出なさいな」

磯波「ふ、二人とも、こんなところで喧嘩したら怒られるよぉ……」

白雪「しっ。みんな。大淀さんが来たよ……!?」

叢雲「ちっ、命拾いしたわね。でも後で……って、あれ?」

磯波「あれって……」

初雪「……うそぉん」

ザワザワザワ


南方棲鬼「…」

戦艦タ級「…」

雷巡チ級「…」


吹雪「深海棲艦……!?」

ザワザワザワ

大淀「皆さんお疲れ様です。バタバタしてごめんなさいね」

大淀「ええ。そうでしょう、そうでしょう。みなさんの動揺もわかります」

大淀「けれど慌てないで。彼女達は味方です。……少なくとも今はね」

那智「大淀!どういうことだ!?詳しい説明をしろ!今すぐにだ!」

大淀「落ち着いて那智さん。勿論そのつもりです。順をおってね」

大淀「けれど、その前に一つ。どうしても皆さんに先に言っておかなければならないことがあります」

大淀「このブリーフィングが終わった後のこと」

大淀「我々は深海棲艦との合同艦隊を結成し、ポートワイン沖海域にある、深海棲艦の拠点へと向かい」

大淀「そこである敵と、艦隊決戦をすることになるでしょう」

那智「な、なんだと!?」

大淀「早速ブリーフィングに移ります。申し訳ないけれど時間がないわ。これより勝手な発言は一切認めません」

大淀「質問があるときは挙手をお願いね。ではまず、本作戦の協力者となる深海棲艦代表、南方棲鬼さん、一言どうぞ」

那智「」パクパク

南方棲鬼「エ……ワタシ……?エット……ヨ、ヨロシク」

大淀「はいよろしくぅ!では状況説明に移ります!」

多摩「なんたる強引な司会にゃ……」

大淀「そこ勝手な発言は認めないぃい!!いいですか!?まず深海棲艦と手を組むことになった経緯ですが云々……」

大淀「と!言うわけで!」ドンッ

大淀「話はわかりましたか皆さん!?」

那智「すまん、いいか」スッ

大淀「はい那智さん!」

那智「まとめるとこういうことか?」

那智「胸をでかくしたい連中が怪しい装置を使っていろんな艦娘からいろんなものを奪って暴れまわっている」

那智「第一艦隊をや第二艦隊を襲ったのもそいつらである」

那智「我々も深海棲艦も被害にあっていて、提督や武蔵、陸奥は今深海棲艦側に保護されている」

那智「あまりに危険なので協力してやっつけよう。今ここ」

大淀「惜しい!三行でまとめられませんでしたね!でも大体あってます!」

那智「…」

南方棲鬼「ソンナ顔……スルナ……ナチ……」

戦艦タ級「オ前の性格ハ……知ッテ……イル……ガ……仕方ナイノダ……ナチ……」

雷巡チ級「今バカリハ……共ニ戦オウ……ナチ……」

那智「ええいナチナチ言うな!お前達のイントネーションで私の名を呼ばれると危険なんだよ!」

南方棲鬼「スマン……ナチ……」

戦艦タ級「ソウ怒ルナ……ナチ……」

雷巡チ級「落チ着ケ……ナチ……」

伊8「そうですよナチさん。少なくとも彼らに敵意は感じないもん」

Z1「ナチさん、気持ちはわかるけど」

Z3「らしくないわね、ナチ。普段冷静な貴女が一番激高するなんて」

ビスマルク「無理もないわ。ナチは妹の羽黒をレ級にやられたばかりだから」

Z1「ビスマルク!」

Z3「ビスマルク、もう傷はいいの!?」

ビルマルク「ええ。大丈夫。……でもね?ナチ。私だって敵深海棲艦にやられたけど、それは彼女らとは別の敵なのよ」

ビスマルク「相手は恐ろしい力を持っている。今だけは彼女らとともに戦うべきだわ。そのときには……」

ビスマルク「貴女の優秀な姉妹であるナチス(那智の複数形)の力が不可欠なのよ」ポン

那智「おいポンコツ戦艦今お前……」

大淀「ナチさん、申し訳ありませんがそろそろ私語は謹んでください」

ナチ「わかったよ、もういいよ……」

大淀「ではみなさん納得されたようなのでこれが最後になります」

大淀「金剛さんがレ級を拷も……尋問した結果聞き出せた情報は二つ」

大淀「敵の戦力と目的です。それってもう最低限必要な情報ほぼ全部ですね」

南方棲鬼「アイツホント口軽イワ……」

大淀「敵戦力は全部で5人。首領である龍驤と名乗る貧乳、腹心の夕張という貧乳」

大淀「そしてズ級という未確認の深海棲艦でこれも貧乳。あとは離島棲鬼という貧乳と……」

大淀「おまけにヲ級とかいう貧乳です」

南方棲鬼「ゼンブ貧乳」

瑞鶴「なんだかかわいそうな集団ね」

加賀「五航戦とかいう貧乳が何か言っているわ」

赤城「加賀さん。こんな時にやめてください」

瑞鶴「ふふん。チビが何か言ってるわね」

翔鶴「瑞鶴も喧嘩買わない」

加賀「あら?貧乳が貧乳でおまけに五航戦と言われたのに怒らないなんて珍しいわね」ムカッ

瑞鶴「……五航戦が悪口みたいな言い回しには引っかかるけど。でもまあ、私も大人ですから?」フフン

瑞鶴「それに私、最近バストサイズアップしましたので」ニタァ

瑞鶴「いやぁ、なんていうんです?私これからようやく成長期っていうかぁ。若いってそれだけで可能性ですよねぇ」クネクネ

加賀「ちっ!」ギリッ

赤城「もういいじゃないですか加賀さん……」

翔鶴「瑞鶴もそれくらいのことで……」

加賀「鳳翔さん!五航戦があんなこと言ってますけど!」ヒソヒソ

鳳翔「なんで私にそれを告げ口したのかしら?」ニコッ

加賀「……!?」ビクッ

鳳翔「ねえ、加賀?なんで私にそんなこと告げ口したのかしら?なんで私にそんなこと告げ口したのかしら?ねえ加賀?」ドドドドドドドド

加賀「す、すみませ……」

鳳翔「あら、何に対して謝ったのかしら?その辺もあとでゆっくり聞かせてもらうわね」

加賀「」

瑞鶴「……一航戦に勝ってしまった」ジーン

南方棲鬼「アイツ、チョット前ニ……連中ニ会ッテ……タラ……危ナカッタ……ワネ……」

大淀「……話を続けますよ」

大淀「彼女らの究極的な目的は、自分らがこの世界唯一の巨乳になることです」

大淀「レ級の話によると、彼女らは貧乳にコンプレックスを抱え、それを拗らせたせいで」

大淀「胸の大きな艦娘を中心に、それらから様々なものを奪うことで自身の歪んだ復讐心と願望を実現させようとしているようです」

大淀「迷惑な話だけど……それを出来る力があるだけたちが悪いわ」

大淀「そして彼女らは今、現存する最大の巨乳を誇る深海棲艦である、港湾棲姫の下に進軍しているそうです」

大淀「勿論そこが終われば、今度は近場の鎮守府のうちに来るでしょう」

大淀「ですからその前に、我々は艦隊を組み、深海棲艦と協力して彼女らを撃滅します!いいですね!?」

金剛「レ級が吐きまシタ。龍驤達の作戦はこうデース」

金剛「離島棲鬼とヲ級が深海棲艦拠点の正面でひと暴れして、すぐに撤退を装い陽動を行いマース」

金剛「その隙を突いてズ級が突入。間延びした戦線をかき回し」

金剛「その間に別ルートから龍驤と夕張が潜入。港湾棲姫を発見次第捕獲し、人質に」

金剛「港湾棲姫をスッカラカンになるまで搾り取り、最後に動揺した残党を一網打尽」

金剛「力押し一辺倒デスが、連中の戦力ならなんとかやってのけてしまいそうデスね……」

金剛「私達という助っ人がいなければ……の話デスが」

ナチ「我々はどう動くんだ?」

南方棲鬼「部隊ヲ……全部デ4ツニ分ケル」

大淀「恐らく彼女らの中で最も戦力に勝るのは離島棲鬼とヲ級の二人」

南方棲鬼「ナンセ片方が鬼ダカラナ」フフン

大淀「……個人的にはズ級の方が危険な気がするのだけど、押し切られたの。まあいいわ」

大淀「彼女らには第一艦隊をぶつけます」

大淀「そして第二艦隊がズ級と交戦。これを撃破します」

大淀「第三艦隊、第四艦隊は第一第二艦隊が交戦中に、深海拠点に侵入した龍驤と夕張を捜索」

大淀「可能なら提督や武蔵、陸奥の保護もして欲しいところね」

大淀「その二人が大将首です。見つけたらやっちゃってかまいません。ただし大変危険な装置を持っているので用心してください」

ナチ「艦娘豊胸装置か……話は聞いたが、気を付けると言ってもどうしようもないのではないか?」

明石「それに関しては私が対策を用意しました」

ナチ「なに?」

明石「……装置の一つは、私の作だからね。せめてもの、というか。これくらいじゃ罪滅ぼしにはならないのだけど」

ナチ「どういうことだ?……いや、今はいい。それよりも対策というやつに関して教えてくれ」

明石「アンチ艦娘豊胸装置……」

那智「!!」

明石「ようやく完成しました。でも、できたのは一つだけ」

明石「それに、効果は一度だけ。たった一人分、たった一度だけ、相手の装置の発動を無効化できるんです」

大淀「十分だわ。ありがとう、明石さん」

明石「……ごめん」

大淀「さあ、他に質問はありませんか?無ければ、艦隊編成に移りますね」

大淀「提督の判断を仰ぐことができない今、我こそはとお考えの方……」

大淀「深海棲艦との合同作戦に名乗り出てくださる方を優先して組み込みたいと思います」

大淀「ではまず、第一艦隊……離島棲鬼とヲ級を相手にする艦隊のメンバーは」

第一艦隊を編成してください(深海棲艦可)


安価↓1~6

深海の戦力は誰が使えるんだ?
安価下

第一艦隊

飛龍
那智
蒼龍
南方棲鬼
瑞鶴
装甲空母姫



次に、この中から旗艦(おいしいとこ持ってく役)を決めてください
↓5までで多数決。同数だったら……決選投票で



>>777
敵のヲ級とワンコ以外ならいいです
あと、条件付きでレ級も良しにしようか

ある条件を満たしたらレ級も参加可能
満たしてなかったら安価↓扱い

大淀「どなたが旗艦やりますか?」

瑞鶴「あ、じゃあ私」スッ

蒼龍「わ、私!頑張ります!」

南方棲鬼「ワタシヤリタイ……ア、デモ装甲空母姫モヤリタガリソウ。アノ子ソウイウノ……好キダカラ……」

瑞鶴「じゃんけん!じゃんけんにしましょう!」

南方棲鬼「イイデショウ……私ノ幸運ニ……勝テルト……思ッテ?」

加賀(瑞鶴負けろ負けろ負けろ)ゴゴゴゴゴ

赤城「加賀さんそんな念を送らないでも……」

南方棲鬼「ア、勝手ニ決メタッテ……装甲空母姫ニバレタラ……拗ネルカラ……内緒ネ?」

那智「お前らまとまる気0だな!!」

飛龍「……くだらなっ」ボソッ

那智「ひ、飛龍か。お前はいいのか?私はもういいや」

飛龍「いいよ。別にどうでも。あ、でも蒼龍に旗艦されるのは困るかな」

那智「そ、そうか?」

飛龍「うん。ま、アイツの運じゃ瑞鶴には勝てないだろうし好きにさせればいいけど」

瑞鶴「じゃんけんしょ!」

南方棲鬼「ホイ!ホイ!」

蒼龍「っしょ!っしょ!あああ!」

瑞鶴「勝ったぁあああああああああああ!!」ピョンピョン

蒼龍「あー……残念」

南方棲鬼「ソンナ……馬鹿ナ……!!コノ……私ガ……!!」ガクーーッ

加賀「ちっ!!」

瑞鶴「やーいやーい!加賀さん応援ありがとー!!」

加賀「ぐぬぬぬ」

赤城「加賀さんってば」

翔鶴「瑞鶴も…」ハァ

那智「……まあ、そうなるよなぁ」

飛龍「…」クスッ

那智「……ん?」

大淀「次に、第二艦隊……ズ級の相手をしてもらう方々ですが」

第二艦隊を編成してください(深海棲艦可)


安価↓1~6


あと、一応書いとく
名前以外は安価下扱いで

第二艦隊

雲龍

赤城
祥鳳
吹雪
羽黒




次に、この中から旗艦(おいしいとこ持ってく役)を決めてください
多数決が無謀と悟ったので↓2

雲龍「私が旗艦?」

赤城「ええ。文句は無いわ」

潮「う、雲龍さんなら任せられます」

祥鳳「そうね。頼りにしてるわ」

羽黒「こ、怖いけど……がんばろうっと」

吹雪「…」

赤城「吹雪?」

吹雪「あっ、はい」

赤城「大丈夫?顔色が悪いけど。無理に立候補しなくてもいいのよ?」

吹雪「大丈夫です。行きます。行かせてください。どうしても行かなくちゃいけないんです」

赤城「…」

潮「吹雪ちゃん……」

吹雪「……確かめたいことがあるんです。だから、私はどうしても」

祥鳳「…」ナデナデ

吹雪「祥鳳さん……?」

祥鳳「行きましょう。大丈夫。何があってもみんなは私が守るから」

気になったのでWikipediaで調べて来たよ

鳳翔 竣工(完成した年)1922年
加賀 1928年
龍驤 1933年
瑞鳳 1940年
瑞鶴(と翔鶴) 1941年

若い(確信)
というか瑞鳳は生きてたら希望があったんじゃ…

吹雪「…」

祥鳳「そう。瑞鳳の分も、ね……」

南方棲鬼(アイツハ……瑞鳳ノ姉カ……)

南方棲鬼(ズ級ノ……正体ニ関シテハ……敢エテ隠シタガ……良カッタノカ?)

南方棲鬼(……マア良イワ……気付カナケレバソレデ良シ)

南方棲鬼(気付イタトシテモ……最悪、アノ艦隊ニハ……我々ノ戦力ハ……イナイ)

南方棲鬼(最悪ノ場合……勝テズトモ……消耗サセテクレレバ……良イワ……)

大淀「あとは第三、第四艦隊ですが……」

大淀「その前にいざという時に迷わないよう、タスクをはっきりさせておきましょう」

大淀「もしも目標を二人同時に発見し、それぞれが別々に逃走した場合」

大淀「第三艦隊は夕張を、第四艦隊は龍驤を追撃してもらいます」

大淀「そしてアンチ艦娘豊胸装置は第四艦隊の誰かに持たせますね」

大淀「では先に第三艦隊」

大淀「……夕張には、洗脳された名取が付いているという川内の証言があります」

大淀「もしかしたら彼女と交戦になる可能性もありますので、その点にご留意の上で申し出てください」

大鳳はあり?

第三艦隊を編成してください(深海棲艦可)


安価↓1~6

>>816
俺のは安価下として

ないんだなこれが

第三艦隊

阿武隈
初風
加賀
川内
北上
大井



次に、この中から旗艦(おいしいとこ持ってく役)を決めてください
↓2

加賀「行きましょう。じっとしてるのは性に合わないわ」

川内「はいはい私行く!夕張には借りがあるし!」

初風「私も。相手は随分やりたい放題であれな敵みたいだけど、妙高姉さんより怖いってことはないでしょう」

妙高「ん?」ニコッ

初風「ひいっ!?嘘です冗談です!」

大淀「わかりました。ではこれで3人。あとは?」

阿武隈「あたし、行きます!」

長良「阿武隈……」

阿武隈「お姉ちゃん。あたし行ってくる。それで、名取お姉ちゃんの目を覚まさせてくる!」

由良「阿武隈…!」

大淀「わかりました。では阿武隈で4隻目」

五十鈴「よく言ったわ!なら五十鈴も行こうかしら」

北上「はいちょっと待った」

五十鈴「ん?」

北上「私らの席空けといてよ。これ、あれっしょ。リベンジってやつ?」

大井「北上さんを傷物にした罪……たっぷり後悔させてあげるわ」イライラ

阿武隈「げえっ!?」

大淀「……どうするの?あと空きは2人分だけだけど」

五十鈴「ちょっと。五十鈴が先に立候補したんだけど」

北上「まーまー。そこをなんとかさぁ」

北上「ほら、この北上さんだって敵さんには痛い目合わされて随分むかっ腹立っちゃってるわけだし」

由良「あまり納得はできないわね。私達だって姉妹を洗脳されている。本当は長良型総出で出撃したいくらいよ」スッ

大井「ならさっさと立候補すればよかったじゃない。何?怖気づいて手を挙げれなかったとでも言うわけ?」スッ

五十鈴「はぁ?なによ大井。もっぺん言ってみなさいよ!!こっちは鬼怒だってやられてるんだからね!!」

長良「ちょ、五十鈴落ち着いて。由良も」

北上「大井っちもだよ。あんまり失礼な事言っちゃダメだぞ~」

大井「……ごめんなさい」

北上「ふむ……でも、みんなの言うことにも一理あるよねぇ」

北上「……よし、ならば阿武隈くん。今回の旗艦はキミだ!」ビシッ

阿武隈「はぁ!?」チラッ

加賀「…」

阿武隈「え、ちょ、待ってよ北上さん。マジで言っての?」ヒソヒソ

北上「おーおー大マジ」

阿武隈「け、けど加賀さんを差し置いて旗艦なんて……」

加賀「私はいいわ。今回だけの特別よ」

阿武隈「ほらやっぱり……ええ!?」

加賀「……たまには裏方に徹するのも悪くないのかもね」

北上「だっしょー?さすが加賀っち、わかってるぅ」

阿武隈「で、でもでも……」

北上「だーもうまどろっこしいなぁ。私ら二人はオッケー。加賀っちもオッケー」

北上「馬鹿の川内は旗艦としては論外、初風は駆逐艦」

川内「なんだとう!?さっき助けてやった恩もう忘れたのか!」

北上「もうアンタくらいしかいないじゃん」ツンツン

阿武隈「…」

阿武隈「わかった。それじゃあ、私旗艦やります」

北上「よっしゃ!それでこそだ」

北上「よし、これで面倒な後始末は全部コイツに任せて好き勝手暴れられるぞー」ボソッ

阿武隈「今なんか言いました?」

北上「いえいえなんにも~旗艦殿」

大井「さすがです、北上さん」

五十鈴「ちょっと。五十鈴はまだ納得いかないんだけど」

北上「ほいほいわかってるって。それじゃあ、アンタはこういうのはどう?」

五十鈴「ん?」

北上「阿武隈以外の長良型集合」チョイチョイ

由良「集合って」

長良「鬼怒も名取もいないから、今私ら三人だけなんだけどね」

北上「それでなんだけどさ~」ガシッ

五十鈴「ちょっと馴れ馴れしく肩組まないでよ」

北上「ゴニョゴニョゴニョ…」

五十鈴「…」

由良「……へえ」

長良「……なるほど、いいねそれ」



阿武隈「…」ポツーン

五十鈴「わかったわ。それじゃあ任せたから」

北上「あんがとっ!」

加賀「どうやら話は成立したみたいね」

阿武隈「…」

川内「ボソボソ」

初風「?」

大淀「では最後に第四艦隊ですね」

大淀「この部隊は、敵首魁の龍驤を再優先で狙う部隊です」

大淀「ほぼ間違いなく艦娘豊胸装置を多様してくるでしょうし……」

大淀「ずる賢さも一級品とのことですので、最新の注意を払って戦う必要があります」

大淀「なお、艦隊から外れたみなさんも、動ける方は支援艦隊として働いていただきますので、その点はよしなに」

大淀「あ、編成を決めた後、アンチ豊胸装置も誰かに持たせるか決めてしまいましょうね」

第四艦隊を編成してください(深海棲艦可)


安価↓1~6

第三艦隊

神通
陽炎
ビスマルク
白雪
ほっぽちゃん
深雪



次に、この中から旗艦を決めてください
最後だし多数決で
今日の朝8時までで一番多い子






こじつけれそうな伏線風呂敷広げて無理やり繋げて回ったのは我ながらどうかと思う
でも、もうすぐ終わるのであと少しだけお付き合いください
>>1もうねるね……

間違った第四艦隊

今度こそもうネルソン

今更だけど>>1さんこの取り方はID変えする人出るんじゃ・・・
一応白雪

>>872
こんなssの1安価ごときでそこまでマジになる人はいない(確信)
ってわけで

白雪7
陽炎2
ビスコ1
ほっぽ4
神通8

旗艦神通に決定しました


深雪「…」

神通「私が旗艦ですか?」

大淀「ええ。こういう任務には、貴女のような人が旗艦であるのがぴったりだわ」

陽炎「まあ、神通先輩なら安心よね」

ビスマルク「指揮は任せたわ。私は病み上がりだし、できればあまり頭を使いたくないのよ」

Z3「元気でもあまり頭を使わせたくない戦艦よね」

Z1「しっ。マックス、聞こえるよ」

ビスマルク「…」

深雪「前は不覚をとったけど……今度は勝ぁつ!深雪様を怒らせたこと、後悔させてやんだかんな!」

白雪「……久しぶりの実戦です。みなさんのお役に立てるよう、頑張りますね」

大淀「さて、あと一人人員に空きがありますね。どうします?」

南方棲鬼「オオヨド。ソノアト一人ダガ……」

大淀「はい?」

北方棲姫「コンニチワ」ヒョコッ

大淀「!?」ビクッ

南方棲鬼「今シガタ……コノ子ガ着イタ……ワ……」

大淀「ほ、北方棲姫!?北方棲姫まで!?」

北方棲姫「私……北ノ海ヨリ……来タ……戦ウ……ヨ……」

北方棲姫「ワンコノ……フカフカオッパイ……奪ウ……許サナイ……カラ……」

南方棲鬼「コノ子ハ……港湾棲姫ニヨク……遊ンデ貰ッテタカラ……」

北方棲姫「敵ハ……立派ナ……マナ板ヲ……持ッテルト……聞イテル……」

北方棲姫「マナ板……奪ッテ……ワンコト……オ料理……スル……」

大淀「そ、そう。この子もやる気だというなら頼もしいですね……」

北方棲姫「マナ板……置イテケ……」シュッシュッ

大淀(何かのイメージ相手にシャドーボクシングしてる)

大淀「と、とにかくこれで全艦隊編成決まりましたね?」

南方棲鬼「ソノヨウネ……」

大淀「では」

第一艦隊(離島棲鬼およびヲ級討伐部隊)

旗艦   瑞鶴
副旗艦. 南方棲鬼
随伴艦. 装甲空母姫
同.    那智
同.    蒼龍
同.    飛龍


第二艦隊(ズ級【瑞鳳】討伐部隊)

旗艦   雲龍
副旗艦. 赤城  
随伴艦. 祥鳳
同.    羽黒
同.    吹雪
同.    潮


第三艦隊(夕張討伐部隊)

旗艦   阿武隈
副旗艦. 加賀  
随伴艦. 北上
同.    大井
同.    川内
同.    初風



第四艦隊(龍驤討伐部隊)

旗艦   神通
副旗艦. ビスマルク  
随伴艦. 陽炎
同.    深雪
同.    白雪
同.    北方棲姫




大淀「各艦隊、準備が整い次第……」

大淀「出撃してください!!」

深海棲艦ポートワイン沖海域拠点
正面

駆逐イ級「ギャアアア」ドカーン

軽巡ヘ級「グエエエ」ドカーン

離島棲鬼「クスクスクス……」

ヲ級「ヲッヲッヲ……」

離島棲鬼「アーーッハッハッハ!」

ヲ級「ヲーッヲッヲッヲ!」

離島棲鬼「多愛モ……ナイ……ワ……」

離島棲鬼「所詮雑魚ノ……群レ……ネ……」

ヲ級「ヲー?」

離島棲鬼「……ソウ……ネ……」クルッ

離島棲鬼「貴女ノ……言ウ……通リ……」

離島棲鬼「余リニ敵戦力ガ……少ナイワ……」

離島棲鬼「罠?ソレトモ」

離島棲鬼「港湾棲姫……戦力ヲ慌テテ援軍ヲ迎エニデモ出シタノカシラ」クスッ

ヲ級「ヲー」

離島棲鬼「ソウネ……彼女ハ……軍師トシテハ……無能ダモノ」

ヲ「ヲ!ヲヲ!」

離島棲鬼「ワカッテル。油断ハ……シナイワ」

戦艦棲姫「ソコマデヨ!」

ヲ級「ヲヲ!?」ビクッ

離島棲鬼「……戦艦棲姫」

ヲ級「ヲヲヲーー!!?」ビクビク

戦艦棲姫「イイ加減ニ……シナサイ!!コノオ馬鹿!!」

離島棲鬼「…」

戦艦棲姫「イマスグ投降スレバ……簡単ナオ説教ダケデ……許シテアゲル」

戦艦棲姫「ケレドモシ……コレ以上ノ狼藉ヲ……働クトイウノナラ」

戦艦棲姫「キツイオ灸ヲ……覚悟……スルコトネ!!」ワキワキ

離島棲鬼「……」ゴゴゴゴゴ

ヲ級「ヲ灸ーーーー!?」ビクッ

戦艦棲姫「ン?今……」クルッ

離島棲鬼「ナンカ言ッタ?ヲ級」クルッ

ヲ級「……あ、なんでもないです」フルフル

戦艦棲姫「ナンダ気ノセイカ」クルッ

離島棲鬼「私ノ空耳ダッタヨウネ」クルッ

ヲ級「ふぅ……コホン。あー。あー」

戦艦棲姫「…」

離島棲鬼「…」

ヲ級「では気を取り直して」

戦艦棲姫(ナニカガオカシイ)

離島棲鬼(何カシラコノ違和感)

ヲ級「ヲ!!ヲヲーー!!」(訳:ゲェ!!やばいですって離島棲鬼様、戦艦棲姫様は危険です!!)オロオロ

ヲ級「ヲーーーーーーーー!!」(訳:我々の任務は陽動ですからもう役目は十分果たしてるでしょ?逃げましょうよ!!)グイグイ

離島棲鬼「ハッ……」

離島棲鬼「ドウシテ私ガ……ミスミス憎イ巨乳ナンカニ……」

離島棲鬼「尻尾ヲ巻イテ……逃ゲナケレバナラナイノカシラ!?」ジャキッ

離島棲鬼「マシテヤ変態ロリレズ女」ギリッ

ヲ級「ヲヲ……」(訳:をを……)

戦艦棲姫「ソウ……ドウシテモヤル……ノネ?ナラ仕方ナイワ」

戦艦棲姫「甘ク見ラレタモノネ……コノ私モ」

戦艦棲姫「イイデショウ……二人共……少々痛イ目ニ……合ワセテアゲルワ!」ガコッ

戦艦棲姫「コノ戦艦棲姫ノ力……トクト見ルガイイ!!」

ヲ級「ヲヲヲーヲ・ヲーヲヲ!」(訳:もうやだぁ……離島棲鬼様ぁ)

ヲ級「ヲヲヲーヲ・ヲーヲヲ!!」(訳:貴女が負けるとは思いませんけど、お二人がここで戦ったりなんかしたら、私なんて巻き添えで轟沈しちゃいます……)

ヲ級「鼻毛真拳!!」(訳:なんとか無駄な争いを回避できませんか?お二人仲良かったでしょう?お願いします!)ウルウル

離島棲鬼「ショウガナイワネェ……」

離島棲鬼「待チナサイ戦艦棲姫」

戦艦棲姫「……ナニ?ヤハリ……オトナシク投降」

離島棲鬼「エイッ」ピラッ

戦艦棲姫「!?」

離島棲鬼「今日ハ勝負パンツ」

ヲ級「ヲ」(訳:透け透けの黒とか)

戦艦棲姫「グッハァアアアアアアアアア!!!!?」ボガーーーーン

ヲ級「ヲ!?」(訳:爆発!?)

戦艦棲姫「馬鹿ナ……コノ私ガ……」ピクピク

離島棲鬼「……ヤッパリ私ノコト狙ッテタ……ノネ……コノ変態ロリレズ糞ビッチ」ゲシッ

戦艦棲姫「アフゥン!」ビクンビクン

ヲ級「ヲ……」(訳:戦いとはいつの世も虚しいものですねぇ)

離島棲鬼「デモコレハ僥倖ネ。変態ハ変態デモコノ変態、地味ニ強大ダシ」ゲシッ

戦艦棲姫「フゥン!?」ビクビクッ

ヲ級「…」

離島棲鬼「労セズ……打倒……デキタノハ……ラッキーダッタワ」グリグリ

戦艦棲姫「オミ脚デ……グリグリトハ!ナンテ……快楽……!!」

ヲ級「ヲ……」(訳:うわぁ……)

離島棲鬼「ホラモット喘ゲ!!」

戦艦棲姫「アオォン!オオン!!」

ヲ級「…」

離島棲鬼「アー……」モゴモゴ

離島棲鬼「…ペッ」

戦艦棲姫「」ベチャッ

戦艦棲姫「アリガトウゴザイマス!!アリガトウゴザイマス!!」

離島棲鬼「ミナサイヲ級。コイツ、私ノ吐イタ唾デ発情シテイルワ」グリグリ

戦艦棲姫「ハァハァハァ」

ヲ級「…」

離島棲鬼「穢ラシイワネ?コノ……」グリッ

戦艦棲姫「ンアーーーーーーー!!イク!!イク!!イキス過ギィ!イクイクイク……」ジュンジュン

ヲ級「…」スッ

離島棲鬼「豚ガ」

戦艦棲姫「イッチャウゥウウウ!!!」プッシャーーー

離島棲鬼「アーッハッハッハッハ!!」

ヲ級「…」

ヲ級(なんだろう。何故か無性に……とても壮大で、穢れのない美しいなにかを……)

ヲ級(星空か、水平線か……とにかくそういうようなものを見たい気分になった)スッ

ヲ級「…」

ヲ級「ヲヲ!!?」

ヲ級「ヲー!ヲー!」グイグイ

離島棲鬼「ン?ナニヨ、ヲ級。今イイトコ……ナンダカラ……」

ヲ級「ヲーーーー!!」(訳:敵襲ーーーーー!!)

離島棲鬼「ナンデスッテ!!?」


装甲空母姫「目標ヲ確認!ミンナ、準備ハイイ!?」

飛龍「うるさいなぁ。いちいち指図しないでよ深海棲艦の分際で」

蒼龍「見て!あそこに倒れてるのって……」

装甲空母姫「戦艦棲姫ガヤラレテイルワ……流石離島棲鬼ネ」

那智「ふっ、臆したか?」

装甲空母姫「マサカ……コノ程度……ヤッテクレナイト……オ前達ト組ム道理サエ……ナイ」

那智「同感だ。ならば行くぞ!瑞鶴!」

瑞鶴「ええ!行くわよみんな!艦娘深海棲艦合同航空戦隊、第一次攻撃隊、発艦始め!!」

南方棲鬼「相手ハアノ二人……熾烈ナ……制空権ニ……ナル……ワネ……オ願イスルワヨ」


離島棲鬼「……ヲ級」

ヲ級「ヲ。ヲー……」(訳:わかってます。こちらも第一次攻撃隊、発艦)

第二艦隊

赤城「雲龍。偵察機から報告が入ったわ。第一艦隊が離島棲鬼、ヲ級と交戦開始」

雲龍「了解しました。ならば我々は彼女らの目を盗み、深海棲艦拠点に侵入しましょう」

羽黒「南方棲鬼さんからの情報通りだと、こっちに裏道があるとのことです」

潮「だ、大丈夫なんでしょうか……」

祥鳳「今は疑っている時間も惜しいわ。さっき深海棲艦側から連絡があったでしょう?もう敵に襲われていると」

雲龍「その通りです。そして連絡は先程から急に途絶えています。敵の計画通りズ級がすでに侵入したと考えていいでしょう」

赤城「第一艦隊があっさり壊滅させられた相手よ。みんな、気を引き締めて!」

瑞鳳「了解!」

羽黒「りょ、了解!」

潮「あ、あう。第一艦隊を……で、できるだけ頑張ります」

吹雪「…」

雲龍「吹雪さん?」

吹雪「……あ、いえ。了解です」

赤城「吹雪。何があったかはわからないけれど、しっかりなさい。そんなことじゃ沈むわよ」

吹雪「……瑞鳳さんみたいにですか?」

祥鳳「っ!」

潮「あっ」

赤城「吹雪!!」

吹雪「…」

赤城「どうしたの貴女!?最近少しおかしいと思っていたけれど……よりによって祥鳳の前で、それも作戦中に!」グイッ

赤城「歯を食いしばりなさい!気合を入れてあげます!」

羽黒「あわわわ!」

祥鳳「やめてください赤城さん!」

赤城「祥鳳……けど」

祥鳳「いいんです。確かにあの時の瑞鳳は……自ら命令違反を犯した結果、沈んだのですから」

祥鳳「誰が悪いと言うなら、それはあの子の自業自得です」

赤城「…」

吹雪「……ごめんなさい、祥鳳さん」

祥鳳「ううん。けどね、吹雪ちゃん。これだけは覚えておいて」

祥鳳「あの子はもう帰ってこないけれど、それでもあの子が残したものはある」

祥鳳「それは教訓。冷静さを失い、悪戯に命令違反を犯した者には相応の結末が待っている」

祥鳳「だから貴女もそれを忘れないで。任務中は決して気を抜かず、命令を順守すること」

マチガエタ……

ずほ「了解!」→祥鳳「了解!」

祥鳳「もうあの子の時のような悲しみは二度と御免だわ。当然、他の皆もね」

吹雪「……わかりました」

雲龍「瑞鳳さんか……話は聞いたことがあるわ。どんな人だったの?」

潮「あ、雲龍さんはお会いしたことありませんでしたっけ?」

羽黒「祥鳳さんの義妹さんです。とっても元気で、優しい方でした」

雲龍「そう」

潮「温泉とスイーツと、お酒を飲みに行くのが大好きで……」

羽黒「小柄だけど、強い人だったよね、なんていうか、みんなを引っ張っていってくれるっていうか」

潮「そうそう!そんな感じです!」

雲龍「温泉か……いいわね。生きていらっしゃたら一緒に行ってみたかったわ」

羽黒「…」

潮「…」

雲龍「ん?」

潮「それは……ちょっと……」

羽黒「雲龍さんはきっとやめておいてあげたほうが……あはは、潮ちゃんも拒否されてましたし」

雲龍「?どうして?」

祥鳳「すみません雲龍さん。瑞鳳のことでバタバタしちゃって」

赤城「そうね。ごめんなさい、旗艦は貴女なのに勝手なことをしたわ」

吹雪「お騒がせしてすみません、皆さん」

雲龍「いえ。……私は新参だから、みなさんの昔の仲間のお話を少しだけ聞けて、楽しかったわ」

雲龍「任務中にすることではないというのはわかっているけどね」クスッ

羽黒「うぐぅ」

潮「はうぅ」

祥鳳「……瑞鳳のことを話していたの?」

雲龍「ええ。とても素敵な義妹さんだったようですね」

祥鳳「そうですね……明るくて優しくて素直で、少しだけおてんばで……そして」

祥鳳「貧乳だったわ」

雲龍「義姉公認ですか!?」

赤城「そうね。貧乳だったわ」

吹雪「それは確かです」コクン

羽黒「み、みなさん失礼ですよぉ。瑞鳳さんは貧乳なんかじゃありません!ちょっと慎ましやかなだけです!」アワアワ

潮「そ、それにまだ瑞鳳さん大人じゃなかったですし!これからまだまだ伸びしろあったはずですし!」アワアワ

雲龍「私が言うのもなんだけれど、瑞鳳さん聞いていたら、潮ちゃんのその言葉が多分いちばん傷つくと思いますよ……」

潮「?」

雲龍「そ、そうです。瑞鳳さんって、他に何か面白いエピソードはないのかしら?あったら聞いてみたいわ」

赤城「そうね……あの子、意外と食べたわね」

赤城「というか、食い意地が張っていて、最初配属されたての私に大食いで対抗意識燃やしてたのだけど」

羽黒「あ、もしかしてそれってあの伝説の」

赤城「そうそう」

雲龍「伝説?」

祥鳳「赤城さんの隣でご飯食べてたら、あの子ったら食べ過ぎて気持ち悪くなっちゃってね」

祥鳳「椅子を並べて横になっていたら胸をテーブルと勘違いした間宮さんが飛行甲板に次々料理を並べてったって事件があったのよ」

潮「私も知ってます。それで、ウトウトしてた瑞鳳さんが気付いたらもう料理が一杯配膳されてて動くに動けなくなっちゃってて」

潮「赤城さんがそこに乗ってた料理を全部平らげるまで震えながらテーブル役をこなしたっていう話ですよね」

赤城「あの時の肉じゃが美味しかった……・今でも覚えてるわ」ジュルリ

吹雪「今でも駆逐艦寮では語り草だもんね。多分最近配属された子もみんな知ってる」

雲龍「ほ、他にはないの!?もっとこう、武勇伝みたいな」

吹雪「武勇伝ですか。そうですね、瑞鳳さんは初期艦の私と一緒に最初の第一艦隊を組んだ軽空母でして」

雲龍「そうそうそういうのが聞きたかったの!」

吹雪「私がまだ第一艦隊で瑞鳳さんと組んでいた頃は、主に制空権の確保は瑞鳳さんの役目でした」

雲龍「ええ、ええ!」

吹雪「巧みな艦載機操作と他二人との息のあった連携はとても強力で」

雲龍「それは凄いわ!」

吹雪「その三人に対して、随伴艦だった私と白雪、名取さん、そして後に第一艦隊となる深雪などは」

雲龍「昔からの戦友ね」

吹雪「彼女らへの尊敬と畏怖を込め、我が鎮守府の鉄壁の守護神という意味で……」

雲龍「なんだか素敵だわ……」

吹雪「フラットスリーと呼んでいました」

雲龍「前言撤回!!」

吹雪「ちなみに提督はトルシエっていうよりは岡崎だよねーとは深雪の言葉です」

雲龍「岡崎選手なにも関係ないじゃない!!」

赤城「雲龍。そろそろ敵が近くにいてもおかしくないから大声は控えて」

雲龍「ご、ごめんなさい。……私が悪いのかしら。そうよね、変なこと聞いた私が悪いのよね……」

雲龍「切り替えていきます」

吹雪「でもどっちかっていうと提督はサッカーできないイニエスタ」

雲龍「もうその話はいいから!」

赤城「待ってみんな」

雲龍「なんですか!?」

赤城「あそこに誰かいるわ。それも二人」

羽黒「え……?」

潮「片方の姿は……大きい!しかも深海棲艦!?」

祥鳳「……あいつは」

吹雪「……!港湾棲姫!!?」

羽黒「で、でも、ボロボロですよ!?」

港湾棲姫「ウ……ウウウ……」フラフラ

祥鳳「…」ギリッ

赤城「抑えなさい祥鳳。彼女は貴女の義妹の仇。でも今は休戦中です」

祥鳳「……わかっています」

雲龍「あれほどの深海棲艦がボロボロにされているということは」

「…」

赤城「ええ。後ろ姿からでも恐ろしプレッシャーが届いてきます。彼女がズ級で間違いなさそうね」

瑞鳳「……来タカ。艦娘ドモ」クルッ

祥鳳「!!」

赤城「この子は……!」

吹雪「……っ!!」

潮「えっ……?」

羽黒「そんな……」

雲龍「どうしたの?みんな」

瑞鳳「…」

羽黒「嘘……」

潮「そ、そっくりなんです」

雲龍「そっくりって……何が?」

祥鳳「瑞鳳……」

雲龍「な!?」

瑞鳳「…」

赤城「嘘……でしょ?そんな、なんで瑞鳳が……」

瑞鳳「マタ……ソノ名前……カ……」

吹雪「また……?またってどういうことですか?瑞鳳さん!」

瑞鳳「我ハ……瑞鳳ナドデハ……アラズ……」

赤城「そんなことないわ!貴女は瑞鳳よ!生きていたのね!?」

瑞鳳「否……我ハ……ズ級……終ワリヲ……モタラス……モノ……」

祥鳳「瑞鳳!瑞鳳!!」

羽黒「目を覚ましてください!瑞鳳さん!!」

瑞鳳「クドイ……!!」

瑞鳳「死ネ!!」ブワッ

潮「きゃあああああ!?」

雲龍「そんな!?なんて艦載機の数!!」

赤城「馬鹿な……私と加賀さんを合わせたよりもっと多い。それに、艦載機が全て深海棲艦のものだわ!」

吹雪「瑞鳳さん!!瑞鳳さん!!」

羽黒「吹雪ちゃん!!」

赤城「いけない!吹雪、逃げなさ……」

吹雪「あっ……」

祥鳳「くっ……!」

祥鳳「行きなさい!!烈風!!」

瑞鳳「チッ……」

祥鳳「大丈夫!?吹雪!」

吹雪「しょ、祥鳳さん……」

祥鳳「皆も呆けていないで!相手は敵目標です!撃滅しましょう!」

赤城「祥鳳……?」

羽黒「そ、そんな!けど祥鳳さん、相手は……!」

潮「瑞鳳さんですよ!?」

雲龍「……いいの?」

祥鳳「心配無用だわ。相手は確かに瑞鳳にそっくりだけれど……偽物だから」

吹雪「えっ……?」

瑞鳳「…」

赤城「根拠は、あるの?」

祥鳳「ええ。私にはわかります。姿形はそっくりだけどね。でもたった一点、彼女とはまったく異なる部分がある」

祥鳳「義理とはいえ、姉の私の目はごまかせないわよ!偽物」

瑞鳳「ぐっ……!?」チクッ

瑞鳳「…?……!?」

瑞鳳「ナンダ……今ノ……ハ……?」ズキッ ズキッ

羽黒「異なる部分?」

潮「祥鳳さん、それって、どこなんですか!?」

祥鳳「それはね……胸よ!!」

雲龍「む、胸?」

祥鳳「ええ。瑞鳳はまな板だった……けどね、このズ級は……膨らみがある!!」  ※>>628参照

祥鳳「瑞鳳の姿を模して私達の動揺を誘おうとしたのね。なんて卑劣な手段」ワナワナ

祥鳳「けれど却ってこの私の怒りを誘う結果に終わったようね。覚悟するがいい!!」

赤城「……!そうか!!」

羽黒「言われてみれば!」

潮「流石祥鳳さんです!」

吹雪「……許せない。ズ級。私達と瑞鳳さんとの思い出まで踏みにじるなんて」

祥鳳「行きましょうみんな!」

瑞鳳「…」

雲龍「ちょっと待ってみなさん。タイム」

祥鳳「……どうしたんですか?雲龍さん」

雲龍「あの、祥鳳さん。お言葉なのですけれど」

祥鳳「なんですか雲龍さん!?」

雲龍「あ、相手はですね?その……艦娘豊胸装置というものを持っているのだから……」

雲龍「それを使ったのではなくて?胸の膨らみだけの違いというならそれだけだと思うのだけど」

祥鳳「……甘いですね雲龍さん」

雲龍「え?あ、ごめんなさい」

祥鳳「そんなの不可能に決まっているんです」

雲龍「ふ、不可能?」

雲龍(いや。待ちなさい雲龍。姉の祥鳳さんがそういうのだから、さっきは端折っただけでもっと根拠ある証拠があるに違いないわ)

雲龍「……どうしてそう思うのですか?」

祥鳳「だって、瑞鳳の胸はまっ平らだったんです。ええ。まっ平ら。テーブルにして食事ができるくらい」

瑞鳳「…」

雲龍「それは忘れてあげて……」

祥鳳「数々のバストアップ運動。怪しい通販商品……迷信に、神様へのお祈りなどの涙ぐましい努力の数々」

祥鳳「それらを毎日朝晩欠かさず行っても駆逐艦の潮ちゃんにすら圧倒されるあの子の不憫な胸の膨らみ!!」ビシッ

祥鳳「それを……たかが装置ごときでどうにか出来るわけがない!!」

祥鳳「あの子がフルフラットなのは運命!!」

祥鳳「そんな恐るべき因果律をねじ曲げるなんて、例えこの世に全知全能の神がいたとしても不可能なのよ!!!1!」

雲龍「いやいやいや」

祥鳳「……できるなら、私の胸と交換してあげたいくらいに」ホロリ

雲龍「えーっと……」

瑞鳳「…」

雲龍「あの……瑞鳳さん?」

瑞鳳「…」

雲龍「ズ、ズ級……さん?」

瑞鳳「ナンダ」

雲龍「……泣かないでよ」

瑞鳳「泣イテナド……イナイ……コレハ……排水ダ」ダバダバ

雲龍「排水って……」

瑞鳳「ダガマア、ワカッタ」

雲龍「な、なにがでしょう」

瑞鳳「オ前ラヤッパ敵ダ!!嫌イダ!!死ネエエエエエエエエエエエエエエ!!!!!」ブワーーーッ

祥鳳「こっちだって妹の姿弄ばれてキレてんのよ!!」ブワーーーッ

赤城「みんな!敵は恐ろしく手強いわ!気を引き締めなさい!!」ブワーーーーーッ

潮「瑞鳳さんを馬鹿にしないでええええええ!!」ドドドドド

羽黒「みんなの大切な人の思い出を踏みにじるなんて……許せない!!」ドドドドド

吹雪「瑞鳳さんの名誉にかけて!!私は貴女を倒す!!ズ級!!!」ドドドドド

雲龍「…」

雲龍(どうしましょう)

雲龍(あの人絶対瑞鳳さんだわ……)

瑞鳳「ミンナノーーーーー!!!ヴワァカァアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」

第三艦隊

ドガーーン……パラパラ

北上「おーおー派手にやってるねぇ」

大井「本当。この戦いが終わったら、この拠点もう使えなくなってるんじゃないかしら」

加賀「それはそれで好都合ね」

北上「任務終わった後余力あったらついでにひと暴れしちゃう?」

大井「北上さん、それは怪しまれるわ。任務中の戦闘で壊れる分には不可抗力でしょうけど」

初風「みんな、腹黒だなぁ……」

川内「で……だから……」ブツブツ

初風「川内さんもなんかさっきからずーっとブツブツ言っててなんか怖いし」

阿武隈「みんな、何してるの!?早く行くよ!」

北上「へいへい」

加賀「わかってるわ」

大井「第四艦隊は?」

初風「あ、ついさっき、私達とほぼ同時に突入に成功したみたいです」

北上「オッケー。なら私らも行こうよ」

大井「そうね。まずは合流して、一緒に夕張と龍驤を探しましょう」

阿武隈「…」

川内「よしっ!これで行こう!」

阿武隈「なにが!?」

川内「ん?いやなんでもない」

阿武隈「えー……」

北上「阿武隈ー。早く来いよー」スタスタ

大井「旗艦でしょ?ちゃんと先頭歩きなさいよ」スタスタ

加賀「もたもたしてると蹴飛ばすわよ」スタスタ

阿武隈「ひーん……やっぱこの人ら扱いづらい~」

初風「……」ポンポン

阿武隈「初風、無言で慰めるのも結構心に来るからやめて」

初風「早く行かないと置いてくよ?」

阿武隈「…」

阿武隈(もう二度とこいつらと艦隊なんか組むもんか!)

北上「でも、連中どこにいるのかねぇ」スタスタ

大井「さあ。でも結局は虱潰しに探すしか無いでしょ」

加賀「ついでにここにいるという提督武蔵陸奥も探せるといいわね」

初風「そううまく行くかなー」

川内「まあまあなんとかなるって。それよりあの裏切り者の夕張だけは絶対許せない!」

北上「そうだねぇ。とりあえず見つけたら開幕雷撃食らわせてやらんとねぇ」

大井「そうね。半殺しじゃ飽きたらないわ。全殺しね」

初風「物騒だなぁ……」

阿武隈(会話に入り込めない)

神通「あら?みなさん?」バッタリ

阿武隈「あれっ。神通?」

ビスマルク「……どうやらあっさり合流してしまったみたいね」

陽炎「やっ初風。元気してた?」

初風「元気っていうか……さっき別れたばっかでしょーに」

深雪「おいほっぽ、いい加減背中から降りろよー」

北方棲姫「キャッキャッ」

白雪「ほっぽちゃん。深雪ちゃん疲れてるから。次私がおんぶしてあげる」

北方棲姫「シラユキ!ワカッタ!」ピョンッ

白雪「おっとっと」フラフラ

深雪「おいおい大丈夫か白雪ー。やっぱ深雪様のパワーじゃないと駄目か?」

白雪「だ、大丈夫。この子思ったより軽いから。ね?ほっぽちゃん」

北方棲姫「シラユキノガ、柔ラカクテ……乗リ心地イイ!!」

深雪「なにをー!?」ムギュー

北方棲姫「キャー」

白雪「こら深雪ちゃんー!」

阿武隈「……随分その子と仲良くなってるみたいだけど」

陽炎「……まあ、いろいろとね。波長が合ったんだろうさ。特に深雪と」

神通「ちょっと心配だわ」ハラハラ

阿武隈「……ま、いいや。それで、そちらは何かありました?」

神通「いえ、何も。その口ぶりだとそちらもまだ首尾はないようですね」

北上「んー。どうする?また二手に分かれて探す?」

神通「いえ。このまま一緒に行動しましょう。敵も一緒に行動している可能性が高そうですし……」

阿武隈「それもそうか。それじゃあ……」

「あれー?おかしいなぁ……港湾棲姫どこにもいませんよ?龍驤さん」

「んなわけないやろ。どこぞに隠れとるんとちゃう?」

神通「えっ?」

川内「この声は」ピクッ

夕張「でもあいつの図体でどこに隠れれます?」テクテク

龍驤「それもそうやなぁ。もしかしたら戦場に出とるんかもしれん」テクテク

夕張「あちゃー。無駄足食っちゃったかー。参ったね名取」

阿武隈「名取……」

北上「しっ。こっち来るよ」

大井「…」

夕張「ま、いっかー。どーせズ級の瑞鳳が全部やっつけてくれるだろうし」

夕張「そしたら私らはやっつけたその後でこそこそ回収してもいいわけ……で……」

夕張「…」

龍驤「ん?どないしたんや」

夕張「……おおう」

龍驤「おりょ?」

名取「…」

阿武隈「…」

神通「…」

ビスマルク「…」

北上「…」

大井「…」

加賀「…」

深雪「…」

初風「…」

陽炎「…」

白雪「…」

北方棲姫「ウンショ」ピョンッ

川内「あーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」

夕張「げえええええ!!?川内!!?」

龍驤「にゃにゃああああああああああああああ!?」

川内「見つけたぞ!!お前ら!!!」




次スレに続く

立てたはいいけど今日はもう終わろう

誘導
夕張「できましたよ提督!艦娘豊胸装置3個目です!!」 - SSまとめ速報
(ttp://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1410360612/)


残りはなんかリクエストとか聞いてみるかもしれない
矛盾の指摘?知らない子ですね……

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年09月09日 (火) 00:10:25   ID: edYXHFLq

このssバッドエンドで終わったら
俺はおそらくRJをわざと沈めてしまうかもしれん・・・

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