【艦これ】空母はボーキサイトがお好き (274)

赤城「アカレンジャー! 身体に流れる血はボーキサイト、赤城ッ!」

加賀「アオレンジャー! 赤城さんが私の全てです、加賀ッ!」

飛龍「キレンジャー! 多聞丸もいいけど蒼龍も大好き、飛龍ッ!」

蒼龍「ミドレンジャー! 溢れんばかりの九九艦爆、蒼龍ッ!」

翔鶴「シロレンジャー! 鹿島さんには負けません、翔鶴ッ!」

瑞鶴「……何してんですか、みんなして(唖然」



一、二、五航戦メインの、ほのぼの日常話。

読みたい話しのネタ投下や、ゲストキャラ希望も無理がない範囲で随時募集してますのでお気軽にー。

ズイ₍₍ (ง ˘ω˘ )ว ⁾⁾ズイ


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加賀「そこの五航戦、何をしているの…。はっ、早く写真を撮りなさい……か、片足立ちはさすがにツラいわ(プルプル」

飛龍「わ、私も背筋と首がねじ切れそう……ッ(ビクビクッ」

翔鶴「地味に私も……よ、横っ腹がつりそうで痛いですぅ~(ガクガクッ」

蒼龍「私は地味なポーズでよかったー、えへへっ」

赤城「さあ、瑞鶴さん。その薄い板で記念写真をッ! みんながもう……限界ですぅッ?!」

瑞鶴「あっ、これギニュー特戦隊だッ!(スマホヨーイ」

蒼龍「どうどう? 上手く撮れたぁ~瑞鶴ぅ?」

赤城「瑞鶴さん、私にもぜひ見せて下さいッ!」

他3人「…………(チーン」

瑞鶴「返事がない、ただの屍のようね……」

赤城「うーん、ポーズは上手くいってるけれど……みなさんダメですよ、もっと表情を意識しないと!」

蒼龍「ふふっ、私一番うまく写ってるかもー。どうかな、瑞鶴ぅ?」

瑞鶴「だって蒼龍さんが一番楽なポーズだからこんな無邪気な笑顔なんですよ、赤城さん以外はホラーですよこれ」

赤城「そうですか? 隊長のポーズも実際にやると実は結構、疲れるんですけどねぇ(ボーキポリポリ」

瑞鶴「そうは見えないですけど……あっ、やってみると地味にツラいッ!(プルプル」

瑞鶴「うぅー、それでみなさんは何で特戦隊ごっこしてたんですか?」

加賀「あ、赤城さんがドラ〇ンボールを見たからよ……」

瑞鶴「へぇ~大丈夫ですかぁ? 一航戦の突然歌う方で有名な、2Pカラーの加賀さぁ~ん(ニヤニヤ」

加賀「……全機、発艦用意(ユラリ」

瑞鶴「ちょっとぉ! 寝転んだまま発艦とか、危ないにも程があるわッ! 旋回して戻って来たら……」

飛龍「……ッ、どぉよ!(回避&運が高い子」

翔鶴「きゃあっ! 何で私ばっかり~(大破」

赤城「そう言えば蒼龍、今日のお昼のメニューは何でしょうねぇ(見てない」

蒼龍「んーと、確か龍田さんのから揚げと足柄さんのカツカレーがおすすめみたいですよー(聞いてない」

加賀「やらかしました」

瑞鶴「翔鶴ねぇ、しっかりしてよ。翔鶴ねぇ、翔鶴ねぇ! ねえッ!」

翔鶴「瑞鶴、今までありがとう……ッ(ガクッ」

瑞鶴「翔鶴ねぇ、翔鶴ねぇ、ねえってば! 助けて下さい、翔鶴ねぇ……助けて下さい、助けてくださぁーいッ! 翔鶴ねぇーッ!!」

加賀「ポチっとな(♪瞳を閉じて/平井堅」

赤城「さす加賀ッ! 準備がいいですねぇ~」

蒼龍「なつかしー、これDVDで一緒に観たよねぇ~飛龍ッ!(ダキッ」

飛龍「寝転んでる相手に抱き着かないでよーもう、てか瑞鶴もノリノリだったね今のは」

赤城「ささっ、みなさん。そろそろお遊びはここまでにして、みんなでお昼を食べに行きましょうッ!」

加賀「いい頃合いですね、さっそく食堂へ行くとしましょう」

瑞鶴「ちょっとそこの主犯! せめて翔鶴ねぇを入渠ドックに連れてくのぐらい、手伝いなさいよッ!」

加賀「ポチっとな『助けて下さい、翔鶴ねぇ……助けて下さい、助けてくださぁーいッ! 翔鶴ねぇーッ!!』」

瑞鶴「」

加賀「何か言ったかしら、五航戦の騒がしい方の子」

瑞鶴「何でもアリマセン、提督さんにバケツの許可もらったら私たちも食堂へ行きますんで……」

加賀「そう、ならいいけれど。では行きましょうか、赤城さん」

飛龍「ほら瑞鶴、そっち側支えて? 翔鶴を入渠ドックに連れてくんでしょっと」

蒼龍「なら私は提督に高速修復材の使用許可、貰ってくるねー(タッタッタ」

瑞鶴「ひっ、飛龍さぁ~ん(半泣き」

飛龍「もう泣かないの、めっ。加賀さんだって素直じゃないけど瑞鶴のこと、可愛くてしょーがないんだから」

瑞鶴「べべb、別に私はあんな乱暴で不愛想で既に想い人がいるヤツなんかに気に入られたくないですしッ!」

飛龍「(わかりやすいなー)とりあえずほら、急がないとお昼の時間終わっちゃうよーっと」

翔鶴「飛龍さん、蒼龍さん。お手間をお掛けしてしまい、申し訳ありませんでした(フカブカー」

瑞鶴「あの、私からも。お二人共、ありがとうございました(ペコー」

蒼龍「いいのいいの、困った時は何とやらってね。ほらほら、食堂まで競争だよー」

瑞鶴「あー蒼龍さんずるーい、待って下さいよー!」

飛龍「うーん、あの素直さをなーんで加賀さんの前だと出せないかなぁ」

翔鶴「ふふっ、瑞鶴は照れ屋さんですから」

瑞鶴「飛龍さんと翔鶴ねぇも早くー、どっかの一航戦に全部食べられちゃいますよー」

飛龍「ほーい、今行くよー。ほら翔鶴も、転ばないようにね?」

翔鶴「飛龍さんと一緒なら、少しは私にも不幸が減るかしら(クスッ」

瑞鶴「やったー、一番乗り! 伊達に改二まで、鍛えてないんだからねッ!(フンス」

蒼龍「もぉ~、先に走れば瑞鶴に勝てると思ったのにぃ~(ポヨン」

瑞鶴「蒼龍さん、それって嫌味だったりします?(ジー」

蒼龍「え? 何が??」

飛龍「瑞鶴ー、蒼龍はただの天然だから気にしないの」

翔鶴「そうよ瑞鶴、先輩方に失礼な言動は慎まないと……あっ、あそこ。まだ赤城さんたちがいらっしゃいますよ?」

蒼龍「えーっ、とっくに食べ終わって先に部屋に戻ってるころかと思ったのにー」

赤城「もーみなさん遅いですよぉ。せっかくの足柄さん特製カツカレー(空母盛り)と、龍田さんのから揚げ(扶桑型艦橋盛り)が冷めてしまいますー(コッチコッチ」

瑞鶴「えっ、もしかして先に食べずにずっと待っててくれたんですかッ?!」

加賀「だから残っているのでしょう、五航戦の子はそんなこともわからないのかしら」

翔鶴「も、申し訳ありません! 私が至らないばかりに、一航戦のお二人にお食事をお待たせするなんて(オロオロ」

赤城「だって加賀さんが『五航戦や二航戦の子たちが来るまで待ちましょう』って、何度も言うんだもの~」

加賀「ちょ、赤城さん! それは内密にと、確かにお願いしたハズではッ?!」

赤城「ごめんなさい加賀さん、私なんだか最近忘れっぽくて(テヘペロ」

飛龍「加賀さん、お気遣いありがとうございますね」

加賀「しょ、食事はみんなで食べた方が美味しいもの……ほら、いつまでも立ってないで早く座りなさい」

赤城「ふふっ、じゃあいただきましょうかッ!」

瑞鶴「んーっ! この足柄さん特性スパイスの効いたカツカレー、一度食べると病みつきになるわねッ!(モグモグ」

蒼龍「龍田さんのから揚げも外はカリカリ、中はジューシーでおいしー(パクパク)」

飛龍「から揚げをカレーに乗せてもおいしいよー、カツとは別の食感が楽しめるし(ングング」

赤城「(ちょいちょい)翔鶴さん、お互い照れ屋で意地っ張りな相方を持つと大変ね(ボソッ」

翔鶴「ふふっ、そうですね先輩」

瑞鶴「あー、翔鶴ねぇが赤城さんと内緒話ししてるー!」

加賀「また大破させられたいのかしら、五航戦のヒモパン担当は(ゴゴゴッ」

翔鶴「違うんです加賀さん、それとその呼び名はさすがに勘弁してくださーい!」

飛龍「飽きないなぁ、ほんと。このみんなでいると……ね、蒼龍?」

蒼龍「ふぁい? あにかひった、ひゆー(モグモグ」

飛龍「はいはい、なんでもないですよー。あと、口の周りにカレー付け過ぎ」

加賀「(パシャ!)やりました」

蒼龍「ちょっと加賀さーん、そんな写真消して下さいよー」

加賀「嫌よ、これは私のものだもの(みんなとの思い出がたくさん詰まった、ね)」

書き溜め消化したので、また次回をお楽しみにー。

乙乙
ボーキ特戦隊に対抗してタイラ機甲戦隊を(原作通りの3人でもフラット5の5人に増やしてもいい)

龍田のはから揚げじゃなくて竜田揚げではないのか

>>16
早速、いただいてみます。人数多いと説明口調が増えてしまうので、まずは3人で。

>>17-19
から揚げは主に小麦粉で調味料は自由、竜田揚げは片栗粉に醤油と他に限定された調味料で作られたものを総称するみたいですね。

足柄さんがカツを揚げるのに気合を入れすぎて、片栗粉を使いすぎちゃったんですよ。きっと(遠い目


※劇場版『ドラ●ンボールZ とびっきりの最強対最強』参照

加賀「……ッ、赤城さん! もう、鍛錬はそれぐらいにして!」

赤城「いえ、加賀さん。まだまだです……第二次攻撃隊、全機発艦!ッ!」

加賀「赤城さん、ドラ●ンボールを読んでから一段と強くなったわね」

瑞鶴「んーと、ここがこうなってっと(カキカキ」

翔鶴「瑞鶴、がんばっているわね。これ、差し入れよ(ジュースオキ-ノ」

瑞鶴「翔鶴ねぇ、さーんきゅっ!」

加賀「五航戦の子が珍しく勉強に励んでいるのね、明日は嵐でも来るのかしら?」

赤城「加賀さぁ~ん、瑞鶴さんのお勉強のジャマをしてはいけませんよー」

翔鶴「あ、あの赤城さんがわざわざ加賀さんを注意してくださるなんて……赤城さん、熱でもあるんですかッ?!」

赤城「私、熱なんかないですよー」

翔鶴「なら、身体の具合でも悪いに違いありません!」

赤城「そんなことないですってば。瑞鶴さーん、がんばってくださいねーッ!」

翔鶴「絶対におかしいです。赤城さんが『勉強しろ』だなんて、今までそんなこと一度も口にしたことなかったもの」

瑞鶴「……ちょっ、それは翔鶴ねぇが私に持ってきてくれたジュースじゃんッ!」

加賀「ゴクッゴクッ、はッ! まさか赤城さん、鍛錬のしすぎでおかしくなってしまったんじゃ……」

瑞鶴「えぇ~、そんなことないですってば」

加賀「そうだわ、きっとそうに違いないわ(オロオロ」

赤城「ふーん、ふふーん、ふふぅ~ん♪(ハナウタ」

加賀「とうとう赤城さんが、そんな……」

赤城「瑞鶴さーん、がんばってお勉強するんですよー(ニモツツメツメ」

加賀「赤城さん、しっかりして下さい……赤城さんッ!」

赤城「さあ瑞鶴さん、早く終わらせてみんなでキャンプに行きましょう!」

加賀「……はぁ、そういうことでしたか。心配して損しました(ジトー」

赤城「瑞鶴さん。早く済ませてしまいなさい、みんなを待たせては悪いわ」

加賀「『みんな?』」

蒼龍「えへへっ」

飛龍「どもー」

翔鶴「あっ、二航戦の先輩方ッ! おはようございます(ペコー」

加賀「もう、赤城さん! キャンプと勉強、どっちが大事なんですかッ?!」

赤城「き、決まっているでしょう……」

加賀「(うん、うん……それでこそ赤城さ)」

赤城「それはもちろん、キャンプですッ!」

加賀「はぁ、聞いた私がバカでした(アキレガオ」

蒼龍「んーふふっ、やっぱりキャンプはカレーが一番だよねぇ(ルンルン」

加賀「全く、なんで私まで……」

飛龍「あとは赤城さんがとってくるお魚を焼くだけだねー。瑞鶴、薪をお願いできる?(カレーマゼマゼ」

瑞鶴「了解ずい!……よーいっしょっと、この辺りなら平気そうかな。全機発艦、アウトレンジで決めたいわねッ!」

ブーーーン、ズ┣¨┣¨┣¨┣¨ドッ……カラン、カラン、カラン

瑞鶴「薪割り完了っと、やっぱ私の岩本隊は格が違うわね!(フンス」

蒼龍「んーふふっ、やっぱりキャンプはカレーが一番だよねぇ(ルンルン」

加賀「全く、なんで私まで……」

飛龍「あとは赤城さんがとってくるお魚を焼くだけだねー。瑞鶴、薪をお願いできる?(カレーマゼマゼ」

瑞鶴「了解ずい!……よーいっしょっと、この辺りなら平気そうかな。全機発艦、アウトレンジで決めたいわねッ!」

ブーーーン、ズ┣¨┣¨┣¨┣¨ドッ……カラン、カラン、カラン

瑞鶴「薪割り完了っと、やっぱ私の岩本隊は格が違うわね!(フンス」

赤城「ふぅ。これだけ大きなお魚さんなら、みなさんの多きな胃袋でも大丈夫でしょう……ッ!!」

瑞鶴「はい、飛龍さん。薪、できましたよ……ッ!」

飛龍「ありがとねー、そこに置いといて……ん、この気配ッ!」

蒼龍「ね、ねぇ。どうしたの、二人ともぉ~(オロオロ」

飛龍「……瑞鶴、後ろッ!(バタッ」

瑞鶴「飛龍さn……(キゼツ」

蒼龍「あわわわわっ」

加賀「……ッ!(ギロリ」

大鳳「この子が五航戦の瑞鶴ね。なーんだ、戦闘力たったの50じゃない」

龍驤「お前さんが艤装のスイッチをオフにしたのを抜きにしても、情けない数字やねぇ(カレーパクパク」

大鳳「ほらほら、何か抵抗ぐらいしてみなさいよぉ(ウリウリ」

瑞鶴「な、何すんのよぉ~(フラフラ」

蒼龍「か、加賀さぁん。これって今の内に逃げたほうがいいんじゃ……」

加賀「その子から、その汚い手を放してもらえるかしら?」

蒼龍「ダメですよ加賀さん、やめときましょうって!」

赤城「……」

大鳳「あら、誰かしらあの赤い人」

赤城「私は栄光ある第一航空戦隊、旗艦赤城です。瑞鶴さんから手を、放してくださいませんか?(キッ」

龍驤「一航戦の赤城? それじゃあお前さんがあの有名な、赤い悪魔ってヤツやねんな(ナベポーイ」

大鳳「そうなのね、ふんっ!(ポイッ」

加賀「……瑞鶴ッ!」

瑞鳳「なーんだ、大した戦闘力じゃないじゃない(ケラケラ」

龍驤「恐らく瞬間的に戦闘力が高まるんやろ。試してみれば、すぐにわかるこっちゃ」

赤城「あなたたちは一体、何者なんですかッ!?」

龍驤「『タイラ機甲戦隊』いっくでぇ~ッ!」

赤城「加賀さんは瑞鶴さんを、蒼龍さんは飛龍さんをお願いしますッ!」

加賀「赤城さん……瑞鶴、瑞鶴ッ!」

蒼龍「飛龍ぅ~、起きてぇ~(ユサユサ」

龍驤「ほーん、さすがやね。なかなかやるやないの」

赤城「第一次攻撃隊、発艦してください!」

龍驤「あんたらみたいのようにはいかないよ、っとッ!」

瑞鳳「タイラ機甲戦隊の本当の力、見せてやりましょッ!」

大鳳「この程度、この大鳳はびくともしないわッ!」

翔鶴「……すぅ~、ちょっと待ったーーーッ!!」

龍驤「なんやねん。急に大声出して現れてよってからに、こいつらの仲間かいな」

赤城「翔鶴さん。今は戦闘中です、要件は手短に願いますッ!」

翔鶴「何が手短にですか! カレー作るシーンから私、完全に存在が抹消されてるじゃないですかぁッ!」

赤城「そ、それはこの後に出て来るピッコロさん役として翔鶴さんには無双してもおうと」

翔鶴「映画の41分、ぜんぶやる気ですかッ?! おまけにピッコロさんが出て来るの、20分ぐらいからでそれまで私だけぼっちじゃないですかぁ~(ポロポロ」

赤城「……も、申し訳ありません」

翔鶴「そこのなんとか機動隊の、あなたたちもあなたたちです! このままストーリー進むと全員お陀仏、確定ですよッ?!」

龍驤「機動隊やない、タイラ機甲戦隊やッ! にしても、その銀髪の姉ちゃんの言う通りやな」

大鳳「龍驤さん、敵の言う事なんて聞いちゃダメですよ!」

瑞鳳「でも敵は六人だし、ここは素直に話に乗ってみるのもいいかもぉ」

赤城「あの、翔鶴さん。そ、それではどうしたらよいのでしょうか?(ビクビク」

翔鶴「もう知りません! じゃんけんでも何でもすきにしたらいいんじゃないですかッ?!(プンスコ」

龍驤「なぁ赤城はん。あの銀髪の姉ちゃん、ものごっつ怒ってるやんね」

赤城「えぇ、実はあそこまで激昂した翔鶴さんを見たのは私も初めてです(ボソボソ」

瑞鳳「私たちも一緒に謝ってあげりゅから、仲直りしたらどうかなぁ?」

大鳳「私もそれが的確かと、そして勝負は改めて再戦という形でどうでしょうか?」

赤城「そうですね、とりあえず翔鶴さんに謝る前にみんなで暴れた片付けと、他のみなさんにも相談しても?」

龍驤「ならウチらで片付けしとくわ、実際に暴れたんはウチらの方やしな」

赤城「助かります、では後ほど……」

加賀「で、結局。敵方とは一時休戦協定を結び、ぼっちで錯乱している五航戦の子を沈めると」

飛龍「加賀さん、沈めるんじゃなくて鎮めてあげましょうよ(アハハ」

蒼龍「てっきり瑞鶴が何も言わないから、翔鶴もノリノリだと思ってたんだけどなぁ」

瑞鶴「だって中盤に出てくるピッコロさんて花形じゃないですか、てっきり翔鶴ねぇもよろこんでるのかなぁ~って」

赤城「とりあえず、知恵を出し合って翔鶴さんに機嫌を直してもらう方法をみなさんで考えましょう!」


翔鶴ねぇの『機嫌』を直す方法を募集します、ビビっとくるものがない場合は書き溜め分で進めていきます。

人物は登場人物のみ、道具等は無理のない範囲でなら使わせていただきます。

出番が欲しいならベジータ役をやらせてあげたら?···ブロリー映画の
それはそうと、>>1はsageなくていいんだぞ。何か理由があるんなら別だが

>>35
わざわざご指摘ありがとうございます、sageとsagaを間違えていたようです。

次から本編をうpする時はsagaにしますね。

sage と saga を間違えていたアホな>>1が勝手に続けます(中破


加賀「お腹が空いてるんじゃなくて? さっきのカレーを山盛で食べさせたらきっと、機嫌も直るでしょうに」

蒼龍「あーっ、それがですね。襲ってきた敵のボスっぽい人が全部、ぱくぱく食べちゃってましたよ?」

加賀「……さて、私はそろそろおいとましますね(スクッ」

飛龍「材料はまだありますからッ! 翔鶴の機嫌が直ったらまた作りますから、だから帰らないでくださいよー」

赤城「ここはやはり、姉妹艦である瑞鶴さんの提案を伺いたいところですが……」

蒼龍「二人は仲良さそうだけど、ケンカとかしたりするの?」

瑞鶴「そりゃあいくら姉妹だからってケンカぐらいはしますよ、みんなもそれは一緒なんじゃないですか?」

飛龍「じゃあさ、その時っていつもどうやって仲直りしてるの?」

瑞鶴「いやーっ、それはさすがに翔鶴ねぇのプライバシーの問題もありますし(アセアセ」

加賀「案があるのなら四の五の言ってないで早く教えなさい、私は早くカレーが食べたいの」

瑞鶴「いやいや、ほんとこれはちょっと言えないですよ……」

蒼龍「あっ、ごめんね瑞鶴ッ! 言いにくい事もあるもんね、姉妹同士だからって別にそういうのもいいと思うよ(///」

飛龍「なーんだ、ならキャンプ用に用意したテントがあるんだしちょっと翔鶴のこと慰めてきてあげてよ」

赤城「翔鶴さんと瑞鶴さんったら、いつの間にか知らない内に大人の階段を既に昇っていたのね……(ジーン」

瑞鶴「あのですね。なぁ~んか勘違いされてるっぽいですけど、そういうんじゃないですからね?」

加賀「10数えるわ。その間に答えられないのなら、罰として帰投後から鍛錬の量を今の3倍に増やします」

瑞鶴「なにそれ! ずるいし酷いッ!」

加賀「9・8・7……」

瑞鶴「(ごめん翔鶴ねぇ、鍛錬が3倍になるのも翔鶴ねぇがこのまま元気ないのも嫌だよ)」

加賀「4・3・2……」

瑞鶴「しょ、翔鶴ねぇのご機嫌を取るにはひたすら罵倒します! それだけですッ!」

加賀「ば、罵倒ですって? あなた、この後に及んで何をくだらない嘘を……」

瑞鶴「ほんとーですってば! 翔鶴ねぇはその、ちょっとアレな趣味なのッ! さすがにぜんぶは言わせないでくださいよぉ(///」

飛龍「えーとつまり、翔鶴はドMってこと?」

蒼龍「罵倒って何を言えばいいの? 『ばーか』とか『あほー』とか?」

赤城「さすがにそれは……しかし言われてみれば、翔鶴さんを少し厳しく叱ったときは何故かいつも頬を赤らめてうつむいてましたねぇ」

瑞鶴「そうなんですよ。単純な悪口じゃなっくて、思いやりのある意地悪な言葉といいますか」

加賀「皆目、健闘もつきませんが……例えば?」

瑞鶴「あんたがいつも、私に言ってるようなことよッ!」

龍驤「まっ、こんなもんでええか。そっちの塩梅はどーなん?(テントナオシーノ」

大鳳「こちらもまき散らかした薪の回収作業、完了しました!」

龍驤「んーっ、甘いで大鳳。今のじゃ自分、座布団一枚取られてるところやで?」

大鳳「も、申し訳ありません。龍驤さん……」

瑞鳳「大鳳も龍驤さんのくだらないボケに付き合わなくてもいいんだよー、いちいち疲れるからね(アハハッ」

龍驤「自分も言う様になったなー、まあええけどね。で、瑞鳳は終わったん?」

瑞鳳「カレーの余ってた材料と荷物、あとどっかの誰かさんが投げ捨てたカレー鍋もちゃーんと洗っておきましたぁ!」

龍驤「しょうがないやろ! 原作通りにやらな悪党感が出ないんやから、ウチかてカレー鍋を丸ごと一人。おまけに白飯なしで食い切るん、むっちゃ大変やったんやでッ!」

大鳳「相変わらず銀髪の方は焚火の近くで拗ねているようですし、さっきの方たちのところに行ってみます?」

瑞鳳「そーしよー、きっと何かいい案出してくれてるよぉ」

龍驤「大鳳は無視かいな、おまけにあかんで瑞鳳。それ『フラグ』っちゅー、いっちゃん危ない発言なんやで(ゲンナリ」

赤城「かくかく翔鶴、かくかく鹿島……」

龍驤「ほらな、言わんこっちゃない。ウチの勘はよく当たるんや、艦だけになッ!(フンス」

瑞鳳「さっきの大鳳と同じレベルじゃない、おまけにほんとに笑えない作戦なんですけどぉ」

赤城「すみません。私たちも知恵を出し合ったのですが実際、いつもそれで仲違いを解決されているようでして」

大鳳「し、姉妹勘がいるって大変なんですね……」

飛龍「問題は誰が翔鶴のところに行くかだけど、さすがに全員で行くのは多過ぎなのかな?」

瑞鶴「そうですね、いつも翔鶴ねぇとは当たり前ですけど一対一で私がやってましたから……(ゲンナリ」

蒼龍「ほ、ほらっ! 元気出してよ、瑞鶴ぅ。みんなで翔鶴を笑顔に戻してあげて、またみんなで仲良くカレー作ろ?」

加賀「だめよ蒼龍。五航戦の子は罵倒されるのが好みらしいですから、そんな生優しい言葉をかけても逆効果よ」

瑞鶴「私は違うもん! そんな趣味ないですからッ!」

赤城「善は急げと言いますし、翔鶴さんの所へ行く人数と人選を最大9人の編隊から決めるとしましょうか」

龍驤「もうそれ変態やないかーって、ウチらもやるんかいッ?!」

大鳳「ボケとノリツッコミの合わせ技、勉強になるわね……(メモメモ」


翔鶴ねぇを罵倒しに行く子を>>43から早い者勝ちで、参加人数も>>43のコンマ一桁で決めます。

0と9の場合はお察し、そして埋まらない場合は>>1が書き溜めを(ry

りゅーじょーちゃんで

↑のコンマ一桁8ってことは全員決定で翔鶴をボロクソに罵倒かな?

龍驤「あーもうアホらし。人数やら人選やらを決めてる暇があるんなら、ほな全員で行こうや(ニヤリッ」

瑞鶴「ちょっとあんた、どさくさに紛れて何てこと言ってんのよ! いくらなんでも全員とか、ましてや私は絶対に嫌よッ!」

加賀「安価は絶対。でも>>1もまさか、全員参加の『8』が出るなんて思わなかったでしょうね……」

蒼龍「うーん、私うまく出来る自信がないよぅ」

飛龍「心配ないって、それに蒼龍みたいな普段怒らなそうな子に叱られた方が翔鶴はむしろ喜ぶんじゃないの?」

赤城「確かに私も指導艦としてよく付き添ってはいるけれど、そんな気がしますねぇ(ボーキポリポリ」

大鳳「私たちは元から敵同士ですから罪悪感がないと言いますか、むしろ気にしませんが」

瑞鳳「でも一人ぼっちにされてた子をみんなでいぢめるなんて、やっぱり可哀想だよぉ(シュン」

加賀「いぢめるのではないわ。元気付けてあげるだけよ、勘違いしないで頂戴……(フフフッ」

赤城「ま、まぁ直接暴力とかを振るう訳ではありませんし……」

飛龍「でもそれって結局。どこまでならOKなのかいまいち、ラインがわからないんですよねぇ」

蒼龍「ねぇねぇ瑞鶴ぅ、ちょっとでいいからお手本見せてみて?」

瑞鶴「ファッ?! 無茶言わないで下さいよ蒼龍さん、それってここで私に公開処刑されろってことですよッ?!」

大鳳「あの銀髪の方ってあなたのお姉さんなのでしょう? もし私たちがやり過ぎて、心に深いキズを負わせてしまっても?」

瑞鶴「うぐっ、それは困るわね……」

加賀「手本の相手役なら私が勤めます、それならあなたもやりやすいのではなくて?」

瑞鳳「おねがぁ~い、正しい罵倒のやり方。私たちみんなに……教えてくれりゅ?(ウワメヅカイ」

瑞鶴「教えりゅうううぅぅッッ!!」

>>43 素敵なコンマ、ありがとうございます(白目

>>44 そうなりますね、3~5ぐらいで描き溜めてたので大幅修正です

まさかの全員参加で焦っております、ちょっと更新までにお時間もらいます(大破

age 失礼しました、テンパってるようです

まあ、その、なんだ……すまん

>>49 幸運の安価ですって? そうじゃないの、一生懸命やってるだけ……よ(白目


鳳翔さん、新水日おめでとうございますッ! お母さんが出てくるお話しも、近い内に描いてみたいものです。


翔鶴「はぁ、いくらなんでも言い過ぎたかしら。さっきまで片付けをしてくださっていた3人も、いつの間にかどこかへ行ってしまったようですし……」

ガサガサ、ゴソゴソ……

翔鶴「きゃぁっ、瑞鶴ッ! 先輩方、今あの草むらの中でヘンな音が……って私、今一人だったわね(ハイライトオフ」

パチッ、パチッ……(タキビーノ

翔鶴「さすがに夜になると焚火だけじゃ冷えるわね、テントまで直してもらいましたし。せっかくなので、使わせてもらおうかしら(ガサゴソ」

赤城「……翔鶴さぁ~ん、まだいらっしゃいますかー?」

翔鶴「(この声は赤城さん、探しに来てくれたんだわ!)……あ、赤城さ」

蒼龍「ねぇ龍驤ちゃん、ほんとに焚火のとこに翔鶴が居たの?」

龍驤「あたり前田のクラッカーや。ウチらまで探すの手伝うゆーとるに、わざわざ嘘つく意味ないやろ」

大鳳「私も証人になりますよ、確かにここで座り込んでいました」

飛龍「だから言ったじゃないですかー、いくらなんでもずーっと同じ場所には居ませんってばー」

瑞鳳「それに元気もない感じだったし、もう先にお家まで帰っちゃったんじゃなかなぁ?」

加賀「はぁ、全く。癇癪を起して騒いだ挙句に単独行動ですか、これだから五航戦の子は」

瑞鶴「うーっ、もしも翔鶴ねぇに何かあったら嫌だし。もう少しだけ、もう少しだけ一緒に探してください……お願いしますッ!(アナタサゲー」

赤城「まぁまぁ瑞鶴さん、頭をあげてくださいよ」

龍驤「そーやで自分、そないまであのわがままな姉ちゃんが大切なんか?」

翔鶴「(瑞鶴ったら、こんな自分勝手な私の為にそこまで……ッ)」

【~~~ 回想 ~~~】

瑞鶴「作戦その1。まずは翔鶴ねぇを必死に探すフリをして不安感を煽ってください、ちょっとおおげさぐらいでもいいかな?」

大鳳「あのーいきなり質問ですが、あなたのお姉さん。焚火の近くで座り込んでましたが、鉢合わせしても支障はないのでしょうか?」

蒼龍「えーっ、ダメだよそれじゃあ。向こうまで行ってすぐに翔鶴が見つかっちゃたら、作戦も何もないんじゃ……」

龍驤「あー、それについては問題ナッシングや……ま、多分やけどな(フフン」

瑞鳳「ふぇっ、龍驤ちゃんってばもう何か仕掛けでもしてきたの?」

龍驤「ウチ、テントの設営を直しとったやんね。こんだけ寒い夜に一人で外に居続けるぐらいなら普通、目の前にあるテントに潜り込んでるやろ」

赤城「確かに、いつまでも焚火で暖をとるよりはその可能性の方が遥かに高そうですねぇ(ボーキポリポリ」

飛龍「でも実際にあっちまで行ってみて翔鶴がいなくても、それがテントに居るって事にはならなくないですか?」

加賀「確かにそうね。あの子の性格上、むしろ先に一人で泣きながら鎮守府まで帰ってる可能性も十二分にあるわ」

飛龍「おまけに例えテントに居たとしてもさ、ノックして中身を確認するわけにもいかないでしょ?」

龍驤「んっふっふ。そーれーもー対策はバッチグーやで、自分らウチに感謝しいやッ!(ドーーンッ」

大鳳「……して、その対策とは?」

龍驤「テントのジッパーをわざと全開にしとってん、入りやすいようにな。つまりテントが完全に閉まってたら、やっこさんが中におるっちゅーこっちゃ」

加賀「この子。てっきりただのお馬鹿さんかと思っていたのだけれど、なかなかの策士じゃない……(フフッ」

【~~~ 現在 ~~~】

赤城「(龍驤さんの言った通り焚火の近くに翔鶴さんの姿はありませんし、テントのジッパーもきっちり閉まってるわね……(OKサイン)」

加賀「(コクリッ)……そう軽々しく頭を他人に下げるものではないわ、もっと自分にプライドを持ちなs」

瑞鶴「私のプライドなんてどうでもいいですよッ! 必要なら土下座でも寒中水泳でもなんでもするわ、だからお願い……お願いしますッ!」

龍驤「あーもうやめときーな。お前さんの姉ちゃん想いに免じて今回だけ特別やでぇ、瑞鳳も大鳳も別にええやろ?」

瑞鳳「もちろんだよぉ。きっと今頃どこかで孤独と不安で心細く、一人で震えてるに違いないってば!」

大鳳「それに万が一という可能性もありますし、早急に発見することに越したことはないかと」

翔鶴「(どうしましょう。ここまで大事になると『実はここに居ますよー』なんて、出て行きにくくなってしまったわね……)」

蒼龍「翔鶴ぅ、聞こえてたら返事してー! もう誰も怒ってないし、みんな心配してるよぉ~!」

飛龍「翔鶴ーっ、お姉さんのあんたが妹の瑞鶴に心配かけてどうするのよー! さっさと出てきて、みんなで仲直りしよーよーッ!」

翔鶴「(うぅ、二航戦のお二人方まであんな必死で探してくれてる……でもでもっ、元はと言えばみなさんが私のことを忘れるから)」

しょうかくーっ! しょくかくねぇ~っ! ぎんぱつのねぇちゃぁ~ん! しょうかくさぁ~んッ!!

翔鶴「(……よぉしッ! ここは瑞鶴に習って意地を捨てて、みなさんに誠心誠意を込めて謝ればきっと)」

加賀「……ちょっといいかしら、もうやめませんか? これ以上続けても、ただの徒労だわ(フゥ」

赤城「加賀さん、なんてことをッ!(キター」

【~~~ 回想 ~~~】

瑞鶴「作戦その2。きっと始めは意地を張ってる翔鶴ねぇも、みんなが必死に探してる声を聞いたらどうなると思います?」

瑞鳳「えーっとぉ、嬉しいのと申し訳ないのとでテントから出てきてくれりゅ?」

龍驤「甘いで瑞鳳。こんなめんどーな作戦を立てな素直にならん意地っ張りが、自分からそう簡単に出てくるかいな」

瑞鶴「その通りです、きっと翔鶴ねぇはテントから出て来れずに歓喜と罪悪感とほんの少しの希望でかなり困惑するハズです(ニヒヒ」

加賀「あなた、性格悪いのね……」

瑞鶴「うっさい! 外野は黙っててください、それにいつもの仲直りの方法を教えろって言ったのはあんたじゃないッ!」

飛龍「はいはい。お互いに憎まれ口は叩かないの、めっ! それで瑞鶴、その後は?」

瑞鶴「あっ、えーっと。こっちが下手に出るのを一気にやめるんです、謝ったりとか……」

蒼龍「じゃあ今回の場合は、みんなで探すのを中断するってことでいいのかな?」

瑞鶴「そうなりますね、そしたら今度は翔鶴ねぇを除いた他の人と仲良くしてる姿を見せつけて嫉妬させるんです」

蒼龍「そっかー、それでよく瑞鶴は私たちのところに一人で遊びに来てくれることが多いんだぁ(アハハッ」

瑞鶴「ご、ごめんなさい……(///」

赤城「なら加賀さんにその合図はやってもらいましょう、タイミングを計るのが一番上手そうですし(ボーキポリポリ」

加賀「あ、赤城さんに頼まれたのならやぶさかではありません……(ポッ」

龍驤「あっつッ! さっきから全然、寒くないと思ってたら原因はこの青い姉ちゃんの排熱かいな」

大鳳「仲がよろしいんですね、一航戦のお二人も」

瑞鳳「悪口とかは苦手だけど、愚痴ならいっつも龍驤ちゃんの相手をしてるからそれなら私にもできそぉ!」

龍驤「瑞鳳、それ以上はやめっ! ウチ、本気で泣くで……?」

【~~~ 現在 ~~~】

飛龍「私も加賀さんに賛成かなー、翔鶴だって子供じゃないんだし朝になれば帰ってくるでしょ?」

大鳳「それにこれだけ探して見つからないのなら、やはり既にあなた方の鎮守府へ先に一人で帰投しているのでは?」

瑞鳳「さすがに私も疲れちゃったよぉ。それにもし見つかってもあんなに怒ってた人とか私、正直ちょっと怖いなぁ」

龍驤「せやなぁ、ウチらとしても延々と迷子の子猫ちゃん探しに付き合ってる訳にいかんしやなぁ」

瑞鶴「……そうですよね。きっと翔鶴ねぇも今、私たちと顔を合わせたくないからきっとどこかに行っちゃったんだろうし(ショボン」

翔鶴「(ここっ! 私はここに居るわよ、瑞鶴ぅ~ッ!)」

赤城「甲板胸シスターズのみなさん。こんな時間まで捜索にお付き合いをいただき、申し訳ありませんでした(ペコー」

龍驤「『タイラ機甲戦隊』って言ってるやろッ!……まぁええわ、ほんなら解散で」

蒼龍「あのぉ~、お詫びと言ってはなんですが、カレーの材料がまだたくさんあるのでよかったら食べてってくれませんか?」

大鳳「……キャンプ場でカレー、いい案ねッ!(キラキラ」

瑞鳳「龍驤ちゃぁ~ん、せっかくのお誘いなんだしご馳走になってこうよぉ(ユサユサ」

龍驤「しゃーないなぁ、断るんも野暮っちゅーもんやし……ほんならご相伴にあずかるわ、あんがとさん(ウチはもうお腹いっぱいやで!)」

【~~~ 回想 ~~~】

瑞鶴「作戦その3、最後に思いっきり愚痴って下さい。あっ、でも悪口とかじゃなくて。あくまで愚痴でお願いします!」

蒼龍「そっかー、だからいつも瑞鶴がケンカの愚痴を私たちと話してる最中に翔鶴が謝りに来てたんだー(ケラケラ」

飛龍「それってじゃあ、毎回こっそり部屋のドアで聞き耳を立ててるってこと? 翔鶴、なんて不憫な子……(ゲンナリ」

加賀「つまり手順としては心配や謝罪で自身を相手に意識させ、一気に突き放して慌てさせた後。他の子と仲睦まじい姿を見せつけて嫉妬、気に掛けさせての誘い出し……ですか、めんどうな子ね」

赤城「まったく手のかかる可愛い後輩ですねぇ、でも本当にそこまでして大丈夫なんですか?(ボーキポリポリ」

瑞鶴「安心してください! さっきも言った通り翔鶴ねぇはドMなので、少し優しくしたあとに冷たくすれば捨てられたわんこの様に飛びついてきて自分から謝ってきてくれますッ!」

龍驤「まぁ実際、それで何度も仲直りに何度も成功してるっちゅーんやからそれで間違いないんやろ(ホゲー」

瑞鶴「あっ、一応言っておきますけど翔鶴ねぇが自分から謝ってきてくれたらちゃんとフォローお願いしますよ?」

大鳳「なら私や瑞鳳さんにも任せて下さい、いつも龍驤さんでフォローで慣れていますので」

龍驤「大鳳まで……(ヒクヒクッ」

【~~~ 現在 ~~~】

加賀「外で食べるカレーと言うのも別段、悪くないものね(パクパクッ」

瑞鶴「なーにが悪くないよ、あんたが一番おいしそうに食べてるじゃないッ!」

赤城「やはりキャンプはカレーに限りますねぇ、一汗かいた後だと尚更です!(モグモグッ」

翔鶴「(もうみんなでカレーを食べているのね、私も仲良く一緒に食べたかったわ……)」

龍驤「それにしても、ずいぶんと勝手な姉ちゃんやなぁ。鎮守府に帰ったらウチらの分まで説教たのむで、ほんまに」

飛龍「わかってますよー、こっちだって翔鶴のおかげでせっかくの楽しいキャンプが台無しで怒ってるんだから!」

蒼龍「今回ばかりは私もちょっと怒ってるよぉ、翔鶴ってもっと聞き分けのいい子だと思ってたんだけどなぁ」

大鳳「その反応で当然ですよ、艦娘たるもの独断で行動すること自体にモラルの低さを感じます」

瑞鳳「みんなの迷惑や心配も考えれない自分勝手なお姉ちゃんかぁ、私も妹だけどちょっと嫌だなぁ」

翔鶴「(み、みんなが私のことを悪く……それなのに、それなのにどうして私はこんなに喜んでいるのぉ~///)」

瑞鶴「(テントがもそもそ揺れてるわね、ここらで一気に決めたいわね!)……ズイ₍₍ (ง ˘ω˘ )ว ⁾⁾ズイ」

赤城「(あれは瑞鶴さんからのトドメのサイン!)……わ、私も指導艦としてやっていく自信がもうないですね!」

飛龍「別にいいんじゃないですかー、あんな子なんて放っといても(ケラケラ」

蒼龍「そうですよぉ、赤城さんまで迷惑をかけられる姿とか私も見たくないですし」

加賀「……さて。そろそろ私たちもお開きにしましょう、あんな子一人の為に時間を無駄にしたくないわ(スクッ」

瑞鶴「そうですね、じゃあ『翔鶴ねぇのことなんて忘れて』みんなで仲良く帰るとしますかッ!」

翔鶴「ちょ、ちょっと待ったーーーッ!!!」

一、二航戦s「(ほんとに釣れた…………)」唖然

大まかな下書きは出来ているので、18日のイベ前までにはドラゴ●ンボールパロ編を一段落できるようにしますのでもう少々お待ちを。

龍驤「う、うわー。急にどないしてん、どこにもおらん思っっとたらテントに中におったんかいなー」(棒読み

大鳳「どうりで探しても見つからないハズだわ、でもそれなら今までの会話を全部聞かれてしまったのではー」(棒読み

瑞鳳「えーっ、どーしよー。私たくさん酷いこと言っちゃったよぉ、また怒られりゅうううぅぅッ!」(本音

瑞鶴「(もうアイツら、演技ヘタくそねッ!)あれーっ、翔鶴ねぇじゃん。てっきり一人で先に、もう帰っちゃったんだと思ったんですけどぉ?(ニヤリ」

翔鶴「えー、えーっと。それはね、瑞鶴、そのぉ……(///」

加賀「(まさかこうまで台本通りに事が進むとは、さすがの私も思いませんでした)」ヒソヒソ

蒼龍「(おまけにほっぺも耳も真っ赤っかですし、やっぱり翔鶴ってアレなんですね///)」ボソボソ

飛龍「(てか何が『フォローは任せとけー』よ、駆逐艦の子でももう少しまともな演技しますよー)」ムスー

赤城「(まあ何にせよ、ここから先は瑞鶴さんに任せて私たちはそれに合わせましょう)」ボーキポリポリ

瑞鶴「それで? 今さら何のご用ですかぁ? 今までみんなで寒い中、必死に翔鶴ねぇを探してたんですけどぉ~(ニヘラ」

翔鶴「え、えぇ。みんなの声もちゃんと聞こえていたわ、でも引くに引けなくなちゃって……(オロオロ」

瑞鶴「ふぅ~ん。なのに自分一人だけ、あったかいテントの中で休憩だなんて、ずいぶんといいご身分だよねぇ?(ニヒヒッ」

翔鶴「ち、違うの瑞鶴ッ! お願いだから、私の話しもきいt」

瑞鶴「あーでもテントの中に居たんじゃ私たちの愚痴も聞こえちゃったかぁ、また怒って騒いでみんなに迷惑かけるの?(ケラケラ」

翔鶴「うぅ、ううぅ……ごめんなさい、最初はただ仲間はずれにされてるのが寂しくて……(グスッ」

赤城「(むむっ、翔鶴さん泣き出しちゃいましたよ? さすがにこれは、言い過ぎなのでは?)」

飛龍「(大丈夫ですよ赤城さん、いつもああやって一回泣かせるのがテンプレらしいので……)」

瑞鶴「それは翔鶴ねぇの都合と、ただの原因でしょ? なぁ~んですぐ、テントから出てきて謝るぐらいできないのかなぁ(ハァ」

加賀「(ここまでくるともう、リアル昼ドラね。私、あの枠が結構好きだったのだけれど)」

蒼龍「(私もですよー、お昼はやっぱり「いいとも~っ♪」ってしないと『お昼ッ!』って感じがしないんですよねぇ)」
翔鶴「ごっ、ごめんなさい瑞鶴ッ! 意地を張ってた私が悪かったわ、本当にごめんなさい……(グスッグスッ」

瑞鶴「あーっもういいよ、翔鶴ねぇ。私もちょっと言い過ぎちゃったし、ごめんね?(ナデナデ」

翔鶴「瑞鶴ぅ、ありがとう。でもみなさんにもきちんと謝らないと、許してもらえるかしら……ッ(ズーン」

瑞鶴「だーいじょぶだって。幸運の女神がついてるこの私も一緒に謝ってあげるからさ、ね?」

翔鶴「……ほ、本当?(ウワメヅカイ」

瑞鶴「(あぁ~^泣き顔で高揚してる上目遣いの翔鶴ねぇ最高ずい^~)と、当然じゃないッ!」

翔鶴「でも、でもっ! やっぱり恥ずかしくて無理よ瑞鶴ぅ~ッ!(罵倒されて興奮してただなんて///)」

瑞鶴「ほら、先輩たちも敵だった3人もみんな翔鶴ねぇをずっと心配してくれてたんだよ?」

翔鶴「……えっ?(キョトン」

龍驤「おっ、姉妹ケンカはもう終わったんけ? まったく、困った姉ちゃんやなぁ(ケラケラ」

大鳳「龍驤さん、そんな失礼なこと言ってはいけませんよ。とっても素敵な、姉妹愛じゃないですか」

瑞鳳「でもよかったぁ~、ケガとかなくて。みんな揃って、ほんとに心配してたんだよぉ?」

翔鶴「ごっ、ごめんなさい。あなた方にまで大変ご迷惑と心配をかけてしまって……(アタマサゲー」

龍驤「そういう湿っぽいのはナシや、それにウチらよりも自分を心配してくれとったそこの4人へのあいさつが先やないの?」

翔鶴「あっ……ッ!」

龍驤「ほら見てみぃ、姉ちゃんの元気な妹が先にもう向かってってなんか話しとるでぇ~(パタパタ」

瑞鶴「赤城さん、加賀さん。それと飛龍さんに蒼龍さん、この度は翔鶴ねぇがご迷惑をおかけしてすいませんでしたッ!(フカブカー」

翔鶴「瑞鶴ッ! ……先輩方、本当に申し訳ありませんでした。どんな罰も受ける覚悟ですので、その……どうか」

瑞鶴「私からもお願いしますッ! なんでも言うこと聞きますから、翔鶴ねぇのこと……許してあげてくださいッ!」

翔鶴「私も、私も何でもしますッ! ですからまたみなさんと、みなさんと一緒に仲良くいさせてくださぁ~いぃ……(グスッ」

飛龍「はぁ~。じゃあ私からは『今すぐ頭を下げるのと泣くのをやめること』ね、そんなんじゃ仲直りできないでしょ?(ニコッ」

翔鶴「びりゅうざぁ~んッ!(ウェーン」

飛龍「ほらほらぁ、言うこと何でも聞いてくれるんじゃなかったの?(ナデナデ」

蒼龍「えへへっ、じゃあ私は『一緒にカレー食べよ?』かな。ちゃ~んと翔鶴の分はとってあるんだから、お腹空いてるでしょ?」

翔鶴「ふえぇっ、ぞうりゅうざんまでぇ~ッ!(グスン」

蒼龍「寂しい想いさせちゃってごめんね、翔鶴。でも誰も、翔鶴のことを悪くなんて思ってないよぉ(ギュゥ」

赤城「ふふっ、なら私は『ボーキサイトをありったk』」

飛龍「……赤城さぁ~ん?(ギロリッ」

赤城「じょ、冗談に決まっているではありませんか。それなのに飛龍ったら、何もそんなに怖い顔をしなくても」

飛龍「赤城さんだと全く冗談に聞こえないので、それで赤城さんからは何か?」

赤城「んーっ、そうですねぇ。では『もっと仲良くなりましょう』でどうでしょうか?」

翔鶴「ヒック、ヒック……もっと仲良く、ですか?」

赤城「翔鶴さんは何でもかんでも、全部を一人で背負い過ぎです。妹の瑞鶴さん然り、私たちがいつでもあなたを想っていることを忘れないで?(ニッコニコ」

翔鶴「ううぅっ、ありがどうございまずぅ……私、どっでも嬉しいでずぅ~」

瑞鶴「……ほらそこの青いサイドテールの人も何か言ってくださいよ、締まらないじゃないですかぁ(ウリウリ」

加賀「わっ、私は別段ありませんので」

蒼龍「加賀さぁ~ん、いぢわる言ってないで。ほらほらっ、翔鶴も加賀さんが何か言いたいことがあるってよー」

加賀「だっ、だから私からは特に何もないと(アセアセ」

赤城「加賀さん……たまには素直になって想いを直接、相手へ言葉で伝えるのも大切なことですよ?」

加賀「…………五航戦の。いえ、翔鶴。」

翔鶴「はっ、はひっ?!」

加賀「『今後一切、私や皆の身の回りの世話をする事』それで今回は勘弁してあげます、光栄に思いなさい(プイッ」

赤城「ぷっ……あははっ! 加賀さんってば、本当に照れ屋さんなんですねぇ(ケラケラ」

加賀「あっ赤城さん、何を根拠にそんな」

瑞鶴「みんなの身の回りのお世話をしろーってことはつまり、ずぅ~っとみんなで一緒にいよーってことでしょ?」

加賀「なっ、何をバカなことをッ?! わっ、私はただ雑用係りがほしかっただけで」

飛龍「それなら別に『みんな』を条件に入れなくてもいいですよね、加賀さん?」

蒼龍「やっぱり加賀さんは優しいなぁ。翔鶴が最初に言った『みんなと一緒に居させて』を直接、叶えてあげるなんて(クスクス」

加賀「……これ以上、おふざけに付き合っていられません。私、カレーの残りをいただいてきますから(スタスタッ」

瑞鶴「あれ? カレーって確かもう、翔鶴ねぇの分ぐらいしかないんじゃ」

飛龍「それをわざわざ先に、温めに行ってくれるなんて。さすがの一航戦ですねぇ、赤城さん……ッ(ププッ」

赤城「もう飛龍ったら、笑わないの(フフッ」

蒼龍「じゃあ私、加賀さんのお手伝い行ってきますねー!」

瑞鶴「……仲違い、終わりよければ、美しきかな(ボソッ」

飛龍「おっ。瑞鶴ったら風流じゃーん、字余りだけど今回に限ってはぴったりかな」

赤城「ふふっ、そうですね。とっても素敵な、私たちへの句ですね」

赤城「あら、これは何かしら……?」(式神紙

龍驤「(再戦、楽しみにしとるからな! ほな他のみんなとアホ姉妹へもよろしゅうに、龍驤より)」

飛龍「赤城さぁ~ん、早くこっちで加賀さんのご機嫌取るの手伝ってくださいよぉ~!」

赤城「はぁ~い、今行きますよーっ!(なんだか不思議なお友達ができちゃいましたね)フフッ」


※劇場版『ドラ●ンボールZ とびっきりの最強対最強』編 艦!

瑞鶴「OPからのパロ具合や物語の続きが気になる提督さんは、同作品をレンタルずい!」

これにてパロ編は一旦終了です、翔鶴ねぇのドMさをもっと前面に活かしれていれば……くッ!
艦これイベがあるので更新はちょっとずつ書き溜めをして、ちょっとお休みになります。

パロ編が思った以上に長くなってしまったので、次回からはもう少し短めの日常を描ければなと。
…もしかしらたら、タイラ機甲戦隊との再戦もあるかもねッ!(あるとは言ってない

艦これイベントもついに18日~ですが、がんばりましょーっ! ズイ₍₍ (ง ˘ω˘ )ว ⁾⁾ズイ


ついでに>>80-85ぐらいで、読んでみたい日常ネタや登場キャラがあれば募集をしておきます。
特に何もなかったら>>1が孤独に黙々と(ry

瑞加賀の1日をねっとり描写して、どうぞ

胸部装甲ネタ

鳳翔さん他軽空母勢との絡み

(アーケード版で)数多の未来の可能性からおっぱいが大きくなる未来を転移現出させる事に成功したずいずいに皆から一言

居酒屋で飲み会

瑞鶴葛城龍驤瑞鳳大鳳対蒼龍でたわわチャレンジ

>>80 瑞加賀の1日をねっとり描写して、どうぞ

>>81 胸部装甲ネタ

>>82 鳳翔さん他軽空母勢との絡み

>>83 (アーケード版で)数多の未来の可能性からおっぱいが大きくなる未来を転移現出させる事に成功したずいずいに皆から一言

>>84 居酒屋で飲み会

>>85 瑞鶴葛城龍驤瑞鳳大鳳対蒼龍でたわわチャレンジ

おいしいネタのご提供、ありがとナス! 早速、イベを消化しつつ色々と書き溜めていこうと思いマース!

【加賀さんと瑞鶴のとある一日】

加賀「やっ、やめなさい瑞鶴……二人きりだからといってこんなこと、許されないわ」ヌチャァ

瑞鶴「だってしょうがないじゃない! がっ、我慢ができなかったんだもんっ!」ネットリ

加賀「それ以上、動かないで頂戴。お願いだからこれ以上は、もう……ッ」///

瑞鶴「別に恥ずかしがることないでしょ? 私たち二人っきりでお留守番なんだしさぁ」グイグイッ

加賀「そっ、そういう問題ではありません……」

瑞鶴「ほらもうっ! 観念して暴れないでおとなしくしてよ、優しくするからさ……」ヌガセーノ

加賀「まさか朝食の納豆一つで、ここまでの大惨事になろうとは……不覚です」ゲンナリ

瑞鶴「あんたがいけないんじゃないっ! 私が楽しみに食べようとしてるとこに、急につまずいてきてさぁ」

加賀「だからそれは既に謝ったでしょう、問題はこの汚れた服をどうするかよ」キガエズミ

瑞鶴「さすがにここまで汚した服を、みんなが使う洗濯かごへは……ちょっと、入れられないわね」

加賀「仕方がありません、責任は私にありますし……ちょっと、ついて来なさい」トコトコ

瑞鶴「さっすが加賀さん! なんだかんだ言っても一航戦の先輩よね、頼りになるじゃないっ!」

瑞鶴「……で?」

加賀「で、とは?」キョトン

瑞鶴「なんで服をきれいにする為に、抜錨する注水ドックまで来てるのかって聞いてるのよ!」

加賀「ここの注水されている海水でこっそり、衣服の汚れを落とせば問題ないわ」

瑞鶴「大ありよ、海水で服が傷んじゃうかもし知れないじゃない!」

加賀「大を生かすために、小を犠牲にする。戦場では悲しいけれど、これが現実よ」

瑞鶴「もし最悪、納豆の汚れや臭いが取れても磯臭い服なんて嫌よ私はっ!」

加賀「ならあなたが『この服をこっそりきれいにしてもらえませんか?』と、誰かに頼んできなさい」

瑞鶴「ぐぬぬぬっ、一瞬でもあんたを信じた私がバカだったわ……ッ」

加賀「あら、自分のことをよく理解しているのね。少し、評価をあらためなくては……」フフッ

瑞鶴「あぁ~もう頭にきたッ! 全機爆装、目標……納豆臭い青い服を持ったヤツ、やっちゃって!」ブーン

加賀「私にケンカを売るだなんて、本当にバカなのね。いいでしょう、鎧袖一触よ」ハッカンヨーイ

??「……二人共、今すぐに弓を納めなさい」スタスタ

瑞加賀「(こ、この声は……ッ)」ガクガクッ

鳳翔「大きな声がしたと思ったらあなたたちでしたか、それで一体ここで何をしていたのですか?」

瑞鶴「お、お母さんっ! 違うの、これは加賀さんが……(って、あんたも何か言いなさいよ!)」

加賀「(チーン)」白目

瑞鶴「(た、立ったまま気絶してる……ッ!)」

鳳翔「私が皆に弓を教えたのはお国の敵方を討つ為、そして大切な仲間を守る為だったハズですが?」ゴゴゴッ

瑞鶴「加賀さんッ! ほらっ、一緒にお母さんに謝ろうよ! ねーってば!」ユサユサ

加賀「はっ!? 私は一体……ッ」

鳳翔「何か、申し開きはありますか? 加賀ちゃん、瑞鶴ちゃん」ニコニコ

瑞鶴「かくかく翔鶴」

加賀「かくかく鹿島」

鳳翔「なるほど、それで誰にもバレないようにと。だからと言って、それが仲間に弓を向けていい理由にはなりませんよ?」

瑞加賀「お母さん、ごめんなさい……」ショボーン

鳳翔「それとお互い、謝る相手が違うでしょう?」

瑞鶴「……加賀さん。イライラしてたからって先輩に弓を向けるとか、すいませんでした」フカブカー

加賀「私の方こそ大人げがなかったわ、そもそもの原因は私なのにごめんなさいね」ペコー

鳳翔「はいっ、じゃあ二人が仲直りできたところでこのお洋服をきれいにしちゃいましょうか」

加賀「いえっ! そんな、お母さんのお手をわずらわせるようなマネは……」アセアセ

瑞鶴「って言うかお母さん、外出届けを出して今日一日はお休みだったハズじゃないんですか?」

鳳翔「私はお店の小物や買い出しに出ただけですからね、戻って来るのが早くてよかったわ」ニコニコ

瑞加賀「(あ、あなたが天使か……ッ!)」

鳳翔「これは……普通にお洗濯してもいいのだけど、やっぱり臭いは残っちゃいますからね」イソイソ

加賀「そうなのですか?」キョトン

鳳翔「なので加賀ちゃんはお水とお湯を、瑞鶴ちゃんは漂白剤とタオル。それと霧吹きを明石さんのお店で見繕ってきてくれますか?」

瑞加賀「はいっ、今すぐにッ!」タタタッ

瑞鶴「お母さぁ~ん、ただいまぁ~」パタパタ

加賀「ただ今戻りました、これ足りるでしょうか?」タプタプ

鳳翔「はい、お帰りなさい……えぇ、これだけあれば充分よ。ありがとう、二人とも」ニコニコ

加賀「い、いえ。私たちが汚した衣類の面倒を見ていただけるなんて、お礼を言うのはこちらの方です」

瑞鶴「そうだよお母さん。ねぇねぇ、隣でどうやってきれいにするか見ててもいいかな?」ヒョコ

鳳翔「ふふっ。じゃあ、せっかくですし二人にもお手伝いをお願いしちゃおうかしらね」

鳳翔「まずは衣類の目立たない隅っこでに漂白剤をかけて、色落ちや変化がしないか確認をしましょうね」

加賀「では、ここは私が……」タラー

鳳翔「その間に瑞鶴ちゃんは霧吹きの中にお水と漂白剤を混ぜて、薄めたスプレーを作っちゃいましょう」

瑞鶴「はーいっ! んーっと、漂白剤の分量は……これぐらいかなぁ~っと」トプトプ

鳳翔「……加賀ちゃん、お洋服に色の変化や生地に何か問題はありそうですか?」

加賀「いえ、別段なさそうです」

鳳翔「なら大丈夫ですね。では瑞鶴ちゃんはそのスプレーをたっぷり、お洋服全体にかけちゃってください」

瑞鶴「了解ずい、アウトレンジで決めたいわねっ!」シュシュシュ

瑞鶴「お母さんっ、どぉどぉ?」フンス

鳳翔「えぇ、とっても上手ですね。お次は濡れたお洋服をタオルでポンポンと、拭いていきましょうか」

加賀「お母さん、こんな感じでどうでしょう?」ポンポン

鳳翔「んー、もう少し圧をかけて。そう、しっかりめに水分をとりましょうね」

瑞鶴「やーい、一航戦なのにお母さんに注意されてるぅ~」ニヤニヤ

鳳翔「ダメですよ瑞鶴ちゃん、それにこれは加賀ちゃんがお洋服に対しても優しいからよね?」フフッ

加賀「みんなとお揃いの、大切なものですから……」///

鳳翔「それでは最後にお湯を全体にかけ、火傷に注意しながら別のタオルでもう一度拭いてみましょうね」

加賀「瑞鶴。危ないからどいてなさい、一緒にあなたの分もやるから」タプタプ

瑞鶴「えっ? あ、ありがとうございます……」キョトン

鳳翔「(ふふっ、ずいぶんと後輩想いの先輩ですね)」ボソッ

瑞鶴「(はい。とっても優しくて頼りになる、私の自慢の先輩ですから)」ミミウチ

加賀「お母さん、終わりまし……私に隠れて内緒話ですか、一体何を?」

瑞鶴「べーだ! 絶対にあんたには、教えてあげないもんねーっ」

加賀「お母さんの前と言えど、さすがに頭にきました」イラッ

鳳翔「(仲良しさんですねぇ、まあ私が間に入るのも野暮ですし)」フフッ

鳳翔「はいっ、これでだいぶ臭いが取れたと思いますがどうでしょうか?」

瑞鶴「くんくんっ……あっ! ほんとだ、水洗いしただけの時より全然違うよ!」

加賀「すごいですね、まるで魔法のようです」

鳳翔「もし一度で臭いが取れない場合には、これを何度か繰り返してみるといいですよ」ニコッ

瑞鶴「じゃあ私、加賀さんの分も一緒に外へ天日干しにしてきまーっす!」タタタッ

加賀「あっ、瑞鶴っ! すいませんお母さん、そそっかしい子で」ペコー

鳳翔「手のかかる子ほど可愛いと言うのは本当みたいですね。ねぇ、加賀ちゃん?」

加賀「なっ、何のことやら私にはさっぱりですが……」プイッ

鳳翔「瑞鶴ちゃんと一緒に居るあなたを見ていると、私まで自然と笑顔になってしまうわ」フフッ

加賀「……そうですね。あの子はとっても優秀な、私の大切で可愛い後輩ですから」


【加賀さんと瑞鶴のとある一日】艦!

今朝の地震でびっくりしましたが、E4も無事に甲で突破できたので他のもネタも書き溜めていくずい!

【瑞鶴が可能性の獣になったよ 祝賀会!】

瑞鶴「……って、なんじゃこりゃーーーッ?!」

鳳翔「あら主役の瑞鶴ちゃん、いらっしゃい。もう他のみなさんは既に、奥の個室でお待ちですよ?」

瑞鶴「いやいやいやっ。私はただ今日『みんなでご飯』としか聞いてないんですけど、おまけに何なんですかこの垂れ幕は……」ポカーン

鳳翔「ささっ、今日は大部屋を貸し切ってますから。お料理はもちろん、お酒も特別に奮発しちゃいますからね」ニコッ

瑞鶴「ど、どうも……はぁ、私ってば一体いつの間にバナージ・リンクスになってたのかしら?」スタスタ

瑞鶴「(コンコンッ)遅くなりましたぁ、瑞鶴でーす。失礼しますよーっと……」フスマアケマース

パァン! パァン! パァン! ヒャッハーッ!!

瑞鶴「くぁwせdrftgyふじこlp ッ?!」ビクッ

全員「せーの、瑞鶴っ! 可能性の獣、おめでとーッ!!」ワイワイ ガヤガヤ

瑞鶴「……あのぉ~、ちょっと現状把握ができてないんですけど誰か説明を」ポカーン

翔鶴「瑞鶴っ! 本当におめでとう。お姉ちゃん、まるで夢を見ている様ですっごく嬉しいわ」ギュー

瑞鶴「翔鶴ねぇ、これって何のお祝いなの? 可能性の獣って……」

加賀「五航戦の……いえ、瑞鶴。よかったわね、おめでとう」グスッ

瑞鶴「(加賀さんが私を名前で呼んだ上に、嫌味ゼロの素直なお祝いですってッ?!)」

飛龍「ねーっ瑞鶴、だから言ったでしょ? 諦めたらそこで試合終了ですよってさ、あっはははっ!」ケラケラ

蒼龍「わっ、私が言うと嫌味になっちゃうかもだけどぉ……瑞鶴ぅ、おめでとう~!」ウェーン

瑞鶴「(二航戦の先輩たちは完全にお酒が入ってるわね、これじゃ話しは聞けないかぁ)」チラッ

赤城「もぐもぐっ、もぐもぐっ、もぐもぐっ……ふぁい?」

瑞鶴「いたーッ! お酒や感情的に走らず、まともに会話ができそうな人が、ここにッ! 一人ッ!!」

赤城「ずいふぁふふぁん、ふぉのたびはもめでとうふぉふぁいふぁすッ!」モグモグッ

瑞鶴「赤城さん。それ食べてからでいいのでちょっとお話を、あと翔鶴ねぇと加賀さん……悪いんだけど、そろそろ苦しいから離れてぇ」ゲンナリ

赤城「……ごくんっ! では、改めまして瑞鶴さん。この度はおめでとうございます、私も嬉しいですよ」ウフフッ

瑞鶴「だ・か・らッ! 私はこんなお祝い、されるようなことをした覚えがないんですってばっ!」

赤城「あら? 翔鶴さんや他の方からも、何も聞いていなかったのですか?」モグモグッ

瑞鶴「翔鶴ねぇからは『今日、みなさんと一緒にお母さんのお店でご飯食べましょう?』としか言われてないですよぉ」

翔鶴「ごめんなさいね、瑞鶴。お姉ちゃん、余りの嬉しさにちょっとびっくりさせてあげたくて……」ナデナデ

瑞鶴「別にいいけど。ってか既にこのみんなの大騒ぎっぷりで、かなり驚いてるけどさぁ」チラッ

加賀「……おほん。では私から瑞鶴へ送る曲よ、心を込めて歌うわ。『加賀岬』、聞いてちょうだい」デデン!

飛龍「いよっ! さすがいきなり歌う方の一航戦、待ってましたぁ~。こんなこともあろうかとってね……」ガサゴソ

蒼龍「わぁ、サイリウムだぁ~。加賀さんの青と瑞鶴の緑の2色、すっごいきれいだよ飛龍ぅ!」

飛龍「ほらほらっ、蒼龍の分もあるから。あとは主役の瑞鶴も一緒にね、ってか遠慮しないでもっと近くに来なってば」グイッ

瑞鶴「ふぇぇっ?! あっ、はいぃ……ッ(実は私、この曲が大好きだなんて言えないじゃないっ!)」///

加賀「……百万石のぉ~(デデン!)誇りよぉ かぁ~あが みぃ~さぁ~きぃ~♪」

瑞鶴「(ずっとCDで何回も聞いてたけど、加賀さんが私の為だけに目の前で……ッ)」ウルウルッ

加賀「(ペコリ)」

蒼龍「きゃーっ、加賀さん素敵ですーっ!」パチパチッ

翔鶴「先輩ッ、さすがですっ! 某オリコンチャート、初登場17位の歌姫は伊達じゃないですねっ!」フリフリ

飛龍「瑞鶴も、こぉ~んなに嬉しそうだし。喜んでもらえてよかったですね、加賀さんっ!」パチパチッ

赤城「ふふっ、仲間というのはいいものですね。では、めでたしめでたし……」

瑞鶴「じゃっ、なぁーーーいッ! 危うく、場の空気に飲み込まれて流されるところだったわ!」プンスコ

飛龍「あっ、そっか! ごめんね、瑞鶴。加賀さんの歌で盛り上がって、すっかり忘れちゃってたよ」パタパタ

瑞鶴「そうですよー、飛龍先輩。加賀さんの生歌は確かにすっごく嬉しかったけど、この祝賀会を開いてくれた理由をそろそろ説明しt」

蒼龍「はいっ、これ。私と飛龍から、お祝いのプレゼントだよぉ」大吟醸

翔鶴「では私も……はい、瑞鶴。実はこれ、私が手編みで編んだものなのだけど使ってもらえたら嬉しいわ」マフラー

赤城「私からはこの特上A5ランクのお肉をば、後輩の為にちょっと奮発しちゃいましたからねっ!」フンス

加賀「よかったわね瑞鶴、本当におめでとう……ッ」パチパチッ

瑞鶴「あっ、こんなにたくさん。先輩方と翔鶴ねぇ、さーんきゅっ!……って、だから説明しなさいよッ?!」

赤城「かくかく翔鶴」

翔鶴「かくかく鹿島」

瑞鶴「……えーっと、つまり。そのゲーム?での私が、普段の私に比べて胸が大きかったと?」ドヨーン

飛龍「そうそうっ。この間ね、蒼龍と一緒に外出届け出して。その寄り道で、ゲーセンを通ってさぁ」

蒼龍「そしたら大きなモニターで瑞鶴が戦ってて、中破したときの姿が……ね?」///

加賀「ここにその時、蒼龍から送られてきた証拠の写真がありますが?」ススッ

瑞鶴「(<●> <●> ジーー )……ほんとだわ。自分で言うのもなんだけど私、こんなに胸大きくないもの」ドンヨリ

翔鶴「つまりっ! 瑞鶴はまだ成長期で、気にしてた胸の大きさもこれからってことなのよっ!」ドーーン!

瑞鶴「だから『可能性の獣』……か、赤城さん。もしかして最近まで日曜日、早起きしてアニメとか観てませんでした?」

赤城「確かに早起きして観てましたけど、どうしてわかったんです?」キョトン

瑞鶴「はぁ、この虚しさと嬉しさの狭間で私に一体どうしろってーのよ……」

蒼龍「わかるよー瑞鶴ぅ、瑞鶴が今なにを考えてるのかが手に取るようにぃ~」ニヘラ

飛龍「そんな瑞鶴に足りないもの。それは『飲み』と、そして『喰い』よッ!」グイッ

瑞鶴「ちょ、いきなりそんなにたくさんは……ッ?!」

瑞鶴「可能性の獣にばんざーいッ! ぱぁ~んぱかぱぁ~んっ♪」ケラケラ

加賀「……ふぅ、手間のかかる子ね。ようやくボイラー全開、スタートOKだわ」フフッ

蒼龍「わぁ~。瑞鶴ってばお酒いける口だったんだ、捗るぅ~っ」

飛龍「まぁ、無理しない程度にねぇ~って。言ってる側から翔鶴、ちょっとあんた大丈夫?」

翔鶴「先輩、私もうだめれすぅ~。なんで私ばっかりぃ~」フラフラ

赤城「っと、お姉さんの方はお酒に弱いんですねぇ。ちょっと私、ポカリを飲ませて少し小部屋で休ませてきますね」オンブ

加賀「わかりました、ではこちらの暴走機関車と二航戦は私にお任せを」

瑞鶴「あれぇ~、翔鶴ねぇと赤城さんが居ないずいっ! これはもう、NT-Dを発動するしかないっぽい?」アハハッ

加賀「ねぇ瑞鶴、あなたはそんなにその……む、胸の大きさが気になるのかしら?」///

瑞鶴「んーっ? だって先輩たち、みんなしておっきいじゃないですかぁ~」ベタベタ

加賀「そうかも知れないけれど、弓道にとって胸なんて逆にジャマなだけよ?」グビグビッ

瑞鶴「そーかも知れませんけどぉ、まるで私だけ仲間はずれみたいで嫌なんですよぉ~」グビー

加賀「そんなことないわ。あなたは私たちの大切な仲間で、それにいつも皆で一緒でしょうに」

瑞鶴「まるで私だけ生き残って一人ぼっちにされたエンガノ岬沖のこと、ふと思い出しちゃったりなんかして……ね」

加賀「瑞鶴、あなた……ッ」

瑞鶴「あーっ、やっぱ酔っ払ってるんですかねぇ? せっかくのお祝いの席で、こんな湿っぽい話しをしちゃうだなんて」

加賀「…………ッ」ギリッ

瑞鶴「ほんと、相変わらずダメな後輩ですいません~」エヘヘッ

加賀「……そうね、少し外の風に当たった方がいいわ。飛龍、少しの間ここを任せていいかしら?」スタッ

飛龍「赤城さんたちも戻って来ると思いますし、そしたら加賀さんが瑞鶴をデートに連れてったって報告すればいいんですよね?」ケラケラ

蒼龍「じゃあお母さんにも伝えておきますねぇ、二人とも行ってらっしゃ~い」フリフリ

加賀「……ここの縁側ならちょうど良さそうね。ほら、ここに座りなさい」ヨイショ

瑞鶴「私に加賀さんがこんな優しいだなんて、明日は台風か大雪ですかねぇ」ニヒヒッ

加賀「それとこれ、酔いを醒ますにはスポーツドリンクがいいと聞いたわ」

瑞鶴「さーんきゅっ! って、ちょっとはいつもみたいに反論してくださいよぉ」ゴクゴクッ

加賀「……少し、私の話しをしてもよくて?」

瑞鶴「んんっ? 加賀さんからだなんて珍しいですね、私が相手でよければどーぞ?」キョトン

加賀「そう。……もう2年前になるのかしらね、覚えているかしら。72年ぶりの反撃、AL/MI作戦のことを」

瑞鶴「あんな初の大規模作戦、忘れる訳がないじゃないですかぁ。大変でしたねよね、色々と」グビグビッ

加賀「そうね、本当に大変だったわ。赤城さんもまるで人が変わったかのように、気概に満ち満ちていました」

赤城「(提督、いよいよAL/MI作戦が発動されましたね。私達機動部隊主力はMI作戦に向けて練成してきました。きっと大丈夫、勝ちにいきますっ!)」

瑞鶴「加賀さんだってそれまでツンケンしてたのに、私と翔鶴ねぇを鼓舞してくれたじゃないですかぁ」ケラケラ

加賀「そっ、そうだったかしら?」プイッ

瑞鶴「五航戦、あなたたちも練度を上げていると言うの? そう、いいでしょう。見せてもらいましょう、実戦で……ってね」アハハッ

加賀「よくもまあ一語一句、もらさずに覚えているものね。少し、見直しました」

瑞鶴「そりゃあ尊敬する大先輩から頂いたありがたーいお言葉ですもん、いつだってぜぇ~んぶ覚えてますよぉ~?」ベタベタ

加賀「……わっ、私の話しは別段どうでもいいのよ。それとあまりくっつかないで頂戴、ちょっと困るわ」///

瑞鶴「やーい、照れてやんの」ケラケラ

加賀「……瑞鶴。この話しは提督はもちろん二航戦や翔鶴、赤城さんにすら話したことがないのだけれど」

瑞鶴「なになにっ!? 私と加賀さんの、二人だけの秘密ってヤツですかぁっ?!」キラキラ

加賀「まあ一応、そうなるわね。私も随分とお酒を飲みましたので、酔っ払いの戯言だとでも思って聞いて頂戴」

瑞鶴「はーいっ、瑞鶴はいい子で先輩の独り言を聞いてまーっす!」ゴクゴクッ

加賀「ウチの鎮守府は皆、優秀な子が多いわ。もちろん提督もですが、今回の作戦でも見事に甲勲章を受理されていました」

瑞鶴「すごいよね、提督さんってば。甲勲章も、これで8個目? 演習で会う他の子たちからも、よく羨ましがられますもんっ!」フンス

加賀「……話しは戻るけれど、その初の甲勲章がAL/MI作戦だったのよ」

瑞鶴「一航戦と二航戦の先輩たちの機動部隊が空母棲姫をやっつけてくれてましたよね、カッコよかったなー」

加賀「そうね。あの時は私もこれで過去への想いが立ち切れると安心して、艦隊の皆で喜んだものです」フフッ

瑞鶴「そりゃあ私たちが船から艦娘に転生してから、72年越しの雪辱戦ですもん。よかったじゃないですか」キョトン

加賀「結果だけ見れば、ね。でもその刹那、緊急の伝令が入ったわ『敵別働隊が本土近海に来襲! 全力でこれを迎撃せよ!』と」

瑞鶴「あっ……それって」

加賀「正直、私は目の前が真っ暗になりました。あぁ、これで還る場所がなくなる。やはり『歴史』は変えられないものなのだと」

瑞鶴「加賀さん……」

加賀「そのとき。確かに目の前にいるハズの赤城さんや二航戦の子、そして自分が轟沈した過去の声まで海の底から聞こえてきました」

蒼龍「(飛行甲板の火……消えないね……ごめん……)」

加賀「(赤城さん……ああなたが無事ならいいの……先に逝って……待っているわね……)」

赤城「(ごめんなさい……雷撃処分……してください)」

飛龍「(沈むのね……最後に月を肴に一杯やるかなぁ……)」

加賀「そんな私が呆然と海域に立ち尽くしていたとき、赤城さんがこうおっしゃってくださいました」

赤城「大丈夫、みなさんを信じましょう! 私たち自慢の後輩たちがきっと、きっと鎮守府を守ってくれますっ!」

加賀「その声で我に返った私は最大速力で鎮守府を目指しました、期待と恐怖を半々に抱えながら」

瑞鶴「……そっか。だから加賀さん、あのときあんなに必死だったんだ」

加賀「そして鎮守府を目前に『敵部隊の迎撃成功、これにて全作戦を終了とする!』との伝令が届くと同時に目の前には瑞鶴。ボロボロになった姿の、あなたが居たわ」

瑞鶴「わっ、私も本土防衛に参加してましたから。まあ、翔鶴ねぇの代わりにですけどね」エヘヘッ

加賀「話しは聞いてるわ。翔鶴で挑んで何度も撤退を余儀なくされていたところ、あなたと入れ替わった途端に迎撃に成功したんですってね」フフッ

瑞鶴「たまたまですよ。たまたま。それに実質、戦艦棲姫にとどめを刺してくれたのは北上さんや大和型の方たちですし」

加賀「それでも私は嬉しかったわ、瑞鶴や翔鶴の存在が鎮守府を守ってくれたことが」

瑞鶴「そっ、そんなに褒めたって私からは何も出てきまs」

加賀「そしてあなたが立証してくれました、『歴史は変えられる』のだと。私自身に直接、ね?」ニコッ

瑞鶴「加賀さん……ッ」

加賀「だから、約束するわ瑞鶴。この先きっとマリアナ沖海戦や、エンガノ岬沖のような作戦も発令されるでしょう」

瑞鶴「……はい」

加賀「でもあなたを一人ぼっちになんて、もう絶対に私がさせないわ。そして私たちがきっと、あなたを守ってみせます」

瑞鶴「か、かがさぁ~ん……ッ」グスッ

加賀「……瑞鶴。私の心の中の闇を切り裂いてくれて、みんなの還る鎮守府を守ってくれてありがとう」ギュッ

瑞鶴「加賀さ、うっ、うえぇええぇ~んっ!」ギュッ

翔鶴「加賀さん、私たちのことをあんなに想っていただけてただなんて」グスッ

赤城「あらあら。私はもちろん、みんながあなたたちに感謝してるわよ……ねえ、二人とも?」ナデナデ

蒼龍「ふえぇぇ~んっ! 加賀さんも瑞鶴も、二人とも幸せになってほしいよぉ~」ビェェェン

飛龍「めっ、覗いてるのがバレちゃうでしょ? でもちょっと様子を見に来てみたらまさかこんな展開とか、どうよ?」

赤城「とりあえず、私たちだけ先に戻って二人が帰ってくるのを待ちましょうか。お料理もお酒も、まだまだありますから」ニコッ

飛龍「はぁ~いっ、じゃあ私は蒼龍を曳航していくので翔鶴のことお願いしますね」ヨイショ

翔鶴「うぇぇぇ~んっ! ずいかくぅ~、かがさぁ~ん!」グスグスッ

赤城「(もう絶対、誰も失わせないわ。誰一人欠けることなくみんなで勝利を刻みましょうね、加賀さん……)」フフッ


【瑞鶴が可能性の獣になったよ 祝賀会!】 艦!

宴会ネタは当初、もっとネタに走らせようと考案してたのですがいつのまにかシリアス路線に(困惑

なので次のお話は、ネタ話しを多めに盛り込めたらいいかなーと思うずい。

今日の朝一で劇場版を観に行っててから、また少しずつ書き溜めて行きたいと思いますのでよろしくです!

【vsタイラ機甲戦隊、再びッ?!】


蒼龍「うぅ~、もういいでしょ飛龍ぅ。これって結構、やるの恥ずかしいんだからぁ~」///

飛龍「あっはっは! ほんとにこれ、スマホが乗るんだねー。記念に一枚、撮っておこっと」パシャリンコ

赤城「あらあら。二人ともずいぶんと楽しそうですねぇ、何をされているのですか?」キョトン

加賀「……私も気になります、暇つぶしに聞いてあげてもよくてよ?」ヒョコッ

蒼龍「かくかく翔鶴」

飛龍「かくかく鹿島」

赤城「なるほど、つまり胸部装甲の上に板を乗せる遊びが流行っているのですね」ボーキポリポリ

加賀「実にくだらない俗世の遊びですね、そもそもこんなもの誰でも乗るでしょうに」ポヨン

飛龍「……ねえ、加賀さん。それって多分、瑞鶴が聞いたら泣いて暴れ出しますよ?」

瑞鶴「たっだいまーっ、翔鶴ねぇと一緒にお土産でケーキ買ってきましたよーっ!」ズイズイッ

飛龍「噂をすればなんとやらってヤツかぁ、怖いわぁ~」

翔鶴「先輩方、ただ今帰投しました。もしよろしかったら、みなさんでご一緒に食べませんか?」ニコッ

蒼龍「わぁ~、二人ともありがとうっ。 私、みんなの飲み物を持ってくるね!」タタタッ

翔鶴「あっ蒼龍さん、私にもお手伝いさせてください~」タタタッ

赤城「(先ほどの遊びの件、瑞鶴さんの耳には入れない様にした方がよさそうですね)」ヒソヒソ

加賀「(前回、胸の大きさの件で宴会を開いたばかりですしそれが得策かと)」ヒソヒソ

瑞鶴「……で、何々? ずいぶんと賑やかだったけど、何の話しで盛り上がってたんですか?」ズイッ

飛龍「あぁ~、あれね。ちょっと前に流行ってた、たわわt」モゴモゴ

赤城「ふふっ、今日もお天気がいいですねぇ~って盛り上がってたんですよ。ねっ、加賀さん?」

加賀「えぇ、天気が良いと気分まで高揚しますから」

瑞鶴「……外、結構な大雨でしたけど?」

赤城「いっ、いい雨ですねっ! 雨は、いつか止みますしっ!」アセアセ

加賀「ささs、さすがに雨の日は気分がいつもより高揚しますっ!」アタフタ

瑞鶴「ふぅ~ん、ヘンなの。てか、飛龍さんが窒息しそうになってますけど大丈夫ですか?」

赤城「あっ」

飛龍「…………(チーン)」大破

加賀「飛龍、あなたの犠牲は決して無駄にはしないわ」グッ

翔鶴「みなさん、お待たせしましたぁ~。先輩方、まだお熱いので気を付けくださいね?」

蒼龍「はいっ、これ瑞鶴の。外、寒かったでしょー? 実はさっきまで私たちね、たわわチャレンジして遊んでたんだよぉ」ニッコニコ

赤加「ぶぅーーーッ!!」

翔鶴「きゃあっ、お二人とも大丈夫ですかっ!? そんなに熱かったのかしら、申し訳ありません……」フキフキ

瑞鶴「たわわチャレンジ、ですか。へぇ~、そうですかぁ……」ドヨーン

蒼龍「あれっ? なんで飛龍は倒れてて、瑞鶴は真っ青になって。赤城さんと加賀さんまで震えてるの?」キョトン

赤城「まさかの伏兵がこんなところに、完全に慢心していました……ッ」

加賀「天然ほど恐ろしいものはないですね、瑞鶴も相手が蒼龍だけに言い返せず完全に硬直していますし」

蒼龍「ちょっと瑞鶴ぅ、大丈夫? 何かあったの?」ユサユサ ポヨンポヨン

瑞鶴「……いえ、ちょっと。興味本位できれいな花を摘みに行ったら、崖から思いっきり転落したーみたいな?」ドンヨリ

蒼龍「えぇーっ! それは大変だよ、どこか痛いとこでもあるの?」

瑞鶴「主に胸と心が~って、胸も心もある場所は同じですよね。あははははっ……」ヒクヒクッ

飛龍「ずっ、瑞鶴。別に『たわわチャレンジ』だけが、艦娘の生きる道じゃないからさ」ヨイショ

加賀「……赤城さんっ、飛龍が生き返りましたよっ!?」

赤城「えぇ、実はさっきからこっそりと何度もザオラルをかけておいたのですっ!」ドヤァ

翔鶴「(赤城さん、ザオリクはまだ使えないのかしら……?)」

瑞鶴「安っぽい慰めはよして下さいよ、それは飛龍さんだって出来る側の艦娘だかr」

飛龍「……ッ(バシッ!)」

瑞鶴「いっ、いったぁ~。何も急に、叩くことないじゃないですかっ!!」ズイッ

蒼龍「そうだよ飛龍ぅ、手を出すのは良くないよぉ~」アワアワ

翔鶴「瑞鶴っ、だめよ。先輩とケンカだなんて……」オロオロ

赤城「(どうやら飛龍さんには何か、策がありそうですね)」ヒソヒソ

加賀「(そのようですね、ここは少し傍観しておくとしましょう)」ボソボソ

飛龍「……確かに私も蒼龍ほどじゃないけどさ、チャレンジすれば成功出来る側の艦娘よ」

瑞鶴「やっぱりじゃないっ! そうやって一人だけ成功しなさそうな私を、みんなで笑い者にしてたんでしょッ!?」

飛龍「バカっ! そんなこと、私たちがするハズないじゃないッ!」

瑞鶴「えっ……?」キョトン

飛龍「ねぇ、瑞鶴。この間のお祝いのこと、覚えてる?」

瑞鶴「……この間って、『可能性の獣』の話しですか?」

飛龍「そう。毎日が当たり前の様に過ぎていくから気付かないだけで、瑞鶴はもう立派な獅子なんだよ」ニコッ

瑞鶴「うそっ、だって……そんなっ」ワナワナ

飛龍「急に叩いたりしてごめんね、でも気付いてほしかったんだ……」ナデナデ

瑞鶴「飛龍さん、私……ッ」ジーン

飛龍「ほらっ瑞鶴。その証拠にみんなで順番にたわわチャレンジ、やってみよ?」

瑞鶴「はいっ!」キラキラッ

飛龍「……じゃあ言い出しっぺの私からっと、どうよっ!」ピース

蒼龍「なら私もさっき一度やってるし、これでいいの?」ポヨン

翔鶴「先輩方と同じ様にスマホを胸に乗せればいいのですね、できましたぁ」パァッ

加賀「はぁ、なぜ私までこんなことを……」デデン!

赤城「それでは私もみなさんに習って、せーのっと」ムニン

瑞鶴「…………」ジー

飛龍「ほらっ、瑞鶴。何も怖がらなくていいんだよ? はじめの一歩だけ、勇気を出して……ね?」ニコッ

瑞鶴「はっ、はい! せーの……ッ!」ドキドキッ

加賀「……で、どうするんですか? 以前の翔鶴ではありませんが、今度は瑞鶴が失踪しましたが?」グググッ

飛龍「痛い痛い痛いっ! 加賀さんのアイアンクロー、めっちゃ痛いッ!」

赤城「私はてっきり、飛龍さんが瑞鶴さんを元気付ける為の何かを仕向けているのかと思っていたのですが」ポリポリ

蒼龍「そうだよ飛龍ぅ! いくらなんでも、これじゃあ瑞鶴が可哀想だよぉ~」

翔鶴「もうあの子ったら、一体どこまで行ってしまったのかしら……」グスン

飛龍「だって、だってっ! 可能性の獣( )がチャレンジしたらどうなるか、見てみたかったんですもんッ!」

加賀「それは言い訳になりません、あなたの個人的な悪趣味でしょうに」ギリギリッ

飛龍「でもッ! 満面の笑みの瑞鶴が失敗した瞬間、大笑いしてた他のみんなにも責任の一端はあると思いますがっ!?」

全員「…………ッ」ピクッ

加賀「まぁ、それも確かに否めませんが」パッ

飛龍「はぁはぁ……確かに私も悪ふざけが過ぎましたけど、私一人だけが原因じゃないですからねッ!?」

赤城「とりあえず、手分けして鎮守府内と外の近隣をみなさんで探してみましょう」スクッ

翔鶴「なら私はみなさんの分の艤装と、偵察機の使用許可を提督から頂いてきますねっ!」タタタッ

蒼龍「瑞鶴ぅ~、戻って来てよぉ……」

お待たせしました~、時間も出来たのでちょこちょこ更新再開していきます。どうぞお付き合いくださいデース!

瑞鶴「はぁ~、私ってばつい勢いで飛び出して来ちゃったけど……結局、ほかに行く宛てもないしどうしようかなぁ」ドンヨリ

全員「(『ゴトンッ!』……ぷっ、あははははっ!www)」チャレンジ失敗(笑)

瑞鶴「ううんっ、みんなで私を笑い者にしたんだもん。全員で土下座してきたって、絶対に許してやらないんだからっ!」プンスコ

??「おんやぁ~、キミィ。もしかしなくても、この間のときの妹ちゃんの方やないの?」

瑞鶴「ふぇっ?! だっ、誰よ急にッ!」アセアセ

龍驤「おっと、驚かせてもうてごめんなぁ~。てか自分、そんな木の枝の上で何してるん?」

瑞鶴「べっ、別にィ? ちょっとした気分転換よ、気分転換。あなたこそ何してるのよ、ここウチの鎮守府の領内よ?」

龍驤「ちゃぁ~んとした手続きしてあるから問題ないでぇ、ちょっち赤城のとこに再戦の果たし状を渡しになぁ」ピラピラ

瑞鶴「あぁ、それで。そう言えばこの間は翔鶴ねぇのこと、ほんと色々とありがとね」スタッ

龍驤「ええんよ別に、そんなん……せやっ! なら悪いんやけどせっかくやしこれ、赤城に渡しといてくれへん?」

瑞鶴「ぜぇ~~~ったいに嫌ッ! そんなことするぐらいなら、轟沈した方がマシだわッ!!」ギャース

龍驤「なんや急に大声だしよってからに、まぁ~た身内でケンカでもしたんかいな?」ニヤニヤ

瑞鶴「……ッ! 私、顔とか声にそんな感情が出やすいかしら?」

龍驤「まぁ~なぁ。それに長いこと生きてると色々とその辺、敏感になるっちゅーもんやでぇ」フンス

瑞鶴「長いことってあんた、私より年下でしょ?」

龍驤「あっはっは! 今のボケはちょっちウケたわぁ、座布団二枚やな」ケラケラ

瑞鶴「ん? どういう意味よ?」

龍驤「キミは瑞鶴やろ? なら39年、11/27生まれ。ほいでウチは龍驤、31年の4/2生まれやからなぁ」

瑞鶴「…………マジ?」ポカーン

龍驤「こんなくだらん嘘っぱちついてどないすんねん、一航戦の二人はともかく二航戦よりか年上やでウチは」

瑞鶴「あっ、あの! なんか今まで普通にタメ語で、おまけに生意気な言葉遣いとかして今まですいませんでしたっ!」フカブカー

龍驤「にっひっひ、ほんま面白いやっちゃなーキミは。それにウチはそんなん、別に気にせんからええってば」ポンッ

瑞鶴「でっ、でも! 大先輩に向かってタメ語とか、めちゃくちゃ失礼じゃないですかぁ」オロオロ

龍驤「ま、ウチは身なりがこんなんやしな。にしても、その様子やと普段からよっぽど赤城たちにしごかれてるん?」

瑞鶴「べっ、別にそう言うわけじゃないですけど……」ショボン

龍驤「ここで会ったのも何かの縁や、何があったか知らんけどウチに洗いざらい話してみーひん?」

瑞鶴「でも、龍驤さんにまで迷惑を掛けるわけにはいきませんし……」

龍驤「あんなぁ~、瑞鶴はん。もしウチが迷惑や面倒だと思っとったら、最初っから適当にあいさつしてさっさと終いや」ヤレヤレ

瑞鶴「龍驤さん……ッ」

龍驤「でも偶然とは言え、そんな悲しそうな瞳をしたキミをウチは見つけてもうたしやなぁ」テコテコ

瑞鶴「……」グスッ

龍驤「今のキミを『ほな、元気でな!』って放っとけるほど、ウチは冷めたヤツとちゃうでぇ?」ニシシッ ナデナデ

瑞鶴「ありがとう、龍驤さん……」グシグシッ

龍驤「ほいっ、涙を拭くんならハンカチ使こうたってな。それに何なら姉ちゃんのときみたいに一枚、噛んだったってええんよ?」ニコッ

瑞鶴「……じゃあ少し長くなっちゃいますけどお話し、聞いてもらえますか?」

龍驤「別に構わんでぇ、ほんならそこのベンチにでも座ろかー。キミもほら、こっち来てちょっち座りーな」チョイチョイ

瑞鶴「はいっ……」ニコッ

瑞鶴「かくかく翔鶴」

龍驤「かくかく鹿島っちゅーわけやな。にしても、そいつはちょ~っち許されヘンなぁ……」ゴゴゴッ

瑞鶴「わっ、分かってくれるんですかっ?!」

龍驤「当たり前田のクラッカーやッ! 冗談で済むレベル、ゲージ振り切って越えとるっちゃーねん!」バンッ!

瑞鶴「でも、いきなりこんな話しを聞いただけでどうしてそんなに共感してくれるんでs……あっ(察し」

龍驤「それ以上、皆まで言うなや瑞鶴はん。それにウチだけやない、一緒に居た他の二人の事も思い出してみーな」

瑞鶴「一緒に居た二人?(大鳳と瑞鳳ちゃん)……アッー!」ガタッ

龍驤「ま、そう言うこっちゃ。経緯は違えど、ウチらも自分らの鎮守府の連中に散々ネタにされたでぇ」ゲンナリ

瑞鶴「胸中お察しします、先輩……」白目

龍驤「まぁウチらの場合は自虐ネタとして自らやったから、それほどダメージもなかったけどもやね」ヨッコラセ

瑞鶴「なッ?! なんでそんな全身を重油まみれにして、自らボイラーの中に突っ込む様なマネを……ッ」

龍驤「まっすぐ自分の言葉と胸は曲げない、これがウチの『艦娘道(かんむすどう)』やからやッ!」ドーーン!

瑞鶴「自分のコンプレックスを隠しもせず、むしろ堂々とその胸を張るだなんて……ッ」ガクガクッ

龍驤「どや、瑞鶴。今のウチ、めっちゃ輝いてるやろぉ~?」ニヒヒッ

瑞鶴「はいっ、師匠ッ!」キラキラッ

龍驤「師匠、か。むっちゃええやん、その響き……よっしゃ、今日からキミはウチの一番弟子にしたるわっ!」

瑞鶴「ありがとうございます、師匠ッ! あれ、でもじゃあ前に一緒に居たあの二人はどうなるんです?」

龍驤「あぁ~、あいつらは弟子っちゅーか仲間やな。同士や同士、義姉妹みたいなもんや」

瑞鶴「なるほど、固い絆で結ばれてるんですね……いいなぁ」ボソッ

龍驤「なんならキミ、ウチの鎮守府に来るかいな? タイラ機甲戦隊へメンバー入りも、考えたってええんやでぇ?」ニヒヒッ

瑞鶴「ふぇっ?! あっ、でもいきなり鎮守府の異動願いとかはその……」オロオロ

龍驤「やっぱなー、思っとった通りやで。キミ、ほんまはみんなと仲直りして戻りたいんやろ? あの鎮守府に」

瑞鶴「それはっ! そのぉ……」ショボーン

龍驤「みんなと仲直りはしたい、鎮守府にも戻りたい。それでもプライドがジャマをして、それを許されヘンってとこかいな?」

瑞鶴「……かっこ悪いですよね、意地なんて張ってないで何もなかったみたく私が笑って帰れば全部元通りなのに」エヘヘッ

龍驤「それはちゃうで瑞鶴、そのちっぽけなプライドこそがキミのカッコ良さやないの」

瑞鶴「師匠……ッ」

龍驤「ここで素直に帰れば確かにめでたしめでたしや、でもホンマにそれでええの?」

瑞鶴「……私は、私はっ! 私も師匠みたく、自分の『艦娘道』を貫き守り通したいですッ!」

龍驤「んっ、でその心は……?」

瑞鶴「運命なんて、誰かが決めるもんじゃないって……ッ」

龍驤「ええやないの、でどないする? ウチに、とっておきの『お仕置き作戦』があんねんけど」ニヒヒッ

瑞鶴「『自分の言葉は曲げない……』でしたよね、師匠?」

龍驤「アホ、胸が抜けとるやがな……って、ええボケするやんけ自分」ケラケラ

瑞鶴「てか、師匠ってナルトが大好きなんですね」アハハッ

龍驤「……瑞鶴、キミも大概やがな」ニシシッ

一方その頃、鎮守府では……

飛龍「瑞鶴ぅー、お願いだから聞こえてたら返事してーっ!」

蒼龍「こっちはダメですぅ~、偵察機の妖精さんからも『我、何も発見できず』とだけしか」チャッカンヨーイ

加賀「こちらも同じね、蒼龍の偵察隊ですら発見できないとなるとこれはもう……」

飛龍「私が、私が悪いんです。あんなこと、瑞鶴にしてなければ……ッ」グスッ

翔鶴「飛龍先輩だけのせいじゃないですよ、きっと瑞鶴も分かってくれますから」ギュー

赤城「とは言えもう夜も更けてきましたし、これ以上の偵察機の使用は危険ですね」

飛龍「みんなは空母寮へ先に戻ってて下さい、私は探照灯でもう少しだけ自力で探してみますからっ!」

蒼龍「ちょっと飛龍、こんな広い鎮守府の敷地を偵察機もなしで夜中に一人でなんて危ないし無理だよぉ」ギュー

飛龍「離してってば、蒼龍ッ! 私が、私が瑞鶴を1番に見つけて最初に謝らないと……ッ」

翔鶴「飛龍さん……あっ、加賀さん。なにを」スタスタ

飛龍「(バシッ!)…………ッ!」キッ

加賀「これで少しは目が覚めたかしら、二航戦の騒がしい子」

赤城「加賀さん、それ以上は……」ウデツカミ

加賀「えぇ、分かっています。言ったでしょう飛龍、あなただけの責任ではないと」

飛龍「でも、でもっ! きっと今頃、瑞鶴も戻るに戻れなくなってて。私たちが先に、あの子を見つけてあげないと……ッ」グスグスッ

加賀「あの子もバカではないわ、例え一晩もし帰らなかったとしても命に関わる様なマネはしないハズよ」

翔鶴「そうですね。私が言うのも失礼ですが、むやみに騒ぎを大きくすると瑞鶴も逆に帰りづらくなってしまうかも知れませんし」

赤城「とりあえず今日の捜索はこれまでとします、後は瑞鶴さんを待ちましょう。明日以降については日が昇り次第、他の方々にも協力を仰いで……」

蒼龍「……あっ、誰かこっちに来ますよっ!」

飛龍「瑞鶴ッ?!」

龍驤「おー、全員お揃いでおまけに修羅場の真っ最中かいな。こりゃ、手間が省けてちょうどええわ」ニシシッ

赤城「あなたは以前、お会いした龍驤さん……? こんな時間に、どうしてここへ」

龍驤「なんや自分。ちゃんとウチの名前覚えとってくれたんか、ちょっち嬉しいわぁ」ケラケラ

飛龍「あっ、あのっ! 龍驤さん、お聞きしたい事が……」

龍驤「あー皆まで言うなや、『瑞鶴を見ませんでしたか?』ってとこやろ?」ニタァ

飛龍「……ッ?! 見たんですね、どこですかっ! 教えて下さい、お願いしますッ!」ガクガクッ

龍驤「まぁまぁ、落ち着きーな。なぁ、誰かこの黄色い騒がしいの抑えといてくれへんか?」

蒼龍「飛龍っ! 龍驤さんの話し、ちゃんと聞こう? ね??」ギューッ

翔鶴「飛龍さんっ! お願いですから一旦、落ち着きましょうっ!」ギューッ

龍驤「ふぅ、助かったわ。赤ずきんがいきなり黄色い狼に食べられそうになるとこやったわ」ケラケラ

加賀「……で、他の鎮守府のあなたが何故ここに? それと瑞鶴とは一体、どこで会ったのかしら?」

龍驤「ウチは赤城に再戦を直接、申し込みにな。その道中、林の中で凹んでる瑞鶴にも会ったわ」

赤城「龍驤さん、再戦のお約束でしたらいつでも構いません。ですが今は……」

龍驤「わかっとるわ、ウチかてこんな状態のアンタらに勝っても嬉しないしなっと」ヨイショ

飛龍「……瑞鶴はっ、瑞鶴は無事なんですねッ?!」ジタバタッ

龍驤「おー怖っ、てかまるでウチが悪者扱いやないの」

赤城「龍驤さん。ここは飛龍さんに代わって私がお詫びします、大変申し訳ありませんでした」ペコー

飛龍「赤城さん……ッ」

龍驤「もうやめてーな、別にウチも嫌がらせしに来た訳とちゃうんやし」パタパタ

加賀「なら瑞鶴の居場所を教えてもらえると助かるのだけれど、どうかしら?」

龍驤「その事やねんけどなぁ、『2つ』条件があるんやけど……ここに居る全員がそれ聞き入れるなら全部、まるっと話したるわ」

赤城「(ジーーーッ)」グルリッ

全員「(コクンッ)」

赤城「……構いません。どのような条件でも聞き入れますので、その条件とやらを教えていただけますか?」

龍驤「んじゃ、まず1つ。これから瑞鶴がここに現れるけど一切の会話と接触、その他諸々は全部禁止や」

加賀「つまり、人質と言う事かしら?」キッ

龍驤「そんな殺気立った目で威嚇せんといてーな加賀やん、別に拘束も何もしとらんしこれは瑞鶴自身の意思や」

赤城「……わかりました、2つ目をお願いします」ギリッ

龍驤「瑞鶴が現れたら、これをみんなの前で赤城はんに読んでもらおか」ワタシーノ

赤城「はい、承知しました」ウケトリーノ

龍驤「ついでにそっちの提督にも伝言頼むわ、ちなみにもう決定事項やから今さら覆らへんからな」ケラケラ

飛龍「(瑞鶴……ッ)」

龍驤「それじゃ~もうちょい、主役のご登場まで仲良くご歓談とでもいこか」ニタァ

瑞鶴「…………」テクテク

飛龍「瑞鶴ッ?!」

龍驤「おーっと、1つ目の約束もう忘れたんけ。ほんなら今すぐ、引き返してもいいんやけどなっと」ヨイショ

加賀「蒼龍、翔鶴。二人で飛龍を全力で抑えていなさい、加減は必要ないわ」

蒼龍「ごめん、飛龍っ……」ググッ

翔鶴「飛龍さん、龍驤さんと瑞鶴を信じましょう……?」ギューッ

赤城「申し訳ありません、以後必ず約束は守りますのでどうか……」フカブカー

龍驤「赤城はんの顔に免じて一度だけやで飛龍、次はないから覚えとき」キッ

瑞鶴「…………」ハイライトオフ

龍驤「さてっと、んじゃ2つ目の約束の前に確認だけしとこか」

赤城「……確認、ですか?」

龍驤「せや、ウチら艦娘が一個体で一人じゃない事ぐらい知っとるやろ。この瑞鶴が、あんたらの瑞鶴かどうかの確認や」

加賀「もっともね、その確認とやらは私にさせてもらってもよくて?」ズイッ

龍驤「加賀やんかぁ、どーやって確認するんや?」

加賀「私はその子の指導艦です、質問を一つさせてもらえれば事足りるわ」

龍驤「……それやと1つ目の約束、破る事を前提で言っとるんかいな?」

加賀「えぇ、承知の上よ。どうか、お願いするわ」土下座

赤城「加賀さんッ!」

龍驤「あっはっは! あの一航戦の加賀やんが頼み事一つの為に、土下座までするんかいな」ケラケラ

加賀「えぇ、何度でもお願いするわ……ッ」

龍驤「そこまでされたんならしゃーないわな、その代わりホンマに質問は1つだけやで?」

加賀「はい、ありがとうございます。瑞鶴、私があなたへ指導中に注意したことが何だったか覚えていて?」スタッ

龍驤「ほな瑞鶴、答えたって」

瑞鶴「……矢を射る角度をあと3ミリ上へ。残心も忘れずに。艦載機が離陸後にすぐ左へ傾く癖がある。それを直すよう意識して飛ばしなさい」

龍驤「こりゃまた随分と可愛がられとるんやねぇ瑞鶴は、で? 加賀やん、正解はどうなん??」

加賀「間違いないわ、本物の私たちの瑞鶴よ……ッ」ギリッ

全員「(…………ッ!?)」

龍驤「ほな2つ目、赤城はん。さっき渡したの、読み上げたってくれるか?」

赤城「はっ? はいっ!」ガサゴソ

飛龍「(瑞鶴……ッ!)」

赤城「我、貴艦隊所属の正規空母『瑞鶴』は本日フタフタマルマル(22:00)を持って既存の鎮守府から除隊申請を願い申し入れる」

飛龍「嘘ッ! そんなの嘘だよ、赤城さんッ!!」

蒼龍「ちょっ、ダメだよ飛龍ッ!」

赤城「又、友好的である他鎮守府の軽空母『龍驤』より誘いを受け、その方の鎮守府への異動願いを同時に具申するものとする」

翔鶴「そっ、そんな……瑞鶴が除隊? 異動??」

赤城「正規空母『瑞鶴』、その意思をここに堅めり……(母印押し)」

龍驤「まあ、そう言うこっちゃ。いぢめに遭った可哀想な瑞鶴をウチが拾って誘ってあげたんよ、ただそれだけや」

加賀「嘘おっしゃい! あなた、瑞鶴に何か投薬や脅迫でもして無理やり……ッ」ギリギリッ

赤城「いけません、加賀さんッ!」

瑞鶴「やめて下さいよ加賀さん、私の龍驤さんに手を出さないで……」ググッ

龍驤「けほっ、げほっ! いやぁ~助かったわー、ありがとな瑞鶴っ!」ダキッ

加賀「あなた、なんでこんな子を助けて……あまつさえ、こんな駄文を」ワナワナ

赤城「加賀さん、残念ですがこれは瑞鶴さんの執筆と母印。そして向こう方の提督の、受理の烙印が押された正式な書類です……ッ」フルフルッ

飛龍「そっ、それじゃあ瑞鶴はもう……」

赤城「現在フタフタサンマル(22:30)、既に瑞鶴さんは我が鎮守府の艦娘ではありません……ッ」

龍驤「ほな、事情も飲みこめたようやし……ウチらも鎮守府へ帰ろか、瑞鶴っ!」

瑞鶴「はいっ、龍驤先輩」ニコッ

加賀「ダメよ、瑞鶴……だめぇーーーッ!!」

赤城「加賀さん、他鎮守府所属の艦娘に許可なく接触するのは第二級の重罪ですッ!」ガシッ

龍驤「せやでー加賀やん、さっきの首〆もウチが提督にチクったらお前さん明日からただの廃材やで」ケラケラ

翔鶴「瑞鶴っ、どうしてお姉ちゃんに何も相談してくれなかったの……?」グスッ

龍驤「ま、ウチはどっかのヤツらと違うて優しいからな。姉ちゃんと別れの挨拶ぐらいさせたるわ、ほらっ」

瑞鶴「ごめん翔鶴ねぇ、今までわがまま言ったり迷惑いっぱいかけて。でも許して翔鶴ねぇ、これで最後だから」オデコ ツンッ

翔鶴「ずっ、瑞鶴ぅ~ッ!」ヒッグ エッグ

龍驤「(アイツ~、イタチの名台詞と決めポーズまで完璧に決めてるやんッ! ウチもなんかせな……ッ)」

飛龍「瑞鶴ぅ、瑞鶴ぅ~。ごめんね、ごめん、ごめんねぇ……ッ」グスッ グスッ

蒼龍「ほら飛龍、最後ぐらい瑞鶴にちゃんとお別れしよう?」グスッ

龍驤「確かになぁ、艦娘の世界でルールや掟を守れないヤツは『クズ』呼ばわりされるわ。けどな、仲間を大切にしないヤツはそれ以上の『クズ』やでッ!」

全員「…………ッ!」ビクッ

瑞鶴「(くぅ~、師匠ったらカカシ先生の名台詞を見事にアウトレンジから決めたわねッ! 痺れるぅ~っ)」

龍驤「ま、これが今生の別れっちゅー訳やないしな。瑞鶴に会いに来たかったら申請してみたらええねん、通るか分からヘンけどな」ケラケラ

瑞鶴「先輩、もう行きましょう……(これ以上ここにいると罪悪感で死にそう)」ズイッ

龍驤「せやね、ほな行こかっ! 赤城はん、再戦の件とそっちの提督への伝言は頼んだでぇ~」テクテク


……こうして瑞鶴は鎮守府を去った。涙する者、天を仰ぐ者、抱き合う者、立ち竦む者、それぞれが入り混じる中、物語は急展開を迎える。(ハズ)

待て、【vsタイラ機甲戦隊、再びッ?!】 後編ッ!


(今更すぎるけど>>83はユニコーンではなくZEROの因果率兵器なのでは?)

さすが元一航戦の龍驤はんやでぇ

忙しいだろうけど続編書いてくれー

更新が滞ってすみません、ネタはもうオチまで出来上っているのですが書く時間が…(白目
土日前の平日に書き上げて、また次回のネタへも移りたいのでもうしばしお待ちを~。

>>169 鹿島「うふふっ提督さん、細かい事は気にしちゃダメなんですよ?」

>>170 龍驤「キミィ、見る目あるやんかぁ~。特別に飴ちゃんやるわ、ほいっ!」

>>171 応援ありがとうございます、まだまだネタのストックや書き溜め分があるのでがんばるずい!

加賀「ずいかく、ずいかく、ずいかく……」ブツブツ

飛龍「私が悪いんだ。全部、私が……」ハイライトオフ

翔鶴「……瑞鶴、もうあの子と私は他人になってしまったのかしら」グスグスッ

赤城「ふーむ、瑞鶴さん喪失のショックから目に見えて落ち込んでる方々がとても心配ですが」

蒼龍「飛龍なんてちょっと危ないですよぉ、時々大声を出しながら急に暴れ出したりして……」

赤城「加賀さんも同じですよ。ずーっと元気がないまま、日課だった矢の鍛錬すらせずに毎日部屋で閉じ込もりで」

蒼龍「一応、翔鶴が一人になっちゃったから私たちの部屋に呼んで3人で暮らしてるんですけどぉ……」

赤城「悪いわね、蒼龍にばかり負担をかけてしまって」

蒼龍「いえっ! それは構わないんですけど、2人とも何をしても元気になってくれなくて……」シュン

赤城「……やはり、ここは瑞鶴さんに我が鎮守府へ戻って来ていただくのが1番の解決案ですが」

蒼龍「一応、お手紙で瑞鶴とのやり取りは続いてますけど向こうで楽しくやってるみたいですしねぇ」ペラペラ

飛龍「瑞鶴……? そうだ、瑞鶴のとこに行こうっ! きっと私たちが迎えに来るの、待ってるんだよッ!!」ドタバタッ

蒼龍「ちょっ、ちょっと飛龍ッ! 急にそんな、もう落ち着いてってばぁ~」ギューッ

加賀「……瑞鶴、あの子がいない鎮守府に意味なんて皆無だわ。私もこの際、除隊申請でも出そうかしらね」フフッ

赤城「もうっ、加賀さんまで一体何を言ってるんですかッ! ほら、翔鶴さんも元気を出して下さい」ナデナデ

翔鶴「私がもっと早く瑞鶴の気持ちに気付いてあげてれば良かったんです、ごめんね瑞鶴……ッ」グスンッ

赤城「(かれこれ1週間、このままだと本当に危険ですねぇ。ここは一つ、私が一肌脱ぐしかなさそうですかね)」テクテク

蒼龍「あっ、赤城さん。一体、どちらへ?」アタフタ

赤城「ごめんなさい、少し急用が出来ました。悪いけどその間、加賀さんとみんなをお願いね蒼龍……」バタン

蒼龍「(赤城さんのあんな目、初めて見た……)」ポカーン

龍驤「ほいじゃあ、改めてぇ~。瑞鶴はんにぃ~、かんぱぁ~いッ!」パンパカパーン!

瑞鶴「何だかすみません、急にお邪魔したのに毎日こんな良くしてもらっちゃって」アセアセ

大鳳「いいんですよ瑞鶴さん、かしこまらずに。それに、困ったときはお互いさまですから」ゴクゴクッ

瑞鳳「私のお料理、お口に合ってるかなぁ~? 卵焼きも焼いたんだけどぉ~、食べりゅ?」

瑞鶴「食べりゅうううぅ~ッ! ……って、何ですか今のは。思わず身体がこう、無条件で反射して」

龍驤「これがな、瑞鳳の卵焼き殺法やねん。相手の戦意を奪うと同時に精神まで陥れる、無敵の幻術なんやでぇ~」ケラケラ

大鳳「実際に卵焼き、美味しいですしね。ただ毎日、卵焼きが3食とおやつに毎回出てくるのはいかがなものかと思いますが」

瑞鶴「それには私もびっくりだよ! 初めは単純に美味しかったけど、今はちょっと見るのもツラいかも……」アハハッ

瑞鳳「あーっ、そんなこと言っちゃうんだぁ。なら瑞鶴にはもっと強めの幻術、かけちゃおっかなぁ~?」エヘヘッ

瑞鶴「ごめんなさい、とっても美味しいです……あっ、そう言えば大鳳も何か出来たりするの?」

龍驤「(あぁ~、あんのアホ。自ら地雷、踏みに行きよってからに)」パクパクッ

大鳳「瑞鶴さんっ! あなた、私の忍道に興味を持って下さるんですかッ?!」キラキラッ

瑞鶴「……えっ? えぇ、まあ。そりゃあ気になるわよ、もし良かったら聞かせてほs」

大鳳「では龍驤さん瑞鳳さん、私たちはこれから鍛錬に行って参りますのでお先に失礼しますっ!」グイッ

瑞鶴「ふぇっ?! 鍛錬って一体、何のことよッ! てか、小柄なのにめっちゃ強いチカラで腕を引っ張らないでぇ~」ズルズルッ

瑞鳳「ねぇ龍驤さん、あれって止めなくてよかったんです?」パクパクッ

龍驤「まーええ経験になるやろ、それにこっちまでとばっちり来るのはもうこりごりやからなぁ」

瑞鳳「それは確かに……瑞鶴ってば、大丈夫かなぁ~?」

龍驤「大丈夫な訳ないやろ~もんが、今頃グラウンド300周とか縄跳び2000回やらされとるわ」

瑞鳳「大鳳ちゃん、努力の天才になるんだーってスイッチが入ると止まらないもんね」

龍驤「せやねぇ。まあこの際、大鳳とも親睦を深められてええのとちゃうん?」ニシシッ

大鳳「瑞鶴さんっ! ペースが遅れてますよ、タイムが遅れる度にプラス5周ですからねッ!」タッタッタ

瑞鶴「ちょっ、もう無理ぃ~。てか、何でご飯食べた後でそんなに走れるのよぉ~」フラフラ

大鳳「毎日が日々、鍛錬の積み重ねの結晶ですからっ!」フンス

瑞鶴「ごっ、ごめん……もう、限界っぽい~」ドタッ

大鳳「瑞鶴さん、大丈夫ですかっ!?」スタタッ

瑞鶴「だ、大丈夫じゃないから倒れてるのよぉ~。それにしてもすごいわね、これだけ走って息切れ一つしてないなんて」グデーン

大鳳「ふふっ、これも日々の成果です。よいしょっと、ちょっとここのベンチで休んでて下さいね?」タッタッタ

瑞鶴「はぁ~私も他のみんなに比べたら結構、体力には自信あったんだけどなぁ。今頃みんな、どうしてるのかしら……」ボー

大鳳「お待たせしました瑞鶴さん、これをどうぞっ!」

瑞鶴「えっ、何かすっごい色してるんだけど……これ、飲んでも平気なの?」サーッ

大鳳「見た目はちょっとアレですが、味はもちろん栄養補給にはもってこいのオリジナルドリンクですから」スッ

瑞鶴「(こんな笑顔で渡されて飲まない訳にはいかないわね、のども乾いてるし……)」ウーン

大鳳「……瑞鶴さん?」クビカシゲ

瑞鶴「あっ! ごめんね、さーんきゅ。せっかくだし、いただくわっ!」ゴクゴクッ

大鳳「どうかしら、いつも龍驤さんや瑞鳳さんも飲んでるから大丈夫だとは思うのだけど……」

瑞鶴「ごくっごくっ、ぷはぁ~ッ! 何よこれ、めちゃくちゃ美味しいじゃないッ!」キラキラッ

大鳳「良かったわ、おかわりもありますのでよろしかったらどうぞ?」トクトクッ

瑞鶴「んっ、ありがと。それにしても大鳳ってば、いつもこんな大変なトレーニングしてるの?」

大鳳「大変かどうかは分かりませんが、日課ですかね」

瑞鶴「でもさぁ、私たち艦娘って海上が主戦場でしょ? それなのに陸での特訓だなんて、正直ちょっとナンセンスじゃないかしら?」

大鳳「もちろん海上でのトレーニングも欠かしませんがこれは私自身、自分への枷なんですよ」エヘヘッ

瑞鶴「枷って、そんな重たい言葉を使うだなんて一体どうゆう意味よ?」キョトン

大鳳「……実は私、この鎮守府に来るまでは本当に落ちこぼれで。色んな鎮守府を数えるのを諦めるぐらい、たらい回しにされてたんです」

瑞鶴「あっ、ごめんね? 私がヘンなこと聞いたせいで、嫌なこと思い出させちゃってっ!」アセアセ

大鳳「いえっ、大丈夫ですよ。瑞鶴さんは優しいんですね、お気遣いありがとうございます」ニコッ

瑞鶴「えっ? えーっと、でもその事と今の話しがどう繋がるのか聞いてもいいのかしら?」///

大鳳「はいっ、そうですね。私がこの鎮守府へ着任した頃、ただひたすら毎日がむしゃらに特訓をしてたんですよ」

瑞鶴「そんなツラい思いを繰り返してても、少しでも自分を磨く為に……?」

大鳳「えぇ、その通りです。例え才能がないなら他の人より何倍もがんばれば、きっと私でも!って思いまして」

瑞鶴「(強い子なんだ、私だったらきっと一人で泣いて塞ぎ込むことぐらいしか思い浮かばないわ……)」

大鳳「でも正直、私は怖かったんです。努力が本当に報われるものなのか、いくら努力しても本当に才能がある人には敵わないんじゃないかって」

瑞鶴「それは私も思ったことあるよ、いくら努力しても強くなれないんじゃないかって怖くて怖くてたまらなくなるのよね」

大鳳「ふふっ、そうですね。でも偶然、私のことを気にかけてくれてた龍驤さんに特訓中に落ち込んで涙してる所を見られてしまいまして」エヘヘッ

龍驤「なんや大鳳、もう休憩かいな」ヨッコラセ

大鳳「……何のご用でしょうか、龍驤さん。この前の出撃の任務での失態なら、既にお詫びしたハズです」ナミダフキフキ

龍驤「大鳳、確かにお前さんは落ちこぼれや。特別に、なぁ~んの才能もありゃせんわ。でもなぁ、大鳳にやって他の艦娘を超えるチカラを秘めてるんやで?」

大鳳「そんな安っぽい気休め、よして下さいッ! 自分自身のことは私が1番、十分に理解していますッ!!」

龍驤「気休めでも嘘っぱちでもないわ、だってお前さんは……『努力の天才』やないの」ニシシッ

大鳳「……ッ! 本当にそうなのでしょうか、なら一体私はどうしたら……」グスッ

龍驤「ええか大鳳、よく覚えとき。自分を信じない奴なんかに、努力する価値はないでっ!」

龍驤「お前さんはウチによう似てるんやわぁ、昔はウチも鎮守府のお荷物扱いされとったからなぁ」アハハッ

大鳳「りゅ、龍驤さんがですかっ?! 今では他の正規空母の方よりも練度が高く、エリートのあなたが……ッ!」

龍驤「あっはっは、エリートとか恥ずかしいこと言わんといてーなぁ。ちょっち、他の子よりがんばってるだけや」

大鳳「……でも私には龍驤さんのような才能も経験も知識も、何もないですよ」ショボン

龍驤「せやからさっき言ったやろ、努力の天才ってな。一人でへこたれず諦めず、これって誰にでも出来ることちゃうねんで?」

大鳳「……ッ!」

龍驤「例え何の才能がなくても立派な艦娘になる、それが大鳳の目標なんやろ? ええ目標やないの、ウチは応援しとるで?」ナデナデ

大鳳「龍驤さん……ッ」グスッ

龍驤「だからお前さんも、自分の道を信じて突っ走ればええんやっ! ウチが笑って背中を預けられるぐらい、はよ強い仲間になってーな」ニコッ

大鳳「……はいっ! この大鳳、例えこの身が朽ち果てようとも努力は決して怠りませんッ!」

龍驤「その意気や。ほなちょっち遅いけど一緒にメシでも食いに行こか、今日は特別に奢ったるでぇ?」ニシシッ

大鳳「それが初めてだったんです、私のことを見ていてくれていた人も。私のことを『仲間』だと言ってくてた人も」

瑞鶴「そっかあ、その約束を守り通すのが大鳳の『艦娘道』なのね。何だかカッコいいなぁ~、羨ましいよ」フフッ

大鳳「……瑞鶴さん。あなたにも同じように、あなたを見てくれている本当の仲間が他に居るのではないですか?」

瑞鶴「……ッ! 大鳳、あんたそれって」

大鳳「龍驤さんのお考えは分かりませんし、この鎮守府に瑞鶴さんが居続けるのも私個人としては大歓迎です」

瑞鶴「…………」

大鳳「でもそろそろ、自分の本当の気持ちと向き合ってもよい頃なのではないでしょうか?」ニコッ

瑞鶴「……ごめん、大鳳。ちょっと私、龍驤さんのとこに行って来るッ!」タッタッタ

大鳳「はい、お気を付けて」フリフリ

瑞鶴「……はぁはぁ、龍驤さんっ! 瑞鶴です、いらっしゃいますかッ?!」バタンッ!

瑞鳳「わっ、びっくりしたぁ~。お帰り瑞鶴ぅ、龍驤さんならちょっと前にお散歩に出かけたよ?」

瑞鶴「えーっと、どこらヘンに居るとか分かったりしませんか?」

瑞鳳「うーん、どうだろう。いつもフラっとどこかに行って帰って来るし、ここで一緒に待ってりゅ?」

瑞鶴「すみません、じゃあそうさせてもらいます……」

瑞鳳「ちょっと待ってねぇ、飲み物と一緒にさっきの残り物で悪いんだけど詰め合わせちゃうから」ヨイショ

瑞鶴「あっ、瑞鳳さん。私も何か、お手伝いしますよ?」

瑞鳳「いいのいいの、さっきまで大鳳ちゃんに付き合ってくれてたんでしょう?」アハハッ

瑞鶴「うぅ~、まさかいきなり演習場のグラウンドを走り回らされるとは思いませんでしたよ……」グッタリ

瑞鳳「ごめんねぇ、悪い子じゃないんだけど一度スイッチが入っちゃうとちょっと……ね?」

瑞鶴「いえっ、それに大鳳から色々と大切なことを気付かせてもらえましたし」

瑞鳳「そっかぁ~。じゃあ龍驤さんが戻るまでの間、私で悪いけどお話しでもしながら一緒にご飯食べよ?」ニコッ

瑞鶴「はいっ、いただきますっ!」

龍驤「なんや自分。いつの間にか、えらく成長しとってんなぁ~」

大鳳「龍驤さんっ! いつからそこにっ?! って言うか、瑞鶴さんが龍驤さんを探しに今……」

龍驤「ええのええの、かわいい子には旅をさせろってな」アハハッ

大鳳「……もしかして私が瑞鶴さんを連れ出して、こうなることも龍驤さんの計算の内だったんですか?」

龍驤「どうやろねぇ、ウチは別にエスパーやないしやな」ヨッコラセ

大鳳「瑞鶴さんのこと、どうなさるおつもりですか?」

龍驤「それはあいつ自身が決めるこっちゃろ、ウチからは何もせーへんよ。せいぜい、ちょっち背中を押すぐらいやな」

大鳳「私はあなたと出会えて心から感謝しています、何かありましたら何でもおっしゃって下さいね?」

龍驤「あんがとさん、ほいじゃあウチはそろそろ出かけるとしますかなーっと」

大鳳「こんな夜更けにですか? 一体、どちらまで?」

龍驤「ちょっち野暮用でな、すぐに戻るわ。ほな、瑞鶴の面倒みてくれてあんがとなぁ~」フリフリ

大鳳「……今日もいい風ね」

瑞鶴「それにしてもどれも本当に美味しいですよねぇ、お料理作るのとかお好きなんですか?」

瑞鳳「ありがとーっ、素直にそう言ってくれると嬉しいなぁ。そうだねぇ、趣味も兼ねた当番かなぁ?」

瑞鶴「龍驤さんと大鳳は、何も言わないんですか? こんなに美味しいのに……」パクパクッ

瑞鳳「うーん、二人とも素直じゃないって言うかああいう性格だからね」アハハッ

瑞鶴「あははっ、確かにそうかも。それにしても卵焼きがやっぱり絶品ですね、翔鶴ねぇにも食べさせてあげたいなぁ」ボソッ

瑞鳳「……ねぇ瑞鶴ぅ、瑞鶴はお姉ちゃんのことって好き?」

瑞鶴「当たり前じゃないですか、大好きですよっ! いつも優しくて、ちょっぴりドジなとこもかわいくて」

瑞鳳「他のみんなはどう? 一航戦と、二航戦の人たちとかは?」モグモグッ

瑞鶴「どっ、どうしたんですか急に? 今はこっちの鎮守府でお世話になってますし、そんなの関係ないですよっ!」アセアセ

瑞鳳「瑞鶴ってよく言われるでしょ、嘘をつくのが下手だねぇ~って」クスクスッ

瑞鶴「べっ、別に嘘なんかついてないですよ。本当にただ、今は……」

瑞鳳「じゃあ質問を変えるね、瑞鶴から見て私たち三人ってどう見えりゅ?」

瑞鶴「どうって……すっごく仲良しで、まるで本当の姉妹艦同士みたいで。その、ちょっと羨ましいです」

瑞鳳「そっかぁ。実は私にも別の鎮守府にお姉ちゃんが居るから分かるんだよね、瑞鶴の気持ちが少しだけだけど」

瑞鶴「……離れて暮らしてて、寂しくなったりしないんですか?」

瑞鳳「もちろん寂しいけど時々お休みを合わせて会ってるし、お手紙も出し合ってるから」

瑞鶴「でもそれって、お姉さんの異動願いとかを提督さんにお願いしてみたりはしないんですか?」

瑞鳳「私たちは『艦娘』だから、一人のわがままで艦隊全部を困らせちゃうなんて絶対にダメなんだよ?」

瑞鶴「……ッ!」ズキッ

瑞鳳「それに今の私には頼りになるもう一人のお姉ちゃんと、手間のかかるかわいい妹がいるからね」アハハッ

瑞鶴「瑞鳳さん、私……私はッ!」ガタッ

瑞鳳「瑞鶴ぅ、もう1回だけ聞くね。一航戦と二航戦の先輩たちのこと、どう思ってりゅ?」

瑞鶴「みんな、みんな大好きです……ずっとずっと、一緒に居たいです……ッ!」グスッ

瑞鳳「龍驤ちゃんにも、そのことで相談しようとしてたんだよね?」

瑞鶴「……(コクリ)」

瑞鳳「えへへっ、私の方こそ羨ましいよ。みんな一緒の鎮守府で暮らせてて仲良しさんで、ねぇ瑞鶴ぅ?」

瑞鶴「瑞鳳さん、私……」

瑞鳳「大丈夫だよ、きっと龍驤ちゃんも相談に乗ってくれるよ。せっかく瑞鶴と仲良くなれたのに、寂しくなっちゃうけど……」グスンッ

瑞鶴「私も瑞鳳さんと仲良くなれて嬉しかったです、龍驤さんや大鳳とも……」グスッ

瑞鳳「あーもう、ほら泣かないの。いい子だから、ね?」ナデナデ

龍驤「おーい、今戻ったでぇ~……って、なに二人して泣いてるん? 酒でも飲んでたんかいな」ケラケラ

瑞鳳「あっ、あのね龍驤ちゃんっ! 瑞鶴のことなんだけど、ちょっとお話が」

瑞鶴「待って瑞鳳さん、これは私の問題ですから……お気持ちだけ受け取っておきます、ありがとう」

龍驤「ん~、一体なんの話しやねんな。ほんならウチの部屋に行こか、悪いけど後片付けは頼むでぇ~瑞鳳」スタスタ

瑞鳳「了解ですっ! ほらっ、瑞鶴も早く龍驤ちゃんについてって?」

瑞鶴「すみません瑞鳳さん、行って来ますっ! 本当に、ありがとうございましたっ!」タッタッタ

瑞鳳「(瑞鶴、元の鎮守府に戻れるといいなぁ……)」

瑞鶴「(龍驤さんに何て切り出そう、私の為にここまでしてくれたのに今さら虫がよすぎるわよね……)」テクテク

龍驤「ここがウチの部屋な、ちょっち散らかってるけど勘弁したってなぁ~」アハハッ

瑞鶴「いえっ! こちらこそ、夜分遅くに突然すみません……」

龍驤「まぁ適当に座っといてーな、寒いし暖かいお茶でも淹れてくるから待っときー」スタスタ

瑞鶴「あっ、お構いなくっ!」

龍驤「なるほどな、でキミはやっぱり元の鎮守府に戻りたいっちゅー訳やねんな?」

瑞鶴「……すみません、龍驤さんにはお世話になりっぱなしなのにこんなわがまま言って」シュン

龍驤「結論から言うと『NO』や、キミも知っての通り艦娘の異動願いなんぞ簡単に通るもんやないんやで?」

瑞鶴「はい……」

龍驤「それをわざわざウチが手回しして、キミがこっちに来れるようにした訳なんやけどなぁ~」

瑞鶴「もっ、もちろん龍驤さんには感謝してますっ! それにここでの生活も、毎日がとっても楽しいですっ!」

龍驤「ほんならここにおったらええやんけ、そもそもキミをいぢめとった連中のとこに戻る理由なんかないやろ?」

瑞鶴「……だから」

龍驤「んん~? 何やって?」

瑞鶴「仲間だからっ! どんなに龍驤さんたちと仲良くなれても、私にとっての仲間はやっぱりあの人たちなんですッ!」

龍驤「……万が一やけど、もしまた元の鎮守府に戻れても同じことを繰り返すかも知れへんよ?」

瑞鶴「それでもいいんです、私……あの鎮守府が、あのみんなが1番大好きですからっ!」

龍驤「はぁ~、恩を仇で返すっちゅーのはこういうことを言うねんなぁ」ケラケラ

瑞鶴「ごめんなさい、龍驤さん。なんとか、なんとかなりませんか……?」グスッ

龍驤「あーもう、いちいち泣くなや。とりあえずキミの気持ちは分かったから、な?」ナデナデ

瑞鶴「ぐすっ、ずびまぜんっ……」ハナ チーン

龍驤「念の為に、もう1回だけキミの意見聞くで? 元の鎮守府に戻りたい、それでええねんな?」

瑞鶴「はい……ッ!」

龍驤「ほんなら1つ、ウチからも条件出したってもええか?」

瑞鶴「条件……ですか?」

龍驤「せや、キミはどんな理由があれ自分の意思でここへ来た。でもそれを撤回したい、ちょっち考えが甘いんとちゃうんか?」

瑞鶴「おっしゃる通りです。だからどんな条件でも、例え何年かかってもやり遂げてみせますっ!」

龍驤「その意気やよし。まぁ別に、年月がかかるもんやあらへんがな。要は、ただの落とし前やな」

瑞鶴「…………ッ」ゴクリッ

龍驤「明朝にウチが呼んだ、とある空母が演習場に来るんやけどな。そいつに勝ったら瑞鶴、キミを元の鎮守府へ返したるわ」

瑞鶴「ほっ、本当ですかッ!」

龍驤「なんや瑞鶴、もう勝った気でいるんかいな。言っとくけどその代わり、負けたら今後キミの異動願いの件は一切なしやで?」

瑞鶴「……分かりました、私なりの龍驤さんや他のお二人への感謝の意味も込めて全力で挑ませていただきますっ!」フンス

龍驤「おっしゃ、ほんなら見せたってーな。空母の完成系とまで謳われた、五航戦のチカラってのをウチらにな」ニコッ

瑞鶴「ところで龍驤さん、わがままを承知で1つだけ私からお願いを聞いてもらってもいいですか?」

龍驤「ん? なんやねん急に、言っとくけどハンデとかは無しやで?」

瑞鶴「もし、もしも私が負けてこの鎮守府に骨を埋める事になった暁には……0から私に、龍驤さんの艦娘道を教えて下さいっ」ドゲザー

龍驤「あっはっは、当たり前やろ。ぜーんぶ何もかんも鍛え直したるわ、なんたってキミはウチの弟子1号やからなぁ」ニシシッ

瑞鶴「龍驤さん、ありがとうございます……」グスッ

龍驤「一応言っとくけどウチはどっちの応援もせーへんからな、これはキミ自身の問題やさかい」

瑞鶴「はいっ、承知してますっ!」

龍驤「ほんなら明日、マルロクマルマル(06:00)に演習場へ集合な。装備は自分のもんでも、ウチにあるもんでも好きなの使ってええで」

瑞鶴「お気遣いありがとうございます、それじゃあ私は明日の準備もありますからこれで……」スタッ

龍驤「おーっと、瑞鶴。ウチから一言だけ、おせっかいな独り言や」

瑞鶴「……えっ、なんでしょうか?」キョトン

龍驤「勝っても負けても瑞鶴、お前さんはお前さんや。堂々と胸、張っていきっ!」

瑞鶴「あははっ、張る胸がない場合がどうしたらいいんですかね?」

龍驤「あほ。そんくらい、笑ってられるぐらいの余裕を持って挑めっちゅー話しやっ!」ギャース

瑞鶴「……龍驤さんのおかげで、少し緊張がほぐれましたよ。でも何で龍驤さんは私にそんな肩入れ、してくれるんですか?」

龍驤「たっ、ただの気まぐれやがな。気にせんといてっ!」プイッ

瑞鶴「そうですか? それじゃあお休みなさい、今日の宴会とっても楽しかったですっ」パタン

龍驤「(今日の宴会なぁ~、明日も続くか最後になるかは明日の瑞鶴次第やね)」

瑞鳳「わっ、瑞鶴ったらもう来てたの? マルロクマルマル(06:00)まで半刻以上あるのに、寒いでしょう?」

瑞鶴「おはようございます瑞鳳さん、ちょっと気合を入れようと思って早起きしたらじっとしてられなくて」エエヘッ

瑞鳳「龍驤さんは相手の空母を出迎えに行ってるって。でも今日の結果次第で瑞鶴とはお別れかぁ~、寂しいなぁ」

瑞鶴「私も寂しいですよ、もし私が向こうに帰っても時々遊びに来たりしてもいいですか?」

瑞鳳「もちろんだよ、私たちからも遊びに行くね。それにしても瑞鶴ったら、勝つ気が満々なんだね」

瑞鶴「昨日みなさんと話して、やっぱり私の居る場所はここじゃなくてあっちなのかなって……」

瑞鳳「そっかぁ、じゃあそんな瑞鶴にはこれ。必勝祈願の御守りに、あげりゅね?」ハイ

瑞鶴「なんです? このかわいらしい封筒、中身とか聞いても大丈夫ですか?」

瑞鳳「私のお料理で瑞鶴が特に喜んで食べてくれてたお料理のレシピだよ、帰ったらお姉ちゃんに作ってあげてね?」ニコッ

瑞鶴「瑞鳳さん、私……ッ」

瑞鳳「やっぱダメだね。瑞鶴には元の鎮守府で幸せに暮らしてほしいけど、寂しいもん……ッ」グスッ

瑞鶴「龍驤さんにもお願いしたんですけど演習に負けてここに残る際にはお料理、また教えてくださいね」ギュッ

瑞鳳「うん、瑞鶴……がんばってね、私は瑞鶴のこと応援してるから」

瑞鶴「ありがとう、瑞鳳さん。この封筒は御守りとして、大切に胸の中に閉まっておきますね」ガサゴソ

大鳳「……すみませんっ、遅くなりましたっ!」タッタッタ

瑞鳳「もぉ~、大鳳ちゃんったら。今日は瑞鶴の応援、一緒にしようって約束したのにぃ」プンスコ

瑞鶴「いいんですよ。大鳳だって龍驤さんとの約束を今日も守ってたんだもの、ね?」

瑞鳳「ふぇっ?! 龍驤ちゃんとの約束? なぁに、それ?」

大鳳「ふふっ、私と瑞鶴さんだけの秘密ですよ」

瑞鳳「えぇ~、いつの間に二人ともそんな仲良しになってりゅのぉ~」アタフタ

瑞鶴「迷ってた私の背中を最初に押してくれたのが大鳳だったのよ、ほんとありがとね」

大鳳「私はきっかけを作ったに過ぎませんよ、それに今ここに立っているのはあなたの想いの強さの証でしょう?」ニコッ

瑞鶴「あははっ、そうだね。でも私、この鎮守府に来れて良かったって心から思うよ……ありがとうね」ペコッ

瑞鳳「もう~やめてよ瑞鶴ぅ、私また泣いちゃうからぁ~」グスッ

大鳳「この鎮守府に残った際にはぜひまた、一緒に特訓しましょうね」

瑞鶴「いやぁ~、アレはちょっと勘弁してもらいたいかな……」アハハッ

龍驤「おまっとさーん、演習相手の空母さんのご到着やでぇ~!」フリフリ

??「(スタスタスタ……)」

瑞鳳「じゃあ私たちは向こうから応援してりゅからね、瑞鶴っ!」ギュッ

大鳳「瑞鶴さん、『幸運の女神』のチカラ。この目でしかと、見届けさせていただきますね」ギュッ

瑞鶴「ありがとう、私がんばるから……ッ!」ニコッ

龍驤「ほな瑞鶴、挨拶が済んだら所定の位置へ移動してや」

瑞鶴「はい、了解です……(朝焼けのモヤで相手が全く見えないわね、一体誰が相手かしら)」

??「……お久しぶりですね、瑞鶴さん。お元気そうで何よりです、とは言ってもこれから元気な姿じゃなくなっていただきますけどね」ニコッ

瑞鶴「えっ、赤城さんっ! どうしてここに……って、龍驤さんっ! 私の演習相手って、もしかして赤城さんなんですかッ?!」

龍驤「せやでぇ、まあウチとでもよかったんやけどゲストさんがどうしてもって言うもんでなぁ」ケラケラ

赤城「瑞鶴さん、私たちの為。ひいては鎮守府で待つ、みなさんの為にもこの勝負……全力で参りますッ!」ゴゴゴッ

瑞鶴「(どういうことよ、それって私に勝って鎮守府には戻って来るなってこと??)」

龍驤「あーごほん、ほんならこれからルール説明を行うで。ちなみに説明中の私語は禁止、即失格やから気ぃ付けなはれや」

赤城「(瑞鶴さん。あなたに勝って必ず、例えチカラずくでも私たちの鎮守府に帰って来てもらいますよ……ッ)」

龍驤「そこ行く姉ちゃん、良かったらちょっちウチとお茶でもせぇへん?」ニシシッ

赤城「……龍驤さん。どうして今日、私がここへ来るとお分かりに?」

龍驤「まっ、そろそろ頃合いやろうかと思ってな。ほなそこのベンチに座りぃ~な、自販機の飲み物ぐらい奢ったるで?」

赤城「龍驤さん、率直にお話しとお願いがあります。瑞鶴さんを、どうか我が鎮守府にお返しいただけないでしょうか?」

龍驤「よっこらしょっと、そいつはちょっと筋違いやろ。第一、瑞鶴は自分の意思でウチらのとこに来たんやで?」

赤城「それは承知の上です。ですがやはりあの子が居ないと私はもちろん、他のみなさんまで憔悴しきってしまって……」

龍驤「ごくっごくっ、それ何て言うか知っとるか? 自業自得って言うんやで、赤城はん」ニタァ

赤城「あなたは大本営へも顔が効くとお聞きしました、どうか……どうにか、お願い出来ないでしょうか」ペコリッ

龍驤「1つ聞いてもええかな、あんたらにとっての瑞鶴ってなんなんや?」

赤城「……かけがえのない、大切な家族で仲間です」

龍驤「アホなことしたヤツらは、猛省しとるっちゅーことでええんやね?」

赤城「はい、その為に私がここへ参りました」

龍驤「でもなぁ、瑞鶴は自分から『帰りたい』とか『戻りたい』なんて一言も言わへんのよ」ゴクゴクッ

赤城「それはつまり、瑞鶴さんが私たちを見限ったと言うことでしょうか……?」

龍驤「どうやろね、ウチは瑞鶴ちゃうから分からへんけどもやねっと」ヨイショ

赤城「…………ッ」

龍驤「まぁ、強引にでも瑞鶴を引っ張ってって仲直りしたいんなら提案したってもええで?」

赤城「それは一体、どういったお話しでしょうか?」

龍驤「簡単な話しや、瑞鶴と赤城はんがタイマンで勝負したらええねん。で、勝った方がルールってな」

赤城「つまり、瑞鶴さんが勝てばこのまま。もし私が勝てば、瑞鶴さんへの口利きをして下さると言うことで?」

龍驤「せやな、破格の条件やろ? こっちもこっちで赤城はんに勝てば、瑞鶴の未練も立ち切れて助かる訳なんやけどなぁ」

赤城「……その勝負、受けさせて頂きます。日時と場所の指定、お願いできますか?」

龍驤「明日のマルロクマルマル(06:00)にウチの鎮守府の演習場でどや、もちろん当日は明朝にウチが門まで迎えに来るよってからにな」

赤城「承知しました、では明日また……」スクッ

龍驤「赤城はん、言っとくけど瑞鶴は強いで? 守るべきものと、場所ができたからなぁ」

赤城「瑞鶴さんの強さはあなたより熟知しているつもりです、そして守るべきものの強さでしたら私も劣るつもりはありません。失礼します……」ペコリッ

龍驤「……ふぅ、これでウチのお仕事は終いやなぁ~。結果がどうであれ、その後は当人同士の問題やしなぁ」スタスタ

龍驤「ルールの説明の確認いくでー、一度しか言わんから耳の穴かっぽじってよう聞きや~」

瑞鳳「えーっと、当然だけど戦闘行為は艦載機のみでする事。打撃や殴打等は無しかぁ、危ないもんね」

大鳳「そして艦載機に搭載されたペイント弾が70%以上、要は大破判定を受けたものが負けと」

龍驤「ちなにみ引き分けは無しや、その場合は戦闘の内容次第でウチの独断と偏見で結果は決めるでぇ~」

瑞鶴「(考えてみたら同じ艦隊で出撃はしても、赤城さんと直接演習なんてしたことなかったわね……)」ゴクリッ

赤城「(瑞鶴さんの才気と運に、私の経験と知識が勝るかどうかが勝負のカギですね……)」スーッ

龍驤「……ほないくでっ! ウチの艦載機が発艦したら演習開始や、さぁ仕切るで! 攻撃隊、発進っ!」ブーーーン!

瑞鶴「五航戦っ! 瑞鶴、出撃よッ!」

赤城「一航戦赤城、出ますッ!」

赤城「……制空権はほぼ互角ですか、伊達に五航戦の名を謳ってないですね……ッ」

瑞鶴「まともにやり合ったら勝ち目は薄いわ、このまま速力を維持してアウトレンジで決めたいわねっ!」

龍驤「ほぉ~ん。しょっぱなの開幕で決着が着いてもおかしないな思てたんやけど、やるやんけ瑞鶴のヤツ」ニシシッ

赤城「艦載機のみなさん、用意はいい? 第二次攻撃隊、全機発艦っ!」ブーーーン!

瑞鶴「……くっ、私の動きが読まれてる。それでこそ、伝説の南雲機動部隊の旗艦さまよねっ!」

瑞鳳「瑞鶴ってば逃げ回ってるだけで、どうして艦載機で迎撃しないのかなぁ」オロオロ

大鳳「おそらくですが瑞鶴さんが唯一、赤城さんを上回っている速力を活かしたカウンター狙いだと思いますが」

赤城「瑞鶴さん、あなたが私に勝てるとでもお思いですかっ!」バババッ

瑞鶴「勝てるかじゃない、勝つのよっ! いつまでも、一航戦の背中を追い続けるだけの私じゃないんだからッ!」

龍驤「(赤城は被弾率10%、瑞鶴は30%ってとこか。こっからどう巻き返すんか楽しみやね)」

赤城「これでとどめですっ! 全機、発艦よーいっ!!」ブーーーン!

瑞鶴「……ふふっ、それを待ってたのよっ!」シューーー

大鳳「いくらなんでもあの艦載機の弾幕の中に直掩機も無しで突っ込むだなんて、無茶ですよ瑞鶴さんっ!」

瑞鳳「ルールでは70%で負けだけど、そもそも50%を越えたら発艦できなくなっちゃうのにぃ!」

瑞鶴「ッ……これぐらい、かすり傷なんだからっ! 第二次攻撃隊、やっちゃってっ!」ブーーーン!

赤城「(艦戦と艦爆で弾幕を……すっかり視界が塞がれてしまいましたね。ここは一旦、之字運動へ移りますっ!)」シューーー

龍驤「(瑞鶴はこれで60、いや70%ギリギリ手前か。ほぼ無傷の赤城相手に、発艦も出来へん状態でどないする気やねんな)」

瑞鳳「瑞鶴の攻撃で何にも見えないよぉ~、それにこれじゃ瑞鶴はもう……」

大鳳「いえ、まだです。大破判定のブザーがまだ、鳴っていませんから」

瑞鳳「でもでもっ、中破した状態から一体どうやって赤城さん相手に攻撃を仕掛けりゅのっ?!」

大鳳「どちらにせよ、決着は目前です。しかと見届けましょう、瑞鳳さん……ッ」

赤城「(視界が晴れて来たわね、それに瑞鶴さんはもう発艦は出来ない。ここは索敵を……ッ?!)」ガシッ

瑞鶴「……ようやく捕まえましたよ、赤城さん。さぁ甲板から直接、残りの全機やっちゃってっ!!」バババッ

赤城「きゃぁっ! 誘爆を防いでッ!!」中破

瑞鶴「そんな暇は与えませんよ、馬力だけなら負けないんだからッ!」ドンッ

赤城「……ッ! どうしてわざわざ、捕まえた私を突き飛ばして……ッ!?」

ドーーーーーーンッ!! ビィーービィーービィーッ!!

大鳳「大破判定のブザーだわ、一体どちらが……」

瑞鳳「瑞鶴ぅ~っ!」タッタッタ

赤城「私の第二次攻撃隊を迎撃せずに艦載機を温存したのも、煙幕から密着しての全弾射撃も全部が計算の内でしたか……ッ」大破

瑞鶴「赤城さんならきっと之字運動で回避しつつ私を索敵するだろうから、あとはそこへ誘導して先回りさせた艦攻隊の場所へ……ね」ペタン

赤城「……ふぅ、私の完敗ね。まさか発艦できない中破状態の状況から、甲板に直接乗せた艦載機で攻撃するだなんて」フフッ

龍驤「勝負ありっ! 被弾率は赤城が94%に瑞鶴が68%、よって勝者は瑞鶴やっ! キミィ、すごかったでッ!!」パチパチパチッ

瑞鳳「瑞鶴ぅ~、大丈夫ぅ?」

瑞鶴「あははっ、ちょっと無茶したけど大丈夫ですよ。それより赤城さんの曳航、お願いしてもいいですか?」

大鳳「すごいっ……あんな不利な状況下で大破判定を避け続けて、最後の艦攻隊を当てるまでの全部が作戦だったと言うの?」ポカーン

龍驤「ほいっ、まずは二人に演習用の特製ドリンクな。しっかりケガ治さんと、ろくに会話も出来ひんしな」

赤城「すみません、いただきます……」ゴクゴクッ

瑞鶴「それにしても不思議よねぇ、演習でのダメージはこれですぐに直っちゃうんだから」グビグビッ

龍驤「お前さんのが不思議やわ瑞鶴、中破した状態から攻撃する空母なんて初めて見たでウチは」ケラケラ

赤城「ふふっ、全くですね。大鳳さんならいざ知らず、まさかあんな作戦で挑まれるだなんて」

瑞鶴「私、信じてましたから。赤城さんならきっと、教科書のお手本通りに動いてくれるって」ニシシッ

赤城「慢心はやはりダメですね。これからは私もより一層、精進しなくては……ッ」グスッ

瑞鳳「赤城さん、どこか痛みますか? 念の為、入渠の準備もありますけどぉ?」

赤城「いえっ、お構いなく。ただこれで瑞鶴さんとお別れだと思うと、さすがに少しくるものがありますね……」シュン

瑞鶴「ふぇっ?! どういう事ですか? 私は龍驤さんに、赤城さんに勝てたら鎮守府に戻れるって聞いて」オロオロ

赤城「えぇっ?! 私はあなたに勝てたら、瑞鶴さんを私たちの鎮守府に帰して頂けると伺ったのですがっ!」

大鳳「……つまり、両者が互いに手心を加えずに本気で挑めるようにとの配慮ですよね?」

龍驤「まあそういうこっちゃな、正直ウチは7:3で瑞鶴が負けると思っとったんやけどなぁ」アハハッ

瑞鶴「何よそれ。じゃあ私が勝っても負けても、私を元の鎮守府へ戻してくれる気だったってことですか?」

龍驤「ん~、まあせやな。騙したつもりはないんやけど、堪忍したってな」

赤城「……失礼ですが、なぜそんな回りくどいやり方をしてまで私と瑞鶴さんを戦わせたのですか?」

龍驤「口で綺麗事を並べても意味あらへんのよ、どんだけ二人が本気だったんかが見たかった。これが答えじゃ不服かいな?」

赤城「いえ、おっしゃる通りです。こうまでして頂かないと多分、私は本気で瑞鶴さんに挑めなかったでしょうから」

瑞鶴「はぁ~、何だか実感わかないなぁ。私が赤城さんに勝ったのも、鎮守府に帰れるのも」

赤城「私は嬉しいですよ? 瑞鶴さんが私を越えてくれたことも、帰ってきてくれることも……ね?」フフッ

龍驤「ほんなら瑞鶴、朝飯まだやろ? 赤城も一緒に食べようや、最後の晩餐にみんな揃ってな」

赤城「わっ、私までご馳走になってもよろしいんでしょうか……?」アセアセ

龍驤「安心せい、遠慮せず好きなだけ食べていき。これから瑞鶴のことを頼むっちゅー、前払いやからな」ニシシッ

赤城「ふふっ、龍驤さんには頭が上がらないですね。ところで私との再戦は、いかがなさいますか?」

龍驤「こんな和やかな雰囲気の中で今からもう1戦なんぞ出来るかいな、また日を改めて申し込みに行くわっ!」

瑞鳳「龍驤ちゃん。あんなこと言ってるけど、ほんとは目の前で瑞鶴との戦闘を見て赤城さんに怖気づいちゃったんだよ」ヒソヒソ

大鳳「そうですね、あのような立派な正規空母を相手にそもそも軽空母が挑むこと自体が無謀なのではないかと」ヒソヒソ

龍驤「お前ら思いっきり聞こえとるでぇ~、ウチの詮索してる暇あったらさっさと食堂に行って準備してきっ!」ギャース!

大鳳「はっ、はいッ! ただ今、すぐにご用意して参りますッ!」ビューーーン

瑞鳳「じゃあ三人はゆっくり来てね、積もる話もあるだろから……」フリフリ

龍驤「ふぅ~、全く。ウチらの二人にも、赤城はんと瑞鶴の爪の垢を煎じて飲ませてやりたいわぁ」

瑞鶴「ところで龍驤さん、鎮守府の異動願いの話しなんですけど……」オドオド

赤城「いくらあなたが大本営に口利きがきくとは言え、そう簡単に出来るものなのでしょうか?」

龍驤「あぁ~あれな。あの書類は全部ニセモノや、よう出来とったやろ」ケラケラ

瑞鶴「えぇ~っ! でもでも、ちゃんとここの提督さんの烙印も押してあったし……」オロオロ

赤城「そうですよっ! 例えその書面が偽物だったとしても、瑞鶴さんが他の鎮守府に長期滞在するのは違法では……」

龍驤「実はアレな、瑞鶴がウチの鎮守府にちょっち体験訪問で寝泊まりするっちゅー申請書が本文とは別にあるから安心しーな」ニシシッ

瑞鶴「それじゃあ、やっぱり。最初から私のこと、帰らしてくれるつもりだったってことじゃないっ!」

龍驤「当たり前でんがな、林の中で会話しとったときに言ったやろ? とっておきのお仕置き作戦があるってな」ケラケラ

赤城「それは、私たちも含めてのことでしょうか?」

龍驤「そうゆーこっちゃな、赤城はん。あんたが向こうでみんなを仕切っとるなら、もう少し視野を広く持とうや」ポンッ

赤城「返す言葉もありません。以後より一層、気を付けます……」

龍驤「ほいで瑞鶴、キミもや。一時の軽い感情に自分を流されたらアカンで、守るものも還る場所も常に一つのハズや」

瑞鶴「……はい、これからは意地を張らずにみんなと仲良くやってきます。龍驤さんたちみたく、深い絆が出来る様にっ!」

龍驤「ほんならウチからのお説教は終わりや。いい頃合いやし、そろそろ食堂へ行こかぁ~」テクテク

赤城「龍驤さん。最後にお礼だけ、もう一度言わせて下さい」

龍驤「ええってそんなの、キミらが仲良しに戻れたんならそれでええんやから」フリフリ

赤城「この度は大変なご迷惑をお掛けしたこと、そして寛大なお心遣いをして頂きありがとうございます」フカブカー

瑞鶴「龍驤さん、私もいいかな? きっとあのとき、林の中で龍驤さんと出会えてなかったら今の私はないと思うの」

龍驤「…………」ポリポリ

瑞鶴「だから、ありがとうございますっ! 龍驤さんと出会えて、この鎮守府に来れて私……とっても幸せでしたっ!」ペコリ

龍驤「あぁ~もう、ほら行くでっ! はよ行かな、せっかくの朝飯が冷めてまうがなっ!」テクテク

赤城「ふふっ、恥ずかしがりやさんなのかしらね?」

瑞鶴「そうですね、でもとっても優しい方なんですよ?」

赤城「えぇ、私が仲間の大切さと尊さを改めて誰かから教えられるだなんて……慢心はダメね、本当に」クスッ

瑞鶴「ほら赤城さんっ、一緒に行きましょ? 瑞鳳さんが作ってくれるご飯、お母さんに負けないぐらい美味しいんだからっ!」

赤城「あら、それは楽しみですね。一航戦赤城、出ますっ!」ビューーーン!

瑞鶴「ちょっ! 赤城さんはここの鎮守府の食堂の場所、分からないでしょーっ!」タッタッタ

赤城「何から何まで本当にお世話になりました、おまけに瑞鳳さんのお弁当までこんなに」ドッサリ

瑞鳳「えへへっ。良かったら帰り道、お腹が空いたら食べてくださいね?」

瑞鶴「赤城さんも気に入ってくれたみたいだし、鎮守府に帰ったら瑞鳳さんのレシピを早速使わせてもらいますね」ニコッ

大鳳「道中は我が帝国軍が支配下の安全圏内ですが、どうかお気を付けてっ」ビシッ

赤城「お気遣いありがとうございます、鎮守府へ無事帰還したらご連絡差し上げますね?」

瑞鶴「大鳳もありがとうね、あんたにあのとき言われてなかったら今頃私は……」グスッ

大鳳「ふふっ、出立の際は笑顔が基本ですよ? またいつでも、気軽に遊びに来てくださいっ!」ニコッ

龍驤「……ふぅ~、よっこらしょっと。何とかギリギリ、無事に間に合って良かったわぁ~」ドスンッ!

瑞鳳「龍驤ちゃん、そんな大きなプレゼント箱なんか持って来てどうしたの?」ポカーン

大鳳「きっと龍驤さんの気持ちが込もったお二人へのプレゼントですよ、さすがですっ!」

龍驤「ちゃんわ、ボケ。なぁ赤城はんに瑞鶴、このまま二人揃って帰るのはちょっちバツが悪いんとちゃう?」

赤城「ふむ、確かに。急に私が瑞鶴さんを連れて帰還したとなると、少し混乱させてしまうかも知れませんねぇ」

瑞鶴「……もしかしなくても私がこれの中に入って、空母寮の中で開けろってことですか?」ゲンナリ

龍驤「さすがやな瑞鶴、よう分かっとるやないの。これで加賀やんや二航戦に姉ちゃんのこと、驚かせたりーな」ニシシッ

赤城「これは瑞鶴さんの帰りを待つみなさんにとって、最高に素敵なプレゼントになりそうですね」フフッ

龍驤「一応、自走できる補助装置と防弾防水加工済みやから安心せい。赤城はん、曳航しっかり頼むで?」

赤城「はいっ、確かに承りました。わざわざこんなご配慮まで、ありがとうございますっ」ペコリーノ

龍驤「ほな名残惜しいけど、そろそろ抜錨せんとな。今からなら昼過ぎ、遅くとも夕方前には着くやろ」

瑞鶴「龍驤さん、私……本当になんて言ったらいいのか」ウルウルッ

龍驤「アホ、今さっき大鳳が言っとったばかりやろ。まぁ、また何かあったり寂しなったら遊びに来たってや」ニシシッ

瑞鳳「瑞鶴ぅ、お姉ちゃんと他のみんなにもよろしくね?」グスッ

瑞鶴「はいっ、ウチには大喰いの先輩も居ますから自慢してやりますよっ! 私の料理の指導艦の凄さをねっ」ニコッ

大鳳「……赤城さん、瑞鶴さんのことよろしくお願い致しますね」ペコリッ

赤城「えぇ。私たちが居ない間、瑞鶴さんのご面倒を見て下さってありがとうございましたっ」ペコリンコ

龍驤「お前さんたち人の話し聞いとったんかいな、はよ抜錨しっ!」パタパタ

赤城「……それではみなさん、大変お世話になりました。一航戦赤城、出ますっ!」シューーー

瑞鶴「龍驤さぁ~ん! 瑞鳳さぁ~ん! たいほぉ~! みんなもずっと、私の大切な『仲間』だからねぇ~ッ!」バイバイ

大鳳「ふぅ、行ってしまわれましたね。今度はしばらく、私たちが寂しくなる番ですかね?」フフッ

瑞鳳「……ねぇ、龍驤ちゃん。本当は瑞鶴に、この鎮守府でずっと一緒に居てほしかったんじゃないの?」

龍驤「あほ。あんだけ赤城を相手に死に物狂いで挑んでる瑞鶴の姿を見せられて、ウチの本音なんか言えるかいな……」プイッ

大鳳「安心して下さいっ、私たちはこれからもずっと龍驤さんのお傍に居ますからっ!」ギュッ

瑞鳳「えへへっ、なんだか瑞鶴のおかげで私たちまで今までよりもっと仲良くなれた気がするねっ!」ギューッ

龍驤「あぁ~もうっ! うっとうしいで、二人とも離れんかいっ!」ジタバタッ

瑞鶴「ねぇ赤城さん、ちょっといいですか?」

赤城「はい、なんでしょう? お昼にはまだ少し、早いですが……」ゴクリンコ

瑞鶴「もうっ、そうじゃなくってっ!」プンスコ

赤城「ふふっ、冗談ですよ。それで何かお話しかしら、もしかして帰ってからのこと?」

瑞鶴「だって私、勝手に家出してみんなに迷惑かけて。それで急に戻って来た私を、受け入れてもらえるのかなって」

赤城「……ふふふっ、あはははっ」

瑞鶴「ちょ、こっちは真面目に相談してるのに何もそんなに笑うことないじゃないですかぁ……」シュン

赤城「そうですね、ごめんなさい。でも私から言えることは、絶対にみんな泣いて喜んで出迎えてくれますよ」

瑞鶴「翔鶴ねぇにも心配かけたし、加賀さんは怒ってるだろうし、二航戦の先輩たちだってきっと……」

赤城「(みんなして瑞鶴のことを想ってあれだけ落ち込んでいたのは、黙っておいた方がいいのかしらね)」フフッ

瑞鶴「……赤城さん?」

赤城「大丈夫ですよ瑞鶴さん、少し急ぎましょうかっ!」シューーー

蒼龍「ほらっ、飛龍っ! またお酒こんなに飲んで、もうダメって言ったでしょうっ?!」

飛龍「いいじゃん別に、私が何してようと私の勝手なんだからさぁ」グビグビッ

蒼龍「……それ、瑞鶴の前でも同じこと言える?」

飛龍「瑞鶴は関係ないでしょ、それに言ったよね? もう私の前で、その名前を出さないでってッ!」ガタッ

加賀「やめなさい二人とも、あなたたちが争ったところで現状は何も変わらないわ」

蒼龍「加賀さん……ッ」

加賀「飛龍、あなたもよ。瑞鶴だけでなく、僚艦の蒼龍まで失いたいの?」

飛龍「…………ッ! ごめん、蒼龍。ちょっと度が過ぎた、お酒も言い付け通りもうやめるよ」

蒼龍「私こそごめんね、お酒を嗜むのはいいけどお願いだから自分の身体をいぢめるのはやめようよ……」グスッ

飛龍「うん、わかった。約束するね、ありがとう蒼龍……」ギュッ

加賀「……仲間は大切にしなさい、これが私からあなたたちへの最後の言葉ですから」

翔鶴「最後って加賀さん、その手に持ってらっしゃるのは……ッ」

加賀「えぇ、除隊申請書よ。今日限りで私は艦娘をやめて、第二の人生を歩むことに決めたの」

蒼龍「ちょっと加賀さん、待って下さいよっ! いくら赤城さんが外出中だからって、今そんな大事なことを決めなくても」

加賀「赤城さんが居ない今だからこそよ、赤城さんが居たら私の決心が鈍ってしまうでしょう?」ギリッ

翔鶴「そんな、瑞鶴だけじゃなくて加賀さんまで居なくなられてしまうなんて……そんなの、私は絶対に嫌ですッ!」ガシッ

加賀「……離しなさい翔鶴、あなたはもう立派に巣立ったわ。私が居なくてもきっと、十分にやっていけます」ナデナデ

翔鶴「嫌です、離しませんっ。きっと瑞鶴も戻って来てくれます、だからもう一度考え直して下さいっ!」

加賀「無駄よ、あの子は帰らないし私の意思も変わらないわ」ズルズルッ

飛龍「加賀さん。逃げるんですか、そうやって」

加賀「……何ですって?」ギロッ

飛龍「一航戦の誇りって、そんな簡単に捨てられるちっぽけなものだったんですか?」

加賀「黙って聞いていれば、あなたに私の何が分かると言うのっ! 元はと言えば飛龍、あなたが全部……ッ」ガシッ

蒼龍「やめてくださいッ! それ以上、言葉を続けるならいくら加賀さんと言えど容赦は出来ませんよ?」

加賀「……悪かったわね、飛龍。あなたに八つ当たりをするだなんて、それこそ一航戦を名乗る資格はもう私にはありません」

翔鶴「瑞鶴、瑞鶴ぅ~っ」グスグスッ

蒼龍「(赤城さぁ~ん、いつになったら戻って来てくれるのぉ? 私一人じゃもう、限界ですよぉ……)」

赤城「一航戦赤城、ただ今帰投しましたっ! 個人的な理由で長期に渡り留守にしたことを、ここに謝罪します」ペコリッ

蒼龍「……赤城ざぁ~んッ! 遅いですよぉ~、飛龍はお酒に溺れるし翔鶴は自傷行為に走ろうとするしっ!」エーーーン!

赤城「ごめんなさいね、あなた一人に任せてしまって……あら加賀さん、その手に持っているのは一体なんです?」

加賀「こっ、これは除隊申請書です。先程この子たちには話しましたが、今日限りで艦娘を引退しようと決意しまして」

赤城「そうですか、残念ですねぇ。これで一航戦も解散、と言うことになってしまうのかしら?」

加賀「それなら私の後任に翔鶴を推薦します、この子ならきっと赤城さんのチカラになってくれるハズですから」

翔鶴「加賀さんの代わりなんて誰にも務まりませんっ、赤城さんもお願いですから一緒に止めて下さいッ!」

赤城「うーん、その前に私。みなさんにお土産があるのですが、受け取って頂けませんか?」

飛龍「その後ろにある、やたらと大きな箱がですか?」キョトン

赤城「えぇ、とっておきのお土産です。加賀さんも除隊を申請する前に、最後に受け取って頂けませんか?」

加賀「……分かりました、赤城さんの最後のお願いですから」

赤城「ではちょっと大きすぎてドアから入らないので、みなさん廊下までご足労お願い致しますね」ニコッ

蒼龍「(あのぉ~赤城さん、あのプレゼントの中身ってもしかして……)」ヒソヒソ

赤城「(ふふっ、ご想像の通り。みなさんがきっと、今1番喜ぶものが入ってますよ)」ヒソヒソ

加賀「それにしてもよくこんな大きな箱を曳航して帰ってこられましたね、中身は一体……?」クビカシゲ

飛龍「赤城さんがわざわざ何日も外出してのお土産だなんて、ちょっとドキドキしますね」

翔鶴「……赤城さん、開封されなくてもよろしいのですか?」キョトン

赤城「あいにく、私は曳航で疲れたので今ちょうど蒼龍にマッサージをお願いしているところなのです」モミモミ

蒼龍「そうそうっ、だからそれは三人で開けてって赤城さんが……ね?」

加賀「そうですか、では私たちで開封させていただきましょうか」ヨイショ

飛龍「じゃあ私、リボンを外しちゃいますねぇ~っと」シュルシュル

翔鶴「では僭越ながら、私が箱を開けさせていただきますね……うーん、ちょっと高くて届かないわ」

飛龍「ほらっ、私が抱っこしてあげるから。これなら翔鶴でも届くでしょう?」

翔鶴「すみません先輩、では早速……」ガサゴソ

加賀「……なにっ?! けほっけほっ、すごい量の煙が急に」

飛龍「多分、ドライアイスじゃないですかぁ? なら中身は、大きなアイスケーキとか??」ワクワクッ

翔鶴「それにしては何だか、煙の量がすごいと言うか。あっ、やっと晴れてきましたね」

瑞鶴「(このボタンを押せば箱が一気に開くのよね、そろそろかな……)」ポチッ

赤城「ふふっ、さあ中身は一体なんでしょうねぇ」クスクスッ

蒼龍「(この赤城さんの反応、じゃあやっぱりあの中には……)」

プシューーーッ! バタンッ!!

加賀「……うっ、嘘よ。どうしてあなたが、あなたがここに」

飛龍「……偽物なんかじゃないよね、人形とかでもないよね?」

翔鶴「……瑞鶴、瑞鶴ぅ~!!」ギューッ

瑞鶴「えへへっ、五航戦瑞鶴。出戻り着任しました、どうぞこれからよろしk」

飛龍「ごめんね瑞鶴っ! 私があんなバカなことしたから、本当にごめんね……ッ」ギューッ

瑞鶴「もう気にしてませんってば。そんな責任、一人で背負い込まないで下さいよ飛龍さん」ナデナデ

飛龍「……瑞鶴ぅ~、こんなバカな私とまた仲良くしてくれる?」グスッ

瑞鶴「その為に戻って来たんじゃないですかぁ、こちらこそご指導ご鞭撻よろしくお願いしますねっ!」ニコッ

飛龍「うわぁ~んっ! 瑞鶴ごめんねぇ、大好きだよぉ~」ワーーン!

加賀「……本当に、本当に私たちと一緒に時間を過ごした本物の瑞鶴なの?」ポカーン

瑞鶴「何なら前みたいに、私と加賀さんしか知らない質問責めでもしてみます?」ニシシッ

加賀「そうね、なら初めて私が瑞鶴に送ったプレゼントは何かしら?」

瑞鶴「加賀さんが選んでくれた、私の弓矢の飾り皮です。もちろん今でも使ってますよ?」

加賀「……そう。では、あなたから私に初めてくれたプレゼントは何だったかしら?」

瑞鶴「それってみんなの前で言うことですかぁ? お互いに非番を合わせて、レストランに行って私がご馳走しました」///

加賀「なら他に、他に質問は……ッ」オロオロ

瑞鶴「はぁ~、それよりもその手に持ってる除隊申請書。そろそろ、出しに行かなくていいんですかぁ?」ケラケラ

加賀「……その生意気さは間違いなくあなたね、それにこれはもう必要なくなったわ」ビリビリッ

瑞鶴「えぇ? なんでよ??」

加賀「あなたが戻って来てくれたからよ、お帰りなさい瑞鶴……」ギュッー

瑞鶴「ちょっ、加賀さんってば私が居なくなったからって除隊しようとしてたんですかぁ?!」

加賀「二度と私の前から居なくならせないわ、覚悟しておきなさい……ッ」グスッ

翔鶴「瑞鶴、ごめんね。お姉ちゃんの私が頼りないばっかりに、こんなことになってしまって」ヒッグ ヒッグ

瑞鶴「翔鶴ねぇは何も悪くないよ、私の方こそいつも迷惑と心配ばっかりかけてごめんね」ナデナデ

翔鶴「……瑞鶴、一つだけお姉ちゃんのわがまま聞いてくれる?」

瑞鶴「うん、いいよ。私に出来ることなら、なんだっt」

翔鶴「もし、もしも万が一。また鎮守府を出て行くようなことがあるなら、私も一緒に連れてって?」ギュッ

瑞鶴「そんなこと二度とないって約束するし、もう二度と翔鶴ねぇを一人にしないのも約束する」ギューッ

翔鶴「……私がんばって瑞鶴に頼られるお姉ちゃんになるから、だから見捨てないでぇ……」

瑞鶴「もう、こんな泣き虫な翔鶴ねぇを放っといて見捨てるなんて二度と出来ないよ。ごめんね、何も相談できなくて」

翔鶴「ありがとう瑞鶴、もうずっとずっと一緒よ……ッ」グスッグスッ

赤城「蒼龍も瑞鶴に再会の挨拶ぐらい、してきてもいいんですよ?」

蒼龍「今は大混雑中なので、みんなが落ち着いたらでいいですよ。瑞鶴の元気な顔、見れただけで嬉しいですし」ニコッ

赤城「そうですか、蒼龍には今回の件で色々とお礼とお詫びをしなくてはいけませんねぇ」

蒼龍「それならもう頂いてますから大丈夫ですよ、赤城さんっ!」

赤城「あら? 何か私、蒼龍に渡したかしら?」

蒼龍「目の前にあるじゃないですか、これ以上ない最高のプレゼントが……」グスッ

赤城「ありがとう、蒼龍。あなたが居てくれて、本当に助かったわ」ナデナデ

蒼龍「こちらこそ、って言うか一体どんな手を使って瑞鶴の異動願いを取り下げてもらったんです?」

赤城「ふふっ、それは企業秘密ですっ」


【vsタイラ機甲戦隊、再びッ?!】 艦!

いやぁ~思った以上に長くなってしまいました、でもこれで空母6人の絆の深さを知って頂ければと。
次回作は年末に合わせて季節ネタで『イク』予定です、冬コミ開催日前までには完結させられるようにがんばるずい!

……ふと思ったのですが、こうやってまとめて投下するのと、ちょびちょび出来上がる度にうpするのと、みなさんはどちらがお好みなのですかね?
ちょっと書いてて気になりましたので、もしご意見があったら参考にさせて頂きます。

ズイ₍₍ (ง ˘ω˘ )ว ⁾⁾ズイ

更新できず申し訳ないのです、しばしお待ちをば。

【新春! クジ引き大会の巻】


翔鶴「よいしょっと、これでしばらくは日用品に困らないかしらね」

瑞鶴「お帰り翔鶴ねぇ! ごめんね、一人で買い物行かせちゃって……重かったでしょ?」

翔鶴「大丈夫よ、それに瑞鶴には急な出撃命令が出たのだから仕方がないわ」

瑞鶴「うん、ありがと。でねでね聞いてよ翔鶴ねぇ、今日またMVPを取っちゃったの!」

翔鶴「あらおめでとう瑞鶴、がんばったのね」ナデナデ

瑞鶴「提督さんや他のみんなに褒められるのも嬉しいけど、やっぱり翔鶴ねぇに褒めてもらえるのが一番うれしい!」

翔鶴「ふふっ、ありがとう。でも本当は瑞鶴にはもっと褒めてもらいたい、別の人が居るんじゃないかしら?」

瑞鶴「い、いないよそんな人! 加賀さんにはいつも怒られてばっかだし、褒めてもらいたくなんて」

翔鶴「あらあら、私は一言も加賀さんの名前を出していないのだけれど?」

瑞鶴「もーっ、翔鶴ねぇなんて知らないからッ!」(プンスコ

翔鶴「ごめんなさいね、瑞鶴。お詫びと言っては何だけどこれ、よかったらいるかしら?」

瑞鶴「なぁにこれ、福引きのチケット?」

翔鶴「えぇ、ちょうど今キャンペーンをやっていて。それでもらってきたのよ、これで1回分ぐらいにはなるのかしら?」

瑞鶴「えーっ、じゃあ何で翔鶴ねぇがこのチケットもらったときに使わなかったのさぁ?」

翔鶴「い、言わないとダメかしら……」

瑞鶴「ごめん、翔鶴ねぇ……」

瑞鶴「んーっと、期限は明後日までか。ならすぐに行かなくてもいいけど、その間に一等賞とか出ちゃってたら何か悔しいもんね」

翔鶴「そう言えばこの福引き、何がもらえるのかしら?」

瑞鶴「こういうのって多分、チケットの裏にでも書いてあるんじゃない? ……ほらッ!」


【一等賞】提督に可能な範囲で何でもお願いできる券
【二等賞】休日許可チケット(3日分)
【三等賞】鳳翔さんお手製 旬の幸豪華フルコース(ペア2名)
【四等賞】甘味処 間宮 特製詰合せセット
【五等賞】食事処 鳳翔 日替わり定食無料券(3枚)
【六等賞】アイテム屋 明石 10%割引券
【七等賞】明石特製 入渠ボール


翔鶴「こういうのって普通、ハズレ的な枠があると思うのだけれど」

瑞鶴「なんだかすっごい豪華だよね、上の方は言うまでもないし」

翔鶴「入渠ボールって、あれでしょう? お風呂に入れるとシュワシュワ~って、溶けていい香りがする」

瑞鶴「そうそう! お風呂なら毎日入るし、私あれ結構すきなんだーっ」ウェヒヒ

翔鶴「ポケットティッシュとかがない辺り、明石さんの優しさが出てるわよねぇ」

瑞鶴「ねぇねぇ翔鶴ねぇ、翔鶴ねぇはどれが一番欲しいのッ!?」

翔鶴「そうね、これだけ素敵なものが揃っていると正直どれでもうれしくてすぐ使ってしまいそうね」

瑞鶴「私としては鳳翔さんや間宮さんも捨てがたいけど、一等賞が気になってしょうがないのよねぇ」

翔鶴「提督に可能な範囲で何でもお願いできる券、もらった子はどんな風に使うのかしら?」

瑞鶴「んーっ、多分だけど提督さんと一日デートとか。駆逐艦の子たちなら、姉妹艦同士で休みがほしいとかじゃない?」

翔鶴「もし、私たち空母が当たったら?」

瑞鶴「そんなの決まってるじゃん! いつもの6人で休暇もらって、ついでに温泉旅行とかでもいいかもぉ~」ポワワーン

翔鶴「ふふっ、そうね。大規模作戦前だから、よっぽどの長期休暇でもなければ提督も許してくれそうね」

瑞鶴「てな訳で翔鶴ねぇ! 私、一等賞当ててくるから待っててねーッ!」バビュン

翔鶴「あっ、ちょっと瑞鶴ーッ」

蒼龍「……きゃっ!」ドンッ

瑞鶴「いたたッ……って蒼龍さん! ごめんなさい、急いでたので……ケガとか、痛いところないですか?」

蒼龍「こっちこそごめんね、お買い物の帰りで注意不足だったし。瑞鶴の方こそ大丈夫?」

瑞鶴「ぜんっぜん大丈夫ですよ、でもよかったー。 蒼龍さんにケガなんてさせたら私、飛龍さんに一体何をされるか」ゾゾッ

蒼龍「あははっ、飛龍はちょっと真面目なだけで別に怖くないよ?」

瑞鶴「それは蒼龍さん相手だからですよー、とりあえずケガとかなくてよかったです」ホッ

蒼龍「お互いさまね……って、瑞鶴そのチケット。もしかして、これから行くところだったの?」

瑞鶴「あっ、そーなんですよ! 一等賞を当てて、みんなで温泉旅行でも提督さんにお願いしようかなと思いまして」

蒼龍「それって、もしかして私たちも頭数に入れてもらえてるのかな?」

瑞鶴「当たり前じゃないですか、いつもお世話になってますし。某一航戦の青い人も留守番は可哀想だし、まあいつもの6人で行けたらなーって」テレッ

蒼龍「うわぁ、嬉しいなぁ……よーし、ちょっとここで待っててね、瑞鶴っ!」タッタッタ

瑞鶴「りょ、了解ですッ!」

蒼龍「お待たせー瑞鶴、飛龍を連れてきたよッ! あとこれ、福引きのチケットね」

瑞鶴「えっ、あの……でも、飛龍さんだって運いいですし。チケットもこんなにたくさん、もらえないですよー」オロオロ

飛龍「話しは蒼龍から聞かせてもらったよー瑞鶴、ありがとね」ナデナデ

瑞鶴「い、いえっ! 私が勝手に言ってるだけで、それに一等賞が当たる保証なんてないですし……」

飛龍「そんな可愛い後輩にこれを貸してあげよう、特別だからね?」ハチマキハズシーノ

蒼龍「これで飛龍の運も追加ってことで、瑞鶴はこの鎮守府で今一番の幸運艦だよッ!」

飛龍「実は私たちもこっそり、このチケットを集めてたのね。で、残り物には福がある~じゃないけど」

蒼龍「期限ぎりぎりまでとっておこうってね、でもここで瑞鶴に会ったのも偶然じゃないと思うし」

飛龍「それに瑞鶴、さっき蒼龍と頭ごっつんこしたんでしょ? 今日はきっとついてるよ、幸運の女神がね」

瑞鶴「……飛龍さん、蒼龍さん。私、ぜーったいに一等賞、せめて他のいいもの必ず当てて帰ってきますからッ!」ダダッ

飛龍「健気だねー瑞鶴は、せっかくだし翔鶴のところにおじゃまして帰り待たせてもらってみる?」

蒼龍「じゃあお祝いか残念会のどっちかになるかわからないけど、差し入れも持ってこーよ」

飛龍「りょーかい、じゃあ私は秘蔵コレクションのお酒でも部屋から見繕ってくるから」

蒼龍「じゃあ私は鳳翔さんのところにいって、何かおいしいの詰合せてもらってくるね」

翔鶴「妹の為にそこまでしていただいて、なんてお礼を申し上げたらよいやら」フカブカー

蒼龍「いいのいいの、私たちが勝手にしたことなんだし気にしないでよー。ねぇ、飛龍?」

飛龍「そうそう、今は幸運の女神さまのお帰りを3人で待つとしよーよ」ニコッ

翔鶴「ありがとうございます、このような準備までしていただいて嬉しいです」

飛龍「てか自分で言うのも何だけど、これだけ期待を押し付けるようなマネをして……」

蒼龍「もし一等賞とか他のも出なかったら、きっと気に病んで部屋に帰りにくくなっちゃうかな?」

翔鶴「ですよね、もし私だったら合わせる顔がなくてきっと……」

瑞鶴「翔鶴ねぇ! 見て見てッ! 一等賞のゴールドチケットだよ! それにしてもすっごいピカピカだよねー、まぶしいぐらいだもん」ペッケペケー

……その日3人は黄金に輝く、幸運の女神を目の当たりにしたのであった。

瑞鶴「聞いてくださいよーもう、実はすっごく面白いことがありましてぇ!」グビグビッ

飛龍「ほうほう、それはぜひともお聞かせ願いたいですなー女神さま」オサケツギーノ

瑞鶴「私が福引きに行く直前、どっかで見た事のある青いサイドテールの人が福引き所に入っていったんですけどぉ」

飛龍「その心は?」

瑞鶴「4回やって、ぜーんぶ『明石特製 入渠ボール』だったんですよー。あははっ、お腹痛いw」ケラケラ

飛龍「さすがに運が悪すぎだねーそれは、笑うのはちょっと失礼だけどさぁ」アハハッ

蒼龍「ねぇ翔鶴、瑞鶴ってお酒に強いの? さっきから結構な量、飲んでるけど大丈夫?」ヒソヒソ

翔鶴「えぇ、多分。実は瑞鶴は普段からあまりお酒を飲まないので正直、下戸か上戸かわからないんですよねぇ」

蒼龍「そうだよね、一緒に鳳翔さんのところにみんなで行ってもいつもジュースとかだし……」

翔鶴「気になって瑞鶴に一度、聞いたんですよ。お酒が苦手なら無理しないでねって」

蒼龍「ふむふむ、その答えは?」オサケノミーノ

翔鶴「『私まで酔っ払っちゃったらさ、誰が先輩たちを部屋まで連れてくの?』って返されました」クスッ

蒼龍「ずいかくぅ~! なんていい子なのぉ~ッ! うえぇぇ~ん、いつもありがとー!」ポロポロ

瑞鶴「ふぇッ?! 蒼龍さん、どうしたんですか急に。どこか痛いですか、それとも気持ち悪いとか」ナデナデ

蒼龍「うわぁ~ん、優しすぎだよぉ。もう瑞鶴、大好きーッ!」ギュッ

飛龍「あははっ、蒼龍を瑞鶴に取られちゃったよ。てか蒼龍は泣き上戸だから、あんまり気にしないでいいよ~」グビグビッ

瑞鶴「そうなんですか、お酒には強いけど泣き虫になっちゃうみたいな感じなんですか?」グビー

飛龍「そうそう、後は怒りっぽくなったり気が強くなったり。まあ、素の自分が丸裸になりやすいのかもねぇ」

翔鶴「瑞鶴、お酒は一気に飲まないで少しずつ。間にお水もちゃんと飲むのよ? それから」

瑞鶴「大丈夫だよ翔鶴ねぇ、さーんきゅっ! 私もこんなにお酒飲んだの初めてだけど、気分悪いとかないし」

飛龍「じゃあ今度からはたまにはこうやって部屋で飲もうよ、それなら瑞鶴も一緒に飲めるでしょ?」

瑞鶴「はい、ぜひご一緒させてくださいッ!」

飛龍「今まで散々私たちの面倒をみてくれたお礼に、いーっぱいおいしいのごちそうするからね!」

蒼龍「こぉ~うんのめがみさまぁ~、だいすきだよぉ~」

飛龍「で、あのままみんなで酔いつぶれて朝を迎えた訳ですが……」

蒼龍「今でも信じられないよねぇ、まさかほんとに一等賞を当ててきちゃうなんて……」

翔鶴「一等の話しで盛り上がってましたが、他にもこんなに当ててたのね瑞鶴は」ヒクヒクッ

瑞鶴「あははっ、酔いが冷めて気分も落ち着くと正直ちょっと自分でも怖いわね……」


【一等賞】提督に可能な範囲で何でもお願いできる券 x1
【三等賞】鳳翔さんお手製 旬の幸豪華フルコース(ペア2名)x1
【四等賞】甘味処 間宮 特製詰合せセット x2


瑞鶴「一等賞の使い道は決めてるけど、他のはどうしたらいいですかね。飛龍さん、蒼龍さん」

飛龍「んー、私は瑞鶴が当ててきたんだから瑞鶴が好きにしたらいいと思うよ?」

蒼龍「私も一等賞のご相伴にあずかれるだけで嬉しいし、飛龍と同意見かなぁ」

瑞鶴「うーん、じゃあ翔鶴ねぇはどうしたらいいと思う?」

翔鶴「ふふっ、私や先輩方に伺わなくても瑞鶴の中ではもう決まってるんじゃないの?」

瑞鶴「え、えっと……それは、その、あの」オロオロ

蒼龍「さっすがお姉ちゃん、よくわかったねぇ」

翔鶴「瑞鶴は嘘をつけない正直者ですから、相談事をしてても自分で答えが出てる時は耳をかく癖があるんですよ」ボソッ

蒼龍「(ほんとだー、耳ぽりぽりかいてる)」

飛龍「さっきも言ったけど、瑞鶴の好きにしなよ? 全部ひとり占めでも、私たち以外の人に渡したって別に……ねぇ?」

蒼龍「そーりゅうこと、昨日あれだけ楽しめたんだし」

翔鶴「お部屋の片付けはしておくから明るい内に渡してくるといいわ、朝なら人が少ないでしょう?」

瑞鶴「あーっもう、わかりましたッ! 行って来ます」バタン

飛龍「ねぇねぇ、瑞鶴が配分どうするか賭けてみない?」

蒼龍「もぅ、飛龍ったら悪趣味だってば」

翔鶴「ふふっ、それに全員の意見が一致なら賭けになりませんものね」

瑞鶴「すぅ~はぁ~、大丈夫よ瑞鶴。ただ渡すだけ、それだけでいいんだから何も緊張する事なんk」

加賀「……不気味だから人の部屋の前で、独り言はやめてもらえると助かるのだけれど」

瑞鶴「かかk、加賀さんッ! どうしてここにッ?!

加賀「どうしても何もここは私と赤城さんの相部屋です、五航戦の子は名札すら読めないのかしら?」

瑞鶴「そ、そうじゃなくて。てっきりまだ朝早いですし、部屋でくつろいでるのかと思いまして」

加賀「最近の赤城さんは朝礼があるまで部屋で休んでる事が最近多いわ、私は弓道場へ行って来たので」

瑞鶴「もしかして、朝練がない日も毎日通ってるんですか?」

加賀「そうよ、いけないかしら?」

瑞鶴「あ、あのっ! 朝早くに大変失礼ですけど、一航戦のお二人に渡したいものがありまして」

加賀「それは今でなくてはいけないの? 私も少し、休憩したいのだけれど」

瑞鶴「お時間は取らせません! 10分、いえ5分でも3分でも構いません、お願いしますッ!」アタマサゲー

加賀「……はぁ、頭を上げなさい。少し準備と赤城さんにも伝えて来ますから、ここで待ってるといいわ」バタン

瑞鶴「(うー、やっぱりいきなり来られたら迷惑だよね。何て言って渡そう……)」

加賀「……かく、瑞鶴。聞こえていて?」

瑞鶴「ふぇッ?! あっ、はい! すいません、ちょっと考え事を」

加賀「中に入りなさい、外は冷えるわ」

瑞鶴「お、おじゃまします……」ドキドキ

加賀「赤城さん、先にも話した通り五航戦の子が私たちに何か用事があるとかないとかで」

赤城「瑞鶴さん、いらっしゃい。寝間着のままでごめんなさいね、最近少し朝に弱くて……」

瑞鶴「い、いえッ! こちらこそ急に、こんな朝早くからおじゃまさせていただいてしまって申し訳ありませんッ!」フカブカー

赤城「そうかしこまらないで? ねぇ、加賀さん。お茶を3つ、お願いできるかしら」

加賀「……はい、赤城さんがそうっしゃるのであれば」スタスタ

赤城「それで何か相談事かしら? それとも何か別の要件で?」

瑞鶴「あっ、あのッ! その、私……お二人に、その」

加賀「粗茶ですがどうぞ、それと先にも言いましたがあまり長居されると困るのだけれど」

赤城「加賀さん、何もそんな良い方しなくてもいいではありませんか」

加賀「ですが話しなら今でなくてもできます、なら何故わざわざこんな早朝に訪ねて来たか理由ぐらい話してもいいのではなくて?」

赤城「瑞鶴さん、お話し出来そうですか?」

瑞鶴「こ、これをお二人にすぐにでも渡したくて……」

赤城「何かしらこれは、お手紙?」

加賀「中を開けてもよくて?」

瑞鶴「……」コクリッ

赤城「きゃあっ、まぶしいッ! 一体何が」

加賀「……これは明石さんの所でやっていた福引きの当たり券ね、しかも三等賞の」

赤城「それって昨日、加賀さんがやってきた?」

加賀「えぇ、チケットがホロに輝く『鳳翔さんお手製 旬の幸豪華フルコース ペア2名』の当たり券です」

赤城「そ、そんな貴重なものをどうして私たちに?」

加賀「全くです、あなたが自分で引き当てたのでしょう? なら姉とでも二人で堪能してくるといいわ」ツキカエシー

瑞鶴「わ、私は……私はいつもお二人にお世話になりっぱなしです、加賀さんにも赤城さんにもッ!」

加賀「それで?」

瑞鶴「だからせめて、この券をプレゼントして恩返しが出来たらって」ポロポロ

赤城「瑞鶴さん……」

瑞鶴「私、素直じゃないし。いつも生意気なことばかりしか言えなくて、でも本当はいつもお礼が言いたくてッ! だからお二人にいっぱいおいしいご飯食べてもらって、少しでも恩返しが出来たらって。だって私、二人にいっぱいもらってるのに何も返せてないからぁ」ヒックヒック

赤城「瑞鶴さん、覚えていますか? あなたが初めてこの鎮守府に来たころのことを」

瑞鶴「……」グズッ

赤城「姉の翔鶴さんにべったりで、まるで私たちの言う事も聞いてくれませんでしたね」フフッ

瑞鶴「ごめんなさい……」

赤城「咎めているのではないわ、最初こそ反発もあったけれど今では背中を立派に預けられる大切な仲間です。それに恩返しならもう十分いただいてますよ、こうやって感謝の気持ちを伝えてくれているのだから」

瑞鶴「ぐすっ、赤城さん……」

加賀「全く、相変わらず五航戦の子には迷惑をかけられます。急に朝早くから訪れて、こんな話しをするだなんて」

赤城「もう、加賀さん!」

加賀「私はあなたの指導艦です、例え口の減らない、生意気な子だとしても……いつ、私があなたに迷惑をかけられましたか? 恩返し? それなら毎日受け取っています、あなたが笑顔でいてくれるならそれが一番うれしいもの」

瑞鶴「加賀さん、いつも生意気言ってごめんなさいッ! 赤城さん、いつも遅くまで練習付き合ってくれてありがとうッ!」ポロポロ

加賀「……赤城さん、練習の件は初耳なのだけれど」

赤城「ふふっ、どこかの指導艦に少しで早く認めてほしくて一人黙々と努力しているのを見かけたら放っておけなくて」

加賀「……瑞鶴、あなたはいずれ私を超えるでしょう。天性の質も、それに頼らず努力も怠らない姿勢も立派だわ」

瑞鶴「……ッ」グスッ

加賀「そんなあなただからこそ厳しく指導します、私もあなたに負けない様に鍛錬を重ねます……でも普段から口が悪いのは私も同じだわ、ごめんなさいね」

赤城「つまり、いつも厳しくあたってるのは愛情の裏返し。これからはもっと仲良くしましょう? ってことですよね、加賀さん?」

加賀「別段、否定する内容はないわ……///」

赤城「良かったですね瑞鶴さん。これからは私たち、もーっと仲良くなれそうです!」ギュッ

瑞鶴「ほ、ほんとですか?」

赤城「えぇえぇ本当ですとも、私もうれしいです。ささっ、加賀さんもこちらへ」

加賀「いえ、私はその……そういった感情表現が苦手なのだけれど」

赤城「可愛い後輩を抱き締めるのに苦手も何もありません、これは仲良くなる儀式なのですッ!」

加賀「か、勘違いしないで。赤城さんが言った通りこれは儀式ですし、私も嘘をついた覚えはありませんし」ギュッ

赤城「恥ずかしいから素直になれないけれど、誰よりもあなたを見ていますよ……で、翻訳は合ってますか?」

加賀「もうっ、知りません」///

瑞鶴「ごっ、ごめんなさい! こんなに時間取らせた挙句、泣きついて迷惑かけて」ペコリ

赤城「ふふっ、私はとっても有意義な時間だったので謝られるようなことは何一つありませんでしたよ?」

加賀「ま、まあ。このチケットはありがたく頂戴します、その……ありがとう、うれしいわ」

赤城「ではそろそろ朝礼の時間ですし、私も正装に着替えますね」

加賀「私も朝の鍛錬をしたままだったので、替えのものに着替えたいわ」

瑞鶴「わ、私も顔が涙でボロボロですし。洗面所で顔、洗って来ます」

加賀「ついでに鼻水もね、まるで赤ん坊だわ」クスッ

瑞鶴「なーっ、そこまで言うことないじゃないですかぁ!」

赤城「ほらほら、イチャイチャするのはまた今度にして準備を済ませましょう」

加賀「誰がこんな口の減らない子と、イチャイチャなんて……」
瑞鶴「誰がこんな口の減らない人と、イチャイチャなんて……」

赤城「これは、えーっと。ノロケ? でしたっけ??」

瑞加賀「違いますッ!…………ッ?!」シセンアワセーノ

赤城「あらあら、これは私も翔鶴さんと新たに一航戦を組む練習をしなければいけませんね」フフッ

……この後、みんなで仲良く温泉旅行に行ったのはまた別の話しっぽい?

赤城「間宮さんの詰合せセット、ご馳走さまでしたッ!」

瑞鶴「赤城さん、一人で全部食べちゃったの?!」ガビーン


【新春! クジ引き大会の巻】 艦ッ!

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年11月23日 (水) 17:34:46   ID: 83kdB2So

あぁ^~心がぽかぽかするんじゃぁ^~

2 :  SS好きの774さん   2016年12月01日 (木) 15:53:30   ID: 5mHVLPx3

やっぱこの6人が最高やな!

3 :  SS好きの774さん   2016年12月03日 (土) 15:42:09   ID: hMD4_q4T

続きあく読みたい。楽しみw

4 :  SS好きの774さん   2016年12月07日 (水) 13:12:22   ID: CwC4mSmq

ノリが好きw

5 :  SS好きの774さん   2016年12月11日 (日) 23:02:05   ID: _0demYmr

ガチ提督っぽいよな、甲8普通に持ってそう

6 :  SS好きの774さん   2016年12月18日 (日) 08:21:46   ID: LGupzhAa

もうコミケか…サークルで参加してそう笑

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