みほ「将来の私達って何をしてるんだろうなぁ…」 (37)

沙織「私は皆より先に結婚して女の幸せを掴んで見せるよ!」

優花里「私はたぶん遠かれ早かれ家を継ぐ事になるかと!」

麻子「まだ何も決まってない…」

華「私も優花里さんと同じで家を継ぐ事になると思います」

みほ「私は…どうなるんだろうなぁ…」

みほ「お姉ちゃんを補佐して西住流のコーチとか…」

沙織「おお!いいねぇ!みぽりん大洗のコーチとかやればいいじゃん!」

優花里「それいいですね!大洗のコーチをすればきっとまた優勝だって狙えますよ!」

華「みほさんのしたいことをすれば一番良いかと思います。でも魅力的ですね、コーチだなんて」

麻子「大洗女子学園は安泰だな」

みほ「あはは、でも先にならないとわらないから…」

そして10年近く月日が流れた…

カチャカチャ

みほの自室

みほ「今日の2ちゃんの記事のまとめはと…きゃははぁ…また変なのがまとめられてるー…!」

ポリポリ…むしゃむしゃ

みほ「ぎゃっぷぎゃっぷ、糞ワロタwwww」

コンコン

??「みほ…居るかしら…」

みほ「…居るけど何?外なら出ないよ」

??「みほ…」

みほ「うるさいなぁ…用事なら早く済ませて…私はネットで忙しいの」

??「ご飯置いておいたから食べなさい」

みほ「黙って置いてって言ってるでしょ…お母さん」

しほ「食べたらまた回収しにいくから…」

みほ「一生家元やってろ戦車道楽が…」

ガチャ

【お母さんより、みほ、今ならまだ間に合うから】

みほ「ちっ…」

みほ「菊代さんの作ったとんかつは美味しいなぁ…お母さんのおにぎりは塩つけすぎ…」

むしゃむしゃ

みほ「家はお金持ち、お姉ちゃんはいずれ2代目家元で私が苦労する必要もなし…毎日家でネットにamazon、2ちゃんねる…ネトゲー…こんな生活夢にも見て無かったよwww」

ドン!!

   「撃ち方やめ!」
   
     「各機整列しろ!」

みほ「やってるやってる…相変わらず忙しいなぁ道場は…今度お部屋を防音にしてもらおっと…そんなことよりもっと…んふふふぅ…」

カタカタカタ

みほ「名前と住所を偽った人間観察用のフェイスブックアカウントでも作ってやってみよっと…
   名前は…西住じゃ一発でばれそうだから…†クラウド†にしよっと…」

みほ「これでよしっと…大洗のお友達は何してるんだろ…まずは武部…武部沙織さんっと…カチャカチャ」

みほ「何件か出てきた…あれ…大洗…あ!これ武部さんかも!」

クリック

みほ「!?」

みほ「…沙織さんだ…それに綺麗になってる…お隣に居るのは旦那さん…それに赤ちゃん抱っこしてる…」

コメント欄


秋山優花里:武部殿おめでとうございます!今度赤ちゃん連れて遊びに来てください!
  武部沙織:ありがとうゆかりん~!この前楽しかったね~落ち着いたらまた飲もうね! 

五十鈴華:可愛らしい…!優花里さんもついにお母さんですね…!同じ母親同士辛い事があったら言って下さいね!
  武部沙織:ありがとう華~><そっちは男の子だったよね~!今度4人でで集まろうね!

冷泉麻子:おめでとう、沙織似だな、また抱っこさせてくれ
  武部沙織:あんたは昨日も抱っこしたでしょうが!

みほ「…」

みほ「私以外全員フェイスブックやってるんだ…」

ダージリンさんやアンチョビさんの言葉まで…

田尻凛子:おめでとっ、この頃の子育てが一番大変だから、何かあったら旦那に頼ったり身近な人に甘えたりするんだよ?
  武部沙織:ダージリンさん!ありがとー!印象が変わっててびっくりでした!今度ママ友会やる予定なんでダージリンさんも良かったらどうぞ!
    田尻凛子:ほんと!嬉しいな~(*´∀`*)戦車道から遠ざかってしまった途端地が出てしまっていかんいか~ん!こんど携帯教えてね☆

安斎千代美:沙織もついにママだなぁ(^∀^*)オメデト!可愛い赤ちゃんとお幸せにね!あと幸せ太りするなよ~
  武部沙織:しませんってば!(`_´*)アンチョビさんのお店また行きたいなぁ…
    安斎千代美:いっつでもこいー!美味しいパスタとピザをご馳走するぞー!

みほ「…皆やってるんだ…」

みほ「はぁつまんない…なんで私だけこんなになったんだろ…」

佐織さんは結婚済み、現在は可愛い赤ちゃんまで…

優花里さんも結婚して実家を旦那さんと引き継いでる…

華さんは新三郎さんと結婚して家業を継いでるんだよね…

麻子さんはたしか私が戦車道講師の研修中にお婆ちゃんが亡くなって…お葬式の時依頼会ってない…けど凄い額の遺産を残しておいてくれて働かなくても食べていけるから優雅に暮らしてるらしいし…

みほ「あ、!麻子さんてひょっとして私と同じ待遇なのかも!うれしいなぁ!共感できるお友達が居るって!」

みほ「電話して見よう!」

プルルルルル!

麻子「もしもし、おお西住さん…何年ぶりだろうか…」

みほ「まこさん~お久しぶり~元気かな?」

麻子「ああ、今日はアルバイト休みだ」

みほ「え…アルバイト…?」

麻子「うん、いくらおばぁが遺産を沢山残してくれたとはいえ、何もしなければ人間駄目になってしまうからな…少しだけでも社会の空気は吸っておかないと…」

みほ「そ…そうなんだ」

麻子「西住さんは何をしてるんだ?全員が連絡取れないって心配してたぞ…よかったらフェイスブックでも登録したらどうだ?」

みほ「あはは、私そういうのよくわからないから…いいかな…」

麻子「戦車道の講師のほうはどうだ?以前物凄くスーツ姿が似合っていた」

みほ「ま、まあ程ほどに頑張ってるよ!」

麻子「大洗に居ないみたいだが今は何処で講師を?」

みほ「ん?えっと…それはね…」

麻子「何かあったのか?」

みほ「ほんとに、大丈夫だから」

麻子「辛い事とかあるなら相談にのるぞ?」

みほ「いいって」

麻子「しばらく聞かないうちに声も変わったな…」

みほ「うるさいな…」

麻子「え…?」

みほ「うるさいなぁ!ほっといてよ!」

麻子「!?(びく」

ガッチャン!!!!

みほ「何が戦車道だよ…ばかみたい…私=戦車みたいな目でみるな…!」

ドゴォ!!!

みほ「あ…また壁に穴あいちゃった…ガムテープガムテープと…」

部屋の外

まほ「みほ!うるさいぞ…!静かにしろ!」

みほ「ちっ…はいはいすみませんでした♪次期 い え も と さ ま ♪」

まほ「お前…なんだその言い方は…部屋を空けろ…」

みほ「うるさいよ、部屋の前から消えて」

まほ「あけろって言ってるだろうが!!!聞こえないのかこの馬鹿が!!!!」

ドゴォ!バキィ!ゲシィ!(ドア蹴り

みほ「!?(びく」

枕で頭を隠しベッドに潜り込むみほ

みほ「ごべんなざい!もう言わないからドアだだがないでぇ!!」

まほ「はぁはぁ…みほ、覚えておけ…家族とは言えど私だって一人の人間だ…許容できる事とできない事がある…立場に応じた態度を取る事だ…」

スタスタスタスタ…


みほ「ようやくどっか言った…馬鹿じゃないのかな…もう家元気取り?」


バッキィ!!!!!(ドアをぶん殴る音


みほ「ひっ!?」


みほ「次ふざけた事を私の前でほざいたらこのドア、ぶち壊すぞ…」


スタスタスタスタ…


みほ「やばいやばい…耳が良いからなぁお姉ちゃん…最近本気で怒るようになって苦手なんだよなぁ…」

さかのぼる事数年前

私は戦車道の講師見習いでとある学園艦に来ていた…
明るく楽しく、そして美しい戦車の道を皆に知ってもらいたかった…
しかし現実はそうあまくなかった…

男性体育教師の異様なセクハラ、スキンシップとか言いながら体のあちこちを触られたり
携帯を聞かれたり…
そして生徒からも何故か好かれなかった…


トイレ

生徒1「西住教官って正直うざくね?」

生徒2「凄いのはお姉さんだよね?高校の時一度まぐれで優勝しただけの…」

生徒3「どうせならお姉さんのほうに来て欲しかったなぁ…それにさ、あのもみ上げなんかきもい…」

生徒4「戦車道やってるメンバーの生年月日や血液型まで覚えてるって噂だよ…」

生徒5「うわ…同性愛でストーカー?マジきもい…」

トイレの個室にて

みほ「…」

生徒指導室にて

教師「いやぁ、この年代の学生と言うのは体の成長と心の成長が難しいですからなぁ…」

みほ「あの…それでも私、みんなに戦車道の楽しさをわかってほしいんです…だからまずは生徒達と仲良くなる事から始めたいんです…」

教師「君の気持ち、よーくわかるよ、だが今の時代の子供というのはね、非常に教育が難しいんだ…私が教育を手伝っても良いんだがね?」

みほ「え、本当ですか!?」

教師「ああ…その代わり…条件があるんだ」

みほ「条件ですか?私にできることであれば」

ぎゅ…

みほ「きゃ…何を?!」

教師「私が協力すれば生徒はかならず戦車道に取り組むだろう…だからその代わりに…君とね」

みほ「嫌!やめて!離してください!」

教師「暴れちゃだめだよ…言う事を聞いてくれれば君の思い通りに事は進むんだ…だからね…」

さわ…

みほ「嫌ですっ!」

ドン

教師「うわっ!痛い!」

みほ「反射的に押し返しちゃった…ごめんなさい!お怪我はありませんか!?」

他教師「どうしたんですか!?一体何が!?」

他生徒「何だ何だ…」

しほ「あんな生徒指導員が教師だなんて…とてもじゃありませんが娘を講師として置く事はできません」

理事長「申し訳ございません家元…今回の彼の不届き、許される事ではありません…即彼を解雇し、厳重なる処罰を…」

しほ「娘も西住家とは言え一人の女です。心に傷を負うようなことがあればこの学園そのものに責任を負ってもらいますので」

理事長「このような事は二度と無いよう善処いたします!みほさんの心のケアも我々が一丸となって!」

みほ「お母さん…もう大丈夫だから…私頑張るから大丈夫だよ」

しほ「みほ…」

お母さんが私を庇ってくれた…今まで以上に感情を露にし、鬼の様な形相で相手を睨みつけ…

そんなお母さんの助けもあって、私はもう一度戦車道の講師見習いとして生徒達と向き合う事にした。

生徒A「西住教官♪」

みほ「うん?どうしたの?」

生徒A「この前やめた生徒指導の先生とホテル行ったってマジですか~?」

みほ「え…?」

生徒B「びっくりしましたよ~だって西住教官、生徒指導室で先生と抱き合ってたって…」

みほ「そんな…!」

生徒C「教官ってえっちぃの~」

生徒達「いこいこ~教官が援交とか受ける~ww」

みほ「…」

そして私の指導の通り皆は戦車をしてくれなかった。

みほ「Aチームさん、今崖の上で射撃してしまうのは得策ではありません、もう少し相手の距離が近づいたら…」

生徒A「はーいわかりました~  チッおやじ趣味の援交女の癖に…(ぼそ」

みほ「…」

トイレに居る際はバケツの水をぶちまけられたこともあった…

みほ「…」

  <きゃはは~うける~

ポタポタ…

みほ「あは…あははは…」

校庭

みほ「えー、皆さん話があります」

生徒達『…ヶッつまんねーあくしろよ…』

みほ「えー皆さん重症です。戦車道に向いていません!」

生徒達『はぁ!ざけんな!…親の七光教官の分際で!』

みほ「10代とはいえ良い歳です。子供とはいえやっていいことと悪い事の区別、つきますよね?」

生徒A「さっきから何偉そうに説教してんの?マジうざいんですけど?ぺっ!」

ビシャ

みほ「…ぬぐってください…顔に唾がつきました」

生徒A「あ?」

みほ「ぬぐえって言ってるのがわかんないのかこの馬鹿!」


バチィン!!!!!!


生徒A「え…(ぼけー」

みほ「ねえ、いまあなた自分が何したか分ってる訳?同じ事してやろうか?おい、答えろ…どういう育ちしたんだか分からないけどもしお前が同じ事されたらどう思う?あぁ!?家族に同じ事してやろうか?西住の家族で乗り込んでさ!どう思う?答えて! ほ ら 答 え て 見 ろ よ !!!!!!」

生徒A「い…嫌です…(びくびく」

みほ「よくできました(にこ」

みほ「えー皆さん、私は生徒に手を出してしまいました、よってもう今日今後を持ちまして講師見習いを辞めさせて頂きます…!(にこ」

生徒一同『!?』

生徒A「じゃ…じゃあ私達の戦車道は?」

みほ「ふぅ…   はぁ?自分で考えたら?大人を舐めた代償くらい自分で責任とれ…(ぎろ」

みほ「それでは今日の指導は終わり!お疲れ様でした!!!」

訂正wご指摘の通りまほごっこになってたので直しますwwww

みほ「次ふざけた事を私の前でほざいたらこのドア、ぶち壊すぞ…」

まほ「次ふざけた事を私の前でほざいたらこのドア、ぶち壊すぞ…」

あれから私は逃げるように引きこもった、社会が大嫌いになった…
そして気づけば友達と会うのさえ怖くなった…

あの出来事の後、私が研修で通っていた高校の戦車道は廃止された。
恐らくは母親の仕業だろう…

あの出来事以降私が引きこもりになっても母親だけは私を責めることはなかった…
顔を合わせるたびに体は大丈夫?と声まで掛けてくれる。
正直つらい。あんなに厳しい母親があんなに悲しい顔をする事で心がかき乱されそうになる。

姉は正反対で私に対して尋常じゃないほど厳しくなった。
口答えをすれば頬を打たれ
過去に言ってくれた「ここはお前の家だ、何も遠慮する必要はない」が今では

まほ「ここはお前の家だ、ただ、何時までもここに居れると思うなよ」

きっとお姉ちゃんが家元になれば私は追い出される。
もちろん覚悟も出来ている…

何故なら…数ヵ月後、お姉ちゃんが結婚するからだ。
今のままのお前は邪魔だとお姉ちゃんにはっきり言われた。

そして何故かお母さんには庇われた

人生で二度目…逃げ出したのは…

でももう私に再出発する自信はない…

本当なら結婚して、子供や旦那に囲まれて…

戦車の指導を誇りにお仕事を頑張ったり…

昔の同級生達と楽しんだり…

全部夢だったんだ

しほ「娘をお願いします…」

??「はい…私もずっと会いたかったんです…」

??「皆それぞれ忙しいから…今回は私達二人で来ました…」

しほ「ありがとう…」

まほ「すまないな、あの大馬鹿者がいまだに君たちに迷惑をかけてるなど…恥ずかしくて合わせる顔も無い…」

??「そう言わないでください…あの子もそれだけ心に傷を受けたのでしょう…」

しほ「まほ…みほはね、ただ引きこもってるだけではないのよ…心療内科でお薬も貰ってるの…」

まほ「ぐっ…」

??「だからドアを壊してでもみぽりんに会います」

まほ「すまない…あいつを…みほを頼む…」

チャリン

??「それは?」

まほ「みほの部屋の鍵だ、お母様から預かった…」

??「鍵があるのにあえて開けなかったのですね…」

まほ「すまない…私も…怖かったんだ…妹を…みほを助けてやれる自信を失って…」

??「分かりました、その役割、私達が…!」

まほ「本当に頼む…すまないな…無力な家族で」

みほの部屋

みほ「あ、またあのねこにゃーとか言うプレイヤー私にMPKしてきた…こうなったら…」

みほ「へへっ撃沈~引き連れてきたモンスターを返してあげただけだよ~っと!あははは!」

コンコン

みほ「誰…?お母さん?おやつ今日は要らないよ、お饅頭とか飽きたし…」

??「みっぽりん♪ひさしぶり~!この声覚えてるかな~?」

みほ「!?(びく」

??「昨日の電話ぶりだな、西住さん」

みほ「…なんの用かな…?」

沙織「お部屋入っていい?久々にお茶したいなって♪」

麻子「ケーキやお菓子、もって来たぞ、安心しろ、饅頭はない」

みほ「ごめん…ちょっと会える様な状況じゃ…」

沙織「あけるよ~」

ガチャ

みほ「鍵が!?そんな…まさかお母さんが!?」

沙織「み、みぽりん…!?」

麻子「うぐ…く、臭い…動物小屋みたいな匂いだ…」

みほ「み、みないで!死にたくなるよぉ!お願いこないでぇ!」

沙織「みぽりん…この変色した詰まれてるのって…」

みほ「下着です…パンツとか…」

麻子「き、きのこが生えてる…」

みほ「押入れにもどっさりあります…」

沙織「どれどれ…」

麻子「うぷ…やめろ沙織…開けるな…」

みほ「どうして…今更私なんかに会いに来たの…?」

沙織「麻子からお話聞いて心配になったの…本当どうしちゃったのみぽりん」ぎゅう

みほ「あのね…私…その…ぐす…ひぐ…うわぁぁあ」

沙織「うんうん…話は後で沢山聞いてあげるからその前に…」ぐい

みほ「はひ…?」

沙織「みぽりんくっさい!!!!何日お風呂入っていわけ!」

みほ「…半年は…」

麻子「部屋に蛆が沸くぞ…」

みほ「あ…ゴミ箱に居るかもこの前も」

麻子「おえええ…窓をあけろーーー!」ガラガラガラ

みほ「やだー!外の光怖いよー!」

沙織「みぽりんはこっち!!!歯ブラシと石鹸と垢すりもって私とお風呂!!!!」

みほ「そんなに臭い…?私」

沙織「臭すぎ!!!!良いから来るの!」ズルズルズル!

菊代「さあ、今お嬢様がお掃除してるうちに!」

麻子「掃除ですね…」

菊代「雑菌だらけですので一応除菌マスクを」カチャ

麻子「はい…」カチャ

菊代「匂いの原因その1…この引き出し…」ガラガラガラ

麻子「うげ…これは…」

菊代「使用済みの生理用品をここに溜め込んで…」

麻子「黙って回収処理しましょう…聞きたくありません…」

菊代「ですね…次に押入れ…」ガラガラ

麻子「カビとチー〇の匂い…」

菊代「下着とか雑誌とかが湿気でカビだらけに…」

麻子「早く袋に入れましょう…」

菊代「あとこれって…」

麻子「カップラーメンの残り汁…なんか緑色になってる…匂いは…っとやめておこう…処分処分」

菊代「業者を呼ぶレベルですねこれは…」

麻子「Amazonの箱が山済み…中身の無いものだけ処分していきましょう…」

菊代「えーと…なになに…振動バイb」

麻子「だからそう言うのは読まなくて良いです!西住さんがお風呂から上がる前に掃除掃除!!!!」

菊代「あ、はい!急ぎましょう…!」

こうして部屋は見違えるように綺麗になった…

みほ「あのぅ…」

麻子「おお、いつも通り西住さんのフローラルな香りだ」

沙織「垢落とすの大変だったよー!もうまだまだ女を磨かなきゃいけない年齢なのにみぽりんたらもう~~!」

みほ「ごめんなさい…もう…臭くないかな…?」

菊代「はい、女の子らしい香りですよお嬢さん…」

みほ「う、うん…」

沙織「さあみぽりん…どうしてみぽりんがこうなったのか説明してもらえるよね?」

みほ「…」

麻子「あの電話の時の西住さんの怒りようは尋常じゃなかった…」

みほ「ごめんなさい…フラッシュバックしちゃって…」

訂正 菊代「はい、女の子らしい香りですよお嬢さま…」

みほ「私ね、戦車道の講師みならでとある学園艦へ行ったの…」

沙織「うんうん」

麻子「それは聞いた、むしろそこで頑張っているのかと思った」

みほ「でもね、私、そこで上手くいかなかったんだ」

みほ「先生にセクハラされたり体の関係求められたり…あと生徒に理由も無くとっても嫌われちゃって…虐められちゃって」

沙織「何それひどい…」

みほ「結局何もかもが嫌になっちゃって…外の世界が怖くなっちゃったんだ…」

麻子「一歩間違えれば私も確実にそうなっていたな…」

沙織「最後…どうなったの?」

みほ「最後に反抗してきた生徒の子にね、平手打ちしちゃった…」

沙織「あのみぽりんが手を出すなんて…」

麻子「よほどのことだったのだろう」

みほ「最後自分でも相手に何を言ったか覚えてないの…怒鳴ってその場を後にして…寮でずっと泣いてたんだ」

みほ「涙が彼果ててからもぬけの殻のように実家に帰って現在の私がこれ…かな」

沙織「みぽりん…相談してよかったんだよ…?」

みほ「…」

麻子「そうだ、今回の場合は逃げ出すほうが正しいパターンだ…恥じる心配なんて何もないんだ…」

みほ「でも私…お母さんやお姉ちゃんにも沢山迷惑かけて…そしてこうやって麻子さんや沙織さんにもまた…」

麻子「ちょっとずつやり直したらどうだ…?」

みほ「ふぇ?」

麻子「いきなり指導員をしろとか、戦車関連の仕事をリハビリで始めるんじゃない、簡単なアルバイトからはじめて社会復帰するんだ」

みほ「もう…何年も引きこもってるのに…?」

麻子「出来るさ、私だっておばぁの財産で数年ニートしてたが普通にアルバイトできたからな」

沙織「そんな生活できるあんた達二人を逆にぶっとばしたいわ」

みほ「麻子さんはどんなバイトをしてるの…?」

麻子「戦車やら模型のショップだ、秋山さんが紹介してくれた、良かったら君もどうだ?あまりストレスもたまらないし働きやすいぞ」

みほ「戦車ショップかぁ…う、うん…このままじゃ私本当に家を追い出されちゃうし…家族に相談してみる…」

沙織「みぽりん…落ち着いたらフェイスブック登録しようよ?私達が何してるか分るからさ!それにゆかりんもみぽりんに会いたがってるんだよー!」

みほ「う、うん…わかったよ…」

みほ「みんな…ありがとう…ぐす…ひぐ…」

麻子「泣くな、ほら、好きないちごショートだぞ、食べろ」

みほ「ひゃい…はぐ…もぐ…おいひい…」

沙織「なんか私たちだけ歳を取ったみたい…みぽりんは昔の可愛いままだよ♪」

麻子「ただ部屋はちゃんと掃除しろ、最初見た時ゴミ集積所かと思ったぞ」

みほ「う、うん…!」


そして…


まほ「用事とはなんだ?私はお前と違って忙しい…」

しほ「まほ…みほがこうやって自分から話そうとしているのです、聞いてあげては?」

まほ「お母様は黙っていてください…で、話ってなんだみほ」

みほ「お母さん、お姉ちゃん…二人とも…本当に迷惑をおかけしました…ごめんなさい…」

まほ「…」

みほ「私、セクハラや生徒の虐めで全てが嫌になって引きこもってしまいました…でもこのままじゃいけないことも本当はわかってました」

みほ「また直ぐに教官をしろと言われても出来る自信はありません…なので小さいアルバイトから始めて社会復帰を目指したいと思います…家からも勿論出ますので…」

まほ「言いたい事はそれだけか?」

しほ「まほ…」

みほ「本当にごめんなさい…」

まほ「好きにすれば良い、お前の人生だ…」

まほ「私もこの家を次、来月には結婚する…それなのにお前の部屋の近くから悪臭が凄まじかった」

みほ「うぅ…」

まほ「そんな状態で私が夫を迎え入れられると思ったか?」

みほ「本当にごめんなさい…今はその…お友達や菊代さん達が掃除してくれて…」

まほ「出なければお前には『一時的に』家から出て行ってもらっていた…」

みほ「え?」

まほ「掃除業者を呼んでお前の部屋を一斉洗浄するつもりだった…」

まほ「そして…私からもすまなかった…お前に何もしてやることが出来なかった…こっちも仕事とは言え、家族の一人も助けれないなんて…姉失格だな…」

みほ「ううんお姉ちゃんは悪くないよ…それより…私、お家のお金たくさんつかって好き勝手な事して…」

しほ「将来あなたがまた社会復帰を完全に果たしたら返してくれればいいわ」

みほ「お母さん…」

まほ「それに、みほを信じてお金を出していてくれたのは実はお父様だったんだ…」

みほ「お、おとうさんが…私のために(じわ…」

まほ「家から通える範囲場所でよい、アルバイトでもパートでもしろ。一人暮らしになると家賃だので大変だろうからな」

みほ「お姉ちゃんも…本当…本当にありがとうございます…ぐす…」

こうしてみほは麻子と優花里が紹介してくれた戦車模型ショップの熊本支店を紹介されそこでパートをすることになった。

みほ「ありがとうございました~またおこしくださいませ~」

店長「みほちゃん、このダンボールの中に納品された模型があるから品を出しておいてね」

みほ「はい~!」

店長「元気な子だなぁ…にしてもどこかで見た事あるような…まあいっか」

店長「みほちゃん~そろそろ休憩だよ~休んでおいで」

みほ「わかりましたー、これ検品したら休憩いただきますねー!」


休憩中

みほ「ふぅ…一休み…働き始めて2ヶ月か…外の空気ってやっぱり良いものだなぁ…」

テレビ中継「えぇ、今回高校生の戦車道全国大会で3回戦を突破した隊長にインタビューです!」

みほ「お、戦車道…今年はどこの高校が勝つのかなぁ」

レポーター「三回戦突破おめでとうございます!」

??「ありがとうございます…!」

みほ「!あの娘ってたしか…」



生徒A「さっきから何偉そうに説教してんの?マジうざいんですけど?ぺっ!」



みほ「私に反抗的だったあの子だ…転校してたんだ…」





レポーター「今の感想をどうぞ!」

生徒A「皆と手を取り合って一つになって、それが勝利につながったと思ってます」

レポーター「今の想いを伝えたい人は居ますか?」

生徒A「はい…私のことを生まれて始めて怒ってくれた、戦車道を最初に教えてくれた教官ですかね…」

レポーター「そんな素敵な方に巡り合えたんですね…」

生徒A「はい、私、家庭環境があまりよくなくて、当初は素行がかなり悪かったんです…新任で入ってきた教官が居たんですが。その人にも辛く当たってばかりでした」

レポーター「そんな事があったんですか~」

生徒A「はい。冷めていた家庭の中で親からも相手にされない中、私に怒鳴って、始めて打たれたりもしました。そして言われたんです。自分で取った行動、自分で言った責任は自分で取れって…あの人が居なかったら私、ずっと駄目な人間だったと思います…もしまたあの人に会えたなら…ちゃんと頭を下げて謝りたいですね…そして感謝したい」


みほ「…」

みほ「分かり合う…か…」

みほ「ふんふん~♪」

店長「なんかいつもより機嫌が良いね?」

みほ「いい事があったので♪」

店長「そうか。ってみほちゃんレジにお客さん!」

みほ「あ!しつれいしました!お客様どうぞ~!」

みほ「こちらの商品、2800円になります~、4号戦車ですね~」

??「はい…今私が戦車道で使ってる戦車なんです…」

みほ「そうなんだぁ…懐かしい…私も高校生の時4号戦車に乗ってましよー」

??「あれ…あなたはまさか…」

みほ「あれ…あなたって…」

生徒A「みほ教官…!」

みほ「わぁ…!」

生徒A「教官…私、色々とあなたにお礼や謝りたい事がたくさんあって…」

みほ「あはは、いいよ、あのテレビのインタビューすべて見てたから…伝わったよ♪」

生徒A「私、私…グス…」

みほ「あわわわ!な、泣かないで…!」


出会いはいつも唐突に…

そしてさらに時代はすぎ

「新郎、新婦の登場です~」

沙織「みぽりん~!おめでとー!」

優花里「うぅ…夢にまで見た西住殿の花嫁衣装…たっぷり撮影しておかねば!」

麻子「華さん…ちょっとどいてくれないか、西住さんが見えない…ちょっと太った?」

華「いえ…横に広がってるのはあなたです…もうすこし西住さんを見習ってくださいな」

麻子「いやぁ…もうこのふしだらな生活が楽しくて楽しくて…」

みほ「皆…来てくれてありがとう…!」

沙織「いやぁ、一時期はどうなるかと思ったよね~」

麻子「あの部屋の事は今でも忘れられない」

新郎「?」

みほ「あー!わー!言わないでーーー!」


なんだかんだでなんとか西住みほは自分の幸せをぎりぎりつかめた…



そして…

ぼろアパート

エリカ「デュフフ…今日もまとめサイトチェックでござるwwww」

チーン!(レンジ音)

エリカ「おっ!レトルトハンバーグが出来たwwww」

エリカ「にしても最近体重増えたかなぁ…図って見るか…」

82キロ

エリカ「なんだぁwwwあまり増えてなくて安心したぁ…いっただきまぁす♪」ガツガツガツ

エリカ「明日はアニメイト行って週三回だけバイトして…〇営住宅だから家賃が安すぎてもうこの暮らし最高wwwww」

彼女を救う話もいつか気が向いたら書きます

それでは

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