吉良吉影の同僚「ハンター試験……? やめとけ! やめとけ!」 (40)

<ハンター試験会場>

トンパ「お近づきの印にジュースでもどうだい?」

ゴン「ありがとう!」

レオリオ「へへへ、ちょうどノドが渇いてたんだ」

クラピカ「いただこう」



吉良の同僚「やめとけ! やめとけ!」

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吉良の同僚「こいつはタチが悪いんだ。
      『お近づきの印に』とかいいつつ何を企んでるのか企んでないんだか……。
      『トンパ』45歳、独身。
      ハンター試験にすでに35回挑戦してるが、今ひとつ情熱のない男……。
      なんか人なつこくて温厚そうな顔と物腰をしてるから油断しちまうけど、
      ベテランからは“新人潰しのトンパ”なんて呼ばれてるんだぜ。
      悪いやつじゃあないんだが、これといって特徴のない……影のうすい男さ」

ゴン「新人潰し!?」

クラピカ「どうやらこのジュースを飲むのはやめておいた方がよさそうだ」

レオリオ「おい、てめえ――」ギロッ

トンパ「ひえぇぇぇぇぇっ!」タタタタタッ

レオリオ「逃げやがった……!」

サトツ「ではこれより、一次試験を開始いたします」スタスタスタ

ゴン「ペースがどんどん速くなってる!」

キルア「ホントだ」

クラピカ「どうやら、二次試験会場まで行くのが一次試験の内容らしいな」

レオリオ「へっ、こんなもん楽勝だぜ!」

吉良の同僚「やめとけ! やめとけ! この試験は結構キツイんだ。
      『二次試験会場まで』といいつつ、いつになったら着くんだか着かないんだか……。
      『一次試験』独身。
      地下トンネルやヌメーレ湿原を通っても、今ひとつゴールに着かない試験……。
      スタミナを試されるだけの試験と勘違いしちまうけど、
      どこまで走るか分からないというのはかなりの心理的負荷になるんだぜ。
      悪い試験じゃあないんだが、これといって特徴のない……影のうすい試験さ」

レオリオ「すまねえ……気を引き締めねえとな!」

<ヌメーレ湿原>

タッタッタ……

キルア「あのヒソカって奴……霧に乗じてかなり殺るぜ」

ゴン「え!?」

クラピカ「受験者を狩るというわけか……」

レオリオ「ふざけやがって! オレがぶちのめしてやろうか!?」

吉良の同僚「やめとけ! やめとけ! あいつは殺人狂なんだ。
      『伸縮自在の愛(バンジーガム)』と『薄っぺらな嘘(ドッキリテクスチャー)』の他にも
      能力を持ってるんだか持ってないんだか……。
      『ヒソカ=モロウ』独身。
      しょっちゅう出番があるわりに、今ひとつ正体のつかめない男……。
      なんかピエロっぽいメイクをしてて幻影旅団にも所属してるが、
      本当は所属したふりをしてるだけで団長であるクロロと戦いたがってるんだぜ。
      悪いやつじゃあないんだが、これといって特徴のない……影のうすい男さ」

クラピカ(幻影旅団……!?)

<ビスカ森林公園>

メンチ「二次試験は料理よ!」

ブハラ「まずは豚の丸焼きを作ってもらうよ! あーお腹減った!」グルルルルル…

トードー「料理だと!? ふざけやがって……!」

吉良の同僚「やめとけ! やめとけ! あいつらは美食ハンターなんだ。
      『豚の丸焼き』といいつつ、生焼けが好きなんだか黒焦げが好きなんだか……。
      『メンチ』21歳と『ブハラ』、共に独身。
      ブハラは豚の丸焼きが大好物なんだが、今ひとつ胃袋に限界のない男……。
      メンチの方は食文化への貢献が評価され、あの若さでシングルハンターの称号を持ってるんだぜ。
      悪いやつらじゃあないんだが、これといって特徴のない……影のうすいコンビさ」

トードー「ど、どうも」

グレイトスタンプ「ブオオオオオオッ!!!」ドドドドドッ

ゴン「よーし、正面から挑んでやる!」

吉良の同僚「やめとけ! やめとけ! あいつは世界一凶暴なんだ。
      『豚の丸焼き』にしようとしたら、自分が豚の食料になっちまうんだかなっちまわないんだか……。
      『グレイトスタンプ』独身。
      攻撃力は申し分ないが、今ひとつ耐久力のない豚……。
      なんか巨大で頑丈な鼻で敵を押し潰そうとしてくるが、それは弱点である額を守るためなんだぜ。
      悪いやつじゃあないんだが、これといって特徴のない……影のうすい豚さ」

ゴン「ありがとう、おじさん!」

メンチ「二次試験後半、あたしのメニューはスシよ!」

吉良の同僚「やめとけ! やめとけ! あれは試験にするには向いてないんだ。
      『こんなのお手軽料理だぜ!』と作ってみても、うまいんだかうまくないんだか……。
      『スシ』独身。
      一見お手軽に見えるが、今ひとつ上手に作れない料理……。
      メシを一口サイズの長方形に切ってその上にワサビと魚の切り身を乗せるだけかと思いきや、
      マトモに握れるようになるには十年の修行が必要っていわれてるんだぜ。
      悪い料理じゃあないんだが、これといって特徴のない……影のうすい料理さ」

メンチ「ぐ……! たしかにそうだわ……!」

メンチ「もしかしたらあたしの悪いクセが出て、合格者が出ないかもしれない……」

メンチ「あたしは試験官失格だわ……」

メンチ「だけど影がうすい料理ってこたァねーだろ!!!」グイッ

吉良の同僚「ぐえっ!」

ネテロ「まあ、待ちなさい」

メンチ「ネテロ会長!」

ネテロ「なにも審査員を降りることはあるまい。他の試験にしたらどうじゃ?」



ヒソカ「へえ……◆ あのジイさん、ぜひとも闘りたいね◆」

吉良の同僚「やめとけ! やめとけ! あいつはメチャクチャ強いんだ。
      『あいつワシより強くねー?』って敵に出会っても楽しいんだか血沸くんだか……。
      『アイザック=ネテロ』独身。ビヨンドっていう自称息子がいるが、真偽不明。
      百式観音って念能力をそつなく使いこなすが、腕ひとつになっても祈れる男……。
      なんかスケベで憎めない好々爺で、お偉いさんになかなか逆らえない立場にあるが、
      本当は敗色濃い難敵に全霊で挑むことを求めてる真の武人なんだぜ。
      悪いやつじゃあないんだが、これといって特徴のない……影のうすい老人さ」

ヒソカ「毒気抜かれちゃったよ◆」

<マフタツ山>

メンチ「さあ、この崖の下からクモワシの卵を取ってきて!」

ゴン「よーし!」ヒョイッ

キルア「こういう試験のが分かりやすくていいや!」ピョンッ

トードー「ぐ……! オレだって……!」

吉良の同僚「やめとけ! やめとけ! 試験は今年だけじゃあないんだ。
      『安心して、下は深ーい河よ』っていってたが、落ちたら数十km先の海までノンストップだから
      命が助かるんだか助からないんだか……。
      『クモワシの卵』独身。
      市販の卵とは比べ物にならないほど美味だが、今ひとつ入手するのが難しい卵……。
      メンチはゆで卵にしろっていってるが、個人的には目玉焼きもオススメだぜ。
      悪い卵じゃあないんだが、これといって特徴のない……影のうすい卵さ」

トードー「来年……また受けるぜ」

<トリックタワー>

ビーンズ「三次試験は、生きて下まで降りてくること、です!」



受験者「この外壁から降りるのは自殺行為だな……」

クライマー「だが、これぐらいのとっかかりがあれば、オレなら降りられるぜ」

吉良の同僚「やめとけ! やめとけ! ここじゃあそういうズルは通用しないんだ。
      『三次試験合格第一号はオレ様』って調子こいてたら、怪鳥に襲われるんだか襲われないんだか……。
      『トリックタワー』独身。
      ようするに外壁からは降りられないんだが、今ひとつ入り口が分かりにくい建物……。 
      なんかいかにもハンター試験のための施設って感じだが、実は刑務所なんだぜ。
      悪い塔じゃあないんだが、これといって特徴のない……影のうすい塔さ」

クライマー「よく分かんないけど、外壁から降りるのはやめときます……」

<船上>

リッポー「諸君、タワー脱出おめでとう」

リッポー「ではこれよりゼビル島で行われる四次試験のために、クジを引いてもらう」

吉良の同僚「やめとけ! やめとけ! あれは時間がかかるんだ。
      『すぐ6点分のプレート集めてやる!』ってはりきってもターゲットはどこにいるんだか……。
      『四次試験』独身。
      ゼビル島で行われるが、一週間もかかっちまう試験……。
      なんかバトルロワイアルっぽいから戦闘力が重要だと思われがちだが、
      実際にはターゲットを探したり追跡する能力のが重要なんだぜ。
      悪い試験じゃあないんだが、これといって特徴のない……影のうすい試験さ」

リッポー「君のいうとおり、四次試験は中止して最終試験に移ろうか」

<最終試験会場>

ネテロ「四次試験が中止になったから、かなりの数が残ったようじゃの。まあよかろう」

ゴン「これに合格したらハンターか……! 頑張ろうね!」

キルア「おう!」

クラピカ(必ずハンターになって、旅団を倒し、仲間の目を取り戻してみせる……!)

吉良の同僚「さて、オレの出番はここまでだな。杜王町に帰るよ」スタスタ

レオリオ「あれ? あんたは最終試験受けねーのか?」

吉良の同僚「やめとく! やめとく! オレはただの会社員なんだ。
      『カメユーチェーン』の社員だが、業績に貢献してるんだかしてないんだか……。
      『吉良の同僚』独身。
      仕事はふまじめで出世欲はそれなりにあるが、今ひとつ能力のない男……。
      なんか気さくな男性社員を演じて女子社員にもてようとしているが、
      結局は同僚の吉良吉影のがもてちゃってるんだぜ。
      悪いやつじゃあないんだが、これといって特徴のない……影のうすい男さ」

レオリオ「あんた、ハンター試験の受験者じゃなくて、ただの会社員だったのか……」

ゴン「そうだ、試験が終わったらおじさんのいる町に遊びに行ってもいい?」

キルア「お、それいいな!」

吉良の同僚「やめとけ! やめとけ! あそこはただの地方都市なんだ。
      『サマーシーズン到来!』しても、観光客が増えてるんだか増えてないんだか……。
      『杜王町』独身。
      奇妙な名所が多く人口もそれなりにいるが、今ひとつ行方不明者が多い町……。
      なんかスタンド使いがやたら多いが、それはスタンド使い同士は引かれ合うからなんだぜ。
      悪い町じゃあないんだが、これといって特徴のない……影のうすい町さ」

吉良の同僚「だが……どうしてもっていうんなら、ぜひ遊びに来てくれ!」

ゴン「うん、絶対遊びに行くよ!」





― 完 ―

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