【のんのんびより×ひぐらし】【安価コンマ選択型SS】 (146)

始めてSS速報にスレ立てさせていただきます。ありがとうございます
見るに値する内容かどうか分かりませんが、見ていただけたらと思います
選択後のストーリーを考えるのに、少し時間がかかります。ご了承ください。



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1472776781

れんげ「にぃにぃ、全然喋らないんなー?」

夏海「まぁ..にぃちゃんは喋っても無かったことにされる、そういう残念なキャラだからね」

蛍「えっ!?そうなんですか?」

小鞠「そうそう、私おしゃべりしてるとこ一回も見たこと無い」

れんげ「残念なーん」

蛍(卓先輩今まで喋った事ないんだ..)

れんげ「うち、にぃにぃが話すとこ見てみたいん!」

小鞠「まぁ確かに、、それはあるかも!案外饒舌だったりして!」

蛍「私も見てみたいです!」

夏海「でもあのにぃちゃんだよー?難しいってー!」

れんげ「なっつん」

夏海「んー?」

れんげ「うち、にぃにぃが喋る方法しってるん」

夏海「まじで!?」」

れんげ「なっつん、ほたるん、ちょっと耳貸すのん」

小鞠「えっ!?」

夏海「はは、ねぇちゃんには内緒だってー!で、なになにー?」

蛍「何かなれんちゃん?」

れんげ「あんなー?ゴニョゴニョゴニョゴニョ..」

小鞠「ちょっと待ってよ!私にも教えてよ!」

蛍「うーん..」

夏海「うんー..なるほどなるほど」

れんげ「なんなー!?」

夏海「おおー!さすがれんちょん!ナイスアイディア!」

蛍「そういう手もあるんですね!」

小鞠「何よ!私にも教えてよ!!」

れんげ「こまちゃんには秘密なのーん」

夏海「教えてあーげなーい!」

小鞠「何よそれ!教えなさいよー!」

(こま先輩..ごめんなさい!)

「あっはっはー」

「秘密なのーん」

「あっ!ちょっと待ちなさいよー」

「もう!なつみの馬鹿..」

越谷卓はいつもと変わらず
一切ものを喋らずただその場の空気と自分の存在を重ね
その何層にも折り重なった出来た「無」に似たような世界へ思考は飛び立っていく
誰にも言わないし、喋らない
諦めに似た理想郷
たった一人の世界へと

どうしてこうなってしまったんだろうな..

僕の情緒とは裏腹に
透き通るような8月の空の青さが綺麗だった
改善の余地のない喋らない季節を一周
変わり映えのしない日常を送っているせいか
あの頃から終わらない夏が続いているような錯覚さえを感じていた

部屋の片隅
青春の遺物というには大げさなガラクタが鬱陶しい
「けいいちは今どうしているんだろうか?」
楽しかったあの頃の日々を憎み辿るように思った

----1年前----

けいいち「おーい卓!遊びにいこうぜー!」

卓「」

けいいち「今日はどこ行こうか??!」

卓「」

けいいち「空気銃でサバイバルやろうぜ!」

卓「」

けいいち「ギター教えてくれよ!部屋上がっていい!?」

卓「」

けいいち「~♪」

卓「」

なつみ「にぃちゃー..んあっ!」

けいいち「ん!?」

卓「」

けいいち「どーも!」

なつみ「こ、、こんにちわ」

それからだっただろうか?
圭一と僕達兄弟、れんげ5人で遊ぶようになったのは

夏海「しかし、暑っついねぇー..」

小鞠「ねぇ部屋の中でおとなしく遊ぼうよー!」

夏海「駄目だぞねぇちゃん!せっかくの夏休みだっていうのに外で遊ばないとー!」

夏海「れんげやけいいち達も秘密基地くるっていってたし、ルールもあるんだしさー!」

小鞠「う~ん..」

夏海「それよりにぃちゃん、今日の当番はけいいちだっけ?」

卓「」

夏休み上旬、ジワリ焼ける田舎道のバス亭に向かう途中
今日1日がいつもと変わらない楽しい日々になればいい
と思い、軽くうなずいた。

れんげ「にゃんぱすー」

夏海「お!きたきた!」

小鞠「おはよう!れんげ!」

れんげ「今日は何して遊ぶのん?」

夏海「それがさぁ、今日はけいいちが決める番なんだってー」

れんげ「そうなんな、けいいちはまた遅刻なんなー?」

バスがくるのはそれほど長く無かったように感じた
村から少し離れた山の中。
木々の隙間から落ちる光が心地よい
バスは4人を乗せてそこに向かう

家から持ってきたガラクタや木の枝で簡素に出来たボロ小屋。通称<秘密基地>
朝っぱらからここに集まって遊びの内容を立てるのが日課だった。
その内容を決める担当者は日替わりで決められていて選択された遊びは絶対という掟だ
けいいちが担当者になると決まって遅れてくるっていうのも毎度のことだった

けいいち「お!集まってるな!?」

れんげ「また遅刻なのーん!」

小鞠「けいいちおそーい!!」

けいいち「まぁまぁ、そう言わずに、、」

けいいち「今日の遊びは特別楽しいものを持ってきたぞ!」

夏海「おおー!で、今日は何すんの!?」

けいいち「聞いておどろけ!今回はこれだ!」

 けいいちは手提げ鞄の中から水鉄砲を取りだして言った
色が鮮やかなものから大きいもの、黒いものなどいろいろある。

れんげ&夏海「おおー!?」

れんげ「みずてっぽうなんな!打ち合いっこなんな!?」

夏海「いいねぇー!それじゃあ早速やろ!」

小鞠「え~,,私濡れるのやだなぁ」

れんげ「うだうだ言ってないで早くやるん!リーダーには逆らえないんなー!?」

小鞠「...はぁーい」

夏海「はい!決まり決まり!で、ルールはどうすんの?」

けいいち「うーん..そうだなぁ。まずはくじで武器を決めよう!」

けいいちは紙をちぎり1、2、3、4、5と番号ふり水鉄砲のとなりに置いていく
次にあみだくじにも等しく番号を書いていき選んでいった

けいいち「出来たぞ!」

れんげ「うち、ここなーん!」

小鞠「私ここ!」

夏海「ほほう、じゃあうちここ」

けいいち「そんじゃあ俺ここな!」

卓「」

けいいち「..っと」

れんげ「うち、2ばんなーん」

けいいち「俺は1番!」

小鞠「あ、私4番!」

夏海「うち5ばんー」

卓「」

れんげ「..うちのちっちゃいんなー..」

夏海「あっはっはーれんちょんはずれー!うちはこれー!」

夏海「あっ!おねぇちゃんずるーい!大きいやつー!」

小鞠「なによ!しょうがないでしょ!くじなんだから」

れんげ「うちのちっちゃいのと交換するのんなー?」

小鞠「はぁ?するわけ無いでしょ!」

れんげ「こまちゃん、ノリノリなんな」

小鞠「わ、私は別にあれだから、とにかくノリノリじゃないから、、」

けいいち「まぁまぁ。それじゃあ限界までずぶ濡れなったらここに集まること。スタートは十秒後!」

けいいちは十数え、そのうちにみんな散らばって
それからお遊びが始まった。

れんげ「逃げるーん」

小鞠「まてまてー!」

れんげ「えいっ!」(ピュ)

小鞠「わっ!」

小鞠「やったなー!れんげー!」

れんげ「逃げるーん」

小鞠「そりゃ!」(シャー!!)

小鞠「あっ!」

れんげ「なん?!」

れんげ「…」

小鞠「ご、、ごめーんれんげ。大丈夫?」

れんげ「…大丈夫じゃないん。ずぶ濡れなん」

小鞠「ごめんね、、まさかこんなに水出ると思わなくて」

れんげ「うち、リタイヤなん秘密基地戻るん」

小鞠「ほんっとごめん!」

れんげ「」

夏海「お!れんちょんみーけっ!」

れんげ「は!」

夏海「って、なんでこんなに濡れてんのさ!?」

れんげ「こまちゃんにやられたん。一撃でずぶ濡れなん」

れんげ「なっつんもその鉄砲でうちを濡らすん?ずぶ濡れなんに」

夏海「いや、、これはその..はは」

れんげ「うち秘密基地もどるん」

夏海「,,よーし!れんちょんの敵はうちがとったるー!」

れんげ「なっつん、こまちゃんを甘く見たら駄目なのん」

夏海「分ーかってるってー!このスナイパー夏海にお任せをー」

れんげ「..秘密基地で待ってるん」

夏海「それじゃあまたー!」

れんげ「またなのん」

小鞠「あっ!蝉みっけ!えいっ」(シャー)

小鞠「ふー、、誰にも合わないし暑いなぁ」

小鞠「この大きな水鉄砲で皆撃退して早く帰るんだから」(シャー)

卓「!」

((ガサッ))

小鞠「!」

小鞠「あ!おにぃちゃん!」

卓「」

小鞠「えいっ!」(ジャー)

卓「」

小鞠「はい!おにぃちゃん負け!リタイヤね!」

卓「」

小鞠「んー..あとはけいいちと夏海かー、おにぃちゃん見なかった?」

卓「」

小鞠「そっかー、分かった!ありがとう!」

僕は妹の持っていたプッシュして水圧が圧縮され一気に放出される大きな
水鉄砲ですぐに打ちのめされた。でも満足げだったからそれで良かったと結果的に感じたのだ
最後小鞠に手を振って帰るべき場所に帰る

夏海「あっ!にぃちゃん!」

卓「」

夏海「げっ、なんでこんなに濡れてんの!?まさかねぇちゃんに!?」

卓「」

夏海「マジか、、ねぇちゃんどこ行った!?」」

卓「」

夏海「よーし、そんじゃあかたき討ちといきますかー!」

夏海「あっにぃちゃん!」

卓「!」

夏海「とぅー!」(ピュ)

卓「」

夏海「あはは!それじゃあまたー!」

卓「」

基地に戻ったら濡れるに濡れたれんげが誰かが戻ってくるのを
待っていたような顔つきで退屈そうに基地の前に突っ立っていた

れんげ「にぃにぃもこまちゃんにやられたんなー?」

卓「」

れんげ「そうなんなー」

そういうとれんげはあたりをうろちょろしだした

小鞠「みんなどこだろー?」

小鞠「にゃ!」(ドスン)

小鞠「いてて、、何これ?穴?落とし穴!?」

「へへっ朝早く来て穴を掘っていておいて正解だったぜ!」

小鞠「!?」

けいいち!?」

けいいち「しばらくおとなしくしておくんだな!そうすりゃこの引き金はひかないでやる」

小鞠「ちょっと、ふざけていないでここから出してよ!の、登れない!!」

けいいち「フッ」

<パアーーーーーーーーン>

夏海「えっなに今の?」

れんげ「なん!?」

何処か遠くで銃声に似たような音が鳴った

れんげ「にぃにぃ!音のなった方に向かうん!」

小鞠「」

けいいち「って、あれ?小鞠?!」

夏海(確かこの方向だったような..)

夏海「あっ!けいいち何今の音!?うちのねぇちゃんは?!」

夏海「ねぇちゃん!」

小鞠「」

夏海「けいいちッ!!よくもねぇちゃんを!!」(ピュッ)

けいいち「おっと!!危ない危ない」

けいいち「あ..」ドスン

けいいち「..いててて」

れんげ「なっつんー!何があったんー?」

夏海「ねぇちゃん穴落っこちてる!」

れんげ「あら本当!」

夏海は恐らくけいいちが堀っただろう穴を覗きこんで言った
そこをのぞくと、自身と
そして放心状態で腰を抜かしている小鞠が落ちていた

れんげ「?」

れんげ「なんなん?このピストル」カチャ

<パアーーーーーーーーン>

れんげ「は!」

夏海「..おもちゃの、、ピストル?」

れんげ「うち、ウエスタンなんなー!」

けいいち「ごめん!ちょっと悪ふざけ過ぎた!」

<パアーーーーーーーーン>

夏海「まぁ..いいってー!気にしないでよ!うちのねーちゃん怖がりだからさ」

小鞠「私は良くない!本当驚いたんだから!」

けいいち「本当にすまなかった!この通り!」

<パアーーーーーーーーン>

夏海「ほら、本当反省しているみたいだし、許してやんなよ」

小鞠「そこまで謝られると許さざるを得ないけど..」

けいいち「本当か!?許してくれんのか!?」

小鞠「もうこんな事はしないって約束するなら..」

<パアーーーーーーーーン>

けいいち「ありがとう小鞠!約束する!」

小鞠「..!」

小鞠「って、あれっ!?立てない、腰を抜かしたみたい..」

<パアーーーーーーーーン>

うなだれる暑さの中小鞠を背負ってバス亭へと向かう
小鞠が歩けるようになったのはれんげがピストルの火薬を全部使い切り
残念そうな顔をしていた頃だった

小鞠「もう大丈夫だっておにぃちゃん」

卓「」

小鞠「しっかし、恥ずかしいとこ見られたー..」

夏海「ねぇちゃんらしくて良かったじゃん」

小鞠「え~!?それどういう意味ー!?」

夏海「そのまんまの意味だよー」

小鞠「えー!?何それー?!」

れんげ「うんうん、こまちゃんぽかったのん!」

小鞠「れんげまでー!!」

夏海「そんなことよりうちお腹空ったー」

れんげ「うちもお腹ぺこぺこなーん!」

小鞠「..はぁーあ、でも確かにもうお昼前だもんね」

小鞠「れんげ!けいいち!私ん家で昼ごはん食べていきなよ!?」

けいいち「えっ?いいの??行く行くー!」

夏海「もっちろん!れんちょんも来るっしょー?」

れんげ「お昼ごはんたべるーん!こまちゃん家いく―ん」

れんげ「いつバス来るん?」

けいいち「えーと、、あと10分後くらいかな?」

れんげ「そうなんな」

れんげ「ところで明日のリーダーは誰なのん?」

夏海「昨日はうちだったから、次は..」

小鞠「明日は私!私がリーダーだからねっ」

けいいち「明日は小鞠だね!」

小鞠「やった!明日はねー..」

れんげ「こまちゃんストップなん!」

小鞠「!」

れんげ「明日また秘密基地に皆で集まった時そこで発表するのん!」

小鞠「え~~!?私皆で宿題やろうと思っていたのにっ!?また基地に集まるのー!?」

れんげ「決まりなん」

小鞠「ちぇ、分かったー」

けいいち「最後の夏休みかー..」

蝉の鳴き声が溶け込んだ涼しい風がバス亭を吹き抜けたのを鮮明に覚えている
けいいちはボソリ何か呟いた

れんげ「?」

夏海「えっ?」

小鞠「?」

卓「?」

夏海「ちょっと!どういうことー?」

れんげ「どうしたんけいいち、夏休みはまだあるん」

けいいち「..俺、明日引っ越すことになってんだ」

夏海「引っ越すってたって、、どこにさー?」

けいいち「と、東京」

小鞠「え~!??東京!?」

夏海「遠いじゃん!もうここには来ないのー?」

けいいち「いや、夏休みなったらまた遊びに来るよ」

夏海「え~..でもそんな急にさぁー、ねぇ?」

小鞠「..しょうがないよ!で、明日何時に引っ越すの?」

けいいち「明日昼ごろかな?午前中まではここにいるつもりだ」

れんげ「そうなんなーいなくなっちゃうんなー」

卓「」

れんげ「は!」

れんげ「うち!ひらめきましたん!」

夏海「なに?」

小鞠「どしたのー?れんげー」

れんげ「この後、お昼ごはん食べたら皆で宿題やるーん!」

小鞠「お!いいねぇー!丁度午後も時間空いているし!」

夏海「ああ..うちはパス!宿題より遊んだ方が..」

小鞠「夏海ー、またそういって!またお母さんに叱られちゃうよ!?」

れんげ「そうだぞー!?なっつん宿題やるん!」

夏海「え~..でもなー..にぃちゃんはどう思う?」

卓「」

夏海「」

けいいち「じゃあー決まりだな!一回家に戻って宿題を持ってきてごはん食べて宿題する!」

夏休みの宿題がある程度終わったのは
赤く焼けた空に山々が黒く影をなし
一日の終わりをひぐらしが告げる夕暮れ時だった

夏海「はぁ~..終わった」

れんげ「もうすっかり日が暮れたん」

れんげ「皆で揃って遊ぶのもこれで終わりなんなー..」

小鞠「れんげ..あっ!そうだ!ちょっと待っててー」

夏海「どしたのねーちゃん?」

小鞠「じゃーん!」

れんげ「おお~!」

夏海「花火じゃーん!しかも色々あるー!」

けいいち「なになに?連発花火にロケット花火、ねずみ花火、手持ち花火、線香花火に..ドラゴン?なんだこれ?」

小鞠「まえにデパート行ったとき、夏休み最後にこれやろうって買っておいたんだよー!」

夏海「さすがねぇちゃん!早速やろう!」

小鞠「私、お母さんに見てもらうように頼んでくる!」

れんげ「うちはバケツの用意するん!」

夏海「うちは蝋燭用意するねー」

けいいち「それじゃあ俺と卓は火を点ける係なー!」

けいいち「よし!火を付けるぞー!」

空に色彩やかな火の粉が残像を残しては消えていく
そのたび小さな歓声がこだまする
今まで、そしてこれからも続くと感じていた
ありふれた日常が明日で終わり、また違った夏になるのだろう
その花火一つ一つを噛みしめるよう眺めた

夏海「でかい花火、終わっちゃったー..」

れんげ「うち、こういう小さい花火も好きなん」

小鞠「私も好きだよ!れんげ、一緒に線香花火やろっ!」

けいいち「卓、これ付けられるか?」

卓「」

けいいち「うわっ!あつっ!」

卓「!」

けいいち「!」

夏海「わっ!倒れたドラゴンがにぃちゃんの方向に!?」

雪子「ちょ、、ちょっとけいちゃんなにしてんのよ?!」

けいいち「み、水だ!水を被せろー!」

小鞠「あれ?なんか焦げ臭くなーい?」

れんげ「は!」

れんげ「にぃにぃ頭が燃えてるーん!」

小鞠「何いってんの?そんな訳あるわけ..」

小鞠「」

れんげ「大道芸みたいでかっこいいのーん!!」

雪子「火傷していない?大丈夫なの?」

卓「」

夏海「まぁー..大したこと無くて良かったじゃん。ププ」

小鞠「そ、、そうだよね!大丈夫だっておにぃちゃん、また生えてくるってー」

れんげ「にぃにぃ、見事なちょんまげ頭になってしまったんなー」

けいいち「そ、、そうだぞ!ものは考えようだ卓!似合ってるぞ!」

小鞠「ちょっとけいいち!」

けいいち「」

いつかは笑い話か
むしろこの方が思い出に残っていいのかもな
いつもと同じような顔をして場を凌いだ

一穂「れんちょん、迎えに来たよー」

一穂「って!にぃにぃどったの!?その頭」

卓「」

翌朝、いつも通り秘密基地に行くとけいいちが先に来ていた
僕たちは小遣いを出しあって駄菓子屋で買ったモデルガンをプレゼントした

けいいち「今までありがとうな!本当楽しかったよ!」

小鞠「東京行っても元気でね!」

けいいち「ああっ!」

夏海「必ずまた来なよー!」

れんげ「また遊ぶのーん!」

けいいち「それじゃあまた!来年の夏必ず遊びに来るよ!」

卓「」

れんげ「さよならなのーん!」

小鞠「バイバーイ!」

夏海「またねー!」

卓「」

夏海「あ、昨日の水鉄砲、借りたままだった..」

れんげ「けいいち!忘れ物なのーん!」

小鞠「昨日遊んだ水鉄砲忘れているよー!」

けいいち「お前らにやるよ!また来年、これで遊ぼう!」

僕らは手を振ってけいいちが山を降りるのを見送った

夏海「ねぇにぃちゃん!皆で山の秘密基地いこうよ!?」

れんげ「遊びに行くのん!」

卓「」

小鞠「夏海の奴いったい何を考えているのか」

小鞠「夏海もれんげも蛍も少しも教えてくれないんだから」

蛍「でも楽しそうじゃないですか」

小鞠「なんて話したのか少しくらい教えてよ!蛍!」

蛍「それはその、、秘密って言われてますので」

小鞠「も~う..」

夏海「おまたせ!にぃちゃん連れてきたよ!」

れんげ「秘密基地行くのーん!」

小鞠「ええっ!?秘密基地!?なんか嫌な予感する..」

夏海「まぁまぁ、そう言わずにー」

れんげ「目的の為なのん!こまちゃん目的忘れたんなー?!」

小鞠「そりゃ見たいけど、はーあ、分かったー行きますー」

れんげと夏海が部屋を訪ねて僕を誘う
去年の夏あの日のように僕らは基地に向かった

夏海「えー今日は皆にお話がありまーす」

れんげ「あるーん」

夏海「今日から夏休み最終日まで午前中毎日日替わりでリーダーを決めて遊びます!」

れんげ「パチパチパチ」

小鞠「あー!ほらやっぱり悪い予感的中した!」

蛍「小鞠先輩何かあったんですか?」

小鞠「あったも何も去年けいいちっていう子がそういうルール作って私酷い目にあったんだから」

蛍「けいいち?けいいちってもしかして前原圭一君のことですか!?」

小鞠「え!?」

夏海「知ってるの?ほたるん!?」

蛍「うん、以前住んでいたところでちょっとした事件を起こしたって話で」

卓「!」

小鞠「そっかー蛍は東京から来たんだっけ」

夏海「で、なになにー?どんな事件を起こしたのー?」

蛍「詳しくは分からないですけど、小さな女の子に怪我させてしまったとかなんとか」

卓「」

れんげ「なんですと」

小鞠「あの馬鹿っ!」

夏海「その後は!?その後はどうなったの?」

蛍「え~と、、確か雛見沢っていう村にお引っ越するとか噂で聞きました」

夏海「ひなみざわ?」

れんげ「なっつん、ひなみざわってどこなん?」

夏海「う~ん、、さっぱりわからん、ねぇちゃん分かる?」

小鞠「始めて聞いた」

夏海「にぃちゃんは?」

卓「」

蛍「わ、私も分からないです..」

夏海「そっかー..まあいいや!そのうち遊びにくるでしょ!」

小鞠「そ、そうだよね!心配しててもしょうがないもんね!」

れんげ「うんうん」

蛍「そうですよ!それより圭一君が作ったルールで遊んでみませんか!?すっごく楽しそうです!」

小鞠「だーめ!それ私は反対!だってあのルール毎日秘密基地に向かう事になっているしリーダーに逆らえないようにもなっているんだもん」

蛍「それがいいんじゃないですか..当日にしか何をやるのか知らせない遊び、なんだかスリルがあってわくわくします!」

れんげ「わくわくなーん」

小鞠「だーめですー!挙句の果てには落とし穴に落ちちゃうし、恥ずかしいとこ見られちゃうし大変だったんだから!」

蛍「え?恥ずかしいところ..?」

夏海「去年、けいいちに驚かされて腰抜かして立てなくなってしまったんだよー」

小鞠「あー!こら夏海ー!」

夏海「だって本当の事じゃん」

蛍「そうだったんですか」

小鞠「とにかく私は反対!絶対参加しないんだから!」

蛍「そんなー..私とても楽しみにしていたのにー..」

れんげ「ほたるん泣きそうなのん」

夏海「あーあ、ねぇちゃんがほたるん泣かーしたー」

れんげ「いーけないのんいけないのーん」

こまちゃん「えぇ!?私!?私のせいなの!?」

夏海「これはもう参加するしかないですねー」

れんげ「このままではうちらとほたるんの仲に亀裂が入ってしまうん、こまちゃんどうするん?」

小鞠「亀裂って..」

蛍「ぐすん..」

小鞠「はーぁ..分かった、参加する」

蛍「え?本当ですか!?」

夏海「いぇーい!やったー!」

れんげ「わーい」

蛍「小鞠先輩!ありがとうございます!」

小鞠「でも午後は毎日ちゃんと宿題するんだよー?いい?分かった?」

夏海「分ーかってるってー!」

れんげ「あーい!」

蛍「はい!とても楽しい夏になりそうな気がします!」

夏海「もちろんにぃちゃんも参加するよね!?」

卓「」

小鞠「本っ当、調子いいんだから..あ!あともうひとつ!」

繰り返される懐かしい光景
去年と違ったところと言えば小鞠の要望で土曜日曜日が自由になった事と
けいいちでは無く、春に転入してきた一条蛍が入れ換わったこと、歳を一つ重ねたことだった
ノートの切れ端にそれぞれの曜日
それは存在を忘れないよう彼の遺したやり方に置き換えることで思い出すと同時に
いつ村を訪れてもうまる様に空けた席にも思う
しかし存在を記憶から消すように子どもなりに強がっていたようにも感じたのだ

夏海「せーのっで一斉に開くんだよ?」

れんげ 蛍「はーい」

小鞠「なんか緊張するな...」

卓「」

夏海「せーのっ!」

くじの結果、月曜日が夏海、火曜日が蛍、水曜日がれんげ、金曜日が小鞠、
僕は木曜日の切れ端を引いた

小鞠「あ!今日は私だ!私がリーダーだっ!」

蛍「良かったですね!小鞠先輩!」

夏海「なーんだ、ねぇちゃんか、で?今日はどうすんの?」

れんげ「こまちゃん、いきなり目標に達成しても面白くないん、楽しみは最後に取って置くもんよ」

小鞠「!?」

小鞠「わ、分かるわよ!それくらい、じゃあ今日はー..」

蛍(ドキドキ)

小鞠「今日は今から宿題をしまーす!!」

れんげ「宿題ときましたか」

夏海「え~?記念すべき第一日目なのに宿題すんのー?何かして遊ぼうよー」

小鞠「だーめ!去年、あんたが宿題間にあわなかったせいで私達までお母さんに怒られたんだから」

小鞠「それにリーダーの命令にはぜったいなんでしょ?」

れんげ「なっつんこまちゃんの言う通りなん、ここは頑張って宿題するん」

蛍「そうですよ!皆で宿題、私楽しみです!」

小鞠「ほらっ!皆やりたがってるんだし、急いで山を降りるよっ」

こうして今年の夏休み遊びの幕が開かれた

夏海「う~ん、、さっぱり分からん」

夏海「ねぇにぃちゃん、数学教えてよ」

小鞠「あー!またおにぃちゃんにさせようとしてー!」

夏海「少し教えてもらうだけだよ!いいじゃんか別にー」

小鞠「去年だってこう言って結局おにぃちゃんが解いていたじゃない!」

夏海「そうだっけ?」

小鞠「断っていいよ!自分でやんなきゃ宿題の意味無いんだから」

夏海「さっぱり分からないんだもーん!じゃあねぇちゃんが教えてよー?」

小鞠「全く..まぁ解き方くらいならいいか、いいよ!どの問題?」

夏海「ここなんだけどさー」

小鞠「どれどれー?う~ん、これはね」

れんげ「..ほたるん」

蛍「え?」

れんげ「ほたるんは兄弟いなくて寂しくないん?」

蛍「え?兄弟?」

小鞠「どうしたの?れんげ急に」

れんげ「なっつんはにぃにぃやこまちゃんいないとだめだめなのん」

夏海「ちょっとー!いきなり失礼なこというなーれんちょんは」

小鞠「でも合ってるよね!」

夏海「う~ん、、」

れんげ「こまちゃんもなっつんやにぃにぃがいないとだめだめなのん」

小鞠「えっー?!私もー!?私は大丈夫だから!」

蛍「ま、まぁ確かにそれはあるかもです(それがいいんじゃないですか)」

夏海「だってさー」

れんげ「にぃにぃも多分二人がいないとだめだめなん、なんなー?」

卓「」

れんげ「うちもねぇねぇがいるん、ひかねぇは東京いってるけど、帰って来た時遊んでくれるん」

蛍「うん..」

れんげ「ほたるんはいつも家でひとりなん」

れんげ「一人で遊んだり宿題したりしているん」

小鞠「言われてみれば、そうだよねー」

夏海「どんな感じなの?ほたるん」

蛍「え~と、、確かに寂しい時もあります、でも私に兄弟や姉妹がいるのはその、なんていうか..」

蛍「想像できないというか...ちょっぴり怖いといいますか」

夏海「へー、そんなもんなんだー」

蛍「でも夏海先輩や卓先輩が時々羨ましく感じます」

夏海「へ?うちが?なんで?」

蛍「賑やかで楽しそうだなと思います!」

蛍「ねぇママ!今日から夏休み終わるまで皆でリーダーを日替わりで変えて遊ぶ事になったよ!」

蛍ママ「そうなの、それは楽しみね」

蛍「うん!リーダーは遊びの内容を自由に決められるんだって!」

蛍ママ「へー、面白そうだわね!大丈夫だとは思うけど、無茶して怪我しないでね」

蛍「大丈夫だってー!」

蛍「それでね!私がリーダーになる日は水曜日なの!」

蛍「何をして遊ぶのがいいと思うかなー?」

蛍ママ「うーん..」

蛍ママ「王様ゲームとかはどうかしら?」

蛍「王様ゲーム?何それ?」

蛍ママ「簡単に説明すると王様を決めて命令には逆らえなくするゲームよ」

蛍ママ「これに小細工して小鞠先輩を好き勝手に出来るんじゃないかしら」

蛍「よしっ!」

蛍「ねぇママ!ご飯食べ終わったら詳しく教えてよ!」

蛍ママ「フフッ、いいわよ、でも度が過ぎたらだめだよ?」

蛍「分かってるよー」

越谷家

小鞠「あーあ、結局参加しちゃった..」

夏海「楽しくなりそうでいいじゃん目的も達成できそうだし」

小鞠「そりゃそうだけど、、なんか去年よりもっと酷い目に合いそうな気がする」

夏海「大丈夫だってー!ねぇちゃんは怖がりだなぁー」

小鞠「ムゥ」

小鞠「いいじゃん別に怖がりでも..」

8月6日(土)

れんげ「ねぇねぇ、起きるーん!」

一穂「んん..あと、5分だけ..」

れんげ「しょうがないのんな」

れんげ「具にご飯あげてくるん、その間に起きるん、いいんなー?」

一穂「むにゃ..おーけー」

れんげ「行ってくるん」

れんげ「フー!フー」

具「!」

れんげ「ねぇねぇー起きてる?」

一穂「zz..」

れんげ「まだ眠っているん」

れんげ「..ラジオ体操いってくるん」

夏海「あっ、れんちょん来た」

小鞠「おはようれんげ!」

れんげ「にゃんぱすー」

雪子「おはようれんげちゃん、一穂さんは今日もお休み?」

れんげ「ねぇねぇはまだ眠っているん、起こしても全然起きないん」

雪子「まったく..先生なんだかららしくしなくちゃいけないのにねー」

れんげ「だめだめなのん」

小鞠「あ、蛍来た」

蛍「おはようございます!」

小鞠「おはよう!ほたる!」

れんげ「にゃんぱすー」

夏海「おはよう、ふぁーあ..ねむ..」

雪子「おはよう蛍ちゃん!もう時間だし早速始めるよ」

ラジオから流れる曲のリズムに合わせて体操を始める
こうしてみんなでラジオを囲んで体操するのも今年で終わりになるのだろう
来年の今頃、16歳の僕はおそらくこの村にはいない
未来像など無いが、確信はしていた
皆、そうしていたからだ
進学か就職、働くのはまだ早すぎるだろうし
なにしろ母さんが許可するかも分からない
進路は未定
あるいはこの村からの逃避
そういう事を考えていたらラジオ体操が終わり、早朝のニュースが流れていた

れんげ「なっつん、今日はなにして過ごすん?」

夏海「うちらはこれからおばぁちゃん家に行くんだ」

小鞠「午後には帰ってくるらしいから、お昼ごろなら空いてるよ」

れんげ「そうなんな、」

れんげ「今日はリーダー遊びはお休みなのん。たまのお休みは家でのんびりするん」

蛍「そうですね!私も家でゆっくり過ごそうかと思います!」

小鞠「そ、そだね~、そうしよう!」

夏海「あれれ~?ねぇちゃん遊びたかったんじゃないの?」

小鞠「!」

小鞠「そんな訳無いじゃん!感想文の読書でもするんだから!」

小鞠「あんたも宿題片づけなよ!?」

夏海「え~今日も宿題またやんの?嫌だよ、うちアンカー派だし」

雪子「何訳分からないこといってるの!宿題すんの!小鞠の言うとおりちょっとづつ片づけとんと」

夏海「ちぇ、分かったよ」

雪子「まったく..」

れんげ「ただいまー」

一穂「お、おかえりれんちょん、ラジオ体操のスタンプは雪子さんやってくれたかい?」

れんげ「なっつんのお母さんやってくれてたん、ねぇねぇいつ先生らしくラジオ体操の係やるん?」

一穂「あ、明日は、は、ははー..」

れんげ「本当なんな?約束なんな!?」

一穂「約束だよー、明日出来なかったらハリセンボン飲んじゃうよ」

れんげ「ハリセンボン?なんなのそれ?ねぇねぇ針千本飲めるん?」

一穂「ちょ、失礼な、明日の約束は必ず守るって意味だよ

れんげ「そうなんな」

れんげ「ところで、ひかねぇはいつ帰ってくるん?」

一穂「そろそろ帰ってくるとは思うけど、おや?もしかしてれんちょん楽しみにしているー?」

れんげ「面白い光景がみられるかもしれないん!出来れば夏休み終わるころに来て欲しいん」

一穂「面白い光景?タヌキが腹踊り踊りだすとか?(笑)見てみたいねー(笑)」

れんげ「何言っているん?そんな夢のような話があるわけないん」

一穂「ごめんごめん、、でも夏休みが終わるころにはねぇねぇ帰ってしまうかもね、東京での生活も忙しいみたいだし」

れんげ「うーん..」

一穂「で、面白い光景は何かなー?」

れんげ「それは秘密なん」

一穂「えー?ねぇねぇ気になるなー?」

れんげ「ねぇねぇが明日から毎日スタンプ押したら教えてあげるん」

一穂「こりゃ無理だわ」

れんげ「」

蛍(あー早く水曜日来ないかな―)ワクワク

蛍(あっ!そうだ!ペチの散歩ついでに秘密基地の山周りを散策してこようかな?)

蛍(あまりあの山詳しくないから万が一怪我でもしたらせっかくのチャンスが台無しになってしまうかも..)

蛍「よしっ!」

蛍「ペチ‐!お散歩行くよー!」

ペチ「ワン!」

蛍(徒歩だとだいぶ距離あるけど、水曜日が楽しみだと暑いのも楽しいなー)

一穂「ところでれんちょん、今日は皆と遊びに行かないのー?」

れんげ「今日はお休みなん、一人で遊ぶん」

一穂「そうかい」

れんげ「ねぇねぇも今日は先生お休みなん?」

一穂「今日もお仕事だよー、残念」

れんげ「夏休みなんに先生あるんな」

一穂「大人の世界は厳しいからねー」

れんげ「こまちゃんに教えてあげて欲しいん」

一穂「残酷ですわ」

一穂「じゃあ行ってくるね」

れんげ「バイバーイ」

れんげ「今日も天気いいのんなー」

れんげ「こう天気いい夏の朝は散歩に限るん、一人の時間を満喫するん」

夏の日差しが強く、でもほのかに残る朝の冷たさと土の匂い
朝露をまとった草の匂いがする畦道をあても無くれんげは歩いた

れんげ「グミの実がなってるん」

れんげ「ちょっと酸っぱいけどいけなくもないん」

木の実をつまみ、口にいれ種を吐いた
一律に畑が並ぶく道をしばらく歩くと川が橋の下を清々しく流れている
その橋の上でカメラを首にかけた見かけない女の子と目が合った

ほのか「こんにちは」

れんげ「にゃんぱすー」

ほのか「にゃんぱす?」

れんげ「にゃん、ぱすー」

ほのか「変わった挨拶だね」

れんげ「うちが作ったん、こんなところで何してるん?」

ほのか「お父さんがね、カメラ貸してくれたの、これでいろいろな所撮るんだー!」

れんげ「それならうち、いいとこ知ってる!案内するん!」

ほのか「え!?いいの?私この村きてまだ短いから良く分からなくて..案内お願い出来るかな?!」

れんげ「うちに任せるん!」

山ほのか「どこに行くの?」

れんげ「この先にいいものあるん」

山の中の素人が針で縫ったような道をつき進んでいく
ときたま小川が流れ、せせらぎが聴こえてくる
二人はその上流に向かっていた

蛍「やっとついたー!」

蛍「がんばったねーペチ!」

ペチ「ワン!」

蛍(一人でこの場所にいるのはなんか不思議な感じするなー)

蛍(いつもここに来る時は皆と一緒だからあまり気がつかなかったけど)

蛍(なんだか眠くなるよ、風が気持ちいいや..)

蛍(Zzz..)

ほのか「水車すごかったねー!」

れんげ「フフフ、うち、なんでも知ってるん」

ほのか「ねー!次はどこに行くの?」

れんげ「次は秘密基地教えてあげるん」

ほのか「へー、秘密基地もあるんだ、どこにあるの?」

れんげ「向こうの山なん」

れんげ「バスに乗っていくん、ほのかちんお小遣い持ってるん?」

ほのか「あ、家にあるからとってくるね」

ペチ「ワン!」

ほのか「わ!すごーい!秘密基地だー!ワンちゃんもいるー!これれんげちゃん一人で作ったの?」

れんげ「変な犬がいるん」

れんげ「ひかねぇと駄菓子屋が最初に作ったん」

ほのか「れんげちゃんのお友達?」

れんげ「ねぇねぇと駄菓子屋なん、そしてこまちゃんとなっつんとうちが家からいろいろなもの持って来たん」

ほのか「ねぇ?入っても良い?」

れんげ「どうぞなん」

ほのか「おじゃましまーす」

蛍「Zzz」

ほのか「わ!誰か寝ている!」

れんげ「なん!?」

ほのか「れんげちゃんのお友達?」

れんげ「ほたるんって呼んでるん、春に東京からこの村に引っ越してきて小学5年生なのん」

ほのか「へー..なんでこんなところで一人で寝ているの?」

れんげ「うちにもさっぱり」

蛍「んん..?」

れんげ「ほたるん、目覚めたん」

蛍「って、あれ!?れんちゃん!?どうしてこんなところに?!」

れんげ「それはうちのセリフなんよ」

蛍「そそ、そうだよね!おかしいよね!」

蛍「っと、えっと..」

ほのか「はじめまして!石川ほのかっていいます!お邪魔しています」

蛍「え~と..はじめまして..」

れんげ「それよりほたるんなんでここで眠ていたん?」

蛍「えっ!?私、私はね、えーっと」

れんげ「ウムム..怪しいのん!」

蛍「あ、怪しくないよ、、普通だよ..?」

れんげ「ほたるん、さては何か隠し事しているんなー?」

蛍「え?わたしはほら、えーと..」

ほのか「犬の散歩に来たんじゃないかな?鎖繋がっているし」

蛍「そ、そう!犬の散歩!ペチがどうしても秘密基地に行きたいみたいだったから!」

れんげ「そうなんな、ほたるんのペットだったん」

ほのか「ペチっていうんだー、写真撮ってもいい?」

蛍「いいよ!」(フー)

れんげ「ひざかっくんじゃないんな」

蛍「えっ?」

ほのか「かわいいー!」(パシャ)

れんげ「ほのかちん、うちにもタヌキ住み着いているん、見てみたいん?」

ほのか「えっ!?タヌキ?見てみたーい!」

れんげ「今度家に写真撮りにくるん!」

ほのか「いいの!?行くー!」

れんげ「そういえば、ねぇねぇ明日ラジオ体操の係必ずやるって言ってた」

蛍「前にも聞いたような..でもそれが普通じゃないかな先生だし」

ほのか「かずねぇって?」

れんげ「うちのねぇねぇ、学校の先生してるん」

れんげ「ねぇねぇ約束破ったら針千本飲むって言っていたん、ほたるんは針千本飲めるん?」

蛍「針千本は飲めないかな..」

れんげ「どういう意味なん?」

蛍「さぁ、お魚のハリセンボンとかかな?」

ほのか「れんげちゃん、針千本、私飲んだことあるよ」

蛍「えっ?」

れんげ「それはどういう..」

ほのか「針千本というのはね、針が千本じゃなく、お魚さんでもなくてね」

ほのか「げんこつ一万回の事なんだ」

れんげ「げんこつ、一万回..」

ほのか「なーんてねっ!冗談だよれんげちゃん!」

蛍「そ、そうだよね一万回も頭叩かれたら大変だもんね」

れんげ「冗談で良かったん、うちねぇねぇが自分で頭一万回殴るところ考えたらそれはもう..」

ほのか「ごめんね、あっ!いま何時ぐらいかな」

れんげ「もう帰らないといけない時間なのん?」

ほのか「お昼には帰ってきてってお母さんが..」

蛍「えーと、時計は無いけど多分もうお昼に近い気が..」

ほのか「そうなんだ、れんげちゃん!ほたるんちゃん!今日はもう帰るね!」

蛍「うん、気をつけて帰ってね」

れんげ「うち送っていくーん!一緒に帰るん」

蛍「ばいばーい、またね」

ほのか「お邪魔しましたー」

れんげ「バス停まで走るん!」

ほのか「うん!」

蛍「ふー、ビックリしたなー」

蛍「あっ、そうだ散策」

蛍「ペチ行くよー!」

ペチ「ワン!」

蛍「けっこう気が生い茂ってるなぁ、これじゃあ長袖着てきた方がいいかな」

蛍「あっ!なんか穴空いてる!」

蛍「・・・」

蛍「よしっ!」

蛍「木の枝、木の枝..あ、あっちにもあるー!」

蛍「ふー..」

蛍「なんとか骨組みは完成したけど、あとは落ち葉を集めて」

蛍「よしっ!出来た!」

れんげ「なんとかお昼までには帰る事が出来そうなん」

ほのか「れんげちゃんのおかげだよ!ありがとー!」

れんげ「走ったかいがあったん、ほのかちん、明日も遊べるん?」

ほのか「明日も昼までなら遊べるよ!」

れんげ「明日も遊ぶ―ん!明日は小さい滝のあるところいくん!」

ほのか「楽しみにしてるね!それじゃあまた明日ね!」

ほのか「ばいばーい!」

8月7日(日)

れんげ「ん..」

れんげ「ねぇねぇが起きてるん!」

一穂「おはよーれんちょん」

れんげ「ねぇねぇもやれば出来るんなー!すごいんなー!?」

一穂「まぁ早速約束破ったら姉としての立場がねー」

れんげ「おおー!ラジオ体操の係やるんなー!?」

一穂「朝ご飯食べてから神社向かうよー」

れんげ「あーい」

れんげ「一番のりなのん!」

一穂「やっぱり朝の空気は美味しいねーたまには早起きもするもんだねー」

れんげ「いつもやらないといけないん」

一穂「まぁまぁ、そう言わずに、ほら夏海達来たよー」

夏海「あっ、本当にかずねぇだ、珍しいね、どうしたの?」

一穂「いやー、たまにはね、こういうのも悪くないと思って」

れんげ「ん..」

れんげ「ねぇねぇが起きてるん!」

一穂「おはよーれんちょん」

れんげ「ねぇねぇもやれば出来るんなー!すごいんなー!?」

一穂「まぁ早速約束破ったら姉としての立場がねー」

れんげ「おおー!ラジオ体操の係やるんなー!?」

一穂「朝ご飯食べてから神社向かうよー」

れんげ「あーい」

れんげ「一番のりなのん!」

一穂「やっぱり朝の空気は美味しいねーたまには早起きもするもんだねー」

れんげ「いつもやらないといけないん」

一穂「まぁまぁ、そう言わずに、ほら夏海達来たよー」

夏海「あっ、本当にかずねぇだ、珍しいね、どうしたの?」

一穂「いやー、たまにはね、こういうのも悪くないと思って」

れんげ「ねぇねぇと昨日約束したん、これから毎日スタンプ推さないと針千本飲むって言ったん」

一穂「あれっ?そんな約束だっけ?」

小鞠「心入れ替えたんだ、それじゃあ毎日来てくれるんだね!」

一穂「いやー毎日とは言っていないぞー」

夏海「かずねぇもやれば出来るじゃん!」

一穂「だからね、、」

蛍「おはようございます!」

小鞠「おはよーほたる」

蛍「あっ!先生来てる!」

一穂「たまにはこないとねー」

蛍「たまになんですね..あっ、そうだ、れんちゃん昨日間にあった?」

れんげ「走って帰ったから間にあったん」

蛍「そうなんだ、良かった。」

小鞠「なんの話?」

蛍「昨日、秘密基地でれんちゃんとほのかちゃんっていう女の子に偶然出会って」

夏海「へー、ほたるん秘密基地行ったんだ。ほのかちゃんって誰?れんちょんの友達?」

れんげ「うちも昨日出会ったばかりなん、同じ一年生のお友達なーん」

蛍「今日もほのかちゃんと遊ぶの?」

れんげ「遊ぶ―ん、今日は小さい滝のあるところ連れて行くって約束したん」

一穂「もう時間だよー、体操始まるよー」

一穂「はい、お疲れ様ー」

れんげ「ねぇねぇから始めてスタンプ貰ったん」

小鞠「良かったねー」

れんげ「ねぇねぇ、今からほのかちんと遊びに行ってもいいん?」

一穂「いいけど、気をつけて行ってねー」

れんげ「分かってるん、行ってくる―ん!」

小鞠「れんげ、嬉しそうだね」

一穂「同級生のお友達は初めて出来ただろうからねー、あんなにはしゃいで」

小鞠「同級生かー..」

一穂「はい、お疲れ様ー」

れんげ「ねぇねぇから始めてスタンプ貰ったん」

小鞠「良かったねー」

れんげ「ねぇねぇ、今からほのかちんと遊びに行ってもいいん?」

一穂「いいけど、気をつけて行ってねー」

れんげ「分かってるん、行ってくる―ん!」

小鞠「れんげ、嬉しそうだね」

一穂「同級生のお友達は初めて出来ただろうからねー、あんなにはしゃいで」

小鞠「同級生かー..」

小鞠「う~ん、私達はこれからどうする?」

夏海「んー、家に帰ってもかあちゃん宿題宿題うるさいしなー」

小鞠「あんたがやらないから言ってるだけでしょ、でも、まぁここんところ毎日たくさんやっているもんね」

小鞠「蛍はどうするの?このあと予定とかあるの?」

蛍「無いです、空いてます!」

夏海「じゃーさー、駄菓子屋いかない?」

小鞠「そうだね!たまには息抜きも必要だもんね」

蛍「はい!私も丁度息抜きがしたかったところです!」

夏海「それじゃあまず、うちん家行ってお小遣いとって、ほたるん家行って駄菓子屋へ向かう、それでいこう!」

夏海「かぁちゃんにばれないようにそーっと、そーっとだよ」

小鞠「分かってるって」

妹達は駄菓子屋へ行くらしく
母さんにばれないよう静かに部屋にお小遣いを取りに行く
僕は部屋に逃げるよう向かって、引きこもり天井とにらめっこを始めた
明日は月曜日、圭一が考えたルールで遊ぶのが始まって2回目のお遊び
夏海が当番の日だ、あのいたずら好きで何考えてるか分からない夏海は何を始めるのか全く思いつかなかった

雪子「あら?」

小鞠「!」

小鞠(しまった!!)

雪子「小鞠帰ってたの?帰って来たなら挨拶くらいしなさい」

小鞠「は..い.」

雪子「夏海とおにぃちゃんは?」

小鞠「おにぃちゃんは部屋にいるはず、、夏海はその、、」

雪子「またブラブラしてるんかい、で財布持ってどこか行くの?」

小鞠「ちょっと皆と駄菓子屋に..」

雪子「まぁいいか、宿題もちゃんとやっているみたいだからたまには遊びに行って来んさい、でもお昼までは帰って来るんよ」

小鞠「えっ?!」

夏海「えっ!?いいのー?」(ガラッ

雪子「あっ!夏海いたの!?」

夏海「行こう!ねぇちゃん!行っていいんだって」

雪子「いい?昼までには帰ってくるんよー」

夏海「分かってるってー」

ピンポーン

おばちゃん「あら、いらっしゃい」

おばちゃん「えーと、たしか..れんげちゃんだったかしら」

れんげ「ほのかちんと遊びに来たのん」

おばちゃん「あら、残念だけど、うちの息子、ほのかちゃんのおとうさん急にお仕事が入っちゃってねぇ」

おばちゃん「昨日慌てて帰っちゃったのよ」

おばちゃん「せっかく来てくれたのに、ごめんねー」

おばちゃん「ほのかと遊んでくれて、ありがとね」

ガチャ

れんげ「…」

れんげ「ほのかちん、いってしまったん」

とぼとぼ

ピンポーン

おばちゃん「あら、いらっしゃい」

おばちゃん「えーと、たしか..れんげちゃんだったかしら」

れんげ「ほのかちんと遊びに来たのん」

おばちゃん「あら、残念だけど、うちの息子、ほのかちゃんのおとうさん急にお仕事が入っちゃってねぇ」

おばちゃん「昨日慌てて帰っちゃったのよ」

おばちゃん「せっかく来てくれたのに、ごめんねー」

おばちゃん「ほのかと遊んでくれて、ありがとね」

ガチャ

れんげ「…」

れんげ「ほのかちん、いってしまったん」

とぼとぼ

小鞠「ねぇ夏海、明日なにやるか考えてる?」

夏海「もちろん考えているさ」

小鞠「どうせあんたの事だからロクなこと考えていないんでしょ?」

夏海「ちゃんと面白い事考えているよー!失礼だなねぇちゃんは」

蛍「ハハ..」

夏海「ところでほたるん、なんで昨日秘密基地にいったの?」

蛍「え?あっ、犬の散歩で」

小鞠「蛍、犬飼ってるんだ」

夏海「あの基地の近く、大きい穴空いてなかった?」

蛍「え!?知らないです、穴なんてあったかなー..」

夏海「去年ねぇちゃんその穴落ちてたし基地の周りは気をつけた方がいいよー!」

小鞠「もう、夏海ったらー」

蛍「気をつけます..」

一穂「おかえりれんちょん、また大分早く帰ったねー、ほのかちんはどうしたの?」

れんげ「ほのかちん、お父さんにお仕事が出来て帰ってしまったん」

一穂「マジか、また急だねぇ、でもしょうがないよ仕事なんだからさ」

れんげ「せっかく仲良くなったんに、うちなんだかブルーなん」

一穂「おお、それじゃあれんちょん、今日はねぇねぇと遊ぼうか」

れんげ「..なにするのん?」

一穂「今からピーマン植え付けるよー」

れんげ「うちのことには構わず、そっとして置いて欲しいん」

一穂「冗談冗談ー!えー、何しようか?」

れんげ「そっとして置いて欲しいん!」

8月8日(月)

一穂「れんちょん、ラジオ体操の時間だよー」

れんげ「今日は休むん」

一穂「頑張って全日出席したら、ご褒美貰えるよー?」

れんげ「ご褒美ってなんなのん?」

一穂「それは素敵な代物だよー、れんちょんせっかく小学1年生の夏休みなんだから、頑張ってみようよー」

れんげ「…」

一穂「朝ごはん食べて神社に向かうよー、支度しなー」

小鞠「あれ?どしたのれんげ?元気無いみたいじゃん」

れんげ「うちなんだか力が入らないん、体が空っぽになってる気がします」

小鞠「?」

夏海「おはよーれんちょん!今日も天気がいいねー!」

れんげ「うちの心は灰色の土砂降りで今にも崩れそうな崖の上にいるん」

夏海「そりゃえらいこっちゃ、ハハ..」

蛍「何かあったんですか?」

一穂「いやー、それがねぇ..ほのかちん、昨日帰っちゃって、ちょっとブルーなんだって」

小鞠「そうだったんだ..」

一穂「しばらく、そっとしておいてあげてー」

れんげ「やがては崩れる崖の上から眺める風景ははもともと居た楽しかった世界なんに」

れんげ「なんだか、真っ黒な世界に思えるん」

れんげ「一度楽しかった思い出をそこに作ってしまうと、失われた時最大級の喪失感に襲われてしてしまう」

れんげ「それならばいっそのこと出会わなければ..」

夏海「あのー?もしもし?れんげさん?」

れんげ「?」

一穂「こりゃ重症だわー」

一穂「あっ、もうラジオ体操の時間だよー、準備してくれるー?」

夏海「..ようし!体操の時間だ!今日も張り切って頑張るぞー!」

小鞠「そ、そうだね、大丈夫だよれんげ!少し体を動かせば気が紛れるよ」

蛍「れんちゃん!頑張ろう!」

一穂「今日もお疲れ様、あとれんげのことなんだけど今日はそっとしておいて欲しいんだー」

小鞠「うーん、仕方ないね、今日はお遊びは中止にしよ」

夏海「もちろんそのつもりだよ、れんちょんなんか今日様子がおかしいしね」

蛍「私も小鞠先輩に賛成です」

一穂「お願いできるかなー?」

蛍 夏海 小鞠「はーい」

れんげ「みんな何言ってるの?うちは大丈夫なん、約束は約束なん、今日も秘密基地行くん..」

蛍「えっ!?大丈夫なの?れんちゃん、無理しない方が..」

夏海「絶対休んだ方がいいってー」

れんげ「大丈夫なん、約束は守るん..」

一穂「..まいったねー」

一穂「それじゃあ、簡単な遊びをやってくれる?」

一穂「家で考え込むより、皆と遊んだ方が元気になると思うんだー」

夏海「簡単な遊びかー」

小鞠「何かある?」

夏海「うーん、分かった!秘密基地に着くまでに考えておこう」

夏海「とりあえず、秘密基地いくぞー」

一穂「お願いねー」

れんげ(ブツブツ..)

小鞠「夏海、思いついたー?」

夏海「うん、うちが最初に考えてたのとはちょっと違うけど..」

夏海「今日は無難に缶蹴りをします!」

小鞠「..なーんだ、夏海にしては普通だねー」

夏海「しょうがないじゃん」

蛍「でも、空き缶なんてありましたっけ?」

夏海「秘密基地にあるもので代用出来るっしょー、どれどれ..」

夏海「あっ!あったあった..」

夏海「これでやろう!」

小鞠「ビニールボールじゃん、良く飛びそうだけど、、まぁいいか!いいんじゃない!」

夏海「でしょでしょ!?まぁその辺は各自手加減して、、れんちょんもボール蹴りならいいっしょ?」

れんげ「今日は夏海がリーダーなん、ボール蹴りやるん」

蛍「それじゃあ早速始めましょ!楽しみです」

夏海「ようし!鬼を決めるぞー!最初はグー!じゃんけん!..ポン!」

蛍「あっ!私が鬼..」

夏海「ほたるん残念」

蛍「でも、頑張ります!」

夏海「さてボールを置いてと..」

夏海「れんちょん蹴る?」

れんげ「蹴るん」

夏海「始めよう!」

蛍「ごくり」

夏海「行けーれんちょん!」

れんげ「うわぁぁぁああああああぁぁぁああ!」

パコーン

小鞠「わっ!」

夏海「ありゃー、上手く木の隙間をすり抜けてどこか行ったなー、これは探すの大変だわ」

小鞠「もうれんげったら..」

小鞠「どうする?探してきてもう一回やり直す?」

蛍「だ、大丈夫です!絶対探してきて見せます!」

小鞠「本当?大丈夫なの蛍?!」

蛍「はい!」

夏海「大丈夫だって、それじゃあ隠れるぞー!」

蛍(ボールが飛んだのはこの方向、見当たらないという事は木に掛かって..)

蛍(あっ!あった!これなら木の枝で届きそうだ!)

小鞠(ほたるもう帰ってきた!)

夏海「..ねぇ、ねぇちゃん、違うとこに隠れてよ」

小鞠「しょうがないでしょ、時間無かったんだから!」

夏海「時間なら隠れるくらいあったじゃーん」

小鞠「しーっ!声でかいって、見つかっちゃう」

蛍「みんなどこだろー?」

れんげ(ブツブツブツブツ)

蛍「れんちゃん..?」

夏海「あーっ!れんちょんの馬鹿、あんな呟いていたら見つかっちゃうよ!しかもすぐ近くにいそうだし!」

小鞠「あ、あれ?!夏海!?なにするの?!」

夏海「うちがおとりになって、ほたるんをひきはなす!」

小鞠「あっ!まって夏海!おにぃちゃん出てきたよ!」

夏海「!」

小鞠「おにぃちゃん、早速捕まえられちゃった..」

夏海「..」

夏海「ねぇちゃん、うちらもこのまま一緒ならいずれ二人とも捕まってしまう!」

小鞠「あんた、妹なんだからどこか他の所に隠れなさいよー」

夏海「ねぇちゃんだって、うちの後ろついて来たんだからどこか行ってよー」

小鞠「今、移動したらばれるでしょ!?」

夏海「..こんなとこで言い合っても仕方ない」

夏海「ねぇちゃん、缶蹴り、いわば今やってるゲームってさ、要するに一人が捕まってしまった人にタッチすれば復活出来るんだよ?」

小鞠「知ってるよー、前にやったことあるもん」

夏海「それと、あのボールをほたるんに捕えられる前にどこかに蹴ってしまえば助けることも出来る」

小鞠「でもボールの近くで蛍はうろちょろしてるし、その近くにおにぃちゃんも拘束させらてる..」

小鞠「れんげはれんげで隠れたつもりで何かブツブツ呟いて動かなさそうだし..」

小鞠「今、ボールを蹴りに行っても見つかっちゃうって..どうするの?」

夏海「うちがおとりになる!」

小鞠「..さっきやろうとしてたのと同じじゃん、もっと他にいい作戦ないの?」

夏海「今回のおとり作戦はさっきと違う。2段階でいく、つまり、ねぇちゃんにも協力してもらう!」

小鞠「大丈夫なの?おにぃちゃんの二の舞にならない?」

夏海「にぃちゃんはれんちょんをかばってわざと捕まりにいったんだ、そうに違いない」

小鞠「..まぁあのおにぃちゃんならそうかもね、足速いし」

夏海「それにこっちには二人いる、多勢に無勢っていう奴だ」

小鞠「そんなに人数いる訳でも無いけど..まぁ二人揃って捕まえられて負けるよりかはましか」

小鞠「分かった、協力する、作戦は?」

夏海「うちが、最初ほたるんに見つけられてまず捕まる、そしたら少しの間が出来るはず」

小鞠「そこに私がばれないようにボールを蹴ればいいんだね!」

夏海「ほたるんがれんちょんを探しに行って隙を見せた時、静かにばれないようにボールの近くまで移動できそう?」

小鞠「やってみるよ」

蛍(れんちゃんどこだろー)キョロキョロ

夏海「今だ!行けねぇちゃん!」

小鞠(サササー)

夏海「ナイスだねぇちゃん!」

夏海(あとはうちがおとりになって..)

夏海「ガサガッ」

蛍「あれ?誰だろう、誰かいるのかな?」

夏海「ピョン」

蛍「!」

夏海「うっさぎちゃんだよー!」

夏海「ピョコピョコピョンのヌッピョンピョンー!」

蛍「あっ!夏海先輩見つけました!」

蛍「急いでボールに戻って..」

夏海「ふっふっふ、しかし、もう遅い!そこにはなんとおねぇちゃんが!」

蛍「あ!」

小鞠「えいっ!」

パコーン

蛍「あー!蹴られちゃった..」

小鞠「やった!上手くいった!」

夏海「あっはっは、うちらの作戦勝ちー!」

蛍「うう..」

夏海「それじゃあ早速、二回戦始めよっかー!」

小鞠「また蛍の鬼からだよ!?」

蛍「次は絶対勝ちます!」

夏海「..ってあれ?そういえばれんちょんは?」

蛍「はっ!さっきまでは声が聴こえていたのに、今は聴こえなくなってます!」

小鞠「どこか行ったのかな?心配だし、皆でそこらへん探してみよ!」

蛍「はいっ!」

夏海「れんちょんー!?二回戦始めるよー!」

小鞠「おーい、れんげー!どこー?」

蛍「れんちゃーん!勝負付いたから出ておいでー..」

夏海「あっ!あそこ..」

小鞠 蛍 卓「!」

れんげ「ほのかちんもうちと同じ世界に生きてるん?」

れんげ「空はこんなに晴れていようとも、急に降り出した雨の中」

れんげ「濁流で流され、何も無いその空っぽに押しつぶされそう感じ」

れんげ「何言ってるか分からないのん」

れんげ「ほのかちん..グスン..」

蛍「れんちゃん..」

夏海「..今日はもう帰るかー」

小鞠「そだね、行こうれんげ!今日は蛍の負けだよ」

れんげ「帰るん」

小鞠「れんげ、すっかり眠っちゃった」

蛍「よっぽど疲れてたんですね」

夏海「うち、れんちょんおぶって家まで送っていくよ」

小鞠「それなら私も一緒について行くよ」

蛍「私も行きます」

夏海「にぃちゃんは?」

卓「」

バスの中で泣き疲れて眠りに落ちたれんげの表情は
朝よりも幾分清らかだった。
夏海がれんげをおぶって下車し、バス亭を後にしたあと、僕らはれんげの家へと向かった

一穂「おかえりー、あれ?れんちょん眠ってしまったんだ」

小鞠「帰りのバスの中で、眠っちゃって」

一穂「わざわざ悪いねー」

夏海「れんちょん、どこに寝かすー?」

一穂「あ、奥の部屋、布団敷くからそこにお願い出来るかな」

夏海「はーい」

れんげ「Zzz..」

一穂「みんなありがとうー、れんげもなんだか少し表情が和らいだ様な気がするよー」

夏海「いいってー、別にうちら何もしてないし」

小鞠「缶蹴りしただけだもんね」

夏海「ほんじゃあ、うちらもう行くね!あとはよろしくー!」

蛍「お邪魔しました」

一穂「またねー」

小鞠「..れんげ、大丈夫かなー」

夏海「大丈夫っしょー!、泣いてすっきりしただろうし明日には元気いっぱいのいつものれんちょんに戻ってるよー」

蛍「そうですよね!きっと」

れんげ「Zzz」

「こんにちわー!」(コンコン)

れんげ「?」

れんげ「誰か来たん」

「遊びに来たよ!れんげちゃん!」

れんげ「..ほのかちんなのん?」

れんげ「あーい、今開けるん」

れんげ「!」

ほのか「れんげちゃんの言っていたタヌキを写真に撮ろうと思って」

れんげ「ほのかちんなのーん!早く戻ってきてくれたんなー?また一緒に遊べるーん!」

ほのか「タヌキどこにいるの?」

れんげ「ちょっと待っとくん!呼び出す用意してくるん!」

ほのか「?」

れんげ「このお皿に餌を置きますん!」

ほのか「うん..」

れんげ「そして、こうするーーーん!」

ピィーーーーーー

ほのか「わっ!タヌキ出てきた!すごーい!」

れんげ「具っていう名前なのん」

ほのか「へー、、本物は始めてみた、かわいいー!」(パシャパシャ)

れんげ「…」

れんげ「ほのかちん、小さい滝のあるところにも行きたいん?」

ほのか「前にお話してくれたところ?行きたーい!」

れんげ「それじゃあ早速行くーん!ねぇねぇ!ほのかちんと遊びに行ってくる―ん!」

一穂「あいよー、気をつけていってねー」

れんげ「分かってるん!ほのかちん、あの電柱まで走るーん!」

ほのか「競争だね!いいよ!」

れんげ「競争なーん!」

れんげ「ほのかちん」

ほのか「なーに?」

れんげ「この赤い実食べたことあるん?」

ほのか「えっ?食べられるのこれ?」

れんげ「ちょっと酸っぱいけどいけなくもないん!ほのかちんも食べてみるん!」

ほのか「!」

れんげ「..どうなん?」

ほのか「..ちょっと渋いかな?」ガリガリ

ほのか「でもほんのり甘くて美味しいかもー!」

れんげ「..種は吐き出すんよ」

ほのか「..川が流れてる..れんげちゃん、この川渡るの?」

れんげ「のんのん、あっちに前に嵐で倒れてしまった大きな木あるん」

れんげ「それが橋みたいに架かって向こう側に繋がっているのん!」

ほのか「そこを渡るんだね!」

れんげ「渡るーん!」

ほのか「よいしょ」

れんげ「そこを歩けばもう少し先なん、がんばるん!」

ほのか「うん!頑張ろう!」

ほのか「わぁー、綺麗ー!」

れんげ「おぉー..」

ほのか「滝綺麗だったねー!」

れんげ「綺麗だったんなー!」

ほのか「この村に来てれんげちゃんとお友達になれてよかった!おかげで楽しい思い出が出来ました!」

れんげ「テヘヘ..」

ほのか「あっ!雨が降ってきたよ!?」

れんげ「あの大きな木の下で雨宿りするーん!」

れんげ「ほのかちん..ムニャムニャ」

れんげ「はっ!」

れんげ「…」

れんげ「夢だったんな」

れんげ「..もうすっかり夕暮れどきなん」

れんげ「なんでうち家で寝ているん?」

れんげ「なっつん達と確か秘密基地に行って、ボールで遊んで..」

れんげ「ねぇねぇー、ねぇねぇー!」

一穂「おや?おはようれんちょん、お腹空いていない?」

れんげ「ちょっぴり空いてる、そんなことよりなんでうちは家で眠っていたん?」

一穂「あー、それはね」

一穂「秘密基地で帰る途中、れんちょんバスで眠ってしまったんだねー」

一穂「夏海がおぶって皆で連れて来たんだよー」

れんげ「そうなんな..」

一穂「皆にありがとう、言っときなー」

れんげ「・・」

れんげ「..なんかいい匂いするん」

一穂「さすがれんちょん、気づかれちゃったかー、今日のご飯はねー」

一穂「なんと、なんと、、」

一穂「れんちょんの好きなカレーライスですー!」

れんげ「・・」

一穂「手を洗ってきなー、ちょっと早いけど、晩御飯にするよー」

れんげ「..あーい」

一穂「どう?美味しいかな―」

れんげ「美味しいん」

一穂「それは良かった」

れんげ「..ねぇねぇ」

一穂「ん?」

れんげ「さっき夢の中にほのかちんでてきたん」

一穂「へー、夢の中にねぇー」

一穂「一緒に遊んだのー?」

れんげ「二人で小さい滝のあるところ行ったん」

一穂「小さい滝?始めてきいた、こんな村にそんなとこあったっけなー」

れんげ「秘密の場所なん」

一穂「秘密の場所?ねぇねぇも行きたいなー、今度その場所連れて行ってよー」

れんげ「気が向いたら」

一穂「え?連れて行ってくれるの?それはねぇねぇ楽しみだなー」

れんげ「…」

れんげ「夢の中は楽しかったん、それこそ現実に引き戻された感じ」

れんげ「夢から覚めるとはまさにこういうこというんな」

一穂「..れんちょん」

れんげ「?」

一穂「れんちょんまだ小学生一年だからそういうこと言っちゃいけないよー」

れんげ「どうして言ったら駄目なの?」

一穂「これからが長い人生なのに、そこで落ち込んでいたら駄目駄目だわー」

れんげ「うち、駄目駄目なん」

れんげ「ほのかちんと過ごした楽しかったあの日々を」

れんげ「もう触れる事が出来ないと思うと、なんだか胸が痛くなるん」

一穂「でも、夢はいいものだよー?」

れんげ「楽しい夢か怖い夢、将来の夢に、..それとナスビが出てくる夢」

れんげ「出来るなら今は何も見たくないん」

一穂「えーっとね、そうなんだけどね」

一穂「あっそうだ、夢の中にはね正夢ってのがあってねー」

れんげ「まさ..ゆめ..?」

一穂「夢で起こったことが現実でも起こることがあるんだって」

れんげ「..そうなのん?」

一穂「ほのかちんの事を忘れずに」

一穂「いつかこの村に帰って来ることを信じて」

一穂「れんちょんが毎日頑張って日々を過ごしていたら戻ってくるかもねー」

れんげ「ほのかちん、戻ってくるん?」

一穂「きっと戻ってくるさー、なにしろれんちょんにはまだまだ続きがたくさんあるんだから。これで終わりじゃないよ」

れんげ「…」

一穂「うーん..れんちょんにこの話をするのはちょっとだけ早かったかなー..」

一穂「まだ感傷に浸っていたい気分だよねー」

れんげ「ねぇねぇも少し分かるわ―、あの釈然としないどうしようもない気分」

れんげ「…」

一穂「あっ、そうだ!カレーライス食べ終わったら」

一穂「外に出て流れ星探しに行こうか?」

れんげ「流れ星..?」

一穂「流れ星にお願い事するんだよ-、ほのかちんが戻って来ますようにってさー」

れんげ「流れ星探すん、お願い事するーん!」

越谷家

夏海「はぁーあ、やっと終わったー..」

小鞠「お疲れー」

夏海「いいなぁーねぇちゃんとにぃちゃんは、ちゃっちゃと終わらせちゃってさー」

小鞠「それ漢字のドリルなんだから、書けばいいだけの話じゃん」

夏海「でもさー、こんな一文字一文字に何回も鉛筆走らせるんだよー?」

夏海「ねぇちゃんはどう思う?」

小鞠「..別に普通じゃない?昔から習字とかもあるんだし」

夏海「でもさー..」

夏海「そうだ!全部ひらがなかカタカナで書けばいいんじゃない?皆読めるんだし!」

小鞠「馬鹿じゃないの?何書いてるか余計分かりにくくなるって」

夏海「うーん、効率悪いと思うんだけどなー、学年上がる度に新しい漢字覚えるってさ」

小鞠「そんなこと考えているくらいなら、覚えた方が早いって」

夏海「まぁいいや!この問題は明日考えよう!今日の宿題は終わったんだし!」

夏海「そういえば、明日はほたるんがリーダーの日だ、ねぇねぇちゃん、何の遊び思いつくと思う?」

小鞠「さぁ?分からないや、この村に引っ越してきてから始めてのリーダーだからね、何やるんだろうか」

一条家

蛍(ワクワク)

蛍(明後日の水曜日は私の番..)

蛍(こま先輩にいろいろさせたいなぁ、なにさせようかなぁ)

蛍(楽しみだなー、早く水曜日来ないかなぁ)

8月9日(火)

れんげ「やっほーい!」

夏海「おっ、れんちょんだ!すっかり機嫌よくなったねー」

小鞠「おはようれんげ!もう大丈夫みたいだね!」

蛍「おはようれんちゃん!」

れんげ「昨日は皆に迷惑かけましたん、おかげで元気になりました」

一穂「昨日は皆本当にありがとうね」

夏海「いいって、そんなたいしたことしてないし..」

小鞠「かずねぇ、れんげになんかしたの?宗教?」

一穂「え?そんなものなにもしてないよ、しいていえば流れ星を一緒に探したことくらいかなー」

小鞠「?」

夏海「流れ星ですか..」

一穂「そう!流れ星ー」

夏海「ふーん..流れ星ねぇ..それにしては元気になりすぎでしょう」

れんげ「あんなー?ほのかちんまた来年もくるん!一緒に遊べるーん!」

一穂「..今朝ね、ほのかちゃんのおばさんがね、写真と手紙持ってきてくれたんだー」

夏海「へー、上手く撮れてんじゃん」

小鞠「いい写真だね!れんげが撮ったの?」

れんげ「うちが撮ったん!この手紙にまた来年も遊びに来るって書いてあるん!」

蛍「よかったね!」

れんげ「よかったーん!これで来年もほのかちんと遊べるーん!」

一穂「それじゃあ、体操始めちゃおうか」

れんげ 夏海 小鞠 蛍「はーい」

ラジオ体操出席カードには、出席の印のスタンプが綺麗に並んで、
まだ半分にも満たないがそれは、夏休み終了までのカウントダウンであり
先延ばししたままのまだ守られてない約束
それが特別どうという訳では無いが、見るたびに妙な焦燥感に駆り立てられた

夏海「ふー、終わったー終わったー」

小鞠「蛍!今日は蛍のリーダーの日だよ!?」

夏海「なにやるか、ちゃんと考えてるー?」

蛍「え?」

小鞠「?」

小鞠「考えていないの?」

蛍「えぇーーーー!?今日私が当番なんですかー!?」

夏海「うん、そうだけど..」

小鞠「すごい驚きようだね、考えていないの?どうしたのー蛍?」

蛍「私はてっきり、水曜日が私の当番だと勘違いしてました..」

れんげ「水曜日はうちが当番なん」

蛍「うん..」(しまったー!!もう私の馬鹿馬鹿馬鹿ー)

夏海「でもほたるんが当番だしねー、どうするの?」

小鞠「なにか準備するものでもあるの?」

蛍「はい..」

夏海「それじゃあ皆で蛍の家行って必要な遊び道具取ってから秘密基地に行こうか!」

小鞠「そうしよ!」

蛍「うう..」

小鞠「?」

小鞠「どうしたの?蛍?」

蛍「あっ、いえっ!なんでもないです、そうしましょう」

れんげ「ほたるんち、行くーん!」

蛍(あぁーーー!もう!私ったら)

蛍(小細工もおもしろいネタもまだ用意していない)

蛍(皆を玄関の前で待たせてるから準備する時間ももう無い..)

蛍(これじゃあ思っていた事は出来ないよー)

蛍(とりあえず、割り箸と鉛筆と紙とペンと空き箱..鞄にいれて)

蛍「みんな、おまたせー!」

夏海「ちゃんと持った?」

蛍「はい!持ちました!大丈夫です!」

夏海「それじゃあ行こっか!」

蛍「今日のお遊びは..」

夏海「うん..」

蛍「王様ゲームをしますー」

・・・

夏海「へ、へぇー!王様ゲームかぁ、いいねぇ!」

小鞠「あっ、そうそう!楽しそう!東京ではそんな遊びが流行ってるんだー」

れんげ「うち、始めて聞きました」

夏海「で、どうやって遊ぶの?」

・・・

蛍(あれっ?この感じ..皆ルール知っていない?ひょっとしたら..ゴクリ)

蛍「はい、最初は私が王様です、まず初めに、このメンバーのどなたかに」

蛍「させてみたい行動を皆で4枚ずつ紙に書きまーす」

れんげ「書くーん」

小鞠「どんな事でもいいの?」

蛍「はい」

夏海「これは面白そうだわー、うち、ねぇちゃんイメージして書こうっと!」

小鞠「やめなってー」

蛍「ちなみに誰に当たるか分からないように混ぜてくじを引くので、自分に当たるかもしれません」

小鞠「ほらー、夏海自分に当たるかもよ」

夏海「大丈夫大丈夫!」

蛍「書き終わったら丸めて、この箱の中に入れてと、これは後から王様が引きます」

蛍「次に1番から4番まで振られた割り箸を混ぜて」

蛍「みんな後ろを向いて一本ずつ引いていきまーす」

れんげ「引く―ん」

夏海「引いたよ、次はどうすんの?」

小鞠「この番号は秘密?」

蛍「いえ、後から使うのでこの番号の書かれた割り箸は各自持っといてください」

小鞠「なんか複雑だねっ、でも新しいかも!」

蛍「はい!」

蛍「次に、また王様の私が今度は別の割りばしで人数を決めます」

蛍「この割りばしの入った箱、割り箸の先には1番から4番までの番号、つまり行う人数が書かれています」

夏海「えっ?一人だけでやるんじゃないの?」

蛍「それは王様が選んだ番号によってなんですが」

蛍「一人でやる時も王様以外の皆でやる時もあります」

夏海「うへぇ~..それは大変だ」

蛍「それじゃあ引きます」

蛍「あっ1番です!」

小鞠「それじゃあこれは一人でやるってことだね!」

蛍「はい!これからやることは一人でやります!」

蛍「そして、罰ゲームを受ける人をまた割りばしで王様が決めます!」

蛍「あ、今回は1人だけですので、一本だけ引きます!」

夏海 小鞠 れんげ 「・・・」

蛍「2番さんです!さっき引いてもらった割り箸で2番の方ってだれでしょうか..?」

れんげ「うちなのん、うち2番引いてしまったん」

夏海「なんだー、れんちょんかー」

小鞠「で、今度は最後に罰ゲームを決めるんだね!」

蛍「はい、これで最後です!引くよ..?」

れんげ「ごくり」

夏海「蝉の..ものまね?」

れんげ「それうちが書いたんよ?」

夏海「へぇー..蝉のものまねねぇ」」

れんげ「しょうがないのんな」

れんげ「では、早速!せみのものまねしますん!」

れんげ「こうやって、木にしがみついて..」

れんげ「みーん、みんみんみーん..みーん!」

夏海 小鞠 (なんだこれ..)

蛍「ハハ..」

れんげ「どうだったん?!うちの全力の蝉のものまね」

夏海「良かったよ!れんちょん!すごい良かった!」

れんげ「エヘヘ」

夏海「一人でやってくれたからなおさら良かった!そんなこと4人でやったら目も当てられん」

小鞠「確かに、考えるとぞっとする」

れんげ「なーーん!うちは皆でやりたかったん!」

夏海「恐ろしい遊びだわー全く」

小鞠「蛍の次は誰が王様なの?」


蛍「..はい!また私が王様です!」

小鞠「えぇ!?また蛍が王様なのー?!」

夏海「ほたるんだけずるーい!うちも王様なりたいぞー!?」

れんげ「あーい!うちも王様やるーん!くじ引くーん!」

小鞠「出来れば、私も王様やりたいんだけど、、蝉のものまねとかしたくないし..」

蛍「そっ、そうですよね!では、王様も平等にくじで決めましょうー」(トホホ)

夏海「そうしよ!その方が面白そうだし!」

蛍「はい..」

夏海 小鞠 蛍 れんげ「王様だーれだ!」

夏海「なーんだ、にぃちゃんかー」

小鞠「それで罰ゲーム受ける人が3人ということは..」

小鞠「げっ!一人しか助からないじゃん!」

夏海「よし!それじゃあ早速決めようか?」

小鞠「お願い!私ではありませんように!」

夏海「1番と2番..そして4番..」

小鞠「..うわ最悪、私だ、私1番」

れんげ「4番はうちなん、また何かやるのん?」

小鞠「うう..」

夏海「ハハハ!うちは3番だからセーフ!これは面白くなりそうだわー!」

小鞠「ってことはほたるが2番!?」

蛍「はい..」

夏海「さぁにいちゃん!罰ゲーム引いてみようかー!?」

>>112
.○1→キス
.○2→腹踊り
.○3→エアギター
.○4→大人の女性
.○5→夏海ちゃんの宿題
.○6→死んだふり
.○7→変わった木の実を食べる
.○8→サイレントギャグ
.○9→かわいいポーズ
.○0→突然の暴風で秘密基地崩壊

閲覧してくれている方ありがとうございます
なお、ここから本格的に安価コンマを使っていこうかと考えておりますので、
これからが更新遅くなります

おおっ! ついに最初の判定だ(^^)

夏海「おうし!いいぞーにぃちゃん!それうちが書いた罰ゲーム、よくここぞというときに引いてくれた!」

小鞠「」

蛍「はら..おどり?」

れんげ「腹踊りってなんなのん?」

小鞠「どうせ最初からこんなしょーもないこと書くとは思っていたけどね...」

夏海「良く酔っ払った中年のサラリーマンが居酒屋とかでやってるやつだよ」

夏海「お腹にペンで顔を書いて、なんかこう、腹話術みたいに喋らせる一発芸のこと」

れんげ「ほほう、それはまた難しそうな遊びを」

蛍「難しいというより、とても恥ずかしそうな気が..」

夏海「ちょうど蛍が持ってきたペンもあるんだし、早速やろう!ほら、お腹出して!」

れんげ「あーい」

蛍「あれ?れんちゃん乗り気ですよ!?どうします?」(でも、ちょっとこま先輩の腹踊り見てみたいかも..)

小鞠「..本当にやるのー?」

夏海「やるに決まってるじゃん!ほら!早くお腹出して!」

小鞠「はぁ..分かった」

蛍「小鞠先輩?」

小鞠「でも..おへその部分だけね、それでも一応腹踊りになるはずだし、それにおにぃちゃんもいる..」

小鞠「女の子なんだから、その、恥ずかしいし・・」

蛍「そ、そうです!恥ずかし過ぎます!」

夏海「オッケーオッケー!それでいいよ、うちも女なんだし気持ちも分からなくも無い」

夏海「それじゃあ、早速服をあげようかー?うちがかわいく書いてあげるー」

れんげ「あーい!うちのは特別かわいい顔にして下さい」

夏海「オッケーオッケー」

れんげ「くすぐったいのん!」

夏海「ハハハ、ごめんれんちょーん、ほら!かわいいお顔の出来あがりー!」

れんげ「あんまり可愛くないのんなー..」

蛍「..でも本当に大丈夫なんですか?先輩、中学2年生なんですし..」

小鞠「しょうがないしね、一応軽くして貰ったんだし、もうさっさと終わらせちゃおう!」

蛍「は、はい!」

今んとこひぐらし要素あんまり理解出来てないんだけどつまりは圭一が悟史ポジって感じ?

>>115
レスありがとうございます
はい
今のところはさとしポジになっているのだろうと思います
圭一はルールを作り東京行った後、ひなみざわに行って音信不通になってそこから今のところは
一切出てきておらず、ぼかした感じになりました
展開遅いのでSSとして成り立っているのかどうか気になるところです

回答どうも
>>1の納得出来るスピードで良いと思うよ
展開が読めるわけではないけど日常パートって大事になるだろうからこのままでも構わない
エタらなければ

夏海「はい、ほたるん出来あがりー」

蛍「ありがとうございます..」

夏海「うん!我ながら良くできてるよー!こちらも傑作だわー」

蛍「うう....」(可愛く無い..)

れんげ「ほたるんのお腹のお顔、うちのお腹のお顔と瓜二つなのん」

蛍「そ、そだねー..」

れんげ「兄弟なん」

夏海「さぁ次はねぇちゃんの番だよー!?シャツめくってー!」

小鞠「..いい?おへその上くらいまでだからね!?」

夏海「分かってるってー!さぁ早く!」

小鞠「もう..」

夏海「それじゃあ書くからねー!ねぇちゃん目を瞑っていて」

小鞠「え!?目を瞑るの!?私だけなんか皆と違くない?!」

夏海「うん、そうだよ、だってねぇちゃんの提案で少しは軽くしたんだし、そこは交換条件って事でいいっしょ?」

小鞠「..!」

小鞠「..まぁいいや、さっさと書いて、でもおへその上までだからね」

夏海「それっじゃ、ちょい失礼ー」

小鞠「あれっ?!私の顔だけやけに書くの長く無い..?あちこちペン走らせて..」

小鞠「そもそも顔の形していないっていうかー..」

夏海「まだ目を開けちゃだめだよ?」

小鞠「結構くすぐったいんだけど..」

れんげ「ほたるん、あれはなんなのん?」

蛍「さぁ..漢字の練習かな?分からないけど..」

夏海「はい!出来た―!目を開けていいよー!」

小鞠「ずいぶん時間かかったな..さて夏海はどんな落書きをしたのやら..」




摩訶般若波羅蜜多心経

観自在菩薩行深般若波羅蜜

蘊皆空度一切苦厄舎利子色不異空空不

異色色即是空空即是色受想行識亦復如




夏海「これでねぇちゃん怨霊に取り憑かれても平気だぞー!」

小鞠「うざっ」

夏海「でも、楽だと思うんだけどなー、それセリフなんだしそれ読んで突っ立っているだけでいいもん」

蛍「え?、ってことは私達何かセリフを話すんですか?」

夏海「もちろんそうですとも、テーマは葬式!アドリブでね!」

蛍「どうしょう?れんちゃん..」

れんげ「ウンムムムム..またなっつんが無茶ぶりし始めたん、にぃにぃが王様なんに、テーマまで作っているし..」

れんげ「とりあえず、葬式ごっこしてみるーん!」

>>117
ありがとうございます
少しずつですが続けていこうと思います

夏海「それでは楽しい一発芸!腹踊りの始まり始まりー!」

小鞠「まーかーはんにゃーはーらーみったーしんぎょうー..」ポクポク

れんげ「大五郎兄貴よぉ~かぁちゃんいっちまったで~..どうすんだべ?」

蛍「次、次郎丸、、うちらとうとう二人になったんだべさ、これからどうすんだ」

小鞠「かんじーざいぼーさつ ぎょうーじんーはんにゃーはーらみったじ..」

れんげ「う~ん、、 いずこ、いずこへながろうべきか..」

小鞠「しょうーけんーごうんかいくうー どーいっさいくーやく..」

夏海「うん、思っていたより面白くないな、何言ってるか分からないし。」

小鞠「ち~ん..」

小鞠「はぁ..疲れた..結局夏海に落書きされただけだったし」

小鞠「般若心経覚えるくらいなら、他の漢字覚えればいいのに..」

夏海「でも、怨霊に取り憑かれた時般若心経覚えてたら助かるじゃん、まぁねぇちゃんは今のままではお腹以外取られてしまうけど..」

夏海「体全部に書いてやろうか?」

小鞠「…」

れんげ「ねぇ、次は何やるのん?誰が王様?」

小鞠「えぇ!?また王様ゲームの続きやるのー!?私もう疲れたんだけど..」

>>124
.○1→続ける
.○2→止める
.○3→続ける
.○4→止める
.○5→続ける
.○6→止める
.○7→続ける
.○8→止める
.○9→続ける
.○0→突然の暴風で秘密基地崩壊

はあっ

夏海「もちろんやるっしょー、ほたるんせっかくこんな小道具用意してくれたんだし、もうちょっとこれで遊ぼうよー」

蛍「は、はい!でも、小鞠先輩、大丈夫ですか?」

小鞠「う..うん、それじゃあ最後、これで終わりだからね、もうそろそろお昼になるはずだしお昼ごはんまで帰らないとお母さんに叱られちゃう」

夏海「オーケー!うちなんだか罰ゲーム受ける気がしないもんね!」

れんげ「あーい!」

小鞠「よし!今度こそは..」

夏海 小鞠 蛍 れんげ「王様だーれだ」

王様
>>125
.○1→小鞠
.○2→夏海
.○3→れんげ
.○4→蛍
.○5→卓
.○6→小鞠
.○7→夏海
.○8→れんげ
.○9→蛍
.○0→卓

小鞠「なんだ..またおにぃちゃんか」

夏海「よーし、それじゃあ罰ゲーム受ける人数を決めようか―!」


>>126
人数
.○1→1人
.○2→2人
.○3→3人
.○4→4人
.○5→1人
.○6→2人
.○7→3人
.○8→4人
.○9→1人
.○0→2人

蛍「二人..ですか?」

夏海「半分の確立かー..これはどうなるか分からん、ねぇちゃんまた当たるかもよ?」

小鞠「だ、大丈夫、私は普段の行いが良いしね!もう当たる事は無い、それより夏海は自分の心配したら?」

夏海「ふーん、うちも普段の行いは良い方だし、当たる気がしないもん」

小鞠「どうだか」

れんげ「それじゃあにぃにぃ、誰がやるかを決めるのん」

小鞠「神様!お願いします!」

>>127


.○1→夏海
.○2→小鞠
.○3→れんげ
.○4→蛍
.○5→夏海
.○6→小鞠
.○7→れんげ
.○8→蛍
.○9→夏海
.○0→小鞠

.1○→夏海
.2○→小鞠
.3○→れんげ
.4○→蛍
.5○→夏海
.6○→小鞠
.7○→れんげ
.8○→蛍
.9○→夏海
.0○→小鞠

.11→夏海とれんげ
.22→小鞠と蛍
.33→れんげと蛍
.44→蛍と夏海
.55→夏海と小鞠
.66→小鞠とれんげ
.77→れんげと小鞠
.88→蛍と小鞠
.99→夏海とれんげ
.00→小鞠と夏海

れんげ「ほたるんとこまちゃんが選ばれたのん」

蛍「私と..こませんぱい!!?」

夏海「ハハハ!またねぇちゃんだってー!あんなこと言ってまたねぇちゃん選ばれてやんのー!」

小鞠「あーっ!もう、なんでいちいち私なのよっ!」

小鞠「うう..」

蛍「だ..大丈夫ですよ!先輩、まだ何やるか決まった訳じゃないですし」

小鞠「そ..そうだよね!私と蛍が書いたまともなくじをにぃちゃんが引いてくれれば..まだ助かるはず」

れんげ「それじゃあ最後のくじを引くのーーーん!」

夏海「ようし!にぃちゃん行けー!」

>>129

.○1→キス
.○2→キス
.○3→キス
.○4→キス
.○5→キス
.○6→キス
.○7→キス
.○8→キス
.○9→キス
.○0→キス

.1○→キス
.2○→キス
.3○→キス
.4○→キス
.5○→キス
.6○→キス
.7○→キス
.8○→キス
.9○→キス
.0○→キス

.11→卓の気が触れる
.22→卓の気が触れる
.33→卓の気が触れる
.44→卓の気が触れる
.55→卓の気が触れる
.66→卓の気が触れる
.77→卓の気が触れる
.88→卓の気が触れる
.99→卓の気が触れる
.00→卓の気が触れる

なんだこれなんだこれ

夏海「え、キス..?」

小鞠「え、えぇ~?!」

れんげ「うち知ってるん!お魚さんのことなんなー!?おままごとなんなー!?」

夏海「いや、、そういう意味じゃないと思うんだけど、なんでおままごと?」

れんげ「うそん、おままごとじゃないんな」

小鞠「キスってあれだよね?結婚式とかでやる、誓いの儀式っていうか..なんというか」

夏海「多分そうじゃない?でも誰?キスって書いたの」

小鞠「そんなこと大人の女性しか書きっこない..」

小鞠「大人びているのは、この中では私と蛍しかいない..」

夏海「うん、ねぇちゃんは例外だけどね」

小鞠「もしかして..」

夏海「ほたるん?」 

小鞠「ほたるーーーーー!??」

蛍「あ、、はい..その東京では普通ですので..」

夏海「ふーん、そうなんだー」

小鞠「でも、私達まだ子供だし、そんなことやっていいのかなぁ」

夏海「あれれー?ねぇちゃん大人だったんじゃない?」

小鞠「う、、うるさい!」

れんげ「皆さっきから何言ってるか分からないのん!キスってなんなのん?!」

夏海「まぁ..れんちょんには良く分からないかもねー」

夏海「まぁ見ていてれんちょん、女の子同士のキスはなかなか見れないからね」

小鞠「私本当に蛍とキスしちゃうの..?」

蛍「わ、私は別に先輩となら、してもいいかなぁ..と、いや、先輩が良ければですが..その罰ゲームですので..」

夏海「ほら、ほたるんも覚悟しているんだしちゃっちゃとやっちゃいなよー」

小鞠「でもっ、..心の準備がまだ出来ていないというか..」

夏海「そう言ったってさぁ、このキスの罰ゲームどうすんの?一人でキスの練習でもする?」

小鞠「で、出来る訳ないでしょ」

小鞠「蛍は、どっちがいい?一人でキスの練習を皆に見られるのと..その私とキスするのなら」

蛍「私は、先輩とキスの方が良いかなぁと思います」

蛍「別々に一人でキスの練習をやるのも恥ずかしいし」

蛍「一緒にやれば、恥ずかしく無いのかな、と..」

小鞠「それはそうだけど..」

夏海「うーん、うち的にはねぇちゃんが一人でキスの練習してるのが見たかったんだけどなぁ」

小鞠「う、うるさいったら!」

蛍「ど、どうしますか..?」」

小鞠「..分かった、蛍とする」

蛍「え?ほ、本当ですか?!」

小鞠「まぁ、しょうがないしね、でも、口には出来ないよ?どこにも口にって書いてないからね」

夏海「な、なるほど..。よく思いついたね、ねぇちゃんのくせに」

蛍「そ、それならお互いのほっぺにキスってのはどうでしょうか?」

夏海「おお!なるほど、それならやりやすそうだし、ねぇちゃんもそれでいいっしょ!?」

小鞠「まぁ..ほっぺになら」

夏海「よし、決まり!」

蛍「はい!」

蛍「そ、それじゃあ最初に私からしますね」(ドキドキ)

小鞠「う、うん..軽くでいいから、遊びの罰ゲームなんだし」

蛍「は、はい、それじゃあ失礼します///」

夏海「おおーーーーー!」

れんげ「キスなんな!?これがキスのことなんな!?」

夏海「おおぉー」

夏海「おおおおおぉぉ」

夏海「お..おお!??」

蛍「ちゅ」

小鞠「!?///////////////」

夏海「おおー..本当にキスしちゃったよ」

小鞠「..しょうがないでしょ、ルールなんだから」

蛍「そうです!これはルールですから!仕方の無いことです!」

夏海「それにしては、違和感無いって言うか様になってるというか、もっとこう、面白くなると思ったんだけどな」

小鞠「でもさすがに恥ずかしいや、次は私の番..」

蛍「ゴクリ..」

小鞠「そっ、それじゃあ、やるからね!」

蛍「は、はい!」

夏海「つ、ついにねぇちゃんがファーストキスをほたるんに!!??にぃちゃんもよーく見ておくんだよー?ねぇちゃんが始めてキスするよー!」

れんげ「キース、キース、こまちゃんのキース」

小鞠「..あんまり騒がないでよ、余計緊張するじゃん!」

夏海「いいじゃんか別にー、いつかは大勢の前でやるかもしれないんだしー」

小鞠「そ、それはそうかも知れないけど..やっぱり恥ずかしい」

夏海「あれー?どしたのねぇちゃん?これは遊びの罰ゲームなんじゃないのー?二人とも顔赤いよー?大丈夫ー?」

小鞠「あーーーー!もううるさいったらありゃしない!」

小鞠「もうやるからね!いくよ!?蛍!」

蛍「は、はい!」

小鞠「チュ」

蛍「し、、死んでもいい..」(クラッ)

小鞠「わっ!?蛍大丈夫!?すごい顔赤いけど、私まずかった!?」

蛍「いえ..そんなことは無かったです~..むしろ..」

夏海「ほたるんしっかり~、死んだらまずいっしょ」

蛍「は、はい..すいません..」

れんげ「ほたるん、真っ赤なリンゴさんみたいなのん!」

蛍「なんだか、頭がふらふらしますー..」

蛍(パタン)

夏海「え!?ええ~!!??」

小鞠「目を回して倒れちゃった..」

夏海 小鞠 れんげ 卓 「!?」

すいませんちょっとあげます
SSスレで質問などあまりしたくないのですが
一日開けると落ちるとかって聞きました
書けない日がある日なら適当になにか書くべきなんでしょうか?
それと、もう一つ、閲覧してくれてる方に質問です
少しずつ書いて行くのと、書きまとめて貼り付けるのは
どちらが読みやすいでしょうか?参考にしたいです

>>1
が2ヶ月間書き込み無しだと落ちるんじゃなかったか?

自分はまとめての方が、読みやすい。

>>137
返答ありがとうございます
2ヵ月も書きこまない事は無いと思うのでその点安心しました
やっぱりまとめて書いた方が理解しやすいですよね、ちょっと長めにまとめてから
張っていこうかなと思います

蛍の表情は赤く高翌揚し幸せそうな顔で気を失っていた
彼女が最後に「死んでもいい」と呟いたのだから
それくらい彼女にとって特別な1日となったのだろう
昨日の帰り道はれんげが眠り、今日の帰りは蛍が気を失い山道を走るバスの中で揺られる
いずれにせよ、現実からの逃避はすごく気持ちのいいものだと
寝顔と表情から羨ましく思い、僕は僕の死に際を想像する
僕が死ぬ時こう幸せそうな顔をして[ピーーー]るのだろうか?死んでもいいと思えるくらいの一日がこれからあるのだろうか?
いつからか、物事を本心で楽しめないような気がしてならない。まわりに合わせて動かされ心はどこにあるのかも分からなかった

一条家

ピンポーン

小鞠「こ、こんにちは」

れんげ「にゃんぱすー」

蛍ママ「あら、蛍ちゃんのお友達じゃない、どうしちゃったの?」

夏海「実は、遊んでいる途中に気絶しちゃって、熱でもあるのかなーと、顔赤いし..」

蛍ママ「う~ん、大丈夫だとは思うけどねー、今朝もいつもと変わらず元気だったし熱なんてあったかしら」

小鞠「わ、私が、キスしちゃったからかな..?」

蛍ママ「..キス?」

夏海「でもっ、あれはほたるんだってそんなことは無かったって言っていたんだしキスだけで普通は倒れないでしょ!」

蛍ママ「フフッ、なーんだ、そういうことねぇ」

夏海「へ?」

小鞠「?」

れんげ「なんなのん?」

蛍ママ「そうだねぇ、気絶したのは小鞠ちゃんのせいじゃないよ」

蛍ママ「むしろ礼を言うのはこっちだよ、ありがとうね」

夏海「そ、それはどういう意味ですか?!」

蛍ママ「いえ、わざわざ暑い中おんぶまでして運んで来てもらって、ありがとう。今冷たい飲み物入れるわね、上がって上がってー」

小鞠「?」

夏海「どうする?上がる?」

小鞠「いやぁ、私達お昼までに帰って来てとお母さんに言われているし..その..」

夏海「おおー、そうだった、先を急いでいるんだった。蛍のかぁちゃん、悪いけど気持ちだけ貰っておきます」

蛍ママ「そうなんだ、残念ね」

小鞠「すいません..失礼ですが蛍のこと、よろしくお願いします!」

夏海「よろしくお願いします」

れんげ「よろしくなのん!」

蛍ママ「いえいえー、ありがとう、また明日ね。蛍ちゃんも明日には必ず良くなっていると思うわ」

れんげ「ばいばーい」

小鞠「..蛍のお母さん、礼を言うのはこっちって言っていたけど、はたしてどういう意味なのだろう?」

夏海「う~ん、分からん..」

小鞠「やっぱり、私がキスだなんて大人の儀式ふざけてやってしまったから..」

夏海「それは無いってー、だってあの罰ゲーム書いた張本人はほたるんだよー?」

夏海「東京では普通みたいなことも言っていたし、ねぇちゃんのせいでは無いでしょー?ちょっと疲れていたんじゃないの?」

小鞠「そ、、そうかなぁー」

夏海「絶対そうだよ!それに所詮罰ゲームなんだし、誰とするか何をするか当たるかも分からなかったんだし」

夏海「あれ?でもそれってねぇちゃん以外にも当たる可能性もあった訳じゃない?もしかしたら..うちも..」

小鞠「?」

小鞠「どうしたの?夏海まで顔赤くなっているよ?大丈夫なの?風邪?」

夏海「い、いや、ちょっと熱気が..風邪かな」

小鞠「ふ~ん、風邪も流行っているのかな?一応心配だし今日の夜にでも蛍に連絡してみようと」

夕方 越谷家

プルルルルル

雪子「はい、越谷です。え、蛍ちゃん?小鞠ならいるけど..ちょっと待っててくれる?」

夏海「はぁ、まったく宿題やる気にならないや、やっぱりうち熱あるかも」

小鞠「ほ、本当に風邪?それじゃあ蛍も..」

夏海「うん、おでこ触ってみて、熱っぽいから、だから宿題ねぇちゃんが..」

雪子「小鞠ー、蛍ちゃんから電話よー」

小鞠「あ、分かった、今行くー」

夏海「・・・」

夏海「あれー?ねぇちゃんー、うち風邪だよー?もしもしー?妹が大変しているよー、夏海ちゃんの宿題手伝って..」

ガラッ

雪子「うるさいわね..」

夏海「げっ!」

雪子「風邪?あんたが風邪ねぇ?どれ、おでこ出しんさい」

夏海「それはその、熱のおかげでやる気が出ないのかと思いまして、でも治ったような気が..」

雪子「それはよかった、これで宿題も出来るわね」

夏海「はい」

小鞠「えっ!?元気になった?そうなんだ!それは良かった―、私てっきり悪いことしちゃったのかなと..私の思いこみだったみたい!」

蛍「いえっ、全然そうじゃありません、ちょっと暑さで疲れてて..」

小鞠「それじゃあ大丈夫なんだね!安心したよ」

蛍「はい、..皆にご迷惑かけてすいませんでした。」

小鞠「こっちは全然大丈夫!うん!気にしないで!それじゃあまた明日ね!」

蛍「はい!」

夏海「ふぅー、良かった良かった、蛍大丈夫だって」

雪子「え?蛍ちゃんに何かあったの?何が大丈夫だって?」

小鞠「!?」

小鞠「いやっ、その..なんでもない」

雪子「?」

夏海「そ、そうだ!かぁちゃん、ねぇちゃんのお腹見てみてよ!?」

雪子「小鞠のお腹がどうかしたの?」

夏海「いいからいいから!ねぇちゃん、シャツめくって見せて!」

小鞠「ええ~!?また見せるのこれ?!..あんまり見せたくないんだけど」

雪子「また夏海が何かしたの?どうしたの?ちょっと見せなさい」

小鞠「うぅ..」

雪子「..なにこれ?般若心経じゃない?あんたがこれ書いたの?」

夏海「うん!良く書けているっしょー!?」

雪子「小鞠のお腹にならスラスラと良く書けるのに、ドリルとなればどうしてこう、やる気でないのかなぁ、この子は」

夏海「それとドリルは全く別物でしょ?なぜかねぇちゃんをからかうことならやる気が起きるんだよねーうちは」

雪子「はぁ、勿体ない。その動力を他に生かせきれないのかねぇ」

夏海「そ、そうだ!これをかずねぇにも見てもらって宿題としてみて貰えれば..閃いた!かぁちゃんありがとう!」

雪子「呆れてものも言えないわ..小鞠、早くその落書き洗ってきんさい」

夏海「ええ~!?せっかく書いたのに消しちゃうの!?駄目だぞ、ねぇちゃん、今消したら夜中悪霊にお腹以外の部分持っていかれるぞ~!?」

雪子「馬鹿なこと言いなさんな!小鞠もこんなもの赤の他人に見られもしたらどうするの?早く洗って来んさい」

夏海「ちぇっ..」

小鞠「は~い..」

8月10日(水)

>>145
天気
.○1→晴れ
.○2→曇り
.○3→雨
.○4→豪雨
.○5→小雨
.○6→晴れ
.○7→曇り
.○8→雨
.○9→豪雨
.○0→暴風

ほい

エタりそうでした(*_*)

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