男「完全犯罪やて?」女「そう」 (11)

男「そんなん、できるわけないやろ」

女「できる。私たちなら、できる」

男「なんでオレを巻き込むねん! 一人でしとけや」

女「大丈夫。男のすることは難しくない」

男「いやそういう問題ちゃうから」

女「計画は任せて」

男「ほんま、無茶苦茶やな……」

女「世の中は無茶苦茶。そうでしょ?」

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男「もうええ。帰らしてもらうわ」

女「待って」

男「待て言われて待つやつが――」

女「動かないで」ギラリ

男「お、おまえ、なんでナイフなんか……」

女「計画を知った以上、生きて帰すわけにはいかない」

男「いやいやいや、知らんから! まだなんも聞いてへんから!」

女「両手を挙げて。ゆっくり」

男「わかった、わかったから、落ち着け、な……?」ソローリ

女「わたしは冷静。そして、沈着」ソローリ

男「……なんでお前も手を挙げてんねん」

女「いいから。もっと手をピンと延ばして。早く」

男「さっきゆっくり言うたやんか……」ピン

女「……」ピン

男「……なんやねん、これ」

女「くっくっく」

男「なにを笑うて……いや、これはまさか……!」

女「そう、これが――」

男「完全万歳ッ……! てアホか!」

女「計画通り」ニヤリ

男「このアホ! アホアホアホアホ!」ペシペシペシペシ

女「痛い。とても痛い」

男「マジでビビったんやぞ」

女「すまない」

男「まあでもホッとしたわ。そのナイフ、偽物なんやろ?」

女「これは本物」

男「え……?」

女「計画を話そう」

男「いや、聞きたない聞きたない! 聞いたらあかんやつやろそれ!」

女「まずはこれに座って」椅子スス

男「お前が聞けや! なんで腰を落ち着けて犯罪計画聞かなあかんねん」

女「座って。早く」ギラリ

男「いちいちナイフ向けんなって! いつからそんな子になったねん、ほんま」ヨッコイショ

女「聞き捨てならない」

男「……なにがや?」

女「わたしは、そんな子じゃない」

男「肝心な部分は捨てまくってんのに、しょうもないとこだけ拾うねんな」

女「……許さない」ギラリ

男「ちょ、そんなもん持って近づいてくんなや! 危ないて! 振りかざしたら危ないて! アッー」

女「サヨウナラ」ザシュッ

男「あ、あぶな……すんでのとこでかわしたから良かったけど、椅子がバラバラに……」

女「くっくっく」

男「なにを笑うて……いや、これはまさか……!」

女「そう、これが――」

男「完全廃材ッ……! てなんでもありか!」

女「計画通り」ニヤリ

男「お前それ言いたいだけやろ……」

女「全てはわたしの手のひらの上」

男「とりあえず手の中にあるナイフは没収します」

女「わかった」ポイ

男「うわあとととっ! 投げんなや!」

女「すまない」

男「つうか今までの所業、犯罪成立してんのとちゃうかな。完全とは程遠いけど」

女「本当にすまない」ガクリ

男「はは、冗談やて。そんなマジに謝らんでも……」

女「……」タッチ

男「……あ、完全反省か! くそう!」

女「ありとあらゆる汚れを完璧に落とす――」

男「それは完全洗剤というより完璧洗剤やな」

女「見て、男。あの家、ぴったし半分壊れて――」

男「見事に完全半壊やな。もう意味わからんわ」

女「そう、そして私の計画は――」

男「完全漫才てか! もうええわ」

女「計画通り」ニヤリ



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