お嬢様「私の恋人となってくれれば報酬をさしあげます」 (54)

コンビニ

男「はあ、やっとバイトが終わった…」

男「ん?なんだあの車?」

ブォォン キキッ 黒服「…」 ガチャ

お嬢様「…」スッ

男(お抱えの運転手付き…いいトコのお嬢様か…コンビニになんて寄るんだな。) スタスタ

お嬢様「もし」

男「! えっ? 俺ですか?」

お嬢様「ええ」 ニコ

男「えーっと…」

お嬢様「覚えていらっしゃらないですか?いつか繁華街で…」

男「…! ああ!あの時の!」

お嬢様「あの時は助けていただいてありがとうございました」

男「いえいえ…」

男(あん時はボケーっとしてたから助けたって言えるかどうか…)




チンピラ「君綺麗だね!モデルかなんか?遊ばない?暇してるでしょ?」

お嬢様「離していただけますか?私は所用がありますので」

チンピラ「つれないなぁ、いいじゃんいいじゃん!俺が全部おごるからさ!ね!」

お嬢様(見聞を広めるために街に出てみたのはいいけど面倒くさい事になったわね…)

ドカッ

チンピラ「いてっ!」

お嬢様「!」

チンピラ「痛えな!!気をつけろ!!」

男「ああ…すいませんぼーっとしてて」

チンピラ「なんだてめ舐めてんのか?」グイッ

男「なんだよ…今それどころじゃねえんだ」ギロッ


チンピラ「…っ、気をつけろや!」 スタスタ

男「ちっ、」

お嬢様「も、もし」

男「?ああ、気をつけな、ここら辺はああいうの多いから…」

お嬢様「ありがとうございました。よければお礼を」

男「お礼?律儀な人だな。ありがとう。でもこれからバイトだからさ、じゃあ」




男「あの時のお礼を?」

お嬢「ずっと探していましたのよ?黒服がようやく見つけてくれました」

男「こ、これはこれはご丁寧にありがとうございます…」

お嬢「お礼としてよければ食事をと思いましたので」

男「ああ、でもごめんなさい。これから用事があるんです」

お嬢「どのような?」

男「父の見舞いです。病気なものですから」

お嬢「そうしましたらお送りいたします。黒服?」

黒服「はっ」ガチャッ

男「えっ?いやっそんな」

お嬢様「遠慮なさらず、ほんの気持ちです」

男(何もそこまでは…)

ブォォン

男(こんな事あるんだなぁ…しっかし落ち着かないな…外車だろこれ)

お嬢様「失礼ですが学生様でしょうか?」

男「はっ…はい!そうですが」

お嬢様「私もです。大学はどちらで?」

男「いやぁ、名前を言うのが恥ずかしいようなところですよ」

お嬢様「さいですか…」

男「失礼ですけど…すごい車ですね…どこかの令嬢か何かですか?」

お嬢様「ええ〇〇財閥のものです」

男「!…それはどうも俺なんかに」

お嬢様「いえ、そんなに硬くならないでください」ニコ

お嬢様「気に入りましたから…」ボソッ

病院

男「ありがとうございました。じゃあ…」

お嬢様「もしよろしければお父様にもお礼のご挨拶を」

男「えっ?何もそこまでしなくても…」

お嬢様「ここまで来てお父様にご挨拶しなければ無礼と思いましたから」

男「そ、そうですか?」

お嬢様「ええ、ぜひ」

男「そうですか…こっちです」スタスタ

お嬢様「…」コツコツ


男(特権階級の人達ってのはここまでやるのか…頭が下がるぜ…)

病室

父「男か。元気か?」

男「こっちの台詞だよ。ほらこれ土産だ。親父の好きな甘いもんだぜ」 ガサッ

父「すまないな…そこの人は?」

お嬢様「こんにちわ。お身体の方はよろしいですか?」

父「こ、こんにちわ。身体の方は見た通り…」

男「親切な人でな、ここまで送ってくれたんだよ」

お嬢様「私が困ってるところを助けていただきましたのでご挨拶にあがりました。お父様にもお礼を申し上げます」

父「これはご丁寧にどうも…」タジタジ

男「ほら親父食えよ…美味いぞ…」

親父「うん美味いな…」

男「食欲ないのか?」

親父「ああ、最近な。体力も無くなってくのが自分でも分かるよ」

男「…親父、やっぱり手術受けろよ。金は俺がバイトでなんとかする、なんなら大学辞めて働きにでるからさ、医者も手術は受けた方がいいって」

親父「手術は受けん」

男「親父…」

親父「大学をやめたら奨学金の返済はどうする?本当は働きに出たいくらいだ…借金も…それに」

男「なんだよ…」

親父「保険金が降りる…それを借金の返済にあてろ。そうすればお前を煩わせることもないだろう…」

男「はぁ?…」

親父「入院費も掛かってるんだ近々退院するぞ」

男「見殺しにしろってのかよ!!!!」ガタッ

お嬢様「…」

親父「男。どうにも出来ないことはある。これが俺の運命なんだ」

男「…」

親父「ほら他の人も見てる、今日の所は帰れ」

男「…ああ」 スッ

親父「すまない…元気でやれ…そこのお嬢さんもどうもありがとうございます」

お嬢様「…」ペコ

男「…また来るよ」


お嬢様「…」

昨日これ書いてた人?

少女「ねえ、家に帰りたい」 誘拐犯「…」 - SSまとめ速報
(http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1444619545/185-)

>>13
違います。もともと深夜vipでやってたのをもっかいやり直そうと思って立てました。

男「見苦しい所を見せてすいませんね…俺貧乏なんです…」

嬢「…」

男「借金があって…すがるところがもう保険金しかないなんて笑っちゃいますよね。ははは」

嬢「…」

男「はあ…」

嬢「心中お察しします」

男「ふふ…同情するなら金をくれですよ。じゃあ俺はこれで」

嬢「あ、…ご自宅までお送りしますが」

男「いえ、本当に大丈夫です。お礼は充分貰いました。久しぶりに人から親切にされた気がします」

男「ありがとう」

嬢「…さいですか」

ブオオオン

黒服「…」

嬢「もう…私とした事が名前を聞き忘れるなんて…あの人の名前なんていうのかしら?」

黒服「はっ、お調べになりますか?」

嬢「それもいいけど直接会って聞きたいわ」

黒服「興味があるようですが?」

嬢「くふふ…興味も何も私はもう彼の虜よ」

黒服「はっ…?」

嬢「ふふ…もうずーーーっと彼の事で頭がいっぱいなの…私の為に…身体を張って守ってくれた…」

嬢「だから黒服に彼を探すよう命じたのよ?せっかくお近づきになれると思ったのに…残念だわぁ…」

嬢「はぁぁぁ…彼の悲しい目…あんな目で見つめられたら私…ふふ…くふふふ///」

黒服「お、お嬢様…?」

嬢「はあ…黒服、彼と手っ取り早く恋人の間柄になるにはどうしたらいいかしら?私、男の人と交際なんかした事ないから…どうすればお近づきに?…」

黒服「お嬢様…随分と彼を気に入られてるようですが彼は一般人です。あなたとでは身分が」

嬢「そうなの…お父様の力が枷になるなんて…だけどそんなこと関係ないでしょう?だって好きになってしまったんですもの」

嬢「でも彼が私を令嬢だと知った途端に彼はよそよそしく…はぁ…」

黒服「お嬢様、彼は貧乏人です。そのような者とは関わらない方g

嬢「そう…そうよ!彼はお金に困ってるのよ…可哀想・…全部自分で背負い込んで…ただ一人で…」

嬢「私が伴侶になれば…一緒に背負っていきましょう…あなた様…」

嬢「いいこと思いついた…ふ、ふふ…」

黒服「お嬢様…」

男の家

カタカタ タン カタカタ

男「バイト代が10万…奨学金が16万…ここから支出が光熱費が約3万…」 ブツブツ

男「家賃7万…返済に8万…親父の入院代…」

男「ふっ、どの道足りねえな…もう借りるところもない…」 ドサッ

男「…あっ!!学費の支払い期限は来月までか…」

男「はっはっは!!どうにもならない事がある…か…」ジワッ

男「今日は夜勤だ…少し寝よう」 グスッ

嬢の邸宅

嬢「ふふふ///どうしましょう///」

嬢「秋だから紅葉を見にいきましょう。今はどこが綺麗かしら?でもそんなこと関係ないわ、彼のそばを歩けるだけでいいんだものね」

嬢「でも恋人同士だったら普通手をつなぐわよね?最近寒いから冷たい手を…あぁ///考えただけで悶々としちゃう///」

嬢「そしたらお茶をしましょう。紅葉が綺麗だってたわいもない話をして…彼だったら君も綺麗だよって言ってくれるかしら?…ふふ///」

嬢「食事はどこでもいいわね。今日は楽しかったってその日の事を思い出して、その後はもちろん」

嬢「一緒に愛を囁きあって一緒に抱き合って一緒に貪りあうわ…///」

嬢「彼は悲しみを全部私にぶつけて…私だったら全部受け止めてたっぷり愛してあげられるわ、いや私しかいない」

嬢「はぁぁ…あなたぁ…」

嬢「明日が楽しみだわぁ…はやく来ないかしら・…明日からようやく恋人同士…」

嬢「でももし彼に恋人がいたとしたら?…いやそんなことありえないわ」

嬢「だってそうでなきゃおかしいもの。仮に居たとしても彼は私を選ぶに決まってる」

嬢「彼と私の間を邪魔しているのはお父様の力だけ…私を別の世界の人間と思ってるのかしら…」

嬢「なんでこんなところに生まれてしまったのかしら…でも…」

嬢「その壁をとりさるのもまたお父様の力…よね…」

嬢「ふふ、ふふふ…あなた待っててね…私の全てをあげますわ…」

朝のコンビニ

男「ふわぁぁ…眠い…やっと終わった…」

男「退学だな…学費が払えない…仕事をさがさないとなぁ…」

男「… ん?」

ブオオオオン

男(この前のお嬢さんの車だ)

キキ ガチャ

黒服「…」 ガチャ

嬢「…」スッ

男(まだ朝6時だぞ?なんで俺が退勤する時間を分かってるんだ?調べたのか?…これも金持ちが成せる技ってやつか?)

嬢「おはようございます…」

男「…どうも」

嬢「今日はあなた様に大切なご用事があってので参りました」

男「用事…?」

嬢「ふふ、ふふふ…仔細は車の中で…」

男「どのような事なんですか?」

嬢「ですから車の中で…決して損ではありませんよ?」

男「…わかりました」

黒服「どうぞ」 ガチャ

男「…」 

嬢「ふふ…」 ニコ

嬢「黒服。適当に走って頂戴。あと会話は聞くのは勿論覗いてもダメよ?」

黒服「はっ」 ウィーン

ブオオン

嬢「そう緊張なさらないで大丈夫ですよ」

男「はい…」

嬢「そういえば名前を伺っていませんでしたね。私、嬢と申します」

男「男です…」

嬢「男様ですね…ふふ男様ですね…///」

男「…はい」

男「用事というのは?…」

嬢「ええ、男様。先日お父様のお見舞いの際に・…どうやらお金に困ってるようでございますね」

男「…はい」

嬢「どのような状況なのですか?」

男「…ふっ、恥ずかしい話…生きるか死ぬかです」

男「俺は生まれた時からずっと貧乏暮らしでした…ガキの時から親父は借金で苦しんでいました…それを間近で見てた…」

男「金が無くてひもじい思いも沢山してきました…母親も愛想を尽かして俺が5歳の時出ていって…」

男「…まぁ!とにかく普通とは無縁の暮らしですよ。親父も無理がたたったのか身体を壊しました」

男「手術を受けるにも金が無い。借金を返すにも金が無い」

男「なんとか入った大学も辞める事にもなりました…」

男「…金が必要なんです。親父の手術、学費、借金」

男「どんなん困難も乗り越えてきたつもりです…でも金だけはどうにもならなかった…」ギリッ

男「俺は…金を稼げるならなんでもやりますよ」

嬢「なんでも」

嬢「実は…あなたに頼みたい事があります…今言った言葉は本当ですね?嘘ではないですね?」

男「!!…本当です。稼げるなら片眼くらい…」

嬢「そ、そしたら契約は…成立ということでいいですね…!?」

男「…」 コクリ

嬢「そしたら私を愛してくれますよね…!!!」

男「はっ?…」

嬢「ふ…ふふっ…///」

嬢「ああ…あああ///」ズイッ

男「じょ、嬢さん?」

嬢「あなたぁ///愛しい愛しいあなたぁ///」 グッ

チュウウウ クチュウ ピチャッ クチュウウ

男「!!…っ///」

嬢「ぷはぁっ///甘い///」 ハァハァハァ

男「こ、これって!!」

嬢「そう…私と恋人同士になってもらいます…言ったでしょう決して損はしないって/// んくっ」ベロォ

チュウ チュウウウ

男「ぷはっ!…///」

嬢「っは!はぁはぁ・・・ふふ、ふふふ///ふふふふふ///もちろんタダとは言わないわ…報酬もちゃんと出す…あなたはただ私を愛して?」

嬢「いい話でしょう?…」ハァハァハァ

男「嬢さん…こんなの…」

嬢「ダメよ…”さん”なんてつけないで…私たちはもう恋人でしょう?」

嬢「あなた…呼び捨てして…」

男「…嬢」

嬢「ふふ、くふふ…///男ぉ…愛してるぅ…///」

嬢「生きてきてこんな幸せな気持ち初めてよ…」ギュウウウ

男「っ…///」

嬢「どうしたの?抱き返して?」

男(こ、こんな…こんなこと…彼女は令嬢だぞ?しかも面識なんてほとんどない)

男(金で恋人をしてくれって…俺は…)

嬢「…ねえ?」ギュウウウ

男(か、金の為だ…!!恋人くらいやってやるさ…) ギュウウウ

嬢「あはぁ///」 チュウウウウ

嬢「ふふっ…」スッ

男「ちょっと嬢さん…こんなとこで脱ぐな…」

嬢「恋人同士がこんな密室でする事なんて一つしかないでしょう?…」 プチプチ

男「待ってくれすぐそばにあんたの付き人が…」

嬢「安心して?この座席は完全防音で外からも見えないわ…/// だから…ね?」スルッ

男「っ!!///」

嬢「ほらっ…綺麗でしょう?私…あなたがは、初めてだから…///」

嬢「あなただってちゃんと私に欲情してくれてる…///」サワ

男「バカっ…」

嬢「愛してるわ…」コショコショ

男「うあっ///」

嬢「あなたの為だったら私もなんでも…」コショコショ

嬢「男…」

男「…」 スッ

嬢「ひっ!…ひん…んっ///」

男「…後悔するなよ?」ガバッ

嬢「…うん」 コク

男「…っ///」

ズプッ

嬢「ぁっ!…くぅぅ…!!」 ガシッ

男「ぅう///」 ズプププ

嬢「ぁあっ!ああ!…うぅーっ…」 ギュウウ

男「だ、大丈夫か?…」

嬢「う、うん…/// だ、だいじょう んっ///」

嬢「い、痛いけど…し、幸せ…///」

男「っ///」 ヌプッ ヌプッ

嬢「いっ…っはぁ!…///ぁあ!…」


男「嬢…もう!」

男「…っ」 ビュル

嬢「~~!!///」ギュウウウ

嬢「はあ…はぁ…はぁぁぁ///」 ギュッ

男( やっちまった…いくら恋人をやるからっていきなりセックス…)

嬢「うふふ…良かった…」 ナデ

嬢「私が喜ぶ事をした分報酬は弾むわ…こんなように…/// 」

嬢「とにかくもうあなたと私は恋人同士よ…ふふ…/// 愛してる」

男「…ああ」ナデナデ

嬢「?」 ギュウウウ


男(金で雇われた恋人か…金持ちの発想か…)

男(恋人って…俺は嬢の事は…)

男の家の前

嬢「男…ごめんなさいねこの後パーティに出席しなくちゃいけないから…ああ離れたくない…」ギュウウ 

男「そうか…送ってくれてありがとう」

男「嬢…ちょっと聞きたいんだけどな…」

嬢「ふふ、ふふふ///なぁに?男?」 ギュウ

男「報酬ってのはどれくらいもらえるんだ?」

嬢「っ…あまり報酬報酬って言わないで欲しいけど、さっきも言ったように」

嬢「ネックレス、イヤリング、旅行、洒落たレストラン…こんなありきたりなものなんかいらない…」ギュウウウウ

嬢「男が私を愛してくれればそれでいい…男が大好きだから…あなたの全部が欲しい」ギュウウウウ

嬢「ただ…ただ…私を愛して欲しい」チュッ

男「///」 チュウ

嬢「でも、もし…裏切ったりしたら…許さないから…」

ガチャ ブウウウウン

男「…恋人か」

ピロリン♪

男「メールか。嬢から…」

『不束者ですがよろしくお願いします。愛してますよ。』

男「金持ちの道楽に付き合わされてるだけだよな…?」

男「とにかく俺なりにあいつを愛したら金が貰える…それだけだ…」ピピ ピロリン♪

『俺も愛してる。』

男「俺はただ…稼ぎたいだけさ…女ってのは…」

ピロリン♪

嬢「!!…ふふ、ふふふ///愛してるって…」

黒服「お嬢様…先ほど男様とは何を?」

嬢「黒服。なぜあなたに言わなきゃならないの?あとこの事は絶対に他言無用よ?」

嬢「もし話したりしたら…文字通り首が飛ぶかも…」

黒服「は、はっ!」ゾクッ

嬢「そういえばお父様はこのあと海外出張だったわね…ふふふ男、その間ずっと一緒にいましょうね///」

嬢「男と過ごす愛の日々…ふふ」ウットリ

嬢「あぁ、会いたい…一緒に指を絡め合ってお話をしたい…/// ふふっ…くふふ///」

今日はここまで

このSSまとめへのコメント

1 :  merontoppy   2015年10月19日 (月) 01:13:34   ID: 5q1HDrIN

前読んでた続きが見れるということで
期待しています
頑張ってください

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